ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第125回先進医療会議(議事録)

 
 

2023年10月5日 第125回先進医療会議

○日時

令和5年10月5日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者


【構成員等】

新井座長 竹内座長代理 北脇構成員 近藤(晴)構成員
近藤(正)構成員 佐藤構成員 滝田構成員 手良向構成員 
長瀬構成員 比企構成員 山本構成員 
渡辺構成員 


【事務局】

医療技術評価推進室長 先進・再生医療開発戦略専門官 
医療課長補佐 研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐
治験推進室長補佐 先進医療機器審査調整官 他

 

○議題

1 新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
(先-1)(別紙1)
 
2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
(先-2)(別紙2)(告示番号旧6/ jRCTs031180254)
 
3 その他

 


○議事

16:00開会

 
○新井座長
 それでは、ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。
 まず、初めに構成員の先生方の出席状況でございますが、松山構成員が御欠席です。
 欠席されます松山先生からは委任状の提出があり、議事決定につきましては座長に一任するとされております。竹内先生は、遅れて参加の見込みとのことであります。
 その他の先生は、全員御出席でございます。
 次に、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
 それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、「新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」として、「先-1」「別紙1」がついてございます。
 続きまして、「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」として、「先-2」及び「別紙2」がついてございます。
 資料につきましては、以上でございます。
 今回の先進医療会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日、使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。
 発言者は、会議資料(公開資料)のページ、またはタブレット資料(非公開資料)のページとあらかじめ御発言いただきますと、議事の進行上、助かりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 資料等についてはよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございませんでした。
 よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 そのほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○新井座長
 ありがとうございます。
 それでは、次に「新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」の資料が提出されております。1件でございますが、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 それでは、資料について御説明させていただきます。
 「先-1」の資料に基づいて説明したいと思います。
 受理番号159番でございますが、技術名は、タミバロテン内服投与及びペムブロリズマブ静脈内投与の併用療法でございます。
 適応症につきましては、二次治療抵抗性膵臓がんとなってございます。
 今回、名古屋大学医学部附属病院から申請がございました。
 かかる費用につきましては、それぞれ表にお示ししたとおりでございます。
 次に、「別紙1」の技術の概要につきまして説明したいと思います。
 1ページ目の(先進性)の欄で1段落目でございますが、「膵癌に特徴的な病理像として高度な癌関連線維芽細胞(CAF)と線維性間質の増生が挙げられる。膵癌間質の主要な構成成分であるCAFの機能として、多様な増殖因子やサイトカイン・ケモカインを分泌することにより、がんの悪性化、転移、血管新生、化学療法抵抗性を促進するため、CAFの増生は①間質圧上昇に伴う血管の虚脱を誘導し、癌細胞やリンパ球等の標的細胞への治療薬の到達を阻むこと。②マクロファージやリンパ球の形質変化を誘導し、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)感受性を低下させることが報告されている。」とのことでございます。
 続いて2段落目になりますが、「申請者は、癌抑制性CAFの初の機能性マーカーとして、線維芽細胞に特異的なMeflinを同定し、非臨床試験における結果から、タミバロテン(AM80)がCAFの形質だけでなく、腫瘍免疫環境も変化させ、ICIの抗腫瘍効果も増強させる効果を確認した。」とのことでございます。「膵癌は予後が非常に悪く、二次治療以降の適切な治療法が存在していないこと、また、膵癌は主要な難治癌の中で間質(主要な構成成分はCAFである)の割合が最も高く、AM80による効果が最も期待される。」とのことでございます。「本研究では、CAFの形質を変換することで、ICI不応性の膵癌を感受性に変換させる新規治療法の開発を目指す。」とのことでございます。
 その下の(概要)欄のところでございますが、具体的な投与法の記載がございます。「全ての対象者に非盲検下でAM80として6mg/m2を1日2回に分けて、原則、ペムブロリズマブの投与1週間前から投与開始前まで7日間経口投与し、AM80の投与終了後、ペムブロリズマブとして1回200mgを、原則、3週間間隔で点滴静注する。原則、3週間(21日間)を1コースとし、病勢進行、もしくは許容できない有害事象等が発現するまで、最大8コース継続する。」とのことでございます。
 おめくりいただきまして、3ページ目を御覧いただきますと、タミバロテン及びキイトルーダ、これはペムブロリズマブのことでございますけれども、その薬事承認の適応症の記載がなされておりますが、こちらについては今回の適応症から適応外である、未承認であるということでございます。
 「先-1」の資料にお戻りいただいてもよろしいでしょうか。
 「先-1」の記載がございますように、先進医療Bの3番の規定、「未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴う医療技術」に該当すると考えられまして、このたび先進医療Bへの振り分け案を提示させていただきました。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か御質問ございますでしょうか。
 よろしいですか。
(構成員首肯)
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、受理番号159番の技術については、先進医療Bとして振り分けさせていただきたいと思います。
 続きまして、事務局から「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されております。事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料「先-2」に基づいて御説明をさせていただきたいと思います。
 今回、旧告示番号6番として実施されておりました「腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術における術中のマイトマイシンC腹腔内投与及び術後のフルオロウラシル腹腔内投与の併用療法」につきまして、国立国際医療研究センター病院から総括報告書の提出がございました。
 まず適応症のところでございますが、「腹膜偽粘液腫(画像検査により肝転移及びリンパ節転移が認められないものであって、放射線治療を行っていないものに限る。)」となってございました。
 「医療技術の概要」のところでございますが、「腹膜偽粘液腫は年間100万人に2人が発症する非常に稀な疾患であり、腹腔内に多量の粘液が貯留する病態である。腫瘍は遠隔転移を来たさないものの、ゼリー状の粘液は時間とともに増加し、腹腔内に充満する。」とのことでございます。その後、「5年生存率34~67%、10年生存率21~32%とその長期予後は不良である。」という記載がございます。
 2段落目、「本研究では、腹膜偽粘液腫症例に対して減量切除と周術期腹腔内化学療法を行い、有効性と安全性の評価を行った。」とのことでございます。
 おめくりいただきまして有効性のところでございますが、「PPS解析対象例60例の5年全生存割合は、76.7%であった。」とのことでございます。
 続きまして「安全性の評価結果」のところでございますが、FAS解析対象例の完全減量切除術施行例における「術後合併症/薬物有害反応」の発現率については75.8%であったとのことでございます。
 「結論」のところでございますが、「主要評価項目の主解析であるPPS解析対象例60例の5年全生存割合の95%信頼区間下限値63.8%は閾値として設定した50%以上であり、点推定値の76.7%は期待値として設定した65~75%を上回る成績であったことから、腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術における術中のマイトマイシンC腹腔内投与及び術後のフルオロウラシル腹腔内投与の併用療法の有効性が確認された。ただし、「術後合併症/薬物有害反応」含め有害事象が高率に発現するため安全性に十分注意する必要がある。」とのことでございます。
 続きまして、担当者の評価について説明をさせていただきます。
 「別紙2」の3ページ目を御覧いただければと思います。
 主担当の平田構成員の御評価でございますけれども、有効性に関しましては「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である。」、安全性に関しましては「C.問題あり(重い副作用、合併症が発生することあり)」、技術的成熟度に関しましては「C.当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした体制を取っていないと実施できない。」とのことです。
 総合的なコメント欄ですが、「本試験の結果から、腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術における術中のマイトマイシンC腹腔内投与及び術後のフルオロウラシル腹腔内投与の併用療法は一定の有効性はあると判断するが、安全性に関しては重篤な有害事象の発現は高頻度に認められ、本技術の標準化や均てん化が今後の課題と考える。」とのことでございます。
 薬事承認申請の効率化に資するかどうか等の助言欄でございますけれども、「本試験の対象が希少疾患であることを踏まえると、本試験で得られたデータは意義があると考える。本試験での症例数は少ないことから、適切な承認条件を付すことにより、市販後の安全性を確認できる場合には添付資料の1つになり得ると考える。」とのことでございます。
 続きまして、副担当の山本構成員の評価でございます。有効性に関しましては「E.その他」、安全性に関しましては「C.問題あり」、技術的成熟度に関しましては「D.その他」とのことでございます。
 技術専門委員の上野委員の御評価でございますけれども、有効性に関しましては「A.従来の医療技術を用いるよりも大幅に有効である。」、安全性に関しましては「C.問題あり。」、技術的成熟度に関しましては「C.当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした体制をとっていないと実施できない。」とのことでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
○比企構成員
 質問ではないのですけれども、よろしいでしょうか。
○新井座長
 比企先生、どうぞ。
○比企構成員
 比企でございます。
 この手術は、もうかなり昔から行われていて、腹膜偽粘液腫の腹膜を切除するような手術になってしまって、手術自身がかなり重篤になり得るというか、侵襲が大きな手術でございまして、極めて限られた人しかやっていない手術になります。
 ただ、非常にうまくそれをやってコントロールすればいい結果が出るよと主張され、そういう意味では、そこに一生懸命やられている方はおられますけども、一般的にこれを保険に持っていってという技術とはちょっと言えないのではないでしょうか。
 したがいまして、手術自身の合併症も27%と高いですし、合併症が起きるとかなり重篤になり得るので、そういった意味では保険収載にはかなり厳しいのかなというふうに思いました。 
○新井座長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日の議題は残りで「その他」ということになっておりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 特にございません。
○新井座長
 構成員の先生方から何かございますでしょうか。
 特にないようですので、それでは本日の議題は以上としたいと思います。
 次回の開催について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和5年11月2日木曜日の16時を予定しております。場所につきましては、別途御連絡させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、第125回の「先進医療会議」はこれをもって終了といたします。
 御協力ありがとうございました。

 

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第125回先進医療会議(議事録)

ページの先頭へ戻る