先進医療合同会議(第117回先進医療会議、第142回先進医療技術審査部会) 議事録

日時

先進医療合同会議(第117回先進医療会議、第142回先進医療技術審査部会)
令和4年12月8日(木)16:00~

先進医療会議(第117回先進医療会議)
令和4年12月8日(木)16:50~
 

場所

オンライン開催

出席者

先進医療合同会議(第117回先進医療会議、第142回先進医療技術審査部会)
【構成員等】
新井座長 近藤(晴)構成員 近藤(正)構成員 佐藤構成員
滝田構成員 松山構成員 山本構成員 渡辺構成員  
上村(尚)構成員  一家構成員 上村(夕)構成員 

【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 先進・医療機器審査調整官他


先進医療会議(第117回先進医療会議)
【構成員等】
新井座長 近藤(晴)構成員 近藤(正)構成員 佐藤構成員
滝田構成員 松山構成員 山本構成員 渡辺構成員 

【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 先進・医療機器審査調整官他
 

議題

先進医療合同会議(第140回先進医療会議、第171回先進医療技術審査部会)

1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
 (先-1)(別紙1)


先進医療会議(第140回先進医療会議)

1 令和4年度先進医療技術の実績報告等について
(先-1-1)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)
(先-1-2)(先-1-3)
 
2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)(別紙1)
 
3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
(先-3)(別紙2)(告示番号旧1/ jRCTs041180023)
 
4 その他

議事

 

先進医療合同会議
16:00開会

○新井座長
 それではただいまより、認定臨床研究審査委員会で承認されました先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について、先進医療合同会議を開催いたします。
 構成員の出欠状況でございますけれども、本日は竹内座長代理、比企構成員より御欠席との連絡をいただいております。
 欠席されます構成員の先生からは委任状の提出があり、議事決定につきましては座長に一任するとされております。
 また、先進医療技術審査部会から、上村尚人構成員、一家構成員、上村夕香理構成員に出席していただいております。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿と続きまして、先-1「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価等について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙1がついてございます。
 資料につきましては、以上でございます。
 なお、今回の先進医療合同会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいている資料を閲覧していただきます。発言者は会議資料(公開資料)のページまたはタブレット資料(非公開資料)のページなどとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○新井座長
 資料等についてはよろしいでしょうか。
(確認の意思表示あり)
○新井座長
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から御報告いただきます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告申し上げます。
 新井座長より、先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について、における整理番号166の技術について報告がございました。
 新井座長におかれましては、検討対象技術について、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 出席されている構成員におかれましては、利益相反はないということでよろしいでしょうか。
(確認の意思表示あり)
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは次に、「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほど御説明申し上げましたように、新井座長は当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになりますので、大変申し訳ありませんが、御退席いただきますようよろしくお願いいたします。
(新井座長 退席)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 なお、以降の進行につきましては、本日、座長代理の竹内先生が御不在でございますので、佐藤構成員にお願いしたいと思っております。
 それでは、事務局から御説明をさせていただきます。
 それでは、「先-1」を御覧ください。
 今回、御審議いただきます技術は、整理番号166番、技術名は、抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法でございまして、適応症につきましては、軽症から中等症の左側・全大腸炎型の潰瘍性大腸炎患者でございます。係る費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 先進医療技術審査部会における事前評価につきまして、主担当として上村尚人構成員、副担当を、一家構成員、上村由夕香理構成員にお願いしてございまして、総評としては「適」と御評価いただいております。
 また、先進医療会議における事前評価につきましては、松山構成員にお願いしてございまして、総評として、「条件付き適」の御評価をいただいております。
 続きまして、医政局研究開発政策課より、追加の御説明があります。よろしくお願いします。
○研究開発政策課長補佐
 事務局でございます。
 お手元の資料、「先-1」別紙1、41ページを御覧いただけますでしょうか。
 こちら、様式第9号として、左上に記載してございますが、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものとしてお示しさせていただいております。
 I.実施責任医師の要件ですが、診療科は消化器内科が必要、資格は日本消化器病学会専門医が必要、診療科の経験年数は5年以上必要、当該技術の経験年数は不要、当該技術の経験症例数は不要となっております。
 II.医療機関の要件ですが、診療科は消化器内科が必要、実施診療科の医師数は、具体的内容としまして、以下の2つの要件を満たすものとする。・大腸内視鏡経験年数5年以上の医師1名以上。・当該技術の助手または術者としての経験症例数1例以上の医師1名以上(1名の医師が上記2つの要件を満たす場合は、本要件を満たしたものとする)。経験症例数の補注としまして、潰瘍性大腸炎以外の疾患(クロストリディオイデス・ディフィシル感染症、クローン病など)に対する腸内細菌叢移植の経験症例数(抗菌薬前投与の有無は問わない)を含むが必要。他診療科の医師数は不要。その他医療従事者の配置は不要。病床数は400床以上が必要。看護配置は7対1看護以上が必要。当直体制は、内科医師1名以上が必要。緊急手術の実施体制は必要。院内検査の24時間実施体制は必要。他の医療機関との連携体制は不要。医療機器の保守管理体制は必要。医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要。
 III.その他の要件ですが、頻回の実績報告は不要。
 以上でございます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございました。
 それでは、以降の進行を、佐藤先生よろしくお願いいたします。
○佐藤構成員
 佐藤でございます。それでは、代理として進行を務めさせていただきます。
 本件につきましては、先進医療技術審査部会において、事前評価をいただいております。主担当は上村直人構成員、副担当は、一家構成員、上村夕香理構成員にお願いしております。それぞれの先生からコメントをいただきたいと思いますけれども、初めに上村尚人構成員から、概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。
○上村(尚)構成員
 それでは、よろしくお願いいたします。
 先ほどの事務局から御提示いただいた別紙1を参照いただけたらと思うのですけれども、本件は、抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(以下、A-FMT療法)と申しますけれども、申請医療機関としては、順天堂大学医学部附属順天堂医院であります。
 潰瘍性大腸炎ですけれども、生涯にわたって病勢をコントロールしていくという必要があります。その中で、難治例に移行させない戦略というところが非常に重要ですが、過去においては、ステロイドの経口投与も含めて、非常に選択肢が限られている中で、局所でのステロイドの療法が最近、適応を取って承認されているという状況があると聞いております。その中で、一部の潰瘍性大腸炎の患者さんの中には、左側・全大腸炎型と言われるタイプの疾患をお持ちの患者さんがいらっしゃる。そういった患者さんに対しては、そういう局所でのステロイドが今のところ使えないという状況の中で、ステロイドを使う前に、何とかステロイドを使わずに寛解に持ち込むことができれば、患者さんにとっては非常にメリットがあるということで、このA-FMT療法が研究されているという背景があったかと思います。
 左側・全大腸炎型UCの場合には、5-ASA製剤で効果が不十分または不耐となった場合に、これまでと全く異なる新しい作用メカニズムを有する治療法として、ステロイドに移行する前の方法として、寛解導入を目指したA-FMT療法が今回の技術の内容です。この研究ですけれども、軽症から中等症の左側・全大腸炎型の潰瘍性大腸炎患者を対象に多施設共同単群試験で、抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法を実施した際の寛解率を主要評価項目として、さらに、その安全性についても検討していくということであります。
 主要評価項目としましては、FMT治療開始後8週間における寛解率、それから、副次的な評価としましては、MMDAI(Modified Mayo Disease Activity Index)という臨床で使われる重症度の指標になりますけれども、それの各サブスコアの推移、それから、Mayoスコアの各サブスコアの推移、それから、安全性につきましては、有害事象、臨床検査、バイタル等を見ていくということで、探索的な項目としては、各種のメタゲノムあるいはメタボローム解析等を行いながら、あとは、患者さんとドナーとの関係性の部分集団解析等を行っていくということであります。
 目標の症例数としては37名でありまして、後で、これは、また議論になろうかと思いますけれども、患者さん自体は、UCの患者さんは比較的限られている中で、さらに、左側・全大腸炎型というところで限局されていきますと、患者さんの数としては、いわゆるフィージビリティという面において、試験そのものは、実施が大変な試験ということで、そういったところも含めて、37例が提案されております。
 実施体制の評価としましては、私は「適」とさせていただきました。特に、この実施責任医師グループですね。これまでも、このテーマで臨床研究等を既にかなり実証されておりまして、ある一定の経験を踏まれた上での御判断ということでしょうけれども、比較的安全に実施ができているという現状を踏まえますと、御提案されているような責任医師の体制とか、あるいは実施医療機関の体制というところについては、特に問題がないだろうということで判断いたしました。
 それから、医療技術の有用性というところに関して少しコメントをさせていただこうと思います。これにつきましても、基本的には「適」だと思っております。けれども、少し補足するコメントとしては、先行している臨床研究があるとただいま申し上げたのですが、確かに、一定の有用性が十分に期待される医療技術であると考えられます。対象の疾患は、比較的特殊性があるということですので、試験そのものが、患者さんの数も限られておりますし、単群での臨床試験として計画をされておりますので、有効性については、この試験におきましては、ヒストリカルなデータとの比較が予定されているということですね。
 ここにつきましては、過去の研究者の報告によれば、具体的には、彼らは、この寛解率につきましては、40%前後を期待値として想定されているようですけれども、妥当な数値かと思っております。引用されている論文の中に、いわゆる今回比較対象とするヒストリカルデータが出てまいります。そのデータによりますと、研究者もそのように報告されているのですけれども、奏功率で20.5%ということで、21%というところを奏功率のthresholdということで設定されております。
 ただ、この21%という数字ですけれども、全く問題がないというわけではございませんでして。そもそもヒストリカルデータ自体が、Nが非常に小さいという問題があります。それもあって、真の奏功率がどの辺にあるかというところについては、まだ不確かな状態であるのかと感じております。なので、実際に引用されている論文を拝見しますと、信頼区間を見てもそれなりの幅が存在しているということです。申請者が、Clopper-Pearson法でヒストリカルデータから推定している90%信頼区間の上限が大体33.9%と、照会事項に対する回答の中で得られておりますけれども、その33.9%を超えられるかどうかというところに関して言うと、仮に、期待寛解率が40%前後ということで設計していくと、400症例ぐらいの臨床試験を組まないとその優越性というところが証明できないということです。なので、一定の有効性は期待できるものの、試験そのもののサイズが小さいこともあって、本当の意味での優越性を確認するというところに関しては、今回の試験では苦戦をするだろうということが予測されております。
 一方で、ヒストリカルデータについていろいろな考え方があるかと思うのですけれども、必ずしも点推定での21%を使ってはいけないということでもないでしょうし、コクランライブラリによるシステマティックレビューがありまして、その中での同種の疾患に関してのランダム効果モデルでの寛解率が推定されていますが、その中の寛解率は12%で、ここでの95%信頼区間は9~15%ぐらいであります。もしも、コクランライブラリのシステマティックレビューの数字を採用するということであれば、今回、御提案されている閾値寛解率21%という数字は、十分にその妥当性を支持できるものかと思っています。
 今回の研究ですけれども、21%のthresholdで検討するということでありますので、その有効性を探索的に評価するということに関しては、目的を十分達成することができるかと思いますが、繰り返しになりますけれども、ヒストリカルコントロールの考え方、あるいは取り方によっては、厳密な意味での優越性を検証したことにはならないという結論に至る可能性があるということを、技術審査部会でも十分に理解しておく必要があるかと思います。
 問題は、この案件だけではなくて、先進医療一般に言えることかと思うのですけれども、研究者の先生方は一生懸命試験をエンロールされて、数年あるいはもっと長い時間をかけて結果を出されるわけですけれども、結果的には、示された有効性が探索的な有効性ということになってしまって、その後、数字は出ましたが、検証的な治験等をやるようにお願いしますということがこれまでも多々ありました。この試験についても、そういったことにならないように、出口については、この試験を開始された後に、継続的に少し考えていく必要があるのかなと思いました。
 1つは、検証的な治験へ移行することで、早い段階での承認申請を目指すことも考えられますし、あるいは、Nが小さいというところは非常に問題かと思いますので、統計学的な問題は多少あろうかと思いますけれども、アダプティブな考え方で、Nを増やして、長期的な有効性も含めて、この技術の真の優越性を示す。それから、安全性についても十分な検証ができるようなデータセットを出すことによって、最終的には承認申請に耐えられるような資料を提出できる状態にすると、そういった開発の戦略は必要だろうと考えました。
 少し長くなりましたけれども、私からのコメントとしては、以上になります。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。非常に分かりやすくといいますか、丁寧に御説明いただきました。
 それでは、続きまして、一家構成員から、主として倫理的な観点からということで評価をお願いいたします。
○一家構成員
 よろしくお願いします。一家でございます。
 先ほどの画面を共有していただいてもよろしいでしょうか。3ページの上のほうに書いてありますのが私の意見であります。
 私は、研究対象者向けの説明文書と同意文書を中心に審査をさせていただきました。この後の5ページ以降に出ている質疑応答が、私の審査意見に基づいて研究者とやりとりをさせていただいたという内容になっています。それを御覧いただくと分かると思うのですが、最初に申請された説明文書に対しては、多岐にわたる修正提案をさせていただくことになりましたが、結果的に、私が申し上げた提案に基づいて適切に修正対応いただいたと評価しております。
 また、ほかの先生方の御意見も拝見しながら気になったことになるのですが、将来的なこの医療技術の普及の段階での検体提供者、ドナーの方の確保に課題があるように考えますが、検体提供者、ドナーの方を募集する場面で、倫理的配慮、具体的には、不当な強制力のようなものが働かないようにしていただきたいと、この点は注意をしていただきたいということを、コメントとして申し上げた次第です。
 私からは、以上です。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。申請者等からの照会事項を介してということで、いろいろやりとりをしていただいて、その上で、「適」という御評価と理解いたしました。ありがとうございました。
 それでは引き続きまして、上村夕香理構成員より試験実施計画等の評価をお願いしたいと思います。上村(夕)構成員、よろしくお願いいたします。
○上村(夕)構成員
 よろしくお願いします。上村です。
 繰り返しになりますが、本研究は、ステロイド局所製剤の適応のない左側・全大腸炎型の潰瘍性大腸炎の患者さん37例を対象として、A-FMT療法の有効性及び安全性の評価を目的として企画されております。
 主要評価項目としましては、A-FMT治療開始後8週時における寛解率でありまして、国内で実施された潰瘍性大腸炎患者を対象としたフェーズ3の臨床試験プラセボ群のデータをヒストリカルコントロールとして用い、奏功率の閾値21%と比較する多施設共同単群試験として計画され、探索的試験の位置づけになります。
 単群試験としての実施になりますので、この治療法の有効性の評価に当たりましては、一定の限界はあると考えておりますが、次からお話しします3つの点を踏まえて、探索的試験としては、一定の有効性を評価可能だと考えております。
 まず1点目は、本試験で比較対象としている臨床試験のプラセボ群ですが、こちら、投与経路、患者選択基準、評価基準を様々な側面で比較しているのですけれども、そういったものが本件で言うと同等であって、ヒストリカルコントロールとして用いることについて一定の妥当性があると考えております。
 また、本治療法は、本疾患症例に対する局所治療、局所療法のアンメットメディカルニーズを満たす新たな治療オプションを提供するものであって、厳密に比較対象可能な治療法が現時点ないということ。
 そして、3点目としましては、本疾患症例が、本邦において約4,600名程度と少なく、十分な症例を集めることが難しいなど、実施可能性の側面というところを踏まえまして、今回の治療計画については「適」と評価しております。
 また、先ほど、閾値の考え方について上村(尚)構成員より御発言いただきましたが、私も同様に考えております。少ない症例のヒストリカルデータの点推定値を閾値と設定する適切性については、多少懸念は残りますが、データアナリシスの結果も踏まえて許容可能と考えております。
 ちなみに、このメタアナリシスで用いている臨床試験でございますが、今回対象としている患者さんよりもより軽度の直腸炎の患者さんも含めたことでの閾値でありますので、そういった意味では御指摘なものになるのではないかと考えております。
 また、照会事項として幾つか挙げておりますが、主要評価項目が測定される8週時前に中止した症例におけるイベント判定等についての記載が、複数箇所で不適切な箇所があるところがございましたが、こちらについては、適切に御対応いただいております。
 ほかの有効性及び安全性の評価方法であったり、モニタリング体制及び実施方法などを含めまして、全て「適」とさせていただいております。
 以上になります。
○佐藤構成員
 ありがとうございました。
 3名の先生方から御評価いただきました。そうしましたら、先進医療技術審査部会のまとめといたしましては、上村尚人構成員から、改めてお願いしたいと思います。
○上村(尚)構成員
 ありがとうございます。
 結論から言うと、「適」と判断いたしました。今、議論があったとおりで、探索的な位置づけであれば十分受け入れ可能なデザインですし、しっかりとした体制で今までも研究されてきて、その延長線にあるようなお話でしょうから、体制もしっかりしていて、十分なものがあると思っています。
一方で、繰り返しになりますけれども、出口をどうするかというのを早い段階から考えておかないと、これは、3年後、4年後に、また同じように、検証的な試験をやりましょうねみたいな話になるのか、あるいは研究者が公知申請も含めて承認申請をお考えのようですけれども、本当にそういったことが可能かどうかというのは、海外でのデータの蓄積等も含めて考えていく必要があるかと思います。
 ということは、いろいろな状況が今後変わってくる可能性があるということですので、先進医療の考え方としては、なるべく早い段階で、いいものは患者さんに届けようということがあると思いますので、そういったことを考えると、せっかくいいものを御提案いただいていますので、我々の部会としても、そういった考えに基づいて支援をしていく、評価をしていくということが重要かと思います。
 ちょっと個人的な意見は、もったいないなという気がします。というのは、過去にも同じような研究をもう既にされているのですね。これはいわゆる臨床研究としてやられていると思いますけれども、100人近い患者さんを対象にした、ほぼ同様の試験は生まれていて、今回ほぼそれの焼き直すと言ったら失礼ですけれども、同じような研究になっています。なので、その段階で、もし今回40例近い患者さんが入れば、もう140例なのですね。確かに400例は非常にハードルが高いと思いますけれども、安全性というところも含めた話、あるいは長期的な予後等に関しての影響も含めての話だと思いますので、国内での患者さんのデータをしっかり見ていくということに関して言うと、少なくとも、40例では多分足りないわけで、もう少し、100人とか200人、300人、どのぐらいのデータセットが本当に適切かどうかはいろいろな考え方があるので、この場では結論が出ないと思いますけれども、基本的には、有効性と安全性に関しての評価ができる十分なデータセットがあることが大原則だと思います。その中で、必要に応じて海外のデータとかも見ていくことは重要かと思いますけれども、この順天堂大学さんは、こういう非常に先進的な取り組みでやられているわけですから、海外データにある程度依存せざるを得ないのもわかりますけれども、日本でのエビデンスをいち早く構築していただいて、それで、承認申請にたどり着くようにやっていただくことを願っております。
 ただ、探索的な位置づけでやられるということでありますので、この試験デザインは単群試験で、評価が難しいヒストリカルコントロールとの比較ですので、いろいろな問題もあるかと思いますけれども、技術を評価する段階においては、適切な御提案かと思いますので、「適」とさせていただこうと思います。
○佐藤構成員
 ありがとうございました。
 それでは続きまして、先進医療会議の事前評価ということで、松山構成員にお願いしております。松山先生、御説明いただけますでしょうか。
○松山構成員
 松山です。「先-1」の別紙1の20ページ目を御覧ください。
 今まで御説明いただいたことに関して、私もほぼ同意見でございます。これまで順天堂大学さんたちの研究チームの成果から、移植なしの抗菌薬単独療法、AFM療法単独でもそれなりの寛解率が期待されるデータは幾つも出ているように見受けました。ただ今回は、併用レジメンの効果を見たいということなので、ヒストリカルなプラセボと併用抗菌薬プラス移植という、二群比較ということで理解いたしました。
 基本的には探索的側面が強い研究だとは思いますけれども、私個人といたしましては、まず資料でいきますと、倫理的な問題は、私としてはないと考えました。現時点での普及は、適応のものがないので、普及していないのは当然だということです。
 効率性に関しては、ないので、普及すればいいということなのですが、一点、将来の薬事申請のことを考えると気になる点としいたしましては、エンドポイントとして、FMT療法後の8週目の寛解ということになっていますが、潰瘍性大腸炎のことを考えると、寛解の維持に関して、寛解維持の効果がどの程度あるのかというのは、今回の研究では少し分からないのではないかという点、それと、移植をするときの腸内細菌叢溶液を、今回の研究では問題ないのでしょうけれども、安定かつ安全に供給する、どこの病院でも供給できる体制が本当にできるのだろうかという点は少し気になりました。これは、今回の研究を行う上では、特に問題とはならないのですが、先ほど御指摘いただいたように、将来の薬事申請等を考えると、このデータだけでそれが耐えられるものかどうかということに少し懸念を持ちました。やはり検証的な試験が何らかの形であるべきではないかなと考えました。
 総評といたしましては、今申し上げたとおりでございますけれども、条件付きと書きましたのは、先ほど申しましたように、寛解維持の効果の長期効果、それから、腸内細菌叢溶液の供給の話ですので、今回の研究を行う上では、特段大きな条件というわけではございません。
 私からは、以上です。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。
 それぞれの先生方から大変丁寧な御説明をいただきました。これについて、これから議論したいと思います。
 各構成員の先生方、御質問あるいは御意見等ございましたら、いただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 どうぞお願いします。
○渡辺構成員
 日本医師会の渡辺でございます。今、松山構成員がおっしゃられた点が、私ちょっと疑問で、お聞きします。腸内細菌叢用液の供給に関して、腸内細菌叢が、この適応的確なもの、または、理想的なものがきちんと採取できたら、それをずっと培養して使うのか、それとも、対象が維持できなかったら、その細菌叢のレベルによって結果が変わってこないのかなということについて疑問に思います。一定の細菌叢をまとめて全ての患者さんに同一の細菌叢の溶液を使用することを想定されておられるのかというのが、分かりにくいのですが、これはどういう体制になっているのですか。
○松山構成員
 この点に関しては、私よりも別の構成員の方のほうがよろしいかと思うのですが、一定のものをつくっているわけではなくて、ドナー、レシピエントの関係で、ある患者さんに対してドナーを設けて、そのドナーからの腸内細菌叢と私は認識しておりました。
○渡辺構成員
 ですね。だから、その細菌叢が、当然個人差がすごくあるわけですので。
○松山構成員
 あると思います。
○渡辺構成員
 適格というところの判断が一定でないと、当然それは結果に反映してくるのではないかと思ったので、その点をどのような形でクリアなされるのかなというのがちょっと分からなくて、お聞きさせていただいた次第です。
○松山構成員
 私も、それは思います。合わなければうまくいかない可能性は高いと私も思います。それを含めての評価だと認識はしています。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 すみません。事務局でございます。少し補足してもよろしいでしょうか。
 今回の渡辺先生の御指摘は、移植するドナーの細菌叢の違いによって治療効果が異なる可能性はあるかないかというところでよろしいでしょうか。
 こちらに関しまして、事前に申請医療機関に少し情報をいただいておりまして、申請者らの先行研究において、本試験の評価項目のような短期治療効果において、ドナー便細菌叢組成やドナーと患者の関係性は関連しなかったということを既に報告されているようです。
 一方で、申請者らの先行研究では、長期治療効果(寛解維持)においては、ドナー患者さんとの関係が重要であることも報告しているものでございまして、申請者らとしても、ドナー細菌叢は非常に重要なポイントであると認識しているとのことです。現在も、後方視的にレトロスペクティブにドナー便細菌叢と治療効果についての研究は進めており、本試験においても、別研究として解析を行っていく予定とのことでございます。
 以上です。
○佐藤構成員
 渡辺先生、よろしいでしょうか。
○渡辺構成員
 理解いたしました。ありがとうございます。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。
 ほかの構成員の先生方から、御質問・御意見等はございませんでしょうか。
 どうぞ、近藤(晴)先生。
○近藤(晴)構成員
 近藤でございます。ちょっと専門ではないので、かなりとんちんかんな質問になってしまうかもしれないのですが、別の資料で、今日、後で審議するものだと思うのですが、「先-1-2」の資料を見ますと、同じFMT療法が難治性のClostridioides difficile感染症に対してというのが先進Aで認められている状況ですが、今回、先進Bで出されていまして、対象も違うし、抗生剤を使うとかそういったところが違うのかなとは思うのですけれども、それは、位置づけとしては問題ないのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。近藤先生、ありがとうございます。
 こちらの「先-1-2」の資料でございますが、告示番号38番かと思いますけれども、滋賀医科大学医学部附属病院から申請があった3ページ目でございますね。こちらは一応先進医療Bに入っておりますので、同じ先進医療Bの枠組みでございます。
○近藤(晴)構成員
 こちらはBですよね。失礼いたしました。
 あと、ちょっとこれから先のことになるかと思うのですが、先ほどのドナー、レシピエントの関係という形ですが、ドナーと言っても、生体組織ではない細菌叢のものなので、それの扱いは将来的にどういうふうにするべきなのかというのが、これから先、もしも、いろいろな保険とかにやるとなったら、問題になってくるのかなと思って、拝聴しておりました。急ぐのかどうかとかですね。
○佐藤構成員
 事務局、その点、このお薬は医薬品として、便のほうは、薬事上といいますか,取り扱い上は、医薬品扱いではないということでしょうか。それとも、その辺はまだこの先の議論といいますか、厚生労働省側としてもこれからなのでしょうか。事務局のほうで分かりますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。事務局です。
 一応今回のロードマップを御覧いただきますと、27ページでございますけれども、抗菌薬併用療法につきましては、薬事承認を目指すという立てつけになっておりますけれども、こちらに関しては、抗菌薬のみでございます。腸内細菌叢溶液に関しましては、今のところ、薬事の該当性はないことを確認させていただいております。
 以上です。
○佐藤構成員
 該当性がないということは、技術といいますか、薬の部分が薬事で承認されたら、保険収載は、技術としてそのまま付随して承認されるという理解でよろしいということですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 佐藤先生、おっしゃるとおりでございます。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。
 近藤(晴)先生、今の御説明でよろしいでしょうか。
○近藤(晴)構成員
 了解いたしました。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。
 ほかにどなたか、御質問等ございますでしょうか。
 すみません、ちょっと私からでもよろしいですか。事務局さん、今のロードマップをもう一回出していただけますか。
 多分、これは上村尚人先生に御質問といいますか、何といいますか、僕も、今回のものを探索的という位置づけでやることは、きっと可能だと思ったのですけれども、先生の御指摘のとおり、将来の薬事戦略を考えたときに、そこまで考えたときに、今回のこのデザインでいいのか。先生も御指摘したとおり、中途半端で終わって、また一から始めるようなことが起こらないかというのは非常に懸念とされているところで、先生もアダプティブなこともちょっとコメントされていらっしゃいましたけれども、申請者は、この規格を踏まえて、公知に行って、公知が駄目なら、また、新しいデザイン云々と書いてあるのですね。
 今回の抗菌薬の併用3剤とも、これはもう本当に古い薬で、ジェネリックもあるものですけれども、潰瘍性大腸炎では、薬事は取れてないのですね。企業側があまり積極的になるとは思えない状況だと思うのですけれども、そういうことを踏まえた上で、ここだけ見るとやっていいかもしれないけれども、先生も御懸念された、全体の戦略として、本当にいいのかなというのが、僕も疑問なのですけれども、先生、すみません、ちょっと繰り返しで恐縮ですけれども、コメントをいただけますでしょうか。
○上村(尚)構成員
 こちらの会議で発言していいのかちょっとよく分からないですけれども、参考の意見として述べさせていただきたいのですけれども。これすごく難しいですよね。というのが、もう既に指摘されていますけれども、複数のファクターが入り過ぎているので、簡単な話ではないと。まず、そもそも抗菌薬の使い方ですね。これが3剤あるわけです。そうすると、この3剤のレジメンの決め方は、3つの薬のそれぞれの薬効が組み合わせになっていますので、本来だと、これはいわゆるその要因を解析するような手法ですね。ファクトリアルデザインというデザインで、本当はやらないと決着つかない話なのです。
 ですが、それは多分技術上不可能なのですね。3剤のファクトリアルを僕は見たことなくて、できないと思います。つまり、2×2×2でさえも何乗になるのですかね、何通りもあるわけですよね。さらに、この問題は恐らくですけれども、先行するその抗菌薬の部分については、今後、場合によっては、例えば耐性菌の問題とか耐性株の出現とか、いろいろな、そもそも何が腸内細菌叢の中で悪さしているのか、あるいはいいことしているのかとよくわかっていないっていうところの中で、このレジメン自体が変わってくる可能性がありますよね。そうすると、そこに対する評価をやりだすと、多分、延々テーマとしては続いていくようなイメージがあるのですね。ちょっと例がいいかは分からないですけれども、ヘリコバクターピロリの除菌みたいな考えで、あれはもうレジメンがいっぱいあって、なかなか難しいですね。これは地域によってあるいは国によって耐性菌の出現の率が変わったりすると、それによってレジメが変わるとか、そういった考え方が出てきますので、その部分だけでも非常に厄介ですね。
 さらに、このFMT自体との組み合わせについては、ある程度この2つを併用することによってロバストな有効性が確認できることと、先ほど松山先生からも御指摘ありましたけれども、長期的な有効性を含めると、意外と評価するのは難しい。その上で、今、御指摘があったとおりで、そもそもこのFMTの腸内細菌叢を移植する、これは薬ですかという話になったときに、薬ではありませんよという話を多分今するのですが、ある一定の品質みたいなものが確保される、あるいは今後研究も進むでしょうけれども、メタボロームの解析とかされると言われていますが、どういったものが実は効いているとか効いてないとかという話が出てくる中で、どういうドナーからどういうタイプの菌を持ってくれば有効なのかみたいなことは、結論づけようとすると、多分、20年、30年たってもまだ研究しているというような、そういうレベルの話になるような壮大なテーマなのですね、これ実は。なので、結論を最後まで待ちましょうという話になってしまうと、多分いつまでたっても承認されないというケースに、そういう状況に陥る可能性があるということですね。
 今回、私はアダプティブと申し上げたのは、少なくともこの治療法がヒストリカルなデータと比較するのか、あるいは途中でしっかりとしたRCTみたいな形にスイッチするなり何なりということでもいいのかもしれないですけれども、有効性という意味で、これなら患者さんに使っても、十分期待できる有効性だなというのを皆さんが納得できるぐらいの数字、それと安全性についても、ある程度有害な反応についてはredirectできるぐらい、そうすると、最低でも100とか200とか、場合によっては300例ぐらいの積み上げがあれば、大抵の人はこのぐらいの有害事象が発生するのだよねというところを推計できると思いますので、そういったデータセットが、3年後とか4年後ぐらいまでに出るようであれば、そのデータをもって、例えば、これが本当に保険診療の中でやってもいいものなのかということを判断できるぐらいのデータにはなるのかなと思いますけれども、ちょっと繰り返しになりますけれども、このまま39例が出てきても、多分、承認しましょうという話にならないというところがちょっと残念だなと、そういうことかなと思います。
○佐藤構成員
 上村(尚)先生、言いにくかったかもしれませんけれども、非常に詳細にお答えいただきまして、ありがとうございます。
 今の上村(尚)構成員の御発言を踏まえて、各構成員の先生方、御意見等ございますでしょうか。
 松山先生、何かコメント追加等ございますか。すみません、急に振って。
○松山構成員
 私が説明した内容は、「先-1」の別紙1の21枚目に出ておりますけれども、プラセボ対照の比較試験はできないということを回答としておられます。プラセボにこだわる必要はないと思うのですけれども、実質上不可能であると、患者さんの同意が取れないということと、海外でのFMTのRCTでは、患者さん自身の便からつくったプラセボを移植するというようなことを、海外のRCTではやっているということですが、それは実質上不可能であるという回答です。なので、何らかの同時のコントロールを使おうと思うと、先ほど御指摘あった抗菌剤の種類もありますけれども、抗菌剤3剤併用VS移植の併用というのであればできるのかなという気はしたのですが、その抗菌薬3剤併用はまだ認められていないので、それもコントロールとしては使うことができないという御回答を得ております。
 私からは、コメントとしては以上です。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。
 今回の試験をもって単独承認はなかなか難しいのと、これを活用して次のストラテジーもなかなか難しいという、非常に難しい判断を迫られることではないかと思います。
 他の先生方、何か御意見等ございますでしょうか。
○上村(尚)構成員
 すみません、上村(尚)ですけれども。
○佐藤構成員
 先生お願いします。
○上村(尚)構成員
 イレギュラーな発言で申し訳ないですけれども、現実的な問題として、先進医療という形で始まってしまうと、プラセボコントロールということをなかなか戻れないというジレンマも多分あるのだと思うのですね。
 それと、もう一つは、この治療法自体は、場合によっては、完全に自由診療でどなたかが始めてしまうと、比較的普及してしまう可能性もゼロではないというところがあります。そうすると、ますますプラセボコントロールが、時間がたてばたつほどできなくなってしまってということになりかねないのですね。なので、早い段階で何らかのクリアな戦略をもって、早い段階で承認するならする、しないならしないという、そういうディシジョンメイキングができるようなデータセットを出すのが重要かなと思います。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。
 おっしゃるとおりで、先進医療としてやらないで、自由診療で、あちらこちらでやられるということで、それは日本全体の医療として正しいのかどうかということも考慮に入れる必要があるという御意見ではなかったかと思います。
 ほかの先生方、御意見いかがでしょうか。
 さて、なかなか結論は難しいですけれども、各構成員の先生方は「適」ということでいただいております。一方で、将来的な保険診療、薬事承認に向けてストラテジックな判断ももう少し深めていただきたいというのもあろうかと思います。ですから、上村(尚)構成員が御提唱されたような、試験としてとございましたけれども、アダプティブなデザインも含めて、先進医療として実施しつつも、将来の承認に耐え得るようなデータをつくることができるように検討しつつという条件といいますか要望をつけて「適」という形が、ひとつ合意的なところかなと思いましたけれども、いかがでしょうか。
 事務局さん、私が言ったことで、「条件付き適」になるのでしょうかね。すみません、自分で言っていて、よくわかってないのですけれども。
○先進・再生医療開発戦略専門官
佐藤先生、ありがとうございます。今のコメントを付けさせていただくということに関しては、これは「適」ということにしていただいて、私たち事務局から申請医療機関にお伝えするということで、いかがでございましょうか。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。
 すみません、この会議のまとめ方を熟知してないところがあるものですから。事務局から今のコメントをつけていただいた上で、「適」という形でまとめさせていただくということで、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐藤構成員
 すみません。私、全体は見えないので、手を挙げていらっしゃる先生とかいらっしゃらないということで、事務局さんよろしいですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 手挙げをされている先生はいらっしゃらないと思います。
○佐藤構成員
 わかりました。
 そうしましたら、なかなか難しい判断でございましたけれども、今のような結論で、事務局からコメントを付していただいた上で、「適」とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 それでは、私の役割は終わったと思いますので、新井座長に戻ってきていただくということでよろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 今、新井先生を座長席にお呼びしております。しばしお待ちください。
(新井座長 着席)
○新井座長
 それでは、以上をもちまして、先進医療合同会議を終了させていただきます。





先進医療会議
16:50開会

○新井座長
 それでは、ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。
 構成員の先生方の出席状況でありますが、本日は竹内座長代理、比企構成員より御欠席との連絡をいただいております。
 欠席されます構成員の先生からは委任状の提出があり、議事決定につきましては、座長に一任するとされています。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
 それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、先-1「令和4年度先進医療技術の実績報告等について」という資料がございます。こちらには参考資料1、参考資料2、参考資料3、先-1-2、先-1-3がついてございます。
 続きまして、「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」として、先-2及び別紙1がございます。
 続きまして、「先進医療Bの総括報告書に関する評価」として、先-3、別紙2がございます。
 資料につきましては、以上でございます。
 また、今回の先進医療会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者の先生方におかれましては、会議資料(公開資料のページ)、またはタブレット資料(非公開資料のページ)とあらかじめ御発言いただきますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございます。
 それでは資料等についてよろしいでしょうか。
(確認の意思表示あり)
○新井座長
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますけれども、その結果について、事務局から報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反については、特にございません。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 そのほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(確認の意思表示あり)
○新井座長
 ありがとうございました。
 続きまして、「令和4年度先進医療技術の実績報告等について」の資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 「先-1-1」から「先-1-3」に従って御説明をさせていただきます。
 まず「先-1-1」でございますが、こちらは、令和3年7月1日から令和4年6月30日の1年間に実施された先進医療の実績報告をまとめた資料となってございます。
 1ページからでございますけれども、先進医療Aにつきましては、技術数につきまして26種類、実施医療機関数は322施設、また、保険外併用療養費の総額及び先進医療費用の総額に関しましては、それぞれ77.3億円、61億円となってございます。
 先進医療Bにつきましては、技術数が57種類、実施医療機関が179施設、保険外併用療養費の総額が7.3億円、先進医療費の総額が5.7億円となってございます。
 先進医療AとBの合算値につきましては、一番右の欄に記載させていただいております。
 2ページにお移りいただきまして、過去1年間の先進医療A及びBの技術数の増減を示した表になってございます。
 先進医療の技術につきましては、当初24種類で始まっておりますが、8種類の技術が新しく承認されまして、令和4年度診療報酬改定の際の議論におきまして、3種類が保険収載、3種類が削除となっておりまして、結果的に、6月30日の時点で26種類となってございます。
 また、先進医療Bの技術につきましては、当初59種類でございましたけれども、10種類の技術が新規承認されまして、12種類が実施期間の終了等に伴って取り下げられましたことから、合計として57種類となってございます。
 この期間の総括報告書の受理数といたしましては、15種類となってございます。
 3ページは、過去5年間の実施医療機関、全患者数、金額等の実績を示した表となっておりまして、こちらの実績につきましては、技術ごとに示しております資料が参考資料の1から3になってございます。
 参考資料1は、先進医療Aの技術に関して、実施件数や費用等を一覧にしてございます。また、参考資料2につきましては、先進医療Bの技術について、同様に一覧にしております。参考資料3につきましては、先進医療Bの終了予定日、計画時患者数等を一覧にしておりまして、進捗状況等の閲覧が可能となってございます。
 次に、「先-1-2」を御覧いただければと思います。
 こちらは、先ほどお示ししました過去1年間の実績におきまして、実施件数が0件であった技術について、その理由及び今後の対応方針を申請医療機関に報告していただいたものになってございます。
 1ページは、先進医療Aになっておりまして、いわゆる暫定Aの技術が含まれております。
 2から5ページにわたりまして、先進医療Bで実施件数が0件だったものをお示ししております。こちらは、例えば2ページ目に記載させていただいている技術のように、症例の登録が既に終了したものが多く含まれております。
 また、3ページを御覧いただきますと、告示番号32番や38番のように、新型コロナウイルス感染症の影響から0件であるという報告もございます。
 最後に、「先-1-3」を御覧いただければと思います。
 こちらは、暫定的に先進医療Aとして実施している技術についての説明でございます。
「1.背景及び現状」の1つ目にございますように、平成20年の先進医療告示第2項各号に掲げられた先進医療のうち、平成24年11月30日の第2回先進医療会議におきまして、先進医療Bへ振り分けることとされた技術につきましては、暫定的に先進医療Aとして実施されているところでございます。
 この暫定Aの技術につきましては、1ページの点線で囲まれておりますような扱いになっておりまして、平成28年4月以降は、新規患者の組み入れについては認めないことになってございます。
 この点につきまして、事務局では定期的に確認を医療機関とともに行っておりまして、その結果を下の表にお示ししてございます。表に記載がありますとおり、前回確認いたしました令和3年11月時点から今回の令和4年11月時点におきまして、新規患者組み入れは行っていないことを確認しているところでございます。
 資料に関する説明は、以上でございます。
○新井座長
 ただいまの御説明について、何か御質問はありますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、今、御説明があったようにさせていただきたいと思います。
 続きまして、事務局から「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されております。1件でございます。事務局からの説明をよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、「先-2」に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回、御審議いただきます技術でございますが、整理番号167番。高密度焦点式超音波療法を用いた前立腺がん局所療法でございます。こちらは、適応症がMRI-経直腸的超音波画像融合画像ガイド下前立腺標的生検及び経会陰式系統的12か所生検により、前立腺内部におけるがん局在診断が行われた限局性前立腺がん症例となってございます。
 申請医療機関につきましては、東海大学医学部付属病院でございまして、費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 事前評価につきましては、山本構成員に御担当いただいておりまして、総評としては「適」と御評価をいただいております。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 今お話があったように、整理番号167の技術については、事前評価を山本構成員にお願いしておりますので、山本構成員より技術の内容及び評価結果について、御説明をお願いしたいと思います。
 山本構成員、よろしくお願いいたします。
○山本構成員
 山本です。よろしくお願いします。今日は、2回目の参加にもかかわらず課題が回ってくるとは思ってもいませんで、どういうふうに話していいのか分からないのですけれども、資料とかは、私のほうで出すのでしょうか。共有していただけるのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 御指摘いただいたページ数などを言っていただければ、こちらで提示いたしますので、おっしゃっていただければと思います。
○山本構成員
 では、この先進医療の申請に先立ちまして、一連の資料をまず拝見させていただきました。これは結果なので、その後のページから見ていただけたらと思います。
 2ページ目ですね。まず、試験全体をレビューさせていただきました。研究計画書で、私、前立腺がんは全く専門外でございますので、その点に関する基本的な説明、まず生検の回数の質問などを行いまして、それは回答いただきました。
 続いて、臨床的に意義のあるがんと書いてあるのですけれども、これはどんなものかということの確認をさせていただきました。非常に素人的な質問で、申し訳ありません。
 それから、説明同意文書にも安全性が十分高いということが書いてあるのですが、その一方で、技術的には重篤な有害事象なども想定されると思いましたので、これまでの報告についての質問を行いましたが、論文報告でも、低頻度であるということ、それから、これまでの申請施設における経験も非常に低いことを教えていただきました。
 あとは実施体制、これは書類の問題なのかもしれませんが、医師2名と書いてありましたので、重篤な有害事象が想定される中での実施体制として、心配はないのだろうか、大学病院だから大丈夫だろうなとは思っているのですけれども、そこの確認を行いました。
 それから、エンドポイントに関わってくるであろうPSAのフォローでございます。これが重要なバイオマーカーになるのだろうと思うのですが、最初は、2年までは、3か月おきにチェックするのですが、それ以降は半年おきにチェックされるとなっていました。これが通常のものでいいのか、無再発生存期間を評価する上で、半年前のチェックで十分なのかというところが、私なりにちょっと心配になりましたので、そこは聞いてみたところ、後で出てきますヒストリカルコントロールも同じようなインターバルで評価されているということと、それから、これが通常のスタンダードなフォローアップのやり方だという回答をいただきましたので、であれば、個人的にはもっと細かく見るほうがいいのかなと思った半面、これがスタンダードということであれば、これは許容されるものと考えました。
 最後に、この治療を実際に説明するに当たっての懸念点を基に患者説明同意文書を拝見いたしました。非常に丁寧に書かれていると思ったのですけれども、まず、この同意文書を手渡された患者さんから見たときに、この治療しかないようにいきなり書いてあるようにお見受けしましたので、現行の標準治療は何なのかというのを、まず提示するべきだと考えました。保険診療で受けられる治療が必ずあるはずなので、それについて、あなたの標準治療はこれですということをまず書いて、その上で、今回提案する治療の意義とか、期待している部分とか、まだ分かってない部分とか、そういうことについてストーリー性を持って書いていただきたいということをリクエストしました。これに関しては、非常に丁寧に対応してくださいまして、随分と分かりやすい説明同意文書になったものと私は考えております。これが、私から挙げさせていただきました意見でございます。
 最初のページに戻っていただければと思うのですが、質問に対していただいた答えなどを基にこの評価表にチェックさせていただきました。この治療に関しましては、私も今回レビューさせていただくに当たりまして、この治療を少し調べてみたのですが、かなりいろいろなところで行われているなということを再認識した次第でございます。であるがゆえに、こういった形の評価はいずれはやっておかなければならないのだろうなと思いました。
 社会的妥当性につきましては、しっかりした説明同意文書をもって患者さんに説明なされるのであれば、倫理的問題はないだろうと考えました。
 現時点での普及性は、これは、どのカットオフでA、B、Cにするのかというところをちょっと迷いましたが、いろいろ私なりに調べてみたところでは、ちまたのクリニックから始まってたくさんのところで実施されている印象を持ちましたので、ある程度普及しているとさせていただきました。Bとしました。
 効率性については、これはスタディデザインにも関わってくる問題ですが、ヒストリカルコントロールとの非劣性を証明するストラテジーになっていますので、既に保険導入されている医療技術、これは手術とか放射線だと思うのですが、これに対する優位性をこの試験で証明することは難しいだろうと思いますので、同程度を目指しているものと考えましたので、Cとさせていただきました。
 将来の保険収載の必要性につきましては、ロードマップを拝見したところ、この試験が終わった後に、別の治験を立てて、この医療機器の薬事承認申請を行う立てつけとなっていましたので、Aとさせていただきましたが、PSAをもとに無再発生存期間を数年にわたってフォローすることを考えますと、非常にロングランの開発になるのではないかという危惧も一部ございました。
 総評としては、「適」とさせていただきました。途中で申し上げましたが、単アーム試験、ヒストリカルコントロールとの比劣性試験ですので、新しい標準治療が生み出されるというよりも、治療選択の一つがこれで生み出される可能性があるだろうということで、コメントをつけさせていただきました。
 私からは、以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か質問等ございますでしょうか。
 この治療の概要はこの資料の92ページに示されておりますので、それを御覧いただきたいと思います。
 どうぞ。
○渡辺構成員
 日本医師会の渡辺でございます。
 今、山本構成員が御説明なされた4ページの患者同意書の訂正に関して、私の手元に事前にいただいた資料は、東海大学が2022年10月10日につくったVersion5.1の患者さんへの同意文書説明という分しかないのです。これが訂正された後なのか、その前の段階かよく分からないのです。少なくとも私が手元に持っている資料に関しましては、その5ページに、この治療を行って、局所治療後にがんの進行が認められる場合には、その時点で根治療法へ転換することが可能だという文章があります。私は、前立腺がんの専門ではなく小児科医なので、この文章は妥当なのかどうかというのが気になったのですが、これはいかがなのですか。つまり、悪化した時点で、全ての症例に対して根治療法は可能だという文章は、妥当な表記なのかどうかというのが、若干気になったのです。
○山本構成員
 御指摘ありがとうございます。
 確かに、次の治療が必要になった時点というのは、果たして、根治できる状態なのかというところに結構直結してくると私は思いますので、そこは、私もちょっとレビューが甘かったのですけれども、根治ができる治療に切り替えるのは、もう少し謙虚な発言にしたほうがいいかなと思います。
○渡辺構成員
 ありがとうございました。
○新井座長
 今、事務局に確認をいただいていますので、ちょっとお時間をいただきたいと思います。
○渡辺構成員
 すみません。事務局が、僕の持っている資料が古いのかどうかを確認しております。
○山本構成員
 山本です。
 私がいただいている資料の最新バージョンが、Version5.3になっているのですが。
○渡辺構成員
 すみません。僕、5.1のしかいただいてなかったので。
○山本構成員
 そうですか。申し訳ありません。
○渡辺構成員
 とんでもありません。
○山本構成員
 先生から御指摘いただいた部分は、5.3におきましても、あるいは、その時点で根治的治療へ治療方針を転換することも可能ですと書いてありますので、根治的ということをどう捉えるかですけれども、多くの場合、再発が、局所再発の場合もあるのですが、遠隔転移とかいうこともあるかもしれませんので、根治というのはちょっと控えて、「次の治療に」とかという形のほうがよりいいのではないかという印象を持ちました。
○渡辺構成員
 ありがとうございました。表記一緒でございました。すみませんでした。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 表記確認させていただきまして、最新版の5.3でも、同じような文章があることを確認しました。ありがとうございます。
○新井座長
 ほかはよろしいでしょうか。
○佐藤構成員
 佐藤ですけど、よろしいですか。
○新井座長
 よろしくお願いします。
○佐藤構成員
 93ページのロードマップを改めて見て、これは山本先生に質問しても仕方ないのかもしれませんけれども、この治療は、ちまたで少々やられていて、今回310例で単群でということで、ロードマップ上では、次に治験と書いていますけれども、次の治験で、薬事を得られるような治験を組めるのでしょうかね、先生。先進医療は、最終的に薬事的な、今回これでまずやってみてみたいな感じで、本当にこのロードマップの意義というのか、これで結論が出るか出ないかはよく分からない。先生がさっきおっしゃったように、すごく長期で見なければならないのに、本当に、次、治験は組めるのでしょうかね、先生。すみません、こんな質問をして。
○山本構成員
 ありがとうございます。
 私も全く同じ印象でございまして、310例の登録、そして、PSAのフォローアップを数年行うと。そうすると、本当にロングランの試験になると思いますし、今回の開発では、今、ロードマップで共有されていますSonablate500という機器の開発も一緒に入っていると思うのですね。そうすると、5年とか6年とかたつと、このSonablateが新しいのが出たりすると、さて、どうなのかなという気もするのですが、そうなりますと、先生御指摘のように、この治験を後ろに入れておいて、立てつけ上はそれでいいのですけれども、そんなに研究者が体力もつのかなという印象は正直ございます。
 以上です。
○佐藤構成員
 先進医療の仕組みはいつもこういうのは僕も難しく考えて、ロードマップは書けるけれども、本当にできるのかなというのがあって、やってもらうのは安全だったらいいのかもしれませんけれども、その辺は、本当にこの会議自体の意義も含めて、いつかどこかで議論してみたいなという気がしています。すみません。
○山本構成員
 ありがとうございます。
○新井座長
 この点について、事務局は何かありますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 一応治験を挟むということで、外形的にはこの先進医療を申請いただいて、私たちとしては、このロードマップで申請いただくことには、外形上は問題ないと考えております。
 以上です。
○新井座長
 かなり年数のかかる研究にはなりますけれども、外形上は問題ないということにならざるを得ないと、そういう判断でよろしいですかね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 外形上の問題はないと、事務局では判断しております。
○新井座長
 分かりました。その点は、確かに若干の心配は残りますけれども、このロードマップをアクセタブルなものと判断をしたいと思います。
 ほかはよろしいでしょうか。
 そうしますと、先ほど御指摘のあった同意書の記載ですね。これは変更していただくと、根治的といったようなことを、「次の治療に」とか何か違う表現にしていただくということで、山本構成員から「適」の判断をいただいておりますので、そこの部分を変更して、「適」ということで、ここは収めさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○新井座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 事務局、それでよろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 問題ございません。ありがとうございます。
○新井座長
 それでは次に、事務局から、「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されております。
 事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料「先-3」に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回、旧告示番号1番として実施されておりました「ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法」につきまして、静岡県立静岡がんセンターから総括報告書の提出がございました。
 適応症は肺がん(扁平上皮がん及び小細胞肺がんを除き、病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る)でございます。
 医療技術の概要欄でございますけれども、ペメトレキセドは、非扁平上皮非小細胞肺がんに対し、有用な薬剤であることが報告されており、しかし、非小細胞肺がんの術後補助化学療法として多くのエビデンスのあるビノレルビン+シスプラチン併用療法と、PEM+CDDP併用療法を比較した臨床試験は報告されていないとのことでございます。また、我が国において、PEMは切除不能な進行再発非小細胞肺がんで承認されているものの、術後補助療法としての投与は適応外使用となるとのことでございます。
 本研究は、完全切除された非扁平上皮非小細胞肺がんに対する、PEM+CDDP併用療法の有用性を、標準治療であるVNR+CDDP併用療法とランダム化比較第III相試験において検証するというところでございました。
 有効性の評価結果や安全性の評価結果等がございまして、その後に、2ページ目の総括のところでございますけれども、本試験の結果、完全切除された非扁平上皮非小細胞肺がん患者を対象に、術後補助化学療法としての無再発生存期間におけるVNR+CDDPに対するPEM+CDDPの優越性は示されなかったとのことでございます。しかし、治療完遂率はPEM+CDDP群で良好であり、グレード3以上の発熱性好中球減少症、白血球減少、好中球数減少、血小板数減少の頻度も有意にPEM+CDDP群で低い結果であったとのことでございます。
 続きまして、各評価担当者の評価について、御説明をさせていただきます。
 別紙2の3ページ目を御覧いただければと思います。
 主担当の平田構成員からの評価でございますけれども、有効性に関してはC、従来の医療技術を用いるものと同等程度である。安全性に関しましてはB、あまり問題なし。技術的成熟度に関しましてはA、当該分野を専門とし、経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できる。
 総合的なコメント欄でございますが、本試験の結果、完全切除された非扁平上皮非小細胞肺がん患者を対象として無再発生存期間において、VNR+CDDPに対するPEM+CDDPの優越性は示されなかった。最終症例登録から5年間の観察期間を経たデータにおいても、PEM+CDDP群での全生存期間の有意な改善は得られなかった。PEM+CDDP群では、グレード3以上の骨髄抑制に関連する有害事象の頻度は低い傾向にあったとのことでございます。
 また、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますけれども、本試験は、優越性試験として実施されており、標準治療であるVNR+CDDPに対してPEM+CDDPの有効性における優越性の検証ができなかった。そのため、今回の結果をどのように保険収載につなげていくかについては、今後検討が必要であるとのことでございます。
 続きまして、副担当の飛田構成員の御評価でございます。
 有効性に関しましてはC、従来の医療技術を用いるものと同程度である。安全性に関しましてはB、あまり問題なし。技術的成熟度に関してはA、当該分野を専門とし、経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できるとのことでございます。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か御質問等はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 これは、総括報告書として受け止めることになろうかと思います。
 それでは、本日の議題はこれで全て終了いたしました。残りは「その他」となっておりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 構成員の先生方への連絡になりますけれども、基本的にはオンライン開催を継続の予定でございますが、一部運用を変更しまして、現地に参加いただくことも可能というふうに今回の会議から変更しております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、次回の開催について、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和5年1月5日(木)16時~を予定しております。場所につきましては、別途御連絡させていただきます。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、第117回「先進医療会議」をこれにて終了といたします。
 皆様、御協力ありがとうございました。