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2022年11月10日 第116回先進医療会議

○日時

令和4年11月10日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者


【構成員等】

新井座長 近藤(正)構成員 近藤(晴)構成員 佐藤構成員
滝田構成員 長瀬構成員 比企構成員 松山構成員 山本構成員
渡辺構成員 村田技術専門委員 北脇技術専門委員 榎本技術専門委員


【事務局】

医療課長 医療技術評価推進室長 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 他



○議題

1 先進医療Bの総括報告書に関する評価について(告示番号旧51/UMIN000042408)
(先-1)(別紙1)
 
2 先進医療の保険導入等の検討について
(先-2)(別紙2)(参考資料1)(別紙3)(参考資料2)
 
3 新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
(先-3)(別紙4)
 
4 先進医療会議にて継続審議の評価を受けた先進医療Aの技術の再評価について
(先-4)(別紙5)

5 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
(先-5)(別紙6)

6 その他

 


○議事

16:00開会
 


 
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 定刻となりましたので、ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。御多用の折、皆様、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 カメラをオンにしていただいてもよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 本年10月をもちまして、五十嵐前座長が任期満了に伴い御退任されましたので、座長が選任されるまでの間、私、先進・再生医療開発戦略専門官が司会進行をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、先進医療会議構成員について改選が行われまして、新たに6名の先生方が構成員として任命されました。お一人ずつ御紹介させていただきますので、お一言ずつ御挨拶いただければと存じます。
 まず、北里大学より比企直樹構成員です。よろしくお願いいたします。
○比企構成員
 よろしくお願いいたします。北里大学の比企と申します。
 私は、上部消化管外科を専門としておりまして、この先進医療の会議は、本当に初めてで、右も左も分かりませんが、一日一日勉強させていただきますので、どうぞ御指導をよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、東京大学より松山裕構成員です。よろしくお願いいたします。
○松山構成員
 ありがとうございます。東京大学生物統計学の松山です。
 私は、生物統計学が専門でございますので、統計学的な視点から御協力させていただきます。よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、筑波大学より、近藤正英構成員です。よろしくお願いいたします。
○近藤(正)構成員
 筑波大学の近藤正英と申します。
 私は、医療経済ということが専門でありまして、技術的なことは、ちょっと勉強をしながらということになりますが、貢献したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、国立がん研究センター中央病院より、山本昇構成員です。よろしくお願いいたします。
○山本構成員
 国立がん研究センター中央病院の山本です。よろしくお願いします。
 今までは、申請者側のことで先生方に御指導いただくことが多かったのですが、今回、こうやって参画させていただくことになりまして、また別の角度から勉強をさせていただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、東京大学より、長瀬隆英構成員です。よろしくお願いします。
○長瀬構成員
 長瀬です。
 私は、呼吸器内科の技術委員として、この会議に多分出たことがあるかと思うのですけれども、これからは構成員ということですので、どうかよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 最後に、京都大学から滝田順子構成員でございます。よろしくお願いいたします。
○滝田構成員
 よろしくお願いいたします。京都大学小児科の滝田と申します。
 私は小児科の中でも小児がんを担当しております。今までは、どちらかというと申請する側の立場だったのですが、構成員として尽力したいと思います。よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 それでは、皆様、どうぞよろしくお願いします。
 なお、補足でございますが、長瀬構成員におかれましては、これまで先進医療技術専門委員等で会議に参加された御経験がありまして、職場のネットワーク等の関係で、カメラをオフにされることがあるとのことでございまして、それを御了承いただければと思います。皆様方におかれましては、特段の事情がない限りは、カメラをオンでお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○長瀬構成員
 すみません、今もちょっと時々途切れ途切れなので、御了解ください。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 それでは、次に構成員の先生方の出欠状況でございます。
 本日は、竹内構成員より御欠席との連絡をいただいております。
 欠席されます構成員の先生方からは、委任状の提出があり、議事決定につきましては、座長に一任するとされております。
 また、今回事前評価をしていただいた北脇技術専門委員、村田技術専門委員、榎本技術専門委員にも御出席いただいております。
 次に、資料の確認を事務局よりさせていただきます。
 資料の確認の前でございますけれども、頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
 まず、資料でございますけれども、議事次第、委員名簿に続きまして「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」として、先-1、別紙1がございます。
 次に「先進医療の保険導入等の検討について」として、先-2、別紙2、参考資料1、別紙3、参考資料2がございます。
 続きまして、先-3「新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」としている1枚紙の資料がございます。こちらには、別紙4がついてございます。
 続きまして、先-4「先進医療会議にて継続審議の評価を受けた先進医療Aの技術の再評価について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには、別紙5がついてございます。
 最後に先-5「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」としている資料がございます。こちらには、別紙6がついてございます。
 資料につきましては、以上でございます。
 なお、今回の先進医療会議におきましては、Web上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者の先生は、会議資料(公開資料)のページまたはタブレット資料(非公開資料)などのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 資料につきましては、以上になりますが、よろしかったでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、進行を進めさせていただきたいと思います。
 続きまして、座長の選出でございます。まずは、先進医療会議の構成員の名簿を御覧ください。
 先進医療会議の座長につきましては、規定上構成員の中から互選により選出されるものとされております。どなたか構成員の方から推薦はございますでしょうか。
 近藤先生、手を挙げていらっしゃいますかね、よろしくお願いします。
○近藤(晴)構成員
 近藤でございます。
 私も今年度の途中から、この構成員に加えさせていただいたわけでございますが、今までの御経験からして、今、この中には入っていらっしゃらないのかと思いますが、新井一先生が座長として一番適任ではないかと思いまして推薦させていただきたいと思います。よろしく御検討ください。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 それでは、新井一先生にお願いすることとしてよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございました。
 それでは、新井先生に座長をお願いすることといたします。
 新井先生、座長席へ御移動をお願いできますでしょうか。
(新井構成員、座長席へ移動)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 それでは、新井先生、議事進行をお願いいたします。
○新井座長
 今、座長に御指名いただきました新井でございます。
 この先進医療会議の構成員は私を含めて11名でございますが、冒頭で御説明があったとおり、6名の新しい先生が加わっていただくことになりました。皆様、それぞれの分野のエキスパートということでございまして、御協力をいただきながら円滑に議事を進めていきたいと思っております。何とぞ、よろしくお願いいたします。
 それでは、今、座長に御指名いただいたばかりなのですけれども、座長代理を、この構成員の中から座長が指名するということになってございます。
 座長代理につきましては、本日は、あいにく御欠席でございますけれども、竹内構成員にお願いしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○新井座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思いますが、まずその前に、利益相反について事務局の方から確認をしていただきたいと思います。その結果について、事務局、よろしくお願い申し上げます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告申し上げます。
 新井座長より「新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて」における受理番号156の技術について報告がございました。
 新井座長におかれましては、検討対象技術について、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 私自身が、検討対象技術の一つにおいて利益相反があるということで、その審議の間は中座いたしますが、ほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(確認の意思表示あり)
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、次に移りたいと思います。
 「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」ということでございます。これについては、事務局から御説明をいただきたいと思います。
 事務局、よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料先-1に基づいて御説明をさせていただきます。
 今回、旧告示番号51番として実施されておりましたマルチプレックス遺伝子パネル検査につきまして、京都大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
 まず、技術の概要でございますけれども、こちらは「進行再発固形がん(食道がん、胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がん、肺がん、乳がん、卵巣がん若しくは子宮がん又は悪性黒色腫であって、化学療法又は放射線治療を行っていないものに限る。)」が適応症となってございます。
 医療技術の概要の2段落目のところでございますが「本研究では、全身化学療法未施行の切除不能進行・再発癌(消化器・肺・乳腺・婦人科・悪性黒色腫)症例において、薬事既承認のがん遺伝子パネル検査(FoundationOne® CDxがんゲノムプロファイル、以下F1CDx)を用いてがん関連遺伝子の変異、挿入/欠失、増幅、融合などの解析を行い、コンパニオン診断を含むActionable/Druggableな遺伝子異常を有する症例の割合を求めることで、初回治療法選択における遺伝子プロファイリング検査の臨床的有用性を検証する」となってございました。
 次に医療技術の試験結果、有効性の評価結果のところでございますが、主要評価項目であるコンパニオン診断を含むActionableな遺伝子異常を有する症例の割合は100%であった。事前の想定では、Actionableな遺伝子異常を有する患者の割合は70%前後と期待されていたが、それを上回る結果が得られた等の結果が記載されております。
 次に安全性の評価のところでございますが、F1CDx検査において機器の不具合は発生しなかったとのことでございます。
 総括のところでございますが「全身化学療法未施行の切除不能進行・再発癌(消化器・肺・乳腺・婦人科・悪性黒色腫)症例において、F1CDxを行うことでその後の治療法選択に有用な情報を取得できる可能性が高いことが示唆された」とのことでございます。
 続きまして、御担当者の評価について御説明のほうをさせていただきます。
 別紙1の3ページ目を御覧いただければと思います。
 主担当の真田構成員からの御評価でございますけれども、有効性に関しましては、E、その他。安全性に関しては、A、問題なし。技術的成熟度に関しましては、B、当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できる。
 総合的なコメント欄でございますけれども、今回評価した「主たる解析に関する報告書」において、現在までに得られた主要評価項目「actionableな遺伝子を保有する割合」及び一部の副次評価項目については良好な結果を得ていると考えられた。また、医療技術そのものの成熟度についても問題ないと考えられる。一方、従来技術との比較については本先進医療にて直接比較はなされていない。また本先進医療の事前評価時の指摘にもあるように、医学的・科学的な評価の対象である「actionableな遺伝子を保有する割合」(本技術では主要評価項目)と、保険診療上の評価である「標準治療以外のオプション治療を実際に受けられる割合」(本技術では副次評価項目)との相違については、on-goingな治験の状況や地理的アクセス等の状況にも左右される現状があるとはいえ、先進医療として従来の医療技術と比較した保険診療に資する有用性を検討する段では、今回も全評価者からの指摘が一致しているように、本研究の主要評価項目である「客観的な有用性を示す指標としてActionableな遺伝子異常が検出される患者の割合を算出する」事象に加え、副次評価項目である「標準治療以外のオプション治療を実際に受けられる割合」等の結果を待たなければ、最終的に標準治療に代えてより良いオプション治療を提供されるという「真の患者のメリット」を直ちに評価できない状況があるとのことでございます。
 今回評価した主たる解析に関する報告書において、現在までに得られた主要評価項目「actionableな遺伝子を保有する割合」及び一部の副次評価項目については良好な結果を得ていると考えられた。
 また、医療技術そのものの成熟度についても問題ないと考えられる。
 一方で、本技術の医療上の臨床的な有用性の判断に重要と考えられる副次評価項
目「標準治療以外のオプション治療を実際に受けられる割合」については、今回提
出された「主たる解析に関する報告書」では示されていないため、現時点で有効性
を直ちに総合的に判断するのはにわかに困難と考えられる。
 また、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますけれども、本先進医療技術は体外診断に係る技術であり、技術の成熟度自体には問題ないと考えられるため、成熟したエキスパートパネルと連動して実施される範囲においては本技術の薬事承認を妨げるデータは得られていないが、その効率化に資するか否かの判断は、上記「総合的なコメント欄」に示した理由を含め、現時点では判断しがたいと考えるとのことでございます。
 続きまして、副担当の伊藤構成員の御評価でございます。
 有効性に関しては、E、その他。安全に関しましては、A、問題なし。技術的成熟度に関しましては、B、当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できるということでございます。
 また、村田技術専門委員の御評価でございますけれども、有効性は、B、従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である。安全性は、A、問題なし。技術的成熟度は、B、当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できるという結果でございました。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か御質問はございますでしょうか。
 特にないようでございましたら、この報告を先進医療会議で受けたということにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 それでは、次に進みたいと思います。
 「先進医療の保険導入等の検討について」ということであります。
 これについても、事務局からよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-2に従いまして説明をさせていただきます。
 こちらは、診療報酬改定に併せて既評価技術について検討を行った際に、特別に指摘のあった技術についての案件でございます。
 前々回、第114回先進医療会議からの事案となっております。
 1つ目○から読み上げたいと思います。
 先進医療は、評価療養として将来的な保険導入のための評価を行うものとして位置づけられておりまして、診療報酬改定に併せて既評価技術について保険導入に係る検討を行うこととされている。
 2つ目の○、令和3年12月2日開催の第105回先進医療会議において、1名以上の評価担当の構成員等から先進医療から取消すことが適当と評価された技術、または保険導入に係る検討に必要なエビデンスを集積する観点から特別に指摘のあった技術については、次回の診療報酬改定までに各技術に応じた指摘事項への対応を求めることとされました。
 3つ目の○、令和4年6月9日開催の第111回先進医療会議において、指摘内容とその課題について議論した際に、課題に対する現時点での対応案の提出を医療機関及び学会に求めることとしてはどうかという指摘がございました。
 4つ目の○、令和4年9月8日及び10月6日に開催された第114回及び第115回先進医療会議において、医療機関及び学会から、指摘事項に対する回答及び今後の対応案が提出され、会議で内容を確認しました。その際に、さらなる指摘があり、医療機関及び学会に照会を行うこととされた。
 このたび、回答が提出されたので、その内容を御確認いただきたいというものでございます。
 まず、参考資料1を御覧ください。
 こちらの資料は、前々回の第114回先進医療会議で提出された回答、技術名は「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」でございます。
 そして、参考資料の2ページ目に、第115回先進医療会議に提出された資料をつけさせていただいております。
 それを受けて、今回提出されたものが、別紙2になります。
 この別紙2においては、指摘事項として、前回の指摘事項に対する回答では、どの程度の差が生じるかは未知なので、必要症例数は現在設定できませんとあったことに対しましての指摘内容でございます。
 平成17年10月から15年以上先進医療として実施してきた中で、蓄積されたデータがあるとかと思いますが、必要症例数について全く設定できないのはなぜでしょうか。これまでのデータを踏まえ、見込みでもよいので必要症例数について見解を御説明願いますと問い合わせを行っております。
 そして、回答におきましては、後半部分におきまして、今後、研究会において具体的にどの項目を抽出し、どの時点で比較するかが決められ、当該項目における差を予測した上で必要症例数が決まるものと考えられます。ただし、感覚的には、各群100例あれば、比較した成績が出せると考えていますと回答をいただいております。
 また、問2におきましては、高周波切除器以外の症例についてどのように症例を蓄積するか、具体的に問い合わせを行いました。
 回答でございますけれども、高周波切除器を用いない術式で一番多いのは、病巣をクーパーで切り取るというものです。開腹手術例はほとんどがこのようなやり方です。一時期、腹腔鏡下にエネルギーディバイスを使った方法も試みられましたが、腹腔鏡下手術の場合、術後妊娠時に子宮破裂が多発したことから、腹腔鏡下手術そのものが避けられる傾向にありますとのことでございます。
 このように御回答いただいております。
 資料につきましては、以上になります。御議論のほど、よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 本日は、本技術に関わる領域が御専門の榎本技術専門委員にも御参加いただいております。
 榎本先生から、補足説明をいただいてもよろしいでしょうか。
○榎本技術専門委員
 子宮腺筋症は、産婦人科では比較的頻度の高い病気なのですけれども、子宮腺筋症に対して高周波切除術を用いて病変のみを核出すると、こういうテクニックでございますけれども、この先進医療が開始された2005年のこの時代を考えますと、子宮腺筋症核出自体がかなり出血を伴う手術でございますので、高周波切除器が、この出血量を減らすという意味では、非常に効果のある機器であったのですけれども、そこから17年の経過がありまして、今は高周波切除器以外にいろいろな出血を減らすような機器が数多く出回って、実際、この高周波切除器を持っている施設のほうが限られているという状況なのです。
 だから、今から高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術、この技術を通しても、実際に高周波切除器を用いてできる施設は少ないのが現状です。先生方の御意見を伺いたいのですけれども、特に最近は、出産年齢が高齢化してきておりますし、腺筋症というのは、20代よりも30代、40代のほうが多い病気ですので、挙児を希望する腺筋症の患者に対して腺筋症核出術をして、あと、妊娠を考えるということが行われると思うのですけれども、やはり高周波切除器という縛りがあるために、保険適用になっても、多分、やる人はほとんどいないと思うのですね、だから、その辺のところを御配慮いただいて、今回やはり先進医療から外したほかの方法で保険診療に持っていくことを考えていただくほうがいいのではないかという気がいたします。
 これにつきましては、非公式ではございますけれども、日本産科婦人科学会の役員の先生方とか、こちらにも書いてありますけれども、日本産婦人科手術学会の理事長、ほかの関係者の先生ともちょっと話をした中で、やはりこの今の状況では、なかなか実際に保険を通していただいても、できるところは少ないという考えをもっている産婦人科医が多いと思います。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 ただいま、榎本技術専門委員から御説明いただきましたけれども、これについて、何か委員の先生方から御意見はございますでしょうか。
 よろしくお願いします。
○近藤(晴)構成員
 近藤でございます。
 ちょっと、私、専門外なのでよく存じ上げないのですが、その子宮腺筋症の核出術というのは、保険術式名としても普通にあるのでしょうか。榎本先生。
○榎本技術専門委員
 いや、ないのです。ピュアな子宮腺筋症だけの人もいるのですけれども、子宮筋腫が子宮腺筋症に合併していることが多いので、小さな子宮筋腫があったら、子宮筋腫の病名をつけて、それの核出という名前でやっていることがあるのではないかと。
○近藤(晴)構成員
 そうしますと、子宮腺筋症核出術というのを、例えば、外保連とか、そういうところを通じて、新規の術式として挙げていただいて、そのときに用いるエネルギーディバイスなり、そういう高周波なりを含むとか、そういう形で新たに申請し直していただくのが。
○榎本技術専門委員
 いやいや、だから、そこのところで高周波切除器を含むというのは。
○近藤(晴)構成員
 なしにして。
○榎本技術専門委員
 なしで、お願いすると言ったほうが、まだ現実的だと思います。
○近藤(晴)構成員
 承知いたしました。了解です。
○新井座長
 ほかに御意見はございますでしょうか。
 今のお話をお聞きすると、2005年から17年以上経過して、先進医療がずっと継続されてきた訳ですが、この間十分なエビデンスの集積が達成できていないということを考え、また、榎本先生の御意見も踏まえると、いかがでしょうか、先進医療から今回取り消すといったような選択肢もあるようには思うのですが、御意見ございますか。
 佐藤先生、よろしくお願いします。
○佐藤構成員
 佐藤でございます。
 今回の件は、前回、前々回の議論でも、一番最初に先進医療として申請されてから17年と、余りにも時間が経ち過ぎていて、その機械自体がもう使われなくなって、今、榎本先生がおっしゃったとおりのことで、このまま保険のほうの申請に回すのは、いかがなものかということが繰り返し問題となっていて、現状がどうなっているのか、現状に合わせて保険としてどういうふうに考えていったらいいのかということをお聞きしょう、質問しましょうという趣旨で、前回、前々回来たと、私は認識しています。
 その中で、榎本先生から非常に明快なお答えをいただきましたし、学会としての方針もいただきましたので、今、新井座長おっしゃったとおり、手続には、ちょっと、私、分からないところがありますけれども、先進医療として、この技術名に関しては一旦取り下げていただいて、学会主導で検討いただいて、核出術だけで申請できるのであれば申請いただき、あるいは、また、新たに先進医療を組むということであれば組んでいただくという形で進めていくのが、前回、前々回の議論から継続して、今日の榎本先生の御説明と合うのではないかと、そのように考えます。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 今、かなり明確に方針をお示しいただきました。私もそのように思いますので、委員の先生方、特に御異議がなければ、本件につきましては、先進医療から取消すということが妥当であるという判断にさせていただきたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 すみません、1点だけ事務局からよろしいでしょうか。
○新井座長
 どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうます。事務局でございます。
 今回、一連の流れで回答をいただいた中で、やはり大切なのは、保険診療に向かうためのエビデンスを構築できるかどうか、蓄積できるかどうかというところが大切な点であると、事務局としては考えておりまして、その点につきまして、例えば、今、いただいた回答では、やはり、保険収載に向かうためのエビデンスは作ることはできないという御理解でよいかどうか、その点を改めて回答をいただくといいますか、会議で答えを出していただくということは、よろしいでしょうか。
○新井座長
 今、事務局からの質問については今回、別紙2で回答をいただいておりますが、この内容を見る限りでは、今後、保険収載に向けてのエビデンスの蓄積は、なかなか難しいという判断を下すということになるかと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○榎本技術専門委員
 榎本ですけれども、例えば、今、このデバイスが、ほかのデバイスでの状況がどうなっているかということを、西田先生のほうにお聞きいただいておりますけれども、直接やはり日本産科婦人科学会とか、日本産婦人科手術学会のほうに聞いていただければ、そちらのほうで、やはりちゃんとまとめてくれるのではないかと、私は考えるのですけれどもね。だから、そこのエビデンスを学会主導で作っていただくというような方向には、難しいでしょうか。
○新井座長
 それも可能だとは思いますが、ただ、今回のこの申請に関してどうするかということを判断しなくてはなりません。したがって、今回の申請に関しては今後保険収載に向けてのエビデンスの蓄積が現状このまま継続しても難しいという判断でこれを取り消す、そして今、榎本先生がお話されたことについては、それが可能かどうかはともかく、今回の申請とは別に学会に動いていただくと、そのような形になるのかと思うのですが、事務局、何か意見はありますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 補足をよろしいでしょうか、事務局でございます。
 榎本先生、貴重な御意見ありがとうございます。
 本案件につきましては、今のところ、全て霞ヶ浦医療センターの西田先生が主導となって行っていた臨床研究であると、事務局としては考えております。
 その上で、今までこの指摘事項に対して、高周波切除器を用いたものと、そうでないものを比較してエビデンスを出すとおっしゃっているかと思うのですが、では、その高周波切除器で用いていないものに関しましてはどうかというところを、今回問うたわけなのですけれども、そこに関しましては、詳しくは回答のとおりでございますけれども、実態は不明ですというような御回答をいただいているところかと思います。
 ですので、仮にですけれども、1つの選択肢として、西田先生が学会とともに、そのようなエビデンスの構築をする方法を新たに作っていただけるという選択肢があるのであれば、事務局としては、それも選択肢の1つかと思っているところではございますけれども、そういうことが難しいのであれば、やはりロードマップがきちんと描けていないと思われますので、やはり先進医療としては、ふさわしくないのではないかというところは、感じているところではございますけれども、その点、榎本先生、いかがでございましょうか。
○榎本技術専門委員
 分かりました。そうしたら、やはり具体的に、だから先ほども申しましたように、技術的には、子宮腺筋症核出術というのは、一般診療の中で、割と子宮筋腫の核出術に続いて起こるものだと思うので、それを、例えば、一旦この技術は取り下げるということも、仕方がないなという気も、私もしますので、その上で、学会のほうで、保険局のほうからおっしゃっていただいてもいいですし、こういう形で一遍検討をくださいという形で、保険局から言っていただくのが、多分、一番いいですかね。そういうのはできないのですか。
○新井座長
 事務局、いかがでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 基本的には、今回の技術は、申請医療機関である霞ヶ浦医療センターの西田先生が学会に相談した上で、そのようなものを持ってきていただくことが必要であると考えております。
○榎本技術専門委員
 分かりました。そうしたら、一応、そういうことを含んで、また、学会の人ともちょっと話をさせていただいてよろしいですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局としては、例えばですけれども、そういうことを、いついつまでに行っていただく、持ってきていただく、そして、それをこの先進医療会議にお諮りいただくということが大事かなと思っておりますが、新井先生、いかがでしょうか。
○新井座長
 今の議論を踏まえますと、今日の議論を踏まえて本件を先進医療から取り消すという選択肢はあろうかと思いますが、もう一度、学会と協力して明確なロードマップを示していただくことが可能かどうかをこの申請者に改めて問う、そしてその回答をもう一度この先進医療会議で皆様に御覧いただいて、最終判断をするという選択肢もあろうかと思いますがいかがでしょうか。
○榎本技術専門委員
 すみません、何遍も申し訳ございません。
 ロードマップというのは、だから、多分学会が望んでいるのは、この「高周波切除器を用いた」というのを外した上での子宮腺筋症核出術という形を望んでいると思うのですけれども。だから、本来は、この先進医療の技術は、ちょっと生かしてくると思うのですけれども、保険でそういう形を見越して、そういうデータを集めると考えてよろしいのですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局です。
 榎本先生、確認でございますけれども、今、おっしゃっておりましたのは、先進医療に、高周波切除器ではない子宮腺筋症核出術の術式を申請したいという内容でございましょうか。
○榎本技術専門委員
 だから、「高周波切除器」というような制限を取るということです。高周波切除器という制限を取るということが、やはり、実臨床にとって一番大事なことだと思いますので。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 もし、そういうことを、高周波切除器ではない術式の、その制限を取った子宮腺筋症核出術を先進医療として行うということであれば、また、これは新たに別の先進医療として申請いただく必要があると思います。
○榎本技術専門委員
 分かりました、了解しました。
○新井座長
 いろいろな意見をいただきましたけれども、子宮腺筋症に対する高周波切除器ではない術式の核出術を先進医療とするか否かとなりますと、高周波切除器というのが外れるわけでこれが外れると、今回の申請自体が成り立たないということになります。したがって、今回は一旦取消しと、その上で、改めて、もし、その御希望があれば、先進医療に別の形で申請をいただくと、そういうことにしたいと思います。
 よろしいでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。活発な御議論、誠にありがとうございます。
 それでは、2件目について事務局から御説明いただきます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、別紙3を御覧ください。
 同じく保険導入に向けてエビデンスを集積するに当たりまして、特別の指摘のあった技術について、粒子線治療、陽子線治療と重粒子線治療がございます。
 前回の会議におきまして、縦隔腫瘍については、希少がんであるために、どのようにエビデンスを集積するかが具体的に問い合わせる内容として御指摘いただきました。
 回答でございますけれども、3行目から読み上げますが、縦隔腫瘍に対して陽子線治療を実施した患者における臓器毒性・2次発がんに関する評価については、2016年から2020年に縦隔腫瘍に対して国内9施設で陽子線治療を実施した約20~25例程度をモデルベースドアプローチの解析対象といたしますとのことです。
 実際に治療に用いられた陽子線治療の線量分布を評価し、胸部各臓器の照射線量を算出するとともに、比較対象として同一症例において同じ標的体積を用いたX線治療による線量分布を作成するとのことでございます。
 評価項目は心毒性と2次発がんのリスクとし、それぞれ数学的モデルを用いてリスクを比較、評価いたしますとのことです。
 心毒性のリスクは、Lyman-Kutcher-Burman NTCP モデルを用いて算出し、2次発がんのリスクは各臓器の線量から患者の生涯にわたる2次発がんのリスクを表すlife time attribute riskにより評価をしますとのことでございます。
 資料に関する説明は、以上になります。御議論のほど、よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 いかがでしょうか、この点につきましては、何か御意見ございますでしょうか。
 希少がんであるために、モデルベースドアプローチにより、その有用性を検証するとして、その具体的な内容について、今回、回答をいただいたということでございますが、何か御意見はございますでしょうか。
 それでは、佐藤先生、よろしくお願いします。
○佐藤構成員
 すみません、以前からいる構成員として恥ずかしい質問なのですけれども、今回の件は、この回答を踏まえて、分かりました、では縦隔腫瘍の陽子線治療を続けても構いませんという答えになるのでしたか、ちょっとすみません、その辺り、質問の意図と今日の答えの、すみません、前からいる委員として恥ずかしいのですけれども、質問をさせていただきました。
○新井座長
 今、まさに先生おっしゃるとおりでありまして、今日の先方からの回答で了承ということであれば、先進医療を継続して症例を蓄積いただき、それをもってエビデンスを創出いただくと、そういう流れになります。そこでまた何か問題があれば、改めて指摘事項を示して、それに対して回答を求めると、そういったようなことになると思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局から補足をよろしいでしょうか、すみません、事務局でございます。
 本技術、粒子線治療に関しましても、先進医療Aとして長きにわたり実施している歴史がございます。陽子線治療の先進医療Aは平成13年7月1日から、重粒子線治療は平成15年11月1日から先進医療Aが行われております。
 その中で、今後、先進医療というのは、保険導入に向けて検討を行う枠組みでございますので、どのようにエビデンスを蓄積していくかというところを、特別指摘があったということで、今回のこのようなディスカッションを設ける場を作らせていただいたわけでございます。
 ですので、先ほど佐藤先生から御指摘いただいた点でございますけれども、このデータの集積法等で、特に誤り等、指摘事項等がなければ、この方法で引き続きエビデンスを作っていただくというところになるかと思います。いかがでございましょうか。
○佐藤構成員
 佐藤です。ありがとうございました。
 すみません、本当にお恥ずかしい限りですけれども、改めて思い出して理解いたしました。ありがとうございます。
○新井座長
 よろしくお願いします。
○近藤(晴)構成員
 前々回のときですか、藤原先生がおっしゃったように、そのまま、いつまで続けるのかということが、やはり問われているというので、この回答ですと、いつまでに結論を出すのかというのが、ちょっと見えませんので、そういうところまでしっかりロードマップとして出していただきたいというのを、もう一回追加でおっしゃっていただいたほうがよろしいのかなと思います。
○新井座長
 ありがとうございました。
 今、重要な御指摘をいただきました。
 それでは、今のいつまでやるのかと、いつまでやればエビデンスが出るのかと、この点は、改めて問うということで、事務局、よろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 はい、かしこまりました。
 近藤先生から御指摘いただいた点、学会のほうにお問い合わせさせていただきます。
○新井座長
 それでは、ロードマップを示していただき、もう一度この場で御審議をいただくということになろうかと思います。貴重な御意見、どうもありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 続きまして「新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて」ということでございまして、これについて、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほど御説明いたしましたとおり、新井座長は、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになりますので、大変申し訳ございませんが、御退席いただくようお願いいたします。
(新井座長退席)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 なお、以降の司会進行につきましては、本日は座長代理も不在でございますので、佐藤構成員にお願いいたします。
 それでは、資料について、まず、事務局から御説明させていただきます。
 今回、先進医療の新規届出技術について振り分け審議をいただく技術が1件ございます。
 まず、先-3の資料に基づき説明いたします。
 受理番号156番でございますが、技術名は、抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(A-FMT療法)でございます。
 適応症につきましては、軽症から中等症の左側・全大腸炎型の潰瘍性大腸炎患者となってございます。
 今回、順天堂大学医学部附属順天堂医院から申請がございました。
 かかる費用につきましては、それぞれ表にお示ししたとおりでございます。
 次に、別紙4の内容の先進性のところを読み上げますと、2段落目でございますが、病変範囲が限局している主に直腸炎型の潰瘍性大腸炎に対しては、局所製剤である坐剤型の5-ASA製剤・注腸型5-ASA製剤・ステロイド注腸製剤も適応であり、2020年にはステロイドの血中移行を最小限に留めるブデソニド注腸製剤が承認され、ステロイド内服療法前に豊富な局所療法の治療選択肢を有するが、左側・全大腸炎型UC、潰瘍性大腸炎には局所製剤の適応がないとのことでございます。
 3段落目の後半部分でございますけれども、本技術は、これまでのものとは全く異なる新しい作用メカニズムを有する治療方法として、5-ASA製剤とステロイド経口製剤の間に存在するアンメット・メディカル・ニーズを埋めることができる寛解導入療法が求められており、本治療はそのニーズに応えるものであるとのことでございます。
 なお、3ページ目を御覧いただきますと、使用する医療材料及び医薬品の欄にサワシリンカプセルなどが適応外使用されることが記載されております。
 ですので、資料先-3にお戻りいただきまして、備考欄にございます、先進医療Bの3番の規定、未承認等の医薬品、医療機器もしくは再生医療等の製品の使用または医薬品、医療機器もしくは再生医療等製品の適応外使用を伴う医療技術(2に掲げるものを除く)に基づきまして、本技術は、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。 説明は、以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○佐藤構成員
 御説明ありがとうございます。
 本日から委員を初めてという先生方もいらっしゃるから、若干分かりにくいかもしれませんけれども、先進医療として、申請されますと、もちろんAかBかということを申請者も考えているわけでございますけれども、本当にAでいいのかBでいいのかというところを、事務局のほうで検討いただき、その結果をこういった会議の形で、これこれこういった理由でBが適当です、Aが適当ですという形で提案していただいて、その提案でよろしいかどうかというのを承認する、審議するというのが、この会議の役割でございます。
 それで、ただいま説明ありましたとおりの内容で、今回申請されたものは、先進医療Bでしょうということでございます。
 もちろん、細かい、これをどういうふうにしていくかというのは、また、次回以降の会議で、また評価するということになります。今回は、AかBかの振り分けについて、これが妥当でしょうかということを審議するということでございますので、その辺、初めての先生方、お分かりになりにくかったかもしれませんけれども、御理解ください。
 という前提をつけてしまいましたけれども、ただいまの事務局から説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 どなたか御質問ございますか、すみません、私のほうでは、手挙げが全部見えないので、もしよかったら御自由に発言いただいても構いませんが、特に御発言がなければ、本技術は、先進医療Bとして扱うということを決定させていただいてよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○佐藤構成員
 ありがとうございます。
 それでは、本件は先進医療Bとさせていただきます。
 それで、私の役割を終えましたので、新井先生にお戻りいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今、新井先生を座長席にお呼びしておりますので、しばしお待ちください。
(新井座長 着席)
○新井座長
 それでは、次に移りたいと思います。
 「先進医療会議にて継続審議の評価を受けた先進医療Aの技術の再評価について」ということでございます。
 まずは、事務局からよろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、まず、先-4に基づきまして説明をさせていただきます。
 今回先進医療Aの継続審議の評価を受け、再審議いただく技術でございますけれども、整理番号350番、マイクロ流体技術を用いた精子選別でございます。
 適応症につきましては、体外受精及び顕微授精を受ける不妊症患者となってございまして、かかる費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 岡山二人クリニックより申請があった技術でございます。
 こちらの事前評価につきましては、新井座長及び北脇技術専門委員にお願いしてございまして、前回までの会議で、少し会議資料に誤りがございまして、新井先生が条件つき適、北脇技術専門委員より、適の評価をいただいておりました。
 続きまして、別紙5の4ページ目を御覧いただければと思います。
 こちらは、当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件を示してございます。
 実施責任医師の要件でございますけれども、診療科は産婦人科、産科、婦人科、または女性診療科、資格は日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医であり、かつ日本生殖医学会認定生殖医療専門医であること。
 当該診療科の経験年数は、5年以上。
 当該技術の経験年数は不要、当該技術の経験、症例数につきましては不要となっております。
 また、医療機関の要件でございますけれども、診療科は産婦人科、産科、婦人科または女性診療科。
 実施診療科の医師数は、常勤の日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医が1名以上、ほかの診療科の医師は不要としております。
 そのほかの医療従事者の配置は、胚を扱うことができる技術者としておりまして、病床数は不要、看護配置は不要、当直体制は不要、緊急手術の実施体制は不要、院内検査(24時間実施体制)は不要としております。
 ほかの医療機関との連携体制は必要としておりまして、緊急の場合、そのほか当該療養について必要な場合に対応するため、ほかの保険医療機関との連携体制を整備していることとしております。
 医療機器の保守管理体制は不要、倫理審査委員会の審査体制は、必要な場合に事前に開催すること、医療安全管理委員会の設置は必要、医療機関としての当該技術の実施症例数は不要となっております。
 また、そのほかの要件でございますけれども、頻回の実績報告は不要としております。
 次に、別紙5の13ページを御覧ください。
 こちらが、前回の会議以降で御指摘いただいた指摘事項になります。
 この指摘事項の4の問1の3段落目にございますように「ランダム化比較試験を行うことを検討して下さい」ということが、前回行われまして、その指摘に対しまして、回答として、試験デザインについて、多施設共同前向きランダム化比較試験に変更いたしますと回答をいただいているところでございます。
 また、資料につきましては、以上でございますが、前回会議後修正いただいた資料を基に、柴田元構成員よりコメントをいただいておりますので、御紹介いたします。
 研究実施計画書19ページ目に、審査意見業務を行う認定臨床研究審査委員会に岡山二人クリニック倫理委員会と記載がございますが、こちらに関しましては、本当に認定臨床研究審査委員会でしょうか。
 2つ目、研究実施計画書の随所に臨床研究法という文言が散見され、これは誤りではないでしょうか。
 3つ目、登録前に書面による同意を取得することを計画書にも明示することが必要ではないか。
 4つ目、症例登録確認書や症例登録票についてですが、ここにあるIDとはカルテ番号を指すのか、カルテ番号を指すのであれば、研究実施計画書に書いてあることとそごがあるので修正が必要と思われます等の御指摘をいただいております。
 以上、柴田先生のコメントを御紹介いたしました。
 資料につきましては、以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、本技術につきまして、私が事前評価をいたしましたのでご報告いたします。
別紙5の1ページ目を御覧いただきたいと思いますが、マイクロ流体技術を用いた精子選別ということで、適応症につきましては、評価した時点では、妥当ではないという判断をさせていただきました。
 その理由は、女性の年齢が43歳以上が除外基準としていますが、これですと、卵子の質の担保という観点から妥当なのかどうか検証の必要があるのではないかということであります。
 有効性については、C、従来の技術を用いるのと同程度、または劣る。
 安全性は問題なし。
 技術的成熟度は、このCの当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした診療体制をとっていないと行えないということにいたしました。
 倫理的問題は、ございません。
 普及度に関しては、Bのある程度普及しているという判断をさせていただきました。
 効率性については、現時点では、果たしてどうなのか、不明な点も多うございましたので、効率性は従来の技術に比較して同程度または劣るといたしました。
 現時点、すなわち本技術の有効性の検証ができていない段階では、将来の保険収載を行うべきと判断はできないということで、将来の保険収載の必要性についてはBという判断をいたしました。
 総評でございますけれども、先ほど申し上げた女性の年齢による卵子の質ということが問われます。こういったような交絡因子に関する検討が必要なのではないかとコメントいたしました。
 ただ、その後、いろいろ議論がございまして、先般の先進医療会議では、一応、43歳以上を除外とした上で、例えば、35歳以上と35歳以下で、年齢を階層化して解析を行うなどすれば、この卵子の質という交絡因子に関してはある程度問題が解決できるという認識であります。
 あと、今、事務局から御説明がありましたように、前委員である柴田先生から、施設共同のRCTの必要性ということが指摘され、それについての対応もあったということでございます。
 以上が私の評価ということでありまして、続きまして、今日は、御出席いただいております、技術専門委員であります、北脇先生から御説明をいただきたいと思います。
 北脇先生、よろしくお願いいたします。
○北脇技術専門委員
 北脇でございます。
 今の資料の2ページのところが、前回、私が評価いたしましたところでございまして、今、新井座長のほうから御説明いただきましたのと、あまり変わるところはありませんけれども、適応症は妥当であると、前回評価したもの、そのものでございます。
 有効性はB、やや有効、安全性は問題なし、技術的成熟度はAでございます。社会的妥当性は、倫理的問題はない。普及性ですけれども、少しやっているところはありますけれども、あまり普及していないというCにさせていただきました。効率性は、報告からしますと、やや効率的と判断いたしました。今後は、保険収載を行うべきであるということでAといたしまして、私のほうからは、一応、適といたしました。これは、いろいろと委員の先生から御指摘を受けまして、かなり修正をしていただきましたので、そこそこの内容にはなったのではないかということで判断いたしました。
 この主要評価項目を、当初のものと変更いたしまして、胚盤胞到達率として変えていただいたというところ、この辺は妥当かと思います。
 最終的には、やはり妊娠して、精子を得るというところが、最後のアウトカムなのでございますけれども、そこまでまいりますと、交絡因子がたくさん入ってきますので、この手の研究は、多くが大体胚盤胞到達率というところでとどめているのではないかと考えます。
 あと、統計手法についても改善されております。それで、今、新井先生がおっしゃいました年齢ですね、女性の年齢というのが一番大きな交絡因子として知られておりますので、こちらのほうを40才未満とする、あるいは階層化して層別解析をするということで、解析が可能であると考えます。これも、この手の研究では、ほとんどの研究で、そういう層別解析をやっているというところでございます。
 ただ、柴田先生から御指摘にいただきました倫理委員会での承認のことや、あと、紙ベースでの同意文書のことに関しては、そのときには、そこまで見ておりませんでしたので、コメントしておりませんでした。もう少し修正をしっかりしていただく必要があるのではないかなと思いますので、修正を適切にやれば、大きな内容としては妥当ではないかなと判断いたしております。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 今、冒頭で事務局から御説明があった前委員である柴田先生は生物統計家としての視点で評価を、コメントをいただいたわけでございます。
 今回新たに加わって、いきなりで大変恐縮なのですけれども、東京大学の松山先生、やはり生物統計の視点からコメントをいただくことは可能でしょうか。
○松山構成員
 ありがとうございます。松山です。
 私も今回から参加いたしましたので、これまでの御議論の内容を正確に把握しておりませんけれども、おっしゃるとおり、様々な交絡因子が影響すると思います。
 ですので、単純に従来法と比較するだけでは、問題がかなり大きいかなと思います。もちろん、層別化することで、その後、ある程度バイアスは補正できるとは考えますけれども、できるならば、やはり多施設のランダム化比較試験を行うのがよいのではないかと考えます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 そういたしますと、今の議論を踏まえて、申請者には申請内容を変更していただきそれをもって良しとする、これを当会議の決定とするということでよろしいですか、あるいは改めて継続審議にして、本日ランダム化の話も出ました、また前委員の柴田先生からもそういう指摘がありました、これはかなり重要な問題ですので、これを踏まえて申請者にはしっかりと修正したものを改めて本会議に提出いただく、そしてそれをチェックした上で、ゴーサインを出すのかということだと思いますが、事務局、どうでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 別紙5の13ページ目におきまして、指摘事項に対する回答4で、まず問1で、試験デザインについて、多施設共同前向きランダム化比較試験に変更いたしますと御回答いただいております。
 問2ですけれども、問2の会議から問い合わせた内容の2段落目なのですけれども、適格基準による対象の絞り込みが行えず、また、ランダム化比較試験の実現可能性が低いのならば、交絡因子の影響を調整する解析手法、例えば、層別解析を行うなど、試験デザインに合う解析手法を取り入れてくださいと問い合わせていたところなのですけれども、松山先生にお伺いしたいのは、多施設共同前向きランダム化比較試験を行えば、それ以降の解析は行わずによしとしてよいのか、それとも交絡因子を除外する何かしらの解析手法が新たに必要だとお考えになりますでしょうか、その点、お伺いしてもよろしいでしょうか。
○松山構成員
 ありがとうございます。
 ランダム化比較試験をすれば、基本的には、サンプルサイズにもよりますけれども、交絡によるバイアスはないと考えられますので、メインの解析といたしましては、単純に比較するだけで問題はないと思います。
 ただし、様々な背景因子、女性の年齢別の解析結果も、当然、サブグループ解析として必要となってきますので、そのような副次的な解析といたしまして、サブグループ解析、30代ではどうなのか、女性が40代ではどうなのかという結果も提示いただかなくてはいけないと思います。
 いずれにしましても、ランダム化比較試験を多施設で行われるのであれば、そのためのプロトコールをもう一度組んでいただいて、その内容を吟味する必要があるかと思います。
○新井座長
 ありがとうございました。
 事務局、お願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。かしこまりました。貴重な御意見ありがとうございます。
 加えまして、事務局からの御報告なのですけれども、今回のランダム化比較試験を、このように指摘事項に対する回答として医療機関からいただいたものの、実は、患者さんにお渡しする同意説明文書のリバイズが行われておらず、同意説明文書のリバイズを事務局から、もう行わなくてよいのかという問い合わせを行ったところ、昨日、提出があったというところでございまして、その患者説明同意文書をRCT用にリバイズした内容も、まだ、しっかり確認できていないというのが現状でございます。
 以上、御報告です。
○新井座長
 ありがとうございました。
 今のお話ですと、多施設共同のランダム化が非常に重要なポイントになるわけでありますが、この資料の14ページを見ていただくと、参加予定施設は蔵本ウィメンズクリニック、女性ARTクリニック、高橋ウィメンズクリニック、そのように記載があるのですけれども、これは参加予定なので、予定は未定なので、本当にこれでいいのですか、事務局。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 一応、先進医療Aの申請上、しっかり多施設を全てインクルードした申請書というものの作成というのは求めていないものになっておりまして、一応このように、どの施設が参加する予定があるかというところだけお伺いした指摘事項になるということでございます。
○新井座長
 それでは、一応、この回答で、多施設共同は担保されたという、そういう理解になると思います。
 それでは、ほかに御意見ございますでしょうか。
 それでは、多施設共同のランダム化比較試験が実施されるということが明らかになりましたので、いろいろな御指摘をしっかり変更していただいて、この事前評価は諾とするということで、よろしいですかね、事務局。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 条件つき適というところでよろしいですか、それとも継続審議のほうが。
○新井座長
 条件つき適にすれば、変更を確認して、事務局と座長のほうで確認してオーケーということになるわけですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 あと評価者の先生ですね。
○新井座長
 評価者と座長と事務局で変更を確認して、ゴーサインを出すということで、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○新井座長
 それでは、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」ということでございまして、これは1件あります。
 事務局、よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 それでは、まず、先-5に基づきまして説明をさせていただきます。
 審議の前に報告でございますけれども、もともと前回第115回先進医療会議で、東京医科歯科大学病院から歯科用OCT画像診断装置を用いた歯の硬組織疾患の客観的診断法という技術が先進医療Aに振り分けられており、今回審議の予定でございましたが、申請書類等の不備がございまして、このたび医療機関から申請を取り下げる旨がございましたので、御報告申し上げます。
 それでは、改めて先-5の説明をさせていただきます。
 今回、先進医療Aの新規技術として御審議いただく技術でございますが、整理番号351番、次世代シーケンサーを用いた流死産絨毛・胎児組織染色体検査でございます。
 適応症については、自然流産(2回目以降)、死産となってございまして、かかる費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 今回、大阪大学医学部附属病院より申請がございました。
 こちらの事前評価については、佐藤構成員及び村田技術専門委員にお願いしてございまして、佐藤構成員より適、村田構成員より適の御評価をいただいております。
 続きまして、別紙6の3ページ目を御覧いただければと思います。
 こちらは、当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件をお示ししてございます。
 まず、実施責任医師の要件でございますけれども、診療科は産婦人科、産科、婦人科または女性診療科。
 資格は、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医であること。
 当該診療科の経験年数は5年以上。
 当該技術の経験年数は不要。
 当該技術の経験症例数につきましては、不要となっております。
 また、医療機関の要件でございますけれども、診療科は産婦人科、産科、婦人科または女性診療科。
 実施診療科の医師数は常勤の日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医が1名以上。
 他の診療科の医師は不要としております。
 その他の医療従事者の配置は、看護師が必要としておりまして、病床数は不要、看護配置は不要、当直体制は不要、緊急手術の実施体制は不要、院内検査(24時間実施体制)は不要としております。
 他の医療機関との連携体制は必要としておりまして、急変時に入院を含めた対応を可能とするための医療機関との連携、染色体検査結果で特殊な核型が検出された際の臨床遺伝専門医への紹介が必要となっております。
 医療機器の保守管理体制は必要、倫理審査委員会の審査体制は、自施設内倫理委員会を設置していることが望ましいが、他施設で外部からの倫理審査を受託している施設の倫理委員会を委託することができる。
 医療安全管理委員会の設置は不要、医療機関としての当該技術の実施症例数は不要となっております。
 また、その他の要件でございますけれども、頻回の実績報告は不要としております。
 資料につきましては、以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 この技術につきましては、事前評価を佐藤構成員と村田技術専門委員にお願いしております。
 まずは、佐藤構成員より、評価結果について御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○佐藤構成員 佐藤でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、先ほどの別紙6でしたか、出していただけますでしょうか。
 6の10ページに進めていただけますでしょうか。
 ありがとうございます。本技術の先進医療の概要でございます。
 最初の先進性というところを御覧いただければと思いますけれども、先進国では、高齢出産の割合が増加ということで、流死産の主因である染色体異数性の頻度というのは、母体の年齢とともに上昇ということで、この原因を特定することは、次回妊娠にとって非常に大事ですということが記載されております。
 よって、染色体異数性検査は有効でということで、その後、書いてありますけれども、細胞培養が必要である染色体G-banding法、こちらについては、日本では、令和4年の年の4月から保険収載になったということで、日常診療に供されているものと思います。
 ですけれども、このG-banding法といいますのは、細胞の培養を伴いますので、無菌的に採取しなければならないということを含めて、実際、検査ができないということがあり得るということでございます。
 それを克服するには、次世代シーケンサーを使った染色体の異数性検査ということが、近年可能になってきましたので、そういった実施できない患者さんといいますか、妊娠も含めて、こういった検査が有効になるのではないかということで、先進医療として申請したということでございます。
 概要につきましては、その下の対象ですね、過去に1回以上の流産歴があって、今回臨床的に流産、あるいは、その下で、今回、臨床的に死産といった方となっておりまして、胎児の原体の採取法、その他につきましては、この後、御専門の村田先生もいらっしゃいますので、専門のところで、何か御懸念があったら御指摘いただければと思っております。
 その下、3)検査のほうでございますけれども、検体の一部をタカラバイオ社に送って、核酸を抽出して、全ゲノム増幅、ライブラリー調製後、次世代シーケンサーにかけて塩基配列を決定と。それで、得られた塩基配列から、Embgenix Analysis Softwareというのを用いて検出ということになっておりまして、この後、お話ししますけれども、最終的に、このソフトウエアの承認を目指すということを意識した先進医療でございます。
 13ページを見ていただけますでしょうか。
 技術の概要ということで、流産になった方でということで、G-bandingですね、右側のほうに染色体の絵がありますけれども、こういった形で細胞を培養して、分離して止めて、染色体をしっかり分析するという手法でございますけれども、これは、できない場合があるということでございまして、それに比較して、NGSであればということで、そこに検査の順番が書いてありますけれども、最終的に解析を行うソフトウエアの薬事承認ということを考えています。
 次に行ってください。
 ということで、ロードマップでございますけれども、先行技術として、左側の青いところ、G-banding法に代わってNGSを用いた検査、染色体の検査ができるよという報告が、最近ぼちぼちと出始めているということで、2つ目のポツのところにありますけれども、非劣性とか示されたという報告もあるということで、タカラバイオのほうでも、先行する形である程度性能試験的なことを行い、2022年に報告があるということでございまして、左下、今回、先進医療ということで、選択基準、先ほど申し上げたとおりの内容でございまして、具体的には、右側のオレンジのところです。今回は、症例数40と書いていますけれども、主要評価項目として、死流産の原因の推計割合ということでございまして、検体が提出された症例全体で、NGSとG-bandingそれぞれ両方やりますというのが原則で、それについて、それぞれの割合を推定することで比較するということで、30例で統計的にはできるということですけれども、何らかの形でできないものもあるので40ということで、今日は、ちょっとお時間があれですから割愛しますけれども、もう少し下のほうに行きますと、統計学的な根拠を出されております。
 それで、今回の先進医療の結果もそうですけれども、タカラバイオの会社のほうでも、今までプログラム医療としてのPMDAの相談というのを行っておりまして、これから、タカラバイオのほうで、申請のパッケージの相談を、これからPMDAにするということで、詳細なパッケージは、これからというところではございますけれども、今回の先進医療の結果、参考資料という形かもしれませんけれども、それで解析を行う、G-bandingの比較、それからソフトウエアのバリデーション等のデータを、これから可能なものを早く取り、場合によっては、この先進医療の結果を参考にしながら比較試験も行い、最終的にパッケージをそろえてPMDAに申請するというようなロードマップを描いているということでございます。
 1ページ目に戻っていただいてよろしいでしょうか。
 私の評価ですけれども、適応症としては妥当であるということ。
 有効性としては、従来ということで、最近承認されたG-bandingですので、やや有効ということで、技術的にまだどこまでになるか分かりませんけれども、培養を用いることでできない患者さん、妊娠例があるということを考えると、やや有効になる期待があると。
 安定性については、問題なかろうということ。
 技術的成熟度に関しましては、検体の採取も含めて、一定の経験を積んでいればオーケーだろうと考えました。
 倫理的には問題がなく、普及性につましては、NGSにつきましては、まだ報告が散見される程度ですから、まだ普及していないと思います。
 効率性につきましては、G-bandingである程度できますので、それを上回る結果がどれだけ出るかというのは分かりませんけれども、できない症例があるということを考えると、やや効率的は期待されると。
 そういうことも含めて、将来的には保険収載に、よい結果が出れば、保険収載が妥当だろうということで、全体としては、もちろん、これからの結果を見ないと何とも言えないところでございますけれども、適とさせていただきました。
 ただ、私も産科ではございませんので、細かい技術的なところは、村田先生にちょっとお願いしたいなと思っているところでございます。
 私からの報告は、以上になります。
○新井座長
 ありがとうございました。
 続きまして、村田技術専門委員より、評価結果について御説明をお願いしたいと思います。
 村田先生、よろしくお願いします。
○村田技術専門委員
 村田です。
 それでは、一応、評価のほうを先に出していただけますでしょうか、2ページ目ですね。
 私の評価がありますけれども、今、佐藤先生のほうから非常に詳しく説明していただきましたので、バックグラウンドのお話は省略いたしますけれども、私のほうも、適応症については、妥当でありますし、また、有効性は、従来の技術を用いるよりも、やや有効、これについては、実は、従来の技術、先ほど御紹介のありましたG-bandingによる方法と、今回のこの研究の中で比較をしていくということになっておりますので、実際に、まだ、有効かどうかというのは、この段階で判断が実はできないということがございます。それをやるのが、この先進医療の中での研究だと捉えています。
 安全性については、特に、これは体外診断ですので問題がないと、また、技術成熟度については、当該分野を専門とし、経験を積んだ医師または医師の指導下であれば行える。
 それから、倫理的には問題等はない。
 普及性については、罹患率、有病率から勘案して普及していないと考えます。
 効率性についても、先ほど申し上げたように、これから比較になりますので、まだコメントは難しいのですけれども、一応やや有効というところに印をつけました。
 総評のところですけれども、本技術は不育症の個々の症例における原因究明となり、また、それに応じた対策を講じる可能性があるということから、臨床的に有用であると考えております。
 繰り返しになりますけれども、保険適用されているG-bandingでは解析できない症例が、解析可能であるという期待を込めて、やや有効としております。
 倫理的な側面を配慮しながら、この研究を試行していく必要があるということでございます。
 それで1点、これは、症例数についてですけれども、私ちょっと感じたのは、既にあるG-bandingで、この先進医療の会議に出てきたのですけれども、そのときの資料を読み返してみると、G-bandingの場合、9割以上の成功率であるということが報告されているということで、だとすると次世代シーケンサーを使って行うことの有意性、これをどのように捉えるかというのが一番ポイントかなと思いました。
 今回の研究では、36例がエントリーするという予定になっているのですけれども、実際、この強みを出すには、やはり流産原因を同定する上で、この流死産手術、術直後の検体ではなく、それ以外のものですね、すなわち、G-bandingでは難しい症例について、少し多くの症例を集めたほうがいいのではないですかというようなコメントをさせていただいたのですけれども、実際、大阪大学のほうからの回答は、やはりそういうふうにバイアスをつけるのではなく、やはり実際に、この検査が行われる例数、自然のままでエントリーしていきたいというお考えだそうです。
 実際に、その症例数は、恐らく2対1、すなわち流死産直後以外が1になりますけれども、やや少な目の症例数が集まるのだろうというような予想をしているということでございます。
 それでも、36例で統計学的に可能だと回答いただきましたので、これは、やってみて判断するということになるのかなと感じました。
 簡単ですけれども、以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
○佐藤構成員
 新井先生、すみません、佐藤ですけれども。
○新井座長
 よろしくお願いします。
○佐藤構成員
 すみません、今、村田先生からも症例数の設計の話が出ましたけれども、別紙のほうの20ページを開けていただいてよろしいですか。私も統計のところは、必ずしも得意ではないので、こう書かれると、そうなのかと思ってしまうところは、若干ないわけではないのですけれども、村田先生からお話がありましたとおり、流死産の場合と、それ以外の場合ということで違うのではないかということも含めた後、G-bandingでもほとんど分かるのではないかということで、そこに書いてありますけれども、自験例でも、必ずしもそうでもないというところもあって、この辺の根拠がどのくらい正当性があるのかというのは、私も自信が100%あるわけではないというところがございます。
 ただ、もちろん、先ほどもありましたように、プログラムソフトウエアとして、タカラバイオのほうでも、いろいろな検討をしながらパッケージとして持っていくときに、ここで、想定どおり有意差ですかね、G-bandingとNGSの差が出なかったとしても、一定の結論、傾向が出ることによって、次につながっていくという可能性もあるのかなと思いまして、私としては、統計学的根拠を100%理解したわけではないのですけれども、諾としたということでございます。若干言い訳がましいところがありますけれども、一応、そのように判断したということでございます。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 今、佐藤先生から追加のコメントをいただきましたけれども、何か御質問ございますでしょうか。
 よろしくお願いします。
○滝田構成員
 京都大学の滝田でございますが、ちょっとテクニカルなところでお伺いしたいのですけれども、NGSを用いてのコピー数解析をするということだと思うのですが、NGSなので、多分、遺伝子変異とかも検出できてしまうのではないかと思うのですね。それは、もう全く見ないで、コピー数だけ結果を使うというか、そういう理解でよろしいでしょうか。
○新井座長
 村田先生、よろしくお願いします。
○村田技術専門委員
 村田ですけれども、御指摘のとおり、コピー数だけを今回のデータとして使うというような申請になっております。恐らく偶発的も含めて、いろいろなことが見つかってくる可能性があるのですけれども、今回のこの研究の中では、コピー数だけを見て、ですから、出てくるデータとしては、G-bandingの結果とほとんど変わらない、ざっくりで言えば、そういう結果になるのではないかなと思います。
○滝田構成員
 ありがとうございます。
 その辺りは、患者さんに十分御説明の上、研究に御参加いただくということでしょうか。
○村田技術専門委員
 そのとおりでございます。
○佐藤構成員
 別紙の11ページに、一応、遺伝カウンセリングの準備もしていることが書かれておりますので、どういった所見が出て、どういった情報が入ってくるかということも含めて、カウンセリングの準備をしているという記載はございます。一応補足です。
○滝田構成員
 ありがとうございます。
○新井座長
 ほかは、よろしいでしょうか。
 それでは、特に御意見がなければ、お二人の評価どおりに決定ということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか、特に御意見がなければ、そのようにさせていただきたいと思います。
 この件についても活発な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議題は、残りは「その他」となっておりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 特段ございません。
○新井座長
 構成員の先生方から、何かございますでしょうか。
 特にないようです。
 それでは、本日の議題は、以上としたいと思います。
 次回の開催については、事務局からよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和4年12月8日木曜日の16時からを予定したいと思っております。場所につきましては、別途御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、第116回の「先進医療会議」を、これにて終了といたします。
 どうも御協力ありがとうございました。

 

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