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2022年10月6日 第115回先進医療会議

○日時

令和4年10月6日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者


【構成員等】

五十嵐座長 新井座長代理 近藤構成員 佐藤構成員 
柴田構成員 竹内構成員 福井構成員 藤原構成員
山口構成員 渡辺構成員 北脇技術専門委員


【事務局】

審議官 医療技術評価推進室長 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 他



○議題

1 新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
(先-1)(別紙1)(別紙2)
 
2 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)(別紙3)

3 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-3)(別紙4)
 
4 先進医療Bの総括報告書に関する評価について(告示番号旧1/jRCTs031180141)
(先-4)(別紙5)

5 先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて
(先-5)

6 先進医療の保険導入等の検討について
(先-6)(別紙6)(参考資料)

7 その他

 


○議事

16:00開会

 
○五十嵐座長
 それでは、ほぼ定刻になりましたので、これから「先進医療会議」を開催したいと思います。
 お忙しいところお集まりくださりまして、ありがとうございます。
 初めに、構成員の先生方の出欠状況について御報告いたします。
 本日は、福田構成員から御欠席との連絡をいただいております。
 福田先生からは、委任状の提出がありまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされております。
 では、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、先-1「新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて」としている1枚紙の資料がございます。
 こちらには別紙1、別紙2がついてございます。
 続きまして、先-2「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」としている1枚紙の資料がございます。
 こちらには別紙3がついてございます。
 続きまして、先-3「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」としている資料がございます。
 こちらには別紙4がついてございます。
 続きまして「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」として、先-4、別紙5がございます。
 続きまして「先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて」として、先-5がございます。
 最後に「先進医療の保険導入等の検討について」として、先-6、別紙6、参考資料がございます。
 資料につきましては以上でございますが、お気づきの先生方もいらっしゃるかもしれませんが、前回の先進医療技術審査部会におきまして、議事次第にjRCTを記載する運びとなったことを受けまして、今回の先進医療会議におきましても、jRCTが付された技術に関しましては、同様の記載をさせていただく運用とさせていただいておりますので、御承知いただけますと幸いです。
 なお、今回の先進医療会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者は、会議資料のページ、または送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、助かりますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明どうもありがとうございました。
 それでは、委員の先生方、資料についてはよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 それでは、今回検討対象となる医療技術に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。
 その結果の御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について、御報告申し上げます。
 新井座長代理より、先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等における整理番号165の技術について報告がございました。
 新井座長代理におかれましては、検討対象技術について、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 そのほかの出席されている構成員の先生方におかれましては、同様の事例はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 続きまして「新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」資料がございます。
 本日は2件ございます。
 まず、1件目について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回、先進医療の新規届出技術について、振り分け審議をいただく技術が2件ございます。
 まず、先-1の資料に基づき、1件目から説明いたします。
 整理番号154番でございますが、技術名は「歯科用OCT画像診断装置を用いた、歯の硬組織疾患の客観的診断法」でございます。
 適応症につきましては、初期から中等度の齲蝕となってございます。
 今回、東京医科歯科大学病院から申請がございました。
 かかる費用につきましては、それぞれ表にお示ししたとおりでございます。
 次に、別紙1の技術の概要についてでございますが、内容の(先進性)を読み上げますと、光干渉断層計(OCT)は、光のエコーを用いて歯の内部を画像化する装置であり、撮像原理は超音波断層画像装置に類似し、放射線を用いずに生体組織の精度の高い断層画像を撮影することができるとのことでございます。
 こちらは、2020年には歯科用の医療用機器として薬事承認が得られているとのことでございます。
 OCT画像を用いると、初期の齲蝕に対しても早期段階で脱灰の進行深さや再石灰化の有無が分かるので、非切削の再石灰化治療や侵襲の少ない齲蝕治療を実践する上で有用性の高い情報が得られ、先制的な治療を行うことができるとのことでございます。
 また、歯の石灰化やコンポジットレジン修復の適合状態を画像表示し、齲蝕治療の術後管理を行うことができるとも述べられております。
 資料先-1にお戻りいただきまして、備考欄にございます先進医療Aの1番の規定「未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術(4に掲げるものを除く。)」に基づきまして、本技術は、先進医療Aとして振り分け案を提示させていただきました。
 事務局からの説明は以上でございます。
 御審議のほどよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、これは先進医療Aということにしたいと思います。
 2件目につきまして、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 事務局でございます。
 それでは、再び先-1の資料を御覧いただけますでしょうか。
 受理番号155番でございますが、技術名は「次世代シーケンサーを用いた流死産絨毛・胎児組織染色体検査」でございます。
 適応症につきましては、自然流産(2回目以降)、死産となってございます。
 今回、大阪大学医学部附属病院から申請がございました。
 かかる費用につきましては、それぞれ表にお示ししたとおりでございます。
 次に、別紙2の技術の概要でございます。
 (先進性)の2行目から読み上げますが、流死産の原因を特定することは、次回の妊娠の治療に寄与する(例えば染色体数正常で流死産が発生していれば、母体要因によるものが疑われるので、母体要因を徹底的に検索する、など)ということで、有用な方法であると考えられるとのことです。
 染色体異数性検査には、細胞培養が必要である染色体G-banding法が、本邦では令和4年度より保険収載がなされております。
 一方で、染色体G-banding法は、培養法であるため、無菌的に流死産物を子宮内から採取する必要があり、自然排出例または凍結保存例では実施できないとのことでございます。
 これを克服し得るNGS、次世代シーケンサーによる染色体異数性検査が可能になり、本分析法の有効性が示されれば、流死産の真の原因を知り得る可能性が上昇し、次回妊娠に向けた適切な治療方針を決定できるために意義があるというものでございます。
 別紙2-2を見ていただきますと、使用する医療機器の欄がございます。
 薬事未承認であるタカラバイオ株式会社のEmbgenix Analysis Softwareを使用するとなっております。
 このため、資料先-1にお戻りいただきまして、備考欄にございます先進医療Aの2の(3)の規定「未承認等の医療機器の使用又は医療機器の適応外使用を伴う医療技術であって、検査を目的とするもの」に基づきまして、本技術は、先進医療Aとしての振り分け案を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。
 御審議のほどよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 何か御質問等はございますでしょうか。よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、これは先進医療Aとして振り分けたいと思います。
 続きまして「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されております。
 事務局から御説明願います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-2に基づきまして御説明させていただきます。
 今回、先進医療Aの新規技術として御審議いただく技術でございますが、整理番号350番「マイクロ流体技術を用いた精子選別」でございます。
 適応症につきましては、体外受精及び顕微授精を受ける不妊症患者となってございまして、かかる費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 今回、岡山二人クリニックより申請がございました。
 こちらの事前評価につきましては、新井座長代理及び北脇技術専門委員にお願いしてございまして、新井座長代理より「条件付き適」北脇技術専門委員より「適」の御評価をいただいております。
 続きまして、別紙3の4ページ目を御覧いただければと思います。
 当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件をお示ししてございます。
 まず「実施責任医師の要件」でございますが、診療科は産婦人科、産科、婦人科または女性診療科。
 資格は、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医であり、かつ、日本生殖医学会認定生殖医療専門医であること。
 当該診療科の経験年数は5年以上。
 当該技術の経験年数は不要。
 当該技術の経験症例数につきましては不要となっております。
 また「医療機関の要件」でございますが、診療科は産婦人科、産科、婦人科または女性診療科。
 実施診療科の医師数は、常勤の日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医が1名以上。
 ほかの診療科の医師は不要としております。
 そのほかの医療従事者の配置は、胚を扱うことができる技術者としておりまして、病床数は不要。
 看護配置は不要。
 当直体制は不要。
 緊急手術の実施体制は不要。
 院内検査(24時間実施体制)は不要としております。
 ほかの医療機関との連携体制は必要としておりまして、緊急の場合その他当該療養について必要な場合に対応するため、ほかの保険医療機関との連携体制を整備していることとしております。
 医療機器の保守管理体制は不要。
 倫理審査委員会の審査体制は、必要な場合に事前に開催すること。
 医療安全管理委員会の設置は必要。
 医療機関としての当該技術の実施症例数は不要となっております。
 また、その他の要件でございますが、頻回の実績報告は不要としております。
 事務局からは以上でございます。
 よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 それでは、事前評価をしていただきました新井座長代理から、評価結果について御説明をお願いいたします。
○新井座長代理
 新井でございます。
 別紙3の1ページ目を御覧いただきたいと思います。
 技術につきましては、今御説明があったとおり「マイクロ流体技術を用いた精子選別」であります。
 適応症につきましては、現時点では妥当ではないとさせていただきました。
 申請者のやり取りの中で、女性年齢43歳以上が除外基準となることが加わりましたが、それで卵子の質の担保という交絡因子の影響を充分に排除できるのかが不確かのように思います。
 ここについては、ぜひ北脇先生に後ほどご意見をいただきたいところでありますが、私が門外漢なりに調べた限りでは、43歳以上の卵子では36歳以上のそれと比較して受精率が大体半分ぐらいになってしまうといったことが言われています。
 したがって、43歳を超えた卵子では、より受精の可能性が低くなるということで、除外基準で、女性の年齢を何歳に設定するかはポイントになると思い、あえて妥当ではないと評価したということであります。
 有効性に関しては、従来の技術を用いるのと同程度といたしました。
 安全性は問題なし。
 技術的成熟度は「当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした診療体制をとっていないと行えない」Cといたしました。
 倫理的には問題がない。Aでございます。
 現時点での普及性は、Bのある程度普及しているといたしました。
 効率性に関しましては、まだ不確定な部分がありますので、Cの効率性は同等または劣るといたしました。
 将来の保険収載の必要性については、これが有効なのかどうかは、今、はっきりと実証されておりませんので、現時点では保険収載を行うべきではないのではないと判断しました。
 実際に今回の申請が認められて、この先進医療の中でその有効性が確認されれば、当然、保険収載という道筋も開けてくると思います。
 総評でありますが「条件付き適」ということにいたしました。繰り返しになりますが、ぜひ北脇先生のご意見をいただいて、卵子の質という交絡因子に関する検討をお願いしたいと思います。すなわち43歳以上の女性を除外することで十分なのか否かについてご意見をいただいて、最終的に判断させていただきたいと思っております。
 私からは以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、北脇技術専門委員から、評価結果について御説明をお願いいたします。
○北脇技術専門委員
 北脇でございます。
 2ページを御覧いただけますでしょうか。
 私は、適応症は一応、妥当であるということで、その理由に関しましては、後ほど総評のところでまとめてお話しさせていただきます。
 有効性は、Bの従来の技術を用いるよりも有効で、安全性は、精子の調整に関わることだけですので、問題なし。
 技術的成熟度は、Aの「当該分野を専門とし経験を積んだ医師又は医師の指導下であれば行える」としました。
 精子の調整だけですので、その次の倫理的問題は発生しないと考えます。
 現時点での普及性はC、あまり普及していないということでございます。
 効率性は、数少ないのですが、一応、国際的にも英文誌が出ておりまして、やや効率的と考えられると思います。
 まだまだではありますが、将来の保険収載の必要性は、保険収載を行うことが妥当と考えました。
 総評でございます。
 その次のページですが、一応、総合判定として「適」とさせていただきました。
 コメント欄ですが、この種類の生殖補助医療技術、特に今回、顕微授精におきましては、射出精子から良好な精子を抽出することが成否を左右する重要な因子の一つであると思われます。
 今回申請のZyMotスパームセパレーター法は、安全かつ簡便な技術であって、従来法に比較して妊娠率を改善するという既報があります。
 倫理的問題は発生しません。
 ただし、日本に導入されてから日が浅いため、普及はしていません。
 生殖補助医療技術の実地臨床における研究は、多くの制約や交絡因子が存在するという困難さが内在しています。
 今回、事前に新井先生をはじめ、私からもいろいろと指摘させていただきまして、研究の原案を多少修正していただきました。
 研究対象は、顕微授精を受けるカップルに絞られ、主要評価項目を胚盤胞到達率と変えていただきました。
 統計手法も若干変えていただきました。本技術の優位性を評価する上で、可能な限り直接的かつ焦点を絞った研究計画になってきたのではないかと考えております。
 ただいま新井先生から御指摘いただきました点でございますが、交絡因子に関しましてですが、特に女性の年齢が妊娠の成否に関しまして、最大の交絡因子の一つとなっております。
 卵子の老化のために、妊娠率は35歳以降より低下して、特に40歳以上では大きく低下するという問題があります。
 さらに、体外受精か、顕微授精か、いずれを選択するのかという基準も、今回の精子所見に基づくだけではなく、女性の高年齢を理由に顕微授精を選択する場合もあります。
 そこで、多くのこれに類する研究では、できるだけ女性年齢の要素を軽減するために、40歳未満を対象としていることが多くあります。あるいは、40歳の前後で層別解析をしているのが多いと思います。
 そこで、本研究では、対象を42歳までにすると修正されているのですが、やはり御指摘のとおり、女性年齢による成績の差は無視できません。可能であれば、40歳未満と限定すれば、多くのメジャージャーナルでもアクセプタブルではないかと考えます。
 もしそれが症例数の関係で難しいようであれば、40歳前後での層別解析を行っていただければ、いけるのではないかと考えております。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、新井先生、今の御回答に対して、いかがでしょうか。
○新井座長代理
 北脇先生はご専門でいらっしゃるので、今のご説明で私は納得いたしました。ただ、適応を40歳未満とするからには、40歳前後で層別化するなど、北脇先生のおっしゃった手法を導入していただくことでよろしいのではないかと思いました。
 ただ、最初の段階で、この計画には女性の年齢に関する記載が全くなかったため、その辺に何となく申請者の危うさを感じてしまいました。私ども素人でも女性の年齢が交絡因子になることは当然と理解できる訳で、そこが最初の申請者には欠落していたので、ちょっと厳しめの判定とさせていただきました。
 基本的には、北脇先生のご意見に従いますので、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。
 それでは、委員の先生方から御意見、御質問をいただきたいと思います。
 いかがでしょうか。
 渡辺先生、どうぞ。
○渡辺構成員
 日本医師会の渡辺です。
 技術的なことは、先生方の説明で理解できたのですが、1点、資料を読ませていただいて、分からない点がありました。事務局にお聞きしていいのかどうかは分からないのですが、一つ疑問があります。
 これは要するに、新たなスパームセパレーターを用いた精子の分別と従来法を比較する研究であるというのは理解しやすいのですが、2者を比較する、対象は200例を目標とするところまでは記載があるのですが、2群をどう分けるかが理解しがたいです。対象の200件というのは、新しいスパームセパレーターを用いたものを200件集めて、従来法はこれまでの結果を参考にされるのか、今後、2群に分けて症例を集めて200件にされるのかというあたりが分かりにくい。
 また、2群に分ける方法も、もし今から分けて研究なされるのであれば、どのように分別されるかという方法論が計画書に記載がなく、また、同意書にも記載がなかったように思いました。どのように比較する対象を分けられるかというのは、私が読み落としたかもしれませんので、事務局もしくは先生方で分かっておられたら、教えていただければと思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 これは8ページ、9ページですか。
 事務局、いかがですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 振り分け方法は、指摘事項の8ページの2に回答が書いてありますが、実際、どのようにこれを分類するかというのは、明記はないのではないかと。
○五十嵐座長
 「非ランダム化比較対象試験」という言葉が出ております。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 これまでお認めいただいた精子選別に係る技術に関しましては、ランダム化比較試験をされている技術もあったのは事実で、例えば今回の資料の19ページ目ですか、別添3に、今回の「マイクロ流体技術を用いた精子選別」の被験者の適格基準及び選定方法がございますが、ここに明確な振り分けする基準等は記載されていないと思いますが、御評価された新井先生、北脇先生、そのような御理解でよろしいでしょうか。明確な記載等はなかったでしょうか。
○新井座長代理
 今、渡辺先生がご指摘された点は私も疑問に思いまして、資料の8ページにその指摘をさせていただいたわけですが、申請者の回答は、患者側の希望によって、スパームセパレーターを使う群と使わない群に分ける、すなわち患者の希望をベースにして2群に振り分け、この研究が行われるといったことでした。
 それで果たして統計学的に適正に比較することが可能なのかどうかは、一抹の心配もありましたが、一応、そういう回答をいただきましたので、そこでよしとしたところであります。
 私からは以上です。
○渡辺構成員
 いいですか。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○渡辺構成員
 今、新井先生がおっしゃったように、私も、これをRCTでやるのなら別に構わないと思うのですが、患者さんに検査の選択権を与えた場合に、同意書を読ませていただくと、新たなZyMotのセパレーターは非常に有用だと書かれています。そのような同意書を読まされた場合、患者さんは、選別するときに、バイアスがかかってしまうと思うのです。
 そうすると、先生がおっしゃったように、2群にきれいに分けられないのではないか。
 バイアスがかかった群が2つあって、正確に分けられないのではないかと思ったので、この研究方法が妥当なのかというのが気になったので、御質問させていただいた次第です。
 ありがとうございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 渡辺先生としては、今のままで非ランダム化の比較では研究にならないのではないかという御指摘ですね。
○渡辺構成員
 そうですね。
 結果が出た場合に、それを評価するときに、正確な評価にならないように思います。
○五十嵐座長
 エビデンスのレベルはすごく低くなると思います。
 福井先生、この点はいかがでしょうか。
○福井構成員
 これはヒストリカルコンパリゾン、これまでに得られているデータと比べるのではなくて、同時進行で非ランダム化するということですね。
 患者さんの意向だけでなく、現時点では分かっていないようなコンファウンディングファクター(交絡因子)が入ってくる可能性が確かにありますので、五十嵐先生がおっしゃったように、エビデンスレベルとしてはやや低いデータになってしまうのは事実だと思います。
○五十嵐座長
 御指摘ありがとうございます。
 柴田先生、どうぞお願いいたします。
○柴田構成員
 私も、これはこのままやると、ちょっとまずいと思います。
 まずいと思う理由は、この新しい技術が本当にいいものであった場合に、本当にいいものであるということを説明できなくなる可能性が高いからです。
 患者さんに選んでいただくのは、それはそれでいいのですが、それを何もせずにそのまま解析してしまいますと、当然、今までの方法ではうまくいかなかった方、あるいはいかないであろうと予想される方が、今回の新技術のほうにたくさん入られますので、当然、集団で見たときの成績が低くなることが予想されます。
 その結果を見て、事前に決められた解析ですからこの新技術は効果がなかったですねという結論を導くことになってしまうのは、フェアな評価ではありませんし、問題だと思います。
 新井先生、北脇先生もおっしゃっていたように、対象を絞り込むことで比較可能性を高めておくのが一つの解決策ですが、対象をあまり絞り込むことが困難であるということであれば、先ほど北脇先生がおっしゃったように、層別解析、これはサブグループ解析をするということではなく、交絡因子でサブグループを一旦つくっておいて、そのサブグループ毎の結果をメタアナリシスするようなイメージで統合して、解析するのが一般的な方法です。
 通常のカイ二乗検定をするのではなくて、例えばコクラン・マンテル・ヘンツェル検定などはよく医学論文でも使われますが、そのように交絡因子の影響を調整する解析を入れないと、この研究はうまくいかないと思います。
 まず、対象をどのように選ぶかを明確にしていただくとともに、年齢、あるいは年齢以外のファクターもあるのであればそれらの交絡を調整した検定とか、マッチングを取るとか、何らかの形で比較可能性を高めた上で結論を導く形にしていただかないと、本来、これがいいものであったときに、正しくいいものだと結論づけずに諦めてしまうことにつながるリスクがあると思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 そのほかにいかがでしょうか。御意見をいただけますでしょうか。
 どうぞ。お願いします。
○福井構成員
 柴田先生がおっしゃったように、テクニカルにコンファウンディングファクターを扱うのも一つの方法ですが、果たしてランダマイゼーションができないのかどうかについてもう一回考えていただけないかと思います。
 そして、ランダマイゼーションがどうしても難しくてできないということであれば、柴田先生がおっしゃったような統計学的な処理を考えていただくという2段階でやっていただければいいのではないかと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 北脇先生、現場としては、この点はいかがでしょうか。
○北脇技術専門委員
 私も、当初、申請を見まして、2群に分けるのはどうするのかなと、確かに最初の渡辺先生の御指摘のとおり、疑問に思っていましたが、ランダム化するのも、現場ではなかなか困難なのかなということで、そこのところは容認しておりました。今のお話を聞きましたら、福井先生がおっしゃったヒストリカルコントロールでやるのも一つの手かもしれませんし、今回のものをランダム化してやるのも一つかもしれませんし、その辺は、もう一度申請者に考えていただく機会をいただければ可能だと思います。マイナーリビジョンの状態でお認めしてもいいのではないかという気がいたしましたので、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。
 いろいろと御指摘をいただいております。
 このまま認めるのは難しいと考えます。一点目は、女性の年齢基準を40歳未満とする、あるいは43歳未満のままにして、40歳前後の層別化の解析をしていただくことが御指摘されました。
 二点目は、非ランダム化比較試験の在り方をそもそも変え、ランダム化比較試験ができないのかどうか、検討すべきではないかという御指摘、あるいはヒストリカルコントロールと新しい技術を使ったものとの比較のどちらかができないかという御指摘戴きました。
 いかがいたしましょうか。
 どうぞ。
○新井座長代理
 新井でございます。
 今、いろいろな先生方からのご意見を拝聴いたしまして、もしそういうことが可能なのであれば、今回は、ペンディングにして、継続審議に回していただくのが妥当なのではないかという印象を持ちました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 北脇先生、どうでしょうか。
 今日のこちらの御指摘事項を申請者に投げかけて、対応をもう一度考えていただいて、提出し直していただくということはいかがでしょうか。
○北脇技術専門委員
 そうしていただければと思います。
○五十嵐座長
 それでは、ほかの先生方、いかがでしょうか。継続審議とする方針でよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、これは継続審議ということでよろしいですね。
 そして、今日の御指摘事項をフィードバックして、申請者にもう一度考えていただくことにしたいと思いますが、事務局、よろしいですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 構成員の先生方、貴重な御意見をありがとうございました。
 継続審議として承りましたので、引き続き、指摘事項を医療機関の先生方に送付させていただきたいと思います。
 今後ともよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 では、そうした方針でいきたいと思います。
 続きまして、事務局から「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されております。
 1件ございます。
 御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほど御説明いたしましたとおり、新井座長代理は、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになりますので、大変申し訳ございませんが、御退席いただきますようよろしくお願いいたします。
(新井座長代理、退席)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 それでは、先-3に基づきまして御説明させていただきます。
 今回御審議いただきます技術でございますが、整理番号165番「特発性大腿骨頭壊死症に対する自家濃縮骨髄液移植」でございます。
 適応症は、特発性大腿骨頭壊死症(非圧潰病期)となってございます。
 申請医療機関につきましては、順天堂大学医学部附属順天堂医院でございまして、費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 事前評価につきましては、竹内構成員に御担当いただきまして、総評としては「適」と御評価いただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、事前評価をしていただきました竹内構成員から、技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○竹内構成員
 竹内でございます。
 別紙資料4の22ページを御覧いただけますでしょうか。
 こちらに今回の先進医療の技術の概要の図がございます。
 左上にありますように、対象は、特発性大腿骨頭壊死症でございます。
 このレントゲン上の右にありますように、完全に圧潰されますと、これに対して、その隣にありますように、人工関節置換術等の手術が行われます。
 そのときに、もう一方側が圧潰されていない場合、この非圧潰側に対して、今回の自家濃縮骨髄液を移植して、非圧潰から圧潰への進行を防ぎたいという技術でございます。
 具体的には、左の下にありますように、患者さんの骨髄液を全身麻酔下で採取いたしまして、2にありますように、その骨髄液を濃縮した上で、患者さんの非圧潰側の大腿骨頭に移植する技術でございます。
 既に日本整形外科学会・厚生労働省指定難病の特発性大腿骨頭壊死症研究班の診療ガイドラインの中に、推奨度2として、この技術を弱く推奨することが記載されております。
 戻っていただけますでしょうか。
 評価の結果でございますが、1枚目の1に、私の評価がございます。
 倫理的には問題がない。
 現時点での普及性はC。
 効率性は「やや効率的」と評価させていただきました。
 将来の保険収載の必要性については、保険収載を将来的に行うことが妥当。
 コメントとして、技術的には成熟した手技であって、使用する医療機器も保険収載済み、日本のガイドラインにおいても推奨されているということでございまして、適応症例においてアウトカム改善が示されれば、本医療技術が将来的に保険収載されることは妥当と考えるという評価でございます。
 この評価に至る背景といたしましては、例えば技術審査部会からいろいろなコメントがありまして、それに対する質疑応答や当該機関との間にやり取りがございました。
 例えば別紙資料15ページを御覧いただきますと、この先進医療に至る過程の臨床研究では、対象患者が20~50歳となっていたと。
 最初の先進医療の計画では、このところが70歳になっていたので、対象年齢は50歳以下とすべきではないでしょうかというコメントがありまして、これに対する回答として、50歳以下に限定させていただきますという修正が行われました。
 それから、同じ別紙資料でございますが、2ページを御覧いただきますと、こちらは先進医療会議からの質問事項として、例えば申請する申請科の記載が不統一であったり、下にありますように、骨髄液の下限値の設定についての詳細が少し不明であったりなどございましたが、これらに対して適正な回答を頂戴しました。
 このようなやり取りがあった中で、最終的な総評として、1ページ目に戻っていただけますでしょうか。
 総合判定としては「適」とさせていただきました。
 コメントとして、社会的必要性の高い大腿骨頭壊死症において、骨頭圧潰側の人工関節置換術に際して、反対側の骨頭が非圧潰の場合に、自家濃縮骨髄液を移植する技術でございまして、圧潰進行の抑制が期待される。この効果がこの先進医療で示されれば、有効な治療手段となることが期待されるというコメントでございます。
 以上、総合判定としては「適」と判断させていただきました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明どうもありがとうございました。
 それでは、委員の先生方、何か御意見、御質問がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 皆さん特に御指摘はないようですので、それでは、各先生方の評価結果どおり、決定したいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、そのようにさせていただきます。
 新井座長代理には、お戻りいただきたいと思います。
(新井座長代理、着席)
○新井座長代理
 戻りました。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。
 それでは、次に参ります。
 事務局から「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されております。
 1件ございます。
 御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料先-4に基づきまして御説明させていただきます。
 今回、旧告示番号1番として実施されておりました「パクリタキセル静脈内投与(一週間に一回投与するものに限る。)及びカルボプラチン腹腔内投与(三週間に一回投与するものに限る。)の併用療法」につきまして、埼玉医科大学国際医療センターからの総括報告書の提出がございました。
 まず、技術の概要でございますが、上皮性卵巣がん、卵管がん、または原発性腹膜がんが適応症となってございます。
 「医療技術の概要」の2段落目でございますが、本試験は、上皮性卵巣がん、卵管がん、腹膜原発がん患者に対して、パクリタキセル毎週経静脈(IV)投与及びカルボプラチン3週ごとIV投与の併用療法(dd-TCiv療法)を標準療法とし、パクリタキセル毎週IV投与及びカルボプラチン3週ごと腹腔(IP)投与の併用療法(dd-TCip療法)を試験治療とした第II/III相ランダム化試験となってござました。
 ページをおめくりいただきまして「医療技術の試験結果」の「有効性の評価結果」でございますが、本試験の有効性の主要評価項目であるPFSは、dd-TCiv群と比較して、dd-TCip群で統計的に有意に延長したとのことでございます。
 OSには、dd-TCiv群とdd-TCip群の間に統計学的有意差はなかったとのことでございます。
 「安全性の評価結果」でございますが、いずれの群でも、全被験者に有害事象が認められたとのことで、以下、詳細な有害事象の発現割合の記載がございます。
 「総括」でございますが、dd-TCiv療法と比較して、dd-TCip療法はPFSを有意に延長することから、有効な治療法であることが示された。OSの延長は見られなかったが、再発後の治療法が有効であった可能性が高いと考えられるとのことでございます。
 安全性では、有害事象の発現割合は、総じてdd-TCiv療法とdd-TCip療法で同程度であるものの、一部の事象(悪心、筋肉痛、カテーテル関連感染、腟吻合部漏出)では、dd-TCip群で5%以上増加しており、これらのうちGrade 3以上であった有害事象に絞っても、カテーテル関連感染がdd-TCip療法で高かった。
 ただし、発現頻度等も含め、事前の想定から大きく乖離している事象はなく、dd-TCiv療法と比較してdd-TCip療法の安全性は忍容可能であることが示されたとのことでございます。
 続きまして、御担当者の評価について御説明させていただきます。
 別紙5の4ページを御覧いただければと思います。
 主担当の坂井構成員からの御評価でございますが、有効性につきましては「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」。
 安全性に関しましては「B.あまり問題なし」。
 技術的成熟度に関しましては「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」。
 総合的なコメント欄は、研究計画は適切に計画及び修正され、安全性に大きな問題はなく、一定の有効性が認められたことから、カルボプラチンの腹腔内投与は評価され得る技術と考えられる。
 現時点で、当該技術に薬事承認が得られている国はないが、米国、欧州などでは保険償還されている現状を踏まえ、本邦においても同様の方向性に位置づけられることが期待される。
 また、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますが、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課事務連絡「特定臨床研究で得られた試験成績を医薬品の承認申請に利用する場合の留意点・考え方の例示について」に示されている「特定臨床研究で得られた試験成績を医薬品の承認申請に利用する場合の留意点・考え方の例」に示されている各論点については説明可能とされており、また、本試験結果が公表された場合には、薬事承認申請へ向け、製造販売業者が対応する方向で検討が進められていることから、本試験が当該技術の薬事承認申請の効率化に寄与できると考えられるとのことでございます。
 続きまして、副担当の柴田構成員の御評価でございます。
 有効性に関しましては「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」。
 安全性に関しましては「C.問題あり。(重い副作用、合併症が発生することあり)」。
 技術的成熟度に関しましては「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」とのことでございます。
 続きまして、技術専門委員である北脇委員の御評価でございます。
 有効性に関しましては「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」。
 安全性に関しましては「B.あまり問題なし」。
 技術的成熟度に関しましては「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」とのことでございました。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対しまして、何か御質問、御意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、ありがとうございました。
 次に参りたいと思います。
 事務局から「先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて」の資料が提出されております。
 御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 現在申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請が1件ございましたので、資料先-5に基づきまして説明させていただければと存じます。
 こちらにつきまして、既に先進医療技術審査部会に取り上げさせていただいているものでございます。
 告示番号51番「マルチプレックス遺伝子パネル検査」でございますが「取下げ理由」でございますが、全ての研究対象者について、研究実施計画書で規定している観察が完了したため、当該研究に係る先進医療の届出を取り下げる。
 なお、総括報告書を今後提出予定であるとのことでございます。
 なお、協力医療機関の取下げは1件ございまして、告示番号27番「TRPV2阻害薬経口投与療法」でございまして「取下げ理由」につきましては、本試験における症例組入れ期間が終了し、当該機関での登録症例数に対する観察期間が終了したためとのことでございます。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 それでは、何か御質問等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、ありがとうございました。
 続きまして、事務局から「先進医療の保険導入等の検討について」の資料が提出されております。
 御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-6に従いまして説明させていただきます。
 こちらは前回、第114回「先進医療会議」からの事案でございますので、途中の4つ目の○から読み上げたいと思います。
 令和4年9月8日開催の第114回「先進医療会議」におきまして、医療機関及び学会から、指摘事項に対する回答及び今後の対応案が提出され、会議で内容を確認いたしました。これは、2年ごとの各先進医療技術に対する評価の際に生じた指摘事項に対する回答でございます。
 その際に、さらなる御指摘がございまして、医療機関及び学会に照会を行うこととされました。
 このたび、医療機関より回答が提出されましたので、その内容を御確認いただきたいとするものでございます。
 なお、今回は、粒子線治療に関しての回答の御準備は間に合わず、霞ヶ浦医療センターから申請されている「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」の技術のみについて御回答をいただいているものでございます。
 おめくりいただきまして、別紙6でございますが、指摘事項は、子宮腺筋症の妊孕性温存を考える会において「各治療法(特に高周波切除器を用いた場合と用いない場合)の優劣などを比較検討することとされている」と記載がございますが、どのように比較検討が行われるのかが分かりませんと。具体的にどのような形(研究デザイン)で、登録症例数はどれぐらいを見込んで、高周波切除器を用いた技術と用いない技術の比較検討が行われるかにつきまして、御説明願いますとするものでございました。
 回答が以下に記載されております。
 当会については、2年間休会とされており、具体的な登録作業が始まっていないことがまず述べられております。
 4段落目になりますが、何らかの治療介入を行った症例は不妊治療、薬物療法、保存的手術療法に分けられ、保存的手術療法の選択例が何例になるかは、現在、まだ不明ですが、当院の成績からの推測では、年間100例前後になるのではないかとのことでございます。
 この症例の術式を、高周波切除器を用いた症例とそれ以外の症例に分け、予後を比較するとのことでございます。どの程度の差が生じるかは未知ですので、必要症例数は現在設定できませんと御回答いただいております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 これは9月の前回の先進医療会議に引き続いての検討事項ですが、委員の先生方、御意見や御質問をお願いいたします。
 柴田先生、お願いいたします。
○柴田構成員
 今、別紙6で医療機関から御回答があった内容について、事務局にお伺いしたいことがございます。
 「どの程度の差が生じるかは未知ですので、必要症例数は現在設定できません」と書いてあるのですが、もともと先進医療として認められたのが平成17年と書いてあるようなのですが、そのときに、全く効果も分からずに認められているわけではないはずなので、一定の見込みは立てられるのではないかと思うのですが、そこのところはどうなのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 柴田先生、ありがとうございます。
 おっしゃるとおりでございまして、平成17年10月から今回の先進医療が始まっています。
 先進医療会議で採択されるときに際しましても、一定の見込みは、もちろん、審議の際にディスカッションされていると思いますので「どの程度の差が生じるかは未知」というところは、これまで行っていた治療結果等も踏まえると「未知」という書き方は、さすがに医療機関は無責任過ぎるといいますか、そのようにも見受けられますが、その点に関しまして指摘して、回答をいただくことは可能なのではないかと考えます。また、今までの結果を踏まえ、見込みに関してお伺いすることも考えております。
 柴田先生、そのようなことを求めるような形でもよろしいでしょうか。
○柴田構成員
 はい。
 よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
○五十嵐座長
 どうぞお願いします。
○近藤構成員
 近藤でございますが、よろしいでしょうか。
○五十嵐座長
 はい。お願いします。
○近藤構成員
 今のお話も伺いますと、実際に中心でやっていらっしゃる方の熱意というか、そういうものがあまり感じられないと思いますし、言葉は悪いのですが、ただ単に混合診療をだらだらとやっているだけではないかというような印象を受けてしまいますので、ここは厳しく、継続するのか、本当にちゃんとエビデンスが出るのかというのを強く求めるべきだと思います。
○五十嵐座長
 御指摘ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 竹内先生、どうぞ。
○竹内構成員
 前回質問させていただいた内容は、高周波切除器はかなり古い技術で、もっと新しい機器を用いた手術方法が発達しているのではないかと御質問させていただいて、今回の質問では「高周波切除器を用いた症例とそれ以外の症例に分け」と単純に書いてありますが、それ以外の症例はどういう機器を用いて、手術を行ったのかということの具体的な説明がなかったのかなと思いました。それも含めて、もう一度質問していただけるとありがたいと思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 竹内先生、事務局でございます。
 貴重なコメントをありがとうございます。
 竹内先生の意見も踏まえまして、医療機関に照会させていただきたいと思います。
○竹内構成員
 ありがとうございます。
○五十嵐座長
 御指摘ありがとうございました。
 そのほかにいかがでしょうか。
 それでは、霞ヶ浦医療センターの西田先生からの御返事をもってオーケーとするのではなくて、今日御指摘いただいた幾つかの点をもう一度申請者に御指摘し、今後、この治療をどうするかをもう一度検討したいと思います。
 それでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 本日の議題は「その他」となっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局です。
 事務局からは特段ございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、本日の議題は以上です。今回をもって退任される先生方がおられます。お名前を読み上げさせていただきます。
 福田構成員、柴田構成員、藤原構成員、福井構成員、山口構成員、そして私の6名でございます。
 では、事務局に今後の進行をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回で御退任される構成員の皆様におかれましては、長きにわたり医療技術の審査等、多大なる御指導、御協力を賜り、心より感謝申し上げます。
 誠に恐縮ですが、御退任に当たり、一言ずつ御挨拶いただければ幸いに存じます。
 それでは、最初に、柴田構成員、お願いいたします。
○柴田構成員
 長らくお世話になりました。
 感想めいたことになりますが、臨床試験といいますと、どうしても企業の医薬品開発をイメージしてしまいますが、医療現場のアンメットニーズを解消するためには、薬物療法に限らず、様々なモダリティーの治療開発が必要ですし、また、薬理作用の存在の証明にとどまらず、医療行為としての臨床的意義の評価も必要ですし、先進医療の制度は、そのような必要性を満たすための重要な枠組みになっていると思います。
 そのような制度に構成員として関わる機会を与えていただきましたことをありがたく存じております。
 座長の五十嵐先生をはじめ、構成員の先生方、事務局の皆様方に御礼申し上げます。
 どうもありがとうございました。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございました。
 それでは、次に、藤原構成員より一言御挨拶をお願いいたします。
○藤原構成員
 同じく、長らくお世話になりました。
 先進医療会議は非常に重要な会議で、世間を騒がすような事案も時々出てまいりますし、委員の皆様のプレッシャーも相当なものがこれからもあると思いますが、それにめげることなく、ちゃんとした判断をしていただければいいと思いますし、中医協との兼ね合いで、いろいろな診療報酬の収載の判断等も、これから年末に向けてあると思いますが、それに当たりましても、科学的な視点を忘れずに頑張っていっていただきたいと思います。
 今後も、薬事の立場から、先進医療をしっかりと見せていただいて、皆様方の成果が世の中に広がっていくことをサポートしてまいりたいと思います。
 長い間、お世話になりました。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございました。
 次に、福井構成員より一言御挨拶をお願いいたします。
○福井構成員
 私も、10年間大変お世話になりました。
 最初の座長は、慶應義塾大学名誉教授の猿田先生だったと思いますが、あっという間に10年過ぎてしまいました。大変勉強になりました。先進医療会議の構成員でなければ、勉強しなかったであろう事柄をたくさん勉強させていただきました。
 最後に、2点ほど意見を。
 一つは、保険収載されているか、または全額自費かという二者択一ではなくて、混合診療で一歩先に先進的な治療を受けられるというこの制度があることによって、患者さんにとってどれぐらいメリットがあったのか。この制度の有効性というか、成果を何らかの方法で評価されるといいのではないかと思います。
 もう一点は、細かいことで恐縮ですが、ここ1~2年、不妊治療を国として強く推し進めていて、良いことだと思っています。しかし不妊治療関係の申請書で、今日も話題になりましたように、統計学的・疫学的なアプローチが少し弱いような印象を持っています。疫学、統計学のコンサルテーションをもう少しうまく活用されるとよいように思います。
 以上です。
 長い間、大変お世話になりました。
 ありがとうございました。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 福井先生、ありがとうございます。
 また、貴重な御意見等も本当にありがとうございます。今後、検討させていただきたいと思います。
 それでは、次に、山口構成員より一言御挨拶をお願いいたします。
○山口構成員
 大変お世話になりました。
 私も、2012年から10年間務めさせていただきました。
 最初の1回目の先進医療会議は平成24年10月24日に開催されております。
 この10年間の間に、先進医療制度の重要性はますます高くなってきたと実感しております。
 ちなみに、第1回の議事録を見ますと、私の最初の発言は、遅刻してきて申し訳ありませんでした、から始まっておりました。
 今まで御指導いただきました構成員の皆様、また、厚労省の担当課の皆様に心より御礼申し上げます。これを最後の発言といたします。
 ありがとうございました。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございました。
 それでは、最後に、五十嵐座長より一言御挨拶いただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 私も、10年間があっという間に過ぎたと思っております。
 委員在任中に猿田先生の後任として座長を務めさせていただきました。先輩の先生がおられる中で大変僭越だったと思いますが、皆様から御指導いただき、ありがとうございました。
 先進医療の定着あるいは推進のために、この会議は本当に大きな貢献をしていると思います。そして、これからもますますそのニーズは高くなると考えます。
 患者さんに優れた医療を届けるというミッションの下、科学的な評価はしっかりとやるという基本を忘れずに、これからもこの会議を進めていただきたいと思います。
 長い間、お世話になりました。
 どうもありがとうございました。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございました。
 なお、本日は御欠席となりますが、福田構成員におかれましても、今回で御退任となります。
 御退任される6名の構成員の皆様、先進医療会議構成員として、長きにわたり御尽力を賜り、誠にありがとうございました。
 それでは、座長に進行をお戻しいたします。
○五十嵐座長
 本日の議題はこれで終了したいと思います。
 次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催については、令和4年11月10日、16時を予定しております。
 場所については、別途御連絡させていただきます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、第115回「先進医療会議」をこれで終了いたします。

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