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2022年9月8日 先進医療会議・先進医療合同会議(第114回先進医療会議、第138回先進医療技術審査部会)

〇先進医療合同会議(第114回先進医療会議、第138回先進医療技術審査部会)
 


○場所

    オンライン開催
 

○出席者



【構成員等】
五十嵐座長 新井座長代理 近藤構成員 佐藤(典)構成員 

柴田構成員 竹内構成員  福井構成員 福田構成員 藤原構成員 
山口構成員  渡辺構成員    真田構成員   伊藤(陽)構成員 佐藤(雄)構成員 

 

【事務局】


審議官  医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官

研究開発政策課課長 研究開発政策課課長補佐 他

 


○議題

 1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
  (先-1)(別紙1)
  



○議事



   先進医療合同会議
   16:00開会 


 
○五十嵐座長
ほぼ定刻になりましたので、ただいまから、認定臨床研究審査委員会で承認された先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について検討をするために、「先進医療合同会議」を開催いたします。
まず初めに、本年7月に神村構成員が御退任されました。
それに伴いまして、今回から、渡辺弘司先生に新たに構成員に加わっていただくことになりました。
渡辺先生、一言御挨拶をよろしくお願いいたします。
○渡辺構成員
日本医師会の常任理事の渡辺でございます。このたび、構成員に入れていただくことになりました。専門は小児科と小児循環器でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、構成員の先生方の出欠状況について御報告いたします。
本日は、全員御出席でいらっしゃいます。
また、先進医療技術審査部会から、真田構成員、佐藤構成員、伊藤陽一構成員に御出席をいただいております。
なお、事前評価をしていただいた高橋技術専門委員からは、御欠席との連絡をいただいております。
欠席される技術専門委員の先生からは委任状の提出をいただいております。議事決定につきましては、私、座長に一任することになっております。
それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
本日もよろしくお願いいたします。
頭撮りについては、ここまでとさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、委員名簿に続きまして、先-1「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価等について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙1がついてございます。
資料につきましては以上でございます。
また、今回の先進医療合同会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。
先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。
御発言される先生方におかれましては、会議資料のページまたは送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
資料等につきまして、皆さんよろしいでしょうか。
続きまして、今回検討対象となる技術等に関しましては事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
今回検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございません。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
御出席されている構成員におかれましては、開示すべき利益相反はないということでよろしいでしょうか。
どうぞ。
○柴田構成員 柴田です。
実施施設からの申請ではないのですが、私が所属する組織で支援をしている臨床試験ですので、厳密に言うと関わりのある立場です。あらかじめ御報告いたします。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
続きまして、事務局から、「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」の資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、先-1の資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
今回、御審議いただきます技術は、整理番号164番、技術名は「高齢者切除可能膵癌に対する術前ゲムシタビン+S-1療法と術前ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法」でございまして、適応症については、切除可能膵癌(70歳以上79歳以下で術前検査により切除可能と判断される膵癌患者に限る)でございます。係る費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
先進医療技術審査部会における事前評価につきましては、主担当として真田構成員、副担当を佐藤構成員、伊藤陽一構成員、高橋技術専門委員にお願いしてございまして、総評としては、「適」の御評価をいただいております。
また、先進医療会議における事前評価につきましては、山口構成員にお願いしてございまして、総評として「適」の御評価をいただいております。
続きまして、医政局研究開発政策課より追加の御説明がございます。
○研究開発政策課長補佐
事務局でございます。
お手元の資料、別紙1の43ページを御覧いただけますでしょうか。
こちら、様式第9号として左上に記載してございますが、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものとしてお示しさせていただいております。
I番目、実施責任医師の要件ですが、診療科は、「消化器内科または消化器外科または腫瘍内科、またはそれらに相当する科が必要」。
資格は、「日本消化器外科学会消化器外科専門医または日本消化器病学会消化器病専門医または日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医が必要」。
当該診療科の経験年数は、「10年以上必要」。
当該技術の経験年数は、「不要」。
当該技術の経験症例数は、「不要」となっております。
II番目、医療機関の要件ですが、診療科は、「消化器内科もしくは消化器外科、もしくはそれらに相当する科が必要」。
実施診療科の医師数は、「膵癌に対するゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法の実施経験を1例以上有する医師を1名以上実施者として含むことが必要」。
他診療科の医師数は、「不要」。
その他医療従事者の配置は、「薬剤師が必要」。
病床数は、「200床以上が必要」。
看護配置は、「10対1看護以上が必要」。
当直体制は、「内科または外科の医師1名以上が必要」。
緊急手術の実施体制は、「必要」。
院内検査の24時間実施体制は、「必要」。
他の医療機関との連携体制は、「不要」。
医療機器の保守管理体制は、「必要」。
医療安全管理委員会の設置は、「必要」。
医療機関としての当該技術の実施症例数は、「不要」。
III番目、その他の要件ですが、頻回の実績報告は、「不要」。
以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、整理番号164の技術につきまして、先進医療技術審査部会における事前評価について、これから御説明をいただきたいと思います。
まず真田構成員から、概要の説明と実施体制の評価について、御説明をお願いいたします。
○真田構成員
真田でございます。よろしくお願いいたします。
今ほど、事務局からも御紹介いただきましたように、高齢者、今回は70歳以上で79歳までと規定されておりますが、切除可能の膵がんに対する術前ゲムシタビン+S-1療法と術前ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法の比較研究になります。
概要ですけれども、別紙1の資料の9ページに1枚図が示されております。
70歳以上79歳以下で、切除可能膵がんと診断された方をランダムに割りつけて、今までの標準治療であったA群、ゲムシタビン+S-1(GS)療法と言われておりますけれどもこれを2コースと、B群、これが今回の先進医療の対象技術になりますが、ゲムシタビン+ナブパクリタキセル(GnP)療法を2コースするものとにランダマイズして、共に、これは術前療法になりますので、この実施後に切除術を行います。術後の化学療法としては、共に、同じレジメンであるS-1療法を行うというものです。
主要評価項目としては、全生存期間を直接評価することになっています。
ロードマップがその下にございますけれども、現在までは、ナブパクリタキセルがこの適応を持っておりませんので、GnP療法としては今のところ薬事承認はないという状況になりますが、周辺で幾つか臨床試験が走っていたり、術前の補助療法としては、ガイドラインにも記載があったりという状況でございます。
こちらについての評価ですけれども、別紙1の2ページにお示ししております。
私の担当部分の評価としましては、実施責任医師等の体制、実施医療機関の体制、医療技術の有用性等ともに、「適」と判断をいたしました。
主なところをかいつまんで御説明しますと、これは恐らく添付資料のところになるかと思いますが、試験計画書がついています。そこの10~12ページに、この集団を決定した理由が詳しく記載されております。切除可能のものを選択した理由、これは境界領域がございますけれども、これを除外する理由として、これについては別途、別の試験が進行しているので、今回はこのレジメンとしては切除可能の領域に限定するとされております。
また、70歳以上を対象とした理由は、11ページに記載されておりますけれども、こちらは、今回は切除可能な膵がんですけれども、全身状態が良好な遠隔転移を有する膵がん患者については、FOLFIRINOX療法と今回の話題になっておりますGnP療法が既に標準療法として挙げられています。
この4行目のところに書いてありますMPACT試験においては、65歳以上ではこの2つの療法には差を認めなかったと書かれています。GnP療法は75歳以上にも広く今のところ用いられている治療法であって、一方のFOLFIRINOX療法は、有害事象の発生割合が割と高い、強い治療法ということになり、modified FOLFIRINOX療法が用いられているというところがありますが、毒性の強さの観点から言うと、高齢の方については、特に75歳以上の患者については用いられることは、彼らの記載によると推奨されていないということです。それと、70~75歳についても、比較的毒性が強い選択肢は適応患者が限られるということが記載されておりますため、GnP療法が選択されることが多いと書かれております。
また、GnP療法は、効果発現までの期間が割と短いという記載もございますので、術前化学療法の一つの選択肢としては適切なのではないかということがあります。
一方、70歳未満になりますと、先ほど申し上げましたmodified FOLFIRINOX療法、強い毒性が比較的ありますが、こちらの有用性というところに鑑みますと、体が耐えられる可能性が高いということでございますので、こちらが推奨される。
さらに、80歳を超えますと、術前化学療法よりも手術を先行させることが推奨されるので、その間である70~79歳について今回は試験対象としますということが述べられています。このような理由で、この選択基準が決められたということのようです。
私からの説明は、差し当たり以上になります。後ほど、総合評価で申し上げたいと思いますが、一旦、お返しします。
○五十嵐座長
御説明どうもありがとうございました。
それでは続きまして、事前評価を高橋技術専門委員にお願いしておりますけれども、本日は御欠席ですので、代わりに評価結果等について、事務局から御説明をお願いいたします。
○研究開発政策課長補佐
それでは、事務局でございます。
お手元の資料、別紙1の2ページを御覧いただけますでしょうか。
実施体制の評価でございまして、1.実施責任医師等の体制について、「適」。
2.実施医療機関の体制について、「適」。
3.医療技術の有用性等について、「適」でございます。
コメントといたしまして、JCOGにより行われる臨床研究であり、責任医師や医療機関などの体制に問題を認めません。文献や3例の先行治療結果などから本研究の有用性は高いものがあります。技術的成熟度、社会的妥当性、普及性にも問題はなく、将来的には保険収載の必要性が考えられます。
とございます。以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
続きまして、佐藤構成員から倫理的観点からの評価をお願いいたします。
○佐藤構成員
倫理的観点からの評価を行いました。
まず、同意に係る手続きと同意文書については、適格基準のやや細かいことについて確認したのと、それから、説明文書の中身について照会をさせていただきました。これについては、照会に対する回答の1というところで示されています。不明や疑問点は解消されました。
また、相談体制につきましては、真田先生から問い合わせをしていただいて、それは回答2というところの2つ目の回答になりますけれども、その内容で問題ないだろうと判断いたしました。
その他の点についても、適切と判断いたしまして、4.同意に係る手続き、同意文書と5.補償内容の両方とも「適」とつけてございます。
以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
続きまして、伊藤陽一構成員から試験実施計画書等の評価をお願いいたします。
○伊藤(陽)構成員
試験実施計画書等の評価を行いました。
特に疑義事項等はなく、問い合わせはしておりません。しっかり書かれていると思います。ゆえに、全て「適」と評価いたしました。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、真田構成員に、再度、現時点での先進医療技術審査部会としてのおまとめをお願いしたいと思います。
○真田構成員
先ほどの別紙1の3ページですが、「総評」としては、「適」と評価をさせていただいております。
私、個別の評価のところで私が御説明し忘れて佐藤先生にフォローアップいただいたのですけれども、私からは回答2(別紙1の5ページ)の2つの照会項目を出しました。2番は既に佐藤先生に御説明いただいたところで、1番目が細かいプロトコールの規定についてお伺いをしたところですけれども、これも適切に対応されたと理解しておりますので、ほかの先生方の御評価も含めて、いずれも「適」と判断をさせていただきました。
70歳代の方の手術を前提とした評価ということになりますが、ただ、Performance statusが0または1と、かなりよい方で、切除が可能と判断されているという条件下での技術の評価でございますので、「適」と判断したところです。
以上になります。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
続きまして、先進医療会議における事前評価を山口構成員にお願いしております。山口構成員から、評価結果等について御説明をお願いいたします。
○山口構成員
6ページを御覧ください。
社会的な妥当性については、問題がないと思います。
それから、現時点の普及性は、あまり普及しておりません。
効率性は、やや効率的なことが期待されます。
将来の保険導入ですが、これは将来保険導入される方向で検討されるべきかと思います。
総合判定ですが、「適」にいたしました。
今回の研究の内容につきましては、真田構成員から大変詳細な、的確な御説明がありましたのでくどくど申し上げませんが、なぜ70~79歳かということが疑問に思われた方もおられると思います。膵臓がんは大体年間4万例ぐらい出ていますけれども、70~79歳というゼネレーションは大体そのうちの1万5,000人、つまり、35%も占めています。最近、比較的若い方には術前の化学療法をやると、膵臓がんの成績が上がってきているのですけれども、真田構成員から御説明ありましたように、化学療法は高齢者にはなかなか厳しくて、若い人がやっているものはやれないということで、ここにフォーカスを当ててやったというのは、大変適切で、いい研究であると思います。
ただ問題は、70~79というポピュレーションを見ますと、例えば、男性でも女性でもそれぞれいろいろな方がいて、それぞれリスクも異なります。また、それに大きな手術も加わりますので、適応に関しては慎重に決めていただきたいというのがコメントでございます。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、説明は以上ですけれども、これまでの御説明について、何か御意見・御質問がありましたら、お願いいたします。
福田先生、どうぞ。
○福田構成員
福田でございます。
御提案いただいた内容については、全く異存はないのですけれども、ちょっと1つ確認させていただきたいのですが、技術名の言い方ですけれども、今回、ゲムシタビン+S-1とゲムシタビン+ナブパクリタキセルを比較するデザインだというのは理解したのですが、保険適用になってないのはパクリタキセルだけだと思うので、従来ですと、そっち側だけを技術名として挙げていたような気がするのですが、今回、標準治療である保険適用されているほうも技術名で入っているのはなぜだったでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
今後、これが告示されるときに、標準治療に関しましては、これまでどおり削除させていただきまして、試験治療群のみの告示名とさせていただこうかと、今のところ考えている次第でございますが、このような御回答でよろしいでしょうか。
○福田構成員
これは変更されるということですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
先進医療の名称自体は、申請があったこの名前でさせていただきまして、実際に先進医療としての告示名に関しましては、これまでどおり、試験治療のお名前だけにさせていただこうかと考えている次第でございますが、よろしいでしょうか。
○福田構成員
分かりました。恐れ入ります。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ありがとうございます。
○五十嵐座長
それでは、藤原先生お願いします。
○藤原構成員
コメントが2つと修正希望が1点ございます。
コメントは、アブラキサンはこの前供給難で、医療現場は大迷惑を被ったので、今後もそういうことがないように、試験薬の提供者さんにはお願いしたいというのと。
公知申請とロードマップには書いてありましたけれども、試験薬提供を大鵬薬品さんがしてくれますので、申請の意思はあるのだろうと思いますけれども、いい結果が出たら、きちんと申請してくださいというのは、事務局のほうからお伝えいただければと思います。
それから、1つは修正希望ですけれども、これは配付資料ではなくて、皆さんにお配りされているプロトコールの112ページに、知的財産の項目があって、その中に、大鵬薬品さんはこの研究試験データについては後からアクセスできますというふうに書いてあります。
一方IC文書のほうを見ますと、企業さんがそういうデータについてアクセスするというのは一言も記載がないのですね。今年の3月に厚生労働省から事務連絡が出ていますけれども、先進医療Bとかを含めた特定臨床研究については、薬事承認申請に使えますという事務連絡が出ているのですけれども、そういうことを考えますと、もし、公知申請以外の普通の申請もあり得ると思うのですけれども、その際には、通常、企業さんはデータについて、企業監査と言って御自身申請者の立場としてのデータについて、病院に行って、カルテとかの原資料を見たりする監査を希望されることが多いので、そういう監査の可能性も踏まえた記載とかですね。あるいは、これは海外でも承認がないと書いてありますから、FDAとかEMAとか海外の規制当局、あるいは国内であれば、厚生労働省やPMDAが薬事に関する実地調査に入る可能性もありますので、規制当局のそういう実地調査、あるいは監査が入る可能性がありますよというようなことはIC文書に書かれておいたほうがいいのではないかと思いました。
以上でございます。
○五十嵐座長
御指摘ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
藤原先生、貴重な御意見ありがとうございます。
事務局より、修正点は受け止めましたので、こちらに関しましては、医療機関に、指摘事項として一度お伺いしようと思っておりますが、研究開発政策課からは御意見等はございますでしょうか。
○研究開発政策課長補佐
申請医療機関にもう一回問い合わせてみたいと存じます。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
それでは、今、藤原先生が御指摘なさった点を指摘したいということにしたいと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、藤原先生の御指摘を踏まえた上で、各先生方の評価結果どおり決定してよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。
では、そのようにさせていただきます。
以上をもちまして、先進医療合同会議をこれで終了させていただきます。
 


〇先進医療会議(第114回先進医療会議) 



○日時

令和4年9月8日(木)16:30~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者



【構成員等】
五十嵐座長 新井座長代理 近藤構成員 佐藤(典)構成員 

柴田構成員 竹内構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 
山口構成員 渡辺構成員


【事務局】
審議官 医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官

研究開発政策課課長 研究開発政策課課長補佐 他

 


○議題


  1 新規技術(9月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け
   について(案)
   (先-1)(別紙1)(別紙2)
 
  2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-2)(別紙3)
   (先- 3)(別紙4)
 
  3 先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて
   (先-4)
 
  4 先進医療の保険導入等の検討について
   (先-5)(別紙5)
 
  5 その他
     

○議事

 

先進医療会議
16:30開会

 ○五十嵐座長
 それでは、ただいまから「先進医療会議」を開催いたします。
 初めに、構成員の先生方の出欠状況について御報告いたします。
 本日は、全ての構成員に御出席いただいております。
 資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 頭撮りについては、ここまでとさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 先-1「新規技術(9月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」という1枚紙の資料がございます。こちらには別紙1、別紙2がついてございます。
 続きまして、先-2、こちらは「総括報告書に関する評価について」でございますけれども、こちらには別紙3がついてございます。
 先-3も「総括報告書に関する評価について」でございまして、別紙4がついてございます。
 続きまして、先-4「先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて」としている資料がございます。
 続きまして、先-5「先進医療の保険導入等の検討について」としている資料がございます。こちらには別紙5がついてございます。
 資料につきましては以上でございます。
 また、今回の先進医療会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいておりますが、先生方におかれましては、引き続き、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。送付させていただきました資料のページもしくは会議資料のページと御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。
 資料につきまして、何か問題ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございません。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということで御確認をいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 続きまして、「新規技術(9月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」の資料が提出されております。
 本日は2件ございます。まず1件目から、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回、先進医療の新規届出技術について振り分け審議をいただく技術が2件ございます。
 まず、先-1の資料に基づき、1件目から説明いたします。
 受理番号152番でございますが、技術名は「マイクロ流体技術を用いた精子選別」でございます。
 適応症につきましては、体外受精及び顕微受精を受ける不妊症患者となってございます。
 今回、岡山二人クリニックから申請がございました。
 係る費用につきましては、それぞれ表にお示ししたとおりでございます。
 次に、別紙1の技術の概要についてでございますが、これまでで受精後の胚質や胚発生、及び生児獲得には主に卵子に起因するとされておりましたが、近年、精子の関与も報告されており、その要因の一つとして、精子DNAの損傷が注目されているとのことでございます。
DNA損傷のない精子を選別し、その精子を使用することで胚質の改善につながる可能性が指摘されているとのことでございます。
 今回のZyMo()tスパームセパレーターは、精子に損傷を与えるとされる化学物質や遠心分離を行わずに運動性の高い機能的な精子の抽出が可能であり、体外受精や顕微受精では胚発育や妊娠率・着床率・生産率の向上や流産率の低下が報告されており、ZyMo()tスパームセパレーターによる精子選別は有用であると考えられるとのことでございます。
 資料、先-1にお戻りいただきまして、【備考】欄にございます先進医療Aの1の規定「未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術」に基づきまして、本技術は先進医療Aとして振り分け(案)を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御意見・御質問ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、受理番号152の技術につきましては、先進医療Aとして振り分けたいと思います。
 続きまして、2件目につて、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは再び先-1の資料を御覧いただけますでしょうか。
 受理番号153番でございますが、技術名は「前核期人為的透明帯除去法」でございます。
 適応症につきましては、胚移植を受ける不妊症患者(初期分割不良を伴い、これまでに反復して着床・妊娠に至らないものに限る)となってございます。
 今回、ミオ・ファティリティ・クリニックから申請がございました。
 係る費用につきましては、それぞれ表にお示ししたごとくでございます。
 次に、別紙2の技術の概要でございますが、(先進性)のところを読みます。
 1978年7月に英国にて世界で初めて体外受精児が誕生し、これまで体外受精における体外培養環境は、体内環境に近づける努力がなされてきました。しかしながら、従来の通常培養法では、初期分割不良に伴う反復ART(生殖補助医療)不成功症例が存在し、苦慮してきたとのことでございます。
 そんな中、申請者らは、分割前の前核期に透明帯を除去することで、分割状態が改善し、初期分割時の良好胚率の上昇、胚盤胞到達率の上昇を確認したとのことでございます。さらに、初期分割不良に伴う反復ART不成功症例において、前核期に人為的に透明帯を除去することで得られた胚盤胞移植により世界で初めて妊娠出産を経験したとのことです。
 どのように透明帯除去を行うかでございますけれども、(概要)の2)の4行目にございますように、レーザー照射により透明帯の1/2~1/3を切除・開孔し、バイオシーピペットを用いて、透明帯と細胞膜の間隙に培養液を吹きかけ、透明帯外に前核期胚を排出し、ZP-free胚─ZPは透明帯のことです─を作成するとのことでございます。
 資料、先-1にお戻りいただきまして、【備考】欄にございます、先進医療Bの4の規定「医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの」に基づきまして、本技術は先進医療Bとしての振り分け(案)を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、何か御意見・御質問がありましたら、お願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、受理番号153の技術につきましては、先進医療Bとして振り分けたいと思います。
○福井構成員
 すみません。福井です。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○福井構成員
 152のほうですけれども、先進医療Aへの振り分けは、それでいいと思いますが、その理由について、【備考】の先進医療Aの1番が適用ではなくて、2の(3)に対応するのではないかと、私はさっと読んだときに思ったのですけれども、そうではなくて、(1)番でしょうか。
 資料を見ますと、未承認または適応外のところにチェックが入っておりますので、体外での検査であって、人体への影響が極めて小さいものという、そういう判断で先進医療Aではないかと思いました。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 福井先生、ありがとうございます。
 チェックが入っているというのは、どちらを御覧になられていますでしょうか。
○福井構成員
 資料の別紙1-2です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 マル6でございますね。
○福井構成員
 はい。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 大変失礼いたしました。この項目に関しましては、一応医薬局と確認しまして、「医療機器」として今回の用いる器具はそもそも該当しないということの指摘を受けております。ですので、こちらは誤りでございますので、修正させていただきます。
○福井構成員
 そうですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 今回の場合は、2の規定、検査であって、未承認の医療機器を用いるというような規定ではなく、1番の規定になると事務局としては考えている次第でございます。
○福井構成員
 では、「未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない」と、そういうことですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 さようでございます。
○福井構成員
 分かりました。ありがとうございます。
○五十嵐座長
 よろしいでしょうか。
 それでは、先-1はこれで終了したいと思います。
 続きまして、事務局から、「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されております。2件ありますので、順番に行きたいと思います。まず1件目について、事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料、先-2に基づきまして、御説明をさせていただきます。
 今回、旧告示番号6番として実施されておりましたC型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法につきまして、山口大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
 まず、技術の概要でございますけれども、別紙3の17ページを御覧いただければと思います。こちらには、自己骨髄細胞投与療法は、肝硬変に対して患者自身の自己骨髄細胞を採取し、末梢静脈より投与することで肝硬変状態の肝臓に線維化改善を誘導し、肝機能を改善させるという技術の御説明がございまして、肝庇護剤やアミノ酸製剤の投与等の標準的治療を実施する群を標準治療群に対して、今回の自己骨髄細胞投与療法を、ランダム化比較試験を行うことで、有効性と安全性を検討する試験を行う、となってございました。
 先-2にお戻りいただきまして、1ページ目下方の医療技術の試験結果:[有効性の評価結果]のところでございますが、登録症例数が、統計学的解析が可能な数に満たず、統計解析は行っていない。細胞投与群2例において、主要評価項目である投与後24週時点のChild-Pughスコアは維持されており、各副次評価項目についても著変を認めなかった。なお、標準治療群においても24週の経過観察後のChild-Pughスコアは維持され、各副次評価項目について著変を認めなかったとのことでございます。
 また、[安全性の評価結果]のところでございますが、登録は3症例であり、統計学的な解析は行っていないが、細胞投与群の2例において、細胞投与に伴う有害事象は認められなかったとのことでございます。細胞投与群の2例において、骨髄採取液に伴う貧血を認め、また、2例において重篤な有害事象が認められたが、原疾患であるC型肝硬変症の自然経過による発生と想定されるものであり、細胞投与との因果関係は否定的と考えられたとのことでございます。
 [総括]のところでございますが、登録例において、自己骨髄細胞投与療法は安全に施行可能であり、細胞分離工程での汚染などの逸脱は生じなかった。
 本研究では、研究計画時点での登録例症例数を確保することができなかった。これは、現在C型肝炎ウイルスに対する治療法が大きく変遷し、本研究の対象であるC型非代償性肝硬変患者に新規の直接作用型抗ウイルス薬が適応となったこと等が背景にある。
 登録症例数が計画に満たず、統計解析はできなかったが、症例個別の検討において、各症例とも細胞投与後の主要評価項目及び副次評価項目とも悪化なく維持されていた。また、細胞投与に関連した重篤な有害事象は認められなかったとのことでございます。
 続きまして、各評価の担当者の評価につきまして、御説明をさせていただきます。別紙3の3ページを御覧いただければと思います。
 主担当を伊藤澄信構成員の御評価でございますけれども、有効性に関しましては、「E.その他」、安全性に関して「D.その他」、技術的成熟度に関しては「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を医師又は医師の指導の下であれば実施できる」。
 総合的なコメント欄でございますけれども、「本試験において、予定された対象患者数が集積せず、本試験の有効性・安全性を評価することは困難と思慮する。DAAによるC型肝炎ウイルス排除によって、今後、本治療法のニーズが減少する可能性もあり、先進医療として実施される場合には実施可能性の高い計画・実施体制の策定が必要と考える」とのことでございます。
 また、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますけれども、「本試験結果は評価不能であり、薬事承認申請の効率化には寄与しない」とコメントをいただいております。
 続きまして、副担当の上村夕香理構成員の評価でございます。
 有効性に関しましては、「E.その他」、安全性に関しては、「D.その他」、技術的成熟度に関しましては、「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」というものでございます。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 では、ただいまの説明につきまして、何か御意見・御質問ありましたら、お願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、2件目について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料、先-3に基づきまして、御説明をさせていただきます。
 今回、旧告示番号21番として実施されておりました「S-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法」につきまして、名古屋大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
 まず、技術の概要でございますけれども、別紙4の12ページ目を御覧いただければと思います。
 本研究では、胃がん腹膜播種に対するS-1/シスプラチン+パクリタキセル腹腔内投与併用療法の安全性及び有効性の評価を多施設共同第II相試験として実施する試験となってございました。
 先-3にお戻りいただきまして、1ページ目下方の医療技術の試験結果:[有効性の評価結果]のところでございますが、主要評価項目である1年全生存割合は73.6%であり、本試験計画時の期待値は73%、閾値は54%であったことを考慮すると、腹膜播種を伴う胃がんに対するS-1/シスプラチン+パクリタキセル腹腔内投与療法の有効性が示されたと考える。
 副次評価項目のうち、治療成功期間中央値は10.0か月であったとのことでございます。
 また、[安全性の評価結果]のところでございますが、CTCAE Grade 3以上の血液毒性を43%、非血液毒性を47%の症例に認めたとのことでございまして、以下、有害事象の内容が記載されております。
 2段落目において、主たる解析時から主な有害事象で発現頻度が一部増えた事象があるが、大きな傾向の変化はなく、腹膜播種を伴う胃がん症例に対して、S-1シスプラチン+パクリタキセル腹腔内投与療法は安全に実施可能であったと考えられるとのことでございます。
 [総括]のところでございますが、腹膜播種を伴う胃がんに対して、S-1シスプラチン+パクリタキセル腹腔内投与療法は安全に実施可能であり、有効であることが示唆された。今後、治験または先進医療として検証的試験を実施することを検討する予定であるとのことでございます。
 続きまして、御担当者の評価について、御説明をさせていただきます。別紙4の3ページ目を御覧いただければと思います。
 主担当の上村尚人構成員からの御評価でございますけれども、有効性に関しましては、「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」、安全性に関しましては、「C.問題あり。(重い副作用、合併症が発生することあり)」、技術的成熟度に関しては、「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」。
 総合的なコメント欄のところでございますが、「一定の有効性が期待できるデータが得られたものの、本治療法を標準的に用いるには、ランダム化比較試験を実施して有効性と安全性を確立すべきであるという原則に変わりはない。一方で分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などを用いた開発も進行する中で、本治療をどのような位置づけで開発すべきか考える必要がある」とのことでございます。
 薬事承認申請の効率化に資するかどうかについての助言欄でございますけれども、「本治療は、自由診療でも実施されている現状に加えて、現時点でのR&Dランドスケープからも、新たなRCTを組むのはかなり難しいと思う」とのことでございます。
 「3年生存率20%が期待できるのであれば、ベネフィットを得られる患者は相当数存在していると思われ、リアルワールドでのデータ収集を目指した開発戦略も現実的にはあり得ると思う。いずれにしても薬事承認のためのロードマップ再考が必要であろう」とのことでございます。
 続きまして、副担当の柴田構成員からの御評価でございます。有効性に関しましては「E.その他」、安全性に関しましては「C.問題あり(重い副作用、合併症が発生することあり)、技術的成熟度に関しましては「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できる」とのことでございます。
 事務局からは、以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明について、何か御意見・御質問ありましたら、お願いいたします。
○山口構成員
 ちょっと追加でよろしいですか。
○五十嵐座長
 どうぞ、山口先生。
○山口構成員
 ただいま御説明いただいたとおりですけれども、腹膜播種に対して、このようにIPで予防剤をやるという研究は今までも行われてきています。しかし、どれも探索的な研究で終わってしまって、比較試験ではいい成績が出てないケースもあります。
 問題は、今回、成績としては探索的ではありますが、3年生存率20%は相当いいと思います。ただし、ヒストリカルに比較するといいということで、有望な結果であることは分かりますけれども、先ほどちょっと御説明ありましたように、一部でこれが自由診療で広く行われてしまったりしています。次のステップに進まないままに、また、同じ轍を踏むのは大変よろしくないということで、ぜひ、学会を中心に開発戦略を見直して、きちんとした比較試験ができるような体制をつくってほしいというのが、委員会では随分たくさん出た意見でありました。
 以上です。
○五十嵐座長
 補足の御説明、どうもありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
○福井構成員
 福井です。
○五十嵐座長
 どうぞ、お願いいたします。
○福井構成員
 私も山口先生と全く同じ意見です。この研究グループは、この結果を踏まえて次の段階として何か具体的に考えていることがあるのでしょうか。もし、事務局のほうで分かれば、お願いできればと思います。
 患者申出療養のほうでも似たようなことが行われていて、自由診療をずっと続けられている状況ですので、何か方向性を決めるべきだと思っていて、大変危惧しています。もし、事務局のほうで、特にこの名古屋大学のグループはどういうことを考えているか、もし分かれば、教えていただければと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 福井先生ありがとうございます。事務局でございます。
 医療課には、今、現時点で、この研究グループから、次のステップでどのように研究を行うかというプランは入ってはおりません。
 研究開発政策課のほうは、いかがでございましょうか。
○研究開発政策課長補佐
 研究開発政策課でございます。
 こちらのご評価の際に、申請医療機関からは、次の臨床研究をしたいとの希望は伝えられているのですけれども、ご指摘がありました通り、なかなか研究環境が厳しいということまでは話はいただいておりまして、では、どうするかという点につきましては、まだ明確な答えはないという状況でございます。
○福井構成員
 ありがとうございます。
○五十嵐座長
 先進医療会議でこういう御指摘があったことは、ぜひ、名古屋大学のほうにフィードバックしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 そのほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、次に参りたいと思います。事務局から、「先進医療Bの試験終了に伴う取下げについて」の資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 現在申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請が1件ございましたので、資料(先-4)に基づきまして説明させていただければと存じます。
 こちらにつきましては、既に先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただいているものでございます。告示番号42番「腎血管筋脂肪腫に対する腎腫瘍凝固・焼灼術(冷凍凝固によるものに限る。)」でございますけれども、こちらの取下げ理由のところでございますが、「目標症例数の15症例の登録を完了し、観察期間終了予定の2022年6月30日までに全症例の観察期間を終了したため」とのことでございます。
 なお、総括報告書については、作成次第提出予定であるとのことでございます。
 事務局からは、以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 何か御意見・御質問ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございます。
 では、次に参りたいと思います。事務局から、「先進医療の保険導入等の検討について」の資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 まず背景を説明させていただきます。1○目にございますように、先進医療の位置づけとしまして、先進医療は評価療養として将来的な保険導入のための評価を行うものとして位置づけられておりまして、診療報酬改定に併せて既評価技術について保険導入に係る検討を行うこととされております。
 2○目。令和3年12月2日開催の第105回先進医療会議におきまして、1名以上の評価担当の構成員等から、先進医療から取り消すことが適当と評価された技術又は保険導入に係る検討に必要なエビデンスを集積する観点から、特別に指摘のあった技術については、次回の診療報酬改定までに各技術に応じた指摘事項への対応を求めることとされました。
 3○目。令和4年6月9日開催の第111回先進医療会議におきまして、指摘内容とその課題について御議論いただいた際に、課題に対する現時点での対応案の提出を医療機関に求めることとしてはどうかという指摘がございました。
 この指摘を踏まえ、医療機関や学会に指摘事項について照会を行い、今般、その対応案が提出されたため、御確認いただきたいというものでございます。
 次の資料、別紙5を御覧ください。
 指摘を求められた技術は、大きく2技術ございます。陽子線と重粒子線を分けて考えますと、3技術になります。技術名は「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」と「陽子腺治療」「重粒子腺治療」でございます。
 2ページ目を御覧いただきますと、霞ヶ浦医療センターからの御回答がございます。
 1段落目には、これまでの実績などが記載されておりまして、2段落目には、本治療に関しての学会の見解についてが書かれております。
 読み上げますと、日本産婦人科学会、日本産婦人科手術学会は、公式に「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」に対する見解は示しておりません。
 日本産婦人科手術学会は、日本産婦人科学会の指示の下、本年の診療報酬改定に当たって、「先進医療以外の腹式の子宮腺筋症核出術」を外保連に申請いたしたので、学会として、「子宮腺筋症核出術の必要性」は認めていることになると述べられております。
 3段落目には、今後のロードマップとして、2019年2月17日に「子宮腺筋症の妊孕性温存を考える会」が東京大学大須賀教授の主導で発足されたことが述べられており、最終段落においては、この研究会において、子宮腺筋症の症例登録を行い、データを集積していくことの記載がなされております。
 4ページ目には、日本放射線腫瘍学会からの回答がございます。
 回答の1段落目を読み上げますと、現在実施中の粒子線治療については、2022年4月現在、陽子線、重粒子線ともに8疾患で先進医療を終了し、保険収載されております。2022年4月診療報酬改定の後に、日本放射線腫瘍学会は、先進医療Aとして実施する疾患について適応症の整理を行いましたとのことです。すなわち先進医療Aとして症例集積を継続しても、次期診療報酬改定までに十分な登録が期待できず、適応拡大申請に必要な有効な解析が困難であると考えられた疾患を適応症から削除し、陽子線では7領域28疾患の適応症を6領域16疾患に、重粒子線では6領域16疾患を6領域10疾患に限定することといたしましたとのことでございます。
 こちらに関しましては、7ページを御覧ください。今回の診療報酬改定及び今後のエビデンスの集約が難しい適応症に関しましては削除いただいておりまして、事務局としても確認しております。
 再び4ページ目にお戻りいただきまして、2段落目でございますけれども、2024年の次期診療報酬改定に向けて保険導入の可否判断に資するエビデンスを構築するため、引き続き学会内に臓器別ワーキンググループを置き、標準治療であるX線による放射線治療との比較を患者背景等と踏まえて解析し、年次提示報告の一部として提出する予定ですとのことでございます。
 また、2段落目後半の特に、これまでの議論で構成員から御指摘のあったとおり、有効性だけでなく有害事象の低減やQOL等についても可能な限り解析結果を提示したいと考えていますとのことでございます。
 5ページ、6ページ目には、それぞれの各疾患ごとのデータの集積法などが記載されてございます。
 以上、2つの技術につきまして、回答をいただいたところでございますので、これらを踏まえ、医療機関、学会には、次期改定に向けて取組みを進めていただくと同時に、先生方におかれましては、また、追加で御指摘事項などがある場合には、この場で御審議いただきまして、その指摘事項につきましては、医療機関にお伝えしていきたいと考えております。
 事務局からは、以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。
 本当は3つなのでしょうけれども、大きく分けますと2つの技術に対する学会の方針が示されたところです。
 では、まず1番目の「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」について、何か御意見・御質問がありましたら、お願いいたします。
○渡辺構成員
 日本医師会の渡辺です。
 ちょっと教えていただきたいのですけれども、今、2ページのところで、大須賀先生がおつくりになられた会が主導して実際に活動されておられるとのことですけれども、具体的に2019年に立ち上げて、現状としてどのような効果といいますか、症例をどの程度やって、どういうような効果があるかということが、十分示されてないような気がするのですけれども、この回答だけで継続をするかどうかという判断がしにくい気がするのですが、このあたりは事務局はどのようにお考えなのか教えていただければと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回の指摘事項に対する回答を求めるということに関しましては、この回答をもって先進医療として取り消すという判断をなすものではないと今のところ考えております。
 渡辺先生がおっしゃるように、確かに、この回答における「子宮腺筋症の妊孕性温存を考える会」がどのようにデータを出していることに関しましては、医療機関にどのくらいの症例数とかに関してはお問い合わせすることは可能であると思いますので、会議終了後に、その点に関しましては、一度お問い合わせさせていただこうと思っております。
 よろしいでしょうか。
○渡辺構成員
 すみません、追加でお聞きするのですけれども、今回初めて参加させていただいたので、ちょっと論点がずれるかもしれませんけれども、一度先進医療として認可して、それが漫然と続けるということに関してはどういうふうに判断されるかなという気がしたので、お聞きしたわけです。
 つまり、先ほどの案件も幾つかあったと思うのですけれども、何となく続けているのか、それともどのような目的で続けているかというのが、ある程度ここで判断しようということで、このような形で質問をしたということだと理解したのですけれども、結局、それが十分な回答が得られないけれども、いいのだろうというのでは、あまり意味がないのではないかという意味でお聞きした次第です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 渡辺先生、貴重な御意見ありがとうございます。
 渡辺先生のおっしゃるとおりでして、漫然と続けているということに関しましては、事務局としましても、そのようなことはあまりさせたくないといいますか、そのように考えております。
 この先進医療会議の制度の仕組みとしまして、診療報酬改定の2年ごとに先進医療技術のそれぞれの実績などを鑑みて、保険診療に資するかどうか、もしくは、これは先進医療の告示から削除するか等の検討は2年に1回は行っております。そこで取消しとなる技術も少なくともあるのは事実でございます。
 今回のこの指摘事項といいますのは、令和6年度診療報酬改定に向けて、それぞれどのように行っていくかというものを、それぞれの医療機関または学会に求めたものでございますので、ただ、この回答をもって取り消すという判断は、今のところは、難しいと事務局としては考えております。
 ただ、渡辺先生おっしゃるように、「子宮腺筋症の妊孕性温存を考える会」はどのような会で、実際にどれくらいの症例登録が進んでおり、果たして、エビデンスが出るのかということに関しては、照会することが可能であると思っておりますので、そのように進めさせていただいてもよろしいでしょうか。
○五十嵐座長
 構成員の先生、これはよろしいですね。いずれにせよ令和6年度の診療報酬改定の前には、もう一度しっかりと評価をして方向性を決めることになると思います。それに向けて、中間段階ですけれども、データがあるのだったら出していただきたいとお申し入れすることは当然だと思います。
 渡辺先生もよろしいでしょうか。
○竹内構成員
 すみません、竹内です。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○竹内構成員
 この方針は大変結構だと思いますが、先進医療会議で議論になったのは、「高周波切除器を用いた」というのは、方法論として少し古いのではないかと。「子宮腺筋症の核出術」は良いとして、その機器を使うところの「高周波切除器」はもう少し古い機器で、使われなくなっているのではないかという御議論がありました。本当にこの術式で子宮腺筋症核出術を行っていくのかというところが議論になって、今回の照会に至ったというふうに私は理解しています。
 そうすると、今のように、単純に、「子宮腺筋症の妊孕性温存を考える会」に問い合わせても、2ページ目の最後のパラグラフの2行目「各治療法(特に高周波切除器を用いた場合と用いない場合)の優劣」と書いてありますが、そのほかの機器を用いた核出術というのもこの治療法の選択肢の一つとして比較しないと、もともと先進医療会議で議論があったところの回答にはならないのではないかと思いました。今回、質問事項として照会される時に、各種治療法の優劣を検討するのが、どのような形で行われる予定なのかということも伺っていただきたいと思います。この機器を用いた場合と用いない場合だけなのか、他の最新医療機器を用いた場合との比較があるのかなどを聞いていただけるとありがたいなと思いました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 大変重要な御指摘だと思います。ぜひ、事務局からはそのように質問をしていただきたいと思います。
 どうもありがとうございます。
 そのほかはいかがでしょうか。
 それでは、続きまして、陽子線治療と重粒子線治療につきまして、御意見・御質問いただきたいと思います。
 藤原先生、どうぞ。
○藤原構成員
 今回のこれについては、粛々とやっていただいて、次の診療報酬改定に向けて、皆様方で、また、評価していただければいいと思うのですけれども、一つ気づきましたのが、今は平成30年の診療報酬改定で既に保険収載されています前立腺がんに対する重粒子線と陽子線の治療ですけれども、平成28年のときに、私、先進医療の評価の主査をしておりましたが、平成30年度の収載の際に、先進医療Bから前立腺がん領域の先進医療は取下げになりましたので、そのときに、取り下げるのであれば、臨床試験を継続して、できれば評価してほしいというお願いをしたのですけれども、第61回の先進医療会議ですね、平成30年(2018年)の1月11日の会議で、事務局から、そういうのは放射線医療学会にはきちんと申し伝えますというお返事をいただきました。
 なぜかというと、IMRTに比べて陽子線、重粒子線が本当に優れているかというのは、結局、何も分からないまま保険収載されて、いい、いいというのはretrospectiveには言っているのですけれども、唯一そういう比較試験をやっているのは、アメリカのマサチューセッツ総合病院を中心にやっている陽子線の前立腺がん対象の比較試験ですね。日本では比較試験はできないという一点張りで回答されていましたけれども、アメリカではそれを今きちんと粛々とやっていまして、結果が出るのが2023年の12月とclinicaltrials.govには書いてありますので、2024年の保険収載のときには、そういうのもしっかり見ていただいて、もし、比較試験で負けるようだったら、今、収載されている前立腺がんの見直しとか、あるいは、放射線治療学会がやめているかやめてないかまだはっきりしないのですけれども、重粒子線、陽子線の前立腺がんに対する元先進医療Bの試験とかはどうなっているのかというのを事務局に確認していただきたいのと、構成員の皆さん方には、こういう粒子線治療をめぐっては過去様々な駆け引きがやられてきたということを覚えておいていただきたいなと思いました。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。
 事務局、いかがですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 藤原先生、貴重な御意見ありがとうございます。
 また、これまでの経緯を含めた大切な事項を再確認させていただき、誠にありがとうございます。藤原先生が御指摘いただいたことを踏まえ、次回の診療報酬改定に生かしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 そのほかはいかがでしょうか。
 今回、日本放射線腫瘍学会あるいはその他の学会の合同で出されたこの方針は、もちろん十分ではない点が多々あると思います。例えば、5年生存率を出すに当たっても、今回お示しになった疾患群でどの程度が出るかどうか。恐らく一部しかそうしたデータは出ないのではないかと思います。しかし、データをできるだけ出す姿勢を示していただいたことは一つの進歩と思っております。
 いかがでしょうか。
 どうぞ。
○近藤構成員
 近藤でございますが、私もこの会議に参加してまだ少ししかたっていませんので、状況がよく分からないので、とんちんかんな御質問になるかもしれないのですが、例えば、縦隔腫瘍などは希少なので、症例がなかなか集まらないのでというようなことを書かれておりますが、将来的に保険適用を目指すという形での先進医療を取っていらっしゃるわけですから、それがどれぐらいのロードマップで、どれぐらいになったらどうするかというのをきちんと出ているのか。それとも、これも求めないといけないのかなと思って、いろいろな皆さんの御意見を拝聴していたのですが、そのあたりいかがなのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 近藤先生がおっしゃられているのは、具体的にどれぐらいの年数をかけてデータを集積して、エビデンスを創出するかというところのロードマップということでよろしいでしょうか。
○近藤構成員
 そういうことです。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 その点につきましては、まだ事務局にはそのようなデータは届いておりませんでしたので、学会にそれを伝えて準備いただくということは可能でございますが、そのようにいたしましょうか。
○近藤構成員
 ぜひ、そのようにしていただいて、漫然と先進医療が続くという事態を避けるという意味で必要なのかなと思います。よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございました。では、そのようにいたします。
○五十嵐座長
 大変重要な御指摘をいただいたと思います。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、4の「先進医療の保険導入等の検討について」は終了したいと思います。
 続きまして、本日の議題、残りは「その他」になっておりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 特にございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方、全体を通しまして、何かございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、次回の開催について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催については、令和4年10月6日(木)16時からを予定しております。場所については、また、別途御連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、第114回先進医療会議をこれで終了いたします。
 

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