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2022年7月7日 第112回先進医療会議

○日時

令和4年7月7日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者


【構成員等】

五十嵐座長 新井座長代理 近藤構成員 佐藤(典)構成員 

柴田構成員 福田構成員 山口構成員 矢冨技術専門委員


【事務局】

審議官 医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 

先進・再生医療開発戦略専門官 研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 他



○議題

1 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
(先-1)(別紙1)

2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
(先-2-1)(別紙2)
(先-2-2)(別紙3)

3 先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて
(先-3)

4 その他
 


○議事

16:00開会

 

 

 
○五十嵐座長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから「先進医療会議」を開催いたします。
お暑いところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
初めに、構成員の交代につきまして、お諮りしたい件がございます。
本年6月をもちまして、横井構成員が御退任されました。これに伴いまして、7月から近藤晴彦先生に新たに構成員に加わっていただくことになりました。近藤先生、一言御挨拶をお願いしたいと思います。
○近藤構成員
初めまして、皆さん。このたび構成員に加わることに御許可いただきました近藤と申します。
横井先生とは呼吸器外科の関係で以前からよく存じ上げておりましたが、私自身は山口先生とも以前いろいろ御指導いただきました。この4月から杏林大学の病院長という形で管理職の仕事をしておりますが、微力ですが頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
また、これまでは座長代理を、御退任された横井先生に御担当いただいておりました。座長の代理につきましては、座長が指名することになっております。後任の座長代理として新井先生にお願いしたいと思いますが、皆様御了解いただけますでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。では、新井先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○新井構成員
よろしくお願いします。
○五十嵐座長
では、構成員の先生方の出欠状況について御報告したいと思います。
本日は、藤原構成員、福井構成員、竹内構成員から御欠席との連絡をいただいております。
また、先進医療技術の科学的評価等に係る審議のため、矢冨技術専門委員に御出席いただいております。
欠席されます構成員の先生方からは、委任状の提出をいただいておりまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされております。
続きまして、事務局から御連絡がございます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。弊省の組織再編に伴いまして、先進医療技術審査部会の事務局でございます「医政局研究開発振興課」の名称が、6月28日付で「医政局研究開発政策課」に変更となりましたので、御報告いたします。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
次に、事務局の異動がありました。事務局から御紹介をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
6月28日及び7月1日付で事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。
森光敬子審議官でございます。
眞鍋馨医療課長でございます。
荒木裕人研究開発政策課長でございます。
安川孝志薬剤管理官でございます。
中山智紀医療機器審査管理課長でございます。
安藤麻里子先進医療機器審査調整官でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
御紹介ありがとうございました。
続きまして、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
本日もよろしくお願いいたします。
頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、委員名簿に続きまして、先-1「先進医療Aの新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている一枚紙の資料がございます。こちらには別紙1がついてございます。
続きまして、先-2-1及び先-2-2は、総括報告書に関する評価についてでございますけれども、こちらには別紙2、別紙3がそれぞれついてございます。
最後に、先-3「先進医療Bの試験終了に伴う取下げについて」としている一枚紙の資料がございます。
資料につきましては以上でございます。
○五十嵐座長
資料につきまして、何か問題のある方いらっしゃいますか。よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
どうもありがとうございます。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございません。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
ありがとうございます。その他の出席されている構成員におかれましては、申告すべきことはないことを再確認したいと思いますが、よろしいでしょうか。
                                (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。特にないということで承りました。
次に、「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されております。事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
それでは、先-1に基づきまして御説明させていただきます。
今回、先進医療Aの新規技術として御審議いただく技術でございますが、整理番号349番、子宮内膜受容期検査(ERPeak)でございます。
適応症につきましては、「胚移植を受ける不妊症患者(これまでに反復して着床・妊娠に至らないものに限る)」となってございまして、係る費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。
今回、リプロダクションクリニック東京より申請がございました。
こちらの事前評価につきましては、竹内構成員及び矢冨技術専門委員にお願いしてございまして、竹内構成員より「適」、矢冨技術専門委員より「適」の御評価をいただいております。
続きまして、別紙1の4ページを御覧いただければと思います。こちらは当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件をお示ししてございます。
まず、実施責任医師の要件でございますけれども、診療科は産婦人科、産科、婦人科または女性診療科。
資格は、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医であり、かつ日本生殖医学会認定生殖医療専門医であること。
当該診療科の経験年数は、5年以上。
当該技術の経験年数は、不要。
当該技術の経験症例数につきましては、実施者として5例以上としております。
また、医療機関の要件でございますけれども、診療科は産婦人科、産科、婦人科または女性診療科。
実施診療科の医師数は、常勤の日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医が1名以上。
他の診療科の医師は、不要としております。
そのほかの医療従事者の配置は、胚を扱うことができる技術者。
病床数は、不要。
看護配置は、不要。
当直体制は、不要。
緊急手術の実施体制は、不要。
院内検査(24時間実施体制)は、不要としております。
他の医療機関との連携体制は、必要としておりまして、緊急の場合その他当該療養について必要な場合に対応するため、他の保険医療機関との連携体制を整備していることとしております。
医療機器の保守管理体制は、必要。
倫理審査委員会による審査体制は、必要な場合に事前に開催すること。
医療安全管理委員会の設置は、必要。
医療機関としての当該技術の実施症例数は5例以上としております。
また、その他の要件でございますけれども、頻回の実績報告は、不要としております。
以上でございます。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
整理番号349の技術につきましては、事前評価を竹内構成員にお願いしておりました。しかしながら本日は御欠席ですので、評価結果等につきましては事務局から代わりに御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
竹内構成員が御欠席でございますので、今回の技術の概要をまず説明させていただきたいと思います。
別紙1の9ページを御覧ください。こちらに今回の技術の概要が示されております。
「概要」でございますが、本技術は、子宮内膜を生検し、リアルタイムPCRを用いて着床期に特異的に変化する48種類の遺伝子発現を調べ、着床の窓を特定する検査であるとのことです。
検査結果は、pre-receptive(受容期前)、receptive(受容期)、post-receptive(受容期後)、non-receptive(非受容期)の4段階で評価がなされるとのことです。
期待される効能としましては、胚移植を行うタイミングについて、従来の方法である子宮内膜日付診と比較して、より正確な判定が可能となるとのことでございまして、また、当該検査結果に基づいて胚移植を行うことにより、着床率の改善が得られる可能性があるとのことでございます。
次に、13ページを御覧いただきまして、「被験者の適格基準及び選定方法」がございます。胚移植を受ける不妊症患者が対象で、1)から4)にお示ししております適格基準がございます。
14ページを御覧いただきまして、Primary outcomeといたしまして、胚移植当たりの生産率(同時期にERPeak検査をせずに移植した反復着床不全患者と比較)というものでございます。生産率というのは、児が生きて生まれる率を表しております。
Secondary outcomeとしましては、胚移植当たりの臨床妊娠率、流産率でございまして、安全性評価としましては、治療を要する感染症の発生頻度、子宮穿孔の発生頻度がございます。なお、多変量解析におきまして、以下の項目を検討するとのことでございます。
15ページ目をおめくりいただきまして、予定の試験期間及び症例数でございます。
予定期間は10か月を見込んでいるとのことでございます。こちらの期間につきましては、4月1日からとなっておりますが、事前の手続で時間を要しておりましたので、会議後適切な時期に期間を再度修正いただくことを事務局から依頼させていただく予定でございます。
予定症例数は600例とのことでございます。
その下の表には、有効性が認められた症例が記載されており、表の下に「他、反復着床不全患者や高齢患者、卵巣機能不全患者など700例がERPeak検査後に妊娠成立している」との記載がございます。
その下には、有効性が認められなかった症例の記載が表にまとめられておりまして、その表の下には「他、反復着床不全や高齢患者、卵巣機能不全患者など300例以上ERPeak検査しているが妊娠継続せず」と記載がございます。
その下に、目標症例数の設定根拠がございまして、こちらのクリニックでは反復着床不全の患者は年間で約1,000例で、本研究への参加を希望する患者は、その約半数であることが予測される。また、600例のうち、着床の窓がずれている患者で検査どおりに実際に移植する患者数はおよそ200例と考えられ、多変量解析のため、独立変数として10因子を検討しており、予定症例数をこの数値に設定したとのことでございます。
最後に、10ページを御覧ください。今回のロードマップの記載がございます。
もともと左の青色の部分、臨床研究がなされておりまして、反復着床不全患者において当該検査を行うことで、検査を行わない場合と比較して臨床的妊娠率、生産率の有意な上昇及び流産率の有意な低下を認めたとのことでございます。こちらの論文は既にパブリッシュされており、今回のタブレット資料として皆様のお手元に送付させていただいております。
これを受けて今回の先進医療でございますが、前向きに非ランダム化比較試験を行うとのことでございます。最終的には今回用いた医療機器の薬事承認を得ることがゴールとして設定されております。なお、右下に※がございますが、こちらは本邦の生殖医療ガイドラインにおいて、推奨度Cの評価がなされております。
説明が長くなりましたが、1ページの竹内構成員の御評価でございます。
適応症は「妥当である」。
有効性に関しては「従来の技術を用いるよりもやや有効」。
安全性は「あまり問題なし」。
技術的成熟度は「当該分野を専門とし経験を積んだ医師又は医師の指導下であれば行える」。
社会的妥当性は「倫理的問題等はない」。
現時点での普及性は「罹患率、有病率から勘案して、ある程度普及している」。
効率性は「やや効率的」。
将来の保険収載の必要性は「将来的に保険収載を行うことが妥当」との評価をいただいておりまして、総評でございますが「適」でございました。
コメントでございますが、「保険収載に当たっては、類似の検査間の有効性、安全性の比較評価を行った上で、各検査の推奨度などを学会が公表することが望まれる」といただいております。
なお、竹内構成員から指摘事項を2つ受けておりまして、医療機関にお伺いました。それが6ページでございます。
指摘の1つ目でございますが、こちらは矢冨技術専門委員からも同じ内容の指摘を受けたものでございます。代読いたしますと「実施届出書には、申請医療機関名として『リプロダクションクリニック東京』とありますが、説明文書においては、2ページの3)結果の提供の項目に、『リプロダクションクリニック東京及び大阪を受診した際に、結果を担当医師よりご説明します。』とあります。この『リプロダクションクリニック東京』という組織の中に、東京と大阪のクリニックが存在するのでしょうか?ここは、実施計画と明らかに齟齬があります。実際の先進医療を行う場所を、特定してください」という御指摘でございまして、医療機関の回答でございますが「リプロダクションクリニック東京とリプロダクションクリニック大阪は別のクリニックとなりますので、実際の先進医療を行う場所はリプロダクションクリニック東京といたします」と修正をいただいております。
また、2つ目の御指摘は「医療安全管理者」や「医薬品医療機器管理担当」などの役割の記載がなかったため、こちらも御指摘し、記載いただきました。
事務局からの説明は、以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
続きまして、矢冨技術専門委員から評価結果についての御説明をいただきます。よろしくお願いします。
○矢冨技術専門委員
矢冨です。よろしくお願いいたします。
まず、適応症に関しましては、子宮内膜胚受容期検査として問題ないと考えられ、妥当です。
有効性に関しましては、いわゆる内膜日付診のような従来の技術と比べると有効と思われます。
安全性に関しましては、通常の子宮内膜生検を必要としますが、それ以降はいわゆる体外診断検査となりますので、問題ないと考えられます。
技術的成熟度に関しましては、子宮内膜生検を行って、その後は客観的な結果が返ってきますので、当該分野を専門とし、数多く経験を積んだ医師または医師の指導下であれば行えると判断いたしました。場合によってはAでもよろしいかもしれません。
社会的妥当性・倫理的問題等は、説明・同意があれば問題ないと考えております。
現時点での普及性に関しましては、罹患率・有病率から勘案して、ある程度普及していると考えられて、既に臨床研究として数百例に実施され、論文にもなっております。
効率性に関しましては、これまでの検査と比べますと、やや効率的と考えてよろしいかと思います。
先進医療の結果にもよりますが、将来的には、結果がよければ保険収載を行うことが妥当と考えられます。
以上、総合判定「適」と判断させていただきました。
以上です。
○五十嵐座長
矢冨先生、どうもありがとうございました。
それでは、事務局と矢冨先生の御説明に関しまして、何か御意見・御質問がありましたらお願いいたします。
柴田先生どうぞ。
○柴田構成員
評価方法についてですが、現在掲示されている評価方法自体は妥当だと思うのですが、着床の窓がずれている方が200名くらいになる見込みであるという御説明があったのですけれども、600名のうち400名の方も含めた解析は後々実施していただかないと、この技術自体の全体での、この技術が適応された方での成績が将来の保険収載のときの論点の一つになると思いますので、それは追加していただければと思います。
ただ、今回提示されていること自体は問題ないと思っております。
以上です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。ありがとうございます。
柴田先生、お伺いしたいのですけれども、600例で解析するということは間違いではなくて、窓がずれている方とずれていない方と両方で解析していただくということでしょうか。
○柴田構成員
そうではなくて、今回、窓がずれている方で成績が向上する、きちんと適切なところで移植されることで成績が向上するという解析をされると書いてあるんですよね。そのときに、いわゆる臨床試験で言うところのIntention to treatの解析をしておく必要があるということです。ずれている方とずれていない方の比較ではなくて、今回600例の方を全体として評価したときに、既存の方法で成績、よりどのくらい上乗せがあるかを集団として見ておくのが、別途副次的に検討されればいいのではないかというコメントです。
○先進・再生医療開発戦略専門官
かしこまりました。以下の件に関しましては、引き続き医療機関にお問い合わせしたいと思います。ありがとうございます。
○五十嵐座長
御指摘ありがとうございました。
そのほかいかがでしょうか。福田先生、お願いします。
○福田構成員
すみません、遅れて参加いたしましたが、今、柴田先生からも御指摘がありましたけれども、私も以前にERAのほうをやっているものについての評価を担当させていただいて、そのときも実施して窓が合っているかどうかで比較するみたいな御提案を当初いただいたのですが、最終的には実施した全体と非実施群、そもそもこれをしないで移植した場合で比較するデザインで検証をお願いいたしましたので、そことの整合を図る意味でも柴田先生御指摘のとおり、これを実施する群としない群という解析をぜひやっていただければと思います。
以上です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
福田先生、ありがとうございます。そのように医療機関にお伝えしたいと思います。
○五十嵐座長
どうもありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。そうしましたら、お二人の先生の御指摘を申請者にお伝えするということで、評価委員の評価どおり決定したいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
次に、事務局から先進医療Bの総括報告書に関する評価についての資料が提示されております。2件ございます。まず、1件目について事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
それでは、1件目につきまして資料先-2-1に基づきまして、御説明をさせていただきます。今回、旧告示番号23番として実施されておりましたFOLFIRINOX療法につきまして、東京大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
まず、技術の概要でございますけれども「胆道がん(切除が不能と判断されたもの又は術後に再発したものに限る)」が適応症となってございます。
医療技術の概要の5行目でございますが、「切除不能・再発胆道癌(肝内・肝外胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌を含む)に対しFOLFIRINOX療法(2週間を1コースとし、第1日目にオキサリプラチン、イリノテカンおよびロイコボリン、フルオロウラシルを、第1~3日目にかけてフルオロウラシルを投与)を施行し、有効性と安全性を評価する」試験となってございました。
次に、医療技術の試験結果、有効性の評価結果でございますが、「主要評価項目である無増悪生存期間中央値は7.4カ月であった。無増悪生存期間の80%信頼区間下限値が帰無仮説の棄却上限値である6カ月を越える場合、第3相試験に進むに値するとしていたが、それを満たす結果は得られなかった。副次評価項目である全生存期間中央値は14.7カ月であった。また、標的病変を有する35例において、完全奏効は1例、部分奏効は10例、奏効割合は31.4%であった」とのことでございます。
2ページ目、安全性の評価結果でございますが、CTCAE grade3以上の主な有害事象はお示しのごとくでございまして、「プロトコール治療との因果関係が否定できない重篤な有害事象9件報告されたが、重篤と判断した根拠は全件において『入院又は入院期間の延長』であり、8例が適切な処置により回復し、1例が現病悪化の為未回復であった」とのことでございます。「死亡例2例については、試験治療との因果関係なしと判断された。その他の症例は適切な処置により回復し、治療に関連した死亡は認めなかった」とのことでございます。
総括でございますが、最後の文章でございますが「以上より、切除不能・術後再発胆道癌症例に対して、FOLFIRINOX療法は安全に実施可能であったと考えられる」とのことでございます。
次に「2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果」の(2)議事概要及び検討結果でございますが、東京大学医学部附属病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審査部会で有効性・安全性等に関する評価が行われ、総評として概要以下のとおりでございました。
1つ目、FOLFIRINOX療法として予想される範囲の有害事象が発生しているが、そのリスクを上回るベネフィットとして有効性での優越性も確認できず、既存治療の治療方法との差別化に至っていない。
2つ目、この試験の結果をもって第3相試験に進まないことを判断するのであれば、先進医療として大きな成果と言えるとのことでございます。
続きまして、各御担当者の評価について御説明させていただきます。
別紙2の3ページを御覧いただければと思います。
主担当の上村尚人構成員からの御評価でございますけれども、有効性に関しては「C.従来の医療技術を用いるのと、同程度である」。
安全性に関しましては「D.その他」。
技術的成熟度につきましては「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」。
総合的なコメント欄でございますが、「FOLFIRINOX療法としては予想される範囲の有害事象が発生している。そのリスクを上回るベネフィットとして有効性での優越性も確認できず、既存の治療方法との差別化にいたっていない」とのことでございます。
また、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますが、「臨床試験の結果をもって次のステップに対するクリアなGoあるいはNo Goの決定をすることは、薬事承認申請の効率化でもっとも重要なプロセスである。この試験の結果をもって第3相試験へのNo Goを判断するのであれば、先進医療としての大きな成果と言える」とのことでございます。
続きまして、副担当の伊藤陽一構成員の御評価でございます。
有効性に関しましては「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」。
安全性に関しましては「B.あまり問題なし」。
技術的成熟度に関しましては「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」とのことでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問・御意見がありましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございました。これは承認ではなくて、御説明を受けて了解したということでよろしいわけですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
はい、さようでございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございます。
次に、2件目について事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
それでは、2件目につきまして、資料先-2-2に基づいて御説明させていただきます。
今回、旧告示番号24番として実施されておりました、内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下広汎子宮全摘術につきまして、東京医科大学病院から総括報告書の提出がございました。
まず、技術の概要でございますけれども、こちらは「子宮頸がん(FIGOによる臨床進行期分類がIB期以上及びIIB期以下の扁平上皮がん又はFIGOによる臨床進行期分類がIA2期以上及びIIB期以下の腺がんであって、リンパ節転移及び腹腔内臓器に転移していないものに限る)」が適応症となってございます。
医療技術の概要の4行目でございますが、「根治手術可能な子宮頸がん患者を対象として、DVSSを用いたロボット支援広汎子宮全摘術と従来の腹式広汎子宮全摘術を比較検討し、その有効性・安全性を評価することにより、ロボット支援広汎子宮全摘術の低侵襲性手術としての有用性について検討する。本試験は単群試験であり、ヒストリカルコントロールとして当先進医療の参加4施設における2012あるいは2013年の腹式広汎子宮全摘術の短期成績を用いる」とのことでございました。
次に、医療技術の試験結果、有効性の評価結果でございますが、DVSSを用いた広汎子宮全摘術は、開腹症例を認めず100%で完遂され、主要評価項目である出血少量手術成功に関して、断端陰性で出血量300mL以下は100例中87例でございました。そして「高い根治性を担保しつつ大幅な出血減量を認めた。摘出検体の適切性に関しては、断端が陽性であった3例はいずれも進行期2bの症例であり、膣壁ならびに膀胱壁に広範囲の浸潤があったものと推測される。このことから、2b期以下の症例においては、DVSSを用いることで開腹における広汎子宮全摘術と同等に十分適切な検体を摘出できると考える。全生存期間ならびに無再発生存期間に関しては、術後1年での死亡例は認めず、再発に関しては、1b1期以下では6.8%と低値である一方で、1b2期以上では30.8%と高値を示した。これらは1年間のみの結果であるため、引き続き新たな観察研究でその結果を検討する必要がある。以上より、広汎子宮全摘術における本術式の有効性が評価されたものと考える」とのことでございます。
また、安全性の評価結果でございますが「平均手術時間は445.6分であり、ヒストリカルコントロールでは317分と手術時間の延長を認めたが、リンパ節の摘出個数、輸血、泌尿機能などについてはヒストリカルコントロールの結果とほぼ同等の成績を得ることができた。一方で本試験においては、プロトコル治療が原因での死亡例がなく、重篤な有害事象も8%と低い発生率に抑えることができた。また、試験機器の不具合に関しては、2件に認められたが、いずれもDVSS本体の不具合によるものではなく、DVSSによる手術の安全性は確かめられた。以上より、従来の術式に比べ安全性の面で同等あるいはそれ以上の評価が期待できる」とのことでございます。
総括でございますが、「今回の研究において、手術支援ロボットDVSSを用いることで従来の開腹手術による広汎子宮全摘術と同等の根治性を持って低侵襲手術を行うことができた。今後は、予後に関して継続して検討を行っていくことになる」とのことでございます。
次に「2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果」の(2)議事概要及び検討結果でございますが、「東京医科大学から提出のあった総括報告書について、第133回先進医療技術審査部会で有効性・安全性等に関する評価が行われ、また第135回同部会にて総括報告書の修正等が報告され、総評として概要以下とおりであった」とのことでございます。
1つ目、主要評価項目である出血量に関しては、本技術が開腹手術より少ないことは明らかになったが、今後、本技術を保険診療として実施するにあたっては、遠隔成績が従来の技術に比較して劣っていないことを確認する必要がある。
2つ目、施設間で手術時間や再発率等に差が認められ、本技術の標準化や均てん化が十分であるか検討が必要である。
3つ目、本技術の対象とした疾患の臨床病期の違いにより、予後が異なる可能性がある。再発率や生存率などについては、開腹手術に比較して劣る可能性もあり、最終的には今後の経過を見なければわからない。
4つ目、本研究の結果と国内外の最新の標準治療の成績なども踏まえて、術者基準だけでなく施設基準・対象疾患の臨床病期を学会等で適正に規定する必要がある。
5つ目、既に低侵襲手術として普及しつつある腹腔鏡下手術との比較も必要であるとのことでございます。
続きまして、御担当者の評価について御説明させていただきます。別紙3の3ページを御覧いただければと思います。
主担当の山口構成員からの御評価でございますけれども、有効性に関しましては「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」。
安全性に関しましては「B.あまり問題なし」。
技術的成熟度に関しましては「C.当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした体制をとっていないと実施できない」。
総合的なコメント欄でございますが「今回の主要評価項目である出血量に関しては、本技術が開腹手術より優れていることは明らかになったが、遠隔成績に関しては今後の経過を見なければならない。技術的には各施設の間で、出血量や手術時間に差が認められ、本技術の標準化や均てん化が十分であるか検討が必要である。また、再発率や生存率などについては、開腹手術に比較して劣る可能性もあり、最終的には今後の経過を見なければわからない。また、腹腔鏡下手術との比較も必要である」とのことでございます。
その下の※でございますが「本技術の対象とした疾患の臨床病期の違いにより、予後が異なる可能性がある。また、施設間の手術時間、再発率等のばらつきから、本技術の標準化や均てん化が十分であるかさらに検討が必要である。今後、本技術を保険診療として実施するにあたっては、今回得られた出血量の軽減のほかに、遠隔成績が従来の技術に比較して劣っていないことを確認する必要がある。そして、本研究の結果と国内外の最新の標準治療の成績なども踏まえて、術者基準だけでなく施設基準・対象疾患の臨床病期を学会等で適正に規定する必要がある。また、すでに低侵襲手術として普及しつつある、腹腔鏡下手術との比較も必須である」とのことでございます。
続きまして、副担当の飛田構成員の御評価でございます。
有効性につきましては「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」。
安全性に関しましては「B.あまり問題なし」。
技術的成熟度に関しましては「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」でございます。
続きまして、技術専門委員の榎本委員の御評価でございます。
有効性に関しましては「A.従来の医療技術を用いるよりも、大幅に有効である」。
安全性に関しましては「A.問題なし」。
技術的成熟度に関しましては「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」とのことでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御意見・御質問がありましたら、お願いいたします。
どうぞ、福田先生、お願いします。
○福田構成員
では、1点だけよろしいでしょうか。技術審査部会の先生方からも御指摘がありましたけれども、今後とも保険収載するかどうかの検討に当たっては、遠隔成績、長期の有効性が課題というのは御指摘のとおりかと思います。
質問は、これは一応、総括報告書ですが、今後長期の成績などが収集されるとか出てくる可能性はあるのでしょうか。それはまた別枠で考えなければいけないのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
今回の技術の保険収載に当たっては、学会から例えば医技評に提出いただく必要があるかなと思っておりまして、そこにつきましては、学会からその手続を踏んでいただく必要があるかと考えております。
○福田構成員
分かりました。そのときに、なるべく長期のものを出していただけるということですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
さようでございます。
○五十嵐座長
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
今のことに関して、既にある程度遠隔成績が出ていまして、症例1例1例を見ると、かなり死亡例も出ています。従いまして、予後に関してはまだ楽観できないと思います。
「ランセット」に載ったLACCトライアルという子宮頸がんの低侵襲手術と開腹手術の比較で、開腹手術のほうが予後がよかったというショッキングなデータが出ていて、必ずしも低侵襲手術が安全というわけにはいかないということで、慎重にやるべきだと思います。
実際、施設間で予後についても再発率が高い施設もありますし、手術時間に至っては600分と300分、つまり10時間かかるところと5時間で終わっているところがあったりします。つまり、この手術が本当に標準化されて定型化されているのかどうか等はまだまだ不明な点があるので、繰り返しになりますけれど、私から総合的に指摘したように、保険収載に当たってはまだまだクリアすべき問題があると思います。
ただ、今回は確かに、出血に関しては腹腔鏡手術同様少ないというメリットが得られたことは大きな成果だろうと思います。
以上です。
○五十嵐座長
御説明どうもありがとうございます。いろいろ理解できたと思います。
そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
続きまして、事務局から先進医療Bの試験終了に伴う取下げについての資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
現在、申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請が4件ございましたので、資料の先-3に基づきまして説明させていただきます。こちらにつきましては、既に先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただいているものでございます。
告示番号13番、重粒子線治療でございますけれども、こちらの取下げ理由でございますが、「令和4年度診療報酬改定に伴い、最大径4㎝以上の肝細胞癌に対する重粒子線治療が保険適用となった。本試験は切除不能かつ穿刺局所療法不適の肝細胞癌を対象として計画・実施されているが、これにより本試験の組み入れ対象となる症例の大部分が保険適用となり、先進医療Bとして引き続き組み入れ可能な症例は最大4cm未満、かつ切除が困難な肝細胞癌のみに限られる。予定症例数に達することが極めて困難となったこと、保険適用となったことで本試験の目的の大半が達成されたと考えられることから、研究実施計画書の規定に基づき研究を中止することとした。研究中止後は6か月の後観察期間、1年の解析期間へ経て研究を終了し、総括報告書を提出する」とのことでございます。
告示番号15番、ゲムシタビン静脈内投与及び重粒子線治療の併用療法でございますけれども、こちらの取下げ理由ですが「令和4年度診療報酬改定に伴い当該技術が保険適用になったため、先進医療に係る届出書を取り下げます。試験実施計画書を改訂の上、臨床研究法下で試験を継続し、試験終了後に総括報告書を提出いたします」とのことでございます。
告示番号21番、S-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法でございますけれども、こちらの取下げ理由は「症例登録及び全症例のプロトコール治療、観察期間が終了したため、当該先進医療の取下げをいたします。総括報告書については現在、作成中となっております」とのことでございます。
最後でございますが、告示番号28番、重粒子線治療でございますけれども、こちらの取下げ理由は「令和4年度診療報酬改定に伴い、当該技術が保険適用になったため、先進医療に係る届出書を取り下げます。試験実施計画書を改訂の上、臨床研究法下で試験を継続し、試験終了後に総括報告書を提出いたします」とのことでございます。
事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、何か御意見・御質問がありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございました。
本日の議題は、残りは「その他」となっております。事務局から何かございますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
特段ございません。
○五十嵐座長
構成員の先生方から何か。どうぞ。
○柴田構成員
先ほど福田先生から御指摘のあった長期の成績の件ですが、先ほどの技術については観察研究報告書が提出されるように調整されていまして、先進医療技術審査部会でその結果が後々に報告されるというお約束をいただいているものになると思います。正式に総括報告書としては先ほど評価が終わったところですが、長期の成績もきちんと報告書にまとめて提出されることと、まだその報告書が提出されていませんということがリストとして厚労省のホームページに掲載されていますので、後々会議に出てくるという位置づけになっていると理解しております。
○五十嵐座長
御説明どうもありがとうございました。
そのほかいかがでしょうか。
それでは、本日の議題は以上ですが、神村構成員が今回をもって御退任になります。大変残念なのですが、今回、神村先生は御欠席ですので御挨拶をいただくことはできませんが、事務局に連絡がございましたので御報告いたします。
それでは、次回の開催につきまして、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
次回の開催につきましては、令和4年8月4日木曜日、16時からを予定しております。もともと予備日となってございましたが、開催させていただく予定としております。場所につきましては、別途、御連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、第112回先進医療会議を終了いたします。御協力どうもありがとうございました。
 

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