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2021年12月2日 第105回先進医療会議

○日時

令和3年12月2日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 神村構成員 佐藤構成員 福田構成員
柴田構成員 竹内構成員 福井構成員 藤原構成員 山口構成員 北脇技術専門委員
北川技術専門委員 五十嵐敦之技術専門委員 磯部技術専門員 植木技術専門委員
榎本技術専門委員 後藤田技術専門委員 近藤技術専門委員 笹子技術専門委員
髙橋技術専門委員 辻技術専門委員 長瀬技術専門委員 平形技術専門委員
本田技術専門委員 松原技術専門委員 村田技術専門委員 矢冨技術専門委員
 
【事務局】
審議官 医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐
先進・再生医療開発戦略専門官 研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他



○議題

 1 新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
   (先-1)(別紙1)(参考資料1)(参考資料2)
 2 令和3年度先進医療技術の実績報告等について
   (先-2-1)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)
   (先-2-2)(先-2-3)
 3 先進医療技術の科学的評価等について
   (先-3-1)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)
   (先-3-2)(先-3-3)
 4 先進医療Bの取下げについて
   (先-4)
 5 その他


○議事

16:00開会



○五十嵐座長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから「先進医療会議」を開催いたします。
初めに、構成員の先生方の御出席状況ですけれども、佐藤構成員と福田構成員が少し遅れるということ以外は全員、現時点で御出席をいただいております。また、先進医療技術の科学的評価等に係る審議のために、五十嵐敦之委員、磯部委員、植木委員、榎本委員、北川委員、北脇委員、後藤田委員、近藤委員、笹子委員、高橋委員、辻委員、長瀬委員、平形委員、本田委員、松原委員、村田委員、そして、矢冨委員に御出席をいただいております。
それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
頭撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。
それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
まず、資料の確認をさせていただければと思います。
議事次第、委員名簿に続きまして、先-1「先進医療の新規届出技術について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙1、参考資料1、参考資料2がついてございます。
続きまして、先-2-1「令和3年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」としている資料がございます。こちらには参考資料1、参考資料2、参考資料3がついてございます。
先-2-2「1年間(令和2年7月1日~令和3年6月30日)の実施件数が0件である先進医療技術に係る医療機関の今後の対応方針等」としている資料がございます。
先-2-3「暫定的に先進医療Aとして実施している技術について」としている1枚紙がございます。
先-3-1「先進医療に係る検討について」としている資料がございます。こちらには参考資料1、参考資料2、参考資料3がついてございます。
先-3-2「各先進医療技術の概要」としている資料がございます。
先-3-3「粒子線治療に対する科学的評価について(案)」としている資料がございます。
最後に、先-4「先進医療Bの取下げについて」としている1枚紙の資料がございます。
資料につきましては以上でございます。
なお、今回の先進医療会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただけますと幸いでございます。
御発言いただく先生は、会議資料のページ、または送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
また、本日は非常に多くの先生方に御出席いただいております。大変恐れ入りますが、御発言いただく際はお名前を最初にお伝えいただけますと進行上ありがたく存じます。
事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
御説明ありがとうございました。
資料等につきましてはよろしいでしょうか。
特に問題ないようですので、それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御報告をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
今回検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございません。
以上でございます。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
本日出席されている構成員におかれましては、申告すべき利益相反はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。
それでは「新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」が資料として提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
まず、先-1の資料に基づきまして御説明させていただきます。
今回、先進医療の新規届出技術について振り分け審議をいただく技術が1件ございまして、受理番号133番、技術名は「PICSI」でございます。
適応症につきましては、胚移植を受ける不妊症患者(胚移植後に反復して流産を認めたもの、あるいは奇形精子を伴うものに限る)でございます。
今回、医療法人社団神徳会芝公園かみやまクリニックから申請がございました。係る費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
技術の概要につきまして、補足を含めて御説明させていただきます。
まず、参考資料2としてお送りさせていただいた資料を御覧いただけますでしょうか。こちらは令和3年11月17日に開催された中央社会保険医療協議会総会におきまして不妊治療の保険適用に係る議題の際にお示しさせていただいた資料でございます。こちらは「生殖補助医療の全体像(イメージ)」となってございます。
今回申請がございましたPICSIにつきましては、こちらの青い点線で囲っております、追加的に実施される場合があるもののうち、③とセットとさせていただいているところに記載があるものでございます。こちらは具体的には顕微授精という技術に対して追加的に実施を行う技術という位置づけとなってございます。
次に、別紙1-1の1ページ目を御覧いただけますでしょうか。
まず(先進性)のところでございますけれども、顕微授精、こちらでは「ICSI」と記載されておりますが、ICSIにおける成熟した精子の評価につきましては、顕微鏡下で形態と運動性を評価するものが主流とのことでございます。他方で形態学的な評価のみでは未成熟な精子が注入されてしまう可能性があるとのことで、結果として受精率等の低下につながるといった報告があるとのことでございます。
続きまして、2段落目のところでございますが、成熟を完了した精子は、高密度のヒアルロン酸レセプターが発現しており、透明帯とヒアルロン酸の両方に結合することができるとのことでございます。本技術につきましては、この特徴を利用して、ヒアルロン酸を用いることにより、精子の成熟について生理学的な評価を行う技術になってございます。
こちらの技術につきまして、4ページ目、別紙1-2にございますように、医薬品、医療機器または再生医療等製品の使用を伴わない医療技術で、先-1の下方にも記載がございます「未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術」に該当すると考えられますので、先進医療Aとして振り分け案を提示させていただきました。
事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明に対しまして何か御質問等はございますか。
よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
それでは、特にないようですので、受理番号133番の技術につきましては先進医療Aとして振り分けたいと思います。ありがとうございました。
続きまして「令和3年度先進医療技術の実績報告等について」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、先-2-1から先-2-3に従いまして御説明をさせていただきます。
まず、先-2-1で、令和2年7月1日から令和3年6月30日の1年間に実施された先進医療の実績報告をまとめた資料となってございます。
1ページ目からで、先進医療Aにつきまして、技術数につきましては24種類、実施医療機関数は141施設、また、保険外併用療養費の総額及び先進医療費用の総額につきましてはそれぞれ約34.1億円、約58.4億円となってございます。
先進医療Bにつきましては、技術数が59種類、実施医療機関が211施設、保険外併用療養費の総額が約6.9億円、先進医療費用の総額が約3.5億円となってございます。
先進医療Aと先進医療Bの合算値につきましては一番右の欄に記載させていただいてございます。
それでは、2ページ目にお移りいただきまして、過去1年間の先進医療A及び先進医療Bの技術数の増減を示した表になってございます。先進医療Aの技術につきましては、当初22種類で始まっておりましたけれども、3種類の技術が新しく承認されまして、1種類の技術は削除となってございます。結果的に6月30日時点で24種類となってございます。
また、先進医療Bの技術につきましては、当初61種類でございましたが、10種類の技術が新しく承認されまして、12種類が実施期間の終了等に伴って取り下げられましたことから、合計として59種類となってございます。
なお、こちらの期間の総括報告書の受理数といたしましては10種類となってございます。
続きまして、3ページ目をおめくりいただきまして、こちらは過去5年間の技術数、実施医療機関数、全患者数、金額等の実績を示した表となってございまして、こちらの実績につきまして技術ごとに示しております資料が、参考資料1から参考資料3となってございます。
参考資料1は、先進医療Aの技術に関して実施件数や費用等を一覧にしてございます。参考資料2につきましては、先進医療Bの技術について同様に一覧としてございます。また、参考資料3につきましては、先進医療Bの終了予定日、計画時患者数等を一覧にしておりまして、進捗状況等の閲覧が可能となってございます。こちらはまた御参照いただければと思います。
次に、先-2-2に移らせていただきます。こちらは先ほどお示しいたしました過去1年間の実績におきまして実施件数が0件であった技術について、その理由及び今後の対応方針を申請医療機関に報告していただいたものになってございます。
まず、1ページ目は先進医療Aのものになってございまして、こちらは告示番号8番の技術につきましては、いわゆる暫定Aとされている技術となってございます。また、告示番号18番の技術につきましては、インフルエンザを対象とした技術で、理由の欄にございますように、今回の期間におきましてはインフルエンザの流行がなく実施事例がなかったとのことでございます。
続きまして、2~4ページにわたりまして、こちらは先進医療Bの実施件数が0件だったものをお示ししているものでございます。こちらは理由といたしまして、症例の登録が既に完了したものも含まれてございます。また、その他の理由といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響が述べられているものも幾つかございます。
最後に、先-2-3を御覧いただければと思います。こちらは暫定的に先進医療Aとして実施している技術についての説明でございます。
まず「1.背景及び現状」の1マル目にございますように、平成20年の先進医療告示第2項各号に掲げられた先進医療のうち、平成24年11月30日の先進医療会議におきまして先進医療Bへ振り分けることとされた技術につきましては、暫定的に先進医療Aとして実施されているところでございます。
この暫定Aの技術につきましては、1ページ目の破線で囲まれておりますような取扱いをすることとなってございまして、平成28年4月以降は、新規患者の組入れについては認めないことになってございます。
この点につきまして、事務局では定期的に確認を行ってございまして、そちらの結果を下の表の形でお示ししてございます。表に記載させていただいておりますとおり、前回確認いたしました令和2年11月時点から今回の令和3年11月時点におきまして、新規患者の組入れは行っていないことを確認しているところでございます。
説明は以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして何か御質問等はございますか。
よろしいですね。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
では、事務局の方針どおりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
続きまして「先進医療技術の科学的評価等について」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
こちらの議題につきましては技術専門委員の先生方も御参画いただけると幸いでございます。
それでは、説明に移らせていただきます。まず、資料先-3-1を御覧いただければと思います。こちらは先進医療技術の保険導入等に向けた科学的評価等に係る検討方法をお示しした資料となってございます。内容の一部につきましては令和3年9月に開催されました先進医療会議におきまして既にお示しさせていただいたところでございます。
それでは、簡潔に御説明させていただきますと「1.評価対象技術の考え方」で、まず、こちらはマル1としている先進医療Aにつきましては、令和3年6月30日時点で先進医療告示に規定されていた技術のうち、先ほども説明させていただきました暫定Aとして実施しているものを除いたものが評価対象となってございます。
また、マル2の先進医療Bにつきましては、総括報告書の報告を終えている技術であり、かつ未承認、適応外の医薬品等の使用を伴わないものが評価対象となってございます。こちらにつきましては、2つ目の※書きにございますように、今回の検討におきましては評価対象技術に該当するものはございませんでした。
「2.事前評価」及び次のページをおめくりいただきまして「3.先進医療会議における評価」。こちらにつきましては9月の先進医療会議でもお示しさせていただいた評価方法でございます。
「4.中医協総会及び医療技術評価分科会への報告」のところで、先進医療から削除が適切と判断された技術以外については先進医療会議における評価結果を医療技術評価分科会に報告することになってございまして、※書きにございますように、先進医療会議の評価結果を可能な限り詳細に報告させていただく予定でございます。また、今回削除が適当と御判断いただきました技術につきましては中医協総会に報告することとなってございます。
続きまして「5.施設基準の見直しに係る検討」につきましては、こちらも9月の会議でお示しさせていただいたものと同様でございます。
最後に、「6.取り消すことが適当との指摘がされた技術等への対応(案)」としているところで、こちらは令和2年度診療報酬改定の際と同様でございまして、事前評価において、1名以上の評価担当の構成員等から先進医療から取り消すことが適当との指摘があったものの、先進医療を継続する取扱いとなった技術、または特別に御指摘のあった技術につきましては、次回の診療報酬改定までに各技術に応じた課題事項への対応を求めることとしてはどうかというものでございます。
次に、3ページ目をおめくりいただきまして、こちらは検討過程のイメージで、こちらも9月の会議でもお示しさせていただいたものでございます。
続きまして、4ページ目をおめくりいただきまして、こちらは事前評価結果の整理の考え方を示した表となってございます。今回、こちらの考え方に基づき各技術を分類した結果を5ページ目以降に示してございます。詳細な内容につきましては後ほど先生方に御議論いただく際に御説明させていただく予定でございます。
なお、先-3-2は各技術の概要、施設基準、実績等をまとめた資料となってございますので、必要に応じて御参照いただければと存じます。
また、先-3-3につきましては後ほど御説明させていただければと存じます。
事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございます。
ただいまのところまでの御説明に何か御質問はございますか。よろしいですか。
今、説明いただいた方針でこれから審議に入りたいと思います。
それでは、科学的評価等の議論に入りたいと思います。議論の順番につきましては、総合Iの技術。次に、総合III-Bの技術を審議いたしまして、最後に、総合II-Aから総合III-Aですから、4つのカテゴリーですけれども、この技術の順に審議したいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、事前評価結果で総合Iと評価されました技術につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、資料先-3-1の5ページ目を御覧いただければと思います。こちらは総合評価でIとなっている技術で、全ての御評価いただいた方におきまして、AまたはB、一定以上の科学的根拠を有すると御評価いただいたものとなってございます。
今回、当該区分に該当する技術はこちらの7技術となってございまして、具体的には告示番号12番「ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」、告示番号13番「細菌又は真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」、告示番号14番「LDLアフェレシス療法」、告示番号17番「MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法」、告示番号20番「血中TARC濃度の迅速測定」、告示番号22番「細胞診検体を用いた遺伝子検査」、告示番号25番「流産検体を用いた染色体検査」となってございます。
なお、※書きのところにございますように、告示番号12・13・20・22につきましてはロードマップにおきまして薬事承認を目指している技術となってございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
総合Iというものは、事前評価で全ての評価者がA、すなわち十分な科学的根拠を有するという判定をいただいた技術であります。
それでは、それぞれの技術につきまして、何か御意見があればいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、告示番号12番「ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」についてはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
告示番号13番「細菌又は真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」。これについてはいかがですか。
よろしいですか。
告示番号14番「LDLアフェレシス療法」についてはどうでしょうか。
よろしいですか。
告示番号17番「MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法」についてはいかがでしょうか。
よろしいですか。
告示番号20番「血中TARC濃度の迅速測定」。これについてはいかがでしょうか。
告示番号22番「細胞診検体を用いた遺伝子検査」。これについてはいかがでしょうか。
最後、告示番号25番「流産検体を用いた染色体検査」。これについてはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御意見はないようですね。
それでは、これらの技術につきましては「十分な科学的根拠がある」という結論としてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
続きまして、事前評価結果で総合IIIbとなった技術について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、先-3-1のページをおめくりいただきまして、最後の10ページ目のところを御覧いただけますでしょうか。こちらは総合評価でIIIbとなっている技術でございまして、全ての御評価いただいた先生におきまして、D、取り消すことが適当と御評価いただいたものとなってございます。
今回、当該区分に該当する技術は2技術となってございまして、告示番号10番「培養細胞によるライソゾーム病の診断」、告示番号11番「培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断」となってございます。
なお、いずれの技術も令和2年度診療報酬改定の際に実施医療機関を増やす等の取組を行い、当該技術の普及性の向上を図ることという課題をいただいていた技術でございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
この総合IIIbという評価は、全ての評価者がD評価をつけたものであります。したがいまして、先進医療からこれらを外すかどうか、先進医療を続けるかどうかが焦点になると思います。
御意見をいただきたいと思います。1つずつ御意見を伺いたいと思います。
まず、告示番号10番「培養細胞によるライソゾーム病の診断」についてはいかがでしょうか。
よろしいですか。
○辻技術専門委員
辻ですけれども、よろしいでしょうか。
○五十嵐座長
どうぞ。お願いします。
○辻技術専門委員
この検査は実績が全くないので、Dとして致し方ないと私も思うのですけれども、ただ、こういう酵素活性を測るというのは、実は現在、網羅的な遺伝子検査、ゲノム検査ができている状況になって、そこで生み出されたバリアントがパソジェニックであるかどうかを判断する際に酵素活性の機能解析をするのは必須なのです。そういったことはとても僕は大事な意味のあることだと思っていて、これは大学のアカデミアの研究室でなければできないことなのですが、医療法が改正されてからなかなかアカデミアの研究室がだんだん腰が引けるようになってきていて、そういう背景があるので、こういう酵素活性の測定をアカデミアでちゃんと維持できるようにしてほしいという気持ちはあります。
ただ、この技術に関しては実績が全くないので、Dとして致し方ないのではないかと思います。
以上です。
○五十嵐座長
御説明ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
では、告示番号11番「培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断」。これも似たような技術だと思いますが、いかがでしょうか。
○辻技術専門委員
すみません。辻です。
○五十嵐座長
どうぞ。お願いします。
○辻技術専門委員
同じ意見ですけれども、これは非常に重要な意義のある検査であるのですが、やはり実績がゼロということが続いていますので、Dとして致し方ないのではないかと思いました。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございます。
ほかはいかがですか。
それでは、これらの技術につきましては先進医療からの取消しを行うという結論としてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
御異議ないようですので、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございました。
続きまして、事前評価結果で総合IIa、総合IIb、総合IIc及び総合IIIaとなった技術について、事務局からそれぞれ説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、6ページ目にお戻りいただければと思います。こちらは総合評価IIaの技術になってございます。こちら、IIaの技術でございますけれども、主担当の先生方から一定のエビデンスがある。それ以外の先生方からは、お一人以上は先進医療として継続すべきという評価がなされた技術となってございます。
具体的には、告示番号15番「多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断」、告示番号16番「CYP2D6遺伝子多型検査」、告示番号19番「腹腔鏡下スリーブ状胃切除及び十二指腸空腸バイパス術」の3技術となってございます。
なお、※書きにもございますように、告示番号15・16についてはロードマップにおいて薬事承認を目指している技術となってございます。
続きまして、総合IIb、7ページ目で、こちらは主担当の先生が先進医療としては継続すべき。それ以外の先生からは、一定のエビデンスがある、または先進医療として継続すべきといった評価がなされた技術となってございます。
具体的には、告示番号2番「陽子線治療」、告示番号4番「重粒子線治療」、告示番号6番「家族性アルツハイマー病の遺伝子診断」、告示番号7番「腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術」、告示番号18番「糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査」の技術となってございます。
こちらは、※書きにもございますように、告示番号2番及び4番につきましては先-3-3のところで別途御議論いただければと思います。また、告示番号18番につきましては、こちらもロードマップにおいて薬事承認を目指している技術となってございます。
続きまして、8ページ目に進んでいただきまして、こちらが総合IIcの技術となってございます。こちらは御評価いただいた先生全員が先進医療として継続すべきとされた技術でございます。
具体的には、告示番号5番「抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査」、告示番号23番「内視鏡的憩室隔壁切開術」、告示番号24番「内視鏡的胃局所切除術」の3技術となってございます。
最後に、9ページ目につきましては総合IIIaとなってございます。総合IIIaにつきましては、事前評価におきまして1名または2名の御担当いただいた先生からD評価、すなわち先進医療から取り消すことが適当との評価がされたものとなってございます。
具体的には、告示番号1番「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」、告示番号3番「神経変性疾患の遺伝子診断」の2技術となってございます。
こちらの技術につきましては、次回の診療報酬改定に向けてどういった課題があるのかという点も含めまして特に御議論いただければと存じます。
事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、総合IIaの技術から審議をしたいと思います。
総合IIaというものは、主担当の先生からは一定のエビデンスがある、それ以外の評価者のうち少なくとも1人は先進医療として継続すべきであるという評価がなされた技術であります。
6ページ目の告示番号15・16・19の3つの技術ですけれども、これらについて、何か御意見等はございますでしょうか。お願いいたします。
特にございませんか。
どうぞ。お願いします。
○笹子技術専門委員
すみません。一つ一つではなくて、3つ一遍に議論するのですか。
○五十嵐座長
それでは、一つ一ついきましょうか。
では、告示番号15番「多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断」についてはいかがですか。
よろしいですか。
告示番号16番「CYP2D6遺伝子多型検査」。これについてはいかがですか。
○辻技術専門委員
辻ですけれども、よろしいでしょうか。
○五十嵐座長
どうぞ。
○辻技術専門委員
これは前回のときも私、コメントしたのですけれども、薬剤による肝障害を避けるためにCYP2D6を事前に調べるのはとてもいいことだと思うのですが、この技術はルミネックスを使っていて、欧米の多型の分布に合わせて設計されているもので、日本人のために最適化されていない点が大きな課題なのです。ですから、本来、重要な技術だと思いますけれども、やはり日本人の多型パターン、多型分布を考慮に入れた形で実用化したほうがいいと考えています。
以上です。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
そのほか、この技術について何か御意見はございますか。よろしいですか。
辻先生、評価結果についてはいかがですか。
○辻技術専門委員
ですから、この技術そのもので進むことは避けたほうがいいと思っています。私はCとさせてもらったのですけれども、やはり日本で実用化するためには日本人の多型の分布に合わせて最適化された方法を使うべきだ。そういう配慮が一切されていなくて、欧米の方々の分布に合わせて設計されたものであるからして、これは適していないと私は思っています。
○五十嵐座長
辻専門委員から厳しい御意見を戴きました。ほかの先生方はいかがでしょうか。よろしいですか。
では、辻先生から厳しい御意見をいただいたことを記録させていただきます。
告示番号19番「腹腔鏡下スリーブ状胃切除及び十二指腸空腸バイパス術」。これについてはいかがでしょうか。
どうぞ。お願いします。
○笹子技術専門委員
笹子です。
評価にも書かせていただいたのですけれども、スリーブ状の胃切除というものと、さらにそれに加えて十二指腸空腸バイパスをする対象が非常に混然としていて、片方の今回議論になっているバイパスを加える手術はリスクが相当増えるのですが、その割にどこのポピュレーションに対して的確なメリットがあるかというのがちゃんと示されていなくて、いろいろな論文を読むと、リスクが増えることだけは確実だけれども、どういうポピュレーションでスリーブだけではなくてバイパスもしたほうがいいかというのがどうも不明瞭なのです。やはりもう少しデータを積み重ねていただくしかないのかなというのが私の意見であります。
以上です。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
大変詳細な御説明をいただいたと思いますが、評価結果についてはいかがですか。特に変更する必要はありますか。
○笹子技術専門委員
今のままですと、これはどういうふうになりますか。保険償還のほうに行ってしまうのですか。
○五十嵐座長
どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
少し補足説明させていただきますと、先-3-1の3ページ目のイメージ図を御覧いただければと思いますが、真ん中のところに先進医療会議(12月)というところで「会議としての評価結果」という緑色の四角と水色の四角と黒い四角がございます。こちらは今回、科学的根拠なしと、先ほどIIIbのところで御議論いただいたもの。そういったもの以外につきましては、全て一旦、医療技術評価分科会に送らせていただくというところでございます。
他方で、こちらは十分な科学的根拠があるものが、アの区分にございますように、先生方が総合Iとして御評価いただいたもので、その他のものについては一定の科学的根拠がある。こういった区分には大枠としてなるところでございます。
他方で今、先生からこの技術に関する非常に重要な御指摘をいただいたと理解しておりまして、今、先生にいただいたコメントも含めまして、今後の医療技術評価分科会の検討に当たってしっかりとお伝えさせていただきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○五十嵐座長
笹子先生、よろしいですか。
○笹子技術専門委員
そうでしたら、それでよろしいと思います。
○五十嵐座長
どうもありがとうございます。
それでは、この告示番号10・15・16・19の技術につきましては事前評価結果どおりとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
続きまして、総合IIbに移りたいと思います。
先ほど御説明いただいたように、総合IIbというものは、主担当の先生は先進医療として継続すべき、それ以外の評価者からは一定のエビデンスがある、または先進医療として継続すべきという評価がなされた技術になっています。
先生方から特に御意見のある技術について議論をしたいと思います。
なお、陽子線治療と重粒子治療につきましては事務局から別途資料が提出されております。こちらは最後に御意見をいただきたいと思いますので、それ以外の告示番号6・7・18の3つの技術について審議をしたいと思います。
まず、告示番号6番「家族性アルツハイマー病の遺伝子診断」についてですが、何か御意見等はございますか。
どうぞ。
○辻技術専門委員
辻です。
この技術は当時、今から見ると非常に古い技術で、今、実用化するためには次世代シークエンサーとか最新の技術を使った形でないと実用的ではないように私は思うのです。ですから、そういう位置づけで捉えたほうがいいと思っています。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございます。
ほかはよろしいですか。
続きまして、告示番号7番「腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術」。これについてはいかがでしょう。
どうぞ。
○笹子技術専門委員
笹子です。
従来型の治療との比較データがちゃんとなくて、いろいろな方法が考えられると思うのですけれども、実際のところ、そっちのほうが本当にいいと書いてこられるのはそちらが優れているということで申請されているのですが、全くその証拠が見えるような形になっていないので、それと、申請施設から昨年ゼロとか、あまり普及もしていないし、実際にどうなのだろうかという、かなり疑問を私は抱きました。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございます。
ほかはいかがですか。
○近藤技術専門委員
すみません。近藤でございます。
○五十嵐座長
どうぞ。お願いします。
○近藤技術専門委員
先ほどの当該科なのですけれども、非常に症例数が少なくて、学会規模で他施設のことを募っても集まらないとか、そういう問題があって、この辺、また確かに考慮してやっていきたいと思います。
すみません。ありがとうございました。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
ほかはいかがですか。よろしいですか。
続きまして、告示番号18番「糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査」。これについてはいかがでしょう。
特にありませんか。
それでは、御批判は幾つかいただいていますけれども、この告示番号6・7・18につきましては事前評価結果どおりとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
それでは、総合IIcに移りたいと思います。
総合IIcの技術は、全ての評価者でC評価、つまり、先進医療として継続すべきとの評価をいただいている技術であります。
こちらについて御意見をいただきたいと思います。
まず、告示番号5番「抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査」についてはいかがでしょうか。
特に御意見はございませんね。
続きまして、告示番号23番「内視鏡的憩室隔壁切開術」。これについてはいかがでしょう。
特にないですね。
では、告示番号24番「内視鏡的胃局所切除術」。これについてはいかがでしょうか。
特段の御意見はないようですので、それでは、事前評価結果どおりとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。
総合IIIaですけれども、1人または2人の評価者でD評価である技術ですので、これは次回の診療報酬改定までに、どのような課題事項に対する対応を求めるのかがこれから焦点になると思います。
それぞれの技術について、何か御意見があればいただきたいと思います。
では、総合IIIaの告示番号1番「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」。これについてはいかがでしょう。
どうぞ。
○榎本技術専門委員
榎本です。
子宮腺筋症の病巣除去術につきましては、最近、この症例も結構ありますので、実際には需要はあると思うのですけれども、子宮腺筋症の病巣を除去するために下平式の高周波切除器を使うのかどうかという点が問題点であります。最初、この技術が審査された当時は非常に良い機器として認められたとは思うのですが、現在はもっといい機器がいろいろありまして、実際に日本産婦人科手術学会がアンケート調査を行ったところでもこの下平式高周波切除器を使っているところは、2割から3割程度ということで、ほとんどのところが別のデバイスを使ってやっております。したがいまして、これを先進医療で続ける意味がいかがなものかと考えました。
以上です。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
これにつきましては、ほかに御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○山口構成員
すみません。山口ですが、質問よろしいでしょうか。
○五十嵐座長
どうぞ。
○山口構成員
ちょっと榎本先生に教えていただきたいのですが、今、いろいろな機械が出てきていて、そちらが使われているということは、そちらの性能のほうが良いというエビデンスがあって、今、この術式は普及しないという具合に理解してよろしいですか。
○榎本技術専門委員
といいますか、下平式高周波切除器というものは割と応用が利かないのですよ。何でもかんでも使えるものではなくて、例えば内視鏡手術の場合に止血しながら切除する際に有効なデバイスがいろいろあると思うのですけれども、そのようなデバイスでできてしまうので、わざわざ腺筋症をするためにこの機械を買うとはとても思わないです。実際に下平式高周波切除器持っている施設は非常に少ないと思います。保険診療で認めていただくような形になったとしても、実際には子宮腺筋症の切除をするためにこれを買わないと思うのですよ。それが問題だと思います。
以上です。
○山口構成員
ありがとうございます。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
事務局に伺いますが、これは総合IIIaとなって、今日、いろいろと御批判をいただいているわけですけれども、こうしたことを課題事項として診療報酬改定までに対応を求めるという方針でいるわけですが、今のお話を伺ってどういう対応になるのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
先生方、非常に貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
少し事務局で今回の情報も整理させていただきますと、こちらの子宮腺筋症核出術につきましては、先ほど榎本先生からも御発言がありましたように、日本産婦人科手術学会から今回、医療技術評価分科会に提案書という形で提出があったところでございますので、こちらも含めまして、今後、医療技術評価分科会で検討が行われるところでございます。
他方で、先ほど先生より御発言いただいた点は、高周波切除器を用いないものが多くなってきているという御趣旨と理解いたしております。現在、先進医療として実施されている、高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術の具体的な対応策でございますが、今の時点で比較対照とする技術はどういったものであるのかという点も含めて、やはり不明確な部分があるかと考えております。今回、学会から提案いただいた、高周波切除器を使わないものであったり、使うものも含んでいるという学会の提案がどう評価されるのか、という診療報酬改定の結果も踏まえて、改めてこの技術をどうしていくのかというところを御議論いただくのが一番よいのではないかと考えているところでございます。
以上でございます。
○五十嵐座長
そうすると、学会に対応策を求めるという御趣旨ですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
すみません。説明が少し不足していまして恐縮ですが、今回、改定の評価が今後進んでいくに当たって、高周波切除器を用いていない、学会から今回提案があったもの。そちらがどういう取扱いになるかによって、例えばそちらが仮に保険収載された場合に、そちらに対して高周波切除器を使ったものの有効性を示すような研究をするのか、あるいはそこは同等性なのかというところですとか、そもそも使っていないものも保険収載されなかった場合には、またそちらの道筋は学会でどうしていくのかというところかと思いますので、そちらの部分にもよって、この高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術は何と比較して、どうやって進んでいくかというところが決まっていくのではないかと考えているところでございます。
○五十嵐座長
榎本先生、今のような今後の対応方針案についてはいかがですか。
○榎本技術専門委員
そのようにやっていくのがいいかと思います。
いずれにしましても、このまま先進医療をだらだらと続けても、実際にはここでされている施設につきましては毎年かなりの症例をされているのはよく理解できますけれども、多分、この下平式を使ってやったら保険が通りますよといっても今さら、実際には下平式が普及しないと思うのですよ。今から古い機械を使ってやりなさいということにはならないと思うので、そういう形で厚労省で検討いただけたらと思います。
よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
貴重な御指摘をいただきましてありがとうございます。今、先生にいただいた件も含めて、今後、医療技術評価分科会にしっかりとお伝えさせていただこうと思います。
○五十嵐座長
では、御指摘いただいた点を次の診療報酬改定までに対応を求めていくという方針にしたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、告示番号3番「神経変性疾患の遺伝子診断」。これについてはいかがでしょうか。
○辻技術専門委員
辻ですけれども、よろしいでしょうか。
○五十嵐座長
どうぞ。
○辻技術専門委員
この技術はそもそも医療技術名が神経変性疾患という非常に曖昧な表現になっていて、これも大問題なのですけれども、実際にはCAGリピートの解析が大部分で、脊髄小脳変性症などで、それは保険収載されているのです。もともとの文書の中には低カリウム血症性周期性四肢麻痺とかALSとかマックリード症候群という名前は出ているのですが、それはやっていないと私は思うのです。だから、非常に曖昧で、このままで続けることはとてもできないという判断で私はDとさせていただきました。
課題としては提案しようがないような感じがするのですけれども、改めて良い解析方法をつくって提案してくださいということにしかならないような気がします。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
どうぞ。
○新井構成員
新井でございます。
私もこの判定を評価させていただいたのですけれども、私もD評価といたしました。今、辻先生からお話があったように、脊髄小脳変性症の遺伝子診断については既に保険収載されまして、ある意味、今回申請の技術についてはその役目を終えたと考えて良いと思います。ここ数年の登録症例を見ても非常に散発的で、少なくて、ここから何か科学的エビデンスを導き出すのは困難ではないかと考えます。
したがって、一回D評価にして、仕切り直しをして、ある特定の疾患に絞るとか、何かそういうことをしていかないと、この技術をだらだら続けていても厳しいのではないかという意見でございます。
以上です。
○五十嵐座長
分かりました。
2人の先生の評価がDであったということですね。それは非常に重い事実だとは思いますが、何か。
藤原先生、どうぞ。
○藤原構成員
先-3-2の医療技術の一覧を今、見直してみたのですけれども、11ページで令和2年6月、前年までは74件とか六十何件とかありましたが、多分、脊髄小脳変性症が保険収載後かもしれませんが、昨年の7月からは山形大学だけで3件やられただけで、しかもその内容は血管性認知症とか脳血管性認知症、僕はDRPLAというものはよく分からないのですけれども、いわゆる、ここの本来、先進医療が始まるときに出ている神経変性疾患というものはほとんどやられていなくて、ほかの多くの病院は全部ゼロなので、今回、これを外しても問題ないのではないかと思います。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
ほかの先生方、御意見はいかがですか。
そうしますと、これはIIIaではなくてIIIbにすべきだという判断をしたほうがいいという御意見だと思いますが、いかがですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
うなずいている方が多いのですけれども、何か反対の方はいらっしゃいますか。
どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
非常に貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
事務局として1点、念のため確認させていただきたいのは、今回、こちらの技術は脊髄小脳変性症が前回改定時に保険収載されたということで、その他の適応症について、今回、非常に実績も少ない、ということかと思います。
先生方のいわゆる科学的な御見解として、その他の適応症について、今後、あまりここからエビデンスが出てくる可能性は低いことから、あまり継続する価値がなく、今後、なかなか厳しいのではないかといった御意見なのか、あるいはそこの価値が出せるかどうか、申請医療機関にもう一回頑張っていただくか。その2つの判断があり得るかと思うのですが、こちらについてはいかがでしょうか。
○辻技術専門委員
辻ですが、私は仕切り直したほうがいいと考えます。
○新井構成員
新井ですけれども、私も同意見です。
以上です。
○五十嵐座長
分かりました。
では、これはIIIaではなくてIIIbとするということでよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。では、告示番号1番はIIIaのままにいたしまして、学会に対応を求めるということで、告示番号3番につきましてはIIIaからIIIbに移動するということにしたいと思います。
皆さん、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。
それでは、最後に、陽子線治療と重粒子線治療について事務局から別途資料が提出されております。その説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、先-3-3「粒子線治療に対する科学的評価について(案)」としている資料を御覧いただければと思います。
まず、こちらは「1.背景及び現状」の1マル目のところでございますけれども、粒子線治療につきましては、陽子線治療、重粒子線治療、いずれも限局性固形がんを適応症として高度先進医療として開始されたものでございます。平成24年10月以降は先進医療Aとして継続されております。
続きまして、2マル目のところでございますが、平成28年度診療報酬改定時に一部の適応症について保険適用するとともに、比較対照を厳格に設定するなど重点的な評価が必要な適応症につきましては先進医療Bに切り替えて実施するとしたところでございます。
3マル目のところにございますように、2マル目に記載がございます適応症以外のものについては、日本放射線腫瘍学会、以下、学会とさせていただきますが、こちらが作成した統一治療方針に基づき、先進医療Aでの症例集積を行っていくこととなったところでございます。
4マル目のところで、こちらは令和2年度診療報酬改定の際の御議論で、第81回先進医療会議における御議論の際に、先進医療Aとして実施されている適応症について、示されている科学的根拠が十分ではなく、さらなるエビデンスを集積することが望ましいと御指摘をいただいたところでございます。
なお、5マル目につきましては、補足といたしまして、現状の各適応症の位置づけを記載しているものでございます。
それでは、ページをおめくりいただきまして「2.令和4年度診療報酬改定に向けた対応」の1マル目のところで、令和2年度診療報酬改定における御評価を踏まえて、1ポツ目でございますけれども、幅広い病期に対して実施されているが、患者背景等を踏まえた詳細な解析がなく、既存治療との成績比較が困難である。2ポツ目、引き続き症例集積の継続とデータの詳細な解析を行い、保険導入の可否判断に資するエビデンスを構築することなどの指摘事項をいただきまして、令和2年度におきましては、何度かこちらの先進医療会議におきましても御議論をいただきまして、学会とも指摘事項のやり取りをさせていただいたところでございます。
こちらは、2マル目にございますように、最終的に学会からは、令和4年度診療報酬改定に向けて、各臓器別ワーキンググループを作成し、比較技術と患者背景等をそろえた解析を、適応症ごとに行うなどの方針が示され、先進医療会議でも御確認いただいたところでございます。
続きまして「3.学会から提出された科学的根拠等について」の1マル目のところで、今般、学会より「先進医療として実施した粒子線治療と既存の放射線治療との比較」として、適応症ごとの解析結果をまとめた報告書が提出されたところでございます。
なお、こちらの報告書につきましては、今回、送付のみの資料という形で先生方にお送りさせていただいたところでございます。
こちらは、2マル目のところで、報告書の概要といたしましては、解析結果の要約として、適応症ごとに「問」と「回答」が作成されている形式になってございまして、解析方法及び結果に対する各領域の専門家の意見については適切に対応されている旨のコメントがされているところでございます。
それでは、最後に「4.粒子線治療に対する評価について(案)」としているところで、先ほども御説明させていただきましたとおり、粒子線治療については、構成員等の事前評価結果、全適応症を対象としたものにつきましてはIIbという結果でございましたが、事前評価におきまして、評価委員の先生より、1ポツ目、一部の適応症について一定の科学的根拠があるが、科学的根拠の乏しいものも存在する。2ポツ目、適応症ごとにエビデンスが検討されるべきであり、有効性・安全性等の評価が十分なものから順次検討すべきなどの御指摘をいただいていることを踏まえまして、適応症ごとにエビデンスを検討することとしてはどうかというものでございます。
なお、今回、こちらの方針につきまして御了解がいただけましたら、具体的な検討の内容につきましては、※書きにございますように、次回の先進医療会議、令和4年1月6日開催予定におきまして、事務局でも整理させていただいた上で、検討を行う形にさせていただければと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
この陽子線治療と重粒子線治療につきましては、長い間、議論されてまいりました。それで今回、報告書が出たわけですが、やはり適応症ごとのエビデンスをしっかりと評価することが必要ではないかという御提案を事務局からいただいたところであります。
これにつきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
どうぞ。
○新井構成員
順天堂の新井でございます。
事前に送っていただいた資料を拝見して、かなりしっかりと解析がなされているという印象を、細かく読み込んだわけではないのですけれども、そういう印象を持ちました。ですから、ある腫瘍に関しては従来の治療よりも効果がある、ある腫瘍に関しては必ずしもそうではないといったことがある程度明記されていましたので、来年の1月ということですが、この資料をしっかり読み込んで、症例ごとに、病変ごとに、腫瘍ごとにしっかりとした議論をしたらいいのではないか。そんな印象を持ちました。
以上です。
○五十嵐座長
事務局の御提案に基本的に賛成していただけるということでございますね。
○新井構成員
おっしゃるとおりです。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
山口です。
先-3-3の1ページのところに陽子線と重粒子線の先進医療への対象が書いてありますけれども、御覧になったら分かるように、いろいろな腫瘍が含まれています。例えば転移性腫瘍ということで一くくりで、実に様々なものに対して行われていて、その多くは未だエビデンスが不十分です。中にはきちんと努力されて、かなり有望なものもありますが、一部エビデンスもあるものも混じっているという状態であり、これを一くくりにしていいとかなかなか判断できない状況だろうと思います。
ただ、このまま放置することはできないので、もう少し時間をいただいて検討してはどうかという、この4番目の御提案には全面的に賛成です。というのは、全体としてどうかといったら、これは分からないとしか言いようがないのですけれども、中には早急にできたら診療報酬として対応すべきものもあると思うからです。事務局の提案に賛成です。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
○本田技術専門委員
本田です。よろしいでしょうか。
○五十嵐座長
どうぞ。お願いします。
○本田技術専門委員
私も山口先生、新井先生の意見に賛成です。非常にいい効果が出ている腫瘍もございます。一概に認めてしまうわけにもいかないと思いますが、やはりほかに治療法がなかなかない腫瘍もございますので、ぜひ疾患ごとに御検討いただければと思います。
それから、先進医療と保険医療のランダマイズスタディーはなかなか難しいです。施設も限られていますし、いわゆる診療に対する条件等が異なりますので、それぞれの疾患ごとに効果がどうかをちゃんと御判断いただいて、なるべく多くの方々がこの粒子線治療の恩恵にあずかれるように御配慮いただいたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
どうぞ。
○笹子技術専門委員
すみません。笹子です。
私は専門外なのですけれども、従来との比較というときに、いわゆるリニアックのようなものの従来の体外照射と比較しているのか、それとも、高度線量集中という比較的新しい技術との比較をしているのかというのがどうなのでしょうかという疑問があります。
○五十嵐座長
どうぞ。
○山口構成員
多くの比較は従来の放射線治療との比較で、いわゆる手術とどうかとか、そういうものはごく限られたものになっていますので、全体としてはやはり従来の放射線とこういう粒子線との比較という2択だと理解しました。
以上です。
○笹子技術専門委員
一部の専門家の先生は粒子線ではなくても高度線量集中で十分対応できるのだみたいなことをおっしゃるので、私が質問させていただきました。
○五十嵐座長
比較対照をはっきりしていただきたいということですね。ありがとうございます。
ほかはいかがですか。
○福井構成員
福井ですけれども、よろしいですか。
○五十嵐座長
福井先生、どうぞ。
○福井構成員
私も、この時点では事務局のこの提案に賛成いたします。今までのいろいろな問題を引きずってきていますので、ここでしっかり読み込んで判断すればいいのではないかと思います。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございます。
1か月でこの適応症を全て整理できるかどうか、1回で済むかどうかが分かりませんが、できるところから始めたいという方針ですので、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
それでは、次回、1月6日にこの適応症ごとのエビデンスを検討することを始めたいと思います。ありがとうございました。
それでは、検討対象技術の審議はこれで終わりましたけれども、事務局から評価結果の確認をお願いしたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、これまでの御議論を踏まえまして、まとめをさせていただければと思います。
まず、事前評価で総合Iであった7技術につきましては、こちらは先進医療会議としても十分な科学的根拠を有すると御評価をいただいたものと理解しております。
また、次に御検討いただきました事前評価IIbであった2技術でございますけれども、こちらにつきましては、今後、先進医療から削除する旨につきまして御決定をいただきました。
加えて、総合評価IIIaのうち、告示番号3番の「神経変性疾患の遺伝子診断」。こちらは、事前評価結果はIIIaでございましたが、会議としての御判断としてはIIIb相当というか、削除すべきという御意見と理解しております。
また、その他の総合IIaからIIIaの技術につきましては、基本的には先進医療会議としても事前評価結果どおりという形で御確認いただいたという理解でございます。
特に、IIIaの告示番号1番「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」と、あと、一部の技術につきましては、先生方からも非常に貴重な御指摘、御意見をいただいたということで、今回、医療技術評価分科会にもしっかりとお伝えさせていただくとともに、そういった課題があったものにつきましては、今回の改定で保険導入されずに先進医療として継続となった場合に、次回の診療報酬改定検討のタイミングまでに課題への対応を求めるという形で理解しております。
以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいま事務局から御説明いただいた最終決定につきまして、先進医療会議の決定としてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
本日の議論の検討結果につきましては、後日、医療技術評価分科会に報告し、保険導入の可否について検討していただくことにしたいと思います。
最後に、事務局から「先進医療Bの取下げについて」の資料が提出されておりますので、説明をしていただきます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、先-4に基づきまして説明させていただきます。
現在、申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請は3件ございましたので、こちらを御報告させていただきます。こちらにつきましては既に先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただいているものでございます。
まず、1件目の技術で、告示番号23番「FOLFIRINOX療法」で、こちらは取下げ理由のところで、症例登録及び全症例の観察期間が終了したため、当該先進医療を取り下げるとのことでございます。
2件目、告示番号24番「内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下広汎子宮全摘術」でございますけれども、こちらは取下げ理由のところで、目標症例数は達成しており、全ての症例について評価項目の解析が終了したため、本先進医療に係る届出を取り下げる。なお、総括報告書については、提出に向けて準備中である。また、長期予後の追跡のための観察研究については新規に実施を計画しているとのことでございます。
続きまして、3件目、告示番号34番「トラスツズマブ静脈内投与及びドセタキセル静脈内投与の併用療法」でございますが、こちらは取下げ理由のところで、全ての症例についてプロトコル治療及び観察が終了したため。なお、総括報告書については提出準備中であるとのことでございます。
事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について、何か御質問等はございますか。
よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございました。
本日の議題は、残りは「その他」になっております。事務局から何かございますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
事務局からは特段ございません。
○五十嵐座長
構成員の先生方から、何か全体を通しましてございますでしょうか。
特にないようですね。
それでは、本日の議論はこれで終了したいと思います。次回の開催について事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
次回の開催につきましては令和4年1月6日木曜日16時からを予定しております。場所につきましては別途御連絡をさせていただきます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、第105回「先進医療会議」をこれで終了いたします。御協力、どうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

(了)

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