ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第102回先進医療会議(2021年9月2日)

 
 

2021年9月2日 第102回先進医療会議

○日時

令和3年9月2日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 神村構成員 佐藤構成員 柴田構成員
竹内構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他



○議題

 1 新規技術(8月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
   (先-1)(別紙1)(別紙2)(参考資料)
 2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-2)(別紙3)
 3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-3)(別紙4)
 4 先進医療Bの取下げについて
   (先-4)
 5 先進医療として実施されている技術の保険導入等に係る検討方法等について(案)
   (先-5-1)(別紙5)(参考資料)(先-5-2)(先-5-3)
 6 その他


○議事

16:00開会




 

 

 

 

○五十嵐座長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「先進医療会議」を開催いたします。
 本日の構成員の出欠状況ですが、全員御出席です。
 では、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 それではまず、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、構成員名簿に続きまして、まず先-1「先進医療の新規届出技術について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙1、別紙2、参考資料がついてございます。
 続きまして、先-2「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙3がついてございます。
 先-3は「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」でございます。こちらには別紙4がついてございます。
 続きまして、先-4「先進医療Bの取下げについて」としている1枚紙の資料がございます。
 続きまして、先-5-1「先進医療として実施されている技術の保険導入等に係る検討方法について(案)」としている資料がございまして、こちらには別紙5、参考資料がついてございます。
 それから、先-5-2「先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る今後の予定について(案)」としている資料がございます。
 最後に、先-5-3「先進医療技術の科学的根拠等に関する評価票(案)」としている資料がついてございます。
 資料につきましては以上でございます。
 また、今回の先進医療会議におきましてはウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただきました資料を閲覧いただけますと幸いでございます。
 御発言される先生方におかれましては、会議資料のページ、または送付のみの資料のページとあらかじめ御発言をいただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 構成員の先生方、資料等につきましてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございません。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 本日出席されている構成員におかれましては、申告すべき利益相反はないということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、「新規技術(8月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け(案)について」の資料が提出されております。今回は2件ございます。
 1件目について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-1に基づきまして御説明をさせていただきます。
 受理番号127番、技術名が「子宮内膜刺激胚移植法(SEET法)」でございます。適応症は胚移植を必要とする不妊症となってございまして、今回英ウィメンズセントラルファティリティクリニックより申請がございました。費用につきましては表にお示ししたとおりでございます。
 技術の概要につきまして、補足を含めて御説明をさせていただきます。
 それではまず、参考資料として、前回の先進医療会議におきましても提示させていただきました資料を添付しておりますので、まずはこちらの11ページ目、画面のほうにも出させていただいております、「不妊治療における診療の流れ(イメージ)」としているものを御覧いただければと思います。
 今回申請がございました、SEET法と呼ばせていただきますが、SEET法につきましては、こちらのフロー図の吹き出しで囲っておりますいわゆる特定不妊治療に係る技術となってございまして、こちらは特にフロー図の右側のほうにございます胚移植という部分に関わる技術となってございます。
 それでは、資料は変わりまして、別紙1-1の1ページ目を御覧いただけますでしょうか。
 SEET法は胚培養液を胚移植の数日前に子宮に注入しまして、受精卵の着床に適した環境をつくり出す技術となってございます。こちらは先進性のところの2段落目に記載がございますように、胚培養液上清には子宮内膜胚受容能促進に関与する胚由来因子が存在することが報告されてございまして、胚培養液上清を子宮腔内に注入することにより、子宮内膜が刺激を受け、胚受容に適した環境に修飾される可能性があるということでございます。
 こちらの技術につきましては、4ページ目、別紙1-2にございますように、使用する医療機器は適応内となってございまして、先-1の下方に記載がございます未承認等の医薬品、医療機器もしくは再生医療等製品の使用または医薬品、医療機器もしくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術に該当すると考えられますので、今回、先進医療Aとして振り分け案を提示させていただきました。
 1件目の技術につきまして、説明は以上となります。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございますか。よろしいですか。
 それでは、受理番号127の技術につきましては、先進医療Aとして振り分けたいと思います。
 続きまして、2件目につきまして事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-1の資料にお戻りいただけますでしょうか。
 2件目の技術でございますが、受理番号128番、技術名が「タイムラプス」でございます。適応症は胚移植を必要とする不妊症となってございまして、今回ミオ・ファティリティ・クリニックより申請がございました。費用につきましては表にお示ししたとおりでございます。
 技術の概要につきまして、こちらも補足を含めて御説明させていただきます。
 参考資料の11ページ目、「不妊治療における診療の流れ(イメージ)」を再度御覧いただけますでしょうか。
 今回申請がございましたタイムラプスにつきましては、こちらも吹き出しで囲っておりますいわゆる特定不妊治療に係る技術でございまして、特にフロー図の中ほどにございます胚培養という部分に係る技術となってございます。
 次に、資料が移りまして、別紙2-1、1ページ目を御覧いただけますでしょうか。
 タイムラプスにつきましては、胚培養の際に培養器に内蔵されたカメラによって胚の発育過程を一定間隔で自動撮影するという方法でございまして、培養液から取り出さずに胚を観察し、正確な胚の評価を行うという技術となってございます。
 こちらは先進性のところの中ほどに記載がございますように、タイムラプスによる評価を行い、移植胚の選択を行うことにより、妊娠率が向上する報告があるとのことでございます。
 こちらの技術につきまして、2ページ目、別紙2-2にございますように、医薬品、医療機器または再生医療等製品の使用を伴わない医療技術となってございまして、先ほどと同様、先-1の下方に記載がございます未承認等の医薬品、医療機器もしくは再生医療等製品の使用または医薬品、医療機器もしくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術に該当すると考えられますので、先進医療Aとして振り分け案を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、ただいまの説明に何か御質問等ございますか。よろしいですか。
 それでは、受理番号128の技術につきましては、先進医療Aとして振り分けたいと思います。ありがとうございました。
 次に、「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-2に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回御審議いただきます技術でございますが、整理番号153番、「遺伝性網膜ジストロフィーにおける遺伝子診断と遺伝カウンセリング」でございます。こちら、適応症は遺伝性網膜ジストロフィーとなってございます。申請医療機関につきましては、神戸市立神戸アイセンター病院でございまして、費用につきましては表にお示ししたとおりでございます。
 事前評価につきましては、山口構成員に御担当いただきまして、総評としては「適」と御評価をいただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 整理番号153の技術につきましては、事前評価を山口構成員にお願いしておりますので、山口構成員から技術の内容と評価結果について説明をお願いいたします。
○山口構成員
 別紙3の2ページを出していただけますか。
 本研究は、遺伝性網膜ジストロフィーにおける遺伝子診断と遺伝子カウンセリングということで、遺伝子カウンセリングを行った上で遺伝子検査の同意を得て、そして、血液を採取して、疾患原因遺伝子82遺伝子の異常の解析を行うという技術であります。
 この遺伝子解析の結果は、臨床情報とともにエキスパートパネルにて十分検討された上で、患者さんのところに返されるということです。病的変異の同定とロービジョンケアの計画を含む治療計画を策定することはできますので、患者さんにとっては大変有用な方法と思います。
 技術委員の平形先生から、米国などでは既に一部の遺伝性疾患に対する遺伝子治療の許可が始まっていて、本邦でもそのような治療法が導入される可能性もありますので、このような技術が導入されることが急がれるというコメントをいただいております。
 主要評価項目は、原因遺伝子の同定割合ということであります。副次項目としては、シーケンスの成功割合など5つ挙げられております。
 12か月で100例を登録する予定となっております。
 1ページに戻っていただけますか。
 社会的な妥当性の評価につきましては、倫理的には特に問題ないのでAといたしました。
 現時点での普及性に関しましては、普及していないということでC。
 効率性に関しましては、もしうまくいけば大幅に効率的になるということでAといたしました。
 将来の保険収載の必要性ですが、大変必要性の高いものと思います。と申しますのは、本技術の有用性が確認された場合、本疾患の診断・治療の発展につながる可能性がありますし、先ほど申し上げましたように新しい遺伝子治療とかにもこれは振り向けられるということになりますので、「適」といたしました。
 あと、議論の中ではたくさんいろいろな御意見が出たのですけれども、まず、これはエキスパートパネルが非常に重要な位置づけになりますので、どういうもので構成されてどういうことになるかということを明文化してくださいということが何人かの先生から出ました。これは重要なポイントとして、「適」にするに当たっての条件といたしました。
 また、田島先生からも、倫理的なことに関して、特に保証に関して幾つか指摘がございまして、これも直してもらうという前提で「適」といたしました。
 それと、天野先生から3つほどありました。
 1つ目は血縁者への説明はどうするのかという点を明確にしてほしいということ。
 2つ目は、不利益になることがあるかもしれないという説明があるのですけれども、それだけでは不十分で、遺伝カウンセラーを利用すればちゃんと理解することはできるということをきちんと書いてほしいという指摘です。
 3つ目に、この遺伝子情報は企業らと共有する可能性がないのか。また、海外の機関と共有する可能性がないのかということについても明記すべきであるということが指摘されました。
 そのほかに、掛江先生と藤原先生からは、未成年の場合、4歳以下の記載がないので、きちんとしておいたほうがいいとご指摘がありました。ほとんどがもう少し年齢の行っている者に対してやるわけですけれども、そういう例が出てからやるのでは遅いので、そういう場合も想定して手順を確立してからやってくださいという要望です。
 以上のような点を条件として「適」といたしました。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、委員の先生方、ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
 横井先生、どうぞ。
○横井座長代理
 読んでいくと、この研究結果が直接結びつくような今の治療はないと書いてあるのですけれども、参加される御本人や御家族にそのことを直接的に述べた説明同意文書になっていないような気がしました。予想される利益のところに、現時点ではこの研究結果が直接結びつく新たな治療がないことをはっきりお伝えして、将来的にはそういうものが役立つかもしれないということを納得していただいて御参加していただくのがいいのかなと思いました。
○山口構成員
 そのとおりなのですけれども、ロービジョンケアとか、これはある程度治療的な意味を持っていて、そういうことも計画する場合に役に立つ可能性もあります。特に遺伝性網膜ジストロフィーというのは10種類ぐらいあって、私も詳しくないのですけれども、分類が大変難しくてややこしい病態があって、それをきちんとこの遺伝子を調べることで、臨床所見と併せて、あなたはこういうタイプですよということをきちんと説明できるということも、安心を与える意味では効果はあるのではないかと思います。
 確かにこれをやれば治るというような遺伝子治療はまだできていませんで、そこまでは言えないわけですけれども、先ほど申し上げましたように、将来的には遺伝子治療をやる上で必須の技術になりますので、早くこれをやっておきたいということかと思います。
○横井座長代理
 分かりました。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 この検査をすると、患者さんの3割から4割に遺伝子異常が見つかるということです。それから、海外では遺伝子治療が行われて、一部日本でも海外で多いタイプのこの病気に関しては治験が始まっているという状況ですので、これから日本人に多いタイプには遺伝子治療が開発される可能性はあるのではないかと思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、構成員の評価結果どおり決定したいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 次に、事務局から「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されております。
 事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回、医療機関より先進医療技術の総括報告書が提出されまして、先進医療技術審査部会におきまして御評価が行われましたので、その評価結果について御報告をさせていただきます。
 それでは、先-3を御覧いただけますでしょうか。
 今回、旧告示番号18番として実施されておりました「コラーゲン半月板補填材を用いた半月板修復療法」につきまして、大阪大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
 こちらの技術の概要でございますけれども、別紙4の13ページ目を御覧いただければと思います。
 こちらは、対象となる方は欠損を有する半月板損傷の方でして、関節鏡視下手術によりコラーゲン半月板補填材を欠損に適合する形状にカットしまして、半月板に縫合して補填するという技術となってございます。
 別紙4の1ページ目にお戻りいただきまして、中ほどの医療技術の概要の2マル目に記載がございますように、主要評価項目としては安全性の評価及びKOOSによる半月板欠損補填前後の自覚症状評価を行うといった試験になってございました。
 また、4マル目にございますように、目標症例数35例としていたうち、登録症例数は11例となってございまして、こちらは下の※書きのところにございますように、「目標症例数に未達ではあったが、本試験物の開発計画において医師主導治験で有効性に関する検証を行う方針へと変更となったため、研究実施計画書の記載に則り、研究責任医師の判断に基づき試験を終了した」とのことでございます。
 なお、こちらの内容につきましては、第94回先進医療会議におきましても、先進医療Bの取下げについての議題の際に御報告させていただいた内容でございます。
 それでは、先-3にお戻りいただけますでしょうか。
 1ページ目の下方、安全性の評価結果でございますけれども、主要評価項目の有害事象の評価では11例全例で認められまして、件数は124件であったとのことでございます。内訳といたしましては、最も多いのは腫脹が11例21件、次いで熱感9例15件となってございまして、高度の有害事象は皮膚感染1例のみであったとのことでございます。
 それでは、次のページにお進みいただきまして、こちらの2行目からでございますけれども、因果関係の否定できない有害事象について9例20件認められたとのことでございますが、高度の有害事象はなかったとのことでございます。
 また、少し下の有効性の評価結果でございますが、KOOSは手術後24週、52週において有意な改善が認められたとのことでございます。
 続きまして、担当者の先生の御評価につきまして御説明をさせていただきます。
 また資料が移りまして、別紙4の3ページ目を御覧いただければと思います。
 まず、主担当の伊藤澄信構成員からの御評価でございますけれども、有効性に関しては「E.その他」と御評価をいただいております。コメント欄でございますが、「本試験の術前・術後比較での改善成績では、従前の関節鏡視下手術及びリハビリと比較して有効か否かを判断することは困難である。」とのことでございます。
 また、安全性の御評価でございますけれども、「A.問題なし」と御評価をいただいております。コメント欄でございますが、「当初予定症例数から症例数が減少しているため、結論を出すのは困難であるが、有害事象は関節鏡視下手術に伴う腫脹、熱感などで、アテロコラーゲンを使った半月板補填材に起因したと推察される事例は認められていない。」とのことでございます。
 技術的成熟度は「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価をいただいております。こちらもコメント欄のところでございますけれども、「関節鏡視下手術に熟達した術者であれば可能と考えるが、欠損部位に応じてアテロコラーゲン補填材の成型に熟度が必要になるかもしれない。」とのことでございます。
 また、ページをおめくりいただきまして、総合的なコメント欄でございますが、「本試験はアテロコラーゲンを使った半月板補填材を用いた11例のオープン試験のため、有効性の判断のためには、術前・術後の比較ではなく、従前の関節鏡視下手術と比較して判断する必要がある。」とのことでございます。また、「本試験では重大な安全性の懸念は認められていないが、目標症例数を下回った状況で、安全性の懸念がないと評価することも困難である。研究者から提出された論文から判断する限り、通常の関節鏡視下手術でも術前、術後でKOOSスコアが改善することが明確であるため、本試験で術後改善していても、本技術が従来技術に比べて有用であると判断し難い。今後、治験を実施するに当たって、本治療法の有効性を示すことができる対照群の設定が必要ではないかと思慮する。」とのコメントをいただいております。
 また、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますが、「11例のオープン試験成績は、研究者から提出された参考文献に記載された従前の関節鏡視下手術のKOOSスコアの改善よりも低い。薬事承認申請のためには、本技術が従来技術と同等以上であることを示す必要があると思慮する。」とコメントをいただいております。
続きまして、次のページにお進みいただきまして、副担当の伊藤陽一構成員の御評価となってございます。
 有効性につきましては「E.その他」と御評価をいただいております。コメント欄でございますが、「有効性については従来の医療技術と比較されていないので、直接評価を行うことは困難である。一方で、症例数が目標症例数に達していないものの、事後的な検出力の検討により、手術に伴う変化の検出については、一定の検出力を有していると思われる。」とコメントをいただいております。
 また、安全性については「B.あまり問題なし」と御評価をいただいております。コメント欄でございますが、「問題となるような有害事象は見当たらないが、症例数が目標症例数に達しておらず、10%未満の発現確率の有害事象を観察するためには十分な症例数とは言えないので、頻度の低い有害事象については観測できなかった可能性がある。」とコメントをいただいております。
 また、技術的成熟度につきましては「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価をいただいておりまして、「技術的には難しいものではないと思われる。」とコメントをいただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。
 特にございませんか。
 それでは、これで終了したいと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、事務局から「先進医療Bの取下げについて」の資料が提出されております。
 これについて御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 現在、申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請が3件ございましたので、資料先-4に基づきまして進めさせていただければと存じます。
 こちらにつきましては、既に先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただいたものでございます。
 まず1件目でございますが、告示番号6番「C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法」でございます。中ほどの取下げ理由のところでございますが、「C型肝炎ウイルスに対する治療法が大きく変遷した等の社会的背景もあり、参加基準を満たす症例は少数に限られ、既に症例登録期間を一度延長していることも鑑み、予定した研究期間内に参加登録数が未達であったが、研究総括責任者の判断に基づき、先進医療に係る届出書を取り下げることとした。なお、総括報告書については提出準備中である。」とのことでございます。
 続きまして2件目、告示番号32番「ヒドロキシクロロキン療法」でございます。こちらの取下げ理由でございますが、「全ての症例についてプロトコル治療が終了し、データ収集及びデータ固定が終了したため。なお、総括報告書については提出準備中である。」とのことでございます。
 続きまして3件目、告示番号47番「マルチプレックス遺伝子パネル検査」でございます。こちらの取下げ理由でございますが、「本先進医療において計画していた予定登録症例数の登録及び評価が終了し、試験終了となったため。」とのことでございます。
なお、告示番号24番、33番につきましては、記載のとおり、協力医療機関の取下げが報告されております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 構成員の先生方、何か御質問等ございますか。よろしいですか。
 ありがとうございました。
 続きまして、事務局から先進医療として実施されている技術の保険導入等に係る検討方法についての案の資料が提出されております。
 これについて、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先―5-1の資料を御覧いただけますでしょうか。
 こちらは、令和4年度診療報酬改定に向けて行われます先進医療として実施されている技術の保険導入並びに施設基準に係る検討方法の案をお示しした資料となってございます。
 まず、これまで診療報酬改定に合わせて先進医療A及び一部の先進医療Bの技術につきましては、先進医療会議におきまして医療技術の科学的評価及び保険導入の適切性について御評価をいただいていたところでございます。
 こちらを踏まえまして、まず「1.背景」の1マル目でございます。平成30年度診療報酬改定より、先進医療として実施されている新規医療技術の保険導入に係る検討については、先進医療会議において科学的根拠等に基づく保険導入の適切性に係る評価を取りまとめ、その評価結果を医療技術評価分科会、以下「医技評」と申しますが、こちらに報告しまして、医技評においてほかの医療技術とともに網羅的に保険導入の妥当性等について検討することとなってございます。
 続きまして、2マル目でございます。平成30年度診療報酬改定における答申書附帯意見におきまして、先進医療を含む新規医療技術の評価の在り方について、医技評と先進医療会議との連携・役割分担を含め、引き続き検討が必要とされたことを踏まえ、前回の令和2年度診療報酬改定では以下の対応を行いました。
 1ポツ目でございますが、先進医療会議において科学的根拠等に基づく保険導入の適切性に係る評価を取りまとめ、先進医療会議からの指摘事項や評価担当者の主だった参考意見等も含め、可能な限り詳細に医技評へ報告する。
 2ポツ目でございますが、先進医療会議での評価に係る一連の日程を平成30年度診療報酬改定時のスケジュールに比べて1か月程度早める対応とするというものでございます。
 次に、「2.令和4年度診療報酬改定における対応方針(案)」でございますが、今回、令和4年度診療報酬改定における対応といたしましては、前回の令和2年度診療報酬改定と同様の対応としてはどうかという御提案でございます。
 なお、今回御提案した全体的なフローにつきましては、別紙5に記載がございます。こちらに記載がございますように、令和2年度診療報酬改定と同様に、11月末頃までに先進医療会議での検討に向けた事前評価を行っていただきまして、それを踏まえた上で12月頃の先進医療会議におきまして、各技術の科学的根拠等の評価を取りまとめていただき、その評価結果を医技評のほうへ報告することとなります。
 保険導入の可否の検討につきましては、1月の医技評において先進医療会議からの評価を踏まえて、ほかの多数の技術とともに検討されることになります。その上で、中医協総会において保険導入に関しての審議が行われまして、医療技術の保険導入及び先進医療としての継続、取消しが決定されることとなります。
 参考資料といたしましては、医技評における今回改定の評価方法等に係る資料をつけさせていただいております。
 次に、先-5-2「先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る今後の予定について(案)」を御覧いただけますでしょうか。
 こちらは前回の診療報酬改定前にお示しした資料を一部改変したものになりますが、先進医療会議の先生方に具体的にどのように御評価をいただくかについての資料となってございます。
 まず、先進医療会議の実績報告についてでございますが、こちらは例年どおり、本年も前年の7月1日から本年6月30日の先進医療に係る実績につきまして、8月末までに地方厚生局長に報告することとなっておりますので、本実績報告がなされた先進医療技術について今回の評価の対象となるということでございます。
 そして、これまでどおりの体制で構成員及び技術専門委員の先生方3名の方で事前評価としての書面審査を11月頃までに行っていただきたいと考えております。基本的には構成員の先生方に主担当、技術専門委員の先生方に副担当をお務めいただきまして、主担当の先生には科学的評価及び施設基準の見直しに係る評価を、副担当の先生には科学的評価をそれぞれ実施していただく予定でございます。
 保険導入等に係る評価表につきましては、次の資料になります。別紙5-3を御覧いただければと思います。
 各先進医療技術につきまして、御担当される先生方には有効性、安全性等の個別評価項目について御評価をいただきました上で、上の総合判定のところでございますが、AからDの判定をしていただきたいと考えております。Aは十分な科学的根拠を有する、Bは一定の科学的根拠を有する、Cは科学的根拠が十分でなく、先進医療として継続することが適当、Dは先進医療から取り消すことが適当という分類になってございます。AまたはBと評価した場合に限り、その下にございます施設基準につきましても併せて御意見をいただければと考えております。
 それでは、資料をお戻りいただきまして、先-5-2の2ページ目にお戻りいただけますでしょうか。
 こちらは、評価担当の先生方にいただきました書面審査の御評価を基に、技術をア、イ、ウの3つに分類させていただく予定でございます。アは構成員または技術専門委員3名全員がAまたはB評価、ウは構成員または技術専門委員3名全員がD評価、イがそれ以外と分類してございます。
 続きまして、4ポツでございますが、11月から12月にかけましていただいた御評価をまとめさせていただいた後に、その結果を12月の先進医療会議で御審議いただく予定となってございます。会議におきましては、それぞれの評価対象技術について、当該事前評価結果等に基づいて先進医療会議としての評価を取りまとめていただく予定としております。
 なお、その際の基本方針といたしましては、前述のアとイに該当する技術につきましては、将来的な保険導入等に係る判断に必要な科学的根拠等について検討、ウに該当する技術につきましては先進医療取消しの適切性について検討するということになっております。
 先進医療会議の評価結果につきましては、先進医療から削除が適切と判断されたもの以外は医技評に報告いたしまして、医技評で保険適用の妥当性を検討した上で、中医協総会に上げさせていただく予定でございます。また、先進医療から削除が適切と判断いただいたものに関しましては、そのまま中医協総会に上げさせていただく予定としております。
 5ポツでございますが、中医協において先進医療として継続が妥当とされた技術につきましては、事前評価において作成いただきました施設基準等も踏まえて、先進医療会議で検討を行って、最終的な施設基準を決定していただく予定となっております。
 6ポツは、現在、暫定的に先進医療Aとして実施している技術の取扱いについての記載でございます。
 次ページの上段の枠の中に第49回の先進医療会議で御審議いただいた内容を抜粋しております。平成29年3月末日をもちまして先進医療Bへ移行できなかった暫定Aの技術につきましては、先進医療告示から削除することとしておりましたが、現在でも当該治療を継続的に実施中の患者さんがいる場合には、告示からの削除を猶予するものとし、新規患者の組入れは認めないままとされたところでございます。
 現在、暫定Aとしまして御覧の2技術が継続されておりますけれども、平成28年4月以降は新規患者組入れを中止していることなどから、先進医療Aの枠組みでの評価は困難と考えております。このため、こちらの2技術につきましては、前回の改定時と同様、令和4年度診療報酬改定においても保険導入に係る評価を行わないこととしてはどうかと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問がございましたらお願いいたします。
 柴田先生、どうぞ。お願いします。
○柴田構成員
 大枠については特にコメントはないのですが、テクニカルな面で、毎年2年ごとに問題になることがあるのでコメントなのですけれども。特に先進Aのほうがそうなのですが、実績報告の中で患者さんごとに有効、無効、不明という評価結果をつける欄があるわけですが、有効と判断する基準が先生ごと、病院ごとに異なっているために、出てきた結果に不整合があるように見えるケースであるとか、どういう意味で有効なのかが判定できずに、また判断が先送りになってしまうというケースがちらほら出てくると思うのですが、今後、そういうものについて、例えば一定のこういう条件が満たされた有効とつけましょうみたいなものを先進医療Aについて指定するというような考えはないのでしょうか。
 例えば本日議論されました2件の振り分けの案件などは、何をもって有効とするのかというのは判断される先生によってばらばらだと思うのですけれども、そういうものを、例えば事務連絡などを添えることで、この技術についてはこういう条件だったときに有効とつけてくださいなどということをインストラクションすることで、結果の評価がよりやりやすくなるのではないか、あるいは追加でこういう検討をしないといけないという議論がしやすくなるのではないかと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 非常に貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 先生がおっしゃっていただいておりますように、有効、無効という評価につきましては、基本的に全ての技術において同じような評価体系を用いておりますので、個別の先生や技術によって大分変わってくるというのが実際かと考えております。
 事務局といたしましては、個別の研究を一定取りまとめていらっしゃる医療機関ですとかそういうところには、例えば取りまとめている部分はこういう一定の基準で評価していただきたいということは伝えさせていただくことはございましたが、他方で、こういった形で全体としてどうかと問われると、御指摘のとおり、特段そういった規定はしていないところでございますので、具体的にどういった形でやるのがよいかということも含めまして検討はさせていただきたいと思いますが、非常に貴重な御指摘だと思いますので、事務局のほうでも考えさせていただきたいと思っております。
○柴田構成員
 ありがとうございました。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 では、福井先生、先にどうぞ。
○福井構成員
 福井です。
 私、柴田先生がおっしゃったとおりだと思っております。個別に今後いろいろディスカッションする中で、ぜひその視点をその都度挙げていただいて、みんなでやっていきたいと思います。何をもって有効と判断するのかというのは、それぞれ個別の案件ごとに経験を積んでいく必要があると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
○五十嵐座長
 では、山口先生、どうぞ。
○山口構成員
 私も同じような意見なのですけれども、特に先進のAでは陽子線とか粒子線の症例がきちんと評価されていなくて、効果不明のものがたくさんあります。効果を評価するのは結構難しいと思うのですけれども、最終的に保険収載には迅速に持っていくつもりであれば、やはり柴田先生がおっしゃったように、科学的にみんなが納得できる客観的な効果判定というのをきちんと個々に決めていくべきだと思います。ちょっと手間がかかるかもしれませんけれども、やらなければいけないことだと思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 では、事務局、それは対応を考えていただきたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 1点補足でございますけれども、今回の実績報告につきましては、既に医療機関のほうから御提出いただいているところでございますので、具体的には恐らく次回のそういった検討からのことになろうかとは思いますので、その点は御承知おきいただけますと幸いでございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、今回に関しましては、事務局案のとおり進めていきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 本日の議題は、残り「その他」となっておりますけれども、事務局から何かございますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 事務局からは特段ございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方から、全体を通しまして何かございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日の議論は以上で終了したいと思います。
 次回の開催につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和3年10月7日木曜日、16時からを予定しております。場所につきましては別途御連絡をさせていただきます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、第102回「先進医療会議」をこれで終了いたします。
 御協力どうもありがとうございました。
 

 

 

 

 

 

 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第102回先進医療会議(2021年9月2日)

ページの先頭へ戻る