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2021年7月8日 第100回先進医療会議

○日時

令和3年7月8日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 神村構成員 佐藤構成員 柴田構成員
竹内構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他



○議題

 1 新規技術(6月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
   (先-1)(別紙1)(別紙2)
 2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-2)(別紙3)
 3 その他


○議事

16:00開会




 

 

 

 

○五十嵐座長
 お待たせしました。時間になりましたので、ただいまから「先進医療会議」を開催いたします。お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
 初めに、本年6月をもちまして長島構成員が御退任になられました。これに伴いまして、7月からその後任として神村裕子先生に新たに構成員に加わっていただくことになりました。神村先生、どうぞよろしくお願いいたします。
 一言御挨拶をいただきたいと思います。
○神村構成員
 座長の五十嵐先生、御紹介ありがとうございます。
 日本医師会常任理事の神村裕子と申します。長島常任理事に代わりまして7月から私が担当させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 もともとは内科といっても一般のかかりつけ医でございますし、産業保健を中心にやっておりましたので、なかなか先生方のように理解が進まないかもしれませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 本日の構成員の先生方の出欠状況ですけれども、新井先生がまだ入られていませんが、そのうちお入りになるのではないかと思います。
 事務局の異動がありましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。7月10日付で事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。
 宮原歯科医療管理官でございますが、本日は欠席となってございます。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 次に資料の確認をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、先-1「先進医療の新規届出技術について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙1、別紙2がついてございます。
 続きまして、先-2「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」でございますけれども、こちらには別紙3がついてございます。
 資料につきましては以上でございます。
 また、今回の先進医療会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただきました資料を閲覧いただけますと幸いでございます。
 また、御発言される先生方におかれましては、会議資料のページ、また、送付のみの資料のページをあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますのでよろしくお願いいたします。
 なお、今回の会議につきましては、試行的にYouTubeによるライブ配信で行うこととしております。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 資料等に関しまして何か問題のある方はいらっしゃいますか。大丈夫ですか。
 それでは、審議に入りたいと思います。今回、検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。竹内構成員より、新規技術の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け案の受理番号125の技術について報告がございました。
 竹内構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、先進医療会議運営細則第四条の規定に基づき、当該技術に関する検討に加わることは可能でございます。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 そのほかの先生方に関しましては、COIの開示事項に該当するものはほかにはないということでよろしいですね。
 それでは、新規技術6月受理分の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け案について資料が提出されておりますので、検討したいと思います。
 2件ございます。まず、1件目について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。先-1に基づきまして御説明をさせていただきます。
 受理番号125番、技術名が「局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する化学療法同時併用強度変調陽子線治療」でございます。
 適応症は「局所進行頭頸部扁平上皮癌(喉頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌)」となってございまして、今回、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院より申請がございました。
 資料につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
 技術の概要につきまして、少々補足も含めまして御説明をさせていただきます。
 別紙1-1の1ページ目を御覧いただければと思います。局所進行頭頸部扁平上皮がんに対する標準治療の一つに化学放射線療法がございまして、こちらは臓器温存が可能であり、治療後のQOLが維持されるという利点がある一方で、嚥下障害などの晩期有害事象が一定の割合で発生するということでございます。
 今回の技術は化学療法に強度変調陽子線治療を併用するものでございまして、強度変調放射線治療のヒストリカルデータと比較することにより、晩期有害事情の低減効果を主に評価するものでございます。
 こちらの技術につきましては、次のページをおめくりいただきまして、別紙1-2、3ページ目に記載させていただいていますとおり、医薬品の適応外使用を伴う技術でございまして、事務局といたしましては、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 何か御質問等はございますか。よろしいですか。
 それでは、受理番号125の技術につきましては先進医療Bとして振り分けることにいたします。ありがとうございました。
 次に2件目の御説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。先-1にお戻りいただけますでしょうか。
 次は受理番号126番です。技術名が「急性期脳梗塞へのテネクテプラーゼ投与」でございます。
 適応症は「脳梗塞(発症から4.5時間以内)」となってございまして、今回、国立循環器病研究センターより申請がございました。
 費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
 技術の概要につきまして、こちらも補足を含めて御説明させていただきます。別紙2-1の1ページ目を御覧いただければと思います。
 こちらは急性期脳梗塞に対する血栓溶解薬として、現在、アルテプラーゼという薬剤が使用されてございますが、こちらは血栓再開通率が不十分であるなどの課題があるということでございます。
 今回の技術は、新たな血栓溶解薬であるテネクテプラーゼという薬剤を使用するものでございまして、安全性を少数例で確認した後、再開通効果や安全性等につきまして、既存のアルテプラーゼとの比較を行う試験となってございます。
 こちらの技術につきましては、別紙2-2、2ページ目に記載させていただいておりますとおり、未承認の医薬品を用いる技術でございまして、事務局といたしましては、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、受理番号126の技術につきましては、先進医療Bとして振り分けることにいたします。どうもありがとうございました。
 次に、事務局から先進医療Bの総括報告書に関する評価についての資料が提出されております。これにつきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。今回、医療機関より先進医療技術の総括報告書が提出されまして、先進医療技術審査部会におきまして御評価が行われましたので、その評価結果につきまして御報告をさせていただきます。
 先-2を御覧いただけますでしょうか。今回、旧告示番号37番として実施されておりました「S-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法」につきまして、名古屋大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
 まず、技術の概要でございますけれども、別紙3の11ページを御覧いただければと思います。こちらの対象は肉眼的腹膜播種を伴う初発胃がんの方となってございまして、全身麻酔下に腹腔鏡検査を行いまして、腹膜播種を認めた場合に腹腔ポートの留置を行い、シスプラチンの点滴静注とS-1内服に加えまして、パクリタキセルの腹腔内投与を行うという技術でございます。
 こちらは主要評価項目として、1年全生存割合を評価する試験となってございました。
 先-2にお戻りいただきまして、1ページ目の中ほどの医療技術の試験結果を御覧いただければと思います。こちらに記載されておりますとおり、本療法は合計53例実施されたとのことでございます。
 次に有効性の評価結果でございますが、主要評価項目であります1年全生存割合は73.6%であったとのことでございます。こちらにつきましては、少々補足させていただきますと、切除不能進行再発胃がんの標準治療であるS-1とシスプラチン併用療法の第三相試験の1年全生存割合が54%であったということから、もともと事前に閾値を54%として設定してございました。
 続きまして、副次評価項目である無増悪生存期間は12.9か月、治療成功期間は10.0か月であったとのことでございます。
 ページをおめくりいただきまして、次に安全性の評価結果でございます。CTCAE grade 3以上の血液毒性を43%、非血液毒性を47%の症例に認め、主な有害事象としましては、好中球減少、貧血、下痢、食欲不振であったとのことでございます。
腹腔ポートに関連した有害事象を4件、重篤な有害事象を21件認めたとのことでございます。
 また、プロトコール治療に関連した死亡を1例認めてございまして、こちらは胃がん原発巣の縮小から穿孔が生じた可能性が推測されたとのことでございます。
 続きまして、御担当いただきました先生方の御評価について説明をさせていただきます。
 別紙3にお移りいただきまして、2ページ目の下を御覧いただければと思いますが、主担当の上村構成員からの御評価でございます。まず、有効性につきましては、「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」と御評価をいただいております。
 コメント欄のところでございますが、「有効性に関しては、事前に設定されていた仮説を支持する結果が得られたので一定の有効性は認められた。しかしながら、本試験はオープンラベル試験であり、適切なコントロールとの比較をしていないため、S-1/シスプラチン+パクリタキセル腹腔内投与がS-1/シスプラチンあるいはS-1/シスプラチン+パクリタキセル静脈内投与より優れていることを示すものではない。」とのことでございます。
 次に3ページ目にお移りいただきまして、安全性の御評価でございますけれども、「C.問題あり」と御評価いただいております。
コメント欄のところでございますが、「治療関連死亡については、胃空腸バイパス吻合部の腹膜播種浸潤部の治療奏効による穿孔によるものと考察しているが、腹腔内に投与された高濃度のパクリタキセルが、その薬理学的メカニズム(微小管阻害)を介して(がん以外の)正常な組織に何らかの影響を及ぼした可能性も否定できない。ただし、既に承認されているパクリタキセル(静脈内投与用)注射液でも、消化管壊死、消化管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍があらわれることが知られているので、このリスク自体は臨床的には許容されるものと考える。治療中は継続的に腹部症状などをモニタリングする必要があり、患者の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うことが必要。」とのことでございます。
 続きまして、技術的成熟度です。こちらは「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できる」と御評価いただいております。
 次に総合的なコメント欄のところでございますけれども、「安全性については、消化管あるいは吻合部の穿孔リスクが増大する可能性も否定できないが、現時点での頻度と疾患の特異性を考えると臨床的には許容できる範囲だと考える。有効性については、今後検証試験を実施して確認するのが理想的ではある。」とのことでございます。
 ページをおめくりいただきまして、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますが、こちらは要約させていただきますと、分子標的治療や免疫チェックポイント阻害剤、あるいはそれらの併用などの研究開発も進む中、本治療の臨床的位置づけは、計画当初のものから大きく変化しているのかもしれないというところと、パクリタキセル腹腔内投与については、自由診療で実施している施設が複数ある中で、仮に本当に一定の優越性が認められるのであれば、薬事承認を目指すべきであろうなどのコメントをいただいております。
 続きまして、副担当の柴田構成員の御評価でございます。有効性につきましては「E.その他」と御評価をいただいております。
 コメント欄のところでございますが、「本技術については、従来の医療技術に優るか否かは今後行われるであろうランダム化比較試験において結論づけるべきと考えるためEとした。有効性に関して事前の想定に合致する結果が出ていることから、次相に進むに足る根拠は得られているものと考える。なお、総括報告書では、今後治験または先進医療として検証試験を実施することを検討する予定、とされている。」とコメントをいただいてございます。
 続きまして、安全性につきましては「C.問題あり」と御評価いただいておりまして、コメント欄のところでございますが、「既知の事象で多くは専門家にとってはコントロールが可能なものと考えるが、重篤な副作用は生じ得ること、著効例による治療関連死亡(胃癌部および胃空腸バイパス吻合部の腹膜播種浸潤部の治療奏効による穿孔および腹膜炎が原因とされている)が生じていることも踏まえて上記とした。後者は抗がん剤治療においてはときに生じ得る事象ではあるものの、今後の臨床試験においては本技術で発現頻度が高くなっていないか確認することが必要と考える。」とコメントをいただいております。
 続きまして、技術的成熟度は、「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できる」と御評価をいただいておりまして、コメント欄のところでございますが、「現時点で日常診療下で実施できる状況までには至っておらず、今後の検証が必要な段階であるため上記とした。」とのことでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か委員の先生方、御質問等はございますでしょうか。
○藤原構成員
 この腹腔内パクリタキセル投与を含んだ胃がんとか膵臓がんとか、臨床試験はかなり前から先進医療でさまざまな施設から申請があり、先進医療Bとして実施されてきた過去がありますので、何度か事務局側に腹腔内パクリタキセル投与をした先進医療のまとめ紙とかを作っていただいた時期もあるので、もし次に上がってくれば、それも示していただきながら議論をしていただければと思います。これは事務局へのお願いです。
 一番直近のものは、多分東大病院がやっているものが上がってきましたが、そのときにはPMDAでやったほうがいいという方向性を無視して、結局自分たちで突っ走って、今、実施中です。東大病院でクラウドファンディングを使って、たしか3000万とか4000万はもうお集めになって比較試験をやられていると思いますけれども、こういうのをずっと繰り返していますので、結論がずっと出ない状況でいろいろな施設を中心に多施設臨床試験が組まれている問題点があるので、ぜひ、今後上がってくる場合には、過去の経緯を整理した上で、とにかく保険診療に行くのか、薬事承認を取るのかとか、その辺がきちんと道筋が見える形で先進医療Bとしての実施を今後審査していただければと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。藤原先生、大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
 先生に御指摘いただきましたとおり、今後仮に同じような技術が上がってきた場合には、現在、こういった形で様々実施されている状況等の情報も踏まえまして、先生方に当該技術の技術的な妥当性という観点から御審議いただくものと考えておりますので、そういったことがありましたら、そのような形で対応させていただければと考えております。
 現在、さまざまな形で実施されているということは、ほかの先進医療Bでも実施されているものがございますので、そういったものの結果も含めて、今後また結果が出ましたら先生方に御議論をいただきたいと事務局としては考えております。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。大変重要な御指摘でした。
 山口先生、どうぞ。お願いします。
○山口構成員
 今、藤原先生の指摘されたとおりなのですけれども、この試験は2017年から2018年の1年間にあっという間に50例集まって、一般の人の期待は非常に大きいという状態なのです。その中で結論がなかなか出ないということなのですけれども、今回の結果を見ても、1年のOSが73.6%で結構高い。それから、細胞診が陰性になったりして手術している例が14例もあるのです。今回はまだ2年、3年の生存が出ていませんので、長期生存がどれぐらいあるか分からないのですけれども、場合によっては相当有望な内容も含んでいるように思われます。
 ただ、柴田先生が指摘されていましたけれども、これは比較試験をやらないとどうしようもないということなのですが、最近、胃がんの標準治療がどんどん変わっていって、つい最近もニボルマブを併用した化学療法で、従来の化学療法オンリーに比べてよさそうなものが出てきています。当事者たちも、一体何を比較してやっていったらいいのかといういろいろな悩みがあるようですので、道筋はある程度こちらでもアドバイスできたらいいのではないかと思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 御指摘をどうもありがとうございました。
 そのほか、いかがですか。よろしいですか。
 それでは、御説明は以上にしたいと思います。
 今日の残りの議題は「その他」になっておりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 事務局からは特段ございません。
○五十嵐座長
 全体を通しまして、構成員の先生方から何かございますか。よろしいですか。
 それでは、本日の議論は以上で終了にしたいと思います。
 次回の開催につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和3年8月5日の木曜日、16時からを予定しております。こちらはもともと予備日となってございましたが、先日御連絡させていただきましたとおり開催とさせていただく予定としておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 場所につきましては、別途御連絡をさせていただきます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、第100回の「先進医療会議」をこれで終了いたします。御協力をどうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

(了)

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