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2021年4月9日 第98回先進医療会議

○日時

令和3年4月9日(金)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 佐藤構成員 柴田構成員 竹内構成員
長島構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他



○議題

 1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-1)(別紙1)(別紙2)
 2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-2)(別紙3)
 3 先進医療実施医療機関からの報告について
   (先-3-1)(別紙4)(先-3-2)(別紙5)
 4 その他


○議事

16:00開会




 

 

 

 

○五十嵐座長
 では、ほぼ定刻になりましたので、ただいまから「先進医療会議」を開催いたします。
 初めに、構成員の先生方の出席状況ですけれども、本日は全員が御出席です。
 次に、事務局の異動がありましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 頭撮りについてはここまでとさせていただきます。
 まず初めに、4月1日付で事務局の異動がございましたので、御紹介のほうをさせていただきます。
 保険局医療課の青木智乃紳主査でございますが、本日欠席となってございます。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 続きまして、資料の確認をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、まず、先-1「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている一枚紙の資料がございます。こちらには、別紙1、別紙2がついてございます。
 続きまして、先-2は「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」でございますけれども、こちらは別紙3がついてございます。
 続きまして、先-3-1「先進医療実施医療機関からの報告について」としている一枚紙の資料がございます。こちらには別紙4がついてございます。
 最後に、先-3-2「先進医療の不適切事案に係る検討における指摘事項及びそれに対する回答について」としている一枚紙の資料がございます。こちらには別紙5がついてございます。
 資料につきましては以上でございます。
 また、今回の先進医療会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいておりますので、そちらのほうを御参照いただけると幸いでございます。また、申請書類等につきましては、送付させていただきました資料を閲覧していただければと存じます。
 御発言される先生方におかれましては、会議資料のページ、または送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただきますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。委員の先生方、資料につきまして、何か問題はございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、今回検討対象となる技術等の利益相反について、お話ししたいと思います。事前に確認しておりますけれども、その結果について、事務局から御報告をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 新井構成員、五十嵐座長、竹内構成員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号149の技術について報告がございました。
 新井構成員、五十嵐座長におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品又は医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討に加わることは可能でございます。
 竹内構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品又は医療機器等の製造販売業者等からの受領額が500万円を超えておりましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないこととなってございます。
 また、福井構成員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号150の技術について報告がございました。
 福井構成員におかれましては、検討対象技術について、自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術であるということから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わらないこととなってございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。そのほかの出席されている構成員の先生方におかれましては、開示すべきCOI事項はほかにはないということでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 それでは、「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先ほど御説明いたしましたとおり、竹内構成員は、整理番号149の技術に関する検討及び事前評価には加わらないこととなりますので、大変申し訳ございませんが、御退席いただきますようよろしくお願いいたします。
 (竹内構成員 退席)
○五十嵐座長
 それでは、資料の説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、改めまして、先-1に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回御審議いただきます技術の1件目でございますが、整理番号149番、「化学療法未施行の切除不能進行・再発固形癌に対するマルチプレックス遺伝子パネル検査」でございます。
 こちら、適応症が全身化学療法未施行の切除不能進行・再発癌となってございます。
 申請医療機関につきましては京都大学医学部附属病院でございまして、費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 事前評価につきましては横井構成員に御担当いただきまして、総評としては「適」と御評価をいただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、整理番号149の技術につきまして、事前評価結果を横井構成員から御説明をお願いいたします。
○横井構成員
 横井でございます。よろしくお願いいたします。
 先-1の別紙の7ページを御覧ください。これは事前評価のところで山口先生がおまとめになったところでございますが、本試験の概要ですけれども、がん遺伝子パネル検査は、2019年、一昨年の6月から本検査のF1CDxとOncoGuideNCCオンコパネルシステムが保険診療で実施できるようになっております。しかしながら、その適応は、本資料で示されておりますように、標準治療がない、もしくは終了した症例に限られております。一方で、Precision Medicineの概念からは、初回治療の段階から症例ごとにがん細胞の遺伝子異常に合わせた治療を選択したほうがより効果的である可能性があるのではないかと考えられておりました。
 そのため、昨年の3月の本会で、このオンコガイドNCCオンコパネルシステムは全身化学療法未施行例への先進医療が承認されたところでございます。本研究も同様のコンセプトによるもので、全身化学療法未施行例に対して本遺伝子パネル検査を行い、初回治療の段階から症例ごとにがん細胞の遺伝子異常に合わせた治療を選択し、より効果的であるとともに、無駄な治療を回避できる可能性を追求しようとする試みでございます。
 別途お送りいただいた参考資料の74ページにありますが、本研究は遺伝子異常を見つけるまでの研究ですが、その後、選択された治療の効果や生存期間を見る観察研究、さらには、保険外適応薬を投与する医師主導治験が予定されているとのことでございます。
 別紙1の1ページにお戻りください。私の評価結果としましては、社会的妥当性としては、倫理的な問題はないと考えました。
 現時点での普及度は、保険収載されていませんので、罹患率、有病率から勘案して、普及はしておりません。
 効率性は、初回全身治療時から遺伝子検査結果から推奨される治療が選択できる可能性があるため、「やや効率的」と考えました。
 将来の保険収載の必要につきましては、将来的に保険収載を行うことは妥当と思います。しかし、保険導入に当たりましては、プライマリーエンドポイントである「Actionableな遺伝子異常に対する分子標的薬による治療を受ける患者の割合」のみならず、secondary endpointの結果、さらにはその後に予定されております観察研究や医師主導治験の結果も含めて総合的な検討を行い、本技術ががん治療成績の向上に役立つことを明らかにする必要があると考えました。
 したがいまして、総評としては、本研究に関しましては「適」とさせていただきました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明、どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、何か委員の先生方、御質問等ございますでしょうか。
 特にございませんか。
 それでは、御異議等がないようですので、構成員の評価結果どおり決定してよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 竹内構成員におかれましては、お戻りいただいてよろしいでしょうか。
 (竹内構成員 着席)
○五十嵐座長
 竹内先生、よろしくお願いいたします。
 続きまして、2件目につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先ほど御説明させていただきましたとおり、福井構成員におかれましては、整理番号150の技術に関する検討及び事前評価には加わらないこととなりますので、大変申し訳ございませんが、御退席いただきますようお願い申し上げます。
 (福井構成員 退席)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 それでは、改めまして御説明のほうをさせていただきます。先-1のほうにお戻りいただけますでしょうか。
 今回御審議いただきます技術の2件目でございますが、整理番号150番「全身性強皮症における皮膚潰瘍に対する自家骨髄単核球移植による血管再生療法」で、適応症につきましては全身性強皮症に伴う難治性皮膚潰瘍となってございます。
 申請医療機関につきましては横浜市立大学附属病院でございまして、費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。
事前評価につきましては竹内構成員に御担当いただきまして、総評としましては「条件付き適」と御評価をいただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。この整理番号150の技術につきましては、事前評価を竹内構成員にお願いしております。竹内構成員から、技術の内容と評価結果について御説明をお願いいたします。
○竹内構成員
 それでは、御説明申し上げます。
 まず、技術につきましては、別紙2の15ページを御覧いただきたいと思います。カラーの表でございます。こちらは全身性強皮症における皮膚潰瘍に対する自家骨髄単核球移植による血管再生療法の概略図でございます。
 左上の1にありますように、まず、骨髄採取術を施行します。全身麻酔下で腸骨から骨髄液を採取。これは、場所は手術室で下に示したような形で採取いたしまして、これを収集し、その後、細胞培養加工施設におきまして骨髄単核球を分離・濃縮いたします。分離・濃縮いたしました単核球は、右の下にありますように、骨髄単核球を移植いたしますが、これは手術室におきまして全身麻酔下で四肢の筋肉内に注射をいたします。その注射するスポットについては、左にあるような箇所、200カ所と書かれておりますが、ここに注射していくものでございます。
 その裏の16ページに保険収載までのロードマップがございます。臨床研究を経まして、今回申請いただきました先進医療B、6年間の期間を経まして12症例を収集していく。その後、論文作成、学会要望を経て保険収載を目指すというロードマップでございます。
お戻りいただきまして、この別紙2の一番最初のページに戻っていただきますと、名称の下に社会的妥当性がございます。これは評価結果でございまして、私は、これは倫理的問題はないだろうと判断させていただきました。
 それから、現時点での普及性につきましては、罹患率、有病率から勘案して、普及していないと判断しております。
 効率性につきましては、先ほどのように、手術室で腸骨から骨髄液を採取し、そしてそれを分離・精製して患者さんに戻すというようなことが行われますので、効率性は、これまでの技術に比較しまして同程度又は劣ると判定させていただきました。
 それから、将来の保険収載の必要性については、適応や併用薬などについて情報を収集する必要があるとコメントさせていただきました。
 総評ですが、最終的にこの治療抵抗性の皮膚潰瘍を示す強皮症に対して自家骨髄液を移植するというものでございますが、その適応、特に皮膚潰瘍のサイズ、個数、重症度などについては余り述べられておりません。また、当然、併用薬としては既存の血管拡張薬等が使われているはずですが、これについてもコメントが書かれておりません。
 このことは、先進医療技術審査部会の先生方からも指摘があるところでございまして、できれば、このことについて何らかの形でこの先進医療を進めていく中で結論が得られるような形で情報収集していくことが望まれるのではないかということで、「条件付き適」とさせていただきました。この先進医療の中でこの適応、あるいは併用薬についての情報を収集しながら進めていくということを報告していただければ、計画自体は妥当であると考えまして、「条件付き適」とさせていただきました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明どうもありがとうございました。よく分かりました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か委員の先生方、御質問等ございますか。
 御指摘になったように、重症度、あるいは併用薬のことが少し情報がないということですので、そうしたものもしっかりと情報をつけて報告していただきたいという、条件付きで適ということを御判断いただきましたけれども、それでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 それでは、構成員の評価結果どおり決定したいと思います。ありがとうございました。
 福井先生、お戻りいただいてよろしいでしょうか。
 (福井構成員 着席)
○五十嵐座長
 お戻りいただきましたね。ありがとうございます。
 続きまして、事務局から先進医療Bの総括報告書に関する評価についての資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回、医療機関より1件の先進医療技術の総括報告書が提出されまして、先進医療技術審査部会におきまして評価が行われましたので、その評価結果につきまして御報告させていただきます。
 先-2を御覧いただけますでしょうか。今回、旧告示番号49番として実施されておりました「切除支援のためのマイクロコイル併用気管支鏡下肺マッピング法」につきまして、東京大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
 技術の概要でございますけれども、別紙3の6ページを御覧いただければと存じます。こちら、対象は微小肺病変でございまして、CT画像を基にマッピングを作成し、中央の図にありますように、色素とマイクロコイルを用いて病変をマーキングいたしまして、こちらのマーキングをガイドに縮小手術を行うといったような技術になってございます。こちら、2センチ以上のマージン確保を切除成功と定義した上で、切除成功率の評価を行うという試験になってございました。
 先-2のほうへお戻りいただきまして、1ページ目の中ほど、[有効性の評価結果]のところでございますが、こちら、全65病変に対するマーキング及びその支援下の手術におきまして、切除成功率は98.5%であったということでございます。
 また、[安全性の評価結果]のところでございますが、重篤な有害事象として、術後合併症を5例認めたということでございますが、いずれも因果関係は否定されたということでございます。
 また、マッピング後に治療不要な気胸が4例、それから縦隔気腫が1例発症しておりまして、これらマッピングの手技との因果関係ありと判定されてございます。また、マイクロコイルの不具合は7件認めたとのことでございます。
 続きまして、担当していただいた先生の御評価につきまして御説明をさせていただきます。別紙3の2ページを御覧いただければと思います。主担当の伊藤構成員からの御評価でございますけれども、有効性に関しては、B「従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」と御評価をいただいております。
 続きまして3ページ目に移りまして、安全性の御評価でございますけれども、B「あまり問題なし」と御評価いただいております。
技術的成熟度につきましては、B「当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価をいただいております。
 こちら、総合的なコメント欄のところでございますけれども、VAL-MAP法と申しますが、「VAL-MAP法は微小肺病変に対する外科的診断治療に際し、CT画像を基に3次元再構成したバーチャル気管支鏡をガイドに、気管支鏡下に染料(インジゴカルミン)を用いて複数個所術前マーキングを行い、可塑性に富む「肺」という臓器の表面にマッピングをし、切除範囲をガイドする技術である。2016年9月~2017年7月に先進医療Bとして実施された試験では、主評価項目である「十分なマージンを確保した切除成功」に対して設定した切除成功率95%の目標を達成できず、87.7%にとどまった。多変量解析の結果、マージンを確保した切除が不成功に至る最大の因子として見出されたのが「必要な切離ラインの深さ」だった。この弱点を補完するためにマイクロコイルを併用した試験として今回実施された。腫瘍径以上又は2cm以上の切除マージン確保を「切除成功」と定義し、切除成功率は98.5%の結果であった。マーキングの成功率は、前の試験とほぼ同じく成功率は88.3%であった。マイクロコイルの成功率は82.4%であった。マイクロコイル留置によって成功率は上昇するが、必要な患者は限られると予想されること及びマイクロコイルの不具合も5例(7件)に認められることから、一定程度の手技習熟が必要と考えられ、技術的成熟度はBとした」というコメントをいただいております。
 その次に、薬事未承認の医薬品等を伴う医療技術の場合、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますが、インジコカルミン及び血管塞栓用マイクロコイルの適応外使用の薬事承認申請に資すると思慮すると御助言をいただいているところでございます。
 続きまして、副担当の山中構成員の御評価でございます。有効性につきましては、A「従来の医療技術を用いるよりも、大幅に有効である」と御評価をいただいております。
 こちら、コメント欄でございますが、「微小肺病変切除成功率は98.5%(64/65)、その他の副次評価項目について本試験の結果は良好であったと評価できる。主観的なデータとなるが、「マッピングなしでは正確な切除は困難だった」と考える術者が78%、「マッピングなしでも切除可能だが、あることで自信が深まった」と考える術者が22%であり、今回の参加施設において、大なり小なりマッピングが貢献していることが判る。ただし、半数の23例は1施設(東大)からの登録、他の施設は9例(1施設)、7例(4施設)、3例(1施設)、2例(1施設)であり、結果の再現性を担保する意味で、何らかの追加データがあるとより有望である」とコメントをいただいております。
 次のページへお移りいただきまして、安全性につきましては、A「問題なし」と御評価いただいておりまして、「本技術を併用することに関連して生じたと考えられる有害事象については特段の問題はない。なお、マイクロコイルの不具合は5例7件発現している」とコメントをいただいております。
 続きまして、技術的成熟度はB「当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価いただいておりまして、コメント欄のところでございますが、「マイクロコイルを臨床で使用するのは、東大病院以外では本試験の使用が初めてだったと思われる。ラーニングカーブが存在する可能性はあるが、一定の経験を積んだ医師であれば、特に問題はないものと思われる」とコメントをいただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御意見、御質問ございますでしょうか。
 特にございませんか。
 どうもありがとうございました。
 次に、事務局から、先進医療実施医療機関からの報告についての資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 資料先-3-1に基づきまして御説明させていただきます。「先進医療実施医療機関からの報告について」でございます。
 まず、「1.これまでの経緯の概要」についてでございますけれども、平成31年2月14日に行われました第82回先進医療技術審査部会におきまして、島根大学医学部附属病院で実施された先進医療B「マルチプレックス遺伝子パネル検査」に係る同意取得手順及び個人情報の取扱いに関する不適切事案についての報告がなされました。
 こちら、報告がなされた後に、医政局研究開発振興課からの指摘を踏まえまして、同様の事例がなかったかどうか、島根大学におきまして平成30年度に実施された先進医療実施例に対する全例調査が行われたところでございます。
 その結果、先進医療Aについても同意取得における不適切事案が認められたということで、第73回先進医療会議におきまして調査結果が御報告されました。
 その後、保険局医療課主導で任意のヒアリングを行いながら、また、その指摘を受けて島根大学のほうで追加調査が進められまして、令和元年10月10日に行われました先進医療会議におきまして最終的な調査結果及び再発防止策に関わる報告書が提出されたところでございます。
 こちらの再発防止策につきましては会議のほうでも御承認いただいたところでございますが、その際に、構成員の先生方から、再発防止策の実施状況について、会議後も定期的に先進医療会議に報告するべきという御指摘がございました。
 先進医療再開半年後の先進医療の実施状況及び再発防止策の実行状況について、第90回先進医療会議において御報告させていただいたところでございますが、今回、先進医療再開1年後の先進医療の実施状況及び再発防止策の実行状況につきまして、島根大学のほうから報告書が提出されましたので御報告を申し上げます。
 それでは、次に別紙4-1のほうを御覧いただきまして、こちら、島根大学医学部附属病院内に設置されました先進医療管理センターにおける先進医療の再開・実施状況に係る報告書でございます。
 簡単に概要を御説明させていただきますが、まず、1ページ目下方の「2.再発防止策の継続状況」としまして、1)ですが、臨床研究に関わる全ての職員に対する医学系研究基本講習の受講義務化、それから、次のページおめくりいただきまして、2)臨床研究におけるスタートアップミーティング実施の義務化、医の倫理委員会へのスタートアップミーティング実施報告書及び研究規定遵守宣誓書の提出業務化、3)先進医療におけるスタートアップミーティング実施の義務化、スタートアップミーティング実施報告書及び規定遵守宣誓書の提出義務化、4)先進医療管理センターによる管理・監査、5)先進医療確認通知シートによる、診療科、先進医療管理センター、診療報酬算定部署及び検査部間の先進医療実施患者情報の共有が報告されてございます。
 続きまして、「3.新たに策定した再発防止策」でございますが、検査部で行う、こちら3つの先進医療につきましては、確実な事後確認のため、検査部が先進医療を実施するごとに、先進医療管理センターに実施報告する体制を新たに整備したということでございます。
 続きまして、「4.新規に開始した先進医療技術に関する再発防止策」でございますが、先進医療「細胞診検体を用いた遺伝子検査」の実施の際に2種類のチェックリストを用いた2段階の申請・承認体制を新たに構築しており、先進医療技術ごとに適切な形での事前チェック体制を構築しているとのことでございます。
 次のページおめくりいただきまして、5.でございますが、こちらには令和2年7月から12月の先進医療実施状況が報告されてございます。こちら、実施された18件の先進医療につきまして事後モニタリングを行いまして、全例の適正実施を確認しているということでございます。
 続きまして、次の4ページ目をおめくりいただきまして、「6.その他特記事項」としまして、今後、これまでどおり、個別の先進医療に関するチェックにより、実施診療科の管理を行うこと、加えまして、全職員を対象とする定期的・継続的な動画研修を行うことなどが報告として挙がってきてございます。
 続きまして、先-3-1のほうにお戻りいただきまして、「2.今後の対応方針」のところでございますが、今後どのような形で再発防止策の実行状況を確認していくのかという点につきまして、まず事務局からの提案がございます。
 まず1ポツ目でございますが、今後、島根大から新規技術の申請があった際に、先進医療実施体制の評価として、こちらの枠組みの中で再発防止策の実行状況を確認することとしてはどうか。加えまして、2ポツ目のところでございますが、また、再発防止策に大きな変更があった場合とか何らかの問題等が発生した場合につきましては、その都度会議への報告を求めることとしてはどうかということを事務局として御提案させていただきます。
 先生方におかれましては、こちらの対応方針につきまして御議論いただければと考えております。
事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。島根大学医学部附属病院からの、これまでの取組と、それに対して今後の対応方針について御説明をいただきました。何か構成員の先生方、御質問、御意見ございますか。
 どうぞ、長島先生。
○長島構成員
 日本医師会の長島でございます。
 今回の島根大学の報告書を拝見しますと、かなりしっかり再発防止策は熟知されていると感じました。したがいまして、今後定期的な報告は必要ないとは思いますが、やはり適切なタイミングでの確認と報告が必要かと思います。その意味で言うと、新規技術の申請があった場合に、再発防止策の実行状況を確認すること。また、再発防止策に大きな変更があった場合、あるいは何か問題等が発生した場合に、会議への報告を求めるというのは適切ではないかと思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。今後の対応方針につきましてこれらでよろしいという御意見だったと思います。ほかはいかがでしょうか。
 島根大学としても深刻に受け止めて、このような適切な対応策をとってくれているものだと判断したいと思います。
 それでは、今後の対応方針につきましては、事務局が御提案されたとおりでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。
 次に、2件目につきまして、事務局から御説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料先-3-2に基づきまして御説明をさせていただきます。まず、資料の1つ目のマルのところでございますが、いわゆる難病でありますBird-Hogg-Dube症候群という疾患の遺伝子診断を行う先進医療が平成31年2月より先進医療Aとして実施されてございました。こちら、申請医療機関であります横浜市立大学附属病院から、本先進医療に係る研究計画書の逸脱及び再発防止策に関する報告がなされました。
 2つ目のマルのところでございますが、こちらにつきまして、第87回先進医療会議で御議論いただきまして、本技術につきましては、先進医療告示から削除することが決定されたところでございます。
 3つ目のマルでございますが、その際の御議論の中で、当該技術の対象となる方に対して選択肢を提供するという観点から、横浜市立大学には再度体制を組み直し、もう一度申請するよう求めてはどうかという御指摘がございました。
 4つ目のマルでございますが、こちらにつきまして事務局から医療機関へ照会を行いましたところ、今般、そちらの回答が提出されましたため、御報告申し上げる次第でございます。
 別紙5のほうに回答がございますが、医療機関での体制の組み直しについて御検討いただいたものの、2点の記載されている理由によりまして、再申請は難しいとのことでございました。
 まず1つ目の理由といたしましては、実施責任医師の方が退職されまして、退職後に協力を得ることも難しい状況にあること。また、他の実施者2名についても退職等の理由により継続実施することができない状況とのことでございます。また、理由2のところでございますが、今回のBHD症候群が希少疾患であることから、経験のある医師が少なく、実施責任医師の適任者がいなかったということでございます。
 以上2点の理由から、誠に不本意ではあるが、当該技術を再申請することは見送らざるを得ないという判断に至ったとのことでございます。
 事務局としましては、当該医療機関にさらなる対応を求めることはなかなかこれでは難しいのではないかと考えているところではございますが、先生方から御意見などございましたらいただけますと幸いでございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。それでは、構成員の先生方、何か御意見等ございますか。
 どうぞ、長島先生。
○長島構成員
 今回の当該医療機関からの回答を見ますと、やはりそういった事情ではなかなかこの病院で対応するというのは難しいと私も感じました。ただ一方で、当該技術の対象となる患者さんということを考えると、例えば関連学会等で何か対応策を考えていただけるとありがたいと思います。
以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。長島先生、これは厚労省のほうから、あるいは横浜市立大学のほうから学会のほうに呼びかけていただきたいという御意見でございますか。
○長島構成員
 はい、そうでございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
 では、そういう御意見がありましたので、学会等に相談してみるということは厚労省のほうから、あるいは横浜市立大学のほうからやってもらう、これはどうしましょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 大変貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。先生がおっしゃるように、確かにこのまま当該技術を利用される方がどうなるのかというところは重要な点かと考えております。他方で、今回、こちらの技術について、例えばどういった学会が主に対応されているですとか、どういった形でこういった患者さんにこういった情報を共有したりできるかということにつきましては、一旦こちら事務局のほうで受け止めさせていただきまして、例えば関係する所管部局ですとか、そういったところに情報提供等もして対応してまいりたいと考えております。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。長島先生、それでよろしいでしょうか。
○長島構成員
 それでお願いいたします。
○五十嵐座長
 ほかは。
 どうぞ、山口先生。
○山口構成員
 すみません。私も余り詳しくないのですけれども、この場合、患者さんの声というのはどういうことなのでしょうか。こういう技術はぜひともないと困るとか、何かそういうことがあるのかどうか、横浜市大のほうで責任を持ってそういう患者さんから聴取して、今後の方向を決めてもらうのがやはり一番大事ではないでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。実際こういった患者さんの声自体が直接どうなっているのかというところは我々も現時点で把握していないところではございますが、今、先生方からいただきました御意見につきましては、また事務局のほうから横浜市立大学のほうにお伝えさせていただきまして、御検討いただくということを事務局として考えております。
○山口構成員
 お願いします。
○五十嵐座長
 それでは、横浜市立大学と相談して、あるいは学会とも相談することによって、方針が決まりましたら、またこの場で御報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。委員の先生方、それでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 それでは、本日の議題は、残り、「その他」となっておりますけれども、事務局から何かございますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 事務局からは特に追加はございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方からはいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、本日の議論はこれで終了したいと思います。次回の開催につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和3年5月10日、月曜日、15時からを予定しております。場所につきましては、別途御連絡をさせていただきます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、第98回「先進医療会議」をこれで終了いたします。御協力ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

(了)

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