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2021年3月4日 先進医療会議・先進医療合同会議(第97回先進医療会議、第114回先進医療技術審査部会)

○日時

令和3年3月4日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 佐藤(典)構成員 柴田構成員 竹内構成員
長島構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他


○議題

 1 新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(報告)
   (先-1)(別紙1)
 2 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-2-1)(別紙2)(先-2-2)
 3 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-3)(別紙3)
 4 先進医療Bの取下げについて
   (先-4)
 5 その他

○議事

〇第97回先進医療会議
16:00開会

○五十嵐座長
 それでは、ただいまから「第97回先進医療会議」を開催いたします。
 まず初めに、構成員の先生方は、本日は、全員御出席でございます。
 なお、事前評価をしていただいた村田技術専門委員から、御欠席との連絡をいただいております。村田先生からは委任状の提出があり、議事決定につきましては、私、座長に一任するとしていただいております。
 では、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りについてはここまでとさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、先-1「先進医療の新規届出技術について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙1がついてございます。
 続きまして、先-2-1「先進医療Aの新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙2がついてございます。
 続きまして、先-2-2「先進医療申請技術における検査の外部機関での実施について」としている1枚紙の資料がございます。
 続きまして、先-3「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙3がついてございます。
 最後に、先-4「先進医療Bの取下げについて」としている1枚紙の資料がございます。
 資料につきましては以上でございます。
 また、今回の先進医療会議におきましては、Web上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただきました資料を閲覧していただければ幸いでございます。また、御発言される先生方におかれましては、会議資料のページ、または送付のみの資料のページと、あらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 資料等につきましては、委員の先生方、よろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御説明願います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございません。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 本日出席されている構成員におかれましては、申告すべき利益相反はないということでよろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、新規技術(2月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け報告について資料が配付されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-1につきまして、御説明をさせていただきます。
 こちらは、2月に持ち回りで御審議いただきました振り分け結果の御報告でございます。
 受理番号123番、染色体G-Banding法による流産絨毛染色体分析でございます。申請医療機関は日本医科大学付属病院でございまして、適応症として2回目以降の自然流産となってございます。費用につきましては、お示ししたとおりでございます。
 こちらの技術につきましては、未承認等の医薬品を使用しない医療技術である点と、検査による人体への影響が極めて小さい点から、事務局として、先進医療Aとして振り分けを提案させていただきました。
 持ち回りで御審議いただきました結果、先進医療Aと振り分けられたため、御報告をいたします。
 説明は、以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御意見・御質問ございますか。
○竹内構成員
 竹内でございます。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○竹内構成員
 一点、この技術の振り分けは先進医療Aで、とても結構だと思いますが、この先進医療制度ができたときと比べると、現状では、染色体検査も含めまして、ゲノム検査等、外部医療機関に委託することが増えてきたのではないかと思います。現状では、申請した医療機関内でこの検査を行うことが原則になっておりますが、今後、こういうことに対応して、どういうふうに先進医療Aを位置づけていくのか。その申請機関内での検査に限るのかどうなのかといったことも検討になっていくのではないかと思います。
 今までは、患者さんが場合によって検体をその外部機関まで、御自分あるいは家族が運んでいっているというような、かなり御不便をおかけしていることもありますので、ぜひ検討の俎上に上げていただければと思います。よろしくお願い申し上げます。
○五十嵐座長
 それでは、事務局からそれについて説明をさせていただきます。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 貴重な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。
 この技術につきましては、先-1では振り分けの報告という形で御提示をさせていただきましたけれども、先-2で審議をいただく予定でございます。その際にも改めて御説明をさせていただければと思いますけれども、今、先生が御指摘いただいた点につきましては、検査に係る様々な状況等も踏まえて、一度整理が必要なものかとは思いますので、事務局で一度整理をさせていただいた上で、改めて御議論いただければと考えております。
 この技術につきましては、後ほど、先-2で、改めて御説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○竹内構成員
 ありがとうございます。
○五十嵐座長
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして、事務局から、「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-2-1に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回、先進医療Aの新規技術として御審議いただく技術でございますが、整理番号339番、染色体G-Banding法による流産絨毛染色体分析でございまして、先ほど申しましたように、先-1で御報告させていただいた技術でございます。
 繰り返しでございますが、適応症につきましては、2回目以降の自然流産となっておりまして、係る費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。今回、日本医科大学付属病院より申請がございました。
 こちらの事前評価につきましては、福井構成員及び村田技術専門委員にお願いしてございまして、福井構成員より「適」、村田技術専門委員より「適」の御評価をいただいております。
 続きまして、別紙2の4ページ目を御覧いただければと思います。こちらは当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件をお示ししてございます。
 まず、実施責任医師の要件でございますけれども、診療科は産婦人科、産科または婦人科、資格は、産婦人科専門医または母体保護法指定医、当該診療科の経験年数は10年以上、当該技術の経験年数は不要、当該技術の経験症例数につきましては、実施者(術者)として20例以上としております。
 また、医療機関の要件でございますけれども、診療科は産婦人科、産科または婦人科、実施診療科の医師数は、産婦人科専門医または母体保護法指定医1名以上、他の診療科の医師は不要としております。
 その他の医療従事者の配置は、看護師、自施設で染色体検査を行う場合は臨床検査技師としておりまして、病床数は不要、看護配置は不要、当直体制は不要、緊急手術の実施体制は不要、院内検査(24時間実施体制)は不要としております。
 他の医療機関との連携体制は必要としておりまして、緊急手術が必要になった場合に対応可能な医療機関との連携、及び染色体検査の結果で特殊な核型が検出された際の臨床遺伝専門医への紹介、並びに遺伝カウンセリングを実施するための連携体制としております。
 医療機器の保守管理体制は不要。
 倫理審査委員会の審査体制は、必要な場合に、事前に開催すること。
 医療安全管理委員会の設置は不要。
 医療機関としての当該技術の実施症例数は不要としております。
 また、その他の要件といたしまして、検査を外部委託する場合は、染色体検査の実績のある衛生検査所に委託することという形でお示ししてございます。
 次に、先-2-2にお移りいただければと思います。
 本技術につきましては、先ほど申し上げましたように、衛生検査所への委託を行う場合が想定されております。その点につきまして、事務局で整理をさせていただきまして、こちらにお示しをさせていただきました。
 まず、「背景」の1マル目でございますが、先進医療Aについては、通知上、原則として、先進医療の一部を当該保険医療機関以外の場で実施することは認められないと規定されておりまして、保険医療機関間で受託・委託契約を結んだ場合を除いて、これまで技術の工程の一部を外部に委託することを認めたものはないという背景がございます。
 一方で、2マル目、3マル目に記載させていただいておりますように、今回、申請がございました不育症患者に対する流産検体を用いた染色体検査につきましては、検査を行うに当たり熟練した技術が必要となりまして、検査が可能な人材が限られることから、実施する保険医療機関内で検査を行う体制を整えることは困難な状況となっていること、加えまして、既に保険適用されている染色体検査と技術の内容はほぼ同一でございまして、本先進医療は、染色体検査の適用拡大を目指すものであることという背景がございます。
 また、4マル目に記載させていただいておりますとおり、保険診療で行われている染色体検査につきましても、申請された医療技術同様、その検査の特性から保険医療機関ではなく衛生検査所で広く行われている場合が多く、また、大手の衛生検査所でも実施されているという背景がございます。
 こちらの背景を踏まえまして、2ポツ目に事務局の考え方をお示しさせていただいております。
 本技術につきましては、検体の採取、検査結果の解釈及び検査結果を踏まえた一連の診療につきまして、実施主体である保険医療機関内で行われること、一連の診療の中で、検査の工程の一部について外部に委託する必要があるものの、検査の工程は保険診療として行われている染色体検査とほぼ同一であることから、検査を外部に委託したとしても、先進医療として行われる検査の質を、保険診療として行われている検査と同等にできると考えられること、こういった点を踏まえまして、本医療技術における検査の工程の一部について、保険診療として染色体検査を行っている衛生検査所に限り委託することは差し支えないと、事務局としては考えております。
 説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきましては、整理番号339の事前評価等が終わってから、改めて、質疑応答をしたいと思います。
 まず、整理番号339の技術については、事前評価を福井先生にお願いしております。福井構成員から技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○福井構成員
 よろしくお願いします。
 別紙2の10ページと11ページを御覧いただきたいと思います。
 対象患者さんは不育症。妊娠はしますけれども、流産・死産を繰り返し、生児が得られない状態の方で、2回目以降の自然流産の方を対象としています。10ページには、この医療の全体の流れを書いてありますので、まず、これを御覧いただきたいと思います。
 この図には、流産した方の子宮内容を除去をして、流産胎児の絨毛を取り出して、培養して、G-Banding法で標本を作成した上で、その結果に基づいて対応を変えることが記されています。右側の下の四角に囲ってあるところが、その対応の変化です。G-Banding法での標本で、異数性、染色体の数の異常が見つかった場合と、染色体の構造、転座とか逆位とかそのような異常が判明した場合、それから、染色体の核型は全て正常だった場合の3つの場合に対応が分かれています。
 もし、数の異常が見つかった場合には、母体の異常、例えば抗リン脂質抗体症候群とか、子宮の形態的な異常はほぼ考えられないということで、そのような不育症のいわゆるスクリーニング検査が不要になります。そして、異数性について、もし、御本人が希望した場合には、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)を行って、これは体外受精ですけれども、そこで数の異常がない着床前の胚を取り出して、それを移植することも可能となります。染色体の構造のほうの異常が見つかった場合は、この場合も、着床前胚染色体構造異常検査を行って、場合によれば、構造異常のない胚を選択することも可能だということです。そして、正常核型の場合には、不育症のスクリーニングを行って、染色体異常を除けば一番可能性の高いのが抗リン脂質抗体関係の異常である血液疾患、子宮の形態異常、甲状腺疾患等で、それらのスクリーニングを行って、必要な場合には治療を行います。
 そして、流産後の心理ケアについて、これは外国のデータのようですが、文献的には、流産後1か月で、PTSDが29%、不安障害が24%、鬱病が11%の方に発症するといったデータがございます。流産後の心理ケアを行い、このG-Banding法での染色体検査後、その結果に基づいたケアを行うことで、どの程度そのような心理的側面によい結果が得られるかどうかもチェックします。
 11ページを見ていただきますと、今お話ししたことが書かれております。真ん中の先進医療と書いてあるところを御覧いただきますと、被験者は2回目以降の流産を起こした方で、対象者数は100例、主要評価項目としては、このような階層毎に染色体異常の流産率を調べるということです。年齢ごとに違うのか、既往流産の回数によって違うか等です。そして、染色体異常の有無による次回の妊娠予後も調べるということです。ただ、必ずしも体外受精の着床前検査をして、正常な胚を選んで移植するということをしなくても、かなりのパーセンテージで次回の妊娠で生児を得られるそうです。ただ、この流れでやることによって、生児を得る可能性が高くなるだろうと考えられております。この医療自体は、欧米ではもう既に薬事承認がされていて、ガイドラインにも推奨されているそうです。
 以上を踏まえた私の評価については、1ページを御覧いただきたいと思います。「先進技術としての適格性」としては、適応症は妥当である。有効性は、従来の技術を用いるよりもやや有効な可能性が高いと考えられます。安全性は問題ありません。技術的成熟度は、当該分野を専門とし、数多く経験を積んだ医師または医師の指導下であれば行えると考えます。倫理的問題もございません。罹患率、有病率から勘案して、普及しておりません。日本産科婦人科学会特別臨床研究として走っているようですけれども、普及はしておりません。効率性としては、やや効率的と考えます。将来的に保険収載を行うことは妥当と判断いたしました。
 総評としましては、「適」で、染色体検査で異数性や構造に異常所見を認める可能性があり、本先進医療では、専門家による遺伝カウンセリングが提供できる体制の必要性を強調しておきたいと思いました。
 私からは以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、事前評価を担当した村田技術専門委員が本日御欠席ですので、その評価結果につきましては、事務局から代わりに説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 村田技術専門委員の事前評価につきまして、代理で御説明をさせていただきます。
 それでは、別紙2の2ページ目から3ページ目を御覧いただければと思います。
 こちら、村田技術専門委員の事前評価でございますが、まず上から、適応症につきましては「A.妥当である」と御評価をいただきました。また、有効性につきましては「A.従来の技術を用いるよりも大幅に有効」、安全性につきましては「A.問題なし」、技術的成熟度につきましては「A.当該分野を専門とし経験を積んだ医師または医師の指導下であれば行える」、社会的妥当性につきましては「A.倫理的問題等はない」、現時点での普及性につきましては「C.罹患率、有病率から勘案して、普及していない」、効率性につきましては「判定困難」、将来の保険収載の必要性につきましては「A.将来的に保険収載を行うことが妥当」と御評価をいただきました。
 総合判定につきましては次のページに記載がございますが、「適」でございまして、コメント欄でございますけれども、本技術は不育症の個々の症例における原因究明の一助となり、検査結果に基づいた対策を講じ得る可能性があることから、臨床的に有用な技術と考えられる。分析技術は既に相当の経験が積まれたものであり、検査の倫理的側面についても、十分な事前説明と同意により問題の回避が可能である。本技術が普及すれば適用される患者は増えると予想され、社会的役割も大きい。ただし、検査結果に基づく遺伝カウンセリング等の体制構築は必要である。上記、先ほどの「効率性」については、既に保険導入されている比較すべき同様の医療技術がないことから「判定困難」としたとコメントをいただいております。
 事務局からは、以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、整理番号339の技術について、冒頭の事務局の御説明、福井構成員の御評価、同じく、村田技術専門委員の御評価に関しまして、何か御意見・御質問等ございましたら、お願いいたします。
○藤原構成員
 五十嵐先生、藤原ですけれども、よろしいですか。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○藤原構成員
 内容は、「適」で全然問題ないのですけれども、別紙の2の11ページの保険収載のロードマップの図の右下に、欧米での現状が、薬事承認、米国・欧州「有」になっているのですけれども、これは技術なので、本当に薬事承認なのかちょっと疑問なところがあるので、これは事務局に一応確認しておいていただければと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 重要な御指摘をいただき、ありがとうございます。
 こちらにつきましては、事務局で確認をさせていただきまして、適切に対応をさせていただきたいと考えております。
○藤原構成員
 お願いします。
○五十嵐座長
 御指摘ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、評価結果につきましては、事前評価結果どおりでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 続きまして、事務局から、「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価について」の資料が提出されております。これについて御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-3の資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回、御審議いただく技術につきましては、整理番号147番、一側性高度感音難聴に対する人工内耳挿入術でございまして、適応症が一側性高度または重度感音難聴患者となってございます。申請医療機関につきましては、国際医療福祉大学三田病院でございまして、費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 事前評価につきましては、山口構成員に御担当いただきまして、総評としては「適」と御評価をいただいております。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 この整理番号147の技術につきましては、事前評価を山口構成員にお願いしております。
 山口先生から、技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○山口構成員
 別紙3を御覧いただけますか。
 本技術は、人工内耳を挿入する技術でありますが、実はこれは昨年の1月19日の医療技術審査部会で検討された技術であります。当時、「条件付き適」ということで認可されましたが、その当時の議論としては、1つは、効果の評価について幾つか議論があって、いろいろ意見があって、それをうまくまとめてくれたので、よろしいということでした。
 もう一つは、これは子供から大人までにわたりますので、説明文書のアセンブリが3種類も用意されていて、その内容についていろいろな議論が何回か交わされたという経緯がございます。
 これが認証されて「適」となったのですが、その後、取下げの申請が施設からありました。この研究の実施責任医師の異動に伴うものですが、出来る限り早期に、また、再開したいということで、取り下げられたという経緯があります。
 せっかく審議して通ったものですから、放っておかないで、なるべく早期に再申請していただきたいというようなことを当時申し上げた記憶がありますけれども、今回、このようにして上がってきた技術でございます。
 この技術はもともと両側性の感音難聴に対しては保険適用が取れていて、広く行われているのですけれども、一側性のものについては、日本ではまだ行われていなかったという経緯がございます。実際、欧米では、既に両側はもちろん一側性についても、保険収載されているというか、承認されていて、行われているものであって、日本でもぜひ普及させたいということです。
 対象は突発性難聴が主で、突発性難聴は35,000人ほどいるらしいのですけれども、その3分の1はステロイドなどが効かないということで、そういうものに対してかなりの需要があるとのことです。あと、小児の一側性の難聴は、ムンプスの後に年間600例ぐらい発生して、なかなか打つ手がないということで、小児から成人まで広く一側性について今回検討をしたいということで申請がありました。
 当時は、何回もやりとりして、詳細については詰められていますので、今回も特に問題はないと思います。
 別紙3の1ページを見ていただきますと、倫理的な問題はないといたしました。普及性は、今のところは普及していない。効率性に関しましては、効率的なことは期待できるということでB。将来保険収載は行われるべきであるということでAとしました。総合判定は「適」といたしました。
 以上です。
○五十嵐座長
 御説明どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御意見・御質問等、よろしくお願いいたします。
 特にございませんか。
 それでは、事前評価結果どおりでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、そのように判断させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 続きまして、事務局から、「先進医療Bの取下げについて」の資料が提出されております。これにつきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 現在、申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請がございましたので、資料の先-4に基づきまして進めさせていただければと存じます。
 こちらにつきましては、既に、先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただいているものでございます。
 こちら、整理番号16番、リツキシマブ点滴注射後におけるミコフェノール酸モフェチル経口投与による寛解維持療法でございますけれども、こちら、取下げ理由のところでございますが、症例登録が完了し、全ての患者に対する試験治療が終了したため、先進医療Bに係る届出を取り下げる。なお、総括報告書については提出準備中であるとのことでございます。
 事務局からは、以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御意見・御質問はございますか。
 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 続きまして、最後の議題として、残りは「その他」になっておりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 事務局からは、特段ございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方から、何かございますか。
 よろしいですか。
 ありがとうございます。
 それでは、以上を持ちまして、先進医療会議をこれで終了させていただきます。



先進医療合同会議(第97回先進医療会議、第114回先進医療技術審査部会)

○日時

令和3年3月4日(木)16:40~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 佐藤(典)構成員 柴田構成員 竹内構成員
長島構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員
佐藤(雄)構成員 飛田構成員 塩川技術専門委員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他


○議題

 1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-1)(別紙1)

 

○五十嵐座長
 ただいまから、国家戦略特別区域内で実施する先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について、「先進医療合同会議」を開催いたします。
 初めに、構成員の先生方の出席状況ですが、本日は、全員御出席です。
 また、先進医療技術審査部会から佐藤雄一郎構成員、飛田構成員、塩川技術専門委員に出席をいただいております。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、先-1「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙1がついてございます。
 資料につきましては、以上でございます。
 また、今回の先進医療合同会議におきましては、Web上で行うこととさせていただいておりまして、先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただきました資料を閲覧していただきますと幸いでございます。また、御発言される先生方におかれましては、会議資料のページ、または送付のみの資料のページと、あらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 資料等につきまして、委員の先生方、よろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御説明願います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございません。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 本日出席されている構成員におかれましては、申告すべき利益相反はないということでよろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 次に、事務局から「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」の資料が提出されております。これにつきまして説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-1の資料に基づきまして、御説明をさせていただきます。
 今回、御審議いただきます技術は、整理番号148番、技術名は、小児膠芽腫に対するNovoTTF-100Aシステムによる腫瘍治療電場療法でございまして、適応症については、テント上膠芽腫と診断された小児患者でございます。係る費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 こちら、先進医療技術審査部会における事前評価につきまして、主担当として山口構成員、副担当として飛田構成員、佐藤雄一郎構成員、塩川技術専門委員にお願いしてございまして、総評としては、「条件付き適」の御評価をいただいております。
 また、先進医療会議における事前評価につきましては、新井構成員にお願いしてございまして、総評として、「条件付き適」の御評価をいただいております。
 続きまして、医政局研究開発振興課より追加の御説明がございます。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。
 資料別紙1の32ページを御覧いただけますでしょうか。
 こちら、様式第9号として左上に記載してございますが、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものとしてお示しさせていただいております。
 1番目、実施責任医師の要件ですが、診療科は、小児科または脳神経外科が必要。資格は、日本小児血液・がん学会小児血液・がん専門医または日本脳神経外科学会脳神経外科専門医が必要。当該診療科の経験年数は6年以上が必要。当該技術の経験年数は不要。当該技術の経験症例数も不要となっております。
 その他としまして、ノボキュア社が行うNovoTTF-100A認定講習会を受講することとなっております。
 2番目、医療機関の要件ですが、診療科は、小児科及び脳神経外科が必要。実施診療科の医師数は、小児科は日本小児血液・がん学会小児血液・がん専門医が1名以上、脳神経外科は日本脳神経外科学会脳神経外科専門医が1名以上必要となっております。
 ほか、診療科の医師数は不要。その他、医療従事者の配置も不要となってございます。
 病床数は、200床以上が必要。看護配置は、7:1看護以上が必要。当直体制は必要。緊急手術の実施体制、院内検査の24時間実施体制、他の医療機関との連携体制は、いずれも不要となっております。
 医療機器の保守管理体制は必要。医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要となっております。
 33ページにお進みいただきまして、3番目、その他の要件としまして、頻回の実績報告は不要。その他、上記以外の要件は特にございません。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、御説明をこれからしていただきたいと思います。
 先進医療技術審査部会における事前評価につきましては、先ほど御説明がありましたけれども、主担当を山口構成員、副担当を飛田構成員、佐藤雄一郎構成員、塩川技術専門委員にお願いをしております。
 初めに、山口構成員より、概要の説明と実施体制の評価をお願いしたいと思います。
○山口構成員
 それでは、別紙1を御覧いただけますか。
 本技術の対象は小児の神経膠芽腫であり、極めて予後の悪い病気かと思います。成人の神経膠芽腫ももちろん同様に悪いですが、今回は、小児を対象に、5歳から18歳未満までを対象にこの機器を使用したいということで、この安全性を確認する試験でございます。
 この機器は、別紙1の24ページのように頭にシステムを貼りつけて、交流の電気を流して細胞の増殖を抑制するという原理で行われたものであります。米国では、臨床試験も行われまして、ある程度の有効性が認められましたので、成人に対しての適用は認められて、かなり行われているようであります。この写真を見ますと分かりますように、こういう状態でずっとやるわけですけれども、1日に2時間3時間ということではなくて、少なくとも1日18時間以上装着しないと効果が十分得られないということで、この状態でずっと18時間過ごすのは相当大変だということは容易に想像できます。ポータブルで持ち運びできるようにするのでやれるというところがみそのようです。一応海外で臨床試験が行われて有効性を認められてはいるのですけれども、実はもろ手を挙げて、それでよいという判断ではないようで、その臨床試験の質に関しては、いろいろ議論がまだあるようです。ですから、画期的な治療で、これをやることで格段に成績が伸びているということではなくて、ほかに手がないので広く行われているという評価かと思います。
 小児については、この使用例も海外ではある程度はありますけれども、レポートもきちんとされていません。安全性はある程度大丈夫だということはあるのですけれども、有効性に関しては、ほとんどデータがないというのが実情かと思います。
 私の評価のところで言いますと、実施体制の評価は、実施責任医師の体制は「適」、医療機関の体制は「適」といたしました。有用性も「適」といたしましたが、これは成人におけるデータを外挿すると可能性はあるという程度のものであって、全く未知数と言わざるを得ません。先ほど申し上げましたように、非常にミゼラブルな、非常に足の早い、予後の悪い疾患ですので、少しでも可能性のあるものは試してみたいという期待を含めて一応「適」といたしました。
 実施体制につきましては、以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは続きまして、塩川技術専門委員より、実施体制の評価をお願いいたします。
○塩川技術専門委員
 杏林大学脳神経外科の塩川と申します。初めて参加します。
 実施体制は、今、御説明があったように、希少疾患ではありますが、通常の神経コースの治療で既に行われている治療をそのまま外挿してやるということで、体制についてはよろしいのではないかと思いました。
 この場でコメントの御説明とかもするのでしょうか。
○五十嵐座長
 どうぞ、今お話しください。
○塩川技術専門委員
 分かりました。
 書き方が分からなかったので、最初は3回ほど書きかえたのですが、1点については、私は、成人の患者さんが外来で張りかえているのを立ち会って見たこともあるのですけれども、実施計画書の14ページには、頭の大きさの形で子供の場合は、5歳以上になってくるとそんなに大きさの条件は成人と同じぐらいでよろしいというようなことが書いてあるのですけれども、現場では、大人ですけれども、少しずつ貼る場所を変えたりとかして、皮膚のダメージを防ぐようなことをしているというようなことが、やっていることからありましたので、その部分がまとめられたところでは、資料の文献の6とか7で、小児は含まれていて問題ない旨の記載もあって、そういうお答えもいただいたのですけれども、現場では、少しずつ傷の様子を見ながら変えているというようなことがあるようですというのが1点です。
 あと、ここには記載をしませんでしたけれども、報告を読むと、26コース24か月で、丸2年ぐらいは本来はするものなのでしょうけれども、報告例は全部で6例あるようですけれども、いずれも、せいぜい13か月とか5か月とか短い。長期的な子供の患者にやった場合の経験がちょっとはっきりしないのではないかなということと。
 あと、これもほかの方が御指摘されていましたけれども、日本脳外科学会では、脳腫瘍統計をしていると、小児の膠芽腫とかいうのは、テント上、テント下を合わせても、4年間で60例ぐらいなので、その症例の成績というのも、診療のシステムが出来上がっていればよろしいと思うのですけれども、少し心配があるかなという、その3点ですね。実際問題の貼りつけの皮膚の問題と小児の期間の観察が十分であるかというのと、あと、症例の集積が可能かというようなことを、初めてこの役割を担当させていただいて、少し不安はあったのですけれども、それを「不適」とするほどではないとも思いましたので、その3点について感じた次第です。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。大変貴重な御指摘をいただきました。
 続きまして、佐藤雄一郎構成員から、倫理的観点からの評価をお願いいたします。
○佐藤雄一郎構成員
 佐藤でございます。
 別紙のページ2を御覧ください。倫理的観点からの評価として、4の「同意に係る手続き、同意文書」として、5の「補償内容」共に「適」とさせていただきました。
 9ページ目のところで、説明文書について少しコメントをしましたが、それは大きな点ではございませんで、この器具については、当然に未成年者が対象になるわけですけれども、アセント文書を含めてきちんと整備されていると思いましたのと、補償については、臨床研究法が求める内容を備えていましたので、倫理的観点からは「適」とさせていただきました。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、飛田構成員から試験実施計画書等の評価をお願いいたします。
○飛田構成員
 よろしくお願いします。
 私の評価に関しては、別紙1の3ページにあるわけですけれども、初めに、別紙1の25ページに、「薬事承認申請までのロードマップ」が記載されていますので、そこをちょっと確認していただきたいのですが、研究者の先生方は、本先進医療を行った上で、将来的にはPMDAに薬事承認、小児適応を拡大するということを予定されています。それをちょっと念頭に、私のコメントに戻っていただきたいのですけれども、一応いただいている資料の中で6番目から16番目の項目、いずれも「適」にさせていただきましたけれども、本医療技術の適応拡大が小児適応を目的として、もう既にPMDAとの相談も受けられて計画された試験計画になっているのですけれども、プロトコールの有効性・安全性評価に関する記載の内容が一部不適切な表現がありましたので、その点について幾つか照会をさせていただきました。
 その後、適切に修正が行われましたので、いずれも「適」という判断をしています。
 適切ではないという点については、ちょっと紹介させていただきますと、この試験は、研究者の先生方が本研究の中でこの医療技術の有効性・安全性を適切に評価するというスタンスで行われているはずですけれども、有効性・安全性の評価に関する内容のところに、いずれもPMDAが総合的に判断してくれるみたいな内容が記載されていたというところを少し修正していただいているという趣旨です。
 それ以外に、実施条件に関しましては、先ほど山口先生から説明があったとおり、小児において18時間装着をするという、この装着時間と有効性・安全性に関しての関係についても、適切に事後的に評価ができるように計画をしておくことが望ましいのではないかと考えているのが1点。
 もう一つは、有効性に関する評価は、将来的な開発戦略として、成人で得られている既存の有効性のデータとの類似性を評価するということも想定し、薬事申請に持っていくことになろうかと思いますので、10例の症例数で成人の結果との何らかの類似性の客観的な基準値を設けることは難しいとは思うのですけれども、この研究を実施される研究者の先生方の中で、成人と小児のある程度有効性・安全性が似ているというところの基準は何らか設けておいたほうが、後々の開発時に有利な議論ができるのではないのかなと考えています。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、これまでの御意見を踏まえまして、山口構成員に現時点での先進医療技術審査部会としてのおまとめをお願いいたします。
○山口構成員
 資料1の3ページを御覧いただけますか。
 総合評価としては、「条件付き適」といたしました。
 継続審議と最初は考えました。というのは、塩川先生の御指摘、飛田先生の御指摘、佐藤先生の御指摘、いろいろありましたし、安全性も、これは本当にできるのかどうかということがそもそも疑問だったので、そのあたりもう少し詰めてからと思ったのです。しかし、この試験の目的は、安全性の評価ということですので、一応有効性はこれでは到底評価できないと思いますけれども、それをまずやらないと次のステップに進めないという意味で「条件付き適」といたしました。
 実施条件ですけれども、ちょっと想像しても、1日18時間大人でも大変なのに、子供さんに、頭を剃ってそれをやらせて、残された十何か月かの生活をそういう状態で過ごすことは本当にいいのかどうか疑問が残ります。生活の質を損なうことが、大きなデメリットになる可能性があると思うのです。何より、そんなことが子供に可能かということを、最初の3例できちんと評価して報告してくださいということを条件に一応スタートしていただければいいのではないかと考えて、「条件付き適」といたしました。
 実施条件は、今申し上げましたように、4ページにありますように、最初の3例について実行可能性が評価されて、その結果が部会に報告されるという条件付きで適としました。
 問題点はあるのですけれども、こういうお子さんを抱えて、わらをもすがるお母さんたちがおられること、また成人ではある程度有効性が示されているのではないかということで早く使いたいという声もあることも考えられますので、このような結論といたしました。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、今度は、先進医療会議における事前評価につきまして、新井構成員にお願いをしております。新井先生、評価結果等につきまして御説明をお願いいたします。
○新井構成員
 それでは、資料の15ページを御覧いただきたいと思います。私の評価票はそこにございます。
 まず、社会的妥当性につきましては、「倫理的問題等はない」と評価をいたしました。現時点での普及性に関しては、「C.罹患率、有病率から勘案して、普及していない」といたしました。効率性に関しては、「やや効率的」といたしました。保険収載に関しましては、一応「将来的に保険収載を行うことが妥当」といたしましたが、当然のことながら、この治療により成人と同等の治療効果をもたらすことがしっかりと検証されることが必要だろうと思います。さらに、何回か話題に出ておりますけれども、18時間というのが一応成人では治療効果の臨界点になっておりますので、保険収載の場合には、推奨治療時間をしっかりと明示していただきたいということにいたしました。
 総評ですが、私も実はは継続審議といったようなことも少し考えました。もう一つは、ここには記載してございませんけれども、申請者は、本研究の課題でAMEDの支援を受けておりますので、そちらである程度有効性・安全性を確認した上で、先進医療に持ってくるという方法もあるのではないかとも考えましたが、熟慮の上、「条件付き適」といたしました。しかしながら、これも先ほど来指摘がございますように、極めて発生頻度の低い小児の膠芽腫でありますので、この集積したデータを成人のデータと比較するとしておりますけれども、本当にそれに足るだけの症例が集まるのかということが極めて疑問であります。したがって、とにかく症例数獲得のための具体的な方策をぜひ講じていただきたいということを指摘いたしました。何回か申請者ともやりとりしたのですけれども、18時間以上の治療が望ましいということが成人で言われている訳ですが、当該申請では、治療時間に逸脱基準を設けておらず、この逸脱基準を設けないことが妥当なのかどうかが最後まで懸念として残りました。これについては、3例としましたが、最初の早い時期にしっかりと評価をして、しっかりとこの部会に報告をいただいて、継続可能かどうかも含めて審議いただくと、そういうことが妥当ではないかということで、「条件付き適」という判断にいたしました。
 以上であります。
○五十嵐座長
 どうも、御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの諸先生方の御説明に対しまして、委員の先生方、何か御質問・御意見ございますでしょうか。
いずれも条件付き承認ということで、最初の3例で実施していただいて、その結果を一度御報告をいただいて、改めて、また、審議するという、そういう「条件付き適」となりましたけれども、それでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ほかの先生方から特に御異議がないようですので、そのように決定したいと思います。
 どうもありがとうございました。
 では、本日の議論はこれで終了したいと思います。次回の先進医療会議の開催について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和3年4月9日(金)16時からを予定しております。場所については、別途御連絡をさせていただきます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 では、先進医療合同会議はこれで終了いたします。御協力、どうもありがとうございました。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(了)

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