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2021年1月7日 先進医療会議・先進医療合同会議(第94回先進医療会議、第110回先進医療技術審査部会)

○日時

令和3年1月7日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 佐藤(典)構成員 柴田構成員 竹内構成員
長島構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員
上村構成員 伊藤(陽)構成員 佐藤(雄)構成員 村垣技術専門委員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他


○議題

 1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-1)(別紙1)

○議事

〇先進医療合同会議(第94回先進医療会議、第110回先進医療技術審査部会)
16:00開会

○五十嵐座長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、国家戦略特別区域内で実施する先進医療Bに係る新規技術の科学的評価を目的に「先進医療合同会議」を開催いたします。
 構成員の先生方の出席状況について御報告いたします。本日は全員御出席です。
 また、先進医療技術審査部会から上村構成員、伊藤構成員、佐藤構成員、そして、村垣技術専門委員に出席していただいております。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りについてはここまでとさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿と続きまして、先-1「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている1枚紙の資料がございます。
 こちらには別紙1がついてございます。
 資料につきましては、以上でございます。
 また、今回の先進医療会議におきましてはウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただきました資料を閲覧していただければと存じます。御発言される先生方におかれましては、会議資料のページ、または送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。 
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 資料につきまして、皆さんよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果につきまして、事務局から報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について報告いたします。
 柴田構成員、藤原構成員、竹内構成員、上村構成員、村垣技術専門委員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号145の技術について御報告がございました。
 柴田構成員、藤原構成員におかれましては、検討対象技術について、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることはできません。
 竹内構成員、上村構成員、村垣技術専門委員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討に加わることは可能でございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、そのほかの出席されている構成員におかれましては、申告すべき事例はないということでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 次に、事務局から「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」の資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほど説明いたしましたとおり、柴田構成員、藤原構成員は当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになりますので、大変申し訳ございませんが、御退席いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 (柴田構成員、藤原構成員退室)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 それでは、改めまして、先-1の資料に基づきまして説明をさせていただきます。
 今回御審議いただきます技術は、整理番号145番、技術名は「初発膠芽腫に対するテモゾロミド併用放射線初期治療後のメトホルミン併用テモゾロミド維持療法」で、適応症については、初発膠芽腫でございます。かかる費用につきましては、資料にお示ししたとおりでございます。
 先進医療技術審査部会における事前評価につきまして、主担当として上村構成員、副担当として伊藤構成員、佐藤構成員、村垣技術専門委員にお願いしてございまして、総評としては「適」の御評価をいただいております。また、先進医療会議における事前評価につきましては新井構成員にお願いしてございまして、総評として「適」の御評価をいただいております。
 続きまして、医政局研究開発振興課より追加の御説明がございます。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。
 お手元の資料先-1の別紙1、30ページを御覧ください。こちらは先進医療実施届出書様式第9号となりまして、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものをお示ししております。
 まず1番目、実施責任医師の要件で、診療科は脳神経外科もしくは脳脊髄腫瘍科、資格は日本脳神経外科学会脳神経外科専門医が必要となってございます。当該診療科の経験年数は7年以上が必要。当該技術の経験年数及び当該技術の経験症例数は不要となってございます。その他としまして膠芽腫に対する治療経験10例以上が必要となっております。
 2番目、医療機関の要件でございますが、診療科は脳神経外科もしくは脳脊髄腫瘍科、糖尿病内科が必要となっております。実施診療科の医師数は経験年数7年以上の脳神経外科医が3名以上必要。他診療科の医師数としまして経験年数5年以上の糖尿病内科医師が1名以上必要となっております。その他医療従事者の配置としまして薬剤師が必要、病床数は500床以上、看護配置は7対1看護以上、当直体制は内科系または外科系医師1名以上、緊急手術の実施体制が必要、院内検査の24時間実施体制が必要となってございます。他の医療機関との連携体制は不要となっております。また、医療機器の保守管理体制が必要です。医療安全管理委員会の設置が必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要となっております。
 3番目、その他の要件としまして、頻回の実績報告等は不要で、その他(上記以外の要件)についても不要となってございます。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、この整理番号145ですけれども、先進医療技術審査部会における事前評価につきまして、主担当を上村構成員、副担当を伊藤構成員、佐藤構成員、村垣技術専門委員にお願いしております。
 初めに、上村構成員から、概要の説明と実施体制の評価につきまして御説明をお願いいたします。
○上村構成員
 よろしくお願いいたします。
 この先進医療の名称ですけれども「初発膠芽腫に対するテモゾロミド併用放射線初期治療後のメトホルミン併用テモゾロミド維持療法」でありまして、国立がん研究センター中央病院からの申請であります。
 技術の概要ですが、別紙1にありますとおりでして、現在の膠芽腫に対する標準治療は、腫瘍摘出術後のテモゾロミド併用放射線治療及びテモゾロミド維持療法でありますけれども、最新の治療法をもってしてもいまだに予後不良な疾患で、新たな治療法の開発が必要とされているということでございます。
 がん幹細胞は非がん幹細胞と比較して放射線及び化学療法に耐性であり、腫瘍再発の原因となる可能性が考えられている。したがいまして、腫瘍再発を防ぐためには、がん幹細胞を標的とした治療の開発が重要と考えられるが、申請者らは2型糖尿病治療薬のメトホルミンが膠芽腫の腫瘍内に少数含まれているがん幹細胞を標的とする可能性に着目いたしました。
 本試験では、初発膠芽腫に対する国内標準治療でありますテモゾロミド維持療法にメトホルミンを追加することにより、再発までの期間が延長するかどうかを検討する探索的な臨床試験であります。初発膠芽腫に対する開頭腫瘍摘出術後の初期治療であるテモゾロミド併用放射線治療終了後のテモゾロミド維持治療に、メトホルミンを併用するものであります。内容といたしましては、メトホルミン併用テモゾロミド維持治療を6コース施行後にメトホルミン単独治療をメトホルミン事前投与開始日から365日目まで投与するものです。
 この試験ですけれども、2つのパートから成っておりまして、Phase Iの部分ではメトホルミンの推奨用量を決定するパートであります。Phase IIの部分ではPhase Iで決定されました推奨用量で症例数を重ねまして、安全性と有効性に関するデータを収集するという提案であります。
 主要評価項目としましては、Phase Iの部分では用量制限毒性(Dose limiting toxicity, DLT)の発現割合。それから、Phase IIの部分で12か月間での無増悪生存割合を見ていくことになります。
 副次評価項目としましては、有害事象発現割合、6か月無増悪生存割合、12か月無増悪生存割合、12か月生存割合、それから、全生存期間、奏効割合、有害事象発生割合、プロトコル治療完遂割合ということになります。
 予定試験期間としましては、試験開始から4年間ということになります。
 目標症例数ですが、Phase Iの部分で6例、最大で12例まで。それから、Phase IIの部分でPhase Iの症例と合わせて22例を予定しているというものです。
 簡単に、その内容につきましては、お手元の資料の別紙1の19ページ、このような資料がついていると思いますけれども、ここに内容をまとめたものがあります。
 以上、技術の概要になります。
 私のほうでは、まず、実施責任医師等の体制、それから、実施医療機関の体制、医療技術の有用性等についての評価をさせていただいております。
 これにつきましては、まず、実施責任医師と医療機関に関しましては、これは我が国を代表する専門施設でありますので、ここについては申し分ないのかなと思っておりますということで「適」とさせていただいております。
 一方で、私のほうからは少しコメントといいますか、特に医療技術の有用性というところに関しての若干の疑義がありますので、指摘をさせていただいております。
 チョイスとして「適」か「不適」かという2つしかございませんので、現時点では完全に「適」と判断しているわけではなくて、やはりいろいろなところから議論を重ねた上で少し慎重に進める必要はあるのかなということで「不適」とさせていただいております。その理由として少しコメントを述べさせていただきます。
 この技術ですが、少なくとも、いわゆるin vitroでの実験系でこのメトホルミンに関する有効性が示唆されているということがまず一つございます。
 さらに、先行研究によりましてvivoの系におきましても、高用量ではありますが、一定の有効性が示されているということで、これらの基礎研究でのデータがこの臨床使用を先進医療として実施することの合理的根拠となっております。
 一方で、このメトホルミンですけれども、当然、臨床で有効性を発揮するためには少なくとも標的であります膠芽腫細胞に到達する必要があるわけですが、このメルグルコというものが商品名、メトホルミンになりますが、これのインタビューフォームの中にも記載がありますけれども、これはCarbon-14でラベルしたメトホルミンを使用して、これはラットのデータになりますが、組織の分布について記載がございます。その中ではメトホルミンの脳中での濃度は低かったという記載があります。
 これは実際に、このCarbon-14の組織分布データというものを別紙1の私のコメントの欄の中にペーストさせていただいておりますけれども、この薬物、メトホルミンですが、少なくとも脳内移行が良好な薬物とはちょっと言い切れないということが一つ懸念材料かと思います。仮に血液脳関門、Blood-brain barrierを通過するとしても、局在する膠芽腫細胞に到達するか。そこはまだアンノウンなところがあるのかと思っております。
 それから、膠芽腫患者の治療において、どの程度のメトホルミンの暴露量が実際に必要かというところはまだ明らかになっておりません。
 本提案を支持する先行の研究としましては一連の基礎研究があるということを先ほど申し上げましたけれども、最初にvitroの実験系です。この中で使用されましたメトホルミンの濃度ですが、1~50mMという極めて高い濃度のメトホルミンが使用されております。このような濃度は、メトホルミンの通常の臨床の用量では、まずヒトで達成することは可能性としてほぼないというふうに評価しております。
 一方で、vivoの系につきましては、少しプロミシングな部分も見えてまいります。メトホルミン500mg/kgを腹腔内投与したモデル、脳腫瘍モデルマウスにおきましてマウスの生存期間が延長しているデータがございます。その際のラットでのメトホルミンの暴露量で、これは血中の濃度であったり、脳中の濃度であったりということになるわけですけれども、そこは不明なのですが、先行研究、類似のマウス等でのデータから推測する必要があるのかなと思っています。
 一般にこういった動物での薬物動態は分かっているけれども、ヒトでの薬物動態が分からないといった場合、これは特に私は臨床薬理を専門にしておりますので、新薬を初めてヒトに投与するような、いわゆるヒト初回投与試験と言われるような臨床試験の場合にはヒトでのデータがないので、動物の用量からヒトの用量を推定していく。そういう手法が用いられます。
 そういったときに、いわゆるヒト等価用量、Human equivalent dose(HED)という概念がありますけれども、そういった計算式がありまして、体表面積からの概算をやります。比較的よく当たるのですが、申請者らはこのHuman equivalent dose(HED)を恐らく使われたのだと思うのですけれども、メトホルミン500mgをラットに投与することは、ヒトに換算すると約45mg/kgと推定しておられます。これは体重50kgの患者さんにしてみれば2,250mg/dayになりますので、臨床で使えるメトホルミンの最高用量に近いところにあるということであります。
 なので、期待感としては、この最高用量をもってすれば、このラットで得られた暴露量に近いところまでヒトに持っていけるのではないかということであります。
 この考え方自体は特に間違っているということではないのですが、一方で先行論文の中で過去にDowlingという方が2016年にマウスの腫瘍におけますメトホルミンの薬物動態、それから、その臨床的な意味というところを、マウスでのデータを、実測値を基にして考察されております。その中で、これはマウスのモデルなのですけれども、もちろん、今回のメトホルミンで使われたモデルとは全く違うモデルですので、同じ暴露量になるかというのは全く分からないわけですが、参考にはなるかと思っております。
 そういった先行論文におきましては、125mg/kgを使用したときに、投与直後から0.5時間、それから、1時間後付近での平均の血中濃度は約180μM、42μMであったことが記載されております。これもそのデータを別紙の中にペーストさせていただいておりますので、御覧いただけると分かると思うのですけれども、これを500mg/kg、すなわち、これがメトホルミンのvivoのスタディーで使用された濃度ですが、これに換算することが必要になってきます。単純に4倍することが適切かどうかというのは分かりませんけれども、現時点ではその辺の情報がありませんので、単純に4倍しますと、換算量としては736μMであるとか168μMという濃度になってまいります。
 今回の提案では、安全性と忍容性が確認できれば2,250mg/day、すなわち750mgの1日3回投与ということだと思うのですけれども、これを用量を上げることができるということですが、仮にこの試験で最高用量までPhase IIで、部分で投与量を上昇させることができたとしても、このような736μMであるとか168μMといった極めて高い濃度を維持することは難しい、ほとんど不可能であると考えております。
 これはざっとした計算なので参考程度に見ていただきたいのですけれども、別紙1の中にメトホルミンの濃度換算ということでマイクロモーラー、ミリモーラー、それから、マイクログラムパーミリリットルといろいろな数字が出てきますので、メトホルミンの分子量を約165として換算させていただいたものをつけさせてもらいました。これは私が計算しているので、ちょっと細かくいくと数字が変わる可能性はあるかもしれませんが、およそvitroの試験で使われた1mMとか50mMというものは、マイクロモーラー換算でいくと1,000μMとか5,000μM、5万μM、マイクログラムパーミリリットルという単位で換算すると165μg/mLとか8,250μg/mLとか、そういう濃度になります。
 vivoの実験では、先ほど申し上げたように、168μMとか736μMという数字になりますので、大ざっぱに150~700μMぐらいということであれば、4ページ目の表に示していますけれども、vivoでの実験系で得られた濃度はこのぐらいのレンジになるということです。
 一方で、患者さんにメトホルミンを投与したときにどの程度の血中濃度になるかということなのですが、およそですけれども、いわゆるCmaxでいくと、臨床で使われているメトホルミンの濃度は1μg/mLとか、その程度であると言われております。一般論として言いますと、腎障害があるような患者さんでちょっと気をつけなければいけないと言われているような濃度が5μg/mLであると記憶しておりますので、そうなってくると、このメトホルミンを使用したvivoでの実験系で得られたであろう血中濃度と、ヒトでの臨床で使用されているメトホルミンで得られる濃度に関しましては、少なくとも3倍、下手すると10倍、もっと高い乖離が見られるということであります。
 実際にヒトにメトホルミンを投与したときの血中濃度の推移が5ページ目のグラフに、これもメルグルコの添付文書からペーストさせていただいておりますが、ここに出てくるような濃度になります。例えば1,000ng/mLとか2,000ng/mLというものがピークで出てきていますけれども、これはナノなので、1,000分の1になるとマイクロということになるわけですが、そういった濃度になります。
 こういったデータを見ますと、臨床用量でのメトホルミンを投与したときに、このメトホルミンの薬物動態全般的な傾向から推定すると、有効な血中濃度もしくは脳中の濃度に患者さんで達しない可能性はあるのだと思うので、そういった中でこういった技術を先進医療として実施していくべきなのかということについては少し慎重に検討すべきかなと思っています。
 幾つか疫学的な研究もありまして、そこでもメトホルミンの使用が、臨床でメトホルミンを使っていらっしゃるがんの患者さん等において生存率が良かったとかという話は幾つか報告があるのですが、その中で複数のランダム化比較試験、RCTが実施中のようです。かなり苦戦している様子がうかがえます。なかなか何年間もアクティブのまま、データベースの中で公開されているものもあるようですけれども、少なくとも、これは申請者からもこのRCTについてはコメントがありましたが、1つ完了している臨床試験としては、これは進行性膵がんの患者さんを対象としてプラセボ対照でのメトホルミンのRCTというものが含まれていますけれども、少なくとも、その中でプライマリーなエンドポイントに関しては有効性が示されておりません。
 一方で申請者が指摘していることとしましては、このメトホルミンの効き方が非常にグルコースの濃度に依存して変わってくる可能性が非常にあるということを見いだされておりますので、ひょっとするとそういった糖尿病の患者さんでたまたまメトホルミンを使っていて延命効果があるのかといった話をすると、糖尿病の患者さんは当然、グルコースの濃度としては高めで推移していますので、そういったヒトでは薬効があまり期待できないのではないか。そういう仮説が成り立つということであります。
 今回御提案されている患者さんの選択としては、非常にグルコースの代謝という意味では比較的、糖尿病のないような患者さんでやってみましょうということで御提案されていますので、もしかしたら効き目がそこで増強される可能性がありますので、必ずしもこれまでの先行研究の薬物動態と薬効の関係性だけで全てが説明できるわけではありませんので、そういった有効性に関しての不確かな部分もある中でこの試験をこれから進めていくべきかを少し考える必要があるかなと思っております。
 なので、私からはやはり有効性がひょっとしたら期待できないかもしれないといった不確かなところもあるのですけれども、それを言い出すと何もできなくなってしまうので、少しでもこの可能性のあるものについてはトライしていこうというスタンスでいくということであれば、十分に仮説としては面白いし、非常に重要な仮説であるので、検証していくのには医学的な意味はあるのかなと思っております。
 それから、やはりメトホルミンの安全性に関しては、非常にこれは歴史的には古くから使われているお薬で、ちょっと我が国では多少、糖尿病でいろいろな副作用の問題とかがあって、少しファーストラインから外れていた時期もありましたが、恐らく現在ではもうファーストラインで使っていて、非常に安全性という意味でも安心感のあるお薬だと思います。
 しかも、薬価的にも非常に安いお薬で、これがまた企業治験に行かないファクターにもなっているという、ちょっと皮肉な部分もありますが、逆に非常に安いお薬ですので、こういったもので少しでも有効性が期待できるのであれば患者さんに使ってみたい方もいらっしゃるかもしれません。その辺はやはり臨床ニーズも非常に高いことも理解していますので、少し議論しながら意思決定をしていけばいいのかなと思っております。
 私からは一旦、ここで説明としては止めさせていただきまして、ほかの先生方の御意見も伺ってみようかと思っております。
 以上になります。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。詳細な御説明をいただきました。
 続きまして、村垣技術専門委員より実施体制の評価をお願いいたします。
○村垣技術専門委員
 村垣です。
 実施体制は、先ほどお話があったように、我が国で神経膠腫の治療に関しては実績のあるところであり、また、がんセンターの中でJCOGの脳腫瘍グループがありまして、その中で様々なプロトコル(の立案)と、試験の実施を、ランダム化含めて行っていますので、特に問題ないかと考えております。
 先ほど上村先生から非常に詳しい薬理学的な解説があったところ、脳内移行と用量等の懸念はあるとは思います。ただ一方で今回、基礎実験からベッドサイドという側面もあり、かつこれまで長年使われていた薬のドラッグリポジショニングであり我々、臨床家としても、検討すべき候補薬剤でないかと考えます。
 あまり神経膠腫の患者で糖尿病を合併している方が少ないので、今回、放射線化学療法後の維持療法においてメトホルミンとテモゾロミドの併用療法は経験が少なく、その辺のところで両方の薬剤を合わせての加療はモニタリングを十分して、最初の段階で予想外の副作用に注意すべきかと考えています。
 一方でプロトコル自体に関しては、非常に標準的な治療法を用いているものにプラスメトホルミンということなので、大きな問題はないかと思います。
 ただ1点だけ、少し懸念のあるところは実際、このテモゾロミドが承認された放射線対放射線+テモゾロミドのランダム化試験ですが放射線化学療法後の維持療法、(5日飲んで23日休む)を6クールがプロトコルであります。今回のプロトコルは、6クールを採用しております。一方でメトホルミンは、ずっと併用しながらテモゾロミドの6コース終わっても継続する形であります。
 エビデンス的には6コースで終わることが標準的ではあるのですが、日本の保険診療がすばらしい部分もあって、おおよそ日常臨床では割と12コースまで続けることが日常臨床でも多く、みなし的には12コース行われていますので、今回のテモゾロミドは6コースで終了してメトホルミンのほうを継続していくことに関して、逸脱が多くなる懸念があるかと感じております。
 と申しますのは、膠芽腫のPFSが大体7か月ということで、6コース終わった後に再発する形が多いので、その辺を含めて患者さんへの十分な説明とともに、今後、モニタリングにおいてそういった逸脱が多ければテモダールを12コースまで増やすことなどもありかなと感じました。臨床的な側面からは以上です。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、佐藤構成員から倫理的観点からの評価をお願いいたします。
○佐藤構成員
 佐藤でございます。
 先ほど上村先生からあった、この薬が膠芽腫の細胞に届くかどうかというのは、広い意味では倫理的な判断、リスクベネフィットの判断に入ることですけれども、今回の審査に当たりましては、その点については審査対象とはせずに、もう少し狭い範囲で審査を行っております。
 別紙1の6ページ目のところに【倫理的観点からの評価】という欄がございます。
 申請者と少しやり取りをさせていただいて、それは10ページ以下に書いてございますが、幾つかの点がクリアになりました。倫理的な側面からは問題がないと判断いたしまして、4と5については両方とも「適」とつけてございます。
 以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 続きまして、伊藤構成員から試験実施計画書等の評価をお願いいたします。
○伊藤構成員
 試験実施計画書等の評価を行いました。
 6から16までのところを検討した結果、特に問題となる点はないと思いますので、全て「適」という形で評価させていただきました。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明をまとめまして、上村構成員、現時点での先進医療技術審査部会としての総括をお願いいたします。
○上村構成員
 ありがとうございます。
 現時点におきましては、ちょっと私の個人的な意見も入りますけれども、やはり医学的なニーズというのでしょうか、患者さんの予後が非常に悪い病気で、お困りの患者さんがいて、そこに少しでも可能性があるのであれば、有効性が期待できるのであればトライしていくのは方向性としては間違っていないのではないかとは思っています。
 ただ一方で、効かない可能性もあるので、そこはやはり患者さんとも十分なコミュニケーションを取りながらやっていかれるということではないかと思います。患者さんにしてみても、そこはしっかりと説明していただいて、それでもこのメトホルミンを使ってみたいとおっしゃる方は恐らくいらっしゃると思うのです。そういった方の期待にも応えるという面もあるかと思います。
 それと、やはりメトホルミンがなんだかんだ言って、安全性という意味では、これをアドオンすることで物すごく安全性の懸念があるとかというのですと、これは別だと思いますが、しっかりとした施設でされるし、かつかなり慎重にアドオンされていって、最終的には最高用量まで行くということでしょうけれども、まず最高用量まで行けると思います。それの上で評価をされるということ。
 それから、これは非常に探索的な試験ということで、数としては全体で22名という比較的スモールな、規模の小さな試験でディシジョンメーキングしましょうということで進められておりますので、なるべくこういった試験はコンパクトにまとめていただいて、これは方向性がどうなのかというのをまず見極めていただくことは非常に重要かなと思っていますので、全体的にそういったところがこの会議体の中で支持いただけるということであれば「適」でよろしいのではないかと思っております。
 それが私の総括になります。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、先進医療会議における事前評価について新井構成員にお願いしておりますので、新井構成員から評価結果等について御説明をお願いいたします。
○新井構成員
 新井でございます。私から評価について報告申し上げます。
 まず、社会的妥当性、倫理的な問題等でございますけれども、これに関しては倫理的な問題はないと判断させていただきました。
 また、現時点での普及性に関しましては「C.罹患率、有病率から勘案して、普及していない」といたしました。
 効率性に関しては「B.やや効率的」とさせていただきました。ここについては今、主担当の上村先生からお話がありましたように、その効果についてはまだはっきりしない部分があるという御指摘もございましたし、それを踏まえて「B.やや効率的」といたしました。
 ただ、将来的に保険収載の必要性があるかどうかと問われますと、やはりこれがしっかりと効果が確認されれば、この妥当性はあると思っております。もちろん、先進医療の下で実施される第I/第II相試験を経て、その後の第III相試験をもって、その有効性を検証する必要があることは申すまでもないことであります。
 総合判定は、私は「適」とさせていただきました。この膠芽腫の治療に関しましては、今、るる御説明があったとおりでありまして、この半世紀、正直申し上げて、治療成績はほとんど改善しておりません。2005年にテモゾロミドの有効性が、エビデンスを持って検証されたわけですが、それも生存中間値が、12か月が14か月半と2か月ほど延びた程度でありまして、やはりこれの治療成績をいかに改善するかというのが今でも大きな課題になっております。
 そういう意味では、少しでも可能性があるものは是非実施していただきたいと思います。ただ、もちろん、しっかりとモニタリングをしていく必要はあろうかと思いますが、そういうことを踏まえて総評は「適」とさせていただきました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 新井先生、どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○山口構成員
 山口です。大変詳しい説明をありがとうございました。
 このメトホルミンですが、到達性の担保できるような脳腫瘍以外の腫瘍系でメトホルミンの有用性はかなり証明されていると理解してよろしいのでしょうか。
 といいますのは、やはり病巣に到達しない薬剤が効くはずがないと思いますが、もし到達した場合、必ず相当の効果が得られているというエビデンスがたくさんあれば検討する価値はあると思います。そういう有効性に関するエビデンスも少なくて、到達性にも問題があるということであれば、可能性があれば何でもやるということになり、本来の先進医療とは違うものになると思いましたので、質問させてもらいました。
○上村構成員
 恐らくほかの専門の先生方のほうがこの辺はお詳しいのかもしれないですけれども、かなり以前からこのメトホルミンの抗がん効果について注目されていたことは背景としてあるようです。
 それで、幾つかの疫学的な、クロスセクショナルなスタディーの中で、メトホルミンを使用している方が生存が長いという幾つかの報告がやはりあるのはあるのです。ただ、これはやはりどうしても前向きのものではありませんので、いろいろな交絡するような因子とかがある中での話になります。そのメカニズムについては、いろいろなメカニズムが言われているわけですが、少なくともいろいろな基礎的な研究もなされてきた。そういう背景です。
 そういった背景がある中でRCTが幾つか組まれていて、全てはリスト化していないのであれですけれども、少なくとも米国のデータベースとかを見る範囲ではメトホルミンとプラセボの比較試験のようなものが複数のがん腫を対象として実施中であります。先ほど申し上げましたように、少なくとも進行性膵がんについてはネガティブであったということのようですが、幾つかそういったものがあるところです。
 なので、必ずしも十分な臨床的なエビデンスがあるかといいますと、疫学的なところ以外はかなり薄いという、逆に言いますと、これからRCTとかをやはりやっていかないと本当の意味での決着はつかないのかなということであると思います。
 実際に、今回の幹細胞の分化の変換を介したメカニズムに関して言いますと、基礎的な研究においては非常に高い濃度でされていますけれども、それが本当に適切な濃度かというのは、実はよく分からないのです。もっと低いところでのデータがないのかというところも含めて少し照会させていただいたのですが、実際の例えば最小有効用量みたいなものは本当の意味で確立はしていないのです。なので、先生がおっしゃるように、脳に入っていくかどうかと言われると、ちょっと分からない部分は確かにあります。
 ただ一方で、先ほど説明の中では割愛させていただいたのですけれども、別のグループがやはりメトホルミンの脳内移行についてかなり詳細に調べたものがあるのです。私の別紙の中でのメトホルミンの分布のデータはCarbon-14でラベルして、脳を結構ごっそり持ってきて、えいやですり潰して、どのぐらい入っているかとか、あるいはCarbon-14なので、全体でラジオアクティビティーがどのぐらいあるかみたいな非常に大ざっぱな評価をしたものになるのです。そうすると、全体的に見ると確かに脳の中ではあまり入っていないのかなということになります。
 一方で別のグループ、これは添付文書とかインタビューフォームとかに載っていないデータなのですが、パブリッシュされたデータによりますと、少なくとも髄液中には4倍ぐらい。数字が正確に4倍であったか、分からないですけれども、少なくとも数倍の濃度勾配で、髄液にはメトホルミンはかなり移行性はいいようです。つまり、それは意味するところは、一旦、髄液には入れるのですが、そこから先、脳の中に行くかというところで少しいろいろなメカニズムが存在していて、全体的に見ると入っていないということだと思うのです。
 それで、基礎研究の中で明らかになっているものは、実は局在する可能性というところで少し言及させていただいたのですけれども、脳の部位によってかなり分布が違うのです。これは、1つはメトホルミンという薬は非常に薬的には面白い薬で、いろいろなトランスポーターを介して入ったり出たりとかというものを多分しているのだと思うのです。そうすると、場合によってはある脳の部位においては非常に高い濃度で入っていったりとか、逆にある部位においてはポンプアウトされてしまって入っていかないという現象が起こっている可能性はあるので、そこはこれから例えばそれを一生懸命調べようとすると、恐らく1年とか2年では多分終わらないような研究になってしまいます。
 なので、そこまで求めるのであれば止めてしまうのも一つの可能性としてはないことはないのですが、複数のRCTも走っている中で、非常に小さな試験で、越えるべきハードルとしても50%ぐらいのヒトに無増悪生存が見られるということを言われていますので、それを達成できるかということを22人ぐらいの患者さんで試してみるということですので、サイエンティフィックにはちょっと弱い部分もありますけれども、十分なラショナルはあるのかなとは思います。
 これは私の個人的な意見がかなり入っていますけれども。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 山口先生、いかがですか。
○山口構成員
 ありがとうございました。
 正常の脳の組織ではなかなか移行は悪いのかもしれませんけれども、脳腫瘍の場合、腫瘍の部分では移行性が違ってくる可能性もあるので、可能性がゼロということは確かにないと思います。ただ、RCTが走っているのであれば、本当に到達していることが分かっているもので効くのだということが、ある程度エビデンスが出てからこういうスタディーを始めても遅くなかったのではないかという気がします。
 いろいろな事情があるのでしたら、今回はやむを得ないとは思いますが、いずれのエビデンスも低い形で少しでも可能性があればやるのだというスタンスはやはりおかしいと思います。今後も同じようなことは起きてくると思うのですが、その辺りは必ずしも全て認められるものではないということにしておかないと、先進医療の本来の趣旨から外れてくると思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 竹内先生、どうぞ。
○竹内構成員
 今の山口先生の御質問とも関係するのですけれども、Phase Iでせっかくドーズファインディングをしようとしていますので、これを先進医療でやるのであれば、何らかのPDマーカーを用いて、効かなかったときの考察ができるような形の方法もあるのではないかと思いました。PDマーカーを設定する等の議論は提案者との間にあったのでしょうか。
○上村構成員
 PDマーカーについては、ほとんど議論がされていない状況だと思います。
○竹内構成員
 例えば脳脊髄液中のメトホルミン濃度とか、あるいは膠芽腫に関連する何らかの脳脊髄液中のバイオマーカーを用いながら、この用量設定が妥当かどうか、先生方が想定されたような組織移行がされたのかどうかというところの解釈はあっても良かったかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
○上村構成員
 髄液中の濃度は、この試験においては測らないという理解です。血中濃度についてもPKということで設定されておりません。
 ただ、血中の濃度に関してはかなりいろいろなデータがこれまでありますので、そこはあまり必要ないのかなと思っています。先生がおっしゃるように、少なくとも例えば髄液中での移行性がどうかというのは確かに非常に重要なポイントかなと思います。
 脳の中で実際に、これは一旦摘出してしまって、それからの話なので、再度、病変の部位を取ってくるのは臨床的には多分ないと理解しているのですけれども、そういうことでよろしいのですね。
○竹内構成員
 少なくとも脳脊髄液中のメトホルミン濃度を測定する。それは用量が3つありますので、その用量に従ってそれが変化するかどうかとか、膠芽腫の活動性を血中よりも脳脊髄液中で反映する良いバイオマーカーがあれば、それを測定しておくのも一つかなと思ったので、質問させていただきました。
 これだけせっかく貴重な用量設定をした上で臨床アウトカムを少数例ではありますが検証するスタディーですので、結果を生かしていくということで優れた研究にできればという観点での質問をさせていただきました。
 ありがとうございます。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○村垣技術専門委員
 先ほど御質問のあった膠芽腫で再発の場合、摘出術に関してはゼロではない(行わないのではなく)ですが、単発の腫瘍、辺縁からの再発であった場合、(機能野でなかった場合には)、摘出することがあるので、そういった場合での濃度を測ることは可能かもしれません。
 もう一点、膠芽腫に関するいいバイオマーカーというものは一般的なものはなくて、最近、miRNAとか、その辺のところで学問的にはやられていますけれども、現実としては実用的なものは現在ではないという2点をお答えさせていただきます。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 今日は大変重要な御指摘をいただいたと思っております。確かにエビデンスレベルではまだまだ十分ではないことは委員の先生方共通の御理解ではないかと思います。
 しかしながら、髄芽腫の治療成績が現在極めて良くない現状でありますので、少しでも可能性があるならば、こうした治療方法を患者さんに提示して、参加したい方がいらっしゃるというニーズは十分あると伺っておりますので、治療成績を改善する可能性のある治療法として、エビデンスは不十分だけれども、メトホルミン併用テモゾロミド維持療法を先進医療として認めることについて、基本的には御承認してよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ただ、御指摘がありましたように、できれば、このスタディーの中で髄液中のメトホルミンの濃度とか、これは投与量に応じた濃度について調べるということもこちらからお願いするということはできるのでしょうか。いかがでしょう。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 本日先生方からいただいた、脳脊髄液における解析が可能かということにつきましては、こちらから研究者に問い合わせさせていただくようにいたします。貴重な検体を使わせていただくことになりますので、研究に資するような形で行ってくださいという形でお伝えさせていただきます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、そのような形でまとめさせていただいてよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。
 柴田構成員、それから、藤原構成員におかれましてはお戻りいただいてよろしいでしょうか。
 (柴田構成員、藤原構成員入室)
○五十嵐座長
 お戻りいただいたようですね。どうもありがとうございます。
 それでは、以上をもちまして「先進医療合同会議」はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 準備が整い次第「先進医療会議」を開催させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。



第94回先進医療会議

○日時

令和3年1月7日(木)16:40~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 佐藤(典)構成員 柴田構成員 竹内構成員
長島構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他


○議題

 1 新規技術(12月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
   (先-1)(別紙1)(別紙2)(別紙3)
 2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-2)(別紙4)
 3 先進医療Bの取下げについて
   (先-3)
 4 その他

 

○五十嵐座長
 それでは、ただいまから「先進医療会議」を開催いたします。
 初めに、構成員の先生方の出席状況につきまして御説明いたします。本日は全員御出席をいただいております。
 資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 頭撮りについてはここまでとさせていただきます。
 それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、まず先-1「先進医療の新規届出技術について」という1枚紙の資料がございます。
 こちらには別紙1、別紙2、別紙3がついてございます。
 続きまして、先-2。こちらは総括報告書に関する評価についてでございます。
 こちらには別紙4がついてございます。
 最後に、先-3「先進医療Bの取下げについて」としている1枚紙の資料がございます。
 資料は以上でございます。
 今回の先進医療会議につきまして、先ほどの合同会議と同様に、ウェブ上で行うこととさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 資料につきましては、皆さんよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、今回、検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について報告いたします。
 五十嵐座長、横井座長代理、新井構成員、佐藤構成員、竹内構成員、福井構成員、藤原構成員より、新規技術の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け(案)の受理番号119について報告がございました。
 竹内構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が500万円を超えておりましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになってございます。
 なお、五十嵐座長、横井座長代理、新井構成員、佐藤構成員、福井構成員、藤原構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品また医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でございましたので、同細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討に加わることは可能でございます。
 また、竹内構成員、柴田構成員、藤原構成員より、新規技術の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け(案)の受理番号120について報告がございました。
 柴田構成員、藤原構成員におかれましては、検討対象技術について、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることが不可能となってございます。
 竹内構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が500万円を超えておりましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになってございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 そのほかの出席されている構成員におかれましては、こうした事例はないということでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では「新規技術(12月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」の資料が提出されておりますので、今回は3件ですので、御説明をいただきたいと思います。
 初めに、1件目について事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。先-1の資料に基づきまして説明させていただきます。
 今回、先進医療の新規届出技術について振り分け審議をいただく技術が3件ございます。
 まず1件目、受理番号118番、技術名は「一側性高度感音難聴に対する人工内耳挿入術」でございます。適応症につきましては、一側性高度または重度感音難聴でございます。今回、国際医療福祉大学三田病院から申請がございました。かかる費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
 技術の概要について、簡単に説明させていただきます。別紙1-1の1ページ目を御覧いただければと思います。
 こちらは(先進性)の2段落目のところでございますけれども、本邦におきまして、現在の人工内耳挿入術の適応は両側70dB以上の高度~重度難聴に限られております。そのため、一側性高度~重度難聴患者で従来型の補聴器では十分な補聴ができない患者に対しては有効な治療法がないという現状がございます。
 本技術の具体的な内容については(概要)のところに記載がございますが、現在、保険診療内で実施されている両側性の高度~重度難聴患者に対する人工内耳挿入術と同一の手技を今回、一側性高度~重度難聴患者に実施する技術になってございます。
 2ページ目以降に本技術において使用する医療機器の記載がございますが、こちらの中に適応外使用のものが含まれておりますので、今回、先進医療Bとして振り分け(案)を提示させていただきました。
 1件目の説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関しまして、何か御意見、御質問はございますでしょうか。特にございませんか。
                              (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、受理番号118の技術につきましては、先進医療Bとして振り分けたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、2件目について事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほど説明いたしましたとおり、竹内構成員は当該技術及び次の技術に関する検討には加わらないことになりますので、大変申し訳ございませんが、御退席いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 (竹内構成員退室)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 それでは、改めて、資料について説明させていただきます。先-1にお戻りいただきたいと思います。
 受理番号119番、技術名が「化学療法未施行の切除不能進行・再発固形癌に対するマルチプレックス遺伝子パネル検査」でございます。適応症は、全身化学療法未施行の切除不能進行・再発がんとなっておりまして、今回、京都大学医学部附属病院より申請がございました。費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
 技術の概要につきまして、簡単に説明させていただきます。別紙2-1の1ページ目から2ページ目を御覧いただければと思います。
 こちらは1ページ目の下方に記載されております(先進性)のところでございますが、現在、がん遺伝子パネル検査は標準治療がない、または標準治療が終了した症例に限り保険診療内で実施されているところでございます。本技術は初回治療選択時にF1CDxによるがん遺伝子パネル検査を実施し、2ページ目の(方法)のところに記載がございますが、Actionable/Druggabeな遺伝子異常の割合等を求めまして、初回治療法選択時における遺伝子プロファイリング検査の臨床的有用性を評価する試験になってございます。
 こちらの技術につきましては、次のページをおめくりいただきまして、別紙2-2、「2-1」のところに記載させていただいておりますとおり、未承認等の医薬品・医療機器の使用または医薬品もしくは医療機器の適応外使用を伴わない医療技術でございますが、包括的なプロファイル検査の治療選択の有用性の評価を行う技術でございまして、エキスパートパネルでの検討、または治療選択肢の提供体制など、施設基準の設定だけでは適切な評価が可能なデータ入手は困難でございまして、事務局といたしましては先進医療Bとして振り分け(案)を提示させていただきました。
 説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か御意見、御質問はございますか。よろしいですか。
                              (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、受理番号119の技術につきましては、先進医療Bとして振り分けたいと思います。
 次に、3件目について事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほど説明いたしましたとおり、柴田構成員、藤原構成員は当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになりますので、大変申し訳ございませんが、御退席いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 (柴田構成員、藤原構成員退室)
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
 それでは、改めて、資料について説明させていただきます。
 3件目の技術で、受理番号120番「成人T細胞白血病に対する移植後シクロフォスファミドを用いた非血縁者間末梢血幹細胞移植」でございます。適応症につきましては、成人T細胞白血病となってございまして、今回、国立がん研究センター中央病院より申請がございました。かかる費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
 技術の概要につきまして、簡単に説明させていただきます。別紙3-1の1ページ目を御覧いただければと思います。
 こちらは上ほどに記載がございます(先進性)のところで、造血幹細胞移植後にシクロフォスファミドの投与を行う技術、以下、PTCYと略させていただきますが、PTCYはGVHD抑制効果が強い一方で免疫回復には優れる特徴がございまして、海外におきましては、PTCYを用いたHLAの半合致移植は既に一般的な移植法の一つとなってございます。
 中ほどの(概要)のところで、今回の試験は、成人T細胞白血病に対するPTCYを用いた非血縁のHLA適合または1~2アリル不適合ドナーからの末梢血幹細胞移植の安全性と有効性を検討するための第II相試験で、PTCYを含むプロトコル治療を行いまして、grade III-IVの重症急性GVHD及び慢性GVHDの減少について評価を行う試験になってございます。
 ページをおめくりいただきまして、別紙3-2で、本技術で使用いたします医薬品に適応外使用のものが含まれておりますので、今回、先進医療Bとして振り分け(案)を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいですか。
                              (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、受理番号120の技術につきましては、先進医療Bとして振り分けたいと思います。
 竹内先生、柴田先生、藤原先生、お戻りいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 (竹内構成員、柴田構成員、藤原構成員入室)
○五十嵐座長
 全員おそろいになりました。続けたいと思います。
 次に、事務局から「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回、医療機関より1件の先進医療技術の総括報告書が提出されまして、先進医療技術審査部会におきまして評価が行われましたので、その評価結果について報告させていただきます。
 先-2の資料を御覧いただけますでしょうか。今回、旧告示番号26番として実施されておりました「陽子線治療」につきまして、北海道大学病院から総括報告書の提出がございました。
 技術の概要で、別紙4の6ページ目を御覧いただければと思います。
 こちらの中ほどに記載がございますが、対象は初発単発肝細胞がんで、陽子線によるプロトコル治療を行いまして、3年生存割合の評価を行う多施設共同試験になってございます。こちらは180例の予定症例数となってございました。
 再び先-2の資料にお戻りいただきまして、1ページ目の中ほどにございます「医療技術の概要」の※書きのところに記載がございまして、こちらにありますように、登録より3年以上が経過した時点で予定登録症例数を大幅に下回ったため、研究期間内での症例集積が困難と判断されまして、中止基準にのっとり早期に試験が中止されたという経緯でございます。
 1ページ目の下方に記載されております[有効性の評価結果]のところで、こちらは29例の有効性解析対象集団での有効性の評価が行われまして、主要評価項目であります3年全生存率については79.4%でございまして、もともとヒストリカルコントロールとして設定したTACEの3年全生存率である73%と比較して、統計学的な差は認められなかったとのことでございます。
 また、下のほうに記載がございます、副次的評価項目でございます無増悪生存期間、局所制御期間及び局所無増悪生存期間につきましては、いずれの項目もこれまでの陽子線治療の報告とおおむね同様の数値であったということでございます。
 次のページをおめくりいただきまして[安全性の評価結果]で、有害事象は26例・96件で認められまして、うち54件が因果関係ありの有害事象であったということでございます。
 また、2段落目の記載で、重篤な有害事象は11例・22件で認められたとのことで、うち4例が死亡されましたが、いずれも原疾患の悪化によるものであり、陽子線治療との因果関係は否定されているとのことでございます。また、因果関係ありの有害事象は、胆管狭窄、肺臓炎の2件が認められておりますが、肺臓炎は回復し、胆管狭窄は後遺障害はあるものの回復しているとのことでございます。
 続きまして、担当者された先生の御評価につきまして説明させていただきます。別紙4の3ページ目を御覧いただければと思います。
 主担当の山口構成員からの御評価で、有効性に関しては「E.その他」と御評価いただいております。こちらはコメント欄でございますが、29例の解析で、有効性がTACEと差がなかったが、限られた症例の解析の結果であり、Eとしたとコメントをいただいております。
 次に、安全性の御評価でございますけれども「C.問題あり」と御評価いただいております。29例中、有害事象は26例・96件で認められておりまして、重篤な有害事象も11例・22件で認められているので、Cと判定したとコメントをいただいております。
 4ページ目に移らせていただきまして、技術的成熟度については「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価いただいております。
 総合的なコメント欄のところでございますが、180例の登録を目指したが、30例の登録で終了しており、この症例数から有効性を判定することは困難であるが、従来から行われているTACEと比較しても際立った有効性を示唆する結果は得られなかったというコメントをいただいております。
続きまして、副担当の飛田構成員の御評価でございます。5ページ目を御覧いただければと思います。
 有効性につきましては「E.その他」と御評価いただいております。こちらはコメント欄でございますが、研究期間内での症例集積が困難であるとして、180例中の30例の登録で早期中止しているため、主要評価項目である3年生存率はヒストリカルコントロールであるTACEとの比較において、統計学的な有意差が認められていない。また、数値的には症例数設計で見積もった数値である82.6%に近い結果ではあるが、この試験成績だけからでは従来の医療技術との比較は困難であるため、その他と評価されているとコメントをいただいております。
 安全性につきましては「C.問題あり」と御評価いただいておりまして、少数例での検討であり、因果関係は否定されておりますが、原疾患の悪化による死亡4例、プロトコル治療終了後3か月以降の晩期に心筋梗塞などの重篤な有害事象が発現していることからCと評価されているとコメントをいただいております。
 技術的成熟度につきましては「A.当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価いただいておりまして、本技術の対象となり得る患者を適切に選択することができれば、技術的成熟度はAと評価するとのコメントをいただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御意見、御質問はございますでしょうか。
 福井先生、どうぞ。
○福井構成員
 質問です。評価は私も賛同するところですが、もし分かりましたら教えていただきたいのが、当初180例を目標症例数にしたところ、実際は30例と差が余りにも大きいのですが、何か特別な理由があったのかどうか。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。貴重な御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 目標症例に満たなかった点につきまして、総括報告書にも記載がございますけれども、理由としましては、対象となる初発で単発、Child-PughスコアAの肝細胞がん患者さんが減少していたこと、また、手術拒否例を対象から除外していたことなどが要因と考えられる、と分析されておりました。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 山口先生、何か補足していただけますか。この点でございますか。
○山口構成員
 いえ、今の御説明でいいと思いますけれども、1つだけ、症例がほとんど登録されなくて、フォローアップの期間も非常に短い。長いものは数例しかないのです。この後、フォローアップするということに関しては、資料の最初のほうにありましたように、全国症例登録で必ずフォローアップすることが約束されていますので、この30例弱の症例に関しては長期的な成績はいずれ公表されることを期待しています。
 以上です。
○五十嵐座長
 福井先生、よろしいですか。
○福井構成員
 はい。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうぞ。お願いします。
○福田構成員
 すみません。福田でございます。
 1個確認させていただきたいのですけれども、ちょっと私の理解が悪くて申し訳ないのですが、別紙4の御報告いただいたものを見ると、安全性に関しては両先生とも「C.問題あり」という形でついていると思うのですが、先-2の2枚目の全体の総括のところですと安全性は問題ないという結論の書き方になっていて、その整合性が私はフォローできなくなってしまったのですが、これはどのように解釈すればよろしいのでしょうか。
○山口構成員
 特に重大なものはなかったというのは、要するにこの陽子線治療のために直接の毒性で死んだ者はないだけのことであって、それが死につながらなくても障害は出ているわけです。そういう意味で、決してほかの治療と比べて安全性が高いものとは言えないという意味で、ちょっと解釈が違うのだろうと思います。
○福田構成員
 分かりました。ありがとうございます。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。補足でちょっと説明させていただければと思います。
 今、御指摘いただきました先-2の記載と別紙4の先生方の御評価の差についてでございますけれども、先-2の記載につきましては、医療機関が総括報告書として上げてきた記載をベースに記載させていただいているものでございます。こちらを別紙4のように先生方が御評価をされた結果、山口先生、飛田先生、ともに安全性についてはCであると御評価されたところでございます。
○福田構成員
 分かりました。ありがとうございます。
○五十嵐座長
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、これにつきましては、これで終了したいと思います。
 続きまして、事務局から「先進医療Bの取下げについて」の資料が提出されております。これにつきまして御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回、大臣告示されております先進医療Bの技術に係る取下げの申請がございましたので、資料先-3に基づきまして説明させていただきます。
 なお、こちらにつきましては、既に先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただきまして、承認されている内容でございます。
 こちらの資料を御覧いただきまして、告示番号18番「コラーゲン半月板補填材を用いた半月板修復療法」で、こちらは取下げ理由のところに記載がございますが、予定登録症例数に未達(35例予定のところ11例登録済み)ではあるが、本試験物の開発計画において、医師主導治験で有効性に関する検証を行う方針へと変更となったため、研究実施計画書の記載にのっとり、研究責任医師の判断に基づき本先進医療を取り下げる。すなわち、先進医療制度下で実施した臨床研究において、必要な安全性情報を取得でき、また、医薬品医療機器総合機構での薬事戦略相談において、次相の医師主導治験の実施計画に関する対象疾患、有効性指標である主要評価項目を含む評価項目等の申請パッケージ資料について合意したことを踏まえ、先進医療として臨床試験を遂行する意義が完了したと判断したためとのことでございます。
 また、下のほうに記載ございます告示番号37番と42番については、協力医療機関取下げがそれぞれ報告されております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御意見、御質問等はございますか。よろしいですか。
                              (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 本日の議題は、残りは「その他」になりました。事務局から何かございますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 事務局からは特にございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方、何かこの場で御意見、御質問等はございますか。よろしいですか。
                              (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、本日の議論はこれで終了したいと思います。
 次回の開催につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和3年2月4日木曜日16時からを予定しております。場所については別途御連絡をさせていただきます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、第94回「先進医療会議」をこれで終了いたします。御協力どうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(了)

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