ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第92回先進医療会議(2020年11月5日)

 
 

2020年11月5日 第92回先進医療会議

○日時

令和2年11月5日(木)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 佐藤構成員 柴田構成員 竹内構成員
長島構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他



○議題

 1 新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
   (先-1)(別紙1)
 2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-2)(別紙2)
 3 先進医療Bの取下げについて
   (先-3)
 4 粒子線に係る報告書について
   (先-4)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)
 5 その他


○議事

16:00開会




 

 

 

 

○五十嵐座長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「先進医療会議」を開催いたします。
 お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 初めに御報告させていただきます。本年10月の会議をもちまして、山本構成員が任期満了に伴い御退任をされました。これまで御尽力をいただき、ありがとうございました。これに伴いまして、この11月から佐藤典宏先生に新たに構成員に加わっていただくことになりました。
 佐藤先生、一言御挨拶いただけますか。よろしくお願いします。
○佐藤構成員
 このたび構成員に加えていただきました、北海道大学病院の佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、構成員の先生方の出席状況について御報告いたします。本日は、新井構成員より御欠席との連絡をいただいております。
 欠席されます構成員の先生方からは委任状の提出がありまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされています。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿に続きまして、先-1「先進医療の新規届出技術について」という一枚紙の資料がございます。こちらには別紙1がついてございます。
 続きまして、先-2は先進医療Bの総括報告書に関する評価についてでございますけれども、こちらには別紙2がついてございます。
 先-3「先進医療Bの告示取下げについて」としている一枚紙の資料がございます。
 最後に、先-4「日本放射線腫瘍学会からの粒子線治療に係る報告について」としている資料がございまして、こちらには参考資料1、参考資料2、参考資料3とついてございます。
 資料につきましては、以上でございます。
 また、今回の先進医療会議におきましては、Web上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただきました資料を閲覧していただきます。発言される先生方におかれましては、会議資料のページまたは送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただきますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 何か資料等につきまして、御意見・御質問ございますか。よろしいですか。
                              (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反については特にございません。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。出席されている構成員の先生方におかれましては、申告すべき利益相反はないということでよろしいでしょうか。
   (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、新規技術11月受理分の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け案について資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 先-1の資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回、先進医療の新規届出技術について、振り分け審議をいただく技術は1件ございます。受理番号117番、技術名は「初発膠芽腫に対するテモゾロミド併用放射線初期治療後のメトホルミン併用テモゾロミド維持療法」でございまして、適応症につきましては初発膠芽腫でございます。
 今回、国立がん研究センター中央病院から申請がございました。
 係る費用については、表にお示ししたとおりでございます。
 技術の概要につきまして簡単に御説明させていただきます。別紙1-1の1ページを御覧いただければと思います。
 「(先進性)」のところでございますけれども、膠芽腫に対しては現在、標準治療としてテモゾロミド併用放射線治療が行われておりますが、その生命予後は不良であり、致死的再発が不可避とされております。
 前臨床研究におきまして、2型糖尿病治療薬として用いられているメトホルミンが膠芽腫幹細胞を非幹細胞へと分化誘導する作用があることが確認されており、標準治療にメトホルミンを併用することで膠芽腫の治療成績の改善を期待するということでございます。
 技術の概要につきましては2ページ目をおめくりいただきまして、シェーマでございますけれども、こちらは標準治療終了後にメトホルミン事前投与、メトホルミン併用テモゾロミド維持治療、メトホルミン単独治療を行うというプロトコルでございまして、今回第1相試験として、本治療におけるメトホルミンの推奨用量を決定し、第2相試験として安全性及び有効性を評価するということでございます。
 次に、5ページ目をおめくりいただきまして、今回使用する医薬品に適応外使用のものが含まれておりますので、今回、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
 説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 御説明どうもありがとうございました。
 それでは、何か御質問等ございますか。よろしいですか。
    (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、受理番号117の技術につきましては、先進医療Bとして振り分けたいと思います。ありがとうございました。
 次に、事務局から先進医療Bの総括報告書に関する評価についての資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 今回、医療機関より先進医療技術の総括報告書が提出されまして、先進医療技術審査部会におきまして評価が行われましたので、その評価結果について御報告させていただきます。
 先-2を御覧いただけますでしょうか。今回、旧告示番号10番として実施されておりました、放射線照射前に大量メトトレキサート療法を行った後のテモゾロミド内服投与及び放射線治療の併用療法並びにテモゾロミド内服投与の維持療法につきまして、埼玉医科大学国際医療センターから総括報告書の提出がございました。
 技術の概要でございますけれども、別紙2の8ページ目を御覧いただければと存じます。
 対象は、初発中枢神経系原発悪性リンパ腫で、大量メトトレキサート投与後にランダムに割り付けを行いまして、標準治療である放射線治療と試験治療であるテモゾロミド併用放射線療法を比較するという試験になってございます。
 先-2の資料にお戻りいただきまして、1ページ中ほどに試験結果がございます。
 有効性の評価結果でございますが、第1回中間解析におきまして、2年生存割合が標準治療群で86.8%、試験治療群で71.4%という結果であり、試験治療群の生存曲線は標準治療群の生存曲線を下回っている場合には、検定による判断を行わず、総合的に試験中止の是非を検討することとするというプロトコル規定に基づきまして、試験が無効中止されたとのことでございます。
 また、安全性の評価につきましては2ページにございますけれども、重篤な有害事象として9件報告されておりまして、そのうち3件が因果関係ありと判断されております。
 続きまして、担当者の先生方の御評価について御説明させていただきます。別紙2の3ページを御覧いただければと思います。
 主担当の真田構成員からの御評価でございますけれども、有効性に関しては「E.その他」と御評価いただいております。本研究は、試験治療群が対照既存治療群より有効であるという結論が中間評価により棄却の可能性が高くなったことを理由に無効中止の措置が取られた。この場合、当初から統計解析上試験治療群が対照既存治療群と同程度かそれより劣るのかについては解析を加えないことになっていたため不明であり、CまたはDのいずれかを明確に評価できないという理由で当該判断としたと、コメントをいただいております。
 次に、4ページに移りまして、安全性でございますけれども「C.問題あり」と御評価いただいております。試験治療群に、予期されないがん関連網膜剥離等の症状が報告され、因果関係の可能性が認識されているものがあり、試験治療に重い副作用がないとは判断できず、当該判断としたと、コメントをいただいております。
 技術的成熟度は「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価いただいておりまして、集学的に従来よりも高い侵襲度となるため、担当医師を含め重点的な対応のできる実施環境が好ましいと、コメントをいただいております。
 総合的なコメント欄でございますけれども、既存治療群の成績が当初研究開始前の想定よりかなり良好であったことは今回の結果を生じた背景の一つと考えられ、これは昨今の治療状況の向上と関連するとは考えられるが原因は不明との見解であった。一方、層別解析でも有効性が期待される因子は見いだせず、逆に男性は試験治療群が既存治療群より有意に劣ることを示唆する結果も得られている為、少なくとも本技術を現在の形でさらに展開するのは難しいと考えると、コメントをいただいております。
 薬事未承認の医薬品等を伴う医療技術の場合に、薬事承認申請の効率化に資するかどうかなどについての助言につきましては、「本技術の薬事承認申請効率化に資する情報は得られていない」といただいております。
 続きまして、副担当の飛田構成員の御評価でございます。5ページを御覧いただければと思います。
 有効性につきましては「D.従来の医療技術を用いるよりも、劣る」と御評価いただいております。
 解析の結果、対照群よりも数値的に有効性の評価項目が劣った結果となっており、その原因についてもまだ十分には分からない状況なため、有効性に関しては不明であるが、プロトコルでは本技術の有効性が認められない場合には、標準治療が引き続き有用な治療と結論するとのことから、Dと評価しています、とのコメントをいただいております。
 安全性につきましては「C.問題あり」と御評価いただいておりまして、少数例での検討ではあるものの、死亡、重篤な有害事象が対照群に比べ認められていることから、Cと評価していますと、コメントをいただいております。
 技術的成熟度は「D.その他」と御評価いただいておりまして、中間解析により早期無効中止となった原因について、付随研究による検討あるいは解析中とのことで、まだ十分な考察がされていないことから、不明ということでDと評価していますと、コメントをいただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございますか。特にございませんか。
 柴田先生どうぞ。
○柴田構成員
 議題の内容とは関係ないのですが、私と藤原先生は、本件の議題1と議題2は所属医療機関の関係で関与しているのですが、オンラインなので退室等しなくていいという理解でよろしいですよね。発言は控えていたのですが。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。先生のおっしゃるとおりだと思います。
○柴田構成員
 失礼いたしました。
○五十嵐座長
 どうも御指摘ありがとうございました。ほかはよろしいですか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 では、次にまいりたいと思います。事務局から、先進医療B及び協力医療機関の取下げについての資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 現在、申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請がございましたので、資料先-3に基づきまして進めさせていただきます。
 こちらにつきましては、既に先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただき、承認されているものでございます。
 先進医療Bの取下げでございますが、告示番号13番「NKT細胞を用いた免疫療法」でございまして、取下げ理由でございますけれども、目標症例数の登録が完了し、全ての患者に対する試験治療・観察が終了したため、申請中の先進医療の取下げを行うとのことでございます。
 また、協力医療機関取下げにつきましては、告示番号15番、22番、42番について、それぞれ報告がされております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 4件の取下げがございましたけれども、何か御意見・御質問ございますか。よろしいですか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、以前から問題になっております、粒子線治療に係る報告書についての資料が提出されております。事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 資料先-4に基づきまして御説明をさせていただきます。「日本放射線腫瘍学会からの粒子線治療に係る報告について」としている資料でございます。
 まず、1ページ「1.背景」から御説明させていただきます。
 粒子線治療につきましては、陽子線治療が平成13年7月から、重粒子線治療が平成15年11月から、限局性固形がんを適応症とした高度先進医療として開始されまして、平成24年10月以降は先進医療Aとして実施されてきているところでございます。
 平成28年度診療報酬改定時、また、資料に記載はございませんけれども、平成30年度の診療報酬改定時には、一部の適応症について保険適用になっているところでございます。
 平成28年9月に開催されました第45回先進医療会議におきまして、日本放射線腫瘍学会より、点線で囲んでいる方針を示していただきまして、この方針については先進医療会議において適宜確認することとしております。
 具体的には、比較対象を厳格に設定するなど重点的な評価が必要な適応症につきましては、先進医療Bとして実施する予定とし、また先進医療Aにつきましても、各疾患で統一治療指針を定めていただいて、それに基づいて症例集積を行っていくという形で提示していただいたところでございます。
 「2.学会からの粒子線治療に係る報告について」でございますけれども、平成29年10月に開催されました第58回先進医療会議におきまして、先進医療の定期報告とは別に、学会より先進医療Aとして実施された粒子線治療について、学会による施設訪問等に係る報告書を提出していただきまして、その後も年に1回程度、学会に定期的な報告を求めることとしております。
 また、平成29年11月に開催されました第59回会議におきまして、キャンサーボードの質の担保と均てん化を目的として、キャンサーボードの指針が学会より提出されまして、その実施状況についても先進医療会議におきまして適宜確認していくこととしたところでございます。
 2ページでございますが、昨年度に引き続きまして、今年度も学会より提出がございました先進医療Aとして実施された粒子線治療に係る報告書につきまして、先進医療会議でご確認いただければと考えております。
 参考資料3を御覧ください。こちらが学会より提出されました報告書でございます。3ページ「3.最近1年間の実施状況」という形で、がん種別に集計していただいております。陽子線治療全体として965例。4ページに移りまして、重粒子線治療全体で719例が行われたとのことでございます。
 また、5ページにお移りいただきまして、4)キャンサーボード実施状況、5)治療完遂度、6)有害事象について記載いただいておりまして、粒子線治療全体、陽子線、重粒子線いずれもキャンサーボードを100%開催しているという状況でございます。
 続きまして、6ページを御覧ください。7)訪問調査およびモニタリングについてでございまして、学会主導で粒子線治療を行っている実施施設に対して訪問調査を実施しているところでございます。
 記載しております調査項目に基づいて、無作為に抽出されたカルテの閲覧を行いながら、面談も含めて訪問調査を行ったとのことでございます。
 下にこれまで訪問調査が終了した22施設のリストを記載していただいておりまして、2017年から2020年にかけて22施設の訪問を行って、全施設で先進医療の実施体制が適切に整備されていることを確認したということでございます。
 今後、北海道の大野記念病院札幌高機能放射線治療センターの訪問調査も予定しているということでございました。
 続きまして、7ページを御覧ください。モニタリングの報告でございまして、この1年間で陽子線治療と重粒子線治療のデータセンターによる各施設のモニタリングが実施されたということでございます。
 陽子線治療におきましては、先進医療を実施している17施設に対してオフサイトのモニタリングが行われまして、同意取得、実施症例、キャンサーボードの開催などが適切であるか確認が行われたということでございます。
 同意説明文書につきましては、学会が規定していたものを使用していることが全施設で確認されまして、実施症例につきましては、データベースの誤入力や入力漏れの指摘がありましたけれども、その後そちらについては適切に修正されたことが確認されたということでございます。
 オンサイト・モニタリングにつきましては、3施設に対し実施がなされまして、同意書の取得状況と保管、治療内容、キャンサーボードの記録等について原資料、こちらはカルテになりますけれども、そちらに基づき運用されていることが確認されたということでございました。
 重粒子線治療におきましては、モニタリングが6施設に対して2回ずつ実施されたということでございます。そのうち2020年度前期に予定されていたモニタリングにおきましては、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、オンサイトでの実施ができず、4施設でオフサイトのモニタリングとなったということでございます。一部名簿を用いながら研究実施体制や倫理審査状況を確認して、適切に対応したことが確認されたということでございます。
 残り8回につきましては、オンサイト・モニタリングで実施されまして、こちらも各種の同意取得状況や有害事象対応について確認が行われ、適切に対応したことが確認されたということでございました。
 2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、オンサイトでのモニタリングは自粛しているという形でございますけれども、学会としても今後、感染症の様子を見つつ再開する予定としているという形で記載をいただいております。
 続きまして、8ページに移らせていただきます。6月に行われました第86回先進医療会議におきまして、構成員の先生方から粒子線治療について多数のご指摘を頂戴したところでございます。事務局で指摘事項という形でまとめさせていただきまして、学会に照会させていただき、このたび回答を得られましたので、この場を借りて御提示させていただくというものでございます。
 まず、1つ目、既存治療との成績の比較が困難な理由がはっきりせず、何が障害になっているのか説明していただきたいという形で照会させていただきました。
 こちらは、学会としてはランダム化試験が困難であるなど一定の限界はあるものの、既存治療との比較については可能と考えていると回答をいただいております。こちらは2019年12月の先進医療会議におきまして、構成員の先生方から統一方針における膵がんの解析において様々な病期が含まれており、評価が適切に行えないと御指摘をいただいたということは学会も認識しているところでございます。
 統一方針に基づく症例登録は、2016年5月から開始していたために、2019年当初、最長で3年経過したデータが登録されていて、学会としては経過観察期間が短く、有効性の評価に耐え得る資料の作成は困難ではないかと考えていたということですけれども、当該時点において可能な限りの解析をし、併せて粒子線治療の最新のエビデンスを提出いただいたという経緯がございます。
 こちらのエビデンスにつきましては、改定の際の科学的評価に当たって、事前評価を御担当いただきました先生方にはお送りさせていただいたところでございます。統一方針に基づく症例登録のデータについて、患者背景をそろえた解析に至らなかった点は、改善点として学会としても取り組んでまいりたいという形でコメントをいただきました。
 また、9ページにお移りいただきまして、2つ目、先進医療の実績報告におきまして、先進医療として実施しているにもかかわらず、有効、無効、不明のうち、不明の件数が多いのはどういう理由によるものなのか説明してくださいという形でいただいた御指摘を学会に照会させていただいております。
 こちらの実績報告は、医療機関が主体としてなされますので、学会で取りまとめているわけではないということですけれども、今回「不明」と入力した症例について、各施設にヒアリングを学会で行っていただきまして、治療終了後、一定の経過観察を経ていないものについては「不明」として入力した施設が多いという現状があったということでございます。
 今後の対応といたしまして、実績報告におきましては、混乱を避けるためにほかの治療法と同様、治療終了時点での局所的増悪が認められなかった症例については「有効」と入力することを各施設で共有したという形で回答をいただいております。
 続きまして、3つ目でございます。今の段階で、次回改定に向けてどういう課題に対応するかという案を示してくださいと照会させていただきまして、こちらにつきましては8月の会議でも取り上げさせていただいたところでございますけれども、再度回答をより詳細にいただいたという状況でございます。
 こちらは2021年秋に解析データを提出する予定としておりまして、その解析データに当たりましては、9ページ下から記載いただいております、統一治療方針に規定された適応症を対象とすること。既存の標準治療としてX線による放射線治療、特にIMRTを主体とする高精度X線治療を比較対象とすること。それを踏まえて、システマティックレビューによる文献検索を行うこと。論文として発表された国内の先進医療での成績を含んで解析すること。先ほど御説明させていただきました比較対象を明確にし、先進医療のデータ解析を実施して、成績を提示すると記載いただいております。また、他学会もしくは臓器ごとの診療ガイドライン委員会とともに客観性の高い資料を作成するという形で進めていただいておりまして、こちらを来年の年次定期報告の一部として、先進医療会議に提出していただくという形で予定しているということでございます。
 提出する予定の疾患につきましては、10ページ中ほどに記載しております1番から11番まで挙げていただいている疾患で、このような形でデータをまとめていただくという記載をしていただいておりまして、本作業の進捗状況につきましては、定期的に御報告することも可能で、また、会議場での直接の説明も可能であると、学会からコメントをいただいているところでございます。
 このような形で学会では現在、次期改定に向けて、データの取りまとめの準備を進めているところと伺っております。先生方におかれましては、もし、この場で御指摘あるいは照会事項があります場合はご指摘いただければ、事務局から学会に再度照会をさせていただき、今後のデータの取りまとめに反映させることが可能ですので、ぜひご指摘をいただきたいと考えているところでございます。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。特に今年9月4日付で先進医療会議からの指摘事項に対する回答をいただきまして、この説明を詳しくしていただきました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、構成員の先生方から何か御意見・御質問ございますか。
 山口先生どうぞ。
○山口構成員
 少しコメントしたいと思います。
 先-4の参考資料3の8ページに、既存治療との成績の比較で何が障害になっているかについて説明してくださいと問いを投げかけたのですけれども、この回答は何も答えていないのです。いろいろ書いてありますが、読んでいただければ分かると思いますが。ここはきちんと説明していただきたいと思います。
 それから、問題なのは9ページです。報告書を見ると有効、無効、不明のうち、不明の件数が非常に多いです。有効が多く、無効はほとんどなくて、不明が非常に多いという結果です。これは一体どういうことかということでお問い合わせをしたら、この回答の中で、一定期間たたないものは全部「不明」にしたのだという回答ですけれども、疾患によっては、例えば、膵臓であれば2~3年のうちに全て決着するような疾患もございますし、観察期間が必ずしも短いわけではないので、不明がそんなに多いはずがないと思います。どれくらい観察期間をとったら不明となるかどうかも規定がきちんとしていないようですし、そのような状況の中でどういう施設で不明が多くて少ないかも回答をぜひいただきたいと思います。
 もう一つは、終了した時点で病巣の増悪がなければ「有効」と指導したと書いてあるのですが、これは誠にいいかげんな有効の判定の仕方で、これはきちんとした決め方がないと有効・無効というのは判定できません。このような形で症例をいくら集めても、そもそもデータ自体が全く信頼できなくなってしまうと思います。不明の多さと判定の比較の問題、必ずしもランダム化比較試験する必要はないと思いますけれども、もう少し工夫していただいて科学的にやるということを決めていただきたいと思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 大変重要な御指摘ではないかと思います。特に、8ページについては、正しい答えになっていないのではないかということで、正しく答えていただきたいという非常に強い御要望だったと思います。
 それから、9ページの2は、判定の定義、これは疾患によって多分違うと思うのですけれども、定義をしっかりしないと意味がないのではないかという、これも大変重要な御指摘ではないかと思います。どうもありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。横井先生どうぞ。
○横井構成員
 粒子線も重粒子線も、限局性の肺がんの症例がすごく多くて、ほかの臓器と比べると切除可能の対象になるんですね。現在の標準治療も外科治療ということになって、先ほど山口先生はランダム化は要らないとおっしゃられたのですけれども、この部分はぜひランダム化試験をやっていただくか、それともかなり大きなマスで背景をそろえたマッチングした比較をやっていただいて、エビデンスとして提供していただきたいなと思うのですけれども、その辺の可能性をお聞きしたいと思って発言させていただきました。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。肺がんの症例については、今先生がおっしゃったことができるかどうかを学会に投げかけてみるということでよろしいですね。
○横井構成員
 はい。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
 福井先生どうぞ。
○福井構成員
 ただいまの先生方のお話は、結局プロトコルをどうするかという話だと思います。出てきたデータについてフィードバックするよりも、これからプロスペクティブにどういうプロトコルにするのかという時点で、会議の構成員からの意見が入るように、プロスペクティブに関われないかと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
 9~10ページにかけては、来年秋に解析データを提出したいとおっしゃっています。そして、11の疾患あるいは疾患群に対しては、定期的に報告してもよろしいという御回答をいただいておりますけれども、これについてはどうでしょうか。何か御意見ありますか。どうぞ。
○山口構成員
 こうやって11まで分けていますけれども、少数転移性腫瘍という訳の分からないくくりがあります。少数の転移でも、例えば、大腸がんの転移と膵臓がんの転移は全然意味が違いますし、何個だったら少ない転移と判断するのか、いろいろなことが明確にされていません。この組織は、先-4参考資料3の2ページの一番下に、それぞれに対応するような分科会があるように書いてあります。1つは、この分科会がどういうメンバーで行われているか。つまり、非常に少数例しかなくて、ランダム化比較試験が少ない腫瘍もあれば、先ほど横井先生がおっしゃったように、比較試験が可能なものもあると思うんです。そういうときに、放射線科の先生だけが集まって肝腫瘍について論じても、なかなか話は進まないので、分科会のメンバーにいろいろな学会の代表者、関係者を入れて、いろいろなモダリティーについて総合的に討論して、この疾患についてはこういう形で有効性を検討しているのか、単に題目として乗っているのか、内実が見えません。この分科会の活動状況やメンバー、役割、それまでどのようなプロセスを経てこういうことが提案されてきたのかを明らかにしてもらいたいなということを希望します。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。では、これもそのような指摘をしたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 そういたしますと、今日、大変重要な御指摘をいただいていますので、これを事務局としてまとめさせていただいて、日本放射線腫瘍学会あるいは、こちらは理事長が慶應大学の放射線科の先生ですけれども、そのほかの理事の先生たちからの合同で回答をいただいていますので、そちらにもう一度投げかけていただいて回答をいただくということでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。事務局どうですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 非常に重要な御指摘を多数頂戴いたしました。誠にありがとうございます。先生方からいただいた御指摘につきましては、事務局としても非常に重要な点だと考えております。こちらは学会に照会させていただき、できるだけ早い段階で回答を頂戴いたしまして、また、この会議で先生方に御確認していただきながら、今後の学会のデータづくりを引き続き注視していければと事務局としても考えております。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。この学会が来年秋に提出予定の解析データに、今日先生方が御指摘になったことを反映していただきたいと強く思いますので、そのような方針にしたいと思います。
 そのほか、粒子線に係る報告書に関しまして、何か御意見・御質問ございますか。よろしいですか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 それでは、事務局から今日の議論をまとめて学会に投げかけていただきたいと思います。ありがとうございました。
 では、最後ですが、その他ですけれども、何か事務局からございますか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局からは特段ございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方、何かございますか。よろしいですか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。では、本日の議論はこれで終了したいと思います。
 次回の開催につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 次回の開催につきましては、令和2年12月3日木曜日、16時からを予定しております。場所については、別途、御連絡をさせていただきます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 では、第92回先進医療会議をこれで終了いたします。

 

 

 

 

 

 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第92回先進医療会議(2020年11月5日)

ページの先頭へ戻る