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2020年3月5日 第84回先進医療会議

○日時

令和2年3月5日(木)16:00~

 

○場所

全国都市会館第1会議室(3階)
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 石川構成員 柴田構成員 竹内構成員
福井構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他



○議題

 1 新規技術(1月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(報告)
   (先-1)(別紙1)
 2 新規技術(2月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
   (先-2)(別紙2)(別紙3)
 3 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-3)(別紙4)
 4 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-4)(別紙5)
 5 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-5-1)(別紙6)(先-5-2)(別紙7)(先-5-3)(別紙8)
 6 先進医療Bの取り下げについて
   (先-6)
 7 先進医療技術の保険導入について
   (先-7-1)(先-7-2)

 


○議事

16:00開会




 

 

 

 

○五十嵐座長
 それでは、皆さんおそろいになりましたので、ただいまから、先進医療会議を開催いたします。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 初めに、構成員の先生方の出欠状況についてお話をいたします。今日は、福田構成員から御欠席との連絡をいただいております。
 それから、事前評価をしていただいた村田技術専門委員から、やはり御欠席との連絡をいただいております。
 欠席される構成員、技術専門委員の先生方からは委任状の提出がありまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとしていただいております。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
(カメラ撮り終了)
○先進・再生医療迅速評価専門官
 それでは、まず資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、委員名簿をおめくりいただきまして、先-1「先進医療の新規届出技術について」と題した1枚紙がございます。こちらには別紙1がついてございます。
 続きまして、先-2「先進医療の新規届出技術について(2月受理分)」こちら1枚紙がございます。こちらには別紙2、別紙3がついてございます。
 続きまして、先-3「先進医療Aの新規届出技術に対する事前評価結果等について」としております1枚紙がございます。こちらには別紙4がついてございます。
 続きまして、先-4「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている1枚紙がございます。こちらには別紙5がついてございます。
 続きまして、先-5-1、こちらは「総括報告書に関する評価について」という資料がございます。こちらには別紙6がついてございます。
 続きまして、先-5-2、こちらも「自己心膜及び弁形成リングを用いた僧房弁置換術の総括報告書に関する評価について」で、こちらには別紙7がついてございます。
 さらに、先-5-3、こちらも総括報告書の評価についてになりますけれども、こちらには別紙8がついてございます。
 次に先-6「先進医療Bの協力医療機関及び告示取下げについて」という1枚紙の資料がございます。
 次に先-7-1「既存の先進医療に関する検討結果について」としている資料がございます。
 さらに、先-7-2、こちらも同じになりますけれども、先-7-2という資料がございます。
 資料に関しては以上でございます。不足等がある場合には、事務局にお申し出いただければと思います。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等につきましてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言される先生方におかれましては、会議資料のページまたはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 資料のことで何か問題はありませんでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。今回、検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となります技術等に関しての利益相反について、御報告いたします。
 村田技術専門委員より、先進医療Aとして評価を行う整理番号336番の技術について御報告がございました。
 村田技術専門委員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能でございます。
 また、柴田構成員、藤原構成員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号138の技術について報告がございました。
 柴田構成員、藤原構成員におかれましては、検討対象技術につきまして、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることはできません。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいま御説明いただきましたように、出席されている構成員におかれましては、利益相反に関する開示の状況は、それ以外に特に問題はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 それでは、新規技術(1月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け結果について報告資料が出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-1に基づきまして御説明させていただきます。
 こちらは2月に持ち回りで御審議いただきました振り分け結果の御報告でございます。
 受理番号107番「固形がん患者における初回治療時の包括的ゲノムプロファイル検査の実現性と治療選択への有用性を評価する前向き研究」でございます。
 適応症につきましては、進行・再発固形がん(非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がん)となってございます。
 申請医療機関は、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院でございまして、費用につきましては、お示ししたとおりでございます。
 こちらの技術につきまして、概要が別紙1-1にございますけれども、こちらは後ほど先-4で御審議いただく技術でございますので、概要については省略させていただきます。
 この技術につきましては、先-1の資料の下に記載させていただいておりますとおり、未承認等の医薬品、医療機器の使用または医薬品もしくは医療機器の適応外使用を伴わない医療技術に該当するものでございますけれども、包括的なプロファイル検査の治療選択の有用性の評価を行う技術でございまして、エキスパートパネルでの検討また治療選択肢の提供体制など、施設基準の設定だけでは適切な評価が可能なデータの入手が困難な技術と考えられますため、事務局としまして、先進医療Bで提案をさせていただいたところでございます。
 持ち回りで御審議いただきました結果、先進医療Bと振り分けられましたため、ここで御報告をさせていただきます。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問・御意見等はいかがでしょうか。
 よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 それでは、そのようにしたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、「新規技術(2月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け(案)について」資料が提出されております。2件ございます。
 まず1件目について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-2の資料に基づきまして御説明させていただきます。
 今回、先進医療の新規届出技術について、振り分け審議をいただく技術が2点ございます。
 まず1点目、受理番号108。技術名は「治療抵抗性肺高血圧症患者に対する肺動脈自律神経叢除神経治療」でございます。
 適応症につきましては、治療抵抗性肺高血圧症となってございまして、今回、国立循環器病研究センターから申請がございました。
 係る費用につきましては、表にお示ししたとおりでございます。
 技術の概要につきまして簡単に御説明させていただきます。別紙2-1の1ページを御覧いただければと思います。
 まず、こちらの内容の(先進性)のところでございますけれども、治療抵抗性肺高血圧症患者の予後は2年生存率60%、5年生存率22%で、非常に予後不良であることが分かっておりまして、そのような患者様への新たな治療法が強く望まれている状況でございます。
 次に、(概要)と記載させていただいているところでございますけれども、こちらは、そのような患者様に対して、高周波発生装置を用いて自律神経叢及び解剖学的に自律神経叢があるとされる肺動脈近似部を焼灼するという技術となってございます。
 次に、ページおめくりいただきまして、別紙2-2を御覧いただければと思います。今回使用する医療機器等に適応外のものが含まれておりますので、事務局としまして、今回、こちらの技術を先進医療Bとして振り分け(案)を提示させていただきました。
 1件目についての説明は、以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、受理番号108の件につきまして、何か御意見・御質問はいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 それでは、受理番号108の技術につきましては、先進医療Bとして振り分けたいと思います。
 続きまして、2件目の御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 続きまして、2件目の技術の御説明に移らせていただきます。
 先-2の資料にお戻りいただきまして、受理番号109番、技術名は「胃内視鏡的手縫い縫合術」でございます。
 適応症ですけれども、抗凝固薬や抗血小板薬を服用しており、内視鏡的粘膜下層剥離術の術前に3cm以下の胃がんもしくは胃腺腫と診断された患者様の中で、胃のESDにて病変切除した症例となってございます。
 こちらは、申請医療機関は、日本医科大学付属病院となってございまして、費用に関しては、表にお示ししているとおりでございます。
 技術の概要につきましては、別紙3-1の1ページを御覧いただければと思います。
 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の偶発症としまして、病変切除後の粘膜欠損部からの術後出血及び遅発性の穿孔が挙げられます。その中でも抗血栓薬服用者の患者様におかれましては、術後の出血率が明らかに高いと報告されております。
 この1ページ目の下のところですけれども、内視鏡治療後の粘膜欠損部に生じる上記のような偶発症を回避し得る手段として、外科手術で通常用いていられている針付き縫合糸を用いて、粘膜欠損部を内視鏡的に連続縫合する手技でございます。
 こちらは、2ページ目の下のところに、申請機関のから、シェーマの提示がなされてございまして、この図のように、ESD後の粘膜欠損部に対して内視鏡的に縫合を行うという技術になってございます。
 続きまして、4ページの別紙3-2を御覧いただければと思いますけれども、こちらは、使用する医療機器等は全て適応内となってございますので、事務局としまして、今回の技術を先進医療Aとして振り分けを提示させていただいたところでございます。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問・御意見いかがでしょうか。
 どうぞ。
○山口構成員
 この技術について、実際に臨床で何例か行われていて、例えば合併症とかいろいろなことが確認されているのでしょうか。
 というのは、これは縫えば絶対いいのだと、自明の理と書いてありますけれども、例えば痔核なんかは、切除した後、密に縫合すると、浮腫が来ることが知られています。むしろ密に縫わずに、開けてドレナージを図ったほうが早く治るのですね。ですから、そういう辺り、縫えば必ずしもいいということは自明の理ではないので、その辺り、もし臨床的なデータがあるのであればいいのですけれども、ないようであれば、ある程度の注意が必要ではないかと思います。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先行研究が既に実施をされておりまして、一定の有効性・安全性についての論文等も既に発表されているものと承知しております。
○五十嵐座長
 よろしいですか。
○山口構成員
 これは、ちょっと内科的な考え方だと思うのです。外科医は痛い目に遭っているので、こういう炎症の起きたところを縫い合わせると、どうしても浮腫が出てきて、むしろ、クリップで隙間を空けて縫ったほうが早く治る可能性は十分あるので、自明の理ではないということだけちょっと、そういう書き方はちょっとまずいのではないかなと思って申し上げました。安全性とか確認されていれば、Aでもいいかなと思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○山本構成員
 これ、今日は振り分けであって、次に審議はするのですかね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 御指摘のとおりでございます。今回は振り分けという形で御審議いただくものでございます。
○山本構成員
 今の段階では、まだ、先進Aとしてもやることを承認するわけではないということでよろしいですよね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 おっしゃるとおりです。
○五十嵐座長
 御指摘ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。
 よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 それでは、受理番号109番の技術につきましては、先進医療Aに振り分けたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 資料、先-3に基づきまして御説明をさせていただきます。
 「先進医療Aの新規届出技術に対する事前評価結果等について」でございます。
 今回、先進医療Aの新規技術として御審議いただく技術でございますけれども、整理番号336番。「高感度多遺伝子検査システム MINtSによる、細胞診検体を用いた肺がんdruggable遺伝子変異検索」でございます。
 適応症は肺がんとなってございまして、申請医療機関は、自治医科大学附属病院でございます。
 係る費用につきましては、資料にお示しさせていただいているとおりでございます。
 こちらの事前評価につきましては、横井構成員及び村田技術専門委員にお願いしてございまして、横井構成員より「適」、村田技術専門委員より「適」の御評価をいただいております。
 続きまして、別紙4の3ページ目を御覧いただければと思います。当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件(案)をお示ししてございます。
 上から御説明させていただきます。
 実施責任医師の要件につきましては、診療科は呼吸器内科または臨床腫瘍科。
 資格につきましては、呼吸器内科指導医またはがん治療医認定医。
 当該診療科の経験年数または当該技術の経験年数も、それぞれ5年以上となっております。
 当該技術の経験症例数につきましては、実施[術者]として20例以上となっております。
 続きまして、IIの「医療機関の要件」でございますけれども、診療科としては呼吸器内科または臨床腫瘍科。
 実施診療科の医師数につきましては、呼吸器内科指導医またはがん治療認定医の常勤の医師2名以上が必要となってございます。
 他診療科の医師数につきましては、病理の検査を実施する部門の設置と専ら病理の診断を実施する医師の配置が必要。
 また、その他医療従事者につきましては、臨床検査技師の配置が必要となってございます。
 病床数・看護配置・当直体制・緊急手術の実施体制・院内検査・他の医療機関との連携体制は不要となってございます。
 また、医療機器の保守管理体制は必要。
 倫理委員会による審査体制も必要。
 医療安全管理委員会の設置も必要。
 医療機関としての当該技術の実施症例数は100例以上。
 また、その他の要件といたしまして、遺伝子関連検査検体品質管理マニュアルに従って検体の品質管理体制が必要となってございます。
 また、その他の要件につきまして、頻回の実績報告は不要となってございます。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 この整理番号336の技術につきましては、事前評価を横井構成員と村田技術専門委員にお願いしております。
 初めに、横井構成員から技術の内容と評価結果について御説明をお願いいたします。
○横井座長代理
 現在、肺がんの治療用の分子標的薬を決定するための異常遺伝子を同定するために、薬事承認されていますのは、コンパニオン診断薬は組織検体が必要となっています。そのため、一般的に行われる気管支鏡検査で組織が採れない場合とかそういうものが出てきますので、経皮的に肺に針を刺して組織を採るとか、胸腔鏡といいまして、内視鏡下に腫瘍の部分を切除して、組織を採ってくるという必要がありますが、皆さん進行がんであるために、そこまでやらなくて、今は見切り発車でこの分子標的薬をやっているというのが実情だと思います。
 気管支鏡は、我が国には池田茂人先生という方が開発されて、広く世界に普及しているのですけれども、組織を採るよりは細胞診を採るほうが効率的に陽性が得られています。
 したがって、これら細胞診検体を用いて異常遺伝子が現在の組織検体等を用いる方法と同程度に行えれば、検査の低侵襲化やコスト削減に寄与できるものと思いますし、そのような考えの下に、このMINtSという検査システムが開発されております。
 先行研究は約4,000例を用いて行われて、ほぼ全例で遺伝子異常の有無が検討できまして。変異検出率も、現在の組織診断での変異検出率とほぼ同様の結果が得られています。
 この研究では、17ページにその検査の図が出ておりますけれども、17ページの4つの四角がありますが、基本的には、組織検体でがん細胞(+)が出たものに対して、細胞診でがん細胞が出たもの、がん細胞が出なかったものについて、このMINtSで調べる。
 組織検体でがん細胞が出なかったものに対して、細胞診ではがん細胞だと判断されたものについても、このMINtSでこの結果を調べるということで、検体の提出手順としましては、ここに肺の図が書かれておりますけれども、内視鏡で組織を採りにいって、その組織の部分と細胞診の部分と別個に分けまして、それで、病理ががん細胞がある・なしを判断して、上記の4つの区分けの中で、左側と右上の3こまの部分をこのMINtSで調べるということになります。
 その結果の対比が13ページに文章で書かれておりますけれども、エンドポイントとしては、druggable組織検体がん細胞(+)のときの細胞診検体でのdruggable遺伝子変異検出率。要は、この4つの枠の左上のところの検出率を見るということになります。
結果的には、承認のコンパニオン診断薬を用いたのとよい一致率を示すことが目的になるわけですけれども、研究者たちのそのよい一致率とは90%以上という想定でございます。
 それから、安価に検査できるということで、1万円以下の検査料にできればというところで、この評価を行いたいとされております。
全体的には、組織を採るときに細胞診は必ず採れていますので、それを用いてこの遺伝子異常が分かるかどうかということなので、これが分かれば、診断医たちにとってもストレスが今よりは減って、患者さんにとっても、針を刺すとか、手術をやるとかという負担が減ってくると思います。
 そういうことで、適応症としては妥当だと思います。
 有効性は、従来のものよりもやや有功と思います。
 安全性には問題がないと思いますし、通常の内視鏡検査ですので、当該分野を専門として経験を積んだ医師またはその医師の指導下であれば十分行えると思います。
 倫理的な問題も発生しないと思います。
 現在、組織診しか認められておりませんので、普及はしておりません。これが上梓できれば、やや効率的に診断が可能になると思いますし、将来的な保険収載を行うことが妥当だと思って、総合的には「適」といたしました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、続きまして、村田技術専門委員の御評価を、今日は御欠席ですので、事務局からお願いしたいと思います。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 村田技術専門委員の事前評価につきまして、代理で御説明させていただきます。別紙4の2ページ目を御覧いただければと思います。
 村田技術専門委員の事前評価につきましてですけれども、まず上から、適応症につきましては、A「妥当である」と御評価いただきました。
 また、有効性につきましては、A「従来の技術を用いるよりも大幅に有功」。
 安全性につきましては、A「問題なし」。
 技術的成熟度につきましては、B「当該分野を専門とし数多く経験を積んだ医師または医師の指導下であれば行える」。
 社会的妥当性につきましては、A「倫理的問題等はない」。
 現時点での普及性につきましては、C「罹患率、有病率から勘案して、普及していない」。
 効率性につきましては、B「やや効率的」。
 将来の保険収載の必要性につきましては、A「将来的に保険収載を行うことが妥当」と御評価いただきました。
 総合判定につきましては、「適」でございまして、コメントでございますけれども、指摘事項に対する修正により、本先進技術の意義と透明性がより向上した。上記「効率性」については、既に保険導入されている同じ技術がないため、評価困難であるが、組織検体のみを対象とする現状と比較して、細胞診検体を使用できるという観点で、効率性は向上すると捉えたと、コメントをいただきました。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、お2人の御説明につきまして、何か御意見・御質問等はいかがでしょうか。
 どうぞ。
○藤原構成員
 当該技術の医療機関の要件に関してですけれども、別紙4の3ページを見ると、実施責任者要件で、資格のところで、呼吸器内科の指導医またはがん治療認定医となっているのですけれども、呼吸器内科の指導医は、専門医機構にもちゃんと認証されているような専門医のもう一つ上の指導医ですけれども、がん治療認定医は日本全国で何万人もいるような、ただ講習を受けたら受けられるような資格なので、これを同格にしているというのが非常に変な感じがするので、呼吸器内科の指導医ではなくて、普通の専門医と、あるいは、肺がんですから、多分、リキッドをやるのだったら気管支鏡の専門医が要るかもしれないので、気管支鏡学会の専門医とか。がん治療認定医は入れなくてもいいと思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○新井構成員
 学会によって指導医の定義が異なると思います。例えば、私の所属する脳神経外科学会の指導医は、医師の技術とか能力の高さを評価するというよりは、専門医の教育的という観点で設定された資格です。呼吸器内科の指導医は脳神経外科とは異なるようですが、専門医で十分ではないかと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 そうすると、横井先生どうしましょう。
○横井座長代理
 専門医でいいと思います。専門医を取ってなくても、内視鏡はふだんの日常の技術ですので、専門医または指導医が1人いらっしゃれば十分かなと個人的には思いますけれども、その下でお若い方に普通の気管支鏡検査をやっていただければ、十分細胞診・組織診の採取は可能だと思っています。
○五十嵐座長
 そうしますと、この記載はどうしたらいいですか。3ページの「実施診科の医師数」というところに、あるいは「診療科」もそうなのでしょうけれども、これはどのように入れますか。
○横井座長代理
 呼吸器内科指導医または専門医でよろしいのではないですかね。人数は2名以上なので、呼吸器内科指導医または専門医を含む2名以上にすれば、専門医を持ってない人でもできるという格好で、十分かなと思います。
○五十嵐座長
 ほかの先生方、それでよろしいですか。
 どうぞ。
○山口構成員
 指導医は専門医を持ってない人はいるのですか。いないとしたら、専門医だけでいいのではないでしょうか。
○横井座長代理
 専門医だけでいいですね。
○五十嵐座長
 分かりました。
 では、これは呼吸器内科専門医2名以上ですか。
○横井座長代理
 いや、専門医を含む2名以上です。
○五十嵐座長
 「を含む2名以上」。失礼しました。
 それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 では、そのように。これは修正はできるのですよね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 はい。医療機関に修正を要請いたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、そのように修正したいと思います。
 では、一部修正がありますけれども、構成員の評価どおりの決定としてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、続きまして、先進医療Bに係る新規技術の科学評価等についての資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 御説明に先立ちまして、先ほど御説明いたしましたとおり、柴田構成員、藤原構成員は当該技術に関する検討には加わらないことになりますので、大変申し訳ありませんが、御退席いただきますようよろしくお願いいたします。
(柴田構成員、藤原構成員 退席)
○五十嵐座長
 では、整理番号138の御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 資料、先-4に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回、御審議いただきます技術は、整理番号138番。「固形がん患者における初回治療時の包括的ゲノムプロファイル検査の実現性と治療選択への有用性を評価する前向き研究」でございます。
 適応症等につきまして、先ほど、先-1の資料で御説明させていただきましたとおり、進行・再発固形がん(非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がん)となってございます。
 申請医療機関につきましては、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院となってございます。
 費用につきましては、こちら資料にお示ししているとおりでございます。
 事前評価につきまして、山口構成員にお願いをしてございまして、総評は「適」と御評価をいただいております。
 事務局からは、以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、山口構成員から、技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○山口構成員
 今、ゲノムの検査が行われていますけれども、対象が原発不明がんとか、あるいは、標準的な治療が行われて、それが効かないというふうなものが対象になっています。しかし、効かないということが分かった後に、こういうパネル検査をして、また、エキスパートパネルにかけてやると時間が結構かかって、待っている間に治療の機会を逸するものがいるというので、最初のうちからやったほうがいいのではないかという、そういう御提案です。
 やり取りがいろいろありましたけれども、大体適切にお答えいただいて、社会的な妥当性に関しましては、倫理的な問題はないと判断しましたのでAと判定いたしました。
 それから、現時点での普及性は、一応Cといたしました。
 効率性は、やや効率的になることが期待されると思います。
 将来の保険収載の必要性はあると思いますけれども、このプライマリー・エンドポイントが、Actionableな遺伝子異常に対応する患者の割合ということで、選択肢は広がるというところにあるのですけれども、選択肢が広がった結果、患者さんにメリットがないと駄目かと思います。資料の別紙5の26ページを見ていただきますと、Secondary endpointの中で、全生存期間とか、progression-free survivalとか、ある程度有効性も、Secondary endpointとして検討していくということでございますので、この辺りでいろいろな評価が分かれるかもしれません。単に選択肢が広がるということだけで自動的に保険収載することにはならないだろうというコメントを出しましたら、そのようなことについても随分御理解いただいていましたので、綜合判定としても「適」といたしました。
 以上です。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 では、ただいまの御説明につきまして、何か御質問・御意見いかがでしょうか。
どうぞ。
○竹内構成員
 山口先生に教えていただきたいのは、初回時と治療後で、このプロファイル検査をしたときの異常の検出率は、差がないのでしょうか。要するに、初回時のほうが病巣が少ないので、こういう遺伝子異常の検出率が低くなるのではないかという御指摘がもしあった場合に。
○山口構成員
 先生のご指摘の通り、そういう可能性はあると思います。
○竹内構成員
 もし、そうであるとすると、この技術がやや効率性が低い可能性があるかもしれないということですか。
○山口構成員
 それもおっしゃるとおりだと思います。
 もう一つ言えば、患者さんの中には、これをやったら、標準治療ではなくてもっといいものが行えるとか勘違いして、必ずそっちをやるという誤解が生じると、むしろ、これは標準治療のスタートが遅れるという可能性もありますので、そんな辺りも誤解のないように、患者さんに十分説明するようには要求して、そのようにしていただきました。
○五十嵐座長
 これは書類を拝見しますと、診断の時間がかかる間は標準治療を始めるというような記載もございますので、治療が遅れるということはないわけですね。
○山口構成員
 これは、患者さんの理解の問題だと思うのです。そこで、患者さんがこの結果が出てからやってくれと言うと、結構時間がかかる可能性もあるので、誤解のないように説明していただきたいということで、幾つか直していただきました。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。
 どうぞ。
○石川構成員
 先ほど事務局のほうにお問い合わせしたのですけれども、別紙1-1のところで、これはさっきの議論のところの先進医療の概要のところで、(先進性)の2つ目のフレーズのところですけれども、「初回治療時のがん遺伝子プロファイル検査が、標準治療終了後と比較して特定の遺伝子異常に対する標準治療の導入割合」そういうものを比べるというようなことですよね。「ひいては生存期間において、より有用であることが示されれば」ということですけれども、基本的には、今、山口先生もおっしゃいましたように、初回治療前にやるということは、治療の選択肢ということについては、その方については広がるということも意味するわけですよね。
 もちろん、この遺伝子プロファイル検査をやれば、そっちのほうの治療がまだ未承認薬だとかということなので確実であるかどうかわからないわけですけれども、自分の治療の可能性が広がるとしたら、患者さんの立場としては、やはりそれをやりたいということになりまして、例えば、今の施設が国がんだけであれば、国がんにがんの治療の患者さんが集中するという可能性は出てくるのではないかと思うのですよね。
 その点で、私なんかはいつも患者さんを紹介して診てもらっている人間なのですけれども、千葉で患者さんを紹介するときに、国がんか有明がん研か駒込かということで、いろいろ選んでいただくわけですけれども、そうすると、自分の治療の可能性が広がるということが、もし、これが患者さんは分かったとしたら、こちらのほうを選ぶのではないかなと思うのですけれども、そうすると、これはたしか研究が2年間ぐらいだと思うのですけれども、この2年間ぐらいの間に、そのがんの施設の選択肢の中で、少し不公平なところが出てくるのではないかなというようなこともちらっと考えたりするのですけれども、そういうのはどうでしょうかね、山口先生。
○山口構成員
 患者さんにはこの意味をよく理解させる必要があると思います。これをちょっと見ると、もう駄目になってからやるよりも最初からこうやるのだったらということであれば、そこでコンパニオン診断がついたものについてどんどんやっていくような雰囲気なのですけれども、実際は、そこで引っかかったものについてやったほうがいいのか、あるいは、きちんとエビデンスのある標準治療のほうがいいのかという比較が非常に難しいのです。ですから、ここでは一応エビデンスレベルを決めて、1例でも有効な例があれば有効であったというふうな評価をしているのですけれども、必ずしもそれは適切なことではなくて、今、標準治療はきちんとした臨床試験が行われていて確実なものですから、そのデータだけをもってエキスパートパネルでどうやって科学的に決められるのかというところはまだまだ疑問があるのですけれども、この辺りはエキスパートパネルの能力が試されるところかと思います。
 ただ問題は、エキスパートパネルによって全部意見が違うようでは、これは保険診療としては非常にまずいので、その辺りをもう少し客観的な判断ができるようにしていただきたいというのが希望です。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 どうぞ。
○山本構成員
 部会のほうで審査したものですけれども、2年間の研究期間があるとは言え、がん種1つについて最大60名までしか入れられないということになっていますので、この人数は先進Bですので、厳格に守られると思いますので、部会のときも議論になりましたけれども、恐らく1がん種最大60で、全体200、多分、数か月であっという間に埋まってしまうと思いますので、そういう意味で言いますと、石川先生のおっしゃるような御心配は余りないのではないかなと思います。
 部会のときに、人数をもう少し増やしてもいいのではないかという議論があったのですが、リソースの問題もありますので、そこはちょっと難しいという御回答で、200例のままになっておりますので、恐らく半年ぐらいで終わってしまうのではないのかなと思います。
○五十嵐座長
 副次項目も含めて、逆に言うと、早く成果が分かるかもしれませんので、その評価を見て、保険収載等を考えるということの材料ができるということにもなると思いますので、そのように理解させていただきたいと思います。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 そういたしますと、事前評価結果どおりに決定してよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。そのようにさせていただきたいと思います。
 では、柴田構成員、藤原構成員にお戻りいただきたいと思います。
(柴田構成員、藤原構成員 着席)
○五十嵐座長
 それでは続きまして、事務局から、「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が3件提出されております。順番に御説明をいただきたいと思います。
 まず1件目の技術の御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 今回、医療機関より3件の先進医療技術の総括報告書が提出されまして、先進医療技術審査部会におきまして評価が行われましたので、その評価結果について順に御報告をさせていただきます。
 まず1つ目の技術でございます。先-5-1を御覧いただけますでしょうか。
 今回、旧告知番号14番として実施されておりました「残存聴力活用型人工内耳挿入術」につきまして、信州大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
 技術の概要でございますけれども、別紙6の最後のページ、7ページ目を御覧いただければと思います。こちらは概要図でございますけれども、左側のところ、高音急墜型・暫傾型の聴力、こちらは高音部のみが高度な難聴で、低音部には聴力が残っている方ですが、そのような方に対しまして、この残存聴力活用型人工内耳を挿入いたします。
 手術後の聴力が右側でございますけれども、高音部は電気刺激、低音部は音響刺激を併用する人工内耳を装用することで、低音部の聴力を温存しながら高音部の難聴を改善するという技術でございます。
 先-5-1の資料にお戻りいただきまして、試験結果でございます。
 先-5-1の1ページ中ほどより下にあります「医療技術の試験結果」でございます。
 まず有効性につきまして、主要評価項目である自由音場閾値検査において、装用後6か月、12か月時点で、有意に改善を認めました。
 また、全例とも有効性評価基準の30dB以上の改善を認めておりまして、全例で「有効」であることが明らかとなったとなっております。
 また、語音弁別検査につきましても、装用後6か月、12か月時点で、それぞれ改善を認めております。
 個別の症例で見ましても、23例中21例「有効」であることが明らかとなったということでございます。
 2ページに移りまして、安全性の評価でございますけれども、有害事象に関しては、先進医療実施と明らかな関連のある有害事象は6例7件、関連ないともいえない有害事象は2例2件でございました。創部につきましては、24例全例で有害事象は認めなかったということでございます。また、人工内耳機器の不具合につきましても、発生は認めなかったというところでございまして。
 [総括]のところに記載がありますとおり、欧州での治験のデータに加えて、この先進医療の有効性・安全性のデータを参考資料として添付をして、現在、薬事承認を既に得ているというところでございます。
 技術審査部会での評価につきましては、別紙6の3ページ目以降を御覧いただければと思います。総括報告書に関する主担当の山口構成員からの御評価でございます。有効性に関しましてはC。従来の医療技術を用いるのと、同程度と御評価いただきまして、比較試験ではないのでより有効かは不明であるが、本技術が日本語話者においても有効であることが証明されたと、コメントをいただきました。
 安全性につきましては、B。あまり問題なしと御評価いただいております。有害事象の多くは軽微であり、また、ほとんどの場合には適切な対応で回復しているというコメントをいただきました。
 4ページに移りまして、技術的成熟度につきましてはA。当該分野を専門とし、経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できると、御評価いただきました。
 「総合的なコメント欄」ですけれども、本試験で本技術の有用性を示すことができたと考えられる。また、有害事象も許容範囲であると、コメントをいただいております。
 「薬事未承認の医薬品等に伴う医療技術の場合、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄」でございますけれども、既に欧州における成績と、本試験で示された有効性・安全性のデータを合わせて提出することで、薬事承認が既に得られているものでございまして、本試験が申請の効率化に役立ったと考えられると、コメントをいただいております。
 続きまして、副担当の飛田構成員の御評価でございます。
 まず、有効性につきましてはC。同程度と御評価いただきまして。本試験デザインは単群試験であるため、従来の医療技術と比較した効果の判断ができないものの、手術以前と比較していずれの有効性評価項目でもほぼ全例で改善が認められていることから、一定の有効性は期待できると考えると、コメントをいただいております。
 安全性につきましてはB。あまり問題なしと御評価いただいております。
 技術的成熟度につきましてはAの御評価をいただいておりまして、こちらも山口構成員同様、この試験成績を参考資料として薬事承認が得られている旨、コメントをいただいております。
 さらに、小川技術専門委員の御評価でございます。
 有効性につきましてはA。従来の医療技術を用いるよりも、大幅に有効であると、御評価いただきまして、コメント欄ですけれども、補聴器では聴力残存部の周波数の情報だけが活用され、主に子音の聞き取りに必要な高周波数の情報が活用できない。また、従来の人工内耳では聴力残存部の内耳機能は犠牲になる可能性が高く、その活用はできない。この観点から、従来の医療技術を用いるより大幅に有功であると考えられると、コメントをいただきました。
 また、安全性につきましてはA。問題なしと、御評価いただきました。
 また、技術的成熟度につきましてはA。当該分野を専門とし、経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できると、御評価いただいております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 何か御質問等ありますでしょうか。
 よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 それでは、2件目の技術の御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-5-2の資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
 旧告示番号32番として実施されておりました「自己心膜及び弁形成リングを用いた僧房弁置換術」につきまして、榊原記念病院から総括報告書の提出がございました。
 技術の概要でございますけれども、別紙7の最後、5ページ目を御覧いただければと思います。
 5ページ目の資料の下半分のところでございますけれども、こちらは、手術中に自己心膜を採取し、その心膜を用いて、Normo弁という自己心膜弁を作成いたします。これを僧房弁置換術に使用するという技術になってございます。
 先-5-2の資料にお戻りいただきまして、試験結果を御説明させていただきます。
 1ページ目、真ん中下ほどから「医療技術の試験結果」がございますけれども、計6例に手技が行われた段階で、Normo弁の構造的不具合による人工弁置換の再手術が2例、弁穿孔修復(再手術)が1例、大動脈-右心房シャント形成による鬱血性心不全及び多臓器不全による死亡が1例、手術2年後に急性イレウスで開腹手術後多臓器不全による死亡1例発生したとのことでございます。
 イベント発生後、新規登録を中止いたしまして、独立データモニタリング委員会の指示を受けて対象患者の見直し、変更申請を検討していたところでございますけれども、最終的には先進医療取り下げを申請し、平成31年3月31日をもって研究終了となってございます。
 次に、「安全性の評価結果」でございますけれども、非閉塞性腸管虚血及び多臓器不全で発症した症例、シャントによる血性心不全を発症した症例は、いずれも術後のMRの発生はなかったとのことでございます。このイベント・有害事象発生、死亡につきましても、本研究との因果関係は認められないと考えておりまして、独立データモニタリング委員会もそのように結論したというところでございます。
 次に「有効性の評価結果」でございますけれども、主要評価項目である手術2週間後のMR(僧房弁逆流症)発生は、自己心膜の部分的脆弱さによって1例発生したということでございました。
 [総括]でございますけれども、当該手術との因果関係ありと判定されたイベントを回避するためには、対象の再検討が必要と考えられたということでございます。
 続きまして、担当者の御評価について御説明をさせていただきます。別紙7の2ページ目からでございます。
 主担当の一色構成員からの御評価でございます。
 有効性につきましてはE。その他となってございまして。コメント欄ですけれども、6例で試験中止となったため評価不能と、コメントをいただいております。
 安全性につきましてはC。問題ありと、御評価いただきました。
 技術的成熟度につきましてもC。当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした体制をとっていないと実施できないと、御評価をいただいております。
 3ページの「総合的なコメント欄」でございますけれども、先行研究において、本術式を創案した術者の施設における成績は比較的良好でありました。しかし、本試験では他施設を中心に複数の重篤な有害事象が発生しております。これらの症例はNormo弁を形成するための手順を含めた技術伝達あるいは術後の血圧管理などの不徹底に起因すると考えられており、慎重な導入をしていれば再手術等の有害事象を防止できた可能性は否定できません。本試験の対象の大半が再手術例だったことなどの背景がマイナスに働いたことも勘案すべきところではありますけれども、いずれにしましても、本技術の一般化には時期尚早と判断することが妥当である、というコメントをいただいております。
 副担当の伊藤構成員の御評価につきましては、4ページ目を御覧いただければと思います。
 有効性につきましては、一色構成員同様E(その他)となっておりまして、研究中止により評価不能と、コメントをいただいております。
 安全性につきましても、同様にC(問題あり)となっていて、再手術が必要になるなど重篤な有害事象が発生し得る、という御評価でございました。
 技術的成熟度に関しても、一色構成員同様Cの御評価をいただいております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、ただいまの説明につきまして、何か御意見・御質問ありますでしょうか。
 特にございませんね。
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、3件目の技術の御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-5-3の資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
 旧告示番号2番として実施されておりました「十二種類の腫瘍抗原ペプチドによるテーラーメイドのがんワクチン療法」につきまして、久留米大学病院から総括報告書の提出がございました。
 技術の概要につきましてですけれども、別紙8の最後のページ、6ページ目を御覧いただければと思います。
 こちら右側中ほどのところに「概要」がございますけれども、ワクチン開始前の免疫検査結果に基づきまして、12種類のがんワクチン候補ペプチドより個々の患者様に適したペプチドを最大4種類選びます。そのペプチドを皮下投与して、免疫細胞を活性化させるという技術でございます。
 先-5-3の資料にお戻りいただきまして、試験結果の御説明をさせていただきます。
 1ページ目中ほどの「医療技術の試験結果」でございますけれども、[安全性の評価結果]から御説明をさせていただきます。
 こちら試験薬との因果関係が否定できない副作用の発現件数は、KVAC-1群で37件24例、対照群0件0例。なお、こちら対照群はBest supportive care (BSC)となってございます。
 重篤な有害事象では、KVAC-1群で27件17例、対照群で0例。重篤な副作用は、KVAC-1群で3件2例、対照群で0例に認められております。
 高頻度の有害事象としましては、注射部位反応、倦怠感、食欲不振、発熱、悪心、四肢浮腫などがございます。
また、1ページ目一番下の段落のところですけれども、KVAC-1群35例における重篤な有害事象17例中患者の転帰が死亡であったものとして上部消化管出血、死亡、全身状態悪化、詳細不明の新生物各1例となりましたけれども、いずれもKVAC-1群との因果関係は否定されております。
 2ページのところで、有効性につきましてですけれども、生存期間中央値は、当初計画のKVAC-1群14か月、対照群は7か月に対しまして、Full Analysis Set集団におきましてKVAC-1群で12.3か月、対照群20か月でございました。また、Per Protocol集団におきましても、KVAC-1群が16.3か月に対して対照群18.2か月と、いずれも対照群のほうで中央値は長かったということでございます。
 こちらの評価結果に関しまして、別紙8を御覧いただければと思います。
 別紙8の3ページ目から、主担当の山口構成員の御評価でございます。
 まず、有効性につきましてはD。従来の医療技術を用いるよりも劣ると、御評価いただきまして。コメント欄でございますけれども、Full Analysis Set、Per Protocol Setいずれでも有意差がないものの、いずれも対照群の生存期間は長かったことよりDと判定したと、コメントをいただいております。
 また、安全性につきましてはB。余り問題なしと御評価いただいておりまして。注射部位皮膚反応など高頻度に認められた。副作用が幾つか認められたが、いずれも重大な結果には至っておらず、比較的安全であることが示されたと、コメントをいただいております。
 技術的成熟度につきましてはA。当該分野を専門とし、経験を積んだ医師または医師の指導の下であれば実施できると、御評価いただいておりまして。コメントといたしまして、本治療法は高度な技術を必要とするものではないと、コメントをいただいております。
 「総合的なコメント欄」でございますけれども、予定症例数に達しなかったが、解析の結果ではワクチン投与の優越性は証明できず、むしろ対照群より生存期間は短い傾向にあった。また、安全性に関しては大きな問題はなかったことが確認されたと、コメントをいただいております。
 「薬事未承認の医薬品等を伴う医療技術の場合、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄」でございますけれども、予定症例数には達しなかったものの、有効性に関してはある程度評価できたと考える。本試験の結果から、さらに大規模な比較試験を進めることには慎重であるべきことが示されたと、コメントをいただいております。
 また、副担当の柴田構成員の御評価でございますけれども、有効性につきましてはD。従来の医療技術を用いるよりも劣ると、御評価いただきました。コメント欄でございますけれども、この先進医療Bと独立に実施された治験でも同様に治療効果が証明されていないという背景があり、本先進医療Bは非ランダム化試験でもあるために対照群との間の厳密な比較ができないとは言え、効果を示唆するエビデンスは示されていないことから、Dとしたと、コメントをいただいております。
 なお、総括報告書中で、「リンパ球比率が中央値以上のKVAC-1群では中央値以下の症例に対して有意に長命であった」といった考察がなされているが、これはKVAC-1群の治療効果を裏づける根拠とはならない。また、同様に「ワクチン投与後のいずれかのポイントで抗ペプチドIgG抗体が1,2及び3ペプチドで2倍以上上昇した症例では、上昇しなかった症例に比べて生存期間は有意に長かった」との考察がなされているが、こちらはいわゆるoutcome-by-outcome analysisの一種であり、この結果から過大な解釈を引き出すことは不適切と考えると、コメントをいただいております。
 安全性につきましてはB。余り問題なしと、御評価いただいておりまして。重篤な副作用については、いずれも因果関係不明もしくは因果関係はないと判断されていることから、問題ありとまではせず、Bとしたと、コメントをいただいております。
 技術的成熟度につきましてはB。「その他」と御評価いただいておりまして。有効性を示唆する根拠が提示されていないため、A~Cの判断は困難であると、コメントをいただいております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明につきまして、何か御意見・御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 それでは、御報告を受けたということにしたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、事務局から、「先進医療Bの取下げについて」の資料が提出されております。これについて御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 大臣告示されております先進医療Bの技術に係る取下げの申請がございましたので、資料、先-6に基づきまして説明をさせていただきます。
 なお、これらにつきましては、既に、先進医療技術審査部会で承認されてございます。
 先進医療の取下げのところでございますけれども、告示番号25番。「11C標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による再発の診断」、また、告示番号40番。「11C標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による診断」、こちら2つの技術につきまして、どちらも試験終了のため、先進医療を取り下げると、御報告をいただいております。
 また、協力医療機関取下げにつきましても、資料にお示ししているとおりでございます。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、続きまして、「先進医療技術の保険導入について」の資料が提出されております。これにつきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-7-1、先-7-2に基づきまして御説明をさせていただきます。
 昨年12月5日の先進医療会議におきまして、先進医療技術の科学的根拠等の御評価を実施していただきました。その結果を、1月の医療技術評価分科会及び12月の中医協総会に御報告した際の資料でございます。
 まず、先-7-1、1ポツ目のところを御覧いただければと思います。
 こちら6技術につきまして、医療技術評価分科会・中医協総会ともに、診療報酬改定において対応する優先度は高い技術として御評価いただいております。
 なお、このうち告示番号4番の「神経変性疾患の遺伝子診断」につきましては、※のところに記載がございますとおり、適応症のうち、脊髄小脳変性症については十分な科学的根拠を有すると判断した。また、それ以外の適応症については現時点では科学的根拠が十分でないと判断したと、御報告をさせていただいているところでございます。
 こちらの6技術についての保険適用につきましては、4月1日から適用されることとなってございます。
 また、3ページのところにございますように、こちらは12月5日の先進医療会議で議論があった事実に関しまして、概要をまとめて、このような形で御報告をさせていただいているところでございます。
 また、9ページ目を御覧いただければと思います。こちら9ページ目の5ポツ目の「施設基準の見直しに係る検討」についてでございますけれども、こちらは事前評価におきまして、見直し(案)の提出がなかったために、検討は行っていないということでございます。
 なお、削除が適切であるとされました先進医療技術に関しましては、先-7-2の資料を御覧いただければと思いますけれども、こちらの1ポツ目のところに、告示番号11番、告示番号14番と、2技術記載をさせていただいているところでございます。
これらの2技術に関しましては、全て削除ということで、中医協総会に御報告してございます。
 また、このうち告示番号14番「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」につきましては、この御報告をさせていただいた後に、中医協で選定療養に係る検討が行われまして、そちらのほうで、4月1日から選定療養の枠組みで行われるということで決定がされたところでございます。こちらに関しては御報告をさせていただきます。
 説明につきましては、以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、何か御意見・御質問ございますでしょうか。
 よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 本日の議題は、残りとして「その他」になっておりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局からは、特段ございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方からはいかがでしょうか。
 どうぞ。
○福井構成員
 先ほどの議題5の総括報告書についてです。3つとも異なるアウトカムになっているようです。総括報告書を書く時点で薬事承認を得たもの、途中でうまく行かなかったもの、それから、ネガティブなほうに結果が出たものと、そういう報告書になっています。残存聴力活用型人工内耳挿入術のように、総括報告書を書く時点で、薬事承認まで行って、本当にうまくいったという事例は、先進医療で何%ぐらいあるのでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 これまで合わせて何件という数字は、今は持ち合わせていないところではあるのですけれども、1つの例示を挙げさせていただきますと、今、保険収載で行われている遺伝子パネル検査のNCCオンコパネルに関しては、試験終了後に薬事承認が得られているところでございます。そのような形で、結果的に薬事承認まで至ったものもありますが、正確な値については、すみません、まだ事務局では把握できておりません。
○福井構成員
 また、教えていただければと思います。
○五十嵐座長
 そうですね。何か機会を作って、振り返っていただくのもいいのではないかと思いますので、宿題ということで。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 検討させていただきます。
○五十嵐座長
 よろしくお願いいたします。
 そのほかはよろしいでしょうか。
 それでは、本日の議論はこれで終了したいと思います。次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和2年4月2日16時を予定しております。場所については別途御連絡をさせていただきます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、第84回の先進医療会議をこれで終了いたします。
 

 

 

 

 

 

 

(了)

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