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2020年1月9日 先進医療会議・先進医療合同会議(第82回先進医療会議、第93回先進医療技術審査部会)

○日時

令和2年1月9日(木)16:00~

 

○場所

中央合同庁舎第5号館専用第15会議室(12階)
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 石川構成員 柴田構成員 竹内構成員
福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員 一色構成員
真田構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他


○議題

 1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-1)(別紙1)(別紙2)

○議事

〇第93回先進医療技術審査部会
16:00開会

○五十嵐座長
 それでは時間になりましたので、ただいまから、国家戦略特別区域内で実施する先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について「先進医療合同会議」を開催いたします。
 初めに先生方の出席状況ですが、全員御出席です。
 また、本日は、先進医療技術審査部会から一色構成員と真田構成員に御出席をいただいております。よろしくお願いいたします。
 では、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
 (カメラ撮り終了)
○先進・再生医療迅速評価専門官
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、座席表、委員名簿をおめくりいただきまして、先-1「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」という一枚紙がございます。こちらには別紙1、別紙2がついてございます。
 資料に関しては以上になりますけれども、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等につきましてはタブレットから閲覧していただきます。
 会議資料とタブレット内容は異なっておりますので、発言される先生方におかれましては、会議資料のページまたはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 何か委員の先生方からございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しまして、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について、御報告いたします。
 新井構成員、山口構成員、山本構成員、一色構成員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号135の技術について報告がございました。
 山本構成員におかれましては、検討対象技術につきまして、自施設からの施設申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
 また、新井構成員、山口構成員、一色構成員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万以下でありましたので、同規定に基づきまして、当該技術に関する議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能であります。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。そのほかの出席されている構成におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 次に、事務局から先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-1の資料に基づきまして御説明させていただきます。
 今回、この合同会議で御審議いただきます技術は2件ございます。
 1件目ですけれども、整理番号134番「KIT遺伝子変異のある進行期悪性黒色腫に対するKIT阻害薬と抗PD-1抗体併用療法」でございまして、適応症につきましては悪性黒色腫(KIT遺伝子変異を有し、既存治療に抵抗性の進行期症例)となってございます。
 今回、慶應義塾大学病院から申請がございまして、かかる費用については資料にお示ししたとおりでございます。
 先進医療技術審査部会における事前評価につきまして、主担当を真田構成員、副担当を柴田構成員と佐藤構成員にお願いしておりまして、総評としては適の御評価をいただいております。
 また、先進医療会議における事前評価は山口構成員にお願いしてございまして、総評として適の御評価をいただいております。
 続きまして、医政局研究開発振興課より追加の説明がございます。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。
 お手元の資料、別紙1の22ページをおめくりいただければと思います。
 こちらに様式9号がございまして、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものとしてお示させていただいております。こちらを御説明いたします。
 まず1でございますが「実施責任医師の要件」としまして「診療科」は要で、皮膚科となってございます。
 「資格」でございますが、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が必要となってございます。
 「当該診療科の経験年数」でございますが、不要。また「当該技術の経験年数」も不要となっております。
 「当該技術の経験症例数」でございますが、特に不要となってございまして、「その他(上記以外の要件)」としまして、悪性黒色腫に対する化学療法の経験を有することとなっております。
 また、2「医療機関の要件」としまして「診療科」が要で、皮膚科となっております。
 「実施診療科の医師数」でございますが、要となってございまして、皮膚科が5名以上となってございます。
 「他診療科の医師数」でございますが、具体的内容としまして、腫瘍内科2名、血液内科2名、消化器内科2名程度、呼吸器内科2名、内分泌内科2名、こちらは2名となってございますが、2名以上ということで申請者より御説明いただいておりますので、後ほどまた修正いただくようにお願いいたします。
 「その他医療従事者の配置」でございますが、必要となってございまして、薬剤師が2名以上、臨床検査技師が2名以上、診療放射線技師が2名以上となっております。
 「病床数」ですが、20床以上が必要。また「看護配置」は7対1看護以上が必要となっております。
 「当直体制」も必要でして、皮膚科当直またはオンコール体制。
 「緊急手術の実施体制」、また「院内検査(24時間実施体制)」も必要となってございます。
 「他の医療機関との連携体制」は不要。また「医療機器の保守管理体制」が必要となってございます。
 「倫理審査委員会による審査体制」は、臨床研究法適用試験のため記載不要となっております。
 「医療安全管理委員会の設置」が必要でして「医療機関としての当該技術の実施症例数」は不要となってございます。
 おめくりいただきまして23ページでございますが、3「その他の要件」としまして「頻回の実績報告」は不要。
 「その他」も特に要件はございません。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局から補足の御説明させていただきます。
 竹内構成員におかれましては、この技術に関しまして、自施設からの申請であるということでしたので、先進医療会議の運営細則第4条の規定で、検討及び事前評価には加わることはできませんので、一時御退席いただきました。失礼いたしました。
○五十嵐座長
 御説明、ありがとうございました。
 では、先進医療技術審査部会における整理番号134の事前評価を、主担当として真田構成員、副担当を柴田構成員にお願いをしております。佐藤構成員にも評価をお願いしておりますけれども、きょうは御欠席ということになっております。
 それでは、真田構成員から、概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。
○真田構成員
 真田でございます。よろしくお願いいたします。
 別紙1のほうを御参照いただければと思います。
 「医療技術の概要」のところにも記載されておりますが、KIT遺伝子変異のある進行性悪性黒色腫に対するKIT阻害薬と抗PD-1抗体の併用療法となっており、日本人の悪性黒色腫にはacral型やmucosal型が多いということですが、この型においてはKIT遺伝子と言われる遺伝子の変異が多いという報告がありまして、この遺伝子変異に基づいた組織横断的な治療と申しますのは最近多くのところで注目されていて、海外等ではそのような性質に基づいた横断的な薬事承認事例もあるということは皆様御存じかと思いますが、このKIT阻害剤、イマチニブですけれども、こちらは予後不良であります進行期の悪性黒色腫には適応とはなっておりません。
 このお薬を、KIT遺伝子変異のある腫瘍に使用しようしてみようという試験になっておりまして、ただ、単剤で使用するわけではございませんで、従来より薬事適用のあるチェックポイント阻害剤と併用による相乗効果を確認したいという試験でございます。
 ただ、その併用におきましては日本国内では使用経験がないということですので、こちらの試験では、こちらにも示されておりますように、その用量を決定し、安全性を評価するために、第1相及び早期第2相の試験を併用した形で申請をいただいております。
 この第1層、第2相をあわせて、症例数としては22例を目標にされているということです。
 こちらのほうの評価について、まず、私の担当した部分から御説明いたしますと、こちらはお手元の資料の先進医療審査の事前照会事項2というところをごらんいただいたらよろしいかと思いますけれども、おおむね試験計画の骨子に関しましては、私は大きな問題はないのではないかと認識をいたしましたが、細かいところで、例えば表現のそごが考えられるところや、少し不明な点、こちらも修正いただいたのですけれども、あと、この貴重な症例群でありますので、単院で試行する試験と言いながら、やはり症例の集積に問題を来す場合が想定されますので、多施設研究に展開されるおつもりはありますかとお伺いしたところ、それもそのようにお考えだということを、この回答の中で表明をいただいております。
 あと、22例という症例数の計算のところで、少しわかりにくいところがありますので、追加の説明を求めましたが、基本的には22例よりもたくさんインクルードしないといけない場合もあり、そのような状況が生じた場合には、追加の修正申請を行うことを想定しているということを、こちらの御回答の中であわせて表明をいただきましたので、私の担当する部分については問題はないと考えた次第です。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 次に、倫理的観点から評価を佐藤構成員からいただいておりますけれども、きょうは御欠席ですので、事務局からかわりに説明をお願いいたします。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。
 お手元の資料、別紙1の2ページ目の中ほどをごらんください。
 【倫理的観点からの評価】としまして、佐藤構成員より御評価いただいております。
 代読いたします。
 4番目「同意に係る手続同意、文書」及び5番目「補償内容」につきまして、いずれも適の御評価をいただいております。
 コメントのところでございますが「説明文書には、本研究で確かめる対象である腫瘍の縮小効果が利益として書かれていたが、2剤を併用したデータがないこと、縮小効果は可能性であること、が記載された。相談体制については適切に記載されている。補償は、健康被害のうち、本試験に起因するものもしくは因果関係が否定できないもので、かつ未知のものに限定されている(これ以外のものは保険診療による対応)が、本研究においては抗がん剤の副作用や腫瘍の増大など、当然に発生しうるものが含まれるため、許容されるものと考える」ということで、コメントいただいております。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 次に、試験実施計画書等の評価を柴田先生からお願いしたいと思います。
○柴田構成員
 お手元の資料、別紙1の2ページ、3ページのところをごらんください。
 このものについては、臨床試験の計画はしっかりと組まれておりますので、計画内容そのものに対して、いずれも適だと考えています。ただし、この併用療法による先行事例というのはデータがないので、その点には注意が必要だと思います。
 後ろのほうの資料でロードマップが13ページに載っているのですが、こちらの右下に海外での状況として、米国のNCCNのガイドラインにイマチニブの単剤療法が推奨の一つとして書かれてあるのですが、戻っていただきまして、今回の併用することによって相乗効果が期待できるというのは、あくまで臨床試験による実証をされたものではないので、これはあくまで確立した治療ではなく、先進医療というラベルがついていても標準治療以上の効果が確定したものであるとの誤認がなされないようにするべきことというのは重要な点ではないかなと考えております。
 ただし、第2相部分で早期無効中止の判断をするデザインも選択されていますので、漫然と実施されることはない、適切なデザインで行われていますので、臨床試験として実施することについては問題ないと考えております。
 もう一度ロードマップに戻っていただきまして、こちらはオープンラベルの第1、2相試験の結果に基づいて、学会要望等あれば、未承認薬・適応外薬検討会議を経て、公知申請を検討するというロードマップになっていますが、メラノーマはもともと患者さんが少ないことと、さらにKIT遺伝子変異のある方ということで絞られているので、これは一つあり得るとは思うのですが、公知申請の条件を厳しく捉えるPMDAの方、本省の方とも、公知申請の条件を厳しく捉えられて、広く使われていないのではないかとか、外国で薬事承認されていないではないかということが指摘される可能性もあると思いますが、基本的には、私が認識している限りでは、もともと公知申請の条件として挙げられている、平成11年に出された二課長通知の中では、今、ここのロードマップに書いてあるような道筋は体系的にはとり得るような状況にはなっていると思いますので、そこのところで薬事の審査を担当される方の判断が柔軟にされるとよいのではないかなと、評価を担当した者としては考えるところです。
 以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 続きまして、現時点での先進医療技術審査部会としてのまとめを、真田構成員からお願いいたします。
○真田構成員
 真田でございます。
 今、柴田先生からも御説明があったところではございますが、本技術は先だての臨床使用経験のないところで、その安全性あるいは用量決定に係る探索的試験という早期試験の位置づけでありますので、それに係る、特に安全性のたてつけを慎重にしていただかないといけないという点や、計画書中の不明瞭なところや定義の明確化、あるいは方針の明確化に関して御対応いただいたというところで、このロードマップに関しても、これは後ろに治験をもう一度やると書いていらっしゃいまして、1・2相の試験も治験でやらないのですかというお考えの向きもあるかもしれませんけれども、そこは症例の集積やその他の諸事情を勘案し、あるいは、まだ探索的にも用量用法等の使用法が確立されていないというところでありましたら、そういうところをはっきりとさせることで、次の治験あるいは次の臨床試験に資するデータをとるという観点からは、この試験をお認めしてもよろしいのではないかということで適と判断した次第です。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、続きまして、先進医療会議における事前評価につきまして、山口構成員から評価結果等について、御説明をお願いいたします。
○山口構成員
 別紙1の10ページをごらんいただけますでしょうか。
 今まで評価委員たちの御評価がありましたが、基本的には同じ考え方で、まず「社会的妥当性(社会的倫理的問題等)」に関しましては倫理的な問題はないと考えます。
 「現時点での普及性」は、普及していないということでCといたしました。
 「効率性」に関しては、まだ効果はわかりませんけれども、やや効率的であるということが期待できるということかと思います。
 「将来の保険収載の必要性」につきましても、今までおっしゃられたことと一緒で、本治療法はまだ前臨床のデータが少しあるだけで、本当に有効性があるかどうかというのは全くの未知数であると思います。ただ、この疾患は極めて予後の悪い疾患で、早急に新しい治療が求められているということから、こういうフェーズ1・2の形で迅速に16例の評価をして、この有効性はかなり高いものであれば、あるいは公知申請をする価値があるかもしれません。どちらとも言えないような結果であれば治験を行うべきものかと思います。したがいまして、このデータだけで直ちに保険収載につながりませんが、今後も臨床的な検証を進めるためにも重要な研究と考えます。
 まとめますと、総合判定としては適ですが、繰り返しになりますけれども、本研究の結果だけでは直ちに保険収載につながらないということを付記しました。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 御説明は以上ですけれども、これまでの説明について、何か御質問等はございますでしょうか。
○藤原構成員
 2点ございます。
 1つは別紙1の16ページ「被験者の適格規準及び選定方法」の中で、KIT遺伝子変異の検出方法について、CLIA認証、CAP認定などの国際規格を受けた臨床検査機関で、NGSを使ったゲノム検査で実施された結果となっていますけれども、実際に、日本で承認されたパネル遺伝子検査1剤はボストンに送っています、1剤は理研ジェネシスでやって、いずれもCAPの認証をとっていますけれども、それ以外には非常に少ないので、プロトコルの中に、こういう中央検査をする機関はどこですかというのを以前に明示しておいたほうがいいのかなと。
 慶應さんは御自身の中でNGS検査もやっていますけれども、それはまだパネル遺伝子検査も承認前ですから、それを誤って使われたりすると後から大変なので、具体的にはどういうところにこの検査を依頼するかというのを、もう少し明示されていたほうが。後から蓋を開けたら全然違うところでやっていましたとなると、CAP、CLIAいずれもアメリカの認証方法なので、後で困ると大変かなと思いますので、ここは修正したほうがいいかなと思いました。
 それから、22ページの先ほどの研発から御紹介のあった施設用件ですけれども、皮膚科の先生方は多分イマチニブの使用経験はないので、慶應病院であれば血液内科はしっかりされていますので「その他(上記以外の要件)」のところに、今は「悪性腫瘍に対する化学療法の経験を有すること」と書いてありますけれども、例えば「イマチニブの使用経験のある血液内科と連携をしっかりとること」とかの一言を入れておいていただいたほうが安全かなと思います。
○五十嵐座長
 御指摘をいただきましたけれども、事務局から何かございますか。
 どうぞお願いします。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。貴重な御意見いただきましてありがとうございます。
 1点目に関してでございますが、先生、御指摘のとおりで、こちらはどういう検査ということは明示をされていないのですが、ただ、今回の試験の対象症例となります患者さんが、悪性黒色腫の中でも、特に既存治療に抵抗性の進行期症例ということで、保険診療で行われる遺伝子パネル検査を行って、そこでKITが検出された患者さんを想定しているとお聞きしております。いずれにしましても、先生にいただきました御意見のとおりにお伝えさせていただくようにします。
 2点目についても記載を追加していただくようにします。
 ありがとうございました。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 新しい薬を使って、自己免疫疾患用の症状が結構重篤で、皮膚科の先生だけでは対応できない可能性もあるということで、そういう付記をしたほうがいいという御指摘をいただきましたので、これも大変重要なことはないかと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは基本的には、きょう御説明いただきました、おのおのの先生方の評価結果どおり決定してよろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。
 では、竹内先生、お入りください。
 (竹内構成員入室)
○五十嵐座長
 続きまして、もう一つの新規技術について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先ほど御説明いたしましたとおり、山本構成員におかれましては、当該技術に関する検討及び事前評価には加われないことになりますので、一時御退席いただくよう、よろしくお願いいたします。
 (山本構成員退室)
○先進・再生医療迅速評価専門官
 それでは、資料の説明のほうに移らせていただきます。
 先-1の資料のほうにお戻りいただけますでしょうか。2件目の技術でございます。整理番号135番「大動脈解離術後の偽腔拡大に対する血管内治療」でございまして、適応症については、残存する大動脈解離偽腔の拡大となってございます。
 今回、国立循環器病研究センターより申請がございまして、かかる費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。
 先進医療技術審査部会における事前評価につきまして、主担当を一色構成員、副担当を山中構成員と佐藤構成員にお願いしておりまして、総評としては適の御評価をいただいております。
 また、先進医療会議における事前評価につきましては、福田構成員にお願いをしてございまして、総評として適の御評価をいただいております。
 続きまして、医政局研究開発振興課より追加の説明がございます。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。
 お手元の資料、別紙2の18ページをめくりいただければと思います。
 様式第9号、当該先進医療実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものとして挙げさせていただいております。
 まず1でございますが「実質責任者の要件」としまして「診療科」は必要で、心臓血管外科、血管外科または放射線科。
 「資格」は要で、ステントグラフトの指導医となっております。
 「当該診療科の経験年数」は5年以上で、「当該技術の経験年数」につきましては不要となってございます。
 その他「当該技術の経験症例数」は不要となってございます。
 2「医療機関の要件」でございますが「診療科」は要となっておりまして、心臓血管外科、血管外科または放射線科。
 「実施診療科の医師数」につきましては、要で、心臓血管外科(血管外科)または放射線科が1名以上となっております。
 「他診療科の医師数」でございますが不要となっております。
 「その他医療従事者の配置」としまして、放射線技師が必要となっております。
 「病床数」につきましては200床以上が必要でして、「看護配置」は7対1看護以上が必要になっております。
 「当直体制」でございますが、内科、外科が必要となってございます。
 「緊急手術の実施体制」につきましても必要で、心臓血管外科、血管外科、放射線科となっております。
 「院内検査(24時間実施体制)」につきましては必要。
 「他の医療機関との連携」は不要となってございます。
 「医療機器の保守管理体制」は必要となってございます。
 「医療安全管理委員会の設置」は必要となっております。
 「医療機関として当該技術の経験症例数」は不要となっております。
 「その他」、上記以外につきましては不要となってございます。
 3「その他の要件」でございますが「頻回の実績報告」は不要。
 19ページにお進みいただきまして「その他(上記以外の要件)」は不要となってございます。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 先進医療技術審査部会における整理番号135の技術の事前評価につきましては、主担当を一色構成員にお願いをしております。また、副担当を佐藤構成員と山中構成員にお願いをしておりますけれども、本日は御欠席でございます。
 それでは、一色構成員から概要の説明と実施体制の評価について、御説明をお願いいたします。
○一色構成員
 それでは、まず概要の説明からさせていただきます。
 大動脈解離に対しましては、適応がある患者さんに対しては人工血管置換術、あるいは最近では、いわゆるステントグラフトの内挿術、TEVERと言われますけれども、非常に多く行われている状況があります。
 これがうまくいって、エントリーと称するちょうど解離腔の入り口、出口、その辺がしっかりと押さえられる場合は問題ないのですけれども、症例によっては不十分な場合あるいは一回押さえたところがまた再解離するということで、偽腔が経時的に拡大してくる症例があると。それが非常に大きくなってくる場合には、予後不良ということで手術をさらに追加するということが必要になる症例があるわけですけれども、そういう症例の多くは解離腔が大きいということで、胸部・腹部両方、開胸・開腹の手術をしなくてはいけない症例もあって、非常に患者さんの負担が大きい。特に高齢者とか臓器障害がある患者さんに対しては、ほとんどそういう手術もできないということで、これまで担当診療科の負担が非常に大きかったという疾患であります。
 そういう中で、最近、血管内治療がいろいろ行われるようになり、その応用で何とか閉鎖ができないかということが試みられるようになりました。
 別紙2の10ページをごらんいただきますと、左側に図が1、2、3と書いてありますが、この1というのはCandy plug法といって、今回の治験とは関係ないのですけれども、偽腔の中に直接、ステントグラフトのちょっと変形したもの、特殊な形状のものを入れて、これでもって血栓化を図るということが行われてきたわけですけれども、今回はエントリーの部分の入り口部分を塞ごうという目的で、2番のような細い血管、この周囲からエントリーがある場合はここに入れる。それから、3番、腸骨動脈のような血管に、ここから解離腔がある場合には、エントリーをここで塞ぐというようなやり方で、結局、入り口を押さえて内部の血栓化を図って拡大がこれ以上進まないようにするという手技が行われるようになったという背景がございます。
 これに用いる比較的細いステントグラフトが既に市販されておりまして、それがゴアバイアバーン、今回、使われる機械なのですけれども、これについては現在の適応は外傷性の欠陥損傷ということ、あるいは閉塞性動脈硬化症で完全に詰まってしまったところ、あるいは解離が大きくなってしまったところに挿入するという適応だけがあって、この大動脈解離の偽腔の拡大症例に対する適応がないということで、これに対する治療を適応拡大の形で求めているのがこの試験ということになります。
 適応自体は申し上げたような大動脈径が急速に拡大する症例とか、急速ではなかったとしても非常に太くなってきた症例というような症例を対象として、この枝にステントグラフトを入れましょうということであります。
 このステントグラフトを入れる血管がちょっと特殊なのは、その血管自体が損傷されていないけれども、エントリーを防ぐために、今、現実に血流障害がない血管にこの細いステントグラフトを入れるという意味で、若干変則的な治療ということになるわけですけれども、これがなかなか先行研究がはっきりしていない、症例報告レベルということです。それから、そんなに症例数が多くない。年間10例ぐらいと施設では見込まれているということで、15例の目標ということでの探索的研究が予定されているとなっております。
 細かい評価につきましては、またコメントいただいていますので、後で申し上げますが私がまず最初に担当いたしました実施体制につきましては、本施設は非常に経験も豊富で、しっかりとした体制のある施設でございますので、この点については適と判断をさせていただきました。
 総合評価はまた後ほどさせていただきたいと思います。
 技術の概要としては以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 倫理的な観点からの御評価につきましては、佐藤構成員からいただいておりますけれども、本日は御欠席ですので、事務局から説明をお願いいたします。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。
 お手元の資料、別紙2の2ページ目の中ほどをごらんください。
 【倫理的観点からの評価】としまして、佐藤構成員より御評価をいただいております。
 4番目「同意に係る手続き、同意文書」及び5番目「補償内容」につきましては、いずれも適の御評価をいただいております。
 コメントといたしまして「説明文書の中身は、相談体制も含めて適切に記載されている。健康被害が生じた場合には保険にて対応することになっており、適切と考える。実施にあたってはtherapeutic misconceptionが起こらないこと(メリットを過度に強調しないこと)に留意いただきたい」ということでした。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 試験実施計画書等の評価につきましては、山中構成員から評価をいただいておりますけれども、山中構成員もきょうはお休みですので、これにつきましても事務局から説明をお願いいたします。
○研究開発振興課長補佐
 事務局でございます。
 こちらも、お手元の資料、別紙2ページ目、下段をごらんください。
 【試験実施計画書等の評価】としまして、山中構成員に御評価をいただいております。
 6番目「期待される適応症、能及び効果」のところから、おめくりいただきまして3ページ目、16番「個人情報保護の方法」につきまして、いずれも適の御評価をいただいております。
 コメント欄を代読いたします。「実施計画書の内容にはおおむね異存ありません。登録が容易な集団でないことは承知しているが、単施設、予定登録数15例、12か月時大動脈瘤径の信頼区間の推定を目的とする探索研究である。本試験のみで『結果の再現性』を担保することはおそらく困難であるため、この研究を持って、公知申請をはじめ、薬事申請に至る可能性は大きくないと考える。過去に類似の研究データがないことから、まずは本研究を実施し次期治験のためのデータを取得するという点で、先進医療として実施の意義はあると思います。言い換えると、先進医療の出口という観点からは、本試験の結果を次期の多施設治験のデザインに反映させることが望ましく、その観点から必要なデータを取得されたい」というところでございます。
 また「試験機器の安全性確認のために、3例の試験治療後30日経過時点で独立安全性評価委員会が評価をすることになっており、おそらく、3例目以降も、重篤な事象がおこれば、随時、同委員会で評価することになると思われる。ただし、委員3名中2名が同施設の心臓血管内科であり、心臓血管の外科か内科の違いであり、一般には独立とはみなせないので、完全に独立したメンバーを選択されたい」ということでコメントをいただきました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、現時点での先進医療技術審査部会としてのおまとめを一色構成員からお願いいたします。
○一色構成員
 山中先生からの御指摘を除けば、ほぼ十分に適という評価だと理解をしております。
 公知申請が難しいということにつきましては、11ページのロードマップをごらんいただきますと、右側に「ニーズ検討委員会」、公知申請に至らなければ医師主導治験を行って薬事承認を目指すという、最初からそういう認識は持っておられるということもありますので、これについても、この結果次第でどのような発展をするかということを見越しておられると評価をいたしました。
 冒頭、私のほうが申し上げましたけれども、私はインターベンションをずっと循環器内科医としてやってきまして、この比較的細い径の血管に、それも狭窄等のないところにステントグラフトを入れるということが若干のリスクを伴うわけでありまして、入れた後の、逆に入れたがゆえに起こってくる血栓性閉塞のリスクというのがゼロではない。健常な場合は非常に少ないとは認識はするのですけれども、それでも何らかのぐあいで合併症が起こり得るということで、当初、評価項目に入っていなかったのですけれども、やりとりをさせていただいて、その辺の項目もCTのフローのときに追加をしていただくと。植え込んだ血管の開存性についても評価をするということも御回答いただきましたので、あわせまして総合的には適と考えております。
 山中先生の最後のコメントにございましたが、独立したメンバーを評価委員会の中に選択されたいということがありますので、条件づき適とはしませんでしたけれども、事務局のほうからその旨をお伝えいただいて、そういう体制をとっていただければよろしいのではないかと考えております。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、先進医療会議における事前評価につきまして、福田構成員から評価結果等を御説明いただきたいと思います。
○福田構成員
 では、資料7ページで御説明をさせていただきます。
 まず「社会的妥当性」で倫理的問題についてですが、基本的には技術審査部会の先生方と同様なのですけれども、倫理的問題等はないと思います。
 「現時点での普及性」としては、現時点ではほぼやられていないということですので、普及していないという状況です。
 「効率性」に関しましては、非常に低侵襲の方法で、うまくいけばやや効率的になるのでないかと考えることができると思います。
 「将来の保険収載の必要性」についてですが、Aとしましたけれども、先ほどの御意見と同様で、本臨床研究では症例数が非常に限られているというところから、この結果を踏まえて多施設での臨床研究等での有効性・安全性を検証した上で保険収載の検討をすべきではないかと考えます。
 総合的には適といたしましたが、将来的なものを考えると一つのステップとして意義があるものと思います。先ほどの山中先生のコメントについては、それを御指示いただければと私も思います。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 説明は以上ですけれども、これまでの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
○石川構成員
 教えていただきたいのですけれども、こういう偽腔ができて、この図だと腎動脈のところから血流が上限に行っているという説明なのだと思うのですけれども、この場合に、トンネルみたいなものをステントで腎動脈のところにつくって、こういう手術もあると思うのですけれども、それで、そこの入り口を絶ってしまう。それから、出口のところが、これは下の腸骨動脈のところになっているので、この腸骨動脈のところもステントで閉めてしまうと。出口のところです。そのような仕組みで考えていいですよね。
 ところが、この上のほうの大きな偽腔に対して、この砂時計型のステントを置くというのは、ここのところに流れている血流を途絶えさせるためにこういうのを置くということですか。これも含めて全部。
○一色構成員
 私も4ページのところで同じような印象を持ちまして、1の図を本来ここに載せる必要はないのではないかということを申し上げたのですけれども、研究の担当者のほうからどうしてもこれは載せたいという希望がありましたので、明確にこの1については今回の治験とは関係のない手術であるということを文章中に明記をしていただいたという経緯がございます。
 なので、こういう方法もあるけれども、今回はこのリエントリーの部分を押さえるのが目的ですという対応をしていただいております。
○石川構成員
 わかりました。
○五十嵐座長
 よろしいですか。
 そのほかはいかがでしょうか。
 それでは、事前評価結果どおりの結論でよろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、そのようにしたいと思います。
 山本構成員にはお戻りいただいてください。
 (山本構成員入室)
○五十嵐座長
 では、以上をもちまして「先進医療合同会議」をこれで終了させていただきます。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 ありがとうございました。
 準備が整い次第「先進医療会議」を開催させていただきます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。



第82回先進医療会議

○日時

令和2年1月9日(木)16:40~

 

○場所

中央合同庁舎第5号館専用第15会議室(12階)
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 石川構成員 柴田構成員 竹内構成員
福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他


○議題

 1 新規技術(12月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について
   (先-1)(別紙1)
 2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-2)(別紙2)(別紙3)
 3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-3-1)(別紙4)(先-3-2)(別紙5)
 4 がん遺伝子パネル検査のプロトコールの必須項目および基本的な要件の改訂(案)について
   (先-4)
 5 令和2年度先進医療会議開催予定(案)について
   (先-5)
 6 その他

 

○五十嵐座長
 それではただいまから、先進医療会議を開催いたします。
 先生方の出席状況ですが、本日は全員御出席になっていらっしゃいます。
 では、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
 (カメラ撮り終了)
○先進・再生医療迅速評価専門官
 それでは、まず資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、委員名簿をおめくりいただきまして、まず先-1「先進医療の新規届出技術について」とあります1枚紙がございます。こちらには別紙1がついてございます。
 続きまして、先-2「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」とあります1枚紙がございます。こちらには別紙2及び別紙3がついてございます。
 続きまして、先-3-1、先進医療技術の総括報告書に関する評価についてでございますけれども、こちらは別紙4がついてございます。
 さらに先-3-2、こちらはもう一つの技術に関する総括報告書の評価でございますけれども、こちらには別紙5がついてございます。
 続きまして、先-4「がん遺伝子パネル検査のプロトコールの必須項目および基本的な要件の改訂について(案)」という資料がございます。
 最後に、先-5「令和2年度先進医療会議開催予定(案)」としている1枚紙がございます。
 資料は以上になります。
 また、先ほどの合同会議と同様、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 委員の先生方、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、今回対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となります技術等に関しての利益相反について、御報告いたします。
 柴田構成員、藤原構成員より、先進医療Bとして評価を行います整理番号137番の技術について報告がございました。
 柴田構成員におかれましては、検討対象技術につきまして、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
 藤原構成員資料におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万以下でありましたので、同規定に基づきまして、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能であります。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 出席されていらっしゃる構成員に行われましては、利益相反はないということでよろしいでしょうか。
 どうぞ。
○藤原構成員
 私は前職のときに、多分、プロトコルが検討されていますので、諸事項の関与者ということで、柴田委員と同じ処置で退場したほうがいいと思います。
○五十嵐座長
 皆さん、それでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、新規技術(12月受取分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け(案)につきまして資料が提出されております。事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-1の資料に基づきまして御説明させていただきます。
 今回、先進医療の新規届出技術につきまして、振り分けいただく技術が1件ございます。
 受理番号106番の技術でございますけれども、技術名が「高感度多遺伝子検査システムMINtSによる細胞診検体を用いた肺癌druggable遺伝子変異検索」となってございまして、今回、自治医科大学附属病院より申請がございました。
 「適応症」につきましては肺がんで、費用につきましては、表に示しているとおりでございます。
 技術の概要につきまして、簡単に御説明させていただきます。別紙1の1ページをごらんいただけますでしょうか。
 「内容」の(先進性)のところにございますけれども、このMINtSは細胞診検体を対象とした多遺伝子変異検索システムでございまして、EGFR、ALK、ROS1、BRAFに対するコンパニオン診断薬を目指して開発されているものでございます。
 また、1ページの下側の(概要)のところでございますけれども、こちらは肺がん診断のために採取した検体の細胞診検体部分、または増悪・転移病変から採取した細胞診検体を用いて、次世代シーケンサーにより多遺伝子の変異検索を行うものとなってございます。
 本技術は、体外診断用医薬品を使用する技術であるということから、今回、先進医療Aとして振り分け案を提示させていただいたところでございます。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
○藤原構成員
 バイオプシーを使うようなこういう検体の技術は、多分、リキッドバイオプシーの系統になってきて、薬事承認申請もこれから予想される中で、漫然と先進医療Aでやっていても余り意味ないような気もするのですけれども、その辺、体外診断薬だからというのでAに持っていくだけで大丈夫かというのが少し気になります。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 御指摘いただきましたとおり、この技術自体は、次世代シーケンサーを用いた多遺伝子変異検索ということでございまして、いわゆる一般的な遺伝子パネル検査にも使用される技術ではございます。ただ、今回、コンパニオン診断薬ということで、遺伝子を限定して調べている技術でございまして、この研究の中で既存のコンパニオン診断薬との比較も行う予定と伺っておりますので、今回、先進医療Aとして、パネル検査ではなく未承認の体外診断薬として振り分け案を提示させていただいたところでございます。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○藤原構成員
 藤原です。
 未承認の体外診断薬は、これまで先進Aに入っているのですか。既承認品でもたしか遺伝子を見るようなパネル遺伝子も、薬事承認されたのが昨年か一昨年かあったと思うのですけれども、その並びでも、こういうものはもうAでやっていきますというあれですか。体外診断薬というよりも、むしろ遺伝子検査をするものなので、結構重いかなと思うのですけれども。
 そこは割り切りのところなので、事務局的にこういうものは全部体外診断薬で先進医療Aにするというのであればそれでいいと思うのですけれども。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 遺伝子検査というか、未承認の体外診断薬につきましては先進医療Aで振り分けをしていた認識でおります。
 今、肺がんで使われているオンコマインに関しては、薬事承認上はコンパニオン診断薬として薬事承認、保険収載されておりますけれども、先進医療で行っているときは遺伝子パネルとして行っておりましたので、先進医療Bで行っていると認識しております。
 今回に関しては、コンパニオン診断薬という立ち位置になっておりますので、従来の未承認の体外診断薬というたてつけで先進医療Aで提示させていただいたというところでございます。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○藤原構成員
 では、将来的にリキッドバイオプシーの遺伝子検査の申請が出てきたら、全部Aに入れるのですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 そこに関しましては、リキッドバイオプシーがどういう使われ方をされるか、例えば、遺伝子パネル検査と同様の使用方法で、エキスパートパネル等を必須とするものであれば、また別に御審議をいただく必要があるとは思いますし、今後、リキッドバイオプシーが全て先進医療Aというわけではなく、そこに関しては別途、検査の使われ方に応じて御審議いただく必要があるかなと考えております。当技術に関しまして、今回、あくまで振り分け案として提示させていただいているというところでございます。
○五十嵐座長
 よろしいでしょうか。
 ほかに御意見はございますか。
 どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今いただいた意見も踏まえまして、本技術をどう取り扱うべきか御審議いただければと思いますので、忌憚のない御意見をいただければと思います。
○五十嵐座長
 いかがですか。
○山本構成員
 私はこういうがんの関係の検査全般がよくわかっていないのであれなのですけれども、遺伝子パネルは先進Bになっていて、今回はそれに似ているけれども先進Aで、今後、リキッドバイオプシーが出てくると、それを個別に判断するということになると、何をもって判断するのかよくわからないのです。
 遺伝子パネルを一旦先進Bにしてしまっていますけれども、体外診的なものはもう先進Aでやってしまうとしてもらってもいいのかもしれませんし、幾ら何でもカテゴリーである程度ざっくり決めていかないと、これを一々個別判断にしていると、申請する人が非常に困ると思うのです。ここに出してみないとわかりませんというような話だと非常に困る。
 私自身は、遺伝子パネルを前に1つ審査もさせていただきましたけれども、正直言って結局は体外診なので、先進Bに落とし込む理由はそんなにないような気がしておりまして、先進Aの中でデータをきちんととっていただく枠組みをつくるというところの審査をすれば済むことなのではないかなという気はしております。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 ほかの構成員の先生方はいかがでしょうか。
 どうぞ。
○竹内構成員
 私も非専門家なのでよくわからなかったのですけれども、これはコンパニオン診断薬としての遺伝子検査という形になるのでしょうか。すなわち、これの診断結果によっては、ある薬剤の選択にかかわるということになるのでしょう。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 おっしゃるとおりでございます。
○竹内構成員
 そうなると、やはり治療とセットで、治療効果判定とともに、この検査結果が生きてくるということになりますか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 この技術で検索をする遺伝子に関しましては、使用できる薬剤自体は既に保険収載をされているものでございます。したがいまして、薬剤に関しては、ある程度、有効性・安全性が一定確認をされているものでございますので、この検索に関しては、例えば遺伝子の検出率とか、そういうところを評価するものになってくる。そこから先の治療に関しては、もう既に保険適用内で行われているものという形になってございます。
○竹内構成員
 多分、藤原先生の御指摘は、こういう形でコンパニオン診断薬が、例えば、先進Bで既に審査されているような中で、同じコンパニオン診断薬であるこの新しい技術が先進Aになる理由は何かというようなところだと思うのですけれども、そういう議論ではないと考えていいのですか。
 というのは、もし、これを使って、より効率よく薬剤が安全かつ有効性高く患者さんに使えるのであれば、この技術をもって治療薬そのものの医療経済学的な側面からも評価できるということであれば、Bに近いような印象は持つのですけれども。
 そこの考え方を少し示していただければ、全くその治療薬とは切り離して審査するという立場でいくかどうかというところです。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。補足させていただきます。
 振り分けの資料の先-1の下段に備考としてありますように、原則としまして、未承認薬の体外診断薬の使用に関しては、先進医療Aとして振り分けるということで、これまでも振り分けを行っていただいておりました。
 一方で、パネル検査に関しましては、臨床的有用性をしっかりと検証する必要があり、今回の技術と違い、一連の治療の中でどのように位置づけるべきか重点的な観察の必要があるとの御判断のもとでBに振り分けるべきとなっていたかと思います。
 ですので、今回の技術については、あくまで既存のコンパニオン診断薬の代替としての技術ということで申請が上がっておりますので、通常とおり先進医療Aで振り分けるというのが妥当ではないかと事務局としては考えている次第でございます。
○山本構成員
 コンパニオン診断薬自体は体外診なので、それ自体だけだったらAなのだけれども、研究計画が何らかの未承認適応外薬の有効性を見るためにコンパニオン診断薬をかませてやっているのであれば、それはBだというのはわかるのです。遺伝子パネルについては、確かに1つも保険診療になっていない時点で、先進Bにした理由はわかりますけれども、今はもう既に保険収載されてしまっているので、それを以降もずっとBで続けるという意味はないのかなと。
 それは、言ったら、全ての新規技術はいつかの陳腐な技術になっていくので、陳腐な技術になった時点で、それはもうAでいいということになるのではないのかなということは思います。
 だから、リキッドバイオプシーも基本的にはそういう未承認適応外薬もしくは機器の有効性・安全性の評価というものとセットでないのであれば、先進Aでいいのではないのかなというようなざっくりとしたのはそういうことなのかなと、今聞いていて思ったのです。
○五十嵐座長
 ほかに委員の先生方はいかがですか。
○藤原構成員
 私は懸念するのは、リキッドバイオプシーはまだ確立されているわけではなくて、大きなメーカーが2つほど開発していますけれども、既存のNGSの結果とそごがあるデータも結構あるので、漫然とリキッドバイオプシーだけやられて、フォールスポジティブとかフォールスネガティブとかになってしまうと、患者さんの投与機会を逸することもあるので、ここにも書いてありますけれども、従来検査と多分整合性を見るようなところというのは大事になると思うのです。ですから、リキッドバイオプシーの第1例目であれば、むしろ厳し目にやっておいて、その後、もうすぐ申請とかになってきて、承認になって、山本委員がおっしゃるように幅広く使われるようになる時期が来ると思いますけれども、それまでの間は私はBとして取り扱ったほうが、まさに先ほど竹内委員もおっしゃった、これは適応外使用とも兼ね合ってくる領域で、治療とセットというところもあるので、余り楽に先進医療Aとやるのは危険かなと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 どうぞ。
○石川構成員
 将来的なリキッドバイオプシーのところとか、これがどの点でリキッドバイオプシーというようなものとの相似性といいますか、そういったことについてはいろいろと御懸念があるのだと思うのですけれども、しかし、今の提案であるMINtSについて、先-1の備考で書いてある先進医療Aということについて当てはまるのであれば。これは当てはまるのですよね。
 だから、今の段階では、将来的なもう少し新たな、リキッドバイオプシーのもっと幅広いものが出てきたときにまた検討するということで、これについては、僕は別に備考の定義しかないわけですから、Aでいいのではないかと思うのです。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○竹内構成員
 単純な発想は、既存の検査試薬と比べて、この新規診断法が、感度特異度等ですぐれているかどうかということだけをフォーカスするのであれば、多分、これはAでいいと思うのですけれども、コンパニオン診断薬としての有用性を評価するということになると、後の治療とセットになるのではないですかという議論になる。藤原先生が言われていた先進Bにより近くなるではないかと思うのです。
 この中の書きぶりとして、どうもコンパニオン診断薬という言葉が出てくるので、どうしてもその後の治療等と関連づけて考えてしまうということになるのかなと思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 何度も同じようなことを申し上げさせていただくことになりますけれども、事務局といたしましては、備考欄に記載しておりますように、従来からの整理として、この備考欄に記載している内容があると。
 今、先生方が御議論されていますように、本件が、単なるといいますか、従来の枠組みの中の検査なのか、もしくはそれを臨床上どういう位置づけで使っていくべきなのかというところが論点だと認識をしておりまして、まさにこの場の御議論の中で、その位置づけについて御議論いただいて、その結論をもって対応できればと考えている次第でございます。
○藤原構成員
 落としどころとしては、竹内先生がおっしゃる一致率を見ますと言い切ってもらえば、体外診断薬を先進Aでやりますという合理性が立つと思いますので、そう言ってもらえませんか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 少々お待ちください。
○福井構成員
 一言よろしいですか。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○福井構成員
 確かにコンパニオン診断薬という言葉は入っていますけれども、2ページの真ん中付近の(効果)のところのパラグラフを見ますと、この検査による高精度の検索により偽陽性、偽陰性率の低い正確な遺伝子変異検査による治療方針決定が可能になる、そこまでを見るのであれば、検査のところでとどまってAでもいいのかなと思います。
 確かに薬のところまで入れて、全体的に有効性、患者のレベルでの有効性までということになると、ちょっと違うかなとは思いますけれども、何となく体外診断薬そのもののパフォーマンスを見ているようにも見えます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 どうぞ。
○横井座長代理
 これは簡単に言うと、今、バイオプシーでしか診断ができないというところで、呼吸器内科医は非常に頭を悩ましていて、それを引っかけてきた細胞だけで陽性か陰性がわかれば、それにこしたことはないという多分御提案で、そうなると患者さんの負担も少ないし費用も少ない、合併症も少ないというところなので、どういう御提案がいま一つわからないのですけれども、バイオプシーと細胞診で同じ検査をやっての正診率等を見るだけであれば、Aでいいような気がいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。
 この申請に合わせて申請医療機関のほうがプロトコルを作成しておりまして、その中で同じ検体の中で、既存のコンパニオンと今回の検査を行って、プライマリーアウトカムに関しましては検出率となっておりますけれども、既存のコンパニオンとの一致率も確認をするという研究になってございます。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○山口構成員
 やはり最初の考えとだんだん変わって来ているので、混乱が起きると思うのですけれども、確かに事務局の言うように、今の時点で備考のところにあるものを素直に解釈したら、そうせざるを得ないということになってしまうと思います。ただ、問題は、やはり先進医療の中でだらだらとやっていて、いつまでたっても何の評価が出るのかわからないものがあることも確かなので、少し見直すということはやはり必要かと思います。現時点ではこれでもいいのではないかなと、私は思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 何か事務局から補足はありますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局です。補足をさせていただきます。
 先-1の備考にある振り分けの仕方というのが原則になっておりますが、それとは別に、では、一番下の重点的な観察が必要なものとは何かということで、以前の先進医療会議でその考え方について示されております。
 その中で一部抜粋しますと、ガイドラインの遵守等による実施環境の詳細な条件設定や、評価についての詳細な条件設定が必要な技術など、施設基準だけでは適切な評価が可能なデータの入手が困難な技術等では、詳細のプロトコルを定めて評価すべきであるために、先進医療Bと位置づけるべきではないかという考え方が示されております。
 今回の技術について、例えばこれに該当するようであれば、先進医療Bが妥当かとは思いますし、そうでないようであれば先進医療Aという考え方も可能かと思います。そういったことも踏まえた上で、事務局としてはAが妥当ではないかと考えた次第でございます。
○五十嵐座長
 AでもBでもいずれその評価はしなくてはいけない時期があるわけですよね。先ほど山口構成員がおっしゃったように、だらだらとやられたら困るという御指摘のあったわけですけれども、これは別にAでもBでも評価しなくてはいけない時期は来るわけですよね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 おっしゃるとおりでございます。
○五十嵐座長
 いかがでしょうか。
 なかなか難しいところはあるのですけれども、事務局の案でAという案も、きょう御意見いただくと多いようなのですけれども、Aであるとしたとしても、しっかりとした事後評価をするという条件つきというか、それを踏まえた上でAということでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 では、そのようにしたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等についての資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-2の資料に基づきまして説明をさせていただきます。
 今回、御審議いただきます技術が2件ございます。
 まず1件目でございます。整理番号136番「再発性Clostridioides difficile間連下痢症・腸炎に対する糞便微生物叢移植」でございまして、適応症が再発生のClostridioides difficile関連下痢症・腸炎となってございます。
 「申請医療機関」につきましては、滋賀医科大学医学部附属病院となってございまして、費用につきましては資料にお示したとおりでございます。
 事前評価につきましては、山本構成員に御担当いただきまして、総評としては適と御評価いただいております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 この136の技術につきましては、事前評価を山本構成員にお願いしております。山本先生から技術の内容と評価結果について御説明をお願いいたします。
○山本構成員
 概要ですけれども、お手元の別紙2の2ページ目をごらんください。
 再発性Clostridioides difficileの関連下痢症・腸炎に対する糞便微生物移植ということで、CDIと言わせていただきますけれども、概要に書いてあるように、日和見感染で一般に抗菌薬の投与に関連して起こる腸炎です。腸内の微生物叢が菌交代現象を起こして異常増殖したCDトキシンにより発生すると。
 原因抗菌薬の投与中止、全身状態の管理に加えて、CDに感受性を有する抗菌薬の経口投与が行われるが、再燃を来し再発をする症例も存在すると。
 こういう再発性もしくは治療抵抗性のCDIに対する治療選択肢ということで、海外では、ここ10年ぐらいにわたって糞便微生物叢の移植という、FMTと言われていますが、これの有用性が報告されていますが、本邦では余り十分な検討されていなかったということで、今回それを治療に難渋する再発性CDIに対して、このFMTの国内での有効性・安全性を検討したいということで出されております。
 FMTに使うのは、健常ドナーの便から抽出した微生物叢抽出液であるということで、主要評価項目としましては、単回のFMTの奏効率を見るということになっております。
 お手元のパッドに概要図とロードマップがございまして、概要図は1206ページで、割と簡単な図ですけれども、健常人ドナーの糞便を少量もらって、それを生食で薄めて液としまして、それを大腸内視鏡で盲腸あたりまで入れて、そこで散布するということで、これを単回だけ行うという、非常に簡単というか割と単純な治療でございます。
 ロードマップは1208ページにございまして、この先進医療でやって、これをやった後に、その結果をもって、できれば医療技術評価分科会等の評価を得た上で保険収載をしたいということになっております。
 その下の黄色の枠に欧米での現状がございますが、薬事承認をするようなタイプのものではなくて、米国でも欧州でも今のところはそういうものはございません。
 ガイドライン記載としては、米国のガイドラインでは2回目以降の再発に対して治療選択肢となると。英国ガイドラインでも複数回の再発に対して治療選択肢となるということがガイドライン上、記載がある。ただ、進行中の臨床試験は国内ではないということが書かれてございます。
 別紙2にお戻りいただきまして、1ページ目に私の評価を記載しております。
 「社会的妥当性」は、臨床研究としてされますので、特に倫理的問題はないとさせていただきました。
 「現時点での普及性」ですけれども、普及はしておりませんので、Cとしました。
 「効率性」は、欧米ではかなりデータがございまして、レビューとかメタアナリシスも出ておりまして、やや効率的であろうという予測ができます。
 「将来の保険収載の必要性」ですけれども、一応それを目標としてされるということで、Aとしました。
 ただ、コメントとして、技術部会でも議論になりましたけれども、生物製剤の一種でございますので、感染制御を含めた安全管理体制と、投与形式や製剤方法等含めた提供体制の検討が、保険収載する場合には必要になってくると思います。
 総合判定は適とさせていただきました。
 コメントですけれども「欧米ではガイドラインで推奨されるなど一定の評価が行われ、使用されている治療法であるため、本研究によって国内での有効性、安全性のエビデンスが構築されることは望ましい。ただし、当該試験と同様の投与方法以外に、海外ではフリーズドライ技術等用いてカプセル化し経口投与したという試験等もあるため、保険導入現実的に検討する際には、投与形式、提供体制、安全管理体制などを総合的に検討する必要があると思われる」ということで書かせていただきました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
○藤原構成員
 この品目はこれでいいと思うのですけれども、国内でも幾つかの施設で同じような糞便投与をやっているので、それに関しては、先進医療Bに誘導するということではなくて、あくまで申請主義で、診療のような形態をとって糞便移植をやっているような施設は、そのままどうぞという感じなのですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先生がおっしゃったように、基本的に申請いただいたものを、こちらで議論いただくという形になるかとは思います。
○五十嵐座長
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、この技術に関しましては事前評価結果どおりでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、そのようにさせていただきます。
 次に、もう一つの新規技術につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 資料の説明の前に、先ほど御説明いたしましたとおり、柴田構成員、藤原構成員は、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになりますので、大変申しわけありませんけれども、一時御退席いただくよう、よろしくお願いいたします。
 (柴田構成員、藤原構成員退室)
○先進・再生医療迅速評価専門官
 では、先-2の資料にお戻りいただけますでしょうか。
 2件目の技術でございます。整理番号137番「化学放射線療法後の術前後療法デュルバルマル療法」でございまして、適応症は肺尖部胸壁浸潤がんとなってございます。
 「申請医療機関」につきましては、国立がん研究センター東病院でございまして、費用については資料にお示したとおりでございます。
 事前評価につきましては、横井構成員に御担当いただきまして、総評としては適と御評価いただいております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、横井構成員から、整理番号137の技術につきまして、内容と評価結果についての御説明をお願いいたします。
○横井座長代理
 なかなか資料から概要がつかめませんでしたので、別紙3の2ページ目に自分なりにまとめてみました。
 「対象」は肺尖部胸壁浸潤がん、Superior Sulcus Tumorといいますけれども、古くはパンコースト腫瘍と言われた資料でございます。
 第1肋骨より頭側に位置した胸壁浸潤がんで、主要浸潤が第1肋骨のみならず、周囲の鎖骨下動静脈、腕神経叢、さらには脊椎に及びやすく、その解剖学的位置から根治切除が難しくて、予後が不良とされております。
 現在の標準治療を肺がんの診療ガイドラインから持ってきましたが、切除可能な場合はプラチナベースの化学療法2コースと同時放射線療法45Gyの後、切除になります。
 切除不能な場合には、プラチナベースの化学療法プラス60Gy以上の同時放射線療法から、昨年ニューイングランド・ジャーナルに出まして、これが標準治療になっていますが、デュルバルマルの地固め療法を1年間行うというのが現在の標準治療でございます。
 今回の試験治療は、対象は、先ほどの肺尖部胸壁浸潤がんのうち、根治切除が不能と最初から考えられる症例は除外されておりますので、プロトコルの中には言葉としてはありませんが、基本的にpotentially resectable SSTと考えられる対象でございます。
 目的は、術前後にデュルバルマルを追加することにより、治療成績の向上を図るということでございます。
 治療の試験治療は、CDDP+S1、2コースと同時放射線療法66Gyの後、デュルバルマルを2コース行い、切除をして、切除不能の場合はこれが省略されますが、デュルバルマルを22コース地固め療法として行うという、下のこういうチャートになります。
 CDDP+S1がどうして選ばれたですけれども、我が国でよく用いられているプラチナベースト・ケモテラピーのレジメンの一つでございます。
 もう一つは、もう1つは、Randomized phase2で、多分最もよく使われているのは、シスビノレルビンだと思いますけれども、それと有効性に差がないということで、申請者たちはCDDP+S1を選択しております。
 同時放射線療法66Gyを採用。今、標準治療は45Gyですので、どうして高線量にしたかということですけれども、現在、CDDP+S1、3コースと同時放射線療法65GyのSSTに対する有効性を検討するCRESSST試験、CRESSST試験と訳させてください、どう英語で表現していいかわかりません。これは標準線量を、標準治療の45Gyから60Gyに増量した試験で、2022年ごろに結果が公表される予定でございます。
 現在、症例登録は終了しておりまして、治療関連死が4.9%で、許容範囲であるということから、申請者たちは、最終的にポジティブな結果が得られることを想定して、この線量を採用しております。
 したがって、本試験の対象となる標準治療は、このCRESSST試験がポジティブな場合は、このCRESSST試験のレジメンが標準治療の対照群になります。この結果が比較対照になります。
 CRESSST試験がネガティブの場合は、現在の標準治療である。プラチナベース2コースと、同時放射線療法45Gyというなかなか難しい設定になっております。
 最終評価としましては、予定登録患者数は84人、予定登録期間が4年、追跡期間5年、総研究期間10年ということで、主要評価項目は3年生存割合で、閾値を66%、期待値80%と設定をされて、84人という結果が出ております。
 2022年に結果が出る予定のCRESSST試験の結果によっては、本試験の閾値や期待値を再設定し、実施可能性を踏まえて予定登録患者数を設定し直す必要がある可能性があります。
 また、もし晩期の有害事象と有効性に問題があれば、その際には、放射線照射量の減量も含めたプロトコル改正を行うというたてつけになっておりますので、途中でのCRESSST試験の結果で、さらにプロトコルが変わっていくという可能性がありますが、このデュルバルマルを術前後に使うという試験が世界で行われておりまして、我が国からも、こういうものに寄与できる臨床試験を行いたいということで、こういう計画がなされていると思います。
 私の評価としては、社会的妥当性は倫理的には問題はないと思います。
 現時点で、デュルバルマルが手術を行う患者には適用されておりませんので、普及しておりません。
 最終的にどのぐらいの効果が出るか私自身もよくわかりませんので、やや効率的という評価にさせていただきました。
 保険収載をする場合に考えていただきたいのは、現在の標準治療、CRESSST試験の結果及び本試験の結果を費用対効果の面から検討していただきたい。特に、本試験が非常に高額な治療レジメンになっておりますので、それと見合うだけの治療効果が上がるかというところが評価の対象になるかなと思います
 また、認可される化学療法レジメンは、ここではCDDP+S1というものが使われておりますけれども、国際的にはCDDP+VNRというのが一番使われていますので、そういうのも考えて、もし認可されるのであれば、レジメンの範囲の拡大を検討していただきたいと思います。
 総評としましては「現在遂行中のCRESSST試験の最終結果を確認しない状況で、CDDP+S1+RT66Gyの有効性が実証されることを見込んで、デュルバルマルの上乗せ効果を検証しようとする試験であり、計画の不安定性が懸念される」というのが、先ほどの別紙のとおりでございます。
 しかし、CRESSST試験の成績により閾値・期待値や放射線照射量を変更して有効性の評価を行う計画である旨が説明されていますことから、総合判定を適といたしました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 それでは、何か御質問等はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、構成員の先生方の御意見としては、事前評価結果どおりでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、そのようにしたいと思います。
 柴田構成員と藤原構成員にお戻りをいただいてください。
 (柴田構成員入室)
○五十嵐座長 
 それでは、続きまして、事務局から先進医療Bの総括報告書に関する評価について資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 今回、医療機関より2件の先進医療技術の総括報告書が提出されまして「先進医療技術審査部会」におきまして評価が行われましたので、その評価結果について、順に御報告させていただきます。
 まず、1つ目の技術につきまして、先-3-1をごらんいただけますでしょうか。
 旧告示番号3番として実施されておりました「経胎盤抗不整脈投与療法」につきまして、国立循環器病研究センターから総括報告書の提出がございました。
 事実の概要でございますけれども、先-3-1、1ページ目の「医療技術の概要」をごらんいただければと思います。
 胎児頻脈性不整脈、こちら洞性頻脈を除いたもので、具体的には上室性頻拍及び心房粗動になりますけれども、こちらに対しましてプロトコルに定められた薬剤を母胎に投与し、プロトコル治療の有効性及び安全性を評価する多施設共同単群介入試験となってございます。
 続きまして、試験結果でございます。
 その下「医療技術の試験結果」[安全性の評価結果]の中ほどのところでございますけれども、治療薬剤と因果関係が否定できない有害事象は、母体で50例中1例に1件、胎児では50例中4例に4件、新生児では47例中2件に4件でございました。
 また下のところでございますけれども、母体の有害事象としましては、ほとんどが軽微であり、薬剤減量等によるプロトコル治療の継続は可能でありました。
 母体に2度房室ブロックを呈した1例で、早期娩出の判断となりましたけれども、特に治療を要さず、薬物中止により速やかに軽快したということでございます。
 また、胎児の有害事象としましては、子宮内胎児死亡2例、胎児徐脈を6例、新たな胎児不整脈を2例、心房性期外収縮を1例で認め、また、胎動減少を1例、胎児一過性徐脈を3例で認めたとのことでございます。このうち重篤と判断されました胎児徐脈1例、及び新たな胎児不整脈1例でプロトコル治療中断、早期娩出となってございます。
 また新生児の有害事象としましては、脳室周囲白質軟化症、イレウスを各1例で認めまして、心電図異常として記載の徐脈等を認めているところでございます。
 おめくりいただきまして、2ページの「有効性の評価結果」のところでございますけれども、主要評価項目である胎児頻脈性不整脈の消失は、試験治療に割りつけられた被験者全員を対象としたITT解析におきまして89.9%、プロトコルが遵守された被験者のみの集団でありますper protocol setでは93.5%でございました。
 続きまして、担当者の御評価について御説明させていただきます。別紙4の4ページをごらんいただければと思います。
 総括報告書に関する主担当の山口構成員からの御評価でございます。
 「有効性」に関しましては、C。従来の医療技術を用いるのと同程度であると御評価いただいております。
 「安全性」につきましては、C。問題ありと御評価いただいております。
 「技術的成熟度」としましては、B。当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師または医師の指導下のもとであれば実施できると御評価いただいております。
 総合的なコメント欄が4ページの下のほうに記載されておりますけれども「約90%で胎児性頻脈が消失し、本邦における全国調査及び海外からの既報とほぼ同等の有効性確認された。また、これまでの報告では十分明らかとなっていなかった安全性についても、本研究によりある程度明らかになったことは有意義であったと考える」とコメントいただいております。
 「薬事未承認の医薬品等を伴う医療技術の場合の、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄に関しましては、いずれの薬剤も胎児性頻脈に対して、国内及び海外での承認は得られておりませんけれども、本試験結果の国内ガイドラインへの掲載等を通じて、薬事承認申請の効率化に資する可能性はあるものと考えると御評価いただいてございます。
 続きまして、5ページのところでございますけれども、副担当の飛田構成員の御評価でございます。
 「有効性」に関しましては、C。従来の医療技術と同程度と御評価いただきまして、コメントのところでございますが「過去に行われた全国調査における報告と同程度の結果が得られて、胎児頻脈性不整脈のタイプ別や使用薬剤間でも顕著な差は認められていないため、有効性を示唆するエビデンスは得られている」とコメントいただいております。
 「安全性」につきましては、C。問題ありと御評価いただいておりまして「治療中止症例も見られており、かつ、母体、出生後席にも慎重なモニタリングが必要であることから、問題ありとまではないが、注意深い観察が必要とする考察は適当である」と考えるとコメントいただいております。
 「技術的成熟度」はB。数多くの経験を積んだ医師または医師の指導下のもとであれば実施できると御評価いただいておりまして、コメントとしまして、6ページになりますけれども「胎児のみではなく、母体及び出生後の新生児に対しても、慎重なモニタリング及び迅速な対応が必要であることから、技術的成熟度及びサポート体制整備が必要と考えられる」とコメントいただいております。
 1件目につきまして、事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございますか。
 どうぞ。
○柴田構成員
 資料、別紙4の9ページについて、事務局の方に確認させていただきたいのですが、下から2番目の段落の後ろのほうですけれども「先進医療申請時より約10年経過する中でも、いずれの薬剤においても胎児頻脈性不整脈に対して海外での承認適応が得られておらず、公知申請の対象とならないと判断されました」と記載があるのですが、この判断は、申請医療機関の先生方がそう判断されたということであって、厚労省の判断ではないという理解でよろしいでしょうか。それとも、厚労省等で実際にこのように判断されたのでしょうか。
 質問の意図は、未承認・適応外薬検討会議等での要件は、海外の薬事承認は必ずしも必須とされていなくて、海外で日常診療で使われているという実態があるのであれば、候補にはなる。もちろんそれで認められるかどうかわからないのですが、候補にはなるという話になっており、こういうものについて薬事承認がとられているということを前提とするのは非常に厳しいハードルであって、もし、これが厚労省としての判断であるのならば、未承認薬・適応外薬検討会議等の条件にマッチしない説明であるようにも見えるのですが、単に言葉がざっくり書いてあるから、私が理解できないだけなのかもしれないですが、どうなのでしょうか。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 こちらは医療機関からの回答となっておりますので、医療機関内で検討されたものと認識をしています。医療機関から厚労省のほうに問い合わせがあったかに関しては把握をしておりませんけれども、こちらは医療機関のほうで検討されたものと認識しております。
○柴田構成員
 こういうものがきちんと評価されて、治験ではありませんが、実際、臨床現場で困っておられる患者さんとか、医師あるいは医療関係者の方々にとって重要な情報があり、一部の薬剤に関しては妊婦禁忌など、非常に臨床現場で使いにくい状況になっているものに対して、現実的な解決策として55年通知に基づく対策というのを進められておられるので前進はすると思うのですが、やはりがんの領域等と違って、承認がとられていないことによる、臨床の現場の先生方の負担あるいは患者さんたちの心配というのがあると思うので、こういうものに対し前向きに対応できるような方策がないものかなと思いましてコメントをさせていただきました。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 そのほかはよろしいでしょうか。
 では、続きまして、2件目の技術について説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 2件目の技術につきまして、先-3-2をごらんいただければと思います。
 旧告示番号16番として実施されておりました「アルテプラーゼ静脈内投与による血栓溶解療法」につきまして、国立循環器病研究センターから総括報告書の提出がございました。
 技術の概要でございますけれども、1ページ中ほどの「医療技術の概要」をごらんいただければと思います。
 睡眠中発症及び発症時刻不明の急性期脳梗塞患者を対象とし、アルテプラーゼ(t-PA)0.6mg/kgを用いた静注血栓溶解療法の安全性と有効性を、標準内科治療群との多施設共同非盲検群間比較法用いて評価するという記述でございます。
 「医療技術の試験結果」でございますけれども、本試験は欧州で行われておりましたWAKE-UP試験の結果を受けまして、131例で登録を終了したということでございます。
 [安全性の評価結果]に関しましては、症候性頭蓋内出血がt-PA治療群で1例、標準治療群ではゼロ例でございました。
 大出血では、2群間に差は認めなかったということでございます。
 [有効性の評価結果]ですけれども、主要評価項目であるmRS 0-1の割合は、t-PA治療群で47.1%,標準治療群で48.3%でございました。副次評価項目にも差は認めなかったということでございます。
 [総括]でございますけれども、t-PA 0.6mg/kgによる静注血栓溶解療法の効果と安全性は、標準治療群と同程度であったとのことでございました。
 続きまして、担当者の御評価について御説明させていただきます。別紙5の2ページをごらんいただけますでしょうか。
 総括報告書に関する主担当の伊藤構成員からの評価でございます。
 まず、有効性に関しましては、C。従来の医療技術を用いるのと同程度であると御評価いただきました。
 3ページのところにコメントがございますけれども、WAKE-UP試験では90日後のmRSが実薬群53.3%に対しまして、プラセボ群が41.8%でありました。しかしながら、本試験ではt-PA治療群が47.1%、標準治療群が48.3%で、WAKE-UP試験の結果が再現されていないとコメントいただいております。
 「安全性」に関しましては、B。余り問題なしと御評価いただきました。
 「本試験では、頭蓋内出血については両群間に差は認められていない。しかし、PROBE法で実施されたとはいえ、試験治療群で有害事象の発現件数が多い傾向がある」とコメントいただいております。
 「技術的成熟度」に関しましては、B。当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師または医師の指導下のもとであれば実施できると御評価いただいております。
 コメントとしましては、日本脳卒中学会の静注血栓溶解療法適正治療指針第三版で記載しております体制が整備されている施設で静注血栓溶解療法を行うとコメントいただいております。
 1枚おめくりいただきまして、4ページのところに総合的なコメントをいただいております。
 「mRS 0(まったく症候がない)割合が試験治療群19%、対照群29%であり、完全回復が対象群に多かったことなども勘案すると、t-PA治療の適応は2012年9月から発症から4.5時間に拡大されているが、t-PAの投与量、発症から治療開始までの時間が解決されるべき問題として残っているように感じられる」と御評価いただいております。
 薬事未承認の医薬品等伴う医療技術の場合、薬事承認申請の効率化に資するかどうかに関しましては「試験対象になった患者はスクリーニング患者の4割弱であり、起床時発症脳梗塞患者のすべてが対象になるわけではないにしても、t-PAにかかわる医療費も考慮すると、本試験結果がt-PAの適応拡大に資するとは言い難い」とコメントをいただいております。
 続きまして、副担当の山中構成員の御評価でございます。
 有効性に関しましては、C。従来の医療技術を用いるのと同程度であると御評価いただきました。
 コメントといたしましては「発症時期を特定できない患者さんへのtPA治療の有効性を示すための大変重要な試験ではあるが、予定登録数(300)の約半分の症例数における現在の結果をみると、本試験は300例を完了したとしても、結果がpositiveになる確率は低かったと考えられる。複数の海外データや本試験のデータの間でメタ解析を行えばポジティブになる可能性はあると思うが、本資金がネガティブになった理由をいくつか踏まえたうえで新たな追加データをとることが、有効性を結論づける上では必要と思います」とコメントいただきました。
 5ページのところでございますけれども「安全性」としましては、B。余り問題なしと御評価いただいております。
 「標準治療と比べて、リスクが非常に上がるわけではないという意味でBとした。数%の発現率に対して、70例のみのデータなので、不確実性は高いものの、頭蓋内出血が1%程度であった」とコメントをいただいております。
 「技術的成熟度」に関しましては、A。当該分野を専門とし、経験を積んだ医師または医師の指導のもとであれば実施できるとしまして、tPA投与なので技術的な問題はないとコメントいただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、ただいまの御説明について、何か御質問等はございますか。
 よろしいですか。
 ありがとうございました。
 続きまして、事務局から、がん遺伝子パネル検査のプロトコルの必須項目及び基本的な要件の改訂案についての資料が提出されております。これについて御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-4の資料に基づきまして、御説明させていただきます。
 「がん遺伝子パネル検査のプロトコールの必須項目および基本的な要件の改訂について(案)」ということでございます。
 まず「背景」といたしまして、第54回「先進医療会議」におきまして、遺伝子パネルを用いた医療技術等を先進医療Bとして実施する際の取り扱いにつきまして「先進医療技術審査部会」において検討を行うこととしてはどうかとの提案がなされまして、了承されました。
 これを受けまして「先進医療技術審査部会」におきまして、がん遺伝子パネル検査のプロトコルの必須項目及びその基本的な要件等の検討を進めまして、第57回「先進医療会議」でその要件などが了承されたところでございます。
 また、第69回「先進医療技術審査部会」におきまして、改訂された要件の案が了承されたということでございます。
 2つ目の○ですけれども、その後、昨年の6月1日にがん遺伝子パネル検査として2種類の製品が保険収載されまして、その対象につきましては、エビデンス等に基づき、固形がん患者、標準治療がない方、または標準治療が終了した患者様ということになってございます。
 その一方で、治療早期の固形がん患者に対するがん遺伝子パネル検査の臨床的有用性につきましても、検証の必要性が指摘されておりまして、また、既に複数の医療機関から先進医療の事前相談を受けているところでございます。
 また、4つ目の○のところでございますけれども、がんゲノム医療提供体制につきまして「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備について」、こちらは健康局が発出しておりますけれども、令和元年7月19日に一部改正がなされました。
 具体的には自施設でがんゲノム医療を完結できる医療機関として、がんゲノム医療拠点病院が新設されて、これを受けまして令和元年9月19日に34カ所を指定されたところでございます。
 このような状況等を踏まえまして、今回、先進医療におけるがん遺伝子パネリストの要件について見直すこととしてはどうかということで御提案させていただいているところでございます。
 変更点としましては、4ページをごらんいただけますでしょうか。
 こちらは平成30年3月改定版から変更を行った箇所を赤字で示しているところでございます。
 大きなところとしましては、1番「患者選択基準」でございますけれども、これまで標準治療後に再発、進行したものとか原発不明がんを臨床的有用性が示されるべき疾患として記載をしていたところでございますけれども、昨年、こちらの対象患者群が保険適用となったことから、記載の整備を行ったところでございます。
 また、5番でございます。がんゲノム医療の提供体制にあわせまして、協力医療機関として、がんゲノム医療拠点病院を追加したところでございます。
 また、6番に関しまして、患者への説明、同意に際しまして、健康局が所管しております「がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議」におきまして、パネル検査におけるインフォームド・コンセント手順書案とか説明文書案、同意文書案等が整備されてございます。今後、先進医療として遺伝子パネル検査を行う際に、これらの文書を活用してはどうかというところで記載を追加しております。
 また、所要の記載の整備の変更を行っているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、今の説明につきまして、何か御質問・御意見はございますでしょうか。
 よろしいですか。
 どうぞ。
○柴田構成員
 大きな話ではないので、単なるコメントですが、資料の4ページ目のところの7なのですが、がんゲノム情報管理センターへのスムーズな情報蓄積を念頭に云々という話が書いてありまして、場合によっては、1つの臨床試験として完結せずに、がんゲノム情報管理センターに情報を出すなどというところで、登録の手続あるいはデータの受け渡しの手続というのが発生すると思うのですが、特に前者については、担当されている患者さんを、先進医療Bの臨床試験に登録されるお医者さんが、何らかの形で登録する手順を決めておかないといけないなどということが発生すると思いますし、それがプロトコルごとにまちまちであると、医療機関の先生方が混乱すると思いますので、こういうプロトコルが複数出てきた場合には、事務局のほうで記載がそろうような形でサポートしていただくといいのではないかなと考えています。コメントのみです。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 貴重な御指摘いただき、ありがとうございます。非常に重要な点かと思いますので、今後、しっかりと対応していきたいと思います。
○五十嵐座長
 よろしくお願いします。
 ほかはいかがですか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、事務局案の御提案どおり、御承認してよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、そのようにさせていただきます。
 続きまして、事務局から令和2年度の先進医療会議開催予定(案)について資料が出ております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-5をごらんいただければと思います。令和2年度の先進医療会議の日程案をお示してございます。
 構成員の先生方におかれましては、大変お忙しいところとは存じますが、日程の調整をお願いできれば幸いでございます。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 きょうの議題は、残り「その他」になっておりますけれども、何か事務局からございますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先ほどの先-3の別紙4の内容で、柴田構成員から御指摘いただいた点につきましては、もう一度事務局から申請医療機関のほうに事実確認をさせていただきまして、必要に応じて適切な情報提供を行い、資料の記載整備をお願いしたいと考えております。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 構成員の先生方からは何かございますか。
 よろしいですか。
 それでは、きょうの議論はこれで終了したいと思います。
 次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 2月は予備日となっておりますけれども、現時点で開催の予定はございません。
 次回の開催につきましては、令和2年3月5日木曜日、16時からを予定しております。場所については別途御連絡させていただきます。
 本日もありがとうございました。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それではこれで終了いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(了)

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