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2019年12月5日 第81回先進医療会議

○日時

令和元年12月5日(木)16:00~

 

○場所

中央合同庁舎第5号館専用第15会議室(12階)
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 新井構成員 石川構成員 柴田構成員 竹内構成員
福井構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員 赤川技術専門委員
磯部技術専門委員 植木技術専門委員 榎本技術専門委員 斎藤技術専門委員
笹子技術専門委員 高橋技術専門委員 辻技術専門委員 長瀬技術専門委員
平形技術専門委員 本田技術専門委員 松原技術専門委員 矢冨技術専門委員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他



○議題

 1 新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
   (先-1)(別紙1)(別紙2)(別紙3)
 2 平成29年度先進医療技術の実績報告等について
   (先-2-1)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)(先-2-2)(先-2-3)
 3 先進医療技術の科学的評価等について
   (先-3-1)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)(先-3-2)(先-3-3)(参考資料4)
 4 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-4)(別紙4)
 5 その他


○議事

16:00開会




 

 

 

 

○五十嵐座長
 それでは、ほぼ定刻になりましたので、ただいまから「先進医療会議」を開催いたします。委員の先生方、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 初めに、構成員の先生方の出欠状況について御報告いたします。
 今日は、福田構成員から御欠席との連絡をいただいております。
 また、事前評価をしていただいた高橋技術専門委員に御出席いただいております。
 さらに、先進医療会議の科学的評価等に係る審議のために、今日はたくさんの先生方にご出席いただいております。
 赤川委員、磯部委員、植木委員、榎本委員、斉藤委員、笹子委員、辻委員、長瀬委員、平形委員、本田委員、松原委員、矢冨委員に出席いただいております。ありがとうございます。
 また、五十嵐敦之技術専門委員と北川技術専門委員、そして竹中技術専門委員、村田技術専門委員から御欠席との連絡をいただいております。
 欠席されます構成員・技術専門委員の先生方からは委任状の提出をいただいておりまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされています。
 では、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りについてはここまでにさせていただきます。

 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、先-1「先進医療の新規届出技術について」と記載あります一枚紙がございます。こちらには別紙1、別紙2、別紙3がついてございます。
 続きまして、先-2-1「先進医療の実績報告について」という紙がございまして、こちらには参考資料1、参考資料2、参考資料3がついてございます。
 続きまして、先-2-2「1年間の実施件数が0件である先進医療技術に係る医療機関の今後の対応方針等」としている資料がございます。
 また、先-2-3「暫定的に先進医療Aとして実施している技術について」という一枚紙がございます。
 続きまして、先-3-1「先進医療に係る検討について」としている資料がございます。こちらには参考資料1、参考資料2、参考資料3がついてございます。先-3-2に「各先進医療技術の概要」としております資料がございます。また、その後に先-3-3、「粒子線治療の取扱いについて」という資料がございまして、こちらには参考資料4がついてございます。
 最後、先-4、「先進医療Aの新規届出技術に対する事前評価結果について」という一枚紙がございまして、こちらには別紙4がついてございます。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等については、タブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言される先生方におかれましては、会議資料のページ又はタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。資料等につきまして、よろしいでしょうか。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 新井構成員、山口構成員、笹子構成員より、先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等を行う整理番号335番の新規技術について報告がございました。
 笹子技術専門委員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品又は医療機器等の製造販売業者等からの受領額が500万円以下でありましたので、同規定に基づき、当該技術に関する検討に加わることはできますが、議事のとりまとめ及び事前評価に加わることができません。
 また、新井構成員、山口構成員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品又は医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、同規定に基づき、当該技術の議事のとりまとめに加わることは可能でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの報告によりますと、出席されている構成員におかれましては、利益相反はないということでよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 それでは、新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)の資料が提出されておりますので、事務局からこの説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-1の資料に基づきまして説明させていただきます。今回、先進医療の新規届出技術について振り分けの御審議をいただく技術が3件ございます。
 まず1件目、受理番号103番の技術「KIT遺伝子変異のある進行期悪性黒色腫に対するKIT阻害薬と抗PD-1抗体併用療法」でございます。
 適応症につきましては悪性黒色腫、KIT遺伝子変異を有し、既存治療に抵抗性の進行期症例でございまして、今回、慶應義塾大学病院より申請がございました。費用につきましては表に示しているとおりでございます。
 技術の概要につきまして簡単に御説明させていただきます。別紙1-1、1ページ目をごらんいたたけますでしょうか。こちら、「内容」に記載ありますところを抜粋させていただきます。
 露光部や掌蹠・爪及び粘液原発の悪性黒色腫は、非露光部原発型に比べて高率にKIT変異を認めることが示されております。このような症例におけるKIT阻害薬療法の海外臨床試験では、既に複数の第II相試験までのデータがございまして、奏効率は16~26%と報告されております。また、米国においてはNCCNガイドラインにおいて、イマチニブが二次治療として記載されておりまして、オフラベルで使用可能となっている状況でございます。
 本技術に関しまして、下の(概要)のところにございますけれども、KIT遺伝子変異を有する進行期悪性黒色腫患者のうち既存治療に抵抗性を示す患者に対しましてKIT阻害薬であるイマチニブ、また抗PD-1抗体であるペムブロリズマブを併用した治療となっておりまして、こちら、第I相試験、第II相試験、計22例を対象とした単群オープン試験でございます。
 おめくりいただきまして、別紙1-2でございますけれども、今回使用するイマチニブについて、適応外使用となりますので、今回、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。ただいまの御説明につきまして何か御質問等ございますか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、受理番号103の技術につきましては先進医療Bということで振り分けたいと思います。
 事務局、次の技術について御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 2件目の技術でございますけれども、受理番号104番「一側性高度感音難聴に対する人工内耳挿入術」でございます。
 適応症につきましては一側性高度又は重度感音難聴患者でございまして、今回、信州大学医学部附属病院より申請がございました。費用につきましては、表に示しているとおりでございます。
 技術の概要につきまして、簡単に説明させていただきます。別紙2の1ページをごらんいただければと思います。内容の(先進性)のところでございますけれども、現在の保険診療の範囲内におきまして、一側性高度感音難聴患者に対する有効な治療法がないのが現状でございます。
 この技術に用いる人工内耳は、一側性の高度感音難聴に対する治療法として、海外では有効性は確認されておりますけれども、今回、日本語を母国語とする日本人においても同様に有効であることを確認するとともに、安全性の確認を行うものでございます。
 具体的には、手術前と術後に有効性の主要評価項目である語音弁別検査、副次評価項目である自由音場閾値検査、方向定位検査を行い有効性を評価するという技術でございます。
 おめくりいただきまして、別紙2-2でございますけれども、今回使用する人工内耳につきまして、適応外使用となりますので、今回、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。では、ただいまの御説明に対しまして何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、受理番号104の技術につきましては先進医療Bということで振り分けたいと思います。
 続きまして、次の技術、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 3件目、受理番号105番の技術は「大動脈解離術後の偽腔拡大に対する血管内治療」でございます。
 適応症につきましては、残存する大動脈解離偽腔の拡大でございまして、今回、国立循環器病研究センターより申請がございました。費用につきましては表に示しているとおりでございます。
 技術の概要につきまして、別紙3をごらんいただければと思います。1ページ目ですけれども、大動脈解離に対する人工血管置換術やTEVARの目的はエントリーの切除もしくは閉鎖でございます。エントリーが1カ所の場合には術後治癒は良好であるのですけれども、もともとリエントリーであった内膜の亀裂が術後にエントリーとなった場合には、その後、偽腔の拡大を来すことがあります。
その残存するエントリーの治療、幾つか方法がございまして、(概要)のほうに記載させていただいているところではございますけれども、今回申請された技術につきましてはエントリーが腹部主要分枝の起始部でありますとか頸部分枝、あるいは腸骨動脈内に存在する場合の治療法でございます。この場合、小口径のステントグラフトを使用することで閉鎖する方法が既に報告されておりまして、今回はその技術の有効性を検証するものとなってございます。
 1枚おめくりいただきまして、別紙3-2ですけれども、今回使用するステントグラフトにつきまして、適応外使用となりますので、今回、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。ただいまの説明について何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、受理番号105の技術につきましては先進医療Bとして振り分けたいと思います。
 続きまして、令和元年度の先進医療技術の実績報告等につきまして資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-2-1、2-2、2-3に従って御説明申し上げます。まず先-2-1「令和元年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」という資料でございますけれども、こちらは、この記載されております期間の1年間に実施された先進医療の実績報告をまとめた資料になってございます。
 先進医療Aにつきましては、マル1のところでございますが、技術数は29種類、実施医療機関数は1,042施設、また、マル5の保険外併用療養費の総額は約47.2億円、マル6の先進医療費用の総額に関しましては約290.5億円となってございます。
隣の列に移りまして、先進医療Bについてですけれども、技術数は59種類、実施医療機関数は244施設、保険外併用療養費の総額が約6.9億円、先進医療費用の総額が約7.0億円となってございます。
 先進医療AとBの合算値に関しましては、一番右の欄の記載のとおりとなってございます。
 次のページに移りまして、過去1年間の先進医療A及びBの技術数の増減を示した表になってございます。先進医療Aの技術につきましては、当初、28種類で始まっておりますが、1種類新しく承認されまして、結果的に、ことしの6月30日現在で29種類となってございます。また、先進医療Bの技術につきましては、当初、64種類でございましたけれども、6種類の技術が新たに承認されまして、別に1種類が保険収載、10種類が実施機関の終了等によって取り下げられたことから、合計としまして59種類となってございます。
この期間の総括報告書の受理数といたしましては9種類となってございます。
 次に、3ページ目をごらんいただければと思います。こちらは過去5年間の実施医療機関、全患者数、金額等の実績を示した表となってございます。これらの実績について技術ごとに示しております資料が参考資料1から3となってございます。
 参考資料1ですけれども、こちらは先進医療Aの技術に関して実施件数また費用等を一覧にしてございます。参考資料2は先進医療Bの技術について同様に一覧にしてございます。参考資料3につきましては、先進医療Bの終了予定日、計画時患者数等を一覧にしておりまして、進捗状況等の閲覧が可能となってございます。
 次に先-2-2をごらんいただければと思います。こちら、先ほどお示しいたしました過去1年間の実績で0件だった技術につきまして、その理由及び今後の対応方針を申請医療機関に報告していただいたものになっております。
 1ページ目が先進医療Aの技術のうち0件だった技術をお示ししております。こちらには、希少な遺伝疾患の診断を伴う検査技術ですとか、いわゆる暫定Aの技術が含まれてございます。
 2ページ目から3ページ目につきましては、先進医療Bで実施件数が0件だったものをお示ししております。こちらは症例の登録は既に終了したものが多く含まれてございまして、また、実施体制が不十分でありましたり、告示からの期間が短期間であるという理由から、まだ0件と御報告いただいているところでございます。
 最後に、先2-3をごらんいただければと思います。暫定的に先進医療Aとして現在実施している技術についての説明でございます。
 「背景及び現状」の1つ目の○にございますように、平成20年の先進医療告示第2項各号に掲げられた先進医療のうち、平成24年11月30日の先進医療会議におきまして、先進医療Bへ振り分けることとされた技術につきましては、暫定的に先進医療Aとして実施されているところでございます。
 この暫定Aの技術につきましては、この資料の破線で囲まれておりますような取扱いをすることになっておりまして、2つ目のポツの下線部のとおり、平成28年4月以降は新規患者の組み入れについては認めないということになってございます。
この点につきまして、事務局は定期的に確認を行っておりまして、その結果をこの1ページ目の下の表のところにお示ししてございます。
 表にありますとおり、前回確認いたしました平成30年11月30日時点から今回の令和元年の11月1日の時点におきまして、新規患者の組み入れは行っていないということは確認できてございます。
 また、告示番号3番「骨髄細胞移植による血管新生療法」、また、告示番号12番「樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法」、この2技術に関しましては継続患者数が0となりましたので、今後、削除の手続を行う予定としております。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。では、ただいまの説明につきまして何か御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 では、そのように確認させていただきました。どうもありがとうございました。
 続きまして、先進医療技術の科学的評価等についての資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 資料、先-3-1をごらんいただければと思います。こちらは先進医療技術の保険導入等に向けた科学的評価等に係る方法をお示しした資料となってございます。既に類似の資料を以前の本会議にてお示しさせていただいたところでございます。
 簡潔に御説明させていただきますと、「1.評価対象技術の考え方」でございますけれども、先進医療Aにつきましては当該年度、令和元年6月30日時点で先進医療告示に規定されていた技術、また先進医療Bにつきましては総括報告書が提出されており、かつ、未承認の医薬品等の使用を伴わないものとなってございます。
 2.以降の詳細は割愛させていただきまして、1枚おめくりいただきまして、次のページ、4.先進医療から削除が適当と判断された技術以外につきましては、先進医療会議における評価結果を可能な限り医療技術評価分科会に報告することとなっており、また、削除が適当と判断された技術につきましては中医協総会に報告することになってございます。
 次に、6.削除が適切と指摘がされた技術等への対応(案)としておるところでございますけれども、こちらは1ページ目の最下段で、技術の事前評価におきまして1名以上の評価担当の構成員の先生方から先進医療から取り消すことが適当と御指摘あったものの中で、本日の御審議の結果で先進医療を継続するという取扱いになった技術でありましたり、あるいは本会議、この会議におきまして特別な指摘があった技術につきましては2年後の次回改定までに課題事項を提示いたしまして、それに対応していただいたかどうか確認するという提案になってございます。
 今回の検討方法の概要のイメージを示した図が次の3ページ目に記載されてございます。こちらも以前にお示しさせていただいたものと大きく変わりはございません。
 1枚おめくりいただきまして4ページ目以降をごらんください。4ページ目では、事前評価の結果の整理方法の考え方を示した表となってございまして、これらの考え方に基づきまして各技術を分類した結果を5ページ目以降に示してございます。詳細な内容につきましては、後ほど先生方に議論していただく際に御説明させていただく予定でございます。
 ちなみに、先-3-2でございますけれども、こちらは各技術の概要、施設基準、実績等をまとめた資料となってございます。また、先-3-3に関しましては後ほど御説明させていただくところでございます。
 事務局からは以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、科学的評価等の議論に入りたいと思います。議論の順番につきましては、「総合I」の技術、「総合IIIa」「総合IIIb」の技術、そして「総合IIaから総合IIc」の技術の順番に行っていきたいと思います。それでよろしいでしょうか。
では、まず、事前評価結果「総合I」となった技術について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料、先-3-1の5ページ目をごらんいただければと思います。こちらは総合評価でIとなっている技術でございまして、全ての評価者におきましてA又はB、一定以上の科学的根拠を有すると御評価いただいたものになってございます。今回はこちらにお示ししております4技術になっておりまして、告示番号9番「泌尿生殖器腫瘍後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術」、告示番号17番「角膜ジストロフィーの遺伝子解析」、告示番号18番「MEN1遺伝子診断」、また、先進医療Bで行われておりました告示番号36番「多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療」、以上4技術でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。それでは、議論に入りたいと思います。総合Iというのは、今、御説明ありましたように、事前評価によって全ての評価者がA又はBであるという判定をいただいた技術であります。では、それぞれの技術につきまして御意見をいただきたいと思います。順番にいきたいと思います。
 まず告示番号9の先進医療技術につきまして、いかがでしょうか。
 特にございませんか。
 それでは、17番の医療技術につきましてはいかがでしょうか。
 では、18番のMEN1遺伝子診断、この技術につきましてはいかがでしょうか。
 では、最後、B-36、多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療、この技術についての御意見はいかがでしょうか。
 どうぞ。
○藤原構成員
 施設をいきなり日本全国全部やるというのはまだちょっと実績尚早のところもあるかなと思いますので、これに関しては施設限定、この資料3-2の「各先進医療技術の概要」の一番最後、91ページあたりにも、これは先進医療Bが終了時の施設要件ですけれども、これと同様なもので、施設限定をしたほうがいいのではないかなと考えます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。その点、いかがでしょうか。御異存ございませんか。
 では、このB-36につきましては施設を限定するという条件をつけさせていただくということでよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 では、この9からB-36までの4つの技術につきましては、十分な科学的な根拠があるという結論としてよろしいでしょうか。
 (「異議なし」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 続きまして、事前評価結果総合IIIaと総合IIIbと判定いただきました技術について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 資料、先-3-1、今度は9ページ目をごらんいただければと思います。こちらは総合評価IIIaの技術となってございます。総合評価IIIaにつきましては、事前評価におきまして1名又は2名の担当者からD評価、すなわち、先進医療から取り消すことが適当との評価をなされたものになってございます。
 今回は2技術ございまして、告示番号15番「培養細胞によるライソゾーム病の診断」、告示番号16番「培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断」の2つとなってございます。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。IIIaというのは1人又は2人の評価者がD評価であった技術ということになっています。では、この順番に御意見いただきたいと思います。まず、15番の培養細胞によるライソゾーム病の診断につきましてはいかがでしょうか。
山本先生、どうぞ。
○山本構成員
 済みません。資料を見ただけですけれども、先-3-2ですね。各医療技術の概要がありまして、そちらの36ページ目に実績がありますけれども、平成27年7月1日からことしの6月30日に至るまで0件で実施件数がないということなので、恐らくこういう評価なのだろうなと思います。全く、数年間にわたって0件である理由がはっきりしなければこの評価で仕方がないのではないかなと思います。
○五十嵐座長
 では、辻先生。
○辻技術専門委員
 まれな疾患なのですけれども、今、遺伝子診断でいけば全部できるかというとそうではなくて、やはり酵素活性が十分低下しているということが本当は必須条件になってくるのですね。こういう技術というのはなかなか検査会社が持っているわけではないので、まれな病気なので、実施件数が少なくても、こういった技術をやはり継続したほうがいいという意味では、積極的にこういったところの研究者をサポートしたほうがいいと思っていて、先進医療として継続させたほうが私はいいのではないかと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。どうぞ。
○山本構成員
 先-2-2の1ページ目に、実施件数が0件の技術について、その実施医療機関に対応方針を照会されているのですけれども、これについて大阪市立大学医学部附属病院さんが回答されていないのは、何か間に合わなかったということですかね。やはり一応、今、辻先生おっしゃったように、状況をちゃんと申請されている方からしっかり回答いただいて、今後も、少ないけれどもやる必要があるとちょっと申し出ていただいておく必要はあると思いますので、これが回答なしというところがちゃんと回答がいただけるかどうかというところはぜひ確認していただきたいと思います。
○五十嵐座長
 事務局、何か答えられる範囲で答えられますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 失礼いたしました。こちら、0件の理由については該当患者なしと理由がついておりまして、それとセットの形で今後の対応方針を求めておりますので、間に合わなかったというわけではなくて、回答がなかったという状況ではございます。先生の御指摘にはついては非常に重要かと思いますので、今後事務局のほうから問い合わせさせていただきたいと思いますし、また、会議のほうから何か御指摘等があれば、そちらについても課題として投げたいと思いますので、ぜひ御意見いただければと思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○辻技術専門委員
 大阪市立大学の小児科というのは非常に実績のある研究をしていると思いますけれども、御確認いただいて、状況、レポートいただいた上で判断すればいいのかと思います。
○五十嵐座長
 そうしますと、これにつきましては、大阪市立大学から御返事をいただくまではペンディングにしたほうがよろしいですか。それとも、この場ではとりあえず継続のままにしておいて、その間に御返事をいただくということにしましょうか。どうしましょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 失礼いたしました。事務局でございます。
 そうしましたら、こちらからまた問い合わせさせていただきまして、その回答をもとに座長とまた御相談させていただくという形にさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○五十嵐座長
 それでよろしいでしょうか。
 辻先生が御指摘いただきましたように、遺伝診断だけでは非常に難しい。それから、タンデムマスでも疑義となるところに入るような患者さんがいて、その場合にはやはりこの培養細胞を使ったさまざまな検査を実際に行っていると聞いています。
 もう一つ、私、余計なことを言いますと、小児科医が、ある一定の費用がかかるので、患者さんに負担がかかることを、忖度してというか、ちょうちょして、教室の費用でやってあげるということも実際にはあると伺っています。ですから、私としては、そういう方針もいいのだけれども、できれば、この先進医療という一つの枠組みがあるわけですから、そこで実際に実績を上げていただくということのほうが本当は大事ではないかと思っておりますけれども、現状としてはそういうバックグラウンドがあると伺っています。
 では、これにつきましては、大阪市立大学のほうからの御返事を待って最終的に判断させていただくことでよろしいでしょうか。
 (「異議なし」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、次の16番の、やはり細胞培養による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断、これも先ほど私が申し上げたように、患者さんに費用が、負担が出ることを恐れて、心配して、教室の費用で検査を代行しているという状況がやはりこれについてもあるようですけれども、辻先生、何か追加いただけますか。
○辻技術専門委員
 同じコメントの繰り返しになりますけれども、やはり酵素活性の定量というのは診断の基本になりますし、それから、いろいろ患者さんから実費をいただくのが難しいというときもあると思いますけれども、こういう技術というのは日本のアカデミアでしっかり維持したほうがいいわけで、そこをどうするかという大きな議論にもなると思いますので、私はやはり積極的に、こういったところは実施件数が少なくても維持してあげたほうがいいのだと考えています。
 ちなみに、某検査会社がライソゾーム酵素の測定をしているのですけれども、そのレポートは余りリライアブルでないのですね。本当に。そういうこともありますので、やはり専門性が高くてしっかりやれるところが日本ではあったほうがいいと思いますので、診断にかかわることですので、そういう技術を私は維持したほうがいいと思っています。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。どうぞ。
○山本構成員
 やはりこういう特殊な技術で、少数であっても必要な診断技術というのを残すのは非常に重要だと思うのです。ただ、結果的に全く実績がないといつまでたっても先進のままで、しかも、ゼロで進んでいると結局保険導入に全く至らないということになります。逆に、こういう特殊なものであれば、恐らく数は出ないので、難病系でもありますし、保険に導入することは、実績さえあれば比較的容易な、ハードルが低いのではないのかなと思うので、費用の面とかいろいろあるとは思うのですけれども、何とか2年とか4年とか、ある時期に何例かでも集めていただいて、それで実績つくって早く保険にいっていただくほうが、2年ごとにこういう議論をして、しかも、いつまでたっても費用を誰が持つのかわからないみたいな状況をずうっと、結局、目の前の患者さんに払っていただくのが申しわけないと言っている間にずうっとその状況を引き延ばしてしまうということになるということもあるので、やはり今実施されている医療機関に例えば広く声をかけてできるだけ集めるとか、そういうことをちょっとしていただければ、例えば2年後に、これで数例でも集めていただければ保険導入に持っていけたりすることができるのではないかと思いますので、ぜひそのようにこれからやっていただけるといいなと思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○辻技術専門委員
 事態は僕はちょっと深刻だと思っていまして、企業はこういう、本当に何年かに1件くらいしか出ないような検査を請け負うかという問題が1つありますし、それからもう一つは、薬機法で承認されているキットというものは存在しないのですね。だから、そこでどのようにして検査会社がやれるかという問題も出てくるのですね。一方でまた、医療法改正されましたので、大学の研究室の検査のあり方というのも議論になっていまして、結局こういう検査の行き場所がない形になっているのです。だから、どちらかというと、私は大学のアカデミアの研究室であっても、ある一定の条件で保険でそれが実施できるという形を認めてあげるような方向性がもう一つあるのではないかなと思って、必ずしも企業へのトランスレーションではないのではないかということもありますので、こういったものをどのように日本全体で考えるかというその辺のフレームワークはもうちょっと検討いただくといいのかなと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。そのほか御意見ございますか。
 そういたしますと、15番、16番の技術につきましては、とりあえず継続にするけれども、検査を担当する大学の先生方にお願いして、実績を積んでいただいて、2年後数字を出していただきたいと、そういう要望をつけるという形でよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 では、そのようにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、総合評価のIIIbですね。これについて御意見をいただきたいと思います。
 まず、11番目の「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」につきまして、御意見いただきたいと思います。IIIbというのは、繰り返しますが、全ての評価者がD評価であったという技術です。ですから、これは先進医療から外すかどうかという御議論をいただきたいと思います。
○赤川技術専門委員
 この歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーションですけれども、前回の会議で、現在、保険導入に入っているリグロスというリコンビナントのFGFと治療比較をしなさいという宿題をいただいておりまして、その結果、臨床研究ですけれども、この保険導入しているリグロスのほうが有用性が高いというデータがあります。それと症例数もどんどん減ってきておりますので、これはもうゼロでいいのではないかなあという結論に至っております。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。これにつきまして、ほかの御意見、御質問等ございますか。
 よろしいですか。
 では、14番「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」につきまして御意見いただきたいと思います。どうぞ。
○平形技術専門委員
 眼科の平形と申します。
 この多焦点眼内レンズに関しては5年以上にわたってこの先進医療で扱ってきました。それで、いわゆる多焦点といっても遠近両用眼鏡のようなもので、これを入れることによって確かに眼鏡を使用する頻度は少なくなる。これはかなりメリット、いわゆるアメニティという観点ではメリットであります。
 ただ、前回のこの会議であったように、これを入れた後に不具合が生じて、入れかえる手術が少なからず報告されていると。それで、その安全性に関して学会主導で調査しろというのが前回の宿題であったと思います。
 それで、水晶体学会で前向き調査をしましたところ、3.6か3.7%で不具合が生じたと。パーセントで少ないようでありますが、この普及率が年々増えているといっても多いようで、1年間で、去年はこの技術を見ますと3万件やられておりますが、白内障手術というのは年間150万件やられていて、そのうち3万件やられていて、そして、不具合が生じる症例があって、その不具合が術前に予期できないということもこの論文で発表されました。
 その点からすると、その普及率、安全性が予期できないという点においては、今までの白内障手術をはるかに優位する優位性というものにおいてはどうしても疑問があるということで、先進医療としての費用や不満例を考えますと、これ以上同じように先進医療を継続しても、効率的ではないというのが今回の評価であります。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。ただいまの御意見も含めまして、そのほか御意見いかがでしょうか。御質問でも結構です。
 どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回御評価いただきました構成員、また技術専門委員のコメントを御紹介させていただきたいと思います。
 今、平形先生がおっしゃられたように、裸眼での視力の改善や眼鏡依存度の軽減は報告されているものの、疾病に対する治療という観点からQOV、QOL等の改善に関する明確なエビデンスは示されていない。先進医療で継続しても、これ以上のエビデンスは期待できないのではないかというようなコメントをいただいております。
 補足でございました。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。そのほか、御意見等ございますか。
 それでは、この「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」は、今回は先進医療から外すということでよろしいでしょうか。
 (「異議なし」と声あり)
○五十嵐座長
 では、11番、14番ともに先進医療から外すということにしたいと思います。ありがとうございました。
 では、お戻りいただきまして、総合のIIaと総合のIIb、それから総合のIIcとなった技術について、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-3-1の6ページをごらんいただければと思います。こちらは総合評価IIaの技術になってございます。IIaの技術ですけれども、主評価の先生が、一定のエビデンスがある、それ以外の先生から、お一人以上は先進医療として継続すべきという評価がなされた技術になってございまして、告示番号4番「神経変性疾患の遺伝子診断」、告示番号7番「家族性アルツハイマー病の遺伝子診断」、告示番号19番「ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断」、告示番号20番「細菌又は真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断」、告示番号21番「LDLアフェレシス療法」、告示番号25番「腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術」、以上6技術となってございます。
 続きまして、総合IIb、7ページに一覧がございますけれども、こちらは主評価の先生が先進医療としては継続すべき、それ以外の先生からは、一定のエビデンスがある、または先進医療として継続すべきという評価がなされた技術になってございます。合計11技術ございますけれども、このうち、告示番号2番と5番、陽子線治療、重粒子線治療に関しましては後ほど別資料で御議論いただければと思います。
 また、8ページに進んでいただきまして、総合IIc。こちらは評価された先生全員が先進医療として継続すべきとされた技術でございまして、告示番号27番「腹腔鏡下スリーブ状胃切除及び十二指腸空腸バイパス術」がIIcの評価となってございます。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。では、総合IIaから討議したいと思います。この総合IIaというのは、先ほど御説明ありましたように、評価の先生方から、一定のエビデンスがある、それ以外の評価者のうち少なくとも1人は先進医療として継続すべきという評価がされた技術になっています。では、それぞれの技術について御意見いただきたいと思いますので、順番にいきたいと思います。
 まず、4の「神経変性疾患の遺伝子診断」についてですが、これについてはいかがでしょう。
○辻技術専門委員
 名称は神経変性疾患と幅広に書いてあって、適応症が脊髄小脳変性症、家族性筋萎縮性側索硬化症、あと幾つか萎縮性四肢麻痺とか書いてあるのですが、実際にやっているのはほとんどが脊髄小脳変性症のCGRP等の異常がある遺伝性の脊髄小脳変性症の検査だけなのですね。だから、そういう点で言うと、この先進医療としての技術が全体としてしっかり行われていて普及しているとはとても判断できないという状況がありますので。しかも、実施件数を見ると、SCAの236と診断確定しているケースは6例で、ハンチントン病を除いてのあとの60例近くのものというのは実は多分ネガティブだろうと考えられるのですけれども、そういうこともあわせて、ちょっとこの形のままで保険収載にいかないのではないかと私は考えます。
 ただ、こういうCGRP等の異常とか遺伝子異常がはっきりしている神経疾患というのは非常に数が多くて、その中で、この病気もそうですけれども、治療法が確立されているわけではないというものが神経疾患では多いのですね。そういったものを医療のほうでどう扱うかということは中医協レベルでもまた検討いただく課題かなと思いますけれども、この技術を即保険収載に持っていくというのは ちょっと無理があると私は考えました。
○五十嵐座長
 そうしますと、これは先進医療として継続はすると。
○辻技術専門委員
 私はそういう形がいいかなと。
○五十嵐座長
 ただ、神経変性疾患という非常に広い病名群というか、このままでいいかどうかもちょっと検討していただきたいということですね。
ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○石川構成員
 今のこの神経変性疾患、非常にいろんな疾病があって診断が難しいということがあると思うのですけれども、私は、この結果、これは先-3-2の11ページにある実績とその有効性ということで考えますと、確かに疾患は脊髄小脳変性症のところに集中しているということはありますけれども、ある面ではこの確定的な結果が出ているということを考えれば、こういうものを、難しい病気を診断するときに、現場の先生は、お金を要するに負担させてやっていただくのかどうなのかというところで非常に迷うことがあると思うのですね。そういう点では、僕はこのくらいの実績があれば保険適用のほうに進んでもいいのではないかと考えております。
○五十嵐座長
 そういたしますと、石川先生のお考えは、この脊髄小脳変性症という疾患名だけに限ってという御意見ですか。それとも、このままで全体を保険収載してもよろしいという御意見でしょうか。
○石川構成員
 脊髄小脳変性症だけでもということです。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
○辻技術専門委員
 私の領域なので詳しく話しますけれども、遺伝性の脊髄小脳変性症という意味では、CGRP等の伸長によるものだけではなくて、実はほかの点変異で起こる遺伝子がたくさんあって、locusとしては、ちょっと正確でありませんけれども、数十個、実はあるのですね。だから、そういう意味では、どう扱うかというのはかなり検討を要するところだと思います。簡単にできる部分はあるのだけれども、実はそういうDeptの検査ではできないものが遺伝性脊髄小脳変性症の中にもかなりあるので、やはりこの病気全体をどう考えるかということをしっかりフレームワークをつくる必要があると私は思います。
○五十嵐座長
 石川先生、いいですか。
○石川構成員
 そうするとまた何年もかかってしまうし、やはり一定確定できる部分からやっていかないと、皆さん、やはりそこに手がけてくれないのではないかと思うので、その辺ですよね。私が少し前に進めたほうがいいというのはそういうことでございます。
○辻技術専門委員
 実はこういう疾患多いのですね。神経疾患では原因遺伝子が確定していて、遺伝子解析をすれば診断確定できるという疾患は非常に数が多くて、保険収載されているのはまだ70余りだと思いますけれども、非常にディスクレパンシーがあるので、実はこれに限ったことではないのですね。だから、原因遺伝子が確定している疾患で、そういったものを幅広く検査として保険収載するかどうかという大きなフレームワークで話をする必要があるので、厚労省の中でも、あるいは難病対策課、あるいは中医協でも、全体のフレームワークをどうすべきかということをやはり考えていただいて進めていただくのがよくて、これ1つだけでどうということにはならないのだと私は思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○石川構成員
 それでは、先生の御提案としては、こういったものに対しての遺伝子診断というのをもっと大きく取り上げるということでございましょうか。
○辻技術専門委員
 はい。それをどこが引き受けるか、どこで行うかということを考える必要があるのですね。これまでは、過去は研究として行われてきたところがあって、それは一定の意義があったのだけれども、今はかなり確立されてきているので、研究としてのそういうインセンティブが余り発生しない領域になっているのですね。だけど、一方で保険に入っていないのでどこもやらないのですね。それを大学が無理して支えてきたというところがあって、ただ、それもだんだんできなくなってきているという状況があって、行き場がない状況になっていて、それを日本の医療の中でどのように位置づけるかという問題になると思うのですね。
○石川構成員
 いや、ですから、こういった問題を、どうやって遺伝子診断を前に進めるか。先生おっしゃるように、ほかの病気も含めて保険収載するという、私も小児科ですから子供たちのいろんなものを見ていますけれども、そういう点では、どうやって保険にするのかというストラテジーといいますか、そういうものをもっと明確にしていくべきだと思うのですね。しかし、現状ではなかなかその方法がないために、こういうところでも少しずつ広げていく必要があるのではないかというのが私の意見です。
○辻技術専門委員
 繰り返しで申しわけないのですけれども、私はやはりトップダウンで全体のフレームワークをどうするかということを考えたほうがよくて、この技術に関しては余りにも記載がプアですし、ストレートにこれを保険収載に持っていくということに関しては慎重にやはり考えたほうがいいと私は思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。ほかにこの点につきまして。
 どうぞ。
○山本構成員
 特にこういう診断系とか、企業が受けられないものというのは一定程度あると思うのです。でも、やはり保険にどうしてもいつかは載せたいというのがあると思うのです。ちょっと診断系ではないですけれども、例えば私の施設の国立循環器病研究センターが、組織移植で、弁とか、手術でとってきた胃組織をバンクとして保存しておいて、それをまた後で供給するということを長年先進医療でやっていまして、ようやくこの間保険収載になったのですけれども、結局、そういうのは民間でやってくれないので、やはりアカデミアで支えて、つまりは、どこかのアカデミアに拠点を置いて、そこが持ってやるというふうな仕組みをちょっとつくった上で保険収載という順番になるのかなと思うのですね。
 先ほどのIIIaの2技術もそうですし、やはりアカデミアで支えなければならないのだけれども、いつか保険収載したいという場合は、この次の2年、あるいはもうちょっと時間かかるのであれば4年くらいかけて、そういう診断する期間というのをちょっと拠点化することを学会とかでも考えていただいて、その受け皿をつくった上で保険収載に持っていくことを考えるべきなのかなと、今の御議論を聞いているとちょっと思いました。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。そのほかいかがですか。
 どうぞ。
○医療技術評価推進室長補佐
 済みません。事務局でございます。
 ただいま、指定難病等の診断に対する遺伝子検査の保険適用について御議論いただいたところでございます。これにつきましてちょっと補足させていただきたいのですけれども、現在、先進だけではなくて、中医協総会のほうでこういった、例えば指定難病の方の遺伝子診断検査について保険適用をどのように考えていくかというところを議論させていただいているところでございます。
 どういう考え方かといいますと、もともと薬事承認とかいう話があるのですけれども、この指定難病の場合、先ほど御議論いただいたように、n数が非常に少ないでありますとか、さまざまな事情があることを踏まえまして、これまでも中医協では3条件ございまして、分析的妥当性、臨床的妥当性、臨床的有用性と、こういったものはある程度担保した上で、診断に必須になるような遺伝子検査については中医協総会のほうで議論させていただいて保険適用をしていく方向で検討してはどうかと、今このような検討をさせていただいているところでございます。
 したがいまして、もちろん、全くエビデンスがないとか全く実績がないというものをそのままというのはあれですけれども、ある程度先進医療を含めてエビデンスを構築していただいた上で、ただいま申し上げたような条件に当てはまるようなものについては全体としての保険適用を検討させていただくと、このような議論をさせていただいているところでございます。
○五十嵐座長
 わかりました。石川先生、どうしましょうか。
○石川構成員
 私はその議論も知っているのですけれども、小児慢性特定疾患の委員もずっとやっておりまして、これは遺伝性の難病、すごく多いわけですね。ところが、これが実際には、その御両親になかなか負担がかけられないということで、要するに、臨床的な証拠だけで、それでいいということになっているのも随分あるわけですね。ですから、少なくとも可能なところから、今、中医協で議論されているように、一定の妥当性がある、次にあるアルツハイマーのところもそうですけれども、こういったものについてはどんどん端から認可していくぐらいのことをやらないと、これは広がらないのではないかと考えている次第でございます。
○五十嵐座長
 意見が分かれているのですけれども、ほかに御意見ございますか。
 どうぞ。
○辻技術専門委員
 厚労省の方に御理解いただきたいと思うのですけれども、遺伝性疾患で原因遺伝子が確定しているという疾患は、多分、今、5,000近く確定しているのですね。保険収載されているのは七十幾つかだったかと思います。ですから、そのディスクレパンシーが非常に大きくて、そこをどのように対応するかというのは非常に大きな問題なので、ぜひ前向きに僕も検討していただいたらいいと思って、それは石川先生と同じ考えですけれども、ただ、個別の技術そのものに関してはいろいろ問題点もあるのでコメントしましたけれども、全体としては、やはり診断確定に必要な検査というのは保険収載する方向で考えていただきたいと思います。
○五十嵐座長
 遺伝性疾患というのは実は9,000ぐらいあって、遺伝子が実は6,000ぐらいになったというのが、この11月のOMIMの報告で6,000に上がって、それがこの1年間ぐらいで1,000ぐらい、原因遺伝子が新たにわかってきたということで、それに対して我が国では保険収載されている診断技術は七十幾つしかないのですね。米国ではその100倍ぐらいがもう保険収載されていると聞いておりますので、大変、ある意味おくれているという事実がございます。そういうことからも、石川先生はこれを保険収載してもいいのではないかという御意見だと思うのですが、その前にもう少し、この技術に限ってみても全体をしっかり把握した上で、この疾患群の把握をした上で改めて保険収載の方向に行く議論をしたほうがいいのではないかという議論で、目的は、方向性は一緒なのですけれども、今回この技術に関して、この技術に限ってですけれども、保険収載すべきかどうかという判断を今日しなくてはいけないわけですが、どういたしましょうか。
○竹内構成員
 1点、全く門外漢ですがお伺いしたいのですけれども、多分、辻先生が言われていることは、臨床症状からして、この遺伝子検査をするには余りにも効率が低過ぎる。この技術を使ってやると、頻度はわかりませんけれども、例えば1万例で1例ぐらいしか検出されない。その効率性を考えると、対象患者さんが1万人いて、検査が陽性になるのが1例であれば、保険診療すると1万人分必要になってくる。でも、実際に診断が正しいのが例えば1例であるというと、頻度的には非常に効率が悪いので難しいのではないかという議論と伺ってよろしいですか。
○辻技術専門委員
患者の数は多いのです。脊髄小脳変性症という枠で、指定難病の発行件数は今2万件超えていますよね。
○竹内構成員
 そのポイントなのですけれども、脊髄小脳変性症の患者さんの数が多いけれども、この検査をして、遺伝子異常が特定できる頻度が非常に低い。
○辻技術専門委員
 その中で遺伝性のものが3分の1くらいなのですね。ですから、多分、遺伝性のものというのは7,000近くあるのですよ。その中の3分の2くらいはCGRP等の異常によるのですね。だから、対象数は非常に多いです。だから、そういう意味では数の問題ではないのですけれども。
○竹内構成員
 そうすると陽性率も高いということ。
○辻技術専門委員
 ちゃんと家族歴があって、これは遺伝性の脊髄小脳変性症であると判断してやった場合には、実は半分以上は陽性になると私は思うのですね。
○竹内構成員
 そうすると、それだけもし頻度が高いのであれば、やはりこれは、先ほど石川先生が言われたように、先鞭をつける意味でも保険診療に向けて動き出したほうが、効率的な面からもいいのではないかと考えたのですが。
○辻技術専門委員
 この技術、レポートを見ると実績少ないですし、しかも、この技術は対象疾患は非常に幅広くいっているのだけれども、やっていることはごく一部なのですね。だから、このフレームワークで即保険収載に持っていくというのは僕はちょっと拙速だと思っていて、これは遺伝性脊髄小脳変性症でCGRP等を検査するという設定でしっかりした実績があれば普及率は高いと私は思いますけれども。ただ、この技術として余りにも拙い記載になっていて、本来これは認めるときがどうだったのかなというのはありますけれども。
○竹内構成員
 その点がしっかりされれば、今後は保険診療に向けて技術としては確立されていくと考えていいですか。
○辻技術専門委員
 可能性は十分あると思いますけれども、ただ、そういう疾患は神経疾患で非常に多いので、これに限ったことでなくて、全体をどうするかという問題にもなるわけです。
○五十嵐座長
 そうしますと、この脊髄小脳変性症というものだけに限ってみたら、その遺伝子診断は保険収載したほうがいいということはかなりコンセンサスあるとは思うのですが、そのような制度上の変更というのはできるのでしょうか、事務局。
○医療課長
 基本的に、保険に収載する、収載しないとか、どういう技術をという話に関しては、それぞれ、今、中医協の中では、例えば技術に関しては医療技術評価分科会のほうでしておりますし、また、その基本的な方針については総会のほうで、先ほど言ったように議論させていただいておるところでございます。ですので、ここでいただいた、そのほか個別技術の審査をここで、先進医療で実績を積み重ねてきた技術についてはここで審査していただきますので、それについて私どもとして結果としていただきますし、また、そのときに、今いろいろいただいた御意見についてはあわせて中医協のほうに御報告させていただきたいと思っておりますので、その中で、先ほど言われたようなことも中医協のほうに報告させていただくという形で進めさせていただければと思っております。
○五十嵐座長
 そうしますと、現時点におきましては、この4番の技術に関しましては先進医療のままにしておいて、それで、きょう出た御意見等を中医協等にお伝えいただくという方針でよろしいでしょうか。石川先生。
○石川構成員
 はい。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。いずれにせよ、もっと大きな枠組みでこれからの、神経難病も含めて遺伝性疾患の遺伝子診断をどのようにするかということはぜひ真剣に考えていただかなくてはいけない大きな課題ではないかと思います。どうもありがとうございました。
 では続きまして、7番目の「家族性アルツハイマー病の遺伝子診断」につきましてはいかがでしょうか。
○石川構成員
 これも今の議論と同じようなことでございますけれども、先-3-2の21ページをごらんになっていただきたいと思います。これは1施設だけで頑張って、去年なんかおやりになっているようですけれども、経年的に見ますと、平成28年から23件あって、ある面では非常に貴重な例でございますので、これでこの施設ではやり尽くしたということがあるのかもしれませんけれども、今回8例という形で少ないですけれども、一応有効性ということでこれを信頼するとすれば、かなり確定的なものが出てくるということでは、僕はこれは保険のほうに進んでいいのではないかと考えておりました。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○辻技術専門委員
 この技術はAPPとPS1、PS2、それからアポイーも含めていますけれども、これらの遺伝子を、個々のエクソンをPCRでふやして、酸がシークエンスするという非常に労力を要する検査で、今ですと、むしろこういうのはエクソームなりパネル検査というのが望ましいという状況にはなってきて、技術的にこれはかなり古いものですからそこは課題であるということと、あともう一つは、実は一番頻度の高いPS1ですけれども、いずれにしても、米国でダイアン研究というのがありまして、日本でもそれに参加しているのですけれども、これは家族性アルツハイマー病の御家族の方々のそういうアットリスク、あるいは早期の方をずっと経年的にフォローするという疫学研究が行われていて、それが治験につながる形で、つまり、PS1の異常があって発症するであろうという非常に早期な段階で早期治療介入するという、そういう治験が今準備されつつあって、日本もそれに参加すると聞いています。
 そういう状況もありますので、私はもうしばらくの間、そういったダイアン研究の発展を、日本も参加していますので見きわめた上で、その結果を見てまた判断するというのがいいのではないかと。うまくいった場合は、PS1の変異がある人はこういう治療をすると発症を遅くできるとかいうことになるかもしれませんので、そうすると、遺伝子診断の意味が非常に出てきますよね。だから、ちょっと見極めてもいいのではないかというのが私の意見です。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。石川先生、それでよろしいですか。
○石川構成員
 それは、このことと一つの治験が進むということというのはちょっと次元が違うのではないかと思っておりまして、これはこれで僕は進めるべきだとは考えておりますけれども、ほかの方たちの意見はいかがでしょうかね。
○五十嵐座長
 ほかに御意見いかがでしょうか。
○辻技術専門委員
 追加していいですか。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○辻技術専門委員
 神経疾患、こういうの多いのですね。つまり、同じ症候であっても調べなければいけない遺伝子の数が多いというのがあるのです。例えば白質脳症ですと、30以上の遺伝子を調べる必要があるということになってきますので、ですから、こういうのはむしろパネル検査なり、あるいはエクソーム解析なり、そういった形で保険収載も含めて検討していくのがいいと思っていて、この技術だとちょっと古くて、今の時代に合わないと私は思います。
○五十嵐座長
 よろしいですか。
 では、これにつきましても、先進医療として継続するということでよろしいでしょうか。
 (「異議なし」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 続きまして、19番目「ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」につきまして御意見いただきたいと思います。
○平形技術専門委員
 眼科、平形です。
 ヘルペスウイルスなどに代表されるウイルス性の網膜炎は、もう本当に失明に瀕する救急疾患であります。それに対して現在は、眼内液をとってPCRができる施設、あるいはそういう検査ができる施設で、研究費でやっている。だから、その意味では、これは非常にもうすぐにでも保険収載していただきたいぐらいでありますが、その検査キットが対外診断用の医薬品として、今、申請手続中なので、それが通ったらということのほうがある意味では効率性と普及性においていいということで判断いたしました。
 実はその次の20番も全く同じであります。
 以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。そのキットができたら、保険収載するという点で、皆さん使えるしということですね。
○平形技術専門委員
 ちょうど今申請中であります。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。
 では、これもしばらくは先進医療として続けるということで。
 同じく、今度は細菌又は真菌に起因するほうの迅速診断ですけれども、これについても、今の御説明がありましたように、先進医療として継続するという方向でよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 続きまして、21番「LDLアフェレシス療法」につきまして御意見いただきたいと思います。
○磯部技術専門委員
 LDLアフェレシスそのものはFH等既に確立された技術で、保険収載もされてきた技術ですので、技術そのものに特に問題はないと思います。この先進医療はネフローゼを伴った糖尿病腎症の患者で抗LDL血症の方にこれを使用するという目的であろうかと思います。その目的も、検討すること自体も特に異議はないのですけれども、この総括報告書の結果を拝見いたしますと、症例数35例のところ41例検討されていますけれども、まず蛋白尿について、6例のヒストリカルコントロールと比較して蛋白尿が減っていないというネガティブなデータです。
 それから生存率につきましては、これも別の論文からとってきたヒストリカルコントロールとの比較です。腎機能低下の程度が近い6例のコントロールの2群つくって生存率については有意差があり、また透析回避率については、1つは差があり、1つは差がないという結果であります。
 これで有効性があるので先に進めたいという結論にされておられます。まずコントロールが適切かどうかという問題があります。特に生存率を比べるのに年齢とかきちんとしたマッチングデータなしに違った集団との比較で、有意差があったというのは学術的には弱いのではないかと思います。私としては、現状でこれをもって保険収載するに足る科学的な根拠は十分であるとは判定できません。先進医療として継続してきちんとデータをそろえていただきたいという判定をさせていただきました。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。
 どうぞ。
○植木技術専門委員
 概要は磯部先生がおっしゃったことを私も感じましたけれども、まず、このLDLアフェレシスによってもし改善があるとした場合でも、これはLDLの低下によるものなのかどうかというのが全くはっきりしない。申請者の先生方もおっしゃっていますけれども、炎症性のサイトカイン等も除去されるのでその影響のほうが大きいのではないかとおっしゃっていますので、そうしますと、難治性抗コレステロール血症に伴う糖尿病性腎性の患者とする意義がほとんどないのではないかとも思います。
 LDLコレステロールを120mg/㎗ということで、今のハイインテンシティスタチンですとか、抗PCSK9抗体などを使えばもっと下げられると思いますので、少なくともそのような患者との対比においてアドバンテージがあるのかどうかという議論がまずなされるべきではないかと思って、先進医療としてのデータを出していただきたいと判断いたしました。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。大分すっきりしてきましたけれども、ほかに御意見ございませんか。
 それでしたら、これは先進医療として継続していただいてデータを出していただくという方向にしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 最後の25番「腹腔鏡下の傍大動脈リンパ節郭清術」について御意見いただきたいと思います。
○榎本技術専門委員
 これは先ほどIで通りました9番の泌尿器科領域の後腹膜郭清術とほぼ同じ技術でございます。それで、婦人科のほうは症例としまして平成29年から始まったのですけれども、たった2年間で260例ぐらいの登録があって、25施設が施行しているという状況でございます。一方、この9番の泌尿器科のほうは、平成25年から始まっているにもかかわらず、実際には平成30年からでも非常に症例数が少ないという状況なのです。しかも施行施設が6施設しかないということです。私は9番のほうも一応通していいのではないかと思いました。その理由としましては、9番と25番はほぼテクニック的には同じで、むしろ婦人科(25番)のほうで、十分症例が蓄積されて安全性が確立されていると。婦人科でこれだけ症例を蓄積して安全性が示されているのだから、泌尿器科の先生方も内視鏡手術に非常に習熟される先生が多いので、婦人科でこれだけや9番も通していいかという風に判断しております。
 逆に言いますと、婦人科の25番がもしかIIaという判断であれば、泌尿器科の9番のほうは施行された症例数も少ないから、通すのはもっと難しいと考えないとちょっとつじつまが合わないように思うのです。だから、もし婦人科の25番がIIaが相当と御判断いただくのだったら、泌尿器科の9番のほうはちょっと、Iの評価をつけるのは難しいのではないかと思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 逆にいいますと、こちらをIにしてもいいのではないかという御意見、そういうことですね。
○榎本技術専門委員
 もちろんそうです。
○五十嵐座長
 逆説的に御説明いただいたということですね。
 どうぞ。
○斉藤技術専門委員
 泌尿器科の斉藤でございます。
 これは実は精巣がんに対して後腹膜の郭清ということなのですが、既に今保険収載されている技術で、K843-2とかそういう技術で非常に似通ったものがありまして、腹腔鏡下小切開の後腹膜悪性腫瘍手術ということでほぼ似通ったもので、恐らく症例数から言うと、似ているということで医療機関のほうで間違えまして、それで請求してきている症例が多数見受けられるので、あえて先進のほうで申請してやらないという施設が多いので、実は症例数はもっともっと実例はある。だけれども、余りにも似通った技術があるなので、そちらのほうで出てしまっているというのは、審査やっている関係上もありまして、よく見受けられることなので、それが現状だと思います。
○榎本技術専門委員
 ただ、小切開下に行う手術というのは、全腹腔鏡下手術とはちょっと違う意味があって、実際に3センチから5センチ腹壁切開を加えて行う手術ということですけれども、今回申請しているのは全て腹腔鏡下で行う手術ということですので技術的難易度は全く異なります。その技術を泌尿器科の9番で施行症例が少ないのであれば25番も一緒に通していただけないかと思うのですけれども。
○五十嵐座長
 保険収載という意味ですね。
○榎本技術専門委員
 はい。
○五十嵐座長
 ただいまの御意見をまとめますと、この25番は保険収載すべきではないかという御意見。
 どうぞ。
○笹子技術専門委員
 外科の笹子です。
 以前、胃がんに対して腹腔動脈の郭清をRCTやって、結局、リンパ節の転移はあるのだけれども、予後につながらないということがわかった。婦人科でも、海外でやられて差がないというペーパーを僕は読んだことあるのですけれども、その辺はどうなのでしょう。
○榎本技術専門委員
 それに対しては北海道大学のグループがLancet Oncologyに載せているのですけれども、子宮体癌では傍大動脈を含めた腹腔内リンパ節をしっかり覚せいしたほうが予後がいいというデータも出ています。
○笹子技術専門委員
 それはRCTでないでしょう。
○榎本技術専門委員
 いや、だけど、あれはちゃんとそのグループを、傾向スコアという群間がばらつかないような手法でやっていますので。
○笹子技術専門委員
 それはレトロの解析のときにやる対照群を合わせる方法なのですけれども、胃がんでも、昔、論文とかでは、RCTやらない時代はやったほうがいいというようなことは言われていた。だから、RCTやれる枠組みをつくって評価されたらいいのではないですか。
○榎本技術専門委員
 それはだけど、結局、ステージングが変わってきたら手術後の後治療が変わってくるのですよ。要するにリンパ節転移があれば高リスク群になるので追加治療が必要となります。リンパ節転移があるかないかというのは非常に大事な情報ですね。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○横井座長代理
 私も別の外科医ですけれども、要は、腹腔鏡下で大動脈リンパ節郭清をすることによって、低侵襲であるということは証明されているのですけれども、治療効果があるかということに関してはどこにも証明されていなくて、現在、JCOGがその第III相試験をやっています。その結果がどう出るかというのはありますけれども、対照群が1期から2期という子宮体がんで、そうすると、このリンパ節郭清の意味合いは、多分ステージングをより正確にするという。
○榎本技術専門委員
 そうですね。だから、ステージングをするということは、それだけ後の後治療が変わってくるということですね。
○横井座長代理
 はい。ただ、この266例でやられたものの摘出リンパ節個数と開腹でやられたリンパ節個数を比較したデータはなくて、ただ、以前に発表されたデータでは若干腹腔鏡のほうが摘出リンパ節個数が少ないのですね。ただ、その差はさほど大きくはないと判断すると、ステージングのためだけであれば、そういう目的であれば、これは保険収載してもいいのではないかと。
○榎本技術専門委員
 それに加えて、開腹でリンパ節郭清すると、要するに、腸を脱転することになりますので、それによって術後のイレウス頻度はかなり上がります。それは非常に重篤な副作用で実際に術後イレウスのために後治療がすぐできないという症例は、頻度としては数%あると思いますよ。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○新井構成員
 私も全く門外漢ですけれども、子宮体がんのガイドラインを見ると、大動脈リンパ郭清が治療予後を改善するかについては現時点で十分なエビデンスがなくて、お二人の先生がお話しされたように、今議論が進行中であるという結論がガイドラインに記載されております。したがって、本件に関しては少し慎重になったほうがいいのではないかなという印象を持ちました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 どうぞ。
○横井座長代理
 ただ、私は肺がんをやっていましたけれども、肺がんの縦隔リンパ節郭清も予後に寄与するかというデータはやはりないのですね。ただ、それが保険収載はされていまして、現在、日本全国どこでも、ほかの臓器も多分そうだと思いますので、これの安全性が確保されるのであれば、ステージングのためにこれを保険収載求めることは妥当ではないかなと私は思いました。
○榎本技術専門委員
 だから、本当に術後の合併症の頻度は腹腔鏡のほうが少なく、後治療の有無につきましては、後腹膜リンパ節郭清の結果で左右されるところが多いので、やはり患者さんの負担の少ない手技ですね。先生のおっしゃるように、後腹膜リンパ節郭清の意義は確かにステージングというところしか今エビデンスございませんけれども、腹膜鏡下の傍大動脈リンパ節郭清術によって、患者さんの少なくともQOLはかなり上がる可能性が高いので、ぜひ通していただきたいなと思います。
○五十嵐座長
 山口先生はどんなお考えでしょうか。
○山口構成員
 私も基本的には、胃がんやっていましたから、リンパ節をたくさんとればとるほどいいというものではないよということはよく理解しているので、エビデンスは必ずやはり出すべきではないかなと思います。
 ただ、今おっしゃったように、ステージングが非常に患者さんに有用であるということであれば受け入れてもいいのかなとは思います。
○榎本技術専門委員
 術後の、入院日数が大分変わってきますので、必ずメリットはあるのですね。
○山口構成員
 インターナショナルにはどうなのでしょうか。日本だけがやっているとか、そういうものでしょうか。
○榎本技術専門委員
 それは世界中どこでもやっています。
○五十嵐座長
 外科の先生方のディスカッションが一応終わったのですかね。ありがとうございます。そうしますと、ステージング判定をすることによって患者さんのメリットはあるだろうと、そういう意味からは保険収載してもいいのではないかという御意見が多いと思いますが、よろしいですか、それで。
 事務局、いかがでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 いただいた御意見につきましては次の医技評のほうにしっかりと伝えさせていただきまして、そちらを踏まえて最終的には中医協で御判断をいただくということになろうかと思いますので。
○五十嵐座長
 では、この委員会としては、先進医療ではなくて、保険収載すべきであるという群に入れていいというまとめ方でよろしいですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 先生方の御意見を踏まえますと、予後という意味ではまだエビデンスないところでありますが、ステージングという観点からは十分なエビデンスがあるということで医技評のほうに伝えさせていただきたいと思います。
○五十嵐座長
 皆さん、それでよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。では、総合IIaの6技術の評価はこれで終了したいと思います。
続きまして、総合IIbの11ある技術につきまして御意見いただきたいと思います。これは数が多いので、全体まとめてやってもよろしいですか。
 何か、この中で御意見ございましたらいかがでしょうか。
○榎本技術専門委員
 最初の子宮腺筋症に対する核出術について、ちょっと意見述べさせてもらいます。1番の高周波切除、これにつきましては、実際に登録されている症例を見ますと、霞ヶ浦の医療センターが非常に多くて、ほかのところは非常に少ないという結果があるのですけれども、日本産科婦人科手術学会という学会がありまして、子宮腺筋症に対する核出術について実態調査をされたようなのですね。そのデータによると、実際には、回答した164施設のうち60施設で子宮腺筋症に対する核出術はやっていると。ただ、問題点としましては、平成17年のときには、この「高周波切除器を用いた」ということがついているのですけれども、結局、腺筋症という病気は、メスを入れるとかなり出血するので、いわゆる止血のデバイスとして高周波切除術というのがその当時は非常によかったのですけれども、これから年数が13年たっていることによっていろんなエネルギーデバイスが出て、実際にわざわざ高周波切除器のような昔のレトロなデバイスを使ってやる施設というのがなくなっている点が1点と、それからもう一つは、腺筋症という病気は割と子宮筋腫と合併していることがあって、子宮筋腫という病名をつけて核出術を実際にやっている施設が結構あるようです。
 過去3年間で集計すると940症例されていると。ただ、高周波切除器を用いて施行しているのは少ない状況になっているのですね。だから、先進技術名として「高周波切除術を用いた」ということがついているために、逆になかなかやる施設が減っているような状況になっているという印象を私は持ちます。
 それで、この「高周波切除術を用いた」という接頭語がつくようになったのは、厚労省の先進医療の担当の方から申請者に助言があったと聞いているのですけれども、腺筋症というのは、月経困難症状も強いですし、過多月経になっている患者さんも多く、これを摘出してあげるというのは治療的意味が非常に高い手術でございますけれども、先進医療としての問題点はそういうところにあります。
 だから、子宮筋腫が合併している症例では子宮腺筋核出術も、多分行っているのでしょうけれども、やはり子宮筋腫を合併しないピュアな腺筋症というのもあって、筋腫という病名をつけられない症例があって、そういう患者さんが、非常に困られているのではないかなと思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 そうしますと、先進医療として続けていくということですか。
○榎本技術専門委員
 どうなのですか。だから、この高周波切除術という言葉をつけてやったら、何年かかっても多分通らないのではないかと思うのですね。現実的には、ここのところ、厚労省の人と申請者とちょっと話していただいて、何とかならないのかなと僕は思うのですけれども。
○五十嵐座長
 事務局、いかがですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 これは非常に古い技術でございまして、平成17年に適用開始になってございますが、当時の経緯を十分に認識しているわけではございませんので、その旨御承知おきいただければと思いますが、恐らくこの高周波切除器とセットの医療技術として当時は考えられて、先進医療としてこれまで評価を続けてきたというところかと思います。そのため、この医療機器を用いない場合の手術がそれと同一の技術として位置づけられるかということについてはやはり議論が必要かと思いますし、もし、この機器の必要性がないということであれば、使用しない場合の先進医療を新たに立てられるというのも一案なのではないかと思います。
○榎本技術専門委員
 別の言い方をすれば、例えばこの高周波切除器を使ってやっている施設、2施設くらいあると思うのですけれども、そこのデータは、論文も出されていますし、非常にいい成績を出しているのですね。だから、そういう意味で、この技術で認めてもらってもいいような段階にはあると思うのですね。ただ、実際にそこから先にもう一遍腺筋症の手術で出すとか、「高周波切除器を用いた」という接頭語を外した分で子宮腺筋症核出術というのをもう一度出すというのは無理なのでしょうか。だから、とりあえずこれで通していただくわけにいかんのですかね。
○山口構成員
 違った機械をいつの間にか使っていて、ごちゃごちゃになった状態で、もとの機器を認めるというのは全く不適切だと思います。これはさっさと取り下げて、今ベストの新しい機器を使ってやり直したらどうですか。そうでないと科学的な評価できません。
○榎本技術専門委員
 ではそのように厚労省のほうから進めてください。それはそれでいいと思いますよ。確かに、これ以上、何年やっていたってこれ以上データは集まらないです。残念ながら。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 そうしますと、この技術は継続なのか、削除が必要なのか、それとも、これは続けた上で別の提案が今後出てくるという理解でよろしいのでしょうか。そのあたり、結論をいただければと思いますが。
○五十嵐座長
 つまり、先進医療として外してリセットするか、あるいはこれは続けながら新しい、高周波切除術を使わない子宮腺筋症の核出術、新しい技術として申請するか。
○榎本技術専門委員
 学会のほうに一遍聞いてみますけれども、私はそれでもいいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 補足になりますが、前回改定時の保険導入に係る評価の際に、やはり施設数が少なく、普及を図るべきだという御指摘をこの会議でいただきました。それを踏まえて、当該実施施設では学会も含めてこの技術の普及啓発というものについて取り組まれておるとは聞いておりますし、施設数も少ないながらもふえているとは事務局では把握しているところでございます。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○山本構成員
 外科ではないのでよくわからないのですけれども、結局、先進医療の場合、こういう機器をセットにしてとか、ある程度縛りをかけてしまうので、むしろこれはしばらく先進医療に残したとして、例えば子宮腺筋症核出術という術式で、学会から例えば外保連を通じて保険収載を要請されるとか、そういう道はないのでしょうか。先進医療でやる限り、どうしてもある程度技術に枠をつけないといけないので、でも、結局、言っているとデバイスが変わればまた使わなくなってしまうので、どちらかというと、デバイスを決めるより術式で保険をとっていくほうが何か将来的には現実的なような気がするのですけれども。
○榎本技術専門委員
 だから、その辺のところはやはりディスカッションが要ります。
○五十嵐座長
 そうしますと、今回は先進医療として継続はする。その間に今後の対応を学会として考えていただくと。それでよろしいですか。
○榎本技術専門委員
 はい、それでお願いいたします。
○五十嵐座長
 最初に私言わなければいけなかったのですけれども、この2番と5番の陽子線、重粒子線治療につきましては、事務局から別途の資料も出ておりますので、これはこのIIbの中の最後で御意見いただきたいと思いますので、6以下の技術の中で何か御意見がありましたら、どうぞ。
○辻技術専門委員
 23番のCYP2D6の遺伝子多型検査ですけれども、これはゴーシェ病の、基質合成阻害薬の投与に際して薬剤代謝のスピードの違いによって肝障害などの副作用が出やすいということで、ドースを調整する、あるいは場合によっては禁忌になるということで必要な検査なのですけれども、お薬は保険で認められている検査だと思います。多分問題は、この検査法はルミネックスという方法を使っていまして、特定の遺伝子変異のパターンを検出するというタイプのもので、もともと欧米の方々を対象にして最適化された検査法なのですね。だけど、このCYP2D6というのは人種差がすごくあって、例えばコピー数変異の割合というのは、欧米人では6%ですけれども、アジア人では30%、あるいは日本人では40%を超えるということは言われていまして、そうすると、実はそういったものに対する結果が出せない可能性があると私は思っていて、日本人の方で判断を間違う可能性がやはりあるのではないかなと思って、かなり問題だと思っているのですね。
 だから、日本人のこのCYP2D6の多型の分布に対して最適化されたような形でのキットがあるべきだと思うのですね。だから、臨床的な必要性が非常によくわかる検査法ですけれども、ただ、日本人に対してちょっとミスダイアグノーシスといいますか、大丈夫だよと言って、実は血中濃度上がり過ぎて副作用出るというケースが出る可能性は排除できないと心配していまして、日本人に対して最適化された検査法がどうしても望ましいと私は思っていて、そういう点では、この形のままで保険収載しないほうが安全性の面からはいいのではないかと考えています。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。もうしばらく先進医療として続けていただいて、エビデンスを出していただきたいということですね。
 どうぞ。
○山口構成員
 8番の腹腔鏡下の膀胱逆流防止術ですけれども、先-3-2の24ページをちょっとごらんいただけますか。これは問題が2つあって、症例数そんなに多いわけでなくて、最近でも、12例、14例、13例です。しかもその下を見ますと、やっている施設が2施設しかありません。残りの施設は0になっていて、症例数は極めて少ない、広がりは認められません。お手元のiPadの465ページですけれども、必ずしも標準的なものになっていなくて、他にも標準的な手術は幾つかありますので、それとの比較がやはり大事ではないかなと思いますので、このままということでよろしいかと思います。
○五十嵐座長
 そうしますと、これも先進医療として継続したほうがいいということですね。ありがとうございます。
 どうぞ。
○本田技術専門委員
 24番でございますか、評価はこれでよろしいと思いますが、MRIのディフュージョンとトランスレクタールのUSのフュージョン画像に基づくバイオプシーということに関してです。MRIディフュージョンの前立腺がんへの高い検出率を考えますと非常によいバイオプシー方法だと思います。ただ問題は、地方によって、バイオプシーの前にMRI検査をするとMRI検査が全て査定されてしまう地方がございます。これらの地方では24番が仮に先進医療、あるいは保険収載されても、実施できなくなってしまいます。厚生労働省には、ぜひMRIのディフュージョンは、非常に検出率が高くていい検査ですから、バイオプシーの前にMRI検査の実施を認めていただくように御協力いただければと思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 貴重な御指摘いただきありがとうございます。一部の地域でということかと思いますけれども、これに関しましては、どういう状況かというところの把握がまだ我々できておりませんで、こちらで調査も含めて検討させていただこうと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。どうぞ。
○斉藤技術専門委員
 今の御質問なのですが、泌尿器科は4月の総会のときに全国の社保と国保の審査員を集めて、今言った審査状況の均てん化を図っているわけですね。標準化して、今言ったように、ある県が切られるとか、そういうことはないように指導しております。この件に関しては、確かに過剰な医療機関もあるのですけれども、前立腺の生検を前提としたMRIに関しては放射線科の先生のほうからクレームがありまして、生検を先にやられて、後にMRIを撮ると、出血なのか、それともがんが外に出ているのか、オルガンコファインドとか、非常にわからないということなので、審査上も生検を前提としたMRIは審査上は認めると。その他のCTとかそういうのはステージングのときに初めて認めるということなので、恐らく、これは類推で申しわけないのですけれども、前立腺がんの疑いで全例やるところがあるのですね。そういうところは明らかに査定なのですよ。だけど、その後に、今、縦覧審査で7カ月見ますから、生検をやっていれば必ず通すというのが今の審査員の全国審査員懇談会でそのように取り扱いを決めていますので、恐らく間違いはないと思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○本田技術専門委員
 ありがとうございます。ぜひ徹底していただきたいと思います。現在、福岡県では詳細な症状詳記があれば、最近は少し認めてくれる様になった程度でございます。前立腺癌症例の全例にMRIを実施する必要はないかもしれませんが、通常、ディフュージョンの有用性は既に認められておりますので、審査基準を徹底していただければと思います。ありがとうございました。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。それでは、ほかはよろしいでしょうか。
 どうぞ。
○柴田構成員
 6番の抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査の件なのですが、これはこのまま続けていただくことには問題ないと思いますが、いろいろ資料を拝見しますと、先-3-2の18ページあたりに、例えば評価が不明になっている例数が201例中35例あったり、実際どのような観点で評価すればいいのかというところに難しさがあるのだと思います。これは病気の診断ではなく、薬を使うかどうかの判断の参考にされるものだと思いますので、こういうものを導入することによって実際に患者さんの治療成績が向上するか否かということを考察できるような形の資料、情報をまとめていただくと前に進むかどうかの判断をしやすくなるのではないかと思いますので、ちょっとコメントのみですが、発言させていただきました。
○五十嵐座長
 重要な御指摘、ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
 では、告示番号2と5につきましては、先-3-3に粒子線治療の取扱いについてというまとめがございます。これは事務局、御説明されますか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 総合IIcの評価を、よろしければ先に行っていただければと思います。
○五十嵐座長
 では、続いてIIcについて御意見をいただきたいと思います。その前に御説明ですね。説明はもういいですか。27番ですね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 はい。先生方全員が先進医療として継続すべきと判断された技術でございます。
○五十嵐座長
 では、御意見いかがでしょう。
 どうぞ。
○笹子技術専門委員
 この保険で通っている腹腔鏡下のスリーブ状胃切除術というのが年次推移で見るとものすごく増えていて、逆に、数年前からこのルーワイのバイパスを一緒に組み合わせた術式がぐんぐん減っていて、保険に通っているのだったらこっちでいいやぐらいの技術なのかなという印象を非常に強く受けました。だから過去にも一回、この技術に関して提案したこともあるのですけれども、スリーブをやってだめだった人にルーワイを加えるというのは事後的に全然できる手術なので、そういう位置づけに将来持っていって保険適用するのがいいのではないかなと思っています。実際やっている先生もそのようなことを言っている先生も結構いるので、それでいいのかなという感じを私は受けました。
○五十嵐座長
 そうしますと、これも継続でよろしいということですか。
○笹子技術専門委員
 継続で、実際の様子を見ていって、このままいくとほとんど誰もやらなくなるかなという感じがします。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
 それでは、まとめますと、IIbの2と5は後でディスカッションするとして、ここの1から29まで全て先進医療として継続する、それから、今、御意見いただいたIIcの27番の技術につきましても先進医療として継続するということでよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、IIbの告示番号2と5につきまして、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。先-3-3、「粒子線治療の取扱いについて」という資料をごらんいただければと思います。
まず1番目、背景ですけれども、粒子線治療につきましては、陽子線治療、重粒子線治療、いずれも限局性固形がんを適応症として高度先進医療として開始されました。平成24年10月以降は先進Aとして継続されてきています。41回の先進医療会議におきまして構成員の先生方より、先進医療で漠然とした症例集積が行われて保険適用の可否判断の見通しが立ちにくいのではないか、また、各疾患のガイドラインにおける位置づけについて各専門領域の学会との調整を行うべきではないかという御指摘を頂戴いたしました。
この指摘を受けまして、比較対照を厳格に設定するなど重点的な評価が必要な適応症については先進医療Bとして実施するとともに、それ以外の適応症につきましては日本放射線腫瘍学会が作成した統一治療方針に基づきまして、全体として症例集積を行っていき、観察研究の結果を論文化していくという方針が学会より示されております。
 この流れの中で平成28年度及び平成30年度の診療報酬改定時におきまして、重粒子線、陽子線それぞれ一部の適応症につきましてはその科学的根拠等に基づき保険適用をしてきたところでございます。
 今改定に際しまして、まず2.のところでございますけれども、第80回、先月行われました先進医療会議におきまして、学会より先進医療Aとして統一治療方針に基づいて集積された肝細胞がん、肺がん、膵がん、転移性腫瘍の4つの疾患につきまして2年の生存でありますとか臨床成績が提出されてございます。そのときの資料に関しましては参考資料4のほうにつけさせていただいております。
 また、今改定に向けた保険導入に係る検討のために学会より粒子線治療に係る最新のエビデンスの状況が提出されております。こちらは事前評価担当の構成員、または技術専門委員の先生方には事前に送付をし確認いただいているところでございます。
 これらの先進医療における臨床成績でありますとかそのほかのエビデンス等を踏まえまして、事前評価担当の構成員、また技術専門委員の先生方による御評価が行われました。
 評価の概要が、おめくりいただきまして2ページ目、上のところでございます。既に一部の疾患で保険導入されており、技術的にも成熟している、また、他疾病・病態においても有効性、安全性については全国症例の集積された登録データ等から一定程度は示されてきているのではないかという御意見もございました。
 その一方で、統一治療方針における臨床成績につきましては、患者背景等を踏まえた詳細な解析がないことから、これまで判断基準としてきました既存治療の成績との比較は困難であるという意見も頂戴しているところでございます。また、ほかのエビデンスについても、既存治療との比較という観点からは有効性・安全性が明確となっているとは言いがたいという意見を頂戴してございます。
3ポツ目ですけれども、症例集積の継続とデータの詳細な解析による既存治療との比較等を行いまして、保険導入の可否判断に資するエビデンスの構築に向けた取組が引き続き必要ではないかという御意見も頂戴いたしました。
 以上の事前評価の結果等を踏まえまして、今改定における粒子線治療に対する評価についてですけれども、3.のところに案を記載させていただいております。
 1)のところでございますけれども、現在、先進医療として行われている疾患につきましては、一定の成績は確認されたものの、現時点における科学的根拠は十分ではなく、先進医療を継続した上でさらなるエビデンスを集積することが望ましいと判断してはどうかと提案させていただいている次第でございます。また、2)今後の対応についてですけれども、これまでどおり既存治療との比較でありますとか、各疾患の診療ガイドラインでの位置づけの明確化を行うという観点から、今後も症例集積を進めるとともに、集積されたデータの解析、あるいは論文化、そういったものを学会に引き続き促してはどうかというところでございます。またマル2につきまして、今後、有効性・安全性に係るエビデンスを構築していく点に向けて、追加で対応すべき点等について先生方に御審議いただきたいと考えております。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。では、何か御意見等ございますでしょうか。
 どうぞ。
○山口構成員
 これは統一の方針でやるということで、大変すばらしいことで、画期的と言えると思います。幾つかの問題があって、まず、先-3-2の7ページのところに陽子線治療の件数が書いてあるのですけれども、例えば陽子線、年間件数1,295件ですけれども、評価が不明というのが658件もあります。評価できたのは625件ということでかなり少ない。同様に、14ページを見ますと、重粒子線についても、720例やって、228例が不明ということになっています。きちっと管理して登録した割にはちょっと不明が多過ぎる。その不明の内容は何かということがやはりきちっと出してもらわないとまずいということが1つ。
 それから、報告書の中で、先-5の参考資料3の例えば9ページを見ますと、膵がんの全生存率とか書いてあります。これは陽子線と重粒子線で、一見よさそうに見えるのですけれども、病期を見ると、局所進行で切除不能のはずなのにステージ1が結構入っていたりしています。そのような早期の症例はある程度分けて解析しないとこの成績の意味がよくわからないと思います。数が少ないのでやむを得ないのかもしれませんし、膵臓がんで切除不能でない例についてぜひこういう治療を使いたいという気持ちは十分理解できますが、例えばステージ4も入っているなど、物すごく広い範囲のステージに対して適用するのはいかがなものかという感じもあります。そのあたりをもう少し症例を積み重ねて、わかるような形でもう少し出していただくと評価しやすいのではないかなと思います。
○五十嵐座長
 御指摘ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
 そうしますと、この陽子線治療並びに重粒子線治療につきましては、継続のままということでよろしいでしょうか。
 どうぞ。
○本田技術専門委員
 山口委員のおっしゃるのはもっともだと思います。ただし、ここで注意しておかなくてはいけないのは、粒子線治療が先進医療のままであれば治療費が重粒子線治療で300万、陽子線治療で二百数十万です。一方、前立腺癌に対する粒子線治療が、前回の本会議で認められて保険診療になりました。その診療報酬はIMRTとほぼ同じ金額、150万程度です。即ち、先進医療のままのほうが粒子線治療を実施している施設としては収入が増える訳です。十分なデータが出せないことが収入増加につながるという構図は余り好ましくないです。なるべく早く保険診療するのかしないのか、ここで決めていただくべきだとと思います。
 以上です。
○五十嵐座長
 ここで決めていただきたいということですか。
○本田技術専門委員
 この会議でですね。次回で結構ですので、なるべく早く決定していただければと思います。
○五十嵐座長
 そのためにも学会が、今回まとめてはいただきましたけれども、それがちょっとまだエビデンスレベルとしては少ないところが多々あります。
○本田技術専門委員
 そうですね。粒子線治療が開始されてすでに17年もたっているのにまだこれくらいのデータしか出ていないというのが問題だと思います。
○五十嵐座長
 ですから、それをしっかりとしたデータ出していただくということがまず必要ですよね。
 よろしいでしょうか。
 では、そうした強い意見が出たということを中医協のほうにも出していただきたいと思いますけれども、事務局、何かありますか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 ありがとうございます。貴重な御意見をいただきましたので、またこちらの会議で指摘いただきましたことは学会等のほうにもお伝えさせていただいて、今後どういうエビデンスを構築していくのかというところは引き続き先生方の御意見も伺いながら進めていけたらと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 では確認しますが、陽子線治療と重粒子線治療については継続という結論でよろしいでしょうか。
 (「異議なし」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、きょう、検討対象技術の審議をしていただきましたけれども、一応予定していたものは以上ですけれども、事務局から評価結果について確認していただきたいと思います。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 これまで議論いただきましたのを踏まえまして、次のようにまとめさせていただきます。まず、事前評価で総合Iであった4技術につきましては、十分な科学的根拠を有すると御評価をいただきました。
 総合評価IIaの技術でございますけれども、こちらが7から21までは継続で、25に関しましては、十分な科学的根拠がありという形で御議論いただいたと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 済みません。事務局でございます。
 告示番号4の神経変性疾患の遺伝子診断については、脊髄小脳変性症に関しまして十分なエビデンスがあるということで医技評にはお伝えさせていただくということでございますが、1点だけ確認させていただきたいのですけれども、もし仮にそういった切り出し方で脊髄小脳変性症が保険適用となった場合に、その他の3疾患についての取扱いについては、先進医療として継続すべきか、あるいは削除とするのかというところを御議論いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○五十嵐座長
 辻先生、いかがですか、御意見。
○辻技術専門委員
 ほとんど実施していないので、判断しようがないですね。脊髄小脳変性症以外はほとんどやっていないので、全くやっていないので、だから、ちょっと何のコメントもできないと私は思います。それから、さっき話に出ましたけれども、やはり指定難病に関する中医協での検討というフレームワークで、むしろ指定難病全体としてどう扱うかという中で議論いただくのが適切だと思います。
 だから、この技術を持っていくというのではなくて、むしろ指定難病の保険収載をどうするかというフレームワークの中で、脊髄小脳変性症も指定難病ですから、含めて中医協のほうで検討いただくというのがいいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございました。そうしますと、ほかの疾患につきましては、現段階による判断はできないので、その後の様子を見ながらまた御判断いただくということでよろしいでしょうか。
○五十嵐座長
 よろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 ではそのようにお願いします。
 では続きまして、IIb以降をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 総合IIbの11技術でございますけれども、こちらはいずれも継続という御評価をいただいたことと思います。
 また、総合評価IIcの告示番号27番につきましても継続という形で御評価いただきました。
 総合IIIa、こちらの2技術のうち15番に関しましては医療機関に今後の対応方針を確認した上で継続、また16番に関しましては継続という形で御評価いただきました。
 総合IIIbの2技術、告示番号11番、14番に関しましては、先進医療から削除が適当というところの御評価でございました。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 では、ただいま事務局から御説明いただいた内容につきまして、先進医療会議の決定としてよろしいでしょうか。
 (「異議なし」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。ではそのようにさせていただきます。
○矢冨技術専門委員
 先生、少し発言してよろしいでしょうか。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○矢冨技術専門委員
 今のまとめで全く異議ありませんが、後で資料を拝見して、コメントさせていただきます。総合Iの4技術の4つ目のB-36の「多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療」のところです。私の担当ではありませんが、この資料の91ページの「医療機関の要件」の「その他医療従事者の配置」のところで「薬剤師又は臨床工学技士1名以上を配置し、多血小板血漿を分離できる者を確保すること」とあります。実際の操作を考えますと、臨床検査技師が一番ふさわしいと考えます。血小板凝集能検査という保険収載されている検査がありますが、そのときに多血小板血漿の分離調整が必要です。ですから、これを主に実施している臨床検査技師を加えていただくのが良いと考え、追加コメントさせていただきました。
 以上です。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 貴重な御意見をいただきありがとうございます。そちらも踏まえて医療技術評価分科会のほうに御報告させていただこうと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、きょうの議論の検討結果につきましては、後日、医療技術評価分科会に報告をして、保険導入の可否について検討していただくことにいたします。どうもありがとうございました。
 もう一つ、仕事が残っております。「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」、これから議論したいと思いますので、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 資料先-4をごらんください。「先進医療Aの新規届出技術に対する事前評価結果等について」でございます。今回、先進医療Aの新規技術として御審議いただきます技術でございますけれども、整理番号335番「Zenker憩室に対する軟性内視鏡的憩室隔壁切開術」でございます。
 適応症につきましてはZenker憩室となっておりまして、かかる費用については資料にお示ししたとおりでございます。
 申請医療機関は、呉医療センター、中国がんセンターでございます。
 こちらの事前評価は柴田構成員及び高橋技術専門委員にお願いしてございまして、柴田構成員より「条件付き適」、高橋技術専門委員より「継続審議」の御評価をいただいております。
 続きまして、別紙4の3ページ目をごらんいただければと思います。当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件(案)をお示ししてございます。詳細な説明は省略させていただきます。
 事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。では、事前評価を御担当いただきました柴田構成員から技術の内容とその評価結果につきまして説明をお願いいたします。
○柴田構成員
 お手元の資料の7ページをごらんください。細かい御説明は省略させていただきますが、こちらの資料に書いてあるような形での手術をするというものです。
 めくっていただきまして、「保険収載申請までのロードマップ」として、今回の先進医療で、先進医療Aではございますが、並行して研究を実施され、そこで主要評価項目、付随評価項目のデータを集め、そのデータに基づいて保険収載を目指すというロードマップになっております。
 欧米での現状については、このような機器に関する薬事承認の状態ですとかガイドラインの記載なし、進行中の臨床試験ありというような形になっており、この辺の進行中の臨床試験等のデータが後々活用できる余地はあるのではないかなと解釈しております。
戻っていただきまして、1ページ目に評価結果をまとめました。適応症については妥当であると考えます。有効性については、現状、十分なデータはありませんが、期待できるというところではやや有効だと判断しております。
 安全性については今の段階で国内で申請医療機関の受検例において重大な問題があったということではないと思いますが、まだ経験が少ないので問題あり。これは情報がないということでCということにさせていただきました。
 技術的成熟度についてもCとしております。これはまだ広く広まっていないということによります。後々、3ページの医療機関の要件を最終的に決める際には、ここの安全性に関するところの議論の結果によっては現状の案をより厳しくしないといけなくなる部分も出るかもしれませんが、現時点では情報がないという形の解釈をしております。
 倫理的問題ですとか普及性についてはA、Cということで特に大きな問題はないと思いますが、これから普及を目指していかないといけない段階にあると思います。
 効率性については、提案されている内容が本当にそのとおりであれば大幅に効率的になる可能性はあると思います。ただし、総評のところにコメントを記しました理由で、現時点ではやや効率的としております。
 将来の保険収載の必要性については、しっかりとした実績が積まれれば保険収載妥当ではないかと考えております。
 今般、「条件付き適」としました理由は、コメントの欄の下段のところになります。お手元の資料の4ページに、事前にどのような意味で既存の手術手技に対してメリットがあるのかというのを整理しておいたほうがいいのではないかということをお問い合わせしたのですが、そこのところについて、特にこの技術に特有な安全性上の問題等が生じた場合にどのように考えるのかという論点については明確な御説明をいただいていませんので、そこのところを詰める必要があると思います。
 つまり、コメントの後段ですが、本技術特有の合併症の可能性もあるところ低侵襲性の主張を何によって行い得るのかについて、事前の照会に対する回答では本技術が低侵襲であることありきの回答しかなされていませんので、実際の国内での実施例が少ないということと、これが先進医療Bではなく先進医療Aとして医療機関が比較的容易に広がるということを考えますと、本技術にとって望ましくない事象や状況としてどのようなものが想定され得るのかを明確にしないまま、先進Aとして実施された場合に何らかの問題が生じた場合に適切に対応がとられない可能性が懸念されますので、そのため、現時点では「適」とすることは困難と判断し、「条件付き適」としております。これはしっかりと安全性に関する検討がなされ、こういうことがリスクとしてあり得るが、こういう状況であれば継続してもよいという見解が適切に整理されれば「適」としてもいいのではないかなあという趣旨での「条件付き適」です。
 私からの御説明は以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。では、同じく事前評価を御担当しました高橋委員からお願いいたします。
○高橋技術専門委員
 消化器内科を担当しております。
 今の柴田先生の御意見と違うのは効率性だけで、あとは全て同じ意見でございます。まだ2件しかやっておりませんので、効率性とか、それから合併率、再発率は何もまだわかっていないということで、今後、症例を重ねていただいて継続審議というのが適当ではないかと考えました。
 以上です。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。それでは、何か御意見等ございますでしょうか。
○藤原構成員
 このタブレットの1,076ページを見ると、20施設ほど予定実施医療機関と書いてあるのですけれども、今の別紙4の9ページだと、協力医療機関なしで、呉医療センター、中国がんセンター1施設でやりますと書いてあって、最初から20施設でやったらいいのではないかと思いますが。
○高橋技術専門委員
 関連施設を含めて国立病院のいろんな病院の先生方にお願いして20例集めるそうですが、その方たちの研修、どのような研修をするか、これは非常に技術の高い、技量の高い方にやっていただかないと困るわけで、その辺の研修についてもどこにも触れていないので、その辺を含めて、多施設でやる場合の症例を重ねていただきたい、そういう思いで。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○柴田構成員
 手続的なところに関しましては、先進医療Aとしての医療機関の追加のタイミングと臨床研究の計画の中での予定医療機関の設定がちょっとずれるということは実態としてはありますので、今、高橋先生に御指摘いただいたような医療機関の追加に当たって適切な技術を持った先生方に参加していただくという条件が追加されることが本質的に大事な問題ではないかなと考える次第です。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。
 どうぞ。
○長瀬技術専門委員
 呼吸器内科医のあれで、全くのど素人なのですけれども、かつて私が聞いたケースで、要するに挿管しないで麻酔かけますね。胃の内容物を、要するに嘔吐して、それをアスピレーション起こして、ARDSになって、それこそ死にかかったようなケースというのは実際私が知っている人で経験した方がいるのですね。そういうリスクというのは大丈夫なのでしょうか。
○高橋技術専門委員
 同じようなことを私たちはアカラシアという病気で、粘膜下層に内視鏡入れて筋層を切開するという方法があります。それは食道の下部のほうの病気なので、Zenkerは食道の上部ですので、やはり先生が御指摘されるように、非常に難しい技術だと思います。プロポフォール、これは内視鏡のときの鎮静としてはまだ認められていないのですけれども、でも、それをこの方たちは使って、ディープな鎮静をかけないでやるという、そういうことが書いてございました。ただ、私はちょっと想像つかないのですけれども。
○五十嵐座長
 そのほか御意見ございますか。
 症例の数が非常に少ないという現状で、これをどうするかという大変難しい問題があると思います。それを踏まえまして、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○山口構成員
 私もお二人とほぼ同じ意見です。「適」とするにはやや、この2例だけでは、かなり危険な手技だと思いますし、高橋先生のおっしゃるとおりでいいかと思いますが。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。それでは、皆さんの御意見を踏まえますと、この事前評価結果を継続審議として当会議の決定としたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
 (「異議なし」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。ではそのようにしたいと思います。
 では、きょうの議題は、残り「その他」がありますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局からは特段ございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方から何かございますか。
 よろしいですか。
 それでは、少し時間が超過してしまいまして申しわけありません。きょうの議論は以上で終了したいと思います。
 次回の開催につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和2年1月9日(木曜日)16時からを予定しております。場所については別途御連絡させていただきます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、第81回の「先進医療会議」はこれで終了いたします。
 

 

 

 

 

 

 

(了)

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