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2019年10月10日 第78回先進医療会議

○日時

令和元年10月10日(木)16:00~

 

○場所

中央合同庁舎第5号館専用第22会議室(18階)
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 石川構成員 柴田構成員 竹内構成員
福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他


○議題

 1 新規技術(9月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
   (先-1)(別紙1)
 2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-2)(別紙2)
 3 先進医療実施医療機関からの報告について
   (先-3)(参考資料)
 4 その他


○議事

16:00開会




 

 

 

 

 

○五十嵐座長
 それでは、ほぼ定刻になりましたので、これから「先進医療会議」を開催したいと思います。
 まず初めに、構成員の先生方の出欠状況について、確認したいと思います。きょうは、新井構成員から御欠席との御連絡をいただいております。新井先生からは委任状の提出がありまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされています。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りにつきましては、ここまでにさせていただきます。
 (カメラ傍聴席へ移動)
○先進・再生医療迅速評価専門官
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 お手元の議事次第、座席表、委員名簿をおめくりいただきまして、まず、横紙の先-1「先進医療の新規届出技術について」としている資料がございます。こちらにはホチキスどめの別紙1-1、1-2がついてございます。
 続きまして、先-2「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている資料がございます。こちらには別紙2がついてございます。
 続きまして、先-3「先進医療実施医療機関からの報告について」の資料がございます。こちらには先-3(参考資料)がついてございます。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思っております。届出書類等につきましては、タブレットから閲覧していただきます。
 会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者の方は会議資料のページ、またはタブレットのページをあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 資料等、いかがでしょうか。何か問題がある方はいらっしゃいますか。大丈夫ですか。
 では、今回、検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から初めに御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について、御報告いたします。
 柴田構成員、竹内構成員、藤原構成員、山口構成員より、先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等を行う整理番号132の新規技術について、報告がございました。
 柴田構成員におかれましては、検討対象技術について、自施設からの申請であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わることができません。
 また、竹内構成員、藤原構成員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品、または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が500万円以下でありましたので、同規定に基づき、当該技術に関する検討に加わることはできますが、議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができません。
 また、山口構成員におかれましては、検討対象技術に含まれる医薬品、または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、同規定に基づき、当該技術の議事の取りまとめに加わることは可能であります。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 構成員の先生方、ただいまの利益相反の御説明に対して、何かございますか。
 藤原構成員、どうぞ。
○藤原構成員
 先-2のほうの技術は、私が前職のところでやっておりましたので、講演料等以外に、こちらもCOIはひっかかります。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。大丈夫でしょうか。
 ありがとうございました。
 では「新規技術(9月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」の資料が、先-1として提出されております。
 これについて、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先-1の資料に基づきまして、説明させていただきます。
 今回、先進医療の新規届出技術について、振り分けいただく受理番号98の技術は「切除後の膵臓癌に対するS-1併用WT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法とS-1単独療法のランダム化第II相臨床研究」になります。
 適応症につきましては「切除後の膵臓癌」で、今回、信州大学医学部附属病院より申請がございました。
 費用につきましては、表に示しているとおりでございます。
 技術の概要につきまして、簡単に説明させていただきます。
 別紙1-1の1ページをごらんいただけますでしょうか。
 こちらの中段にございます概要のところをごらんいただければと思うのですけれども、血液成分採取装置を用いて、患者の単核球を採取いたしまして、細胞・組織調製施設において、未成熟樹状細胞を誘導いたします。
 その細胞に、ピシバニール及びPGE2を添加し、WT1ペプチドをパルスし、成熟樹状細胞としまして、こちらを患者の腋窩部及び鼠径部に皮内投与するものでございます。
 こちらを切除後の膵臓がんに対して、ワクチン療法を行いまして、有効性を検討するといった技術になってございます。
 ページをおめくりいただきまして、4ページになりますけれども、今回、使用する医療機器等に、未承認のものが含まれておりますので、今回、先進医療Bとして、振り分け案を提示させていただきました。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 何か御質問等、ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、先進医療Bとして、振り分けてもよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。
 続きまして「先進医療Bに係る新規技術等の科学的評価について」の資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料先-2に従いまして、説明いたします。
 先ほど御説明いたしましたとおり、柴田構成員、藤原構成員は、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになりますので、大変申しわけありませんが、御退席いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 (柴田構成員、藤原構成員退室)
 
○五十嵐座長
 それでは、この整理番号132の技術につきましては、事前評価を福井構成員にお願いしております。
福井構成員から技術の内容と評価結果について、説明をお願いいたします。
○福井構成員
 それでは、別紙2の14ページをごらんいただきたいと思います。
 これは、胃上皮性病変に対するプローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡を用いて、より効率的に悪性腫瘍の診断をしようというもので、多施設共同試験になります。
 この図を見ていただきますと、一番上のところですが、対象患者は、早期胃がんに対して、既に内視鏡治療を行って、40週以上経過している患者さん、あるいは上部消化管内視鏡検査にて、組織学的に早期胃がんと診断、または疑われる患者さん、両方の患者さんを合わせて、約1,000例を1次登録した上で、内視鏡検査を行いますと、大体これまでの経験に基づいて、1,000例中250例で、まだ診断されていない上皮性病変が見つかる。
 その約250例を対象に、10年以上使われているこのプローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡を用いて、既に確立されている技術の白色光非拡大観察及びNBI拡大内視鏡観察と比べて、診断能がどうなるかを調べるものでございます。
診断能につきましては「感度」「特異度」「陽性反応的中率」「陰性反応的中率」「正診率」などが挙がっておりますが「陽性反応的中率」や「陰性反応的中率」は、事前確率で決定されるものですから、診断能そのものは「感度」「特異度」で、私はいいのではないかと考えますが、それらを明確にする。
 そして、特に既知病変がある250例中、約75例と予測されておりますが、つまり、一番上の右側のグループです。上部消化管内視鏡検査で、組織学的に既に悪性疾患と診断されている、あるいは強く疑われている患者さんについて、既知病変についての特異度を明確にするというものです。
 このプローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡の観察では、フルオレセイン注射を行いますので、これが適用を得ていないということです。
 その下のほうを見ていただきますと、検査を行っている場面での、先ほどのような診断能を明確にすることとともに中央判定、この検査にかかわらない3名の内視鏡医が、オフラインで動画を観察して、恐らくランダムに患者さんをプレゼンテーションするということだと思いますが、特異度などを明確にするというスタディー・デザインです。
 これは以前、たしか半年以上前にも提出された研究なのですけれども、そのときには、このスタディー・デザインが適切でないという判断をされ、今回、もう一回、評価部会に新たなスタディー・デザインで提出されたとのことです。
 その次のページのカラフルな図は、薬事承認申請までのロードマップでして、真ん中にあります先進医療Bのスタディー・デザインで、結果がポジティブに出た後は、公知申請を検討するか、あるいは申請に至らなければ、新しいデザインの先進医療、または臨床試験の追加を検討するということになっております。
 1ページ目に戻っていただきますと、適格性に関する私の評価でございます。
 社会的妥当性につきましては、このテクノロジー自体は、もう十数年前から使われておりますし、フルオレセイン自体も、眼科の領域では、何十年も前から比較的安全に使われているということですので、倫理的問題等は、ないと考えます。
 普及性につきましては、罹患率、有病率から考えますと、まだまだ普及していない。
 効率性は、やや効率的だろうと考えます。
 この技術が確立されて使われるようになりますと、生検をする必要が、かなりなくなるということですので、いろいろな意味で医療の効率化につながると思います。患者さんにとっては、早く診断されますし、病理の検体が何よりも少なくなって、いろいろなところで負担が少なくなると考えます。
 さらにバイオプシー自体が必要でなくなると、胆道系や食道など、バイオプシーのリスクが高い部位での、バイオプシーが必要になるということで、リスクの低減にもつながり、いろいろな意味で効率性が高まると思います。
 ただ、その大きさについては、よくわかりませんので、やや効率的としました。
 そして、将来の保険収載の必要性でございますが、将来的に保険収載を行うことが妥当と考えます。この検査技術の診断の優位性、あるいは非劣性が証明されて、フルオレセインも、今までと同じように安全に使えることが、この研究で示されれば、いろいろな煩雑な手続は省いたほうがよいと考えております。
 総評では、総合的に「適」という判断をいたしました。
 以上です。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等、ございますでしょうか。
○山口構成員
 これが一度出てきて、引っ込んだ経緯もあるのですけれども、ひとつは、1,000例のスタディーになっていますけれども、結局は250例の解析なのです。それで、この道具を使うことによって、どれほど臨床的なインパクトが、どのようなシチュエーションであるかということに関しては、このスタディーだけでは、なかなか明らかになりにくい。
 7ページの真ん中あたりに書いていますけれども、本試験の結果も参考になると思われるが、本試験だけでは公知申請につながるかどうか、引き続き検討が必要というコメントです。フルオレセインに関しては、既に使われている薬ですので、早急に使えるようにしたらいいと思うのですけれども、この結果については、まだまだこれだけで、すっと公知申請で行けるかどうかというのは、先進医療技術評価部会のほうでも、いろいろ異論が出たところであります。
○五十嵐座長
 補足をしていただきました。ありがとうございました。
 そのほか、何か御意見ありますでしょうか。
 それでは、特に御異議は余りないようですので、検討結果の取りまとめを行いたいと思います。
 その前に、大変恐れ入りますが、竹内構成員におかれましては、御退席をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 (竹内構成員退室)

○五十嵐座長
 3人いなくなると、かなり寂しくなりますけれども、いかがでしょうか。
 それでは、事前評価どおりでよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 では、構成員の評価結果どおりに決定したいと存じます。
 どうもありがとうございました。
 では、柴田構成員、竹内構成員、藤原構成員にお戻りをいただいてください。
 (柴田構成員、竹内構成員、藤原構成員入室)

○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 では、続きまして、事務局から「先進医療実施医療機関からの報告について」の資料が提出されております。
 これについて、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-3の資料に従いまして、説明させていただきます。
 まず1点、資料の訂正がございます。
 先-3の資料の1ページ目「2.調査結果報告書の概要」でございますけれども、そこの2つ目のポツ「その結果、適格基準」の後に「78例が不適切事案と判断された」と書かれておりますけれども「72例」の誤記でございました。大変失礼いたしました。
 それでは、こちらの資料に従いまして、御説明をさせていただきます。
 まず「1.これまでの経緯の概要」でございますけれども、第82回先進医療技術審査部会におきまして、島根大学医学部附属病院(以下、島根大)で実施された先進医療Bの技術「マルチプレックス遺伝子パネル検査」に係る同意取得の手順及び個人情報の取り扱いに関する不適切事案についての報告がなされました。
 これを受けまして、医政局研究開発振興課からの指摘を踏まえて、同様の事例がなかったか、島根大に対して、先進医療実施例に係る全例調査が行われました。その結果、先進医療Aにつきましても、同意取得における不適切事案が認められたために、5月の本先進医療会議に、その調査結果が報告されました。
 ただ、その報告書内に、同意取得に係るもの以外の不適切事案が新たに確認されたことを受けまして、この先進医療会議から島根大に対しまして、全例調査を再度行うように御指示をいただいたところでございます。
 3ポツ目でございますが、これを受けて、島根大から保険局医療課に提出された再調査結果報告書に関して、7月31日に保険局医療課主導で、島根大に対して、任意のヒアリングを実施いたしました。
 その結果、これまで全例調査が事務担当者で主体的に行われておりまして、各先進医療技術の実施責任医師等の十分な検証が行われていなかったことが、確認されました。
 また、そのヒアリング時点におきましても、島根大が認識していないような不適切事案の存在が疑われましたので、保険局医療課から島根大に対し、再度入念な調査を行うよう、指示をさせていただいたところでございます。
 今回、島根大において、改めて全例調査が実施されまして、その調査結果及び再発防止策に係る報告書が提出されましたので、こちらに御報告させていただいております。
 参考資料とつけさせていただいているのが、報告書でございます。
 こちらの報告書の概要になりますけれども、まず1ポツ目です。
 各先進医療の実施責任医師が主体となって、平成30年度に先進医療技術が実施された事例の適切性に係る調査及び検証が行われました。
 その結果、適格基準の逸脱であったり、実施方法や実施者の逸脱、あるいは同意取得に係る不備、有害事象報告に係る不備等によりまして、72例が不適切事案と判断されたということであります。
 また、このうち21例につきましては、先進医療を実施すべき診療科以外の医師等が、先進医療制度の認識が乏しいまま、一般診療として先進医療技術を実施していたとのことでございます。
 具体的には、いずれも難治性の眼感染疾患に対する迅速診断法という先進医療技術を、一般の感染症の診療として、実施していたという事例でございました。
 また、4ポツ目でございますけれども、先進医療に係る費用を誤請求していた事例が、3例認められたということでございます。
 こちらにつきましては、参考資料の4ページ目をごらんいただきますと、上の表になりますが、島根大で実施された先進医療のうち、手術に関するこの3つの技術につきまして、同種の保険適用内の手術での誤請求例がないかということを確認されましたところ、一番下にありますように、先進医療Bの技術におきまして、2例誤って保険請求してしまっていたという事例が判明したとのことでございます。
 また、それ以外にも、この表の上に記載がございますが、先進医療AのTARC濃度の迅速測定という技術におきまして、適正な説明・同意書の取得は行われていましたが、説明書に明記のある費用負担(研究費負担)とは異なる請求を患者さんにしてしまっていたということでございました。
 これらを含めて、3例ということでございます。
 そのまま下の表をごらんいただきますと、今回の全症例の調査結果の表が記載されてございます。
 先進医療技術を実施した90例中、72例が不適切であったという御報告でございました。
 なお、今回の不適切事例におきまして、不適切に先進医療が実施された結果、患者の健康に直接かかわるような問題は、発生していないということでございます。
 先-3の資料にお戻りいただきまして、2ページ目をごらんいただけますでしょうか。
 これら一連の先進医療に係る不適切事案に対する原因分析及び再発防止策が、以下のとおり報告されております。
 まず、原因分析の1番目でございますけれども、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針にのっとり、これまでも研究責任者及び研究分担者に対して、eラーニングと臨床研究方法論の教育セミナー受講を、それぞれ年1回、義務づけていたところではございますが、インフォームド・コンセントや、対象者の組み入れ基準に関する該当性判断、また、個人情報保護等の基本的な内容について、理解が十分できていない者が、臨床研究にかかわっていることが明らかになったということでございます。
 これに対する再発防止策としましては、これまでに行ってきた研修に加えまして、医学系研究を実施する上で、最も基本的な遵守事項(倫理審査の手続、スタートアップミーティングの実施、インフォームド・コンセント、登録手続、組み入れ基準の遵守、重篤な有害事象報告、個人情報の保護等)に関しまして、講習を新たに設けて、臨床研究にかかわる全ての職員に、受講を義務づけたということでございます。
 これによって、医学系指針の基本原則の周知徹底と、継続的な教育を図っていくということで、報告を受けております。
 また、これ以外にも、既に全職員に対するインフォームド・コンセントに関する説明も行われていると報告されております。
 2つ目の原因分析のところですが、医学系指針に定められている研究責任者の責務である先進医療を含みます当該研究の実施にかかわる研究者を初めとする関係者に対する指導・管理、倫理的妥当性、もしくは科学的合理性を損なう事実に関する研究機関の長への報告等が適正に行われておりませんでした。
 これに対する再発防止策としまして、医学系指針に基づく研究の場合には、研究責任者は、研究開始時にスタートアップミーティングを必ず開催して、研究実施の手順であったり、留意事項について指導するとともに、研究開始の後も、実施状況に応じてミーティングの機会を適宜設け、研究が適正に実施されるよう研究者等を指導することを手順書に定められました。
 さらに医の倫理委員会の審査においては、このスタートアップミーティングの実施報告書の提出を義務づけることとされまして、研究実施の承認条件と定められました。
 また、医の倫理委員会の研究申請時には、法律・指針への遵守に関する誓約書の提出を研究責任者に義務づけ、研究実施前には、各種指針等の最新版について、再確認する機会を設けられました。
なお、この措置については、臨床研究法及び再生医療等安全性確保法に基づく研究についても、同様に対応がなされるということでございます。
 また、臨床研究法、研究計画書からの逸脱に対する判断基準を作成しまして、総合判断に基づく措置等について定め、現在実施中及び今後実施予定の全ての臨床研究について、適用するということでございます。
 原因分析の3つ目でございますけれども、会議体として、これまで先進医療専門部会が、先進医療の承認申請に係る業務については行っていたところでございますが、先進医療の実施状況に関する管理・監査については不十分であったということでございます。
 これを受けまして、先進医療の適格性、倫理的妥当性、安全性を確保することを目的に、新たに先進医療管理センターを設置いたしまして、先進医療の実施状況の確認、改善、指導、教育・研修に係る業務を担うということでございます。
 3ページ目で、原因分析の4でございますが、先進医療の基本的考え方、実施する際の手続等について理解、習熟が十分にできていない者が、先進医療にかかわっていたことが明らかとなったということでございます。
 これについての再発防止策でございますが、先ほどの臨床研究に係るものと同様にはなりますけれども、先進医療実施責任医師は、先進医療実施時に実施者を対象として、スタートアップミーティングを必ず開催するということでございまして、先進医療開始後も、実施状況に応じてミーティングの機会を適宜設けて、指導に当たるということでございます。
 また、その先進医療の申請に際しては、スタートアップミーティングの実施報告書、あるいは法律・指針等への遵守に関する誓約書の先進医療管理センターへの提出を義務づけたということでございます。
 5番目の原因分析ですけれども、先進医療を実施する上で必要となる保険外併用療養費制度、いわゆる費用の観点からの理解が十分にできておらず、これに対する教育・研修会等が不十分であったということでございます。
 こちらに対する再発防止策としましては、先進医療において留意すべき基本的事項のほか、保険外併用療養費制度、自費診療の基本的な考え方について、再度周知を徹底するため、当院で診療に従事する医師を含めた全スタッフに対して、具体的なケースを用いた研修会を開催するということでございます。
 また、診療情報管理士による保険診療の説明会等において、本制度の説明を継続して行うとのことでございます。
 また、先進医療事案の誤請求の防止策としまして、先進医療管理センター担当者が、しっかりと確認をするという手順が、新たに設けられたということでございました。
 原因分析の6番目でございますが、先進医療の検体検査オーダ画面の判別性・視認性におきまして、不明瞭な部分があったということでございます。
 また、先進医療のオーダ及び実施に関するシステム上の制限が設けられておらず、誰でも実施することが可能であったという状況でございました。
 これを受けまして、先進医療検体検査オーダ時の判別性・視認性の改善を図るとともに、確認ダイアログを表示させた内容確認等を求めて、多様なシステム上の改善策も講じられたとのことでございます。
 最後の「3.今後の対応方針について」でございますけれども、本事案につきまして、上記の再発防止策が講じられたことを踏まえまして、追加で対応すべき点等について、御審議いただきたいと考えております。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明内容につきまして、何か御意見、御質問等をお願いしたいと思います。
 3ページ目の6の項目ですけれども、これはシステム上、先進医療の本来の担当の診療科の方ではない方が、病院の電子カルテ上から、恐らくこんな検査ができるのだと思ってチェックすると、それでそのまま検査されてしまったということです。
 それが恐らくこちらの先-3の参考資料の4ページの「(3)全症例の調査結果」の中の、例えば、A-19、20、22とか、B-63などというのは、いかにも、頻度も数も多いですよね。つまり、病院に勤めている先生方が、恐らく先進医療として認識しなくて、新しい検査がうちの病院でもできるようになったのかなと誤解して、先進医療としてではなく、オーダしてしまったという印象を私は受けたのですけれども、それによる数もすごく多いわけですよね。
 そういうシステム上の制限はしたということなのですけれども、事務局としては、これは確認されているのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 こちらに関しまして、参考資料の12ページ目に、具体的な改善内容が書かれてございます。こちらについては、既に措置済みと認識しております。
○五十嵐座長
 わかりました。しっかりと対応したということですね。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
○横井座長代理
 先進医療も含めて、全部が臨床試験だと思うのですけれども、90人中72人というのは、8割方正しく行われないという、ちょっとあり得ない数字です。
 いろいろな改善案が出されて、資料もきっちり載っていらっしゃるのですけれども、多分、これはいろいろな他科がまたがっていて、病院全体が患者さんに実験的な医療をやっているという認識が、余り浸透していないというか、教育されていない。
今、多分どこの大病院も、年に数回の研修を受けない限り、臨床試験の登録医になれないということがなされていて、非常に首が絞められている状況です。
 臨床試験の倫理性とか、内容の確実性とかが、すごく社会から求められている中で、こういうことが起こってくるというのは、この会議が監査とか、資格審査とかをやる場所ではないのですけれども、やはりこういう改善案を出していただいて、どのぐらい実効性があったかというのを、どこかの時点で審査というか、それだから、この施設は今後だめですよということにはならないかもしれませんけれども、何かそういう指導みたいなものが、あってもいいぐらいの内容なのかな。
 何回も出てきて、我々もたくさん聞かされたのですけれども、国立がんセンターが中心になってやっていますJCOGとか、いろいろなところでも監査とか、査察とか、いろいろなことがなされて、いろいろ指導を受けている中で、まだこういう状況があるということが、やはりこれまで臨床試験にかかわってきたものとしては、ちょっとうまくないというか、国民の負託に対して、入り口で不正というか、うまくやられていないのです。
 では、出てきた結果は信頼できるのかと言われると、そこはまた難しいことになってしまって、その辺の実行性の評価みたいなものを、今後やっていけるといいのではないかなという感じを、私自身は持ちました。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 改善策を示していただいたのですけれども、それがしっかりと行われているかどうかを確認していただきたいという御要望だと思います。
 山本構成員、どうぞ。
○山本構成員
 おかしなことがあったということが最初にわかったのが2月で、それから、いろいろと調べていくと、芋づる式にいろいろ出てきてしまって、結局これで8カ月、その間に一度報告がありましたけれども、ちょっと中途半端な状況だったので、また差し戻されて、今回は、かなり原因分析、それに対する措置をしっかりやっていただいたなという気はいたします。
 システムのほうも見ていただいていますし、教育体制もするということをおっしゃっていますし、それはそれで改善策については、このぐらいで一区切りかなと思いました。半年以上かけて大分頑張っていただいて、これだけやっていただいたのだろうと思います。
 ただ一方で、先ほどのお話のように、やはり数が多くて、その半分以上が診断というか検査なので、確かに健康被害は出ていないと思うのですけれども、数が多過ぎるところがありまして、この改善策がちゃんと動いたことを、やはりどこかの時点で御報告いただくというのは、あっていいのかなと思いました。
 改善策をやりますと言われて、わかりましたと信じてあげたいところなのですけれども、一つ一つは軽かったとはいうものの、出てきた数が多いので、むしろ適切件数が少ないのが、本当に不安を感じるところではありますので、それはどこかのタイミングで、例えば6カ月とか、1年たったところで、一度執行状況について御報告いただけると、我々も安心できるかなと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 現在、この先進医療は、島根大学は全てストップしているわけですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 2月の報告をいただいてから、新規組み入れに関してはストップをしていまして、それまでに実施されている方については、倫理的観点から継続はされていると聞いております。
○五十嵐座長
 わかりました。ありがとうございました。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員
 これは今、山本先生がおっしゃったように、90件のうち、18件だけがちゃんとやられていたというのは、国民の目から見たら、たとえそれが検査であっても、何と杜撰な医療だろうということを言われてもしようがないと思うのです。
B-39、63も、適切にできた件数がゼロですから、要するに自覚がない、教育もしていない、体制もきちんと整備されていないと言われてもしようがないと思うのです。
 ただ、島根は非常に真面目に受けとめてくれて、かなり一生懸命やって、正直なところをちゃんと出してもらったので、私はむしろほかの施設でもこういうことがないかどうか、やはり一度調べるべきではないかと思います。
 もちろん、ちゃんとやっているところが大多数とは信じていますけれども、やはりいろいろな報告を見ますと、たまにレスポンスが非常に鈍かったり、自覚がないところがあるので、そのあたりをむしろ、こういうことがありましたとお知らせするだけでもいいですから、注意喚起することが必要かと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 山本構成員、どうぞ。
○山本構成員
 ちょっと気になったのは、今、数が結構出ていまして、特にAが、かなり不適切がいろいろ出ているのですけれども、今度は保険組み入れの見直しの評価をしますよね。あのときに、この実施件数はどのようにカウントされるのかなというのが、ちょっと気になりましたので、事務局は何か考えていらっしゃるのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。御指摘いただき、ありがとうございます。
 不適切事例につきましては、科学的評価という観点からは、そこに入れるべきではないだろうと、事務局としては考えております。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。特にそのほかの御意見はありませんか。
 竹内構成員、どうぞ。
○竹内構成員
 私たちも同じような経験が実はありまして、この先進医療も含めてですけれども、承認のときには、かなり神経を使って承認申請まで行くのですが、その後、どういう状況で研究が行われたかということは、往々にしてフォローできていないです。
 ここでは2ページ目の3)の「再発防止策」の中で、先進医療の実施状況に関する管理・監査についての仕組みをつくると言っていらして、この報告を、例えば年1回にするのか、6カ月に1回にするのか、そのあたりの期間も含めて、みずからそれを報告して、認識していくことが非常に重要かなと。
 私たちも同じような仕組みをつくって、毎月報告するような、結構大変な仕組みをつくりましたけれども、自分で自分の首を絞めるような感じなのですが、そのようなところを、許可された後の管理・監査体制をきちっとしていくことが大変重要なことかなと思いますので、この状況を見ていただく、報告いただくのは、大変いいことなのではないかと思いました。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございます。
 慶応病院では、ホームページ等で、それは一般に公表していらっしゃるのですか。
○竹内構成員
 残念ながら、まだ公表まで至っていませんが、臨床研究管理センターをつくりまして、臨床研究にかかわる専門としている各診療科の医師が、毎月報告を受けて、科内に周知するというようなことをしています。
○五十嵐座長
 院内で情報を共有しているということですね。ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 藤原構成員、どうぞ。
○藤原構成員
 先ほど、横井座長代理もおっしゃっていましたけれども、先進医療だけ先進医療管理センターをつくって整備しているのが心配で、むしろやるのだったら、臨床研究センターとかで治験、特定臨床研究、先進医療も、全部きちんとやっているかどうかを一元的に見るほうが、ヒューマンリソースも活用できますし、いいように思うのです。そこは今回の資料だとよくわからなかったので、全体像としては、ここだけ特出しにしているのか、ほかのところもちゃんとやっているのかというのを確認したいと思ったのです。
○五十嵐座長
 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員
 参考資料の先-3の3ページに表があって「確認事項」と「主な不適切内容」とありますけれども、この不適切内容もさまざまですよね。一番最初、たしか同意の取得というところでおかしかったのではなかったかと思うのですけれども、同意の取得とか、未取得、同意書の取得手順から逸脱しているというのは、私にとっては信じられないといいますか、全体を理解していない上で、患者さんにとっての説明責任もしていなくてということで、大変重大な内容だと思うのです。
 やはりこれを見ると、いろいろなレベルがあるのだけれども、僕はこれが一番気になるところではありまして、そうすると、先進医療だけのセンターをつくって云々というようなお話がありましたけれども、そういうことではなくて、もっと全体的にこういう先進医療での実施だとか、そういったことについての根本のところからきちんと、若い先生方も含めて、教育していただきたいなと思います。
 私なども医療の個人情報でデータベースをいっぱいつくって、その利用ということをやっていますと、こういう同意だとかというのは一番大事なのです。だから、ぜひそこら辺をお伝えいただきたいと思います。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 福田構成員、どうぞ。
○福田構成員
 原因の中で、やはり先進医療そのものの考え方が理解されていないみたいなところも散見されますので、そこの教育・研修等を充実させていくのは大変いい方向だとは思うのです。
 これは先ほども御指摘がありましたが、多分、どの医療機関でやるときにも、基本的にそこは理解していないといけないと思いますので、標準的にこれから先進医療に取り組むところでは、こういう項目については、必ず教育をしてくださいみたいなものを、あらかじめこちらで提示することはできないかなと思うのです。場合によっては、そのためのツールとか、パワーポイントの資料なり、標準的なものを1セットつくってもいいのではないかなと思ったりします。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 いろいろ御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 今まで出てきた御意見をまとめてみますと、もちろん再発防止に努めていただきたいと思うわけですけれども、そのために必要なことを幾つか御提案いただきました。
 まず、教育・研修をしっかりやる。これはしっかりやっていると島根大学のほうは言っているわけですけれども、そのほかに定期的なチェックをして、それを院内にするか、あるいは院外にするかは別として、報告することも考えていただきたいという御意見がありました。
 そういうことですので、自主的に大学として検証していくという作業をしっかりとしていただいて、それを報告することを考えていただきたいと思います。
 そして、それをどのような形で事務局が確認するかは、また考えていただきたいと思いますけれども、それをしっかりやっていることを事務局としても確認をして、それで評価もしていただきたいと思います。
 そのようなことでよろしいでしょうか。
 そのほか、さらにもっと厳しい対応をとれとかという御意見は、特になかったと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 では、ただいまの内容をまとめていただいて、島根大学のほうに、事務局のほうから追加をしていただきたいと思います。これは命令なのですか、勧告なのですか、依頼なのですか。どういう形になるのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先進医療会議からの御意見を、事務局として伝えさせていただきます。
○五十嵐座長
 わかりました。
 では、そのようにお願いしたいと思います。
 では、特に追加はよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 では、きょうの議題は、残りが「その他」となっておりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 事務局からは、補足等はございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方から何か特段、御意見等はございますか。よろしいですか。
 それでは、きょうの議論はこれで終了したいと思います。
 次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 次回の開催については、令和元年11月7日木曜日の16時からを予定しております。
 場所については、別途御連絡させていただきます。
 ありがとうございました。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、きょうの「先進医療会議」は、これで終了したいと思います。
 どうもありがとうございました。
 

 

 

 

 

 

 

(了)

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