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2019年9月5日 第77回先進医療会議

○日時

令和元年9月5日(木)16:00~

 

○場所

全国都市会館第2会議室(3階)
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 横井座長代理 石川構成員 柴田構成員
福井構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他


○議題

 1 新規技術(7月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(報告)
   (先-1)(別紙1)
 2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-2-1)(別紙2)(先-2-2)(別紙3)(先-2-3)(別紙4)
 3 先進医療Bの取り下げについて
   (先-3)
 4 先進医療実施医療機関からの報告について
   (先-4)(参考資料1)(参考資料2)
 5 先進医療として実施されている技術の保険導入等に係る検討方法等について(案)
   (先-5-1)(別紙5)(参考資料1)(参考資料2)(先-5-2)(先-5-3)
 6 その他


○議事

16:00開会




 

 

 

 

 

○五十嵐座長
 では、私の時計では4時になりましたので、「先進医療会議」を始めたいと思います。
 初めに、本年8月をもちまして梅村構成員が御退任されました。これに伴いまして、この9月から新井一先生に新たに構成員に加わっていただくことになりました。きょうは残念ながら御欠席でございますけれども、次回以降に改めて御紹介をさせていただきます。
 続きまして、構成員の先生方の出欠状況について御報告いたします。きょうは、新井構成員、竹内構成員、福田構成員から御欠席という御連絡をいただいております。欠席される構成員の先生方からは委任状の提出がありまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされております。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。

 それでは、資料の確認をいたします。議事次第、座席表、委員名簿をおめくりいただきまして、先-1「先進医療の新規届出技術について」としている資料がございます。こちらには別紙1がついてございます。
 次に、先-2-1「自己口腔粘膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術の総括報告書に関する評価について」としている資料がございます。こちらには別紙2がついてございます。
 続きまして、先-2-2「術前のTS-1内服投与、パクリタキセル静脈内及び腹腔内投与並びに術後のパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法の総括報告書に関する評価について」としている資料がございます。こちらには別紙3がついてございます。
次に、先-2-3としております「FDGを用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影による不明熱の診断の総括報告書に関する評価について」としている資料がございまして、こちらには別紙4がついてございます。
 続いて、先-3としております「先進医療B及び協力医療機関の取下げについて」の資料がございます。
 続いて、先-4「先進医療実施医療機関からの報告について」としている1枚紙がございます。こちらには参考資料と1と2がついてございます。
 続いて、先-5-1「先進医療として実施されている技術の保険導入等に係る検討方法について(案)」としている資料がございます。こちらにはカラーの別紙5と、同様の図柄の参考資料1、ホチキスどめの参考資料2がついてございます。
 続いて、先-5-2「先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る今後の予定について(案)」としている資料がございます。
 最後に先-5-3「先進医療技術の科学的根拠等に関する評価票(案)」としている資料がついてございます。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思っております。届出書類等につきましてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者の方は会議資料のページ、またはタブレットのページをあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上大変助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 御説明ありがとうございました。資料につきましてよろしいでしょうか。
 それでは、次に移りたいと思います。これまで座長代理をお務めいただいた梅村先生が御退任されましたので、新たな代理ということで、これは座長が指名することになっております。座長代理につきましては、横井先生にお願いしたいと思いますけれども、皆様、御承認いただけますでしょうか。
 (「異議なし」の声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 それでは、横井先生、座長代理席へ移動をお願いいたします。
 (横井構成員、座長代理席へ移動)
○五十嵐座長
 今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反については、特にございません。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 御出席されている構成員におかれましては、利益相反はないということでよろしいでしょうか。
 (構成員首肯)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、早速議題に入りたいと思います。新規技術(7月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け結果についての報告資料が提出されました。事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-1に基づきまして説明させていただきます。こちらは8月に持ち回りで御審議いただいた振り分け結果の御報告でございます。受理番号97番。技術名が胃上皮性病変に対するプローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡の診断能に関する多施設前向き研究ということでございまして、適応症等が早期胃がん及び胃の良性腫瘍となってございます。申請医療機関は国立がん研究センター中央病院でございまして、費用についてはお示ししたとおりでございます。
本技術については、医薬品の適応外使用を伴いますので、先進医療Bとして振り分けられました。また、別紙としまして本試験の概要等の資料をつけさせていただいております。
 なお、本技術につきましては、先月開催されました先進医療技術審査部会において審議がなされてございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 何か御意見、御質問ございますでしょうか。特にありませんか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして、事務局から先進医療Bの総括報告書に関する評価につきまして、資料が3つ出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回医療機関より3件の先進医療技術の総括報告書が提出され、先進医療技術審査部会におきまして評価が行われましたので、その評価結果について順に御報告させていただきます。
 1つ目の技術につきまして、先-2-1をごらんいただけますでしょうか。今回、旧告示番号21番として実施されておりました自己口腔粘膜を用いた培養上皮細胞シート移植術について、大阪大学の医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。
技術の概要でございますけれども、これまで有効な治療法がなかった角膜上皮幹細胞疲弊症に対しまして、視力と角膜透明度の向上を目指した有効な治療を確立するために、培養口腔粘膜の上皮細胞シート移植の有効性と安全性を検討するといった試験でございました。主要評価項目につきましては、1年後の結膜化がなく、かつ上皮欠損のない面積として、6段階のグレード分類にて評価するというふうに設定されてございます。
 下段の試験結果のところに移ります。※印のところにありますとおり、先進医療の試験期間中に医師主導治験を行うことになりましたので、先進医療を実施したのは1例のみでありました。このため、当該技術の有用性の有無について、より多くの情報が得られると考えて、先進医療と並行して行っていた同一プロトコル及び他の3医療機関で実施されたほぼ同様のプロトコルに登録された患者21例とあわせて解析した結果について、一度総括報告書が第83回先進医療技術審査部会で評価が行われましたが、先進医療で実施された1例のみで再度総括報告書をつくるということになりまして、それについて第87回の先進医療技術審査部会で再度評価が行われたところでございます。
 続いて、安全性の評価結果でございます。合併症につきましては、14件発現しましたが、重篤のものはなかったということでございます。
 おめくりいただきまして、有効性の評価結果のところでございます。本先進医療において実施した1例におきましては、術前から角膜実質にも強い混濁が認められておりました。そのため、まず上皮再建を目的とした本技術を行いまして、上皮の再建が成功していることを移植後1年の時点で確認した上で、角膜実質混濁を除去する追加治療として中央部の全層角膜移植を細胞シート移植1年1カ月後に行ったとのことでございます。
 下のポツですが、主要評価項目につきましては、結膜化がなく、かつ上皮欠損のない面積は、術前Grade0に対して、移植後1年でGrade4と著明に改善していたということで、本結果からは、本症例においては自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植は移植後1年の時点で有効であることが示唆されたと報告されてございます。
 続いて、担当者の御評価について説明させていただきます。別紙2の4ページ目をごらんいただけますでしょうか。本総括報告書に関する主担当の松山構成員からの御評価についてです。有効性に関しましては、Eの「その他」となっておりまして、先進医療で行われた症例が1例でございましたので、「医師主導型治験に移行されたとのことなので、当該治験の結果をもって評価されたい」とコメントされております。
 安全性につきましては、Bの「あまり問題なし」とされております。
 次のページ、技術的成熟度につきましては、Cの「当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした体制をとっていないと実施できない」とされております。
 総合的なコメントのところでございますが、「先進医療以前に行われた症例、ならびに先進医療で行われた1例を含め、長期予後に関する論文化がなされていない。2年に限らず、長期にわたるデータが追跡されているのであれば、早急に論文化して公刊されたい」とコメントをいただいておるところでございます。
 また、その下の薬事未承認の医薬品等を伴う医療技術の場合、薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言欄でございますが、「今回先進医療で行われた症例は1例でありますので、薬事承認申請に効率化に資することはない」とコメントをいただいております。
 続きまして、副担当の柴田構成員からの御評価ですが、有効性については、Cの「従来の医療技術を用いるのと、同程度である」と御評価いただいております。
 おめくりいただきまして、コメントの一番最後のところになりますが、「今後、現在進行中の医師主導治験の結果も加味しつつ、判断が下さるべきであり、基本の論文のみに基づく過大な評価が行われないよう注意が必要と考える」とコメントをいただいているところでございます。
 安全性につきましては、Bの「あまり問題なし」と御評価いただいておりまして、技術的成熟度については、C「当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした体制をとっていないと実施できない」と御評価いただいております。
 続いて、2つ目の記述の説明。
○五十嵐座長
 一つ一つやりましょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 承知いたしました。
○五十嵐座長
 それでは、先-2-1につきまして、何か御質問、御意見ございますでしょうか。追加とかよろしいですか。よろしいですか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 では、続きまして、先-2-2の御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 2つ目の技術になりますが、先-2-2をごらんいただけますでしょうか。旧告示番号21番として、先進医療Bとして実施されておりました術前のTS-1内服投与、パクリタキセル静脈内及び腹腔内投与並びに術後のパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法の総括報告書が近畿大学医学部附属病院から提出されたところでございます。
技術の概要ですけれども、根治切除が可能な明らかな漿膜浸潤を伴う胃がんを対象として、周術期化学療法の有用性評価のための第Ⅲ相試験の準備として、同療法の安全性を検討するといったコンセプトの試験でございました。
 本試験の詳細につきましては、別紙3の7ページ、カラーの概要図に本試験のフローが記載されてございます。一番下のところですが、主要評価項目は安全性を中心にした試験ということで、治療完遂率となっておりまして、副次評価項目について、安全性、全生存期間、奏効率を見るといった試験になってございました。本試験では生存率につきましては、2年生存率にて評価を行うと設定されておりましたが、別途5年生存率について観察研究を行うということを聞いてございます。
 先-2-2の資料に戻っていただきまして、医療技術の試験結果でございます。安全性の評価結果としましては、主要評価項目である本試験で用いるレジメンの安全性を治療完遂率をもって評価することとし、目標とする閾値治療完遂率は信頼区間下側限界の60%以上と設定されて、今回は66.8%ということで、本試験治療は周術期化学療法として安全であると判断されるということでございます。
 有効性の評価結果につきましては、本レジメンの有効性は、本臨床試験の結果、引き続いて行われる比較第Ⅲ相試験によって評価される予定とのことでございます。
 この結果を受けまして、評価担当者の御評価でございますが、別紙3の2ページ目以降をごらんいただけますでしょうか。主担当の山口構成員からの御評価についてです。有効性に関しては、Eの「その他」ということで、「本先進医療では有効性は評価できない」とされております。
 安全性につきましては、Bの「あまり問題なし」と御評価いただいておりまして、ただ、コメントのところに「腹腔内にチューブを留置することに伴う合併症もあるため、注意が必要」という御評価をいただいております。
 技術的成熟度については、Aの「当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」とされております。3ページ目、総合的なコメント欄ですが、「本先進医療の目的である安全性の確認は達成できたものと考える。また、有効性については評価できないが、副次項目では有用性を示唆する結果が得られており、さらに実用化に向けて検討を進められたい」というコメントをいただいております。
 下の薬事承認申請の効率化に資するかどうか等についての助言でございますが、「安全性が評価できたことにより、本先進医療は薬事承認申請の効率化に資するところがあったと考える」とコメントをいただいております。
副担当の伊藤構成員の御評価でございますが、有効性については、Eの「その他」。安全性については、Bの「あまり問題なし」。技術的成熟度については、Aの「当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価をいただいております。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、資料先-2-2につきまして、いかがでしょうか。特に御意見、御質問ありませんね。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 では、次に参りたいと思います。先-2-3をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 続きまして、3つ目の技術について、先-2-3の資料に基づきまして説明させていただきます。今回提出のあった総括報告書は、FDGを用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影による不明熱の診断ということでございまして、国立国際医療研究センター病院から提出がございました。
 医療技術の概要でございますが、2週間以上発熱が継続し、胸腹部CT等の検査項目を施行したにもかかわらず診断のつかない不明熱患者を対象として、FDG-PET/CT検査による不明熱の熱源部位検出感度をガリウムSPECT検査と比較検討するといった試験でございました。
 医療技術の試験結果でございますが、安全性の評価結果については、死亡例、試験薬の投与中止を引き起こしたような有害事象は見られなかったとのことでございます。
 有効性の評価結果でございますが、FDG-PET/CT検査の検出感度が45%でありまして、ガリウムSPECT検査の25%を上回り、統計学的な優越性が示されたとのことでございました。
 本総括報告書を受けまして、担当構成員の評価でございますが、別紙4の3ページ目をごらんいただけますでしょうか。主担当の伊藤構成員の御評価でございますが、有効性につきましては、「従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」と御評価をいただいております。
 コメントの中段「従って」以降になりますが、「不明熱患者に対するPET/CTの感度・特異度を検討したというよりも、熱源の同定された不明熱患者におけるPET/CTとガリウムSPECTの性能比較試験である。熱源の同定についてはPET/CTの方が感度が高く、また特異度が低いことが示された。自然治癒などで熱源が同定されなかった被験者も含めた不明熱141例についてのクリニカルインパクト(治療方針の変更につながる大きな影響を及ぼした群と最終診断に対する確信度の向上に寄与した群との合計)はPET/CTが70.2%、ガリウムSPECTが44.7%でありまして、ガリウムSPECTは検査期間が4日、さらに下剤の投与も必要なのに比べると、PET/CTの方が検査費用が高額であるが患者負担が少ない点も考慮すると臨床的有用性はあると判断した」ということでございます。
 続きまして、安全性につきましては、Aの「問題なし」とされております。
 おめくりいただきまして、技術的成熟度については、Aの「当該分野を専門とし、経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価をいただいております。
 総合的なコメントのところでございますけれども、不明熱の3大原因は感染症、腫瘍、膠原病でありまして、必要な検査、全身のCTなどを行うことによりまして、臨床的診断に至ることが多いので、現時点においてガリウムSPECTを実施することは決して多くはない。しかしながら、臨床医の思考からすると、ガリウムSPECTやPET/CTの検査結果がネガティブであっても、リンパ腫や腫瘍ではなさそうだと示唆してくれる点で有益だと考えるため、クリニカルインパクトが高くなる可能性はあるという御評価をいただいております。
 また、薬事承認申請の効率化に資するかどうかの助言についてですが、「ガリウムSPECTに比べて、撮像前下剤処理が不要で検査期間が短いことから、検査費用を除けば不明熱診療におけるPET/CTの意義は示されたと思われる」と御評価をいただいております。
 続きまして、副担当の柴田構成員の御評価でございますが、有効性については、Bの「従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」と御評価をいただいております。
 コメントの2段落目でございますが、「本検査は従来の医療技術を用いるよりも相対的には有効であることが推察される。ただし、この結論は担当医の主観的な判断の情報に大きく依存していること、さらにより重要な点として、多様な疾患に対して、本検査を有意義に用いるための使用法や他の診断・検査等とどのように組み合わせて使えば良いのかという点については本研究結果のみからは明らかにできないため、大幅に有効と評価するまでの情報は得られていないと判断した」とコメントをいただいております。
 安全性につきましては、Aの「問題なし」。技術的成熟度については、Bの「当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」と御評価いただいております。
 説明は以上でございます。よろしくお願いします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、先-2-3につきまして、いかがでしょうか。特に御意見、御質問ないですか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして、先進医療Bの取り下げに移りたいと思います。資料の説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 大臣告示されております先進医療Bの技術に係る取り下げの申請がありましたので、資料の先-3に基づきまして説明いたします。なお、これらにつきましては、既に先進医療技術審査部会にて承認されてございます。
 まず、告示番号6番、ゾレドロン酸誘導細胞を用いた免疫療法でございますが、取り下げ理由としましては、2019年6月30日に試験期間が終了したため、取り下げするということでございます。ただ、予定症例数は85例だったところ、実際に登録できたのは62例ということでございまして、その理由としまして、免疫チェックポイント阻害剤等の登場により環境が大きく変化したため、サードライン治療としてデザインした当該先進医療でしたが、ラストラインの患者が対象となり、症例登録と評価が困難になったために、試験期間を延長せずに試験を終了するということでございます。また、総括報告書については、提出に向けて現在準備中と聞いております。
 続いて、協力医療機関の取り下げでございますが、本技術につきましては、お示しした協力医療機関におきまして症例組み入れ期間が終了したために取り下げとなっております。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。特にありませんか。
 (首肯する構成員あり)
○五十嵐座長
 では、どうもありがとうございました。
 次に、「先進医療実施医療機関からの報告について」に移りたいと思います。資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料先-4につきまして御説明いたします。これまでの経緯の概要でございますが、第82回先進医療技術審査部会に、島根大学医学部附属病院(以下「島根大」)で実際された先進医療B「マルチプレックス遺伝子パネル検査」に係る同意取得手順及び個人情報の取り扱いに関する不適切事案についての報告がなされたところでございます。
 2ポツ目、これを受けまして、医政局研究開発振興課からの指摘を踏まえ、同様の事例がなかったか、島根大で先進医療実施例に対する全例調査が行われた結果、先進医療Aについても同意取得における不適切事案が認められたために、5月9日に行われました第73回の先進医療会議におきましてその調査結果が報告されました。
 しかし、当該報告書内に同意取得に係るもの以外の不適切事案が新たに確認されたことを受けまして、先進医療会議から島根大に対し、全例調査を再度行うように御指示をいただいたところでございます。
 3ポツ目、6月28日に島根大より保険局医療課に対して再調査結果報告書が提出されましたが、報告内容について医療課で確認を行いましたところ、報告にない新たな不適切事案の存在が疑われましたので、7月31日に医療課主導で島根大に対して任意のヒアリングを実施いたしました。
 4ポツ目、なお、先進医療B「マルチプレックス遺伝子パネル検査」に係る不適切事案については、第87回の先進医療技術審査部会におきまして島根大で講じられた再発防止策が了承されたところでございます。
 2ポツの島根大に対する任意のヒアリング結果の概要でございますが、これまでの島根大の先進医療実施例に対する全例調査については、事務担当者で主体的に行われておりまして、各先進医療技術の実施責任医師等による十分な検証が行われていなかったという状況でございました。
 また、ヒアリング時点で島根大がまだ認識できていない不適切事案の存在も疑われましたので、再度入念な調査を行うように医療課から島根大に指示を行ったところでございます。
 最後の今後の対応方針について(案)のところでございますけれども、本ヒアリング結果を踏まえ、今後の対応方針につきまして、島根大において現在自主的に先進医療の新規組み入れを停止しているところではございますが、先進医療不適切事案に係る十分な調査がまだ実施されていない現状を踏まえると、適切な再調査の実施及び再発防止策等が確認できるまでは新規組み入れの停止措置の継続が妥当ではないかと考えております。また、島根大から提出される再調査結果報告書に基づきまして、本会議で今後の対応について検討をお願いしたいと考えているところでございます。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 経緯と今後の対応方針(案)につきまして御説明をいただきましたけれども、いかがでしょうか。
 今、調査中ということですが、いつぐらいに報告書が出ると予想されるのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。御指摘いただきありがとうございます。
 おっしゃるとおり、現在調査中というステータスでございますけれども、具体的にいつごろまでということは申し上げられませんが、島根大からもできるだけ早目に適切な調査を行って報告したいというふうには伺っております。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。
 そうしますと、今後の対応方針(案)につきましても、皆さんの御理解、御承認をいただけたというふうに考えてよろしいでしょうか。どうぞ。
○山本構成員
 ちょっと確認ですけれども、何回か島根大から報告書というか、自主的な調査をされて報告が上がってきていましたが、結局、医療課さんのほうでもう一回ヒアリングしたら、各臨床研究のPI、実施責任医師自身が余り調査にかかわっていなかったということがわかったということですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 御指摘いただきありがとうございます。事務局でございます。
 ここに書かせていただきましたとおり、実施責任医師等による十分な検証がなされていなかったということでございまして、全くかかわっていなかったということではございませんが、十分には調査がなされていなかったという意味合いでございます。
○山本構成員
 十分な検証が行われていなかったというのは、例としては具体的にどういうことなのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 詳細な調査結果につきましては今後、こちらに御報告させていただくことになると思いますが、例えば適応症等につきましては、いわゆる臨床医の方でないとなかなか理解ができていないところもあると思いますので、そういった観点からも実施責任医師の検証が十分に行われていなかったというところでございます。
○五十嵐座長
 よろしいですか。
○山本構成員
 はい。
○五十嵐座長
 そのほかいかがでしょうか。
 それでは、島根大からこれから提出される再調査結果報告書が出てきましたら、もう一度対応について検討するという方針にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、事務局から「先進医療として実施されている技術の保険導入等に係る検討方法等について(案)」の資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-5-1をごらんいただけますでしょうか。こちらは令和2年度診療報酬改定に向けて行われます先進医療として実施されている技術の保険導入並びに施設基準に係る検討方法の案を示した資料になってございます。
 これまでの経緯の概要でございますけれども、診療報酬改定に合わせて、先進医療Aの全技術及び先進医療Bで試験が終了し、かつ総括報告書が提出された薬事未承認の医薬品等を伴う技術につきましては、先進医療会議において医療技術の科学的評価とともに保険導入の適切性について評価を行い、平成28年度診療報酬改定までは、その評価結果を中医協総会へ報告してきたところでございます。
 一方で、新規医療技術の保険導入に係る評価及び既存技術の再評価につきましては、関連学会等からの提案をもとに、医技評において検討がなされ、その評価結果が中医協総会へ報告されてきました。
 なお、※印のところでございますが、平成28年度改定より、先進医療として実施されている技術に係る医療技術評価提案書についても、関連学会等から医技評に提出できることが明確化されまして、これを受けまして、先進医療として実施されている技術に係る関連学会等からの医療技術評価提案書については、医技評から先進医療会議に提供され、先進医療会議においてその提案書及び先進医療の実績報告等に基づいて保険導入の適切性について検討がなされました。
 ○の3つ目、平成30年度診療報酬改定から、先進医療として実施されている新規医療技術の保険導入に係る検討については、先進医療会議において科学的根拠等に基づく保険導入の適切性に係る評価を取りまとめて、その評価結果を医技評に報告し、医技評において他の医療技術とともに網羅的に保険導入の妥当性等について検討することとなりました。
 2ポツの現状と課題でございます。平成30年度診療報酬改定における中医協答申書附帯意見におきまして、先進医療を含む新規医療技術の評価のあり方については、医技評と先進医療会議との連携・役割分担を含めて、引き続き検討が必要であるという御意見をいただいております。
 これを受けまして、医技評におきましては、先進医療として実施されている医療の評価に当たり、先進医療会議で検討された科学的根拠を踏まえつつ、その他の技術等と同様の評価基準として、既存技術と比較した有効性、効率性、普及性、技術的成熟度、安全性等といった評価項目のもと、診療における位置づけ、保険適用の優先度等の観点も含めて、当該技術の保険導入に係る必要性・妥当性について評価することとされました。
 ○の3つ目でございます。他方、先進医療会議におきましては、前回改定時に先進医療の科学的根拠等に基づく保険導入の適切性に係る先進医療会議の評価結果を、より詳細に医技評に報告する必要があるのではないかという御指摘をいただいているところでございます。
 また、医技評での評価期間を十分に確保できるよう、先進医療会議での評価に係る一連の日程について調整する必要があると考えております。
 これを受けての対応方針(案)でございます。先進医療として実施されている新規医療技術の保険導入に係る検討につきましては、当該技術開始当時の検討をいただいております先進医療会議において、その詳細な実績に基づき評価することが妥当と考えられますので、引き続き先進医療会議において科学的根拠等に基づく保険導入の適切性に係る評価を取りまとめていただいて、その評価結果を医技評に報告してはどうかと考えております。
 その際、先進医療会議からの指摘事項、評価担当者の主立った参考意見等も含めて、先進医療会議の評価結果を可能な限り詳細に医技評に報告したいと考えてございます。
 また、医技評のスケジュールを考慮いたしまして、先進医療会議での評価に係る一連の日程について、前回改定時のものと比べて1カ月程度早める対応としてはどうかと考えております。
 今回御提案した全体的なフローについては、別紙5をごらんいただけますでしょうか。カラーの資料になります。まず、11月末ごろまでに先進医療会議での検討に向けた事前評価を行っていただきまして、それを踏まえた上で、12月ごろの先進医療会議で各技術の科学的根拠等の評価を取りまとめていただき、その評価結果を医技評に報告することになります。
 保険導入の可否の検討につきましては、1月の医技評において先進医療会議からの評価を踏まえて、ほかの多数の技術とともに検討されることになります。その上で、中医協総会において保険導入に関した審議が行われ、医療技術の保険導入及び先進医療としての継続、取り消しが決定されることになります。
 参考資料1としてつけております前回改定時のフローと見比べていただきますと、先進医療会議の評価までの一連の流れが1カ月程度前倒しになってございまして、医技評での評価期間を十分に確保できるようにさせていただきたいと考えているところでございます。
 参考資料2としましては、医技評における今回改定の評価方法等に係る資料をつけさせていただいております。
 次に、先-5-2「先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法について(案)」をごらんいただけますでしょうか。こちらは前回診療報酬改定前にお示しした資料を一部改編したものになりますが、先進医療会議の先生方に具体的にどのように御評価いただくかについての資料でございます。
 まず、先進医療会議の実績報告についてでございますが、こちらは例年どおり、本年も前年の7月1日から本年6月30日の先進医療に係る実績について、8月末までに地方厚生(支)局長に報告することになっておりますので、本実績報告がなされた先進医療技術について今回の評価の対象となるということでございます。
 そして、これまでのどおりの体制で構成員及び技術専門委員の先生方3名で事前評価としての書面審査を11月ごろまでに行っていただきたいと考えております。基本的には構成員の先生方に主担当、技術専門委員の先生方に副担当をお務めいただきまして、主担当の先生には科学的評価及び施設基準の見直しに係る評価を、副担当の先生には科学的評価を実施していただく予定でございます。
 保険導入等に係る評価票につきましては、資料先-5-3をごらんください。各先進医療技術につきまして担当される先生方には有効性、安全性等の個別評価項目について御評価いただいた上で、上の総合判定としてAからDの判定をしていただきたいと考えております。Aは「十分な科学的根拠を有する」、Bは「一定の科学的根拠を有する」、Cは「科学的根拠が十分でなく、先進医療として継続することが適当」、Dは「先進医療から取り消すことが適当」という分類になってございます。AまたはB評価とした場合に限り、その下にあります施設基準につきましてもあわせて御意見をいただければと考えております。
 先-5-2の2ページ目にお戻りいただけますしょうか。評価担当の先生方にいただきました書面審査の評価をもとに、技術をア、イ、ウの3つに分類させていただく予定です。アは「構成員又は技術専門委員3名全員がA又はB評価」、ウは「構成員又は技術専門委員3名全員がD評価」、イが「それ以外」と分類してございます。
 4ポツのところでございますが、11月から12月にかけましていただいた御評価をまとめさせていただいた後に、その結果を12月の先進医療会議で御審議いただく予定です。会議におきましては、それぞれの評価対象技術について、当該事前評価結果等に基づいて、先進医療会議としての評価を取りまとめていただく予定にしております。その際の基本方針としましては、前述のアとイに該当する技術につきましては、将来的な保険導入に係る判断に必要な科学的根拠等について検討。ウに該当する技術につきましては、先進医療取り消しの適切性について検討するということになります。
 先進医療会議の評価結果につきましては、先進医療から削除が適切と判断されたもの以外は医技評に報告しまして、医技評で保険適用の妥当性を検討した上で、中医協総会に御報告させていただく予定です。
また、先進医療から削除が適切と判断いただいたものに関しましては、そのまま中医協総会に御報告させていただく予定としております。
 5ポツ目になりますが、中医協において先進医療として継続が妥当とされた技術につきましては、事前評価において作成いただきました施設基準等も踏まえて、先進医療会議で検討を行って、最終的な施設基準を決定していただく予定となっております。
 6ポツ目は、現在暫定的に先進医療Aとして実施している技術の取り扱いについてでございます。次ページの上段の枠の中に第49回の本会議で御審議いただいた内容を抜粋してございますけれども、平成29年3月末日をもちまして先進医療Bへ移行できなかった暫定Aの技術については、先進医療告示から削除することとしておりましたが、現在でも当該治療を継続的に実施中の患者さんがいる場合には告示から削除を猶予するものとし、新規患者の組み入れは認めないままとされたところでございます。
 現在、暫定Aとしましてごらんの4技術が継続されておりますけれども、平成28年4月以降は新規患者組み入れを中止していること等から、先進医療Aの枠組みでの評価は困難と考えております。このため、この4技術については、令和2年度診療報酬改定においては保険導入に係る評価は行わないこととしてはどうかと考えております。
 最後に資料の訂正でございますが、暫定Aとして実施している4技術の告示番号が旧告示番号となっておりました。現在の正しい告示番号は上から順に、3、10、12、13でございました。大変失礼いたしました。
 事務局からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御意見、御質問等ございますか。
 今までよりも1カ月ぐらい早く先進医療会議での検討をした上で、そして今までよりも説明文書なのかわかりませんが、より詳しい説明をもって医技評に上げると。そういうまとめでよろしいのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 そのように考えております。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 何か御質問等ございますか。どうぞ。
○山本構成員
 2年前も、たしか4年前もこれにかかわったと思います。そのときも最初に見たときは割と驚愕したのですけれども、科学的評価をするほどのデータが出てこないという問題点があって、特に先進医療Aについては、もともと研究として比較的客観的なデータを収集するという構造がないままにやられているものが多くて、ですので、余り科学的に詳細な検討ができる課題自体が少なかったという記憶があるのです。前回も少なくとも私が見たものについては、そういうものが結構含まれていまして、幾つかは取り消しになったと思いますが、もうちょっと継続しましょうと言ってやったものもあったと思います。
 私、前から疑問なのですけれども、先進医療をやっていらっしゃる施設の先生方御自身は、いずれ科学的なデータを上げていかなければ取り消しになるということをわかってやっていらっしゃるのかどうか、それがすごく前から疑問で、毎回同じような、つまり、論文もなければ、主観的なよく効いていましたという、何例やって有効何例という感じで出てくるだけで、詳細に評価をしようがないものが結構たくさんあったのですが、徐々にそれは。今回は前回よりは改善するのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 御指摘いただきありがとうございます。前回診療報酬改定時に評価担当者の先生方からいわゆるD「削除が妥当」と1人でも御評価いただいた技術に関しましては、どういった点が課題としてあるのかということに関して、昨年の先進医療会議でも資料として上げさせていただきましたので、それについては実施施設のほうに指示されているというふうには認識しております。
○山本構成員
 期待をしましょうかね。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。非常に重要な御指摘だったと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、基本的には事務局案どおりにこれから進めてよろしいでしょうか。
 (「はい」と声あり)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、そのようにさせていただきたいと思います。
 きょうの議題、残りがあるのですけれども、「その他」となっておりますが、何か事務局からございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。事務局からは特段ございません。
○五十嵐座長
 構成員の先生方から何かございますか。よろしいですか。
 それでは、きょうの議論はこれで終了したいと思います。
 次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催については、令和元年10月10日16時からを予定してございます。場所につきましては、別途御連絡させていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。
○五十嵐座長
 それでは、先進医療会議、今回はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。
 
 

 

 

 

 

 

 

(了)

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