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2019年5月9日 第73回先進医療会議

○日時

令和元年5月9日(木)16:00~

 

○場所

中央合同庁舎第5号館講堂(低層棟2階)
 

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 石川構成員 柴田構成員 竹内構成員
福井構成員 藤原構成員 山本構成員 横井構成員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他


○議題

 1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-1)(別紙1)
 2 先進医療Bの取り下げについて
   (先-2-1)(先-2-2)
 3 先進医療実施医療機関からの報告について
   (先―3)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)(机上配布資料1)(机上配布資料2)
 4 その他

○議事

16:00開会




 

 

 

 

 

○五十嵐座長
 では、時間になりましたので、これから、「先進医療会議」を開催したいと思います。
 初めに、構成員の先生方の出欠状況について御報告いたします。きょうは、梅村構成員、福田構成員、山口構成員より御欠席との御連絡をいただいております。
 欠席されます構成員の先生方からは委任状の提出がありまして、議事決定につきましては私、座長に一任するとされています。
 石川構成員が、きょうは少し遅れておいでになると伺っています。
 次に、事務局の異動がありましたので、事務局から紹介をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、4月1日付けで事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。
 喜多昭介先進・再生医療迅速評価専門官でございます。ただ今、席を外しております。申しわけありません。
 和泉誠人医療課長補佐でございます。
 枝園和彦研究開発振興課長補佐でございます。
 森恩先進医療機器審査調査官でございます。
 以上でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 頭撮りにつきましては、ここまでにさせていただきます。

 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 まず議事次第、座席表、委員名簿をおめくりいただきまして、先-1としております横紙がございます。こちらには別紙1がついてございます。
 続きまして、先-2-1「先進医療B及び協力医療機関の取下げについて」としている一枚紙がございます。もう一枚、先-2-2としまして、同様に、「先進医療B及び協力医療機関の取下げについて」としている横紙がございます。
 次に、先-3「先進医療実施医療機関(島根大学医学部附属病院)からの報告について」としている一枚紙がございまして、こちらには参考資料1、2、3がついてございます。
 また、構成員限りといたしまして、机上配付資料を2つお配りしております。1つが一枚紙でございまして、もう一つが、机上配付資料2と書かれておりますホチキスどめの資料になってございます。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等につきましては、タブレットから閲覧していただきますので、会議資料とタブレットの内容は異なっております。発言者の方は会議資料のページまたはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 ここまで、特に資料等につきまして、よろしいでしょうか。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をししております。その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回検討対象となります技術等に関して利益相反について御報告いたします。
 横井構成員より、今回評価を行う整理番号130の技術について報告がございました。検討対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術の議事の取りまとめに加わることは可能でございます。
 以上でございます。
 よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 本日出席されている構成員におかれましては、利益相反はないというふうに理解してよろしいでしょうか。
 (構成員首肯)
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、事務局から、「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料先-1に従いまして説明いたします。
 今回、御審議いただきます技術は、自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生療法でございまして、適応症が、維持透析治療中の疼痛・潰瘍を伴う重症虚血を呈する下肢閉塞性動脈硬化症となってございます。申請医療機関につきましては、湘南鎌倉総合病院でございまして、費用については、資料にお示ししたとおりでございます。
 事前評価につきましては、山本構成員に御担当いただきまして、総評としては、「適」と御評価いただいております。
 事務局からの説明は以上でございます。
よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
 ありがとうございました。
 では、整理番号130の技術につきましては、事前評価を山本構成員にお願いしております。山本構成員から、技術の内容と評価結果について説明をお願いいたします。
○山本構成員
 山本でございます。
 自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生療法でございます。
 内容ですけれども、お手元の別紙1の46ページになると思いますが、横向きの資料です。こちらが治療の内容がございます。患者選択、同意取得、スクリーニング後、前処置としまして、対象になるのはかなり状況の悪い維持透析患者さんで、下肢の血管造影で閉塞性動脈硬化症と診断されて、虚血重症度分類が非常に悪いという方で、かつ、血管形成術やバイパス術もできないという方が対象になりますが、その方々に、前処置としまして、まずG-CSF製剤を投与いたします。これは5日間皮下投与する。白血球が上がるのを待って、そこでアフェレシスをしまして、末梢血単核球を採取しまして。これで、細胞調整室で保管をし、CD34陽性細胞を分離。このときに使う分離装置のCliniMACSが適応外であるということでございます。これで分離したCD34陽性細胞の懸濁液を筋注をするということになります。この筋注が細胞移植に当たるということですね。
 ということで、ロードマップがその次のページにございますが、先行試験をやっておられまして、6例程度やられています。この6例の中では、5例で疼痛・潰瘍の改善や著名改善が認められたということが書かれておりまして。今回、先進医療Bをさせていただきたいということです。
 ただ、この機器につきましては、難治性骨折に対する末梢血CD34陽性細胞移植による骨・血管再生療法というので、神戸大の整形外科を含む国内5機関からのさきがけ審査指定がありまして、医師主導治験をやると。こちらで、先にこの機器の薬事承認自体は取るということを目指しておられます。これが取れたら、この先進医療Bの血管を追加して、適応拡大する方向でやっていきたいというのが、このロードマップの内容でございます。
 済みません、1ページ目に戻らせていただきまして、評価用紙でございます。評価の内容ですが、社会的妥当性につきましては、倫理的問題はないということだと思います。現時点での普及性ですけれども、Cの罹患率、有病率から勘案して、普及していないに該当すると考えております。効率性ですけれども、効くのであればですけれども、有効性が示されればですが、やや効率的であろうとは思われます。将来の保険収載の必要性ですけれども、Aというふうにとっております。ただし、コメントにしておりますが、本研究によって有効性が示された場合には保険導入を検討できる可能性があるということでございます。総合判定としましては、適とさせていただきました。コメントとしては、対象となる患者さんが生命予後自体も割と重篤な方で、かつ、その間のQOLが低いということで、しかも、血管形成とかバイパス手術等の治療対象にもならないということで、unmet medical needsのある一群であると考えております。症例数設定の根拠等からみて、今回の研究が探索的な位置づけにはなっておりますけれども、他の試験で使用機器の適応が取得される可能性があるということですので、その上で、この枠組みで実施するということであれば許容可能かというふうに考えております。
 以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、何か御質問等はございますでしょうか。
 どうぞ。
○藤原構成員
 これは、G-CSFのほうのアフェレシスで、造血に関して幹細胞導入の適応は、今は、血液の造血幹細胞移植のときにはドナーの適応しかないと思うのですけれども、これはどうなるのですかね。
○五十嵐座長
 事務局はお答えできますか。
○藤原構成員
 今回の先進医療はいいのですけれども、将来的には医師主導治験とか申請まで持っていくときに、そこをちゃんと配慮して、機器の承認はあるけれども、G-CSFのほうも適応外になってきたら困るので、これをグランで使うと書いてありましたから、製薬企業の方とよく相談してくださいねというのを。
○山本構成員
 あとのほうの資料ですけど、この申請の届出書の32ページですね。一応グランについては、これは適応内という判断になっております。同種及び自家末梢血幹細胞採取時のフィルグラスチム単独投与による導入の中で読み込めるという判断になっているみたいです。
○藤原構成員
 わかりました。
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 そのほかはいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、山本構成員の評価結果どおり決定したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 (委員首肯)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、そのようにさせていただきたいと思います。
 続きまして、先進医療Bの取り下げについて、事務局から資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 大臣告示されております先進医療Bの技術に係る取り下げの申請がありまして、資料先-2-1、先-2-2に基づきまして説明をいたします。
 なお、こちらにつきましては、先進医療技術審査部会で既に承認されてございます。
 まず、先-2-1につきまして、告示番号18番及び告示21番が取り下げとなっております。取り下げ理由としましては、いずれも既に症例登録が終了し、試験期間が終了したため取り下げるということでございまして、現在、総括報告書の作成準備中ということでございます。
 続きまして、先-2-2をごらんいただけますでしょうか。こちらの1ページにあります告示番号3、告示番号15の技術につきましても、先ほどと同様でございまして、予定症例数の登録が終了し、試験期間が終了したために取り下げとなっております。総括報告書については、今後、提出されるということでございます。
 裏面に行っていただきまして、告示番号32の技術につきまして少し御説明させていただきます。取り下げ理由のところをごらんいただけますでしょうか。本技術につきましては、6例中4例が再手術になっておりまして、死亡例は発生してないにしても、このまま継続は認められないというふうに、独立モニタリング委員会から勧告が出されております。これを受け、特に高齢再手術例で有害事象が出たことから、有害事象が出にくい、そういった対象群での治験デザインにすることも考えられたようなのですけれども、そうしますと、症例の集積が困難であるということで、この試験自体の継続が困難との結論に至ったということで、取り下げが出されております。
 下の告示番号4番につきましては、協力医療機関の取り下げになってございまして、一番右の下の枠にあります独立行政法人国立病院機構千葉東病院につきましては、実施者の退職によりまして、この先進医療の実施の継続が困難になったために取り下げるということでございます。
 説明は以上です。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 では、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
 よろしいですか。
 (委員首肯)
○五十嵐座長
 それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして、事務局から、「先進医療実施医療機関からの報告について」の資料が提出されております。御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-3の資料を中心に御説明申し上げます。
 まず、これまでの経緯の概要についてでございますが、平成31年2月14日の先進医療技術審査部会におきまして、島根大学医学部附属病院(以下、島根大)で実施されました先進医療B「マルチプレックス遺伝子パネル検査」に係る同意書取得手順及び個人情報の取扱いに関する不適切事案についての報告がなされたところでございます。
その後、医政局研究開発振興課からの指摘を踏まえまして、島根大で平成30年度に実施された先進医療A及びBの全例調査が実施されました。
 その結果、先進医療Aについても同意取得における不適切事案が認められたとのことで、前回の先進医療会議において、島根大からの第1報を報告させていただきました。
 今回、本不適切事案に係る監査結果及び今後の対応策等についての第2報が提出されましたので、それにつきまして報告させていただきます。
 報告書については、参考資料1をごらんいただけますでしょうか。こちらが島根大から提出されました第2報になります。
 1ページ目の2ポツ目、「当院における監査結果」をまずごらんいただきたいのですが、平成31年3月4日に開催された島根大の先進医療専門部会におきまして監査が行われまして、その結果、2段落目になりますが、4件の同意書取得の不適切事案がありまして、先進医療A19が2件、A20が1件、A22が1件という結果でございました。おめくりいただきまして、その4件の経緯について書かれてございます。
 まず、同意書が最終的にも未取得になっていたものが2件ございまして。まずは、先進医療番号A-19の1件でございます。こちらの症例については、免疫不全患者でありまして、ウイルス感染が疑われて本技術を実施したものの、患者さんの全身状態が非常に悪く、同意書の署名が困難であったために、結果的に同意がないまま先進医療の実施に至ったということでございます。
 また、次の告示番号A-22の症例でございますが、こちらもウイルス感染が疑われたために、多項目病原体PCR検査を患者へ説明の上で施行されておりますが、当該患者の全身状態が不良のために、同意書への署名は難しい状況であり、結果的に同意がないまま先進医療の実施に至ったということでございます。
 2つ目の丸でございますが、同意書が検査後に事後的に取得されたものが2件報告されております。
 1例目が先進医療番号A-19の事例でございまして、先進医療の必要性あるいは費用等につきましては、患者さんに口頭で説明をし、口頭での同意は得ておりましたが、同意書の取得自体は失念しており、退院後、事後的に受領したということでございます。
 同様にして、先進医療番号A-20につきましても、患者さんに先進医療の必要性あるいは費用については口頭で説明し、口頭での同意は得ていたとのことでございますが、担当医師Aは、先進医療に関して、書面による同意を取得する必要性については十分に理解していなかったということで、後日、同意書が未取得であったことが判明したために、その後、事後的に同意書を取得したということでございます。
 これら4件の不適切事案については、「検査前での同意書の取得が行われてないなど、先進医療実施に係る手順が遵守されず、先進医療に対する認識が不十分であった。同意書は、患者の同意に加え、説明者、同席者、立会い者の署名も必要であることとしている当院の要件にも逸脱していた」ということで、報告がございました。
 なお、個人情報の取扱いに関しては、適切に処理が行われていたとのことでございます。
 最初の先-3の一枚紙にお戻りいただけますでしょうか。
 2.の報告の概要になりますが、1ポツ目にありますとおり、先進医療を実施した症例のうち、同意書未取得のまま先進医療が実施されたのは4例であったということでございます。
 また、今回報告のあった同意書未取得例におきまして、別の問題が確認されました。これが2ポツ目でございますが、このうち1例については、予定とは異なる先進医療が実施されており、また、別の1例については、当該先進医療の適格基準を逸脱していたということでございます。
 詳細につきましては、机上配付資料2としておりますホチキスどめの資料をごらんいただけますでしょうか。こちらは、島根大より報告書とともに提出いただいたもので、どういった医学的背景で検査に至ったかということが報告されております。
 1ページ目の症例をごらんいただきたいのですが、こちらの症例につきましては、同種造血幹細胞移植が実施された後に免疫不全状態になりまして、ウイルス感染症が強く疑われたために今回の技術が実施されたと報告を受けております。しかしながら、表題にありますとおり、ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断を行ったというふうに報告がされておりますが、今回の報告書には、眼感染についての記載がございませんでした。それについて事務局から確認をしました。そちらの紙が先-3の参考資料2の一枚紙になります。そちらに移っていただけますでしょうか。
 こちらの質問1.になりますが、同意書が未取得であった症例のうち、今回の症例ではウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断が行われましたが、この実施した経緯について御説明くださいということで照会させていただきました。その結果、実際に、この先進医療技術を行ったということでございまして、その経緯としましては、当該患者さんは同種移植後の患者でありまして、先進医療A22の「多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断」を実施予定でありましたが、主治医が検査オーダーをする時点で、A19の先進医療を間違えて選択してしまったということで報告がなされております。
 もう一例ございまして、先ほどの机上配付資料2にお戻りいただけますでしょうか。
 こちらの2ページ目の症例になります。こちらの症例につきましては、免疫不全状態になりまして、ウイルス感染症が疑われたために、先進医療A22の「多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断」が行われたというふうに報告されておりますが、今回の記載内容には、本技術の適格基準、患者の適応症であります造血幹細胞移植後という記載がありませんでした。その点につきましても事務局から確認いたしました。先ほどの参考資料2に戻っていただきまして、こちらの問いになりますが、それについて経緯について御説明いただきました。
 回答といたしましては、自家造血幹細胞移植は予定でありましたが、結果的には病状から移植は実施しなかったということでございます。また、おめくりいただきまして、主治医はA22の技術につきまして、造血幹細胞移植後の患者に対する先進医療であるという認識はありましたが、再燃の原因究明を優先として考え、多項病原体PCR検査を患者に説明の上施行したもので、本来、この時点で全てを自費診療とすべきところでしたというふうに御報告を受けてございます。
 それでは、先-3の資料にお戻りいただけますでしょうか。
 これらの一連の先進医療の不適切事案を受けまして、以下の対応策が島根大学のほうで講じられております。
 8つございまして、1つは、新たな先進医療の組入れが停止されております。2番目としましては、先進医療不適切事案の対応に関する研修会の開催が行われております。また、もともと先進医療専門部会が設置されておりましたが、十分には機能していないということで、しっかりと管理をする先進医療管理センターを別に設けたということで報告を受けております。また、スタートアップミーティングにつきましては、これまで侵襲の少ない技術についてはルーチンとしていなかったとのことでございますが、これからは全例でルーチンとするということでございます。また、外部委員を含めました臨床研究として行う先進医療に関する適正化委員会を新たに設置いたしまして、そちらでも今回の不適切事案に関する対応策等について、今後、検討されるということでございます。6番目、7番目につきましては、先進医療の枠を越えまして、病院としての抜本的な体制の見直しということでございまして、医学系研究の質の向上への取り組みでありますとか、インフォームド・コンセントに関する改善が対応策として講じられております。また、先進医療の保険請求等に係る研修会も開催予定とのことで、報告を受けております。詳細につきましては、先ほどの参考資料1に記載されてございます。
 最後、4ポツ目でございますが、今回、同意書未取得のまま先進医療Aを実施した4例につきましては、患者・家族への説明・謝罪を行うとともに、全例自由診療の扱いとして保険請求を取り下げ、保険外併用療養費を全額病院負担とすることとし、先進医療の患者負担額についても患者・家族に対し返金することとしましたということで報告を受けております。
 最後、3.目の今後の対応方針(案)のところでございますが、今回、同意取得に係るもの以外にも不適切事案が確認されました。これを受けまして、島根大学には再度全例調査を行うよう指示し、その結果、あるいは、その結果に対する新たな対応策等について、もう一度報告を求めることとしてはどうかという御提案でございます。
 説明は以上でございます。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 同意書が未取得のままに先進医療が実施された4例があったわけですけれども、詳しく見ると、その中の1例は予定と異なる先進医療を選択したと。もう一例は、先進医療の適格基準を間違えてやってしまったという、そういう新しい間違いが見つかったということで、それに対する対応策、それから、今後の対応方針の案がお示しされたところであります。これにつきまして、何か御意見や御質問はございますでしょうか。
 どうぞ。
○山本構成員
 ちょっと確認ですけれども、先進Aは、先進医療Aである=事前に署名同意が必要というのは、どこかで何か通知とか、何か省令とかで決めているのですか。
 というのは、先進Aは研究という扱いではないので、治療であるとすると体外診ですから、通常の治療のレベルの範囲で考えると、その診療における同意取得というのがリスクに伴って考えるものですので、体外診で採血して血液検査するだけであれば、言ったら、口頭同意でも別に構わないということになってしまうと思うのですね。
 でも、文書同意を、それも、事前にとらないといけないということを言うのは、これは研究ではないとすると、医療の中でそれをやらないといけないというのを別途何かで決めていないと、ちょっとここまでの対応をさせるのは、確かに違うのにあてていましたとか、いろいろ病院での明らかな失策というかミスもあるので、そこについては病院に責任があるとは思うのですけれどもね。ただ、事前に口頭同意をとっていて、事後に文書同意をとってないのかな。その口頭同意だけで動いたりしたものについても、事前に書面同意をとってないということで責任を追及するためには、何らかの根拠が必要だと思うのですけれども、それは、根拠は何をもって根拠としているのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 御指摘ありがとうございます。
 療養担当規則の留意事項通知の中で、評価療養における先進医療の一つの要件としまして、患者から同意書を取得することというふうには明記されております。
○五十嵐座長
 よろしいですか。
○山本構成員
療担規則でだめということですね。では、仕方がないですね。
○五十嵐座長
 そのほかはいかがでしょうか。
 どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 あと一点、補足でございますが、こちらはちょっと確認が必要なのですけれども、今回の先進医療につきましては、適格基準の中に、同意書を取得していることという要件が入っているものもございましたので、その技術については個別に同意書を求めていたというところもございます。
○山本構成員
 ちゃんと根拠があるのであれば、まあ仕方がないですよね。規則違反ということで、そういうことになると、そこは仕方がないというか、いろいろ患者さんのことを思ってやられたことだとは思うのですけれども、規則で決められていることをやってなかったというのであれば、そこは仕方がないかなとは思います。
○五十嵐座長
 どうぞ。
○石川構成員
 先-3の参考資料2のところですけれども、1番目の回答のところで、これは一般の病棟にも簡単にオーダーができるような、そういうシステムになってしまっているのかどうかということなのですよね。しかも、保険請求の担当者も適切な請求ができてなかったようなことが最後書いてあって、そこの科でちゃんとスタートアップミーティング実施の必須化というような項目が1つ反省点で出ているのですけれども、これは、先生方だけでなくて、いろいろなところ、その科全体もそういうのをやらなければいけない必要性があるということが1つと。
 それから、以前にも、大学の整形外科の医局だったと思うのですけれども、医局の若い先生方は、研修場所がかわったりいろいろすると思うのですよ。そのときにきちんと伝達されてないという問題がここでも発生してくるのではないかと思うのですね。ですから、こういう先進医療をやっていただける施設にとっては、そういう医局の人員の異動とかそういうことについても十分な伝達とかそういったことをやっていただくようにしていかないと、こういうことはまた起こるのではないかと思うので、こういう非常に凡ミスみたいなものですけれども、これは大事な国の作業ですので、そこは抜かりなくやっていただくような仕組みをつくっていただきたいと思います。
○五十嵐座長
 これは島根大学への要望ということですね。
○石川構成員
 そうですね。
 それと、事務局のほうも、スタートアップミーティングの実施の必須化と書いてありますけれども、これはどこでどういうふうにやるのか、それから、医局だけでやるのかとか、そういうふうなことも含めてちょっと徹底していただいたほうがいいのではないかなと思いますので、よろしくお願いします。
○五十嵐座長
 御指摘ありがとうございました。
 どうぞ。
○山本構成員
 石川先生が御指摘になったように、多分システムの問題のほうが大きいなと。つまり、普通のいわゆる保険で認められている医療と先進医療の区別が病院の中でシステム上差がついてないというところに一番の問題があるのであって、それをオーダーした時点で、これは先進医療ですから大丈夫ですかということを確認するような格好になってないとちょっとまずいのではないかなと。スタートアップミーティングをいくらやっても、結局、人が入れかわっていったらわからないですし、レセプトのところで、医療課が止めていればそれで済む話でもありますし、先進医療をそのまま普通の医療としてやってしまっているところに一番の問題があるのではないかなという気はいたしますので、どちらかというとそちらのシステムをちょっと御検討いただいたほうがいいのではないかなとは思います。
○五十嵐座長
 これも貴重な御意見として、島根大学のほうに伝達することも検討していただきたいと思います。
 よろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 はい。ありがとうございます。
○五十嵐座長
 そのほかはいかがでしょうか。
 それでは、ほかに御意見がないようでしたら、この件につきましては、この会議で御指摘のあった点を踏まえて、事務局のほうで対応をさせていただきたいと思います。
 そして、全てに関して、もう一度島根大学に全例調査をするということをお願いして、その結果を含めて、もう一度正式な御報告をいただくという案がきょうお示していただきました。それでよろしいでしょうか。
 (委員首肯)
○五十嵐座長
 ありがとうございます。
 では、そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 きょうの議題は、もう一つ残りがございますけれども、これについて何かありますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 特段ございません。ありがとうございます。
○五十嵐座長
 構成員の先生方からは何かございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、本日の議論はこれで終了したいと思います。次回の開催につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和元年6月6日(木)16時からを予定しております。場所につきましては、別途御連絡させていただきます。
 本日はありがとうございました。
○五十嵐座長
 どうもありがとうございました。
 では、今回第73回の「先進医療会議」をこれで終了したいと思います。
 どうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

(了)

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