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2018年12月6日 先進医療会議・先進医療合同会議(第70回先進医療会議、第78回先進医療技術審査部会)

○日時

平成30年12月6日(木)16:00~

 

○場所

中央合同庁舎第5号館 共用6会議室(3階)

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 梅村座長代理 石川構成員 柴田構成員 竹内構成員 福井構成員
藤原構成員 山本構成員 横井構成員 伊藤構成員 飛田構成員 山中構成員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発振興課長 先進医療専門官 他

○議題

 1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-1)(別紙1)(別紙2)
 

○議事

〇第78回先進医療技術審査部会
16:00開会



○五十嵐座長
では、ただいまから国家戦略特別区域内で実施する先進医療Bにかかる新規技術の科学的評価等につきまして、「先進医療合同会議」を開催させていただきます。
先生方の出欠状況ですが、きょうは福田構成員と山口構成員からご欠席との連絡をいただいております。
次に、先進医療技術審査部会からは伊藤構成員、飛田構成員、山中構成員に出席をしていただいておりまして、後藤構成員、佐藤構成員からはご欠席というご連絡をいただいております。
欠席されます福田構成員、山口構成員、後藤構成員、佐藤構成員からは委任状の提出がありまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされております。
では、初めに、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
まず議事次第、座席表、委員名簿をおめくりいただきまして、先-1としております横紙の資料がございます。こちらには別紙1と別紙2がついてございます。
資料の確認は以上でございます。不足、誤り等がございましたらご連絡くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上です。
○五十嵐座長
何かご質問等ございますか。よろしいですか。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局からご報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しての利益相反についてご報告いたします。
柴田構成員、竹内構成員、藤原構成員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号126の技術について報告がございました。柴田構成員、藤原構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届け出に関する医療技術であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになります。
また、竹内構成員、藤原構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、同規定に基づきまして、竹内構成員におかれましては当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能でございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
そのほかに出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
では、確認をいたしましたので、ありがとうございました。
次に、事務局から「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」につきまして、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
では、資料先-1に従ってご説明申し上げます。
今回ご審議いただきます技術は2件でございます。
まず、整理番号125「微小肺病変に対する切除支援マイクロコイル併用気管支鏡下肺マッピング法」からご説明申し上げます。
適応症については、微小肺病変となっておりまして、係る費用については資料にお示ししたとおりでございます。
先進医療技術審査部会における事前評価につきましては、主担当を山本構成員、副担当を後藤構成員と山中構成員にお願いしておりまして、総評としては「条件付き適」のご評価をいただいております。
また、先進医療会議における事前評価につきましては、横井構成員にお願いしてございまして、総評としては「適」とご評価いただいております。
続きまして、医政局研究開発振興課より追加の説明がございます。
○先進医療専門官
医政局研究開発振興課でございます。よろしくお願いします。
お手元の資料先-1の別紙1にございます32ページをごらんください。
こちらで実施責任医師の要件及び医療機関の要件をご説明させていただきます。
まず、実施責任医師の要件でございますが、診療科は呼吸器外科、資格が外科専門医または呼吸器外科専門医でございます。
当該診療科の経験年数は10年以上が必要。
当該技術の経験年数や当該技術の経験症例数に要件はございません。
その他の要件といたしまして、色素によるVAL-MAP法の経験が1例以上、また、気管支鏡及び呼吸器外科手術の経験年数が5年以上、必要でございます。
続いて、医療機関の要件でございますが、診療科が呼吸器外科、実施診療科の医師数は経験年数10年以上の医師が1名以上必要です。
他診療科の医師数やその他医療従事者の配置に要件はございません。
病床数は200床以上。
看護配置は10対1看護以上。
当直体制は内科系医師または外科系医師1名以上が必要です。
また、緊急手術の実施体制が必要。
院内検査も24時間体制が必要。
他の医療機関との連携体制は要件がございません。
医療機器の保守管理体制が必要です。
また、医療安全管理委員会の設置も必要。
医療機関としての当該技術の実施症例数は不要ですが、ただし、色素のみを用いるマッピングの実施1例以上は必要とのことです。
その他の要件といたしまして、本研究の手技を実施する医師は、当該実施医療機関における1例目の実施に先立ち、VAL-MAP2.0に関するhands-onセミナーを受講することとされております。
その他の要件はございません。
以上でございます。
○五十嵐座長
よろしいですか。
では、整理番号125ですけれども、先進医療技術審査部会における事前評価について、主担当を山本構成員、副担当を後藤構成員と山中構成員にお願いしております。
初めに、山本構成員から概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。
○山本構成員
山本でございます。
「微小肺病変に対する切除支援マイクロコイル併用気管支鏡下肺マッピング法」。
東京大学医学部附属病院様からの申請でございます。
医療技術の概要ですけれども、別紙1の1ページ目に書いてありますが、手術中同定困難な小型肺病変に対する術中の同定法ということで、いろいろあったが、今までの方法には大きな問題があって、そこにまず、この研究者のグループたちでインジゴカルミンを使ってマーキングをして、それで肺表面に地図を描く「マッピング」という方法、これはVAL-MAPというように呼ばれていますけれども、それで術中に病変部位を同定する。十分なマージンを確保できるということで、これを2016年4月までに500例集積されまして、高い有効性、再現性、安全性を示したということでございます。
先進医療も2016年から2017年に行われました。これは切除成功率95%目標を結局達成できなかったということでございまして、その達成できなかった理由の一つが「必要な切離ラインの深さ」であるということで、表面にマッピングするだけではやはりちょっと足りないということで、この色素でマッピングするだけの方法に今回はマイクロコイルを加えまして、マイクロコイルを末梢気管支の中に置いて、それをマーキングに使うというようにされるということでございます。
2ページ目をおめくりいただきまして、主要評価項目は病変の切除成功率ということです。副次評価項目がマイクロコイル併用肺マッピングの有効性、マッピング補助手術の有効性、安全性。試験期間は、これが承認されてから2020年3月31日までということでございます。予定症例数は67病変、目標症例数の目安は65例というように言われております。
まず実施体制の評価は私がしまして、一応「適」としておりますけれども、体制について照会をかけました。イベント評価委員会と安全性評価委員会が設置されておりまして、安全性評価委員会のほうは研究者とは独立した形になっているのですけれども、イベント評価委員会の3名のメンバーのうち1名が研究者自身であるということがありまして、そこが独立ではないという形になっています。独立した委員も含んではいるのですけれども、委員会としては独立とは言えない状況になっております。
そこを独立にしたほうがいいのではないかと思ったのですけれども、申請者からは、手続の煩雑さ等、体制が難しいというようなご回答をいただきまして、ただ、独立である安全性評価委員会のほうで事後にイベント評価委員会の評価結果を確認するという手順に変えていただきました。ちょっと回りくどい体制ではあります。
ここの点が気になりましたので、後で、これについてはここの会場でご議論させていただいたほうがいいかなと思っております。ちなみに、前回にこの研究者グループでやられたVAL-MAP法、色素マッピングだけのときはその体制で実施されているということでございます。
後藤先生の評価は事務局からでよろしいですか。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
では、きょう、欠席されている後藤構成員からの倫理的評価につきましては、事務局からご説明をお願いいたします。
○先進医療専門官
よろしくお願いいたします。
後藤先生からのご評価は、項目はいずれも「適」でいただいております。
同じページの2ページをそのままごらんください。
コメントとしまして、事前照会事項に対しておおむね回答が得られ、説明文書等の修正が行われたため「適」と判断しましたとのことでございます。
また、実施条件欄に、候補患者さんから同意を得る際には十分な理解を得られるよう、わかりやすい説明に努めていただきたいとのことでございます。
以上です。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
続きまして、山中構成員から、試験実施計画書等の評価をお願いいたします。
○山中構成員
山中でございます。
私のほうで実施計画書を評価させていただきました。
プロトコル自体はおおむねよくできていると思います。東大病院の臨床研究センターが支援しているということもあると思うのですけれども、よくできていると思います。
1点、よくわからなかったのが、この医療技術の効率性を判断する上でどれくらいの治療成績が得られればいいのでしょうというところなのですけれども、先ほど山本先生から言及されたように、以前の先進医療Bで行ったときの成績が87.7%でした。ただ、切離ラインが深いところの症例の成績がよくなかったので、そこに対象集団をある程度絞って、今回は切離ラインが深いところの症例に絞って、新しい方法で成績を見ようというのが今回の先進医療の趣旨だと思います。
では、幾つぐらいの成績だったらいいのでしょうかということを尋ねたのですけれども、その辺に関しては臨床的な妥当性から決められているという回答をいただきました。現時点ではおおむねいいかなというように了解しました。成績として多分70%ぐらいとか、そのぐらいの成績が得られればいいのではないかといういろいろな臨床的な根拠をもとに回答をいただきましたので、私としては了解をしております。
以上を踏まえまして、全ての項目に関して「適」とさせていただいております。
以上です。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
では、現時点での先進医療技術審査部会としてのまとめを山本構成員からお願いいたします。
○山本構成員
山本でございます。
総合評価、3ページの下ですけれども、一応、個別の評価は全部「適」にしているのですけれども、総合評価につきましては「条件付き適」とさせていただいております。
その理由ですけれども、先ほど私から説明しましたが、イベント評価委員会が独立ではないという状況がありまして、それを独立である安全性評価委員会が事後に確認するということになっておりますので、事後に確認するだけだと、余り独立であるといっても、その評価が本当に独立で客観性があるというようには言いにくいのではないかなという気がいたしました。ただ、これのその前のVAL-MAP法の先進医療のときには、それで許容しているというところが1つ。
それと、先ほどお示ししませんでしたけれども、18ページにロードマップがあるのですが、このマイクロコイルが適応外なのですが、PMDAとの相談で、この適応の拡大につきましては必ずしも臨床評価は要らないということでご回答がございましたので、この先進医療Bは適応拡大のための治験に準じるものではないということでございます。
ただ、恐らく適応拡大しただけでは、このコイルは同じ値段でついてしまいますので、今年度から医療機器はチャレンジ申請という新しい制度も出ておりまして、さらなるエビデンスを示して、もう一度、保険の評価のところで企業がチャレンジするという制度もありますので、そういう意味ではここでエビデンスを示すことで、この製品に対する付加価値を上げる試験にはなり得るというように思います。
ということで、いわゆる規制当局が直接目を通す試験ではないというところがありますので、どの程度の独立した評価を求めるべきかというところは正解が1つあるというよりはレベル感の問題かなと思いまして、こちらでの議論をした上で決めさせていただいたほうがいいかなと思って、ここを「条件付き適」にさせていただきました。
以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
では、先進医療会議における事前評価につきましては、横井構成員にお願いをしております。横井先生から評価結果について説明をお願いいたします。
○横井構成員
12ページに私の評価を記載しました。
倫理的な問題等はないと思います。
罹患率、有病率から勘案して普及していないとしましたのは、VAL-MAP法は少しずつ関連の施設で普及していますが、コイルに関しましては保険収載されていないというか、血管用のものですので、業者に確認しましたけれども、2万7000円かかるということで、多くの施設でこれを採用はしていません。
これがうまくいけば、やや効率的になると思います。
将来的に保険収載を行うことが妥当かということですけれども、本試験において有用性が示されれば将来的に保険収載を行うことが妥当。ただ、このコイルに関しましてCTガイド下とか気管支鏡下にコイルだけを留置して、それを目標にこの小さな病変をとるということはスポラディックではありますけれども、ところどころでやられておりますのまで、もし、これがうまくいって採用されるのであれば、コイルだけを留置した場合も将来的に考えていただきたいというのが個人的な意見でございます。
総評のところは「適」といたしましたけれども、この肺末梢病変に対するVAL-MAP法が普及していますが、その弱点として、前回の先進医療でも切除マージンの深さがクリアできないということで、サージカルマージンがポジティブ、またはすごく近接してしまうということが起こりまして、この方法がうまくいけば非常に簡便な方法として普及すると思います。
ただ、気管支鏡を通してコイルを留置する場合に、本当に腫瘤の真下とか1センチ以内のところにコイルを置いて、それを目標に透視下で下をクリアにとってくるという技術はそれなりに難しい。多施設でやると結構そごが出てくる可能性があって、コイルを残してしまうという手術が起こり得るということもあるし、それができないとすると、コイルをとるために区域切除というさらに大きな手術をやるということも出てきますので、そういう評価はしっかりやって、本当にこれが妥当かどうかというのは検証していただきたいと思いました。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、これまでのご説明について、ご意見をいただきたいと思います。ご質問も結構です。いかがでしょうか。
山本構成員がご指摘になりましたように、イベント評価委員会の評価結果を独立している安全性評価委員会が事後に確認するという方法が倫理的に、前回のこの似たような申請のときは通ってはいるわけですが、改めてこの点について先生方のご意見をいただきたいと思いますが、いかがですか。
どうぞ。
○山本構成員
追加で説明ですけれども、お手元のパッドのほうの88ページに研究計画書で有効率、成功したという定義があるのですが、切除成功の定義です。それが88ページのちょうど真ん中あたりに幾つかあります。ちゃんとマージンを十分とって切除できた上で、以下の1)~5)のどれにも該当しない場合というようになっておりまして、その中にマージンの長さとか腫瘍の大きさとか、そういうものの組み合わせがあるのと、それと腫瘍同定不十分の理由での、またはマージン確保目的の術式変更とかアプローチ変更とか、そういうのもありまして、確かに臨床医というか、そのときの手技の担当者がどう判断したかが切除成功したかどうかに大きくかかわってきておりますので、これを見ると、やはり説明は研究者からしていただいたらいいと思うのですけれども、確かにそれが切除成功ですねということをできたら研究者以外の方々に評価はしていただくほうが客観的ではないかなとは思うのですが、逆に、そういう手技を実際にやったことのある人が中にいないと評価できないというような場合であれば、そこは難しい。
手技ですので、そういう場合もあることはありますので、これがそのどちらに当たるのかが私、全く100%決断というか判断できなかったものですから、独立した別の人たちで十分な説明をした上で別の評価委員が評価できる程度であれば、できたらそのほうがいいのではないかなと思いました。
○五十嵐座長
横井先生、この点はいかがですか。非常に経験の深い特殊な技能を持った方でないと評価が難しいということは本当にあるのでしょうか。
○横井構成員
外科医によって、無理やりそれをとりに行くという人と、もう安全を第一に考えて、コイルを残さないように深くまでさらに大きな切除範囲でとるという考えと両方ありまして、できるだけ多くの経験がある外科医たちがこれにかかわらない人で評価したほうがいいのではないかな。
いろいろな多様な意見がこの分野にはありまして、もともとこんな小さな病変をとらないという考え方もあって、どこまでの小さな病変とるのだというところの適応も学会の中でも一定してしませんので、そういうのも含めて、ここにかかわらない先生方で評価されて、それでも妥当であるというような評価を得たほうが評価としては高まるのではないかなという気はいたします。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
つまり、イベント評価委員会というのはそもそも独立していたほうがいいだろうというご意見ですね。ありがとうございます。
ほか、先生、どうぞ。
○福井構成員
私も全く賛成でして、研究者が加わっているイベント評価委員会は私が知っている限りでは経験ないことですし、山本先生が質問のところに書かれていますように、研究者はあくまで説明を行う立場で、十分話をしてもらっても委員であるときと同じ情報が得られるわけですので、あえて委員会の委員にして最終決断のところに加わってもらうということはしないほうが、客観性を高める上ではそのほうがいいのではないかと思います。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。多くの先生方、それで同意されますか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
そうしますと、この事前評価結果の総合評価なのですが、「条件付き適」で、ただし、イベント評価委員会を独立したものにしてくださいという要望をつけるという形での「条件付き適」ということでよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
では、そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
続きまして、事務局から2つ目の新規届け出技術についての説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
先ほどご説明いたしましたとおり、柴田構成員、藤原構成員は当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになりますので、大変申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。
(柴田構成員、藤原構成員退室)
○先進・再生医療開発戦略専門官
それでは、資料先-1に戻りまして説明いたします。
整理番号126番の「胃上皮性病変に対するプローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡の診断能に関する多施設前向き研究」でございます。
適応症については、胃の悪性新生物及び良性新生物となっており、係る費用については資料にお示ししたとおりでございます。
先進医療技術審査部会における事前評価におきましては、主担当を伊藤構成員、副担当を佐藤構成員と飛田構成員にお願いしておりまして、総評としましては「継続審議」とご評価いただいております。
また、先進医療会議における事前評価については梅村構成員にお願いしてございまして、総評としましては「条件付き適」のご評価をいただいております。
続きまして、医政局研究開発振興課より追加の説明がございます。よろしくお願いします。
○先進医療専門官
よろしくお願いいたします。
資料先-1の別紙2にございます31ページをごらんください。
こちらで要件をご説明させていただきます。
まず実施責任医師の要件でございますが、診療科は消化器内科またはそれに準ずる科でございます。
資格は日本消化器内視鏡学会内視鏡専門医が必要です。
当該診療科の経験年数は5年以上必要です。
当該技術の経験年数は必要ございません。
当該技術の経験症例数も要件にございません。
続いて、医療機関の要件ですが、診療科は消化器内科、内視鏡科またはそれに準ずる科でございます。
実施診療科の医師数は経験年数5年以上の消化器内視鏡学会専門医が2名以上必要です。
他診療科の医師数は要件がございません。
その他医療従事者の配置は臨床工学技士が必要です。
病床数は100床以上。
看護配置は7対1看護以上。
当直体制は内科系または外科系当直医1名以上が必要です。
緊急手術の実施体制及び24時間実施体制の院内検査体制が必要です。
他の医療機関との連携体制は要件がございません。
医療機器の保守管理体制及び医療安全管理委員会の設置が必要です。
医療機関としての当該技術の実施症例数は要件がございません。
その他の要件もございません。
おめくりいただきまして、それ以外の要件も特にございません。
以上でございます。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
では、整理番号126の案件ですけれども、先進医療技術審査部会における事前評価について、主担当を伊藤構成員、副担当を佐藤構成員と飛田構成員にお願いをしております。
初めに、伊藤構成員から概要の説明と実施体制の評価につきまして、ご説明をお願いいたします。
○伊藤構成員
この技術は、プローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡(pCLE)という技術ですけれども、通常の内視鏡、光学系の内視鏡の生検のチャネルのところから細いプローブを入れていって、この場合は生体の胃粘膜、粘膜に接する形で見ていくと、ちょうど顕微鏡で悪性なのか良性なのか、病理の標本と同じような生体上で見られるという技術です。
この技術は既に欧米などで実用化されて使われておりまして、とりわけバレット食道とか大腸のポリープとか胆道系とか、バイオプシーをして、あと瘢痕が残るとか、バイオプシーが簡単ではないところに関して実用化されているものです。それを今回、胃の適応として提案をされているというように認識をしております。
多施設の前向きの臨床試験で上皮性腫瘍の診断能を評価するという形なのですけれども、この技術、通常と違ってフルオレセインを事前に静脈投与しなければいけませんので、内視鏡をやって疑いそうな病変があるから、では、バイオプシーと叫んで生検するという手順ではなく、フルオレセインを注射して、それから覗くという意味で手間がかかりますので、技術的には通常の生検のかわりにするというのはなかなか難しい。スクリーニングのために使うのはなかなか難しいのではないかというように思われる技術です。
主要評価項目として提案されたのがオフラインレビューで、病気がありそうな人を1,000人ぐらい、もともとがんがあって、その後にもう一回、出てきたのかどうかチェックをしたりとか、病変がありそうな人を対象にして病変がほかのモダリティー、白色光による通常の内視鏡とか、NBIと言われる狭帯域の拡大観察をした時に見つかった時に、この技術を使って粘膜表面をみて病変の判定をするというような話の評価項目になっております。
ここのところで体制とか実施期間とかというのはそれほど問題があるわけではありませんし、技術的にもフルオレセインというのは眼科でたくさん使われておりますし、安全性の部分で懸念があるわけではごさいませんので、それほど問題がないのだろうと思ってはおりますが、今、説明させていただいたような形での評価はそれほど多くはされておりません。この技術としてはタブレットの751ページの論文が一番きれいな論文です。最近、中国などでも幾つかの論文が出ているというように思いますが、この論文は胃の粘膜の腫瘍などの粘膜切除をする人を対象にして、病気のこの技術の評価がされていますが、この論文が一番きれいな論文だと思われましたので、この論文に基づいて評価をさせていただいております。
本来、その研究のプロトコルの話は飛田先生のところなのですけれども、少し首を突っ込んで話をさせていただきます。
生検というのは悪性と診断されれば通常、悪性なのですけれども、ただ、つまんだところ全部に病気が簡単に見つかるわけではないというのが胃の病気ですので、実際にこの論文でも、生検の陽性率は75%ぐらいという話なのですが、今、提案されているプロトコルは生検というもの、感度がそれほど高くないものをゴールドスタンダードにして試験デザインを組んでいるというところが一番大きな問題だと思いました。
それと同時に、テクニカルな話なのですけれども、白色光とかNBIというほかのモダリティーで検査した上にもう一回、この技術を適応して病変があるかないかを見るので、他のモダリティでありそうなところをもう一回、チェックをして、その結果を前のモダリティと比較するというデザインは、余り公平なデザインではないのではないかと思って先方とやりとりをいたしました。
実際、この使い方はどうするのかという形で研究者のほうにお聞きしますと、内視鏡的な粘膜切除術を行う際に、切除範囲を決定するときにこの技術でもって事前に調べると切除範囲、ここを切りとろうかなという範囲を決めるときに生検が少なくて済むのではないかというのがこの技術の主だった使い方だというように聞いておりましたので、そうであれば、やはり感度が検討できるような試験デザインのほうがいいのではないかということでやりとりをしておりましたけれども、研究者の方と折り合いがつかないままこの場で評価をお願いするという形になっているというように思っております。
最終的な考えは、後で佐藤先生、飛田先生のお考えを述べられた後に述べさせていただければと思います。
以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
では、やはり先ほどと同じように佐藤構成員から倫理的な観点からの評価をいただいておりますが、きょう、ご欠席でいらっしゃいますので、事務局から説明をお願いいたします。
○先進医療専門官
よろしくお願いいたします。
お手元の同じく別紙2の資料の2ページをごらんください。
佐藤構成員からのご評価は、いずれも「適」でいただいております。
コメントは、方法論に問題があるとすると、そのような研究に被験者をかかわらせることは倫理的に許容できない可能性がある。もっとも、フルオレセインのリスクは低いと想定できること、被験者の費用負担が増さないこと、健康被害に対して臨床研究保険に加入していることから、倫理的に許容の余地がないわけではないであろう。患者相談等の対応は整備されているとのことでございます。
以上です。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
では、続きまして、飛田構成員から、試験実施計画書等の評価をお願いいたします。
○飛田構成員
よろしくお願いします。
試験実施計画書の評価に関して、別紙2の3ページにコメントさせていただいています。今回、有効性及び安全性の評価方法という項目を「不適」とさせていただいています。
その理由ですが、本技術の実臨床での使用が、スクリーニング検査後の精密検査として不要な生検を避けるという目的の検査法、技術ということであるのであれば、診断法の診断性能の評価として白色光非拡大内視鏡検査やNBI検査と特異度を比較するという提出された臨床試験デザインにおいてフルオレセインの安全性も評価することも、多少プロトコルの記載で不明瞭な点はありましたが、それらに対する回答を得られた上で、許容可能であると考えます。
ただ、先ほど伊藤先生が説明されたように、申請者から実際の臨床上で本技術は早期の胃がん患者に対して内視鏡摘除における範囲診断で、がんの取り残しがないような完全切除を目的とした技術であるという回答が提出されたことから、この目的であるならば、フルオレセイン静脈投与下で本技術の性能を適切に評価するためには、特異度だけではなくて感度及び早期胃がん患者に対する内視鏡摘除において標準的に生検で切除範囲を特定する場合との比較など試験デザインの再考が必要と考えます。
そのため、実施条件欄に記載したとおり本技術の本来の使用目的と今回の臨床試験の目的や位置づけに、少し乖離があるように思われることから、本技術の使用目的を十分に説明した上で、本性能を最も的確に評価できるようなデザインを計画すべきであり、仮に完全切除を目指すような切除範囲の範囲診断ということでリアルタイムに行える技術だということを証明したいのであれば、ロードマップの見直しを含めて、この後の臨床試験、治験等々でその評価をすべきではないかと考えます。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、現時点での先進医療技術審査部会としての取りまとめを伊藤構成員からお願いいたします。
○伊藤構成員
この技術というのはフルオレセインを静脈投与しなければならないにしても、内視鏡の施行中にリアルタイムに病変の性状が判断できる技術という意味では大変期待される技術だろうと思っております。
しかし、生検というのは悪性病変が見つかれば悪性であるけれども、見つからなかったら病気ではないといえない。感度は低いけれども、特異度は高いということは理解されているのですが、この技術が同じような形、内視鏡的な粘膜切除術を行う際に切除部位を決定するといった使用法にして生検のかわりに生検箇所の減少に資するかどうかを検討するというためには、特異度だけではなく感度の検討をどうしてもせざるを得ないのではないかというように思います。
現在の計画では、特異度の検討をされるということはメーンにお考えになられていますが、感度などを調べようと思うと、ゴールドスタンダードがない中で感度の決定をするのは難しいので、今の方法では難しいのではないかなというように思います。
一方で、フルオレセインの安全性を検討して本技術の臨床応用可能性の検討だけを目的にするというのであれば、こういった使用実績というのもありかなと思いますが、この試験結果だけをもって保険収載などを検討するのは十分ではないのではないかということで、もう少しお考えをいただきたいという形で「継続審議」という形にさせていただいたところでございます。
以上です。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、先進医療会議における事前評価について、梅村構成員にお願いをしております。梅村構成員から評価結果等につきまして、ご説明をお願いいたします。
○梅村座長代理
今の報告でより深く話し合いが行われたと思うのですけれども、私が読んだ段階では社会的な妥当性は倫理的に問題がないのではないか。既に行われている内視鏡検査及びpCLEは薬機法上、承認されているものであるということと、フルオレセインも眼科で使用されているということで、それらを使う試験としては、倫理上は問題ないのではないかというように考えました。
あと現時点での普及性は、フルオレセインを使うというのは適応外なので、これはやられていないと考えていいと思います。
効率性ですけれども、先ほどもディスカッションになっていましたように、この方法で病理組織学的な診断にかわり得るようなものを全面的にやるのは無理だとは思うのですが、先ほど言ったような内視鏡的な粘膜切除術などのときに用いてバイオプシーの箇所を減らしたりする上では効率的かなということで、やや効率的というようにいたしました。
あと将来的に保険収載を行うことが妥当かどうかに関してですけれども、先ほども説明されていたとおりですが、生検の箇所を減らしたりするという意味ではいいのですが、その総評の下に書いてありますとおり、この方法自身は欧米等では先ほども出ていました食道がんとか大腸ポリープ等で質的な診断に使われているということと、フルオレセインも一応2,000例ぐらいで安全性も報告されているということで問題ないかと思うのですが、今、ディスカッションされたように特異性だけではやはり不十分で、感度も検討することが必要なのではないかなということで、一応「否」まではいかないですが、「条件付き適」ということでさせていただきました。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
それでは、これまでの説明について、何かご意見、ご質問等、いかがでしょうか。
具体的に申し上げると、特異度の評価はしているのだけれども、感度の検討も加えていただきたいという要望なわけですね。
○梅村座長代理
そうですね。最低、それは必要かなと思います。
○五十嵐座長
そうすると、この総合判定としては「条件付き適」というところに丸がついているわけですけれども、具体的に感度の検討をするようなデザインに変えていただいて、それをまた出していただきたいという要望ということでよろしいのでしょうか。
○梅村座長代理
だと思うのですけれども、技術のご専門の先生の立場からどうでしょうか。
○五十嵐座長
いかがでしょうか。
○梅村座長代理
粘膜の摘除のときに周辺をどこまでとったらいいかという、先生も先ほど韓国の論文を引用されていましたけれども、そこで特異度でこれより外側はもうないというのでは使えると思うのですが、そうではないような今回のは診断能そのものですから、やるには、このままではまずいかなと思いました。
○伊藤構成員
この751ページにあります韓国の論文は大変よくつくられていて、粘膜切除術の標本を対象にして、この技術がどの程度有効だったのかというのは評価をされていて、もう一つは、この技術が将来的に使われるのだとして、ここの751ページの論文と同じことを多分おやりになるのだろうと思ったので、もしそうであれば、そういう試験デザイン、それの評価をされたほうが、粘膜切除術の標本を使えば、少なくとも感度の検討は必ずできますから、そういったほうが妥当なのではないかというように思ったのでこういう評価にさせていただきました。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
そのほか、何かご意見等ございますか。
そうしますと、梅村先生、この先進医療Bの評価としては「条件付き適」というところに丸をつけたのはこれでいいと思うのですが、内容的には感度の評価をするようなデザインに変更してくださいという要望まで出すべきであるというお考えでしょうか。
○梅村座長代理
そういうスタイルに変えられるかどうか。最初から、先生おっしゃるように粘膜切除に関してやっていただくほうが現実的なのかもしれません。
ご存じのとおり、これは普通の内視鏡の1,000倍の精度なので、見られる範囲もそれだけ非常に狭いわけです。それをもってしてこの診断に使うというのはリスクが高過ぎるかなと思ったので、これは最初からスタディーを練り直すというのも手かもしれませんね。
○五十嵐座長
どうぞ。
○飛田構成員
申請者側との照会回答で、感度は副次評価項目として評価はすると説明されました。ただ、今回の試験の対象集団ではもともと感度を評価することが難しい対象が選択されることになっていますので、感度を加えたとしても十分な評価にならないのかなと思われますので、できれば先ほど伊藤先生がおっしゃられた韓国のデザインを参考に、もう一度、多分デザインから見直す必要があるのではないかと思います。
○梅村座長代理
特に異論はございません。それでいいように思います。
○五十嵐座長
そうすると、総合判定は「否」のほうになるということですね。
事務局、いかがですか。今の議論だと、このままでいくと「否」が妥当だというご意見なのです。
○飛田構成員
「否」というよりは、もう少し本技術の本来の使用目的に即して、その性能を十分に証明するために、感度についても評価できるような対象集団に対して適切に評価できるようなデザインに修正することが理にかなっているかと思います。
○五十嵐座長
わかりました。そうすると、話は戻りますけれども、「条件付き適」で、感度が検討できるような研究デザインに変更していただきたいということですか。それでよろしいですか。
ほかの委員の先生方、いかがでしょう。
どうぞ。
○竹内構成員
少し質問させていただきたいのは、もし、そういう形で方法論を変えるとすると、患者さんの当然集団が変わってきて、多分より狭い集団になります。そうすると、安全性のシグナルは頻度の低いものは検出できなくなって、有効性は確かに感度、特異度は評価できますが、安全性の評価が逆に少し甘くなるという懸念があるように思うのですが、その点はいかがでしょうか。フルオレセインの点滴静注は眼科でも結構ショック事例等、頻度は少ないながら重症事例があると思います。
○飛田構成員
その点に関してですが、今回の技術に使うフルオレセインの用量が眼科で使っている用量よりもかなり低い用量になっていますので、安全性の評価は難しいことが想定されますが、海外では既に多くの症例で使用した安全性情報がありますので、それらも含めて評価することになると考えます。
○竹内構成員
わかりました。
それと、もう一点は、適応がかなり絞られる、狭くなるので、これが実際に応用されたときに本当にそれで実臨床の現場に見合う設定になるのかどうか。また、追加試験をしなければいけないかどうかという点はいかがですか。粘膜切除術だけに限るという形で、例えば胃の粘膜上皮切除術に限って、かなり焦点を絞った形での研究を想定するということでしょうか。
○伊藤構成員
研究として最終的にゴールドスタンダードをとるためにはある程度絞るしかないのだろうと思います。そうではなくて、これが一般的な使い方として安全性だけ見るというのであれば、もちろん、これでいいのだろうと思うのですが、ただ、最後、研究者の方とやりとりをしていて、実際、では、どういうときに使うのかという話から言うと、やはり粘膜切除術のときに主に使うのですということだったので、こういう提案をさせていただいております。
冒頭申し上げましたとおり、この技術そのものは生検せずに生検と同じことができる。だから、生検をしたくない場所に対して適応するのは大変いい技術ですけれども、胃の粘膜に生検をしたくないかと言われたら、そこまでのことはないのではないかというように思います。例えば血小板が少ないとか、抗凝固薬を飲んでいる人を対象にするといういびつな適応にしない限りは別に生検をしたくないという人はいないのではないかと思ったので、こういう結論を述べさせていただいたところであります。
○竹内構成員
わかりました。
○五十嵐座長
よろしいですか。
どうぞ。
○山本構成員
内容ではなくて、これは今、合同会議でやっていますけれども、実際、これで返すとかなり大幅にデザインが変わりますので、その次はどういうように。技術部会レベルで普通は「条件付き適」で返すと、メールで確認してそれで通せる範囲でたしかやっていたと思うのですけれども、今回のは全体、合同会議としては「条件付き適」と言っていますが、内容的には担当の委員の先生方で見るだけでいいのかどうかという、かなりあれですね。対象患者まで変えるという可能性があるので、そこをどうされるのかなという。今後の審議をどういうようにされるかをここで一応委員が確認した上でしておいたほうが後々もめないと思うので、よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
梅村先生のコメントにもありますとおり、条件としましては、一番最後のところに先進医療技術審査部会での再審議が妥当というのも記載されておりますので、今までいただいたご意見を踏まえますと、部会での再審議が妥当ではないかというように思いますが、いかがでしょうか。
○五十嵐座長
そうしますと「条件付き適」として、そして、主要評価項目に特異度と感度の両方をできるだけ評価するような研究デザインに変えていただきたいという注文をつけて先進医療技術審査部会での再審議をしていただきたいという方向でよろしいですか。皆さん、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございました。
では、そのように変更させていただきたいと思います。
柴田先生と藤原先生にお戻りいただいてよろしいでしょうか。
(柴田構成員、藤原構成員入室)
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
では、以上をもちまして「先進医療合同会議」を終了させていただきます。
 

 

 〇第70回先進医療会議
 

○日時

平成30年12月6日(木)16:56~

 

○場所

中央合同庁舎第5号館 共用6会議室(3階)

○出席者

【構成員等】
五十嵐座長 梅村座長代理 石川構成員 柴田構成員 竹内構成員 福井構成員
藤原構成員 山本構成員 横井構成員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発振興課長 先進医療専門官 他

○議題

 1 新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について
       (先-1)(別紙1)(別紙2)
 2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-2)(別紙3)
 3 先進医療Bの取り下げについて
   (先-3)
 4 先進医療B試験の評価過程の運用について
   (先-4)(参考資料)
 5 先進医療B試験の認定臨床研究審査委員会へ掛け替え申請の審議の迅速化について
   (先-5)(参考資料1)(参考資料2)

 

○五十嵐座長
では、「先進医療会議」に移りたいと思います。
先生方の出欠状況ですが、きょうは福田構成員と山口構成員からご欠席との連絡をいただいております。
欠席されますお二人の構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するというようにされております。
それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
頭撮りについてはここまでとさせていただきます。
それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
議事次第、座席表、そして、委員名簿をおめくりいただきまして、先-1として横紙がございます。こちらには別紙1と別紙2がついてございます。
先-2としております評価報告書の資料がございまして、こちらには別紙3がついてございます。
先-3として横紙の資料がございます。
先-4としまして「先進医療B試験の評価過程の運用について(案)」とする資料がございまして、こちらでは横紙の参考資料がついてございます。
最後に先-5で「先進医療B試験の認定臨床研究審査委員会への掛け替え申請の審議の迅速化について(案)」としている資料がございます。こちらには参考資料1、参考資料2がついてございます。
資料の説明は以上でございます。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
資料につきましては、皆さん、よろしいでしょうか。
では、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局からご説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
今回検討対象となる技術等に関しまして、利益相反については特にございません。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
出席されている構成員におかれましては、利益相反はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。
では、「新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」の資料が提出されております。ご説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、資料先-1をごらんください。
新規技術(11月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分けについて、こちらの資料に従いましてご説明を申し上げます。
11月に受理をした技術は2点ございまして、まずは受理番号94番「パクリタキセル腹腔内投与併用・周術期化学療法」からご説明申し上げます。
本技術の適応症は4型進行胃がんとなっており、係る費用は資料のとおりでございます。
本技術に関しましては、別紙1-1にありますとおり、4型進行胃がんの患者を対象としまして、術後、または周術期の補助化学療法として全身及び腹腔内併用化学療法を行うことで無病生存期間の延長を図るといったコンセプトの技術でございます。
本技術で使用いたしますパクリタキセルの腹腔内投与は適応外使用になりますので、先進医療Bとして振り分け案を作成してございます。
続きまして、受理番号95番「薬物療法に反応しない双極性うつ病への反復経頭蓋磁気刺激療法」についてご説明申し上げます。
本技術の適応症は薬物療法に反応しない双極性障害の抑鬱エピソードとなっておりまして、係る費用につきましてはごらんのとおりでございます。
本技術に関しましては、別紙2-1に概要がありますが、先ほど適応症の患者を対象としまして発生された磁場に伴う渦電流により、反復経頭蓋磁気刺激を連続的に低頻度で行うことで、情動に関連した領域の脳血流を減少させ、鬱症状を改善させるといった技術でございます。
本技術で使用いたします磁気刺激装置が適応外使用となりますので、先進医療Bとして振り分け案を作成してございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
ただいまのご説明につきまして、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。特にありませんか。
では、いずれも先進医療Bと振り分けてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。
続きまして、事務局から「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されております。ご説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、先-2をごらんください。
今回、1件の先進医療技術の総括報告書が提出されております。今回、告示番号37として先進医療Bで実施されました「mFOLFOX6及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法」につきまして、東京大学医学部附属病院から総括報告書の提出があり、11月に行われました先進医療技術審査部会におきまして評価が行われたところでございます。
本試験の概要につきましては、別紙3の8ページ目、最後のページをごらんください。
本試験は経口摂取困難な腹膜播種陽性胃がん症例を対象としまして、mFOLFOX6及びパクリタキセル腹腔内投与併用療法を施行することで安全性と有効性を評価するという単群試験でございます。
レジメンや対象症例、試験デザインについてはごらんのとおりでございます。
先-2の資料にお戻りいただきまして、1ページ目の下段の医療技術の試験結果をごらんください。
安全性の評価結果でございますが、まずgrade3以上の血液毒性を65%、非血液毒性を71%の症例に認めたと報告されております。
おめくりいただきまして、重篤な有害事象については9件で報告され、全例が既知の有害事象であったと報告されております。
また、死亡例3例につきましては、試験治療との因果関係はなしと判断されたと報告されております。
続きまして、有効性の評価結果ですが、主要評価項目であります1年全生存割合は55.9%でありまして、事前に設定されておりました期待値50%を満たしており、また、副次評価項目については無増悪生存期間が7.7カ月、治療成功期間が5.7カ月、奏効割合は50%、腹腔細胞診陰性化割合が73.1%、そして、生存期間中央値が12.4カ月と報告されております。
これらの試験結果を踏まえまして、総括のところでございますが先進医療技術審査部会におきましては、有効性は示されているものの、既存の治療法に対する優位性は不明なままであるとして、有効性は「C:従来の医療技術を用いるのと、同程度である。」と評価されており、また、安全性につきましては「B:あまり問題なし」と評価されております。
事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長
ありがとうございました。
先進医療技術審査部会の山口座長からのご報告をいただいたわけですが、何かご質問等ございますか。よろしいですか。
それでは、どうもありがとうございました。
続きまして「先進医療Bの取り下げについて」の資料が提出されております。
説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
告示されております先進医療Bの2つの技術について取り下げの申請がございましたので、資料先-3に従いましてご説明申し上げます。
告示番号44の技術について、まず取り下げ理由でございますが、予定症例数の32例中19例が登録されまして、当初の予定登録期間が終了しました。そこで、試験治療の有効性と安全性を検討した結果、主要評価項目の無増悪生存期間中央値が2.8カ月ということで期待値の3カ月以上に届きませんでした。この結果をもって、これ以上継続しても余り新しい情報は得られないと判断されまして取り下げに至ったということでございます。
また、最近のがん薬物治療の開発は免疫チェックポイント阻害薬を中心に進んでおりまして、アキシチニブはVEGFRを標的とした選択的血管新生阻害薬ですが、免疫チェックポイント阻害剤の併用治療の臨床試験もほかのがん腫では行われているということで、今回のこれまでの19例のデータを生かして、今後、アキシチニブの効果が期待できる患者を同定することなどに努めたいということでございます。
総括報告書については、提出に向けて現在準備中と伺っております。
もう一件は告示番号27の技術でございまして、こちらは協力医療機関の取り下げでございます。
取り下げ理由としましては、患者登録期間が終了しまして、これまでにこちらの医療機関については患者登録がなかったということで取り下げの申請がございました。特にご意見がなければ手続を進めさせていただきます。
以上でございます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。
何かご質問等はございますでしょうか。
それでは、2件ともよろしいでしょうか。ありがとうございます。
続きまして、事務局から「先進医療B試験の評価過程の運用について」の資料が提出されております。これについてご説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、先-4の資料に従いましてご説明申し上げます。
こちらは「先進医療B試験の評価過程の運用について(案)」というものでございまして、先日の技術審査部会において承認されたものの報告事項になります。
参考資料をごらんいただきますと、現在の評価過程としましては、まず左側にありますとおり、医療機関からの申請があった場合には倫理審査委員会(IRB)あるいは認定臨床研究審査委員会(CRB)、または特定認定再生医療等委員会での審査後に申請がなされまして、先進医療会議において先進医療AまたはBへの振り分けが行われます。
その後に、先進医療Bに振り分けられた技術に関しましては、先進医療技術審査部会で審議され、「適」となった後には先進医療会議の審議へと進むわけですけれども、部会のほうで何か指摘があって試験内容に変更が生じた場合には、再度、修正案をIRB等にかけていただいて、その後に先進医療会議の審議のための書類を提出いただいているところでございます。
その後、先進医療会議で指摘を受けて試験内容に変更が生じた場合には、さらに修正版を再度IRB等に審査いただいた後、告示へと至るといった過程になってございます。
しかしながら、CRBや特定認定再生医療等委員会はIRBよりも審査期間が長期化するといったことがございますので、先進医療試験の総評価期間が長期化することが懸念されております。そこで、対応としまして、先進医療会議後に再度審査を実施することになっておりますので、この先進医療技術審査部会と先進医療会議の間の再審査については不要としてはどうかといった右側の迅速化案が提案されまして、こちらが承認されたという経過でございます。
報告は以上でございます。
○五十嵐座長
ご説明ありがとうございました。
何かご質問等ありますでしょうか。
どうぞ。
○山本構成員
この迅速化案には賛成します。本当はそれに加えて、最後の先進医療会議が終わった後の審査もできたら報告か迅速審査にしてあげるほうが、ここで審査することは現実的にはほとんどないのです。もうここで言ってしまっていて、それをしない限り、先進医療としてやらせてもらえないのだから、そこでもう一回、ここで審議させても、ここの委員会が変更する余地がないので、できたらここももう少し軽減してあげてほしいなとは思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
重要なご指摘、ありがとうございます。検討させていただきます。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
とりあえずは、2つある認定臨床研究審査委員会の1つ目のほうを削除するというか、それはなしでいこうということで、できれば山本構成員がおっしゃるように、残った2つ目のほうもできるだけ迅速化することを検討していただきたいということですけれども、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○五十嵐座長
ありがとうございました。では、そのような意見が出たということをお伝えしていただきたいと思います。
それでは、続きまして「先進医療B試験の認定臨床研究審査委員会へ掛け替え申請の審議の迅速化について」という資料が出ておりますので、これについてもご説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
こちらの議題につきましても、先日の先進医療技術審査部会で承認されたものの報告事項になります。
まず先-5に従いまして説明させていただきます。
背景でございますが、平成30年3月26日に改正されました課長通知「厚生労働大臣の定める先進医療及び施設基準の制定等に伴う手続き等の取扱いについて」において、臨床研究法施行前から実施している臨床研究法の対象となる研究につきましては、同法に基づきまして「実施計画」を作成した場合、いわゆるかけかえ申請には、通知に定める必要書類を今年の10月ごろまでには医政局研究開発振興課に提出することとしております。
参考資料1をごらんいただきますと、こちらの右側の図表にありますとおり、かけかえ申請につきましては、実施計画の内容及び認定臨床研究審査委員会(CRB)の審査の結果、生じた修正につきましては、新規申請技術の審議と同様に、先進医療技術審査部会及び先進医療会議での審議の後に実施することとしております。
また、かけかえ申請の審議におきましては、ご評価いただくことになっているのはCRBからの指摘で修正された内容及び「実施計画」、利益相反管理基準、利益相反管理計画、様式第10号でありまして、4月の通知改正におきましては「実施計画」及び様式第10号の変更を伴わない試験計画書の変更については部会審議が不要といたしましたが、安全性、有効性等の技術的妥当性に影響を及ぼす試験計画の変更については全て部会審議としている運用を当面の間は継続するために、この「実施計画」の中に安全性及び有効性に影響する事項を全て含めて作成いただくこととしているところでございます。
しかしながら、先進医療通知で10月をめどにかけかえ申請書の提出をお願いしているところではあるものの、提出の出だしが遅く、年明けに申請書類審議が集中するおそれがございます。もしも経過措置期間に今年度内に臨床研究法への対応を完了できない試験が生じますと当該試験は4月からの継続が不可能となってしまい、患者不利益になってしまう可能性がございます。
そこで、試験の質を担保できる形で適宜審議過程を簡略化あるいは評価期間の短縮を目的としまして今回の迅速化案が提案されてございます。
参考資料1をおめくりいただきまして2ページになっておりますが、これの右側が今回の迅速化案でございまして、これまでの臨床研究法の対象でない試験の変更申請の審議と同様の審議体制としまして、つまり、技術審査部会の主担当構成員による事前評価は不要とし、また、先進医療会議での審議も不要とすること。さらに、先ほどの実施計画に安全性及び有効性に影響する事項を全て含まなくてもよいことという提案がなされまして、こちらが承認されてございます。
報告は以上でございます。
○五十嵐座長
ありがとうございます。
臨床試験法の施行前から実施している試験については、先進医療技術審査部会に主にやっていただくという形にしたいということですけれども、よろしいでしょうか。
どうぞ。
○柴田構成員 内容については全然問題ないのですが、1つ確認をさせてください。
2ページ目の実施計画の中身についてです。実施計画に安全性及び有効性に影響する事項を全て含まなくてもよいこととし、というのは、かけかえ申請にかかわるものに限るのでしょうか。今後のものについても実施計画というのは通常、普通の特定臨床研究として実施されているもののレベルでつくって、有効性、安全性に係るプロトコルの変更について部会で議論していただくという話になったと、前回の部会のときにはそのように理解していたのですが、そのような理解ではないようにも聞こえるご説明だったので確認させてください。
○五十嵐座長
どうぞ。
○先進医療専門官
柴田先生のご認識のとおり、かけかえ申請にかかわらず、新規申請も同様の扱いということでございます。
○柴田構成員
ありがとうございます。
○五十嵐座長
よろしいでしょうか。そのほかいかがですか。よろしいですか。
では、どうもありがとうございました。
それでは、きょうの議論は以上にしたいと思います。
次回の開催については、事務局からご説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
次回の開催につきましては、平成31年1月10日を予定しています。時間、場所につきましては、別途ご連絡させていただきます。
○五十嵐座長
どうもありがとうございました。第70回「先進医療会議」をこれで終了いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(了)

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