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2018年9月6日 第67回先進医療会議

○日時

平成30年9月6日(木)16:00~

 

○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第22会議室(18階)

○出席者

【構成員等】
宮坂座長 五十嵐座長代理 石川構成員 梅村構成員 柴田構成員 福井構成員
藤原構成員 山口構成員 山本構成員 横井構成員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
保険医療企画調査室長 先進医療専門官 他

○議題

 1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
   (先-1)(別紙1)
 2 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-2-1)(別紙2)
   (先-2-2)(別紙3)
 3 先進医療Bの取り下げについて
   (先-3-1)
   (先-3-2)

○議事

15:59開会




 

 

 

 

 

 

○宮坂座長
 それでは、ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。
 構成員の先生方の出欠状況ですが、本日は福田構成員より御欠席との連絡をいただいております。欠席されます福田構成員からは委任状の提出があり、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされています。
 次に、事務局の異動がありましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、7月31日及び8月1日付で事務局の異動がございましたので御紹介させていただきます。
 山本麻里審議官は本日欠席であります。
 森光敬子医療課長でございます。
 伯野春彦研究開発振興課長でございます。
 樋口俊宏保険医療企画調査室長は本日欠席でございます。
 田宮憲一薬剤管理官も欠席でございます。
 木下栄作医療技術評価推進室長も欠席でございます。
 櫻本恭司医療技術評価推進室長補佐でございます。
 佐藤晋平先進・医療迅速評価専門官でございます。
 以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮坂座長
 ありがとうございました。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 頭撮りについてはここまでとさせていただきます。
 では、資料の確認をいたします。
 まず、議事次第、座席表、構成員名簿。
 おめくりいただきまして、先-1「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙1がついてございます。
 先-2-1「『上肢カッティングガイド及び上肢カスタムメイドプレートを用いた上肢変形矯正術(旧告示39)』の総括報告書に関する評価について」としている資料がございます。こちらには別紙2がついてございます。
 先-2-2「『NKT細胞を用いた免疫療法(告示8)』の総括報告書に関する評価について」としている資料がございます。こちらには別紙3がついてございます。
 最後に、「先進医療Bの取下げについて」としている横紙の資料が先-3-1、先-3-2とございます。
 資料の確認は以上でございます。
 資料について不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
 また、本日もタブレットを使用していただきたいと思っております。届け出書類等につきましてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言される方は会議資料のページまたはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと議事の進行上大変助かりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○宮坂座長
 資料等についてよろしいでしょうか。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について事務局から報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 藤原構成員より、今回評価を行う整理番号124の技術について御報告がありました。競合する品目の開発に関与している旨の御申告がありましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになります。よろしくお願いいたします。 
 以上でございます。
○柴田構成員
 利益相反のところですが、藤原先生と私は同じですので、私も関与になります。
○宮坂座長
 ありがとうございました。
 次に、事務局から「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 先ほど御説明させていただきましたとおり、整理番号124の技術につきましては、藤原構成員、柴田構成員は検討には加わらないことになりますので、大変申しわけありませんが御退席をよろしくお願いいたします。
○宮坂座長
 整理番号124の技術については、事前評価を福井構成員にお願いしておりますので、福井構成員より技術の内容及び評価結果についての説明をお願いいたします。
○福井構成員
 それでは、先-1の別紙1をごらんいただきたいと思います。23ページの次のページからカラーのスライド資料がございますので、この2枚を使って説明させていただきたいと思います。
 「OncomineTM Target Testシステムを用いたがん遺伝子パネル検査」について、最初のカラーのところにございますように、手順としては左下の隅から始まりますけれども、患者腫瘍検体をとってDNA、RNAを抽出し、ライフテクノロジーズジャパン社が提供するOncomineTM Target Testシステムを使って解析を行って、右下におりてきて、エキスパートパネルで専門家による議論に基づいて返却レポートを作成し、担当医による遺伝子パネル検査の結果を開示するという技術であります。今回の先進医療Bとしましては次のページをごらんいただきたいと思います。
 下の白い囲みの文章ですけれども、対象患者は病理学的に固形がん(血液腫瘍や肉腫を除く)と診断されている患者さんで、手術不能のStage III/IVまたは進行・再発の難治性患者で16歳以上の患者さん、ECOG Performance Statusが0あるいは1の患者さんで、標準薬物治療による初回効果判定が可能である患者さん、遺伝子パネル検査のためのがん組織試料として余剰試料が得られる患者さんということになります。
 左上をごらんいただきますと、先行研究といたしましては、大阪大学医学部附属病院でこの検査を用いて既に24例に適用しております。そのうち42%の10名の患者さんではアクショナブル遺伝子変異が見つかっています。そして、63%に当たる15名では治療選択に役立っていて、8%の2名の患者さんでは保険適用内の医薬品が使用できたとされています。
 今回の先進医療では単群試験ということになりますけれども、許可日から18カ月間かけて登録予定の被験者数が200例、主要評価項目はアクショナブル遺伝子異常を有する患者の割合とその95%信頼区間を見るというものでございます。副次評価項目としては6項目列挙されています。この研究に基づきまして薬事承認申請をしようというものでございます。
 先進医療技術審査部会とのやりとりで、PMDAとの相談記録では、既にあるデータに基づいて申請可能という文章もあるようです。ただ、これは正式なものではないということで、この研究グループはこの先進医療を行うことでより強い根拠を持って薬事承認審査に臨みたいということでございますが、もし可能であれば、患者さんのところにより早く保険の枠組みで提供できるのであれば、申請も並行して行ってもいいのではないかと私は考えた次第です。
 最初のページに戻っていただきまして、社会的妥当性としては「倫理的問題等はない」と考えます。現時点での普及は「罹患率、有病率から勘案して、普及していない」。効率性は数十%程度の患者さんでは少なくとも正確な効果がある可能性の高い薬が使えると思いますので、それを大幅にと考えるのかややと考えるのかは難しいところですけれども、私としては「やや効率的」と判断いたしました。将来の保険収載の必要性としましては、「将来的に保険収載を行うことが妥当」と考えています。下のコメントは、先ほど申し上げましたことでございます。
 総評としましては「適」と判断いたしました。
 以上です。
○宮坂座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
 どうぞ。
○五十嵐座長代理
 30ページのこれまでの実績は大腸がんと肺がんだけなのですよね。ところが、31ページには真ん中の下のほうに外国の例では膀胱がんとか乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、卵巣がん等も入っているわけですけれども、この検査の技術名が大腸がんと肺がんに限らないで固形がんとしている理由は、確かに今までは大腸がんと肺がんで検討はしたけれども、将来的にこの研究というかこの技術はその他の固形がんにも応用すると理解してよろしいのでしょうか。
○福井構成員
 そのように理解いたしました。
○宮坂座長
 ほかにはございますでしょうか。
 これは既に米国で動いているシステムで、ほかの固形がんについても診られているわけですよね。
○福井構成員
 そうです。
○宮坂座長
 どうぞ。
○石川構成員
 この社会的妥当性のところなのですけれども、これは技術部会のほうでも御質問したことなのですけれども、ほかの施設ですね。東京大学、あるいはがんセンターのほうで進行・再発の難治性のがんに対して同じような遺伝子パネル検査をやっていると思うのですけれども、その場合に、ほかの2者のほうが検査の対象がもっと多いわけです。東大のほうが400遺伝子という感じだったと思いますけれども、ナショナルセンターのほうは140ぐらいでしたか。そうすると、今回これが46種類で、例えば実際に進行・再発のがんを持っている患者さんに説明するときに、より可能性が多いのは例えばそういう遺伝子の種類が多いという説明といったことはなさった上で同意を得ているのかどうなのかということなのですけれども、その辺はどうなのでしょうか。
 私は例えば同じあれだったら、スクリーニングとしたらいっぱいあったほうがいいのではないかと思うので、東京大学のほうはRNAも含めて400ぐらい調べられるということを言うかどうかという話になると思うのですが、この辺のところでは情報は公平に提示しているものなのかどうなのかを教えていただきたいです。
○福井構成員
 私が見たところではそういうことに言及はしていないように思います。済みません。
○山本構成員
 部会のほうで審査をしたのでお答えしますけれども、こちらの説明文書の中には他の臨床試験に対する情報提供はないという状況でございます。
 一般的に臨床試験をやる者の立場としては、本来他の試験のプロトコルを入手するのは困難でありまして、普通はそれは知的資産という形で余り研究グループ以外には広く出されないものなので、そういう意味で、我々はそれを全部平場で並べて見ることができるのですが、残念ながら阪大の先生方は恐らく学会の中である程度は情報共有をしていらっしゃると思いますけれども、一般的に考えるとお互いの臨床研究のシーズを見比べて、それを鮮明にこちらに書けるかというとそれは未公表のことなので難しいと思いますので、この研究グループに他の臨床試験の説明をさせるのは酷かと私は審査のときはそういうふうに思いましたので、どちらかというと先進医療Bの告示が出る厚労省のところに一緒になって並ぶ、もしくは各臨床研究のグループができるだけそういう正確な情報をそれぞれ表立ってPRしていただくということをお願いするというような形になるのかなと思っております。
○宮坂座長
 先行研究では、阪大の仕事はアクショナブルな遺伝子の異常を有する患者の割合は42%と高いのですよね。だから、あらかじめある程度選別されていてその中から選んでいるから、多分アクショナブルな遺伝子の異常が高くなると思うので、たくさんやればいいかというと必ずしもそうでもないかなという気がするのですけれども。
○石川構成員
 今度は要するに大腸がんだとかそういうものではなくて、結構幅広く難治性の固形がんとやっておりますよね。そうすると、どこまで患者さんへの情報ということで公平にするべきかどうかということについては、私はこういう場面での医者ではありませんので、なかなかどうするのだろうということがあります。
 それから、例えばほかの先進医療のパネル検査の場合には、固形がん、肉腫に強いといったものがあるということは技術部会のほうで出た議論だったと思うのですけれども、そういうものはあると思うのですが、そこら辺を国民に対してお知らせするということについてはどういうふうに考えたらいいかという非常に単純な疑問なので、それは事務局のほうでもしあれだったらお答えいただきたいと思います。
○宮坂座長
 今後、オンコパネルというかがん遺伝子のパネル検査は、まだほかの施設からも出てくる可能性がありますから、今までここで3種類、東大、がんセンター、今度の阪大、それにプラスアルファ、次々出てくるわけです。それを全部評価療養の対象とはするけれども、それが全部保険承認されるかということはまた別の問題ですよね。その辺はいかがですか。
 どうぞ。
○医療課企画官
 ありがとうございます。
 今、座長から御指摘いただいた保険適用の話につきましては、やはりこれはきっちりとこの先進の結果をもとにまた中医協の中でしっかり議論していくべき課題だと思いますので、少し切り分けて御検討いただければと思います。
 また、石川先生からの御指摘につきましては、私の認識といたしましては、現在、がんセンター、東京大学、そして今回大阪大学ということでパネル検査が挙がってきておりますが、恐らくどのがん種に対してどれが最も有効であるかといったところを含めて評価を進めている段階だと思っておりますので、なかなか臨床の先生が患者さんから相談をされても、あなたはここが妥当ですよといった知見をまさにこれからつくっていく段階という認識ではおります。
 そういった意味で、山本先生がおっしゃったように、情報をできるだけ出せる範囲で公開していただいて、患者さんの側にも選んでいただくといった環境は必要だなとは思ってございます。
 以上でございます。
○宮坂座長
 どうぞ。
○山口構成員
 石川先生の御心配ももっともなのですけれども、私はむしろ逆さまに、うちは数が多いからいいのだという議論が横行しないようにしてもらいたいと思います。というのは、コストも違いますし、まだ評価のはっきりしないものが数がふえていいのかどうかという問題がありますよね。ですから、フェアに示すにしても、そのことでこちらが優劣だという説明をしないようにしたほうがむしろフェアではないかと思います。
○宮坂座長
 確かにかかっているお金も違うのですよね。遺伝子が多くなれば費用もかさむということはありますね。
 どうぞ。
○福井構成員
 今回の申請書では、融合遺伝子を見られる可能性が高いという点を前面に押し出していますが、これはがんセンターと東大ではできないことなのでしょうか。最大の特徴としてDNA、RNAのコンビネーションの融合遺伝子を見ることができるという申請書になっているようですけれども。
○宮坂座長
 どうぞ。
○山本構成員
 海外で実績があるものがこれだけで、結局東大と国がんのものはたしかほぼ自社製品というかベンチャーがつくってまだ実績がないので、恐らくここまで強くは言えないものなのではないかと。
 もう一つ、先ほどおっしゃいましたけれども、東大と国がんのものは確かに数は多いのですけれども、出てきた結果で治療法が選択できるかもしれない率はわからない。しかも、今回も先ほど先生がわずか2名か3名の患者さんで保険の適用内の治療が使えるようになったということでしたけれども、結局国がんとか東大のものはたくさん調べるので、むしろ適用のない薬が効くかもしれないというような結果が出たときにどうするのだという話も実は潜在的にあるということはお聞きしていましたので、調べることがイコール患者さんの治療にダイレクトに結びつくかということが現時点ではまだ何とも言えない状況、これは先に診断薬が先行していますので、現状はなかなか診断のほうが先行して治療がそこに追いつくのにしばらくタイムラグができる可能性があるという状況があるのですよね。恐らくそれはまた一方で並行して、がん領域の先生方と厚労省の関係者で状況をできるだけ改善するように、いろいろな制度設計をされているとも聞いておりますが。
○宮坂座長
 確かに調べて、保険適用のある化学療法が見つかったときはいいのですけれども、保険適用のない、例えば海外でしか承認されていない薬剤が見つかると、お金がある人は結局自費診療になるわけですよね。ですから、うっかりすると1000万円ぐらいかかってしまうということになりかねないので、その問題は今、山本委員が御指摘されたとおりなのですけれども、今回の件はOncomineTM Target Testシステムというものを使ってアクショナブルな遺伝子異常を示す患者さんの割合を調べる。適格基準は従来とほぼ同じということですよね。
 ほかに何か御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、構成員の評価結果どおりと決定したいと存じますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
 ありがとうございました。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 次に、事務局から「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回、2件の先進医療技術の総括報告書が提出されております。
 まずは先-2-1をごらんください。
 今回、旧告示番号39として先進医療Bで実施されておりました「上肢カッティングガイド及び上肢カスタムメイドプレートを用いた上肢骨変形矯正術」について、大阪大学医学部附属病院から総括報告書の提出がありまして、8月23日に行われました先進医療技術審査部会において評価が行われたところでございます。
 技術の概要についてでございますが、別紙2の最後の8ページをごらんください。
 左上の写真にございますように、変形治癒の状態の上肢の患者様に対しまして、事前にCT撮影を行いまして、骨の状態を三次元構築いたします。この情報をもとに、右上にございますカスタムメイド手術ガイド及びカスタムメイド骨接合プレートを術前に作成しておきます。それを術中に使用することでスムーズに手術が実施でき、また、術前計画との矯正誤差が少なく変形の改善が見込まれるというコンセプトでございます。
 それでは、先-2-1にお戻りいただきまして、1ページ下段の「医療技術の試験結果」をごらんください。
 [安全性の評価結果]でございますが、有害事象は16例全例に認められましたが、いずれも試験機器との因果関係はありませんでした。
 次のページに移りまして、[有効性の評価結果]ですけれども、主要評価項目であります「術後52週の遺残する最大変形角」は臨床的許容範囲内であることが確認され、追跡期間を通して矯正は維持されており、骨癒合は100%の手術部位で得られました。また、隣接関節可動域は術前に比べて術後に拡大し、疼痛は有意に改善、また、患側の患側の握力につきましても、健側の握力と同等まで回復しました。
 患者立脚型評価におきましては、患者満足度は「大変満足」と「満足」が合わせて93.8%であり、また、術者立脚型の手術難易度評価では、「手術全体」「ガイドの設置と骨切り」「プレートの設置と固定」のいずれにおきましても、術者にとって従来の方法と比較して容易であるという結果でございました。
 最後に、術前計画と比較した矯正誤差は1度、1ミリ未満という結果でした。
 以上より、上腕骨の変形を伴う患者に対するカスタムガイド及びカスタムプレートを用いた変形矯正手術は正確で簡便な矯正手術を可能とする新たな治療法として、高い臨床的意義を有することが示唆されたと総括されております。
 総括報告書に関する主担当の山本構成員からの御評価については別紙2の3ページ以降をごらんください。
 有効性については「B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」、安全性については「B.あまり問題なし」、技術的成熟度については「B.当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」との御評価であります。
 総合的なコメント欄をごらんいただきますと、有効性、安全性の両面において、良好な結果が見られており、試験の品質が良好であれば薬事承認申請の効率化に資する可能性が高いと評価されております。
 続いて、副担当の山中構成員からの御評価では、有効性についてはA、安全性についてはB、技術的成熟度についてもBとされております。
 最後に、副担当の戸山技術専門委員からの御評価では、有効性についてはB、安全性についてはB、技術的成熟度についてはBとの御評価であり、このうち有効性と技術的成熟度については「Aに近いB」とコメントがございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明について、何か御質問はございますでしょうか。
 8ページの写真を見てもわかるように、非常に手術によって矯正される率が高いし正確に矯正できるということで、いずれの評価も有効性に関してはB以上ですし、安全性に関しても大きな問題はないということですが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、事務局から2つ目の先進医療Bの総括報告書に関する評価についての説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、先-2-2をごらんください。
 今回、告示番号8として先進医療Bで実施されていた「NKT細胞を用いた免疫療法」について、千葉大学医学部附属病院から総括報告書の提出がありまして、こちらも8月23日に行われました先進医療技術審査部会において評価が行われたところでございます。
 技術の概要については、別紙3の最後の6ページをごらんください。
 切除不能進行期、再発の非小細胞肺がんを対象としまして、下に図がございますが、患者さんから成分採血を行いまして、末梢血単核球を抽出し、IL-2などのサイトカイン存在下で培養いたしまして、その後αガラクトシルセラミドを添加し、NKT細胞を特異的に活性化するということがございます。これを患者さんに点滴静注で戻すことで、抗腫瘍活性を期待するというコンセプトでございます。
 それでは、先-2-2にお戻りいただきまして、1ページ目下段の「医療技術の試験結果」をごらんください。
 [安全性の評価結果]ですが、本治療と因果関係のある重篤な有害事象はありませんでした。
 次のページ、[有効性の評価結果]ですが、最大の解析集団を対象とした主要評価項目の生存期間中央値(MST)が667日、約22カ月であり、また、無再発生存期間は85日、奏効率・病勢制御率はそれぞれ2.9%、42.9%でした。本研究は期待MSTを17カ月、閾値MSTを8カ月と設定して試験が実施されておりまして、95%信頼区間の下限が閾値MSTを含まないことから、本研究の目標は達成されたとされております。
 以上より、NKT細胞を用いた免疫療法の安全性が高いことが示唆され、既存の一次治療薬により十分な有効性が得られなかった進行・再発非小細胞肺がん患者のMSTを延長させる可能性が示唆されたと総括されております。
 総括報告書に関する主担当の藤原構成員からの御評価については、別紙3の3ページ以降をごらんください。
 有効性につきましては「C.従来の医療技術を用いるのと、同程度である」、安全性については「B.あまり問題なし」、技術的成熟度については「C.当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした体制をとっていないと実施できない」との御評価です。
 総合的なコメント欄をごらんいただきますと「しっかりと計画された単群試験をきっちり完遂されている」と評価されておりまして、その下の薬事承認につきましては、本試験が計画されて以降、免疫チェックポイント阻害薬等が一次治療、二次治療に大きく取り込まれている中、本治療法が薬事承認申請の効率化に資するかどうかは、今後の検証的試験デザインとその結果に依存するところとコメントをされております。
 続いて、副担当の柴田構成員からの御評価では、有効性についてはC、安全性についてはB、技術的成熟度についてはCと御評価されております。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
 ありがとうございました。
 ただいまの質問につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
 これは6ページにあるように、一種の細胞療法ですね。αGalCerで樹状細胞にパルスして、NKT細胞を活性化して、その細胞を肺がんの患者さんに移入する。現時点では少なくとも安全にできたということと、主要評価項目の生存期間の中央値は当初予想されたものを超えたので、当初の目標は達成したけれども、今後検証的な臨床試験をやってみないと本当の有効性についてはまだわからないということになると思いますが、何か御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。
 では、先に行きたいと思います。
 次は「先進医療Bの取り下げについて」です。事務局から「先進医療Bの取り下げについて」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 大臣告示されております先進医療Bの2つの技術について、今回取り下げの申請がございました。
 まず先-3-1をごらんください。
 告示番号28の「ステロイドパルス療法及びリツキシマブ静脈内投与の併用療法」でございますが、取り下げ理由としましては、平成29年9月末の時点で登録症例が2症例であり、残りの試験期間で目標症例数20例には達しない見込みであったため、PMDAと対応について事前面談を行ったところ、適応拡大を目指しているのであれば、登録症例2例であっても有効性が認められていること及び今回の技術を必要とする患者さんの存在が明らかになったことから、本試験をPOC試験と位置づけ、今後は患者数の現状も十分検討した上で医師主導治験として実施することとしてはどうかという助言が得られたため、本試験は早期中止とされ、今回取り下げとなりました。今後、総括報告書が提出される見込みでございます。
 次に、先-3-2をごらんください。
 告示番号13、「トレミキシンを用いた吸着式血液浄化療法」でございますが、こちらは予定症例数を全て満了し、試験期間が終了したため、取り下げとなっております。こちらも今後、総括報告書が提出される予定でございます。
 以上でございます。
○宮坂座長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明について、何か御質問はございますでしょうか。
 先-3-1のほうは目標は20例だけれども、2例しかできなかった。ただし、それは非常に有効であったのでProof of Conceptはできたということで、今後の検証的試験に進むということで問題なかろうということですので、目標症例には達していないけれども、今後の成果に期待したいということでよろしいでしょうか。
 先-3-2のほうは、これはエンドトキシンの吸着試験を突発性肺線維症にやって既に症例が終わったということで、これは総括報告書を待つのみということになりますので、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、本日の議論は以上としたいと思います。
 次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 次回の開催につきましては、平成30年10月11日木曜日、16時からを予定しております。場所については別途御連絡させていただきます。
 以上でございます。
○宮坂座長
 ありがとうございました。
 実は私、これで最後になるので御挨拶をいたしますけれども、前任者の猿田座長からこの仕事を受け継ぎまして、この間、構成員の皆様、事務局の御協力を得て、つつがなく任を終えることができました。今後、この先進医療会議が我が国の臨床研究をさらに推進させ、患者さんの診療に多大な貢献をすることを祈念いたしまして、私の退任の挨拶といたします。
 本日はこれで「先進医療会議」を終了したいと思います。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

(了)

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