ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第59回先進医療会議(2017年11月2日)

 
 

2017年11月2日 第59回先進医療会議

○日時

平成29年11月2日(木)16:00~

 

○場所

全国都市会館 第1会議室(3階)

○出席者

【構成員等】
宮坂座長 五十嵐座長代理 石川構成員 梅村構成員 柴田構成員 福井構成員
福田構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員 横井構成員 村田技術専門委員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療迅速評価専門官
保険医療企画調査室長 先進医療専門官 他

○議題

 1 新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について
   (先-1)(別紙1-1)(別紙1-2)
 2 先進医療会議にて継続審議の評価を受けた先進医療Aの技術の再評価について
   (先-2)(別紙2)
 3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
   (先-3-1)(先-3-2)
 4 先進医療Bの取り下げについて
   (先-4)
 5 がん遺伝子パネル検査の試験を行う医療機関の要件および同意説明文書の検討について(案)
   (先-5)
 6 粒子線治療に係る報告書の修正案について
   (先-6)(参考資料1)(参考資料2)

○議事

16:00開会




 

 

 

 

 

 

○宮坂座長 ただ今より「先進医療会議」を開催いたします
先生方の出欠状況ですが、本日は全員御出席です。
また、事前評価をしていただいた村田技術専門委員に御出席をいただいています。
それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課長補佐 事務局でございます。
頭撮りについては、ここまでとさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
まず、議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、先-1「先進医療の新規届出技術について」、10月受理分としている横紙の資料がございます。こちらに別紙1-1と別紙1-2がついてございます。
続きまして、先-2「先進医療会議にて継続審議の評価を受けた先進医療Aの技術の再評価」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙2がついてございます。
次に、先-3-1、告示番号1の総括報告書に関する評価についてとしている、左上ホチキスどめの資料。
それから、先-3-2、告示番号27の総括報告書に関する評価についてがございます。
次に、先-4「先進医療Bの取下げについて」としている横紙の資料がございます。
続きまして「がん遺伝子パネル検査の試験を行う医療機関の要件および同意説明文書の検討について(案)」としている資料、先-5がございます。
最後に「粒子線治療にかかる報告書の修正案等の取扱いについて」としている資料、先-6がございます。先-6には、参考資料1と2がついてございます。
資料の確認は以上でございます。資料について、不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等については、タブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は、会議資料のページ、またはタブレットのページとあらかじめ御発言いただきますと、議事の進行上、助かりますので、御協力よろしくお願いいたします。
以上です。
○宮坂座長
資料についてはよろしいでしょうか。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から報告をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、今回検討対象となる技術に関しての利益相反について御報告いたします。
柴田構成員、藤原構成員、山本構成員より、新規技術(10月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け(案)の受理番号86について御報告がございました。
柴田構成員、藤原構成員におかれましては、利益相反についてはありませんけれども、みずからが所属する保険医療機関からの届け出に係る医療技術であるということから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないことになっております。
山本構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、同規定に基づきまして、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わっていただくことは可能でございます。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
そのほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは「新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」の資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
資料先-1をごらんください。新規技術(10月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分けについて、資料先-1に従って御説明申し上げます。
10月に受理した技術は、整理番号86「大腸癌治癒切除後アスピリン補助療法」の1件でございます。
こちらの適応症につきましては「Stage III(UICC-TNM分類 第7版)の下部直腸を除く大腸癌[結腸(C、A、T、D、S)、直腸S状部(RS)、上部直腸(Ra)]の治癒切除患者」となっており、かかる費用については資料にお示ししたとおりでございます。
本技術に関しまして、別紙1-1の概要をごらんいただきますと、先ほどの適応症の患者を対象としまして、術後補助療法としまして低用量アスピリン併用を行うことで、無増悪生存期間が改善するかどうかという、二重盲検のプラセボ対象のランダム化比較試験でございます。
別紙1-2をごらんいただきますと、本技術で使用いたしますバイアスピリン錠が適応外使用となりますので、先進医療Bとして振り分け(案)を作成しております。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
これは大腸がん治癒切除後のアスピリン併用療法を補助療法として使うことの有効性と安全性を見ようという試験だと思いますけれども、ただいまの御説明について何か御質問はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。それでは、先進医療Bとして取り上げます。
次に、事務局から「先進医療会議にて継続審議の評価を受けた先進医療Aの技術の再評価について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
資料先-2をごらんください。
今回、御審議いただきます技術は、整理番号331「糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査法による感染症診療および院内感染対策支援」でございます。
本技術は、本年2月2日に開催されました第50回先進医療会議で御審議いただいた技術で、その際の御審議で継続審議となっておりました。今回、先進医療会議からの指摘事項に対応されまして、再度、医療機関から提出されております。
適応症につきましては、インフルエンザとなっており、かかる費用については資料にお示ししたとおりでございます。
こちらの事前評価は、五十嵐構成員及び技術専門委員としまして村田委員にお願いしてございまして、総評として適の御評価をいただいております。
続きまして、別紙2の3ページをごらんください。当該技術を実施するための医療機関の要件の案をお示ししております。
こちらに関しましては、前回の審議の際に特段御意見はいただいておりませんでしたので、特に変更はなされておりません。現時点の案としまして、必要な要件のみを読み上げさせていただきます。
実施責任医師の要件としまして、経験年数までは求めませんけれども、RT-PCR検査の技術及び経験が必要となってございます。
医療機関の要件といたしましては、その他医療従事者の配置としまして、医師みずからが本検査を実施できない場合に、RT-PCRの経験ある臨床検査技師の配置が必要。医療機器の保守管理体制として、RT-PCR装置の保守点検が必要であるとされております。
倫理委員会による審査体制につきましては、倫理審査委員会または医の倫理委員会が設置されており、必要な場合に事前に開催することとなっております。
事務局からの御説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
それでは、整理番号331でございますけれども、事前評価を担当した五十嵐構成員より、技術の内容及び評価結果についての説明をお願いいたします。
○五十嵐構成員
この申請は今年2月に審議したもので、すでに8カ月程前のことであり、忘れておられる方も多いのではないかと思います。インフルエンザの体外診断法としては現在、一番よく使われるのはイムノクロマト法によるインフルエンザ迅速診断法です。10分から15分ぐらいで検査結果が出るため、臨床現場で頻繁に使われております。
もう一つは遺伝子診断キットといって、いわゆるLAMP法を用いたものです。これは少し時間がかかりますし、処理に手間がかかることが難点であるのではないかと思います。ということで、医療現場では多くの場合はイムノクロマト法を用いた迅速診断キットが用いられています。
ただ、これにもいろいろと限界がございます。患者さんが熱が出てすぐに医療機関へ行きますと、早過ぎて、インフルエンザ感染であるのに、迅速診断キットで陽性と診断出来ないことがあり、再受診してもらって検査をもう一度行うこともあるようです。
本法は、別紙2の4ページの中段の説明がわかりやすいと思います。ウイルス捕捉濃縮精製法という新しい技術を使ってウイルスをキャッチすることと、従来のPCRよりももっと高速な、超高速PCRという機械を使うことによって、遺伝子診断技術でありながら20分以内に検査が終了するという画期的な方法です。
前回のプロトコルでは、このやり方を用いた検査を行って、12時間以上たってから患者さんにもう一回来ていただいて、迅速診断キットによる検査を行うとか、あるいは迅速診断キットとの同時の比較をしない点に御指摘があり、プロトコルの変更が求められておりました。4ページから13ページにありますように、その後、本年4月、8月、10月の3回にわたってやりとりがなされました。その結果、17ページにあるような最終的なプロトコルに至った次第であります。
熱などの症状が出てから、この検査を行うまでの時間が短いと、従来の迅速診断キットだと陽性にならない場合でも、本検査法を用いた場合には感度が高いのでどのくらい短縮できるかということも、新しいプロトコルで明らかにする事を目標にしています。それから、この検査法と従来の迅速診断キットとの検査を同時に行い、結果を比較することも行う様に改善されています。それらの変更により、今回提出されたプロトコルは合理的な内容に改善したのではないかと判断いたします。
別紙2の表紙をごらん下さい。
まず、適応症としてはAが妥当であると判断いたします。
有効性も、LAMP法に比べれば恐らく有効で、原理からすると、イムノクロマトよりも大幅に有効でしょうけれども、トータルで見れば、Bの従来の技術を用いるよりもやや有効であると判断いたします。
安全性には問題はないと判断します。
技術的な成熟度も、キットとなってくると思いますので、この分野の専門として経験を積んだ医師あるいは医師の指導下でこの検査が行われれば、あとは決して難しい医療ではないかと思います。
社会的妥当性で、倫理的な問題はないと考えます。
それから、現時点では新規性のある検査法ですので、Cの普及はしていないと判断いたします。
効率性については、実際に迅速診断キットと比較をこれからする為詳細はわかりませんが、理論的にはBのやや効率的と言えるのではないかと思います。
将来、これが非常に有効であれば保険収載されることが妥当ではないかと考えました。
そういうことで、総合判定は適というふうに判断いたしました。
以上です。
○宮坂座長
ありがとうございました。
続きまして、事前評価を担当した村田技術専門委員より評価結果等について説明をお願いします。
○村田技術専門委員
2ページのところにある評価用紙は、最初の段階で評価させていただいた結果でございます。ですから、今のお話が、やりとりも含めてない状態での評価でございます。
今、御説明されたので概略は省略しますけれども、適応症については妥当である。
有効性については、一応、Aにはつけたのですが、下の総評のところで書かせていただいたのですが、迅速検査と比較して感度が向上するために、一応、大幅に有効とは書いたのですが、総合的な診療アウトカムとしてはまだわからない。そういうこともございますので、現時点ではこれは判断できないということを書かせていただいています。
あとは、今、LAMP法の話をしていただきましたけれども、感度というものを含めて、どういう関係にあるのかというのはわかりませんので、そのあたりも比較されるのが望ましいということであります。
安全性は、特にin vivoの点で問題ない。
技術的にも説明していただいて、特にPCRですから、それほど難しい技術が必要というところでもない。
また倫理的な問題で、遺伝子検査ではありますけれども、ゲノムを扱うということなのですけれども、通常の検体検査で考えていくということになります。
普及性は、インフルエンザは非常にポピュラーなものである一方、普及していない。
効率性は、やや効率的である。これも総評に示したのですけれども、迅速検査と比べて、感度はよくなることは間違いないのですけれども、若干、検査に要する時間が延長するということで、そのあたりが根本的に効率的なのか、効率性がどれぐらいいいのかというのは、また別の視点でも必要だということで、やや効率的と考えました。
将来の保険収載の必要性については、妥当であるという判断でございます。
以上です。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明について、何か御質問ございますでしょうか。
ことしの2月に出て、やりとりを3度して、その結果、リファインされたものが今の結果で再申請、再評価につながっているわけですけれども、ことしの2月に出た問題点については大体クリアされているかなと思いますし、それから、これがそのまますぐに申請に結びつくのではなくて、その後の臨床性能試験を経て、薬事申請に行くであろう。それから、その前にこの先進医療の話になりますけれども、よろしいでしょうか。
それでは、構成員の評価結果どおりで決定したいと存じますけれども、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
それでは、そのようにさせていただきます。
村田先生、どうもありがとうございました。
次に、事務局から「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
資料先-3-1をごらんください。
今回、告示番号1として、先進医療Bで実施されておりました「パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法」につきまして、東京大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございました。10月19日に行われました先進医療技術審査部会におきまして御評価が行われたところでございます。
主要評価項目までの内容につきましては、平成28年10月6日に先進医療会議に御報告させていただいておりますけれども、今回はそれの3年フォローアップの結果になってございます。
技術の概要ですが、13ページ目をごらんください。本試験治療は、右側のAというカラムにございます、S-1内服とパクリタキセル経静脈内投与と腹腔内パクリタキセル投与の併用を用いました技術でございます。腹膜播種を伴う胃がん患者を対象にしまして、現在の切除不能、再発以外に対しましての標準治療でございますS-1内服療法とシスプラチンの経静脈内投与の併用。こちらを対照群としまして、本技術の生存期間における優越性を検証する。それを目的としました多施設共同ランダム化比較試験でございます。
主要評価項目は、中央値のフォローアップ2年後の生存期間で、副次評価項目は、抗腫瘍効果及び安全性でございました。
この先進医療実施の結果に関しては、2ページ目中段以降に記載してございます。
生存期間中央値は、試験治療群、A群ですけれども、17.7カ月。対照群はB群、15.2カ月で、統計学的には有意差を認めませんでした。ここまでは平成28年10月に先進医療会議で御報告させていただいた内容でございます。
今回、追加で提出された結果については、3ページ目に記載がございます。
主解析の1年後、登録完了の3年後の追跡調査の結果、副次評価項目であります3年全生存割合については、A群が21.9%、B群が6.0%でございました。探索的な全生存期間の層別ログランク検定におきましては、p値は0.034、Cox層別比例ハザード回帰分析におきましては、ハザード比が0.684でありまして、主解析の結果と比較しまして差が開く傾向を認めました。
主担当の上村構成員からの御評価については、7ページ以降をごらんください。
有効性は、Bの従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である。
安全性は、Bの余り問題なし。軽い副作用及び合併症あり。
技術的成熟度については、Aの当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師または医師の指導のもとであれば実施できるとされており、こちらは以前の御評価と変わっておりません。
8ページ目にありますコメント欄におきましては、主要評価項目では優越性は検証されておりませんが、今回の追加解析の結果からは一定の優越性が示唆されると御評価をされております。
副担当の大門構成員の御評価は、9ページ目、中段からをごらんください。
有効性は、Bの従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である。
安全性は、Bの余り問題なし。軽い副作用、合併症あり。
技術的成熟度は、Aの当該分野を専門として、経験を積んだ医師または医師の指導のもとであれば実施できるとされておりまして、こちらも以前の評価とは変わっておりません。
次に、資料先-3-2をごらんください。
こちらは告示番号27としまして、先進医療Bで実施されておりました「S-1内服投与、オキサリプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法」につきまして、同じ東京大学医学部附属病院から総括報告書の提出がございまして、こちらに関しても10月19日の先進医療技術審査部会において評価が行われてございます。
技術の概要は、14ページ目をごらんください。本試験治療は、現在の転移、再発の胃がんに対する標準治療の一つでございますS-1内服療法と、オキサリプラチン静脈内投与併用療法に加えまして、腹腔内パクリタキセル投与の併用療法となっております。
本技術の主要評価項目は、1年時点の全生存割合。副次評価項目は、こちらにお示ししているとおりでございまして、多施設共同の単群の試験でございます。
この先進医療実施の結果に関しては、2ページ目中段以降に記載してございます。
主要評価項目になっております1年全生存割合に関しては71.7%でございました。副次評価項目であります2年全生存割合に関しては28.1%、奏効割合は67%でございました。
主担当の伊藤構成員からの御評価について、4ページ最下段以降をごらんください。
有効性は、Cの従来の医療技術を用いるのと同程度である。
安全性は、Bの余り問題なし。軽い副作用、合併症あり。
技術的成熟度は、Aの当該分野を専門とし、経験を積んだ医師または医師の指導のもとであれば実施できるとされております。
副担当の手良向構成員の御評価は、7ページ目からごらんください。
有効性は、Cの従来の医療技術を用いるのと、同程度である。
安全性は、Bの余り問題なし。軽い副作用、合併症があり。
技術的成熟度は、Aの当該分野を専門とし、経験を積んだ医師または医師の指導のもとであれば実施できるとされております。
有効性のコメント欄でございますけれども、推定1年生存確率(72%)は対照群(54%)よりも高かったが、推定2年生存確率(28%)は対照群(24%)とほぼ同程度でありまして、従来の医療技術と同程度と判断されました。なお、1年以降に生存確率が低下した理由の一つとして、オキサリプラチンの副作用によって治療の長期継続が困難であったと推測されております。
説明は以上でございます。
○宮坂座長
ただいまの御説明について、何か御質問はございますでしょうか。
告示番号1のほうは、主解析では余り大きな差は出なかったけれども、追加解析で差が開いた。こういうものをどう評価するか、なかなか難しいと思うのですが、何か御質問はございますでしょうか。
柴田先生、どうぞ。
○柴田構成員
結論については特につけ加えることはないのですが、先-3-2のほうについては、先-3-1と先-3-2で解釈が違ってくるところがあるので、それについては整理しておきたいのですが、これはどう判断したらよろしいですか。
先-3-1のほうは決定されていますが、先-3-2のほうで、ロードマップが次のページの資料である形になりますので、そこのところはちょっと注意が必要かなと感じております。先-3-1のほうは、こちらの技術的な評価ですが、似たようなものが並んでいますので、済みません、後ほど申し上げておこうかと思いましたが。。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ほかに何か御質問、コメントはございますか。よろしいでしょうか。
山口先生、何かコメントはございますか。
○山口構成員
特につけ加えることはありませんけれども、最初の先-3-1のほうは全く差が出なかったわけでありますが、御説明したように、対照群の一部が腹腔内投与治療を受けたために差がなくなってしまったわけです。その後、ずっと経過を見ているうちに差が出てきて、有効性を示唆するような結果が出てきて、いい結果にはなったわけですけれども、試験としては主解析を評価せざるを得ない。
もう一方のほうは、オキサリプラチンを使うという比較的標準的な治療ですので、ここは期待できるわけですけれども、実際には副作用がきつくて、なかなかずっと継続していけないということで、このあたりはマイナスになってしまいました。これも続けられたら本当はいいのかもしれません。
○宮坂座長
ここでは副作用で長期継続は難しかったので、より適切なレジメンの検討が必要であろうということで、これは例えば量を減らして経過を見る。そういうことにしているのですか。
○山口構成員
多分、この案件は、私なりに解釈すると、オキサリプラチンの併用は現実的には副作用のため困難で、現在も検討は進んでいないということだと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ほかに御質問、あるいはコメントでもよろしいのですけれども、何かございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、柴田先生、何かコメントはありますか。
○柴田構成員
今、山口先生に御指摘いただきました内容であれば改めて申し上げるまでもなかったのですが、この結果が1年生存割合はそこそこよかったので、このまま、この治療法がいいものだという判断がされて、公知申請であるとか、そういうことになると混乱すると思いますので、もともとの計画では、これがよかったとしても、フェーズ3をやるという話になっておりますし、御指摘のように、2年のところで落ちているところはあるので、余りこの結果で薬事承認ということではないだろうと改めて言わせていただきます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、その次に行きたいと思います。
次に、事務局から「先進医療Bの取り下げについて」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
今回、先進医療Bとして実施されております3件の技術について取り下げの申請がございました。告示番号10の「培養骨髄細胞移植による骨延長術」、告示番号11の「NKT細胞を用いた免疫療法」、告示番号18の「自己口腔粘膜及び羊膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術」の3件でございます。
上の2つの技術は、いずれも症例登録が終了したためで、今後は総括報告書を作成予定としております。
一番下の技術については、後ろ面の別紙をごらんください。
今回、本技術につきましては、今後、医師主導治験が開始になるということで、今後はそちらに症例を移行していくということでございます。本技術の先進医療は今回の終了で取り下げとなりますので、その患者さんということではなくて、今後、医師主導治験で新たに患者さんを組み入れていく予定でございます。
こちらの技術についても、総括報告書を作成予定と承知してございます。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
3つのうち2つは症例登録が完了したということですし、3つ目のものは医師主導治験に切りかえるために当該の先進医療を取り下げるということになるということになっています。
よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
次に、事務局から「がん遺伝子パネル検査の試験を行う医療機関の要件および同意説明文書の検討について(案)」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、先-5をごらんください。
少し長くなるのですけれども「がん遺伝子パネル検査の試験を行う医療機関の要件および同意説明文書の検討について(案)」を御説明させていただきます。
「1.経緯」にありますけれども、これまで先進医療会議でも御報告させていただいたところでございますが、がん遺伝子パネル検査の先進医療実施に当たりまして、先進医療における申請書類の受付開始を、本年11月以降を想定して進めてございます。
現在、さまざまな会議体等におきまして、がん遺伝子パネル検査を行う医療機関の要件でありましたり、患者の同意説明文書もしくはその説明の仕方への考え方、また、がんゲノム情報レポジトリー(仮称)等について検討が進められているところでございます。がんゲノムコンソーシアム懇談会の報告書に基づきまして、先進医療に申請いただく試験は、これらの要件に準拠していただくこととしております。
このたび、10月18日に行われました「第10回がん診療提供体制のあり方に関する検討会」におきまして、がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)及びがんゲノム医療連携病院(案)の指定要件が示されましたので、それぞれの要件を先進医療の申請医療機関及び協力医療機関の要件として参考にしていただくことにつきまして、10月19日の先進医療技術審査部会において検討されたところでございます。
部会での検討事項で、1ページ目の「2.今回の検討事項」を御確認ください。
「がん遺伝子パネル検査の試験を行う医療機関の要件について」。
先進医療に申請する医療機関は、がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)の指定要件を満たしている必要があり、かつ、がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)に申請予定であること。また、協力医療機関も、それに対応するがんゲノム医療連携病院(案)の指定要件を満たしている必要があり、かつ、その申請を希望する医療機関はがんゲノム医療連携病院(案)にも申請していただく予定としております。
また、先進医療の審査が、がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)やがんゲノム医療連携病院(案)の指定に先行しておりますので、先進医療に承認された医療機関が、それらの病院には指定されないといったことが起こり得ます。その場合、その医療機関でがん遺伝子パネル検査の継続が難しくなってしまいますので、試験登録された患者様への不利益をできる限り避けるためにも、これらの病院が指定される前の運用としましては、申請医療機関には指定要件に関する資料をあわせて御提出いただきまして、医療機関の要件については厳格に審査を行っていただくということを御確認させていただきました。
もう一件は「がん遺伝子パネル検査の試験における同意説明文書について」になります。32ページを御確認ください。こちらにがん遺伝子パネル検査のプロトコルの必須項目及びその基本的な要件案におきまして、2段階同意の考え方などを提示してございます。
こちらはまだ現在検討中の案でございますけれども、先進医療におきまして、がん遺伝子パネル検査に申請いただきまして、その同意説明文書を作成する際の留意点として、こちらにお示ししてございます。
現時点では、最低限必要と考えられる説明項目を示すことも意図しておりまして、今後の先進医療技術審査部会でさらなる審議がなされる予定となっておりまして、その後、再度、本会議でもお示しさせていただく予定としております。
事務局としては以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの説明について、何か御質問ございますでしょうか。
どうぞ。
○石川構成員
現実、今、地域ではがんの診療については連携拠点病院だとか、そういった形で二次医療圏ごとに1つは置いたりしてやっております。それから、多くの県ではいわゆるがんの連携パスを使ったりしているのですけれども、そういうものと、このがん遺伝子パネル検査というものはどういうふうに入っていくのかということについては、何か検討されたりしているのでしょうか。
○宮坂座長
どうぞ。お願いします。
○医療課長補佐
事務局でございます
御質問ありがとうございます。事務局でございます。
現在のゲノム医療中核拠点病院のあり方の検討会等では、中核拠点病院にまず選ばれるものとしては、がん診療連携拠点病院などから選ばれていくということは想定されておりまして、さらに臨床研究中核病院のように研究等が十分できる病院であること。そういったことから選ばれていくということではございますので、基盤としてはがん診療連携拠点病院の中で選ばれていくものと想定しております。
○宮坂座長
よろしいでしょうか。
ほかにはいかがでしょうか。
今、がんゲノム医療中核拠点病院、これは仮称ですけれども、その要件というのが幾つか挙がってきていて、これが最終的に決まるのはいつごろですか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
今回は、要件は概要にお示しした添付のほうでもう終了しておりまして、今はこちらの拠点病院、がんゲノム医療中核拠点病院に対して医療機関からの申請を行っていく予定でございまして、最終的には年度内、年度末ぐらいに具体的な医療機関の指定がなされるものと予定をしているそうです。
○宮坂座長
そうすると、ちょっと確認ですけれども、この6ページのがんゲノム医療推進コンソーシアムの体制という、この中の一番下のところに書いてある「がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)」。ここに要件が書かれていて、そして、この医療機関をこれから選定する。そういうことでよろしいですか。
○事務局でございます。
そのとおりでございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ほかに何か御質問、あるいはコメントはございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
その次に、事務局から「粒子線治療に係る報告書の修正案について」として資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、先-6をごらんください。
先月開催されました第58回先進医療会議におきまして、日本放射線腫瘍学会から提出されました「キャンサーボードにおける議論の概要」及び「先進医療Aとして実施した粒子線治療にかかる報告書」を提出させていただきました。その際の御議論で、ポツに示しております大きく2つの御指摘を頂戴しております。
学会における粒子線治療施設への訪問検査の結果、一部の施設においてキャンサーボードの記載内容に不備を認めたことが報告されております。それに対する対応方針が報告書内に示されていないのではないか。
それから、キャンサーボードにおける議論について、科学的議論が十分でないものがあるのではないかというものでございます。
これらの御指摘を踏まえまして、学会からは問題点に対する対応を盛り込んだ報告書の修正案と、キャンサーボードの質の担保及び均てん化を目的としました、学会独自のキャンサーボードの指針が作成されましたので、御確認いただきたいと思っております。
参考資料1の9ページ、8)の2段落目以降をごらんください。前回の報告書から追記させていただいたものに関しては、赤字で示してございます。
学会の訪問調査及び先進医療会議の御指摘のもとに抽出された問題点は、こちらのマル1からマル3というふうにしております。
マル1、十分な審議を行うための構成員が参加していない開催事例がある。
マル2、少数ではあるが、開催自体が確認できない症例がある(休日もしくは学会などのため)。
マル3、治療適応の議論において、治療法の選択などの科学的議論が十分でないものがあるということでございます。
こちらへの対応としまして、学会独自のキャンサーボードの指針を作成しまして、それぞれに対する具体的な対応方針を記載しております。
一番下のところになりますけれども、マル1につきましては、各臓器・領域に関して、放射線腫瘍医以外の該当診療科の医師の参加を示したこと。
マル2については、臨時キャンサーボードを開催する等により、全ての症例でキャンサーボードの結果に基づいた治療方針決定がなされることを示したこと。
次のページで、マル3については、キャンサーボードでの議論及びその記録に当たっては、個々の患者の状況(疾患の状態、年齢、合併症など)を十分に理解した上で、診療ガイドラインやほかの科学的根拠に基づいて、専門家の立場から推奨できる治療法について議論し、記載することを示したことということで対応をしてございます。
学会独自のキャンサーボードの指針につきましては、参考資料2として添付させていただいており、このようにしております。
御説明は以上です。御確認のほどをよろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの説明について、何か御質問ございますでしょうか。
先ほど、先-6の参考資料1の9ページに赤字で書いた部分が修正をされた部分で、学会としてキャンサーボードの質の担保と均てん化を目的として指針を策定したということですね。
問題は、策定はされたからいいけれども、それが本当に守られるのか、守られなかったときにはどうするのかという問題は出てくると思うのですけれども、どうぞ。
○山本構成員
余りがんの領域のことは詳しくないので質問なのですけれども、これは放射線腫瘍学会が主導するような内容なのですか。というのは、キャンサーボードというのは放射線腫瘍学会がこうしましょうと言って、それでがん診療に大きな、それに進めていくという機運が生じるものなのかどうか。
粒子線の、これだけのためにこれを出されて、結局のところ、余り広まらないのだったら意味がないのかなという気はいたしましたので。
○宮坂座長
ありがとうございました。
この点について何か。どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。ありがとうございます。
こちら、がん診療連携拠点病院の整備に関する指針で、キャンサーボードというものが示されておりまして、そちらにつきましては参考資料2の上の(注1)に書いてございますけれども、がん診療連携拠点病院の整備に関しては、こういうキャンサーボードを設置してくださいといった指針でございます。
今回、先進医療Aとして日本放射線腫瘍学会が粒子線治療をするに当たっては、粒子線治療施設においては、このキャンサーボードにできるだけ従ってやっていただくというのをお示ししていただいたところでございます。
前回、キャンサーボードの議論の概要をお示ししたときにも、なかなか十分な議論がなされていないという御指摘もございましたので、しっかりとした議論の上で粒子線治療が選択されているといったことを説明できるような形で、粒子線治療学会としては粒子線治療において、このキャンサーボードをできるだけ、この指針に基づいてやっていただくといった形でございます。
また、担当部署であるがん・疾病対策課にも、前回の先進医療会議においてキャンサーボードの議論が、こういうことがあったということはお伝えしておりますので、今後、検討をしていただくような形になるのではないかと考えてございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
どうぞ。
○山本構成員
がん対策課のほうでやっていただいたらいいことだと思いますけれども、やはりキャンサーボードという言葉があって、その言葉にいろんな基準があるというのはよろしくないので、整合のとれるような形で進めていただければと思います。
○宮坂座長
今のそちらの御説明は、一応、整合性がとれているものだという御認識ですね。
○事務局
そうでございます。
○宮坂座長
どうぞ。お願いします。
○山口構成員
山本先生の御指摘は、まことに重要なポイントで、放射線治療学会のキャンサーボードとなっておりますが、記録を見ても、患者さんの希望があったのでという理由付けが多く、本来のキャンサーボードの内容とは違ったものになっているのです。余り実質的には機能していないと感じましたので私もいろいろ注文を出したので、まずはここは具体的になっているのではないかと思いますが、これから本当に運用されるかどうかなのです。
多分、科学的な議論がどれぐらいされたのかということも含めて、最終的に患者さんにそれを提示して、それがどういうぐあいの数で戻ってきて、何が行われたかということをきちんとキャンサーボードで把握してもらわないとだめなので、ぜひ監査の記録を見て判断したいと思っております。
○宮坂座長
このクオリティーコントロールは、放射線腫瘍学会が責任を持って監査をするということでよろしいのでしょうか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
先進医療Aで実施されております今回の粒子線に関しては、このように報告書を出させていただいておりますので、そちらに関しては今後も定期的に出させていただく予定でございます。
それとともに、今回のように施設訪問をJASTROのほうが各粒子線施設で行っておりまして、今回のようなキャンサーボードの指針に基づいて治療なされているかどうかも、そのときに評価をしていって、報告書でまた報告させていただく。そういう予定になってございます。
○宮坂座長
わかりました。ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
お願いします。
○藤原構成員
前回、山口先生と私が指摘させていただいた、この報告書の中で一番ひどかったのは先進医療特約に入っているから、患者の希望なので粒子線を受けさせましたというのが前立腺がんは大半だったのです。それはさすがにまずいでしょうというので指摘して、多分、ボードの指針の2ページ目の(注3)のところで「患者希望があるために特定の治療を推奨するという記載は望ましくはない」と書いてあると思うのですけれども、多分、何をやっても変わらないと思いますが、頑張っていただきたい。
○宮坂座長
ですから、やはりキャンサーボードできちんと議論をして、科学的な根拠に基づいて、粒子線の適応があるかどうかを決めてほしい。それが患者さんの希望だとか、先進医療特約、保険に入っているからというのは、それはちょっとまずいと思います。
だから、そこを学会が責任を持って監査をするということが必要だと思います。どうも、いつも、こちらから意見を言って、それに対して回答が出てくる傾向が否めません。本当にクオリティーが伴っているのかどうか、クオリティーコントロールがされるのか、クオリティーアシュアランスがされるのかというのは、いま一つよくわからない点があるのですよ。
それを多分、皆さん、委員の先生方はおっしゃっているのだろうと思いますけれども、そこは大きな問題だと思いますので、今後の課題として見ていきたいと思います。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、本日の議論は以上としたいと思います。
次回の開催について、事務局から御説明をお願いします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
次回の開催につきましては、平成29年12月7日木曜日、16時からを予定しております。場所につきましては別途御連絡をさせていただきます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、第59回「先進医療会議」を終了します。
 

 

 

 

 

 

 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第59回先進医療会議(2017年11月2日)

ページの先頭へ戻る