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2017年8月1日 平成29年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会献血推進調査会

医薬・生活衛生局血液対策課

○日時

平成29年8月1日(火)
16:00~18:00


○場所

航空会館7階 701+702会議室


○出席者

出席委員:(10名)敬称略、○委員長

磯山 春佳 ○衞藤 隆 大平 勝美 竹下 明裕 田中 純子
中澤 よう子 根岸 久美子 花井 十伍 村井 伸子 山本 シュウ

欠席委員:(4名)敬称略

柑本 美和 鈴木 邦彦 田中 里沙 矢口 有乃

日本赤十字社:

血液事業本部(5名)

事務局:

一瀬 篤(血液対策課長) 他

○議題

1.献血推進2020について
2.採血基準の改正について
3.厚生労働科学研究の報告
4.その他

○議事

 

○一瀬血液対策課長 定刻となりましたので、ただいまから「平成29年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会献血推進調査会」を開催いたします。

 本日の会議は公開で開催します。カメラ撮りは議事に入るまでといたしますので、傍聴の皆様には御理解と御協力をお願いいたします。

 本日は委員改選後、初めての会議です。初めに交代された委員について御報告いたします。寺田委員、室井委員、山口委員が退任され、新たに全国学生献血推進実行委員会全国委員長の磯山春佳委員、広島大学大学院医歯薬保健学研究科疫学・疾病制御学教授の田中純子委員、ライオンズクラブ国際協会330-A地区キャビネット副幹事の根岸久美子委員に御就任いただいています。

 次に委員の出欠状況を報告します。鈴木委員、田中里沙委員、矢口委員から欠席との御連絡をいただいています。また、大平委員、柑本委員、山本委員が遅れておられますけれども、委員14名中8名の出席をいただいていますので、会議は成立しております。

 本日は日本赤十字社血液事業本部より、前野経営企画部次長、井上経営企画部次長、紀野技術部主幹、早坂経営企画部献血推進課長、中津留経営企画部供給管理課長に御出席いただいています。

 また、事務局に異動がありましたので御報告いたします。血液対策課長補佐の山本隆太です。同じく血液対策課需給専門官の三浦です。

 続きまして、当日配付資料につきまして、事務局から説明いたします。

○山本(隆)血液対策課長補佐 それでは、お手元にあります資料、右上に「当日配付資料」と記載のあります厚生労働省のプレスリリースをご覧いただければと思います。

 両面印刷となっておりますけれども、まず表側の1枚目のほうをご覧ください。6月29日付のプレスリリースでございます。当審議会の薬事分科会の委員、臨時委員又は専門委員につきましては、薬事分科会規程第11条に基づき、「在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」とされております。今般、薬事分科会の部会に所属いたします委員につきまして、医療機器製造販売業の許可を取得している企業の役員に就任していたことが判明したため、当該委員には辞任いただいた上で6月29日に本事案を公表し、同日に開催いたしました薬事分科会に報告をさせていただいたところでございます。

 続きまして、裏面をご覧ください。7月31日のプレスリリースでございます。ただいま御説明いたしました事案を踏まえ、薬事分科会の全ての委員を対象に改めて薬事分科会規程への適合状況を確認させていただきました。その結果、新たに臨時委員2名が薬事に関する企業から定期的に報酬を得る顧問に就任していたことが判明いたしました。当該委員2名には辞任いただいた上で7月31日に本事案を公表してございます。

 なお、当調査会においては規程に抵触する委員はいらっしゃらなかったことを御報告いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、確認作業への御協力をいただき、感謝を申し上げます。

 今後の対応といたしましては、同様の事案の再発を防止するため、薬事分科会の委員等就任時及び会議開催時に薬事分科会規程や薬事分科会審議参加規程の適合状況を書面により御署名いただく形で御申告いただく方向で検討しております。具体的な方法などにつきましては事務局にて検討の上、改めて御連絡をいたしますので、御協力をお願いいたします。

 また、例えば「薬事に関する企業」とはどのような企業が該当するのか、寄附金、契約金などの申告に関する詳細なルールなど、規程がわかりにくい点もあるかと思われますので、そういった点も含めて、重要事項につきましては事務局より改めてわかりやすく御説明、注意喚起を行い、薬事分科会の適切な運営に引き続き努めてまいります。委員の皆様には御負担をおかけすることになりますが、この機会に改めて規程を御認識いただきますとともに、規程の遵守に御協力いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 事務局からは以上でございます。

○一瀬血液対策課長 カメラ撮りはここまでといたします。

 以後の進行につきましては、座長にお願い申し上げます。

○衞藤座長 衞藤でございます。それでは、以後の司会進行を務めさせていただきます。

 まず、事務局から「審議参加に関する遵守事項」について御報告をお願いいたします。

○山本(隆)血液対策課長補佐 本日御出席いただいた委員の方々の本年度を含む過去3年度における関係企業からの寄附金、契約金などの受取状況を御報告いたします。本日の検討事項に関して薬事分科会審議参加規程に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、対象年度における寄附金、契約金などの受け取りの実績はなし、又は50万円以下の受取であったことから、当調査会の本日のこの審議への参加、議決への参加に関しては特段の措置はありません。御申告いただきましたこの内容につきましては、ホームページで公表をさせていただきます。

○衞藤座長 それでは、初めに事務局より資料の確認をお願いいたします。

○山本(隆)血液対策課長補佐 それでは、資料を確認させていただきます。先ほどの当日配付資料を除きまして、上のほうから順番に議事次第、座席表、委員名簿。以降、資料になりますが、資料が大部になりますので、資料のタイトルは省略をさせていただきまして、右上に記載のあります資料番号を順次申し上げさせていただきます。

 資料1-1、1-2、1-3、1-4、1-5、資料2、資料3。

 次は参考資料という位置づけになりますけれども、参考資料1-1、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、1-11、参考資料2-1、2-2となっております。

 また、別途、日本赤十字社のほうで御用意いただきました「献血Walker Vol.19」の小冊子、フリーペーパーを配布させていただいております。

 資料の確認は以上でございます。不足等がありましたら、お申し出ください。

○衞藤座長 それでは、議事に入ります。まず議題1「献血推進2020について」です。事務局より議題1の論点について説明した後、事務局及び日本赤十字社より資料1-1~資料1-5まで続けて説明をお願いいたします。

○山本(隆)血液対策課長補佐 それでは、議題1の関係につきまして「献血推進2020」の論点について御説明をいたします。資料1-1をご覧ください。こちらの資料につきましては「献血推進2020」ということで平成26年度でございますけれども、当調査会でまとめていただきましたものでございます。

 「1.背景及び目的」と記載のありますところの真ん中あたりでございますけれども、日本赤十字社に血液需給将来推計シミュレーションを行っていただきまして、平成25年度の献血率が6%というところだったのですが、このまま少子高齢化が進んでいった場合、血液需要がピークとなる2027年、平成39年には献血者約85万人分の血液が不足すると推計されました。これを踏まえて将来の血液の安定供給体制を確保するために、平成2732年度までの6年間の中期目標を設定し、献血の推進を図っているところでございます。

 下の「2.」の表が目標とそれぞれの平成32年度の目標値ということでございます。大きく分けまして4つの項目、「若年層の献血者数の増加」、「安定的な集団献血の確保」、「複数回献血の増加」、「献血の周知度の上昇」という項目でございます。これらを増加させるということで、平成32年度における目標値を、一番右のほうでございますけれども、このような形で目標を設定しているといったところでございます。

 この中期目標を設定した際の日本赤十字社のシミュレーションでは、血液を多く使用する高齢者の割合がこれから増加をしてくる。これに伴って輸血用血液製剤の供給量、こちらは2027年、平成39年までは増加するという前提で行われていたところでございます。しかしながら、輸血用血液製剤の実際のところの供給量でございますが、これはここ数年は「横ばい」、ないしは「減少傾向」というところでございます。これはなぜかと言いますと、内視鏡手術または腹腔鏡手術などの普及、さらにda Vinciのような手術用の医療機器の普及により、手術時の出血が抑えられる症例が増えてきているといったことが背景にあると見ています。そのため、必ずしも中期目標設定時のシミュレーションのとおり、2027年度には献血者約85万人分の血液が足らないという状況ではなくなってきているのではないかと思っています。後ほど説明する資料1-4では、日本赤十字社において、輸血医療を取り巻く環境変化を踏まえ、輸血用血液製剤の需要予測調査を実施した結果を御報告させていただきます。

 また、献血血液からは輸血用血液製剤だけではなく、血漿分画製剤も製造されています。中期目標を設定した際の日本赤十字社のシミュレーションでは、原料血漿の必要量は毎年度100万リットルで推移するという前提です。これも後ほど説明をいたしますが、資料1-5におきまして、国内献血由来の原料血漿の配分を受けている国内製造販売業者3社に今後必要となる原料血漿の量についてヒアリングを行ったところでございます。その結果を後ほど御報告いたします。

 これら今後の輸血用血液製剤の需要予測、原料血漿の必要量を踏まえて、どのような計画で今後献血者を確保していくのか。さらには「献血推進2020」の先ほどの目標値の修正を行うべきではないのか。こういった点について御議論をいただければと思っているところでございます。今、説明してきました輸血用血液製剤の供給実績は、先ほど横ばい、ないしは若干減ってきているということでございますけれども、これにつきましては配付をいたしました参考資料1-2で実績を提示させていただいております。また、平成26年度に日本赤十字社の行ったシミュレーションにつきましては、参考資料1-8を配付しておりますので、後ほどこちらも御確認をいただきながら議論をしていただければと思っております。

 それでは、資料の説明に入りたいと思います。先ほどの資料1-1をご覧ください。また、参考資料1-5もお手元に御用意いただければと思います。平成26年度に当調査会でまとめていただきました「献血推進2020」では、将来の血液の安定的な供給体制を確保するために4つの項目について、平成32年度までの達成目標を設定しております。これは先ほど説明をしたとおり、資料の1ページ目に記載しているところでございます。

 ちょっと飛びますが、資料をおめくりいただきまして、3ページ目の「4.」の項目の表を見ていただければと思います。右側に平成32年度目標値と書いておりますが、その隣に平成28年度、昨年度の実績を記載いたしました。

 まず最初の項目、「若年層の献血者数の増加」でございますけれども、1030代までの献血率の目標値を定めているところでございます。平成28年度の1030代の献血率はいずれも目標値を下回るばかりか、前年度と比較しましても下回っているという状況でございました。

 この理由としては表の下の文章でも記載をしておりますけれども、「輸血用血液製剤が医療機関の需要に応じて不足することなく安定的に確保することができている」ことが一つの要因と考えられます。また、「200ミリリットルの献血に由来する製品の需要動向を踏まえ、400ミリリットル献血の推進方策」、つまり言いかえれば、「医療機関からの200ミリリットル製剤のオーダーが少ないことから、オーダーの多い400ミリリットルの献血を行っている」といったことも要因の一つと考えられるところでございます。

 一方、若い時期における初回の献血の経験というものは、その後の献血への動機づけとなることから、200ミリリットル献血も含め、可能な限り献血を経験していただくことが重要だと考えております。平成28年度の200ミリリットル献血者の約3割が40代以上というデータもありますので、医療機関の需要に応じた200ミリリットル献血は、10代等の若年層を中心に行うことにより、今後の若年層献血者数の増加を図っていきたいと思っているところでございます。

 また、将来にわたり安定的に献血者を確保するために、総献血者数に占める年代別の構成割合の均一化に向けた取り組みを行うこととしているところでございます。こちらにつきましては、後ほど御説明をいたします。

 資料をおめくりいただきまして、4ページをご覧ください。「安定的な集団献血の確保」でございます。集団献血に御協力をいただいている企業や団体を6万社まで増やすということを目標として掲げているところでございます。平成28年度の集団献血や献血推進活動などに御協力いただける企業や団体の数としては昨年度を大きく上回っているところでございます。これは地方自治体と採血事業者が一体となって推進が行われた結果であると受けとめているところです。引き続き目標の達成に努めていくことともに、今後は集団献血においても若年層の献血者が減少していることから、その構成比率を向上させる取り組みが重要になると考えております。

 次は「複数回献血者の増加」です。こちらの項目では年間120万人まで複数回献血者を増加させることを目標としているところです。平成28年度は前年度を下回る状況であります。ここで参考資料1-5をご覧いただきたいところでございます。

 参考資料1-5、横の資料の6ページをお開きください。この資料は年代別の複数回献血の回数の平均値を示しているものでございます。複数回献血者数は前年から減ってはいるところなのですが、複数回の平均の献血の回数は上昇しているといったところがこの資料から見てとれるというところでございます。特に40歳代以上、この折れ線グラフで言えば、上の3つの折れ線が40代以上になりますけれども、ここで顕著な伸びが見られるということでございます。今後は特に若年層の献血者をいかに複数回献血クラブに誘導し、理解を求めていくかということが重要になると考えているところでございます。

 最後の項目、「献血の周知度の上昇」でございます。これは日本赤十字社が主催いたします献血セミナーの実施回数を増加させ、1,600回を目標としているところでございます。平成28年度の献血セミナーの実施回数は1,772回と目標を既に達成しております。平成24年から文部科学省の文書で発出しております「学校における献血に触れ合う機会の受入れについて」という血液対策課長通知がありますけれども、地方公共団体と採血事業者が校長会や養護教諭に対して積極的に働きかけられる環境が整ってきたということではないかと考えているところでございます。今後も全国的な取り組みを行っていくことが重要だと考えているところでございます。

 資料1につきましては以上でございます。

 次に資料1-2をご覧ください。「献血者確保対策、厚生労働省の取り組み」を記載させていただいております。1ページ目は、厚生労働省として基本的には例年実施しているものでございます。

 上から順番に「1.若年層に対する働きがけ」といたしましては、「(1)中学生への普及啓発」といたしまして、血液の重要性や必要性について理解を深めてもらうため、全国の中学校へのポスターを配布しているところでございます。

 「(2)高校生への普及啓発」といたしまして、献血及び血液事業に対する理解を促進させるため、全国の高校生及びその教員へ副読本といたしまして、「けんけつHOP STEP JUMP」を作成・配布し、授業等で活用いただきたい旨、依頼しているところでございます。

 「(3)学校における献血に触れ合う機会の受入れの推進」でございます。先ほど少し触れたところですが、高校などにおいて学校献血や献血セミナーといった献血に触れ合う機会を持っていただくために毎年度、文部科学省に協力要請を行い、文部科学省から各都道府県の教育委員会などへ周知・協力依頼を行っていただいているところでございます。

 「(4)主に10代、20代の若年層を対象とした普及啓発」といたしまして、毎年1月~2月に実施する「はたちの献血」キャンペーンにおいて啓発宣伝用のポスターを作成し、都道府県や関係団体に配布をしているところでございます。

 「2.その他の普及啓発(国民的な普及啓発)」といたしまして、毎年7月に実施しております「愛の血液助け合い運動」の期間においても啓発宣伝用のポスターを作成し、都道府県や関係団体に配布するとともに、例年この運動月間とあわせて献血運動推進全国大会を各都道府県の持ち回りで開催しているところでございます。今年につきましては53回目ということで、7月12日に秋田県秋田市の秋田県立武道館において、皇太子同妃両殿下に御臨席を賜り、開催をいたしました。

 このほか、ホームページ、ラジオ、新聞などの媒体を利用した政府広報のほか、厚生労働省の広報誌、厚生労働省アカウントでのTwitterFacebookを用いた普及啓発も行っております。

 ページをおめくりいただきまして、「3.その他の取り組み」をご覧ください。先ほど触れたところでございますが、総献血者数に占める年代別の構成割合をなるべく均一にしていこうということを行っているところでございます。表のほうをまずご覧ください。上から順番に、昭和60年度から直近の平成28年度までの状況を記載しております。昭和60年から平成10年度にかけましては20代の方を太枠で囲っております。平成15年度、20年度は30代、25年度は40代、28年度は50代・60代。こういった年齢層において献血者の割合が多くなってきているところでございます。将来にわたって安定的に献血者を確保するためには、これを均一化していく、ならしていくという政策が必要だと思っておりまして、現在、日本赤十字社及び都道府県と協力をしながら、年代別献血者数の目標設定に取り組んでいるところでございます。

 私どもの資料といたしましては以上でございます。

 続きまして、日本赤十字社より資料の説明をお願いいたします。

○日本赤十字社早坂経営企画部献血推進課長 日本赤十字社で献血推進を担当してございます早坂と申します。

 日ごろから献血に御理解、御協力をいただきまして、ありがとうございます。私のほうからは資料1-3を用いまして、「献血者確保対策における日本赤十字社の取り組み」について御説明させていただきます。

 「1.広報資材の作成」といたしまして、パンフレット・ポスターに関しては一般用、小学生・中学生用と分類して、血液事業について、わかりやすく理解していただくため、作成・配布してございます。本日皆様の席に配布させていただきました「献血Walker」という雑誌は若年層を特に対象といたしまして、全国のビデオレンタルショップのほうにも設置して、それぞれ手にとっていただくという対応をしてございます。通年用あるいは全国的なキャンペーンの期間中のポスターも作成してございます。

 「(2)映像」でございます。先ほど国の説明の中で献血セミナーが目標達成されているという御紹介をいただきましたけれども、この献血セミナーをさらに拡大するように全国統一資材としてDVDを作成してございます。こちらのほうは受血者の顔が見える取り組みの一環といたしまして、特に輸血の経験者が献血を訴えるという内容のものでございます。

 それから、インフォグラフィック動画と申しまして、1分と3分の2バージョンを作成してございます。こちらのほうは短い時間で献血を視覚から訴えるという内容のものでございます。28年度におきましては、line動画でアップしたところ14万回の再生を記録してございます。

 続きまして、2ページでございます。「2.各種事業」について御報告させていただきます。日本赤十字社におきましては、(1)若年層を対象に「LOVE in Action プロジェクト」を展開してございます。また、「はたちの献血キャンペーン」を通して全国統一のキャンペーンを行ってございます。去る6月6日にこの「LOVE in Action Meeting」を東京国際フォーラムで開催いたしました。こちらに関しましては、今年度初めてニコニコ生放送と申しまして、インターネットの動画配信を行ったところ、およそ4万アクセスがあったという記録がございます。なお、この会場におきまして、日本高校ダンス選手権新人戦、こちらは全国各地域で行われているものですけれども、この中からLOVE in Action特別賞を受賞した3校に東京国際フォーラムでダンスの披露をしていただきました。

 「(2)大学生を中心とする学生献血推進ボランティアの活動支援」、こちらのほうを展開してございます。なお、28年度におきましては、学生献血推進ボランティアのほうから献血セミナーを自分たちで実施していきたいというお話がありまして、昨年度に関しましては95回、約3,000人の学生が受講してございます。

 「(3)将来の献血者(小・中学生及び高校生)確保に向けた取り組み」といたしまして、現在行っております献血セミナーをさらに拡大して、献血への普及・理解に努めてまいります。「赤十字・いのちと献血俳句コンテスト」も毎年実施しております。28年度につきましては、約245,000の応募がございました。

 「(4)複数回献血クラブ会員の普及拡大」。この辺も特に若年層への複数回献血クラブ会員に理解、加入を図りまして、若年層献血の向上を図ってまいりたいと考えてございます。

 3ページ目の「3.その他」でございます。先ほど厚生労働省のほうからも御報告いただきましたとおり、年代別献血者数の目標設定を現在調整してございます。こちらのほうは全国各赤十字血液センターの担当者が各都道府県の血液事業担当者に出向きまして、10代、20代、30代の年代別献血者目標数を設定し、前年度を何とか上回るように地方公共団体と連携しながら若年層の確保を図るということでございます。日本赤十字社におきましては、目標数の進捗管理につきまして定期的に行いまして、大きく下回るような場合にはヒアリングを行うなどの対策を講じて、何としても前年度の特に10代の献血者数の増加に努めてまいります。

 「(2)」には、各都道府県の血液センターで行っております、さまざまな取り組みについて御報告してございます。各地域事情がそれぞれございます。この辺を加味した各都道府県センターの取り組みがございます。こちらのほうは全国で情報共有を常にしてございますので、それぞれの地域に合わせたものを取り込み、その上で若年層の確保に当たるという取り組みをしてございます。

 日本赤十字社の取り組みに関しましては以上でございます。

○日本赤十字社中津留経営企画部供給管理課長 続きまして、私は日本赤十字社供給管理課の中津留でございます。

 私のほうからは資料1-4「輸血用血液製剤の需要推計結果について」ということで御報告をさせていただきたいと思います。

 資料1-4をまず1枚めくっていただきますと、今回の需要推計結果の概要が記載してございます。こちらのほうで目的について説明をさせていただきますが、今回の目的は輸血医療を取り巻く環境の変化を踏まえ、輸血用血液製剤の需要を予測し、今後の血液事業の方向性を定めるための基礎資料を得ることを目的として実施いたしました。

 続いて検討経過になりますが、検討経過に入る前に、これまでの将来需要予測の方法といたしまして、現状の疾患別輸血用血液使用量に年齢階級別将来推計人口をかけ合わせたものを用いて行ってまいりましたが、過去の需要予測では東京都の輸血状況調査を基に行っておりました。しかしながら、この予測は東京都のデータを用いていたため、全国的な需要予測と考えてよいのかという御批判もございました。

 そこで日本赤十字社では平成27年度に新たな需要を予測するため、本部内で需給予測委員会を立ち上げまして、全国的データとしてDPCデータを用いた需要予測を行いました。そして、その需要予測と実際の供給量の比較もいたしました。その結果、疾患別輸血用血液製剤使用量に年齢階級別将来推計人口をかけ合わせた需要予測と実際の供給量の間には大きな乖離が生じるということが明らかになりました。すなわち将来推計人口に基づく予測では右肩上がりに需要が増加する結果となるのに対しまして、実際の需要というのは2011年以降、先ほどもお話が何度も出ておりましたが、ほぼ横ばいになっていたということでございます。この結果は将来推計人口というパラメーターだけで将来需要予測を行うことには無理があるということを示しております。

 後ほど12ページ以降でこれを見ていただく形になるかと思いますが、今回の需要予測では需要予測を立てるさまざまなパラメーターの中から医療の質の変化、社会情勢の変化などのパラメーターを医療現場でどのように捉えているのか調査をいたしまして、将来需要予測を立てる。そういったことをさせていただきました。その経過と新たな需要予測結果について報告をさせていただきたいと思います。

 4ページをご覧いただけますでしょうか。昨年実施いたしました需給予測委員会で事務局がお示しした需要予測の考え方でございますが、昨年は傷病分類別、性別、年齢階級別の年間血液使用量を用いて需要推計を行いました。

 「1.」のところを見ていただきますと、DPCデータ、ここでは平成25年度のデータでございますが、それから患者1人当たりの年間血液使用量を算出しまして、これに平成26年の患者調整データをかけ合わせて算出し、年間血液使用量を推計したものを算出いたしました。この結果は次の5ページの赤血球製剤から7ページの血小板製剤の積み上げた形の棒グラフになります。

 続いて、5ページを少しご覧いただきます。一番左にある棒グラフを見ていただきますと、先ほど言いました、平成25年度のDPCデータをもとに年間総使用量を疾病別の分類別に振り分けた結果でございます。その後、診療領域に整理したものが2番目の棒グラフになり、3番目の棒グラフはその診療科の使用量の高い順に積み上げたものでございます。最後のところは矢印になっておりますが、5年後、10年後の予測へつなげるための矢印という形にさせていただいております。

 4ページの「2.」に戻りますと、年間使用量と供給量を比較し、乖離の要因を検証いたしました。傷病分類別に有識者インタビューも実施し、次年度のアンケート調査に反映をしようではないかということで行ってまいりました。

 「3.」のところは人口に対する年間血液使用量と日本の将来推計人口を年齢別にかけ合わせて、将来の需要を推計した結果でございます。ご覧のような形で28年度は組み立てて需要推計を出してきたわけでございますが、8ページに少し進んでいただきます。

 続いて、8ページをご覧いただきますと、需要推計の組み立て。今年度は前年度の結果を踏まえまして、地域の血液センター47都道府県管内で輸血用血液製剤の使用量の多い供給量の80%を占める上位医療機関をそれぞれの血液センターで抽出をしまして、調査に当たることとさせていただきました。

 お示ししました8ページのフロー図をご覧いただきますと、フロー図にあるとおり、厚労省の血液対策課様のほうから県の薬務主管課を経由し、先ほど抽出しました各医療機関へ調査協力依頼書を発出していただきました。また、血液事業本部のほうからは本部長通知を発出しまして、各血液センターへ所長自ら調査に当たるよう指示をさせていただきました。調査の対象医療機関数は全部で672の施設でございました。調査期間は本年4月20日~5月31日、回収率は92.56%と非常に高い回収率を誇っております。

 この調査には参考資料1-10をおつけさせていただきましたが、こちらの調査の内容については5年、10年後の増減率、これは医療機関様のほうに5年、10年後にどれくらい増減があるのかというような調査の部分と、7つほど医療技術の例えば進歩だとか適正使用だとか医療制度、または医療機関構想、こういった部分において何が影響、要因を与えるのかという部分を調査の対象とさせていただいて、医療機関様のほうにアンケートに埋め込んでいただくという形。さらには先ほど言いました血液センターの所長自らが聞き取りも同時に行っておりますので、非常に信頼性の高い調査であったのかなと思います。

 また、各医療機関におきましては、血液使用量の多い2つの診療科を選定していただき、御協力もいただきました。回収した調査票は、東京医科歯科大の河原教授の研究室にて集計・分析もしていただきました。その結果を基に、我々血液事業本部の事務局にて、5年、10年後の需要予測を算出させていただきました。その結果については9ページをご覧ください。

 9ページに棒グラフがございます。赤血球製剤の5年後、10年後の年間使用量を示したものでございます。表の一番左の棒グラフは2016年度の供給実績を現在の100%という形に示させていただいております。真ん中のグラフは先ほどの調査の結果、これを積み上げたもののグラフを5年後の予測になりますが、一番上のところに今回の調査の結果が出ておりますが、赤血球については101.56%増加しますよと記載してございます。これが予測値になります。計算方法は単純に先ほどの2016年度の供給実績に診療科別の積み上げたものを乗算して出しておりますので、5年後、10年後という形で一番上のグラフのところには出ておりますが、10年後は98.69%とやや微減傾向になるという予測をしております。

 次の10ページ目では、血漿製剤で同様に見ますと、5年後は99.70%、10年後は96.39%。

 または11ページ、ここは血小板製剤でございます。5年後は103.04%、10年後は99.77%という結果になりました。

 続いて12ページを少しご覧いただければと思います。このグラフは赤血球製剤の年間推計使用量と供給実績及び需要推計結果を比較したものでございます。年間推計使用量と供給実績が大きく乖離しておりますが、この乖離については最初にお伝えしたとおりでございます。このグラフで注目していただきたいのは年間推計使用量、黒い実線でございます。これは高齢者人口が年々増加する影響を受けまして、右肩上がりに使用量は増加していくというトレースとなっております。しかしながら、実際の供給実績はと申しますと、医療を取り巻く環境の変化から、薄いグラフになっておりますが、2011年をピークに年々微減といった状況が見てとれるかと思います。その後、破線にしたものは将来の推計結果になります。

 ご覧の12ページの赤血球製剤と同様に、13ページの血漿製剤並びに14ページの血小板製剤もこのグラフのトレースを見ていただければおわかりになるかと思いますが、実績及び今後の需要予測は老齢人口の増加に相反しまして横ばい又は微減傾向にあるということが今回の調査で伺い知れたということになります。

 最後になりますが、もう一度、概要の3ページの結論のところを見ていただけましたら記載してございますが、今後の医療現場の環境動向により推移は変化する可能性も十分考えられますが、供給実績及び今回の調査結果を踏まえますと、(1)赤血球製剤の需要動向は、今後微減傾向で推移していくと予測ができました。(2)血漿製剤の需要動向は、今後緩やかに減少していくと予測をいたしました。(3)血小板製剤の需要動向は、今後横ばい、もしくはやはり10年後に微減傾向で推移するという予測が今回の調査で出ましたので、以上を報告とさせていただきます。ありがとうございます。

○三浦血液対策課需給専門官 血液対策課の三浦でございます。

 私のほうからは資料1-5について説明をさせていただきます。献血血液からは輸血用の血液製剤のほかに血漿分画製剤が製造されることもございまして、今般、日本赤十字社が輸血用血液製剤の需要を予測し、今後の血液事業の方向性を定める基礎資料を得ることを目的に輸血用血液製剤の将来需要予測調査を行ったことを踏まえ、必要献血者数のシミュレーションなど、今後の血液事業の方向性を定めるためには血漿分画製剤の製造に必要となる原料血漿についても把握しておく必要があることから、これまで原料血漿の配分を受けている国内製造販売業者3社に対し、今後必要となる原料血漿量についてヒアリングを行いました。各社からのヒアリングの結果は、今後各社が必要と見込んでいる原料血漿量は資料1-5のとおりとなってございます。平成30年度以降の必要量予測という数字につきましては、各社からの聞き取り結果であり、厚生労働省が定める原料血漿必要量ではないということに御留意いただければと思います。

 国内3社は今後の必要原料血漿量の推移を予測するに当たりまして、グラフの下段にございます凝固因子製剤用の原料血漿量につきましては主に血液凝固第8因子製剤の生産量、上段のその他のものにつきましては主にグロブリン製剤の生産量を基に必要原料血漿量を算出してございます。凝固因子製剤用の原料血漿に関しましては、利便性の高い遺伝子組換え製剤の存在により今後増えることはなく、新たな適用拡大も予定していないということから、必要量は現状のままか若干の減少傾向になる見込みということでございました。

 一方、その他の分画製剤の原料血漿に関しましては、グロブリン製剤やその他製剤の適用拡大に向けた取り組み、今現在、自社で製造していない製品の導入などにより増加傾向になる見込みということでございます。

 以上のことから、国内製造販売業者3社が推計する今後の必要原料血漿量の総量としましては、平成32年度に130万リットル、平成36年度には140万リットルに達する見込みとなってございます。日本赤十字社におかれましては、これら必要原料血漿量の推移予測も踏まえ、今後の必要献血者延べ人数のシミュレーションなどを行っていただきたいと考えております。

 私のほうからは以上になります。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 ただいま資料1-1~1-5まで御説明をいただきました。これらの御説明につきまして、委員の皆様から御意見、御質問等がございましたらお願いしたいと思います。なお、効率よく議論を進めるために手を挙げる代わりに札を立てていただけますでしょうか。発言が終わりましたら戻していただくと。そういうことで取りこぼしがないようにいたしたいと思いますので、いかがでしょうか。

 花井委員からお願いします。

○花井委員 一定程度、需要予測の修正、需要の修正をする必要があるのかなという提案と読んだのですが、まず前提として、これはDPCを提出していない医療機関は割と診療所とかそういうところが多いと思うのですけれども、供給量を按分しているという形でやっているのですが、そこについての修正はしているのですか。ナショナルデータベースだと傷病名が出ないですね。だから、それを使うことはできないにせよ、一定程度DPCを使うことによっての偏りは心配ないのかということがまず質問で1点お願いします。

○衞藤座長 いかがでしょうか。

○日本赤十字社紀野技術部主幹 補正はしておりません。生のデータを使ってやっていますので、小規模医療機関、DPCに参加していない病院は入っていないということになります。

○花井委員 もう一つは、必要原料血漿量で輸血用のほうは現場の専門家の予想に基づいているのですけれども、原料血漿のほうは供給側の予想に基づいているというところで必ずしも、もう一回この原料血漿というか血漿分画製剤の需要予測については別途何らかの確認が要るのかなとは思いますが、今の段階で私として申し上げたいのは、このままいくと恐らくざくっと言って、輸血用血液に反して原料血漿がこの感じだと、平成37年度だと原料血漿のデータがざくっと正しいとすると、やはり60万人くらいの献血者が足らなくなるのではないかと。一定程度、輸血用血液を献血してくれている献血者がある程度、成分のほうに移っていただくとか、その中の移動はあると思うのですけれども、ざくっと言うと下手したら80万で別に修正は要らないかもしれないという。少なくとも60万リットル。これも115万まで何とかなるという話が以前データか何かがあったのですけれども、そう考えると、すごく大雑把になりますが、5080万人は足りなくなるのだと思うのです。

 もしそれを精緻化して、そういう実態が事実だとすると、やはり献血推進においては、一定程度この目標値の修正というよりも、その中身を変えた形で進めていかなければいけないということが出てくるのではないかと思うのですが、事務局としては今後この予想として、今、言ったのは当たっているのですか。平成37年度で原料血漿をこのくらい確保しようと思うと、大体プラス60万人くらいかと思うのですけれども、ちょっと多過ぎますか。どうですかね。

○三浦血液対策課需給専門官 血液対策課の三浦です。

 資料1-5に関しましては、あくまでも企業から聞き取った数字だけということであって、事務局のほうで特に調整というのは行っていないです。実際に日本赤十字社で採血できる量というのも急にここまでというのは増やせるとは思っていませんので、そこは将来的に国内3社はこのくらい必要だという予測を立てているというところを前提に、今後どのくらいの量が不足するのかというシミュレーションの中で反映していただきたいと考えているところです。

○花井委員 現時点ではこれを基礎データとして、すぐに精緻化できないということはわかるのですが、今後そのデータを集めていただいて、何となくこういう形でいくと、献血推進において、今日は推進している方も来てくれていると思うのですけれども、より成分献血をしてほしいというような献血キャンペーンになるのかもしれないし、逆に言えば、今まで何回も繰り返していますが、献血した血液の使用先と言いますか、血漿分画は結構専門的で、献血している方が血漿分画についてはそんなに詳しいことはないと思いますが、事実上かなり血漿分画製剤の原料に献血していただいているという認識を広めるとか、いろいろな形で献血自体の質、もしかしたら場合によっては輸血用血液のリクルーティングと血漿分画のリクルーティングに何らかの重しづけとか何かが要るかもしれないし、そういうことが献血推進の中にも質的変化が生じる可能性があると思うのです。

 そういう意味で言えば、今、輸血を血液ベースに今まで考えてきたわけですけれども、やはり原料血漿の需要量をもうちょっと精緻化する方法があっていいかと。昔の記憶なのですけれども、クリオを前提に集めていて、アルブミンが過剰使用だというときに、アルブミンをたたくとFFPが持ち上がるとか、そういう輸血用血液と血漿分画の相関関係もかつては存在していたと思うのですけれども、今の現状は私は素人なのでわかりませんが、そういった関係も見て、若干精緻化した形で推計をして、それを踏まえて献血を推進していく。直観的にはそんなに下方修正をする必要はないのかもしれないなという気も、若い人が少なくなってくるので、結局は85万人というのは多いかもしれませんが、やはりそれを目指してやってちょうどいいくらいかもしれないなという印象を持ちました。

 以上です。事務局としてはそういう考えですよね。

○衞藤座長 事務局のほうからはよろしいですか。

○山本(隆)血液対策課長補佐 事務局でございます。今も御説明させていただきましたとおり、私どもといたしましては、とりあえずこの資料1-5に関しては国内メーカー3社が必要だと言ってきた量ということになるので、この量と今現在、日本赤十字社のほうでも新たな原料血漿の確保策であるとか、いろいろな効率的な献血の仕方を検討いただいてもらっているというところもありますので、そういうところも踏まえて現状で対応している、考えていることをベースとして置いたところで、この量をとるとした場合にどれくらいのことをやらなければいけないのか、どれくらい実際に血液が必要になってくるのかというところも考えていただくということになるのかなと思うのです。

○花井委員 わかりますよ。おっしゃることはわかるのですけれども、かつて調査機構があったときにはクリオベースで現場の医療機関の動向の調査を毎年やっていたわけですね。その後、血液法ができて国が需給計画を立てるようになって、事実上それは出荷ベースで調べれば問題ないということで特に重点は置かれなかったのですが、今回ここに及んではいわゆる医療機関ベースでの需給予測を今回日赤がアンケートをしたように、血漿分画においても一定程度は調査するというのは価値がある話ではないかなと思います。

 以上です。

○衞藤座長 田中委員、どうぞ。

○田中(純)委員 今回から委員として参加させていただいて、ちょっと温度が違うかもしれないのですけれども、今、花井委員が需要と供給の問題とパーセントの目標値と原料血漿のほうをまとめてお話になったのですが、まず私の認識は今日の説明をずっと聞いて、目標値の設定がどうかという問題と、それを基にして考えていったときに最終的には原料血漿も必要になるので、補正とか調整という考え方が必要なのかというふうに話を分けないと、わかりにくいかなと思うのです。

 原料血漿の必要量については、今、厚労省のほうから御説明があったようにメーカーのほうから聞かれた数だと。目標値、献血者数あるいは本数がどれくらい必要かということはいろいろな仮定がありますけれども、いろいろなシミュレーションに基づいて、これくらい必要だというような話があるわけです。今、花井委員のほうから目標値はこのままでいいのではないかどうかということも含めて、データに基づいて、花井先生はもちろん専門家でいらっしゃるのでとてもよくわかるとは思うのですけれども、いいのではないか、悪いのではないかという議論ではなくて、もうちょっと推計等の詰めた議論をしていただかないと、私も初めて参加した委員としてはよくわからないので、というのが意見です。

○衞藤座長 大平委員、どうぞ。

○大平委員 献血推進調査会のあり方の問題になりますが、今回の資料だけですと、これからの目標値とか、いろいろシミュレーションを立てていくのに、先ほど花井委員からもお話がありましたが、輸血用の血液製剤に偏っている議論になっています。資料も出てくる資料はほとんど日赤側から輸血用血液製剤の資料だけがベースになって議論されているというところで、本来のこれからの献血必要量等の目標値を定めていくのに、本当にこれが正しい検討の資料になるのかというのがかなり疑問に思っています。

 1つは、やはり献血というのは、血液又は血液製剤が必要な患者さんのために献血してくださることがというところが原則です。そのための輸血用血液製剤。それから、先ほど原料血漿のところで話が出ましたけれども、分画用の血液分画製剤。そういったものが両方きちんと供給されて献血が必要な患者にいきわたり、日本ではきちんと献血が確保されているのだなというところが明確になってくるわけです。ここに出てくる資料というのは、先ほどの資料1-5の1枚のペーパーしか出てきていない。これも企業側にヒアリングをして提出していただいている資料なので、きちんと日赤も献血を推進していくとしたら、原料血漿の部分というものがどういうふうに使われ、そして、また人に役立っているのかということが献血者の人たちに伝わって、それが献血の推進に役立てているという、そういったところが日赤のほうから出てこないと、何か日赤は輸血用血液製剤だけのことを献血推進の方法としてやっているのではないかと見受けられるようになってしまうということは、献血を推進していく上で大変デメリットになるのではないかと思うのです。

 これだけたくさんの献血者の人たちがいろいろと協力していただいているわけなので、これがどういうような血液製剤、分画製剤として使われているかという姿を、本来ならば、献血推進の一つの主軸である日赤が両方とも啓発していかないといけない。そこの中で献血推進は成り立っていくのではないかと思います。これは厚労省のほうも一つの課題としてあると思うのですけれども、そこが一つきちんとこの献血推進調査会の中でも位置づけて議論されないと、献血全体の実像がなかなか見えてこないところがあると思います。

 今回のいろいろな日赤の報告の中の資料がいっぱい出てきていますけれども、実際の原料血漿のニーズとして、どのくらい原料血漿として回って使われて、それがこれからの需要予測として国のほうも、そして、また日赤もシミュレーションを立てていると思うのです。これは原料血漿として価格がついて売買されているわけですから、きちんとそれを利潤として日赤は上げているところもあるわけですから、それについてのこれからの将来予測というのは日赤なりにきちんと立てていると私はそう思っているわけですけれども、そういった資料も本当は明確に出していただいて、日赤がどういうふうに献血血液の有効利用をしているかというところを、ここのところで目標値を定めていく中でも検討資料として出していただくということが本来の姿ではないかと思いますので、日赤の御意見もお伺いしたいと思っております。

○衞藤座長 日赤のほうから御意見はいかがでしょうか。

○日本赤十字社前野経営企画部次長 日本赤十字社血液事業本部経営企画部の前野でございます。

 今、大平委員から賜りました御意見でございますけれども、我々としましても当然、献血者、国民の皆様からお預かりした血液がどのように使われているかということは今以上にPRをしていきたいとは考えております。また、原料血漿の見込みにつきましては、我が社としては正確なところを読み切れないというところはございますけれども、来年すぐに120万リットルが必要かというと、先ほど国からの御説明もありましたとおり、すぐに120万リットルの確保をしなければならないというようなことではないとは考えてございます。

○衞藤座長 よろしいですか。

○大平委員 そういった根拠とか、そういうものを説明する資料が本来は日赤のほうから出るのが、こういう推進調査会としては役割だと思うので、事務局のほうもその辺はきちんと請求していただけるようにお願いしたいと思います。

○衞藤座長 ありがとうございます。そのほかにいかがですか。

 竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 先ほどから血液の血漿量の将来予測が出ていますけれども、今回末端の各科の医師にそのようなアンケート調査がされたということは、予測値の概算を得る上で大きな出来事だったと思います。その内容は非常に答えやすくもあり、返答率もかなりよかったと思うのですけれども、一方でどういうファクターで将来予測値が減少していくのかという予測はなかなかしにくいのではないかと思います。こういった資料は消化器学会及び循環器学会、血液学会でそれぞれお持ちだと思いますし、調査もされておりますので、そちらの学会にも資料の提供依頼を出してみるのも一つの手ではないかと思っております。

 血漿量の増加等々に関しましては、これは供給側における調査であることが先ほどから指摘されております。これも同じ基準で消費側のアンケート調査及び同様の学会への調査をされてみると、また違った結果が出てくるのではないかと思います。私の大学では血漿分画製剤も一元管理をしておりますけれども、血液そのものと比較して、血漿分画製剤の出庫はやはり最近は減量の傾向をたどってきております。私の大学では減少しているように感じますけれども、各施設の動向をもう一回、何らかの形で調査されるのも一案かなと思っております。

 あと一点です。先ほど輸血教育に関して、文部科学省への厚生労働省様からのお願いということで毎年されているということでしたが、文部科学省側から学校へのアプローチとか、経過に関しましては何か情報をお持ちなのでしょうか。もしそれがわかれば、教えていただきたいと思います。

○衞藤座長 お願いします。

○山本(隆)血液対策課長補佐 竹下委員のおっしゃる文科省のほうの話でございますけれども、先ほど私どものほうで文科省の話をさせていただいたのは、要は学校における献血の推進ということで、まず学校で献血ができるという場を提供してください。さらには教育する場を提供してくださいということと、高校に対するお願いというのが中心であったところでございますけれども、先生が今おっしゃられていたのは大学病院だとか、そちらの話ではなくてですか。

○竹下委員 そうではなくて、このテーマは以前から問題になっていて、高校あるいはそれ以前の段階における輸血教育という部分で厚生労働省だけでは限界があるでしょうということで、文部科学省も巻き込んで協力を要請しましょうという話で進んでいると思うのです。このように毎年積み重ねられているということで、文部科学省様が行ってきたことの成果はある程度、厚生労働省様のほうで把握されているかどうかということです。

○山本(隆)血液対策課長補佐 恐らく成果というものは私どものほうでは持ち合わせていないというところで、我々のほうは文科省に対して、我々がやることに対して文科省からも御協力をお願いするということで、文科省のほうから各教育委員会宛てに通知を出して、教育委員会から各傘下の学校、または教育委員会でなければ大学法人の主管課でありますとか、そちらのほうからもそれぞれの学校に対して文書で要請をしていただいているというところなのかなと思います。

○衞藤座長 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。事務局からどうぞ。

○山本(隆)血液対策課長補佐 原料血漿の話は先ほどからいろいろと御意見をいただいているところでございます。これは確かにいろいろと難しいところはあるのかなと思っておりまして、まずは平成26年度に中期目標を設定した際のシミュレーションで行ったものがずっと100万リットルで推移をするという前提だったというところがあります。それで実際の各メーカーさんは国内の分画製剤メーカーのほうで今後の見通しを立てるに当たって、恐らくそういうことを戦略的にもやっているでしょうから、どれくらいの原料血漿が必要になるかというのはヒアリングをして、これは多分表に出させていただいてもらったのは恐らく、私も過去のことはよく見ていませんから申しわけないのですが、なかなかこういうデータをこれまで示したことがなかったのではないかなと思っているところでございます。

 原料血漿を見ただけでも、当初のシミュレーションとメーカーのほうで必要だと言っている量を見ると、これだけ乖離があったという形が既にもう見ているところ。一方で日本赤十字社のほうでも採血をしていくに当たってはコストもいろいろありますし、日本赤十字社も日本赤十字社でこれからの事業計画をちゃんと考えた上で事業を実施していらっしゃるでしょうから、どれくらいの数、必要量を見込んで計画を立てていらっしゃるのかというところも、先ほど大平委員もお話がありましたけれども、そういうところも踏まえた上で、まずは日本赤十字社のほうとしてはどれだけ実際にとることができるのかどうなのかというようなところも次回は提示をしていただきながら、御議論をしていただければと思っていたというところで、まずはきっかけづくりといいますか、前さばきという形でこういうデータがあるところを提示させていただいているというところでございます。

 事務局からは以上でございます。

○衞藤座長 ありがとうございます。この件に関しましてはいかがですか。

 花井委員、どうぞ。

○花井委員 今の事務局の説明で了解なのですけれども、何が言いたいかというと、献血推進調査会として資料1-1で全然目標に達していないどころか下がっているではないか、大変な話だ、けしからぬと言ってアクセルを踏まなければいけないのか、結構これはそれほど要らないのではないかと言って、この目標値から乖離していても慌てなくてもいいのかなみたいな両方の資料が出ていて、もちろん今、事務局が説明したとおりですけれども、推進する側からすると、どちらなのだという感じで今は思われていると思うのです。ですから、早急に事務局が言われたように、えらいこっちゃと。目標値に向かっているのにむしろ下がっているのだと。アクセルを踏まなければ大変なのだという感じなのか。ちょっとアクセルをダウンしていけばいいのかということを早く示すことが献血推進している方々への責任かなと思います。言ってみれば、この調査会としては忸怩たる感じになっています。

 1つだけ、せっかく新しく学生さんが来ているので伺いたいのですけれども、どうなのですかね。献血推進の現場で、私らは実際の患者で医療現場を見ているのですけれども、血漿分画製剤でもそれなりの難病な患者さんが使っていて、そういう生々しいというかリアルな使用の現場について、もうちょっと出たほうが推進というのはいいのか。それとも、もうちょっとふわっとした理念的な形でやっておられるのかというところでいつも思うのです。何となく血液が足りないと言うと昔ながらのイメージで、輸血というイメージがあって大量出血とかそういう感じなのですけれども、献血推進でもしかしたら血漿分画というところがクローズアップされたときに、そういった血漿分画製剤を使っている医療のありようをもっと知ったほうが推進しやすいのかどうかというのはどんな感じですか。

○衞藤座長 磯山委員、お願いいたします。

○磯山委員 全国学生献血推進実行委員長の磯山です。

 学生に向けて献血の大切さを伝えようということで全国の学生が各地で活動をしているのですが、学生に伝えるときに余り時間がない。友達に会ったときに例えば、昨日とかこういう会議に行ってきたと言ったりとか、献血バスが大学に来ているから行ってみないとか、余り時間をとって説明する機会がないので、なかなか難しい話はできないかなと思っています。それでも、もう少し詳しいことを伝えたいという気持ちがあって、先ほど資料にもありましたが、献血セミナーというものを学生が講師となって昨年度から実施しておりまして、その際には輸血、血が出たときに血が必要というよりは、がんの抗がん剤治療のときなどにたくさん使うのだということは示していて、イメージと違ったなという声があったりとか、そのセミナーをすることで結構ラフな感じにわかりやすく説明することを心がけているので伝わりやすかったりとか、これからやってみようという声がたくさんあったりするので、難しい話というよりは伝わりやすさが重要かなと思っております。

 以上です。

○衞藤座長 田中委員、どうぞ。

○田中(純)委員 私は献血推進にかかわる厚生労働省の研究班で献血の需要とか供給についての研究もここずっと何年やってきているのですけれども、日赤のほうが今日提示になられたようなシミュレーションも、全く別の方法で日赤の献血者のデータを使って推計をしたことがあります。そうしますと、やはり日本赤十字社のデータとほぼ同じような2025年くらいまでに80万人とか100万人くらい足りなくなるというのが出て、それは大変なことだと思ったわけです。

 ですけれども、あとの実測値もまたずっと追っていますと、それほど大変な危機的な状況にもなっていなくて、今、花井委員が言われたように、減っているから大変でいても立ってもいられなくて、とにかく集めないといけないのではないか、医療が崩壊するというような状況ではないなという感覚を持っていたところ、今日の御発表の推測値で、それほど必要にはならないのではないかと。シミュレーションまでいろいろな仮定を置いてシミュレーションをしているわけですから、その当時の疾病構造とか手術の状況とか必要量に応じて将来予測をするわけですから、その医療状況が変わってくる、手術の侵襲性があるものが減ってくるということになると事情が変わってくるわけです。なので、そういうふうに変わってきたのかなと思う一方、では、このままでいいのかというところのデータ、原料血漿の必要量とかが科学的に数字を合わすことができない現状の中で、この数字がどうかこうかという話はまだ判断できないということが一つあります。

 では、献血の本数が足りないかということになると、この調査会ですけれども、どのように推進していくのかということになってきて、若者を増やせばいいのかと。あるいは中高年層で複数回来る回数をもっと増やせばいいのかとかいうことが、また次の問題として来ると思うという感じでいます。

 今日初めて出たのでしゃべらせていただきたいのですけれども、私が献血の行動について思っていることは、献血をするという行動はボランティア活動の中でも非常にレベルの高いというか、いろいろな災害のときのボランティアもありますけれども、自分の持っている血液を定期的に提供して、病気に罹っている人の治療薬に役立てようというボランティアの心は社会的に倫理的に見ても、ボランティア精神に高いも低いもないのですけれども、割と高いレベルのものだと思っているわけです。この献血というものの位置づけをもっと社会の中で高く位置づけをして、例えば就職とか大学の入学などでもボランティア精神を持っているということが必要だと言われている時代の中で、そういうことをもっとプロモーションしていくというか、企業の中でやっていくというような動きとかは今あるのでしょうか、ということをお伺いしたいなと思っています。

○衞藤座長 今の御質問だと思うのですけれども、高等学校の保健体育の保健にボランティア活動の例として日本赤十字社のことが掲げてあって、その中に献血のことを触れている状況にあるかと思うのですけれども、事務局のほうから何か補足的な答えはありますか。

○山本(隆)血液対策課長補佐 確認をしてみないと何とも言えないところでございます。

○田中(純)委員 質問というよりも、広報とかそういうものの中に、そういうボランティア活動なのだということをよりもっと強くというか、社会に訴えるような広報活動をすることが社会全体として献血に人が目を向けていく方向になるのではないかと思うのですけれども、そういう方向性が今までもあったのかということをお伺いしたいのと、今後そういうことも効果的ではないかということを意見として申し上げたのであります。

○衞藤座長 根岸委員、どうぞ。

○根岸委員 先ほどからボランティアというお話がありましたので一言お話をさせていただきたいのですが、私どもライオンズクラブ国際協会、私は330-A地区と申しまして、東京地区の代表なのですが、ボランティアとしてアクティビティーとして献血活動を東京200クラブのうち、ほぼ半数以上のクラブが年に大体4回前後、いろいろ献血車を出していただいてやっておりますが、医学的な話があったので、私はそちらのほうは存じ上げませんが、現場に出て献血を呼びかけている者としましては、今は献血車を出しましても50名程度が集まればいいような状況ですので、非常に大変な活動となっております。声を上げて各クラブ持ち出しでいろいろなものを持っていっても、なかなか声をかけても参加してくれない方々が多いというのが現状でございます。

 ただ、その中でライオンズクラブの東京地区でも大学のほうに出向きまして、献血車を送っていただいております。そこでは先ほど田中委員がおっしゃっていたように、献血というのは一番身近にできるボランティアだということを申し上げて、若い方に参加していただくようにしております。せっかく東京地区は200クラブありますので、今後また献血していただける方が増えていくように、それぞれのクラブまたはゾーン、リジョンといいまして、大きなものにして、どうやったら献血していただく方が増えていくのかというのは、また新たに委員会がございますので、そちらのほうでもいろいろと話をしている途中でございます。ただ、本当に一番身近にできるボランティアですので、ここは若い方、特に大学生の方にお話をしていくようになっていくと思います。すみません、ありがとうございました。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 大平委員、どうぞ。

○大平委員 資料1-2とか資料1-3で「献血者確保対策について」というところですけれども、若年層への働きかけやその他の啓発活動とかがいろいろ出ていますが、これらについての実際にどういうような効果が上がったか、献血率が上がったかどうかという、そういう評価というのは実際には厚労省のほうや日赤のほうでもとられているのかどうか教えていただきたい。

 これは参考資料1-5の年2回以上の年代別複数回献血回数のところですけれども、ほとんど右肩上がりでずっと来ているところは40代、50代、60代の方が圧倒的に多いわけですが、これの将来予測のシミュレーションは、この後のところは多分シミュレーションを立てられるのではないかなと思うのですけれども、この人たちがだんだん、40代、50代、特に60代の人たちが献血に参加できなくなってくると、幾ら10代、20代、30代の人が上がったとしても、このシミュレーションの40代、50代、60代の人たちのほうの確保人数に追いついていかないのではないかと、これは直感的な見方ですけれども、そういうのを考えると、今後の献血の血液をこれからいろいろと供給するに当たっても、必要量としてはやはり落ちていくのではないかとは思うのですが、今回、輸血用血液については見直しみたいなところが日赤のほうからの資料として出ているわけですけれども、若い年代の人たちが今後余り伸びないとしたら、やはり危機的な状況になっていくのではないかという予測は立つのかどうか。

 今、実際にこれからの推計をしていくのにも要素がいっぱいついてくるかもしれませんけれども、絶対的な人口の減少と高齢者の人たちからの献血が少なくなっていくとすると、私個人としては献血者の確保は大変難しくなっていくではないかと思うのです。これは輸血用血液だけではなくて、原料血漿を確保していくにもかなりの働きかけは必要なのではないかと思うのですが、日赤のほうでは今はどのようなお考えかどうか教えていただきたいと思います。

○衞藤座長 お願いします。

○日本赤十字社早坂経営企画部献血推進課長 御意見、御質問をありがとうございます。参考資料1-4の2ページをご覧ください。こちらが平成28年度の年齢別献血率を示したものでございます。1669歳までご覧のとおり、棒グラフのほうは献血可能人口、折れ線グラフのほうが献血率になってございます。おわかりいただけますとおり、18歳、19歳というのは非常に高い献血率でございます。我々といたしましては、この年代の方たちが将来にわたって安定的に御協力いただけるように、20代の前半で若干ぐんと落ちるところがございますので、今後の確保対策といたしましては、ここの落ちているところの率をさらに高めるよう、推進に特化するということでございます。ちなみに年齢別の献血者数は本日の資料にはお示ししてございませんけれども、18歳、19歳に関しては大きな減少はございませんので、これからはこの18歳、19歳を含めた10代の献血者確保をしっかり行っていきたいと。そういう部分で先ほど先生のほうからお話のありました献血について、いろいろ理解を求めるということを特に若い方の意見を参考にして、そのような広報活動、推進活動を展開してまいるという考えでございます。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 村井委員、どうぞ。

○村井委員 若者の献血を増やすという意味では、保健の授業で触れるということになっておりますが、献血が大切なボランティア活動であることの他に、生徒が行動に移すには自分にかかわること、これは大変なのだと認識することが一番大きな動機づけになります。それは自分自身であるとか家族ということになりますが、そういう機会は少ないかと思います。

 もう一つとしては、どれだけ献血が必要なのかという事実、これは何とかしなくてはいけない、自分事ではなく、実際に本当に大切なことなのだということを訴えることがもう一つの動機づけになります。ボランティア活動であるということと、先ほど花井委員のほうから大学生の献血セミナーではどこまで必要なのだという話をしているかというお話がありましたが、単に輸血が必要なのだということではなくて、血液というのはこういう使われ方をして、本当に必要なのだという動機づけとなるような指導もしていく必要があると感じております。

○衞藤座長 ありがとうございました。たくさん御意見をいただきまして、主に3つくらいのカテゴリーの御意見ではなかったかと思います。輸血だけではなくて、血液製剤をつくる上での血漿の確保ということで、いろいろな異なるシミュレーションが出されたわけですけれども、その必要な血液量が結局どれだけなのだということがもう少しわかるように根拠を示して、次回にお示しをいただきたい。必要原料血漿量とか輸血用血液製剤の需要とか、いろいろな資料が示されたのですけれども、最終的に必要な血液量は将来どのくらいなのだというあたりがもう少し明確な根拠をもって、日本赤十字社のほうで御検討をいただけないかということが一つあったと思います。

 献血ということがボランティアとしての意義ということで、もっと強調して社会に広める必要があるという方向性。高校生も含めて、献血というものがボランティアとして、とても大事なことなのだということが、その価値をもう少し広める必要があろうかという御意見があったと思います。そして、さまざまな取り組みを特に若年層に向けての働きかけとか、いろいろな取り組みをしているのですけれども、その取り組みの成果はどうだったのかというような評価はきちんとしておくべきではないだろうか。そういったような御意見もあったかと思いますし、それに関してはここですぐ結論は出ないのかもしれませんけれども、今後そういったことも何らかの形で測定可能な範囲で、そういった評価をしていただければと思います。

 この件で大分時間をとってしまいましたので、本日いただきました御意見を踏まえた上で資料等を修正して、9月に開催予定の血液事業部会へ報告をお願いしたいということでございます。また、次回の献血推進調査会におきまして「献血推進2020」の議論を行っていきたいと思います。今日は限られた時間でございますので、そういったことで次回も議論をするということでよろしいでしょうか。

 竹下委員、どうぞ。

○竹下委員 今、座長の先生がおまとめになっていただいたことでよろしいと思うのですけれども、背景として、今、医療は大きく変わっていて、がん治療も分子標的治療が導入され、造血細胞を余り減少させないような治療に変わってきています。手術もどんどん新しい機械が導入され、それが末端の医療機関まで進んで出血量が少なくなってきています。エリスロポエチン製剤なども適用疾患が広がってきて輸血量が減ってきている。そういう変遷期であるから、資料を準備することはなかなか難しいと思います。日赤のほうで今度、末端の医療機関を調査され始めたというのは画期的なことだと思いますので、これをぜひ継続して、またその結果をお知らせしていただきたいと思います。資料のベースが同じ消費側にあるような、立ち位置が同じで、経時的な評価も必要だと思いますので、併せて厚生労働省様のほうにお願いしておきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

○衞藤座長 ありがとうございます。医療の内容が変換期であるということで、なかなか予測が立てにくい部分があるけれども、ということでお話をいただきました。

 山本委員、どうぞ。

○山本委員 今日は遅れてしまって済みません。駐車場がなかったのです。初めましての人もいるのかな。私はここの委員でもあるし、推進しているプロジェクトリーダーでもあります。

 今日は遅れてきたので追いつくために必死に聞いていたのですが、非常に大切な話を、この会議では必要な数字等々が出ておりまして、そこも大平委員が突っ込んでいたところとか、それも必要だろうなというのもありましたけれども、抜けていることがあるかなと思って、私が感じたことを言うと、まず数字、数字というのは数字がもちろん根拠を示すということは当然あるのを前提に言いたいのですが、熱量というか、これはものすごく大切なことだと思っているのです。

 例えば学生ボランティアで、私もLOVE in Actionでいつも一緒に頑張っているのですけれども、皆さんが御存じのように企業でもチームでもスポーツチームでもそうですが、そこにある一体感とか、日本中が献血はものすごくいいよね。献血は血をとるだけではなくて、命のお勉強ができるよね。人間としての人権としての命の大切さとしての一番大事なことを伝えられる一つのツールになるよねというものだと思っていて、それが例えば親たちが学校に献血バスを呼ぼうと思ったら、何でうちの子からとるのみたいな声を聞くこともあるし、すごく数字も大事だけれども、あるいはやり方とか、例えば学生が今、何をやっているかというと、そうやってセミナーをやっています、わかりやすくやっていますと言うけれども、しゃべる仕事をプロにしている私らからしたら、どうして私を使って、学生の人たちがセミナーをするときに伝わる物の言い方とか構成とかセミナーづくりとか、そういうのは結構プロでやっているのだから、それを簡単にDVD一つを撮って渡したほうが伝わるセミナーができる。セミナーをやったけれども、やらないよりはわかりやすくやっているのですごくプラスにはなっているのですけれども、そういう何かどれも抜け落ちているところがある気がするのです。伝えにくいですけれども。

 だから、まずここの会議のこの空気が私は好きではない。私らは「We are 親戚」と前から言っていますけれども、「We are 親戚」で血がつながっている兄弟、親戚だと思っているのですが、何か奥歯に物が詰まったような言い方に私は個人的には聞こえたので、もっと腹を割って、私は日赤もつらいのと違うかなとそばで見ていて思うのです。ここで言えていないこともあるのではないかなと、企業だし、つらいのではないかと思うのです。ただ、今回のこの資料を見たときに日赤さんはおもしろい資料を持ってきたなと。私はいつも日赤に突っ込むのですけれども、おもしろい資料を持って来たなと思うのです。花井委員もすごくいいことを突っ込んでいるなと思いながら、ほとんど私はよくわからなかったのですけれども。

 時間がないからこそ、もっと熱量が要ります。というのが今日の一番の感想で、例えばがんがんにしたい話が、ボランティアについて高尚なことだと言っていいのか、いやいや、高尚だけれども、身近にあって誰でもできることだと言ったほうがいいのかという話もばんばん出ておかしくないし、日赤さんがこれは難しいのという言い方でしゃべってもいいと思うし、何か空気がかたいのです。もっとフランクにしゃべったら誰かに怒られるのですかね。記録に残るからかな。今日のこれも全部記録に残るのでしょう。でも、私らは前も言ったけれども、ブルーのユニフォームを着ている日本代表ですから、大平さんがおっしゃるようにLOVE in Actionができているのか。結果が出ていない、下がっているではないかと言いたいと思うのです。でも、私だって言いたいです。では、やれている連中と比べられる資料はあるのかいう話です。私らが8年間どれだけのことをやってきたのか、下げ止まりをさせている資料が出てくるのかとか言いたいことはいっぱいあるのです。でも、そういう話をわっとする空気、熱量がないことを、次回からはその熱量を期待したいと思います。

 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 それでは、次回の本献血推進調査会においても「献血推進2020」の議論を引き続き行っていきたいと思います。ということでよろしいでしょうか。

 それでは、日本赤十字社におきましては「献血推進2020」の見直しに向けて、必要血液量、必要献血者数等の検討をし、事務局におかれましては「献血推進2020」の見直しの案を次回調査会に提出をお願いいたします。

 それでは、議題2に移りたいと思います。「採血基準の改正について」です。資料2について事務局より説明をお願いいたします。

○山本(隆)血液対策課長補佐 事務局でございます。時間も押しておりますので、手短に説明をさせていただきます。資料2でございます。必要に応じて参考資料2-1及び2-2もあわせて御参照いただければと思います。

 資料2の「1 改正の趣旨」でございます。安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、略して血液法と呼んでございますが、この第24条第2項において「採血が有害であるとされる採血不適格者は厚生労働省で定める」というような形で省令への委任規定が設けられております。これを受けて厚生労働省令である、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則の第14条第2項及び別表第2におきまして、採血不適格者の範囲を定めておるというところでございます。今般、ここで定めております採血不適格に関する部分につきまして、採血の事情を鑑み、省令施行規則の改正を行うというものでございます。

 「2 改正の内容」でございます。1は採血不適格者の基準に係る期間の起算日を採血が行われた日であることを明確にするというものでございます。これは法令上特段規定がなければ、民法に規定する初日不算入の原則が適用されるという判例があることから、初日を算入する場合には法令において明確化する必要があるということになります。実際には初日を算入する期間の計算を行っていますので、実態に合わせた改正ということになります。

 難しい言い方をしましたので、具体的なイメージを湧かせていただくために例として説明をさせていただきますと、例えば男性が今日火曜日に400ミリリットルの全血採血を行ったといたします。採血基準上は12週間後の今日火曜日であれば採血が可能となるのですが、民法の場合ですと初日の不算入の原則ということになりますので、例えば12週間後の明日でないと採血ができない。火曜日ではなくて水曜日以降でないと採血ができないことになってしまうということでございます。これは水曜日ではなくて火曜日でもできるのですよというようにするために、初日の算入をするというような形での省令改正を行うということでございます。

 資料をおめくりいただきまして、2ページでございます。新旧対照表をつけてございますけれども、14条に第3項として新たにその規定を追加するというものでございます。

 もう一点でございます。採血不適格者の要件である総採血量及び総回数の算定期間を「過去1年間」と今は表示しているものから、「過去52週」というように改めるということでございます。これは企業や学校献血のスケジュール調整上、例えば毎年度同じ月、同じ週の今日・火曜日だとかいうような言い方で採血の実施日を定めるというような調整が行われているという現状に鑑みたものということになります。具体的には1年が365日になるわけでございます。これは52週にプラスすること1日ということで、52週だと364日、1年という言い方をするのと52週という言い方をするので1日ずれが生じるというところでございます。今年の8月の第1土曜日は8月5日であるわけですけれども、翌年の8月の第1土曜日は1日若返って8月4日になるということになってきます。そのために1年単位の総量規制をクリアすることができないので、採血ができないということになってくる。このために採血不適格者に関する期間を1年という表記から52週に改めるというものでございます。

 今後のスケジュールといたしましては、この調査会で御審議をいただいた後、御了解をいただければ、パブリックコメントを実施した上で、その結果を踏まえて9月に開催予定の血液事業部会のほうに上程をさせていただきます。そこで御了解をいただければ、10月上旬に改正省令を公布し、来年4月1日の施行というような形で進めていきたいと思っております。

 資料2、議題2につきましては以上でございます。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして、委員の皆様から御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

 特にございませんようですので、採血基準の改正につきましては、異論はなかったということと判断させていただきます。事務局におかれましては、今後パブリックコメントを実施し、その結果を踏まえて9月に開催予定の血液事業部会に上程をし、了承を得た上で本年10月の省令公布、来年4月の施行に向けての準備をお願いいたします。また、日本赤十字社におかれましても適切な準備をお願いしたいと思います。

 それでは、議題3に入りたいと思います。「厚生労働科学研究の報告」です。高校生献血のきっかけに関する意識調査について、竹下委員より御説明をお願いいたします。

○竹下委員 高校生献血のきっかけに関する意識調査をやっております。前回は論文を提示させていただいたのですけれども、その後の意識調査の結果を資料3に示したスライドを用いて今日はお話ししたいと思います。

 スライド2、今回、現高校生が献血するきっかけとなる事項やそれにかかわる要望を明らかにして、献血推進活動を行う上で有用な資料にしたいという目的で、先ほど来、言われております1619歳の献血人口の減少をターゲットに話を進めてまいります。

 スライド3、アンケート調査を実施したわけですが、まず研究の概要とアンケート調査案を高等学校側に送付しまして、各高等学校にて先生方で検討をしていただいた後、文書にて可否連絡をいただきまして、参加協力の得られた高等学校にアンケートを配布し、被験者は回答後、自分でその回答を封筒に入れて封をして、名前がわからないまま、回収し、解析するという形をとりました。アンケートの条件は無記名・匿名化で被験者の自由意思という基にやらせていただいております。詳細は前回の論文をご覧ください。

 スライド4、参加高等学校は30校であります。35校にお願いしましたが、5校からは断られました。その原因はさまざまでありますけれども、ちょうど受験の時期であるとか、あるいは先生方には理解できなかったとか、それは各高校の事情によると思いますので、ここには記載しません。参加人数が1万6,369人で、これは大きな数だと思います。

 質問の内容を今回取り上げましたのは「1高校生の皆さんに広く献血をお願いするための効果的な広報手段は何ですか?」ということで16項目を挙げまして、その中から複数回答をさせていただきました。「2献血について要望又は知りたいことがありますか?」ということで10項目プラスアルファの回答をお願いしました。「3自身が献血するきっかけとなり得る事は何だと思いますか?」、「4初回献血がきっかけになったのは、どんなことでしたか?」という内容です。

 スライド5、結果ですけれども、高校生の皆さんは非常にこういうことに熱心でありまして、95%の方が回答してくれました。未回答の中にはその時の病気による欠席者も含まれていますので、この率は相当高率であると理解できます。献血経験については、残念なことに「献血経験あり」というのは8%で、「献血経験なし」が89%です。この高校生の方を献血経験ありの側に何%引いてこられるかということが今後の課題だろうと思います。学年比で言いますと、今の進学の件、就職の件から影響しているとは思うのですけれども、3年生がやや低いのは致し方ないと思います。男女比はイーブンでしたので、これはアンケートが正確に行われているという一つの指標であると思います。

 スライド6、「高校生の皆さんに広く献血をお願いするための効果的な広報手段は何ですか?」と質問したところ、テレビがトップを占めました。その次が「授業等」で、学校で行っていただくことが上位を占めました。最近出てきた「TwitterFacebook」も3位に上がっています。学校に出張してくださる「献血バス」が有用であると。また、これも新しいものだろうと思いますが、「携帯アプリ」が認められました。その後に「新聞や雑誌」、「広報活動」、「ポスター」、「チラシ」の順になっていきます。

 スライド7、「献血についての要望または知りたいことは何ですか?」という質問ですけれども、「献血についての正しい知識、必要性」をもっと知りたいという回答が多かったです。私たちが正しい知識や必要性を訴えかけているつもりでおりますけれども、高校生たちはもっと知りたいということです。献血する場所、日時などもわからないといった生徒さんもお見えになる。献血された血液がどのように使用されるのかもまだ知られ渡っていない。学校などでの献血の機会を増やしてもらうのは、これは私たちが考えていかなければいけないことであろうと。学校の授業で献血の重要性について取り上げてほしいという意見もありました。

 スライド8、次に結果4ですけれども、「自身が献血をするきっかけとなり得ることは何だと思うか?」です。「大切な人に血液が必要になったら」、献血はやるだろう。「学校で集団献血」をやったら献血をする。「献血バスがあれば」ということは、条件設定を私たちが考えていかなければいけないことと思われます。そして、「どれだけの人が血液製剤を必要かわかったら」献血したいということで、これは広報活動の問題であろうと思います。その他「家族や友人等からの後押し」、「人助けになることがわかったら」等々があげられました。

 スライド9、「初回献血のきっかけになったのはどんなことか?」という質問です。「学校、公園等に献血バスが来ていた」ので乗ったという回答です。「家族・友人・先生からの後押し」があった。「学校、クラス全体で献血しようとする動き」があった。「学校で行われるということを知ったから」。4番目は学校からの広報。5番目は「学校からの授業の説明」ということで、学校からのアプローチが非常に有用であるということもわかります。

 スライド10、「献血歴の有無と意見の内容」ですけれども、本人と周囲の献血歴がある群では献血の機会や採血環境の改善に関する意見が多く、本人と周囲の献血歴がない人たちは献血の認知度、どうしたら献血というものを理解してもらうか、献血に貢献できるかという、意見が多かったです。

 スライド11、「総括・考察」ですけれども、効果的な献血の広報手段としては、テレビはいまだに重要で、今後TwitterFacebook、携帯アプリという割合が上がってきておりました。また、従来型のポスターやチラシは、対効果面で再考されていく必要があるのかもしれません。約半数の高校生が献血に関する正しい知識や献血の必要性を知りたいと考えています。高校生の献血に関わる者は、高校生側のニーズを理解しておくことが必要だと思います。例えば「大切な人に血液が必要になったら」というような具体的なテーマを主題にした広報、学校での集団献血や献血バスの存在は、高校生が献血をするきっかけで重要だとわかります。

 スライド12、初回献血のきっかけは、献血バスが来ていたこと、周りから勧めていたことが6割を占めていたということです。本研究を行って、高校生が献血をするきっかけ、献血への要望がもう少し明らかになりましたので、献血向上につながっていくことを期待したいと思います。どうもありがとうございました。

○衞藤座長 ありがとうございました。

 ただいまの竹下委員からの御報告につきまして、委員の皆様から御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。いかがですか。

 何かございますか。よろしいでしょうか。竹下委員、どうもありがとうございました。事務局及び日本赤十字社におかれましては、この研究の成果も踏まえ、また取り組んでいただければと思います。

 それでは、議題4の「その他」ですけれども、事務局より御説明をお願いいたします。

○山本(隆)血液対策課長補佐 それでは、その他でございます。時間も押しておりますので、これ以上は特にございませんけれども、次回の献血推進調査会の日程でございます。こちらにつきましては、また追って御連絡をさせていただきます。

 以上でございます。

○衞藤座長 ありがとうございます。

 そのほかに委員の皆様から何か御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日の議題は以上でございますので、これにて終了したいと思います。本日は御多忙のところ御足労をいただき、ありがとうございました。

○山本委員 5分残っていますね。もったいないからいいですか。

○衞藤座長 どうぞ。

○山本委員 日本を代表したメンバーですから、もったいない。先生、断った高校の理由は受験勉強と、あとは何ですか。

○竹下委員 受験勉強がというよりも、このアンケート調査を試行した時期が9月からという時期に入ってきているのです。たまたま調査が入っただけなのですけれども、受験や就職活動のために、9月以降からですと調査プログラムを組みにくい。つまり、このアンケート調査をするのに授業時間を割くことがなかなか難しい。受験勉強や就職活動に影響を及ぼすというよりも、受験や就職活動の授業時間の中から切り割くのがなかなか難しいということ。それから、受験あるいは就職を控えていて献血をしにくいという高校生の意見はありましたけれども、これは学校側の意見ではありません。

○山本委員 なるほど。ここにいるWe are 親戚の大人の皆さんはどうですか。私の感想は、根本的なことが伝わっていない。LOVE in Actionで声を嗄らして8年言い続けてきたのは、ここにいるメンバーもそうですけれども、その学校の先生もそうですけれども、輸血に世話になっていない命はないと思いませんか。皆さんの一族の誰も輸血を受けていない一族はいますか。多分一族の誰かは輸血を受けていますよね。26世代を遡るだけで1億3,000万人くらいの人がつながっていることになりますからね。

 学校の先生がアンケートはそんなに難しいですかね。こんなに時間がかかりますかね。受験勉強に支障を来すくらいのアンケートを出しましたかね。思いませんか。私はこれが問題だと思うのです。LOVE in Actionをやっているときからずっと言っているのは、なぜ学校にバスが入れないのだという話です。なぜ学校、文科省と一緒にやれないのだみたいなことをずっと私は最初から言っていて、徐々に文科省という言葉が出てきたけれども、根本的に私が肌で感じているのは、10代は熱いです。ボランティア精神がものすごいです。大学生も。ただ、伝わっていないのです。ここに書いているように、命の意味とか。献血は関係ない人、輸血は関係ない人はいないということを知らないのです。関係ないと思っているのです。家族や大切な人がそうなったら動くと書いてあるけれども、おかげさまと言って、会ったこともない人、かげの人でおかげさまと言うのだと先輩たちに私らは教わったではないですか。だから、お母ちゃんが子供を産んだからといって、その命はお母ちゃんの子だけでもないし、DVをしたらお母さんが捕まるし、それは何でと言ったら、水道管を張っている兄ちゃんがいて、哺乳瓶をつくっている人がいて、おむつをつくっている人がいて、家を建てた人がいて、そういう人らに支えられた上でお母ちゃんが育てているだけで、血液製剤も住所を書いていないのです。だから、おかげさま袋と私は呼んでいるのです。

 このアンケートをいただいて、竹下先生、本当にありがとうございます。私はものすごく熱くなりました。思ったとおりだと思ったのです。これはテレビとか簡単に書いていますけれども、テレビで例えばCMを流すだけでもものすごく予算が要るのです。でも、簡単なことです。本当にどういうお金がかからない方法でも何でもいいけれども、例えば学校の中でちゃんと話せて、子供らにわかるような話し方、暗くしてVTRを見せて、みんなが寝ている、先生も寝ているというようなのではなくて、どこもそうだとは言わないですけれども、それは聞いたことがあるリアルな話です。高校生が目覚めた瞬間、TwitterFacebookもがんがんに上げますから。インスタも勝手に。さらに高校生たちがそうやって目覚めて活動し出したら、テレビ局が絶対にただで撮りにきます。

 だから、私は今回のアンケートでやっぱりかと思ったのは大人です。学校の先生を含め、私らです。でも、私らは責任は感じているけれども、責める必要はないですよ。何でかと言ったら、私らは意味などは教わっていないから。要するに死にたいという子に、何で生きなければいけないのかという子に私らは答えられますか。意味など教わっていませんよ。微分積分は何で使うのかと答えられますか。私らは子供が学校に行きたくない、何であの学校に行かなければいけないのか、何でこの勉強をしなければいけないのか、何で生きなければいけないのか、私の命だし死んでいいだろうと言われて、即止められますか。あるいはちゃんと説明ができますか。できないです。私らは説明を受けていないです。でも、その意味は心の中に全員が知っています。学校に入れない、学校でそういうことができない。だから、今、大学生が一生懸命にセミナーをやっているというのは続けると絶対に効果的だと思うのですけれども、数字もいいですが、私は何かその辺の話もここでいっぱいしなければいけないのと違うかなと思うのです。

 次回は遅れずに必ず来て、誰かに怒っているわけではないのです。私は自分の自責の念を込めて、ちゃんとやりましょうよ。私はやりますということで、遅れないように来ますので、よろしくお願いします。本当にごめんなさい。しゃべるプロなのにこんな空気にしてしまって本当に済みません。

 以上です。

○衞藤座長 熱いお話をありがとうございました。また次回もよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の検討会はこれにて終了いたします。どうも皆さん、御協力をありがとうございました。

 


(了)

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