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2019年3月18日 第25回政策評価に関する有識者会議 議事録

○日時

平成31年3月18日(月) 14:00~16:11

 

○場所

中央労働委員会講堂(7階)

○出席者

菊池座長、渥美委員、井深委員、岩佐委員、岩崎委員、印南委員、内田委員、遠藤委員、大西委員、玄田委員、平野委員、藤森委員、山田委員

○議事

○政策評価官室長補佐

 ただいまから第25回政策評価に関する有識者会議を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。本日は河北先生、本田先生、宮崎先生、皆川先生につきましては、御都合が付かず、また体調不良の方もいらっしゃり、お休みとの御連絡を受けております。

 初めに本日の全体会議の開催に当たり、政策評価官の中村より御挨拶をいたします。

 

○政策評価官

 政策評価官の中村でございます。委員の皆様方におかれましては、平素より厚生労働行政の推進に多大な御協力を頂きますとともに、本日はお忙しい中御出席を頂きまして、改めて御礼を申し上げます。

 厚生労働行政は、非常に国民生活に密着した幅広い分野がございますが、私どもでは、これらについて適切な政策評価によって、PDCAサイクルを着実に機能させていきたいと考えております。この政策評価を取り巻く状況として最近、政府全体でいわゆるEBPM、政策根拠に基づく政策立案というものを進めるとされており、政策評価につきましても、これと一体的に進めていくこととされております。従来以上にロジックモデル、論理的な関係がしっかり意識して取り組まれているかということを、政策評価においても加味していくことが必要となっていると思っております。

 具体的には、各施策において、どういう社会状態の実現を目指すべきかという部分に向かっての目標というのを立てていただいて、それに対して導入される資源、実施される活動、そして結果としてもたらされる成果の関係を、事前にしっかり整理をしておいて、それに基づいて評価をしていくということで進めていきたいと思っております。この点につきまして、是非、先生方のお力を賜りたいというように考えております。

 本日はまず、平成29年度からの5か年計画、いわゆる「基本計画」と言っておりますものと、これを踏まえて毎年策定しております実施計画につきまして、来年度に向けて若干新しい点がございますので、その点の御説明をさせていただきます。その後、再来年度の夏に事後評価を行うことになっている施策が18ございます。それらの事前評価についての御意見を頂きたいと思っております。

 政策評価の実績評価を実施する前提として、事前に事前分析表というものを作ることとされております。先ほど申し上げたロジックモデルという考え方が適切に取り入れられているかどうかについて、担当の各課と私どものほうで、いろいろやり取りをさせていただいて作ったものではございますが、足りない点もあるかと思いますので、御所属のWGにかかわらず、幅広い忌憚のない御意見を頂ければと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日の会議は事前に御案内したとおり、ペーパレスとしてタブレットでの会議とさせていただきます。資料となるファイルは、マイプライベートファイルに格納されております。資料の内容について御意見、御質問を御発言いただく場合には、初めに該当するファイルの名前の左端に振られている番号を言っていただければ幸いです。本日の全体会議の座長は、当室より菊池馨実委員にお願いしております。今後の議事進行については、菊池座長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 

○菊池座長

 全体会議の座長を務めさせていただく菊池と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日はお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。本日は、大変多岐にわたる議題が用意されております。とは言っても、お忙しい委員の皆様ですので、何とか予定どおり16時に終了したいと考えております。よろしくお願い申し上げます。

 まず議事次第の1、平成31年度の「政策評価に関する基本計画()」及び「事後評価の実施に関する計画()」について、事務局より御説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 まず議題1について、事務局より御説明させていただきます。議題1は、平成31年度の政策評価のルールに関するものです。5年ごとに大きな見直しをしている基本計画と、その基本計画に基づき、毎年度の評価ルールを定める実施計画です。現在は平成29年度から始まる第4期の計画期間中ですので、必要な箇所のみの改正を予定しております。具体的な変更点は3か所あります。

 1点目として、マイプライベートファイルの05に基本計画別紙として、個別の評価書を作成する単位である政策体系というのを定めております。具体的変更については、03の資料を御覧いただければと思います。本年10月より消費税が10%に上がるタイミングで、年金生活者支援給付金という制度が開始されます。この制度は、年金を含めても所得が低く、経済的援助を必要とされている方に対し、給付金を支給するものです。制度の趣旨として、公的年金制度を補完するものであること等に鑑み、既存の施策目標10-1-1に含めることとし、「公的年金制度等」というように、「等」を新たに追加することを考えております。

 2点目です。基本計画の04、マイプライベートファイルの047ページを御覧ください。基本計画ではシステム整備関係の事業について、いわゆる「骨太の方針2005」に基づき、成果重視事業として、毎年度に評価書を作成しておりました。これは各府省同様のものです。しかしながら、これまでの政府における電子行政推進に関する各種計画を統合する新たな計画が昨年策定され、その計画の下に各府省庁でも、新たな中長期計画が策定されました。そのため、システム整備の関係については、今後は別の枠組みでフォローアップがなされることとなりましたので、本基本計画からは削除することを考えております。

 3点目です。こちらは実施計画の変更ということで、資料番号06、該当ページは2ページです。内容としては、法律又は政令で規制を新設・改廃する場合には、従前より政策評価法に基づき、規制の事前評価なるものを行ってきました。事前評価に対応して規制の事後評価というものもあり、厚生労働省では実施計画に基づく、より具体的な作業マニュアルである実施要領において、規制の事後評価に関する記載をしておりました。しかしながら、本年1月末の総務省の会議で、規制の事後評価についてはより実効性を担保する観点から、基本計画若しくは実施計画に格上げして記載することが求められました。基本計画の改定年の場合は基本計画、そうでない場合には実施計画ということでしたので、これまで実施要領に記載していた内容を、今回、実施計画に格上げしたいと思います。

 以上、3点の変更点があります。ただいま御説明した内容について、御意見を賜りたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 

○菊池座長

 ただいまの説明について何か御意見、御質問等はありませんか。いかがでしょうか。

 特にありませんので、事務局におかれましては、平成31年度の基本計画及び実施計画を策定していただければと思います。

 続いて議事次第の2、平成31年度実施施策に係る政策評価の事前分析表()について、御議論を頂きたいと存じます。初めに事務局より、具体的な進め方について御説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 タブレットの08のファイルを御覧いただければと思います。こちらが政策評価実施予定のローテーション表です。この表は第4期の基本計画中、つまり平成29年度から5年間の評価実施時期を示したものです。「実績」と記載された年度に当該施策目標の実績評価書を作成し、毎年夏に開催される各WGにお諮りすることを予定しております。本日は平成31年度事前分析表()のうち、平成32年度に実績評価を行うもの、すなわち平成32年の夏に各WGにおいて評価書を御議論いただく施策目標について、御意見を頂きたいと考えております。

 具体的には、ファイル名の左端に振られている番号のうち、092618の施策目標を原則WGごとに、ただし施策内容に関連性のあるものについては、同時に質疑応答という形で行いたいと考えております。効率的な御議論のために、WG内で24程度のグループに分け、質疑応答を予定しております。施策目標とは、いわば実現したい社会像であり、それに向けて背景・課題を適切に分析・把握できているか、課題を踏まえて様々な観点から、複数の達成目標を設定できているか、また、設定した達成目標の進捗状況を把握するために、適切な測定指標を設定できているかといったように、事務局若しくは担当部局が作成した事前分析表が、ロジックモデルを意識したものになっているかという観点から、委員の皆様から御意見を頂ければ幸いです。大変恐縮ではございますが、時間の制約上、今回は質疑応答から始めさせていただきたいと思います。

 

○菊池座長

 進め方について、何かありますか。よろしいでしょうか。

 それでは、ただいま事務局より説明のあった進め方で、事前分析表()についての御議論を頂きたいと存じます。委員の皆様はお気付きかと思いますが、今回、事前分析表の書式を随分工夫してくださっています。また、これから議論してまいりますが、取り上げ方やグルーピングについても工夫をしていただいています。

 それでは、医療・衛生WGの事前分析表についての質疑を始めます。対象の施策目標は、在宅医療・介護連携による地域包括ケアシステムの構築に関する9番と、高齢者の在宅生活に必要な生活支援・介護予防サービスの提供に関する24番の2つです。24番は福祉・年金WGに属するものですが、地域包括ケアシステムを構成する要素ということで、施策としては一体的に議論することが望ましいため、併せて御審議いただくことにいたします。施策目標ごとに、担当課に作成していただいた9番と24番の事前分析表について、御意見、御質問などがあればお願いいたします。ファイル番号ではなく、施策番号の1-1-2という呼び方でお願いしたいと思います。

 

○山田委員

 1-1-2について質問です。この施策目標名で、「病床機能の分化・連携を推進」というのが書かれております。それに対して、背景・課題などがあるのはいいのですけれども、これに対応する「病床機能の分化・連携を推進」というと、介護医療院という新しい施策が出てくると思うのです。当然、そちらは平成30年から入ってくるので、達成目標をモニターしていかなくてはいけないと思うのです。そちらが、この測定指標等でどういうように反映されているのか、そこの部分はどこにあるのかということです。

 それから、背景・課題に、「医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ要介護者や認知症高齢者」とあります。地域で暮らしていくことについて、認知症高齢者というのは、家族介護ではとても支え切れない大きな負担が生じるわけです。例えば、認知症対応型のグループホームとか、そういったものが重要になってくることは明らかで、それらに対する測定指標などがどうなっているのか、その2点についてお伺いできればと思います。

 

○医政局地域医療計画課

 まず、第1点目の病床機能の分化・連携の指標への御質問、介護医療院が平成30年から出た後に、この指標の中にどう反映されていくのかという御質問ですが、第1に、介護医療院に関する指標について、この中には含まれておりません。まだ、そういったところではないのです。

 もう1つは、医療連携の関係です。病床機能を分化して、どちらかと言うと在宅をどうやって支えていくかという観点からの指標がありまして、病床機能自体が関係する指標については、今回の指標の中には含まれていないという現状になっています。これまでの指標は、やはり病床機能を分化・連携して、その先は病院の患者に在宅のほうに行っていただいて、在宅で医療をきちんと提供するというところを中心に書かせていただいているというのが主になっています。

 あと、医療ニーズを併せ持つものとの関係で、いわゆる要介護者の問題や認知症の関係について、今回の指標の中に入っているかというお話ですが、今回はどちらかというと医療という点から入っているので、認知症の関係などについては、今回の項目の中には含まれてないというのが現状です。


○山田委員

 含まれてないのは分かりました。そうすると、これはどこの指標、別の所で取り上げられるのでしょうか。施策目標の1-1-2に「病床機能の分化・連携を推進」と書いてあるのに、もしここに介護医療院関係のものが入ってないとすると、一体どこに入ってくるのか。非常にうまくいかなかったから、介護医療院が出てきたわけです。だから今度こそ、うまく移行が行われているかというのをモニターすべきだと思います。それがここに入ってなければ、一体どこに出てくるのか。出てこないのだったら、こちらで目標がこういうようになっているのであれば、やはり入れるべきではないでしょうか。同じ質問の繰り返しになって大変申し訳ないのですが、質問です。

 

○医政局地域医療計画課

 介護医療院の関係については担当課がありますので、そちらのほうと少し調整をして検討させていただければと思います。あと、認知症の関係については、私が言ったほうがいいのか分かりませんが、基本目標の11-1-3、「総合的な認知症施策を推進すること」という所にありますので、認知症のグループホームなどについては、こちらのほうで書かれている可能性があるかと思います。ただ、そこは全体的な話になると思いますので、私のほうでは答えられないところです。

 

○政策評価官

 政策評価官室としてお答えいたします。今日は18の部分だけ御議論いただくのですけれども、別途全ての施策について、事前分析表自体は作成するということになっています。そういった中で、きちんと必要なものがどこかの施策の表に盛り込まれているというように、私どものほうで調整を図っていきたいと思います。

 

○菊池座長

 よろしいでしょうか。確かに、施策目標に「病床機能分化・連携の推進」が入っているので、これを適切に反映するものが入っているかという御指摘ですから、事務局のほうで受け止めていただくということでお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。

 

○平野委員 

 11-1-2です。この施策目標は、「地域包括ケアシステムを構築すること」という内容になっていまして、指標のほうの4番目、地域ケア会議が大変重要だと言われているわけですけれども、ここで扱われている開催回数は、どちらかというと個別ケースを扱ったということになっています。しかし最近は、むしろ地域ケア推進会議という施策システムにつなげる会議がその上にあって、そこが重要な役割を果たすのではないかと言われている面があろうかと思いますので、少し個別ケースのほうが。もちろん、そこが基盤になっているという重要度はよく理解しているつもりです。ただ、構築ということを大きな目標として立てた場合、その辺りのいわば施策協議を今後とも推進する必要はないのかという点で、指標が一面的とは言いませんが、施策協議の場の回数も視野に入れていいのではないかと考えた次第です。

 

○老健局総務課

 平野先生のお話は、地域ケア会議の中にも個別ケースのものと地域課題を検討する会議の2層があるというお話で、それはごもっともだと思います。あと、地域課題を検討する地域ケア会議のほうが数としてうまく取れているかどうかという話は、確認をさせていただいた上で、今の点についても検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

 

○藤森委員

 11-1-2の目標の1を見ますと、単身者世帯が増加し、生活支援の必要性が増加するために、生活支援と介護予防サービスの体制を整備するというように設定されています。一方で達成目標1についての測定指標を見ますと、こちらには介護予防が12と書かれているのですが、生活支援の目標が挙げられていないように思うのです。これは挙げていく必要があるのではないかと思います。いかがでしょうか。

 

○老健局総務課

 お話の件ですけれども、地域における展開を見ますと、まずは介護予防のような、支え合いの機能を作っていくところから取り掛かる自治体がかなり多いと思います。そこが広がっていって、次のステップとして生活支援にいくという例が多いように思い、取りあえずこういう形で御用意をさせていただいています。ただ、うまく取り得る指標があるかどうかという話は、御検討させていただきたいと思います。介護予防という取り掛かりになっていますが、ここがいろいろなものの基盤になっているので、まずはこちらからということで御用意をさせていただきます。

 

○藤森委員

 確かに、介護予防から生活支援へという流れはあるのかもしれませんが、必ずしも全てのものが、そういう流れになっているわけではないと思います。また、生活支援サービスは単身世帯にとって、とても重要なものだと思いますので、それ自体を目標に設定することは矛盾するものではないと思います。

 

○老健局総務課

 多分、生活支援というときに、うまく代表性がある形で取れる指標が何かということに尽きるだろうと思います。範囲の見方が自治体の皆様も含めて、どこまでを対象に取られているかという話について、いろいろな解釈の余地があると思いますので、そういう意味では一義的にクリアな形で、数字で取れるものとして何があるのかというお話だと思います。そこは御検討させていただきます。

 

○菊池座長

 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。まだ御発言されていない方を優先でいきたいと思います。なければ山田委員、どうぞ。

 

○山田委員

 藤森委員がおっしゃっていた生活支援については、私もやはり指標を入れていただきたいということで、御検討いただけるということでした。先ほどおっしゃっていた、市町村によっていろいろなタイプがあるということですけれども、そこは事務局のほうでしっかり定義などをそろえて、どういうようにするかということだと思います。介護保険から、どんどん生活支援の部分を外に出しているわけですから、外に出している部分のニードが、ちゃんと供給として賄われているかが分かる指標にしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○菊池座長

 それは受け止めていただくということで、よろしいですか。

 

○老健局総務課

 ちょうど、平成30年度に全市町村実施になっているようなメニューもありますので、そういったもの軸に何が取れるかということで、検討させていただきます。

 

○菊池座長

 よろしくお願いいたします。ほかにはよろしいでしょうか。平野委員、何か関連でとおっしゃっていましたね。では、最後にしたいと思います。

 

○平野委員 

 同じページの(5)の地域支援事業の交付金のことが、1つ指標になっているかと思います。地域支援事業というのは、目的がかなり多様に使われていて、ザクッと全体だけを捉えた指標化でいいかどうかというのは、私も判断が付かないのですが、中身に応じて、構成費なども少し判断する必要があるのではないかという感じを持っているのです。幾つか地域支援事業の分析を見た経緯もあって、ここの中身の分析というのは大変難しいと思います。今の段階だと、交付金の金額みたいなことがベースになる感じだと思うのですけれども、中身の使われ方については、どういうお考えかをお聞かせ願えればと思います。

 

○老健局総務課

 地域支援事業は御案内のとおり、その中にいろいろなメニューが入っています。大きく分けると包括的支援事業といわゆる総合事業という2種類だと思います。それはどちらがどちらと言うよりは、お互いがお互いを必要としているという関係かと思い、今回は総額という形にさせていただいています。もし内訳をという話になるとしても、包括的支援事業と総合事業のような、大きな目盛りでということになろうかと思います。1つのくくりなのか2つのくくりなのかぐらいのメッシュではないかと思います。それがどちらがいいかという話は、私どもの中でも検討させていただきたいと思いますが、くくるとしてもそれぐらいというイメージです。

 

○菊池座長

 それでは、担当課におかれましてはここでの御議論を踏まえ、必要に応じ、事前分析表の修正を御検討いただければと思います。ありがとうございました。

 それでは、次のグループに移りたいと思います。

(メインテーブル入替)

 

○菊池座長

 引き続き、医療・衛生WGの事前分析表について質疑を行います。対象の施策目標は、医療従事者の量・質の確保に関するもので、量的確保に関する10番と、資質の向上に関する11番の2つです。以上2つについて、担当課が作成した事前分析表について、御意見、御質問等があればお願いいたします。

 

○岩佐委員

 すみません、岩佐です。お教えいただきたいのですが、医師の数を増やすということで、その達成の手段の中に医師国家試験の関係比等を上げていますが、私のイメージとして、数を増やすということは、仕事していない人が仕事しやすいようにするか、合格する人、母体を増やすか、どっちらかでないと数が増えないのではないかというのもあって、国家試験を運用しているということだけでは増加と直結しにくいような感じもするのです。何かそこのところが、増加につながるような何らかの工夫等があるのであれば、書いていただいたほうが分かりやすいなと思います。

 

○菊池座長

 いかがでしょうか。

 

○医政局医事課

 医政局医事課です。確かに、おっしゃるとおり国家試験そのものが医師の数を増やす手段ではないのですが、医師の単純な数というだけではなく、こちらにも書いていますが、医師の偏在というのが、今、大きな課題になっています。その医師の偏在といったときに、特に今、なかなかそういった地域に医師が行かないというようなこともある中で、医師国家試験の中でも、例えば地域医療とかプライマリーケアといったようなところをしっかり教育したものを国家試験でも評価することを通じて、そのようなものにも資するというものではないかと考えています。

 

○菊池座長

 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょう。

 

○井深委員

 測定指標に関して、1番と2番があると思いますが、1番が人口10万人対医師数で、これは日本全国の値だと理解するかと思います。2番に関しては、診療科別の医師数のことだと思いますが、この目標に書かれているように、地域における医師の不足が問題であるということから、地域別の医師数という指標も重要であるかと思いますが、そちらが達成目標の指標としていかがかなと思います。

 

○医政局医事課

 ありがとうございます。おっしゃるとおり、課題という意味では医師偏在は非常に重要で、例えば地域ごとの人口10万対医師数というところが重要にはなってくるのですが、今、例えば10万対医師数というように単純に数字を出したとき、それが足りているのか、逆に過剰になっているのかというようなことは、なかなか客観的な指標がなくて分からないというような事情があります。その点は、実はこれと関連して、医師偏在対策ということで、昨年医療法及び医師法の改正、医師偏在対策法案ということで改正を行い、その中で医師の多寡を評価できるような新しい偏在そのものを評価できるような指標を作成して、それを医師確保にいかしていくということを法律の中にも盛り込まれていて、その施行がちょうど今年41日となっているので、今、それに向けてそのような指標を議論しているところです。今の時点では、そのような指標がなかなか難しいということになります。

 

○菊池座長

 井深委員、よろしいでしょうか。ただいまのお話は検討中ということでよろしいですか。

 

○医政局医事課

 はい、検討中ということです。

 

○菊池座長

 はい、分かりました。ほかにはいかがでしょうか。ございませんでしょうか。よろしいですか。それでは、担当課においては、ただいまの議論を踏まえて質疑に応じ分析表の修成を御検討いただきたいと思います。ありがとうございました。

 次のグループに移りますので、テーブルの入替えをお願いいたします。

(メインテーブル入替)

 

○菊池座長

 それでは、残りの医療・衛生WGの事前分析表に基づく質疑を行います。対象の施策目標は、医薬品産業等の振興に関する12番、施策番号1-8-1、地域保険体制に関する13番、同じく1-10-1、総合的ながん対策に関する14番、1-10-3、乱用薬物対策に関する15番、2-3-14つです。

 担当課が作成した事前分析表について、御意見、御質問等ありましたらお願いいたします。

 

○大西委員

 1-8-1、革新的な医療技術の実用化に関する事前分析表の中で、測定指標の2番に、「再生医療等安全性確保法において新たに届出された再生医療等提供計画(臨床研究に限る)の件数」をアウトプットとして測定指標とすると挙げられています。再生医療関係の法律として制定されて5年近くになると思いますが、安全性確保法だけでなく、薬機法上の再生医療等製品や、薬機法が改正されるようですが、今まで革新的医薬品についての条件、期限付承認、運用レベルでやっていたものを法律で明文化するなど、再生医療や革新的な医薬品に関しては、そのような部分の制度の運用ということも現状では行われているように理解しているので、そのような部分の指標も取り込んだ形の測定指標の設定ということは、特に現状では検討されていないのか、検討していないとすれば、特に再生医療等に関して、安全性確保法上の研究の提供計画だけを測定しようとしてくくり出した相応の根拠があると思うので、その点について御説明いただければと思います。

 

○医政局経済課

 ありがとうございます。経済課です。今、先生が御指摘の側面に関しては、関係する1-8-1の施策目標に関わるものとは別に、例えば1-6-1等で有効性・安全性の高い新薬品等を迅速に提供するようにすることと、別途の関連の施策の体系があり、その中での関連の指標立てといったものがなされていると理解しています。

 

○菊池座長

 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょう。

 最初に、進行に御協力をと申し上げてしまいましたが、今、進行表への余裕があるのでどうぞ御遠慮なく。ありませんか。

 

○岩佐委員

 1-10-1というのも、今、議論の対象に入っているんですね。

 

○菊池座長

 はい、どうぞ。

 

○岩佐委員

 1-10-1で保健師さんの人数の増員を挙げていただいていて、これは子供の権利施策のところでの乳児の全戸訪問とも絡んでくる、人的体制も絡んでくるわけです。保健師さんは子供のことだけされているわけではないですが、質問は数を増やすということで、達成手段として幾つかの事業を挙げていただいているのですが、私が読み込みができていないということがあるようにも思いますが、数が増えるということに焦点化したときに、特にこの事業費が従来よりは数が増えることを促進する要素になるのだという部分があれば、御説明いただければ有り難いと思って質問しました。

 

○健康局健康課保健指導室

 健康局の保健指導室です。御質問いただきありがとうございます。次ページの具体的にどの事業がということではなく、こちらのほうで、例えば全国会議などのようなときに、保健師の数をきちんと各自治体で確保するようにというようなことを申し上げているのと、当然、質の確保をできるということは量の確保につながると思っていて、質の確保につながるような研修事業等を支援しています。

 

○菊池座長

 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

 

○岩崎委員

 課題の2-3-1です。こちらは基本的には薬物の乱用などのようなものを防止していく、あるいはその取締についてということが書かれているわけです。私どもは、そのような乱用の後に、医療が必要になったり、あるいは障害が残られて社会生活上困難を抱えるとか、あるいは再度薬物を使用されて塀の中に戻られる方とか、そのような方の支援もやらせていただいているのですが、こちらの中には私どもがサポートしているような部分は含まれていないように拝見しますが、それはまた別の所で、違う形で取り組まれているのでしょうか。その辺をお聞きしても大丈夫でしょうか。

 

○医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課

 監視指導・麻薬対策課長です。確かに、私どもの当課の場合は取締がメインと、あとは薬物に手を出さない普及啓発をメインにやらせていただいています。ただ、私どものほうも、手を出さないようにするということを基本に当然置いているのですが、不幸にもそのようなことに手を染められた方に対して、何もしなくていいのかというのもまた問題だと思っています。

 実際に、分析表の中にも少し書いていますが、達成目標1にも記載がありまして、薬物の再乱用を防止するための取組を進めるという目標を立てさせていただいております。当課の場合、実は来年度から事業を大きく拡充しようと思っていますが、逮捕されて復帰したいと、社会生活に戻りたいという方々に対して、どうしたら手を出さないような形で生活を送れるのかということについての指導の方法、アドバイスの方法は確立してきていて、私ども薬物乱用を取り締まるほうでもそのような方々についての支援も含めて、再乱用防止対策の事業を進めていこうと思っています。一番キーなのは、例えば刑事司法機関だけで持っていてもうまくいかないので、それを地域の医療機関や更生機関にうまくつなげていくことが大事です。私どものリソースは限られているので、どのようにしてそのネットワークを使って、その方々に対する一番良い形というものを示していくのか、地域の精神保健福祉センターなり、そのような所を含めたコーディネーションをどのように回していくのか非常に大事だと思っています。その担当の部局のほうでも予算化していますし、私どものほうでそのコーディネーションをもっとうまくできるように、その方その方に合わせた対応をできるようなことについても進めていこうと思っています。指標の中にはまだ入れていませんが、事業としては展開させていただいてきている現状です。

 

○岩崎委員

 私どもが関わっているような社会福祉の事業体でも、そのような方々の受入れを徐々に始めていたりする事業所もあります。ただ、現実的になかなかその辺にサポートしていくのが大変なわりに、その事業所に対しての特別な手当てというのが非常にまだ少ない状況があるので、差別や偏見というものも残っている現状の中で、大変難しい方たちをサポートしていくというところを、本当に手厚くお考えいただけると有り難いと思います。ありがとうございます。

 

○菊池座長

 先ほどお話ですと、来年度の事業化に伴って、今後指標化ということも検討に入る可能性があると、そのような理解でよろしいですか。こことの関係で。

 

○医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課

 まずは、量的な目標をある程度考えないといけないと、つまりどのぐらいの方にその事業を実際に行っていくのか、やっていくのかということが、大事だと思っています。その上で、それがどのぐらい効果を上げるのかということについて、その指標化も考えていかなければいけないということです。端的に申し上げると、例えば一度手を出しても、例えば何年後まで見たときに、再度そのような形にならないかといったようなものについて、どういった形が見やすいかというのは、中でもいろいろ議論していて、いろいろな指標の取り方があるのではないかということで、その辺は詰めて、再度御提案させていただきたいと思います。

 

○菊池座長

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、担当課におかれましては、ここでの御議論を踏まえて、必要に応じ分析表の御検討をお願いしたいと存じます。どうもありがとうございました。

 次のテーマ、労働・子育て分野に移りたいと思います。

(メインテーブル入替)

 

○菊池座長

 それでは、労働・子育てWGの事前分析表についての質疑を行います。対象の施策目標は5つございますが、まず最初に2つ取り上げます。被災労働者等の社会復帰促進に関する16番、施策番号3-3-2、それから非正規雇用労働者の対策に関する17番、4-2-1でございます。それでは、施策目標につきまして、この2つの分析表につきましての御意見、御質問ございませんでしょうか。

 

○渥美委員

 4-2-1、非正規雇用労働者対策の実績と達成手段のことを伺いたいです。測定指標の5、短時間正社員の導入事業所の割合なのですが、基準年から目標年度の平成32年までに20%ポイント上げなくてはいけなくて、この期間の15年のうち、8割に当たる12年がたっているのにもかかわらず、少し足踏みしている状況で、手元計算だと今までの3倍くらいの増やし方をしない限り目標には達しないと思うのです。下を見ると、達成手段としてセミナー等をなさるという、これは今までもなさってきたと思うのですけれども、これは余り集客がないように私には見えていて、もう少し何か効果的な施策を考えない限り、目標が達成できない気もしないではないのです。着実に上がっているとは思うのですけれども、目標には達しないというところをどう分析されているのかということと、実際それの達成手段として、ここに書いてあるようなことが適切かどうかということを少し教えてください。

 

○雇用環境・均等局有期・短時間労働課

 御指摘ありがとうございます。有期・短時間労働課の多様な働き方推進室の吉村と申します。多様な正社員の関係につきましては渥美委員がおっしゃるとおりでして、今、セミナーという形で全国8か所を回らせていただいているところなのですけれども、なかなか集客の面では苦労している地域もあるとは聞いております。ここの点につきましては、実際にこういった取組をされてうまくいっておられて、例えば人の確保につながったですとか、職員の方の定着につながった事例とか、そういったものを実際の企業の方にお伺いをする形でお話を頂くですとか、あるいはそういった事例につきまして、厚生労働省のホームページにそういった多様な働き方関係を設け、御紹介をさせていただいて、こういったことを取り組んでいったらよかったなということを気付いていただけるようなことというのをやっていきたいと思っております。

 また今回、パートタイム労働法を改正いたしまして、有期雇用労働者もパートタイム労働法の中に入れるという形にしておりまして、この周知の関係は、別途、一生懸命やらなくてはいけないと思っております。その関係で、こういった多様な正社員というのも有効ですよということで、パートタイム・有期雇用労働法の周知とこういった多様な正社員というのをなるべく連携して、やはり法改正があるとなると関心が高まりますので、そういった機会も捉えて、うまくこの多様な正社員の関係につきましても、いろいろな企業さんで取組が進むような仕組みを考えていきたいと思っております。

 

○渥美委員

 ありがとうございました。1点、情報提供なのですけれども、今、おっしゃったように、実際に企業で、この施策で人員確保につながったというのは、労働不足は企業にとって今、喫緊の課題ですので、そこはすごく大きなメリットとしてあると思います。私自身が、岐阜県でワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業表彰というのにずっと携わってきて、過去8年で150社の育成が終わっているのですけれども、岐阜新聞のサイト、あと、そこからYouTubeに飛べるようにして、取組を5分から10分くらいで、今、どんどんアップロードしています。要は、こういう企業がこういう取組をやったら、こういうふうに人材確保に結び付いて、働いている方はこんなふうに喜んでいる、企業業績がこんなに上がっているみたいなことをどんどん出しているのです。それを御覧になった企業が、ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業認定にエントリーしてくださって、施策を実際に自分たちもこういうことをやってみたいとかいうふうに展開したり、あるいはそれが人材確保につながったりという効果があります。厚生労働省さんが作っておられる事例集は内容は素晴らしいのですが、ただ、紙媒体だとやはり弱いので、これからは動画を是非、活用することを御検討いただければいいのではと思います。あとは、実際に生の経営者の声が一番伝わります。講師が、こういう企業もありますと言っても余り伝わらないです。それよりも、実際に取り組んだ経営者などが、こういう施策をやって短時間正社員がこう活躍していますとか、うちの会社はこういう商品を開発しましたみたいなことを語っていただいたほうが効果的だと思います。以上です。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 

○内田委員

 資料4-2-1、先ほどの非正規雇用労働者の同一労働同一賃金の関係ですけれども、目標2の、先ほどの答弁のパートタイム労働法についてです。有期の関係についてはパート法にと、確かに今回の法律はそうなのですけれども、ここに入っている目標2は、有期労働者も含めた表記になっているのかどうかという確認です。

 それと、確かに法施行が派遣も含めて、2020年、来年の41日なのですが、大手が先で中小は1年遅れという形になっているのです。派遣労働者は、確かに2020年から大手は入るのですけれども、この目標2に、その実施年次は違っても、派遣も含めた同一労働同一賃金の指標にすべきではないかと思うのです。少しその辺のところの全体像を、どうしてパートタイム労働法に限定して、均等待遇の表記になっているのかというところを確認させていただけませんでしょうか。

 

○雇用環境・均等局有期・短時間労働課

 御指摘ありがとうございます。まず、4の指標の関係の目標について、パート法しか書かれてないのではないかということにつきましては御指摘のとおりでございまして、現状まだ、パート法しか施行されていないということを踏まえて、パート法しか書いておりません。一方、有期につきましては、労働契約法で規定がされておりますけれども、労働契約法はあくまで民事上のルールという純粋な位置付けになっておりまして、労働局のほうで行政指導などを行っていないというところから、今はパート法はそういった指導も行える権限もございますので、その部分を書かせていただいているところでございます。ただ、今後につきましては、パートタイム・有期雇用労働法という形で一本にまとまってまいりますので、施行後に、そういったパートタイム・有期雇用労働法としてセットとして考えて、有期雇用労働者の方についても含めてやっていくかということにつきましては、今後、検討させていただきたいと思っております。

 また、派遣につきましては、別途、全体の施策の関係でいきますと、後ほどあるかと思いますけれども、施策目標5-1-1で派遣事業という所がございますので、こちらのほうでは今は含めていない形で書いているというものでございます。

 

○内田委員

 この指標が2019年、平成31年の評価であれば、今、言われたとおりなのですけれども、これは2020年、平成32年度の計画なので、もう既に法施行されているわけです。大手も中小も含めて評価しなくてはいけないから、平成32年度の評価に入れてないというのであれば、それは1つの考え方なのでしょうが、片や法施行がされている労働者がいる中で、今、言われたような現行法が適用されていないからというのは、少し時間軸の考え方がずれているのではないかなと思うのですけれども、その辺どうなのでしょうか。

 

○雇用環境・均等局有期・短時間労働課

 すみません。パートタイム労働法しか、まだ現状ないということで、ベースとなる部分につきましては、パート法に基づく数値しか取れていないというところがございます。おっしゃるとおり、パート法に有期雇用労働者も今後入っていくということがございますので、ここの4番目の指標につきまして、有期の方も含めた形で数字が出せるかどうかというところにつきましては、引き続き検討させていただきたいと思います。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。ほかにはいかがですか。

 

○遠藤委員

 私も同じく、資料番号が174-2-1についてであります。指標そのものについてのコメントではないのですが、施策実現のための背景・課題として、大きく123と整理されており、2についてです。「また」以下の記述ぶりですけれども、この文末に、「多様な就業ニーズに対応した就業環境の整備といった課題がある」とあります。先ほど来、説明がありましたように、多様な働き方をどういう形で実現していくかという議論の流れは何ら異論を挟むことではないのですが、「正規雇用と非正規雇用の働き方の二極化を解消し」という一文です。今、問われているのは就業形態、雇用形態にかかわらず、公正な処遇をしていきましょう、本人が望むのであればキャリアアップの機会を拡大し、キャリアアップの機会を有効に使っていただいて、活躍推進を図っていこうという流れです。二極化を解消という言い回し自体が適当なのかどうか、ここで言う「働き方の二極化を解消し」というのは、何を意味するものなのかというのを教えてください。これが1点目です。

 それから2点目で申し上げますと、資料番号の205-1-1です。

 

○菊池座長

 5-1-1は後ほど。

 

○遠藤委員

 5-1-1ですので19番ですが、これも後ほどのほうがいいですか。

 

○菊池座長

 はい。

 

○遠藤委員

 分かりました。すみません。

 

○雇用環境・均等局有期・短時間労働課

 御指摘の4-2-1の二極化というところですけれども、多様な働き方を認められるような形にしていこうということはおっしゃるとおりだと思っております。ただ、現状といたしまして、正規と非正規の間に待遇の関係で差があるということがございまして、そこが働き方などをしっかり踏まえた結果の差であれば問題はないかと思うのですけれども、本当にそうなっているかどうかというところがございますので、不合理な待遇差を解消していこうということで、今回、法律改正もさせていただいております。ただ、ここにつきましては、多様な働き方を推進していこうという中で、多様な正社員というのも普及していこうという話をさせていただいている施策の関係なものですから、いわゆる正社員の方というのと、いわゆる純粋非正規の方との間に当たるような、こういった多様な働き方の中の一環として、多様な正社員、短時間正社員や勤務地限定正社員といったものも作っていくことを進めていこうというところでございまして、そういった意味では、2つしか選択肢がないというよりは、幾つかの選択肢を認められるような形に作っていきたいという意味で、こういった表現をさせていただいているところでございます。

 

○遠藤委員

 方向性は同じですけれども、これまでの議論からいうと、働き方に制約を伴う場合と制約を伴わない場合があり、制約を伴ったとしても働き方や貢献度合に応じて対応していこう。制約を伴ったとしても、胸を張って職場の中で働けるようにということを言っています。このときに、非正規の働き方自体が良くない働き方と思われてしまうような状況もあるわけです。そういうことではないんだよということを言っていくことも必要です。非正規の働き方自体が悪いものであるかのようなことを前提にした記述ぶりにしか読めない部分がありますので、もう少し工夫ですか、そういったものができるのではないかという趣旨で申し上げています。

 

○菊池座長

 今の御発言を受け止めていただいて、表現ぶりも含めて御検討いただくということでいかがでしょうか。

 

○雇用環境・均等局有期・短時間労働課

 表現ぶりにつきましては検討させていただきます。

 

○玄田委員

 同じ資料番号17で恐縮ですけれども、2ページ目の達成手段1(2)のキャリアアップ事業の実施について伺いたいのです。前年度約660億円から1,075億円とかなり大幅な増額が予算で組まれております。その上の測定指標を見ますと、2番目のキャリアアップ助成金が74,000人から112,000人という、かなり大きな目標設定に応じた数字だなと理解をする一方で、達成手段1(2)の内容などを見ますと、事業主支援アドバイザーを配置するということも書いてあって、恐らくこの増額の中には、キャリアアップ助成金そのものと、アドバイザーというある種の人件費というのも含めた数字だろうと思っております。この中身について、どのぐらいの構成をイメージしていらっしゃるのかを教えていただけますでしょうか。言い替えれば、アドバイザーについて十分な予算措置を講じた結果として理解していいのかということを教えていただきたいと思います。

 

○雇用環境・均等局有期・短時間労働課

 玄田委員からの御指摘の関係でございますけれども、アドバイザーと実際のキャリアアプ助成金の支給額との関係で申しますと、大部分が実際の助成金の額でございます。ただ、玄田委員が御指摘のとおり、キャリアアップ助成金の実績を見ていただくと分かりますとおり、正社員に転換した数というのが増えてきておりますので、アドバイザーにつきましても人数を増やしているところです。ただ、やはり先ほど御指摘のとおり、1,074億という中で考えますと、アドバイザーの人件費というのはすごく小さい割合しか占めていないと理解しております。

 

○玄田委員

 十分な予算措置を御検討いただければと思います。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、担当課におかれましては、ただいまの御議論を踏まえて必要に応じ、分析表の修正等をお願いできればと思います。

 次の分野に移りたいと思います。テーブルの入替えをお願いいたします。

(メインテーブル入替)

 

○菊池座長

 それでは、労働・子育てWGの事前分析表についての後半です。3つ取り上げます。個別労働紛争に関する18番、施策番号4-4-1、ハローワークその他における需給調整機能の強化に関する19番、5-1-1、若者のキャリア支援に関する20番、6-2-2、以上3つです。それでは、事前分析表について御意見等をお願いします。

 

○遠藤委員

 先ほどは失礼しました。改めて資料番号195-1-1です。背景・課題ということで、123として整理されています。3つ目に「そのため、学卒未就職者等の若者や復職を希望する女性等」と書かれていますが、その前段部分の「学卒未就職者等」の「等」がいかなるものを対象にしているのかということと、その中身を踏まえた形での指標について御検討されている状況があれば教えてください。

 

○職業安定局首席職業指導官室

 まず、学卒未就職者等の「等」ですが、学卒未就職者といわゆるフリーター等を含めた未就職者、学卒者ではなくて、その後に非正規で就業していらっしゃる若者たちも含めて、この事業自体は新卒応援ハローワーク、いわゆる新卒者、未就職者、若者ハローワークを含めた機関におきまして、民間の活力を活用したキャリアコンサルティング事業を言っておりますので、そういった層を含めての「等」です。

 指標としては、民間に対して事業をお願いする場合にそういった層の方の数も含めた上で実績を問う形にはなっております。それぞれの施設ごとに対象としている層についての指標を使って事業を展開しております。

 

○遠藤委員

 御説明するまでもなく、学校に行っている方々を対象にすれば、卒業したけれども就職できない人、学校を卒業できないまま中途退学した人、実際は就職できたが早期に離職してしまった人と、3つの局面があります。現状の、堅調な雇用情勢を見ますと、学卒未就職者の数は相対的に減ってきています。それに対して、中退者と早期離職者の状況は高止まりしている現状がある中で、中退者と早期離職者の対応についての具体的な指標作りは、本腰を入れてやるべきタイミングに来ているのではないか。そうでないと、雇用情勢が悪くなったときに、この方々を救うような手立て、施策がどんなに考えられたものでも、効果を発揮する状況に至らないのではないかと懸念されるところです。その辺について改めてお伺いします。

 

○職業安定局首席職業指導官室

 首席指導官室のほうで担当している関連する事業については、1点目は本体のほうの若者ハローワーク、新卒応援ハローワークというよりは、それぞれ東京と大阪と愛知だけに民間の事業者を活用しているものでして、中退者自体を指標としてどういうふうに把握していくかということについては、この事業の中においては取り扱っておりません。そういう意味で申しますと、基本業務の中においてどういうふうに取り扱っていくかということについては、別途お答えしたいと思います。

 

○人材開発統括官付若年者・キャリア形成支援担当参事官室

 若年者・キャリア形成支援担当参事官です。私のほうからも、今の遠藤委員のお尋ねに関連して私どもの施策につきまして御説明します。資料の20番、若年者等に対する段階に応じた職業キャリア支援です。この中では、地域若者サポートステーション事業に関わる達成目標等について記載しております。その裏面の記述ですが、内閣の重要施策の右側、一億総活躍プランに基づいて、4の「教育委員会や学校、地域若者サポートステーション等の連携を強化し、就労・自立に向けた切れ目ない支援体制を構築」と、非常に抽象的な表現で、具体的に意図しているところを読み取りにくいかと思いますが、若者の無業化の未然防止という観点から、今、委員からも御指摘があったような中退者の早期の就労支援アプローチは極めて重要であると。その際には、サポステ単体ではなく、学校と連携した上で、中退のタイミングで必要に応じたアウトリーチ支援などを行っていくことが極めて重要であるということです。こうした一億総活躍プランの趣旨などを踏まえて、現在、文科省とも連携した上で、サポートステーション事業におきまして、中退のタイミングでのアウトリーチ支援については、既に各サポステで着手をしているところです。

 ただ、現実問題としては、中退者の中でも高校再入学、あるいは高認試験を通じての大学進学等を希望される方も多いということで、ここの部分については、まだサポステ事業においても、定量的な目標設定を行った上での取組を進めるところには率直に言って至っていないところです。この辺りは、今後のサポステ事業、また就職に当たってはハローワークとの連携も必要になってくる事項です。こうした取組を進化していく上で、目標設定の在り方の観点も含めて、更に検討を進めていきたいと考えております。

 

○遠藤委員

 ただ今のお話にありましたように、中途退学者の高校版については一定の成果も出ていることは、報告されております。大学の場合では、第1位の理由がやはり経済的な理由であるので、復学は現実的ではなく、働かざるを得ない。その方々に対して、誰が誰と協力してやっていくのか。若者雇用促進法が制定されたときに、職安法も改正して労働局とハローワークの対象にしていこうという体制をつくってから数年がたっています。具体的な政策展開が見えないことは指摘されているところでもありますので、今後考えていく中で、有効な手立てとして是非、打ち出していただければと思います。

 

○菊池座長

 ほかにはいかがですか。

 

○内田委員

 1点要望という形になりますが、5-1-1、ハローワークの関係です。各課題に対応した達成目標の目標1の達成目標の設定理由の所に「労働力需給のミスマッチを解消し」という表記があります。今、政府のほうで65歳以降の雇用について、未来投資会議でいろいろ検討されたりとか、厚生労働省ではジョブカード制度推進会議とか、自らのキャリアをカード化して就労につなげるという制度があるわけです。ジョブカードのほうはこれから実用化に向けて検討しておりますが、「ミスマッチ」ということですが、求人側と労働側で労働者のキャリアがきちんとお互いに認識されといったことをきちんとハローワークの中でやっていけば、こういったミスマッチも解消できるのではないかという考え方もありますので、ジョブカードの担当課と調整されて、実用化に向けて動くというタイミングがあれば、こういった目標に入れていただいて推進していく、管理をしていくことも重要な効果的なことではないかと思います。その辺のところも課間での調整をお願いしたいと思います。

 

○菊池座長

 よろしいですか。それでは、御意見として承るということでお願いします。ほかにはありますか。

 

○玄田委員

 同じく資料192ページ、達成手段1(7)ハローワークシステム運営費が平成29年度の約540億円から780億円と、240億円というかなり大幅な運営費の増額が予定されているようですが、この増額の背景を教えていただけますか。これは通常の、メンテナンス的な意味での金額ですか。それとも、平成31年度は何か大規模な改修を予定されているのか教えていただきたいと思います。

 

○職業安定局首席職業指導官室

 この予算については、基本的には保守運営を含んだ経費と思います。詳細についてはすみません。

 

○玄田委員

 特段何か、大幅なシステム改修をするというわけではないということですね。

 

○職業安定局首席職業指導官室

 今、手元のものでシステム改修経費が含まれているか確認が取れないのですが、システム改修については、平成321月のリリースを目指して、現在設計開発を進めております。この時点で、インターネット上での求人者に対しては、求人の受理や変更申請等を受け付けるようなことをサービスとして新しくスタートします。

 

○玄田委員

 いわゆる日本版O-NETとかの関係ですか。

 

○職業安定局首席職業指導官室

 O-NETについては、個別施策の中の3ページ(16)の所に別途記載があります。

 

○玄田委員

 分かりました。違っているかもしれませんが、今後大規模なシステム改修のときにということで、以前、社会保障のシステムと職安のシステムが余り相性が良くないというか、そこでいろいろな不都合が起こって、いろいろな不便を受けるという時代がかつてあったような記憶があって、今後ますます社会保障システムと雇用職業安定のシステムが本当に密に連携しないと、いろいろな不便が起こると予想されますので、恐らくそこでも念頭に置かれて、システム改修の運営等されていると思いますが、是非、その辺りは重々検討いただいて、更に進めていただければと思います。以上です。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。ただいまの正確な御回答も含めて、後ほど事務局を通じても結構ですので、お願いできればと思います。

 

○政策評価官室長補佐

 今の事実確認については、事務局より別途先生方に御連絡させていただきます。

 

○菊池座長

 よろしくお願いします。ほかにはよろしいですか。それでは、担当課におかれましては、ただいま様々な御意見を頂きましたので、必要に応じ分析表の修正、それ以外にも施策への反映を行っていただければと思います。ありがとうございました。次のグループに移ります。

(メインテーブル入替)

 

○菊池座長

 残りの労働・子育てWGの事前分析表についての質疑を行います。2つあります。子育て支援関係で、地域におけるニーズに応じた子育て支援に関する21番、施策番号7-1-2、ひとり親家庭の自立のための総合的な支援に関する22番、7-4-1です。この2つについて、何か御意見、御質問等ありましたらお願いします。

 

○渥美委員

 資料21、地域におけるニーズに応じた子育て支援等施策について伺います。私は子育て支援というのは、点、線、面と3つのアプローチが大切だと思っております。各課題に対応した達成目標の目標1、乳児家庭全戸訪問事業は点のアプローチで、そこから更に年齢に応じて線のアプローチに上げていく、地域の実情に応じて全ての家庭を対象とした多様な子育て支援を充実という面のアプローチ、この施策自体はそのとおりだと思います。達成目標1の乳児家庭全戸訪問事業の達成状況も、あるいは養育支援訪問事業の達成状況もかなり成功していると思っております。点のアプローチは十分で、この1から2を線で結び付けることと、その中で特に支援が必要な虐待予備群、貧困、シングル、多胎児、そういうところを地域のネットワークの中にどう組み込むかと思っております。

 要は、単に訪問するだけでは、実際に訪問したもののいないとか、例えばシングルだと忙しくてしょっちゅう出ていますから会えないとか、実施がほぼ完璧になってきていても、実際にそれが施策目標に合致しているかというと、そうではない現実があるわけです。訪問はできていても、それが数箇月に1度だと引っ越してしまって、その後はウォッチできないとか、いろいろサポートが必要な所になかなか届いていない現状を見ていて、どう虐待防止に結び付けるために、点のアプローチを線につなげて、それを面的に支えていくかというところが今後重要になると思います。達成目標に関しては全然異論はないのですが、この達成状況だと、この次のステップに行く段階ではないかと思っていますので、その辺の検討状況を教えていただけますか。

 

○子ども家庭局総務課

 質問ありがとうございます。子ども家庭局の小林と申します。先生から頂いた御質問は、難しいものではありますが、非常に大事な意見であると思っております。ここに掲げたものは、今、子ども・子育て支援新制度の中で、地域子ども・子育て支援事業として掲げたものです。例えば虐待という言葉が出ましたが、お子さんをお持ちの方の多くの方が結構不安や負担を感じながら育児をしていて、先ほど地域のつながりがなくなってきたということですが、そうした地域で子供を持つお母さんを孤立させないためにどうするかということなのです。現在でも、達成目標2にありますが、例えば地域の子育て支援拠点、これは平たく言えばママ友を作るという場合なのですが、それだけではなくて、今、虐待の話が非常に注目を浴びておりますが、児童福祉法に規定されてきた拠点事業であるとか、あとは全国的に展開しようとしている子育て世代包括支援センター、これは妊娠期から子育て期を一括して支援していくものですが、そうした新しい取組も始まっております。こうした評価の中でも、新制度の中でいわゆる平成27年ごろに始めた話と、いろいろな課題に対応して新しく作ってきたものをどのように組み合わせて良い支援をしていくかということをしっかり考えてまいりたいと思います。ありがとうございます。

 

○菊池座長

 どうぞ。

 

○岩佐委員

 今の関連で、この政策評価の指標の取り方とか、そういうことに関することではなくて、やはり要望的なことになるのですが、今、渥美委員からも御指摘があった部分というのは、私からすると本来ソーシャルワーカーがつないでいくべき仕事だと思っていて、それで地域を見ていますと、結構、保健師さんがそこを丸々任ってやっている所が多いのです。そういう意味では、今回の一連の子育て支援施策の中で、特に子育てに困難な人に対しては、「全部訪問してます。こんな支援事業をやっています。だから達成しています」ということだけではなく、そのつなぎの部分という意味では、市区町村の子供相談窓口のソーシャルワーカーの専門性の確保やニーズの確保が絡んでくるのではないかと、これは要望です。

 もう1点も要望で恐縮ですが、正に御指摘のあった不安をできるだけ和らげるためにということでの訪問事業も素晴らしいと思いますが、今、虐待施策との関係で、むしろ監視的にモニターするというのが前面に出ている部分もあって、訪問される側がどう受け止めるかということもあるので、基本はともかく、これは養育者とか、乳幼児を抱えたお父さん、お母さんたちの支援施策であって、その支援をする中で、不適切要因が見つかれば一気に連携が進んでいくということで、この施策がどうのこうのということではないのですが、結構、現場からもいろいろな意見が上がっているので、その辺も含めて御検討いただいた上での数値目標達成となっていただけると有り難いなという要望です。

 

○子ども家庭局総務課

 正に虐待というのは、極端な例かもしれませんが、上の乳児や幼児の養育支援訪問とは別に、地域の中で子育て支援を行う方たちの中で、このお母さんは大丈夫かなと気付くようなことは結構あるとお聞きしております。やはり各施策をしっかりと、縦割りではなくて、地域の中でもよく連携をしていただくことが、先生がおっしゃったことの1つの考え方であると思います。それはこうした事業を実施する市町村に、ちょうど平成32年度から第2期が始まりますが、そうした見直しの中で考え方を私たちもしっかり心にとどめてお伝えしていきたいと思います。

 

○菊池座長

 ありがとうございました。ほかにはいかがですか。

 

○平野委員

 7-4-1のひとり親家庭のことですが、ひとり親家庭というように母子と父子を統合的にやる施策の意義は大変分かるつもりですが、以前、父子家庭の研究をしていたものですから、達成目標22番目にひとり親家庭の日常生活支援事業の年間利用件数が挙がっていますが、基本的に父子家庭の利用が進まないというのが、以前、研究していたときの大きな課題だったのです。これが統一的な指標でどうしても計算されてきて、父子家庭の利用が進まない現実がなかなか表にならない課題があるという問題があります。全てとは言わないですが、特に、こういうヘルパーが家庭の中に行く支援というのは、父子家庭にとって大変重要ですが、利用が進まないのが大きな課題だったものですから、達成のときに区別を見ながら、父子家庭においても高めるような施策として検討していただければ有り難いという意見です。

 

○子ども家庭局家庭福祉課

 御意見ありがとうございます。今、頂いた日常生活支援事業ですが、昔は母子寡婦福祉法と言いましたが、平成26年にこれを母子及び父子並びに寡婦福祉法に改めて、父子家庭の支援もしっかり行っていくという形にしております。父子家庭と母子家庭の違いもやはり見ていかないといけないという御意見でしたが、こちらのほうはおおむね5年ごとに全国ひとり親世帯等調査を行っておりまして、それぞれ母子家庭、父子家庭のニーズもおさえている形になっております。父子家庭のほうは、確かに日常生活支援でヘルパーの派遣の必要性が高いという御意見ですが、この事業はもともと予算事業であった父子家庭の事業を、それまであった母子家庭の事業に加え広めているという形もあるのですが、実態を見ながらこの施策についてまた進めていきたいと思っております。

 

○平野委員

 指標として区別することは難しいという理解ですか。

 

○子ども家庭局家庭福祉課

 指標としてそれぞれの人数を区別するということですか。

 

○平野委員

 利用の実績を目標値と設定するときに、トータルとしては構わないのですが、相対的に例えば父子家庭の利用が伸びないとか、そういう施策上の格差の問題を是正するという政策指標というか、目標にできないかという意味で、御検討していただければいいかと思います。

 

○子ども家庭局家庭福祉課

 分かりました。検討させていただければと思います。

 

○菊池座長

 委員から意見として出されましたので、この場でできませんというのではなく、持ち帰っていただいて御検討いただくということでよろしいですか。

 

○子ども家庭局家庭福祉課

 はい。

 

○菊池座長

 玄田委員、どうぞ。

 

○玄田委員

 同じく資料22で伺います。1ページ、測定指標の1を拝見しますと、平成30年度の相談件数の数字は出ておりませんが、平成27年度、平成28年度、平成29年度と、ほぼ約75万件前後で推移しております。それに対して、平成31年度は150万件と倍の目標が設定されております。これはKPIでそういう設定をしているからということで150万ということだと思いますが、いかんせんこの2倍の開きがあるのをどう考えるのか。この背景には、相談を必要としているのだけれども、何かの理由で相談には至らないような背景があるという試算のようなものがあって、150万という件数をずっと維持しているのか、それともむしろ、場合によっては、この150万という数字自体をもう一度再検討する必要があるのか、その辺りはどういう形で御検討されているのか可能な範囲で教えていただければ幸いです。

 

○子ども家庭局家庭福祉課

 相談件数の関係ですが、確かに150万件というのは平成27年の子どもの貧困対策会議の決定で、ここにKPIとして設定された形になっております。現在、母子・父子自立支援の相談件数としては約半分の73万~74万件ですが、相談についてはなかなか行政につながってこないという御意見も承っておりますので、そこを何とか行政につなげていただくような形で対応したいという思いがあります。

 この相談件数については、市町村の窓口あるいは福祉事務所等に母子・父子自立支援員がおりますが、そこの相談件数に合わせて、今現在取り組んでいるのは就業支援専門員を配置してトータル的な相談支援を行っております。それから、児童扶養手当という手当がありますが、これは毎年8月に現況届を出していただいた時点で、いろいろな集中相談ができるのではないかという形も取り組んでおりますので、そういった件数等ももう一度見ながら、この150万件については検討していきたいと思っております。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。よろしいですか。今、私も拝見して、具体的な現実的な目標としてどうなのだろうという気も少しいたします。各委員からは指標の設定についてもいろいろな御示唆はあったと思います。それも踏まえて、平野委員ももちろんですが、ほかの委員からも御示唆はあったと思いますので、持ち帰って御検討いただきたいと存じます。よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。次のテーマの福祉、年金分野に移ります。

(メインテーブル入替)

 

○菊池座長  

 まず、障害者の地域生活の総合的な支援に関する23番、施策番号9-1-1でございます。何か御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。

 

○渥美委員

 私の父が統合失調で私自身も発達障害なので、10と12、児童発達支援センターの設置数、あと重症心身障害児の事業所数、ここについて伺いたいのです。基準値も実績もない状態で各市町村に1か所というのは、別にこれでいいとは思いますけれども、ただ、実際問題、今、市町村、特に地方だと平成の大合併で広域自治体がいっぱいあります。ですから、通えるか通えないかという観点で言うと、各市町村に1つでは絶対足りないです。ここは現時点ではこれでもいいかと思いますが、将来目標としては、できれば供給サイドの目標でなく利用者サイドからの目標、すなわち、例えばヨーロッパであれば利用児童が住んでいる家から半径何キロ以内にあるとか、そういう目標設定も、まだ絶対数が不足している状況では現実離れしているのでジャストアイディアですけれども、ただ、将来的にはそういう方向で、是非、目標設定していただけると有り難いと思います。以上です。

 

○菊池座長

 何かありますか。

 

○障害保健福祉部企画課

 御意見ありがとうございます。確かに、いろいろな障害福祉計画で設定しているものは市町村で1か所というものが多いわけですが、今、お話を頂いたようにいろいろな地域がございますので、私どもとしては障害者の地域生活を支える地域生活支援拠点というものを整備しています。これも障害福祉計画上は市町村あるいは障害福祉圏域でということをしているのですが、特に紙には書いていませんけれども、自治体に御説明するときには大体人口10万人から15万人の地域、車で30分ぐらいで行ける所の地域に中核的なものを整備してほしいという説明をしていますので、今の御意見も含めて、次回に目標設定するときには少し検討させていただければと思います。

 

○渥美委員

 ありがとうございます。そうやって運用で指導されているということであればすごく有り難いのです。その上で是非、マッピングをしていただけると有り難いです。各自治体の首長とかの熱心度によって設置状況にかなり濃淡がございます。実際、利用したくてもできない自治体がまだまだ多いので、是非、厚生労働省がそういうところを包括的に調査していただけると、どこが手厚くて、どこが薄いのかというところが分かると思います。是非よろしくお願いします。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。平野委員、お願いします。

 

○平野委員

 同じく9-1-1ですが、こちらの達成目標は、どちらかというと障害福祉計画の数値が主になっていて、それはそれで集約しやすいという側面もあろうかと思います。目標がサービスの体制整備ということで、そういうことになったかと思いますが、達成手段の1(8)に障害者就業・生活支援センター事業が予算的に、もちろん、これが達成のための1つのツールだというのは承知していますけれども、どちらかというと、この機能には相談を支援してつなげていく機能があるので、ここの相談件数を達成目標というかアウトカム、アウトカムよりアウトプットかもしれませんが、つまり計画以外の指標で、より実態に近いというか、それ自体が体制整備を意味するわけではないですけれども、そういうコーディネート機能として、このセンターの意義というのは現場では大変高いと評価されていますので、その実績も測定指標の中に入れていただけないかという思いがありまして、発言させていただきました。

 

○障害保健福祉部企画課

 御意見ありがとうございます。御指摘のありました、いわゆるナカポツセンターと言われている所、障害者就業・生活支援センターですけれども、このいわゆるナカポツセンターの意義、それから障害者の就労については30年報酬改定、法改正などで就労定着支援という新たなサービスが位置付けられたり、個別給付の世界でありますので、そういう意味では、今、御指摘のあったナカポツセンターと、個別給付のそれぞれ就労移行支援や就労定着支援は同じような機能を持っていますので、どういうような指標が適切か更に少し検討させていただきたいと思っています。

 

○菊池座長

 よろしくお願いします。岩崎委員。

 

○岩崎委員

 1つお尋ねします。2枚目の達成目標1の所で、アウトカム、アウトプットの1番目に第5期障害者福祉計画による福祉施設入所者の地域生活への移行者数とあり、今、集計中となっていて28年度の実績のみしか提示がありませんけれども、これは精神科病院からの地域移行の方の数は含まれていないのでしょうか。

 

○障害保健福祉部企画課

 ここは福祉施設、入所施設からの移行者数のみで、精神病院の方は含まれていません。むしろ精神病院のほうは別途、達成目標2のほうで基本的にはカウントさせていただき、7ページの達成目標2の9に、入院1年以上の長期入院患者数で見ているのですが、精神病院の入院者、そこからの地域移行ということについては、ここの数値を目標とさせていただいています。

 

○岩崎委員

 こちらのほうは見落していました。集計中ということですね。ありがとうございます。あと、ここからは関連しますけれども違うことをお尋ねします。あくまでも福祉施設入所者の地域移行という形で1番目の文言が挙がっていますが、この中身に書かれていることを拝見すると、当然、2番目の精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築が掲げられていますので、その点も十分に配慮いただけていると思いますが、長期入院者の年齢階級別の入院受療率は低下傾向にあると書いています。ただ、その中には、私ども精神障害に関わる者から考えますと、病院から死亡退院されているというような、かなり御高齢になられて死亡されて退院されているが故に、人数としては減っていると通常言われるところで、予想していたよりも、精神科病院からの地域移行が進んでいない現状も指摘されているわけですが、その点に関して何か具体的に考えている施策がありましたら御説明いただきたいと思います。

 もう1つ、これは今回の検討課題には入っていないのですが、福祉介護人材の養成確保という指標が、前回に御検討いただいたときは主に介護人材のことがメインになっていて、障害福祉サービスの人材については具体的な指標として触れていないということで、是非、加えていただきたいとお願いいたしました。このたび、こちらも直接関係ないと思いますが、一応、施策の大目標として、必要な保健福祉サービスが的確に提供される体制の整備ということが挙がっています。その具体的な体制整備について、本当にいろいろな事業等が掲げられているわけですけれども、体制が整備されても、そこで働いてくださる質の高い人材がいないと、なかなか成り立たないというか、いつまでたってもサービスの質が上がらないということがございます。また、障害領域は高齢領域と違って、それぞれの障害ごとの特性があると思いますので、その障害特性というものに応じて活躍できるような人材の確保についても、是非、御検討いただきたいです。これはお願いですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○菊池座長

 時間の関係もありますので手短に、コンパクトにまとめていただければと思います。

 

○障害保健福祉部企画課

 ありがとうございます。精神病院の入院者に対する地域移行ということでは、そこにも書いてありますような精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築ということで、現状から更に高みを目指して様々な施策を講じてまいりたいと思ってございます。それから、障害福祉人材については基本的に、これまでも介護人材の処遇改善を行う場合には同様のことをやってきたわけですが、それと併せて、今、御指摘のあった障害特性に応じたという部分がございますので、例えば強度行動障害の研修の充実など、そうした様々な障害に対応できるような施策を更に充実させていきたいと思ってございます。

 

○菊池座長

 よろしいでしょうか。他にもいらっしゃいますか。藤森委員、山田委員、連続して御質問をお願いします。

 

○藤森委員

 手短に申し上げます。7ページの測定指標の⑨で、入院1年以上の長期入院患者数を減少させていくという目標が挙げられています。しかし、私たちが評価する際には、どのようにして長期入院患者が減少したのかというところを見ないと評価できないと思います。言ってみれば、その後、退院された方は地域でどのようにして暮らしていらっしゃるのか、地域の受け皿や支援体制はどうなったのかを見ないといけないと思っています。しかし、そうした点に関する目標がありません。この種の数値目標は一人歩きしがちな点が怖いので、長期入院患者数の減少という目標だけでなく、地域がどう変わり、受け皿や支援体制の整備についての目標を挙げていく必要があるのではないかと思いました。以上です。

 

 

○山田委員

 3点、手短に。まず目標の前にある123ですが、「障害者が地域で自立した生活を営むことができるよう」というのと、障害者の就労支援と2つの内容が混じっているので、これは2つに分けて、それぞれ対応した形にまとめたほうがいいのではないかというのが1点目です。2点目は、達成目標1の6に「前年度の平均工賃月額を上回る」となっていますが、これはもう少し工夫が必要かと思います。というのも、かつては工賃倍増計画というのがございまして、それが生きているのか生きていないのか分かりませんけれども、それで設定された閾値があるのであれば、それに対して何パーセントかという形にしたらどうかと思います。それから、達成目標3についてですが、これは渥美委員から先ほど御指摘がありました。私も全く同感で、これは充足がどれくらいされているのかが重要であって、渥美委員は今後の課題という形で整理されましたけれども、できれば例えば30分以内で到達できるような形での設置がどこまで行われているかといった、そういう補助的な指標もあったらいいかなと思いました。以上、3点です。

 

○菊池座長

 それでは、まとめてお願いします。

 

○障害保健福祉部企画課

 幾つか指摘を頂き、ありがとうございました。就労の課題、地域生活の課題と様々ございますので、頂いた御指摘も踏まえまして、少し次期の障害福祉計画の策定や、この施策目標の目標設定を検討させていただきたいと思っています。

 

○菊池座長

 いろいろな御意見を頂きましたので、それを受け止めていただいて必要に応じて分析表の修正、あとは今後の指標の立て方も含めて工夫していただければと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

(メインテーブル入替)

 

○菊池座長

 それでは、最後のグループに移りたいと思います。残りの福祉・年金WGの事前分析表についての質疑でございます。2つございます。国際協力に関する25番、施策番号12-1-2、社会保障・税番号制度に関する26番、14-1-2でございます。この2つにつきまして何か御意見、御質問はございませんか。山田委員、お願いします。

 

○山田委員

 12-1-2はこれで妥当かなと思ったのですが、これに関連して、もし担当課違いだったら大変申し訳ないですけれども、技能実習生から今度は特定技能に関して新たな制度が導入されて、要するに5年間で34万人も14産業に入って来るということがあり、これは新しい動きで非常に大きなインパクトを与えると思います。具体的には、例えば非正規労働者が当該産業に従事していたら、賃金の低下圧力とか何かでそこら辺に影響が与えられるでしょうし、この12-1-2はともかくとして、そういったことについては、今後、施策目標としてどう関連するのか、あるいは厚生労働の管轄外になるのか、この12-1-2から外れた質問で申し訳ないですが、ちょっと教えていただければと思います。もし、担当課違いということであれば、事務局のほうで引き受けていただいて、どういうふうになっているのか教えていただければと思います。

 

○人材開発統括官付海外人材育成担当参事官室 

 今、担当としては技能実習制度の担当が来ておりまして、本件は特定技能の担当に事務局を通じてご意見をお伝えさせていただくということかと思います。

 

○山田委員

 それは具体的に測定指標とか施策目標など、要するに今までなかった政策がポンと出てきて、以前、政策評価のときにいらした先生が、国民に注目されているものはカバーすべきだし、もちろん予算が大きいものはカバーすべきだと、結構大きな原理原則をおっしゃっていて、当然ながらアウトカム、アウトプットを両方とも示すべきだということがあるので、もちろん今、突然の質問で大変申し訳ありませんでしたけれども、注目されているものであって、また雇用分野について非常に大きな影響を与えかねないものですから、何らかの形でモニターすることが必要かと思います。関連で申し上げて大変恐縮ですが、そちらのほうについて検討していただければと思います。

 

○政策評価官室長補佐

 今の先生の御発言ですが、技能実習ではなく特定技能ということですので、関連する厚労省関係の予算がどこに付いているのかを事務局で確認し、然るべきシートの中で対応ができるように担当部局と調整したいと思います。この場でどこの部局かというところまでは精査しきれないのですが、次の夏の会議のときに御報告させていただきたいと思います。ありがとうございます。

 

○菊池座長

 ほかにはいかがでしょうか。もう1つ議題がございますので、御質問がある方はまとめてお願いできればと思います。答えも一括してお願いします。平野委員、山田委員、あとはよろしいでしょうか。それでは、平野委員からどうぞ。

 

○平野委員

 12-1-2の途上国への支援の関係で水のことですけれども、この分野は日本の地方自治体が、かなり途上国のほうに協力されていることを評価している立場でして、どちらかというと国がということに今回はなっているかと思いますが、そういう国からの市町村のそういう取組へのバックアップみたいな観点というのは、この中には入っていないのでしょうか。

 

○菊池座長

 山田委員からも。

 

○山田委員

 分かりました。私は14-1-2、資料番号26のほうですが、こちらで様々なデータを突合させるために識別子をいろいろと開発していくということで、特に施策実現のための背景・課題の2について、これはこの資料がどうこうというよりも、お願いなのですが、医療とか介護の連携と言われていますけれども、実は学問の世界でも医学研究というところで、ここに書かれていますように重要なのは介護データと医療データ、さらにもう1つは制度間移動ということで、例えば被用者保険から国保に移動するとかいうことなのですが、そうすると要はレセプトでは追えなくなってしまうという問題があります。例えば医療扶助もそうですけれども、あらゆる医療・介護関係のものがつながるような識別子となるよう、適切な評価を行っていただきたいということをお願いしたいと思います。私からは以上です。

 

○菊池座長

 御回答のほう、お願いいたします。

 

○大臣官房国際課

 平野委員からの御質問で水の事業に関してですが、大臣官房国際課より御回答申し上げます。先生から御指摘いただきましたとおり、水事業におきましては地方自治体の正に最前線で活動される方々のお力が非常に重要です。これは正に私どもで主催していますけれども、実際の実施に当たりましては都道府県自治体の関連事業体の方に御参画いただいて取り組んでいるものです。

 

○政策統括官付情報化担当参事官室

 情報化担当の政策企画官でございます。今、山田先生から御指摘いただきました医療等分野の識別子ですけれども、様々な御意見がありまして、マイナンバーは使わないという中で私どもも検討してまいりました。昨年夏の有識者会議の中で医療保険制度の被保険者番号を個人単位化し、その履歴を活用すると、ただし、この識別子というのは機微な情報が結び付くということですので、様々な配慮をしながら活用していくことが現実的という結論を得たところです。

 今回、国会に提出させていただいています健保法等の改正法案におきまして、この被保険者番号の個人単位化、告知要求制限ということも、今、国会のほうに審議をお願いしているところでございます。こういった基盤を活用しながら、先ほどおっしゃった介護分野あるいはデータベースといった分野、さらには保険者を移動するということもそうですが、被保険者番号の履歴を活用する方向にしていますので、先生の御指摘も踏まえてきちんと対応してまいりたいと思っています。

 

○菊池座長

 ありがとうございました。他にも委員の皆様から御質問等がおありかと思いますが、申し訳ございません。時間が切迫してまいりましたので、この辺にさせていただければと存じます。いろいろな意見が出ましたので、担当課におかれましては、この対応のほうをお願いできればと存じます。ありがとうございました。

 進行に御協力ありがとうございました。ほぼ時間になってきていますが、もう1つ議題がございます。「その他」としまして事務局からの報告事項がございますので、よろしくお願いいたします。

 

○政策統括官室長補佐

 本日はありがとうございます。最後に事務局からの御報告事項ということでございます。時間がありませんので手短に私のほうから説明させていただきまして、質疑応答の時間のほうに回したいと思います。ファイル番号は30番です。こちらに関しましては、昨年夏に開催しました各WGで委員の先生方から出された御意見に対し、厚労省の対応状況について記載しています。区分の中で対応困難となっているものを読み上げさせていただきます。2-4-1、化学物質の関係で対応困難、3-1-2、最賃の関係で対応困難、8-2-1、介護人材の確保の関係で対応困難が3つございます。続いて、私的年金の関係で対応困難が2つございます。これらについて先生方から御意見を賜りたいと思います。事務局からは以上です。

 

○菊池座長

 時間のない中での御紹介になってしまいましたが、これまでも言いっ放しで、その後どうなっているんだという御指摘を各委員からいろいろ頂いています。それを踏まえて事務局のほうで今回、このような形で対応に関して調べていただきました。取り分け、対応困難という部分に関して更に委員から御意見を頂ければ、それをまた担当課のほうに返していくということをさせていただきたいという趣旨ですが、何かございますか。山田委員。

 

○山田委員

 指標番号8-2-1ですが、介護人材の資質向上といったことについて対応困難が多いですけれども、なぜこういう議論になったかを簡単に説明しますと、実績値というので、いわゆる、地域医療介護総合確保基金による介護人材の資質向上のための取組を実施する都道府県が、27年度は47都道府県、28年度も47都道府県と、47都道府県がずっと続いているだけの指標ですから、測定指標としては適当ではないのではないかということなのです。国民は47都道府県と並んだ数値を見ても、目標が達成されているかどうかというのは分からないと思います。どうしても政治的にこれを載せなければいけないということであれば、パイロット事業でも何でもいいので実施していただいて、各施設で起こった事故の件数を市町村から吸い上げるように変えたという新聞記事がありましたけれども、それと同じように、虐待でなくてもいいと思うのです。いろいろな指標は工夫して取れると思います。ですから、さすがにゼロ回答というのはいかがなものかと思いますが、47都道府県と書いたもの以外の指標はできないということでしたら、参考指標とか何らかの形で対応していただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。私からは以上です。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。藤森委員、どうぞ。

 

○藤森委員

 8-2-1の私のコメントも、山田委員のおっしゃったことと同じで、47都道府県という目標が達成できましたというのは果たして妥当なのかどうか。それに代替する指標というのは考えていただいたほうが、よろしいのではないかと思っています。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。対応でも今後の検討でも結構ですが、例えば2-4-1の井深委員に関して対応困難となっていますが、何か井深委員からございますか。

 

○井深委員

 大丈夫です。

 

○岩佐委員

 ちょっと一般論になってしまいますが、これに限らず、例えば人数をたくさん増やしましょうとか、その手の類のものがあって、必ず質を確保したいという議論は出てきますから、質を測るのは極めて難しいというのは理解しつつも、しかし、施策を展開する側が「そこは難しいので駄目なんです」と言われると、そこって最も重要なことになるので、効率的にやるにはどうしたらいいかというのは難しいですし、また参考にしかならないかもしれないけれども、国民からこういう御意見があったとか市町村の評判はこんなだったとか、何でもいいのです。今後、これに限らないと思うので、人材の質の確保についての指標の在り方みたいなところについて、私どもも考えていかないといけないとは思いますが、何らかの取り組む姿勢が求められているのかなと思い発言させていただきました。

 

○山田委員

 付け加えるならば、私は経済学分野ですけれども、資質というのは賃金率によって、当たり前のことですけれども相関がものすごく高いというのがありますから、質の代わりに賃金率で評価するということも、経済学的な根拠に基づけば当然ながら考えられるということを申し添えたいと思います。

 

○菊池座長

 内田委員は、3-1-2に関して何かございますか。よろしいですか。所管課がいらしていますが、何かございますか。

 

○社会・援護局福祉基盤課

 8-2-1につきまして御意見を頂き、ありがとうございました。社会・援護局福祉人材確保対策室の片桐と申します。対応困難ということで幾つか出ていますが、その上に対応ということで山田先生からの御指摘を踏まえ、若干の修正をさせていただいています。指標として「介護に関する入門的研修」の実施、これは今年度からこういった事業に取り組んでいますけれども、その入門的研修からマッチングまで、このマッチングというのは就職だったりボランティアだったり、そういった入口の研修から実際の現場にまでつなぐ、そういうマッチングという事業をやっています。これの伸びというか、これは今年度からですので、ここから15%伸ばしていくという、今回、そういう数値を新たに設定しています。そういったことで、ただ単に都道府県の数だけでなく、そういった質につながるような研修の実施と、その裾野の拡大につながるマッチング、こういったものについての指標を、今回、入れさせていただいています。

 

○菊池座長

 ここでも御意見がいろいろ出ましたので、引き続き御検討いただくということで、今、少し改善というお話がありましたけれども、今の御指摘に対して更に何かございますか。

 

○山田委員

 対応しているということではありますけれども、もう少し工夫が必要で、繰り返しになりますが、全市町村が数値が取れなくても特定のパイロット事業で構いませんので、何らかの指標を策定していただくことが、特に介護施設での虐待の話が出てニュースでも取り上げられて国民の関心も高いですから、是非、改めて御検討の上、新たな測定指標を入れていただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。私からは以上です。

 

○菊池座長

 よろしくお願いいたします。先ほど岩佐委員からも質をどう評価するかとありましたが、これは、ここでもずっと難題と言いますか議論してきているところですし、あと今日、いろいろ出た中で供給サイドの数字ではなく利用者サイドというか、それは質にも関わってくるのでしょうが、利用者の側から見てどうなっているのかという、ここも多分、いろいろな所で課題なのだろうなという気がいたします。そういう中で、先ほど障害の所で30分圏域でとありましたが、そこで比較的柔軟に検討しますというお言葉もありました。是非、そういった形で所管課でも柔軟にお考えくださるような方向で検討いただければ、更に良いものができていくだろうなと感じた次第です。ほかによろしいでしょうか。ありがとうございます。今日、実際にお出ましいただいていますが、また事務局から所管課に対して返していただければと思います。

 以上で予定しておりました議事は終了いたしました。本日は大変熱心な御審議、御議論を頂きましてありがとうございます。事務局から今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。

 

○政策統括官室長補佐

 本日はありがとうございます。平成31年度の基本計画案及び実施計画案につきましては、本日の御議論を踏まえた上で策定し、省内の決裁手続を経て、総務大臣へ通知・公表させていただくようにいたします。また、御議論いただいた事前分析表につきましては、原局と必要な修正を行った上で執行額等の数値も記入した上で、本年夏目処で公表することを予定しています。いずれにつきましても、確定した資料を委員の皆様方に送付させていただくようにいたします。また、個別に検討するようにと言われました宿題事項につきましては、次の会議、夏のWGで御報告する形を取らせていただきます。事務局からは以上です。

 

○菊池座長

 10分オーバーしてしまいまして申し訳ありませんでした。それでは、これをもちまして、本日の会議は終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

 

 

(了)

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