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2018年8月6日 第16回医療機器・体外診断薬の承認審査や安全対策等に関する定期意見交換会

医薬・生活衛生局 医療機器審査管理課

○日時

日時 平成30年8月6日

 

○場所

場所 PMDA21~24会議室(14F)

○議事

 

○新村 それでは定刻より少し前ですが、皆様お揃いですので、始めさせていただきます。本日はお暑い中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまから第16回医療機器・体外診断用医薬品の承認審査や安全対策等に関する定期意見交換会を開催します。本日、前半の進行役をいたします医療機器審査管理課長補佐の新村と申します。よろしくお願いいたします。大変お暑いので、上着をお脱ぎになって楽な恰好で意見交換ができるようにお願いいたします。
最初に行政側、業界側代表者の皆様に一言ずつ、御挨拶を頂きたいと思います。最初に厚生労働省を代表しまして、宮本局長からお願いいたします。
○宮本 皆様お忙しい中、本日御足労いただきまして、ありがとうございます。また、お暑い中、本当にいろいろと身体に負担がかかる気候が続いておりますが、それに負けないぐらいのホットな議論がここで交されることを期待しております。冒頭、簡単ではありますが、最近の様子なども含めて御挨拶をさせていただきます。日頃から厚生労働行政、特に医療機器、体外診断用医薬品の薬事法改正の問題について、皆様からいろいろな御支援や御協力などを頂いておりますことに、初めにまず、お礼を申し上げさせていただきます。本当にありがとうございます。
お伺いのとおり、我が国は世界に類を見ない超高齢社会に突入しておりますし、2025年までの話については、「社会保障・税一体改革」のあり方の中で、いろいろな議論がなされております。私ども厚生労働省の課題といたしましては、25年から先を見透して、その後の社会をどうすればいいのかということは、常に視野に入っております。統計でいきますと、2040年、高齢者の絶対数が、恐らくピークに達すると。若干、年限にずれがあるかもしれませんが、今後大きな移民政策の見直しなどがなければ、そういう社会がやってくるということを前提に置いたときに、これからどのような社会保障制度を構築すればいいのかと。特に社会保障制度を構築するというのは、単に安定的な制度運営ができるという意味での見直しだけではなく、そこを実際に動かしていくことを考えますと、高齢化が非常に進んでしまって38%を超えるぐらいの高齢化社会を迎えてしまっているような地方と、それから今に較べると恐らく150%(5割増し)ぐらいの割合で高齢者、特に75歳以上の後期高齢者の方が増えてくるような都市部における医療、それから介護の提供の在り方を考えながら、この制度をどう運営していくのかということが私どもの課題だと思っております。その中で、大きな要素としては、生産性をどう向上させていくのかと。これまで人手に頼っている部分といったものが、どのような技術に置き換わっていくのかということで、これから技術をどう実用化していくのかということが1つの課題でもありますし、そこの技術が導き出してくれたある意味での生産年齢人口の余力といったものを、どういう形で社会全体の中で分け合っていくのかを考えていく必要があるだろうと思っております。
そういう脈絡でいきますと、既に問題になっておりますような、問題と言ったら怒られてしまいますが、課題となっておりますAIやゲノム医療といった問題に今からどういう形で着手し、どういう方向性でそれを展開していくのが今、現在における課題だと思っております。その問題も含めまして、御案内のとおり、7月11日から厚生労働省の厚生科学審議会医薬品等制度部会において、現在の医薬品医療機器等法の見直し作業に着手してきております。これらについては、今申し上げました課題、視点からの見直しを含めて、皆様からもいろいろな御要望を頂いております制度そのものの、より効率的な在り方や、合理性の在り方、なかんずくそれに応じ、「アンメット・メディカル・ニーズ」にどのような形で、我々あるいは皆様と一緒になって患者さんたちのために良いサービスを提供していく制度を、どう構築していくのかを議論してきているつもりです。
取りあえず、夏前までの議論は一巡終わりましたので、秋からは様々な御意見があったところについて深堀りしていくように、個別の論点をもっと深めていき、必要に応じて恐らく、多分やることになると思いますが、来年の通常国会には必要な法律改正なども提出させて、法律の改正案の提出などもさせていただきたいと思っております。
非常に限られた時間ではありますが、残された期間の間に、より良い制度を目指して、何をすべきかについて、議論を深めたいと思っておりますので、皆様からも引き続き、様々な現場感覚に基づく制度の在り方や、2040年は20年先になりますが、20年先に後悔しないために今は何をしないといけないのかと。直ちにできることや、時間がかかることもいろいろありますが、取りあえずやっておかなければいけないことを忘れないで、ちゃんと手を着けておくことが今回の制度の見直しの大きな課題になると思っておりますので、引き続き様々な御支援や御意見などを頂ければ大変有り難いと思っております。
本日の会議においても、そういう観点からのいろいろな御意見を頂けるものと期待しております。ここの場に限らず、引き続きいろいろな所で意見交換をする場があると思いますので、これまで同様、裃をちょっと脱いだ形でも結構なんですが、いろんな意見交換を、実情が分かるような形での意見交換が建設的にできるような場を持たせていただくことについて、いろいろな御支援を頂かなければいけないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○新村 宮本局長、ありがとうございました。次に、PMDAの近藤理事長から御挨拶をお願いいたします。
○近藤 皆様こんにちは。大変お暑い中、この意見交換会に御出席賜りまして誠にありがとうございます。日頃からPMDAの業務の推進については、御指導や御協力を頂いておりますことを改めて厚く御礼申し上げたいと思います。
PMDAでは、これまでレギュラトリーサイエンスに基づいて、合理的、効率的な規制へと改革を行うとともに、国際展開にも積極的に取組んでまいりました。まず、レギュラトリーサイエンスの推進についてです。昨年度、科学委員会の検討を踏まえまして、「AIを活用した医療診断システム・医療機器等に関する課題と提言2017」と題した報告書を公表し、英文の学術誌にも掲載いたしました。併せて、イノベーション推進に資するAI・がんゲノム等の革新的・最先端技術を活用した医療機器開発に向けた次世代評価指標等の構築に取り組んでおるところです。今後も、今年度から設立したレギュラトリーサイエンスセンターを中心にして、昨年、京都で行われました薬事サミットで決定したホライゾン・スキャニングの方法論の分析、これをリードするとともに、レギュラトリーサイエンスの推進に努めてまいりたいと考えております。
革新的な医療機器への対応としては、2015年度より試行的に開始した「先駆け審査指定制度」において昨年12月に、この制度を利用した初の医療機器が承認されたところです。また本年度からは、既製概念におさまらない革新的製品の相談の充実強化のために、新たに厚生労働省のベンチャー等支援戦略室と情報を共有しながら、承認審査から保険償還までの様々なステージで切れ目なく対応する「イノベーション実用化連携相談」をスタートしております。今後も引き続き、厚生労働省と密に連携を取りながら、これらの制度を活用した革新的な医療機器の開発が円滑に進むように取り組んでいきたいと思っております。
次に国際展開ですが、これまでもPMDAとしては、日本初の国際標準等の策定推進や、日本での承認品目に対するアジア諸国での簡略審査の受入れの促進を図っているところです。また、「アジア医薬品・医療機器トレーニングセンター」においては、今年度も医療機器に関するセミナーを東京で開催する予定で、アジアの規制当局だけではなく、世界の規制当局からも非常に高い評価を頂いております。今後は国際的なイニシアティブの獲得と、アジア規制当局のリファレンスカントリーとしての地位の確立を目指し、積極的な取組みを進めてまいりたいと考えております。
PMDAにとりまして、本年度は第三期中期計画の集大成の一年であると同時に、将来に向かって永続的に社会の期待に応える組織となるための基盤を構築するための一年になると思います。本日は、皆様方の忌憚のない御意見、御提案を頂き、実りの多い意見交換ができればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○新村 近藤理事長、ありがとうございました。続きまして、医機連、笹副会長、お願いいたします。
○笹 副会長の笹です。本日は本来であれば、医機連の会長の渡部が出席をしてお話をするということだと思うのですけれども、渡部ですけれども、どうしても外せない急用ができてしまいまして、私が急遽、登板ということになりました。というわけなので業界を代表しまして一言、御挨拶を申し上げたいと思います。
まず、医療機器・体外診断薬の業界にとって、承認審査や安全対策というのは非常に重要な案件です。そういう意味で、こうした官民の定期意見交換会を持っていただけるというのは大変有り難いことで、この場を借りまして改めて御礼を申し上げたいと思います。
我々、業界にとって新しい技術にどう取り組んで、そして、それを製品という形で日本初の新製品として導入をしていくか、そしてその安全制をどう担保していくのかというのは、我々の責任だと認識しております。そういう観点で、行政サイドには本当にいろいろやっていただいていて、その点についても業界としては大変感謝をしております。ありがとうございます。本日は、それに加えて、またどんなことが取り組めるのかというポイントで是非、ディスカッションができればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○新村 笹副会長、ありがとうございました。続きまして、AMDD加藤会長、お願いいたします。
○加藤 AMDDの加藤です。本日はよろしくお願いいたします。また、今年も例年どおり、こういった場で意見交換できることを大変感謝しております。それから厚生労働省、それからPMDAの数多くの方々に御参加いただき、本当に感謝しております。この場で何回かお顔合わせした方、それから初めての方、とにかくこういった感じで連続性をもたせてお互いの意見を一同に会するというのは非常に重要だと思っております。ありがとうございます。原稿を読みますので座らせていただきます。
皆様、御存じのとおり、長年、行政と業界が一緒になって少しでも早く医療機器・体外診断薬を日本へ導入する取組を行ってきているところですが、さらに現在、薬機法の5年目改正に向けての議論が進められており、業界としても大変期待しているところです。この4月には、昨年に引き続き、審査手数料等の改訂が行われましたが、私たちもPMDAの状況を理解し、よりよい体制構築を望んで御協力させていただいておりますので、今後も更にいろいろな面での取組を加速していただくことを切にお願いしたいと思います。
また、ホスト国として臨んだ昨年の京都での薬事規制当局サミットの大成功など、厚生労働省、PMDAの国際的な地位がますます高まっていることは大変誇らしいと思います。この国際的な地位向上に伴い、更に一歩進んで、各種調査結果の日米の相互受入れや新しい審査手法の国際的な議論のリーダーシップをとっていただくことを期待しております。
例えば現在、リアルワールドデータの活用について様々なところで検討が進んでおります。海外ではレジストリーデータを使用した承認事例も出てきており、今後その傾向はますます高まっていくと考えられます。その際にレジストリーデータの信頼性担保についてなど、各国で考え方に大きな差がある場合がございますが、それらについて行政同士での議論を行っていただく等です。また、GCP調査結果の相互受入れによって、国際共同治験の日本の参加を加速させることができると考えます。私たちも、これまで以上に産官学の共同体制を進め、少しでも早く最先端の医療機器及び体外診断薬を日本へ導入すべく努力してまいりたいと思います。本日はよろしくお願いいたします。以上です。
○新村 加藤会長、ありがとうございました。続きましてEBC森委員長、お願いいたします。
○森(秀) EBCの森です。本日はこのような意見交換の場を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。EUに関しましてはEPAが締結されたのも記憶に新しいところではございますが、EUでは様々な変化が医療の場でも起こっております。まず、承認審査に関しましては、従来のCEマークからレギュレーション性のより強いMDR、あるいはIVDRという基準に移行を今している最中でございます。更には医療機器を全てデータベース化するというEUDAMED、これにも2020年3月に移行するということで今、進んでおります。さらに、個人情報保護という観点では、GDPRやUDI、こういったことをはじめとしたグローバルな取組をしていきたいということで、域外に個人情報を出すことを原則的に禁じて規制していくというようになってきております。サイバーセキュリティに関しましてもMDSAP、そしてUDI、こういったことを始め、更にグローバルな取組が求められるところです。
EBCといたしましては、もちろんEUの立場ということも強調させていただきますけれども、長年、日本で業務を展開してきた会社の集まりとして、更なる国際整合、それによりまして認可が、より迅速に進むように、AIを始めとした新しいイノベーションなどが、より早く日本の患者様のために届けられるように尽力させていただきたいと思います。そしてそのために皆様方とディスカッションを深められればと思っております。本日は、このような機会を頂きまして誠にありがとうございます。
○新村 森委員長、ありがとうございました。続きまして臨薬協の小野会長、お願いいたします。
○小野 臨薬協の会長の小野です。今回は初めての参加になります。どうぞよろしくお願いします。検査薬業界は先ほどの局長のお話にありましたとおり、ゲノムであったり、再生医療関連の検査法であったり、新しい技術がどんどん開発されております。我々、臨薬協としましては、企業の背景が少し違う各社さんがいらっしゃいますが、我国の利益になるような形で議論を深めて企業側の論理を生かした上で、この場で議論をさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○新村 小野会長、ありがとうございました。それではここで本日、配付させていただきました資料の確認をさせていただきたいと思います。まず、議事次第がありまして、座席表、それから本日の御出席の方々のメンバー表がございます。続きまして、資料1は、行政側からの資料です。資料2として、医薬品医療機器制度部会の資料の抜粋版です。資料3は、医機連からの資料、資料4は、AMDD/AdvaMed/EBCからの資料、資料5は、臨薬協/AMDD/EBCからの資料です。この他に議事次第の配布資料には記載しておりませんが、意見交換会の資料とは別に、昨年度、審査迅速化のための協働計画に基づく実務者レベルでの会議を医療機器、体外診断用医薬品、それぞれ2回ずつ開催しまして、協働計画に掲げられている各取組について議論を行いましたので、実務者会議報告資料として協働計画進捗表を添付させていただいております。以上になりますが、資料の過不足等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
続きまして、昨年度の開催以降、メンバーに交代がございましたので、ここで新メンバーの方を御紹介させていただきます。お名前を読み上げますので呼ばれましたらお手数ですが、皆様に分かるように御起立いただければと思います。
始めに業界側の新メンバーを御紹介させていただきます。まず、医機連の新延晶雄副会長。医機連の疋田和彦法制委員会 委員長。続きまして、EBCの森秀顕委員長。続きまして、臨薬協の小野徳哉会長。続きまして、臨薬協の内山浩之法規委員会 委員長。続きまして、PMDAの新メンバーを御紹介させていただきます。まず、林憲一理事。続きまして、井上誠一理事。続きまして、末岡隆則総括調整役。続きまして、森口裕安全管理監。続きまして、佐藤大作組織運営マネジメント役。続きまして、美上憲一審査マネジメント部長。最後に、厚労省の新メンバーを御紹介させていただきます。鳥井陽一総務課長。関野秀人医薬安全対策課長。衣笠秀一監視指導・麻薬対策課監視指導室長。続きまして、田中大祐医療機器審査管理課再生医療等製品審査管理室長。稲角嘉彦医療機器審査管理課長補佐。以上です。
続きまして、代理出席者の方を紹介させていただきます。本日は医機連渡部眞也会長の代理としまして、久芳明常任理事に御出席いただいております。
続きまして、確認事項になりますが、本日、配布させていただきました資料ですが、原則公開となりますので、協働計画実務者会議の報告資料以外の資料につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載させていただく予定です。また、議事録ですが、後日、事務局で案を作成した上で、各発言者の皆様に確認を得た上で、資料とともにホームページに掲載させていただく予定です。以上です。
それでは、ここからは本日、提出いただきました資料につきまして行政側と業界側、それぞれ御説明いただきまして、その後、意見交換に入りたいと思います。では、以降の進行につきましては、中井医療機器審査管理課長にお願いいたします。
○中井 それでは、ここから私が進行いたします。本日提出した資料案について行政側、業界側から、それぞれが説明を一通りいたします。その後、まとめて質疑応答及び意見交換をしたいと思います。
私から行政側提出資料、資料1と資料2について簡単に御説明いたします。資料1のスライド2枚目です。「工程表に基づく主な審査業務の改善」ということで、これも御案内かと思いますが、一変、軽変の判断の明確化は平成29年7月に通知を発出し、放射線滅菌記載の簡略化についても今年2月28日に条件付早期承認制度の構築も昨年7月末、治験症例数ガイダンスの策定についても11月17日付けで通知を発出しています。それから、薬事・保険連携相談の実施ということで、ベンチャー等支援戦略室の設置と、連携相談を開始しております。そのほかにも評価方法・国際戦略ということで幾つかありますが、また追って御説明いたします。
スライド3枚目は、医療機器の総審査期間の年次推移で、これも御案内かと思いますが、審査ラグゼロを達成しており、2016年の手数料交渉の結果に基づいて、審査員数を削減する中、従来以上のパフォーマンスを達成しております。
スライド4枚目は、AI技術を活用した医療機器への対応についてで、今までの取組について御説明しております。
スライド5枚目は、MHLW-PMDAで連携した医療機器の基準の国際標準化に向けた取り組みで、PMDAの基準部がメインになってやっているものについてまとめたものです。1つ目は、日本の考え方を反映した国際標準の作成を推進ということで、いろいろな会議に参加した平成29年度の実績は、国際会議25回を含んだ約130回以上の会合に参加し、日本提案7件の国際規格の発行、国内審議団体と連絡会を年2回開催し、ISO/TC261、ISO/TC106にアカデミアを派遣しております。
2つ目は、規制当局との連携ということで、日本の規格基準に関するワークショップをASEAN各国で実施しました。平成29年度の実績としては、ベトナム、インドネシア、マレーシアでワークショップを開催し、インドにおいては「ASEAN医療機器委員会」との対話を開始しました。
3つ目は、日本の制度の英語での発信ということで、ホームページの英語情報を拡充し、平成29年度実績においては、認証基準946件、適合性チェックリストの英訳、一般名称及び定義については約4,300件の英訳を開始しております。
それに加えてスライド6枚目は、医療機器分野における国際薬事規制調和戦略の成果です。WHOに、Global model frameworkとして発表され、メキシコにおいては、日本で承認されたものが迅速審査の対象とされ、インドについても適合性証明が不要になりました。台湾については、品質管理に関する添付資料の簡素化ができるよう調整中ということですが、今年の夏を目途に覚書の締結を予定しており、その準備をしている段階です。
スライド7枚目は、昨年から始まりました日本発の有効性・安全性の評価方法の確立及び国際標準獲得推進事業ということで、アカデミアも含めた国際標準についての支援をするということで、平成29年度は2案件(再生1件、医療機器1件)で、平成30年度も機器1件を採択し、その標準化を推進しております。
スライド8枚目は、医療機器の治験ガイダンスです。このガイダンスには3つの対象があります。1つ目は、医療環境の差異の評価で、海外データはあるが、日本ではデータがない場合です。2つ目は、ヒトでの使用実績がない場合の臨床医療機器の治験のガイダンスです。具体的にはここに書いてありますが、PMDAに相談していただいた上で、簡素化できるものは簡素化するということです。3つ目は、臨床的意義が未確立ということで、そういったものについても、まずは早期の申請と段階的な開発ということで承認申請して市販後に臨床的なエビデンスを集めていくことをガイダンスで明確化しました。
スライド9枚目は、PMDAのイノベーション実用化支援の取り組み状況です。概要の1つ目の○ですが、平成30年4月から、レギュラトリーサイエンス総合相談に「イノベーション実用化連携相談」を追加し、医政局経済課ベンチャー等支援戦略室と連携しながら、説明・相談を行っているというものです。このように、医政局とも連携しながら、保険も含めて、2つ目の○にありますが、承認審査から保険償還までの様々なステージで切れ目のない対応を現在行っております。以上が、医療機器です。
スライド10枚目からは、IVD関係です。進捗状況として、標準的な総審査期間については、申請コホートの80%タイル値を設定し、既承認品目に対する承認基準通知、認証基準告示への追加ということで、新規に2品目の承認を受けたものについての基準の作成についての意見交換を実施しております。それから、臨床的意義が不明な診断薬の取り扱いについては、業界の自主基準について、行政から何らかの形でのの発信を、通知を含めて、今現在、調整中になっております。また、遺伝子パネル検査と、FDソフトの改修ということで、いろいろな意見交換をしております。スライド11枚目は、総審査期間の申請コホートを書いてあります。
12ページ以降には、ゲノム医療関係を少しまとめております。スライド13枚目は、がんゲノム医療推進コンソーシアムの体制と役割です。スライド14枚目は、がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議で、先週の8月1日に第1回が開催されました。厚生労働省において、こういった運営会議を開催したということです。スライド15枚目は、構成員名簿です。スライド16枚目は、がんゲノム医療提供・情報収集体制の全体像です。厚生労働省においてコンソーシアム運営会議を設置し、国立がん研究センターにある情報管理センター、がんゲノム中核拠点病院、連携病院の中で連絡会議を設置し、このような推進をしていくということです。
スライド17枚目は、国立がん研究センターに設置している「がんゲノム情報管理センター」(C-CAT)についてです。がんゲノムについて情報をきちんとC-CATに集約すると書いてありますが、上にある配列情報等のデータをC-CATに集め、かつ、その中核拠点病院と連携病院から臨床情報を集め、それに基づいてC-CATからCKDBレポートとして、臨床的位置付けをきちんと示したレポートを出します。この集めたデータについては、今後、新たな治療・診断法の開発に資するものとするために検討を進めるということです。
スライド18枚目は、中核拠点病院についてまとめたものです。スライド19枚目が連携病院についてです。最後に、20ページにパネル検査に関する開発状況をまとめたものをここに示しております。資料1は以上です。
続いて資料2です。先ほどの挨拶にありましたが、医薬品医療機器制度部会の医療機器関連を抜粋したものについて簡単に御説明いたします。スライド2枚目は、5年を目途とした検討についてです。平成25年に薬事法と薬剤師法関連の2本の法律が通っておりますが、それぞれ施行後5年を目途として、改正後の規定に検討を加えて必要な措置を講ずることになっております。
スライド3枚目は、その検討のテーマです。テーマ(1)は、革新的な医薬品・医療機器等への迅速なアクセス確保・安全対策の充実です。テーマ(2)は、医薬品・医療機器等の適切な製造・流通・販売を確保する仕組みの充実です。テーマ(3)は、薬局・薬剤師のあり方・医薬品の安全な入手を設定しております。
4ページは、テーマ(1)についてです。問題意識としては、画期的な医薬品・医療機器等が創出されると同時に国際共同開発等が広がり、開発主体が規制環境等を踏まえ、国・地域を選択する時代に移行しつつあるということです。それから、国内で患者に医療上必要な製品をより早く提供するには、技術革新に柔軟かつ効率的に対応した規制の実施が課題です。このために、予見可能性の向上に加え、品質・安全性確保の観点での企業負担軽減や国際整合性確保に向けて、一層の制度の見直し・明確化が必要ということです。検討の視点としては、安全性の確保を前提とした上で、開発の段階で画期性が期待される医薬品・医療機器等を迅速に実用化する承認制度の明確化。患者レジストリーなどの電子的な医療情報を新薬や医療機器等の承認審査や製造販売後の安全対策に、円滑に利用するための制度の明確化。規制の国際的な整合性と効率性に配慮した効率的な品質管理方法の導入。計画的な製造方法の変更を認めるための予見性の高い変更手続の導入を検討の視点の例として挙げております。
スライド5枚目は、テーマ(2)です。偽造医療用医薬品や承認書と異なった製造法での製造などの問題事案が発生したことで、各事業者の方々が確実に法令遵守に取り組むような仕組みを検討するということです。検討の視点としては、「三役」や、その他の管理者・責任者の役割・責務の明確化。企業経営者・役員の責務の明確化。法令遵守違反に対する改善命令等以外の行政上の措置の導入になっております。
テーマ(3)は、薬局・薬剤師のあり方・医薬品の安全な入手です。検討の視点としては、医薬分業、かかりつけ薬剤師・薬局の推進、遠隔服薬指導等のICT技術の活用を含めた方策の検討、個人輸入に関する仕組みの法令上の位置付けの明確化となっております。以上が検討のテーマです。
スライド7、8枚目に、平成25年当時の法律の概要を添付しております。スライド9枚目以降が医療機器等の関連のスライドです。スライド9枚目の「現状」で、ここ5年間でドラッグ・ラグ、デバイス・ラグがほぼ解消されてきていることを示しております。一方で、右下の表にある「開発ラグ」は、医療機器において開発ラグが一定程度あり得る、しかもそれが結構、変動があるということを示しております。
スライド10枚目は、いろいろなインセンティブということで、今あるインセンティブをまとめております。優先審査、オーファン・ドラッグ、条件付き早期承認制度、先駆け審査指定制度のいろいろなインセンティブについてまとめたものです。
スライド11枚目は、諸外国の事例です。それぞれ、いろいろなインセンティブを与えており、米国であれば、Breakthrough Therapyということでインセンティブを与えております。欧州ではPRIORITY MEDICINES (PRIME)ということでインセンティブを与えている現状があるということをまとめたものです。
スライド12枚目は、革新的医療機器 条件付早期承認制度ということで、最近、「市販前と市販後のリバランス」という表現を使うことがありますが、市販前から一貫して有効性・安全性を確保していくという表現のほうを私どもとしては使っております。こういった条件付早期承認制度を昨年7月から運用しております。まだ承認された事例はありませんが、いろいろな議論や相談が幾つかあるという状況です。
スライド13、14枚目は、医療機器の特性ということで部会に示した資料です。現状ということで、1つは特定の疾病領域に使用することを想定して領域ごとに順次開発されていく医療機器、例えばda Vinciがその例で、最初は消化器、胸部、泌尿器だったのが、徐々に心臓外科へということで適用拡大しているものです。一方で、手技を特定せず、適用範囲が広い医療機器ということで、いわゆる電流で焼灼するとか、超音波での切除・凝固という広い医療機器もありますので、こういった制度を示しております。スライド14枚目は、医療機器の改良に対する一部変更承認申請の手続です。それぞれの変更に応じて、一変申請で臨床試験が必要なもの、非臨床で評価可能なもの、軽微変更届出で良いものなどがあることをまとめたものです。
スライド15枚目以降はQMS関係で、QMSの現状についてまとめたものです。スライド16枚目の2つ目の○は、基準適合証に記載のある製造販売業者、製品群及び登録製造所全てが同一の場合に、他の品目のQMS適合性調査の省略ができるということです。一方で、3つ目の○ですが、登録製造所の一部しか利用しない場合は、改めてQMS適合性調査を受けなければならないという問題意識を示しております。
最後に17ページに、課題としての3つ目の○ですが、他の品目の製造を一部の登録製造所のみで行う場合、利用する当該登録製造所のQMS適合性は既に確認されているが、改めてQMS適合性調査を受けていることについて、見直す必要はないかという問題提起を示しております。以上が行政側の資料です。
続いて、業界側からの提出資料について御説明をお願いしたいと思います。まず、資料3です。医機連から御説明をお願いいたします。
○笹 それでは、医機連の御説明をいたします。まず、資料3の2ページです。今回の構成は、主要テーマとしてここに掲げている6つと、9ページ目以降になりますが、運用面での要望事項、この2部構成です。今回の主要テーマとして、この6つのテーマを取り上げておりますので順番に御説明いたします。
3ページは、「医療機器産業の取り組み方針」です。この4つを業界としては最も重要な取組と認識しております。これは昨年と変わっておりません。4ページのグラフは、新規承認及び認証件数についてfact(事実)を整理したものです。いずれも減少傾向です。その要因は幾つか推測されますが、現在調査中です。その調査・解析が進んだ段階で、行政と業界で今後の方針について協議をしていかなければならないと認識しております。
5ページです。これまで医療機器の特性に応じた様々な承認審査制度を打ち出していただいていると認識しております。しかしながら、AI等の技術革新が進む状況を鑑みて、更に新技術に対応した早期承認審査制度が必要だと思っております。
6ページです。これまで「医療製品識別とトレーサビリティ推進協議会」では、行政から業界に対して多大な御指導と御支援を頂いたと認識しております。業界を代表して感謝申し上げたいと思います。UDIの制度化についての議論は、かなり前進していると認識しておりますが、一方、医療機器は多品種少量であり、医療機関も含めてサプライチェーンも大変複雑で、それらの構造改革を含めたプラットホーム構築等の検討が必要であると認識しております。UDIの法制化に当たっては、産業界への影響も考慮しつつ、対象範囲や実施時期など具体的な推進策の立案や実施をお願いしたいと思っております。
7ページは、医療機器のレジストリ基盤構築についてです。医薬品のほうでは検討が進んでいると認識しております。一方、医療機器は医薬品とは異なり、機器の種類によって欲しい情報やデータの範囲が異なってきます。また、レジストリ自体が学会ごとに構築されており、画像や電子カルテ等の他のデータベースとはつながっていない場合が多く、医療機器ごとの個別レジストリを他の医療情報データベースと連携できるよう、ナショナルレジストリとしての整備推進をお願いしたいと思います。
最後に8ページは、サイバーセキュリティへの更なる取り組みについてです。これまで、若干の不十分さが否めませんでしたが、今年の7月に「医療機器のサイバーセキュリティの確保に関するガイダンス」において、上段の四角の中の矢印3つについては明確に記載されました。これらを踏まえて医療機関に、メーカー又は保守サービスプロバイダーとの保守契約を義務化、セキュリティ部分のみの対応が必要な場合の手続の簡略化、体内植込み医療機器の使用者への安全な情報提供についての役割の明確化等の取組が必要であると考えております。私からは以上です。以下のページからは、法制委員会の疋田委員長より御説明をお願いいたします。
○疋田 9ページからです。運用課題の解決と要望は、各テーマについて各委員会で進展あるいは、これから協議する予定となっております。厚労省、PMDA、業界が一体となって継続的な活動ができることに非常に感謝しております。担当される方の人事異動等がありましたが、各委員会に参加していただき、前向きな審議ができるように、これからもよろしくお願いいたします。
10ページは、こちらのデータはリスクに基づくメリハリのある審査/規制についてです。クラス分類については、GHTFのクラス分類ルールに基づいて運用されています。後発医療機器の審査については、「承認/認証基準」を作成、管理医療機器については90%以上が認証審査となっております。しかしながら、法改正で高度管理医療機器も認証移行ということで可能となっておりますが、認証基準の作成が停滞している状況でもあります。今後の協議の方向性は、医療機器の特性に応じた審査制度を構築する取組として、国際整合を確認しながら機器の特性に合わないクラス分類の見直しや定義の修正作業の実施、あるいは後発医療機器については「承認/認証基準」の運用を検討し、PMDA/登録認証機関の審査の迅速化を検討したいと考えております。
また、先ほど報告のありましたAIやロボット技術の先例のない新規技術による医療機器審査のあり方についても検討を行っていきたいと考えております。医療現場のニーズに即したスムーズな「適用」の拡大に関する申請や審査方法、また、改善・改良に伴う一変等の手続については通知等を発出していただきましたが、原材料の関係も含め、引き続き継続して検討したいと考えております。
11ページは、認証制度のガバナンスのあり方についてです。登録認証制度が平成17年度から開始されており、管理医療機器の90%以上が認証できるように、行政・業界が一体となって基準作りをしてまいりました。しかし、PMDAによる登録認証機関の調査が平成26年11月から実施され、幾つか問題が発生しているとされております。
まず、1つは認証審査の指導が強化され、認証申請者への照会が多くなっていることです。認証に関する相談が多くなってきており、今のところ102件の実績があり、申請及び認証の遅延が懸念されております。また、既に認証されている品目に関して、後日になってから登録認証機関の審査に不備があるとされ、出荷の自粛や、回収の検討を求められる事例も発生しております。これらについても、医療イノベーションの推進という国家方針に対し、前例や既存品との同等性を過度に求める審査方法が認証機関に求められている実態があります。今後の活動としては、認証制度を、より有効なものにするために制度運用の透明性を確保するため、「誤認証」とされるものの明確な判断基準を確立させるとともに、その場合の対処方法をルール化することが必要です。それから、認証基準に包含されない新たな製品が申請された場合、速やかに基準を改正して医療機器の改良・改善を阻害しない制度の運用が必要と考えております。また、文書による指示の徹底と、安定供給を阻害しない制度の運用も必要と考えております。
12ページは、事業の多様化、産業のグローバル化に対応した生産性の向上についてです。ここでは「5年目改正に向けた医療機器業界からの提言」に示唆した内容で、既に行政と調整しながら運用できる内容について確認しております。しかしながら、システムの改修費用が必要だということで、早期の実現性が困難な場合もあります。是非とも、作業の効率化という視点からシステムの構築を含めた予算化をお願いしたいと考えております。
13、14ページですが、Ⅱ-4と、これからのAMDD、EBCが発言する内容と重複しておりますので省略いたします。特に、この内容については、臨床評価委員会を中心に検討することになっておりますので、是非とも御協力いただきたいと思います。
スライドの15ページは、企業が提供する情報についてです。昨年の意見交換会でもお話いたしましたが、その後、行政と一般向け広告が規制される中、企業が提供する情報については広告に該当しないかどうかについて整理し、一般の方の目に触れても問題がないかどうかを検討していきたいと考えております。その中で、検討した結果として、7項目に関する基本例を作成いたしました。今後、行政と調整し、通知等を発出していただけるかどうかを相談させていただきますので、よろしくお願いいたします。
最後に16ページは、MDSAPの運用についてです。現在、試行的受入を継続しておりますが、本格導入について、申請費用も含め、どのような導入の仕方があるのかということについて協議していきたいと考えておりますので、御協力いただきたいと思います。以上です。
○中井 ありがとうございました。続きまして、資料4について、AMDD及びEBCから説明をお願いいたします。
○佐伯 AMDDの佐伯です。資料4を御覧ください。こちらの資料はAMDD、AdvaMed、EBC共同で作成された資料です。こちらを説明させていただきます。
まず初めに、ここ数年、機会があるごとに申し上げさせていただいているのですが、審査迅速化のための協働計画及び審査業務改善に向けた工程表のような場で、本当に多岐に渡る革新的な医療機器を迅速に提供するため、また医療機器の特性を踏まえた規制の構築という観点で、行政の方に本当に多くの方に御参加いただき、積極的に御指導いただきまして、いろいろな項目の改善・改良の議論が行われております。特に、迅速化のための協働計画は5か年の最終を迎えておりますが、今後も形を変えて、このせっかく築き上げ協働という形を、是非このまま進めさせていただければと考えております。
また工程表でも、いろいろな良い通知をたくさん出していただいているのですが、ちょっと懸念としましては、行政のほうからも趣旨は御理解いただいておりながら、なかなかシステムの改修等の予算という面で進みづらいというところが幾つかあり、それらについて是非、予算化をお願いしたいとともに、まず試してみるという観点で、紙などで可能な範囲で結構ですので、導入をお願いできればと思います。
この下の緑の枠は、今進められております法改正に挙がっている中で、業界からも提言を出させていただいておりますが、その中で特に業界として期待しているという面で、QMS調査、電子媒体での添付文書の2点について挙げさせていただいています。
次の頁を御覧ください。その点について少々触れさせていただきます。QMSの更なる合理化並びに国際整合に向けてということです。こちらについては、現状の(1)(2)(3)は既に、行政、業界のほうで議論が進んでおりまして、問題点も整理されております。(1)は法改正、(2)(3)につきましては、厚労科研で検討したらいいのではないかというように進められております。
これらの議論とは別に、更なるという意味で、今後将来的にお願いしたいという意味で出させていただいているのが、下のスライドになります。QMS調査の更なる議論のお願いということで、現在、MDSAPが試行的に運用されておりますが、そちらのほうでISOの本来の理想というのは、その名のとおり、Medical Device Single Audit Programということで、1つのオーディットの結果が他所の国で使えるということですが、なかなかいろいろな国が集まって自分の国のものをひっ込めるというのは難しいというのは理解の範疇で、その中で、核になるものとは別に、各国の要求事項がコンパニオンドキュメントという所に集約されているわけですけれども、それにつきまして、現時点では、日本の差分が全て入っているわけではないことから、本来、MDSAPが本格的に施行されたとしても、まだ、海外で受けたものが、そのまま日本でQMS調査が要らないということにはいかないというところを問題と考えております。すぐとはいかないとは思いますが、今後の議論を是非お願いしたいところです。
次ページです。電子媒体での添付文書の活用促進につきましては制度部会でも検討されており、それについては業界としては、是非お願いしたいということで挙げさせていただきました。
下のスライドに移ります。こちらは、3団体からの要望として革新的医療機器の開発・市場導入の促進のためにということです。今後、PMDAが世界のリファレンスカントリーとして、より重要度の地位を高めていく中で是非お願いしたいということで2点、大きく挙げさせていただきます。
次ページです。革新的医療機器の開発・市場導入の促進のために幾つかのお願いをさせていただきます。まず、現在、市販前-市販後の規制バランスの最適化のために、昨年から今年にかけて、また新たにいろいろな通知等を出していただいて活動や議論が行われているところですが、治験ガイダンスと運用通知や、これからできてくる臨床評価報告書における審査についての検討等につきまして、新しく導入された制度というのは、その場では合意したつもりであっても、運用開始後に見えてくる課題や、また、どうしても行政と業界の解釈に齟齬が生じるということはよくあることですので、現時点では、まだこの制度が導入されたばかりで、治験ガイダンス等ですが、業界の中でも、すごく使えるとか、使うのが余り難しいということ自体が、全然まだ出てきていないという状態なので、今後また年を重ねるに連れて、いろいろ出てくるであろう事例等を、業界でも調査したいと考えておりますので、その際には、また議論等の場を設けていただくことを要望いたします。
その下のスライドですけれども、現在、国内外で新しい革新的な技術がどんどん開発されております。例えばAIにつきましても、新聞等で見ない日はないぐらいですが、ディープラーニング技術の進歩により、AIを用いた製品の開発が世界中で加速しており、市販前から市販後を通して、合理的かつ産業規制を後押しする規制を要望いたします。取り分け承認審査という観点では、日本市場への導入が、諸外国に対して遅れが生じないように、審査手法が必要以上に厳しくならないということを要望いたします。
また、先ほど会長の挨拶でも述べさせていただきましたとおり、GCP等の調査結果の日米や日欧での相互受入れも、引き続き要望させていただきます。
次のページですが、革新的医療機器の中の最後の要望として、リアルワールドデータの活用、特に信頼性の担保の考え方があります。薬機法改正の要望の中にも、日本のレジストリーデータを将来、申請時に使用する際の信頼性の考え方として、データベース事業者における信頼性確保をPMDAに確認いただく制度の確立等を要望させていただいております。それにつきましては、既に検討が開始されておりますけれども、さらに、海外のレジストリーデータにつきましても有効利用についてお願いしたいと思います。海外においては、既にレジストリーデータを使った承認申請の事例が出てきております。海外のレジストリーデータを日本の申請に使用するという場合に、どうしても、日米でデータベースの信頼性の考え方に違いがあるというようなことが出てくる可能性があります。その際に、なかなかデータベースというのはまた別の業者なので、それらを保証するということを、企業側で完璧にするというのはなかなか難しく、行政同士、例えば日米でしたらFDAとPMDAの間でそういうレジストリーデータを使用した申請という観点で、データの信頼性についての考え方の整合の検討などを行っていただけないかと考えております。日本と海外のレジストリーデータの相互利用が可能となることは、海外企業だけではなく、日本企業においても海外進出の促進につながると信じております。日本、海外に限らず、レジストリーデータというのは、どうしてもGCPレベルの信頼性確保は現実的にかなり難しいと考えております。もちろん信頼性ということは重要なものですので、そちらをないがしろにするということではありませんが、それらを余りにも完璧に追い求めすぎると、実際ちょっと現実的に使用するのが難しくなると、その辺のリスクとベネフィットの判断基準のようなものの確立というのが重要ではないかと考えております。
また、臨床研究法の附帯事項として定められている臨床研究法下で実施した臨床研究結果の承認申請資料への添付についても、検討のほどをよろしくお願いします。
下のスライドに移りまして、規格の運用の国際整合ということで、これまで本当に多くの規格が、ほとんどの規格が国際整合されております。これについて、今現在検討されているもの2点について要望を出させていただいております。
次のページをお願いいたします。上のほうは、ISOの10993-1の改定ですけれども、これについては、昨年の定期意見交換会から出させていただいているのですが、現在も検討が進んでおります。今回の改定は、やはり非常に新しい考え方が導入される改定になりますので、日本への導入は慎重にお願いしたいというのが要望です。これは本当に一案で、ほかにもいろいろな案があると思うのですが、例えば、現在はISO10993-1の改定に合わせて、基本的考え方やJISの改定が進められておりますけれども、今の基準が別に間違っていたり不備があるわけではないので、‒17や‒18の実務的なものの改定後に、全体像を見極めてから、改定を行うというのも1つのやり方ではないかと考えております。最終的には日本で実施された試験は、そのまま世界で使えて、世界というか、同じレベルの審査基準を持つ所でやられたものは日本でも使用できるというのが最終的なゴールだと考えております。
最後のスライドになりますが、UDIの有効活用についてです。こちらにつきましては、とにかくUDIというのは、多方面の使用者が関与することになりますので、それぞれの状況が検討された制度設計が必要だと思います。もちろんUDIの導入というのは、国際的な流れから当然のことと考えておりまして、それ自体に反対するものではありませんが、日本での主な利用目的を明確にしながら、十分な議論の上、法制化をお願いしたいという要望です。以上です。
○中井 ありがとうございました。それでは続きまして、資料5について臨薬協から説明をお願いします。
○内山 臨薬協の法規委員会の内山です。資料5の内容について、臨薬協、AMDD、EBCの3団体で協議した内容について御説明をさせていただきます。内容については、1ページ目、大きく1.法改正の要望、2.協働計画等の課題、3.その他の要望事項という3点でまとめさせていただいています。
2ページ目です。まず法改正要望については、このたび7月5日付けで、宮本局長、森審議官、中井課長の所にお邪魔をして、正式な要望書として会長の小野より提出させていただいた内容です。1番目の体外診断用医薬品の定義の見直し、2番目の業態の管理者の資格要件等の見直し、3番目のQMS適合性調査の合理化に関する要望、4番目の電子媒体での添付文書の活用促進という内容について要望書を差し上げているところでございます。そのうち、2番、3番、4番目につきましては、医機連及び日薬連の改正要望事項の趣旨とほぼ同じものです。
まず最初に、1番目の体外診断用医薬品の定義の見直しですが、これは体診の業界として、独自に出させていただいた要望で、既に現行の法律第2条14項において、体外診断用医薬品の定義は、専ら疾病の診断に使用されることが目的とされているということをうたっており、その具体的な範囲については、昭和60年の6月29日の662号通知で具体的な範囲が定められているところです。この662号通知は発出当時から、3ページに書いてあるとおり、血液型の判定であるとか、妊娠の有無の診断という、厳密に言えば、診断の目的とは異なる用途においても、当時から体外診断医薬の範囲として通知、運用されているところもありまして、それから、662号通知発出後、30年ほどたちますけれども、具体的な通知の見直しは我々のほうからも提起をさせていただいていないところです。今回の法改正に基づいて、現状の医療技術の進歩、体外診断用医薬品のいろいろな検査技術の進歩に踏まえて、あらゆる用途で今現在、体外診断用医薬品の診療情報が医療現場で活用されている現状も踏まえて、この機会を通じて体外診断用医薬品の定義の見直しということを、討議の発議とさせていただいて、できましたら、この定期意見交換会をキックオフの場とさせていただきたいと考えています。
続いて4ページ目、業態の管理者の資格要件等の見直しです。これについては、既に日薬連のほうがガバナンスの強化という観点から、製造販売業、製造業等の業態の管理者の資格要件についての要望が出されていると思いますけれども、体診業界についても趣旨は同じでございます。体外診断用医薬品業界としては、更にもう1つ、販売業の管理者についても、資格の要件の見直しを要望として出しています。体診業界の直近のデータが今手元にないので、具体的な数字をお示しすることはできない状態ではありますが、やはり体診業界の販売業の管理薬剤師も含めて、必要な薬剤師を確保するということ自体が、各管理企業において非常に苦慮されているということを実感として感じているところです。
もう一方で、販売業については昨今、医薬品の流通上の規制強化というか、規制の見直しを踏まえて、やはり販売業におけるガバナナンスの強化という観点からも、薬剤師という資格要件のみならず、適切な専門課程の終了や実務経験等もガバナンス強化のためには役立つのではないかということで、体診業界としては、更に販売業の管理者まで踏み込んで検討をお願いしたいということです。
3点目として、5ページ目、QMSの適合性調査に関する要望ですが、これはもう既に、先ほどから医機連やAMDDの皆様がお話した内容と全く趣旨は同じですので、特にこちらから追加するようなことはありません。
6ページ目に、1つの例として挙げさせていただきましたが、例えば製造所のABCという3つの組合せで取った基準適合証が、例えば同じ品質システムの中で管理されて適合証が発行されている場合において、例えば2品目目、3品目目をB社とC社にそれぞれ振り分けるといったような場合であっても、品質のシステムについては何なく変わることはないだろうということで、最初の基準適合証において、品質はきちんと担保されているのではないかという観点で、我々は業界の中では大は小を兼ねるという言葉を使わせていただいているのですが、こうした事例についても、適用の範囲の見直しの事例として挙げられるのではないかということで、6ページに1つの事例を掲げさせていただいたとところです。
7ページは、電子媒体の添付文書の利用促進です。これも医機連のほうから御要望させていただいた趣旨と全く同じでございます。現在のIT技術の進歩から考えると、現状の紙ベースで情報提供するという時代から、医療現場の皆様に、より有用な情報を提供するという点においては、やはりIT技術を活用して、必要な情報をお届けするという点からも、添付文書は紙ベースではなく電子化ということが今後求められるのではないかと思いますし、7ページ目の要望事項の(2)に書きましたが、電子的提供が確実に担保されたこととが確認できることという取組については、業界も積極的に取り組んでいきたいと思いますので、添付文書の電子化について利用促進をお願いしたいところです。
続きまして、8ページ目、協働計画等の課題について、お話させていただきます。9ページの協働計画・運用改善の確実な遂行というテーマですが、こちらに現状の問題点として3点の事例を挙げさせていただいています。この資料を提出した段階では、この3点のテーマについて通知等が発出されていないという状況でした。行政側との合意は、昨年のうちに合意が形成されていくという中で、やはり成果が通知として出てくるまでに少しタイムラグがあることを業界としては感じているところですので、今後も運用改善のためにワーキングで合意された成果については、速やかに通知等で公式化させていただきたいと考えています。
それから、協働計画に関しての2点目ですが、現行の協働計画は、この9月に多分取りまとめられるであろう平成30年度の申請コホートデータをもって評価が終了するという予定になっていますが、終了後も、厚労省、PMDA、業界の三者による課題解決に向けた取組を継続してお願いしたいというところです。現在、この協働計画の中の課題と進捗については、参考資料の中に具体的な進捗状況を載せてありますが、まだ課題として、最終的には今年度、この協働計画の中では終了できないテーマも幾つか残る可能性があります。これらについては、業界側のワーキングメンバーの活動についてもPMDAや厚労省から御指導いただいた宿題等について迅速に御回答できなかったというようなところもありますので、我々としても取組を見直して、残りの期間の間に少しでも成果が上げられるように活動を進めていきたいと思います。一方で、この平成26年度から開始しました協働計画を踏まえて、非常に多くの成果もあげられたのではないかと感じているところで、やはりこの協働計画の仕組みについては、この後も継続して、こういう仕組みで、今後のテーマについて議論をしていただきたいと感じているところで、このテーマを挙げさせていただきました。
最後になりますが、国際整合の推進についてです。これも先ほどからお話が出ていますが、海外とのレギュレーションの整合性といったところですので、特別に新しいことをお話することはありません。ただ、例えば1つの例として、MDSAPの促進に向けて、現状では、海外に輸出をする企業にとってはMDSAPは、非常に有用ではあると思うのです。逆に、国内でしか製造していない企業が、例えばMDSAPをやることによって、将来、海外に向けて、自分の所の製品を市場に持っていくきっかけにもなりますし、また逆に、現行のQMS適合性調査の中で、それとMDSAPはハーモナイゼーションできれば、例えばMDSAPを取ることで、海外での市場へも対応できますし、また、国内での定期適合性調査も簡略化できるというようなメリットがあれば、やはりMDSAPのハーモナイゼーションとしては、非常に業界としてメリットがあるのではないかなと考えているところで、引き続き国際整合の推進についてお願いしたいと思っています。以上でございます。
○中井 ありがとうございました。それでは、一通り説明を頂きましたので、意見交換、質疑応答に入りたいと思いますけれども、何か最初に是非、言いたいことはありますか。松本さん、どうぞお願いいたします。
○松本 いろいろとありがとうございました。勉強になりました。いろいろな方からいろいろな御意見がこれからもあろうかと思いますので、私からは1つだけに絞って申し上げたいと思います。1つだけと申しますとUDIのことなのですが、UDIという文言が出てくるのは医機連の16枚のスライドのうち6枚目の1枚だけ、Adva Medさん、AMDDさんは12枚のスライドのうち、一番最後のスライド1枚だけです。たかが1枚、されど1枚だという気がして先ほど来、お聞きしていたのですが、他のことも非常に重要なことばかりだと思います。
ただ、先ほどの目的ということからしますと、UDIの目的は私なりに大きく分けると3つあると思いますが、1つは、やはり医療の質と安全性の向上、もう1つは医療の効率化と経済性の向上ということ、これは順不同ですけれども、3つ目は先ほど来の国際整合化という3つだと思います。そこら辺のことについては、「医療製品識別とトレーサビリティ推進協議会」と医機連の合作ということではありませんが、行政の方にもお手元に届いていると思うのですけれども、こういう150ページ以上の報告書が7月付けで出ております。中を御覧いただければ、縷々書いていますけれども、そういう目的と、3つ目に申し上げた国際整合性ということ。
私は、ウズベキスタン等々の中央アジア、トルコ、ロシア等を回って一昨日帰ってきたばかりですけれども、いずれの国においてもUDIというか、更に突っ込むと、それが二次元バーコードであり、あるいはRFIDであれ、手段、方法はともかく方向性とすると、そういう方向にいずれの国でも向かっているということは否めない事実だということを、現場を見て改めて認識を新たにして帰ってまいりました。
当然、課題とすれば、私は明後日から韓国へまいりますけれども、中国でも韓国でも時間軸との調整というか、それぞれの国の状況に応じて、いろいろ解決していくべき課題はあろうかと思います。一つ一つの課題を潰していく中で、例えばいわゆる手術器具、鋼製小物と称される手術器具は、1つの大病院ですと3、4万本にはなろうかと思いますが、それを扱う約70社ほどの中小企業が入っている日本医療機器工業会としては、既に刻印センターというような構想も考えて具体的なアイディアも考えております。
そのように、業種ごとに考えていけば当然いろいろあろうかと思いますけれども、大型の設置機器でも、例えば全体は大型であっても部品が壊れたという場合に、それを修理する、あるいは昨今言われるSUD(単回使用医療機器)の再製造という場合にも、部品を外して再製造する、あるいは部品ごと再製造するという場合でも当然、UDIによる安全管理ということは不可欠だと思います。
その他、データベースへの登録であるとか、いろいろ課題はあるかとは思いますけれども、「課題が先にあり」ではなくて「方向性が先にあり」というように考えないと、この種の問題の解決はなかなか難しいのではないかと思いますので、まずは方向性を出してそれぞれの課題を解決していくのには、経過措置と申しますか、経過年数と申しますか、それが1年か2年か、まずは方向性を出した上で課題を解決していけば、私は日本でも決してできないことはないと思います。
例えば、むしろ手術機具などは、いつまでたってもバーコード1つ付いていないという状況ですと、とても輸出どころか輸入品がますます増えるであろうという将来の動向も予測されるわけで、産業育成という意味でも、私はUDIの法制化ということの方向性を出していくべきではないかと存じます。以上です。
○中井 ありがとうございました。UDIについては医薬品医療機器制度部会でもテーマになっていますし、できれば私も方向性を是非、業界側からも意見を頂きたいのですが、それについてほかに御意見のある方はいらっしゃいますか。
○関野 医薬安全対策課長の関野です。どうも皆さん、御無沙汰しておりました。UDIに関しては、従来からずっと検討している項目だと思っておりまして、国際的に見てもその必要性というのは様々なメッセージが今現在も発信されていて、議論も活発に行われていると思いますので、制度部会の方でのテーマということもありますから、ある程度これから具体的な詰めというか、それをしていくということだと思います。
一方で、今御指摘があったような方向性と具体的な課題についてどう向き合っていくかといったことは、様々な立場によっていろいろな意見があるわけですから、どうしても鶏と卵というか、車の両輪というか、制度設計をする我々から見れば当然、全ての方に説明できる形にしていかなければいけないので、方向性と課題解決というのはやはり同時に考えていかなければいけない部分でもあると思います。
今日の段階では、全ては語り尽くせないと思いますので、今日の資料にあるような対象範囲ですとか、様々なステイクホルダーに対してどういった良さを説明していくか、個別具体な話は、また時間を取ってディスカッションをさせてもらえればと思います。
○中井 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
○蓮見 第三者認証制度に大変愛着を持っている蓮見です。10年以上前ですか、立ち上げが磯部さんの号令の下にスタートしました。これは本当に目玉で、PMDAの負荷を下げて、PMDAはイノベーティブな新医療機器の審査に注力すると、その分、後発のものは第三者認証機関で認証するということで、立ち上げました。それから基準をどんどん作ろうというので、高橋未明さんとも一緒になって一生懸命やって、1つ考えていたのはワンストライクアウトにならないように気を付けながら、その当時は機器室と登録認証機関と業界との三者で、非常に注意深く進めてまいりました。
その目玉は、業界から言うとQMS調査も含めてタイムクロックが2か月ということなのです。最初はいろいろ混沌としていましたけれども、非常にうまく運用されてきているものと思っていましたら、医機連さんの今日の1ページにあるように、ガバナンスとかの話が出てきました。AMDDの関連企業、AdvaMedもそうなのですが、先週、委員会があったので、現実はどうなのかというのを聞いてみたら、やはり問題があると。タイムクロック2か月というのを守られていない、最初から、いや、これはちょっと時間が掛かりますとかという話が出て非常に心配をしています。
ここで中井さんにお願いしたいのは、今はPMDAが管理監督をやっていますので、行政によりPMDAと認証機関と業界と、それぞれにどのような問題が発生しているのかヒアリングをしていただいて、何が要因でタイムクロックが守られなくなっているのかというのを是非チェックしていただきたいというのがお願いです。よく考えてみますと、10年たてば登録認証機関でも、その当時の意図を分かってやっていた方が卒業していなくなっているし、世代交代していますので、最初の趣旨、つまり、認証を増やしてPMDAの負担を軽くして新医療機器の審査に注力するということ、業界からはタイムクロック2か月というメリットがあるということを是非もう一回、その考えは変わっていないと思いますので、それを周知してやっていただきたいと。ちょっと心配しているのでよろしくお願いいたします。
○中井 分かりました。それについては、恐らくARCBで議論していたと思うのですけれども、最近はやっていないのですかね。業界でやっていたというのだけは分かったのですが。
○蓮見 多分、飯田さんが業界の窓口で。
○疋田 医機連のほうで、三者協議会というのをやらせていただいて、厚生労働省とARCBとPMDAと業界の中で調整させていただいています。その中でもいろいろな意見も出ておりますので、その場で細かいところは審議させていただいたり、医機連の認証基準分科会でワーキンググループを作って実態を確認しながら作業を進めていきたいと考えています。
○中井 分かりました。いずれにしても幾つか、こういった意見を頂いていますので、そこの場を借りてやったほうがいいのかどうかというのも含めて相談させてください。私自身は、認証大好きな蓮見さんに申し訳ないのですが、承認大好きな私なのですけれども。認証の基準にとらわれずに、少しはみ出る努力というのはやはりしていただきたいですし、そういうような品目をどんどん増やして、承認をとるような、これからはそういう議論もやっていかなければいけないでしょうし、国際的に新しい物を出していく努力はしていかなければいけないと思いますので、それも含めて少し議論させていただければと思います。
まだ時間はたっぷりございますので、ほかにどうでしょうか。せっかくこうして、紙をお出しして説明して終わりというのではもったいないので、できればそれを踏まえて、もう一言、二言を言っていただけるとよいかなと思いますので。
○藤原 EBCの藤原です。AMDDとEBCの資料のうちの8枚目の所です。番号が付いていないのですが、革新的医療機器の開発・市場導入の促進のためにという所の下のほうに書いてあるGCPの適合性調査というところでのハーモナイゼーションということなのですけれども。既にGCPについては、日、欧、米でハーモナイゼーションが取れているということでデータを共有化させていただいています。その中の信頼性調査についてですが、アメリカで行ったGCP調査の結果において、もう一度日本で信頼性調査をしなければいけないというところで、日本特有の調べ方というか、そういったデータを求められて、以前終了したGCPのデータから、また新たにテストをしなければいけないとかということがあります。
ハーモナイゼーションが取れている中で、一度FDAで信頼性調査も含めて見られていますので、日本でもう一度見るということはFDA調査がきちんとやられているかということの確認になるのかなと思います。例えば日本で治験されたデータ、信頼性調査も終わったものは、アメリカでもやはりもう終わっているということでそのまま認められるような、終わっているものについては協同で両者が認められるような形に持っていけるというようになれば、日本から海外に出すときに、もう治験が終わってこのデータは大丈夫で、信頼性調査も日本で終わっているということなので、項数をかなり減らせると思いますので、そういったことを御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○中井 その件については実を言うと、医機連とも法改正要望の件の打合せをしているときに、ほとんどの要望というか、いろいろな意見が信頼性調査関係が一番多くていろいろな御批判も受けたので、それは別途議論されているという理解をしています。それとは別に、今日の藤原さんの御提案というのはもう少し上の提案で、何かそういう新たな取組ということだと思うのですけれども、恐らくそれは相手のあることなので、これで今すぐFDAとどう交渉できるかというのはそんなに簡単ではないのだと思います。特にEUとは、ちょっと交渉というのはどうしていいか想像が付かないですし、ふと思ったのは、こういうのは議論としては、先ほど誰かの提案のときに思っていたのですけれども、例えば今やっている日米のHBDの中でそういうものをやっていくとか、そこで一緒に審査もやりながら、かつ信頼性も一緒にやっていくとか、そういう議論を踏まえて同じだということをやはり理解していくというのが一番の近道のような気がするのですが、是非その品目を提案していただきたいというのが要望です。
○森(秀) ちなみに、EBC云々と申し上げていますけれども、我々も結局、EUの会社というのは全部アメリカでもやっていますので、FDAとの整合性が取れればEBCとしても問題はないと考えております。
○佐伯 中井さんが今、御説明くださったとおり、今までいろいろな薬機法改正の議論の場等で信頼性のことはいろいろ議論をしていただいているところです。それとは別という意味で今おっしゃっていただいたとおり、相互受入れみたいなものがGCPが一番顕著で、AMDDでは、昨年もEBCさんとAdvaMedさんとともに要望させていただいて、多分来年も入れると思いますけれども、今すぐとは無理だと思いますが、そういうお互いに無駄を省くという意味で、日本の地位がどんどん上がっている中、そういう交渉ができるステージに来ているのではないかと考えております。レジストリーのところもそうですし、GCPも、おっしゃるとおりHBD等から始めるのが一番取っ付きやすいのかなとは思いますけれども、いろいろな面でそういうのを検討いただければと思います。
○森(和) 今の議論の付加的な部分かもしれませんが、信頼性の議論というのが今までやっているような臨床試験についての話だけに、実はとどまっていなくて、特に医療機器の領域は今、出ましたけれども、レジストリーで集めるデータをこれからはもっといろいろ活用していこうという話がトピックになっています。昨年京都で開催したサミットのときもリアルワールドデータに関する議論がされていて、FDAもリアルワールドデータというのを、今年もまたサミットを開催するのですが、そこでもこういうテーマの話が議論されそうなのです。そうすると、データの信頼性の話については、もう少し新しいパラダイムの話が出てきていて、実臨床の中で集まってくる情報がどのぐらい確からしいのかということをお互いに、アメリカもヨーロッパも日本も考えなければいけなくなってきていて、そういうものも含めての実際に審査に使うときのデータの信頼性というのを考えるようになってきていると思います。
これは1つのチャンスではないかと思っています。今までの発想の評価対象についての細かな違いを議論すると、それぞれこだわりがあるので、なかなか譲れないし、一方で、特にクリニカルデータは臨床現場の医療の実態を背景にしている中でのデータの善し悪しの話だったりするので、なかなか難しかったりするというのも考えられます。
むしろ新しく信頼性の問題について、今ほとんどゼロベースで議論し始めているリアルワールドデータの部分の議論を新しい展開のきっかけにして、それも含めたこれから使われる幅広い臨床データの信頼性をどうやって担保するかというような話として、そこに日本が発言権を持てるような状況に今はなってきているので、業界の皆様のほうでも、やはりレジストリーを構築されて、そこで集まるデータでどういうものをどのように評価したいのか、要するに、評価の精度をどれぐらいにしたいかということによって、元のデータがどのぐらい確からしくなければいけないのかという目的に即して考える部分というのがあると思います。その辺りの議論を新しい発想でできるようなフィールドでやっていくほうが展望が開けそうな感じがちょっとしているものですから、是非そういう信頼性の議論を新しいエリアについても視野に入れて、そこで新しい提案をしてもらうというのがお互いに受け入れやすい部分があるのではないかと思いましたので、申し上げました。
○中井 レジストリーの信頼性の事前確認というような要望も頂いていましたので、それも新たな取組と思いますので、まず、その新たな取組からやっていくということだと思うのですけれども、その際にできれば、先ほどのFDAはよいけれども、日本では駄目だったというのがもしもあるのであれば、それはもう少し詳細に教えていただいて、そういう議論を深めさせていただければと思います。いずれにせよ、そういう国際整合性については簡単ではないですけれども、引き続き取り組んでいくということだと思います。
○林(修) EBC・IVDの林でございます。ちょうど国際整合性の話が出ましたので、体診でも一つお願いしたいということで発言させていただきます。
これは医療機器も一緒ですが、欧州においては体診のほうもIVDRに移行期間をもって移っていくと。今まで、どちらかというと規制という点では緩くて、承認後の品質というところに重きを置いていたところが変わってくるということで、FDAに近いような形になってくるのかなと考えます。正直なところ、我々業界内でも本当に、どういうように変わっていくのかを100%理解していないところもあります。
これまでも今までのいろいろな話の中で、例えば安定性試験のやり方が日本と海外とで要求されているものが全く違うという話、それは変えていけばいいのではないかということで了解いただいていた部分もあります。ただ、それだけではなくて何が違って、どういうようにこれから変わっていくのか。欧州でIVDRが実際に整合された時に日本と、どの部分が違うのかということを我々ももう一度きちんと勉強して、その上で再度議論をしたいと思っております。
これは医療機器とも相談して、EBCのほうでは第三者認証の人を呼んだりして、勉強会をして本当に100%理解した上で進めたいと考えております。是非、行政のほうも、あるいはPMDAの方にもそのような中に入ってきていただいて一緒に理解していただいて進めていくような形を取らせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○中井 それは私にとっても非常に関心のある最大事項です。EUの制度がどう変わっていくかということに非常に興味を持っています。是非、我々も勉強会などに呼んでいただきたいと思います。EUがどう変わっていくかというのは、ほかのアジアの国々における状況にすごく影響するので、EUの状況を知った上で、どう考えていくかを我々は長期的には見なければいけませんので、是非そこは願ってもない提案だと思っています。
○佐藤(し) AMDDのIVD委員会の委員長をしています佐藤しのぶです。今日、体診のところは、臨薬協の内山委員長からシンプルに法改正と協働計画のお話がありましたが、実は体診の課題、毎年のように、この場で感染研による承認前試験はとかクラス分類はとか、いろいろ細かな課題を申し上げておりました。その辺、今日は出なかったのですけれども、解決したのではなくて、全部協働計画の下にぶら下がる形でワーキングの形で重たい課題がずっと続いております。今日、個別なディスカッションはしないのですが、是非その辺りのケアも引き続きよろしくお願いいたします。感染研承認前試験、クラス分類、あと信頼性保証、その辺がずっと長期の課題として残っておりますので引き続き御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いします。
○中井 別に、ここで言わなかったから関係がないということを言うつもりはございませんので、大丈夫だと思います。
○内山 臨薬協の法規委員会の内山でございます。佐藤委員長から、ちょっと言葉が足りなかったのではないかと言われたのかもしれませんが、私は別の観点で、少し時間があるということでしたので話します。先ほどの資格要件の法改正の要望事項の中で、基本的に日薬連の要望事項と趣旨は同じだという話の中で、製造管理者の資格要件について、追加で御意見させていただきます。
当然のことながら、体外診断薬は医療機器等と同じQMS管理の中でやっているわけですが製造工程の中に設計開発も含まれています。そうすると、例えば同一の敷地内の中に設計まで含めた企業効果であれば当然、1人の製造管理者で用が済むわけですが、実際は社内的には、例えば同じ敷地内にあって、法的には同じ製造所として一つに登録されたとしても、やはり設計という部分は通常の製造部門や品質管理部門とは、上市するまでの間というのは社内の中でも結構シークレットな部分もある中で、果たして現状の製造現場の製造管理者が設計部門の設計開発の品質管理までするというのは結構、難しい。また一方で、製造現場でもいろいろと、確かにQMS省令の中で製造管理者の責務というのは特に明確になってはいないけれども、やはりそれなりに、これまでの過去の経歴からして製造管理者の責務というのは社内の中で重たいものがあるという中で、設計まで見ていくとなると、なかなか難しい。そうすると、やはり設計開発については別の製造管理者を立てたいという企業の考えもあるのですが、先ほど言ったように資格要件が薬剤師ということになると設計部門でもう一人、薬剤師の資格要件を持った人材を確保しなければいけないというところもある。やはり、そこが日薬連が出している医薬品でいう製造管理者のガバナンスの面とは別の意味で、体診業界、QMSの観点からも製造管理者についてはちょっと見直していただきたいなと思っておりますので、是非その点も御考慮いただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
○中井 分かりました。要するに、資格要件の見直しの中で、より体診側として、より切実な状況があるということですよね。そこは是非、今後も議論させていただきたいと思います。
○磯部 一言ぐらい言わせていただければと思っています。よろしくお願いします。お聞きしたかったことは、QMSの調査のやり方については制度部会でも議論に挙げさせていただいて、大体これに該当するような、御指摘いただいているような件数が大体どのぐらいの割合あるかとかいうのも一応リストアップさせていただきました。どういう内容のものが実際に課題にあるのかを具体的な、これまでQMS調査が業界の方から言わせればダブルで掛かっているものについてどういうものがあるのかを我々もリストアップして、それについてどう解決できるのかを具体的な中身を見ながら実は詰めさせていただいていますので、地に足の付いた議論が今できているかと思っています。
MDSAPに関して、これは非常に大事だと当然、私も思っています。言ってみれば、各国の政府が皆同じメーカーに入って、ほぼ同じようなことを見に行って、メーカーサイドからは何度も何度も同じような対応をしないといけないと思いますし、我々からしても同じようなことを各国が入って行うことになる。行政コストを削減していこうと思えば、もう少し省力化して、正しくSingle Audit Programでそれを各国が受け入れることができれば行政のコスト削減になりますし、効率的なやり方だと思っています。
ただ、そういう視点で見た時、AMDDのスライドの4番に、「QMS調査制度のさらなる合理化ならびに国際整合に向けて更なる議論のお願い」というものがあって、英語を直訳したような資料になっていて、いろいろ課題を挙げていただいていますので、若干、抽象的なので、実際に議論をする上では具体的にどういうような課題で何ができるのか、総論を挙げすぎるとなかなか何もできずに終わってしまうところもありますので、具体的な話を含めて、また今後の話だと思いますので、そういう形で話を進めさせていただければと思います。そういったことで御提案をいろいろいただければ助かります、以上です。
○佐伯 ありがとうございます。おっしゃるとおり、上のスライドのほうの1から3については、何と言いますか僭越ながら、実のある、地に足が付いていて、論点も整理されていてということで、それはある意味、レールに乗っているのかなと考えております。
更なる上というのは英語っぽいかもしれませんが、更なる上の議論となりますと、やはり、MDSAPということになり、各国がそれぞれ要求事項を持っているのを合わせるのでなかなか一つの要求事項にはならないとは思うのですが、今、磯部課長がおっしゃったとおり、一回受けたら世界で使えるというのが最終的なゴールだと思います。それを是非お願いします。AMDDも引き続き、もちろんPMDAともずっと勉強会をさせていただいたりしておりますので、引き続き御指導をよろしくお願いいたします。
○中井 ありがとうございました、ほかにございますか。できれば行政側からも意見をいただければと思います、大丈夫でしょうか。
○蓮見 磯部さんから話がありましたが、AMDDの「また更に5年後」の法改正の時に間に合うように何かできないか、あるいは10年後とかとなっているのですが、やはりQMSの要求事項というのは、こういう可能性はありますかという質問なのです。IMDRFで、各行政が「もう一緒にしましょう」つまり、FDAもQMSをやめてISO 13485をベースにするとかいう。ならば、「もうISO 13485だけで、ほかのローカルルールはやめましょう」というような話合いというか、そういうことにならない限りSingle Auditにならないと思います。そういう可能性ってIMDRFの中であるのでしょうか、どうなのでしょうかという質問です。
○磯部 その議論は、私も機器課長の時にちょっとあったのですが、ISO 13485が、いわゆるISOの背景を見て進むじゃないですか。これはアメリカの人も言っていたのですが、ISOのグループでやっていると、非常にマニアックな、テクニックな話にどんどん行って理想を追い掛けて、レギュラトリーの視点が全く抜けていって、使えないと。
前のISO 13485の改正の時には、前のGHTFとMOUを結んで、共同でレギュラトリー側とISOのテクニカルな人たちが合同でやることで、かなりそういった面を見かけたのだけれども、前回の改正についてはそうならずに、アメリカもかなり困っていると言っていました。実際、次の改正に向けて、すぐにどうこうはできないかもしれませんが、レギュラトリーの観点を入れたISO 13485の次の改正に向けての話になると思いますが、どのような形で今度のIMDRF側と、ISO側と話ができていくのかによるのではないかと思います。それを一歩一歩積み重ねていって、差異は、どうしても残っていく部分があると思いますが、差異を無くしていく努力をIMDRF側でやっていくことが必要なのではないかと私は思っています。
○中井 ありがとうございました、ほかに御意見はいかがでしょうか。
では、私から発言します。医機連の資料の13ページにありますけれども、「臨床に関する制度等の有効利用に向けての取組み」と書いてあります。幾つかの取組で齟齬や温度差が生じるケースがあり得るだろうということで、今後議論をしていきましょうということだと思います。何か問題があるなら早めに言ってもらったほうがいいのですが。これは字面どおりでいいのでしょうか。
○疋田 疋田です。時間の都合で省略させていただいたのですが、時間がありそうなので御回答させていただきたいと思います。制度の改正については、いろいろな議論をさせていただいて、とても良い制度ができたと思っています。ところが、実際に運用しようとした場合に、現場の解釈が違ってきている場合があると聞いています。現場の解釈が違ってくると、せっかくの良い制度が運用されなくて今までどおりになってしまうことが懸念されるので、一件一件、そういったものが発生した時に本当に問題がないかどうかを常に監視しながら、せっかくの良い制度をうまく活用できるように今後検討していけたらということで、このことを書かせていただきました。
○中井 現場というのは、具体的に何か問題があるなら、それはそれとして御議論させていただきたいのですが、今の段階で取り立てて何とかということではないという理解でいいですか。
○疋田 具体的なことは個別の話になるので、なかなか言いづらいところもあると思いますので、その辺は別途また調整していただきたいと思います。
○中井 ほかに何かございますか。せっかくですので、ちょうど久芳さんの顔が見えたので、制度部会の代表者として、お願いします。
○久芳 ありがとうございます、医機連の久芳でございます。資料2で制度部会について整理していただきまして、ありがとうございます。
今日の議論の中でも、業界側からQMS調査の話やUDIの話、それから添付文書の電子化の話等々、関連するところを改めて要望として出させていただいております。この中で、今日の要望の中では具体的に入っていないですが、制度部会と若干ダブって恐縮ですが、今日の資料で言うと、医機連の資料の12ページのⅡ-3辺りに若干絡むのですが、やはり企業の活動そのものがグローバル化しているという状況があります。そういった中で、業の形態がいろいろ変わっていくといいますか、企業としての経済性、合理的な運用等を考えていろいろ変わっていくということが比較的頻繁に起こっているという状況の中で、それに伴って業の変更の手続がかなり煩雑なケースがいろいろあります。この辺りは、運用でいろいろ改善していく可能性もあるのではないかということで、中井課長からもコメントをいただいたりしておりますが、日常の手続が煩雑なために、行政側も、それから我々も手間を掛けているという実態があると思っております。
例えば、都道府県等に届けている販売業の変更の手続など、そういったところの具体的、合理的な運用を是非、早期に実現していただけると、お互いにハッピーなのではないかと思っております。是非よろしくお願いいたします。
○中井 その件については、以前から医機連から要望をいただいているものが幾つかあります。それについては、やれることとやれないことを含めて一個一個を運用でやることと、制度部会でやることを分けて、我々として幾つかこういうことを考えているという説明はしているつもりでいます。それで完璧かどうかは検討が必要ですが、まずは一歩ということで考えています。それ以外に、まだあるのであればなるべく早急に言っていただいて、恐らく都道府県の相手のあることですので、一気に解決はできませんが、そういった議論は継続してやっていきたいと思います。
いずれにしろ、医機連の中に、まだそれほど我々の考えていることというのが全部伝わっているとは思っていませんので、そこを含めて、また伝わった時点で、もう一度議論させていただければと思っています。ほかに大丈夫でしょうか。
○森(和) すみません、ちょっとレジストリつながりで、御質問させていただきたいのですが、医機連からの御要望ということで頂いている資料3の14枚目のスライドに、レジストリ構築に対する要望ということで頂いています。ここに書かれている問題認識や今後の方向性について、非常に大事なことを御提案いただいているのはそのとおりだと思いますし、個別の機器ごとにそれぞれのレジストリを作っていると、小さくて運営の費用の継続性の点でも不安があって、そういうものをずっと維持し続けることが非常に大変だと。それを、もう少しナショナルレベルの一貫性のある標準化されたものにしていってはどうかというイメージが、ここに描かれているかと思います。
これをもし、もっと詰めていくとしたら、どのような形でイメージを描き、作業をし、それを関係する各企業の皆様、製品をお持ちになっている各業界の傘下の企業にイメージとしての共通認識を持ってもらうというのは結構、大きな作業になると思うのですが、どのようなところから着手しようという具体的なイメージをお持ちなのでしょうか。ありましたら教えていただきたいのですが。
○疋田 私が省略したところを話題に取り上げていただきまして、ありがとうございます。これについては、おっしゃるとおりです。今、学会等を主体としてレジストリを作っていたりして、あとは受益者負担ということで、個別の企業が多くの費用を負担しているという実態があり、それが承認のほうに持っていけるかというと、学会が主体としているものなので、データの信頼性も含めてなかなか難しい状況があるということがあります。
一部の機器にしかなくて、それが全ての機器にあるのかというと、そうではないといった状況があります。そうであれば、大きなシステムを作って、医薬品でやっているMID-NETなどのシステムも大きくあると思うのですが、同じような考え方で医療機器にもそういった運用ができるようなことを考えながら使えるデータを構築していかなければならないということを今考えているところです。まだ具体的に、どうのこうのということはないのですが、一個一個を潰していきながら、ほかのシステムを含めて見ていきながら提案できていけたらと思っているところです。
○森(和) 今日、いろいろ御提案いただいているものの中に、そういう構想、これはかなり大きな構想の話だと思うので、構成される前提条件が幾つかあると思います。今、局長ともちょっと話をしていて、例えばUDIがきちんと制度化されて、それによってレジストリに登録されているデバイスが同じものは同じ、同じ種類のものはこういうコードで全部網羅できるとか、あるいはそこに登録されていくデータ、電子カルテのほうのデータの標準化も進んでいかないと効率が悪くて仕方がないです。
MID-NETを例に挙げられましたけれども、これもまた膨大な資金というか、費用を官民ともに投入して標準化するために非常に苦労してやってきているというのは多分、皆さんも御存じだと思います。これを医療機器の世界でやろうとすると、MID-NETの経験をうまく活かして、要するに悪戦苦闘を医療機器の領域でまたやるというのはできるだけ避けたほうがいいのではないかと思います。今、大きな構造としてお考えだという答えを頂いているので、そうすると関係する行政側のセクションも医薬局だけではなく、医政局もあるでしょうし、あるいは医療保険サイドのほうにも一定の協力をもらうとか、まず国立病院関係のところからやりましょうという話で乗ってもらえないかとか、いろいろ可能性を追求していく中で、いきなり巨大なものを作るというのは余りにもちょっとハードルが高い。少なくとも、こういう領域で使っているデバイスについてはきちんとしたレジストリで、ずっと追い駆けると皆、楽になりますよねというようなところを幾つか狙って検討するというのも現実的かと思います。こうしたことの議論をもう少し前向きに機会をとらえてさせていただけますと、よいものができてくる、そういう絵が描けてくるのではないかと思います。ありがとうございました。
○久芳 関連で、ちょっと発言させていただきます、医機連の久芳でございます。今の御指摘については、同じ医機連の資料の7ページのⅠ-5にも関連したことを書いております。今、御指摘のように確かに現実的な、具体的なところからきちんと要件を決めてというのもございますけれども、一方では大きな方向性といいますか、7ページの3つ目のところに、先ほど御指摘のMID-NETの話、CINとMID-NETは融合するという、医薬品のほうだと思いますが、そういう取組をするという話の中で、やはり大きな方向性を是非、医療機器も含めて検討していただきたい。その時にキーになるのは、やはりここに書いておりますように、いわゆる名寄せができるとか、できないとかの話は、どうしても医療等IDが本格的な運用につながっていくという状況が必要だと思います。医療機器側で言うと、やはりUDIのような機器のほうのIDといいますか、そういうものときちんとつなげていく、情報としてつなげていくためのキーになるID情報をしっかり構築していく。そういったところを含めて、大きな方向性は業界からというよりも、やはり国主導でやっていただかないと難しいのかなという印象を持っておりますので、是非いろいろな場で議論させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○宮本 今、久芳さんからもお話いただきましたが、大きな方向性は国主導でということでやっていいのだったらやってしまいますけれども。ただ、時間軸も考えながら、フィージビリティーとコストを含めて時間軸も考えながらもありますが。率直に言いますと、薬機法改正は今回の法律の中では議論する内容として結構、盛り込んでおりますが、全てを法案提出の段階で細かいところまでセットして、それを法案に出せるという状態には多分なかなか難しいかと思います。いろいろな問題につきまして新しい制度を導入すると。では、それについてどういう時間軸でやっていくのか、何からやっていくのかについては多分、もう少し技術的な、細かい話合いを、いろいろな場を通じて順序立ててやっていく必要があると思っております。幾つかの議題について引き続きという御指摘も頂きましたけれども、我々の行っております制度改正につきましても我々自身も多分、細かいスペックについては何某か、範囲や時間軸などを考慮しながら順次やっていく。そのために、一体何をどこまで決めればいいのかを一方的に我々が決めていいとは思っておりません。皆様から御指摘いただきましたように、まだ引き続き検討事項が必要だという項目が幾つかあります。同じように、我々自身も皆さんといろいろ相談しながら制度改正していかなければいけない、今日のお話をお伺いしましても幾つかあることもよく承知いたしましたので、そういった会議の場につきましても、是非とも国際的な動向や医療の現場の話を踏まえて皆様から情報提供を頂ければありがたいと思っております。
○中井 ありがとうございました。最後に大分まとまった感じがしてきました。ほかにございますでしょうか。
ほぼ時間になってきております。先ほど来、ありましたけれども制度部会もございますし、いろいろな課題があって、要望はどんどん伝えていただいて結構だと思います。それから、また引き続き、ここでの会議以外に議論する場もありますので、それも含めて議論することが一番大切なことですので、引き続き検討させていただきたいと思います。最後に、特にもう一言ということがありましたら。よろしいですか。
それでは本日については、これで終了させていただきます。また引き続き議論させていただければと思います。どうもありがとうございました。

 

(了)

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