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2017年11月13日 社会保障審議会児童部会第10回遊びのプログラム等に関する専門委員会

子ども家庭局子育て支援課

○日時

平成29年11月13日(月)10:00~12:00


○場所

労働委員会会館6階 第612会議室
 (東京都港区芝公園1-5-32)


○出席者

委員

植木 信一 (新潟県立大学人間生活学部子ども学科教授)
北島 尚志 (NPO法人あそび環境Museumアフタフ・バーバン理事長)
佐野 真一 (港区立麻布子ども中高生プラザ館長)
鈴木 一光 (一般財団法人児童健全育成推進財団理事長)
高松 絵里子 (北海道中標津町役場町民生活部子育て支援室長)
中川 一良 (社会福祉法人健光園 京都市北白川児童館館長)
羽崎 泰男 (一般社団法人鬼ごっこ協会代表理事)
松田 妙子 (NPO法人せたがや子育てネット代表理事)

事務局

川鍋子育て支援課長
鈴木健全育成推進室長
竹中 課長補佐
依田児童環境づくり専門官

○議題

(1)今後の進め方について
(2)平成28年度遊びのプログラム実施児童館の取り組みに関する分析・検証について
(3)「地域の児童館が果たすべき機能及び役割に関する調査研究」結果の報告について
(4)今後の地域の児童館等のあり方の検討について
(5)その他

○配布資料

資料1 今後の地域の児童館等のあり方検討ワーキンググループの設置(案)について
資料2 専門委員会の今後のスケジュール(案)
資料3 第9回遊びのプログラム等に関する専門委員会主な指摘事項等
資料4 平成28年度遊びのプログラム実施児童館の取り組みに関する分析・検証について
資料5 平成28年度「地域の児童館が果たすべき機能及び役割に関する調査研究」報告資料
資料6 児童館のあり方及び児童館ガイドラインの見直しに係る検討課題について
資料7 有識者意見交換会の主な意見
参考資料1 平成29年度「児童館等における「遊びのプログラム」の開発・普及に係る調査研究関係資料
参考資料2 平成28年度「地域の児童館が果たすべき機能及び役割に関する調査研究」報告書(第6章)抜粋資料
参考資料3 児童館関係法令抜粋資料
参考資料4 社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員会の設置について

○議事

○竹中課長補佐 それでは、定刻より少し前ですけれども、委員の方がお集まりですので、た
だいまから第10回「遊びのプログラム等に関する専門委員会」を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうござ
います。
本日は、大塚委員と吉村委員が御欠席との御連絡をいただいております。
それでは、早速でございますけれども、鈴木委員長のほうに進行をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○鈴木委員長 皆さん、おはようございます。労働委員会会館、初めて来た場所でちょっと緊
張しておりますけれども、和やかに進めていきたいと思います。
本日、第10回の専門委員会です。委員の皆様方には御出席をいただきまして、誠にありがと
うございます。本日もよろしくお願い申し上げます。
夏休みの終わりの頃は子どもの自殺が増えるということで大変心を痛めておりましたが、10
月の末に座間でとんでもない凄惨な事件が起きまして、加害者、被害者の成育歴が気になると
ころでございます。
私どもの児童館も他人事ではないのですが、SNSを通じて自殺予防の発信を考えたり、また、
専門的なボランティアも活用しながら児童館を自殺防止の面接場所とできないかとか、何か防
波堤の一つとして、このガイドラインにも反映させるような事態なのかなと思いながら、日々
事件の推移を眺めています。
警察と医療を例示に使うとわかりやすいのですが、古来この2分野は典型的な対症療法で、
そのわざを旨としておりますけれども、科学的な進歩に伴っていろいろな情報・技術を取り入
れながら、随分人々を救っています。これにならって健全育成を考えると、健全育成は刑事政
策と予防医学なのかなと。そうすると、夜の見回りをしたから犯罪が減ったという立証に警察
のほうでも苦労しておりますし、食事制限をしたり、運動をしたから病気にならないと確実に
言えるかどうかという悩みもやはり持っておられるようです。
そこを言語化して実証していかないと、こういった活動も活発になりませんし、予算もつき
ません。児童館もまさに同じで、我々の遊びのプログラム、乳幼児期、思春期それぞれにわた
って自信を持って実行しておられるところですが、それが第三者になかなか可視化されません。
そこをどう言語化して実証していくか、これが今回ガイドラインを改訂するに当たっても、私
はずっと念頭にひっかかっておりまして、ここを何とかきちんと評価していかないと健全育成
は風前の灯になるなという危惧を抱いております。
さて、8月の有識者懇談会で主に3点意見を交換いたしました。1つは、平成28年度遊びの
プログラム実施児童館の取り組みに関する分析と検証について、2つに、平成28年度地域の児
童館が果たすべき機能と役割に関する調査研究、これは主任研究者の植木委員から研究報告を
いただきました。3つ目は、今後の地域の児童館のあり方について議論をしてまいりました。
今回は以上3点を思い出していただきながら、具体的にガイドライン改定に向けて内容に踏み
込む第1回目の専門委員会であります。ぜひ皆様の知見をワーキンググループに引き継いでい
きたいと考えておりますので、活発な御意見を賜れますようにお願いを申し上げたいと思いま
す。
それでは、議事に入りますが、議事に入る前に事務局から資料の確認についてお願いしたい
と思います。
○竹中課長補佐 議事次第にあります通り、本日、資料1から資料7、参考資料が1から4を
お配りしております。
資料1ですけれども、今、委員長からもお話がありました通り、前回第9回の専門委員会が
2月10日に開催されましたが、そのときに設置について御承認をいただいたワーキンググルー
プの設置要綱でございます。今回、改正部分と構成員の方々、裏面にありますけれども、別紙
の通り委員長からの指名ということで記載しておりますので御確認いただければと思います。
資料2が、今後のスケジュール(案)。
資料3が、前回第9回の専門委員会における主な指摘事項等。
資料4が、「平成28年度の遊びのプログラム実施児童館の取り組みに関する分析・検証につ
いて」、A4横パワポの資料。
資料5が、植木先生に御研究いただいた昨年度の調査研究に関する概要資料。
資料6が、本日検討していただきます主な内容になりますけれども、「児童館のあり方及び
児童館ガイドラインの見直し等に係る検討課題について」、A4横パワポの資料でございます。
資料7が、「有識者意見交換会の主な意見等」ということで1と2がございます。
参考資料は、先ほどの資料2にもかかわりますけれども、先般9月13日に開催しました児童
館・遊びのマルシェの概要資料でございます。
参考資料2が、先ほどの植木先生に行っていただいた調査研究のもうちょっと詳しい版。
参考資料3が、本日の議論の参考ということで、児童館関係法令の抜粋をつけさせていただ
いています。児童福祉法と児童福祉施設最低基準、さらには設置運営要綱とガイドラインを入
れさせていただいております。
最後に参考資料4ですけれども、同じ社会保障審議会の児童部会の中に「放課後児童対策に
関する専門委員会」を先般11月8日に設置させていただきました。主な検討課題としては、3
の(1)になりますけれども、放課後児童対策全般ということで、放課後児童クラブに関して、
女性の就業率の上昇がずっと続いております。保育所と同様に利用児童数の増加が見込まれる
中で、量的拡充は当然必要なのですけれども、質の確保という面でもどのように対応していく
か、さらに、多様なニーズへの対応をどのようにしていくかが当面の課題となっておりますの
で、そういった放課後児童クラブのあり方を含めまして、放課後児童対策全般について検討し
ていくということで御紹介させていただきたいと思います。
裏面の別紙が専門委員会委員の名簿になっておりますが、本専門委員会と重複して植木委員
と中川委員に御参加いただいておりまして、それぞれの専門委員会でかぶる部分も若干ありま
すので、キャッチボールしながら同時並行で進めていきたいと考えております。
資料の説明は以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
皆さん、お手元の資料の確認は大丈夫でしょうか。
それでは、議事の1、「今後の進め方について」、事務局より説明をお願いいたします。
○川鍋課長 子育て支援課長の川鍋でございます。
最初に1点、事務局で不備がございましたので、お詫びを申し上げたいと思います。本日、
第10回の専門委員会となっておりますけれども、実は前回8月25日に10回目を開催させていた
だいたのですけれども、この専門委員会が所属している児童部会では、委員としての任命を大
臣が行って、あわせて委員としての指名を社会保障審議会の会長が行うことになっておりまし
たが、前回開催した専門委員会では委員の1名の方の任期が切れておりまして、8名の方が審
議会会長の指名が未指名の状態ということになってしまいました。本来あってはならない事務

上の不備でございまして、8月25日の専門委員会については、どうしてもこの形からいくと効
力がないと考えざるを得ませんので、今回もう一度10回目ということで、前回は有識者の意見
交換会として振り替えさせていただきました。
経過の詳細については皆様に御説明いたしましたけれども、今後きちんとした再発防止に努
めたいと思います。大変御迷惑をおかけしたことについてお詫び申し上げます。
本日、第10回目の専門委員会ということになりました。この専門委員会では、児童館等にお
ける遊びのプログラムの普及や開発について中心的に検討してまいりました。今後は、地域の
児童館のあり方や指針となるガイドラインの見直しの検討に着手していくということになりま
すけれども、より専門的な見地から実務的に検討を行うために、この専門委員会のもとにワー
キンググループを設置しまして、具体的な作業や調整に当たっていただくこととしております。
本日、資料1として、その改正案をお示ししております。委員長の指名により、別紙の通り
構成員が決定しておりますので、御報告させていただきます。
それから、もう1点、先ほどちょっとお話にありましたが、今、子どもが成長していく中で、
その過ごし方が大変大事であるという問題意識に立って、先週の8日に放課後児童対策に関す
る専門委員会を設置して開催させていただきました。実は、この放課後の専門委員会の議論に
ついては、今回の遊びのプログラム等に関する専門委員会と非常に深くかかわる話でございま
すので、できる限り皆さんにもう一方の委員会の議論も共有させていただきながら、子どもの
居場所、あるいは、放課後どこでどう過ごすのかとか非常に大事でございます。そのソフトも
大事でございますので、ぜひ引き続き御検討のほどをよろしくお願いいたしたいと思います。
以上です。
○依田専門官 事務局から専門委員会の今後のスケジュール等について、資料2で御説明を申
し上げます。
この専門委員会は、今回が10回目となります。議題は、主に遊びのプログラムの開発・普及
と、児童館の機能及び役割の検討の2つを並行して開催しています。
本年度の専門委員会については3回、ワーキングを2回、もしくは3回、必要に応じて、専
門委員会、ワーキングと繰り返し進めていくよう考えているところでございます。
そして、その下に「モデル事業」とありますが、委託事業として遊びのプログラムの開発・
普及に係る調査研究業務でございます。その裏には、実施計画の概要をお示ししてございます。
児童館等で自ら企画・開発、または改良した遊びのプログラムをモデル的に実施して、地域
における開発・改良・普及プロセスを調査し、その健全育成上の効果や効果的実施方法を分析
し、具体的な成果物として、遊びのプログラムのマニュアルを作成することとしています。
本専門委員会においても、こういったマニュアルをしっかり見ながら、児童館ガイドライン
にも反映させていくことになろうかと考えるところでございます。
内容としましては、遊びのプログラムをモデル的に実施する児童館等をまずは選定する。そ
して、全国でトライアルという形で、実際に児童館等で取り組んでいただきます。その効果を
検証して、結果を実施マニュアルとしてまとめることになります。まとめられたマニュアルに
よって、さらにプログラムの普及につなげていくよう考えております。
具体的に10種ほど遊びのプログラムが紹介されています。
防災、父親の育児参加、多世代・異世代の交流、子ども食堂等々、さまざまな取り組みを多
様な角度から、また、児童館ガイドラインの活動内容も意識しながら進めていただいていると
ころでございます。トライアル児童館は、すでに選定されています。
9月13日、オリンピック記念青少年総合センターで行われました「遊びのマルシェ」につい
て、参考資料1で、一つ一つのプログラムを詳しく御紹介をしています。プログラム内容がど
のようなものか写真にも紹介されていますので、ご覧いただければと思います。
このマルシェにおいて、それらのプログラムを体験した児童館が、さらに全国に普及してい
くこととしております。マルシェに参加した児童館から、協力いただくトライヤル児童館を公
募しまして、9月から12月にプロトタイプに基づいてプログラムを実施することとしています。
次は、実施計画となっています。順調に進めていただいている旨、報告を受けています。
御報告は以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
今、議事(1)についてそれぞれ御説明をいただきました。これについて御意見とか御質問
とかはどうでしょうか。ありましたら挙手をしてお願いしたいと思います。確認事項が多うご
ざいますので、よろしゅうございますかね。
それでは、次に、議事の(2)でございます。「平成28年度遊びのプログラム実施児童館の
取り組みに関する分析・検証について」及び(3)「地域の児童館が果たすべき機能及び役割
に関する調査研究」結果の報告につきまして、事務局からまとめて御報告をお願いしたいと思
います。
○依田専門官 それでは、資料3をご覧いただき、前回第9回の遊びのプログラム等に関する
専門委員会の主な指摘事項を振り返ります。
平成29年2月10日金曜日、厚生労働省で行いました。
遊びのプログラムの実施児童館は、昨年16館でしたけれども、各専門委員が現地に赴き、実
際にその取り組みを視ていただき御報告いただいたものです。
概括しますと、多様な遊び、従来からあった遊びに、子どもたちの今日的な課題、また、地
域の課題をつけ加えていくようなニーズに合わせた取り組みが見られたとのご報告がありまし
た。
プログラムには、PDCAのサイクルが非常に重要であり、特に子どもの声や思いをプログ
ラムに反映させているかどうかが肝になる。新しい活動を日常的な活動に連動させていくこと
が今後の課題であるという報告がありました
また、プログラムの良かったところ以外も出し合っていかなければ深い考察にならないとい
う指摘があり、評価には、子ども、家族等にアンケート等で効果を検証していくことも大変有
効であるといった指摘がありました。
平成29年度遊びのプログラムの開発・普及に係る調査研究業務は、遊びのマルシェの取り組
みに代表される調査研究業務の一環として実施している事業で、その考え方や内容を示してい
ます。
児童館ガイドラインの改定に当たっては、細かい作業や事務が必要ということで、2月にワ
ーキンググループの設置について検討いただいておりました。専門委員の方と外部から児童福
祉全般に精通する研究者の方々を2~3名を招聘することとされました。
平成29年度の専門委員会の方向性としては、遊びのプログラムとあわせて地域の児童館等の
果たすべき機能及び役割の検討、児童館ガイドラインの改訂に向けた検討を同時に進行し、そ
の間にワーキングを開催する予定としております。
遊びのプログラムの開発・改良・普及につきましては、遊びのプログラムを開発・改良・普
及するためにどういった方法が効果的かという意見も出されまして、例示した通り多様な方法
で普及していく考え方が示されました。
プログラムの終わった後、効果測定、評価・改訂の方法などにも検討が必要ではないかとい
う御意見もいただきました。
今後の児童館等のあり方につきましては、遊びのプログラムの受け皿となる児童館自体をし
っかりさせなくてはならないのではないかという意見がありました。
子どもの貧困、虐待の問題等の社会現象の中で、児童館が果たす役割等について、もう一度
児童館ガイドラインに示していく必要がある。
また、大型児童館の役割、小型児童館の役割についてもしっかり検討していくという意見。
館長の役割についても、ガイドラインの中でもう一度しっかり押さえておかなければならない
といった意見を伺いました。
議題の3となります。平成28年度に遊びのプログラムを実施した16館の取り組みを比較検討
すると、児童館の特性である遊びを生かして、環境問題、学習支援、災害復興、地域の交流促
進といった今日の地域社会の福祉的課題に結びついたプログラムが構成・展開されていたとい
うこと。
2つ目、子どもが主体的にかかわっているかどうか、子どもの声が引き出せているか、アン
ケート等で効果を検証することが有効であるという御意見も伺いました。
遊びのプログラムの開発・改良・普及するための効果的な方法については、さらに検討が必
要であること。遊びのプログラムの効果測定、評価指標については、今後さらに検討・研究が
求めること。次の表は、16館とそのプログラムの内容です。
「地域の児童館が果たすべき機能及び役割に関する調査研究」でございますが、本委員会の
委員である新潟県立大学の植木先生に主任研究員として、8名の先生に御参画いただきました。
研究の目的は、児童館が地域において果たすべき今日的機能及び役割を整理し、児童館ガイ
ドラインの見直し、関係法令等も検討するための実態調査と、その分析のもとに方向性や具体
的な検討項目を明らかにしていくことです。
「研究の方法」は、全国児童館実態調査として、小型児童館・児童センターと、大型児童館
の2つの調査をしていただきました。3つ目に、第三者評価の予備調査を行っています。
「研究結果」でございますけれども、小型児童館・児童センターについて、利用者が増える
児童館は、専門的な資格を有する職員、常勤の館長が配置されていることがわかった。
児童館の活動内容は、児童厚生員の勤務年数や専任の館長の配置に関係することがわかった。
児童館ガイドラインに基づく活動を多様に行う児童館は、利用者が増加する傾向が見られた
などがございました。
大型児童館の調査結果としては、大型児童館は多様な取り組みをしているので、共通項を見
つけ出すのは難しかったが、その交流機会が互いの特徴や背景を知ることになり、運営内容の
充実・発展を図る上で大変重要であるということ。また、大型児童館の運営委員会の役割を再
認識し、その活性化に役立てていくことが必要であるという指摘がありました。
また、大型児童館特有の活動を児童館ガイドラインにも反映させることが必要ではないか。
さらに、児童館機能の多様性に関すること、児童館職員の専門性に関すること、児童館の館
長の配置に関すること、児童館の職員、児童厚生員のソーシャルワーク能力に関すること、大
型児童館の活動内容に関することについて提言いただいております。参考資料2では、植木先
生が主任研究員としてまとめていただいた研究報告書のまとめと提言の部分を抜粋しておりま
すので、児童館機能の多様性に関することなどその詳細については、この参考資料210ページか
らの「提言」をお目通しいただければと思います。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
この御報告に対しての御意見、御質問などはどうでしょうか。改めての確認ということにな
るかもしれませんが。
この辺は8月の有識者懇談会で詳細に意見交換をしたところでございますので、よろしゅう
ございますか。
○松田委員 1つだけ質問してもいいですか。
○鈴木委員長 どうぞ。
○松田委員 これは、学校というか、教育委員会との関係みたいなものというのは調査項目に
あったのでしょうか。
○鈴木委員長 調査項目に教育委員会との関係は特に入っていないですよね。
○松田委員 学校との関係とか。
○鈴木委員長 はい。
○松田委員 ありがとうございます。
○鈴木委員長 ほかにどうでしょうか。松田委員のような御指摘でも結構かと思いますが、よ
ろしゅうございますか。
それでは、議事の2及び3につきましては、以上とさせていただきます。ありがとうござい
ました。
次の議題4でございます。今日の一番核心部分になろうかと思いますが、「今後の地域の児
童館のあり方の検討について」、事務局より引き続き御説明をお願いします。
○依田専門官 「児童館のあり方及び児童館ガイドラインの見直し等に係る検討課題について」
まず、1.児童館のガイドライン策定にどのような背景があったのか。
平成22年に柏女霊峰委員長を座長として児童館ガイドライン検討委員会が設置されました。
その背景には、当時、地域の児童館が本来の機能・役割を十分に発揮していないという指摘や、
自治体の財政の逼迫などで廃止・転用などが散見されるようになっていたことがあります。そ
して、指定管理制度の浸透で児童館の民営化が進んだこともあり、児童館の福祉的機能・役割
の再確認が重要になった。
また、子どもたちの集団での遊び、地域での多様な体験の機会が減少していたこと。子ども
時代に遊びを通して獲得すべき自主性、社会性、創造性といった健全育成上の発達課題が十分
に得られないという危惧もあったため、平成23年3月31日に児童館ガイドラインが発出され、
6年目になります。
児童館の現状と課題です。
児童館は、昭和40年代から50年代、高度経済成長期に合わせて全国に設置が進みますが、現
在、施設の老朽化が全体的に進んでいることが現状としてあります。
そして、児童館の総数としては、平成18年の4,718か所をピークに減少傾向に転じ、現在はほ
ぼ横ばいで推移し、最近の調査では微増しています。
全国の市区町村自治体での児童館の設置率は62.2%と低くなっていることが、平成27年の調
査研究の結果報告でわかりました。そのうち、平成31年度までに児童館の休館・廃止を予定、
または検討している市区町村は14.5%ありました。
また、子ども・子育て家庭を取り巻く社会環境が複雑多様化しているということから、子ど
もの貧困、児童虐待への対応等、今日的な社会課題に対応する児童館の機能・役割への期待が
高まってきたということがございます。
具体的に今日的な社会課題とはどういったものを指すか、また、それに取り組む児童館がど
れくらいあったかを紹介しています。
その現状を踏まえた課題では、専門委員会で初年度に実施した「地域の児童館で行われてい
る活動プログラムの実践状況調査」から、児童館ガイドラインの活動内容に沿って運営する児
童館が92.7%、子どもが意見を述べる場の提供が約6割、貧困家庭やひとり親家庭等の学習支
援など今日的課題への対応に取り組んでいる状況もあった。移動児童館、子ども110番の家など
の取り組みも行う児童館もありました。
最後に、児童館ガイドラインは、児童館の運営や活動内容を向上させる上で重要な役割を果
たしているものの、課題も3つ示しております。
今日的課題にどのように取り組んでいくのか。ガイドラインの周知をどうしていくのか。今
後、児童館が果たすべき機能・役割の検討をどのように進めていくか、といったことが積み残
しの検討課題となっています。
4ページは、平成28年度「地域の児童館が果たすべき機能及び役割に関する調査研究」の説
明になっています。小型児童館・児童センターについて8つ指摘されています。大型児童館に
ついては、3つ指摘されているところでございます。
児童館ガイドライン策定時の積み残しの検討課題ですが、平成23年3月28日に最後の児童館
ガイドライン検討会を行っておりますが、その時点でガイドラインに盛り込めなかった内容で
27項目ございます。時間の関係で読み上げることはできませんけれども、今後、児童館ガイド
ラインの検討課題として取り上げていくのか今後ご判断いただくところです。
児童館ガイドラインの見直しに向けての主な着眼点でございます。8項目お示しをしており
ますけれども、「地域の児童館が果たすべき機能及び役割に関する調査研究」から、そして「有
識者の意見交換会」からも具体的な御提言もいただき、事務局で整理したものになります。
参考資料2にリンクしています。例えば(2)番の「社会課題への対応が児童館の普遍的機
能になりつつあること」は、報告書の提言の(1)の1に示されています。
それから、(3)の「子ども・子育て家庭への身近な相談窓口としての機能の強化が求めら
れていること」につきましては、研究報告書の(1)の1に示されているところでございます。
このように指摘のあったものをガイドラインの見直しの着眼点として抜き出しています。
また、平成23年、児童館ガイドライン発出以降に制定、もしくは改正された児童館の主な関
係法令との整合・照合を図っていくということで、例えば子どもの貧困対策の推進に関する法
律、いじめ防止対策推進法、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準、放課後児
童クラブ運営指針等々。児童福祉法も改正されていますので、1条から3条が児童館ガイドラ
インと関連しますので見直し項目として挙げております。
4.児童館ガイドラインの検討項目・指摘事項についてです。黒字が現行の児童館ガイドラ
イン、そして、「凡例」の白丸は参考資料2の28年度の「地域の児童館が果たすべき機能及び
役割に関する調査研究」6章「提言」(214ページ)の5行目から各項目の指摘事項になります。
赤丸は、8月と9月の有識者意見交換会の中で具体的にガイドラインの内容に沿って具体的
に御意見をいただいたものを示しています。
現行の児童館ガイドラインは、6項目から構成されております。黒字で記載されているのが
現行の児童館ガイドライン原文、赤字が今回の指摘・検討事項です。
1.「児童館運営の理念と目的」は2項目ございます。
2.「児童館の機能・役割」は5項目、「発達の増進」、「日常の生活支援」、「問題の発生
予防・早期発見と対応」、「子育て家庭への支援」、「地域組織活動の育成」について、御意
見を伺っています。
3.「児童館の活動内容」は、8項目示されております。「遊びによる子どもの育成」、「子
どもの居場所の提供」、「保護者の子育ての支援」、「子どもが意見を述べる場の提供」、「地
域の健全育成の環境づくり」、「ボランティアの育成と活動」、「放課後児童クラブの実施」、
「配慮を必要とする子どもの対応」、それぞれ関係すると思われる小項目にも指摘事項を挟み
込んだ形でお示ししています。
4.「児童館と家庭・学校・地域との連携」でございます。「家庭との連携」、「学校との連
携」、「地域との連携」の3つの項目で示されています。
5.「児童館の職員」では、全体のトーンとして、児童館職員は児童ソーシャルワーカーとし
ての役割を果たすよう努めることを書き加えていく必要があるという御指摘があり、児童館長
の職務、そして児童厚生員の職務についても、それぞれお示ししています。
「児童館の職場の倫理」、そして、「児童館職員の研修」についても、いくつか指摘されて
います。
最後に、6.「児童館の運営」では、(1)設備、(2)運営主体、そして(3)運営管理が
さらに8項目に分かれて細かくブレークダウンされております。それぞれ加筆や例示する必要
等について赤字で囲んでおります。
その他、どの項目にも当てはまらないものについてまとめています。実習生の受け入れにつ
いて。大型児童館についてもガイドラインにしっかり反映させることは、研究の提言でも有識
者の御意見でも御指摘をいただいているところです。
参考までに、県内児童館の指導及び連絡調整等の役割を果たす中枢的機能など、大型児童館
固有の役割・機能とはどういうものか、児童館の設置運営要綱からお示ししています。
参考資料3の4ページからは、児童館の設置運営要綱ですので、御参照いただければと思い
ます。
児童館ガイドラインの発出以降に、施行・改正された主な関係法令も記載しました。児童福
祉法の改正等々、改正された関係法令を児童館ガイドラインにどのような形で反映させていく
のか、専門委員会あるいはワーキングで検討し精査していくことになります。用語の注釈につ
いても若干変更が加わります。
29ページ以降は、児童館ガイドラインのほか、放課後児童クラブ運営指針、保育所保育指針
類似する指針の構成と文字数の比較資料を参考までに添付しております。
次に、資料7をご覧ください。
有識者意見交換会として振り替えた8月25日の「議題と主な意見等」です。(3)「今後の
地域の児童館等のあり方の検討について」を御説明申し上げます。
専任や常勤の館長は、児童館運営全般に責任を持たなければならないことから、児童館の仕
事に集中して取り組むことにつながっているということ。兼任館長であっても頻繁に現場に赴
き、また会議で現場の声を汲み取って、優れた運営をしている事例もある。保育所長には、研
修が義務づけられており、児童館長も着任後はやくに研修を受ける意味は大きい。都道府県等
で館長研修があれば意識も変わっていくものと思われる、など御意見を伺ったところです。
次のページは、9月19日の有識者意見交換会の主な意見を示しています。
児童館ガイドライン策定から6年が経過している。当時、子どもの貧困の問題、いじめ防止
の問題など、子どもと家庭を取り巻く状況についてガイドラインに反映できていないところは
見直しが必要である。
ガイドラインは現場の運営に寄与するとともに、指定管理の標準的な仕様書に使われている
現状があるため、さらに丁寧に充実したものにしていくことが大切であること。
小型児童館または児童センターに対する指導的な役割を果たす大型児童館は、現行のガイド
ラインでは触れられていないため、定義していくことが求められること。
「遊びによる子どもの育成」で、遊びが持つ意味や意義、「健全育成」とは何かをわかりや
すく明記していくこと。
貧困、いじめなど、児童館が子どもの救援隊になっていることをわかりやすくガイドライン
に書くことなどの意見があります。
障害者差別解消法が施行され、配慮を必要とする子どもの対応では、「合理的配慮に努める」
ことを入れていく必要がある。
児童厚生員に求められる援助技術として、具体的にプレーワークやケースワークやコミュニ
ティワークなど、ソーシャルワークについて明記すること。
運営協議会に子どもが入っていないので、児童館を利用する当事者、主体となる子どもの意
見を聞くことからも子どもを入れていくべきとの御意見がございました。
自己評価、利用者アンケート、第三者評価の必要性についての記載があるといいのではない
かという御指摘もあります。
マタニティー時期の方の支援をしている児童館も広がっているので、どこまで書き込めるか
ということはありますけれども、今後、妊婦の利用に対応していくことの指摘がありました。
それから、学校との連携においては、子どもの健全育成上の問題について適切な対応ができ
るよう連絡体制を整える必要性を追加しようと意見をいただいたところです。
その他、多様な御意見を伺っておりますので、このような御指摘のもとに児童館のガイドラ
インの内容、項目の検討に当たっていければと考えているところでございます。
長くなりましたが、以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
今の御説明を伺っていると、もう十分出尽くして、これだけでもまとめていくのが大変だな
というふうに思い至りますけれども、これから皆様の意見交換に時間を割きたいと思います。
大体1時間弱、残された時間があると思います。今、説明していただいたように、6項目、児
童館のガイドラインが大きく分かれておりますので、それに従って逐次御発言内容を確認しな
がら、この赤丸、白丸を確認していただきながら御意見をいただきたいと思うのですけれども、
単純に割り振りしまして1項目10分以内という限度になりますので、ぱっと過ごせるところも
あると思いますし、少し意見が重なるところも出てくると思いますが、その辺は私のほうで時
間調整をさせていただきながら、10分15分前ぐらいをめどにこの議論を打ち上げたいと思いま
す。
それでは、整理していただいた、まず、資料6の10ページ、事項1、「児童館運営の理念と
目的」の項目に入っていきたいと思います。御意見のある方は挙手をしてご発言をお願いした
いと思いますが、どうでしょうか。
北島委員、お願いします。
○北島委員 例えば児童の権利に関する条約、遊びの権利保障を明記するというのがここでも
述べられてはいるのです。子どもの権利条約の31条が、まさに児童館活動の一つの大きな根拠
だろうというふうに思っているので、子どもの権利条約31条の問題というのをここに入れてほ
しいなとは思っているのですが、この辺の児童に関する条約、権利保障みたいなところの議論
はまだこれからということでしょうか。
○鈴木委員長 そうですね。細かく逐条的な議論はしておりません。それと、書き込める内容
でそのまま条文を書くというよりも、その趣旨をうまく載せて短文の中に入れていくという形
にはなろうかと思います。31条、承っておきたいと思います。
○松田委員 何か勧告みたいなものが出ましたよね。
○鈴木委員長 そうですね。そういったものも視座に入れておくということでよろしゅうござ
いますか。
あとどうでしょうか。
どうぞ、中川委員。
○中川委員 児童館という施設は、皆さん御承知の通り、全ての子どもの健全育成をうたって
いる訳ですよね。その意味では、児童福祉法が目指す理念ですよね。まさに全ての子どもに対
する福祉をしっかりやっていかなければいけないという、国及び自治体、全ての大人に対して
課された責務なのですけれども、児童館というのは、その児童福祉法の最大の理念、一番大事
な理念を体現している施設であるというふうに思いますので、ぜひとも引き続き児童福祉法の
理念というものをしっかりと児童館の理念とあわせてここで提示していくということが必要で
はないかと考えております。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
ほかにどうでしょうか。
理念と目的のところはそれなりに意見をいただいておりますので、これを尊重しながら、新
しい児童福祉法の精神をまたうまく盛り込むということでございますかね。
それでは、ここはこれでよろしゅうございますか。
それでは、続きまして、事項2、「児童館の機能・役割」につきまして、この辺からたくさ
ん意見が出てくるかと思うのですけれども、挙手をしてよろしくお願いします。
5項目ありますから、気がついたところから飛んで発言されてもいいかと思います。1つず
つ指示してやっていきますと切りがなく時間を取りそうなので。
松田委員、お願いします。
○松田委員 4の「子育て家庭への支援」となっているのですけれども、1個戻ると理念とか
子育て支援となっていて、「家庭支援」のほうがいいのかなというのがちょっと気になってい
るところです。もうちょっと広く言えば子育て家庭への支援なのかなとか。
○鈴木委員長 「子育て家庭への支援」という4の項目になっていますので、このままの文言
でいいということですか。
○松田委員 「理念」のほうの目的が「子育て支援」になってしまっているので、もしかした
ら「理念」のほうを広くしたほうがいいかもしれない。
○鈴木委員長 「理念」を広くするということですね。
○松田委員 地域における子育て家庭への支援というと、地域が子育て家庭を支援することも
支援するという発想なので、それはもしかすると(5)のほうなのかもしれないですけれども。
○鈴木委員長 北島委員。
○北島委員 最初の役割・機能のところに赤字で書いてあるところがあるのですけれども、僕
自身も児童館に勤めていて強く感じることの一つには、無条件だというのが児童館の特性の大
きな一つではないかと思っていて、つまり、こういう子は来てはだめだということがないとい
うのが児童館の大きな特色であると思っていたのです。しかし、今、現場に行ってみると、条
件を課すということ行われていて、僕はとても残念だと思っていて、もちろんガイドラインの
中でも条件をつけようなんていう話はどこにも書いていない訳ですけれども、自由来館であり、
異年齢がいて、不特定多数のいろいろな人たちがいるということ、条件がないということは文
言として入れてほしいと思っています。特に管理の中では禁止とか条件をつけて、1時から2
時は1、2年生しか遊べないみたいな条件が現場では起きていますので、もう一度そうではな
いというところできちんと児童館の問題を考えていただきたいです。
それから、もう一つは、発達の増進、日常生活の支援という5つは、現場にいてもいつもこ
のことは柱立てになっていた訳ですけれども、児童館に行って先輩に言われたのが、「ここだ
けが日本で唯一遊びを通して人間を育てる場所だよ」という、この言葉がなくなっているなと。
この間の流れの中で、遊び及び生活ということが出ていますし、どうしても日常生活の支援に
重きを置きますが、これからの議論の中でもまた話をしたい訳ですけれども、遊ぶということ
の意味合いとか定義づけということも随分課題になっていましたけれども、改めてもう一回、
新ガイドラインをつくるに当たって、遊ぶということの意味合いを前面に出してほしい。
「遊育」という言葉がありますけれども、児童館はその要だと思っているので、今のいろい
ろな実態を考えると、どうしても生活支援センター的な要素が否定できないのですよね。その
ことを取り込みながらということを十分理解しているのですけれども、やはり基本はどこだ、
要はどこだというときに、発達の増進に、遊びを通して人間になっていくという、このことの
意味合いをしっかり入れてほしいなとすごく思っています。
特に今、子どもたちの状況の中では決められた遊びは、このプログラムの問題も一つ大きな
矛盾もはらんでいるのですけれども、プログラム自体をどういうふうに子どもたちにやってい
くかということはとても大事なことなので、その事態を考えていこうと思っていますが、同時
に、大人に決められない遊び、この時間は僕が決めていいのだという、その中で彼らがどうや
って遊びを紡いでいくか、そこの部分があってのプログラムだと思っているので、遊びのこと
を新ガイドラインではもっと前面に出してほしい、そんな思いを持ちました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
私も大いに同感です。最初におっしゃったことは、例えば具体的には機能・役割の全ての子
どもというような表現をきちんとどこかに入れるということですかね。
それから、2番目の遊びは、(5)の中に1項目設けるか、「発達の増進」のところで、発
達に加えて遊びについてきちんとその有効性を書き記すというようなことでもよろしいですか
ね。
○北島委員 そうですね。本当はトップのタイトルに遊びが入ってほしいと思います。
○鈴木委員長 わかりました。では、御意見をいただいておきます。
羽崎委員、お願いします。
○羽崎委員 これは私の感覚的なものかもわからないのですけれども、例えば児童館の機能・
役割というところで、今、北島さんがおっしゃったように、児童館の特性についてというと、
本人の意思、自由来館とか異年齢とか、要するにいつでも自由に来られるよというのが児童館
のすごく大事なところではあると思うのですけれども、そこから1、2、3、4、5というふ
うに見ていくと、一つ一つ制限というか、自由なのだけれども、例えば「発達の増進」とか「日
常の生活の支援」、「問題の発生」といったものを見ていくと、内容的には結構限定されてい
るような内容になっているのではないかというのが実感としてあるのです。
例えば「日常の生活の支援」というと、それで支援が必要な子というのがまず限定的に出て
くるのではないかとか、あるいは、発達がばんと出てくると、発達に問題のあるところが出て
くるのではないかとか、もろもろの内容を細かく見ていくと、そういう気がちょっとするので
す。前提が自由でどうぞという形で役割を担っているというのに、内容的にはかなり細かくそ
の中のこういう子どもたちに対して、こういう子どもたちに対して、こういう子どもたちに対
してというような感覚が少しあるのかなという感じを印象としては受けます。
同時に、放課後児童クラブとの違いというのがどこにあるのか、内容的に見ると、日常生活
の支援というのは、昔は余り言っていなかったような気がするのだけれども、児童クラブはこ
れをかなり強調しているということがあって、児童クラブと児童館はかなりタイアップしてい
るようなところもあるのですけれども、一方で児童館は児童館の個性を出していくというのは、
何だかんだ言いながらも少し現実的なものがクローズアップされてきているのかなという印象
を受けました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
ほかにどうでしょうか。
佐野委員、お願いします。
○佐野委員 今の議論にも関係すると思うのですが、私、よく児童館で子供たちに「ここの中
で誰が一番偉いのか」と言われるのですが、僕は「君たちが一番偉いのだよ」という話をいつ
もしているのですが、常に子供が真ん中にいて、遊びということもそうですが、この児童館こ
そ地域の中で唯一子供が主役になれる場所、真ん中にいる場所なのだということを最初にきち
んとうたっていくこと。大人がかかわるところであるけれども、子供をどう真ん中にしていく
か、主役にしていくかということをきちんと押さえていくことが非常に重要なのかなというふ
うに思っております。
それともう一つ、機能の中に、後のほうで出てくるのですが、災害時に児童館が担う役割は、
特に乳幼児の子供たちの避難場所としての価値みたいなものは高まっているのではないかと。
学校にはなかなか避難していけない子が児童館にというのもあるかと思いますので、どこかに
災害が起こった場合の児童館の機能・役割みたいなものがうたえるといいのかなというふうに
考えております。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
これも2の機能・役割のほうに1項目起こすかどうかということですね。全体との整合性の
中で御意見をいただきました。
中川委員。
○中川委員 この5つの項目なのですけれども、自由来館でやってくる子どもたちは、一口に
自由来館と言いましてもいろいろな背景を持って児童館にやってくる訳なのですね。そうしま
すと、例えば発達の課題を持った子どもさんもいる訳ですし、あるいは、日常の生活において
特別な支援が必要であるという子どもさんもいらっしゃいますし、あるいは、虐待について注
意が必要な子どもさんもいらっしゃる。こういうことを考えますと、地域の全ての子どもを対
象とするという非常に大きな枠組みは持っているのですけれども、その中で実際に児童館にや
ってくる子どもたち一人一人に対する丁寧な対応というのを考えたときに、ある意味、5つの
項目というのは、それはそれで現場の活動を支える上では、なるほど、こういうことが求めら
れているのだなということがよくわかるのではないかというふうに思っております。それが1
つ。
もう一つは、(5)番目の「地域組織活動の育成」という、これはこれで非常に大事な役割
ではあるのですけれども、もう少し地域における児童館の役割というのをしっかり果たしてい
くためには、ここに地域組織活動の育成も含めた地域における児童館のネットワーク、ここに
子育てネットワークが書いてございますけれども、地域における子ども・子育てネットワーク
の推進をむしろ(5)番に明記することが今求められているのではないかというふうに考えて
おります。
以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
そろそろ終わりたいと考えていますけれども、北島委員、最後にどうぞ。
○北島委員 今の地域のところで1つ思っていることがあって、現場に、今も回っていたりし
ますけれども、いつも一番思うのが、近所の児童公園とか児童遊園がなかなか使えないのです
ね。これはどこに行けばいいのだというと、役所に行ってくれという。だけど役所は、そこの
看板に書いてあるので、それを守ってくだされば結構ですと。でも、ちょっと違うことをやり
たい、どうしよう。では、住民のところへ行って、わざわざ1回の企画のために近隣の方にお
願いするみたいなことを現場はやっている訳です。
今の地域のネットワークというソフトの部分と、それからハードの部分、つまり、児童館エ
リアの児童公園は児童館がマネジメントしてほしい。児童館に行けば、そこでいろいろな児童
遊園や児童公園のことがわかるとか、どういう状況になっているかということができないもの
かなと思っていて、つまり、地域そのものの児童館自体が狭い狭いということをいつも言われ
て、もっと広くしろと言われるけれども、明日すぐ広くはできないので、近隣の児童公園をい
かに有効に使うかということに現場は必死になるのです。だけど、いろいろな手続きが全部違
うので、児童館が地域の子どもの遊び環境づくりというハードの部分に何かうまく入れたらい
いなと思って、その機能として、あるいは権限としてそういうものが出たら、現場はもっと気
楽に公園と関係をつくれるのではないか。これがここに入るのか、もう少し後なのかわからな
いですけれども、遊びを広げる上では大きな一つの大事な要素だと思っています。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
それでは、時間の都合でここで2は切り上げさせていただきまして、続きまして、「3 児
童館の活動内容」、2ともリンクしてきますけれども、こちらに移りたいと思います。また同
じように御意見をよろしくお願いします。
佐野委員、お願いします。
○佐野委員 最後のほうに実習生のことを載せたほうがいいなんていう話もありましたけれど
も、今、なかなか職員になり手がいないという話とか、児童関係の職種を選ぶ人が少なくなっ
ているという現状が大きな課題だと思うのです。児童館で実習生等を受け入れて、有望な人を
育成するという、ボランティアの育成というところと関連してくるのかもしれませんけれども、
将来的に児童健全育成に従事する専門職を育てていくというのも現場の大きな役割だというこ
とをどこかでうたっていくことが必要かと思っております。
それから、「ボランティアの育成と活動」の2番目のところに、利用する子供が成人になっ
ても児童館とのつながりが継続できるようにというふうにありますが、非常に重要なことだと
思います。どこかに若者支援というか、うまく生きられない若者が最終的には児童館にずっと
残っていくというケースも多々あるかと思いますので、ボランティア活動を続けながらそうい
うことをしてもらうことで支援ができるのだということが、もう少し2番を膨らませることで
感じられるのではないかと思っております。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
ほかにどうでしょうか。
北島委員。
○北島委員 1番の遊びのところになりますけれども、遊びが大事でということですけれども、
もっと意味とか意義を書き込もうということも出てきていますけれども、今、民間で育脳プロ
グラムというのがあって、だから脳科学がたくさん出ていて、遊ぶと脳にいろいろなことがよ
くなりますよといって、それを見たときに、児童館はどうするかと思った訳です。遊びを通し
てというのは同じだし、遊ぶということがどれだけ子どもたちの成長・発達に大事かというこ
とは本当にその通りだと思っているし、脳のいろいろなところにいい影響を与えるだろうとい
うこともそう思うのですが、遊びの中で一番おもしろいのは、やはり不便だったのですよね。
つまり、物が全部ない、予算が限られて、網もそんなにない。何かやろうといったときにぱっ
と用意できないというのが児童館の遊びの最も大事なところだと思って、だから、昨今、キッ
トで工作したり、塗り絵をコンテストにしたりする現場を見ると非常に寂しいなと思ってしま
う。不便だからこそ児童館の遊びの意味があるという、それを言葉にできるかどうかわからな
いけれども、最近、京都大学の先生が「不便益」とかいって本を出しましたよね。多分、今、
私たちは何でも効率よく、ぱっとスイッチを押せば全部答えが出るという状態の中で、児童館
が考える遊びとは真逆、答えがすぐ出ない、あるいは答えは1つではないところに児童館の遊
びの意義とか意味をきちんと僕らは伝えなければいけない、このガイドラインを通してそこを
伝えないと、育脳プログラムがはやったら、はい、児童館もそちらと、これは児童館のよさを
潰してしまうだろうと思うので、それを遊ぶということの中身の中で書きたいなと思いました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
大切な視点かなと思います。遊びの創造的な部分、考えさせるというようなことに力点を置
いて書き込むというような意味かなと思いました。
中川委員、お願いします。
○中川委員 3番の「児童館の活動内容」全体の構成にかかわる話なのですけれども、ここを
現場は実践するときに非常に重要な項目として読み込んでいく訳なのですよね。そういう観点
からしますと、もう少し具体的にというのですか、ある種具体例なんかもうまく織り込むよう
な形で実践を行っていく上で実際に参考になるような内容・体裁というのがあればいいのでは
ないか。
御承知のように、放課後児童クラブの運営指針の中では育成支援の具体的な内容を9つの項
目で説明しておりますけれども、児童館の活動内容においてもそうしたもう少し具体的なイメ
ージがつくような中身ができないかなというふうに考えております。
それが1点と、これは個別の項目についての(7)番の「放課後児童クラブの実施」ですが
ここでは主に放課後児童クラブの側から児童館に求められることが書かれているのですが、実
際、私どもの児童館では放課後児童クラブを実施しておる訳なのですけれども、特に都市部に
おける放課後児童クラブの子供たちの増加というのは右肩上がりで、放課後児童クラブの子供
たちが大変多くなっている訳なのですね。そうしますと、どうしてもスペースの問題もそうで
すし、活動内容においても、放課後児童クラブの子供たち中心に進んでいく、これはこれで放
課後児童クラブの子供たちにとっては非常にいい訳なのですけれども、一方で放課後児童クラ
ブ以外の子供たちが児童館を利用するときに配慮が必要になってくるのではないかというふう
に考えておりまして、そういう意味で言いますと、自由来館の子供たちの側に立って少しそう
いう配慮が必要なのだという観点での文章があればいいのではないかというふうに思うところ
でございます。
以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
物理的な制約がガイドラインに書き込んでもなかなか解決できない部分がございますので痛
しかゆしのところなのですけれども、御趣旨はよくわかります。
ほかにどうでしょうか。
○松田委員 (3)のところに赤字でマタニティーのことが出ているのですけれども、世の中
的には妊娠期からの切れ目のない支援とかが始まっているので、児童館がやってくださいとか
という意味ではなく、全ての子どもといったときに、子育ての最初の家庭支援というところで
も妊婦というよりはプレパパ・プレママ含めですか、親になる世代の切れ目というところで入
れていただけたほうがいいかと思いますし、そうなると母子保健との連携みたいなことも言い
やすくなるのかなというふうに思います。
○鈴木委員長 ありがとうございます。重要な視点だと思いますので、ぜひこの赤文字を大切
にしていきたいと思っております。
とりあえず次へ進ませていただいてよろしゅうございましょうか。
それでは、次の事項4に移りたいと思います。「児童館と家庭・学校との連携」につきまし
て、どうでしょうか。足りないところは、また後で時間があれば戻っても結構かと思いますの
で、4に移らせていただきます。
松田委員、お願いします。
○松田委員 先ほど調査のところでもお話ししたのですけれども、学校との連携というのが現
場ではどんな様子なのかと思うと、少しそこが強目になっていくといいのかなというふうに感
じます。そこのギャップというのを親とか地域のほうでは感じていますし、そこが教育委員会
との溝みたいなところをすごく感じているので、そこのバックアップが、中間支援とか国とか
そういったところでしていただけるといいなというのをすごく感じます。ほかの方にそこら辺
を聞いてみたいというところなのですけれども。
○鈴木委員長 どうでしょうか。
佐野委員、お願いします。
○佐野委員 この学校との連携というのは、学校が児童館の役割を理解しているということが
前提になっているのですが、実は学校の先生で児童館のことを知っている方というのは非常に
少なくて、「何だ、ここは」という方が非常に多いのだろうなと思っています。ですから、や
はり連携の中で学校に活動を理解してもらうということをきちんと明記したほうがいいのでは
ないかと思っております。
○鈴木委員長 ありがとうございます。皆さん悩んでいらっしゃる大事な視点かなと。学校の
先生にアプローチするコミュニケーション能力というのも児童館長の役割の一つになってくる
かもしれませんよね。
あとどうでしょうか。
北島委員。
○北島委員 現場で、今、佐野委員がおっしゃったように、児童館ということを理解してもら
うのは大変だなと常々思ったことを思い出しましたけれども、そもそもなぜ連携しなければな
らないかという、学校と僕ら児童館はどうして連携するのか。家庭は割とわかりやすいですね、
子どもの親ですから、子どもに問題が起きたときに親と話をするという、親の理解がなければ
ということはすごくはっきりしますけれども、なぜ児童館は学校と連携するのかという、ここ
をもう少し突っ込んだ文章がないと、やはり現場は、そうは言ったって、行っても門前払いが
あったり、忙しくてそんなこと言っていられない、学童保育の先生ですら、もっと学校にとっ
て身近なはずなのに門前払いがあるというのを聞く中で、児童館なんかは相手にされないとい
うことが起きる可能性もあるので、要するに、ただ学校とつながりなさいといっても余り意味
がないというか、そこをどういうふうに捉えたらいいか、適切な情報交換、もちろん安全管理
上、災害の問題という必要性のあることでの話し合いはできるでしょうけれども、基本は子ど
もをどういうふうに見ていくかというときに、親御さんだったり、学校の先生だったり、児童
館の職員の人たちがその子どもをどう捉えていくかというときに、学校の先生が必要だ、話を
聞きたいと思ったのですよね。そこがなくて、児童館と施設同士の何とかではなくて、あくま
で子どもたちをどう見るのかというときの一つの大きな大人同士のつながりなのだろうと思い
ますし、児童館が来たからどうではなくて、この子どもについて先生たちと話をしたいという、
そのことをちゃんと先生側も理解してほしい。「そちらとこちらは違いますよね」ではなくて、
同じ小学校の子が通っている児童館の中でさまざまなことが起きる子どもたちをどう見ていく
のかという、そのときに必要になってくるだろうということは一つ押さえておきたいと思いま
した。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
地域懇談会とか地域の運営委員会とか、そういう会合での学校の先生の招聘とかも含めて、
いろいろな手段で学校との連携を考えていかなければいけないということかなというふうに承
りましたけれども、ほかにどうでしょうか。
中川委員。
○中川委員 学校との連携なのですけれども、児童館の側から学校にはアプローチしていくと
いうことが必要なのではないかと思うのです。アプローチしていく中で回を重ねるごとに学校
側にとっても児童館がさまざまな情報を持っていて、さまざまな観点から子どもたちに対する
働きかけを行っているということが、子どもさんを健全に育成していく上で学校にとっても非
常に有益であるという、ここの部分が学校に伝える力みたいなものが児童館にも求められてい
るのではないかと思うのです。
学校から一方的にお話を聞くだけではなくて、児童館の側からも子どもたちの状況について
提言をしていく、あるいは、保護者との関係についてもさまざまな課題についてしっかりと提
言をしていくことの力みたいなものを身につけていくという、そのことが学校との連携という
のを具体的に進展させていくのではないかと思うのです。
定期的に開催するということが一つの肝ではないかなと思っておりまして、1年に3回でも
4回でもいいのですけれども、それを最初の段階で学校とお約束を取りつける。そこに必ず学
校の先生方も来ていただけるし、我々も出ていくという。そうなりますと、ここに書いてあり
ますように、行事とか特別な事柄ではなくて、学校での子どもたちの様子、児童館での子ども
たちの様子と、毎日の子どもたちの様子について情報交換をする。まさに子どもの健全育成に
かかわる日常の問題について、しっかりと定期的に意見交換、情報交換ができるような環境を
つくっていくことが必要なのではないか。それを学校との連携の中にうまく文章として織り込
むことができればいいのではないかというふうに思っております。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
植木委員、お願いします。
○植木委員 私も今までの議論の流れの趣旨に賛成です。現状のガイドラインの文言は、当然、
児童館側のガイドラインですから、児童館側から学校への要望のような、そういう形にならざ
るを得ないのかなというふうにも思います。しかし、適切な情報交換が行えるようにすること、
恐らくこれらはどの児童館もわかっていながらも具体的にどうしていいかよくわからないとい
うところで迷っておられるのではないかということであれば、もう少し具体的な事柄も含めて
いいのかなと。例えば児童館ガイドラインを学校に配布するとか届けるとかというふうな積極
的なアウトリーチの内容、そういったことも突っ込んで何か指摘をするような事柄で改訂して
もよろしいのかなというふうに思うことと、それから、ついでにもう一点よろしいですか。
○鈴木委員長 どうぞ。
○植木委員 その次の(3)の「地域との連携」のところですけれども、これは私の研究の提
言のところの「○」で、赤字で「社会資源との連携の必要性について書き加える」というふう
に提言をいたしましたけれども、これは(3)の「地域との連携」の内容が2つ含まれている
のです。1つは地域住民との連携、もう一つは3のところの必要な場合に児童相談所等の相談
機関との連携。
ところが、地域住民と連携することとそういった相談機関と連携することというのは少し様
子が違うのではないかということで、相談機関を含めた社会資源との連携というふうにもう1
項目立てたほうがよろしいのではないかというふうなことでの提言でございます。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
もう1項目立てると。これも承っておきたいと思います。
次へ参りたいのですが。どうぞ、松田委員、一言。
○松田委員 今の「地域との連携」のところでは、例えば「地域住民」とかと資源があるよう
に書いてあるのですけれども、実際は育てるといった視点がすごく必要なのかなと思っていて、
人材を資源と見て開発する視点みたいな、利用者もそうですし、佐野委員がおっしゃったよう
に、行く行く担い手になってくれるということもそうですし、保護者から支援する側になって
もらう循環みたいなこととか、個別のボランティアさんで児童館で役に立ってもらう人材だけ
ではなくて、地域の中でそういうことができる組織化をするとか、今、社会的養護のところな
んかは里親のところがすごくクローズアップされていますけれども、そういう地域の中で担っ
てくれる人を開発するといったことも視点に入れて巻き込んでいくみたいなことがうまく書か
れるといいかなと思います。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
それでは、ここで今度は事項5、「児童館の職員」に移らせていただきたいと思います。
これにつきまして、同様にどうでしょうか。御意見をお願いします。
高松委員、お願いします。
○高松委員 先ほど佐野さんのほうからもちょっとあったのですけれども、今、児童館自体が
すごく難しい状況になっているなというのを私自身感じております。ここで言うことではない
のかもしれないのですけれども、子どもたちを健全に育成するために児童館というものがすご
く大切な場所であり、児童館のガイドラインを生かすためには運営そのものもそうですが児童
館というのを守っていかなくてはならないのではないかと感じます。児童館は、嘱託職員が多
くなっております。全国的にも人の不足というのは問題になっているのではないかと思います。
給与の面もそうなのですけれども、今、認定こども園の関係ですとか、無償化の問題が新聞紙
上で出ておりましたけれども、実際にそちらのほうにとられてしまって本当に人が来ないよう
な状況も今後ますます出てくるのかなというふうには感じています。
児童館自体は地方交付税ということで賄われておりますけれども、実際に当時に比べますと
児童館に求められている機能がこれだけふえているのだなということがなかなかわかっていら
っしゃらない館長さんなんかも多いと思います。ずっと館長さんの意識改革ということを言っ
ていますけれども、館長さんを育てていくために、やはり予算を大きく取り扱っている方なの
で、そういう方の意識を改革していくためには、ガイドラインを生かすためのガイドラインに
沿ったような補助金というのも必要になってくるのではないかと思います。
例えば専任館長を配置した場合の補助金とか、ガイドラインの取り組みに対する補助、児童
館自体の補助というのは地方交付税ということなのですけれども、事業に対してのそういうも
のも検討していったほうがいい時代になっているのではないか。
済みません、お金のことを言う場面ではないのかもしれないですけれども、あえて発言させ
ていただきました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。切実な問題として承っておきます。
あとどうでしょうか。
松田委員。
○松田委員 ガイドラインに入れるのかわからないのですけれども、設置する自治体の責務と
か、今みたいなことをきちんと十分にできるような予算措置みたいなことは載らないものなの
ですか。
○鈴木委員長 なかなかですね。
○松田委員 そうですか。
○鈴木委員長 北島委員。
○北島委員 現場に行くと、余りの職員体制のばらばらに、館長がいないところもあったりし
ますので、そこでこれだけのことをやれということはとても難しい。
例えばガイドラインの中で正規職員は6名とかという、そういう職員配置の基準みたいなも
のも設けないと、現場は本当に「えっ」という状態で運営していたりしますので、今、パート
さんとかもたくさんいらっしゃいますし、でも、うまくチームとして動きができれば、児童館
に行くと14人ぐらいいるのですけれども、正規は1人しかいなかったりするので、その辺の職
員の設置基準というのをガイドラインで載せられないでしょうか。
○鈴木委員長 そこも専門的には難しいですね。ガイドラインというのは、現実の法体制に合
わせて、これだけの活動をしましょうということなので、法整備を必要とするような変更まで
はなかなか難しいと思いますね。
ほかにどうでしょうか。
佐野委員。
○佐野委員 20ページの6の下のワーキンググループで指摘された「記録について」というと
ころなのですが、児童厚生員にとって記録というのは非常に重要だと思っておりまして、児童
館の価値を発信する大きな要素でもありますので、ここにあります配慮を要する子供たちだけ
ではなくて、児童館の全ての入館者記録をきちんと取り、経験の累積をしていくということも
どこか職員の役割として明記したほうがいいのかなというふうに感じております。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
松田委員。
○松田委員 5番なのですが、早期発見から書かれているのですけれども、予防というところ
がどこかに入ったほうが、日ごろの活動にもう少しつながるような気がします。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
健全育成そのものが予防ですからね。その辺は書き方を工夫したいと思います。
時間も大分迫ってきましたので、駆け足になって申し訳ございませんが、最後の「6 児童
館の運営」もかなり項目がございますので、この項目についてどうでしょうか。運営委員会と
か安全対策とか、この辺に集中して書かれておりますが。
北島委員。
○北島委員 今の御指摘の運営協議会がなかなか難しいなと思っていて、実際、僕も運営委員
会をつくって、こういう方たちに来ていただいたりということはもちろん努力をしましたけれ
ども、1つはこの形があって、月に1回そういう方たちに情報公開したりして、児童館はそん
なことをやっているとか、今、地域で不審者が出たといったことを会議の中でよく話していま
したけれども、実際に活動するときに動いてくださった方、児童館とそこをつなげるような方
がいらっしゃったのです。児童館サポーターではないですけれども、幼児クラブを卒業したお
母さんたちが何か困ったら、「あのおじさん、私、知っている」と言って、いつもつないでく
れるような方がいて、それは現場の中でどこもやられているかもしれないですが、もっとその
人たちを生かすということをできないものかと思ったりしていて、そのことが組織としてガイ
ドラインの中で出たり、正規職員がもうはっきり難しいという状況であれば、人が生かすとい
うことをどこかに入れたいなと思っているときに、地域の方をこの部分で、本当に小さなこと
でもその人を知っているからつないでくださったりするのです。そういう人たちのことを書け
ないものかなと思ったりしました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
運営委員会は、こうやって書くとこれが既定列挙になってしまって、これ以外の人を臨機応
変に入れない児童館が多いですよね。それから、事項ごとに今おっしゃるような方を運営委員
として任命してもらうという、そういうあり方が読み込めるような書き方というのは工夫でき
ると思いますので、ぜひ考えてみたいなと思います。
○北島委員 「運営だったらいいです」とか言われてしまうのですね。
○鈴木委員長 中川委員。
○中川委員 まず、7番の「要望、苦情への対応」の項目でございますけれども、ここに赤字
でも書いていただいているのですけれども、情報開示の必要性について書き加えることができ
ないかということです。それと、自己評価、利用者評価、第三者評価の必要性について新たな
項目を書き加えることができないか。ここが1点でございます。
それと、8の「職員体制と勤務環境の整備」のところで、戻っていただきますと、先ほどの
「児童館の職員」のところで「(1)館長の職務」の最初に「児童館には館長を置き」と、厚
生員についても「児童館には児童厚生員を置き」というふうに記載されておりまして、8の職
員体制を見ますと、「児童館の職員には」ということで児童厚生員についての記載はあるので
すけれども、館長についての記載がここでしっかりとできないかなという思いを持っておりま
して、植木委員から御紹介のあった実態調査の結果でも、やはり常勤の館長、専任の館長、館
長の資質というのが児童館の活動内容に非常に影響しているということが明らかになってきた
訳でございますので、何らかの形でここにしっかりと館長について、館長の要件というのです
かね、求められる、あるいは、専任であったり、常勤であったりということも含めて書き込む
ことができないだろうかというふうに考えております。
以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
それでは、一言。
○北島委員 この「要望、苦情への対応」というのがどうしても違和感があります。児童館に
苦情の窓口を設けるというのは、そういうところに行く前に児童館に相談があったり、児童館
に愚痴を言ったりするという、こうしてしまえば、例えば親の苦情の問題を職員一人では聞か
ないとか、要するによく学校でやっているような、二人で、しかもLの字に座るとかという研
修がありますよね。そういうことばかりになって、それは苦情ではなくて、児童館をよくする
ためにお互いどうつくるかということなので、ここの文言はちょっと考えたいと思っています。
○鈴木委員長 基本的に日常生活の中で子どもとも地域の方ともこういう懇談を繰り広げてい
るのでしょうけれども、ここが置かれたのも近年のクレーマーと言うと失礼なのですけれども、
そういう方が実際にいらっしゃいますので、児童館庭の砂が飛んでくるとか、児童館の落ち葉
が家の側溝を埋めるとか、そういうことは日常なかなか公式の話には出てこないようですが、
困っている児童館が結構あるようなので、それで苦情処理ということで一文置いたと思います。
それでは、全部を通して私も意見を言わせていただこうかと思っております。
事務局につけていただいた資料の後ろのほうに、ブルーの枠組みで放課後児童クラブと保育
所保育指針というものの概略、字数がつけ加えられております。今、皆様の意見を聞いて、遊
びについて少し書き込む、それから、発達について書き込むというようなこともいただいてお
りますので、どの程度書き込むかということを皆さんの御意見もいただいて、そこから逆に言
えば書き込める量が決まってくると思うのです。
今度は放課後児童クラブの運営指針程度には文言を広げてもいいのではないかと考えており
ますし、0歳から18歳まで全ての子どもを対象にするとなると、その全ての子どもの発達につ
きまして、今の心理学の通説に沿って乳幼児から思春期の子どもまでの必要とされる課題など
というものも、保育所の指針ほど細かくなくても少し書き込んでいいのかなと。
それから、遊びというものも、遊びの持っている効能、遊びの種類とか遊びとは何かという
ようなこと、新任の児童厚生員さんが読んでもわかる程度の書き込み方も必要かなと考えてお
ります。遊びがいかに発達と連動するかということだと思うのです。
それで字数等も、この専門委員会かワーキングで全体の見通しを立てて、そこから逆算して
決めていきたい。このガイドラインを設定したときには、前政権下で枚数とか字数を相当はし
ょって指示をされましたから、最低限のものになりました。だから言葉がいかようにでも解釈
されるということにもなろうかと思います。
羽崎委員の御指摘されたことも、そのように読まれる蓋然性も考えました。しかし、例えば
球体を想像していただいて、この球体の中が全ての子どもを対象とした児童館の活動である。
これをガイドラインで書くときに、2番目の「児童館の機能・役割」も随分議論しまして、機
能と役割というのは一緒に書かないと意味が通らないものでしょうか。児童館の機能だけでは
だめなのでしょうか。児童館の役割だけではだめなのでしょうか。では、機能と役割は何かと
いうような文言整理もいたしまして、「機能・役割」と考えたのです。
これは全ての子どもを対象とする球体の中でも、児童福祉施設として福祉的課題を持った子
どもは重く受けとめる必要もあるだろう。きちんと処遇しなければいけないこともあるだろう
ということで、そういう課題を児童館的に沿って5つ縦軸にとったもの、これが2の「児童館
の機能・役割」でございます。これは私のイメージなのですけれども、その縦軸に対して横軸
で考えていくのが、その全てにわたって遊びによる子どもの育成をするのだと。
それから、次で言えば、子どもの居場所の提供も全てにわたってそれぞれの課題のある子に
とっても居場所だし、球体の中の子ども全てについては、全部これはそのまま当てはまること
なのですね。
保護者の子育て支援についても、「おい、こら」的に指導するのではなくて、親子が楽しむ
雰囲気の中で遊び的な活動を通して支援するのだと読み込もうということで縦軸と横軸だなと
理解して、私はこれを進めてまいりました。
基本的に一番の理念は、大きな目標を持つと日常の小さな苦労も人間というのは何となくで
きるものなので、ぜひ入れたいということと、今度の改正した児童福祉法を見ますと、子ども
目線から書きかえられているということが言えますよね。ですから、第1条の児童の権利に関
する条約の精神というのは子どもから見ての書き込み方をしていく。
それから、私は、第2条の2項にあります、親が第一義的責任を負うという、家庭の存在と
いうものも理念と目的に書き込んで、そこに家庭・子ども支援をしていくのだということで3、
4につなげていくということになろうかなと。
それから、できるだけ現状は変えられないかもしれませんけれども、現状の中で変えなけれ
ばいけないなと周辺の方々が思ってくださるような5、6についての書き込み方も考えていく
べきだと思っております。
以上、これをワーキングに伝えまして、だんだん形にしていきたいと思いますので、以上で
議事4につきましては終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、その他ですが、事務局から何かございますでしょうか。
○竹中課長補佐 本日は長時間にわたり御議論いただきまして、ありがとうございます。
次回の日程の件ですけれども、第11回の専門委員会の日程につきましては、先ほどの資料2
のところで、おおよそ12月の下旬か、もしくは1月の中旬頃を予定しております。その間の11
月28日に、検討ワーキンググループの第1回を開催させていただく予定としていて、そこで、
今、委員長のお話がありました通り、今日の御議論をより具体化、ブレークダウンしていただ
く作業をして、それを今度の11回の専門委員会にお諮りをするということになりますので、そ
のぐらいの日程感でお考えいただき、こちらとしても速やかに日程調整をさせていただいて、
決めさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
あと四、五分あるようなのですけれども。川鍋課長、せっかく2時間いてくださったので、
一言意見を聞きたいなと思ったので、松田委員の一言の後にいいですか。恐縮でございます。
○松田委員 要望があるのです。簡単です。ここまでのことを要求するなら、やはり予算とか
人員配置とかを市町村の一般財源に任せていいのかともう一回考える時期に来ていると思って
いて、これから市町村はまた次の5年の計画づくりをやり始めるのですけれども、そこにきち
んと声を届けるとか、これは現場の人はうんざりするのではないかと思って、もちろん目標と
して、志としてはすごくすばらしいものになると思うのですけれども、現場との状況はすごい
乖離していると思うので、済みません、児童館に余り関係ない立場なので余計に言いたいなと
思っているのですけれども、市町村の中で活動していると、子育て支援、乳幼児のところをや
っていればやっているほど、児童館に思いを持って送り出したい訳なのです。なので、その担
保が欲しいというか、あんまりだなというのをすごく感じています。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございました。私も心の奥の奥ではそう思っております。
課長、一言よろしくお願いします。
○川鍋課長 今の松田委員のお話も含めてですけれども、今、なぜ放課後について専門委員会
で議論をしているのか、また、本日もここで非常に濃い議論をさせていただきましたけれども、
やはり世の中的にこういうことを議論して目が向いていくということも私たちの仕事だろうと
思うのです。
もっと言うと、先ほど委員長がおっしゃったように改正児童福祉法は子どもから見たものに
制度が変わったということも踏まえると、いま一度きちんと大人たちがどう向き合うのかを世
の中全体が考えるときにあるのではないか。できるかどうかわかりませんが、そこに人もお金
も手間もかける必要があるのではないかという雰囲気を醸成できればということで、お忙しい
中ご出席いただいて、いろいろ御意見を出していただいているので、一言で申し上げると私は
そういう思いでこれをやっているのです。
以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。突然御指名してしまいましたけれども、何か同志だ
なという思いが高まりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、予定した全ての議事を終えました。閉会としたいと思いますので、熱心な御議論、
ありがとうございました。


(了)

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