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2017年8月4日 平成29年度第5回入院医療等の調査・評価分科会・議事録

○日時

平成29年8月4日
16:30~18:07


○場所

中央合同庁舎第5号館専用第22会議室(18階)


○出席者

【委員】

武藤分科会長、池田委員、池端委員、石川委員
神野委員、島委員、菅原委員、武井委員
田宮委員、林田委員、藤森委員、本多委員

【事務局】

医療課長、企画官、保険医療企画調査室長、歯科医療管理官他

○議題

1.療養病棟入院基本料について
2.障害者施設等入院基本料等について
3.有床診療所入院基本料について

○議事

○武藤分科会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから平成29年度第5回「診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」を開催したいと思います。

 本日の委員の出欠状況ですが、岡村委員、尾形委員、筒井委員が欠席となっております。それから、池端委員はおくれての参加となります。藤森委員は18時ごろ退室されるということでお聞きしております。

 次に、厚生労働省において異動がございましたので、事務局から御紹介のほどお願いしたいと思います。

○事務局

 それでは、8月1日付で異動がございましたので、御紹介させていただきます。

 まず、古元重和医療課企画官でございます。

○古元企画官

 よろしくお願いいたします。

○事務局

 それから、吉川裕貴医療課長補佐でございます。

○吉川補佐

 よろしくお願いします。

○事務局

 以上でございます。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、本日の議題について、入りたいと思います。本日の議題は3つでございます。議事次第にございますように「1.療養病棟入院基本料について」「2.障害者施設等入院基本料について」「3.有床診療所入院基本料について」でございます。

 まず事務局から一括説明していただいて、その後、個別に議論したいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

○事務局

 それでは、入-1の資料で御説明をさせていただきます。委員の皆様には事前に御送付させていただいておりますので、少しテンポよく御説明をさせていただきます。

 まず、本日の議題、2こま目ですけれども、今、座長から御説明のあったとおり3つでございます。

 4こま目からが療養病棟入院基本料でございます。

 5こま目、療養病棟入院基本料は1と2、2種類ございまして、主としては看護職員、看護補助者の配置基準が異なっております。また、医療区分2・3の該当の患者割合の要件が違うというものでございます。

 6こま目は包括範囲でございまして、一番下の欄、医学管理、在宅医療、リハビリテーション等については出来高で算定可能となっておりますが、それ以外の区分の点数については、こちらにあるような部分が包括であるということがございます。

 7こま目につきましては、療養病棟入院基本料でとれる加算の主なものでございまして、褥瘡の評価や重傷者の受け入れ、救急・在宅の初期加算といったようなものがございます。

 8こま目、9こま目は、療養病棟入院基本料の主な変遷ということでございまして、平成12年から入院基本料という形での算定になっておりまして、こちらにありますように配置の変化ですとか、平成18年には医療区分による評価が入ってきているということでございます。

 10こま目、届け出病床数の推移ということで、おおむね21万床で横ばいということですが、下の部分の療養1の割合がふえてきているということです。

 11こま目は都道府県別で、65歳以上人口10万人当たりというところで見ておりまして、療養の1・2、県でばらつきがございますが、こちらにあるような状態で、12こま目は、それを足し上げて、さらに有床診療所のものも追加をしたものでございまして、少し地域で差があるということです。

 13こま目は、前回もお出ししていますが、その割合というところで、療養が多い地域とそうでない地域とあるということでございます。

 14こま目は、療養病床の見直し、特に介護療養病床につきましては介護医療院という病床から施設になるという見直しがされておりますが、その検討の中で、14こま目の下から5行目あたりにございますように、いわゆる25対1という療養2のほうでございますが、これの取り扱いについて中医協で検討することになっておりまして、これは中医協の総会マターでございますが、今回分析するときに療養1と2という違いも見ていくということでございます。

 15こま目は、中医協総会のほうで扱ったときの課題でございまして、15こま目の矢印から下の部分をごらんいただくと、1つ目の○の1つ目の黒ポツで、高齢者の機能維持に係るリハビリテーションや退院支援ですとか、2つ目のポツで、在宅医療を担う診療所と連携しての看取りを支援する機能といったことが指摘されております。

 16こま目以降はデータでございます。

 まず、17こま目以降、医療区分についてということで、18こま目、今の区分の定義と点数でございまして、左上が療養1で、医療区分3種類、ADL区分3種類の3掛ける3の9種類の点数ということになっております。

 19こま目は、医療区分、ADL区分、3掛ける3になっております、今どの入院料を取っているかということを確認させていただくために、19こま目にありますようなマトリックスを請求のときに御提出いただく、ないしはレセプトの中に書いていただくとなっておりまして、下の20こま目をごらんいただくと、これは拡大図なのですが、小さな四角のところ、1から31とあるのは日付になっておりまして、縦の左側の欄は医療区分のどの項目に該当しているかの項目を並べておりまして、それぞれに日付ごとにチェックをしていただくということで、医療機関にはこちらに関するデータを出していただいているというのがこちらの入院料でございます。

 21こま目以降は、平成18年度に医療区分が導入されたときの定義、22こま目はADLの定義ということで、少しマイナーチェンジはございますが、ほとんど同じもので来ているということです。

 23こま目は、前提となった調査ということで、さまざまタイムスタディーも含めまして調査をした上で、この区分が設定されているということです。

 24こま目は、28年に改定があったときの項目変更ということで、定義の変更なのですが、医療区分3で酸素療法実施となっていたのが、改定後は、医療区分3は3リットル以上、それ以外が医療区分2ということで、酸素療法が3と2に分かれたという改定がありまして、25こま目をごらんいただくと、この酸素のところが半分ぐらいに分かれて、2と3に分かれたということでございます。

 次に、医療区分2・3の該当患者割合の状況ですが、27こま目、療養2のほうには5割以上の要件が入ったということで、28こま目、この5割以上の要件ないしは25対1を満たせない場合に届け出をしていれば100分の95の減算でいいよということなのですが、届け出している割合が右側の囲みで3割弱ぐらいで、一番上の病棟数というのが今回の我々が分析している調査対象でございまして、大体全体と同じ傾向になっています。

 29こま目は、今回の調査対象での該当患者割合で、療養1は9割、療養2は6割ということですが、30こま目、以前も出しましたが、この分布で見ますと、療養1は8割以上が多いですけれども、療養2、下の部分は、基準が入ったばかりですので少しばらついているということです。

 次に、31こま目以降が患者の状況ということで、これは医療区分別にさらに分析していまして、32こま目が全体で見ると一番右、療養については77%が75歳以上ですが、33こま目をごらんいただくと、医療区分1・2・3で年齢の分布を見ていますが、大体同じような分布ということでございます。

 34こま目は疾病で見ていまして、脳梗塞、脳出血が多いのですが、35こま目、医療区分1・2・3で分けてみても、これは調査のほうで循環器系でくくっておりますが、下に横の長い棒グラフ、これが内訳ですが、脳出血、脳梗塞が多いということで、これも1・2・3で主傷病で見ると同じような傾向です。

 36こま目、今度は入院期間別で見ておりますが、3つ棒グラフがありまして、左から60日まで、61日以降180日、一番右側の棒グラフが181日以上ということで、療養1と療養2と、療養1は在宅復帰機能強化加算ありということでなっております。真ん中のグラフの点線の囲みは、181日以上の入院料のところが、加算ありのところだと医療区分1の181日以上の割合が少ないということであります。

 37こま目ですが、認知症の割合で、大体医療区分1・2・3で分けてみても半分ぐらい認知症の診断を受けていますが、この自立度を見ますと、1・2・3と上がると重い方がふえているという傾向です。

 38こま目、要介護度で見ますと、上のグラフを見ますと不明・申請中という割合が多くなっております。これを除いて見たものが下のグラフですが、やはり1・2・3となると、要介護度も重い方の割合がふえてくるということです。

 次に、39こま目、栄養摂取の状態ですが、経口とそれ以外で見てみますと、1・2・3となるとそれ以外の割合がふえておりまして、内訳を見ると、中心静脈栄養のところは医療区分3の要件でもありますので、これが多くなっていますが、それ以外はここにあるような状況です。

 40こま目、医療的な状態ということで、これは今回の調査で新たに追加した項目なのですが、不安定、時々不安定という割合が1・2・3と上がるとふえている。

 41こま目が医療の提供ということで、今回は指示の見直しの頻度だけではなくて、医師による診察という項目も入れさせていただきましたが、色の濃いところに行くほど頻度が高いということで、1・2・3と上がるほど頻度も高くなっているということです。

 42こま目は、看護の提供頻度で、これも同様の傾向でございました。

 43こま目は、内服薬の薬剤種類数の割合を見ておりますが、大体3割から4割ぐらいで、医療区分1・2・3で大きな差は見られなかったです。

 44こま目は、医療区分2の中の該当項目なのですが、医療区分2の中では、療養1も療養2も喀痰吸引が多くなっておりました。

 45こま目、医療区分3の該当項目で見ますと、療養1も2も中心静脈栄養が最も多かったということです。

 次に、診療報酬の9区分のマトリックスの算定状況の年次推移です。

 47こま目、療養1について見ると、先ほど酸素療法について、区分3から区分3と2に分けたということなのですが、一番右の細い棒グラフが28年の改定後のデータで、Aでふえていたのが減って、Dの医療区分2のところがふえたということで、ここは酸素の定義を変えた影響が少し見られております。

 48こま目は療養2で、同様の傾向でございます。

 49こま目、少し話が変わってデータ提出加算についてでございます。これはDPCデータのフォーマットのものを提出していただくと、この加算がとれるということになっていまして、50こま目、この加算の提出をするという対象病棟については、もともと一般病棟でしたが、一番下の欄が療養病棟で、平成26年から療養病棟もこのデータ提出の対象になっております。まだ算定要件化はされておりませんが、一部この地ケア病棟については算定要件になっているということもございます。

 実際に出していただいているデータセットは、51こま目にあるような内容で、平成28年からは、Hファイルと呼んでいますが、看護の関係のデータも集めております。

 52こま目は改定の概要です。

 53こま目、療養病棟でデータ提出加算はどれぐらい算定しているかと見ますと25.8%で、内訳を見ると、療養1のほうが多くなっています。

 このいただいたデータを分析したものが54こま目になっておりまして、左側の箱ひげ図は、入院基本料、全て出来高も含めての点数の分布になっています。医療区分1・2・3で階段になっておりますが、右側の箱ひげ図は、このうち階段の部分、入院基本料の部分を除いた出来高の行為について、これは入院基本料に包括されている出来高も外出しをして積み上げたものです。これを見ますと、医療区分1は医療区分2・3よりは少し低い分布ですが、医療区分2と3は、ひげも長いのですが、重複する部分が大きく、余り1と比べるほどの差は見られなかったということでした。

 55こま目以降、こちらが在宅復帰支援の状況ということです。

 57こま目を見ていただくと、療養病棟入院基本料で療養1のうちで在宅復帰機能強化加算の算定病棟の割合で、これが25%ありました。

 58こま目は、救急・在宅等支援療養病床初期加算のところですが、これは初期加算なので入院から14日までしかとれませんけれども、件数ベースで割合を見ると、療養1も療養2も1割ぐらいの患者さんで見られたということです。

 次に、59こま目、療養病棟の入りと出ですが、60こま目が療養1、61こま目が療養2ということで分けて集計をいたしました。

 60こま目を見ますと、療養1については、入棟元としては他院の7対1、10対1病床が44.8%で多くなっておりまして、そのほか自院の病棟や自宅というのがあります。

 退棟先としては、右側ですが、死亡退院の割合が39.8%で多くなっておりまして、それ以外ですと自宅の在宅医療なし、他院の一般病床となっています。

 61こま目、療養2について見ますが、療養2は、入棟元としては、他院の7対1、10対1のほか、自宅も多くなっています。退棟先は同様の傾向です。

 62こま目以降は、入院の理由等を聞いておりますが、入院継続の理由としては、通常、医学的な理由のためが多いのですけれども、右側の医療区分別のグラフで見ると、医療区分1については点線で囲っていますように、医学的な理由としては外来・在宅でもよいが、ほかの要因のためというところが最も多くなっております。

 63こま目、退院後最も必要な支援は何ですかということを、ほかの要因で退院できないと回答した対象に聞いた結果、左側の破線にありますように、食事・排せつ・移動の介護のところが多くなっていまして、この項目については、右のグラフ、医療区分別に見ても、医療区分1が最も多くなっています。

 64こま目、このほかの要因のため退院予定がないと回答した方の要因を聞きますと、上から2つ目の家族の希望にかなわないというところが多くなっておりまして、そのほか、退院先の確保ができていないといったことも挙がっています。

 65こま目、退院に向けた目標・課題を聞きますと、左の破線でかかっているような病態の安定が最も高いですが、それ以外としては、入所先施設の確保や看取りというのが挙がっております。

 66こま目以降が看取りの関係ということで、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の概要となっておりまして、67こま目にありますようなプロセスをこのガイドラインは示しておりますが、これにつきまして、68こま目の意識調査の結果では、真ん中のグラフを丸で囲んでおりますように、医療従事者や施設従事者でも知らないという方が3割、4割いるということでございます。

 69こま目以降、リハビリテーションの提供状況ということです。

 70こま目にありますのは、疾患別リハで、この療養病棟で主にとられているのが脳血管疾患等リハと運動器リハで、その概要になっていますが、71こま目、平成28年の改定で廃用症候群リハというものもリハ料ができておりまして、これもとれるものとなっておりますが、この疾患別リハは72こま目にありますように、181日以降たちますと、左側の除外の対象以外は算定単位数の上限ですとか要介護被保険者では点数が少し下がるということが起こっております。

 73こま目、療養病棟におけるリハということで、リハビリの専門職員の配置と在宅復帰率の相関を見ていますが、配置があるほうが復帰率が高い傾向がありました。

 以上、サマリーが7475で、75こま目の矢印の下をごらんください。この1つ目の○、療養病棟については、看護配置、医療区分、ADL区分等により主に評価をされていますが、医療区分別に患者の状態、医療の内容を見ると、おおむね医療区分3・2・1の順に、状態不安定、医療の提供頻度は高いと、3・2・1では一定の相関が見られる。一方で、診療報酬点数の算定状況は多様で、医療区分間で重複する部分も多いので、データ提出に係る医療機関の負担軽減にも配慮しつつ、さらなるデータ分析に資する取り組みについて、どのように考えるかということで、箱ひげをお示ししましたが、例えばこれ以外、こういう分析もという御意見があれば、きょう、いただければと思います。

 2つ目の○、療養2についてですが、医療区分2・3該当患者割合5割という要件を追加されておりまして、まだ分布のほうはばらついて見えておりますが、制度改正のことも踏まえまして、この2の入院患者の状態をどのように分析するかということで、療養1に比べて相対的に医療区分1の患者さんの割合が多いということで、医療区分1の患者さんの病態や退院困難な理由を見ますと、これはどのように分析するかということでございます。

 次に3つ目の○、退院困難な要因に係る分析を見ますと、やはりADLなどに係るところが課題ということで、療養病棟における在宅復帰支援機能としては、日常生活動作の係るリハビリテーションですとか入退院支援というところが重要と考えられますが、それに関する取り組みや分析をどのように考えるか。

 最後の○は、看取りに関してですが、認知度がそんなに高くないということもありますので、その普及などについてどのように考えるかということでございます。

 続きまして、障害者施設等入院基本料で、77こま目は障害者施設等入院基本料の経緯で、もう一つ同様の入院料ですが、出来高ではなくて包括のものが78こま目の特殊疾患病棟入院料ということです。

 こちらにつきまして、79こま目が全体の要件と点数の一覧で、左の2つのこまは障害者施設等入院基本料で、これは7対1から15対1までの出来高の入院料でございますが、真ん中あたりの特殊疾患病棟入院料については20対1ということで、こちらは包括の入院料でございます。患者像はかなり重複する部分がありまして、ここではこの2つの入院料をまとめて分析させていただきます。

 少し飛んで81こま目をごらんいただくと、平成28年の改定で、ここの趣旨のところにあるように、重度の意識障害(脳卒中の後遺症の患者に限る)であって、疾患の病態が療養病棟入院基本料の医療区分1・2に相当する場合は、その点数を下の欄の囲みがあるところなのですが、例えば障害者施設等入院基本料の10対1で言うと、90日までの点数は1,329点(出来高)ですが、脳卒中後遺症の重度意識障害のうち医療区分1・2の場合は、それぞれ1,331点または1,465点で包括になるという改定でございます。

 こちらについて、82こま目、平成28年5月、改定直後ですので、これは6カ月間の経過措置があるので、ぱっと出ておりませんが、少し医療区分1・2の点数をとっているところもありますが算定回数自体は大きな変化がなかったということでございます。

 次に、83こま目、改定の対象にしていた重度の意識障害がある脳卒中の患者ということですが、84こま目、脳血管疾患の患者の割合というところの差を見ていますが、真ん中あたりの障害者のところは10.8%から6.8%、特殊疾患のほうは17.8%から21.5%となっております。

 85こま目は改定前ですが、医療区分1・2・3の割合で、障害者施設等入院基本料は64%が医療区分1でしたが、改定後のデータで見ますと39.3%ということで、少し変化がありました。

 87こま目、医師による指示の見直しの頻度というのが、これは改定前の調査項目なのですけれども、これを見ますと、見直しはほとんど必要としないというところの割合がこういうことでしたが、88こま目の改定後の部分を見ますと、障害者、特殊疾患ともに少し減っているということです。

 89こま目、改定前の看護師による観察及び管理の頻度ですが、こちらは90こま目にあります改定後を見ますと、ふえたりへったりということでありました。

 次に、91こま目、急性増悪のあった方の割合で、改定前が91こま目ですが、改定後が92こま目で、特殊疾患のところは急性増悪の頻度は逆に減っているという傾向でした。

 93こま目、一日平均単価ということですが、94こま目が改定後です。ここは余り大きな変化はないのかなということですが、これはデータソースが改定前は社会医療のデータで、改定後はこの入院調査の対象、抽出調査の対象ですので、直接の比較ではなく、参考までということでごらんください。

 次に、95こま目以降がその他で、重度の意識障害のある脳卒中の患者さんではないところということで、まず多いところを見ますと、96こま目、重度の肢体不自由児(者)ですが、障害者施設等入院では58%をこのような方が入院している。

 97こま目が、この重度の肢体不自由児(者)の中で身体障害者の等級がどのような状況かというのを見ますと、全体の中で不明、非該当という方が3割ぐらいいらっしゃるということです。等級は1級という方が59%でした。

 特殊疾患が一番下の棒グラフですが、こちらも3割超が不明、非該当ということです。

 98こま目、この不明、非該当の方について病名を見ましたところ、一番上の棒グラフの障害者施設等入院基本料計で見ていただくと、さまざまございます。ベースになっている疾患ということではなく、主傷病ということで聞いているので、いろいろ多様でございまして、例えば腎不全や肺炎であったり、その他の脳血管疾患といったようなことでございます。

 99こま目、この不明、非該当の医療区分の割合を見ていますが、障害者施設等入院基本料は、ネットで見ると43.8%が医療区分1、特殊疾患は31.3%が1で、これは療養1が9.7%に比べると、医療区分1の割合が多いとなっております。

 100こま目、次に重度の意識障害者の割合で見ますと、こちらにあるような状況なのですが、これは平均値ですので、101こま目に病棟ごとの割合の分布を見たもので、平均値よりも多く、ほとんどが重度の意識障害という病棟も一部あるということで、少し病棟によって様相が違いそうだということです。

 102こま目、重度の意識障害で脳卒中の方と脳卒中以外で割合を見ると、脳卒中以外という方が多くなっていまして、103こま目、脳卒中以外の方と脳卒中の方で医療区分を見ると、下半分ですが、医療区分2・3の割合が7割ぐらいということでございます。

 104こま目ですが、課題案ということで、矢印の下は、このような障害者施設等入院基本料と特殊疾患の入院料につきまして、より患者の状態に応じた評価を推進する観点で、重度の意識障害であって脳卒中後の患者について、平成28年で改定を行っていますが、その結果を踏まえて、重度の肢体不自由とされている患者の状態をどう考えるかということでございます。

 次に、105こま目以降が3つ目の議題の有床診療所入院基本料です。

 106こま目、施設数を見ますと、有床診療所は最近減っておりまして、107こま目、病床数で見ますと10年余りで2分の1以下になっているということです。

 108こま目、主な診療科を見ますと内科が多く、外科、産婦人科などでございます。

 109こま目、都道府県別の病床数で見ますと、ばらつきはありますが、110こま目、65歳以上人口10万人当たりにすると、さらにそのばらつきは大きくなるような傾向がございました。

 111こま目、地域包括ケアシステムの概念図ということですが、有床診療所につきましては、112こま目に、これは医療と介護の連携に関する意見交換の中の抜粋なのですが、かかりつけ医機能を持つ有床診療所や中小病院の役割ですとか看取りの役割といったような、地域の近い場所で地域に根差して医療、特に有床診は入院医療も提供できるというところの役割について、この地域包括ケアシステムの中でというところが言われております。

 113こま目以降、実際にどんな患者さんがいるかということなのですが、まず114こま目、この分析対象のデータを見ますと、左側が有床診療所の中の主たる診療科で、内科、産科、次いで眼科なども出ております。

 取っている入院料について見ると、右側で、有床診療所入院基本料、これは一般病床の有床診ですが、そこが多くなっております。

 115こま目、どんな処置をやっているかということですが、当然、採血ですとか薬の処方、点滴などもありますが、こういったものがある。

 116こま目、入院時の状態を見ると、2割強の患者さんは、破線にありますようなADLの関係というような状態像が出ています。

 117こま目、入院の理由を見ますと、当然、治療のためというのが6割で最も多いですが、その次を見ますと、リハビリテーションのためというのも出ています。

 118こま目、地域包括ケアシステムの中の役割ということも言われておりますので、地域との連携状況につきまして調査をしました。連携先の施設数ということで、このグラフの左側にありますような連携先の種類別に何カ所と連携していますかという調査をしまして、当然、地域包括ケア病棟と有床診療所で規模が違いますので、数字は違うのですけれども、病院やさまざまな事業所との連携もあるということでございます。ただ、自治体と個別事例での連携があるかと聞きますと、有床診の場合は2割ぐらいが連携ありということでございまして、自治体レベルでの連携となると、地域包括ケア病棟とは少し違うということです。

 119こま目以降が最近の改定の概要で、少し飛んで、122こま目を見ていただくと、有床診療所入院基本料については、今、6個の区分がありますが、1・2・3の区分については、在宅療養患者への支援といったような要件で、123こま目にあります11項目の要件いずれか2つ以上満たすということが要件になっています。類型で分けますと、在宅患者への支援、専門医療の実施、急性期病院からの受け入れや体制ということになっていまして、124こま目は改定前の参考データですが、その要件のうちどれを満たしているかといったことで、体制に関する要件が多く、次いで在宅医療の要件となっていました。

 125こま目ですが、どの入院料を最も算定しているかを見ますと、基本料1が半分ぐらいになって最も多いということですが、稼働率は、入院料1でも67%ということで規模が小さいですので、病院と比べるとかなり少ないということです。

 126こま目、算定回数を見ますと、平成26年以降、入院料が3区分から6区分に変わっておりますが、その変更を見ても、全体の算定回数は少し病床も減っておりますので、減る傾向もあるということです。

 127こま目以降が診療科別の分析ですが、この入院料の6区分の算定回数の割合を見ますと、内科、外科、産科系は1の割合が7割ぐらいですが、眼科や耳鼻咽喉科を見ますと1の割合はぐっと減っている。

 128こま目、入院日数別に入院料は違いますので、その割合を見ると、内科、外科あたりは14日以内の割合は3割、4割ですが、眼科や耳鼻科、産科あたりは8割以上が14日以内ということになっています。

 129こま目、1日当たりの平均レセ点数を見ますと、眼科、耳鼻科は手術料の占める割合がかなり大きく、それ以外の診療科は入院料ということで、大分様相が違うということです。

 130こま目、短期滞在入院基本料で、これは眼科が18%ということで最も多く、当然、手術の患者さんが眼科は多いというのが読み取れます。

 131こま目、患者さんの年齢階級を見ますと、上の棒グラフ、入院料1~3の地域包括ケア関係の要件をとっているところのほうが高齢者の割合が多くなっていて、132こま目、分布を見ますと、当然、40歳以降のところは入院料1~3のほうが入院日数の長い方が少し多い。

 133こま目、有床診療所の在宅復帰機能強化加算というのをつくっておりまして、算定状況を見ますと1割ぐらい。ただ、算定しているところの主たる診療科を見ると、一番下の棒グラフで、内科が3割、産科が次いである。眼科もとっているということです。

 134こま目は加算の状況で、左の円グラフが一般病床、右の円グラフが療養病床ですが、療養のほうが内科の割合が多くなっていて、この加算をとっているところということで見ると、内科、整形外科、外科が見えてきています。

 135こま目は、加算の状況のうち、加算の届け出の要件のうち困難な要件はどれかということで聞きますと、退棟患者の在宅生活の継続の確認・記録というところが高くなっておりました。

 136こま目、加算をとっているところととっていないところで退院先などを比較しますと、加算をとっているところのほうが自宅に帰すのでも在宅医療がある方ですとか、死亡退院の割合も多いということで、割ととっている方のほうが重い方を診ているのかなといった状況です。

 137こま目以降が収支の状況になっていまして、138こま目、無床診療所と有床診療所で左のグラフが個人立、右のグラフが医療法人立です。無床診と比べれば当然ですが、収益も大きいですが、費用も大きいということで、差額にしますとこのぐらいの差になるということでございます。

 診療科別に見ますと、139こま目、診療科別はn数が少なくなるので個人と法人合わせての数字になりますが、一番右側の損益差額を見ていただくと、眼科、整形外科、外科と内科、産科でちょっと差があるかなといったような状態でした。

 以上、140こま目の矢印から下ですが、まず1つ目、有床診療所は、主な専門分野で提供される医療の内容や状態、入院期間、損益状況が大きく異なることから、有床診療所が担う医療機能や患者の状態に応じての医療の提供内容を少し分けて分析してみましたが、これについてどのように見ていただくかというところと、2つ目の○で、有床診について、地域包括ケアシステムの構築に当たって一定の役割を担うことが期待されておりまして、例えば在宅復帰支援、介護サービスの連携などの有床診の機能の分析をどのように考えるかということで、少しまた分析の視点なり御意見いただければと思います。

 説明は以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 それでは、ここから区切って御意見いただきたいと思います。

 最初に、療養病棟入院基本料に関してであります。ページ数で言いますと75ページまででしょうか。何か御意見ございますでしょうか。本多委員、どうぞ。

○本多委員

 では、課題案につきまして、意見を申し上げたいと思います。まず、54こま目の「医療区分別の1日当たり平均点数」を見ると、先ほどの説明にもありましたが、右の図に示されているとおり、医療区分2と3では点数に大きな差が見られないということです。今後の見直しに当たっては、患者の状態や実際の診療行為について、もう少しきめ細かく分析する必要があるのではないかと思っております。

 関連して、上の53こま目を見ても、データ提出加算の算定病床は4分の1に過ぎず、この状況ではきめ細かな分析を行うことは難しいのではないかと思います。各病床における患者像や診療行為をより明らかにする観点からは、療養病床についても早期にデータ提出を要件化する方向で検討すべきではないかと思います。

 2つ目に、14こま目で、療養病床の在り方等に関する特別部会の議論の整理が示されておりますように、251には、より医療の必要性が高い慢性期患者に対する入院医療の提供が求められています。29こま目では、医療区分の割合が示されていますが、データを見ると、療養2では医療区分1の患者が4割程度いることがわかります。

 また、41こま、42こま目に医療や看護の提供頻度が出ておりますが、医療区分1については、医療や看護の提供頻度が余り高くない状況がうかがえ、さらに過去の中医協の資料などを見ても、25対1と介護療養病床の患者像が似ていることが示されております。また、地域医療構想におきましても、2025年に慢性期病床を2割程度削減するという必要性が示されている中で、このような25対1の実情を踏まえると、地域での医療、介護の提供体制といった実情にも十分配慮しつつ、25対1については廃止とする方向で、特に現行の要件を満たせないような、経過措置に該当している医療機関については、新設される介護医療院等への転換をできるだけ速やかに促す方策を検討すべきではないかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。神野委員、どうぞ

○神野委員

 内容のところで、質問というか意見です。まず、38こま目です。全ての医療区分で不明・申請中等が半分近くありますけれども、これはある日一日をたしかとっていると思うので、このある日の翌日には要介護度が出るのかもしれませんが、全体としてはこういう傾向だということが出ていると思うのです。そうすると、例えば介護保険施設への早期退院とか、あるいは退院後の訪問リハとかを使うことになると、要介護度をとっていないわけですので、この辺のところが介護との連携の阻害要素になるのかなと思えてなりません。とするならば、例えば訪問リハ等を介護保険だけで見るのか、医療保険で見るのかといったような物の見方も必要なのかなと思います。

 続きまして、63こま目「退院後最も必要な支援」というところで、医療区分別もありますけれども、全体として1番が食事・排せつ、お話があったようにADL関係です。それからリハビリテーションということが2番目に入っているわけであります。それを踏まえると、次のリハビリテーションの提供状況のところで、73こま目に行きますけれども、ここでリハ職員の配置と在宅復帰率が載っていますが、これはPTOTSTを分けてデータとして出てこないかということの質問であります。特に、先ほどの一番多いのは食事・排せつで食事というところが大きいので、例えばSTの配置によって在宅復帰率が高くなっているのかどうかというところで、もしデータがあったら教えていただきたいということであります。

 もう一点、療養病床の患者の流れが60こま目前後にありますけれども、退棟先として自院の一般病床と他院の一般病床を合わせると結構な数になる。全体でも12になっているということで、とすると、療養病床で治療できないので一般病床に戻したということになると思うのですけれども、その辺のところの包括範囲のあり方はどうなのだということは、やはり検討の余地があるのかなと思います。

 あと、今回、医療区分に関しては、いろいろなデータで、サマリーのところにもありましたが、比較的医療区分と重症度というか、手のかかり度がパラレルだという結果が出ております。ということは、医療区分はさわらなくていいのかどうなのかというところで、もう一回議論をしなければいけないのではないかと思いました。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 事務局から、先ほどのPTOTSTに関して何かございますか。どうぞ。

○事務局

 データについての御指摘についてだけ回答させていただきますが、在宅復帰率とリハビリ専門職の73こま目の部分ですが、これは3つの職種合わせてでの1人以上、2人以上なので、分解するとかなり0.5人以上とかそういう形になるのと、n自体も、今の分析で2人以上のところが71ですので、ちょっとまた見え方の解釈が難しくなるので、数字を分けることは可能ですが、どうしようかなと。

○武藤分科会長

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 データとして、STだけでも、STがいるのといないので在宅復帰率がどうかというところだけは出してもよろしいのかなと思います。

○事務局

 わかりました。それでは、STがいる病棟といない病棟での復帰率の差については、次回にまた準備したいと思います。

 それから、退院先の部分について、他院の一般病床があるのですがということなのですが、ここについては、そもそも退院患者のn数が少ないので、どういった理由かみたいなものが見えるかどうかは検討させていただきます。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。石川委員、どうぞ。

○石川委員

 28とか29なのですけれども、療養病棟の基本料2の施設基準を一部満たさない医療機関ということなのですが、療養病棟2というのは、この施設を持っている方たちは、今後大変不安な状況になっていると思うのです。どうして現時点で25対1の方たちが、20対1に移行したいと思っていると思うのですけれども、その理由が何か明確になるようなものがあるといいのではないかと思うのです。

 2930ページで、医療区分2・3の患者がいるのですけれども、現在そこに入院している患者さんも非常に不安になると思うのです。そうした意味で、25対1が地域の医療で果たしている役割もデータがあれば欲しいなと思いますし、ぜひここのところは療養2の方たちの議論をもう少し綿密にする必要があるのではないかと思います。

○武藤分科会長

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 おくれて来て申しわけありませんでした。

 まず、先ほど本多委員がおっしゃった5354のところですが、54で言うと、確かに医療区分2・3の包括的な行為と包括外行為を合わせたデータが少し近いのではないかということで、データ加算をもう少しとれるようにして、そこで分析をということ、基本的に私もその方向に反対はしません。ただ、療養病床というのは一般病床と違って規模が小さいところがかなり多くて、データ加算を義務化することになると施設基準上かなり厳しい状態になってしまうので、この辺はある程度、もう少し段階を追っていただかないといけないかなと思っています。

 そこで1つ質問なのですが、53ページのデータ加算算定病床の中で、これが現在、地域包括ケア病床等で義務的にとらなければいけない病床と、何も義務はないけれどもとっている病床はどれぐらいの割合があるのか。その辺がもしわかったら教えていただきたいのです。ひょっとしたら、義務的にとらなければいけないところがかなり占めているのかなという印象を持っているので、いかがでしょうか。

○武藤分科会長

 事務局、よろしいですか。

○事務局

 今、手元にないので、また次回に。

○池端委員

 では、続けてよろしいですか。

○武藤分科会長

 どうぞ。

○池端委員

 そういうことで、ただ、データ提出加算をどんどんとれるような形にしていって、データを見える化することに対しては、決して私は反対するつもりはありませんので、その方向は進めていければと思います。

 それともう一方、これは逆に本多委員とはちょっと反対の意見になりますが、療養2に関してですが、2930ページのグラフですけれども、確かに29ページを見ると、療養1に関しては90%近く医療区分2・3がいる、医療区分上かなり重度の方がいるということは定着して、しかも、それが徐々に年ごとに上がってきているというデータがあります。

 ただ、療養2に関しては、この基準が出たのは前回初めて5割という基準が出て、30ページのグラフを見ると、当然ながら療養1に関しては80を切ることはほとんどないけれども、2に関しては、50できちっと切れているわけではない。50以下も403020と段階的にあるのですね。だから、まだまだ上、療養1に行きたいけれども行けない、そういう患者さんがまだ十分集め切れていないというところ。あるいはいろいろな事情、地域の事情もあるでしょう、病院の事情もあるでしょうということがあるので、もう少し長い目で見ていただかないといけないと思います。特に療養2に関しては、皆さん、やはり医療で残ろうと思えば20対1に持っていこうということになると思うのですが、そうでなければ介護医療院に移行するのか、多分ここがせめぎ合いになると思うのです。

 では、なぜ20対1に行けないかということの一番大きな理由の一つとして、人員配置基準をある程度クリアできても、今まで2・3を5割もなかなかクリアできなくて困っているところが20%もあるのに、8割をクリアしようというのは非常に難しいのです。8割というのは、以前にもお話したように、例えば肺炎で入院したときに医療区分2であっても、肺炎が治れば1になってしまうわけですね。だから、ほとんど2・3で入っていただいて、それでやっと8割をクリアできるようなかなり厳しい基準なので、この辺をもう少し段階的に、柔軟に見られるような病棟の医療区分のあり方とか、そういうこともできれば検討して頂きたい。私は療養病床が、本当はこれから特に急性期から重度の方がおりてくる受け皿として地域で必要になっていくのではないか。そのためにも療養2を1に上げる努力をしながら、そういう受け皿としての機能が非常に大事になってくるのではないかと思うので、もう少し使い勝手がいい病床にできるような医療区分の基準、たとえばカットオフではなく段階的な基準が考えられないかということを提案させていただきたいと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。武井委員、どうぞ。

○武井委員

 療養病棟に入院する患者については、スライド2021にもあるように、医療区分、ADL区分に係る評価の評価表、評価の手引きを用いて毎日評価を行うことになっていますが、かなり細かい評価になっています。一般病棟は重症度、医療・看護必要度で、療養病棟はADL区分、医療区分と、評価方法が異なることで病棟機能ごとの患者の状態を把握することが難しくなっているので、評価方法を統一することができるようになると、病院の中で機能分化を検討する上で有効ではあると思います。

 また、評価方法を一般病棟と同様の重症度、医療・看護必要度に変更することで、患者の状態を比較することや状態に合った転院が可能になると思うので、検討をお願いしたいと思います。

 あと、私の理解不足があったので、分科会前に施設基準を読んでみたところ、、療養病棟に求められる役割は、急性期医療を担う病院の後方支援、介護保険施設、居住系施設または自宅で療養している方の療養の継続の後方支援ということが明記されていました。また、課題にも、療養病棟における在宅復帰支援機能、日常生活動作の機能の維持に係るリハビリテーション、入退院支援等と記載があり、地域包括ケア病棟と同じ役割を求められている気がします。私の理解不足もあると思うのですが、病院の機能分化という視点から、療養病棟と地域包括ケア病棟をどのように分化していこうと考えているのか、医療課の考えを教えていただきたいと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 先ほどのデータ提出加算の話なのですけれども、5053ぐらいを見ても、何でデータ提出加算をとれていないのかということの理由が余り明確にならないのですね。もちろん非常に複雑で、急性期医療の内容になっているということもあるからできないのか、それともマンパワーの問題なのか。これはやはりせっかくデータ提出加算というものがあるわけですから、何でそうなのかということがわかるようなデータを挙げていただければいいのではないかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 菅原委員、どうぞ。

○菅原委員

 ありがとうございます。

 既に最初に本多委員、それから池端委員からお話があったとおりなのですが、54ページの1日当たり平均点数で医療区分2・3にほとんど差がない。しかも、ひげがほぼかぶっているという状況は、今回出されたデータを見ていてよくわからない点だと個人的には思っています。

 といいますのは、41こま目、42こま目の医療提供頻度、看護の提供頻度を見ましても、基本的には医療区分が上がるごとに頻度は上がっていくということが明確になっていますし、最後のまとめですけれども、75こま目の中でも、おおむね医療区分3・2・1の順に状態が不安定で、医療提供頻度が高いと書かれていますので、そういう状況を考えますと、54こま目の状況というのは若干不思議な状況かなと思います。

 1つの可能性としては、頻度はそのようになっているのだけれども、単価といいますか、1回当たりの行為の重みみたいなものに恐らく医療区分2・3の中で差がないとこういう状況にはならないと思います。医療区分2・3についてデータの出し方、出され方の状況にやや問題があると思うのですが、もう少し細かく、例えば、在院日数の差とか、医療区分3だとターミナルの部分が非常に多くなっているだとか、患者像がもう少しわかるような形でデータが出てくると、この部分が解決されるのではないかと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 そのほか、事務局、何かございますか。よろしいですか。

 では、本多委員、どうぞ。

○本多委員

 また課題案に関して発言致します。73こま目に、リハビリ職の配置と在宅復帰率の関係が示されておりますが、療養病床には、より在宅復帰機能というものが求められることを踏まえると、リハビリ職の配置といったストラクチャーだけではなく、在宅復帰率やADLの改善といったアウトカムの両面で評価することも検討していくべきではないかと思います。

 それから、最後の論点に関して、68こま目にある、いわゆる終末期ガイドラインについてですが、医療従事者の3割から5割ぐらいがガイドラインを知らないということが示されております。骨太の方針などにも示されておりますように、今後は医療従事者や国民に、このガイドラインの周知を図ることが一層求められるのではないかと思います。

 また、65こま目で、退院に向けた目標、課題が挙げられておりますが、療養病床には在宅復帰機能とあわせて、円滑な在宅等での看取りにつなげていくという役割も求められているのではないかと思います。20対1には現行、在宅復帰機能強化加算が設けられておりますが、今後はこれに付随したような形で、例えば、終末期ガイドラインの普及を要件化することや、看取りに関する研修の受講を促すなど、在宅における看取りをできるだけ進めるような役割も求めていくのはいかがかと思います。

○武藤分科会長

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 今、本多委員がおっしゃったように、もし今後、看取りに関して、いろいろなところでみとる機能があると思うのですけれども、後の有床診もそうかもしれませんけれども、療養でみとるという機能を持たせるならば、何らかの指標をつくって、それを評価するという方法がないと、今のままではなかなか絵に描いた餅になってしまうのかなと思います。

 もう一点、ちょっと関係ない話をしてもいいですか。

○武藤分科会長

 どうぞ。

○神野委員

 62こま目ですけれども、例えば右側の上の医療区分1のところで、上2つの医学的な理由で退院できないのが足すと47.1%になるのですね。今、私たちのマターと違いますが、地域医療構想で、たしか医療区分1の70%は外来、在宅だと言っているのですね。今回こんなデータが出てきてしまった。これは非常に大きなデータだと思うので、ぜひ医療課から医療計画担当部署のほうに出していただきたいなと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 私も全く同じ意見なので、ぜひそういうことを検討していただきたいと思っています。

 それと、看取りに関してですけれども、1点、私もここの場で以前1度お話ししたことがあると思いますが、療養病床の死亡退院が4割以上占めていることを全て看取りとして考えるのはちょっと無理があるというか、違う要素もあるということ。療養病床であっても、きちんと治療はしています。精いっぱい治療して、治療して、ではICUとか高度急性期に行きますか。いやいや、ここでできる限り精いっぱいやってほしいということで治療して、その結果で死亡退院になる方もかなりの数いらっしゃるのです。そういうところで、特養などの看取りで看取り加算をとっているような、ああいう静かな看取りというイメージとちょっと違う患者像。やはり病院で死ぬということのいい悪いは別として、そういうこともあるのだということもぜひ理解していただきたいと思います。

 よく療養病床で、死亡退院はいっぱいしているけれども、看取りの計画を立てていないよねということで逆に変な判断をされてしまうのは不本意なので、一応そういうこともあるのだということを御理解いただければと思います。

 それから、先ほど武井委員が、療養病床と地域包括ケア病床の機能がわからないというお話があったのですけれども、恐らく、これから日本のあらゆる種別の病床は全て在宅復帰に向けていくということであり、たとえ療養であっても頑張ってほしい、老健でも在宅復帰を目指そうということなので、そういう流れとしては在宅支援、在宅復帰というのは療養でもやっていくし、今後も進めていきたいという思いで私たちは頑張っているつもりです。

○武井委員

 ありがとうございます。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。石川委員、どうぞ。

○石川委員

 72ページなのですけれども、リハビリテーションの点数が180日を超えるとがくっと下がるという内容です。これは以前に急性期病棟のほうで特定除外の議論と同じような感じなのですけれども、要するに180日を超えて入院している方がどうしてもいると思うのです。

 62ページのスライドに戻っていただきますと、医学的な入院継続の理由ということで、療養1のほうでは40%を超えている方で入院医療が必要であるという数になっていまして、そこの方たちが180日を超えるとリハがある程度、やってもかなり低い点数だということについてはすごく矛盾を感じると思うのです。ですから、62ページの医学的な理由というのをもう少し詳しく教えていただけると議論になるのではないかと思います。

○武藤分科会長

 池田委員、どうぞ。

○池田委員

 先ほどの終末期の問題のところで、68枚目のグラフで、ガイドラインを知らない医療者が多いということで、これはもちろん今後の啓発が必要かと思うのですが、この資料でもそこに丸がついているので、そこに問題意識があると理解しましたが、ガイドラインを知っているけれども参考にしていないというのが同様に大変多くいるので、この方々がどうして参考にしないのかということについて、この調査、この委員会でやった調査ではないのでちょっとあれですけれども、もし詳細がまたわかれば、こういう方々にどのように対応していくかということも検討できるかなと考えました。もしデータがあれば教えていただきたいし、なければまたこのようなことを明らかにしていく必要があると感じています。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。池端委員、どうぞ。

○池端委員

 リハビリテーションに関して、今回、いろいろな形でデータを出して評価していただいたのは非常にありがたいと思います。療養病床でもきちんと必要なリハビリテーションは提供させていただいているつもりなので。

 ただ、1点、ここでリハビリテーションが非常に提供しにくい状況にあることは何かというと、医療区分上、ほかに医療区分2・3のことがなければ、療養病床というのはリハビリテーションできるのは、そのリハビリが必要になった疾患の発症から1カ月以内しかできないということがあります。療養病床に来たとき、例えば既に急性期で発症して1カ月以上たって療養病床に来た場合、もうリハビリテーションだけで療養に入院することは医療区分上はできない。原則できないというか、8割以上をクリアしようと思うと難しいということになるので、逆に地域包括ケアだったら包括的だけれども60日できます。

 そういう意味で、もう少しリハビリを評価していただけるなら、何らかの形でリハビリができる体制、療養2・3を8割以上ということをずっと今後死守していくのであれば、あるいはリハビリだけは、月単位で一定期間だけは医療区分2・3の割合を分母分子から外すとか、何かの形をしていって、このリハビリを提供して在宅復帰することができる体制をぜひ検討していただきたい。いろいろな方法があると思いますけれども、そのようなことを思っていますので、一応ここで要望として発言させていただきます。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかによろしいでしょうか。

 今までの委員の皆さんの発言を踏まえて事務局から、例えば先ほどの医療区分2・3で点数差が少ないとか、これに対してさらなる調査が必要だという御意見もありましたが、何かございますか。どうぞ。

○事務局

 箱ひげの2・3のところがかぶっているのでということの分析で、主傷病名ですとか、例えば入院からの期間で分けてみるといったようなこともあるかと思いますので、もう少し手元でできるデータで分析はさせていただきたいと思いますが、基本的に階段があった上での1日単価のほうが少ない中での点数差なので、すごくそこが違うことにどれぐらい意味があるかというのは見てみないとわかりませんが、大体療養病棟にいる患者さんの状態で、医療区分2・3はまとめて該当患者割合と見ていますので、それなりに医療が必要な方と、医療区分1が要らないというわけではないですが、それ以外が広いので、そこには差が出ているというのはあるので、そこはまた見させていただきたいと思います。

 それから、ガイドラインを参考にしているかどうかの部分は、今年度の調査でそういう項目も少し入れさせていただいているので、10月以降にデータが出てくれば、そのものずばりではないかもしれないですけれども、一応医療従事者の方に理由ですとかを聞いているものがあるので、追加をさせていただきたいと思います。

 取り急ぎ、以上です。

○武藤分科会長

 それでは、またこの議題に後で戻ってきてもよろしいので、次の議題に進みたいと思います。2番目は、障害者施設等入院基本料についてでございます。これに関して何かございますでしょうか。本多委員、どうぞ。

○本多委員

 97こま目を見ると、先ほど説明がありましたように入院患者の状態が重度の肢体不自由者であっても、身体障害者の等級は不明や非該当の患者が一定程度入院しているという現状があります。また、99こま目に示されているように、医療区分1の患者割合も非常に高いという状況があります。

 また、94こま目の「脳卒中患者の入院料ごとの一日平均単価」を見ると、障害者施設等入院基本料は高いと思います。患者の状態に応じた評価を推進する観点を踏まえると、医療区分等の患者の状態を踏まえて評価を行うことについても、今後、検討すべきではないかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。神野委員、どうぞ。

○神野委員

 前回の改定のときと、それからその前の改定のときも障害者病棟の話がいつも出てきて、例えば88こま目で、医師による指示の見直しの頻度であります。前回も前々回も申し上げたのですが、左のほうに枠をつけてあるのではなくて、右のほうを見てくださいということなのかなと思います。例えば障害者病棟では、指示の見直しの頻度が、毎日の指示見直しとか1日数回のところはよその入院料に比べて非常に多いというのが特徴なのかなと思います。

 したがって、恐らく医療区分は、障害者病棟では調査のために今回医療区分を出したのだと思うのですけれども、強いておりませんので、恒常的に医療区分をつけるような習慣がないところに急につけさせたのでよくわからないというところもたくさんあるのではないかと思います。しかも、例えば療養病床は医師配置48対1ですけれども、障害者病棟は一般病床ですので16対1のほかの一般病床と同じだけの医師配置をしなければいけない。この医師の指示の見直しも必要であるといったところを、やはりきちんと見ていただくのが必要なのかなと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。石川委員、どうぞ。

○石川委員

 障害者施設のところで、96の重度の肢体不自由児(者)の割合が大変多いのでちょっとびっくりしているのですけれども、97で、先ほど御指摘ありましたように、不明と非該当と等級がなかなかわからないということがあります。

 98には、いろいろ合併症だとかそういった病名みたいなものも書いてあるのですけれども、重度の肢体不自由の内容について、やはりもう少し細かくわかるともっと参考になるのではないかと思います。わかれば調べていただいたほうがいいかなと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。武井委員、どうぞ。

○武井委員

 このデータなのですが、全てが肢体不自由児と者と一緒になってデータになっているので、年齢分布などのデータもあると議論しやすいのではないかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 では、事務局から、先ほど出ました肢体不自由児(者)の患者像に関して何かございますか。

○事務局

 きょうはお出ししていないですが、年齢階級で見た分布ですとか、入院期間ですとか、少し追加の資料をまた準備させていただきたいと思います。

○武藤分科会長

 ほかにございますでしょうか。田宮委員、どうぞ。

○田宮委員

 私、まだ勉強不足で基本的なことなのですけれども、障害者施設等入院の目的で、脳血管障害がかなり多いのですけれども、いわゆる普通のところにも要介護度5で重度の脳血管障害の方もいるのですが、どのように目的を分けているのでしょうか。教えていただけるとうれしく思います。

○武藤分科会長

 では、事務局、いいですか。

○事務局

 ちょっとお時間いただけますか。

○武藤分科会長

 私の理解では、意識障害のある脳卒中の患者さんということだと思います。

 では、ほかにございますか。神野委員、どうぞ。

○神野委員

 イメージとして、重身の患者さんをいっぱいお持ちの旧国立療養所系のところが結構障害者病棟をいっぱいとっていらっしゃる。その旧国立療養所をイメージしていただくとよろしいのかなと。ちょっとまずいかな。

○田宮委員

 そのように思っていたのですけれども、意外と脳血管障害がたくさんいらっしゃるので、むしろ介護保険の枠にならないような病気の方ですとか、若い方ですとか、そういう方の受け皿として必要なのかなと思っていたのですが、意外に高齢者の脳卒中が多いのでその辺がどうなのかなという素朴な疑問を抱いてしまっているのです。

○武藤分科会長

 よろしいですかね。

 では、事務局、どうぞ。

○事務局

 基本的には、障害者施設等入院基本料は、ベースが障害者施設ということで、そこで医療の要る方の病棟ということで歴史的に来ていますので、当然ながらそういった先天的な疾患をお持ちでの意識障害もある方での重い方で、医療ニーズも高い方が入っているということで来ているのですけれども、一方で、今、御指摘があったような後天的に脳卒中になって、その後の後遺症みたいな方もいらっしゃるというデータがあったので、そういう議論があって、前回の改定でもそこについては、療養病棟にもいる病態と似通っているのであれば、療養病棟相当の評価でもいいのではないかというような議論があったと伺っているので、まさにそこは議論があったところではあるかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 池田委員、どうぞ。

○池田委員

 97枚目のところで、各病棟で身体障害者の等級が、非該当というのはどういう病態かおよそ想像つくとして、不明というのがとても多くて、その不明分について99枚目で医療区分を見ている。そういう理解でよいのですか。

 もしそうだとすると、9497をあわせて見ないと、実際の患者さんの状態を比較することが難しいかなと思うのですが、これをあわせて解釈するとどのようになるのでしょうか。つまり、各施設の入院基本料の間でどういう傾向が。特段の傾向が見られないのか、それとも一定の傾向が何かあるのか、いかがなのでしょうか。多分、不明のところの病像を明らかにするために99があるのだと思うのですが。

○武藤分科会長

 では、事務局、どうぞ。

○事務局

 御指摘ありがとうございます。99こま目は、御指摘いただいたように、97こま目で不明または非該当の両方を部分的に取り出して、99こま目は医療区分1・2・3で見ているので、そういう意味では、今、議論している対象の病棟の患者さん全体で見ての医療区分1・2・3のデータは今ここではお示ししていないので、それと比較してみれば、それも出した上で見ると、もうちょっと雰囲気がわかるのかもしれませんが、ここでは身体障害者の等級ということでは一定程度評価を受けている患者さんなので、それ以外を抜き出して見ましたという流れで、そこだけ抜き出したということではあります。

○武藤分科会長

 ほかにございますでしょうか。障害者病棟。

 なければ、3番目の有床診療所入院基本料について、何かございますでしょうか。神野委員、どうぞ。

○神野委員

 随分減っていますので、数として全体の医療提供体制とか診療報酬にどれだけの影響があるかということに関しては問題をいろいろ考えなければいけないところがあると思うのですけれども、やはりこれは全部一緒くたにするとちょっとぐちゃぐちゃになってしまいますね。専門的な眼科とか、お産だけとか、耳鼻科の手術だけやっていらっしゃるようなところと、地域包括ケアに資するような急性期から来る患者さんとか在宅を支援するといったようなところをきちんと2つに分けて議論するのがやはり筋のような気がします。これは皆さん、お感じのとおりだと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかに。本多委員、どうぞ。

○本多委員

 神野委員の発言に関連して、特に120こま目にあるように、前回改定で有床診療所の入院基本料について、引き上げを行いましたが、最後の139こま目を見ると、内科や産婦人科のように収益が低い診療科もあるようです。この実態は細かくはわからないため、分析が必要かと思いますが、有床診療所には地域医療を担う重要な役割を果たしているところもあると思いますので、看取りをしっかりやられている診療所や、産婦人科のように地域に不足している診療を担っているようなところについては、少し支援するような方向で検討しても良いのではないかと思います。

○武藤分科会長

 菅原委員、どうぞ。

○菅原委員

 ありがとうございます。

 全体のこの議論をする際に、有床診療所も恐らく1床しかないところから19床のぎりぎりのところまで、恐らくかなり規模にも差があるのではないかと考えています。今回はかなり診療科別に数は出ているのですけれども、診療所の規模といいますか、そういったもののデータがございませんので、今後、有床診療所の役割を議論する際には、どのような規模になっているのかというデータが必要かなと感じております。

 それは最後の損益状況、138139あたりにも、規模の小さいものから大きいものまで全部一緒になって収益の状況が示されてしまっているような気がするので、もう少し規模に関しても情報を加えて、分析をしていただくといいかなと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。石川委員、どうぞ。

○石川委員

 有床診の在宅復帰機能についての加算の状況ですけれども、134のところで、要するに10%前後と書いてある。これはどういう有床診かということによるのですけれども、先ほどから言われている地域包括ケアシステムの中では、内科だとか整形外科の有床診は非常にこういう意味が強いのだと思うのです。そこが10%しかとれないということについて、135で少し分析があって、困難なものがどうなのかということが書いてあるのですけれども、確かに退棟患者の中で一番多いのは、135を見ますと「退棟患者の在宅生活がひと月以上継続する見込みであることを確認・記録」と、なかなか抽象的でわかりにくいものもあるので、これは中医協のほうできちんと議論していただくといいと思います。もう少しわかりやすいデータもあれば出していただいて、御議論していただくのがいいのかなと思います。ぜひ、もう少しとりやすい方向といいますか、そういうものを提案したほうがいいのではないかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 島委員、どうぞ。

○島委員

 今の石川先生の意見に全く同感でして、せっかく28年の診療報酬改定で、ここへも在宅復帰率の分子にということでふえているのですけれども、退院復帰の機能強化加算をとっている診療所がこれだけ少ないと、実際にはそういったところに患者さんを急性期からも送れないといったこともあるので、やはり有床診療所の地域における働きというか役割は物すごく大きいと思うので、このようなところで加算がとれるというか、そういうことがやれるように要件を緩和して、なるべくそういったところを頑張っていただけるようにというのが重要ではなかろうかと思っております。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。田宮委員、どうぞ。

○田宮委員

 今の地域との在宅支援とかその関係なのですけれども、有床診療所は病院に比べたらフットワークがよくて、地域に連携できて、在宅支援ができるというイメージがあって、私が前に訪問看護と医師の連携の研究をしたときに、やはり病棟の医師と診療所の医師ではその辺が違って、診療所の医師のほうがいろいろ連携しやすかったとかいう研究結果もあって、有床診療所はそうなのかなと思っていたのですけれども、済みません。

 それを思って、それが一般化できるかわからないですけれども、118ページの図を見ると、これはどのようにとったのか教えていただきたくて、連携先の施設数が地域包括ケア病棟、今、地域包括ケアが連携ということで言っているので、かなり実績があるということが示されているのかもしれないのですが、これを見ると有床診療所がほとんど連携していないのですね。これは多分、眼科とか産科が入っているからかもしれないのですけれども、ちょっとこの辺が、今お話があったように有床診療所がこれからもっと地域と連携していく方向のものと、そうではないものがあるのかもしれないのですけれども、この図が一緒になっているからわかりにくいのか、本当にまだまだ有床診療所は地域連携ができないバリアがあるのか。この図の見方も含めて、どう考えたらいいのかお聞きしたいと思います。

○武藤分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 118こま目のデータなのですが、これは今、御指摘があったように、診療科を特に区別せず、対象になった調査客体に、各施設に連携先の類型別に何施設と連携していますかというのを聞いていただいて、それを客体のn数で割って、1施設当たり、例えば有床診ですと、病院だと2弱ぐらいというデータになったので、御指摘のように10施設と連携している診療所もあれば、ゼロというところもあれば、それが平均されてしまっているので、そういう意味では、専門特化しているところではないとか、標榜科で少し層化した上で平均を出すともうちょっと見え方が違うかもしれません。このデータ自体は全体を平均したものということです。

○田宮委員

 連携ありというのはどういうことを連携ありというのでしょうか。連携がありますかと聞いているのですか。

○事務局

 そうです。例えば患者のやりとりがあったとか、特段そういう定義は置かずに、連携先の施設数という一覧表に数字を書いていただいたような調査票になっております。

○田宮委員

 ありがとうございます。

○武藤分科会長

 よろしいでしょうか。

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 いつも有床診療所が重要だということをいろいろなところで言われているのですが、その割にどんどん有床診が減っている。実態がどうかということがまだあぶり出されていないような気がするのですが、私が感覚的に自分の地域を見ると、明らかに先生が高齢化して、夜勤できる看護師がいなくなって、やめていくというパターンが非常に多いのです。

 もう一つは、最近かなりいろいろな意味で、施設基準上のいろいろな書類とかそういうことが物すごく多くなってきて、とても監査というか、医療監視とかそういうものを受けるのが、有床診だと結構入ってくるのですね。そういうことが煩わしくてやめるというところもどんどん増えてきているので、本当に有床診が大事だと思っていらっしゃるのであれば、そういう実態をもう少しあぶり出して、抜本的に考えないといけないのではないでしょうか。

 とはいっても、有床診にDPCデータ加算しなさいというと、これは絶対に無理だと思います。それこそNDBデータを使ってある程度、どういう医療機能をやって、どういう経営状況なのかということが少しこちらで調べられて、戦略的に立てていかないと、じり貧なのはどうしてもとめようがない。このままだと、多少10点、20点上げたところで全然つけ焼き刃になってしまうような印象を持っているのですが、皆さん方、どうでしょうか。

○武藤分科会長

 島委員、どうぞ。

○島委員

 そういう有床診のところは、もう結構歴史的に長く地域で医療を展開されているところが多いのですけれども、福岡が本当に非常に多くありますが、どんどん減っています。福岡で火事があって、あれ以来、かなり設備面での基準が厳しくなっておりまして、地域に密着して医療を展開することの重要性は皆さんわかっておられるのですけれども、もうそこまでしなくてもいいかなみたいな。だから、有床を無床にするとか、そういったところが結構出てきています。これはやはり安全性から考えれば、当然、基準はきちんとしておかなくてはならないと思いますけれども、だんだん高齢になってきて、もう入院患者まではやめておこうかなという施設がかなりふえてきています。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、全体を通じて何か言い残されたこと等はございますか。武井委員、どうぞ。

○武井委員

 今の有床診療所のところなのですが、私もやはり地域包括ケアシステム構築にあたり有床診療所が担う役割はとても大事だと認識しています。有床診療所が減少しているというのはほかの委員の先生方からもお話がありましたが、話を聞くと、医師の世代交代とか、先生の高齢化とか、いろいろな要因があるようなのですが、その減少の原因のデータが何か出てくれば、それに合わせて、例えば若い医師が有床診療所を経営できるように診療報酬で誘導をするなどの対策が検討できると思います。

 あと、現状として、有床診療所の入院の利用は治療のためなのですが、実際に中の医療行為は、薬の処方、検体採血、血圧・脈拍測定がほとんどで、それ以外の医療処置が少ない状況にあるのがデータから見えます。診療報酬も引き上げされているので、医療の質とか在宅復帰支援機能、介護サービスの連携の実態が見えるような評価を継続していくことで、有床診療所が実効性のある使われ方ができるようにすべきであると考えますので、またぜひ議論していただければと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 何か全体を通じて言い残されたことはございますか。神野委員、どうぞ。

○神野委員

 全体として、これもここのマターではないことを知りながら話しますが、それからこの保険局ではないことも知っているのだけれども、きょうもやっていたのだと思うのですが、介護医療院の議論をしていただかないと、行けとも行くなとも何とも言えないですね。来年4月から開始するのに、ここで療養病床の話をしていますけれども、介護医療院の相手方がわからなかったら、ここでの議論もとても難しいし、無駄なこともあるかもしれないので、どうか向こう側を早くしていただくのがお願いかなと思います。

○武藤分科会長

 介護給付費分科会のほうですね。

 ほかにございますか。石川委員、どうぞ。

○石川委員

 入院の議論というので、地域連携の中でいろいろととられていくということがより克明にできてきていると思っているのですけれども、先ほどの有床診の位置づけというか、地域包括ケアの中での位置づけもいいのですが、きょう非常に議論になったところでは、課ごとにきちんと有床診の分析を分けて、116ページにあるような有床診療所の入院患者の状況で見ると、これはやはりどうしても地域になくてはならないということが、よりわかるわけですね。それが、産婦人科だとかそういったところも地域の中ではもちろん必要なのですけれども、そうではなくて、より地域包括ケアシステムの中での有床診の意義をもう少し浮き彫りにできると、中医協の先生方も非常にその辺を重視して点数づけとかをやっていただける、そういう資料をぜひ出していただきたい。

 このところはいろいろな急性期病棟から慢性期病棟への連携とか、そういったものも今回の調査では非常に出ているので、ぜひそこのところをもう一回補強していただくと、もっとよくわかるのではないかなと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 全体を通じて何かほかにございますでしょうか。池端委員、どうぞ。

○池端委員

 今のこととも関連するのですが、私も今、有床診は重要だとお話ししましたけれども、有床診が現実にどんどん減っている状況で、有床診の機能をどこが次に担う可能性があるかというと、現状で言えば、地域に点在した小さい療養病床がそのかわりを担う一つの役目があるのではないか。となると、やみくもに療養2がだめだからなくせという議論ではなくて、それをもう少しいいような使い方がないか。そういうためにどういう報酬改定、あるいはどういう区分を入れたらいいかという議論に持っていって、必要なものを残していくということ。必要なければもちろん消せばいいのですけれども、必要なものにかえて残していくという議論。介護医療院と有床診療所と療養2というのが多分同じような枠になっていて、そこの中でどういう患者像がどういうところに入るかということも考えながら、今後、収れんしていくことを考えていかないといけない。だから、そういう横の議論していくといいのかなと思っていますので、よろしくお願いします。

○武藤分科会長

 いい御意見をありがとうございます。

○池端委員

 ついでに。

○武藤分科会長

 どうぞ。

○池端委員

 医療区分1というのは、もうずっと十数年、医療区分1は1と言っていますけれども、少し医療区分2や3に拾えるものもあるのではないかということもぜひあわせて議論していただければと思っています。よろしくお願いします。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 特になければ、今までの皆さんの意見を受けて、何か事務局から御発言はありますか。課長からは大丈夫ですか。では。

○事務局

 きょうは御議論ありがとうございました。こういった分析という視点でいろいろ御示唆いただきましたので、また資料を追加させていただいて、同じアジェンダでやるかどうかはお任せいただいて、少なくとも中間まとめのときまでには追加の資料をできるだけお出しできるように準備させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 次回日程については、また後日、事務局のほうからお知らせということでございます。

 それでは、これで平成29年度第5回「診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」を終了させていただきたいと思います。

 どうも御協力ありがとうございました。


(了)

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