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2017年7月13日 第60回先進医療技術審査部会

(了)


第60回先進医療技術審査部会

(1) 日時:平成29年7月13日(木)16:00~18:10

(2) 場所:TKP新橋カンファレンスセンター ホール1A(1階)

(3)出席者:
山口座長、一色座長代理、石川構成員、伊藤構成員、
掛江構成員、真田構成員、柴田構成員、関原構成員、
大門構成員、田代構成員、藤原構成員、松山構成員、
山中構成員、山本構成員、磯部技術専門委員

  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 企画官
保険局医療課 医療技術評価推進室長補佐
保険局医療課 専門官

議 題
1.新規申請技術の評価結果について
2.申請医療機関からの各種報告について
3.試験実施計画の変更について
4.先進医療の継続の可否について
5.先進医療におけるゲノム医療技術の取扱い等に係る検討について
6.協力医療機関の追加について
7.先進医療の取下げについて
8.その他

議事録
〇山口座長 それでは、定刻となりましたので、第60回「先進医療技術審査部会」を始めさせていただきたいと思います。
 御多忙の折お集まりいただき、誠にありがとうございます。
 本日は、田島構成員、手良向構成員より御欠席の連絡をいただいております。
 また、急遽、上村構成員からも御欠席の御連絡をいただきました。
 石川構成員は40分ほど遅れるとのことです。
 本日は、17名の構成員のうち、現時点で13名の構成員にお集まりいただいていることから、本会議が成立していることを申し添えます。
 それでは、配付資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 はい。よろしくお願いいたします。
 傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。
 配付資料につきまして、確認させていただきます。
 議事次第から、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。
 次に【新規申請技術の評価結果について】資料1-1~1-5。
 【申請医療機関からの報告について】資料2-1~2-3。
 【試験実施計画の変更について】資料3-1~3-3。
 【先進医療Bの継続の可否に係る審議結果の報告についての最終報告】資料4。
 【遺伝子パネル検査のコアプロトコールの必須項目および基本的な要件の原案】資料5。
 【協力医療機関の追加について】資料6。
 【協力医療機関の取下げについて】資料7。
 会議資料の最終ページは95ページとなります。
 また、構成員の先生方のお手元に、上村構成員からのコメントを机上資料として配付させていただいております。本資料につきましては、会議終了後、厚生労働省ホームページにて閲覧可能となりますことを申し添えさせていただきます。
 本日の資料は以上でございます。乱丁・落丁等ございましたら、事務局までお知らせください。
 続きまして、利益相反の御確認です。申請医療機関との関係や対象となる医薬品・医療機器及び再生医療等製品の企業等について、資料1-1、15ページに記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器・再生医療等製品情報をごらんください。
 申請医療機関との関係、対象となる企業または競合企業について、事務局から事前確認させていただいております。今回、整理番号80の技術(国立病院機構刀根山病院)につきまして、伊藤構成員より、本研究は国立病院機構の共同研究で、倫理審査を先生御所属の国立病院機構本部で実施しているため、公平性に疑念を生じさせるのでは、との御申告をいただきましたので、当該技術の審議に際し一時御退席いただきたく存じます。
 事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。
 該当なしということで承知いたしました。
 また、今回もタブレットを使用いたします。届出書類等についてはタブレットより閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は「会議資料の何ページ」または「タブレット資料何番の何ページ」とあらかじめ御発言をいただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
〇山口座長 では、議事に入りたいと思います。
 「新規申請技術の評価結果」について、事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 では、御説明させていただきます。資料1-1、15ページをごらんください。
 今回、先進医療Bとして新規に御評価をいただく技術は、整理番号80「筋ジストロフィー心筋障害に対するTRPV2阻害薬内服療法」です。
 申請医療機関は、国立病院機構刀根山病院です。
(伊藤構成員一時退席)
〇医政局研究開発振興課専門官 伊藤構成員には御退席いただきましたので、続けさせていただきます。
 審査担当構成員は、主担当が上村構成員、副担当は掛江構成員、手良向構成員、技術専門委員として磯部委員、以上となっております。
 資料1の43ページをごらんください。
 審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について事務局より御説明いたします。
 まず、「実施責任医師の要件」ですが、診療科が内科・神経内科・小児科・小児神経科のいずれかです。
 資格は、内科認定医・専門医または小児科認定医・専門医です。
 当該診療科の経験年数は、3年以上が必要です。
 当該技術の経験年数は要件にございません。
 当該技術の経験症例数も要件ございません。
 次に、「医療機関の要件」です。
 診療科は、内科・神経内科・小児科・小児神経科のいずれかです。
 実施診療科の医師数は、常勤医師2名以上が必要です。
 他診療科の医師数は要件にございません。
 その他医療従事者の配置は、薬剤師、心エコー技術担当者(医師含む)です。
 病床数は、150床以上が必要。
 看護配置は10対1看護以上。
 当直体制は1名以上。内科または小児科系医師が当直していない場合は、必要に応じて内科または小児科医との応援態勢がとれること。
 緊急手術の実施体制は不要です。
 院内検査(24時間実施体制)は不要。
 他の医療機関との連携体制も不要。
 医療機器の保守管理体制も不要。
 倫理審査委員会による審査体制、原則2か月に1回以上開催で、迅速審査あり、ということです。
 医療安全管理委員会の設置は必要です。
 医療機関としての当該技術の実施症例数は、要件はございません。
 その他の要件は特にございません。
 以上です。
〇山口座長 ありがとうございました。
 これらの要件について、何か御意見はありますか。
〇松山構成員 ちょっとお伺いをしたいのですが、内科認定医でもいいということになると、例えば今回は心臓のことを結構見ていると思うのです。本当にこれでいいのだろうかと。認定医だと、例えば卒後5~6年ぐらいで取れてしまうところがあって、しかも、今回、BNPを見たりとか、心不全はちょっと悪くなったときにどうフォローするのかという問題があって、循環器専門医とかが必要ではないかというような気がするのですが、ここを、できれば磯部先生のコメントをいただきたいと。
〇山口座長 お願いします。
〇磯部技術専門委員 私も同じ意見を持っております。ただ、どなたかからやはり「循環器専門医が必要ではないですか」という御質問があって、その回答が納得いくものでしたので、私はその条件でお認めしてもいいのではないかと判断しております。
〇山口座長 そういう要件を整えたらベターだという御意見でしょうか。
〇磯部技術専門委員 そうです。
〇山口座長 これについていかがでしょうか。
 もっともな御指摘ですし、そんなに難しい要件だとは思いません。
 循環器専門医という名前でよろしいですか。
〇磯部技術専門委員 はい。
〇山口座長 そういう要件をつけるということでいかがでしょうか。
 一色先生いかがでしょうか。
〇一色座長代理 この施設に循環器専門医の方がおられるのかどうかで研究が成り立つかどうかの問題になってしまいますので、31~32ページの磯部先生の質問への回答に記載されているように相談できるところにおられれば何とかなるように思います。専門医が常駐してないといけないというのは、ちょっと厳しい条件なのかもしれません。
〇松山構成員 もう一回磯部先生にお聞きしたいのですけれども、患者さんの状態が悪くなるリスクは、急激に悪くなるわけではなくて、悪くなるうちは徐々に悪くなると。例えば、すぐ目の前に循環器専門医が対応しなければいけないようなアドバンスイベントが起こる可能性は余りなさそうだという御判断でよろしいのでしょうか。
〇磯部技術専門委員 心不全という疾患の性質上、そういうことは常にございますけれども、トラニラスト、この薬剤を使用したことによってそういう危険が増すということは、このデータを拝見しても考えにくいですので、この病院でこの疾患を診ているという範囲で、心不全が悪化したり、あるいは急激に悪くなるということは当然日常診療の範囲内だと思いますので、この臨床研究に関連して循環器専門医が常駐しているというところまでは、私は求める必要はないのではないかと思います。先ほど御指摘の31~32ページにかけて説明がございまして、これで了解できるのではないかという判断をいたしました。
〇山口座長 ありがとうございました。
 ということは、循環器専門医に相談できる体制をとることだというような要件でよろしいですか。
〇磯部技術専門委員 はい。
〇山口座長 常駐でなくてということでいかがでしょうか。
 それでは、循環器専門医に相談できる体制を整えておくことを表現としてつけ加えたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 それでは、今の追記をしていただくという条件で、様式9号についてはお認めすることといたします。ありがとうございました。
 次に、本日御欠席の主担当の上村構成員の概要の説明と実施体制の評価について、事務局より御説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 17ページをごらんください。
 まず概要です。
 この研究は、心不全を合併し、それに対する標準治療が行われている筋ジストロフィー患者(BNP 100pg/ml またはNT-proBNP400pg/ml以上)に対し、トラニラスト300mg/dayを6か月間投与する非盲検単群試験です。
 主要評価項目は、投与開始前から24週までのBNPの変化量としています。
 副次評価項目として、心イベントや総死亡、FS、hANP等をとることになっています。
 予定症例数は20例です。
 上村先生の御評価ですが、現時点で、実施責任医師等の体制は「適」。実施医療機関の体制は「適」。医療技術の有用性は、こちらでは「不適」といただいていました。これは、申請者からの最終の回答を待っている状態だったためです。
 コメントを見させていただきます。
 先行研究の例数が少ない段階で、全期間で144週の研究を開始するには慎重な判断が必要であろう。実施責任医師と実施医療機関については、本研究の主要評価項目がBNPであることを踏まえて、循環器専門医との連携を確立し、維持していく必要がある。測定する予定の探索的評価項目が非常に多く、多施設においてその質を確保できるかどうかも問題になる可能性があるので注意が必要。
 対象となる患者群で、BNPが本当に下がるかどうかは現時点では不明であるが、仮説どおりにBNPが低下することが示されれば医療技術としての有用性はある可能性がある。必ずしも不適とまでは言えないが、144週の研究の開始を支持できるレベルの有用性が示唆されているかというと疑問が残る。まずは対象となる患者でBNPが本当に下がるのかを、もっと効率よく、かつ患者のリスクを最小化した形でしっかりと見極めることが重要であろう。そのためには、Phase Ibなど小規模でかつ短期間のPOC試験を先行させるか、あるいは、提案の試験の枠組みの中で、主要評価項目、副次評価項目、安全性に関する中間解析を実施して、試験の継続の妥当性を適時判断することも考慮すべきと考える。
 ということでございます。
 また、本日急遽、御欠席いただきましたので、机上にございますコメントも続きまして、代読させていただきます。
 本日の先進医療技術審査部会を欠席させていただきますので、書面にてコメントを提出させていただきます。
 先進医療技術審査部会として、まず御議論いただきたいこととして、非常に少数、具体的には2例の先行研究で4年間の研究を組むことの妥当性かと思います。有効性に対する疑問のみならず、安全性の確保という観点でも御審議いただきたいと思います。
 個人的な意見としては、少数の患者、例えば6~10例を対象として短期間、例えば4週程度のPhase Ib試験を先行させて、安全にBNPを下げることができるかを見ていくのがスマートなオプションかとは思います。あるいは、事前評価でも申しましたとおり、この試験の中で中間解析を実施してもらうといオプションもありかと思います。
 申請者に事前に、それらのオプションについて受入れ可能かという照会をしましたところ、中間解析を行うことについては受入れ可能ということのようでございます。しかしながら、申請者からは、「治療前から24週後までのBNP変化量をプライマリーエンドポイントとしており、これに合わせて24週時点で主要評価項目、副次評価項目、安全性について中間解析を行い、先進医療技術審査部会に報告する」という御提案がございました。
 24週のフルセットでは、全ての対象患者が長期にわたり試験薬に暴露をされる前に研究の継続の判断を行うという、中間解析の本来の目的が達成されないと感じます。部会として、中間解析を行うことでもよいという判断に至る場合には、例えば8例が12週を迎えた時点とか、ある程度患者数と期間を絞った形でお願いしたほうがよいと考えております。
 多くの副次的あるいは探索的評価項目が挙がっています。それらの評価可能性については、部会の議論の中で、循環器を専門にされている先生方の御意見も伺ってみたいと考えておりました。
 出席かなわず残念ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 とのことです。
 以上です。
〇山口座長 ありがとうございました。
 続いて、技術専門委員の磯部委員より、実施体制の評価について御説明をお願いいたします。
〇磯部技術専門委員 実施体制に関しましては、先ほどの循環器専門医というのは私も引っかかったのですけれども、体制としてはおおむねこのまま評価をするに適した体制ではないかと判断いたしました。
〇山口座長 ありがとうございました。
 続いて、掛江構成員より、倫理的観点からの御評価について、御説明をお願いいたします。
〇掛江構成員 掛江でございます。よろしくお願いいたします。
 35ページに、私から出させていただいた質問に対する回答がございます。
 一番大きく引っかかりましたのが35ページの下のほうの2.として「試験デザイン(2種類の投与期間と同意の整理)について」と書かせていただいたのですけれども、この試験を最初に拝見したときに、短期試験24週の試験があって、それが終わった後に、患者さんに試験の継続、治療の継続の意思を聞いて、長期試験にそのまま入るというような書き方をされていて、短期試験と長期試験の2本があるのか、それとも、144週の試験の中で、短期投与のところで解析をして、長期投与にそのまま入る一つの試験として同意をとろうとしているのかというところがはっきりしていなかったので、その点を御質問させていただきました。その結果、申請者からは、144週の一本の試験として最初に同意をきちんといただいて、もちろん長期試験に移るときにはさらに意思を確認する形で行うという回答でございました。
 同意という観点からは、そういった説明文書が修正されましたので、問題ないかとは思うのですけれども、先ほど上村先生からも御指摘ございましたように、そういった144週の試験という形が、そもそも論として安全性の観点から妥当なのかというところにつきましては、ぜひこちらの部会で御検討いただきたいと考えております。倫理的には、その結論に合わせた適切な説明文書になれば良いと思っています。
 そのほかの点といたしましては、代諾について非常に曖昧な書き方がされておりましたので、そちらについて御指摘させていただきまして、改善していただきました。そのほかの説明同意文書のさまざまな点についても改善はしていただきましたので、そういった点では、デザインのお話、科学性のお話を専門の先生方にお任せするとすれば、同意の取得の説明の仕方としては、現行の状態であれば問題がないかなと考えております。補償の点も患者相談対応の点も記載されているので、問題ないと考えましたので、「適」とさせていただきました。
〇山口座長 ありがとうございました。
 続いて、本日御欠席の手良向構成員の試験実施計画書等の評価について、事務局より御説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。
 手良向先生の御評価は、項目については全て「適」でいただいております。
 コメントといたしまして、帰無仮説の設定については、本試験の位置づけ(探索的試験)から、必ずしも検定ベースで検証的試験実施の判断を行う必要がないと考えますので、許容できると思います。
 24週時に再同意を得て、一部の被験者を144週まで投与・追跡するという計画については、目的とする情報を得ることができない可能性が大である、また短期の効果が期待できる場合に検証的試験の開始が遅れるという懸念はありますが、この点だけで不適とするには至らないと思います。
 といただいています。
 以上です。
〇山口座長 それでは、本日御欠席の主担当、上村構成員の事前のまとめと総合評価について、事務局より御説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 続きまして、上村先生の総評は、「条件付き適」といただいています。
 コメントは、対象となる患者でBNPが本当に下がるのかを、もっと効率よく、かつ患者のリスクを最小化した形でしっかりと見極めるようにすべき(部会での議論が必要)。
 ということでございます。
 以上です。
〇山口座長 ありがとうございました。
 この評価が出たときには、まだ一部の回答が来てない時点での回答ということでよろしいですか。
〇医政局研究開発振興課専門官 そうです。
〇山口座長 それを聞いた上で、先ほど読み上げていただきましたコメントが出たということですね。
〇医政局研究開発振興課専門官 そうです。
〇山口座長 ということですので、最終的には、上村先生の御意見は、先ほど出たコメントが最終的なコメントというぐあいに理解していただきたいと思います。
 それでは御討議をお願いいたします。
 どうぞ、山中先生。
〇山中構成員 トラニラストなので、もう20年か30年ぐらい使われている、非常に汎用されているお薬であり、インタビューフォームとかを見ても、副作用に関してはかなり限定されているので、特に安全性がひどく問題になるお薬ではないと思います。
 早目の時点で中間解析をということですけれども、そういった抗アレルギー薬を投与して、多分じわっと効いてくるという可能性もありますので、余り早いところで解析してみて、あんまり効果ないと判断される、もしかしたらそういう可能性もあると思うのですね。余り科学的でないところで解析してみて無効という誤った判断をしてしまったら、かえって非倫理的かもしれません。
 問題は、24週という時点の設定した根拠だと思うのですね。私が見落としているかもしれないのですけれども、プロトコールを読んでも、24週の根拠がよくわからないので、上村先生がいたら上村先生にお聞きするのですけれども。どなたにお聞きすればよろしいか。
〇山口座長 どうぞ。
〇真田構成員 実は私はこの件で上村先生と、今朝電話で話をして、彼が来られなくなったという連絡を受けたときにご意見を確認して、彼の懸念の一番大きいところも、24週の設定根拠が明らかでないということと、そのまま20例を20例のまま最後まで症例登録してしまってからの中間解析ということになると、それは安全性と有効性に関する中間解析の仕掛けが中間解析の意味をなさないぐらい遅いのではないですかということは懸念としてはありますと申されていました。
 だから、この試験計画の骨格を変えない形で、ここに少し仕掛けを加えてこの計画をよりよくするとすれば、もう少し早い段階で何らかのディシジョンが得られるのがいいのではないか。その根拠は、先行臨床研究が2例しかなくて、BNPの動きが、1例はなだらかに下がっている、2例目は劇的に下がっているということになると、2例でBNPがどういう動きをしていくのかというところが全く読めないところです。
 それから、2例から次の試験について、その有効性が推定される患者数を推定するに当たっても、2例のデータでは少し少ないのではないか、という懸念を述べておられました。
〇山口座長 ありがとうございました。
 どうぞ、磯部先生。
〇磯部技術専門委員 今のコメントにもございましたが、私も、BNPを主要評価項目としていることと、2例の臨床結果を拝見して少し疑問がございます。そもそもBNPは心機能の指標ではございますけれども、日常診療上は非常に変動が大きい臨床検査です。腎機能の影響を非常に強く受けますし、脱水の状況であったり、溢水の状況であったり、心機能そのもの以外の影響を受けます。年齢とともに変動いたしますし、体重とともに変動いたしますし、しばしば病院では18.4という基準値が示されますけれども、我々これを専門としている者は、18.4をほとんど意識しません。それぐらい変動が大きく、同じときに2検体測っても変わったりする。そういう項目でございます。
 そういうことを前提に、41ページの2例のBNPの動きを見ますと、1例目は140~100程度に2か月ぐらいで下がっておりますけれども、これ必ずしも薬の効果と言えるかどうかちょっと疑問でございます。2例目については、急激に上昇下降と書いてありますけれども、これももう少し長い目をもって見ないといけないというところがございますので、私はBNPだけでは心機能は測り切れないと思いますので、副次項目にFSと書いてある、fractional shorteningという心臓のエコーの指標に加えて、心エコーを使った心機能の指標を加えないと、BNPの動きだけで効果が判定できない、あるいは、実際よくなっているのに、BNPが必ずしもよくならないということもあり得ると思いますので、その点をコメントとしてつけ加えていただきたいと思っておりました。
〇山口座長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 どうぞ。
〇柴田構成員 2つコメントがあります。
 1つは「中間解析」という言葉の使い方が不適切だと思うという点です。まず24週目での評価が妥当かどうかということについて問わないといけないと思いますが、もし仮に、それが妥当であって、今、磯部先生が御指摘のエンドポイントの妥当性まで解決して、そのタイミングで次に進むかどうかの判断ができるのであれば、そのタイミングの解析は主たる解析であるべきです。それははっきりさせるべきだと思います。
 24週が妥当か、エンドポイントが妥当かということはまず詰める必要がありますが、そのタイミングで短期間の評価ができて、次のステップに進むかどうかの判断ができるのであれば、そこを主たる解析として、そこから先は追加のデータとして提示していただく。つまり、この場に主たる解析に関する総括報告書が出てここで審議される。
 そのときに並行して、20例に対して投与を継続してよいのかどうかというのは、また、ちょっと別の問題だと思いますが、整理としてはそうだと思います。
 上村先生御懸念の件に関しては、24週が妥当であったとして、もっとタイミングの早い段階で、20例登録をする前に判断すべきではないかという話になるわけですが、そのときに悩ましいのは、安全性の面ではさほど大きな問題はなさそうである、有効性の面では少数かつ短期の段階に無効であるという判断が下しにくそうである、という状況です。そういう場合に20例まで登録することの倫理的問題は、田代先生や掛江先生にも御指摘があればいただきたいのですが、他に治療選択肢があるときに、この期待できるかどうかわからない試験に入ってしまったがために、他の治療選択肢のチャンスが失われるということであれば、早期に止めるべきですが、基本的には、この疾患に対して他の治療選択肢がない、あるいは、開発されているものもさほどなさそうであるということであれば、そこのところは少し緩くするという判断もあり得るかもしれないと思います。そこは、臨床の先生方、あるいは、生命倫理がご専門の先生方の御意見を伺いたいと思います。
 2つ目ですが、先ほど磯部先生から御指摘があった点については、もしBNPを使うとしても、そのような状況であるならば、投与開始後の複数回の平均値をとるとか、そういう形の扱いは統計的には可能だと思うので、まず臨床的に意味のあるエンドポイントを設定することが大前提ではありますが、単純に最終時点での数字だけを扱うのが不適切であるようであれば、解析上の工夫をすべき点はあるのではないかと思います。
 解析の時期に関するコメントとエンドポイントの解析方法に関して工夫のできる余地があるかもしれないということに対するコメントです。
 以上です。
〇山口座長 山本先生どうぞ。
〇山本構成員 科学的・倫理的な観点もそうですけれども、現実的なところもちょっと加味する必要はあると思いまして。まず疾患が筋ジストロフィーですので、長期のフォローアップは100%可能だと思います。しかも、筋ジストロフィーで心機能が低下して、心不全が出ている状態の筋ジストロフィーの患者さんなので、恐らく頻回に入院することになりますし、筋ジストロフィーの患者さんで心不全が出ている方を診れる病院は非常に限られておりますので、恐らく今診ているところが何回も何回も入院させることになりますので、そういう意味では長期フォローアップが非常にやりやすい状況にはあると思います。
 一方で、これは明らかに適応外の薬ですので、この2例をやっただけでもかなり苦労をされていると思いますが、今は特定機能病院とかそういうところで適応外の薬をいくときに、できるだけ研究でしなさいというような指導が入っている状況で、これを先進医療にしないで自主的に臨床研究ができるような現状が今国の中にそういう環境があるかというと、ないわけですよね。なので、恐らく先行2例で先進医療に出さざるを得ない。
 特に筋ジストロフィーの患者さんは、恐らく入院しての治療のほうが長いので、今の日本の混合診療の考え方は、入院中にこういう適応外の薬剤が入ると、その入院費用全部混合診療で保険外ということになるというのが厚生労働省が決めているルールですので、それから考えると、この試験をたとえ20例であっても、先進医療B以外でやるオプションはないということになりますので、医師主導治験を組めれば別ですけれども、医師主導治験をやるか先進医療Bをやるか2つに1つというオプションになっておりまして。なおかつ、BNPという今回は主要評価にしているけれども、恐らく治験でBNPで主要評価項目を置けるかといったら、それは置けませんので、この探索的な段階で医師主導治験にするのも難しいという状況であれば、探索的な状況でやらざるを得ないだろうと思います。
 それと、心不全が、人によってちょっと違うとは思いますけれども、全員がだんだん悪くなる進行性なので、逆に言うと、あんまり短期に症状がちょっとよくなって、BNPがちょっと短期によくなったということがこの疾患の治療の目標かといったら、そうではないと思うのですね。ある程度長期に連用した上で効かないと、3か月飲んでちょっとよかったと。6か月飲んだけどだめだったと。だったら、はっきり言って意味がないので、恐らくそういうこともあってある程度長期で、24週というのは我々から見たらこれは長期試験なのですけれども、この疾患から見ると24週が実は長期の投与ということではないのかもしれないなと思いました。
〇山口座長 ありがとうございました。
 ほかに何かございませんか。
 どうぞ。
〇一色座長代理 私は基本的には磯部先生の御見解に賛成です。前に和温療法の審査をさせていただきましたが、あの研究では主要エンドポイントをBNPにして有意差を出せず、有効性の証明ができないという結論にせざるを得ませんでした。BNPをエンドポイントにするということは非常にリスクが高くて、磯部先生もおっしゃったように、データの変動が大きくて予想はなかなか難しいと思うのです。この研究における100という値も、私たちが日常診療の中で経験する心不全患者の値としてはむしろ低い値です。資料の記載によれば筋ジストロフィーの方は運動量が少ないことなどの理由でBNPが低値を示す傾向にあるために100という設定をしたということですけれども、提示されている2例のデータを見ると、2例とも心不全がよくなったとは言っても100以下にはなってないのですね。
 以上を考慮するとBNPだけを主要なエンドポイントにすると、結局、差が出ない結果になる可能性が否定できないように思いますので、何かほかの指標を入れて複合のエンドポイントとすることをお勧めしたいと思います。
〇山口座長 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 どうぞ、磯部先生。
〇磯部技術専門委員 追加いたしますと、全体としてこの臨床治験に反対する者ではございません。ただ、評価項目の点は、先ほど申し上げたとおりで基本的に、筋ジスの心不全は予後不良の疾患でございます。トラニラストというお薬は使用経験も多くて、基本的に良性の疾患に使う薬でございまして、安全性の面ではまず担保されているだろうということです。それから、薬効の観点から考えて、週の単位で簡単にこの効果を出せるというような薬効ではないのではないかと思います。ということで、週数のどういう段階で評価したらいいかについては、統計の専門家にお任せいたします。
 もう一つは、20例という件数が、こういう心不全に対する薬効を見る上では少ない気はするのですけれども、それも統計の専門家の方がよしとされるということであれば、私は、評価項目を少し検討していただいた上で、臨床治験としては、是としてもよろしいのではないかと。
 それから、1つだけ追加しておきますけれども、ほかに治療のオプションがないというコメントが今ございましたけれども、このプロトコールには筋ジストロフィーの疾患の内容が書いてございませんけれども、Becker型筋ジストロフィー症については、心臓移植のオプションがありますので、非常に限られた症例で、海外に行って移植をした実績もございますし、外国では、Duchenneは行いませんけれども、Beckerは心臓移植の対象疾患になります。一応ほかの治療オプションがあるということは御承知おきいただきたいと思います。
 以上です。
〇山口座長 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 どうぞ、柴田先生。
〇柴田構成員 磯部先生ありがとうございました。
 治療オプションがあるということであれば、それは漫然とたくさんの患者さんに対して効くかどうかわからない状況で引っ張り続けるというのはやはりよくないということになりますが、ただ、それは簡単にできる治療ではない。というのでしたら、同意文書には、情報提供はするけれども、事実上、簡単に実施できるというようなオプションではないので、この試験を早期に、例えば10例ぐらいで登録を中止しなければならないような状況ではないと解釈したのですが、そのような理解でよろしいですか。
〇磯部技術専門委員 よろしいと思います。
〇柴田構成員 ありがとうございます。
〇山口座長 山本先生どうぞ。
〇山本構成員 副次評価項目のほうで、総死亡とか心不全のいわゆるハードエンドポイントをとろうとされているのですよね。これは非常に難しいのですけれども、これを主要評価項目に持ってくると24週では済まなくなりますから、24週で主要を出せというのであれば、もうBNPで出すしかないだろうと思います。恐らくその辺のことを考えて、144週はハードエンドポイントをとるための期間数ではないかなと思うのですね。そこが非常に難しいところだと思います。
 24週でハードエンドポイントをとろうと思うと、逆に、何百例も入れないといけなくなりますけれども、恐らく筋ジスの方を何百例も入れるということもフィージビリティの問題ではちょっと難しいだろうなと思います。
〇山口座長 山中先生どうぞ。
〇山中構成員 先ほどから、BNPの妥当性に関してコメントが出ているのですけれども、ちょっと一色先生とか磯部先生にお聞きしたいのですけれども、BNPを使うべきではないのか。あるいは、BNPは平均的には予後と相関するけれども、ちょっと測定のバリアビリティが多過ぎてだめだと言っているのか、どちらですか。
〇磯部技術専門委員 後者のほうです。BNPは大変いい指標です。いい指標だという意味は、単に心機能だけのバイオマーカーではなくて、生命予後に関わること、年齢、腎機能、心機能をオーバーオールで測る指標だから有用なのですけれども、実際には、逆に、いろいろな指標の影響を受けやすいということで、BNPの値の統計差をもってトラニラストの薬効の評価をするというのは難しいと思います。指標として不十分なバイオマーカーだからです。
〇山中構成員 何をもっていいかの「何」の部分なので、そこが根本的に否定されると、そこをまず考えないといけないと思うのですけれどもね。
 さっき柴田先生がおっしゃったように、単純には幾つかのポイントで平均とってならすというのが考えられると思うのですけれども、そういうやり方も含めて、専門家から見てあまりよくなければ、主要エンドポイントの変更という結構大きなことですが、検討が必要です。
〇山口座長 どうぞ。
〇山本構成員 心不全薬は、通常、レギュラトリーボディが使う主要エンドポイントは6分間歩行なのですよ。筋ジスなので歩けないのですね。だから、いわゆる普通にレギュラトリーで認められている主要エンドポイントが測れない集団において、では、ほかに心不全のいい薬効の指標があるかというと、実は6分間歩行以外今のところ余り開発されてないのですね。それで、BNPかハードエンドポイントかということになるのだと思うのです。
 こういう症状なので、恐らく純粋に心不全による入院というのもとりにくいだろうなと思いますので、心不全による入院とかそういうのをエンドポイントに、それはあくまでソフトエンドポイントですし、あんまり指標にならないと。そうなると、結局は、亡くなるまで見るか、BNPを見るかということに恐らくこの疾患では今のところそうなってしまっているのだろうなと。通常、心不全で使うサロゲートエンドポイントが使えないので、BNPがサロゲートにもなってない、認められてないのはわかっているけれども、使っているのではないかなと思いますね。
〇山中構成員 何ポイントかにならすとかというのは難しいですか。
〇磯部技術専門委員 もちろんそれは必要だと思います。
〇山中構成員 もう一点ですけれども、さっき一色先生が、ベースラインで100ぐらいだと、そう重症ではないよねとおっしゃっていましたけれども、そうなると、この試験は100以上の症例を登録するので、もしかしたら200とか300の患者さんばかりになるかもしれないですけれども、もしかしたら100ばかりの患者さんになるかもしれなくて、対象をBNPに関してちょっと上げたほうがいいのでしょうか。
〇一色座長代理 彼らの根拠としては、この患者さん群は動けない人も多く、BNPの値は比較的低くなるというのがコンセンサスとしてあるようなので、100にした根拠については一応説明がされているものとして認めざるを得ないのかなとは思っておりました。
 それとは別に私が危惧していることがあります。副次評価項目の中に薬剤の変更との記載があるのですが、おそらくこれは心不全の状況が少し悪くなったときなどに変更したり追加したりされることを念頭に置いているものと思うのですけれども、それらの行為だけでもBNPの値に影響を与えてしまうリスクがあります。例えば利尿薬を加えて利尿がついて心不全が改善すればBNPは下がることが想定されます。したがって、副次的評価項目とするよりは、薬剤の変更をしないということにするなどの考えもあるかと思いました。
〇山口座長 どうぞ、真田先生。
〇真田構成員 先ほど来のエンドポイントの議論ですが、循環器の大家の先生がたくさんいらっしゃる中で、私が若輩ながら発言させていただくのも恐縮ですので、もし間違っていれば御指摘いただきたいのですが、日常診療上の心不全の重症度の評価にあっては、1つの項目に頼るのは難しく、BNPは当然血液学上に測りやすくて数字として出てくる指標ですので、その論拠としては頼りやすいのですが、いろんな影響を受けて変化しやすいとなってくると、ハードエンドポイントと言っても、心臓はポンプですので、その収縮率を何らかの形で評価するものがついてきたほうが、その診断確度は当然上昇します。それがエコーでいいのか、そのほかのモダリティが必要なのかということはさておいて、収縮率が一つの論点になったほうがいいのかなと思います。
 先ほどの一色先生から御言及いただいていた和温療法ですけれども、あれはBNPの改善についてはネガティブでしたが、そのほかの評価指標の変化は全てポジティブでした。6分間歩行ポジティブ、胸部レ線の変化ポジティブ、エコーの変化ポジティブ、ただBNPがネガティブになってしまったと。それが果たして臨床徴候として正確にその変化をとらえ切れていたかというと、私は実は今も自信がありません。ですので、これが探索試験というのであれば、例えばある程度もう少し症例を絞ってでも、その次の試験につながる評価が得られるかというところに注目して、その機能的エンドポイントと、それから血液学的エンドポイントでも、生化学的エンドポイントでもいいのですけれども、両方見ていただくという御意見が先ほどありましたが、私はそれに賛成です。
 もう一つ、私、別件で上村先生から言づかっていて言い忘れたことがあるのですが、この資料の23ページをごらんいただいて、上村先生から質問が投げられているところの回答の2番ですけれども、この副次評価項目がたくさんあって、これも探索的なものとしてはある程度いたし方ないのだけれども、たくさんあったところで、その試験にかかる労力というか費用というかそういうところは、これは恐らく患者さんが持たれるのですよね。
〇医政局研究開発振興課専門官 本試験では、先進医療にかかる費用についてはすべて研究費が充てられ、患者さんの負担にはなりません。
〇真田構成員 わかりました。
 これがバリデーションとしてどうかというところを多分申請者の方々は真正面からとらえ切られていないのではないかという懸念を持たれていたのが、これはフォローアップ期間が2年間と、長いですよね。例えば日常の臨床検査ですと、その間に評価方法が変わったりとか、基準値が変わったりとかいうことはよくあり得るのです。これは、この検査を臨床検査ベースで外注しますという御回答だと認識していたので、そういう変化があった場合に、この試験として対応できるのかというところが少し気になったということをおっしゃっていました。
 以上になります。
〇山口座長 ほかにございませんか。
 大体議論は出尽くしたように思いますけれども、まず第一に、安全性に関しては大丈夫ではないかという御意見でいいかと思います。
 それから、有効性が一番問題なのですけれども、そもそも2例で、研究者のほうは有効というような判断をしているのですけれども、そもそもできるのかということが1つで、それは大変大きな問題だと思います。
 おまけに、では、その有効性をどのように評価するかという点で、BNPだけではまずいのではないかとかいう御意見が出ている時点で、どういう試験を組んだらこれは有効性が証明できるのか、示唆できるのかという点で、今のままの形ではなかなかみんなが納得できるような形ではないようにちょっと思うのですけれども、そういう考え方でよろしいでしょうか。
 きちんと評価できる形で症例数とか期間というのを適切なところに設定して、そこで決めてしまうという作業をしないと、これはなかなか前に進まないのではないかなと思うのです。
 ということで、私が今までの御意見を伺っていると、「条件付き適」というよりは、「継続審議」にさせていただいて、次回、上村先生にも参加していただいて、もう少し議論を深めないと、私も循環器専門ではないのでよく理解できないところもあるのですけれども、今のような問題点をもう少し解していただいて、そして、もう一回継続して審議したいと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
(石川構成員出席)
〇柴田構成員 テクニカルなことだけ先にコメントさせてください。
 True endpointを評価する臨床試験を組むのは多分難しいと思うので、何らかの形でサロゲートになるエンドポイントを使うと思うのですが、この申請をされている先生方が、24週なり、比較的短期の段階でBNPが動いていないという結果が出たら、そこから先、試験を止めるという覚悟があるのかというのがポイントだと思います。
 サイエンティフィックには議論しにくいですが、24週で主たる解析をしたときに、統計学的な厳密な有意差はなくてもいいと思うのですけれども、動いてなかったときにもうやめるという基準なのです。やめると言う話になったら、多分、「こういうところがいいから続けたい」とおっしゃると思うのです。そこの部分がエンドポイントの中に含まれていないといけないということなので、そういう観点でちょっと整理していただければ見通しはよくなるのではないかなと思います。
〇山口座長 どうぞ、山本先生。
〇山本構成員 私も継続審議はいいのですけれども、漫然とした継続審議ではなくて、今回は主要エンドポイントを何にするかということをもうちょっと考えてくださいということが宿題になるという、ちょっとそこははっきりさせてあげないと。というのは、対象疾患が筋ジストロフィーの心不全という、言ったら薬が出てない。ですから、心筋、そして、主要エンドポイントも、通常の心不全では使っているものが絶対使えない状況で、それを申請者に全部考えてこいと言うのは、ある意味ちょっと過剰な要求だと思いますので、さっき柴田先生がおっしゃったみたいに、24週でBNPにしても、磯部先生がおっしゃったように、たまたまそのときだけ下がっているというようなのではなくて、ある程度継続的に見て下がっているというのが見えるような評価の仕方をする。
 それから、もう一つは、もうちょっと主要エンドポイントに複合に入れるのか、あるいは、副次の第1としてそこもちょっと評価に入れるのか、そこはどう組み立てるかはちょっとわかりませんが、心筋の収縮能力とか、あるいは、一色先生がおっしゃったような治療の変更とかそういうものでもいいかもしれませんし、24週の段階で心不全が悪化しているということがわかるようなものをもう一つぐらい入れられないかというようなことを考えていただくと。そのぐらいまで絞ってあげないと、これは漫然と継続審議です、全体的に見直してくださいと言うと、ちょっと難しいと思いますので、一応そういうふうに言わせていただきました。
〇山口座長 ありがとうございました。
 決して漫然というわけではなくて、この研究の一番の問題は、2例で、しかも、その評価が分かれるところで、有効という判定をされた方がこういうエンドポイントでやろうというところに問題があると思います。このままやらせるのはまずいと思いますし、では、どういう方法が考えられるか。今、皆さんの御意見を伺っても、まだ、エンドポイントの設定の仕方、それから、いつ判定するのか、症例の数という点についてなかなか難しい点があるので、これは御意見を聴いた上で判定するということで、漫然という言葉はちょっとおかしいのではないかなと思います。
 ほかにございませんか。
 それでは、これは一応継続審議とさせていただきます。
 それでは、伊藤構成員にお戻りいただいて、石川先生もおいでになりました。
(伊藤構成員着席)
〇山口座長 磯部先生ありがとうございました。また、よろしくお願いいたします。
(磯部技術専門委員退席)
〇山口座長 続きまして、「申請医療機関からの報告」について、まず「東京大学医学部附属病院からの報告」を事務局より御説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 事務局です。
 45ページの資料2-1をごらんください。
 東京大学医学部附属病院から、昨年12月の先進医療技術審査部会において、告示番号54「FOLFIRINOX療法」の試験計画変更が、実は昨年5月から行われて運用されていたものの、部会にその変更が届け出されていなかったということが報告されました。そして同時に、その変更内容について審議されました。
 そのときの変更内容は、(Day1の尿検査、胸部X線を「各コース開始時に必ず施行」ではなく、「2コース目以降は必要に応じて施行」へ変更)というもので、これは部会審議で了承されずに、変更前に戻していただきました。また、この変更が申請医療機関の倫理審査委員会において了承された経緯について、どういうことだったのかと先生方からは疑問が出ました。
 これを受けまして、部会終了後、この変更が倫理審査委員会において了承された経緯について事務局から照会を行い、また、適切な再発防止策が講じられるのかということを確認するため、厚生労働省より立ち入り検査を(1月19日、3月10日、6月9日)実施してまいりました。また、病院からの聞き取り調査も(4月13日、5月11日)と実施してまいりました。
 今回それらを踏まえまして、この照会に対する回答と、再発防止策が報告されました。本日は、この回答と再発防止策の適否について御審議をお願いいたします。
 具体的な内容を見ていきます。
 46ページは昨年12月に提出されたものです。
 次に48ページが今回提出されたものでございます。こちらからの照会事項としては、当時のIRBがこの計画変更にどのような見解を与えたのかわからなかったので、審査の流れや判断基準を説明してください、という照会を行ったところでございます。
 それに対する御回答で、判断基準として、「特定臨床研究審査運用別表」に則って行われていたということで、この別表は次のページにあるのですけれども、そのように御説明いただきました。
 次のページを見ていただきますと、この別表にA、B、Cと事例が分かれていまして。Aが重大な影響を与えるもので、こちらは委員会での直接審議でしっかりと審議する。
Bの軽微な変更は、委員長一任による迅速審査。Cの誤字脱字などは通知のみ、という扱いだったということです。
 ただ、この内容を見ていただきますと、評価項目の変更・追加や、解析方法の変更・追加など、試験デザインに重大な影響を与えるものがBの委員長一任となっており、これは不適切なので改めますということでございます。
 また、表の一番下にございますが、先進医療の変更申請については、全て委員会での直接審議により行うという運用に、その後改めていただいたということです。
 それに加えまして、次の51~59ページにあります再発防止策を御報告いただきました。
 これも見ていきますと、1番目の倫理委員会の変更申請審査手続き等の見直しと強化では、52ページに改訂された表があるのですが、先ほどの表では、Bの委員長一任だった多くの項目をAの直接審議に変えてございます。
 また、議事録も、御指摘を受けて、より詳細に記載するように改めますということでございます。
 また、2番目の病院長の管理・監督体制の強化では、院内の指針を改定し、先進医療については、病院長が直接に管理・監督することを明確にしております。
 また、今回の検討に伴って、3番ですけれども、特定臨床研究全体の管理・監督体制も強化しております。
 また、最後4番目ですけれども、先進医療Bの実施支援体制の強化では、CRCのサポートをもとに先進医療を管理する体制をつくることなど、支援が強化されています。
 また、立ち入り調査を行った際には、今回の対応で終了ではなく、実施していく中でPDCAサイクルを回して、今後も改善に取り組んでいくことを御説明いただきました。
 以上の内容から、事務局といたしましては、適切に改善いただけたのではと思っております。
 以上でございます。
〇山口座長 ありがとうございました。
 立ち入り調査までやっていただきまして、今のような御報告がありましたけれども、この御報告について、何か御質問なり御意見はございますか。
 どうぞ、柴田先生。
〇柴田構成員 東京大学さんの対応については、御説明で理解できたのですが、例えば特定臨床研究に対する方針として挙げられているこの東京大学の基準は、ほかの医療機関もこれに準じた形にするべきというものなのか、これは東京大学での実施体制に鑑み、東京大学は自主的にこのように考えていると解釈すべきなのか、どちらでしょうか。
〇医政局研究開発振興課長 それは東京大学さんのほうで考えられたというものです。私どもとしては、基本的には、倫理審査委員会にかけるという話については、患者さんの視点から、いわゆるリスクが上がるようなものとかそういうものに関してはきちんと審議をしていただきたいというような話をさせていただいた上で、東京大学さんのほうで考えられて、この変更をなさったということで受け入れたということでございます。
〇山口座長 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 どうぞ、関原先生。
〇関原構成員 こういう話は時々聞きますが、体制としては非常によくなってきているが、これは当然コストと時間がかかる話です。これは企業でも同じですが、東大はこの改善のために人はふやしているわけですか。あるいは、予算をふやしているわけですか。そうでない限り、絵に描いた餅になります。今回立ち入りをしたときに、このために人数はどのくらいふえたとかそういうこともチェックされていますか。
〇医政局研究開発振興課専門官 4番目の先進医療Bについて、最後のページですけれども、例えば最後から3行目「新たな雇用財源は病院が保証した上で2名の人員の追加募集を行っており、」など、そういった形でコストも投入して対応をされているようでございます。
〇山口座長 関原先生、よろしいですか。
〇関原構成員 コストはどこかから回ってくれば、それはそれでいいのでしょうけれどもね。
〇山口座長 これは非常に重要なポイントなので、こういう体制でやってもらわなければ困るということだと理解しています。
 この表は非常にわかりやすいのですけれども、こういう事例があったということをほかの施設にお知らせしたほうがいいかもしれませんね。
 どうぞ。
〇真田構成員 今、山口先生がまさにおっしゃったことに関連して、この後も出てくるとは思いますけれども、一般の特定臨床研究と先進医療は特異的に少し扱いが違うところもあり、それは臨床研究と保険外併用療養というバックグラウンドの違いに起因しているところも多少あるとは思うのですが、最近までの何回かの審議を見ていると、同じようなエラーをたくさんの医療機関の方がされてきては、こうやって審議に上がってくるということになると、あながち研究機関だけが悪いということでもなく、もしかすると、制度の異なるところの周知徹底がうまくいっていない可能性もあるかもしれないとも思えます。実際のところ、例えば部会とか先進医療会議に出てきて、資料を逐一チェックしないとどういうところが変わったとか、どういうところが違うとかというところはわからないことが多いのですね。それをもう少し見やすい形にしていただけたら、皆さんこの違いをよくわかっていただけるのではないかなというところが1つ。
 もう一つは、体制を強化したということは皆さんおっしゃいますが、一番大事なのは、それが走ってうまく機能をしているかというところだと思います。そこは継続的に見ていただいたほうがいいだろうとは思いますし、人員を配置する、あるいは増備するにしても、その方たちがどれだけこの特異的な制度に対して訓練をされていて、教育をされているか、あるいは、熟知しているかというところの要素も恐らく必要な因子の1つには入ってくるのではないかと思いますので、この特殊性がいいのか悪いのかという議論はさておいて、現状は特殊性のある制度になっていますので、そこをよく御理解いただいた体制をつくっていただくというのも重要なのではないかと思いました。
 以上です。
〇山口座長 ありがとうございました。
 事務局、何かコメントはありますか。
〇医政局研究開発振興課長 実際、この後も続きますけれども、いろいろ先進医療として、特殊性から少しイレギュラーな取り扱いをしなければならないとか、できなかったとか、それから、若干倫理審査委員会の審査がちょっとおかしかったとか、いろいろ出てきておりますので、これから先進医療を申請されるといった場合に、その点についても少し御説明しながら、病院側と相談しながら進めていきたいと思っています。
〇山口座長 ほかにございませんか。
 どうぞ、山本先生。
〇山本構成員 今回、これは医療法上の特定臨床研究ですよね。臨床研究法上の特定臨床研究ではないですよね。医療法上の特定臨床研究についての重大な影響を与えるものが、研究計画の変更の中でどれがそれに当たるかということを東大さんが今回非常に整理していただいたので、これは非常によかったというか、結果的に明確になったなと思います。
 というのは、倫理指針のほうは、観察研究から介入研究まで広く含んでいるので、いくらQ&Aが出ているとはいっても、こういうことは全部個々の倫理委員会がみんな独自に判断せざるを得なくて、そういう意味ではきれいにはそろっていませんので、これは特定臨床研究と言っていますけれども、医療法のほうの特定臨床研究は、そのまま比較的リスクの高い介入試験というふうに素直になっていますので、そういう意味でリスクの高い介入試験の場合は、こういう項目を変えるときはちゃんと審議しましょうという、いいお手本になるのではないかと思いました。
〇山口座長 ありがとうございました。
 ほかに何かございませんか。
 どうぞ、藤原先生。
〇藤原構成員 1点だけ事務局に確認したいのですけれども、東大さんは、多分、この当該科は腹腔内投与とかもやっていたようなところだと思うのですけれども、複数の臨床試験について確認はされたのですか、サイドビジットに行かれたときに。多分、ほかのでも同じようなことが起きているのではないかと思います。
〇医政局研究開発振興課長 もともと、ほかの先進医療に関しても全てチェックしていただくということでこの話がありましたので、それについては確認をしていただいております。
〇山口座長 ほかにございませんか。
 こちらの回答及び再発防止策で進めていただくということでよろしいでしょうか。
 それでは進めていただくことにいたします。
 では、「申請医療機関からの報告」について、「京都大学医学部附属病院からの報告」を事務局より説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 61ページ資料2-2をごらんください。
 こちらは、今年の4月の先進医療技術審査部会におきまして、告示番号41「内視鏡下手術用ロボットを用いた内視鏡下咽喉頭切除術」の取下げが申請され認められました。その際に、予定症例数の20症例が集まったのかと構成員の先生から御質問をいただきまして、事務局はそのように報告を受けておりまして、集まりましたと御回答をしておりました。
 しかし先日、京都大学医学部附属病院より、再確認したところ、実は17症例で終了していたと連絡があり、次ページからございます資料が提出されました。
 また、先月の先進医療技術審査部会で総括報告書の御評価をいただいた、告示番号19「術前のホルモン療法およびゾレドロン酸投与の併用療法」につきましても、こちらも京都大学からですが、予定症例数の75症例に到達せず、61例で終了しておりました。
 試験内容としては、告示番号19は、61例でも、D評価で有効性が劣ることが確認できておりますし、告示番号41は、もう間もなく総括報告書が出される見込みですが、主要評価項目は達成できたと伺っております。
 今後、他の試験について予定症例数を守るための再発防止策ということで、今回、医療機関として御報告いただきました。
 63ページで、今後は先進医療取下げの際には、最終症例登録数を記載して、担当者間で確認する体制に改めることが報告されています。
 また、64ページで、今後は病院としても、さらに症例登録を促進させるよう、取り組んでいくということを御報告いただいております。
 以上、この再発防止策の内容の適否について御審議をお願いいたします。
 以上です。
〇山口座長 ありがとうございます。
 今の御報告に対して、何か御意見はありませんか。
 どうぞ、柴田先生。
〇柴田構成員 確認ですけれども、問題はロボット手術のほうに関して言うと、20例登録してないのに20例登録したと間違って報告したことが問題だということであって、やむを得ず17例で終わってしまったことは、計画のときにもっと工夫しなさいよというのはあるにしろ、それは努力目標であって、結果として登録できなかったという試験、ゾレドロン酸のほうもそうですが、それ自体はきちんと報告されていれば、ペナルティを課されるような問題ではないと解釈していますが、そういう理解は間違いですか。
〇医政局研究開発振興課専門官 それはそのようにご認識いただいて結構です。
〇柴田構成員 わかりました。
〇松山構成員 当初、20例で計画されていて研究費がなくなったから17例で勘弁してねというのは、ここでプロトコールと統計解析上のN数を検討したことが無駄になりませんか。
〇柴田構成員 もともとは当然それを実現できるようにするべきです、本来であれば。17例しか登録されていなかった、登録期間が終了してしまったという場合には、本来であれば登録期間を延長し、なおかつ、お金の工面をして、20例登録できるようにする努力をすべきところだと思います。それで始めたわけです。
 ただし、これはいかんともし難いところがあって、お金がなければ登録期間を延長できないという現実がある中で、そこで別のお金を急に取ってこれるとか、あるいは、医療機関が持ち出しでできるということであれば頑張れるけれども、このように、先ほどの東大の例でもそうですが、人が必要であるとか、厳密にやらなければならないとなると、先生方の手弁当でやるわけにもいかないということになってくると、やむを得ないケースはあると思います。
 総論としては、私、先生のおっしゃるとおりだと思います。できる限り目標を達成すべきであるけれども、現実問題として、リソースの面で続けられないということを、それはできるだけ回避すべきであるけれども、どうしても生ずるのはやむを得ないところがあると。
〇松山構成員 そこはよくわかります。特に今回の場合、非常にコストがかかる治療法ということで、恐らく研究費がなければできないだろうというのは非常によく理解できるのですが、軽々にこういうコメントをされるということがどうかということがあって、恐らくほかもそうだと思うのですよ。結局、AMEDの場合、例えば3年間あったら、その後さようならという形になって、例えば最初のスタートが遅れた場合、N数が中途半端になって、今後同じような案件が出てくるときに、全てこういう議論で許すのですかということで、それはそもそもこの会議場で統計の先生方が苦労をして御議論されていることの意義がなくなってしまうので、そこに対する何かもやもや感というものを私は表明させていただきました。
〇山中構成員 この京都大学の案件は、個人的には悪意はないと思っています。皆さんに現実を知っていただきたいのですけれども、企業ファンドのものもありますし、公的資金ファンドのものもあります。特にCROとかに委託する場合は、お金を厳密に要求してきますので、金の切れ目が縁の切れ目じゃないですけれども、データ管理はここまでよ、というのは私もかなり経験して、相談に乗っている事例もあります。
 では、こういうケースを今後も許すのか。この京大の件に関しては、繰り返しますけれども、悪意はないと思うのですけれども、例えば20例中17例ではなくて、7~8例ぐらいで中途半端な数で終わって、7~8例の患者さんのデータをどうするんだという問題に関しては、色々な事情が絡むので、正直答えがない問題だと思うのですよ。ですので、一律にどうこうするというのはなかなか難しくて、ケース・バイ・ケースで考えていかないといけない問題だと思います。
 あえてコメントをしたのは、公的資金でやっている研究に関しては、我々いつもそういうリスクを伴って臨床研究をやっているという現実は皆さんに共有していただければと思います。
〇山口座長 どうぞ。
〇藤原構成員 私も、ゾレドロン酸のほうは、満了しなかった理由を総括報告書の評価のときにきっちり聞いたのですね。それに対して、何度も症例集積アップの働きかけを参加者にしましたし、研究費の増額申請とかいろいろなアクションをしたけれども、結局、最終的に入りませんでしたという回答をその評価のときにはいただいているので、そういうのが明らかであれば、臨床試験では登録症例数を満了しないというケースはままあると思うので、その経緯を総括報告のときにしっかり示してもらえれば、僕はそんなに目くじらを立てる話ではないかなとは思います。
〇山口座長 ほかに何か。
 どうぞ、山本先生。
〇山本構成員 今回、特にそれほど症例数の多い試験ではないので難しかったと思いますし、今回については仕方ないのかなと思いますけれども、進捗管理をどういうふうにしていたのかなというのはちょっと気になります。
 最終的に総括報告書でそこは明らかになるとは思うのですが、例えばもうちょっと大きな試験で比較試験をやっていて、それで、満了しないということになると、お金が足りなくなりました、もう無理ですと言って終わるのではなくて、1年前ぐらいから施設数をふやす、あるいは、お金を取る苦労をする、それは終わる1年以上前からやらないとできないことなので。ということは、言ったら月単位で進捗症例数が把握できてないとそういうことはできません。
 今の臨床試験は、確かに満了しないで終わる者が多いのですが、その実情の中に、全部ではないですけれども、そういう症例数の進捗をちゃんと管理して満了するという努力が若干足りない試験も多いことは多いので、そこについてはちゃんとやっていただく。そして、それを聞いて、そこがちゃんとできてないものについてはペナルティというのはおかしいですけれども、やはりそれはちょっとだめよということを言う必要はあると思います。
 それと、もう一つは、ここに出てくるものはアカデミアの試験が多いので、オープントライアルも結構ありますし、そうなると、事前に症例数を設定していただく根拠と実際の出てくる現実が変わってくることがあって、例えば予想していたよりもイベント数が多かった場合には、もう一度症例数を途中で再計算をして、症例数を減らしますという試験の計画書を変更していただくというようなそういうやり方もあるので、これをもって何を学ぶかというと、症例の進捗状況をちゃんと管理したほうがいいよということと、努力はやったほうがいいし、もしやっているうちに、まだより少ない症例で結果が出せそうであれば、早目にそれを気がついて計画書を変更していただければ、それはそれでより少ない症例数で満了したということもできるので、臨床試験の終わり方についてもうちょっと皆さんが学ぶべきかなという気はします。
〇山口座長 ほかにはございませんか。
 石川先生どうぞ。
〇石川構成員 今2つの大学ですけれども、この後も立派な大学が出きますが、私は恐らく先生方とちょっと意見は違うと思います。医療現場にいる人間ですけれども、実は、AMEDの実証事業の責任者もやっておりまして、かなり厳しくヒアリングを実際に受けております。かなり厳しいです。
 今回の、報告はひどい間違いだと思っています。特に京都の場合、最後の63ページを見ますと、事務担当者のいろいろと未確認のままとか要するに間違った情報を伝えてしまったとかというふうな非常に基本的な管理的にはかなりレベルの低いことが書かれているのは、これはちょっとまずいと考えます。先進医療技術審査部会は研究者の方とか生物統計の方が多いと思うのですけれども、こういうことについてあまり寛容にならないほうがいいと思うのですよね。国民が後ろにいますので、僕は厳しくやっていただいたほうがいいと思います。AMEDもそうですが様々な先進医療に関する研究ということで言えば、国民のお金を使っていますしね。
 厳しくやっていただいたほうが日本のためになるのではないかと思うので、ぜひその辺をお願いしたいと思います。東大についてもちょっと言いたかったのですが、それぞれ日本を代表する大学研究機関ですので京大も本当にしっかりしたことをやっていただきたいと切に希望をするので、あえてちょっと言わせていただきました。
〇山口座長 どうぞ、柴田先生。
〇柴田構成員 石川先生厳しい御指摘をありがとうございます。
 先ほど、私、事務局にも確認いたしましたように、本来、何例で終わっているのかという事実の確認がないがしろにされていたところについては厳密にきちんとやるべきであって、それは進捗管理をする責任がやはりあるので、そこのところに対する本省の研発課の厳しい御対応はそれは絶対に揺るがすべきではないと思っています。
〇山口座長 ほかにございませんか。
 どうぞ、藤原先生。
〇藤原構成員 私は石川先生に同意するのですけれども、そこは、私もAMEDでPOをやっていまして、毎年進捗管理を非常に厳しくやって、ヒアリングして、症例の集積状況の確認はしていますけれども、それは例えば医学系研究の倫理指針であれば、実施状況報告書を必ず毎年1回出すわけなので、そこでも施設の倫理審査委員会は進捗状況を確認しているわけですので、そういうところを厳密にやっていく。あるいは、AMEDから経費をもらっていれば、AMEDのほうもちゃんと見ていますということになるのですけれども、先進医療技術審査部会として、そういう実施状況報告を、症例集積状況をリアルタイムにチェックするのはなかなか難しいと思うのですけれども、今の仕組みではできないですよね。そこは改善する余地はないのですかね。事務サイドは大変になるのですけれども、いろいろなところで見ると大変だとは思います。
〇医政局研究開発振興課長 それは確かにやろうと思えばできますけれども、先生方に、また、膨大な事務資料を、我々はもちろんですけれども、先生方にも確認していただくとかそういうことにもなります。
 あとは、実は正直言って、私はAMEDにおりましたので、AMEDでも相当厳しく見ているので、追い立てるような見方をしていて、さらに、同じような資料をここにまた上げてというのは、研究者は実際の研究以外に資料作成に相当追われるという、何か本末転倒しているような話も出てくるのではないかなというところもあります。
〇藤原構成員 私もそう思って、それだったら、例えば京大の研究倫理審査委員会がなぜ進んでいる具合をきちんとフォローできなかったかというのは、説明責任が全然できてないので、そこは確認しておいていただければ、機能してないものが本来機能していればちゃんとフォローできるというのがわかればいいと思うのです。
〇山中構成員 進捗管理という点に関しては、データセンターがきちんと責任を持つべきだと思うのですよ。臨床試験なので、臨床試験のインフラが必要で、その中でデータセンターはかなり大きなファクターを占めて、データセンターの教育は必要だと思います。
〇石川構成員 私は、こうやって今まで、実績のある大学というか研究しているところが幾つかこういう事例が出てきたということは、私たちにも途中管理する責任があると思います。だから、途中ヒアリングというのは僕は絶対必要だと思うのです、教訓としてこういう何かあったところに関しては。
 特に、例えば東大・京大など多くの研究が今後も動いていく大学の方たちはこれでよしにしないで、責任者の方とかそういった方について、途中でのヒアリングというのを、こういうところでは全体的な組織的に何かちょっと問題が見えそうなところがあればやるべきだと思うのですよね。AMED事業では進捗状況で私なんかも途中ヒアリングされているのですけれども、かなり厳しいですよね。また、勉強し直しかみたいな感じで、これでもかこれでもかとやるのです。何か試験を受けてるとか、裁判の被告になったような感じでやるわけです。そのぐらいやって、きちんと国民の何億というお金を使ってやらせていただいているわけですから、僕はやったほうがいいと思いますね。
〇医政局研究開発振興課長 先生がおっしゃるところは正直ありますので、実は京都大学の話については、個人的な意見として言わせていただければ、確かに研究費というところはあったとは思うのですけれども、基本的に、終わったというところにおいて、研究費が終わったから終わったと言って、京都大学としてそのまま終わりですと上げるのか。いや、そこでちゃんとある程度の結果が確認できたというところを確認してこちらに上げてきたのか。そこら辺は正直言って、機関として多少責任を追うべき必要はあるのではないかと思っているところもございましたので、今後の話については、先生が言われた点について、どういうふうに京都大学として今後考えるのかに関しては、もう少しお話を聴きたいとは思っておりますし、ほかのところも、東大病院については相当何度もディスカッションしながらどういうふうに体制を考えていくのかということを考えて、新しく見直ししていただきましたし、今後も時折お話は聴かせていただきますというような話をしておりますので、今後ちゃんとフォローはさせていただきたいと思っています。
〇山口座長 ちょっと確認ですけれども、取下げの提出が出たときに、症例数が何例行われたということは書かれているわけですか。
〇医政局研究開発振興課専門官 今までは書かれておりません。
〇山口座長 それを書くようにしたほうがよいのではないでしょうか。問い合わせて返事が手軽に来るのと文書で来るのとはえらい違いです。データセンターを含めて、正式な書類として書いてもらったほうがいいので、そういう項目をつけ加えたほうがいいのではないでしょうか。
〇医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。そのように変更させていただきます。
〇掛江構成員 進捗管理のお話が出ていて、非常に重要だと思って聞かせていただいているのですけれども、62ページの1)番に、「10月までに登録が20例あるいはほぼそれに近い症例数に達するだろうと判断したこと」とあるのですけれども、この判断の根拠をきちんと確認していただくことは必要ないのかなと。本当に進捗管理をしていたのだけれども、予想に反して患者様がエントリーできなかったということなのか、もともと進捗管理が甘かったので勝手に見込んでいたのかというところは、そこまではわからないものなのですか。
〇山中構成員 これに関しては、多分、進捗管理が甘いというよりはいろいろな資金とかそういう問題だったのではないかなと思うのです。それで、早期に3例足らないところで終了した。その後、いろいろ事務的な手違いがあったというところだと思います。
 だから、石川先生の言っていることはごもっともで、ただ、大学の事務方とかにとっては、臨床試験のこととか当然知りませんから、そういう報告しないみたいなケースもあると思うのですよね。だから、そこに関してはもう一回ちゃんと対応してくださいという教育は必要だろうと思います。
〇掛江構成員 私が引っかかっているのは、それこそ松山先生が最初のほうで御指摘された、きちんと解析計画を立てたプロトコール上の症例数を全うしようというところの、そこを守るか守らないかというところのどこまで頑張ろうとするかというところだと思うのですけれども、20例は必要なのだというところだったのか。それとも少なくても大体近い数がとれたからまあいいかなというところなのかというのはどうなのでしょうか。
〇山中構成員 ありがとうございます。
 症例数の計算は見積ですので、絶対に100%その数字がないとか、プラスマイナス1~2例違ってもだめだとかいうものではありません。20例に対して17例が妥当だったのかどうかというのはちょっと計算してみないとわかりませんけれども、程度問題だと思うのですね。200例のところで17例だったら、それは問題でしょうし、20例のところで17例だったら、いいとは言いませんけれども、諸状況を鑑みると、強く非難されるべきものではない場合というのはあると思います。
〇柴田構成員 実際、実務上はどういうことをしているのかちょっと補足しますと、症例集積のペースが少し遅いと、AMEDなんかでは石川先生御指摘のように非常に厳しく言われます。何が起こるかというと、症例の集積ペースが悪いと、追加の資金を得にくくなってしまうのです。筋論から言うと、目標を達成しなければならないのだけれども、ペースが遅いものほどどんどん追加の資金が得にくくなるという構造になっているので、そこは研究資金を厳密に振り分けるべきだというところを厳密にやればやるほどこういうところが取りこぼされてしまうという問題は出てきます。なので、AMEDの方もそこはしっかりやらなければならないという方針で判断されるとそういう判断になると思います。AMEDの方が見識がないとかではなく、しっかりちゃんと進捗のいいところにお金を振り分けるべきだという御判断をされているのだと思います。
 実際、そういうふうにもうすぐ研究費が切れる、でも、目標が達成できなさそうであるときには、ほかのお金を取りにも行こうという努力は当然されるのですけれども、先ほど山中先生がおっしゃったように、目標がこのぐらいずれているときに、例えば検出力はどのぐらい変わるかというのは一応見積はします。しようがないのであきらめるか、全然検出力は足りないけれども仕方なくあきらめざるを得ないか、というのは、当然状況によっては変わるのですが、皆さんそうされているかどうかはわからないのですけれども、臨床試験をやる場で統計家がその進捗管理に関わっているようであれば、そういうところは見ながら幾つかオプションを挙げてその研究組織の中でどうしましょうかというのを相談するということになると思います。
 もう一つ補足をすると、最近いろいろなことでエフォートの管理とか、お金の管理は厳密にする方向に行っていますので、例えばきちんとした資金的バックグラウンドがない臨床研究を医療機関の研究支援部門でサポートするのは結構難しくなってくるのですね。そこを少し余裕のある医療機関であれば、あと3例分頑張ってやろうとかということができることもあるのですが、それを許すか許さないかというのは、その医療機関ごとのコスト計算に対する厳密さとか体力とかというのも絡んでくるので、それはそれでコスト計算をまじめに管理しなければならないということになると、今度は途中でやめなければならなくなるということになるので、いろいろなところでそれぞれの方がまじめにやっているというところはありつつも、総合的に見たときに、こういう側面で見たときに、ちょっとまずいような状況が起こってしまうというのは現実としてあります。それを改善するために知恵を絞らないといけないと思いますけれども、いろいろなところでバッティングするものがあるので、さっとこうするといいですよというのはちょっと言いにくい状況ではあります。悩ましいところがあります。
〇山口座長 まだ議題がたくさんありますので、次に進みたいと思います。
 では、こちらの回答及び再発防止策は進めていただくことにしたいと思います。大変有意義なディスカッションをありがとうございました。
 では、続いて、「申請医療機関からの報告」で、「千葉大学医学部附属病院からの報告」を事務局よりお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 65ページ資料2-3をごらんください。
 告示番号16「NKT細胞を用いた免疫療法(頭頸部偏平上皮がん)」において、昨年11月26日に、試験中の患者様に急性呼吸不全が生じ、昨年12月18日に死亡されるという事案が発生しました。
 臨床経過を、タブレット資料に入れてございます。タブレットの千葉大学のフォルダを開けていただいて、1ページ目に臨床経過、それから、2ページ目にこの試験の概要がございますので、その1ページ目などをごらんになりながらお願いいたします。
 資料65ページのほうの「経緯」の御説明ですけれども、事務局は、本件を平成28年12月14日付けの第1報をまず受理しました。その内容は、因果関係が不明の生命を脅かす有害事象と判断され、この時点で当該先進医療を中止していること確認いたしました。
 その後、平成28年12月26日付け第2報が受理されました。こちらは因果関係のない、死に至る有害事象と判断され、客観的に安全性が確認されるまで先進医療は再開しないという方針であることを確認しました。
 続いて、平成29年6月23日付けの最終報を受理しました。こちら最終的な判断は、因果関係が不明の死に至る有害事象であったとのこと。プロトコールを変更することで、本試験の再開を希望されておりました。27日に内容を吟味しまして、プロトコールから逸脱した原因や逸脱を見過ごした原因を明らかにして、その対策を立てる必要があると考えているという旨を千葉大学医学部附属病院に伝達しております。
 その後29日に、プロトコールの実際の変更届を受理しました。そうしましたところ、表紙に変更履歴がございますが、その履歴上の以前のプロトコール変更が事務局に届け出られていないことが確認されまして、これまでの新旧対応表を全て提出いただくよう依頼したところでございます。それに対して、68ページからにございます経緯が提出されました。
 本件まとめまして、対応すべき点として、この有害事象に対して、当該試験を再開し継続することの医学的な可否についての御判断、それから、こういった状況の再発防止策等を踏まえての、実際の試験再開の適否の御判断。こちらは再発防止策の返答をまだ完全にはいただいてない状況と認識しております。
 それから、医政局に所定の変更届出書を提出することなくプロトコールを変更していたことに対する対応が必要と考えます。
 この試験の概要を御説明させていただきます。タブレット資料の2ページ目にございますが、標準治療を終了してCRを得た進行期の頭頸部偏平上皮がんを対象として、α-Galactosylceramide パルス樹状細胞のアジュバント療法としての有効性を見るということで、このパルス処理を行っていない非処理の樹状細胞投与群を対象とした比較試験で、無再発生存期間を主要評価項目として検討をするということでございます。プロトコールはDay 0にまず採血を行って細胞を得まして、GM-CSFとIL-2の存在下に末梢血単核球を培養します。その細胞をDay7とDay10に患者さんの鼻粘膜下に投与するという試験でございます。
 タブレットの1ページ目の経過のとおりでございまして、この経過の中で、特定認定再生等委員会や効果安全性委員会の指摘事項としては、Day0で誤嚥性肺炎に対して抗生剤投与を開始しながら、翌日に採血して培養を開始した点が、再生医療等の提供中止の基準に照らして指摘を受けました。それから、Day10で2回目の細胞投与の時点で炎症と誤嚥性肺炎の増悪が認められた点が、個々の症例の中止基準、「併存する疾患が増悪した場合」に関連して指摘を受けました。それから、試験の継続には試験実施計画書等の変更を要するという指摘もございました。
 続きまして、それに対する医療機関からの返答でございますが、66ページから、経緯と今後の対応をいただいております。今後の対応のほうは、前半部分では、プロトコール変更をしますということと、67ページの最後の3行目で、「今後は先進医療についての院内での管理体制を見直し、千葉大学医学部附属病院臨床試験部の協力の下、モニタリングおよび監査体制を強化した上で、より一層慎重に試験を進めていきたいと考えております。」といただいておりますが、より具体的な体制整備が必要と事務局としては考えているところでございます。
 続きまして、最後に、プロトコール変更が届け出られていないことに関しまして、68~69ページですけれども、経緯がございます。68ページの下半分を見ますと、報告いただいていたのは1.3版が最終で、これで平成27年11月まで試験を継続していたということです。
 平成27年11月に再生医療等の安全性の確保等に関する法律の猶予期間終了をもって試験が一旦休止になりまして、その次、69ページの上ですけれども、2.2版で28年4月から試験を再開しているということです。
 ただ、1.3版以降2.2版への変更については当部会に報告はされておりません。
 そこで、1.3版から2.2版へのその間の新旧対照表の提出をお願いしておりますが、2.1版から2.2版の新旧対照表は提出いただいたのですが、1.3版から2.1版がなく、現在作成中ということで、正確な内容がまだわかっておらず、作成をお願いしているところでございます。
 以上ですので、まずは、当該試験を再開し継続することに関する医学的な御意見ですとか、今後の病院の体制等について御意見をいただければと存じます。
 以上です。
〇山口座長 たくさん御意見があると思いますけれども、どうぞ。
〇松山構成員 本件は、僕は因果関係がある死亡例であると考えます。理由に関しまして、まず誤嚥性肺炎を起こしていた患者さんは、もともと誤嚥性肺炎を起こしやすい体質の患者さんということがあって、免疫機能も低下があった場合、非常にそのリスクが高い患者さんであって、そもそもこの患者さんがエンロールの基準から外すべきである。
 加えて、この報告書を読んでいると、細胞の投与部分のみにフォーカスが絞られているのですが、採血した段階で、もともとこういう患者さんは抗がん剤とか使っていたりしますので、免疫の差分は非常に少ないので、採血することによって非常に易感染が起きるのではないか。そうすると、誤嚥性肺炎を起こしやすいというベースの患者さんに採血をして免疫系の細胞を抽出することによって免疫機能も低下していて非常にリスキーな状況に置いていたと。こう考えると、僕はこれは因果関係があるのではないかと考えます。
 それに加えまして、今後、2週間以内の活動性の感染を有した症例を除外すると書いてありますが、本当に2週間でいいのかというサイエンスベースの議論がない。
 それから、38度以上10,000/μL以上の白血球といっていますけれども、こういう患者さんは本当に38度の発熱を起こすだけの体力が残っているのか。それから、エンドステージの患者さんは10,000まで白血球は上がらないですから、本当にこれでいいのか。もうちょっとサイエンスベースと実臨床のところでお考えになって御議論するべきであろうと思います。そういうところがあって、もう一回これに関しては大学の中で再度御議論していただくべきであろうと私は考えます。
 それから、事務局にちょっと確認をしたいのですが、細胞投与と書いてありますが、αGalCer パルス樹状細胞の場合と非処理の場合があると思います。これ、実はαGalCer はシグナルが入らないで、NKTの活性化に関してはかなり違って、GalCerが入らないDCはふやしたところで、NKTの活性化作用が全くないですよね。ですから、実際どちらの細胞が使われていたかということはかなりクリティカル。NKTがもし活性化されると自然免疫が上がるはずですから、そこのところがサイエンスベースのことがわかっているのかどうかというところも、僕は再生医療をやっているので、そこはかなり気になるところではあります。
〇医政局研究開発振興課専門官 確認をしたのですが、そこはどちらの群ですかということは聞いたのですけれども、その症例だけをキーオープンするとかいう対応はまだとっていなくて、対象群であったとしても、細胞は投与されているので、有害事象に関する因果関係が否定できるものではないという考えのもと、今のところはキーオープンしていないということを聞いております。
〇松山構成員 NKTの活性化に関してはαGalCerを入れるのと入れないのとでは全く機能が違うので、これはかなりクリティカルな問題だと思います。
〇山口座長 ほかに御意見はございませんか。
 松山先生のおっしゃるとおりで、これは臨床家が見ても、そもそもこれはリクルートすべき患者かどうかということで、しかも、そうなると、白血球が10,000以上あって、CRPも10あって、それでもまだやるのかという感じは、どんな規定であろうと、臨床家としてはちょっとおかしいなと思います。
 これは多々問題があって、このままでは到底再開してもらうわけにはもちろんいきませんので、抜本的な再発防止策を立てて、先ほど言った疑問にもまず答えていただいて、新旧の比較もちゃんとやっていただいて、もう一度次回じっくり時間をかけて討議すべき内容かと思います。もう15分しかありませんので、恐らく話し始めると、これは少なくとも40~50分はかかると思いますので、今回は継続はだめで、抜本的な再発防止策の返答をいただくという回答でよろしいですか。
 特に御発言があればお受けします。
〇医政局研究開発振興課長 再発防止策のほかに、先ほど松山先生がおっしゃった、この症例に関してきちんともう一度検討していただくということもつけ加えてよろしいでしょうか。
〇松山構成員 キーオープンもした上で考察を加えてください。ちょっと厳しいことを言うと、それができないということは、臨床研究中核病院のAROとして疑われると思います。
〇山口座長 どうぞ、藤原先生。
〇藤原構成員 あとは、千葉大は肺がんでもNKTをやっているのですね。ですから、NKT絡みのやつは全部見ておいてもらったほうがいいと思います。
〇医政局研究開発振興課専門官 そちらは確認いたしまして、全例の登録がもう済んでおりまして、2年間の観察期間が8月に終了するということなので、総括報告書が出ると思いますので、これから投与されることはありません。
〇山口座長 ほかにございませんか。
 それでは、今言ったことをよろしくお願いします。
 それでは、先進医療B試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 今回は3件の申請がございますが、1件目は先ほどの千葉大学の件ですので、続きまして、資料3-2、75ページをごらんください。
 こちらが2件目の埼玉医科大学国際医療センターからの申請で、告示番号28「放射線照射前に大量メトトレキサート療法を行った後のテモゾロミド内服投与および放射線治療の併用療法並びにテモゾロミド内服投与の維持療法」です。
 本試験は、初発の中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する試験です。
 予定症例数は各群65例、合計130例で、今回の申請時点で登録は62例です。
 御審議いただく変更内容は、登録期間の1年間の延長、報告義務のある有害事象項目の追加や治療変更基準などの表現整備等でございます。
 変更の経緯ですが、目標130例に対して現在62例ということですが、以前は月に1~2例だったのが、最近は4~5例にリクルートがふえてきたので、あと1年間の延長を希望されております。
 また、試験薬剤提供元のMSD株式会社より、発熱性好中球減少症などいくつかの事象が添付文書に記載があるものの海外発生事象なので、それらは予期されない事象と同等に緊急報告の対象として追加するというものです。
 それから3点目、HD-MTX療法を1レベル減量投与中に、再度減量基準に該当した場合の対応について、記載がなかったということで、これは日常診療に準じて、次コースの開始基準を満たした場合は、中止せずにレベル-1のまま次コースの治療を実施すると規定したいということでございます。ほかは記載整備でございます。
 以上です。
〇山口座長 ありがとうございました。
 本変更内容について、何か御意見はございますか。
 特にございませんか。
 それでは、本変更内容についてはお認めすることにいたします。
 では、3件目の試験実施計画変更について、事務局から説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 79ページ、資料3-3をごらんください。
 こちらは3件目の東京医科大学病院からの申請で、告示番号55「内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下広汎子宮全摘術」です。
 こちらは予定症例数が100例で、今回の申請時点で登録は28例ということです。
 御審議いただく内容は、登録期間の2年間の延長、試験機器の追加、CRFの内容の変更、記載整備でございます。
 1点目は、現在実質5施設で実施されており、年内にはあと2施設が追加されるので、今後登録速度が上がるということで、あと2年間の延長で100例を達成したいということでございます。
 2点目は、最新モデルの薬事承認がおりたための追加ということです。
 3点目は、CRFの検査項目をより詳細に明記して、標準値も具体的な数値にするということです。
 その他、記載整備です。
 以上です。
〇山口座長 本変更内容について、何か御意見・御質問はございませんか。
 これも大きな問題はないように思いますが、何か御質問がありましたら。
 よろしいでしょうか。
 それでは、告示番号55の変更について認めることといたします。
 続きまして、先進医療Bの継続の可否に係る審議結果の報告について、事務局から説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 85ページの資料4をごらんください。
 5月の部会で、告示番号67「ヒドロキシクロロキン療法」の継続の可否に係る審議結果の報告が慶應義塾大学病院からなされましたが、本来ならば3例終了後に、継続について部会の承認を得るべきところ、部会に報告されずに、4例目5例目の投与が開始されてしまったということがございました。
 先月の部会で、経過報告をいただいております。
 そして今回、現在行われている全ての先進医療Bの点検が終わり、最終報告が提出されました。
 本日は、この再発防止策の適否について御審議いただきたいです。
 内容ですが、現在行われている先進医療Bは全部で10件ありまして、記載の5項目について全例チェックを行ったところ、ほかの9件には重大な問題は認められませんでしたということです。
 また、先月の経過報告では、今後対応予定とされていた項目に、今回期限が示されまして、ほとんどは今月中に完了します。また、3番の一元管理システムも10月には御対応をいただけるということです。
 以上の内容から、おおむねこれまでの指摘に御対応いただけたものと考えております。
 以上です。
〇山口座長 ありがとうございます。
 では、この報告について、何か御質問・御意見はございますか。
 どうぞ、藤原先生。
〇藤原構成員 87ページに慶應の是正策のところですけれども、薬剤部で本来気づいたほうがよかったという指摘を僕は前のときにしたのですけれども、マル2の最後のほうに、「症例数を超えて処方オーダーがされた場合には、調剤せずにオーダーした医師に連絡を行うこととしている」という文だと、オーダーしている医師が処方してしまったら終わりなので、臨床研究支援センターの専門部門にも同時に連絡するとかというダブルチェックは入ったほうがいいかなと思ったのです。
〇医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。指摘しまして、そのように変更をお願いします。
〇山口座長 ありがとうございました。
 何かほかにございませんか。
 かなり厳密にやっていただきましたが、今のところをちょっと追加するということで。
 ほかに何か御意見はありますか。
 では、この再発防止策および本試験の継続を進めていただくことといたします。
 続いて、「先進医療におけるゲノム医療技術の取り扱い等」について、事務局より説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 資料5、89ページをごらんください。
 先月の部会において、遺伝子パネルを用いた医療技術等を先進医療Bとして実施する際の取り扱いについて、先進医療技術審査部会において検討を行うこととしてはどうか、との提案がなされ御了承いただきました。
 次のページに先月の提案書を再掲しておりますが、89ページの「検討の流れ」をごらんください。先月検討しました結果、まず基本的なプロトコール、このコアプロトコールが満たすべき必須項目およびその基本的な要件について、部会の構成員で検討し、その原案を作成する。そして、その原案をこちらの部会で案として決定して、先進医療会議に諮る。それをもって先進医療への申請を希望する医療機関に対し、広くコアプロトコール案を募集する。そして、応募されたコアプロトコール案を勘案して、先進医療技術審査部会および先進医療会議の審議を経て、コアプロトコールを決定する。そして、申請医療機関からコアプロトコールの要件を満たした独自のプロトコールを申請いただくという方向性が先月提案されました。
 今回は、この最初の部分ですが、コアプロトコールが満たすべき必須項目およびその基本的な要件についての原案の第1版を作成いたしましたので、御報告いたします。こちらをもとに御意見をいただき、最終の原案を次回8月部会に御報告したいと考えております。
 御審議をお願いいたします。
〇山口座長 ありがとうございます。
 それでは、コアプロトコールの必須項目および基本的な要件の原案について、事前に検討に加わっていただいた藤原構成員から御説明をお願いします。
〇藤原構成員 91ページをごらんください。
 コアプロトコールの必須項目と、それから、試験を実施する際の必須要件を1~8にまとめてございます。1番が患者さんの選択基準のところ、2番目は使用する遺伝子パネルの基本条件、3番目はプロトコールの中で有効性をどう評価したほうがいいのか、4番目はその検査自体の実施をどういうふうにしたらいいか、5番目は施設の要件、6番目はGermlineとかさまざまな遺伝子変異を患者さんにお返しするので、その患者さんへの説明・同意、結果返却の内容はどうしたらいいかという項目、7番目はこういう遺伝子は最近統合データベースというのでいろいろなところでデータを集約しないと各病院だけでデータを持っていても余り意味がないので、先進医療実施組織以外の情報提供と書いてありますけれども、実際はゲノムデータベースの活用策についてのポイントです。8番目は、昨今情報管理を非常に厳しくいわれておりますので、ゲノム情報は改正個人情報保護法でも非常に重要な情報になりますので、情報管理という観点でみんなで検討をしてまいりました。
 かいつまんで1~8までの具体的な内容をお話しします。
 1つ目は患者の選択基準のところですけれども、遺伝子パネル検査はまだまだ発達途上のところがありますので、いきなりフレッシュながん患者さん、しかも、標準治療が多数存在する人に遺伝子検査をやるというのは、まだそこまでは科学のレベルは進歩してないと考えましたので、ここに書いてありますように、保険収載を視野にして、早期に臨床的有用性が示されるべき疾患を優先する。かなり限定された対象群にしたほうがいいだろうということをワーキングでは考えました。
 実際に例としてどういうふうに考えたかというと、標準治療が済んだ後に再発進行した、PS1は元気な患者さんですね。普通に外来に通ってくるような方のことを、がんの領域ではPS1と表現しますけれども、PS1の固形がんの患者さんであること。固形がんに絞りましたのは、血液のがんの遺伝子パネルはまだまだ発展途上のところがありますので、今のところ固形がんに絞ったほうがいいというのでこういう表現にしてあります。
 次に、非常に対応が困難を極めます、全体のがんの大体5%ぐらいにあるといわれています原発不明がん。これは、原発を組織がどこから出ているか、胃がんなのか肺がんなのか大腸がんなのかいろいろ診断時に調べるのですけれども、それを調べても原発がはっきりしないがんはある程度いらっしゃいますので、そういう方々を治療する際には非常に難渋しますので、原発不明がんも対象にしてはどうかと、ここではしております。
 2番目、パネルの要件ですけれども、まだ研究段階で、先進医療にかけるのであれば、薬事承認が見えないような段階のものを先進医療でやっても困るので、数年以内に薬事承認が見込めるというものがある程度必要だと考えていますし、載っている遺伝子数も、今の研究段階のパネルも数十から数百までさまざまなものがあるのですけれども、ある程度載っている遺伝子については、臨床的にその遺伝子を載せることが有用性が説明できる範囲にしてほしいなということを考えています。
 それから、有効性の評価については、臨床的有用性を判断できる評価項目を基本とする。これは実際に先進医療Bのプロトコールを出されている先生方がいろいろ考えないといけないとは思うのですけれども、ワーキングでは、その下の3行目ぐらいから書いてありますけれども、試験的治療の結果と併せて遺伝子パネルの臨床的有用性を評価することを前提に、機能変異をもたらす遺伝子異常を有する割合などを評価項目としてはいいのではないかと議論をいたしました。
 それから、検査の実施については、これはゲノム検査ですので、非常に再現性とか正確性とか妥当性とかしっかり見ないといけないので、まずパネル検査の検体の準備。これは生検組織を例えばホルマリン固定でするにしても、厳密に管理しておかないと固定の液の種類とか、固定までの時間とかによっても、DNAの損傷とかRAの損傷が変わってきますので、検体の準備をしっかりしていただくところから解析自体ですね。そこまでSOPなんかをしっかり設けて、アメリカで言えばCLIA基準はそういう全体の感じ、あるいはISOの基準もそうですけれども、SOPで品質管理の手順がしっかり定められているということが大事になるというようなことをここで強調をしています。
 それから、施設要件については、申請医療機関単独だけではなくて、さまざまな大きな病院がこういう遺伝子検査の恩恵を受けたいと思っていますので、協力医療機関を設けて、協力医療機関と申請医療機関が共同して試験を運用することに関してはいいだろうとしています。
 ただし、申請医療機関の要件に関しては、これは昨今厚労省のほうで終わりました、「がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会報告書(最終報告書)」が6月初めに出ておりますけれども、その中で、がんゲノム医療中核拠点を来年度以降設けてはどうかというのが提言されていますので、それに沿った形で施設要件を課してはどうかと考えました。
 6番目の患者さんへの説明・同意、結果返却内容については非常に厳密にやらないといけないのですけれども、パネル遺伝子のことを初めとする解釈のところが非常に難しいので、専門用語ではエキスパートパネルと言いますけれども、3行目に書いていますけれども、ここには申請医療機関において専門家集団による臨床的意義付けが行われた解析結果を患者さんに返却する。これは非常に大事で、外来の主治医とか病院の先生とかが単独でそれを判断してはいけなくて、倫理の専門家であったりゲノムの医学の専門の人たちも入ってみんなで討議した上で、結果を返却するというのが非常に大事かなと思っていますし、当然、生殖細胞系列の変異がある場合には、遺伝カウンセリングをその中に入れていかなければいけないという要件を設定しています。
 7番目は先ほど簡単に言いましたけれども、「がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会」でも、がんゲノム情報に関してはレポジトリーに皆さん登録しましょうということになっていますので、それでやってくださいと。
 最後の8番目は情報管理をしっかりやるということですけれども、これまでの先進医療では、検査の場所を国内あるいは国内だけではなくて先進医療をやる施設に限って運用をこれまでやってきたという歴史があるのですけれども、がんの遺伝子パネル検査についてはやれる施設が限られていますので、検査を国内で完結することに加えて、ある程度の検査の品質の担保ができれば外部組織に関してもその検査を委託することを許容してもいいかと思っております。これは4番目の最後のところに書いてありますけれども、4番と8番を少し強調するので、分けて記載をしております。
 以上が全体像でございます。
〇山口座長 的確に手短にありがとうございました。
 何か特に御意見はございますか。
 次回、最終的に案をフィックスしますので、次回討論する時間があると思います。
 どうぞ。
〇山中構成員 藤原先生ありがとうございました。よくわかりました。
 患者選択基準のところをもう一回確認したいのですけれども、「標準治療が効かなくなった」というのは、三次治療とか四次治療とかを終えて、さらに後方の治療ラインのことなのか、それともセカンドラインぐらいからのことを考えていらっしゃるのか、ちょっと教えてください。
〇藤原構成員 そこは今後のここでの議論になると思います。レートラインにするとPSが悪くなってきて、通常はフェーズ1に入るような形の方、元気な方、外来通院が十分可能な方で、標準治療が終わっているというふうなイメージですけれども、それをセカンドラインにするのかサードラインにするのかというのは、がん腫によってもかなり異なってきますので、プロトコールの議論の中で進めていただければと思います。
〇山中構成員 ありがとうございます。
〇伊藤構成員 これはがんに特化されているように見えるのですけれども、タイトルの中に初めから「がんゲノム医療」と入れられたほうがいいのではないか。そうでないと、大変誤解を生むのではないかと思います。
〇藤原構成員 おっしゃるとおりで、ほかの領域は、遺伝子パネル自体が使われている状況ではありませんので、そこは「がん」を入れるようにしたいと思います。
〇山口座長 ほかにございませんか。
 それでは、これをよくお読みいただいて、次回の議論のときに。
 どうぞ。
〇藤原構成員 追加で、これをつくる過程で、最近いろいろな雑誌とかでも遺伝子パネル検査とか、先月もFDAが23の遺伝子が載ったNGSによる検査の承認もしたりとか、今、非常に風雲急を告げるというか、世界でいろいろなことがやられているのですけれども、この先進医療技術審査部会で将来的に考えておいていただきたいのは、先進医療Bが走っている間に、既に国内ではいろいろな施設で自由診療の中で遺伝子パネル検査ががんの領域でやられているのですね。その方々が先進医療Bが始まったときにも、同時に自由診療でやられてしまうと、ちょっと先進医療Bとやっている意味が全然ないというのがあって、それに関して皆さん方の御意見も聴いておきたいかなと思っています。
〇真田構成員 私も藤原先生の御懸念には賛成で、このようなコンソーシアムの判断に基づいて先進医療を柔軟に適用して、全体として保険収載や薬事承認へのステップを早めましょうという動きだと思われますので、それと並行して迅速な保険診療に資さないと思われるものが同時に走るのは、そもそもの考え方と齟齬を生じるのではないかと思っております。
〇山口座長 今の件について、特に何か御発言はありますか。
〇医政局研究開発振興課長 厚生労働省としても、できるだけこの保険収載に向けて、真田先生がおっしゃるとおり進めていきたいということを考えておりますし、これ自身は、評価療養ということで、まさに保険に収載するのに必要ないわゆる評価を行っていこうという段階です。それを一方で並走して自由診療というような形でやられると、そもそも非常に好ましくないなと思っているという状況です。
〇山口座長 ありがとうございました。
 では、ちょっと時間が過ぎていますので、次回、最終的な案をつくりたいと思いますので、よく読んでいただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、「協力医療機関の追加」に移ります。事務局より説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 93ページの資料6をごらんください。
 大臣告示されている6つの技術につきまして、追加申請がございました。
 これらはいずれも、既に協力医療機関として承認されている医療機関が、名称変更等に伴って医療機関コードが変更となり、新たに保険医療機関として指定されたことによる届け出でございます。
 よろしければ御了承をいただきたく存じます。
〇山口座長 特に問題はないようですので、御了承をいただければと思います。
 ありがとうございました。
 次に、「協力機関の取り下げ」について、事務局から説明をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 95ページ、資料7をごらんください。
 大臣告示されている2つの技術につきまして、協力医療機関の取り下げ申請がございました。
 取り下げ理由は、告示番号3については、症例組み入れ期間が終了し、追跡調査を要する症例もないためでございます。
 また、告示番号26については、現在まで1例も登録がなく、今後も見込めないためということでございます。
 特に御意見なければ、手続を進めさせていただきます。
〇山口座長 特に御意見はございますか。
 では、ないようですので、手続を進めてください。
 ありがとうございました。
 本日の議題は以上です。
 構成員の皆様、何か全体を通して特に御意見・御質問はありますか。
 では、次の日程をお願いします。
〇医政局研究開発振興課専門官 日程ですが、翌8月は、8月24日(木)16時から18時までの予定とさせていただきます。場所については、別途、御連絡させていただきます。
 また、本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
〇山口座長 それでは、私の不手際で時間がちょっと延びましたけれども、御勘弁いただきたいと思います。
 きょうはどうもありがとうございました。

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