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2017年6月9日 第6回労働政策審議会労働条件分科会・職業安定分科会・雇用均等分科会同一労働同一賃金部会

職業安定局

○日時

平成29年6月9日(金) 15時00分~17時00分


○場所

東京都千代田区霞が関1-2-2
厚生労働省専用第12会議室


○出席者

【公益代表委員】

岩村委員、武田委員、中窪委員、松浦委員、守島委員、山田委員

【労働者代表委員】

梅田委員、小原委員、冨田委員、松井委員、宮原委員、村上委員

【使用者代表委員】

加藤委員、小林委員、高橋委員、田代委員、中野委員

○議題

・同一労働同一賃金に関する法整備について

○議事

 

○守島部会長 定刻になりましたので、ただいまから第 6 回「労働政策審議会、労働条件分科会・職業安定分科会・雇用均等分科会同一労働同一賃金部会」を開催したいと思います。本日の御欠席は、使用者代表の秋田委員です。公益代表の武田委員、使用者代表の中野委員におかれましては、所用のため途中退席されます。それから使用者代表の小林委員は、遅れて出席の御予定です。それでは事務局から、定足数について御報告を頂きたいと思います。

○岸本派遣・有期労働対策部企画課長 定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第 9 条で、委員全体の 3 分の 2 以上の出席、又は公労使各側委員の 3 分の 1 以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。

○守島部会長 冒頭のカメラ撮りについてはここまでとさせていただきます。それでは、議事に入っていきたいと思います。前回の同一労働同一賃金部会では、報告案について御議論頂きましたが、本日は前回の報告案について、各委員からの御意見を踏まえて、事務局が修正を加えた上で資料を準備いただきました。まずは事務局から、報告案について御説明いただきたいと思います。

○岸本派遣・有期労働対策部企画課長 本日は資料 1 2 2 点を御用意しております。資料 1 は、前回 6 6 日の第 5 回部会におきまして、その場で提出いたしました事務局案に対して頂いた御意見を事務局として織り込んだものです。 2 1 と中身は同じですが、前回の部会にお出しした版からの変更点を、追加部分は下線、削除部分は二重線を付して変更点が分かるようにしたものです。内容は同じですので、 2 で前回の報告書案からの変更点を順次御説明申し上げます。

2 1 ページ、下から 6 行目ほどですが、「多様な働き方の選択が可能になるとともに、非正規雇用労働者の意欲・能力が向上し、労働生産性の向上につながっていくこと」という文面が前回ありました。これについて前回の御指摘を踏まえ、企業や経済社会の発展に寄与するという、もう少し先の大目的まで含めて書く書き方としたところです。なお、今回の追加も含めてですが、この箇所は「以下の考え方」という文面に、その前のところでしており、これを具体的に法律にするときに、どのような文言や概念のつなぎ方になるかについては、引き続き、法制的にもよく事務局で検討したいと思っております。

 続いて 2 ページです。上から 2 行目に 1 か所下線があります。「正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消」ということを書いている部分ですが、そこに「企業内における」として、前回、御議論がありました企業横断的な賃金決定システムのようなものについて、今回、この法改正の中で目指していくものではないということを、明確にしたものです。

 それから、次の○についても何箇所か下線追加部分があります。 1 つは「公正な評価等にのっとった賃金制度の構築等について、可能な限り速やかに」のところに、「計画的に」という文言を加えております。また、その後に、非正規雇用労働者を含めた労使の対話の促進の重要性を掲げまして、さらに「そのための支援措置についても検討する必要がある」という文言を加えております。また、改行いたしまして、「併せて、中小企業・小規模事業者等各事業主の実情を踏まえた丁寧な支援も必要である」ということを書き加えております。

 それから、次の○ですが、「働き方改革全体の長期的かつ継続的な実行が必要である」という件ですが、これは「取組を進め」と文言を若干整理いたしました。その次の○ですが、 1 行追加しております。前回の御議論を受け、「政策効果を検証・評価するプロセスも重要である」と。政策なり法改正をやりっ放しではなくて、その効果を見ていくことが重要であるという件を 1 行付け加えております。

 四角の 2 からが具体的な法改正事項にわたる部分ですが、 2 ページから 5 ページまでは、前回お出しした報告書案のとおりです。変更点が 6 ページにあります。 6 ページの真ん中やや下の○ですが、つまり 1) 派遣先均等・均衡の方式と、 2) 労使協定の方式、この 2 つの方式を今回、派遣労働の仕組みとして御議論いただいております。どちらの方式によるかを、前回は「派遣先が知りうるようにする」という記述を入れておりましたが、前回の御指摘を踏まえ、派遣先だけではなくて、「労働者も知りうるようにする」という文言を加えております。また、その際、やや法制的な検討が必要な点ですが、規定が法律レベルになるのか、それ未満、指針のレベルなどになるのかについて、より精査が必要なものですから、「規定を設ける」ではなくて、「措置を講ずる」という表現に改めております。

 続いて四角の 3 番、説明義務に関しては前回どおりです。

 次に 8 ページ、四角の 4 番、行政による裁判外紛争解決手続の整備等の部分も、内容的には前回どおりですが、前回は口頭で訂正いたしました番号の打ち間違いがありましたので、そこだけ訂正しております。次に文言として修正を加えておりますのは、 10 ページの四角の 5 番、その他です。この中で一番下の「また、派遣労働者については」という段落で、「就業規則の作成・変更時の意見聴取 ( 努力義務 ) 」を、派遣労働者にも加えるということを記載しておりましたが、これについて、派遣元、派遣先、どちらの就業規則かについて紛れが生じませんように、「派遣元事業主の努力義務として」という文言を加えております。

 最後に 11 ページの 2 つ目の○です。今後、施行段階において更に検討を深める必要があると思われる事項につきまして 3 つ挙げておりますが、これが限定的に挙げているものではなくて、現時点で想定される主なものを挙げているという趣旨であることがはっきりするように「等」を加え、この道だけではないということを示しております。前回の報告書 ( ) からの修正点は以上です。よろしくお願い申し上げます。

○守島部会長 それでは、ただいま御説明いただいた報告書 ( ) について、議論を行いたいと思います。どなたでも御意見があれば、お願いいたします。

○小原委員 報告書案 1 ページ目の下段にある「以下の考え方を法へ明記していくことが適当である」とした上で、 2 つ箇条書きがあります。この箇条書きの内容について、意見を申し上げたいと思います。

先ほど御説明の中では、法律時の文言は検討するということでしたが、箇条書きの 2 番目の「労働生産性の向上につながり」という文言に違和感を覚えるのです。インターネットで調べますと、「労働生産性」というのは、労働投入量を分母として、産出量との比率を算出した指標とあります。つまり、労働者 1 人あたり、あるいは労働者 1 1 時間あたりの生産量や付加価値を計る付加価値分析の指標の 1 つと出てまいります。

 私どもも「生産性」という言葉を使いますし、労働者 1 人あたりの生産量、付加価値の向上を図るために日々努力をして、能力開発やスキルアップをしています。若しくは生産性向上分は公正に配分してほしい、そのような交渉をしています。ただ、これは、先ほども申し上げたとおり、付加価値分析の指標の 1 つに過ぎません。算数の話で言えば、生産量や付加価値をそのままに、労働者を減らすことでも残念ながら高まってしまうという性質を持っている、単なる指標だと思うのです。

 ですので、法律に明記するのであれば、労働者 1 1 人の生産量や付加価値の向上を図る、こういう意味の言葉を使っていただけないかというのが要望であります。

 具体的には、例えば、最低賃金法第 1 条で「労働条件の改善を図り、もって労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」という規定があり、この「労働力の質的向上」といった言葉こそが、立法化の際には相応しいと考えますので、こうした他法令も参考に検討いただきたい、これが要望です。以上です。

○守島部会長 ありがとうございました。お答えになりますか。では、どうぞ。

○岸本派遣・有期労働対策部企画課長 今、御要望いただきました点、今回の報告書におきましては、考え方として記載しておりまして、まだ条文レベルの精度ではありませんので、条文化する際に、他の立法令、法制的な検討をしっかりした上で、改めて法案要綱の段階で、これを具体的にどう条文にするのかについてはお諮りさせていただきたいと思います。

○小原委員 よろしくお願いします。

○守島部会長 ありがとうございました。では、ほかの方、どなたか。

○村上委員  4 28 日にこの第 1 回部会がスタートして以降、 1 か月強の間に 6 回の開催ということで、本当に短期集中的に議論を行ってきました。委員の皆さんはもとより、事務局の皆さんの御努力にも感謝申し上げたいと思います。報告は全体的に見て、「働き方改革実行計画」の内容、そしてこれまでの部会の議論を踏まえてまとめられており、おおむね妥当な内容であると受け止めております。その上で意見を申し上げておきたいと思います。

まず 1 点目ですが、今回のいわゆる同一労働同一賃金を実現するにあたっては、職場の労使が処遇を点検し、正規-非正規の間で合理的な理由がない処遇差があった場合には、その是正に向けて協議をしっかりと行っていくというプロセスが必要不可欠であると考えます。その際の労使協議は、何度か部会で申し上げてまいりましたが、非正規で働く人たちの声も踏まえた話合いであるべきだと思います。これは労働組合のある職場にとってももちろんですが、労働組合がない職場も含めた全ての職場で必要なことですので、このような営みを促す措置も検討していく必要があると思います。岩村委員からは労働者代表法制の御提案もありましたが、労働組合がない職場が多い中で、労働側としても労働者代表法制の必要性は理解しているところです。ただ、この問題は同一労働同一賃金の問題に限るものではありませんので、腰を据えて議論するということから、別途ふさわしい場で検討することが必要であると考えております。

2 点目ですが、部会の中では、いわゆる同一労働同一賃金の実現のためには、正社員の処遇も見直す必要があるという趣旨の御発言が何回かありました。この点について、限られたパイを正規と非正規で奪い合うというようなロジックには全く賛同できません。非正規雇用労働者に関する課題の解消に向けては、正規雇用への誘導と不合理な格差の解消の両輪で進めていくべきです。正規雇用への誘導は当然に正規、非正規の間ではパイの奪い合いということにはなりませんし、今回の法改正のように、正規と非正規の不合理な処遇差を改善するという場合であっても、非正規雇用労働者にこれまでなかった手当を設けるとか昇給のルールを作るということこそが求められております。限られたパイを正規と非正規で奪い合うということではありません。このような前向きな営みとしなければ、個別労使での取組は進みません。この点は強く申し上げておきたいと思います。

3 点目は派遣労働者についてです。ようやく均等・均衡待遇が法制化されるということは、大変大きな意義があると思います。その上で派遣先均等・均衡を原則とし、労使協定方式は例外ということですが、労使協定が適切な内容で締結されているかどうかが今後の鍵を握ると思っております。法改正の結果、派遣で働く人の処遇がしっかりと改善していくように、労使協定の内容や手続きについては施行段階で議論を深めることが必要と思います。

また、パートタイム労働法 9 条の職務の内容及び配置の変更の範囲などについて、何を手掛かりに判断すればよいのか分からない部分があるなど、現行法の課題については法案要綱以降の課題として考えていきたいと思っております。

 最後に、労働組合といたしましては、この法改正を待たずに非正規雇用労働者を組織化し、総合的な労働条件改善にも引き続き取り組んでいきたいと思っております。この決意と、また使用者の皆さんにも今から準備をしていただきたいということ、また、厚生労働省におかれては、関係部局と連携して改正法案作成や施行準備に取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、総括的な発言といたしたいと思います。ありがとうございました。

○守島部会長 ありがとうございました。では、ほかにどなたか。よろしいですか。大丈夫ですか。それでは、この報告案で同一労働同一賃金部会報告を取りまとめることとし、労働条件分科会・職業安定分科会・雇用均等分科会に報告させていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○守島部会長 ありがとうございました。では、そのようにさせていただきたいと思います。では、事務局の方で報告文を配っていただきたいと思います。

                       ( 事務局から「報告文 ( ) 」を配布 )

○守島部会長 お手元にあります報告文 ( ) について御確認ください。労働政策審議会令第 6 条第 9 項及び労働条件分科会運営規程、雇用均等分科会運営規程においては、「部会が議決をしたときには、当該議決をもって分科会の議決をすることができる」と定められております。

 しかしながら、職業安定分科会については、運営規程上、本部会の議決をもって分科会の議決とすることができないため、今、配布いただいた報告文 ( ) のとおり、 6 16 日に開催される予定の職業安定分科会に報告したいと思います。それでよろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○守島部会長 ありがとうございます。そのように取り計らいたいと思います。これまで御議論いただきました委員の皆様の御協力に改めて感謝したいと思います。ここで生田職業安定局長から、一言御挨拶を頂きたいと思います。

○生田職業安定局長 一言お礼の御挨拶を申し上げます。委員の皆様には、 4 月以降 6 回にわたり、同一労働同一賃金に関する法整備につきまして、精力的かつ熱心に御審議を頂きました。ただいま部会長からお話がございましたように、本日、部会報告を取りまとめていただき、委員の皆様には心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。事務局といたしましては、今後この報告を基に法律案を作成し、然るべき時期に国会へ提出したいと考えております。この法律案の要綱につきましては、後日、当部会にお諮りし御審議いただくことになります。引き続き、大変お世話になりますけれどもよろしくお願い申し上げます。以上、簡単ではございますけれども、お礼の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○守島部会長 ありがとうございました。最後に事務局から、連絡事項等はありますでしょうか。

○岸本派遣・有期労働対策部企画課長 次回の同一労働同一賃金部会の日程・場所につきましては、調整の上、追ってお知らせいたします。

○守島部会長 それではこれをもちまして、第 6 回同一労働同一賃金部会を終了したいと思います。なお、議事録の署名につきましては、労働者代表の村上委員、使用者代表の高橋委員にお願いしたいと思います。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。


(了)

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