ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(疾病対策部会指定難病検討委員会)> 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第19回) 議事録(2017年6月27日)




2017年6月27日 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第19回) 議事録

○日時

平成29年6月27日(月)10:00~12:00


○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)


○議事



○徳本難病対策課長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまから第19回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。委員会開催に際し、福島健康局長より御挨拶申し上げます。

○福島健康局長 おはようございます。健康局長の福島でございます。委員の先生方には、大変お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。また、難病対策をはじめ、健康施策全般につきまして日頃から御指導を賜りまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。

 難病対策、御承知のように平成2711日から難病法、難病の患者に対する医療等に関する法律が施行されて、現在新しい医療費助成制度が開始されたわけですけれども、この委員会での審議を基に対象疾患を順次追加してまいりました。この4月からは、その前の306疾患にさらに24疾患を追加して、330ということで順次追加をしてきたわけです。引き続き指定難病追加の要望があると思いますので、委員の先生方には、引き続きの御検討をよろしくお願いしたいと思います。

 今日の議事ですけれども、平成30年度以降に実施予定の新規疾病の募集方法について御議論いただきたいと思っております。また、研究班がないために指定難病のそ上になかなか上りにくい疾病もありまして、そういう場合、患者の方からの申出などを起点とした指定難病の指定の在り方についても、検討をすることを考えております。また、指定難病の対象となる疾病のうち告示病名以外の疾病名の明示化についても、御検討をお願いしたいと思います。委員の先生方には、是非これまでと同様に精力的に御議論をいただきまして、難病対策がより進みますようにお願い申し上げまして、簡単ではございますが、冒頭の御挨拶とさせていただきます。本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○徳本難病対策課長補佐 本日の出席状況について報告いたします。飯野委員より御欠席の連絡を頂いております。カメラの撮影は、ここまでとさせていただきます。以降の議事進行につきましては、水澤委員長にお願いいたします。

○水澤委員長 まず最初に、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○徳本難病対策課長補佐 資料の確認をさせていただきます。本日用意しました資料の1-1、今後の指定難病の選定に関する検討の進め方についてです。資料1-2、指定難病検討資料作成のためのチェックリスト()です。資料2、患者からの申出等を起点とした指定難病の検討についてです。資料3-1、指定難病の対象となる疾病のうち告示病名以外の疾病名の明示化についてです。資料3-2、指定難病の対象となる疾病のうち、告示病名以外の疾病名一覧の()です。参考資料1、都道府県における地域の実情に応じた難病の医療提供体制の構築について(通知)です。

 途中ですけれども、参考資料1について簡単に説明したいと思います。参考資料1につきましては、本日の議題(2)、患者からの申出等を起点とした指定難病の検討について、及び資料2に関連するものですので、この場で説明したいと思います。まず、1枚目です。本通知は、本年414日に都道府県宛てに通知したものです。これにつきましては、いわゆる難病対策基本方針の第3(2)アにおきまして、医療提供体制に関する具体的なモデルケースを示すこと。そして都道府県は、医療提供につきまして必要な体制構築を務めることになっており、ここの中で、具体的なモデルケースを、「第3、難病の医療提供体制における各医療機能と連携の在り方、(モデルケース)」として示したものです。

 具体的には、ページ番号の付いているところからが本体になっております。「難病の医療提供体制の構築に係る手引き」として、第1、難病の現状、2ページ目、第2、難病医療の課題及び目指すべき方向性、その下に、2、目指すべき方向性として、(1)早期に正しい診断ができる医療提供体制、(2)治療が身近な医療機関で継続されることを目指すもの、(3)遺伝子関連検査につきまして、カウンセリング体制の充実・強化、(4)小児慢性特定疾病児童等に対して、医療従事者間の連携体制について目指すべき方向性を示しています。具体的なモデルケースとして第3に記しておりますように、1つ目、都道府県難病診療連携拠点病院の役割として、初診から診断に至るまでの期間をできるだけ短縮するよう、必要な医療等を提供すること、都道府県内の難病医療提供体制に関する情報提供を行うこと。4ページ目ですが、都道府県内外の診療ネットワークを構築すること、そして次のポツですが、身近な医療機関で治療を継続できるように支援すること。

(2)として求められる具体的な事項として、情報の収集及び提供、診療ネットワークの構築、患者の診断及び相談受付体制、診断のための都道府県を超えた体制、治療・療養時の体制、そして、療養生活環境整備に係る支援等を挙げております。また、2ポツ目として、難病診療、分野別拠点病院、6ページ、3、難病医療協力病院、7ページ、4、一般病院、診療所、次のページ、5移行期医療に係る医療機関と医療機能として、モデルケースを提示したものです。

 それでは、参考資料の確認に戻ります。参考資料2、指定難病の要件について(14回指定難病検討委員会資料)です。参考資料3、原発性免疫不全症候群の個票です。参考資料4、今後のスケジュール()です。

 以上、資料の不足等ございましたら、事務局まで御連絡ください。

○水澤委員長 資料がたくさんありますけれども、おそろいでしょうか。御確認、よろしくお願いいたします。本日の議論は、先ほど局長から詳しく御説明いただきましたけれども、全体として指定難病のこれからの募集の方法や検討の方法などについて議論していただくということで、この議事次第にありますように3つに分かれております。各資料は、それぞれ123に対応しています。まず、指定難病(平成30年度実施分)の募集についてです。事務局から説明をお願いしたいと思います。

○福井難病対策課長補佐 資料1-1、今後の指定難病の選定に関する検討の進め方についてです。1ページ目、今後の指定難病に係る検討に向けた整備について、これまでの指定難病に係る検討の過程で指摘された事項です。1.として、これまでは、難治性疾患政策研究事業における研究対象疾病のうち、検討の時点で指定難病に該当しない全ての疾病を対象として検討を行ってきました。2、そのため、検討対象の中には、研究を開始したばかりである等の理由により、指定難病の検討に資する情報の整理が十分でない疾病や、明らかに指定難病の要件を満たしていないと考えられる疾病もありました。3、また、既に指定難病の対象となっている疾病や、異なる研究班で扱う類縁疾病であっても研究班間での調整がなされていない疾病、あるいは、関連学会で承認されていない診断基準等は検討対象とされるケース等があり、その結果として、指定難病の要件を満たしていないと考えられる疾病が見られました。4、研究班が検討のために情報を整理する作業の負担を軽減し、効率的、かつ丁寧な検討を行うためには、情報収集段階からの整理が必要と考えられます。

 これら1から4の指摘事項を受け、平成30年度実施分における検討の進め方()として、上記3.に係る情報の整理を行うための、チェックリストを策定してはどうか。指定難病の検討に資する情報が整理された疾病を検討対象としてはどうかと考えております。チェックリスト()については、後ほど資料1-2で説明します。

2ページ目です。平成30年度実施分における指定難病の検討対象について()です。真ん中よりやや下の、平成30年度実施分における検討の進め方()の対象疾病についてのところで具体的に記載しております。1つ上の平成29年度実施分の記載と比較しまして、追記した部分には下線を引いております。平成30年度実施分では、1、研究班が、指定難病の検討に資する情報が整理されたと判断した上で、研究班から情報提供をお願いしたいと考えております。また、2、小児慢性特定疾病については、日本小児科学会が指定難病の検討に資する情報が整理されたと判断した上で、研究班や関係学会から情報提供をお願いしたいと考えております。その下のその他にありますように、今回の検討対象とならなかった疾病について、今後研究を支援するということについては、これまでと変更はございません。

3ページ目、指定難病の検討の進め方(原則)です。指定難病検討委員会において各要件の検討を行う等の原則には変更はございませんので、詳細の説明は割愛させていただきます。

 資料1-2、指定難病検討資料作成のためのチェックリスト()です。研究班や関係学会の方々から情報提供を頂く際に、指定難病の検討に資する情報が整理されたかどうかを簡便にチェックするために、合わせて記載していただいてはどうかと考えております。

 参考資料2、指定難病の要件についてです。平成29年度実施分の検討のために用いた、第14回指定難病検討委員会の資料です。これに沿って説明します。参考資料21ページです。難病法における広義の難病の要件と、さらに指定難病の要件が記載されております。

 資料1-2、チェックリスト()です。チェックリスト()の必須項目は、主にこれらの項目について御確認いただきます。まず1、発病の機構が明らかでないことについては、参考資料22ページに要件を整理しておりますので、御参照ください。要件を満たしているかどうか、○×を記入していただきます。2、他の施策体系が樹立されていないことについては、指定難病の要件について、参考資料235ページを御参照ください。3、治療方法が確立していないことについては、指定難病の要件についての6ページを御参照ください。4、長期の療養を必要とすることについては、78ページを御参照ください。

5、患者数が本邦において一定の人数に達しないことについては、9ページを御参照ください。6、客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していることについては、1011ページを御参照ください。次に必須項目7、患者数の推計に用いた疫学調査等の方法ですが、参考資料29ページです。真ん中辺りに、希少疾患の患者数をより正確に把握するためには、(a)一定の診断基準に基づいて診断された当該疾患の(b)全国規模の(c)全数調査という3つの要件を満たす調査が望ましいものとするとされておりますので、確認させていただいております。必須項目8、患者数の推計が100人未満の場合、成人の患者数の推計です。従前と同様に、現時点で日本において対象となる成人患者がいないとされている疾病については、検討の対象外としておりますので、確認させていただいております。

 次に参考項目について説明します。これらのほとんどは、資料1-11ページの3にありましたように、平成29年度実施分の検討において見られた、既に指定難病の対象となっている疾病や、異なる研究班で扱う類縁疾病であっても、研究班間での調整がなされていない疾病等を、情報提供の段階で確認するための項目です。参考項目7、医療費助成を受けるために必須だが、保険適用外の特殊な検査が含まれるかについては、国内で実施が不可能な検査等の記載については、実際の診断に困難が生じないよう御留意いただきたいということで確認させていただいております。以上です。

○水澤委員長 資料1-11-2について、参考資料2も含めて説明いただきましたが、いかがでしょうか。このようにやっていきたいという提案もありますけれども、御意見、御質問ございますでしょうか。まず、1ページに書いてあることにつきましては、これまでのこの委員会でいろいろと課題として出てきたことで、それを整理したということになると思います。そういうことから、今後このようにしたらいいのではないかということが、この会でも出ていたと思いますが、それをまとめていただいたように思います。具体的に言うと、2ページに書いてありますけども、きちっと情報が整理されたと研究班が判断し、かつ、その情報の提供があった疾病を対象にすることで、成人も小児も、そのようにやるということかと思います。2ページの確認ですけれど、平成30年度実施分についての説明の2です。最後の行で、小児科学会から要望があってとありますが、これは、かつ、になりますかね。研究班や関係学会から情報提供があった場合ということですが、いかがでしょうか。

 チェックリストも、かなり詳しく載っておりまして、参考資料2にあって、我々が、これに基づいて、これまで検討してきた要件が、それぞれ番号を振って記載してあろうかと思います。かなりこれで整理されて今度は審議しやすくなるかと思いますが。ほかに何か、どうでしょうかね。よろしいですか。

1つ質問ですけれど、チェックリストですね。資料1-2で、参考項目のところですが、1番で、これまで指定難病検討委員会で検討された疾病又は、類縁疾患とありますが、これは誰がチェックするかという質問です。指定難病検討委員会で検討されたかどうかというのは、申請する人は分かっているのでしょうか。例えば研究班や学会だったりしますと、過去に申請したことがあるような疾患かどうかという捉え方、表現があってもいいかもしれませんね。どんなものでしょうか。

○福井難病対策課長補佐 これまでに検討しまして、要件を満たすことが明らかでない疾病、要件を満たしていないと考えられる疾病として、指定難病検討委員会のホームページにも出ておりますので、これを研究班に提供しようと考えております。

○水澤委員長 それを見てくださいということで、ここまでチェックしていただくということですね。分かりました。

 それから、今気付いたのですけど、4番目の表現、「指定難病には指定されていない疾患で類縁疾患はあるか」というのは何に相当するか。ちょっと考えたときに具体的なイメージが湧きにくいです。この上に書いてある、例えば指定難病に指定されている疾患の類縁疾患で当該疾患、今、申請しようとしている疾患は、まだ認定はされていないけども、類縁疾患としては既に指定されたものがありますよ、というのは分かりますよね。指定難病に指定されていなくて類縁疾患はあるかというのは、具体的なイメージはどんなのかなと思ったのですけど、何かありますか。

○福井難病対策課長補佐 これは、研究班間で調整されていない事例などを想定しています。

○水澤委員長 なるほど。これは、検討してもいいのかなとは思いました。全体として非常によくできているかなと思ったのですけど。よろしいでしょうかね。では、お認めいただいたということでよろしいかと思います。ありがとうございました。

 それでは議題(2)、患者からの申出等を起点とした指定難病の検討についてです。事務局から説明をお願いします。

○福井難病対策課長補佐 資料2、患者からの申出等を起点とした指定難病の検討についてを御覧ください。現状です。指定難病の検討に当たっては、厚生労働科学研究費補助金事業における研究班及び関係学会で収集、整理された情報を基に、医学的見地より個々の疾病について、指定難病の各要件を満たすかどうかの検討を行っております。

 一方で、難病は極めて種類が多いことから、疾病によっては当該疾病の研究を行う研究班が存在しないものもあり、その場合には、指定難病の検討のそ上に上がりにくいといった不公平感が声として我々のところに届いていたところです。

 前提条件です。指定難病とされるためには、1.発病の機構が明らかでない、1.治療方法が確立していない、3.長期の療養を必要とする、4.患者数が人口の0.1%程度に達しない、5.客観的な診断基準等が確立している、の5要件を満たすことが必要であり、各疾病がこれらの要件に該当するか否かについて審議会で審議するために必要な情報の収集が必要となります。

 事務局として整理すべき論点は、以下の1.及び2.と考えております。まず1.研究班が存在しないような疾病について、どのように申出を受け付けることが現実的に可能か。2.本委員会における検討に必要となる客観的な情報をどのように収集するか。

2ページ、具体的に御議論いただきたい点を列記しております。まず1.です。申出を行う者の範囲をどう考えるか。本人に限るのか、本人以外であっても、診療情報提供書を持参できる家族等を含むのか。また、申出を受け付ける施設をどう考えるか。かかりつけの医療機関で受け付けるのか、専門性のある医療機関等、例えば、特定機能病院、臨床研究中核病院、都道府県難病診療連携拠点病院等で受け付けるのか。

2.誰が情報を整理するか。申出を行う患者本人が作成する場合は、メリット:本人の意思が尊重されやすい。デメリット:検討に必要な客観的な情報の質が担保されにくい等が考えられます。次に、申出を受けた施設の医師が作成する場合です。メリット:検討に必要な客観的な情報の質は比較的担保される。研究班立ち上げ等は不要であるため速やかな対応が可能である。デメリット:申出を受け付ける施設がどこであっても、当該疾病に精通した医師であるとは限らないことがあります。最後に、研究班が作成する場合です。メリット:検討に必要な客観的な情報の質が十分に担保される。デメリット:研究班の立ち上げ等が必要となり、指定までの期間が長くなる可能性があります。研究班が作成する場合の注)として、当該疾病を研究中の研究班が存在しない場合には、既存研究班の研究対象疾病を拡大していただくことや、新規の研究班を立ち上げることについて、指定難病検討委員会で検討、判断してはどうかと考えております。

 なお、本件、患者からの申出等を起点とした指定難病の検討については、同様の内容を、都道府県、医療機関、患者団体等の関係者の議論の場である難病対策委員会でも御議論いただくことになっております。特に、1.に関しては、新たなシステムについて、難病対策委員会において主に御議論を頂くことと考えており、本委員会では、どのように本委員会における検討に必要となる客観的な情報を収集するかとの観点から、主に2.について御議論をお願いしたいと思います。以上です。

○水澤委員長 1枚紙の表と裏ですが、今、お話があったように、論点が整理されております。1.2.かつ、特に2.のほうについて御議論を頂きたいということです。1.から順番に簡単に御議論を頂いて、2.を主に議論いただくとしたいと思います。1.についてですが、申出の受付け方かと思いますが、どうでしょうか。申出を行う者の範囲をどう考えるかということと、受け付ける施設をどのように考えるかと言うことです。今、お話がありましたように、こちらは疾病対策委員会で主に扱っていただくマターかと思いますが、我々の立場で御意見を申し上げることができるような項目かと思います。いかがでしょうか。

○千葉委員 1番については、恐らく、難病対策委員会でも討議されることだとは思いますが、私の意見としては、やはり、出発点は患者さん、それから2つありますが、直接言ってこれない患者さんもいらっしゃるわけですから、本人以外も含めてということでいいと思うのです。ただ、この点については、難病は御承知のように山ほどありますから、何でもかんでもというとやはり問題になると思うので、例えば、患者さんからこのようなものがありますよというよりは、やはり自分が罹患しておられる、あるいは御家族が罹患しておられる疾病に元を発してという原則が必要かと。例えば、オーファンネットなど山ほどありますが、患者さんが日本ではいないという疾患もありますから、そういったものも最初から拾い上げるというと、余りにもベースが広くなりすぎると感じております。それから、受け付ける施設としては、やはり、ある程度専門性のある所でまとめるのがよろしいのではないかと。1番について言えば一応、そのように考えます。

○水澤委員長 ありがとうございます。恐らく皆さん同意見で、そのとおりだと思います。御本人に限ってしまうと、実際に申請がしにくい方もおられますから、限らないほうがいいとは思いますが、御自分や、非常に身近な方以外の疾患についてどんどん申請が来るのは困るということだと思いますので、その辺をうまく整理して検討を頂くということかと思います。また、受付機関についても、かかりつけ医の施設は山のようにありますので、そういう所が全部担当してきちんと機能を果たせるかというと、やはり専門性が必要になってくるのではないかというのが皆さんの御意見だと思いますので、それを指定難病検討委員会で検討していただくことだと思います。

○宮坂委員 難病対策です。

○水澤委員長 対策でしたか。

○宮坂委員 難病対策。

○水澤委員長 そうそう、我々が検討委員会ですので、難病対策委員会です。失礼しました。そちらにお願いすることかと思います。よろしいでしょうか。そうしましたら、本題というか、是非議論をという2番につきましてはいかがでしょうか。どうやって情報を収集するかということです。誰が情報を整理するかということについて幾つかありますが、それぞれが、メリット、デメリット、事務局で考えられる範囲のことを記載していただいています。

○宮坂委員 よろしいですか。多分、患者さん御本人が作成するのはなかなか能力的にも厳しい、医学的な情報が、客観的な情報が入っていないといけないと思うので、それを患者さんに求めるのはなかなか難しいかと。と言って、申出を受けた主治医ができるかというと、専門性から、やはりなかなかそれはもう難しいのではないか。そうすると、対応する研究班があればいいのですが、ないことのほうが多いと思いますから、ただそれに近いところの研究班がそれを引き受けて、この最後の案です、既存の研究班で、研究対象が非常に近いものがそこで引き受けてそこで検討するというのが、多分、一番リーズナブルなのかと。申出のあるごとに新たなものを研究班が作っていくことは、予算的にも、規模的にもなかなか難しいだろうと思うのです。

○水澤委員長 基本的にリーズナブルかと思います。何かありますか。

○錦織委員 全く私もそのように思います。やはり、資料を作成するのを患者さんが行うのは、もともとちょっと不可能に近いと思います。申出を受けた施設の医師は、多くの場合主治医ということも想定されるかとも思いますが、かと言って、やはり1人の医師が作成するものはどうしても偏ると言いますか。やはり研究班を1つ立ち上げて、複数の医師で議論をブラッシュアップする形でもんで出てきたもののほうがいいのではないかと思います。研究班で作成するということですが、やはり現実的には、現存の研究班の一番近い所に加えてその議論を、類縁疾患がやはりどうしてもあると思いますので、そういう類縁疾患の研究班に加えられる可能性が高いと思います。そうなりますと、議論も、より周辺的なところも含めての議論になって良いのではないかと考えております。以上です。

○水澤委員長 ありがとうございます。これは、皆さん大体よろしいでしょうか。

○平家委員 そのような方向で賛成だと思います。今までの先生の御意見に賛成です。錦織先生は、客観性という意味で、多人数という形でおっしゃっておられましたし、多方面での検討も必要だという形で、研究班は適切だと思います。確かに、一番の患者さん御本人は、やはり客観的な情報を収集するには非常に難しいのではないかと。施設の医師ということになれば、やはり客観性というところで少しバイアスがかかることも懸念はある。そういった観点で、やはり研究班とか、そういった所での客観的な議論を重ねるのが必要ではないかと思います。

 一方で、宮坂先生がおっしゃったように、研究班を立ち上げるのが非常に大変なときも、一つ一つをしっかりやるというのも大変ですので、ここに書かれているように、類縁疾患、既存の研究班の中に、なるべくそういったところに押し込めるというのも、1つ大事な考え方かと思います。以上です。

○千葉委員 基本的に皆さんの御意見に賛成です。やはり、二段階方式と言いますか、各施設、これは専門施設にするかどうかはポイントだと思いますが、が出すときに、ある程度、例えばこのような簡単なチェックリストで出していただいて、それを専門の研究班なりで検討するという流れが適切かと思います。出されたところから研究班に移行するところで、ちょっとどこに振るかとかそういう整理も必要なので、そういうことを整理する場所と言いますか、そこが必要かと、専門の所に配っていくところに、と思います。それから、班については、やはり皆さんと同じ意見で、できれば既存の班がよろしいのではないか。というのは、先ほどちょっとお話がありましたように、既に、よく似た疾患について別々の研究班があって、それぞれで意見が違ったり、あるいはコミュニケーションが十分取れていないケースがありますので、そういうことがまた繰り返されるというのはよくないので、できれば関連研究班のほうがよりいいのかと思います。

○水澤委員長 ありがとうございました。今の最後の点の既存の指定難病を扱う研究班で、オーバーラップに関してはかなり避けられたのではないかと思うのです。従来はなかなかそういうことはなかったのですが、この指定難病の検討の過程で進んだと思うのですが、その点はどうでしょうか。

○福井難病対策課長補佐 今年の4月から、330の指定難病を約70の研究班でほぼ重複なくカバーする体制が整いました。

○水澤委員長 そういう状況ですので、約70ですか、それもちょっと聞きたかったのですが、70くらいの研究班があって、330疾患をほぼカバーしているという状況です。

○福井難病対策課長補佐 330疾患はカバーしておりますし、それ以外の難病についても研究班が存在しますので、そこで扱っている疾病について調査し、過不足のない研究体制を構築していきたいと考えております。

○水澤委員長 現在70も研究班があるそうですので、相当の疾患、新しく出てくる疾患もカバーできるのではないかと思われております。

○大澤委員 先生方の御意見に賛成です。1つ申出に関してですが、状況によっては患者会のようなものが作られていて、そしてその患者会から、自分たちの中でアンケート調査みたいなのがされて、そういったものを持ってどこかに申し出てくることもあるのではないかというのが1つです。

 それから、先ほど千葉先生がおっしゃいましたように、やはり、既存の研究班に誰がどういう形で依頼をするかのより分けは、非常に重要ではないかと思いました。

○宮坂委員 多分、情報は、患者さんから上がってくる場合も患者会から上がってくる場合もあると思うのですが、これはやはり、本来は都道府県である程度責任を持ってやっていることですから、都道府県の難病診療連携拠点病院は、1つ受け皿になり得るところだと思うし、ここを中心にいろいろなことが動いていかないと、今後のネットワークをやはり作りにくいことがあります。そういう意味では、1.に関しては難病対策委員会でやるマターかもしれませんが、1つの候補は、都道府県難病診療連携拠点病院になるのではないか。

 その後、そこからではどうするかということですが、難病対策課の事務局には研究班のリストがあるわけですから、上がってきたものをこちらで受けて、最終的にどこの研究班が候補に上がるかというのはある程度分かる。今は、例えば難病情報センターで、もう臓器別に無理矢理分けている部分もあるのです。ですから、そういうことも含めながら、どこがよさそうだということがある程度出てくると思うので、それをここで討議をして、最終的にどこの研究班にすればいいかというフィルター役をここの委員会がしてもいいのではないかと思います。

○水澤委員長 ありがとうございました。

○和田委員 先生方のこれまでの御議論に賛成いたします。始めに、この申出を行う者の範囲というのは、やはり基本は、先ほど御説明がありましたように、本邦に患者さんがいらっしゃる、成人患者さんがいらっしゃるというのが前提ですので、本人に限る、若しくはこういった家族の方を含むというところ、若しくは、もしかしたら患者会かもしれませんが、そういった、いらっしゃることが前提の上での申出が重要なのだろうと思いました。

 それから研究班に関しては、やはりこれまでの御議論のように、既存のものを中心に、そして、議論が進んだ上で熟成される場合は、必要に応じて新しいのができるかもしれません。そこはその議論の流れなのだろうと思います。

 それからやはり、どこで旗振りと言いますか、調整役をするかというのは、これはとても大きなディスカッションになると思います。先ほど宮坂先生がおっしゃったように、1つの大きな可能性としては、この委員会のマターになるのかと私も思いました。以上です。

○直江委員 余り付け加えることはないのですが、皆さんのおっしゃった意見はそのとおりだと思います。1つお願いしたいのは、患者さんの申出が、どのように最終的にさばかれていったのかを、例えば半年とか1年の単位で、申出は、例えば全国でこのくらいありましたと。そうすると、医療機関から、そのときは申請というのですか、多分、難病対策課が窓口だと思いますので、実際、こういう医療機関からこのくらいそれは上がってきました。それを最終的に研究班にこのように割り振りました。割り振りはどこでやるかというのは、今、御議論があるところだと思います。そういうことの、しっかり全体を把握することは必要なのだろうと思います。それは、難病対策委員会がいいのか、この委員会がいいのか分かりませんが、それはやはり、その患者さんの申出で指定難病を充実させていくために結局どうなったのかということは、やはりずっと見ていく必要があるし、そのことが、やって確かに充実していくことの検証になるのだろうと、そのようなことを考えました。

 あともう1つ、やはり、そうやって上がってきた、研究班に振った指定難病の候補の疾患です。例えばいつまでに結論を得るのか。いつまでも店さらしでやるというのは、これは患者さんが申し出ている、指定難病してくださいという申出を受けた以上は、やはり責任があると思うのです。責任がありますから、例えば1年間とか、やはり期間を区切って、その年度に受けたものは翌年度までに結論を得るということがないと、これはまずいのだろうと。もし、それで指定難病にならなかった場合には、これこれこういう理由でなりません。あるいは、これこれこういう理由で指定難病として指定難病検討委員会に上げますということを、やはり明らかにされたほうがいいのだろうと感じました。以上です。

○水澤委員長 ありがとうございました。本当にごもっともだと思います。ほぼ全員の方から御発言いただきましたが、今のいろいろな御意見に対して、何か事務局からこの場でありますか。

○徳本難病対策課長補佐 今、頂いた御意見は非常に参考となる御意見だったと思います。冒頭の説明で申し上げたとおり、これからシステムとして立ち上げていくものですので、難病対策委員会にも、今、頂いた御意見をしっかりと御紹介を申し上げて、この御意見を発射台として、更に充実した御意見が頂けるよう、難病対策委員会でも更に議論を深めていただきたいと思います。また、直江委員から頂きました、いわゆる見える化ということだと思うのですが、そこら辺も重要な御示唆だと思っておりますので、その点も含めて、引き続き御議論を頂くようにしていきたいと思います。

○水澤委員長 そうですね、見える化というか、結果ですね。申請したものがどうなったのかということ、それはきちっといろいろな段階で回答するということだと思います。いろいろな段階が出てきそうですので、もうかなり最初の段階で、これは実はこうですという説明で、場合によっては、かかりつけの先生から説明を受けるかもしれませんし、もう少し上の、拠点病院での説明になるかもしれません。そういうものがきちっと、御希望された患者さん、あるいは患者会に返るようにするという、ある程度時間を区切ってそれを行うというのが、趣旨だったのではないかと思います。その点は、システムを作るときに是非、加えていただければと思います。

 今の御議論で、1番のところも含めて、出発点である患者さん、あるいは患者会から上がってきたものが、様々なルートで、各都道府県のネットワークを介して、拠点病院を通るか通らないかは別として、最終的に難病対策課に上がってきて、今のこの資料によると指定難病検討委員会となっておりますが、そういう所でそれを検討して、どのようにしていくかを決めるという、全体の構図が少し浮かんできたのではないかと思います。細かい意見は今、事務局にもおっしゃっていただきましたが、難病対策委員会でもよく検討していただいて、最終的に、この委員会の議論も進むように集約していただきたい、検討を続けていただきたいと思います。この点につきましてはよろしいでしょうか。ありがとうございました。

 それでは議事(3)に入りたいと思います。指定難病の対象となる疾病のうち、告示病名以外の疾病名の明示化についてということで、説明をお願いします。

○福井難病対策課長補佐 資料3-1、「指定難病の対象となる疾病のうち告示病名以外の疾病名の明示化について」を御覧ください。平成291月の厚生科学審議会疾病対策部会において、「疾患群として指定されている疾病等の場合、様々な疾病が含まれるため、どの疾病が指定難病の対象となる疾病であるかが分かりづらい」との指摘がありました。そこで以下の手順に沿って、「指定難病の対象となる疾病のうち告示病名以外の疾病名一覧()」を作成し、明示することとしてはどうかと考えております。

1.指定難病について。「指定難病に係る診断基準及び重症度分類等について」(平成261112日付健康局長通知)の各個票から、告示病名以外の疾病名(病型、類縁疾病、別名等を含む)を列記する。2.同一告示番号内では、各疾病の個票における記載順に列記する。3.医学的に指定難病の対象となる疾病であると考えられている疾病名等であっても、同通知に記載のない疾病名については、今後研究班および関係学会に意見を聴取した上で、追加をするかどうか検討することとしてはどうかと考えております。

 続いて資料3-2、指定難病の対象となる疾病のうち告示病名以外の疾病名一覧()を御覧ください。65番「原発性免疫不全症候群」を御覧ください。また、本疾病の個票を参考資料3としておりますので、そちらも併せて御覧ください。

 参考資料33ページ、診断基準のところに、本症に含まれる疾患として、1の1から多数の疾患が列記されております。参考資料35ページからは、各疾患の診断基準の詳細が記載されております。

 次に、参考資料322ページ、「先天性補体欠損症」を御覧ください。C1q欠損症、C1r欠損症など、細分類が記載されており、これらも含めて一覧表()には列記しております。以上です。

○水澤委員長 これまでの検討の中で問題になっていたわけですけれども、指定難病によって包括病名のような病名であったり、個々の病名が載っていたりと、様々だったのですが、少なくとも今回、包括病名的な病名の中身が、うまく明示されるという形になってきたのだと思うのです。これについて、いかがでしょうか。原発性免疫不全症候群も非常にたくさんありますね。宮坂先生、難病センターのホームページの中では、これはやはり全部載っているのですか。

○宮坂委員 ちょっと今、確認していないですが、多分載っていると思います。

○水澤委員長 御意見はありますでしょうか。

○和田委員 こういった形でまとめられるのは、すごくいいアイデアだと思います。2つほどあります。1つは、例えば223番の一次性膜性増殖性糸球体腎炎などがありますが、この中に複数含まれております。実際、現在ではなかなか使われないようなものも入っておりますので、一旦、整理が必要なのではないかと思います。学会若しくは研究班のほうで、少しこの辺りを改めて振り返っていただくことが必要なのではないかと感じました。

2つ目は、これらの英語表記はどうするのかということではないかと思います。日本のことだけではなく、やはり英語の点を、今後の国際化なりを考えたときには、議論になるのではないかと思っております。その辺を、またディスカッションしていただければと思います。以上です。

○水澤委員長 今の英語の点は、確か議論の過程でもいろいろ出てきましたけれども、今後の予定はありますか。

○徳本難病対策課長補佐 まずは、これは指定難病になっているかどうかが分からない患者さん及びかかりつけのお医者さんに対して、情報を共有するという趣旨でやっておりますので、まずは日本語の形で出させていただいて、恐らくこの次に出てくるのは、基本的には個票からやってきていますので、今、おっしゃったように、それぞれの単語の妥当性を、まず検証する段階にあると思います。その次のステップとして、英語表記はあるのかもしれませんが、まずは11つ処理をさせていただけたらと思います。

○水澤委員長 よろしいですか。本当にそうやっていくしかないと思いますので、これが今、出発点のような感じがいたします。やはり今後、整理していって、もう少し病名を少なくできたら、実際、より便利かなとは思いますし、包括病名のままできているところもあると思うのです。特に古い疾患というとおかしいですが、伝統的な疾患に関しては、その後、遺伝子の異常等はたくさん見つかっているのですが、それは元の病名のままで理解がよいために生きていると思われます。新しい疾患につきましては、割と個別の遺伝子変異の名前で呼ばれたりするという傾向は全体にあると思いますので、これを出発点として、今後、検討していけたらいいと思っております。

○宮坂委員 別の観点ですが、こういう病名を包括的にすること自体は非常にいいことだと思いますし、むやみやたらと個別の病名を増やしていくよりも、包括的な病名を増やしていったほうがいいと思います。ただ、そのときに気をつけなければいけないのは、その中に包括される疾患が、非常にヘテロジェナイティーがあって、比較的軽症のものから、当然これは対象となって然るべき重症のものがある一方で、軽症のものが紛れ込んできてしまう可能性があります。特に原発性免疫性症候群は、かなりヘテロな疾患群で、そういう意味では重症度も、かなりバラエティに富んでいます。

 ですから、そのことを一度どこかで考えておかないと、流れとしては包括化でいいと思うのですが、その中に入ってくるものを、ある程度均一な疾患群にする、何か努力をしないと、ちょっと不公平が生まれてくるかなという気がするので、その点のコメントです。

○水澤委員長 ありがとうございました。

○千葉委員 またもう1つ別の観点で、これは先ほど言われたように、患者さんサイド、あるいは申請しようとする医師のサイドから、この病気が指定難病に該当するかどうかという疑問点をクリアするための1つの方策だと思うのです。したがって、これはもう考えておられると思いますが、索引というか、ABC、アイウエオというものが、やはり何らかの形であるべきであるということです。

 それから、おっしゃられたように、病名には人の名前の病名がたくさんあるのですが、この頃それがだんだん違う病名になっているのです。一般医家の人からすると、オスラーとか何とかいう病名のほうが頭に入っているわけですよね。ですから、それは消してしまうと、かえって見つかりにくいということがあるので、今、和田先生も言われましたが、従来から言われている病名だけれども、消え去りつつあるような病名について、余り外してしまうと問題もあるかなと思うので、その辺の整理は必要だと思います。

○水澤委員長 そうですね、おっしゃるとおりだと思います。先ほど英語の話もありましたが、こういう診断基準なり分類なりは、できるだけ、とにかく国際的な水準であるべきだと思うのですが、日本での実情に合わせた形の伝統的なものにも配慮して、実質的にうまく患者さんがメリットを受けられるようにするといった、非常に難しい工夫が必要だと思いますので、それをやはりこういうところできちっと検討していくべきだろうと思います。大変貴重な御意見を頂いたと思いますが、ほかはどうでしょうか。

○直江委員 これは大変な作業だと思います。右側の欄を見ると、例えば、もともとの疾患名の、指定難病の告示病名とは違う病名、つまり別名のものと、それから細分類された、先ほど原発性免疫不全症にあったようなものが少しごっちゃにされていますので、例えば病名のものは/(スラッシュ)で書いて、幾つかの病名が同列であると。

 それから細分類の場合は、このように縦書きにして項目に分けるとか、何かそういう工夫があったほうが、やはり望ましいのかなと思います。例えば288で、「自己免疫性後天性凝固因子欠乏症」という病名があります。この中でも後天性の血友病Aという病名と、その上にありますが、自己免疫性後天性凝固第8因子欠乏症というのは、結局同じ病名ですので、こういう場合には/にして、2つの病名があるとしたほうが、多分分かりやすいでしょう。

 それから、右側のページの254の「ポルフィリン症」などは、上は日本語が並んでいて、下にずっと英語が並んでいるのですが、これは同じ病名が上にも下にも出ているということなので、もし英語表記にするのであれば、やはり/にして、同じ日本病名と英語病名を並べるべきではないかと思います。細かく言うと、実はたくさんあると思うのです。ですから先ほど和田先生がおっしゃったように、一度研究班に戻して、統一した書き方というものを、すぐには難しいかもしれませんが、一応、目指すということは必要なのかなと思います。細かいところで申し訳ありません。

○水澤委員長 ありがとうございました。非常に貴重な御指摘だったと思います。確かにここに書いてあるように、告示病名以外の名前というと、同じ意味で同義だというものと、先ほど前半で議論があった細分化されたような名前と、確かに混在しています。ですから、同義の場合には、段を別にするなど、ちょっと違う所に書くといった工夫が必要だということですね。それから同義のもので、もう消してもいいというか、できるだけ統一して分かりやすくするという方向でできるものは、例えば研究班等にフィードバックして、それをしてもらうといった工夫が必要ですね。

 先ほどのプロフィールのところなどは、研究班に見てもらうことが必要だと思うのですが、それ以外の全体的な名称については、チェックするのであればこの委員会なのでしょうか。皆さんに見てもらうことが必要かなと私も思うのですが、今すぐというのは難しいかもしれませんけれども、一度きちっと、特に自分の担当のところは見ていただいて、何か大きな問題はないかどうか、見ていただければと思います。

 予定では、一応これが掲示される形になりますよね。やはり一回、見てもらったほうがいいと私は思います。ですから、詳しいものは研究班に送るというような御意見でしたが、もう既に我々のレベルで直せるようなものは直しておいたほうがいいと思います。

○徳本難病対策課長補佐 頂いたいろいろな御意見、ごもっともなところがあると思います。基本的にこれをどのように作ったかというと、各告示病名につきましては、従前からの日本医学会の用語辞典などに、ある程度準拠した形で告示しているところです。

 そのほかの病名に関しては、個票から、あるもの全部を並べていると。どちらかというと我々は今回悉皆性を重視して作っておりますが、その中でいわゆる同義語としてのものと、細分類としてのものとを分ける必要があるということであれば、そのような作りに付け加えることをやっていければと思っております。

 今後の流れにつきましては、研究班や学会などに御意見を賜ろうと思いますが、逆に言うと、このようにしたらいいのではないかというアイデアを幾つか頂いておりますので、もう少しそのアイデアについて御教授いただいて、これをこのようにしてくださいといった、統一した指示書というか、依頼書みたいなものにした形で学会等に依頼しないと、やはりまた作成する主体によって作り方が違うと、作業し直しということになります。

 その辺をどのような形で書き直したらいいのか、引き続き御意見を賜りながら、作業手順を作らせていただいて、それに乗った形で関係学会、研究班などに御依頼させていただいた上で、それを上がってきたものにつきまして先生方に御確認していただき、公表の方向に持っていきたいと思っております。そのような形でよろしいでしょうか。

○水澤委員長 よろしいと思います。皆さん、御賛同くださったと思いますので、我々のほうで一度きちっと見る必要があると思います。これを電子ファイルで送っていただけますか。例えば一番上の球脊髄性筋萎縮症のところはKennedy diseaseになっているのですが、ほとんどケネディー病という名前は外国人名でもありますし、使っておりません。もともと日本で記載された疾患でありまして、英語でなかったために、明治時代に記載されているのですが、河原病という病名が本当は正しいのです。ケネディー病が一部流布しておりますが、今は使わないので、削るという方向でもいいと思いますので、そういった委員の方の御意見を、まず聞いていただいて、その上で整理して、班とか事務局にやっていただくのが一番いいと思います。

○宮坂委員 先ほどの病名が幾つかあったときに、/でやるというのも1つの案だと思うのですが、ただ、それだと非常に混乱しやすくなってしまうので、病名は1つにしておいて、その疾患解説の中にちゃんと別名はこうであると。そしてキーワード検索ができるようにしておけば、病名をそんな長たらしいものを/でつなげなくて済む。

 例えば番号でいうと、045の「好酸球性多発血管炎性肉芽腫病」、これはもう世界的にこういう名前に決まって、辞書もそうなっています。同じものとして、チャーグ・ストラウス症候群もアレルギー性肉芽腫性血管炎もあるのですが、あえてそれは今はもう使わないで、1つに統一しようということになっていますので、むしろ病名としてはそれだけを挙げて、あとは疾患解説を見たならば、こういう似た病名もあるのだなと。そして、それをキーワード検索でできるようにしておけば、確かこの病気、難病にあるのだったかなと思ったときに、キーワードで引けばそこに行き着けるようにすれば、1個で済むかなという気がするのですけれども。

○水澤委員長 私もどちらかというと、そういう工夫もいいかなと思いますので、先ほどのお話で、細分化された名称なのか、それとも同義語としてのものなのか。そういうことは分かるようにしておいて、同義語についてはどうしても必要なものを挙げていただいて、将来的には整理されていく方向だと思います。表に出していくのは簡単で分かりやすく、一番流布しているものがいいと思います。それは皆さん同じだと思います。

○大澤委員 このように細分類の病名を入れていただいたこと、とても良かったと思います。1点だけ、今、気が付いたところで申し上げたいのですが、019の「ライソゾーム病」ですけれども、1ページめくっていただいて、その隣のページの下から5番目に、ポンペ病があります。これは256番の筋型糖原病の中の1番にポンペ病として、やはり挙がっておりますので、256番のほうの筋型ポンペ病と、019のライソゾーム病のポンペ病と同じものなので、それをどちらにするかですけれども、先ほど宮坂先生がおっしゃったように、キーワードという形で置いておけば、うまくいくのかなと思います。

 先ほどの065の下から7行目にある22q11.2欠失症候群、あるいはDiGeorge症候群ですけれども、これは203番に「22q11.2欠失症候群」としても挙がっておりますので、心臓の病気もあったり、痙攣もあったりというようなことはあるのですが、やはりこれもどちらかにするということ。そういう意味では細かく見ていくと、もっとあるかなという気はします。でも、このように表にまとめていただいたからこそ気が付いているので、ありがとうございました。

○水澤委員長 いろいろありますね。

○錦織委員 今のことで言いますと、例えば、原発性免疫不全症候群の中に入っているヘルマンスキー・バドラック(Hermanskyi-Pudlak)症候とかチェディアック・東(Chediak-Higashi)症候群と、164番の「眼皮膚白皮症」というものにも疾患がかぶっているのです。当初のこの検討委員会での議論では、例えばネザートン(Netherton)症候群というものも原発性免疫不全症候群に入っていて、角化症の中にも入っていて、両方に入っているけれども、どちらで申請してもいいという理解だったので、2つ置いていたのですが、これだけ疾患数が増えてくると、もう1つに集約したほうがいいのであれば、そのような方針にしていただいて、やはり分かりやすくしていただいたほうがいいかと思っております。その辺の方針を決めていただいたほうがいいと思います。重複しているものが幾つかあると思います。

○水澤委員長 これまでは議論の途中でこういうことは出てきて、その場その場で議論しましたけれども、全体を通しては今回が初めてだと思いますので、確かにこれは割と重要な問題ですね。次回とか今後とにかく検討していく必要はありますね。

 いずれにせよ、今はもう既に幾つも見つけていただきましたけれども、先ほどちょっとお話したように、これをもう一度、電子ファイルでもお送りしますので、各委員の方々でも見ていただいて、是非、今のような御指摘をさせていただくということになると思います。

 今のダブリですが、いろいろな形のものがあると思います。そのダブリについて、どのように扱うかということで、必ずしも明確に決まっていなかったと思うのです。何か御意見はありますか。

○直江委員 しかし、今後もこういうことはどんどんあると思うのです。もともとは皮膚の病気だと思ったのが、実は腎臓の病気だったとか、聴覚の病気だったとか、そういうことはあるので、ダブりがあるから絶対いかんというわけではなくて、主な症状や受診した診療科の先生が付けられた病名ということで、深掘りして遺伝子を調べると何とか病の類縁だったということであれば、私はこういう過程の中ではこれはある話なので、これを見つけて、とにかく全部整理しましょうということには、すぐはならないのではないかと、私個人としては何となく思うのです。

○水澤委員長 現実、正にそうだと思います。ですから1つの病気、あるいは遺伝子の異常でたくさんの症状が出ている。従来違う病名でいわれていたものが、その1つの原因だったといった形のものも、今も御議論に上がりましたが、それを別々の病気としてずっと見ていくのか、あるいは先ほどの索引ではないのですが、名前では検索できるけれども、それはどこかに集約してやるのかといった議論だと思います。時間を掛けて議論しないといけない問題かなと思います。

 今日は、大変重要な御指摘を頂いたと思います。ほかの点についてはいかがでしょうか。議事の(3)ですが、大体、御指摘いただいたような内容で、問題点は出尽くしたでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。まだ今日は少しの時間もあるかとは思いますが。よろしいでしょうか。

○宮坂委員 ですから、この情報をどこでまた検討するかということになると、当該の研究班なのですが、これを研究班だけにしてしまうと、本来、研究班と学会が非常にうまく連動できている所はいいのですけれども、必ずしもそうでもない所があります。これに関しては当該研究班で引き受けるけれど、学会には必ず用語委員会もありますから、学会と連動した結果を最終的にこちらにフィードバックしていただくのが一番いいのかという気がします。学会だけになってしまうと、あるいは研究班だけになってしまうと、ちょっと整合性が欠けてしまうので、これに関しては研究班で受けて、学会と連動した結果を、こちらにフィードバックしていただいて、ここで最終的に討議をするというのが一番いいのかなという気がします。

○水澤委員長 そうですね、それは従来もありましたが、学会だけではなく、あるいは研究班だけではなくて、両方に問合せをする、両方で擦り合わせをしていただいた結果を出していただくことは、お願いしていけばいいかなと思います。学会とかではなくて、多分こちらで決めなくてはいけないこともあると思いますので、それは今回の検討の後の課題になってくるかなと思います。

 ほかはどうでしょう。事務局からは追加で何かありますか。よろしいですか。今の議論については大丈夫ですか。そうしましたら、少し時間は早いのですけれども、大変たくさんのいろいろな御議論や御指摘を頂いて、ありがとうございました。これ以外にも一覧に加えるような疾患もあるかもしれませんし、そういうことは今も議論がありましたが、研究班とか主要な学会に確認していただいて、擦り合わせをしていただく。その内容を精査した上で、改めてこの委員会でも検討したいと思います。全体としての整理の仕方等につきましては、こちらで決めていく必要があると思いますので、是非、後で送られる資料もよく御覧いただいて、御意見を頂ければと思います。

 最後に何か、これを述べておきたいということはありますでしょうか。よろしいでしょうか。

○千葉委員 追加ですが、先ほども直江先生も言われましたけれども、今後は次々と疾患の遺伝子が明らかになってくると、こっちとこっちが一緒だったとか、そういう話は山ほど出てくるので、やはり定期的なチェックというか、そういうものは必要になってくると思います。ですから、そこのところをどういうやり方でやるのか、それが1つのポイントだと思います。

 それから、これはもう既に言われましたが、学問的にまとめていくべきであるという話と、指定難病制度の中でどうしていくかという話とは、必ずしも常に一致するわけではありません。その辺はこの委員会が、ある意味、皆さんが一番よく御存じなわけですから、その辺をまとめて討議する場所というのはここでもいいと思うので、そういうことも必要かなと思います。

○水澤委員長 ありがとうございました。コンファームしていただいたと思いますので、大変感謝申し上げたいと思います。では、全体を通じての御意見は頂いたということで、これをもって本日の委員会はここまでにしたいと思います。今後の予定等、事務局から追加のお話をお願いします。

○徳本難病対策課長補佐 皆さん御議論いただき、どうもありがとうございました。本日、議事として挙げた(1)今後の募集について、チェックリスト等、御議論いただいたところを、参考資料4をもって今後のスケジュールについて説明します。本日の第19回指定難病、平成30年度の実施分の募集方法について、御議論いただいたところです。今後、各研究班などに、追加の指定難病の候補となる疾病についての御提案を受け付ける作業を開始します。次回の第20回以降、検討に係る疾病名一覧表の提示、疾病ごとの検討及び指定する疾病についての一定の整理を、23回程度ということで、前回、平成29年の実施分と同様な流れで行いたいと思っております。その後、パブリックコメント、学会の意見聴取、指定難病検討委員会における結果の取りまとめ、疾病対策部会における審議・決定、そして告示という形でやっていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 また、本日の議事の(2)患者からの申入れを起点とした指定難病の検討については、今後開かれる難病対策委員会の場で御議論いただくことを考えておりますので、引き続きまた先生方にも御協力いただけたらと思っております。また(3)の指定難病の対象となる疾病のうち、告示病名以外の疾病名の明示化については、先ほど申し上げたとおり、研究班及び学会に確認はさせていただきますが、一定の整理のルールについては、またメールなどで先生方に御意見を賜り、進めていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

 次回の指定難病検討委員会の日程については、決定次第、御案内申し上げます。事務局からは以上です。

○水澤委員長 それでは本日の委員会はこれで終了といたします。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(疾病対策部会指定難病検討委員会)> 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第19回) 議事録(2017年6月27日)

ページの先頭へ戻る