2017年6月26日 第13回労働分野経済協力に係る政労使懇談会

日時

平成29年6月26日(月)14:00~16:00

場所

厚生労働省 共有第9会議室(5号館20階)

議題

1 労働分野の国際協力の実施状況等について
2 アジア社会セーフティネット構築支援プログラムの改訂について
3 その他

議事要旨

※事務局から配布資料について概要説明後、意見交換が行われた。参集者からの主な意見等は次のとおりである。(順不同に記載)


○ アジア地域におけるグローバル・サプライチェーンのディーセント・ワーク実現に向けた体制確保支援事業について
(使用者側)
グローバル・サプライチェーンの末端が指すところや、ILO本部との関係、今後の事業の見通しについて教えていただきたい。
(政府側)
この事業は、インド、ネパールを中心としつつスリランカも含めた南アジアを対象として、例えば手工業者への支援を考えている。過去に実施していた同地域を対象としたインフォーマル事業の後継として、労働者の方々の生活水準の底上げを支援するもので、今年の秋から本格的に実施の予定である。
(労働者側)
インド、ネパール、スリランカのうち特にスリランカは日系企業(特に中小企業)にも関係している。サプライチェーンへの対応については、本来は日本の発注者を巻き込まないと効果的ではない。発注者をテコにして、サプライチェーンの中の労働条件を良くしたり、社会的保護をやったりすると非常に効果があがると考える。
(政府側)
「レベルプレイングフィールド」が鍵であると考える。日本企業だけの手足を縛ると、逆に他国の企業を利する面があるため、進出先の国のキャパシティを向上させていくことが大きなアプローチとして重要である。グローバル・サプライチェーンだからといって発注元企業からのアプローチだけではない、別のアプローチもやっていかないと、アジアでは上手くいかないのではないかという考えが発想にあるとご理解いただければ幸い。

○ TPP加盟国における労働環境水準の向上事業について
(使用者側)
中核的労働基準というと労使関係だけに限らず幅広い内容が入ってくると思うが具体的な事業内容は何か。
(政府側)
ベトナム支援事業について、日・米・ILOで連携しているもので、日本が対応するものとしては、労使関係、労働関係法制に関する支援を実施している。ベトナムでは組合の設立等が難しい状況で、これに対して法的な手当を行っていく。また、組合の登録を受け付ける政府の意識を変えていくためにILOが支援を行う。
(使用者側)
ILOの国際労働基準局が実施するのか。
(政府側)
その部署も絡んでくるが、ILOベトナム事務所が中心。
(使用者側)
アジアの国でもたくさん条約を批准しているが施行に問題がある国がある。状況を良く踏まえて事業を実施してほしい。
(労働者側)
支援する対象はどこなのか。例えばVGCLは対象となるのか。
(政府側)
VGCLも対象となるが、まずは政府が対象の中心。これまで社会主義が長く続いている国であり、意識改革を図っていきたい。

○  国際労使ネットワーク等を通じた組織化による草の根支援事業
(労働者側)
本件事業は地道ながら意義ある活動と思料。是非、引き続き支援すべき。

○ 日本国厚生労働省とILOとの協力に関する覚書(MOC)について
(労働者側)
MOCの第4章で、日本人職員のILOでの採用及び昇進についての言及がある。労働界からも人材を送り出したいと考えており、政府の支援をお願いする。

○ 社会セーフティネットの構築のためのアジア・太平洋地域の域内協力の推進-アジア社会セーフティネット構築支援プログラム-改訂案について
(使用者側)
このコンセプトペーパーは、どのような目的で作成しているのか。また英語には訳しているのか。
(政府側)
政労使の合意により策定した本コンセプトペーパーに則り、戦略的に技術協力を実施していくため平成22年頃から活用している。英文は現状では作成していない。
(使用者側)
ビジビリティというのは何をやるのか。
(政府側)
ILOにおける活動現場でも日本の支援を受けていることを示していくこと。
(使用者側)
ILO本部があまり日本のビジビリティには気がついていない面がある。例えば、理事会資料でも例として日本の貢献が取り上げられる機会が少ない。もっと本部が理解できるやり方を考えてやるべき。
(政府側)
ご意見いただいた件については、MOCに基づきILO本部とも年次戦略協議を実施していきたい。可視性については、支援対象国に対するものが一番である。



※ 議題2については、一通りの意見が出尽くしたところ、内容については承認がなされた。

照会先

国際課国際労働・協力室開発協力第二係

03-5253-1111(内線7314)