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2017年4月12日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第80回議事録

○日時

平成29年4月12日(水)12:08~12:41


○場所

TKPガーデンシティ竹橋(2階大ホール)


○出席者

松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員 中村洋委員
幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員
中川俊男委員 万代恭嗣委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
五嶋規夫専門委員 昌子久仁子専門委員 日色保委員
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○部会長の選出について
○保険医療材料制度の見直しの検討について

○議事

○眞鍋医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 本日の中医協総会におきまして、保険医療材料専門部会に属する公益委員に変更がございましたので、新しい部会長が選任されるまでの間、私がかわって進行をさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○眞鍋医療課企画官

 ありがとうございます。

 それでは、ただいまより第80回「中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会」を開催いたします。

 当部会に属する委員に異動がございましたので、御報告いたします。

 2月28日付で西村委員が退任され、その後任といたしまして、3月1日付で関委員が発令されております。

 また、3月31日付で印南委員、十河専門委員、田村専門委員が退任され、後任といたしまして、4月1日付で中村委員、五嶋専門委員、日色専門委員が発令されております。

 続いて、本日の委員の出欠状況について御報告します。本日は、榊原委員が御欠席とのことでございます。

 なお、冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。

(カメラ退室)

○眞鍋医療課企画官

 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は、まず部会長の選出を行わせていただきます。

 社会保険医療協議会令第1条第6項の規定によりまして、部会に部会長を置き、当該部会に属する公益を代表する委員のうちから、当該部会に属する委員が選挙することとされております。

 部会長につきましては、慣例によりますと、先ほどの薬価部会も同様でございますけれども、1号側及び2号側の御意見を伺った上で、御賛同があれば決めていくということになってございます。保険医療材料専門部会の部会長につきましても、このような方法で行いたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○眞鍋医療課企画官

 どうもありがとうございました。そのように進めさせていただきます。

 まず、1号側の委員から御推薦をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 1号側としては、関委員にお願いしたいと思っております。

○眞鍋医療課企画官

 続きまして、2号側の委員からいかがでございますでしょうか。

○中川委員

 2号側も関委員にお願いしたいと思います。

○眞鍋医療課企画官

 ありがとうございました。

 1号側、2号側とも関委員を御推薦いただきましたけれども、関委員に部会長をお願いするということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○眞鍋医療課企画官

 どうもありがとうございました。

 それでは、関委員に保険医療材料専門部会長をお願いいたします。

 関部会長より一言御挨拶をお願い申し上げます。

○関部会長

 中医協のメンバーになったばかりでふなれなこともあるかと思いますが、よろしくお願いします。

○眞鍋医療課企画官

 どうもありがとうございました。

 それでは、今後の議事進行を関部会長のお願い申し上げたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

○関部会長

 部会長代理については、社会保険医療協議会令第1条第9項の規定によりまして、部会長があらかじめ指名する者が部会長代理をすることとされております。引き続き、松原由美委員に部会長代理をお願いすることとしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○関部会長

 ありがとうございます。

 部会長代理は引き続き松原由美委員にお願いいたします。

 それでは「保険医療材料制度の見直しの検討について」の議事に入りたいと思います。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 それでは、資料を用いまして、御説明をさせていただきます。

 中医協材-2をごらんください。「保険医療材料制度の見直しの検討 論点1イノベーションの評価(その1)」ということで御提案をさせていただくものでございます。

 2コマ目でございますが、論点として1.2.3.それぞれ使用実績を踏まえた評価が必要な製品、先駆け審査指定制度に指定された製品、ニーズ選定されたが開発に至らない製品、この3つについて、本日御議論いただこうと思ってございます。

 本日の論立てでございますけれども、まず冒頭材-2の参考の資料をごらんいただけますでしょうか。こちらは先々月2月8日に当部会におきまして、今後の見直しの議論をどのように進めましょうということでお諮りした際の資料でございますけれども、この材-2参考の3ページ以降に30年度診療報酬改定に向けた見直しにおける検討項目案としてお示しをしたものでございまして、その中で3ページの下(1)保険医療材料の特性に照らしたイノベーションの評価方法の検討ということで、(1)-1新たな評価方法の検討、ここから1、2、3とございます。このように整理されたものにつきまして、冒頭から本日御審議いただこうと思っております。

 それでは、材-2に戻らせていただきます。4コマ目のスライドをごらんください。具体的な事例といたしまして、本日2つ持ってきてございますが、その1つ目でございます。吸収性冠動脈ステントということでございますけれども、こちらは下に絵がありますが、そこにポツが2つございます。冠動脈病変の治療に使用する、薬剤溶出型の生体吸収性のスキャフォールド及びデリバリーシステムであるということでございますけれども、従来、このようなシステムは金属製のステントであったところでございます。そういったものは留置した後ずっと遺残するわけでございますが、本品の特性は約3年で生分解し消失するということが特徴ということでございます。

 こういう長期のよい成績が見込まれるという製品でございましたが、国内臨床成績自体は、その下に解説を書かせていただいておりますが、XIENCE、ザイエンスと読みますけれども、溶出型のステントの比較試験が行われまして、主要評価項目は12カ月における標的病変不全期間において非劣性、つまり同等であるというような試験であったところでございます。

 下に○を2つ書かせていただいております。臨床試験で先ほど申し上げましたように1年間の観察期間で非劣性であることが示された。生分解し、消失するという本品のメリットは、さらに長期間経過後にあることが想定されるということでございます。

 5コマ目でございますが、こちらは牛の心のう膜を用いた僧帽弁のものでございます。僧帽弁置換術に使用する牛心のう膜を用いた生体弁であります。生体弁の課題につきましては、石灰化が長期に使用すると起こってくるということでございまして、長期的には弁機能不全、再手術ということが想定されるわけでございますが、これをいかに低減させるかということでございます。本品につきましては、従来品に対してさらに生体組織に熱処理を加えるという工夫を行いまして、石灰化を抑制するような処理がなされたものでございます。

 その下にポツを3つ書かせていただいております。従来品同様の生体弁でございますが、従来品の20年長期臨床成績が2014年に発表されたところでございます。このように、長期の期間を要するということでございます。

 3つ目のポツでは、石灰化抑制処理の改善によりまして、従来品との臨床上の効果の差を示すには、さらなる観察期間が必要であるということでございまして、下の○で書かせていただいておりますけれども、本品のメリットは、長期経過後の成績で示されることが想定されるというものでございます。

 6コマ目でございます。今、申し上げましたように、保険医療材料の中には、長期に体内に埋植するものあるいは革新性の高い技術に伴うものがございまして、薬事承認を得るまでの評価においてでは、最終的な評価項目を検証することが困難な場合がある。その裏腹でございますが、エビデンスを得るのに時間がかかり、価格に反映させることが困難という特性があるということでございます。

 論点として、2つ書かせていただいております。長期に体内に埋植する製品など、使用実績を踏まえて長期経過後に再評価できる仕組みを検討してはどうか。例えば、製品導入時には評価できなかった部分について、使用実績を踏まえて、保険収載後に再度新たな機能区分の申請ができるような運用について検討してはどうかというように論点を立てさせていただきました。

 7コマ目、こちらが2つ目の先駆け審査指定制度に指定された製品についてということでございます。

 8コマ目は、こちらは、先駆け審査指定制度の概要のパワーポイントでございますので、説明は省略させていただきます。

 9コマ目、10コマ目、11コマ目で、これまで指定したものをお示ししております。9コマ目が、平成28年の2月10日に指定されたものでございます。このうち5つ指定しておりますけれども、この右側の表の上から2つ目に関しましては、平成29年3月に開発中止により指定が取り消しをされているものでございます。

10コマ目、11コマ目が、こちらがことしの2月28日に指定したものでございます。いずれも審査期間を大幅に短縮することとして指定したものでございます。

12コマ目でございます。こうした先駆け審査指定制度に指定された医療機器に関しましては、特定保険医療材料として現在のところ、この指定を根拠とした評価の仕組みはないところでございます。

 一方で、この先駆け指定される製品の開発企業にはベンチャー企業もあるということでございまして、インセンティブが必要との指摘もあるところでございます。

 医薬品におきましては、先駆け審査指定制度加算というものが既に設定されているところでございます。

 論点といたしましては、こうした先駆け審査指定された医療機器につきまして、評価のあり方を検討してはどうかというものでございます。

 最後の論点でございますが、ニーズ選定されたが開発に至らない製品についてということでございます。

14コマ目、15コマ目は、この医療ニーズの高い医療機器等の検討の流れを示したものでございます。

16コマ目でございますけれども、このニーズ検討会からの開発要請及び公募についてということで、平成28年度診療報酬改定時に材料制度におきましても対応を行いました。それに関しまして概略をお示ししておるものでございます。ニーズ検討会で検討しましたもので、医療ニーズの高いものの迅速な医療現場への導入を促進するもの、そして、国内で開発企業がない場合は公募するというものでございます。

28年度改定におきましては、公募に応じて開発されました新規医療材料、それから、当該企業から次に保険適用希望申請される新規の医療材料につきまして、機能区分の特例という対象としております。

 開発要請または公募に応じて開発されたものに関しましては、当初、外国との価格平均の比較の仕方も若干緩和しているところでございます。

17コマ目でございますが、今、申し上げたことを、これは前回改定の説明資料から当該部分を抜粋してきたものでございます。

18コマ目、それをチャートとしてどのような流れで行うかということをお示ししたものでございます。

19コマ目、これまでの選定品目の状況ということでございますけれども、本年1月末日までに127品目が選定されてございます。そのうち半数以上は開発が促進され、承認施行済みとなっている一方で、いまだ開発に至っていないものがあるということでございます。こちらの下の表に書いてございますけれども、現在開発要請中あるいは公募中というものが、それぞれ33品目、4品目ということでございます。

20コマ目には、ニーズ選定されてから5年以上経過した公募中、開発要請中の品目についてをリストとして掲げさせていただいております。

21コマ目でございますけれども、平成28年度以降のニーズ選定品の収載実績ということで、1年間たったわけでございますが、昨年度いっぱいで保険適用された新規医療材料につきまして、このスキームが使われて収載されたものはないということでございます。

22コマ目、こちらは最後のスライドでございますが、28年度診療報酬改定では今、御説明したような対応を行ったところでございます。そのときには、宿題事項としては、ニーズ検討会から開発要請を受けているにもかかわらず、一定期間以上開発を進めない企業に対する対応についても検討するとされていたところでございます。

 現状といたしまして、現時点で活用された製品はございません。また、制度が導入されてからの期間は1年間ということでございまして、それぞれ医薬品にしてということもありますけれども、医療機器のほうでも開発を検討していた製品が薬事承認を取得し、そして、保険収載されるまでには一定の期間がかかるということ、これは同様でございます。

 論点といたしまして、実績を踏まえまして、医療ニーズの高い医療機器について、今後どのように考えるか。また、ニーズ検討会から開発要請を受けているにもかかわらず一定期間以上開発を進めない場合についてどう考えるかという論点とさせていただきました。

 最後、材-3で、こちらは医薬品のほうでも検討スケジュールをお示ししたものを材料バージョンでお示ししてございますけれども、今回医薬品の薬価の抜本改革に係る基本方針が出たということで、医療機器につきましても、材料につきましても、検討を前倒しで進めております。今後このようなスケジュールで進めたいということをイメージとしてお示しするものでございます。

 事務局からの御説明は以上でございます。

○関部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関して御質問などありましたら、お願いします。

 平川委員、お願いします。

○平川委員

 質問がございまして、先駆け審査指定制度に指定された製品の関係で、12ページで「特定保険医療材料として評価する仕組みがない」と書いてあります。要するに、なぜ評価する必要があるのかということが下の2つだと思いますけれども、その一つにベンチャー企業というものがあって、これが理由になるのかどうかをお聞きしたい。

 もう一つは「医薬品においては」と書いてあるのですが、医薬品にあるから特定保険医療材料にもそういう仕組みを設けようということなのだろうと思うのですけれども、それが本当に理由になるのかどうかわかりづらいので、どう考えて評価する必要があるのか、もう一回説明をお願いできればと思います。

○関部会長

 医療課企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

12枚目のスライドに係る御質問でございました。2つ目のこちらのベンチャー企業もありましてインセンティブが必要との指摘があるということでございますが、これは一応ファクトとしてということでございますけれども、ベンチャー懇と言われる厚生労働省の中での別の懇談会がございまして、その中でも医療系のベンチャーに関しまして、インセンティブが現在のところ低いのではないかという指摘があるということで、ここは私どもとしては絶対に必要と決めてかかって御説明しているわけではなくて、そういう指摘があるということを事実としてお示ししているところでございます。やはりベンチャーは体力がないということでございますので、そこの部分につきまして、この制度の中でどのように評価するのか御議論いただければと思っております。

 医薬品においても、この先駆け審査指定制度加算が設定されているということなのですが、私どもはこちらがあるから単純に医療機器でもということではなくて、とりあえず、私どもとしては今回お示しした論点に関しまして、周辺にあるファクトをきちんとお示しするということで、医薬品についてはありますけれども、材料の特性を踏まえてどのように考えたらよろしいでしょうかという御議論ということで考えていただければと思っております。

 以上です。

○関部会長

 事務局、追加でお願いします。

○磯部医療機器審査管理課長

 医療機器審査管理課長の磯部でございます。

 今の先駆けは私どものほうで運用させていただいておりますので、一つ御説明したいと思うのですが、9ページから始まるこの品目、大体ごらんいただきますと、もともと医療機器の場合には、臨床現場のドクターが患者さんを目の前にして、どうやったらこの人たちの治療ができるのかということのいろいろな手づくりから大体始めて、なかなか企業に取り組んでいただけないようなものの材料をいろいろなメーカーさんにお願いして実際に開発をして、何とか製造販売してくれる企業を探して製品化するものが多いのです。特に、いわゆるオープンイノベーションということでもあるわけですが、アカデミア、それから、医療現場の中からいろいろなシーズがありまして、それを苦労して苦労して、何とか育て上げて、企業も探して、実際に製品化につなげていくといったことをかなりいろいろやっております。そういったことにつながっているものの多くが、実は医療機器の先駆け品目になっておるのです。私どもとしては、そういうものを、努力をぜひ大事に見てあげていただきたいと思いますし、世界でもなかなか取り組まれていないような分野はたくさんございますので、そういったことの努力はぜひ御評価をいただければ、私ども運用している立場から申し上げたいと思います。

○関部会長

 平川委員、お願いします。

○平川委員

 これは努力を評価するものでしたか。違うと思いますけれども。

○磯部医療機器審査管理課長

 おっしゃるとおりでございますが、その努力は、今まで治療法がないような患者さんに対しての治療を新たに提供するというものでございますので、それ相当の御評価をいただけないかということをお願いしているものです。

○関部会長

 平川委員、お願いします。

○平川委員

 全く納得できません。先駆け審査指定制度は指定基準がございますね。それと全く整合性がないと思いますので、今の発言は全く納得できないというように意見として言わせていただきたいと思います。

 いずれにしてもここは中医協の場なので、診療報酬点数をつける場なので、ベンチャー企業などと入ると、頑張っている大企業はどうなのだということも出てきます。制度に沿った形の表現とするとともに、医薬品とこの特定保険医療材料の違いも私はよくわからないところもありますし、9ページ、10ページ、11ページも、なぜこれが先駆け審査指定品目になっているのか、これだけではわからないので、今後でいいので、どの辺に画期性があるとか、対象疾患の重篤性の観点からどうなのかという評価がわかるものを出していただけるようにお願いしたいと思います。

 以上です。

○関部会長

 よろしいですか。

 ほかにいかがでしょうか。

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 方向性につきましては、ある程度具体的に、特にイノベーション評価の1と2については事務局から提示されておりますので、この方向でおおむね賛成させていただきたいと思います。さらに具体的な項目につきましては、今後また御提案があると考えています。

 3番目のニーズ選定されたが開発に至らない製品について、ちょっと質問させていただきます。19ページで127品目が選定されて、約半数が承認施行済みとなってございます。ただ、直近のデータで、21ページで説明いただきましたように、保険適用希望申請されていない状況でございますので、これについて、医薬品と医療機器との特徴の差ということにつきましては、前回のこの部会で参考資料としてお示しいただきましたので、それはそれとして十分了解しておりますし、現場の感覚としても納得できるものではございます。ただ、このニーズ検討会において、先ほど審査課長も言われましたけれども、ニーズ選定されるということは現場の要求ということにもつながろうかと思いますので、これが半数程度手つかずのままにされているということにつきまして、ぜひ専門委員の方の御意見を伺えればと思いますが、いかがでしょうか。

○昌子専門委員

 御質問をありがとうございます。

 この一つ一つの製品と対応している会社さんの状況については、私どもでは詳細にわかりかねる状況ではございますが、ニーズがあるのでこれを開発しているという状況を勘案しましても、開発に至らないポイントはどういうことなのかということをつまびらかにしていただくとともに、我々としましても、業界を通して対応している会社さんに開発を促していければと思っております。

○関部会長

 よろしいでしょうか。

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 個々の事例についてはなかなか御説明しにくいということは十分了解いたしますが、現場からのニーズが高いと判断されたものについて、一定程度、この22ページの論点にありますように、開発が進められないということにつきましては、何らかの措置も含めた形の対応をしないと、いつまでもそのままというわけにもいかないかなとも考えておりますので、今後の議論の参考とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○関部会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 どうも腑に落ちないのですけれども、医療ニーズの高い医療機器が開発されないというのはおかしくないですか。高かったら開発するでしょう。医療ニーズがあるものと高いものとの区別はどうなっているのかと思うのですが、企画官、どうですか。

○関部会長

 医療課企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 直接、この会の事務局ではないので、私から御説明するのは適切かどうかわかりませんが、御指名でございますので、お答えさせていただきます。

 あるのと高いのとは違うのではないかという御質問でありましたけれども、現場におきまして、患者さんのニーズを踏まえて、今ある機器からどのように改善していくといいか、あるいは、こういうことがあるといいな、あるいは海外で使われていて、なぜ日本で使えないのかというような、そういう目の前のニーズがわかりやすいのが医療機器だと私は思っております。その上で、その機器があると非常に日本の臨床がまた一歩進むとか、非常に患者さんにとって利益が大きいとか、そういうものがニーズ選定されているものと私は承知をしております。また、それは当然学会や患者さん団体から御要望があるものと御承知をしております。不十分でありましたら、医薬からも補足をいただければと思います。

○中川委員

 磯部課長、お願いします。

○磯部医療機器審査管理課長

 ありがとうございます。医療機器審査管理課長でございます。

 実は、今の中川委員の疑問に関しましては、私どもも定期的に進んでいないものについてメーカーにどうして進んでいないのですかということを公式に聞いておりまして、それについてどういう理由を言っているのか、また機会があればお出しをしたいと思ってございますし、資料も公表させていただいています。我々が聞くと、どのメーカーもやっていますとまず間違いなく言います。ただ、何年たっても同じような答えが多いのです。それはいろいろ考えてみますと、いろいろ話を聞いてみますと、現実に医療ニーズが高いものの実際に出る量が非常に少なかったり、メーカーも小さい企業が多くて開発パイプラインを何本も持てない。どうしても収益性が高いものにシフトせざるを得ない。収益性が低いものは、どうしても後回しになってしまってどんどんどんどん開発がおくれていく。ニーズが高いのはわかっているのだけれども、企業の体力ですとか収益性の問題でどうしても後回しになって、やる気はあるのだけれども、なかなか取り組めないということが、大枠としてはそういう感じではないかと捉えております。

○関部会長

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 磯部課長が今、言ったのは、ニーズがあるのはわかっているのだけれども、でしょう。高いのはわかっているのだけれども、ではないでしょう。だから、このニーズ検討会で医療ニーズが高いと判断する基準がどうも明確でないと思うのです。明確に判断しているのでしょうけれども、例えばある学会から要望があった、これイコール医療ニーズが高いとなるような気がするのですけれども、違いますか。

○関部会長

 医療機器審査管理課長、お願いします。

○磯部医療機器審査管理課長

 実は、こちらのほうでは今ワーキンググループで大体やっておりまして、そこでの議論では基準としてはその疾患の重篤性、それから、代替治療があるかないか、ほかの治療があった場合でもかなり有用性があるのかどうかという視点で議論をしてございます。それで、その学会以外の方も入っていただいて、実際のワーキンググループでの議論をお聞きしておりますと、かなりエビデンスがあるのか、本当にニーズがあるのか、学会はそうおっしゃるけれども、本当にそうなのかということをかなりやっておりまして、その辺の意見をまとめて親委員会に上げていく形に今、させていただいております。そのような形でやっておりますので、私どもとしては、かなり公平に医療ニーズの高さというものを評価しているつもりでございます。

○中川委員

 わかりました。

○関部会長

 ほか、いかがでしょうか。

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 関連して、例えば20コマ目をもう一度見ますと、この左から3コマ目のところに技術の名称がございまして、個々のものを見ますと、やはり審査課長が言われるようにニーズの高いものが並んでいるなと思いますし、その隣の隣の企業名を見ますとそれなりの企業名が並んでいるように思いますので、ここのところは、ワーキンググループも含めた促進策もあるということ、あるいは評価軸も設定されているということでございますけれども、ぜひここのところを推進するような仕組みもお考えいただきたいと思います。

○関部会長

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

20ページで示されている開発要請中の品目に関して、開発が進んでいない理由は、どのようなものがあるのでしょうか。たとえば、開発する技術があるのに、収支的に見合わないからあえて開発を進めていないもの、それとも、開発する技術がないから遅れているものなどが理由として考えられますが、どちらが主な理由なのでしょうか。それによっては、開発要請に向けてペナルティが必要なのか、インセンティブが必要なのかという判断に分かれると思うのです。企業にはコンプライアンスがあるので、特にこのような公的なのものの開発要請を受けているという点を考慮すれば、技術があるにもかかわらず収益の観点から開発しないということは、ペナルティのようなものが必要だと思いますし、どうしても技術がついていかないから、もう少し何かインセンティブを与えていただければ開発を行うということであれば、インセンティブのようなものが必要になると思うので、開発が進んでいない理由をお教えいただけないでしょうか。

○関部会長

 医療機器審査管理課長、お願いします。

○磯部医療機器審査管理課長

 現在、ここのニーズで5年以上経過したものについては、基本的には欧米で承認されたものでございますので、一定の技術がもうある、性質のものがあるということでございます。新たに入れているものは、これから開発されるものも対象にしておりますので、そちらについては、また今の幸野委員の議論で、まだ技術的に確立していないものも出てくると思いますが、ここで挙げさせていただいたものは欧米で承認され使われているものでございますので、技術的にはできていると思います。

 もう一つ、規制側から言いますと、企業の方々の御意見から伺うと、国内で治験を求めるかどうかというのはまた一つの御議論がありまして、一定の金額がかかりますし、当然、出せる医療機関も非常に数は限られて、市販後調査の責務もかかってまいりますので、そういうこともトータルで考えたときに、企業としてやれるのかという判断が出てくるかと思います。そういう意味では、技術的にはできると思いますが、そういった実際の市場の問題、それから規制の問題等々あろうかと思います。

○関部会長

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 ということは、この資料で示されている開発要請中のものは、企業は技術を持っているにもかかわらず、収支上見合わないという理由で開発されていないということですね。それは問題があると思います。まずはコンプライアンスという点で、私はその企業の資質を問うべきだと思いますし、そこにペナルティをかけるかどうかは別の問題ですが、少なくとも今の事務局の話を聞くと、インセンティブを与えるというのは妥当ではないと思いました。

○関部会長

 医療課企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 御指摘ありがとうございます。20ページのリストにあります品目についてというところで今、御議論が進んでおるところでございますけれども、まず、きょう非常にプレーンな形で議題として出させていただきましたが、今後、今、御指摘をいただいたところを踏まえて、もう少し深掘りをして、例えばインセンティブでやるべきなのか、あるいは幸野委員がおっしゃるような形でやるべきなのかということを、個々の事情は大分違う部分があると思いますので、事務局でそういうところを整理させていただいて、次回以降、またきちんとお示しさせていただきたいと思っております。

○関部会長

 よろしいでしょうか。

 ほかはよろしいでしょうか。

 ありがとうございました。本日いただきました御指摘を踏まえ、本件については引き続き議論を行いたいと思います。

 本日予定された議題は以上です。次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。

 それでは、本日の保険医療材料専門部会はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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