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2017年6月30日 第11回医療計画の見直し等に関する検討会

医政局

○日時

平成29年6月30日(金)9:30~12:00


○場所

厚生労働省 中央合同庁舎第5号館 低層棟2階 講堂
東京都千代田区霞が関1-2-2


○議事

○原澤課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第11回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、まことにありがとうございます。

 初めに、構成員の交代がございますので、御紹介いたします。斉藤構成員にかわりまして、公益社団法人日本看護協会の吉川久美子常任理事が新たに構成員となられました。よろしくお願いいたします。

 本日は尾形構成員、野原構成員より欠席との御連絡をいただいております。また、櫻木構成員はおくれていらっしゃるとの御連絡をいただいております。佐藤構成員については、所用により途中で御退席されることになっております。

 私どもの医政局長の神田については、都合により欠席させていただいております。

 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 お手元に議事次第、座席表、開催要綱、構成員名簿のほか、資料1から5、参考資料1から3をお配りしております。不足がありましたら、お知らせください。

 もし、報道の方で冒頭、カメラ撮り等をしている方がおられましたら、ここまででお願いいたします。

 それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。

○遠藤座長 皆様、朝早くから御苦労さまです。おはようございます。

 それでは、早速議事に入らせていただきます。1つ目は「介護施設・在宅医療等の新たなサービス必要量に関する考え方の整理について(その3)」を議題としたいと思います。

 まず、事務局から資料の説明をお願いします。

木下課長補佐 事務局でございます。

 お手元に資料1を御用意ください。

 この議題は、前回第9回、前々回第10回と御議論いただいた内容につきまして、今回の第11回におきまして、これまで議論いただいた内容を整理して、本日御了解いただきたいと思っております。

 2ページ目に論点を挙げておりまして、3ページ目に全体像をお示ししております。いわゆる30万人と私どもが申しておりますのが、この全体で見ていただいている上の部分になりますが、今後、2025年に向けた在宅医療の体制構築の全体像を3ページでお示ししているところでございます。

2025年に向けまして、在宅医療の需要は、高齢化の進展や地域医療構想により大きくふえることが見込まれております。この需要の増大に確実に対応していくためにどういう提供体制を構築していくかということが非常に重要になっております。

 下の絵を見ていただきますと、現行、既に訪問診療を利用されている方のボリュームは、今後の高齢化の影響により、おおよそ2025年に100万人程度が見込まれております。それにさらに追加的な需要として、今後の病床機能の分化連携に伴い生じる部分としまして、上の部分に介護施設や在宅医療等のサービスとして30万人程度見込んでいるということになります。

 このうち、これまで特に御議論いただいておりましたのが、一番上にあります一般病床から出てこられる方々をどのように受けとめるかというところにつきまして、たくさん宿題をいただいてきたところでございます。

 4ページをお開きください。本日の議題の中では、ここに書いております(1)、(2)のマル1、マル2、(3)、(4)と分けまして、それぞれの論点について改めて確認させていただきたいと思っております。

 5ページ、前回第10回で今後のサービス量の見込み方をどのようにやっていくのかということつきまして、事務局で考え方の整理をしたものを再掲しているところでございます。ここに書いてあります番号と前のページの図の番号は一致しているところでございます。

 7ページをお開きください。まず、順にそれぞれの必要量の見込み方、考え方について御説明してまいりたいと思います。まず、一般病床から生じる新たなサービス必要量につきまして整理させていただいております。

 8ページをお開きください。一般病床から来る必要なサービス量につきましては、これまでの検討会におきまして、の1つ目、患者調査の結果を用いることによって、例えばサービスつき高齢者向け住宅についてはどの選択肢に入っているのか。退院後数日なのか、1カ月後なのかといったことを御指摘いただいております。

 また、経年的なデータも必要ではないか。

 ○の3つ目、患者調査は長く入院している人の比率がどう出ているのかも確認が必要だろう。

の4つ目、入院される前にどこにいたのかということについても分析してはどうかという御提案をいただいておるところでございます。

 9ページ以降、それぞれにつきまして御説明してまいります。

 まず、9ページ、前回、患者調査の概要という宿題をいただいておりましたので、9ページにつけております。患者調査につきましては、9月1日から30日まで1カ月間を調査期間といたしまして、層化無作為により抽出した医療施設における患者を調査しております。平成26年の調査対象、集計対象として6,402病院、客対数として104.9万人、一般診療所で5,893施設、客対数として0.9万人程度を対象にした、我が国における患者の病態を把握する一番大きな調査と認識しております。

 一番下に注をつけておりますが、サービスつき高齢者向け住宅は退院先では「家庭」に含まれているところでございます。

10ページ、前回御指摘がありました経年の推移がどうなっているかということを10ページにまとめております。こちらには前回平成26年の調査だけをおつけしておりましたが、平成20年、23年と直近3回分の調査をつけております。一般病床からの退院先は赤で囲っておりますが、もともとの入院されていた病院に通院される方、もしくは他の病院、診療所に通院される方を含めまして、約80%につきましては、この直近の3回のデータで大きく変わっていないというところでございます。

 一方で、在宅医療や施設に退院後に行かれる方の割合につきましても大きな変化は認めていないところでございます。

11ページをお開きください。前回、前々回の議論の中で、退院先の情報をお示ししたところでございますが、入院前どこにいて、退院先がどうなっているかということを11ページに整理させていただいております。こちらを見ていただきますと、一般病床の入院患者につきましては、入院前の場所は自宅から通院していただく方が約8割を占め、退院先としても8割という状況になっております。また、この割合については65歳以上の方に限っても同じ傾向となっております。また、在宅医療もしくは介護施設を利用されていた方の入院前の割合と退院後の割合を見ていただきますと、その割合についても変化がないということが見てとれるかと思います。入院というイベントを介しても、在宅のサービスを利用されている方、介護サービスを利用されている方のボリュームにつきましては変化がないということを見てとれるかと思います。

12ページをお開きください。入院期間別の退院先の状況も確認させていただきました。これは一般病床から退院された方の割合を見ておりまして、一番左の列がこれまで総数としてお示ししていた割合になります。右に行くにつれて入院期間が長くなっておりますが、一番右の列が入院期間が6カ月以上という方になります。

 この欄を見ていただきますと、通院の割合は減少しているところではございますが、他の病院、診療所に入院されている方、当該医療機関ではないまでも医療サービスを継続的に利用されている方の割合はふえていきます。また、一番下の欄になりますが、死亡退院されている方の割合は大きくふえております。こちらについてはやはり長期であることに関しましては、客対数が少ないという点に留意が必要かと思っておりますが、これまで御説明していました在宅利用される方、もしくは介護サービスを利用される方が退院後に多いという傾向は見てとれなかったところでございます。

13ページをお開きください。これまで御説明してまいりました一般病床から生じる新たなサービス必要量への対応でございますが、の2つ目、これまで各構成員からいただきました御指摘を踏まえて、今回、データを御用意させていただいたところでございます。改めてこれらの結果を踏まえて一般病床から退院する患者の大宗は外来ということが見てとれるのではないかと思っておりまして、必要なサービス量を見込むことにつきましては、一般病床からの分につきましては外来医療で対応するということを基本とさせていただければと考えております。

 続きまして、15ページをお開きください。次に、療養病床から介護医療院等へ転換する見込み量に対してどのような考え方で整理するかということに移りたいと思います。

16ページをお開きください。新しい在宅医療等対応可能数の中の新類型等転換分につきましては、左下で囲っておりますけれども、まずは新たなサービス必要量全体としては第7次医療計画終了時の推計が全体になります。そのうち新類型の転換分につきましては同じ時点であります平成35年度末時点におきまして現在検討されています介護医療院等に転換される病床の量、つまりは現在の介護医療病床相当数をこの転換分として見込み、それを除いた部分としまして、今、赤でをつけているところでございますが、在宅医療等対応可能数が残りの数という関係性にさせていただければと思っております。

17ページをお開きください。今、申しました療養病床から介護医療院等へ転換する見込み量につきましては、大きく今後の計画の策定で2つ使うことが想定されております。1つは、在宅医療や介護の受け皿としての整備目標の設定に用いること。もう一つは、16ページでお示しいたしました療養病床の基準病床の算定式の在宅医療対応可能数にも活用することを予定しております。当然ながら、これらの数を把握するには各施設各医療機関の転換の意向が重要となってきますので、今後医療と介護の協議の場を活用しつつ、都道府県の医療部局と介護部局の連携、さらには市町村と都道府県の連携によって、これらの状況を的確に把握していくことが必要と考えております。

 そのため、四角囲みになりますが、転換する見込み量は都道府県と市町村の連携のもと、調査を行いまして、把握した数を活用することとしたいと思っております。その際の調査すべき事項につきましては、国のほうから例示としてお示しさせていただければと考えております。

 介護療養病床につきましては、経過措置の期間が平成35年末とされていることを踏まえまして、32年度、中間地点におきましては、調査によって把握した数、また、経過措置の35年度末につきましては、全数に相当する数を下限として転換する見込み量として設定することとしてはどうかと考えております。

18ページをお開きください。今、申しました、今後転換意向を調査するといった場合にどのようなことが見込まれるかというところも含めまして、昨年6月に静岡県で転換意向の調査をされたものを資料としておつけしているところでございます。

 結果の概要は左になりますが、まず、ここで医療療養病床の25対1の医療機関が41ございます。そのうち30機関については20対1へ移行。11の機関についてはその時点においては転換先は未定。1つの医療機関においては他の施設、老健施設等への転換を選択されております。こういった形で各医療機関がどういう先に転換するかという意向調査をするということを今後各都道府県と市町村の連携において御検討いただきたいと考えております。

 右下に書いておりますが、28年度時点で未定が一定程度あるところでございますが、この時点におきましては、介護療養病床の経過措置等のことがまだ判然としていなかった時点であるということもございます。また、静岡県におかれましても、今年度もさらに調査を行うと伺っているところであります。

19ページにお進みください。今、御説明いたしました療養病床から介護医療院へ転換する見込み量の把握のイメージをつけておりまして、一番下にありますのが介護療養病床から転換する量で、32年度末におきましては今回の転換の意向調査を踏まえること。35年度末につきましては、介護療養病床の全数をここで見込むことを想定しておりまして、その上に乗っている部分が医療療養病床からの転換分と、こちらにつきましても調査によって把握した量を見込むことを想定しております。その仮の部分が上で囲っているところでございますが、この部分を在宅医療もしくは介護施設で対応するという関係性を整理させていただいているところでございます。

21ページにお進みください。今、一番上の一般病床からの部分と介護療養からの転換分を御説明してまいりましたが、最後、残っている部分といたしましては、介護施設と在宅医療の按分の考え方という真ん中の線をどこで引くのかということが残っている課題になっております。以降、どのようにこの按分を考えるかというパターンを幾つか用意させていただいております。

22ページをお開きください。在宅医療のサービスを利用される方と、施設サービスを利用される方の按分ということで、現時点で使えそうなデータを3つほど御紹介したいと思います。まず、患者調査の結果の活用が1つ目として挙げられるかと思います。今、お示ししているデータが医療療養病床から退院する患者さんの退院先の状況となります。こちらにつきましては非常に粗い数字ではございますが、在宅医療を利用される方が1.5千人、介護サービスを利用される方が足し合わせると4.8千人程度ということで、大まかな比をとりますとこの比が1対3となることが見てとれるかと思います。これはあくまで大きな概数としての捉え方ということで御紹介しているところでございます。

 次、23ページをお開きください。国保のデータベース、KDBのシステムを活用した場合のやり方を御紹介しております。国保のデータベースシステムには、国保連合会が各種業務を通じて管理する給付情報、その中には健診の情報ですとか医療サービス、介護サービスの情報が含まれております。これにつきまして、統計情報、個人の健康に関するデータを作成するシステムとして、平成2510月から稼働しているところでございます。この中には、健診の情報以外に医療情報と介護情報が入っておりまして、それらを組み合わせることによって、例えばこれらの審査・支払い情報を加工、抽出することによって、医療機関を退院された方が退院後にどの介護サービスを利用しているのかということを統計として把握することも可能となります。

 点囲みの中でございますが、例えば療養病床から退院した高齢者、65歳以上を抽出しておきまして、その方々が介護サービスをどのように利用しているかということを集計した例になります。こちらにつきましては、療養病床から退院した高齢者の中の医療区分1の方を抽出しまして、その後の介護サービスを利用されている方の割合を見ております。これから療養病床を退院した高齢者がどういった退院後の介護サービスを利用しているか、利用の動向が見てとれるということになります。グラフでいきますと左下になりますが、退院された方が特養・老健に来られるのか、有料やグループホームにいるのか、訪問・通所のサービスを利用されているのかということが、こういった形で見てとれます。

24ページをお開きください。地域医療構想の中で用いております各病院からいただいています病床機能報告のデータになります。このデータにつきましては、病棟ごとで入院前の場所だけではなくて、退院先の場所も病棟ごとに報告をいただいているところでございます。中段で囲っておりますが、退棟患者さんということで、単月のデータをここで集計いただいているところでございます。ただ、単月のデータということで、情報量が必ずしも十分ではないというところが課題として残っているところでございます。

 そのデータを使いますと、例えば25ページ、入院している患者さんの割合がどうなっているのか。また、その方々が退院した場合にどういうところで退院されているのか。どういうサービスを利用されているのかということが見てとれるということで、このデータも活用できるのではないかと考えているところでございます。

26ページをお開きください。在宅医療と介護施設のサービス量の受け皿をどのように見込むかというところで、今、3つほど調査を紹介したところでございます。それぞれ一長一短ございまして、患者調査につきましては、全国の調査結果であるために、各市町村で新たな調査をやる必要がないということはございますが、なかなかその制度につきましては、市町村の単位までの丁寧な対応ができるデータにはなっていないということがございます。

 国保のデータベースの活用につきましては、先ほども申しましたように、医療のデータと介護のデータをつなぐということで、詳細にわかるところではございますが、つなぐ作業ですとか、そのデータをどう分析するのかということにつきましては、市町村に相応の作業負担が生じるというところが一つ課題として挙げられるかと思います。

 3つ目の病床機能報告のデータにつきましては、この調査自体が単月分のデータということで、療養病床は入院期間が長い方が多いので、その方々の丁寧な状況の把握が難しいのではないかという点がネックになっているところでございます。

 そのため、これらそれぞれのデータの特性とか、メリット、デメリットを十分に踏まえた上で、各市町村と県の中で地域における在宅医療のサービス、さらには介護サービスをどのように按分するかというところについて検討いただくことが必要だろうと考えております。

27ページをお開きください。最後の御説明になります。

28ページにお進みください。今、申しました全体量のサービスをどう按分するのかという縦の軸につきまして、さらに加えて横の軸というところで時間軸が入ってまいります。第7次医療計画につきましては、35年度末ということで、6年間の計画の量を見込みますが、それに加えまして、医療計画の中間見直し32年度末、また、介護保険事業計画におきましては、第7期と第8期と3年サイクルで動いておりますので、この中間年の見直しが必要になってまいります。

29ページをお開きください。第9回の検討会でお示ししているところでございますが、この県でつくる計画と、市町村でつくる計画のそれぞれの整合性をとるという観点におきまして、医療と介護の協議の場を設定いただきまして、その中で御議論いただくことが必要と考えております。

30ページをお開きください。その協議の場におきまして、医療計画と介護保険事業支援計画を一体的に作成いただきまして、それらの計画の整合性を確保することが必要になります。その際に、医療計画における在宅医療の整備目標と介護保険事業計画における介護の見込み量を整合的にするということが求められますし、その際には四角囲みにありますが、調整する項目としましては需要の量、さらに2つ目として供給の量を見込んだ上で、(3)次期計画、第7次医療計画の中間見直しと第8期介護保険事業計画の策定に向けまして、中間年の段階における目標、見込み量の達成状況を適宜共有する必要があろうと考えております。

31ページを見ていただきたいと思います。中間年までの取り組み状況がどのように最終年に関係するのかということを整理させていただいております。

 まず、上のほうの在宅医療に相当する部分ですが、当然ながら、第7期で取り組みが不十分であった場合には、その分第8期に向けて残りの後半の3年間でさらなる上乗せが必要になるということも見込まれますし、介護施設におきましても、7期での取り組みが不十分な場合におきましては、地域の状況によるかと思いますが、第8期での整備が必要となる量が上乗せされる場合があると想定されるため、当然ながら、サイクル自体が3年サイクルでありますが、初めの7期、8期でそれぞれちゃんと頑張っていかないと、後ろのほうにしわ寄せがいくのだということを十分意識していただく必要があろうかと思いまして、こちらの資料を御用意させていただいております。

 最後、32ページから、サービス量の時間軸の比例按分につきまして、少し整理させていただいております。

34ページをお開きください。これらのサービスの見込み量を時間軸で見た場合には、比例按分するという方法を御提案させていただいているところでございます。この比例按分する際のスタートとゴールがどこかを34ページで整理しておりまして、スタート年につきましては足元として平成30年からスタートして、終わりを平成37年度末と設定すると、取り組みを行う機関としては丸8年間となりますので、その8年間をそれぞれ中間年、最終年に按分していって、目標を立てるということを基本にさせていただければと思います。

 説明は以上になります。

○遠藤座長 ありがとうございました。

○久米課長補佐 座長、すみません。今の資料の説明について補足です。

 まず、19ページを見ていただけますでしょうか。介護療養の転換分については、調査により把握した数について32年度の数を下限とすると申し上げました。これは医療療養についても当然、書き方が医療療養の話を明示的に書いていないので御説明しますが、都道府県と市町村の間で協議をして、当然、医療療養から転換してくる分についても上乗せで転換があるとなった場合には、医療療養分も下限として取り扱うという趣旨でございます。

23ページをお開きいただきますと、先ほどKDBのシステムについて御説明いたしましたが、今、御説明したのは介護分が見えるということを御説明しましたけれども、加えて、診療報酬のレセプトも連動していますので、情報として持っていますので、在宅医療の分も見られるということです。ですので、その点を補足させていただきます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、御意見、御質問等があればいただきたいと思います。いかがでしょうか。

 今村構成員、どうぞ。

今村構成員 資料の8ページ、11ページ、12ページあたりの患者調査の関係のことで、前回、長期の方々が退院した場合にどうしても数字が少なく出るということで、今回、資料をつくってもらって、大分踏み込んでもらったと思うのですが、まだ読み方で足りないかなと思う部分があって、コメントさせてもらいます。

 例えば11ページで、ほとんどの方々が通院ということですけれども、患者調査というのは頭数で数えますから、7日間入院した人も1ですね。150日入院した人も1で数えますので、それだけで考えても150日と7日の人は20倍換算して考えなければいけないのです。今、病床の必要量というのは延べ人数でやっていますから、頭数ではなくて延べ人数として何人必要かということなのだと思います。

 そういう目で、資料の12ページを見ていただきますと、6カ月以上の方々、比率が変わるということで指摘していただいているのですけれども、数が少ないからそんなに問題にならないかのようにさらっと通ったのですが、例えば死亡された方が2.2という数字が出ています。これが2.2ではなくて、例えば14日の方と比較しようと思うと、それぞれ平均値を考えたら、最低25倍、普通に考えれば50倍ぐらい掛けて比較しなければいけないと思うので、死亡の方が2.2というのは、14日の方と比較しようと思うと100倍ぐらいしないと恐らく比較できない。すると、死亡された方々が、数が少ないから無視していいという話ではなくて、非常に長い間入院されている間、通院で面倒を見ると言っているように聞こえてしまうのです。ですから、長く入院した方々がなかなか通院で見られないという面をもう少し重く見ないと、後々多分2万とか3万というオーダーで推計がずれてくると思うのです。ですから、もう少し長期入院された方々の部分を重く見たほうがいいと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 何か事務局はコメントはありますか。御意見として聞いておくだけでよろしいですか。

 事務局、どうぞ。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 長期入院の方々をどうするか、医療ニーズの中でどう見るかというお話と受けとめておりまして、この段階で、入院された方が退院された後に追加的なサービス量がどうなるかという視点において、今の段階で整理させていただくところとの関係性についてという御指摘でしょうか。

○今村構成員 今の整理の仕方としては、全員という前提で組まれていますから、そうすると、亡くなる方々が、これは6カ月以上ですから、180日以上入院している間の部分も外来で診ると言っているように聞こえるのです。そのC3以下になった死ぬ直前の方々が死ぬまでの間の期間とかを外来で診ると計算すると、ミスリードすると思うので、そこの部分を考えたほうがいいのではないかという指摘です。

○木下課長補佐 これを外来で見るというわけではなくて、追加的なサービス量には見込まないという御説明をしているところですので、御指摘がずれているのではないかと思っております。

○今村構成員 これからふえていく患者さんについて見込んでいるわけだから、亡くなる人が180日入院するという部分はふえるニーズとして足さなければいけないのではないかと思うのですけれども、そこは違うのですか。

○遠藤座長 本件については、もう少しお互い話し合って調整したほうがよろしいかと思いますので、とりあえずそういう問題意識が出ているということで、御対応をお願いしたいと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

 市川構成員、どうぞ。

○市川構成員 10ページの一般病床からの退院先の推移ということでございますけれども、20年と23年と26年、これは20年、23年、26年に退院された方という意味でしょうか。そのときそのときの退院の方々の行き先ということで。

○遠藤座長 では、事務局、お願いします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 当該年度の9月のデータに基づいた調査結果ということになります。

○市川構成員 私は、前に申し上げた20年に退院した方が何年か先にどういう状況にあるかということをできたらおっしゃっていただきたかったのです。そう申しますのは、20年に退院した方が何年かたつうちにだんだんと状況が悪くなって、結局通院できなくなる可能性もあります。経年的調査をお願いしたのは、20年に退院した方が何年か先にどういう状況になっているかということが知りたかったという意味でございます。

○遠藤座長 そういうものを新たに欲しいという御要望ですか。

○市川構成員 そう申しますのは、要するに必要量ですね。介護施設が。そのときに一回きりですと、その時点で。だんだんと年をとるに従って変わってくる。それを1人の患者さんの追跡調査みたいな感じで欲しかったということでございます。

○遠藤座長 当然これはそうではないわけで、新たな調査を必要とするような要望です。

 事務局コメントをお願いしたいと思います。

○木下課長補佐 今回お示ししておりますのは、あくまで単年度の調査の中でどんな変化が起こっているかということをお示ししているところでございまして、宿題に十分対応できているものではないかと思いますが、当然ながら年単位で1人の患者さんを追いかけたデータは非常に難しいところでございます。一方で、お示ししました23ページのデータにつきましては、説明を部分的に省いたところでございますけれども、こちらにつきましては退院後6カ月以内に介護サービスを利用した方という状況が見てとれるところで、一定程度、市川構成員の宿題に応えている部分はあろうかと思いますが、こちらを活用することにおきましては、それぞれの自治体で相当程度頑張らないと、なかなかこういったデータをつくることはできないというところがネックになっております。こういったデータも頑張れば使える状況にはあります。現状では、それ以上のお答えができる状況ではございません。

○市川構成員 将来推計をある程度、あと8年後でしょうか。年度のときに経年的推移という1人の患者さんのフォローアップスタディー的な部分はもう一つデータとしてあったほうがより的確な必要量がつかめるのではないでしょうか。要望です。

 

○遠藤座長 ありがとうございます。

 加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 同じところの質問になるかと思うのですが、C3未満を外来として、その8割が通院となるから外すという雰囲気のお話であると私は理解しています。そうするとその中で、8割であっても残り2割はどういう数字か、10万人の2割になれば2万人という大きな規模になるかと思いますし、また突然出てきました3ページの下の100万人、この数字の確認なのですが、これはどういうところから出てきた数字なのでしょうか。もし通院となれば、その8万人の方の部分は下のほうへ行ってしまうのかなと、それを下の数字の中でどうやって把握するのかということも教えていただけたらと思います。

○遠藤座長 事務局、お願いします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

100万人は突然出たわけではなくて、現行において訪問診療を利用されている方が大体60万ちょっといるということに対しまして、今後の高齢化の進展率をそのまま機械的に積算いたしますと、2025年度、平成37年度段階におきまして100万人程度になるということをお示ししているだけでございます。

○遠藤座長 加納構成員。

加納構成員 上の対になる8万人の中のいくらかは下のほうに行くということも考えられるわけでしょうか。それとはまた別個であるということですか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

木下課長補佐 上の部分と下の部分につきましては、下の黄色でお示ししている部分は、現に訪問診療を利用されている方に機械的に高齢化率を掛けた場合のボリュームでございます。上の追加的にという御説明をしておりますのは、今後の医療機能の分化連携におきまして、いわゆるC3未満でありますとか、療養病床から出てくる方々を想定しており、重複することは、推計上はないと考えております。

○遠藤座長 加納構成員、よろしいですか。

○加納構成員 ということは、足していくという形にもなる。上の数字が下にまた加算されるということでいいわけですね。

○遠藤座長 では、関連だと思いますので、西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 今までの発言と共通するのですが、どうもデータを見ると、頭数ということとサービス量ということがちょっと区別がついていないのかなという気がします。例えば入院患者の場合は30万人といえば30万人その日に入院している数だということで、頭数とサービス量が一致するのですが、そのうちの10万人の患者が外来になったときに、1日に10万人が全て外来にかかるわけでもないので、そこでどの程度のサービス量、例えば週に何回行くとかの数をとることが必要だと思います。今回のデータの中で、頭数とサービス量がどうも区別されないで出てきているような気がします。それが恐らく今村先生や市川先生の質問になっていると思うので、その当たりの整理をお願いしたいと思います。

 もう一点ですが、「在宅医療等」と「在宅医療」が出てきていて、定義づけがちょっと曖昧な面があるのではないかと思っています。今回も「介護施設・在宅医療等」とも書いているのですが、厚労省の前の資料では在宅医療等の定義ということで、在宅医療等とは、特別養護老人ホーム等々ずっと書いてありまして、介護施設も含まれていまして、現在の病院、診療所以外の場所において提供される医療を指すというのが在宅医療等の定義となっているのです。その在宅医療等の定義と、今回の在宅医療等とここに書いてあるものとがちょっとずれているような気もしますし、「在宅医療等」と「在宅医療」で全く違うのですが、ここで使う在宅医療というのはどういう定義で使っているか、そのあたりをはっきりしてもらったほうが、今後議論しやすいと思いますので、そのあたり、わかればお願いしたいと思います。

○遠藤座長 2つ御意見が、前者も質問だと考えてよろしいですか。サービス量と頭数との関係をどう考えておられるのか。

○西澤構成員 今日でなくていいですが、そのあたりを明らかにしていただきたい。もし今日答えていただけるのであればお願いします。

○遠藤座長 わかりました。

 では、コメントをお願いしたいと思います。

○木下課長補佐 後者の在宅医療と在宅医療等というところでございますが、在宅医療等につきましては、これまで御説明している内容と変更はございません。今回、介護施設を「等」の中から外に出して明確にしたというところで、介護施設や在宅医療等と言っているところは従来言っています「在宅医療等」ということになります。それと区別しまして、「在宅医療」は純粋な在宅医療と整理させていただいているところでございます。

○遠藤座長 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 その純粋な在宅医療の定義といいましょうか。

○木下課長補佐 いわゆる診療報酬で訪問診療に相当する部分と御理解いただければと思います。

○遠藤座長 西澤構成員、どうぞ。いいですか。

○西澤構成員 わかりました。そのあたりで今回全部整理すればいいと思います。ということは、「在宅医療等」は介護施設も入っているので、中ポツにすると別に見えるので、そのあたりはわかりやすいようにと思います。

 もう一つは、以前も資料が出ているのですが、医療と介護の同時サービスというのが当然あります。今回の資料の中ではどうも介護と医療とを完全に分けているような気もするので、その当たりももうちょっときめ細かく出していただいたほうが我々はわかると思いますので、お願いします。これは要望です。

○遠藤座長 田中構成員。

○田中構成員 21ページからの介護施設・在宅医療への按分の考え方のところで、確認の質問です。ほかのところでも出てきますが、21ページの図を見ると、薄緑と紫、施設と在宅医療にクリアな分け目があります。この場合、介護施設の需要がふえるわけですから、その分は介護保険給付費がふえるし、参酌標準にも引っかかりますね。その辺は竹林課長あるいは黒田課長とちゃんと打ち合わせているかどうかの確認です。介護給付費が1兆円ぐらいふえて、参酌標準もこれだけふやすことが想定できているのか、それとも、今、差し当たり医政局側の議論にとどまるのか。確認です。

 もう一つのより大きな質問は、今、医療介護総合確保促進法等でも、第1条には、医療提供体制と地域包括ケアシステムは両輪でいくと書かれていますが、このデータに一切地域包括ケアシステムの推進が出てきていないのです。平成37年までに地域包括ケアシステムが構築されるよう、今、市町村の皆さんはとても頑張っていらっしゃいます。医師会も頑張っておられます。地域包括ケアシステムが進んだ場合、介護施設のニーズは少し減るかもしれません。どういうことかというと、在宅限界を上げることが目的の地域包括ケアシステムだからです。したがって、ここで出されているデータは現状の地域包括ケアシステムに応じた程度であって、今後一切進展しない場合と理解していいのでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

木下課長補佐 事務局でございます。

 後者につきましては、現行の制度を前提にしたというところは田中構成員の御指摘のとおりかと思います。一方で、今後進んだという点は中間年もしくは介護保険事業計画の8期でその時点における状況を見きわめて、再度検討することが必要かと思っております。

 また、前者の御指摘につきましては、関係部局と内容について調整を行った上で御提出しているという状況でございます。

○遠藤座長 よろしいですか。

 ほかに大体よろしゅうございますか。

 ありがとうございました。

 それでは、加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 確認ですが、介護療養病床が最終的に介護医療院になるとした場合、最終的な数字も出すということで、全数を転換するという話が出ているかと思います。しかし、これが転換しなくて、また、逆に回復期の地域包括ケア病棟になったりということは現実的に起こっていることを聞いていますので、この数字を把握しようとする場合は、最終的にはどういう形で分析していくのかは、なかなかまだ現時点では難しいのではないかと思います。静岡の例を見てもなかなか決め切れていないところがあるのではないかと思うのですけれども、場合によっては、全数という数字を疑問視してくるのではないかと思っているのですが、どうでしょうか。

○遠藤座長 地域医療計画課長、どうぞ。

○佐々木地域医療計画課長 今の御指摘に関しては、一つ重要な視点をいただいていると思っております。医療と介護との連携と言いますけれども、医療から当然介護に行く場合もありますが、介護から医療に行く場合もあって、その行き来の問題については当然医療保険で見るのか、介護保険で見るのかという点もあると思っております。ですので、今、御指摘に答えるような行き来のデータを把握できているわけではありませんが、そういう視点も含めて議論に耐えるようなものを準備してかなければいけないと思います。今、宿題というか、今後の課題ということで御提案いただいたといたします。

○遠藤座長 よろしくお願いします。

 ほかにございますか。

 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 先ほどの確認ですが、例えば3ページにある在宅医療の需要というのが出ていますが、下のほうは年に約100万人となっているのですが、これは先ほど言った、例えば頭数のことを言うのか、その日の訪問診療等々をやっている患者数で見るのか、そのあたりはどのように考えたらいいのでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 この100万人の考え方につきましては、単月で見た場合の訪問診療を行っている患者さんという形で推計しているところでございます。

○遠藤座長 西澤構成員、どうぞ。

西澤構成員 では、1カ月における訪問診療をやっている患者数の頭数ということでよろしいですか。

○木下課長補佐 はい。

西澤構成員 わかりました。

○遠藤座長 ほかに、よろしゅうございます。

 ありがとうございます。非常に活発な御意見をいただきました。ありがとうございました。

 これは先ほど計画課長からもございましたけれども、今後、進めていかなければいけない。そういうタイムスケジュールがあるということでございますので、基本的に事務局の提案がありまして、この考え方に沿って進めていただきたい。ただ、いろいろと御意見もありましたので、短期的、中期的に対応していくものもあるかと思いますので、その辺も配慮しながら必要な対応を進めていければと思いますけれども、そういう対応でよろしゅうございますか。

 ありがとうございます。では、事務局、よろしくお願いいたします。

 それでは、次に議題の2つ目「在宅医療の体制構築について」を議題といたします。事務局から資料の説明をお願いします。

○伯野医師確保等地域医療対策室長 事務局でございます。

 資料2をごらんいただければと思います。今後、在宅医療の需要に基づいて都道府県、市町村が適切な目標を設定して在宅医療の提供体制を整備していく必要があると考えております。

 2ページをごらんいただければと思います。御承知のとおり、現在、在宅医療は医療計画に位置づけられておりまして、都道府県はこちらにお示しさせていただいているマル1「退院支援」、マル2「日常の療養支援」、マル3「急変時の対応」、マル4「看取り」という4つの機能について多職種連携で体制を整備することが求められているところでございます。

 3ページでございます。また、平成26年の介護保険法の改正によりまして、市町村においてはここに記載されている(ア)から(ク)の事業につきまして、平成30年4月までに全ての市町村で実施することが求められているところでございます。

 4ページをごらんいただければと思います。一方で、市町村はこれまで医療に携わってこなかったという面もございまして、なかなか独自にこうした事業を実施することは困難なので、医師会等関係団体との連携が大変重要でございまして、実際、(ア)から(ク)の事業についてはこちらにお示ししているとおり、高い割合で医師会に委託されている実態がございます。

 5ページでございます。(ア)から(ク)の事業の中で、特に(ウ)「切れ目のない在宅医療等と在宅介護の提供体制の構築推進」については半数の市町村が実施できていないという実態がございます。その理由でございますが、向かって右側にございます図表25のとおり、調整がつかない・調整中であるという理由が最も多いとなっております。その具体的な内容を見てみますと、「医師会の協力が不可欠と考えているが、市町村自体が具体的にどう取り組んでいいかわからない」という理由がございまして、行政と医師会等関係団体が一層連携して取り組んで行く必要があると思っております。

 6ページをごらんいただければと思います。こうしたことから、本検討会におきましても、第7次医療計画の見直しに当たっては、医師会等関係団体と連携して進めていく必要があることを御指摘いただいているところでございます。

 7ページをごらんいただければと思いますが、ことしの3月31日に発出させていただきました課長通知におきまして、都道府県は地域医師会等と連携しながら市町村を支援することを明記させていただいているところでございます。

 次に8ページをごらんいただければと思います。2025年に向けた体制整備でございますが、2025年には約100万人の在宅医療、先ほどお話がありましたが、具体的にはこちらの数字は訪問診療を受けている患者の数ということになります。今後伸びていくということがございますので、体制をしっかり整備していく必要がございます。

 次の9ページをごらんいただきまして、先ほどもありましたスライドでございますが、具体的な整備目標・見込み量のあり方について、医療需要に対応する整備目標・見込み量について、地域の実情を踏まえて市町村と都道府県で役割分担の調整を行うこととしております。

 次の10ページをごらんいただければと思います。現状の都道府県医療計画上の目標設定がどうなっているかということを見てみますと、在宅医療につきましては、赤で囲ってあるとおりでございますが、在宅療養支援診療所の増加という目標設定が一番多いということになっておりますが、では、具体的にどの程度の増加と設定しているのかというと、右側のほうにございますとおり、一番多いのが単に「増加」と書かれているものという実態がございまして、余り明確な根拠がなく目標を設定している現状がございます。

 次の11ページをごらんいただければと思います。現状と課題の整理でございますが、まず、一番上の、今後、在宅医療の需要は大きく増加していくことが想定されておりまして、2番目のにございますが、現状の医療計画の都道府県の目標設定というのは若干根拠が明確でないものが多いというところでございます。3番目の○でございますが、したがって、協議の場を開催して具体的な整備目標の設定が必要とさせていただいております。

 次の12ページをごらんいただければと思います。今後、目標設定をどうしていくかということでございますが、先ほどお示しさせていただいたとおり、なかなか現状はきちんとした目標が設定されていないという状況がありますので、現状より一歩進めていくという観点から、訪問診療を実施している診療所、病院数に関する具体的な数値目標とその達成に向けた施策を原則記載していただくこととしてはどうかということが1点目でございます。

 2番目のでございます。これに加えて「退院支援」「急変時の対応」「看取り」、それぞれの機能ごとの目標とか、あるいは多職種による取り組みを確保するために「訪問看護」「訪問歯科診療」「訪問薬剤管理指導」といった主要な職種についての目標についてそれぞれ具体的な数値目標を記載するようつとめることとしてはどうかとさせていただいております。後者の具体的な目標設定のイメージについてはその下に記載させていただいております。

 次の13ページをごらんいただければと思います。それでは、訪問診療を実施する医療機関数に関する整備目標をどうやって設定するかについてでございますが、算出された将来の需要の伸び率と同じ比率で訪問診療を実施する診療所等の数を伸ばす目標を設定するパターンでございます。例えば向かって左側にございますとおり、訪問診療を受けている患者数が現在例えば月50人と仮定した場合に、将来、月60人になりますという推計が出たとしますと、この伸び率が1.2倍でございますので、訪問診療を実施する診療所等の施設数も現状と比較して1.2倍になるように目標を設定するというものでございます。

 次の14ページをごらんいただければと思います。もう少し精緻なやり方でございます。こちらは横浜市青葉区の方法でございまして、訪問診療ではなくて看取りでやっておりますが、看取りを行う診療所を大きく3つにカテゴライズしております。それがオレンジと青と黄緑の楕円形のところがございますが、一番左のオレンジのように、看取りの実施件数が非常に多い40件と仮定しておりますが、そういった在宅特化型の診療所と、一番右のように、基本的には外来を行っていて、年間2名ぐらい在宅看取りを実施しているかかりつけ医のような診療所の方と、真ん中のように中間型という3つにカテゴリーを分けております。

 その上で、パターンAというのは、かかりつけ医のような診療所をできるだけ総動員して看取りに対応していただくパターンでございます。

 パターンBというのは、在宅専門のクリニックをふやしていこうという在宅専門クリニック牽引型のパターンでございます。

 地域でこうしたパターンのどちらがいいかというのを検討して、体制整備を具体的にどこをどのようにふやしていくのかということを検討するというものでございます。

 こうしたやり方を示していくことで、都道府県でしっかり目標設定していただき、体制を整備していっていただきたいと考えております。

15ページ以降は参考資料でございます。

 以上でございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、御意見、御質問承ります。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 在宅医療については、かなり地域差があって、実現したいと望んでも、整っていなければ実現できないという問題がかなりあると思っています。

 特に12ページの「在宅医療の体制整備のための具体的な目標例について」ということで、「今後の対策」の1番に挙げられている訪問診療を実施している診療所、病院数に関する具体的な数値目標を、その達成に向けた施策を記載することを原則としてはどうか。これは大賛成でございます。ぜひ具体的にしていただきたいと思っています。

 その下のところも、より実態を踏まえた数値目標ということもやっていくべきではないかと思っています。特に在宅療養支援診療所ですが、先ほど「増加」と書いてあるところがあるという話がありましたが、数が多くても届け出をしているだけで実態が伴っていないところもあると聞いていますので、実際に機能しているかどうかというところも各都道府県で調べていただいて、機能している数が見えるようにしていただくことが必要ではないかと思います。

 私は、全国在宅医療会議とそのワーキンググループに入っていまして、在宅医療がうまくいっているところのヒアリングを幾つか聞かせていただきました。そうすると、先ほどの御説明にもありましたけれども、うまくいっているところというのは医師会と行政、その他の機関がかなりうまく連携していると感じています。

 今回もそのことがいろいろ書いてあるわけですけれども、日本医師会としてうまくいっているところはいいとして、うまくいっていない地域というのがどういう地域で、どういったところに原因があるのか、問題があるのか、そういったことを把握されているかどうかを聞かせていただきたいと思います。それから今後、そういう動きの中でぜひうまくいっていないところがうまくいくにはどうすればいいかということを発信していただきたいという希望を持っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 市川構成員、どうぞ。

○市川構成員 山口構成員がおっしゃることは非常にごもっともなことでございまして、やはり地区によって温度差があります。では、どこが熱心にやっているのか、どこがやっていないかというのは、一番多いのは多職種との連携を積極的にやっているところはうまくいきます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 医師会としてもそうですけれども、事務局としても好事例をぜひ都道府県にお示しいただいて、こうしているところはうまくいっているとお示しいただきたいと思います。また、先ほども例がございましたけれども、ここまで出す必要があるのだこうすればうまくいくという方法をぜひ具体的に都道府県にお示しいただければと思います。

○遠藤座長 事務局、ぜひ御対応をお願いします。

 市川構成員、どうぞ。

○市川構成員 追加させていただきますと、トップの姿勢、方針というのが相当大きく影響して、特に尾道などはその典型ではないかと思っております。

○遠藤座長 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 今回の提案の在宅医療の充実は非常に大事なので、これは大賛成です。

 ただ、イメージとか書いてあるのですが、例えば14ページ、診療所だけにしてあり、在宅専門と、当然、外来をやっているけれども、在宅もやるという診療所で、これはそのとおりですが、もう少し広く在宅というものを捉えたほうがいいのではないかと思います。もちろん病院も入りますが、大事なのは地区でのネットワークだと思います。それぞれの診療所・病院が数をふやすだけではだめで、例えば在宅医療を受けている方でも、必要があれば入院しなければならない。また戻る、あるいはよくなれば外来に戻るということで、地域ごとにそのようなネットワークがあって初めて在宅が伸びると思います。

 だから、目標としての診療所の数というのはわかるのですが、今、山口構成員が言ったのも同じことだと思うのですが、もっと地域でネットワークをつくって、在宅医療だけやっている診療所、あるいは外来等々をやっている診療所、病院でも在宅をやっていますから、そういう病院、バックアップの病院、それ以外に訪問看護とかほかのいろいろなサービスがあって初めてできる。そういうことをぜひ、すぐには無理ですが、今後広げていければと思います。

 厚生労働省でも、平成23年頃からいろいろな事業をやっていて、今、全国に幾つかのネットワークができていると思いますので、そういう例を出しながら、ぜひいい例を普及していっていただければと思います。

 以上です。

○遠藤座長 御意見として承ります。

 事務局から何かあれば、コメントをどうぞ。

○伯野医師確保等地域医療対策室長 先ほど田中先生からも御指摘がありましたが、在宅医療というのは地域包括ケアの一つの非常に大きな要素の一つだと思いますので、当然病院にかかわっていただく部分も大変大きいと思っております。

 先ほど山口構成員からも、好事例のようなものをしっかり調べて提供していくべきだというお話がございました。しっかり、調査をして、各都道府県、市町村にお示ししていきたいと思っております。

○遠藤座長 よろしくお願いします。

 お待たせいたしました。吉川構成員、どうぞ。

○吉川構成員 体制整備についてです。今回、この中に看護の機能強化型訪問ステーションとかを入れていただいているのは非常にありがたく、また、体制整備については賛成ですけれども、機能強化型訪問看護ステーションのほかに、介護保険にはなってしまうのですけれども、今、看護小規模多機能型居宅介護事業所、通称看多機がかなりのところを担っております。というところで、保険サービスのところからいけば違うのですけれども、この中にぜひ体制整備の中に入れていただけないだろうかというのが提案となります。

 実際に行っていることとしましては、退院後の状態が不安定な患者さんへのケアですとか、医療ケアが必要な方に関してかなり対応しておりますので、今後、地域体制をつくっていくのに医療と保険と介護と連携していかなければいけないということを考えたときに、この中に看多機を入れていただけるといいのかなと考えているのですけれども、いかがでしょうか。

○遠藤座長 いかがでしょうかということで、事務局への御要望ということですね。

○吉川構成員 ぜひ盛り込んでいただきたいというところは難しいですか。

○伯野医師確保等地域医療対策室長 まず、こちらに今、お示ししているのは医療計画の目標で、また、1つの例示、イメージとしてお示しさせていただいております。ですから、比較的プライオリティーが高いものをお示しさせていただいております。

 余りたくさんの事例というのは、今も指標をたくさん盛り込んではいるのですけれども、それを全部書いてくれと言っても、なかなか都道府県はただ単に指標として数字を挙げるだけで、しっかりPDCAで回すことになるかどうかというのはかなり疑問な点がこれまでの計画を見ているとあります。ですので、まず絶対にこれだけは掲げなさいという目標と、できるだけこの分野については目標を掲げてくださいという形に整理させていただいています。

 当然、おっしゃっていただいたような指標を各都道府県の実情に応じて設定するということはあるかと思うのですが、まずはこういったイメージを都道府県に提示させていただければと思っています。

○遠藤座長 吉川構成員。

○吉川構成員 ただ、現在も看多機の定員に空きがあれば、指定を受ければ障害福祉の基準該当サービスとかができることになっているのですけれども、非常に今、高齢者サービス以外に小児、NICU上がりの子供とか、かなり医療ケアが必要な子供を取り扱っているというところもありまして、今後、そのあたりが非常に重要になってくるのではないかというところで、位置づけられる必要があるのではないかと考えております。

 あと、実際に看多機の申請をしている者から、現場の声としまして、行政がサービスの趣旨を理解してくれていないというところで、開設ができない、開設申請を取り下げているというところもありますので、何かこの体制の中に入れてもらえないだろうかというところが出ておりますので、ぜひ盛り込んでいただければと思っております。

○遠藤座長 事務局。

○伯野医師確保等地域医療対策室長 ここに位置づけるかは別として、御指摘の点は、医療と介護が連携するというところで非常に重要な部分というのは認識しております。ですので、今回、都道府県と市町村の協議の場のようなものをつくって、しっかり、そういうところでも議論していただくことが必要なのかなと思っております。

 以上です。

○遠藤座長 よろしくお願いします。

 では、相澤構成員、安部構成員、加納構成員の順番でお願いします。

○相澤構成員 私は在宅医療の推計、あるいは今後のあり方をどうしていくかというのは非常に難しいと思うのです。というのは、一つは在宅医療というのは住む場所がどうなっているかによってかなり変わっていきます。住まいと住まい方によってかなり違ってくることがあるということが第1点。

 もう一つは、病院の医療機能分化と体制によって在宅でどこまで診るかというのが地域によってかなり違うと思うのです。慢性期の病床が少ないところではかなり大変な方まで在宅で診るということをやっておられる地域もあれば、そういう大変な方は皆さん慢性期の病棟に入っていて、どちらかというと、ちょっと語弊があるといけませんが、そんなに大変な医療が必要でない方を大勢診ておられるところもあって、推計というのはかなり慎重にやらないと間違ってしまうと思うのです。

 非常に複雑な要素があるので、推計はえいやとやって終わるのではなくて、申しわけありませんが、きめ細やかにやっていただいたほうがいいのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 では、安部構成員、お願いします。

○安部構成員 きょうの資料の11ページ、12ページに「在宅医療体制のための具体的な目標例について」という記載がございます。12ページに具体的な項目が書いてございまして、全体的な方向性としてはこういう形でよろしいと私は思っているのですが、2つ目ののところで、最後の下線の行に「それぞれ具体的な数値目標を記載するよう努めること」とございます。私はこれは表現としては弱いと感じます。できなければやらなくていいというイメージにとられかねないと思っておりますで、表現はお任せしますけれども、もう少し明確に、こういったことを各地域でやるのだという明確な意志につながるような表現にしていただきたいと思います。

 そう言いますのは、在宅医療・介護連携推進事業を各地域で行うわけでありますが、医師会を初めとして、薬剤師会、歯科医師会、この事業に協力しない団体などないわけでありますので、その協力に基づいて、こういった目標設定ができるはずであります。優先順位はさまざまあろうかと思いますけれども、そういった目標設定がきっちりできるよう、各地域で漏れがないようにできるような表現として、厚労省からお伝えいただきたいと思います。

○遠藤座長 御意見でしたけれども、何か事務局からコメントはございますか。

 では、お願いします。

○伯野医師確保等地域医療対策室長 今回、何でもかんでもたくさん数値目標を掲げろとなると、現状を見るとまだそこまでのレベルではないのかなというところがありまして、余り全部理想的なところの目標を掲げるというのはちょっと避けたいという思いがございまして、こういう形にさせていただいています。

 ただ、先生が御指摘の御要望については、表現ぶりを工夫させていただくとか、検討させていただきたいと思います。

○遠藤座長 安部構成員、どうぞ。

○安部構成員 よろしくお願いします。そういう意味では、各地域の職能団体、医療、介護の団体はきっちり連携するということを、こちらのほうも明確にしなければいけないと思いますし、地方行政と地域の団体がしっかり多職種で連携するような体制をまず組むこと。その中で、協力を得ながら可能な目標を設定する流れにしていただきたいと思っております。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 先ほど手を挙げていただいていたのは加納構成員ですが、関連なので、申しわけありませんが、今村構成員を先にしたいと思います。今村構成員、お願いします。

今村構成員 指標をつくっている立場から申し上げますと、訪問診療に関してはかなり精度の高い数字を事前に提供して、数値目標をつくってもらえると思うのですけれども、ほかのものについては、数字の制度が十分に出ないところがあって、それをある程度都道府県でかみ砕いてもらってつくってもらうというステップが必要になってくるので、最初に全部つくってもらうということにはちょっと不安があって、そういう意味では濃淡差があっていいのかなと感じます。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では、加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 2ページ目と12ページ目に「急変時の対応」と書いてあるわけですけれども、先ほどもお話でありましたように、在宅医療というのは地域包括ケアシステムの中で病院がどういう役割をするかということがあります。「退院支援」というところには、退院時のことが書いてあるのですが、「急変時の対応」という場合は往診や訪問看護の体制というのが一つにはかかりつけ医的な形で必要だとは思います。一方で、急変時の対応の中には、前から申しますように、高齢者救急を担う二次救急というものがバックアップとして入っていないとまずいのではないかということで、例えば12ページの「急変時の対応」に関しましては、在宅医療養後方支援病院数とか、在宅療養支援病院数も大事だと思いますが、さらに、高齢者救急を担う二次救急の数というのは、二次救急は実は年々減っていますので、これは非常に心配しているところでありますので、ぜひとも24時間365日バックアップするという意味では、在宅医療に関する一つのキーではないかと考えていますので、それに関する表記とか、そういったものは考えられないのでしょうかという質問でございます。

○遠藤座長 では、事務局、コメントをお願いしたいと思います。

○伯野医師確保等地域医療対策室長 実はこれ以外にも課長通知で既にお示ししている指標一覧というものが、参考資料につけている通りでございます。ですので、今の御指摘については少し御要望として承らせていただいて、今後どうするかというのは検討してまいりたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 ほかに何かございましょうか。

 では、山口構成員、吉川構成員の順番でお願いします。

○山口構成員 この資料は、在宅医療の体制構築ということですけれども、在宅医療を進めていくには住民の理解が欠かせないかと思っています。恐らくたしか医療計画の中に住民への啓発もあったように思うのですけれども、もう少し具体的に、例えばどんなときに在宅医療は利用できて、どういう施設があって、どんなサービスがあって、どういう職種の方がいらっしゃるのか、そういうとても基本的なことでも理解している方はまだまだ少ないのが実態です。行政の中には例えばパンフレットをつくったり、冊子をつくったり、啓発活動をしたりということを積極的にやっていらっしゃる地域もあることはありますけれども、かなり行政任せになっている気がします。

 ぜひそういったところを単なる住民啓発と書いているだけではなくて、具体的なことを国から都道府県にお示しいただくこともぜひ入れていただきたいと思っています。

○遠藤座長 御要望として承りました。ありがとうございます。

 吉川構成員、どうぞ。

○吉川構成員 先ほどの件は了解しました。

 資料の21ページに平成28年度の診療報酬改定で使われている資料に、看護小規模多機能の位置づけを提示していただくことは可能でしょうか。こちらにぜひ入れていただきたいと思います。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

伯野医師確保等地域医療対策室長 参考資料の絵は診療報酬改定のときに使った資料でございますので、作成したところには御要望として伝えさせていただきます。

遠藤座長 ほかにございますか。

 加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 指標の数字として出すのではなくて、先ほどの質問に関連しますが、例えば2ページ目の「急変時の対応」というところに、救急という言葉で、体制及び救急等の入院病床の確保とか、それに類する表現でもありがたいと私は思っているのですが、記載することはどうでしょうか。

○遠藤座長 地域医療計画課長、どうぞ。

○佐々木地域医療計画課長 本日の資料の2ページ目で、そもそも在宅医療の体制という図もございます。その中の「急変時の対応」のところに入院病床の確保ということで、当然、在宅医療を支えていくためには急変時にそういった体制があって、安心して患者さんを受け入れるという認識はあります。また、指針とか通知の中にも入院病床との連携ということも書かせていただいています。実際、今後、在宅医療の関係でもまた各都道府県に通知等を発出いたしますので、その中で少し御指摘の表現なども踏まえて趣旨が伝わるようにしてまいりたいと思っております。

○遠藤座長 よろしくお願いします。

 ほかによろしゅうございますか。

 では、市川構成員、どうぞ。

○市川構成員 7ページに「地域医師会等と連携しながら」という文言をいただきまして、非常に私どもとしても頑張ってやっていきたいと思いますけれども、14ページの将来推計のところで、特化型、要するに、訪問診療を特化的にやっている診療所が最近結構ふえてきておりまして、地域の医師会から、訪問診療の診療所は結構医師会に入っていただけていないようなところもありまして、特化型もサンプリングでも結構ですから、もし調査するようなことができればしていただきたいということでございます。

 以上です。

○遠藤座長 御意見として承りました。

市川構成員 要望というか。

遠藤座長 御要望ですね。

 特段事務局からのコメントはいいですね。

 ほかによろしゅうございますか。

 ありがとうございました。

 いろいろな御意見も出ましたので、それらの御意見を踏まえまして、通知の見直し等必要な対応を進めていただきたいと思いますので、事務局、よろしくお願いします。

 それでは、議題の3つ目に移ります。「地域医療構想に関するワーキンググループにおける議論の状況について」を議論したいと思います。本来であればワーキンググループ座長であられる尾形構成員から御説明をいただくところでございますけれども、本日御欠席でございますので、事務局から説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 資料3をお手元に御用意ください。地域医療構想に関するワーキンググループにおきましては、5月以降、3回ほど開催しております。主な議題につきましては2ページをごらんいただければと思います。5月に1回、6月に2回開催しているところでございます。

 3ページ以降、各都道府県の地域医療構想の策定状況をかいつまんで御説明したいと思います。

 まず、4ページ、策定の時期につきましては、御存じのとおり、28年度末まで47都道府県全てで策定が完了しているところでございます。それぞれにつきましては5ページにおつけしておりますが、構想区域を見直した県が6県、構想区域ごとに病床の必要量と現行の報告の数と比較した場合の関係につきましては表にまとめているところでございます。慢性期につきましては、パターンA、B、さらには特例というパターンがございましたが、パターンAを使用してする構想区域はなかったという結果になっております。

 6ページ、7ページに構想区域の設定を見直したところの絵をつけておりますので、御参照いただければと思います。

 現在、ワーキンググループにおきまして、どういう議論をしているかというところのポイントを御説明していきたいと思います。まず、8ページからになりますが、今後、地域医療構想を達成していくという過程におきまして、調整会議の中でどういう議論をいただくかということを御議論いただいているところでございます。

 9ページにその議論の進め方というところで、ステップ1、2、3という段階を置いて今、御議論いただいているところでございます。

 議論を進めるに当たりまして、10ページをお開きいただければと思いますが、調整会議を1年間のサイクルで見た場合に、こういった手順で進めてはどうかということを御提示しているところでございます。こちらの資料につきましては、これまでさまざまな場で御意見をいただいたことを踏まえまして、一部修正を行っています。特に一番下段になりますが、3回目、4回目につきまして、少し説明を補足させていただいているところでございます。特に3回目におきましては、「次年度における基金の活用等を視野に入れた議論」ということで、次年度における基金の活用を視野に入れ、機能ごとに具体的な医療機関名を挙げるという点、4回目につきましては「次年度の構想の具体的な取組について意見の整理」ということで、地域において不足する医療機能等に対応するため、具体的な医療機関名を挙げるといったところを修正させていただいておりまして、3回目、4回目でどういうことを議論するのかという点につきまして、明確化させていただいているところでございます。

 また、11ページ以降になりますが、各県の調整会議の進捗状況を国から都道府県にヒアリングさせていただきたいと考えている項目を挙げておりまして、11ページの1ポツにおきましては開催状況、2ポツにおきましてはどういったデータを活用いただいているのかというところについて聴取させていただきたいと思っておりますし、いいデータの分析事例につきましては、各県で共有いただけるような取り組みを進めていきたいと思っております。

12ページを見ていただきますと、今後、さらなる議論を進めるという観点におきまして、例えば3ポツの(2)になりますが、公立病院におきましては、改革プランの策定が終えられているということもございますので、当該構想区域に公立病院がある場合におきましては、こういった改革プランを議題にいただくということとか、(3)にありますように、特定機能病院におきましては担う役割が地域において重要と考えておりますので、積極的に調整会議の中で議論いただきたいと考えております。

 また、5ポツにありますように、地域住民の方への情報提供に関しましては、地域医療構想におきましても、その会議の資料でありますとか、議事録の公表、さらには住民の方々への説明会の開催を都道府県へお願いしていきたいと考えております。

13ページ以降、昨年度の病床機能報告の結果の分析例を幾つか御用意しております。

14ページをお開きください。平成28年度の報告から、電子レセプト請求している病院におきましては病棟の情報を病棟ごとに診療の件数等を把握できる状況になっております。15ページには、かつ、各病棟がどの機能で報告しているかということをまとめたものでございます。

16ページ以降、各4機能の病棟ごとの、例えば16ページにおきましては看護職員の配置がどうなっているのか。また、17ページにおきましては、病棟ごとの平均在棟日数がどうなっているかということをワーキングの中で、こういった資料を御提示しながら御議論いただいているところでございます。

 例えば17ページの回復期を見ていただきますと、回復期には一般病床のものと療養病床のものがございますが、それぞれの平均在棟日数が大きく違っていることが見てとれると思います。

 また、18ページを見ていただきますと、病棟ごと、4つの機能の中でどの診療科を選んでいるのかというところも見てとれまして、回復期を見ていただきますと、複数の診療科で活用している場合もありますが、回復期に特化しているということで、リハビリテーション科を選択している場合が多いですし、慢性期を見ていただきますと、主に内科の診療科で担っていただいているという傾向が見てとれるところでございます。

 これらをクロスして分析した事例としまして、19ページをお示ししております。19ページはどういう分析を行ったかということでございますが、病棟の機能としまして、高度急性期を選択している場合に、標榜科が循環器内科という場合を抽出してきております。その中で、ここの医療行為ということで、経皮的冠動脈形成術のレセプト件数を集計したものになります。この場合、一番右下になりますけれども、1カ月間当該病棟においてこの手術をしていないというところが103病棟、さらには、病院全体として見た場合にも48病棟での手術をやっていないということも見てとれまして、各病棟にどういう機能を担っていただくかということを診療行為とも関連づけながらこういった分析もできるという事例として御紹介させていただいております。

 さらに、20ページにお進みいただきますと、今と同様の分析を行っているところでございますが、こちらにつきましては急性期で御報告いただいている病棟の診療科別で、横軸には各それぞれの入院基本料はどれを算定しているかということもお示ししておりまして、入院基本料と一定程度その病棟において行われている手術の件数でありますとか、全身麻酔の件数というものには関係性があるのではないかということも見てとれるところでございまして、これらを踏まえた病床機能報告のあり方ということも一つ重要ではないかと考えているところでございます。

 また、特に先ほどの各地域における特定機能病院の役割も重要と考えておりまして、21ページ以降、特定機能病院の報告状況を整理しているところでございます。

22ページをお開きください。こちらに特定機能病院の承認要件でございます一般病床数を挙げておりますが、ここでは400床以上で集計しているところでございます。まず、左を見ていただきますと、特定機能病院の病床機能の報告状況、右がそれ以外の病床機能の報告状況となっておりますが、高度急性期が占める割合が特定機能病院で非常に高くなっているという状況が見てとれるかと思います。

 また、23ページは、それを地域ごとに見た場合になりますが、青森県におきましては、県立中央病院と弘前大学医学部附属病院におきましては、全て高度急性期で報告いただいている一方で、その中に占めるICUとかHICUの割合につきましては、そこにありますように7%もしくは6%程度という状況が見てとれます。一方、八戸市立市民病院におきましては、その割合は9.8%で、実際の報告もそれに近い値で報告いただいているところでございますので、こういった報告と実態につきましても、地域ごとでちゃんと確認いただきたいという事例として御紹介しているところでございます。

 さらには、24ページをお開きください。先ほど病棟別の分析と診療科を集めたところでございますが、今回は例えばということで、特定機能病院における循環器内科が96病棟ございます。高度急性期で御報告いただいている病棟における手術の件数が0.19件、一方で急性期で御報告いただいている件数が0.109件ということで、医療資源投入量という観点で見た場合に2倍程度差があるということが見てとれるところでございます。

 一方で、耳鼻咽喉科を集計した場合、全国で68病棟あるのですけれども、その場合の高度急性期と急性期における手術件数は急性期のほうが上回っておりますし、全身麻酔の手術件数は同棟となっておりまして、こういった状況につきましては、各病棟、各病院の中でどういった機能を担っているか、それは本当に高度急性期なのか、急性期なのかということにつきまして、改めて御確認いただいて、今年度から報告いただきたいと考えているところでございます。

 以上の分析等を踏まえまして、今、ワーキングで今後の医療機能の選択に当たっての考え方の整理ということで、こちらに(案)を御用意しているところでございます。

 まず、25ページになりますが、基本的な考え方というところで、これまでも各病棟が担っている機能のいずれかを選択することとしていただいていますが、イメージとしまして、多くの割合の患者の機能で報告することを改めて御確認させていただきたいと考えております。

 さらに、26ページにつきましては、特定の機能を有する病棟ということで、特定入院料を算定する病棟についての整理ということで、これまで報告と取り扱いについて、このような整理をさせていただいておりまして、実際、これに準じた形で今、報告をいただいている状況でございます。

 加えまして、27ページになりますが、特定入院料を算定しない病棟におきましても、次のような取り扱いということで、今、ワーキングで一定の議論をしていただいたところでございます。これらにつきましては、この組み合わせと異なる機能の選択を妨げるものではございませんが、こういった一般病棟入院基本料との関連性について整理をお願いしたいと考えているところでございます。

 また、加えまして、28ページになりますが、回復期の取り扱いというところにつきましては、ワーキングの中でまだ報告の要件について十分な理解がされていないのではないかという御指摘もいただいたところでございます。そのため、28年度の報告の中では、点線の囲みの中を追加したところでございますが、回復期の担う報告につきましては、29年度の報告に当たっても、ちゃんと現場に対して周知徹底するという宿題をいただいているところでございます。

 さらには、今までどちらかというと急性期、回復期を中心に御説明してまいりましたが、29ページ以降、慢性期における議論についても今、検討いただいているところでございます。慢性期につきましては、多くを療養病棟が担っているところでございますが、その中の内訳は29ページにまとめているところでございます。

 そこでの議論ということで、30ページに大きくパターンわけをしております。慢性期で報告いただいているものの、現状の値と将来の病床の必要量の関係性にありますよう、ア、イ、ウというパターンで整理させていただいているところでございます。

 その中の一つといたしまして、31ページになりますが、地域ごとにおける各病院、各病棟の役割をちゃんと確認しましょうということで、なかなか慢性期につきましては、得られるデータ、使用可能なデータが限られていることもありまして、例えば2つほどデータを御紹介しておりまして、各病院が慢性期、特に医療療養でありましたら入院されている方の医療区分の割合、また、先ほど議論の中にも出ましたように、退院先がどうなっているのかということもデータとして見てとれるところでございますので、こういったところで各病院の各病棟が地域においてどういう慢性期機能を果たしているかということを、データを見ながら地域における議論を進めていきたいと考えております。

 飛びまして、資料の34ページをお開きください。病床機能報告に関しまして、今年度から修正、追加、見直しを行いたいことと、次年度以降に向けて検討を進めたい事項ということをこちらにまとめております。

 まず、上の段にあります5項目につきましては、今年度の報告から対応をお願いしたいと考えておりまして、人員配置に関する項目でありますとか、6年後の経過した日の病床の機能につきましては、転換先、今は病床機能だけになっていますが、新たな施設類型を追加すること。また、3つ目にありますように、退院後の場所につきましては、現在1カ月しか得られていないのですけれども、それを1年間に見直して詳細に把握するということを追加したいと考えております。

 また、一番下になりますが、医療内容に関する項目につきましては、今年度、30年度の診療報酬の改定がございますので、それらを踏まえて抜本的な見直しを次年度以降に取り組んでいきたいと考えてございます。

35ページにつきましては、整理が必要な事項ということで、整理いただいたものになっております。

 事務局からは以上になります。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの報告に関して御質問、御意見いただきたいと思います。

 加納構成員、どうぞ。

加納構成員 ありがとうございます。

 資料でいきます、27ページの図ですが、「特定機能を有さない病棟における病床機能の報告の取扱い」ですが、13対1、15対1の一般病棟があたかも回復期か慢性期かというような位置になっています。多分ですが、ほとんどの13対1、15対1の病院の先生方は、自己申告では多分急性期で出されていると思いますし、急性期の役割を担っていると思っている先生方がほとんどだと思います。しかし厚労省としてはこういう考え方だということで、回復期と慢性期と比較して、線が細くなっていますが、何か意図があるのでしょうか。そこを教えていただきたいと思います。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 ワーキンググループにおけます議論につきまして、本日御用意している資料はポイントのみに絞った資料でございますが、例えば20ページの資料を見ていただきますと、先ほど言いましたように、急性期の病棟で報告いただいている中でも、手術件数でありますとか、全身麻酔の件数に差があるというデータと、これ以外のデータもお示ししているところでございます。医療資源投入量という観点で見た場合に、この13対1、15対1の病棟、かつ、これは急性期で御報告いただいています外科系の病棟になりますが、この程度差があるということを踏まえまして、一般病棟における報告のあり方につきまして、ワーキングで御議論いただいているという状況にございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 今の説明ですと、結果的にはこういう位置に13対1、15対1がいくのではないかという形で、今の内容からそういう分析をしたということで、考えていらっしゃる、つまり急性期ではないよという形で理解していいのでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○木下課長補佐 急性期機能であるかないかという点については、大前提となっています各病院の病棟ごとに医療機関に自ら御判断いただくという前提に立っているところでございますが、一定程度こういう報告の整理のあり方の考え方も必要ではないかということで、御議論いただいているところでございます。

○遠藤座長 加納構成員。

○加納構成員 ということは、あくまでもこれは急性期に対しては細い線でいくということですか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○木下課長補佐 ワーキンググループにおけます議論としましては、地域においては13対1、15対1であっても急性期を担っている病棟があるという御意見もいただいたところでございます。そういう病棟が急性期機能を選択ができるという意味も込めてこういう取り扱いもさせていただければと考えているところでございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 西澤構成員、田中構成員の順番でお願いします。

○西澤構成員 関連ですが、これを見てびっくりしたのですが、そもそも報告制度というのは原則は各医療機関が自主的に報告、で始まったはずです。各構想区域の中でのほかの医療機関がどのような機能を持っているのか。あるいは、将来どうしようとしているのか、そういう情報を全部集めながら協議して自分の病院はどこに行くか決めるというのが原則だったと思います。その中において、特定入院料等の病棟はある程度機能が決まっているから、これはそのままの報告でいいのではないかということであり、一般病棟入院基本料については、これからしっかり議論をしていきましょうということだったと思います。急にこういうものが出てきてびっくりしています。どうも報告制度のもとのガイドラインに書いてある文面から言うと、ちょっと乱暴ではないかと思います。

 今までの報告を見ますと、私は2年前しか見ていませんが、13対1、15対1のうちでたしか7割か8割が自院の病棟は急性期だと報告しています。各病院が急性期だと報告している根拠と、今回の厚生労働省が考えている基準というのはかなり開きがあると思います。もっと丁寧に議論してからこういう資料を出したほうがいいと思います。

 上の方の書き方も、とりあえず回復期か慢性期を選択して、急性期で報告するときには会議で確認するとか、どうも今までの解釈と変わってきているので、このあたりはもう一回戻していただきたいと思います。

 地方の医療圏において、例えば北海道のある医療圏、3年ぐらい前のデータですが、その医療圏に一般病棟入院基本料をとっている病院が6軒しかないのですが、10対1が1病院、あとの5病院が15対1という医療圏があります。それはかなり広い医療圏で、それらの病院は救急をやっています。救急をやっているのに、その病院がおたくは回復期か慢性期で報告しなさいと言われたときに、そこの先生方を含めて職員の皆さんがどう考えるのか。一生懸命24時間地域で救急をやっているのに、自分の病院は急性期ではないと言われたみたいなことになると思います。考え方はよくわかるのですが、もう少し時間をかけながらこのあたりは進めていっていただければと思います。もっと多くの方々の意見も聞いて、進めていただければと思います。

 以上です。

○遠藤座長 佐々木課長、どうぞ。

佐々木地域医療計画課長 この資料を提示させていただいて、ワーキングで議論していただいた経緯は、高度急性期、急性期、回復期、慢性期というものを今、自主的に選択していただく。これは何も方針は変わっていないわけでございますが、なかなか急性期、回復期あたりを中心に選択について少しわかりにくいという御指摘をいただいています。我々も具体的な指標などまだ研究途上のものもありまして、なかなかお示しできないところですが、現在、御指摘いただいたのは、病院ごとで医療として御心配という御意見もあるわけでございますが、あくまでも病床機能報告は病棟ごとでございますので、回復期機能の病棟を持っているからといって急性期を担っていないということではないということでございます。

 あとは、線の細い太いの話もございますが、これに関しては実際に先ほど御説明させていただきましたが、さまざまな分析したデータをもとにこういう形にしておりますが、実際は急性期を選んではいけないとはしておりませんし、また、一番上に書いておりますが、異なる機能も結果として地域で選べると考えているところでございます。

 いずれにしましても、現場の医療機関が非常に報告制度のいろいろな見直しで混乱するとか、いろいろな誤解を与えてはいけないと思いますので、丁寧な説明等はしてまいりたいと思っております。

遠藤座長 よろしくお願いします。

 手短にお願いします。

西澤構成員 わかりました。お願いします。

 それと、報告制度の矛盾は病棟単位だということです。病床区分は病床単位です。例えば3,000点、600点という点数で分ければ、病棟単位で急性期という報告の中でも病床単位では100%急性期ではなくて、その点数で区分すると、例えば4割は回復期だということはあり得ます。そういうことをもう少しアピールしていただければと思います。急性期といっても100%そうではないということで、かなり病棟内で混じっているということも言っていただきたい。13対1、15対1の場合は急性期は少ないかもしれないけれども、しかし、急性期も担っているのだということも明確にしていただければと思います。そのあたり、もうちょっと柔軟にやっていただくことと、どうもあの図で急性期が非常に多いから医療費がかかる、回復期になると安くなる、みたいな間違った解釈で急性期から回復期へという動きがあると思います。そのあたり、もっと丁寧なやり方でやっていただければと思います。

 地方においては、本当は急性期を担わなければならない病院であるのに、地域において看護師がいないがために13対1、15対1であり、実際は101必要なのに、できないという事情があります。そういうことでは、この後の医療従事者の需給にも絡みますが、その地域で急性期が必要であって、看護師さんが足りないのであれば、何らかの形で看護師が派遣できるような形とか、そういうことも考えていただければと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 では、田中構成員、お待たせしました。

○田中構成員 今の話に近いですけれども、25ページの新しい考え方の整理で、とある病棟のイメージ、どこに届けるかがまとめられています。今、西澤構成員が言われたことと同じですが、例えばCの回復期を選んだときに、中に急性期患者さんもいらっしゃる。急性期の患者を扱っても構わないし、急性期機能も4分の1にせよは果たされているときちんと伝えながら言うには、この図をうまく使えばいいですね。回復期と届けたら回復期医療しかしてはいけないとの趣旨ではなくて、あくまで一番多いところであって、それ以外の機能も地域のニーズにおいて果たしている場合もありうる。それをうまく説明するためにこの図を使えると感じました。上手に説明してください。

○遠藤座長 よろしいですか。ありがとうございます。

 それでは、藤井構成員、本多構成員の順番でいきます。

○藤井構成員 調整会議につきましては、私ども保険者、協会けんぽの各県の支部の多くが調整会議に参加させていただいていまして、私も折に触れて報告を受けるのですけれども、10ページにありますように、スケジュール的なものをお示しいただいているのですが、正直、必ずしもこのとおり進むかというと、心配なところが多々あるのですが、例えばスタートのところから、県が推計の方法を詰められて、うまく答えられなくて、前に進まないでとか、いろいろ聞くわけですが、やはり県がしっかりとイニシアチブをとって、地域の現状をしっかり把握するのは当然ですけれども、中長期的に見たときにニーズと供給体制にずれがある地域についてはある種の危機感も含めて考え方とか方針を関係者で共有する必要があると思いますし、平場でも、あるいは水面下でいろいろな意味でかなり汗をかくことになると思いますので、改めて厚労省のほうでも県のモチベーションを上げていただけるような御努力をお願いできればと思います。

 その上で、一つは意見で一つは質問ですけれども、意見としては、資料3の10ページにありますが、国から調整会議の進め方を示していただいているのですが、ここの調整会議がどんなスケジュール感で今後どのように議論していくかについても把握できればいいのではないかと思いますので、資料でいえば11ページ、12ページにありますように、都道府県にいろいろ確認するのであれば、11ページの1番にありますような調整会議の開催実績だけではなくて、今後の開催予定とか、議論の進め方の方針とか、そういったものも確認をしていただければありがたいと思います。これが1つ。

 もう一つは質問ですけれども、34ページ、病床機能報告の項目の追加・見直しとありますけれども、療養環境といいますか、例えば部屋の広さとか、廊下の幅とか、そういったものはこれまでの報告でわかるような部分がありましたでしょうか。とりあえず質問です。

○遠藤座長 御要望1つと質問が1つでありましたけれども、コメントをお願いします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 今、最後御指摘いただきました廊下幅とか部屋の療養環境に関しましては、今の病床機能報告では得ていないという状況でございます。

○藤井構成員 入院する患者さんの側からすれば、結構大事な情報なのではないかと思いますし、地域でいろいろ議論するにも、議論の活性化という観点もあるのではないかと思いますので、御検討いただければありがたいと思います。

○遠藤座長 よろしいですか。

 それでは、本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 私もワーキンググループに委員として参加しており、27ページの図に関してですが、たしかに西澤構成員がおっしゃったとおり、各医療機関からの任意の報告に委ねられておりますが、前回のワーキンググループのときに大学病院の方が来られて、特定機能病院の報告などがあり、大学病院では、9割が全ての病床において高度急性期で報告がされているとのことでした。

 これに関しては、我々も違和感がありますし、今のままでいくと地域医療構想調整会議で議論する際にも、住民にもわかりにくいところがあります。ワーキンググループの議論でも出てきたのですが、ある程度定量化できるものは定量化していったほうがわかりすいのではないかと思いますので、私もその点は賛成しているところです。27ページの図も、13対1と15対1から矢印が急性期に出ていますが、これだけではなく、7対1から回復期に出る矢印もあるのではないかと思います。また、先ほど田中構成員からも25ページの図で病床機能報告で報告した機能以外の機能も、地域のニーズにおいて果たしているということが説明できるという意見がありましたが、現実に25ページの図に近い形で報告されている病院も多くあるかと思います。

 以前にも申し上げたとおり、診療報酬は病院単位になっていて、病床機能報告は病棟単位ですので、特に大病院ですと、看護師をある病棟に集中させ、看護師が少ない病棟では回復期の患者を多く診ているというのが現実にはあると思います。複数の病棟を持っている場合には病棟ごとに看護配置に差があるかと思いますが、報告としては、回復期の機能を担っている場合には回復期で御報告いただくようにしていかないと、地域医療構想で回復期の必要量等を議論していくときに、誤解を与えてしまうようなことがあるかと思います。先ほど西澤構成員から、このような整理は乱暴ではないかといったご指摘がありましたが、今回の整理は、あくまでも病床機能と入院基本料との関係を現時点で参考程度に整理したものであり、実際の報告では27ページの整理に縛られずに、25ページのような図を適切に示して報告いただけるよう、報告マニュアルにしっかり明記していただくとともに、都道府県にも周知をお願いしたいと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 どうもありがとうございました。

 事務局から一応提案という形で、これはワーキンググループでの議論を踏まえたものを提案として事務局から出されております。また、これに対して今、いろいろと御意見もありましたので、この御意見も踏まえながら、丁寧な対応ということだと思いますけれども、基本的には事務局から提案があるこの方向性で進めていただくと思いますけれども、それでよろしゅうございますか。

 ありがとうございます。では、そのような対応でよろしくお願いいたします。

 もう一つ、地域医療構想の達成に向けて、本日の御議論を踏まえまして、引き続きワーキンググループでまたいろいろと具体的な内容を検討していただきますので、その辺のところもよろしくお願いいたします。

 続きまして、議題の4番目「医療従事者の確保について」と5つ目の「5疾病・5事業の見直しについて」、時間も限りがありますので、資料の説明を2つまとめて行っていただきたいと思います。その後、それぞれの議題について議論したいと思います。

 それでは、事務局から説明をお願いします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 まず、資料4を御用意ください。資料4につきましては、医療計画におきます医療従事者の確保という議題についてでございます。

 2ページ、医療計画の中におきまして、ここの右下にあります「医療従事者の確保」というところにつきましては、現行の医療計画の通知の中におきまして十分な対応ができていないという現状になっております。

 3ページをお開きください。3月にまとめました御意見を踏まえました医政局長通知になっておりますが、現行の医療従事者の確保というところにつきましては、3ページにありますような地域医療対策協議会の具体的な施策を記載することでありますとか、それぞれの取り組みという中におきまして、地域医療支援センター事業を明記することを求めているところでございます。

 4ページをお開きください。地域医療支援センター事業の内容ということで、マル1からマル8を挙げているところでございますが、その下に「また」と書きまして、医療従事者以外の職種につきましても、その必要に応じて資質向上に関する事項を含め、医療従事者の確保の現状、目標について可能な限り具体的に記載すると掲げておりまして、その内容につきまして職種ごとについてこれ以降御説明していって、今回の医療計画の通知の内容をもう少し盛り込んでいければと考えております。

 5ページにつきましては、現行の医政局長通知の中で、下3行になりますが、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会、医療従事者の需給に関する検討会、社会保障審議会医療部会及び介護保険部会の議論を踏まえ、必要な見直しを行うことを整理させていただいて、医療従事者の同意につきましては少し先送りという取り扱いをさせていただいたところでございます。

 6ページ以降、職種ごとにつきましての現状と課題、さらに今後の取り組みの方向についてまとめて御説明していきたいと思います。

 まず、7ページ、医師の確保に関してですが、現状で、地域における確保におきましては必要な地域や診療科への従事を要件とする「地域枠」を中心に現在取り組みを進めておりまして、一部の、例えば小児科や産婦人科の医師数の増加とか、部分的には対応できている部分もございますが、地域における医師不足の指摘が根強いため、さらなる強力な医師偏在対策を進めることが必要であるという認識でおります。

 8ページ、現在、医師の偏在対策につきましては、「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会」におきまして議論を行っているところでございます。先般、6月15日の第10回分科会におきまして、下記のスケジュールについて御了承いただいたというところで、早急に実行可能な医師偏在対策として地域医療支援センターの強化について早急に実行に移すということを分科会の中で御了解いただいたということになります。

 地域医療支援センター運営事業につきましては9ページに概要をつけておりますので、御参照いただければと思います。

 具体的に何をするのかというところは10ページ以降になりますが、「早急に実行可能な医師偏在対策」におきまして、医療計画の中で、キャリア形成プログラムにつきまして、地域枠医師の増加等に対応できるよう、全都道府県において以下の点に留意しながら必ず策定することを求めていきたいと考えております。

 その中で、大学所在地都道府県の出身者は臨床研修修了後、その都道府県に定着する割合が高いということもございますので、地域枠の入学生は原則として地元出身者に限定するとか、地域医療センターがキャリア形成プログラムを策定する際には、大学と十分連携をとるといったことを具体的に盛り込んでいきまして、県における医師偏在対策に努めていきたいと考えております。

 さらに、11ページにおきましては、その中で、大学所在都道府県における臨床研修を受けることとするようキャリア形成プログラムを位置づけることとか、キャリア形成プログラムの中において勤務地や診療科を限定すること、修業年限に関することとか、地域枠の医師の増加を踏まえた場合の配置先につきまして、特定の開設主体に派遣先が偏らないようなプログラムにするといったことも盛り込んでいただくことを求めていきたいと思っております。

 それ以外に、12ページになりますが、医師確保に向けた取り組みといたしまして、今後、詳細な医師の配置状況が把握できるようなデータベースの活用ですとか、地域医療支援センターとへき地医療支援機構の統合も視野に入れた一体的な医師確保の対策の実施、具体的な取り組みとしてSNSを活用いただくこと、さらに、一番下、地域医療支援センターと医療勤務環境改善支援センターの連携といったことについても今後取り組みを進めて、医師の確保に取り組んでいきたいと考えております。

13ページ、歯科医師の確保については、14ページをお開きください。現状と課題といたしまして、口腔と全身との関係について広く指摘があるところで、今後、さらに医療計画におきましても、入院患者らに対して医科歯科連携の推進を行っていきたいと考えているところでございます。

 しかしながら、の3つ目、実際病院に歯科を設置しているのは約2割、医育機関を除く病院に勤務している歯科医師は全体の3%というのが現状になっているところでございます。

15ページにつきましては、入院患者に対します口腔機能の管理というところで、在院日数の削減効果が統計学的に有意に認められて、その効果はほぼ10%以上あるというデータをおつけしているところでございます。

16ページにお進みください。病院に勤務する歯科医師の確保につきましては、現行、歯科医師の資質向上等に関する検討会の中で議論を進めているところで、その中でも同様の御指摘をいただいているところでございます。

17ページにお進みください。具体的には医療計画の中におきまして、口腔と全身との関係について広く指摘されている観点を踏まえ、医科歯科連携をさらに推進するために病院に歯科医師を配置していくことが望ましいということを明記してはどうかと考えております。

 続きまして、18ページから薬剤師の確保についてになります。

 まず、19ページでございますが、現状におきましては、医療計画の中におきまして、地域の薬局では、医療機関と連携して薬学的管理・指導を行うこと、入退院時における医療機関等との連携、さらには電話相談への対応の役割を果たすことを求めているところでございます。

 これらを踏まえまして、さらに「かかりつけ薬剤師・薬局」の推進等との取り組みを含め、地域における薬局や薬剤師の機能を大きく変容することも期待されているところでございます。

20ページにお進みください。これらの課題に対する取り組みといたしまして、平成2710月に「患者のための薬局ビジョン」を公表しておりまして、その中でかかりつけ薬剤師・薬局が持つべき機能、実現に向けた主な対応を示しているところでございます。その中で、患者の相談に傾聴し、平易でわかりやすい情報提供・説明を心がけるといったコミュニケーション能力を高める取り組みが必要とされております。さらには、最新の医療及び薬品等の情報に精通するなど専門性を高めていくことが求められているところでございます。

 これを受けまして、21ページになりますが、医療計画におきまして、薬剤師の資質向上のために「患者のための薬局ビジョン」を踏まえ、最新の医療及び医薬品等に関する専門的手情報の習得を基礎としつつ、患者・住民とのコミュニケーション能力の向上に資する研修及び医療機関の連携強化につながる多職種と共同で実施する研修等が行われるよう、研修状況を把握し、関係者間の調整を行う旨を医療計画の中で記載することを求めてはどうかと考えております。

22ページから看護職員の確保についてでございます。23ページに、看護職員の確保の現状と課題をお示ししているところでございます。

24ページまでお進みください。現在、取り組んでいる内容といたしまして、(1)「看護職員の復職支援の強化」とか(2)「勤務環境の改善を通じた定着・離職防止」といったことに取り組んでいるところでございますが、現行の医療計画の中にこれらのものが取り込まれていないということもございまして、まず、看護職員全体に関しましては、医療計画の中に看護職員の確保に向けて地域の実情を踏まえつつ、看護師等との離職届け出を活用した復職支援や医療機関の勤務環境改善による離職防止などの取り組みを推進していくことが必要である旨を明記したいと考えております。

25ページにお進みください。さらに、加えまして、特定行為研修を修了した看護師の確保も必要と考えております。こちらにつきましては、26年6月に特定行為に係る看護師の研修制度が創設され、2710月から施行されているところでございます。ただ、現状におきましては、指定研修機関が40カ所、特定行為研修を修了した看護師が583名にとどまっているということがございまして、今後、これらのさらなる指定研修機関や受講者の確保が必要だろうと考えているところでございます。

26ページにお進みください。これらにおきまして、今、県の中におきまして、6割、申請の移行等を把握しているところでございますが、28年度、具体的に策定している都道府県は8府県、特定行為研修修了看護師確保に係る目標を設定している都道府県は5県にとどまっているということでございまして、県におきまして、これらの計画的な取り組みの推進が必要と考えているところでございます。

 具体的には27ページをごらんいただければと思います。今後、医療計画の中におきまして、地域の実情を踏まえ、看護師が特定行為研修を地域で受講できるよう、指定研修機関及び実習を行う協力施設の確保等の研修体制の確保に向けた計画を医療計画の中で明記していくことを想定しているところでございます。

 続きまして、資料5をお開きください。関係部局からそれぞれ疾病・事業ごとに説明をお願いしたいと思います。

○丹藤がん対策推進官 健康局がん疾病対策課でがん対策推進官をしております丹藤と申します。

 それでは、私からがん及び脳卒中、心血管疾患についての現在の検討状況について御説明申し上げます。

 資料5の2ページをごらんください。まず、脳卒中、心臓病その他循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会における議論について御説明申し上げます。

 3ページをごらんください。本検討会の趣旨でございますが、循環器病に係る医療または介護に要する負担の軽減を図ることが喫緊の課題となっていることに鑑みまして、国民の健康寿命の延伸等を図るため、脳卒中、心臓病、その他の循環器病に係る診療提供体制のあり方について検討するものでございます。

 検討事項は循環器病に係る急性期、慢性期の診療提供体制のあり方、また、その他循環病診療提供体制に関する事項についてでございます。

 開催状況につきましては、昨年6月に第1回検討会を開催し、昨日第2回検討会を開催して、脳、心臓それぞれ4回ずつワーキンググループを開催しておりますが、そこでの議論を含めて議論の整理を行ったところでございます。

 次の4ページが各検討会及びワーキンググループの構成員の先生方の名簿でございます。

 5ページ、循環器病の診療提供体制を構築する上での視点として、まずは循環器病の死因が我が国で上位を占めていること。特に急性期の突然死の原因としては循環器病が占める割合が最も大きいこと。また、脳血管疾患は介護が必要となる主な原因の第1位であり、慢性心不全の患者の20%~40%が1年以内に再入院する。こうしたことから、急性期から回復期~維持期までの一貫した診療提供体制の構築が必要であるということでございます。

 こうした中、脳卒中と心血管疾患の主な共通点と相違点として、以下のものが挙げられると思われます。共通点としては、急性期には発症後早急に適切な治療を開始する必要があり、急性期の診療提供体制の構築に当たってはこのような時間的制約の観点を考慮する必要があるということ。また、疾患の再発や増悪を来しやすく、回復期~維持期における再発予防の取り組みや再発や増悪を繰り返す患者に対し適切な介入方法の検討が重要であるといったことでございます。

 一方で、相違点として、社会生活に復帰するまでの経過については、脳卒中は社会生活に復帰するまでに身体機能の回復を目的としたリハビリテーションが必要であり、心血管疾患に比べて回復期に長期の入院が必要となる場合が多い。一方で、心血管疾患の社会復帰に向けた回復期の管理は状態が安定した後は外来において行われることが多いということでございます。

 次の6ページ以降は脳卒中と心疾患に分けて議論を整理いたしました。

 まずは、脳卒中の発症~維持期の経過で提供される医療のイメージでございます。7ページをごらんください。脳卒中発症後、急性期の医療を経て、それぞれ維持期の医療、または回復期の医療、さらには亜急性期の医療と、さまざまな経過をたどる疾患でございます。また、途中、脳卒中再発や合併症における増悪等に対しては、そうした再発・合併症併発時の医療といったものが別途必要になるということで、急性期以降の経過については、予後が個人により大きく異なることから、患者の状態に応じた医療提供できるよう、診療提供体制を構築する必要があるということでございます。

 次の8ページをごらんください。そうした中、脳卒中の急性期診療提供のための施設間のネットワークのイメージとしては、施設ごとの医療機能を明確にした上で、地域の医療施設が連携し、24時間専門的な診療を提供できる体制を確保するということでございます。

 また、おのおのの施設が提供する医療機能は、地域の状況等に応じて柔軟に設定される必要がございます。例えば下の図の左にお示ししましたように、医療資源が乏しい地域におきましては、平均的な救急搬送県外との連携体制の構築も必要であると考えられます。

 次に、急性期、慢性期を含めた脳卒中の診療提供体制のイメージでございます。9ページをごらんください。急性期では時間的制約の観点から、また、慢性期、回復期、維持期におきましては、患者の状態に応じたリハビリテーションを含む医療の提供が必要であるという点を踏まえまして、診療提供体制を構築する必要がございます。

 また、連携につきましては、施設間の連携のほか、施設内の異なる医療機能を持つ病棟間の連携も想定されるところでございます。急性期においては急性期治療、急性期リハビリテーション、また、回復期においては回復期リハビリテーションや亜急性期の治療、維持期においては維持期の治療や維持期のリハビリテーション、こうしたそれぞれの施設が患者の情報の共有に基づいて地域に応じて疾病管理をしていく必要があると考えられています。

 続きまして、急性心筋梗塞等の新血管疾患の診療提供体制のあり方についてでございます。

11ページをごらんください。心血管疾患から心不全への臨床経過と主な治療目標のイメージでございます。心血管疾患患者は心不全症状がない心不全リスク状態から症候性心不全へと進行・悪化を続けており、診療提供体制を構築するに当たっては、このような心血管疾患患者の臨床経過を踏まえる必要がございます。心不全リスク状態、症状なしの場合は、高血圧や動脈硬化性疾患、糖尿病等の危険因子がある状態から、虚血性心疾患や左室リモデリングといった器質的心疾患を経て、心不全を発症、心不全発症後は慢性心不全の増悪による入院治療を繰り返して、心不全の難治化に至るという経過をたどるものでございます。

 次の12ページをごらんください。急性期の診療提供体制の施設間ネットワークにおきましては、先ほど御説明いたしました脳卒中と同じく施設ごとの医療機能を明確にした上で、地域の医療施設が連携して24時間対応疾患に対応できるような専門的な診療を提供できる体制の確保が必要というところでございます。

 次の13ページをごらんください。心血管疾患の診療提供体制のイメージでございます。脳卒中と同じく、急性期の時間的制約の観点、また、回復期~維持期の再発予防・再入院予防の観点を踏まえて、入院管理及び外来管理の両面から心血管疾患の診療提供体制を構築する必要がございます。入院管理においては、急性期の医療や回復期の医療の連携、また、退院後の外来の管理におきましても、回復期の医療や維持期の医療を連携の上で、また入院管理と外来管理が連携した上で、心疾患患者の社会生活を両面からフォローしていく必要があると考えます。

 脳卒中と心血管疾患については以上で、本日は資料を御用意しておりませんが、がん対策につきましても、現在、がん患者を含めた国民ががんを知り、がんを克服することを目指しまして、がんの予防、がんの医療の充実、がんとの共生を3本柱とし、それらを支え基盤として研究、人材育成、教育・普及啓発を整備するという形で、現在、この夏を目途に第3期がん対策指針基本計画を策定する準備を進めているところでございます。

 私からは以上です。

○木下課長補佐 続きまして、14ページをお開きください。精神疾患に係る医療提供体制の構築についてでございます。

15ページをお開きください。精神疾患の医療提供体制につきましては、今回の第7次におきまして、特にの2つ目でございますが、多様な精神疾患それぞれに対応できる医療提供体制の構築を目指して取り組んでいるところでございます。この中の特に認知症につきまして、一定程度検討が進んでいるというところで、関係部局から御説明をお願いしたいと思います。

○宮腰認知症施策推進室長 老健局認知症施策推進室長の宮腰でございます。

16ページをごらんいただければと思います。現在、認知症につきましては、精神疾患の医療体制の構築に係る指針の中に含まれておりまして、資料で申し上げますと(3)「認知症」ということで入っております。この中で、医療提供体制に関する検討課題の部分につきましては、抜粋しておりますが、介護保険事業計画と整合性を図る、認知症につきましては、認知症施策総合戦略に基づいて進めておりますので、こちらの数値目標に留意して進めていく必要があるということで、具体的な内容については、今後に少し先送りをしている状態になっております。

18ページをごらんいただければと思います。こうした状況の中、先般、介護保険部会で「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(案)」を御議論いただきまして、ある程度指針の内容が見えてまいりましたので、今般、医療計画の指針のほうにもこの内容を盛り込みたいということで御説明しております。

18ページにつけてございますのが、基本的な指針の中で認知症に関連する部分の抜粋でございます。「第一サービス提供体制の確保及び事業実施に関する基本的事項」につきましては、都道府県と市町村とそれぞれ定める計画の共通して考えられる部分について定めております。その中で、認知症施策の推進につきましては、今後増加することが見込まれる認知症の人に適切に対応するため、認知症施策推進総合戦略に沿って認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を目指した取り組みとして、次の1から6までのとおりに認知症施策を進めることが重要であるということで、2「認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供」と記載がございます。

 続きまして、19ページをごらんいただければと思います。都道府県の介護保険事業支援計画の記載事項に関する部分を抜粋しております。その中で、(二)「認知症施策の推進」ということで、その中の3行目「認知症施策関する各年度における具体的な計画(事業内容、実施(配置)予定数、受講予定人数等)を定めることが重要である」。また、「市町村の取組も含めた都道府県全体の計画を示し、必要に応じて市町村への支援策を定めることが重要であるとされてございまして、具体的な内容といたしまして、イ「早期診断・早期対応を行う認知症疾患医療センター等の医療機関や連携体制の整備」、ロ「かかりつけ医に対する認知症対応力向上のための研修の実施及び認知症サポート医の養成と活用」、ハ「病院従事者、歯科医師、薬剤師、看護職員に対する認知症対応力向上のための研修の実施」ということで、主に医療に関係する項目についてイ、ロ、ハになりますが、こうした部分について具体的な目標を設定して定めていくことが定められております。

 これを受けまして、「精神疾患の医療体制の構築に係る指針」のうち、認知症に係る具体的な内容については、こうした指針の内容、認知症施策総合推進戦略の内容を踏まえて、各都道府県の医療計画の作成に間に合うよう反映して改正をしたいと考えております。

 以上でございます。

○坂上救急・周産期医療等対策室長 続きまして、周産期医療体制の確保について御説明させていただきます。ポイントに絞って御説明させていただきます。

21ページ目をごらんください。3月までの検討会の中で、周産期医療の体制につきましては、妊産婦の居住地からのアクセス等の事情を考慮した圏域を設定することで、3月の課長通知の中においてもこういった考え方で医療計画を策定するように都道府県にお願いしているところでございます。

22ページ、一方で、閣議決定もされております「ニッポン一億総活躍プラン」の中でも出産・育て支援のための施策になりますけれども、地域において分娩を扱う施設の確保など、小児・周産期体制の充実を図るとされております。

23ページ目の下のほうの「今後の取組」ですけれども、具体化する中で、いわゆる無産科2次医療圏と言われておりますが、分娩施設ですとか産婦人科医がいない2次医療圏の解消を初め、分娩施設や産科医の確保を図る取り組みを政府全体で進めることとされております。

 具体的には、24ページになりますけれども、分娩施設ですとか産婦人科医がいないような医療圏の具体的な事例でございますが、左側につきましては産婦人科医がいない医療圏、真ん中は産婦人科医も分娩施設もないような医療圏、右側が産婦人科医はいるのですけれども分娩施設がないような医療圏になっておりまして、このような医療圏の解消が必要とされております。

 最後の25ページをごらんいただければと思いますが、一部の都道府県になるのですけれども、こういった無産科2次医療圏を有する都道府県につきましては、追加的に特段の対策を医療計画の中で盛り込んでいただくようにお願いしたいと考えております。

 以上になります。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 これで事務局の説明は終了ですね。

 それでは、まずは議題の4つ目であります「医療従事者の確保について」、資料でいうと資料4でございますが、これについて御意見、御質問をいただきたいと思います。

 佐藤構成員、加納構成員の順でお願いします。

○佐藤構成員 ありがとうございます。

17ページに医療計画における、医科歯科連携をさらに推進するために病院に歯科医師を配置するとの文言についてですが、同じ資料の15ページに示されているデータは、介護給付費分科会等で示されており、中医協(医療と介護の連携に関する意見交換)でも発言があり、医療のみならず介護分野でも、いわゆる口腔ケアの評価が高まっております。医療介護総合確保の観点からも、今回示された対応については望ましいと考えています。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では、加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 資料の9ページですが、地域医療支援センターの運営事業ということで、一番下に、平成23年度以降、4,530名の医師を各都道府県の医療機関へあっせん・派遣していると明記されているわけですが、この中での民間病院への支援はどのぐらいの割合なのでしょうか。というのは、都道府県によっては地域医療支援センターは公的病院のためにあるということを明言しているようなセンターがあるということを聞いておりますので、もしそういう状況であれば、ぜひとも公私格差がないように運営していただきたいと思います。どれぐらいの割合が現実的に今、されているのかおわかりでしょうか。

○遠藤座長 今すぐ対応は可能ですか。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 先般の需給分科会の中で資料は御提示しているところで、改めて御提示したいと思います。その場合に、前提として、こういった医師不足の地域における公的もしくは公立の病院がもともとそういう役割を担っているというところもあろうかと思いますけれども、今、御指摘のところは重要だと考えております。

○遠藤座長 では、事務局からコメントを聞きましょうか。

○久米課長補佐 先日の6月14日に開きました第10回医師需給分科会の中では、人口10万人対医師数が200人未満の医療圏への派遣について、公立医療機関については153医療圏で1,923人、済生会、日赤等の公的については54医療圏で327人、民間については51医療圏で131人という資料を提示しております。医師数が少ないところに対する派遣でありますが、こういった形で、それぞれ地域によって事情はあるかと思いますが、公立医療機関への派遣がかなり多いという状況にあります。

○遠藤座長 加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 僻地の問題という意味では、そういう結果になったことはわかるのですが、誤解を与えないようにするため公私格差がないように、ということをどこか役割のところに明記していただくことはできませんでしょうか。そうすれば、そういう誤解がない形で運営されるのではないかと思うのです。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○久米課長補佐 一応その趣旨で、411ページの下から2つ目のポツ、特段の理由なく、特定の開設主体に派遣先が偏らないようという形で明記させていただいております。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 加納構成員、よろしいですか。

○加納構成員 認識できるようにするため、公私格差がないように特定のという認識はできないでしょうか。ややこしいですね。

○久米課長補佐 これから医師の派遣とか偏在の問題については実態調査などもしながら検討していくことになっておりますので、そういったものも見ながらよく考えたいと思います。

○加納構成員 よろしくお願いします。

○遠藤座長 ほかにいかがでしょうか。

 吉川構成員、どうぞ。

○吉川構成員 25ページからの「特定行為研修を修了した看護師の確保に向けて」ということですけれども、27ページで「今後の対応」の「看護師が特定行為研修を地域で受講できるよう、指定研修機関及び実習を行う協力施設の確保等」というところで、現状の問題としまして、指定研修機関があったとしても受講できない、結局これが必要な訪問看護ステーションですとか、事業所の規模が小さいがために研修生を出せないという問題が発生しておりまして、そういったことから、指定研修機関や協力を行う施設の確保等だけではなく、地域で都道府県単位で状況に合わせた受講しやすい体制づくりを明記していただけるとありがたいと思います。いかがでしょう。

○遠藤座長 事務局、お願いします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 今回の医療計画の見直しの中において研修体制の整備の中で、今、御要望いただいた内容も含めて対応していくこととしておりますが、実際、それを実行するに当たりましては、基金の活用という中で、実行性を持たせることになろうかと思います。ですので、基金の活用ということにつきましては、地域の実情を踏まえてやる必要があるので、一律にそういったことを書くのは難しいと思っておりますけれども、地域ごとの特性を踏まえて対応いただくことになろうかと思います。

○吉川構成員 受講しやすい体制の整備というところで。それは含まれるということですか。

○木下課長補佐 今の御要望につきましては、研修体制の整備という中には含まれますが、地域ごとにそれを具体的にやるかやらないかということに関しましては、基金の活用という中で御議論いただく必要があろうと思っております。

○遠藤座長 それでは、西澤構成員、お願いします。

○西澤構成員 3点です。1点は、加納先生が言った9ページの下のところが「あっせん・派遣するなどの実績を上げている」となっているのですが、4,530名というのは23年度以降というわけですから、恐らく年で割るともっと少ないのだろうと思います。この数だけでも一都道府県で見ると100人。年間で100人ではなくて5年で100人ということは、年間にすると数十人。しかも常勤で行くわけではなくて例えば数日派遣が1だとすると、ほとんど実績がないのではないかと思います。実際は、ほとんど実績がないということを前提に、これから本当の実績を上げていってもらいたいというのが一つです。

 それから、病院の歯科医師、特に高齢者医療では肺炎予防とかいろいろなことで歯科の医師が病院にいるのは非常にいいことだと思いますので、これはぜひやっていただきたいし、経済的裏づけというのもぜひお願いしたいと思います。

 看護師の特定行為も、医師が少ない中において、非常に重要だと思いますので、この推進に関しても積極的に行っていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 恐らくそれぞれの関係審議会の議論になるだろうと思われる内容だと思いますけれども、御意見として承りました。

 相澤構成員、どうぞ。

○相澤構成員 まず1点は、「医師の確保に向けて」、10ページから11ページにかけてですが、今、日本専門医機構が専門医の地域偏在の解消に向けてプログラムをつくっているわけですが、プログラムは都道府県の協議会をつくってやるということになっていますが、それと、地域医療支援センターとのかかわりはどういうぐあいにしていくつもりでいるのか。あるいは、もしここに書き込むとすると、専門医機構のプログラムとも相互に連携を図りながらとか、そういうことを書いていただかないと、非常に地域が混乱すると思うので、よろしくお願いしたいという要望と、厚労省はどのようにお考えになっているのかということを聞きたいということが第1点。

 第2点は、歯科医師がなぜ病院に少ないかといいますと、残念ながら非常に収入が少のうございまして、歯科医師を雇っても病院は非常に経営が苦しくなるという現実がございます。その中で、歯科医師を確保しろと言っても、かなり大変だということがございまして、そういうところに対して、もし国が補填していったり、あるいは歯科医師を病院に勤務させていくような何か仕組みを考えておられるのか。このままだとそんなには進まないと思うので、その辺を教えていただければと思います。

 以上です。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○久米課長補佐 まず、専門医の協議会との関係でございますが、専門医の関係につきましては、今、お示ししている資料の8ページの中の一番下のところ、今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会の中で協議会の話ですとか、30年度の開始に向けて進めているところです。協議会につきましては、うちの医事課のほうからしっかりと都道府県のほうで協議会を運営してほしいという通知も出しているところです。

 地域医療支援センターとの関連につきましては、我々も全く同じような課題があると思っておりまして、実は地域医療支援センターだけではなくて、まず、法律上に地域医療対策協議会といって、医師確保について議論をする協議会があり、このほかにも、地域医療支援センターの運営協議会、専門医の協議会とか、へき地医療支援機構とか、医師確保に関するような協議会がかなりたくさんあるということで、こちらを整理、統合みたいなことをしてはという御意見もたくさんいただいているところでございますので、こちらにつきましては、まずは連携というところから始まるかもしれませんが、今後、医師偏在対策、抜本的な対策を年末に向けてやるということになっておりますので、その中でしっかりと整理をしてお示ししていきたいと思っております。

○遠藤座長 相澤構成員、よろしいですか。

○相澤構成員 歯科医師は?

○遠藤座長 これは中医協の話になりますが、何かコメントがあれば。

○佐々木地域医療計画課長 これは今、座長にも言っていただきましたが、病院の中でどういう位置づけということであれば、関係する審議会でございますので、そこのところで望ましいという書きぶりでございますから、どういう評価をしていくかという議論がなされると承知しております。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 今の歯科医師の件に絡むのですが、病院における薬剤師の確保が今非常に、困難な状況なのです。そういった状況ですが今は、いろいろな意味で薬剤師さんの役割を考えられますので、しっかりとこういったところに明記して、院内における薬剤師のあり方も含めて議論していただけないかと思うのですが、どうでしょうか。

○遠藤座長 それは事務局に対してですね。どうぞ。

○木下課長補佐 事務局です。この場で病院の薬剤師の確保の議論をするのは所掌と違うかなと。

○遠藤座長 今回これが出たときに、こういう議論になるだろうと私は思っていました。あくまでも地域医療計画の中に何を盛り込むかとしいう話でありまして、個々の対策ではないわけです。でも、お気持ちとしてわかりますので、承りましたという形でおさめさせていただきます。

○加納構成員 よろしくお願いします。

○遠藤座長 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、もう一点ありまして、最後の5つ目、「5疾病・5事業の見直しについて」に御意見があれば承ります。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 24ページで1つ質問がございます。二次医療圏の産婦人科医師ということは、6地域だけの限定的のように見えるのですが、平成26年とあって、もう3年たっています。今もこの地域に限定されているという解釈でよろしいでしょうか。

○遠藤座長 いかがでしょう。

○坂上救急・周産期医療等対策室長 事務局でございます。

 構成員の御指摘のとおり、直近が26年の調査でして、我々が把握できる分はこれだけなのですけれども、恐らく流動的に変化している可能性もありますので、この取り組みが御了解いただければ、都道府県に通知する際に、こういう医療圏を有する都道府県はという形で、都道府県の実態に応じてやっていただくことを考えております。

○山口構成員 これだけ見ると、多分都道府県の方は自分のところは関係ないと思われるかと思いますので、今の実態に合わせてということをぜひ明記していただければと思います。

○遠藤座長 ありがとうございます。よろしくお願いします。

 櫻木構成員、どうぞ。

○櫻木構成員 ありがとうございます。

 2点ほど御要望をお願いしたいと思います。

 精神に関するところで、15ページに精神疾患の医療体制ということで、多様な精神疾患等に対応できる医療体制、これは先ほど御説明いただいたのですけれども、左のほうの精神障害にも対応できる地域包括ケアシステム構築というところです。これを見たときに、私は個人的にイメージが全然湧かないのです。というのは、もう現に動いている地域包括ケアシステムを精神障害にも対応させるような形でバージョンアップするという意味なのか、そもそもカバーするエリアが全然違うので新たに精神障害にも対応できる地域包括ケアシステムの構築をされようとしているのかというイメージが湧きません。精神に関しては、例えば基準病床数を考えるときに入院需要と地域における基盤整備量で推計していくということが示されていますけれども、これも私は何遍もお伺いしていますけれども、地域の基盤整備量というのがはっきりイメージできない。これは障害福祉計画であるとか、あるいはそのもとになるあり方検討会でさまざま議論されていることだとは思いますけれども、そこのところ、これから医療計画を都道府県で立てるというときには、丁寧に情報提供なり説明をしていただきたい。これが第1点です。

 第2点、精神の中で今回は認知症について特に取り上げていただいたのですけれども、まとめのところ、精神疾患の医療体制の構築に係る指針のうち、認知症に係る具体的な内容については、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針及び認知症施策推進総合戦略を踏まえるということになっています。古いほうのオレンジプランだと、何か地域から医療ないしは施設に向かうのは悪い流れだと決めつけて議論されていました。それが新オレンジプランでは若干修正されたと考えていますけれども、どうも認知症は介護中心にやっていくのだということが透けて見えるのです。これから認知症に対する医療体制の構築に関しては、例えば精神科医であれ、神経内科医、あるいは脳神経外科医の認知症の専門医も含めていろいろな幅広い議論をしていただいた上で、医療体制の構築をお願いしたいと思います。

 以上、要望です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 11ページの循環器の検討についての意見です。私は循環器の検討会に脳卒中も心筋梗塞のほうも出させてもらいまして、特に11ページの心血管の整理の中で、慢性期の病態について整理してもらったのは画期的なことだと思います。特に外来で見ていって、だんだん機能が落ちていく患者さんをどうフォローするのかということを学会や有識者を中心にここまでまとめてもらえたのはすばらしいことだと思います。

 ただ、心筋梗塞は割と急性の変化を繰り返すところで整理がしやすかったのですけれども、脳卒中についてはなかなかそこまで整理ができなくて、現実に在宅医療やこれからふえてくる地域包括ケアの対象になる方、特にだんだん繰り返し脳卒中を起こしていくような方への対策とか、そういった方への誤嚥性肺炎への対策というのは重要なことだと思うのですけれども、なかなか脳卒中だけの問題として整理することもできなかったということがあって、心筋梗塞の側と脳卒中の間では温度差が出ています。私の意見というか、要望としては、今後、脳卒中のほうでももう少し慢性期に踏み込んでどのような医療を提供するかということを整理、検討してもらえれば非常にありがたいと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 御意見ということで よろしゅうございますか。

○今村構成員 もしお答えいただけるのだったら。

○遠藤座長 では、どなたが。

○丹藤がん対策推進官 健康局がん・疾病対策課でございます。

 御意見は承りました。脳卒中についても引き続きより議論を深めていきたいと思っております。ありがとうございました。

○遠藤座長 よろしくお願いいたします。

 ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの議論も含めて、4番目、5番目につきましては、幾つか御意見はございましたけれども、それらを踏まえまして、通知の見直し等、必要な処置に事務局としては対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 全体を通して何かございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、今回、御議論いただきました各分野の見直しの方向性等につきましては、社会保障審議会医療部会に報告するという方向で対応したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議論はこれまでとさせていただきますけれども、事務局から何かございますか。

 佐々木課長、どうぞ。

○佐々木地域医療計画課長 先ほど、少し話題になりました病院に勤務する歯科医師の確保に向けてのところでございますが、ちょっと補足させていただきます。この医療計画の通知のほうに望ましい旨を明記すると申し上げましたけれども、他の疾病等の検討との順番を鑑みまして、歯科医師の資質向上に関する検討会での議論をしっかり踏まえた形で、その内容を踏まえて明記するかどうかという議論をするべきだと思いますので、資料のほうは明記すると明言しておりますが、検討会のほうでの議論を踏まえて、しかも制度的な裏づけの議論もした上でするべきだと思いますので、そういう方向で検討を進めてまいりたいと思っております。

○遠藤座長 よろしゅうございますか。

 では、そのように進めていただければと思います。

 それでは、次回の日程等について何かございますか。

○原澤課長補佐 次回の検討会につきましては、また詳細が決まり次第御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○遠藤座長 それでは、本日はちょっと時間をオーバーしてしまって申しわけございませんでしたけれども、これまでにしたいと思います。大変お忙しいところ、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

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直通電話:03-3595-2194

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