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2017年5月30日 健康日本21(第二次)推進専門委員会(議事録)

○日時

平成29年5月30日(火) 9:00~12:00


○場所

厚生労働省 3階 共用第6会議室


○議題

1 各項目の進捗状況について
 1.健康寿命の延伸と健康格差の縮小
 2.主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防
  (1)がん、(2)循環器疾患、(3)糖尿病、(4)COPD
 3.社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標
  (1)こころの健康、(3)高齢者の健康
 4.栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔   の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標
  (4)飲酒
2 その他

○議事

 

 

○知念課長補佐 ただいまより、第8回健康日本21(第二次)推進専門委員会を開催いたします。委員の皆様には御多忙の折、また朝早くからお集まりいただき、誠にありがとうございます。開会に当たり、健康局長の福島より御挨拶申し上げます。

○福島健康局長 おはようございます。健康局長の福島です。第8回健康日本21(第二次)推進専門委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。委員の先生方には大変お忙しいところ、また早朝からこの専門委員会に御参集いただき、誠にありがとうございます。また日頃から、健康行政について格別の御理解、御指導を賜り、改めて御礼申し上げます。

 健康日本21(第二次)については御承知のように、健康寿命の延伸、それから健康格差の縮小を目標に掲げ、スマート・ライフ・プロジェクトの展開など、行政のみならず企業、団体も巻き込んで、様々な施策を行っているところです。この第二次については、平成254月から開始しております。今年で5年目ということで、中間評価を行う必要があります。本日は、健康日本21(第二次)の中間評価についても御審議を頂くことにしております。この中間評価を踏まえて、後半の5年間の方向性を考えていくことになります。そういう面で、非常に重要な中間評価であると考えておりますので、委員の先生方には是非忌憚のない御意見を賜り、後半に向けてよりよい議論ができますようにお願い申し上げ、簡単ではありますが御挨拶とさせていただきます。本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○知念課長補佐 恐れ入りますが、健康局長については国会の用務の関係で途中で退席させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 前回の開催以降に事務局員に異動がありましたので、新しい事務局員を御紹介いたします。保健指導室長の加藤です。また私も4月から着任いたしました課長補佐の知念と申します。本日司会を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。また事務局側の正林健康課長についても、公務の都合上、本日遅参させていただきますので、御理解いただけますと幸いです。

 本日は、中板委員、樋口委員、村山委員、山縣委員から御欠席の連絡を頂いております。また道明委員からは、少し遅れてお越しになるという御連絡を頂いております。温泉川委員は御連絡はないのですが、本日は御出席予定です。全22名中、現在16名の委員に御出席いただいておりますので、議事が成立することを御報告いたします。

 次に配布資料の確認をいたします。議事次第、委員名簿、座席図のほか、資料1、評価シートの「様式1」、資料2、評価シートの「様式2」、資料3、別紙として図表をまとめたものがあります。また参考資料1は評価方法について、参考資料2は各種目標項目の一覧です。落丁等がありましたら、事務局にお申し付けください。なお、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。

 以降の進行については、辻委員長、よろしくお願いいたします。

○辻委員長 早速議題に入ります。本日の議題は、各項目の進捗状況についてです。事務局から資料の説明をお願いします。

○知念課長補佐 初めに参考資料1を御覧ください。前回の第7回委員会にて、先生方に21の中間評価の方法について御審議いただいた結果をまとめております。本日は、基本的に各項目について、また各領域について、それぞれ様式12を基に評価をしていただくことを考えております。2ページ、評価の指標としては、策定時の値と直近値を比較した数値が改善している場合はaを、変わらない場合はbを、悪化している場合はcを、また設定した指標又は把握方法が異なるため評価が困難であるという項目についてはdを記載いただくことになっております。また、平成28年度の国民健康・栄養調査の結果など一部出そろっていない部分については、現時点では評価困難ということで記載を頂いているところです。

 参考資料2を御覧ください。この中で領域2、主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底に関する目標の中で、(2)の循環器疾患の目標の45が、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少と、特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上となっております。こちらの2項目については、次の(3)糖尿病の項目の56と重複した評価項目となっております。こちらについては、糖尿病の領域の中で項目の御説明をお願いすることとなっておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは各項目について、専門の先生に割り当て、評価をお願いしておりますので、本日は先生方から中間評価の御報告をお願いいたします。以上です。

○辻委員長 目標の項目数が多いため、これからの進め方としては、1の健康寿命の延伸と健康格差の縮小と、2の主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の2つを前半とします。3の社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標と、4の栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標を後半というように2つに分けて、それぞれ各担当の委員の先生方から中間評価の説明をしていただき、その後まとめて前半、後半それぞれで議論をしたいと思います。よろしくお願いいたします。各項目の説明時間は、5分程度でよろしくお願いいたします。

 まず最初に、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」について、私と横山委員から説明いたします。健康寿命の延伸ですが、様式11ページを御覧ください。策定時のベースラインは、男性が70.42年、女性が73.62年です。直近としては、3年後の平成25年の国民生活基礎調査データになりますが、男性が71.19年、女性が74.21年ということで、伸びとしては男性で0.77年、女性で0.59年増加しております。同期間における平均寿命の伸びは、男性で0.66年、女性で0.1年ですから、健康寿命の増加分は男女ともに平均寿命の増加分を上回っておりますので、現時点で目標は達成されていると言えるかと思います。

 ただ、平成22年と25年の2つの時点での比較しかできておりませんので、これでは推定の精度には限界があるかなと考えております。本来ならば、平成22年から3年ごとに測定していますので、平成34年までの5時点で推移を見るべきです。当面の課題としては、平成28年の国民生活基礎調査のデータが公表され、そして、研究目的でも使える時期がそう遠くない時期にきますので、平成22年、25年、28年の3時点の比較をした上で、中間評価とさせていただきたいと思っております。したがって、(2)の評価は、現時点では評価困難で、平成222528年の3時点の値に基づいて評価する予定とさせていただきます。それでは、横山先生お願いいたします。

○横山委員 同じ資料の2ページ、併せて資料31ページ目の図も御覧ください。2ページ目は、健康格差の縮小(日常生活に制限のない期間の平均の都道府県格差の縮小)という目標です。都道府県格差をどういう形で表すかですが、都道府県差の標準偏差を指標として計算いたしました。イメージとしては資料3の図のとおりで、SDと書いてあるのが都道府県差のバラツキを表している標準偏差です。この数字が大きいほど、都道府県差が大きいことを意味します。数字で見ますと、男性が0.57年であったものが、平成25年では0.47年、約17%の縮小です。女性は0.64年であったものが0.61年で余り変わらず、約6%縮小となっております。一応検定をしてみたのですが、どちらも有意ではないという状況です。ただ検定結果は、あくまでも暫定値です。こちらも、先ほどの辻先生からの御説明どおりで、2時点の比較では推定の精度に限界がありますので、平成28年の値と合わせて3時点で、都道府県の差がどのように変化したかを評価していく必要があると考えておりますので、現時点ではまだ評価はしないということです。以上です。

○辻委員長 ありがとうございました。では次に、「主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防」に移ります。まず最初に、がんについて若尾先生お願いします。

○若尾委員 がんについて報告いたします。資料13ページを御覧ください。がんは目標項目が2つあります。1つ目が、75歳未満の年齢調整死亡率の減少です。3ページにありますとおり、ベースラインの84.3に比べて、直近の実測値、これは目標値でもありますが、78と減少はしておりますが、目標値の73.9には達しておりません。つまり、改善しているが目標達成はなしということです。

2つ目の指標を御覧ください。こちらは、主要ながん検診の受診率の向上です。ベースラインとしては平成22年の国民生活基礎調査で、目標値が50%です。ただし、胃がん、肺がん、大腸がんは当面40%で設定されております。こちらも先ほどと同じで、直近の国民生活基礎調査が平成28年に行われているのですが、まだデータが出ておりませんので、暫定として平成25年のデータを挙げております。平成25年のデータでは改善はされているのですが、女性において目標値が達成されてない状況です。こちらも3点での比較が望ましいということで、今年の夏に平成28年の国民生活基礎調査が公表される予定と聞いておりますので、そちらの値が出てから最終的な判断をして、中間報告をするという形になると考えております。以上です。

○辻委員長 若尾先生、様式2についても御説明いただけますか。

○若尾委員 様式2は、3ページを御覧ください。今の2つの項目をまとめたものです。1つ目の年齢調整死亡率の減少とがんについては、同時に平成19年に作成されましたがん対策推進基本計画も同時に走っております。この基本計画では、20052015年の年齢調整死亡率を20%減という目標が立てられており、それにより、先ほど述べました平成27年度の73.9という目標が達成されております。がん対策推進基本計画により、放射線化学療法、手術療法の充実、あるいは医療従事者の育成、拠点病院の整備、予防の促進、早期発見の推進などが行われておりました。ただし、このがん対策推進基本計画の中間報告、中間評価が平成276月に行われましたが、そのときはまだ目標達成が難しいだろうという判断がされ、平成2761日のがんサミットでは、「がん対策加速化プラン」ということで、「予防」、「治療・研究」、「がんとの共生」の3つを柱として進められていたところです。ただ、今回の目標値である平成27年度の値は、達成できませんでした。

2つ目の項目の受診率向上についても、同じくがん対策推進基本計画に基づいて、がん検診の無料クーポンや、受診率向上キャンペーン、あるいは企業アクションなどが行われておりますが、受診率は依然低い状況が続いております。ただこちらは平成25年のデータで向上が認められておりますので、昨年平成28年度のデータの公表を楽しみに待つというような状況だと考えております。

○辻委員長 すみません、私も様式2の報告を失念しておりました。様式21ページを御覧ください。健康寿命の延伸・健康格差の縮小です。指標の状況としては(-)、評価保留が2つです。関連した取組として、研究班の取組と国の取組として、平成25年のデータを出して、自治体への支援を行いました。それから健康格差についても、平成25年のデータを基に、全国と都道府県、それから政令指定都市の健康寿命を出したり、自治体が算定するための算定ソフトを公表したりということを、この間やっておりました。また格差の実態把握ですが、都道府県において、市町村の健康に関する指標や生活習慣の状況の格差の実態把握をしている所は47都道府県全てで、その縮小に向けた対策を検討しているのが39都道府県です。そして実際に対策を行っているのが、現状では37都道府県です。

 それから、健康寿命の延伸、あるいは健康格差の縮小に関しては、国レベルの戦略等において、ここに書かれているような動きがあります。政府全体として、日本再興戦略、健康・医療戦略、ニッポン一億総活躍プランの中で、健康寿命の延伸と健康格差の縮小が明示されておりますし、省内でも保健医療2035提言、それから民間主導として日本健康会議などでも、健康寿命の延伸と健康格差の縮小が打ち出されております。

 今後の課題としては、先ほど申し上げましたとおり、平成28年調査を基に3時点比較を行います。もう1つは、これは研究上の課題でもありますが、現状では生活習慣・健診成績あるいは疾病などの要因のそれぞれが、健康寿命にどの程度の影響を及ぼしているかについて、定量的なデータは乏しいという問題がまだありますので、これについて調査研究を行い、データに基づいた上で健康寿命の延伸・格差の縮小に向けた戦略を構築することを、今考えているところです。

 次に循環器疾患について、様式1と様式2を使った説明を、岡村先生からお願いします。

○岡村委員 循環器は積み上げになっていますので、順番を変えていただきたいのですが、5ページの循環器疾患の死亡の所は最後に説明いたします。先に6ページの血圧から説明いたします。血圧はそこに示しましたが、かなり長期のトレンドが国民健康・栄養調査で出てきます。5年間の推移とそれ以前からの推移、それから各性別、年齢別の層化した解析と長期のトレンドを見て、結論的に言いますと全体的には緩やかな低下傾向と考えていいのではないか。これは、年齢調整をしても同じです。順調に低下していますので、このまま維持できれば目標値に到達するのではないかということになります。いろいろなパターン分けをやりましたが、ほとんど傾向が一緒ですので、血圧についてはそこに示したとおりです。

7ページの脂質異常症は、血圧は平均値ですが、総コレステロール又はLDLコレステロールの高い人の有病率で判断することになっております。これも同様に、幾つかのパターンに分けてやっておりますが、ほとんど変化がありません。悪化もしていないけれども改善もしていないというのが妥当であろうというのが、脂質異常症についてのトレンドになります。

8ページは、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少で、これはほかともかぶってくるかと思います。これは示しているとおりですが、年齢調整値で見ると改善傾向が見られるのですが、推計値ですとほぼ横ばいです。これは全数の統計が毎年出てきますが、少しずつは上がっているけれども、極端に目標値に近づいているということにはなりません。

 申し述べさせていただきますが、このメタボリックシンドローム自体は、全体の死亡率の評価にはもともと反映させておりません。それは、ここから血圧とたばこと脂質異常と糖尿病を取り除いてしまったら、全く死亡率に影響しなくなってしまうので、ほかのところに全部かぶっていますので、推計には個々の危険因子を使っています。最後の循環器疾患の評価にはここは関係してこないことを御理解いただきたいと思います。

 受診率ですが、特定健診や特定保健指導の実施率も、少しずつ改善傾向は認められます。ただ、もともとの目標設定がかなり高いですので、そこにたどり着くかどうかはかなり難しいところがあります。少なくとも、上向きのトレンドであることは間違いないだろうというのが、ここの結論です。

 それが全体の下の層になっており、最終的にそれが循環器疾患の死亡にどう反映するかが、5ページに記載してあります。もともとの目標の死亡率は、危険因子別の死亡率のデータという公的なものがありませんから、大規模コホート研究、統合研究、EPOCH-JAPANのデータを使って推計をしております。そのときに、もちろん年齢と性別はあるのですが、血圧と脂質異常症と喫煙と糖尿病を使って推計をしております。先ほどの危険因子が全部改善したときにどのぐらいになるかというもので、実際の目標値をはじいております。見てのとおり、直近の実測値が既に目標値を上回っていると。要するに、目標を達成した状態になってしまっています。これは下に書きますが、今回はこれに当たり元のデータを使い、実際に死亡率には、この危険因子からだとどのぐらい反映するかを再計算したものが、「ベースライン値と直近値の分析」の一番下に書いてあります。危険因子の変化からだけで見ると、脳血管疾患は男性が44.2で女性が26、虚血性心疾患が、男性が34.5で女性が14.6というのは、予測値からですが、それを上回るほど下がっているのが現状です。

 その理由についてはもちろん分析しているのですが、一番の理由は治療が進歩してくると、発症はしても死亡率は下がってくるということがあります。これは一次予防ですから、当然影響して、本来評価しなければいけないのは発症率なのですが、循環器には公的な発症統計が全くなく、もともと死亡統計を使うしかないので、病院内での死亡率が改善したものが当然推計には乗ってこないので、それがかなりよくなっているだろうというのが1点です。

 もう1つは、トレンドとして死亡率の減少をもともと盛り込もうという案があったのですが、循環器の場合には何が問題かというと、75歳以上の死亡者がそれ以下の2.5倍から3倍ぐらいになってしまうのと、病名が本当に循環器でピュアで亡くなったのかが、年齢が上になるだけ分からなくなってくるところ、そういったことがあり、非常に推計が難しいのです。ですから、年齢調整の基準年などを変えると、ものすごい人が減ってきたりして、そこがどこまで影響するかが分からないので、取りあえずトレンドのほうは死亡率の減少を考えないで目標を作ろうということで前回はやっていますが、これは今後そろそろ検討しなければいけない時期にきているだろうと考えています。

 評価ですが、目標は達成しておりますが、予防対策の効果だけで達成されているわけではないと考えられますので、慎重な評価が必要であるというのが、ここでの書きぶりとなっております。なお、ここの評価は、頂いたときに喫煙と糖尿病の評価を見ていない状態で作っています。喫煙率については、私が国民健康・栄養調査から計算しています。糖尿病については、直近のデータがなかったので、糖尿病の有病率は前回と同じままという仮定をして計算しておりますので、実際の予測値は若干ずれてくるのではないかということを申し述べさせていただきます。

 ということがあり、様式2は、本日糖尿病と喫煙の評価を聞いてからという話になっておりますので、様式2の循環器は多分今回は作成していないと思います。

○辻委員長 分かりました。続いて糖尿病について、津下先生お願いいたします。

○津下委員 はい、よろしくお願いします。様式25ページにありますように、糖尿病関連の指標は6個あります。三次予防、二次予防、一次予防について、それぞれ目標を設定して評価をしております。それでは資料110ページ、これは三次予防の目標で、糖尿病腎症による新規透析患者数の減少を目標にしております。資料3の別紙9を御覧ください。日本透析医学会の慢性透析の現況によりますと、平成22年が16,247人、直近が16,072人でした。グラフを見ていただくと、平成10年から順次増えていきまして16,247人に達し、その後やや抑制傾向ということで、増加は止まったという状況です。さらに重要なことだと思いますが、右の図を見ていただきますと、糖尿病腎症による透析導入年齢が、平成22年の66.1歳から67.3歳に次第に高くなっている。より高齢期まで透析が要らない状況になっているということを示唆します。一方、透析医療の状況、たとえばかなり高齢になっても透析導入するケースが増えてきたということもあるかもしれないので、数だけで評価するのは結構難しいかもしれないとは思っております。現時点では新規導入者数としては、目標値の平成34年度15,000人に減少できるかどうかまだ即断はできませんが、増加の抑制がかかっている。改善傾向にはあると見られますが、現時点での評価としては変わらない、平成22年と平成26年は変わらないとしております。

11ページ、これは糖尿病の治療継続者の割合の増加です。糖尿病では、治療を中断したり未受診者が多いという課題があります。この目標については、平成22年のベースライン値が国民健康・栄養調査で63.7%でした。別紙10を見ていただきますと、63.7%から平成26年まで徐々に低くなってきていたのですが、平成27年は64.9%ということで、変わらない状況であり、目標値に到達するにはまだ幅があるということです。右側の図には性、年代別に治療継続中の割合を出しております。70歳以上の方は、男性8割以上、女性76%ということで治療継続率は高いのですが、それ以下の年齢、70歳未満では50%程度にとどまるということがあり、若年期の糖尿病治療の継続にしっかり取り組まなければならないと思います。これも変わらないという判定にしております。今後悩ましいことは、高齢者の人口が増えるにつれ、全体では数字はよく見えてしまうのではないかということです。対策としてはセグメント別に、働き盛りの受診率に着目して数字を見ていく必要があるのではと思いました。

12ページ、糖尿病の血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少ということです。ベースラインでは、HbA1c8.4%以上の割合を特定健康診査・特定保健指導の実施状況の数字から出しておりまして、1.2%だったということです。今回、平成25年度の特定健診・特定保健指導のデータ、NDBオープンデータから再計算したものですと1.0%ということで、HbA1c8.4%、昔のJDSで言うと8%ということなのですが、その割合は若干減少傾向にあり、そして、前回目標設定した平成34年度1.0%目標にするという数字は達成できているのではと思います。ただ、1%でいいというわけではなくもっと減らす必要があるので、目標の見直しが必要だろうと思っております。11ページの右側の図を見ていただきますと、コントロール状況を、性、年齢区分別で見ております。男性の4050代は1.76%とか、健診受診者のうちの2%ぐらいがHbA1c8.4%以上という非常に悪い状態にあるという状況です。やはり働き盛りの治療と、それからコントロールの改善が非常に重要な課題と思われます。そこで、改善傾向で目標は達成見込みでaなのですが、この目標でいいのかどうなのかというのは1つ議論になるかと思います。

13ページ、糖尿病有病者の増加の抑制ということです。これは、平成19年国民健康・栄養調査の結果、890万人と推計されております。目標値については、年齢構成の変化を組み入れて1,000万人という目標値です。予測値としては1,410万人に増える予定を1,000万人に抑制しようという計画になっております。その図が資料313ページにあり、推計予測値は高齢化とともに点線のように上がっていくであろうと予測されておりました。直近のデータが平成24年の糖尿病実態調査のときのデータなのですが、これで950万人ということで、ベースラインよりは若干高くなっておりますが予測値よりは低いという状況で、bとしております。5年に1回の調査ですので、今回は平成29年の国民健康・栄養調査で判断する必要があるとおもいます。判定としては変わらない、人数としては増えていますが、予測したほど増えていないという結果になっております。12ページ、これは国民健康・栄養調査で糖尿病が疑われる人の割合や治療中の割合を出しております。年齢調整値と両方、公表されたデータをグラフにしてあるものなのですが、横ばいか、平成27年度の調査では若干増加という結果になっておりました。

14ページ、メタボリックシンドロームの関連についてです。もう既に岡村先生からお話がありましたが、別紙の1415ページにそのグラフを載せてあります。14ページには、特定健診のデータから求めましたメタボリックシンドローム該当者及び予備軍の割合が、平成20年度と比較して平成26年度は3.18%減少しているということや、推計値については、1,410万人ということで横ばいとなっていることを載せております。別紙15でいきますと、メタボの割合は平成20年度から徐々に増加し、平成24年度をピークとして抑制傾向がどの年代もかかっているのかと思われます。この間、健診受診率がどんどん上がってきておりまして、協会けんぽ等の受診率も急速に伸びてきまして、健診による掘り起こしと言いますか、有所見者が多く発見されて、そのために一時的にメタボはどんどん増えていきましたが、その後、対策の効果もあって減る傾向にあるのではと考えられます。まだ現在のところは全体的には不変という判定をしております。

15ページ、今度は特定健康診査・特定保健指導実施率の向上です。資料31617ページにありますように、健康診査・保健指導の実施率はいずれも年度とともに増加しております。ただ、目標値には到達していないけれども改善しているということになるかと思います。

17ページに、性、年代別の受診率を出しております。男性も女性も、年次とともに増加は見えますが、例えば退職年齢以降、6070代の受診率は低いとか、男性と比べると女性は低いとか、様々な課題はありますが、全体としては数字は伸びてきているという状況です。

これまでのデータを総括したのが様式25ページになります。HbA1c8.4%以上の割合が1%を切るということや、それから、健診受診率などの数値的には改善の方向で、8.4%については目標達成であろうと考えられます。他の項目については横ばい、高齢になるとともに増えるものでも横ばいという状況になっております。

 関連した取組としては、スマート・ライフ・プロジェクトでの4つのテーマの推進や、それから、糖尿病腎症重症化予防を行った市町村の表彰など、その気運を盛り上げたり、それから、保険者の義務としての特定健診・特定保健指導。さらに、日本健康会議での重症化予防の取組、それから、糖尿病学会では、「対糖尿病戦略5ヵ年計画」で、「糖尿病を増やさない・悪化させない社会環境の構築」をスローガンにかかげ、専門医だけではなくかかりつけ医も一緒になって糖尿病コントロールを改善しようという取組が進められています。各都道府県においても、「糖尿病重症化・合併症発症予防のための地域における診療連携体制の推進に資する事業」、それから、インセンティブ指標等に盛り込みが行われております。全体的には数字がよくなっているものもありますが、年代とか、そういうサービスがまだ行き届いていないところ、特に働き盛りについては、まだまだ糖尿病に関しては大きな問題がある。それから、高齢化に向けて更に糖尿病有病者は増加してくるので、それに対する対策が必要だろうと思われます。以上です。

○辻委員長 ありがとうございました。それでは、COPDについて西村先生お願いします。

○西村委員 それでは様式116ページを御覧ください。様式28ページを御覧ください。COPDは目標は非常にシンプルでして、健康日本21(第二次)からCOPDという疾患がこの目標に入ってきたわけです。目標としては、一般ポピュレーションの間の認知率を25%から80%まで上げるというものです。結論は、ここにありますように基本的には変わっておりません。どうやって認知率を調べているかと言いますと、1万人に対するインターネット調査です。日本の性、年齢、地域等を考慮した、それに相当する1万人に対する、毎年年末に行われているインターネット調査で、かなり信頼性のあるものと考えています。

 結論として言うと、当初、順調に28%、30%と認知率は上昇していったのですが、その後、低下に転じまして、結局ベースラインと同じ状況になったと、認知率に関しては同じ状況になっているというのが現実です。この背景としては、最初の2年間、様々な啓発事業の中で大変予算があったというのもありまして、テレビコマーシャルを重点的に採用したことがあり、それが当初順調に伸びていった理由だと思います。その後、テレビコマーシャルが難しいということから様々な別の啓発運動に変えたのですが、それから必ずしも一般ポピュレーションの認知率向上には結び付かずに、結果としてこういう形になっているということです。

 ただし、全く効果がなかったかと言うと、質問の中にこの疾患をよく知っているという調査があります。つまり、認知率というのは、この病気を聞いたことがあるということで調べている調査ですが、よく知っているという調査で見ると、もともと5%ぐらいだったものが、ベースラインで7%、更に9%と上昇しています。これは、少しずつではありますが着実に上昇しています。COPDの例えば受診を促すという観点からすると、単に病気を知っているというよりも、よく知っているという観点が重要だと考えれば、セカンダリーの目標として、この病気をよく知っているというのを、目標値にもう1つ設定するというのも1つの考えではなかろうかと思います。

 様式2のページ8を御覧ください。結果としては大変残念な結果なのですが、手をこまねいていたわけではありませんで、様々な啓発運動が行われています。ここにありますように、COPD疾患啓発のための組織としても、日本呼吸器学会主導のもの、医師会主導のもの、産学一体の委員会であるGOLD日本委員会、あるいは啓発プロジェクト、さらには、有志の国会議員による慢性呼吸器疾患対策推進議員連盟、さらには患者団体による日本呼吸器障害センター、こういった組織が様々な活動をしておりまして、その活動の内容はここに書いてあるとおりです。「肺の日」「呼吸の日」などを設定した市民向けの啓発運動とか、様々な資料、マスメディアを通じた活動、それから、肺年齢の導入によるスパイロメトリーの検査の普及といったことで活動を行ってきました。

 実は、2つ是非申し上げたいことは、8番と9番に書いてある点です。1つは、様式29ページの8の所に、たばこパッケージの警告表示の修正をお願いしたいとあります。現在、たばこパッケージには様々な疾患の警告が書いてあるのですが、肺の疾患に関しては「肺気腫」という言葉を使っているのです。ここにCOPDという名前を入れれば、それはたばこを見る人は全員見るわけですから、やはりCOPDという認知率は著しく向上するだろうということで、これは学会、医師会を通じて厚労省・財務省に申入れをしております。いずれ、たばこパッケージの警告表示修正が行われると一応聞いておりまして、その際には、是非COPDという文言を入れてほしいと考えております。

 もう1つは、国が関与する法規、文書の疾患標記に、COPD、せめて慢性疾患(COPD)でもよろしいのですが、このCOPDという言葉を是非入れてほしいということなのです。と言いますのも、その下の今後の課題に書いてあるように、現行の医療現場では、COPDという疾患名が、現実にカルテの病名、あるいはDPC、いわゆる診療群分類のDPC、あるいはWHOの日本版の疾患等々においても、記載できないのです。これは日本語名ということが原則になっているからで、慢性閉塞性肺疾患という、実際にはほとんど医療現場で使われていない病名が残っているということがありまして、この辺も、やはり認知率向上という面では大変問題があるだろうと考えております。

 最後に、先ほども申し上げましたように、認知率80%の目標達成というのは、5年目の時点で事実上ほとんど上昇していないということですから、極めて困難な状況と言わざるを得ないのですが、どのような病気かよく知っている人の割合ということに関しては、これは着実にゆっくりではありますが、伸びているという現実があります。患者の受診行動を促すという観点からは、より実質的な意義があると思われるこのような目標値を、せめて第二の目標として設定するのはいかがだろうかということを提案したいと思います。以上です。

○辻委員長 ありがとうございました。それでは前半の御説明を頂きました。これにつきまして、委員の皆様から御質問、御意見を頂きたいと思います。どのテーマからでも結構ですが、何か、どなたかございませんでしょうか。

 津下先生、1つお聞きしたいのです。糖尿病のところで、全体として見ると改善傾向ですけれども、4050代の働き盛りでの改善がよくないとか、あるいは健診の実施率も全体として上がっているのだけれども、高いところもあれば低いところも、低下するところもあります。やはりセグメントとして見ていって、少しセグメントに合わせたようなアプローチが必要だというお考えですか。

○津下委員 ありがとうございます。全体の目標値については、横ばいもしくは改善傾向の数字になっているのですが、やはりうまく反応できていない年齢層があることは明らかです。今後は、性、年代、又は職域なのか、どういう仕組みでそこにアプローチをしていくのが有効なのかという対策面では、セグメント別の評価に力を入れていくのが重要ではないかと思います。それから、糖尿病の場合は医療と健診・予防との関係が非常に密接なので、そこの連携の強化がもう少し図れることによる全体としての底上げも、必要なのかとは思っています。若年というか60歳未満の男性についてのデータが、まだそれほどいい状態にはなっていないというのが、今回の評価ではとても気になったところでありました。以上です。

○辻委員長 ありがとうございました。

○吉村委員 津下先生、今のお話にちょっと関連してなのですが、日本老年病学会などでは、今度、高齢者の糖尿病のコントロールが、HbA1cが低くすぎるのではないかみたいな感じで、何か低すぎるよりは8.5のほうがいいのだみたいな講演をちょっと聞いたりするのです。その辺、コメント的なものをこの委員会としても少し出すというか、低すぎるのも高齢者の場合は問題だという意見もあるみたいな感じでは、少し議論が必要かと思います。

○津下委員 ありがとうございます。高齢者の糖尿病患者のコントロール目標について、低血糖を起こすと予後が悪くなるということが明らかになってきたこと、それから、高齢者ではADLとか認知症の状態等、個人差が大きいことに対応して新たなガイドラインが出されました。高齢者のコントロール目標としては、例えば、SU剤とかインスリンのような低血糖を起こしやすい薬を使っている人と、そうではない人の目標を区別して示しています。その周知徹底は非常に重要なことだと思っています。例えば、健診の事後指導のときに、6.5%以上ですと受診勧奨判定値にはなるのですが、70歳で糖尿病の治療中の人に対しては、6.8%だから心配ですよというメッセージとはならないことに留意する必要があります。

 それから評価についても、高齢者については糖尿病の合併症よりもフレイル、認知症やQOLを重視すべきであること、一方4050代の糖尿病では10年後、20年後の血管合併症を減らすためにきちっとコントロールする必要があること、両方がここの中に入ってきているのです。対策としても、若い人はメタボの対策だし、高齢者はフレイル対策で筋肉量を落とさないようにしないといけません。糖尿病対策として大まかにいうと2つの集団があるのは明らかになってきましたので、それに向けてのメッセージが必要と思います。その辺りも盛り込んだ考察ができればと思います。

○辻委員長 是非そのとおりお願いしたいと思います。ほかにどなたか御意見ありますか。

○若尾委員 ちょっとミスプリの指摘です。様式16ページの血圧の所の一番左のカラムの目標値で、女性の所が「拡張期」になっていますが、これは「収縮期」だと思いますので修正をお願いします。

○辻委員長 ほかにどなたか御意見ありますか。

○近藤委員 厚労省のNDBのオープンデータが持っている変数について質問なのですが、健康格差を縮小する上では、ターゲッティングして、どの層に困難層がいるのかを見定めて対策を講じるのがとても大事だと思っているのです。その視点から言いますと、健保、国保、協会けんぽ、保険の種類別に数字を出すことができるのかどうか。もしそれが出るのであれば、それこそ健診受診率に大きな乖離があるように、治療の中断率とか継続率にも多分大きな差があるのではないかというのは予見できるものですから、NDBのオープンデータで、そのような保険の種類別に数字をはじき出すなどということができるのかどうかをお尋ねしたいのです。

○吉見たばこ対策専門官 ありがとうございます。オープンデータの中でその項目での検討ができるかどうかも含めて、ちょっと担当というか保険局とも相談をして確認をしていきたいと思います。

○辻委員長 今の近藤先生のお話は大変重要な話で、先ほど津下先生からもお話がありましたが、全体としては改善しているというだけで終わってしまうと、対策は進まないわけで、その中でも、うまくいっているセグメントとうまくいっていないところがありますので、4050代の働き盛り、あるいは、医療保険の中でもいろいろな種類によっては出てくると思いますので、その辺を細かく出していって、底上げをすることを通じて格差を縮小して全体にもよくしていくというところが、これから後半戦の在り方だと思いますので、是非その辺のデータが取れるようによろしくお願いしたいと思います。ほかにどなたかございますか。

○北原委員 津下先生の御発表の中に、働き盛りの方たちと65歳を境に大分違うという数字があります。やはり、全体で1%という目標よりは、働き盛りのちょうどこの8.4%を超えるような方は、産業医の視点から言えば、就業上の制限とかを考えたい人たちだと思いますから、年代にそれぞれで1%というような、厳しいかもしれませんが。やはり働き盛りの方たちのコントロールをしっかり見ていかなければいけないと思いますので、階層別の目標設定というのは重要ではないかと思います。以上です。

○津下委員 中間評価では元のデータと比較ということになっていますが、今後、やはり対策につながるようにセグメント別に評価をしていきたいと思います。

○辻委員長 ありがとうございました。ほかにどなたかございますか。

○近藤委員 先ほど岡村先生の報告のときにちらっと言ったのですが、血圧がだんだん下がっているのだけれども、その理由は何だということが、今回はデータのセグで出ないというのでいいので、後半に向けて、あるいは第三期に向けて、今のうちからデータを取り始めるという、高血圧に限った話ではないのですが。例えば思い付くのは、日本中で食塩が一体何トン消費されているのかとか、そのようなデータがもしどこかにあれば、ここで塩分摂取量が減ったからではないかとか、何かそういう、次の手を考える上で参考になりそうだと思うのですが、岡村先生、何かそのような情報、スペキュレーションでもいいので、もしあったら。

○岡村委員 いえ、これはもともと目標を立てるときに、塩分とか野菜、果物のカリウムとかの目標値がそれぞれ立てられていて、それを達成されたときの血圧値の変化が4mmHgという推定をしています。ですので、これは後でその辺の評価はまた順次多分されると思うのですが、実際にその塩の変化がどれくらいあるとかいうデータが全部出てきたときに、実際にその変化と血圧の変化に相関があるかどうかは今、出そうと思っています。

○近藤委員 そしてそういう、例えば食塩の消費量のデータというのは経年的に取れる仕組みが。

○岡村委員 消費量で取れるかどうかは。それは多分、何か管轄が、省庁が違っていて、恐らく国民健康・栄養調査で塩分摂取量か何かは多分聞いていると思うのです。ですから、そちらから見ていくことに恐らくなるのではないかと思います。

○近藤委員 都道府県とか市町村の健康日本21の市町村版とかで相談を受ける機会があるのですが、そういうときに、例えば食塩などが話題によく出るのですが、我が町の、あるいは我が県の塩分消費量はどうなのみたいな、ブレークダウンした数字みたいなのがどこにあるのかちょっとよく分からなくて。何かそういうのがあったりするといろいろ論議に具体性が帯びていいなと今、書いたものですから、そのようなデータがもしあるのであれば、是非活用しやすい形にしていただきたいと思います。

○津下委員 血圧が全体としては改善してきた、先ほどのと同じなのですが、高齢者の血圧と若年層の血圧、年齢調整では改善しているのだけれど、特にうまくいっていない年代層、セグメントがないかどうかの御検討をされているのなら、それは教えていただきたいということと、いつも塩分の話は出るのですが、高血圧が下がってきたのは血圧のお薬が普及してきたからではないかということもあるので、治療状況との関連についていかがでしょうか。

○岡村委員 年齢別について、血圧だけの集計で言うと、全体で見ると、どの年齢を見てもどの性別を見ても一応低下傾向なのです。ですからそれは逆に言うと、先ほど近藤先生が言われたことと絡んでくるのですが、実際に例えば、働き盛りでもどういう職場で働いているかのほうがむしろ大事なのです。逆に言うと、産業医が常駐されているような企業は私たちから見るとそれほど問題点がないようにやはり見えてしまって、むしろそうではない所のほうにあるのですが、それがなかなか。栄養調査は来てもらった人しか分からない。NDBのほうはNDBのほうで、Nは大きいけれどバイアスは取れていなくて、大企業はほとんど本人が受けていて、国保の人は、例えば3割ぐらいしか受けていない、あれで国民の代表データで恐らくバイアスが取れていないから言えないのです。ですので、先ほど言ったようにセグメントごとに見るときには、多分就業の状況を見た上で見る。全部ならしてしまって平均を取ると、低下傾向というのは全部どこでもちょっと出てくるのですが、どのファクターが効いているかというのは別の解析が恐らく必要になってくるだろうと思います。

 それから、もう1つ後半は何でしたか。

○津下委員 服薬、降圧剤。

○岡村委員 健康日本21の目標値設定そのものが、そもそも飲むべき人は服薬率も上げろという目標値が入っていますので。ただ、実際に服薬をしていない、している人を除いた場合についても、そういう集計を多分されていると思うのですが、程度としては変わるのですが、低下傾向は低下傾向であるというのがあります。一応、ただこのままずっと続くかどうかというのは分かりませんけれどもというのが1点です。それから、血圧に対する寄与の割合というのが、先生に言えば釈迦に説法ですが、肥満の割合がやはり増えてきているのです。昔は、血圧が高い人と低い人で肥満度の差というのはほとんど何十年か前のデータを見るとなかったのですが、そこは今、かなり肥満の割合が大きくなってきているので、元となっているファクターの影響というのは変わってきているだろうと思います。なかなか積み上げると、全体の結果が出ないとスペキュレーションができないところが若干あるのですが、というのが今、持っている情報です。

○辻委員長 ほかにどなたか御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、後半に移りたいと思います。

 では最初、「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標」ということです。こころの健康について山之内先生お願いします。

○山之内委員 こころの健康に関してです。様式117ページ、様式210ページからになります。まず、こころの健康のほうは4つ目標があります。1つは、全てのアウトカムということで、自殺率を挙げております。平成22年のベースライン値で自殺率が人口10万人当たり23.4人ということで、直近の実績値で平成27年の人口動態調査で18.5人となっており、減少しています。自殺のほうは、自殺総合対策大綱というものが定められており、それで平成28年に19.4にするということを目標にしておりました。自殺の死亡率なのですが、資料を訂正していただきたいのですが、平成15年をピークに減少し続けており、平成22年からはずっと継続して自殺率は下がってきております。かつて3万人をずっと超えていると言われていましたが、今や25,000人も下回るような状態になってきています。ただ、いずれにしても国際的にはかなり高い状勢が続いています。

 自殺の年齢や性別では、男性がやはり非常に多くて、かつ、中高年の男性が多いという傾向がありましたが、その傾向に関しては20ページの別紙を見ていただきますと、中高年、40歳から69歳までの方をオレンジと灰色にしてありますが、その方々の減りが全体の減りを引っ張っているというような傾向があります。これは男性のグラフです。ただ、若者、若者と言っても39歳以下ですが、それから高齢者、70歳以上の方の減りが鈍いということがありまして、この辺りに対する対策は必要ではないかと考えております。こちらのほうは自殺総合対策大綱が改正されて、また新たな目標値が設定されるものと考えております。

18ページです。こころの状態ということで、国民生活基礎調査で、「不甲斐ないですか」とか、「落ち込んでいますか」というような6つの質問があり、6つの問いに答えて、評点が10点以上の方を不安障害・鬱病に相当するような心理的苦痛を感じている方と定義させていただいて、その割合を指標値としております。平成22年のときは10.4%の方がその状態であるということでした。それを9.4%にしようという目標値ですが、それが平成25年では横ばいで10.5%であったということです。

 それを年齢、性別に見ていただくと、別紙21、様式2のほうの21ページです。すみません、これも資料の修正をお願いしたいのですが、凡例の所の薄いスカイブルーが男性の平成22年、その次のピンクが女性の平成22年です。その下の濃い青が男性の平成25年、下の赤が女性の平成25年ということで、真ん中の2つの凡例が逆になっていました。申し訳ありません。それで見ていただくと、若年層のほうが男女ともに悩んでいる方、心理的苦痛を感じている方が微増しているという状況になっています。

 一方で、このグラフを見ていただいてお気付きになると思いますが、いわゆる自殺率の高い中高年の男性は、最も心理的苦痛を感じていない世代になっています。恐らく、自殺というのが心理的苦痛と直結しているだけではないということを暗に示唆するものではないかと思われます。

 また、心理的苦痛の件は横ばいだったわけなのですが、一方で、この間、医療療のほうで鬱病や不安障害で受診されている患者さんの数は激増しております。100万人を超えました。患者さんは激増しているにもかかわらず、心理的苦痛を持っている方は全然変わっていないという現状があり、これも恐らく、実は違うポピュレーションではないかと。悩んでいる方と、鬱病になってしまって病院までかかる方というのを直結させないような保健対策が必要ではないかと考えております。

19ページです。メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場です。産業メンタルに関することですが、こちらのほうは、去年からストレスチェックが義務化されまして、今後、健康診断に関連させたスクリーニングが恐らく普及してくるだろうと想定されています。

22ページの図、少しこれは私的な考察を入れたところなのですが、グラフに項目がずっと並んでいまして、職場でどのようなメンタルヘルスの対策をとっているのかということが下に項目で載っています。その中で4つほど着目するべきものとして挙げております。オレンジ色が平成22年、青色が平成27年ということで、大幅に伸びているもの、伸び代のあるものということで、4つほど選ばせていただきました。1番が健康診断と連動させたメンタルヘルスチェックの導入。2番目が、メンタルヘルスの職場内での相談体制です。スクリーニングで高い点数が出てもどこにも行き場がないということであれば、恐らくちゃんとしたスクリーニングもできないであろうと予測されまして、この辺はスクリーニングをやりっ放しではなくて、その後相談する体制が必要であろうと。

3番ですが、組織的な復職プログラムです。よくあるのが、会社で鬱になるとクビになるのではないかとか、そういう発想にならないために、ちゃんとした相談体制、そして、その後の復職のプログラムといった整備が一体化して必要ではないかと。4番目としては、それを会社で組織として、上司の方や管理者の方々がそういったことを理解するということが必要ではないかと思われまして、そういった部分は、非常に平成22年から平成27年にかけて伸びているところです。なかなかメンタルヘルスに対する対策を、このように一体的にとれる職場としては、大きい企業がどうしても優先されるところではあるのですが、そういった一体的な対策が必要ではないかと考えるところです。

20ページの最後の指標です。今度は次世代の健康です。次世代のこころの健康ということで、小児科医、児童精神科医の増加ということが目標として挙げられています。結果としては、子供の人口が減少していますので、その割合を掛け合わせたとしても、児童精神科医、小児科医の数は増えてきております。今後も増加傾向が見られるのではないかと予測はしております。ただ、これも医療を行う専門家を育成するというのも、もちろん大事なことではありますが、先ほどのこころの健康の心理的苦痛を感じる者と自殺との関係が余りないというところからも言えるように、次世代のそういった保健、例えば、妊産婦検診や産後鬱といった、精神保健以外の領域におけるメンタル領域の下支えというか、保健の対策が肝要ではないかと考えております。

 あとは休養、飲酒等もありますが、こういったものとも非常にこころの健康は絡んでくるところですので、引き続きそういったものとの関連も見ていきたいと思っております。以上です。

○辻委員長 ありがとうございました。続いて、高齢者の健康について、吉村先生と近藤先生からお願いいたします。

○吉村委員 よろしくお願いいたします。高齢者の健康は様式121ページからになります。まず、介護保険サービス利用者の増加の抑制に関してです。もともと人口を加味して、平成37年度の目標値が657万人となっており、今の人口の直近のデータは、ベースライン値が平成24年の介護保険事業報告、ここで検討しましたのは平成26年の介護保険事業報告でして、まだそこまで到達していないということで、変わらないと判定しました。しかし、一応この数は今後増えていくので、その目標値を抑さえられるかどうかというのは、今のところかなり増えているということも伺っており、割合で見てみると、認定率は17.6から17.9とやはりやや増加傾向にあります。それは、重度の認定者が増えているわけではなくて、要支援から要介護2の比較的軽度、医療介護2というのが軽度かどうかというのは難しいところなのですが、そこの増加が顕著であるということで、ここにおいての対策が必要となってくるのではないかと考えました。

 様式122ページです。認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率の向上ということで、目標値は10%ということですが、これもまた厚労省の介護予防事業報告からデータを取りました。この定義ですが、基本チェックリストには認知症関連3項目があるのですが、その1項目でも該当があれば「あり」という定義でこの数字を出しております。しかしながら、平成27年度の介護保険法の改正により、基本チェックリストが必ずしも必要ではないという方向で、有り体に言うと実施しなくてもいいということになりましたので、この認知症の目標値を算定するその基礎データに関する代替データを検討する必要があるということで、ここは判定は保留とさせていただきました。

 次は23ページ、3のロコモティブシンドロームを認知している国民の割合の増加ということなのですが、もともとベースライン値が、まだこの概念が導入されたばかりの平成24年のインターネット調査の17.3%であり、学会等関係団体の努力もありまして年々増加しており、平成28年のインターネット調査で47.3%となっています。資料3の別紙24を御覧いただくと、平成27年が44.4%、ここまでは順調に来ていたのですが、平成28年で47.3%と、やや頭打ち傾向にあるというところが気に掛かるところです。しかし、このロコモティブシンドローム導入のときに、診断方法に関して、まだ概念のみの導入であったのですが、最近になって臨床判断値やロコモ度テスト、簡易診断法ですが、これが発表されたということは非常に大きな進歩であり、あとは、東京オリンピックなど運動器の重要性の広報というチャンスもありますので、ここでもう一回ブースターをかけて、目標の80%に到達できるように頑張っていけたらと思っております。

 様式124ページです。低栄養傾向の高齢者の割合の増加の抑制ということなのですが、目標値は、多分、高齢者の低栄養傾向の割合ということだと。「割合の増加」ではなくて、割合が22%よりも下を目指すということだと思うのです。そもそもベースラインのデータが、BMI20以下で17.4%です。別紙25を御覧いただくと、目標が22%に対して、調査が開始された平成22年、ベースラインから見てもずっと1718%前後で揺れており、直近では16.7%ということで「改善」と書いていますが、これはもういけるのではないかと考えております。1つだけ懸念事項は、高齢者です。85歳以上の高齢者のやせの割合は29%と高くなっていますので、やはり年齢別に見た場合に、最もフレイル、あるいは要介護の状態に落ち入りやすい高齢者の中でのやせの割合を、もっと減らしていくことが必要ではないかと考えます。

5番目の、足腰に痛みのある高齢者の割合の減少についてです。これは、厚労省の国民生活基礎調査で算定しておりますが、これについては、平成22年と平成25年の結果を比べると、男性は増えていて、女性は減っているというトレンドがあるのですが、今回、大規模調査が平成28年度に実施されているので、その結果を見てから判定をしたいということで、判定保留といたしました。

 今までの項目についてまとめた様式2の高齢者の健康を御覧ください。6番目は近藤先生がお話になるかと思います。高齢者の健康をまとめたところの取組などにおいては、まず、やはり最も大きいのは、介護包括ケアシステムが構築されるべく法律が改正されたということです。これについて、次の近藤先生からの話ですが、高齢者の社会参加や自立などに関しても、包括的な地域のシステムが出来ようとしているというのは非常に大きな追い風ではないかと考えております。

 ロコモに関しては、先ほど申し上げましたように、やはり「ロコモチャレンジ!協議会」など関連団体の努力。それから、日本整形外科学会が、今まで概念的なものであったものに、簡易診断法を入れて、臨床判断値というものを導入したということは、予防のための目標値が出来たわけですから、今後、認知率の上昇には非常にいいのではないかと考えます。それから、食事摂取基準についても、先ほどの関連団体の日本老年病学会がフレイル、サルコペニアという概念の拡散に非常に努めており、高齢者のフレイルは、やはりやせが非常に大きく影響しますので、医療的な面からでも大きな拡散というか、広報の後押しになるのではないかと考えております。以上です。

○近藤委員 資料126ページ、高齢者の社会参加の促進が私が担当したところです。社会参加の状況というものを、国民健康・栄養調査の質問項目から数字を拾いますと、目標が80%に対し、平成24年が59%です。全く同じ質問で追跡できるものが残念ながらありませんで、参考として内閣府の「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」というものがあるのですが、これでは5年間、平成20年から平成25年の間に、男性で64%から62%で2%ポイントの減少、女性で55.1%から60.2%で、女性は5%ポイントほど上昇と、こんな傾向があります。何せ質問が違う、サンプリングも多少違うということもあり、これをもって、良いとか悪いとかはなかなか言いにくいというのが現状だと思います。

 別冊の資料3で関連する所を見ますと、26ページに高齢者の社会参加に関わる、就業、通いの場のグラフが入っています。左の高年齢者の雇用状況集計結果を見ますと、右のほうの平成24252627年辺りは、おおむね右肩上がりという傾向があり、やはり法によって定められると企業は反応するということが読み取れます。右のグラフ2の通いの場の数と通いの場を持つ自治体数の年次推移を見ても、平成25年から3年間で着実に右肩上がりで増えているという傾向が読み取れます。

 文章で書いた様式2のほうでは、14ページが6の高齢者の社会参加の促進に関わるところです。先ほども言いましたが、高年齢者雇用安定法の改正に伴い、希望者全員が65歳まで働ける仕組みの導入を義務付けられたのに伴って、取り入れている企業が増えているというのは先ほど御覧いただいたとおりです。就業以外に、社会的な活動への参加、ボランティアや通いの場など、いろいろあるということで、そちらも見たわけです。それでいくと、下の1)就業のほうはやや増加、2)ボランティアについては、統計が経年で同じ統計では追える形になっていないものですから判定保留という面があります。また、ボランティアは育成はされており、37,783人という数字もありまして、その中で高齢者が4割近くを占めるというような1時点での数値はあります。3)地域における活動では、介護保険法の改正に伴い、市町村が通いの場の整備を始めまして、通いの場の数、利用者の数という面で見ると、増えてきているということが読み取れます。

15ページの今後の課題です。6では2つだけ挙げてありますが、1つは、このようなデータについても、やはりブレークダウンできるものがないと、ターゲッティングしてセグメンテーションして進めるということができないので、今後そういうデータの再分化ができるデータの把握ができるようにしてほしいということが1つ。

 もう1つが、通いの場について、通いの場が増えるといいはずだという仮説と一部のデータでの検証は進んでいますが、全体としてもそういうことが言えるのかどうか、もう少し裏付けが必要だということを感じました。以上です。

○辻委員長 ありがとうございました。続いて、「栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標」ということで、飲酒について御議論いただきますが、御担当いただいている樋口先生が、今回、次回とも専門委員会に出席できないということですので、事務局の吉見専門官から代わりに説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。

○吉見たばこ対策専門官 資料127ページ及び資料327ページをお開きください。飲酒について項目が3つあります。まず1つ目です。生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上の者)の割合の減少というものを1つ目標にしております。目標値として、平成34年で男性13%、女性6.4%を掲げているところ、ベースライン値の平成22年において男性15.3%、女性7.5%となっています。直近平成27年度の国民健康・栄養調査では男性13.9%、女性8.1%となっています。資料327ページのグラフで見ていただくと、こちらは特に統計検定をしているわけではありませんが、横ばいとなっていますので、判定としては特に有意差がないと思われるということでbの判定とさせていただいております。

 飲酒についてもう2つありまして、未成年者の飲酒をなくす、そして、妊娠中の飲酒をなくすという2つです。いずれも目標値はゼロです。まず、未成年者の飲酒については28ページです。ベースライン値は平成22年の厚労科研の調査ですが、中学3年生が男子10.5%、女子11.7%。こちらが平成26年の研究班の直近値では、男子7.2%、女子5.2%と減少している。高校3年生については、平成22年の男子21.7%、女子19.9%が、平成26年の直近値では、高校3年生男子13.7%、女子10.9%と、いずれもそれなりの減少傾向はしております。資料328ページに今の状況が棒グラフで示してありますが、安定して低下は続けているところですので、判定としてはaというところです。

 こちらはグラフはないのですが、資料129ページについてです。妊娠中の飲酒も同様に0%を目標として、平成22年のベースラインで8.7%ですが、調査は変わっていますが、平成25年で4.3%ということで、基本的には減少傾向にあるということでa判定とさせていただいております。

 この状況について、資料216ページ、様式2で飲酒についてまとめさせていただきます。改善傾向が2つで、変わらないというものが1つということですが、関連した取組としては、大きなものにアルコール健康障害対策基本法があり、その法律に基づき、平成28531日に基本計画が閣議決定されています。この中で、向こう5年間ということで重点課題が2つ盛り込まれていて、そのうち1つが、この健康日本21の飲酒の関連の3項目と同一になっています。ただ、アルコール基本計画は5年で、健康日本21より若干短いので、我々の平成34年より前倒しをして平成32年に目標値の達成を掲げて、若干前倒しで進めているものです。

 この基本法、基本計画にのっとって、健康日本21の対策も含めて進めていくわけですが、その基本計画の中には具体的には、妊産婦や未成年へのアルコールの健康問題についての啓発や、以前からも進められていますが、アルコール関連問題啓発週間(1110日から16日まで)や、未成年者飲酒防止強調月間(4)、そういうものの機会を通じて健康日本21、健やか親子21だけではなく、地方公共団体、関連団体、事業者等と連携して啓発と対策の推進を実施していくということが位置付けられています。

 その他ですが、17ページです。特定健診・保健指導のプログラムの中で、減酒支援(ブリーフインターベンション)、これは固有名詞というよりは、短い時間を使って減酒のための問題意識を持っていただくとか、動機付けをするための短い介入のことですが、そのことについて、別冊としてマニュアルを差し込んでおります。そのほか、厚労科研の中で、使用実態調査や、ブリーフインターベンションの国内での使用状況の効果などについても評価を頂くことにしております。そのほか、e-ヘルスネットという厚労省の情報提供サイトで飲酒の問題についても普及啓発をしているところです。

 今後の課題としては、国レベルでも、この基本計画に基づく対策が着実に実施されていることが求められています。それが1点と、努力義務ではあるのですが、各都道府県において、都道府県アルコール健康障害対策基本計画が策定され、確実に実施されていることが求められています。簡単にはなりますが、以上です。

○辻委員長 ありがとうございました。ただいま、こころの健康、高齢者の健康、飲酒について説明がありましたけれども、これについて委員の皆様から御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

○谷川委員 山之内先生にお聞きします。別紙21K6を使ったデータで、平成22年というのは2010年です。平成25年というのは2013年で、これは震災をはさんでいるのですが、特に東北の方々についてと、西日本でどういう違いがあったのか、そういう分析はされませんでしたか。

○山之内委員 しておりませんので、これは是非ともさせていただきます。

○谷川委員 私たちは、原子力発電所の所員なのですけれども、K613点というカットオフポイントにしたときに、1Fでは40%以上、2F30%以上とものすごく高かったのです。これの経年変化を見ると、有り難いことに年々下がってきています。ただ、その当時に受けた非難・中傷、あとは同僚の死とか、そういう人というのは横ばいとか、そういう要因との関係も明らかになってきています。是非とも東北の方々については、丁寧に見ていただくことが大事かと思いますので、よろしくお願いいたします。

○山之内委員 ありがとうございます。

○辻委員長 私は東日本被災者の調査をずっとやっております。被災後K6の点数が上がったり、アテネ不眠尺度でいうところの睡眠障害の方が非常に増えました。それが、だんだん下がってはきているのですけれども、まだ全国水準まではきていないという状況です。被災者の中で格差が広がってきていて、生活再建に成功した人とそうでない人とか、格差が広がる中で、K6の点数にも差が出てきたりしています。我々が持っているデータは非常に小さいサイズのものですので、国全体で70万人の中で見ていただければと思います。よろしくお願いします。

○津下委員 高齢者についてです。吉村先生の記述にもありますけれども、65歳以上をひとくくりで何パーセントというよりも、前期高齢者、それから後期高齢者も85歳以上と未満と分けてみるといかがでしょうか。各区分で身体状況も、活動状況も違います。それに分けたデータを追跡できるといいかと思うのですが、それが可能かどうかということ。

 それから、近藤先生のほうでは社会参加というのに、就労をどうとらえるのかということです。働くようになったから地域活動をやめますという人もいます。就労が社会活動に含まれているかどうかの定義です。男性の社会活動が減ったけれども、就労は上がったという、矛盾したデータに見えました。就労も含めて、社会参加として捉えるとどうなるかということの検討は可能でしょうか。

○吉村委員 先生がおっしゃるように、昔の言い方になりますけれども、前期高齢者と後期高齢者では全く異なると言ってもいいぐらいに、身体活動に関しても、あるいは健康状態は先ほど言ったフレイルに関しても、大きく異なっております。少なくとも75歳以上と、74歳よりも若い人に関しては、そのサブ解析は絶対に必要だと思っております。85歳以上に対して可能かどうかというのは、可能は可能だと思うのですが、サンプル数がどうか、この資料一つ一つについて精査しなければなりません。可能なものもあり、80歳でまとめてしまっているようなデータもあるように思いますが、できる限り細かく見ていけるようにしたいと思います。

○近藤委員 高齢者の健康の指標を設定したときに私は専門委員ではありませんでしたので、非常に気楽な立場で答えさせていただきます。設定されている目標値では、そのブレークダウンした数字が設定されていないので、取りあえず今回事務局のほうから用意していただいたほうでは、ブレークダウンした数字はありませんでした。一般に公表されているデータは丸めているものが、この表に限らず今回全てのところにあったと思います。次の段階では、合計値があるということは、元の段階では分かれているものもかなりあるはずですので、その辺はできるだけブレークダウンしたものを見ながらやっていくというのは、全ての項目について大事ではないかと思いました。

 それから、社会参加ということで就労ということについても、今回取っている内閣府の高齢者の地域社会への参加というところでは、そこがそのように取られていないと、もうどうしようもない面があるかと思います。

 通いの場については、私も直接市町村にそういうデータがないかというのでこの間やり取りして分かったのですが、参加者の延べ人数は把握しているのだけれども、実人数、いわゆる名簿では把握していない市町村がほとんどでした。そうすると年齢別とか、そういうのになるとなかなか出せないというのが、多くの市町村の実態のように聞いています。

○津下委員 一定の限られた人が何回も参加して、参加していない人は全然参加していない。この状態を把握できるように、個人が把握できると今後はいいのかと思いました。

○西村委員 先ほど私が申し上げたように、COPDは認知率という点で大変苦戦しています。一方、ロコモシンドロームは、方法論が違うにしろ、ベースラインの17.3%から47.3%と驚異的に改善しています。これについてはどのようなことが改善に寄与したか検討されていたら是非教えてください。

○吉村委員 あくまで個人的な意見になってしまいますが、まずCM、でもたばこもやられているかと思うのです。COPDもやられているかと思うのです。運動器関係がみんな一丸となってやっているというのが、まず大きい。それから最近少し話題になっている、椅子からの立ち上がり検査とか、そういう簡易なことで運動のチェックができるロコモドテストというのを発表して、それに対して今CMを打っています。例えば、あなたの40を知りましょうとか、40cmから片足で立てるかと。そういうのというのは、割と簡単にできる検査で、しかも遡及力があるというか、そういうテストを一次診断というか、自分でチェックできることに選んだのは偉いと、そこはうまかったと思うのです。

 しかし先生、ロコモも先ほど申し上げましたように少し頭打ちになっています。ここでブースターがもう一段必要なのではないかという、日整会のほうでは危機感を感じております。44%から47%ですから3%しか増えていないというのはピンチだと言っていました。社会学的な考察になるかもしれないのですが、認知率が社会で30%を超えると、そこからガッと等比級数的にというか、ガッと認知率が上がるというコメントを見たことがあります。実際は30%を超えてから頭打ちになっているのはどういうことなのだというのは、よく分からないのですけれども、あります。

 もう1つは、日整会の理事の先生方とのパーソナルコメント、コミュニケーションで話をしたのですが、少し怖くないといけない。要するにやればいいのです、いいのですばかりだと、対象の高齢者は余り危機感を感じない。少し運動器が弱っていくと歩けなくなってしまうのだとか、寝たきりになる可能性があるのだと。少し頑張らなければ、怖くなければいけないと。バラ色の社会ばかりではなく、やればいいのだではなくて、やらないとこういうこともあるのだという両論を知っていただくというのが、1つモチベーションになるのではないかということをおっしゃっていました。

○岡村委員 飲酒のところなのですけれども、飲酒のトレンドを見るときに、結局すごい飲む層は、バブル期から団塊ぐらいまでの男性なのです。その層が高齢化して、飲めなくなってくるとだんだんシュリンクしていく。若い人は昔ほど飲まないです。ですから、そのターゲットを見るときに、年齢層をちゃんと区切っておかないと、どこに問題があるのか分からなくなる。ひょっとしたら団塊世代が飲めなくなったから減っただけという現象が今後出てくる可能性がある。問題は、50歳未満ぐらいのところで増えていかないかどうかみたいなところが、多分一番大事になってくるかと思います。そういう分析は多分要るのかと思いました。

○吉見たばこ対策専門官 これは本来の様式に沿っておまとめいただいたのですけれども、樋口先生は特に年齢層での違いは当然おっしゃっておりました。これから1年かけて中間評価をまとめるに当たって、他のものでもそういうターゲットを意識した分析とか、まとめとかをすることになると思います。当然アルコールも御指摘の点を踏まえて対応していきたいと思います。

○津下委員 飲酒についてなのですけれども、岡村先生が言われたことと同じように、年代層で、退職した後に昼からお酒を飲めるようになってしまうと、飲酒量が増える方々もいます。その結果、フレイルの進行とも関係があるのかということで、やはり年代を区切って、その傾向を見ていただくとよいのではと思いました。あとは女性の飲酒率が全然減っていない。おしゃれなお酒が増えていたり、コマーシャルで女性の飲酒が出てくる場面が非常に多い。たばこについては規制がかかっていてコマーシャルはないのですけれども、女性の酎ハイや何かの、いろいろなお酒のコマーシャルが相対的に増えているような気がします。女性の飲酒の危険性についてもう少し問題意識が喚起できればと。特に若い女性ではないかと思います。それも御検討いただければと思います。

○吉見たばこ対策専門官 広い意味でターゲットというか、どういうセグメント、どういうターゲットにどんな問題があって、そこではどんな対応がされるのか、あるいはされるべきなのかという課題と捉えたいと思います。これは樋口先生もですし、アルコールの専門官ともしばしば話すのですけれども、今回は指標としては位置付けていないのですけれども、一次にありました多量飲酒、機会多量飲酒の問題というのは、潜在的にはあるのではないかという御議論はあります。目標・指標ではないけれども、課題であるとか、認識であるとか、その背景の現象であるというところについては、これに縛られない形ででも状況を含めて記述していただく。当然アルコールは基本法がありますので、その中で、例えば関連するような事項だとか、活動がされている旨はもう少し拾い上げていただいたりすることでまとめていきたいと思っております。

○津下委員 樋口先生、久里浜の先生方のお話を聞いていると、発がんにおけるアルコールの有害性が明らかになってきていると。ただ、一般にはほとんど知られていなくて、保健師さん等の専門家でも知らない。それなので、発がんということをもう少ししっかりと、まずは専門家が知るような取組を強化することが必要なのかと思いました。インパクトは結構あります。

○若尾委員 第一にたばこなのですが、大量飲酒も発がんの原因ですので、その辺は引き続き啓発のほうを続けていきたいと思います。

○山之内委員 高齢者の22ページ、様式1です。認知機能低下のハイリスク高齢者のところで、見るものがなくなってしまったというところがありますが、先ほど、こころの心理的苦痛と鬱病というのは余りつながっていないのではないかということを話させていただきました。一方で認知症ですが、高齢者の大半は何かしらで内科にかかっています。何らかの内科とか整形外科とか、恐らく医療にかかっている率が非常に高い。そうすると、かかりつけの内科とか、そういった一般医療のほうで認知機能を見付けるような施策というのは非常に大事ではないかと思っています。

 来年度から始まる医療計画の中で、第7次医療計画の、認知症の指標のところで、今度は精神の医療のところなのですけれども、認知症のかかりつけ医の対応力強化とか、それから認知症サポート医の数というのを、二次医療圏ごとにこれから公表していくことになります。そういうところと連動させながら、これは医療とつながった形で把握できるのではないかと思ったところです。

○吉村委員 今まで使っていたものがなくなってしまうという、ちょっと大ショック状態なのです。また何とか、今までのものも何とか少しモディファイしたような形でいいから、何とか使えないかと。そのような形で新たに考えていきたいと思います。

○山之内委員 これは、認知症施策の中で推測みたいになるのですが、違っていたら訂正してください。今までは幅広く高齢者を捉えて、認知機能のある人を一次スクリーニングみたいな形でしていこうとしていたのですけれども、最近はそうではなくて、ある程度分かる人は分かるので、それでちょっとポピュレーションを絞った形でスクリーニングしていこうみたいな拾い上げを、というような考え方になっているのではないかと思っています。これは確認していただきたいところなのです。

○中村委員 COPDに戻るのですけれども、健康日本21では認知率の向上が課題です。メディアをある程度使ってのキャンペーンというのも、短期的には効果的だと思うのですが、予算のことも考えると継続は難しい。産官学で取り組んでいくという体制はできていますが私は以前から、日常の診療の場で、医療の機会を通して、COPDの認知を上げていくような方策が何かあってもいいのではないかと思っています。

 本日の資料を見ると、医師会の先生向けの啓発の資料はあるのですけれども、むしろ診療報酬の中で、COPDを早期に発見して、たばこを吸っている方には禁煙を指導し、禁煙外来につなぐ。あとは、いろいろなエビデンスを踏まえて、重症の例には専門医につないで呼吸リハとか、ワクチンをするとか、現行の診療報酬でカバーされていないようなもので、プライマリーケアの方々が多く参入でき、将来の医療費の節減につながるようなものを検討して、医療を通して国民の方に、認知率の向上も含めてやっていくことが重要かと思っています。

COPDは肺がんのハイリスクな集団です。最近のデータだと西村先生も御存じのとおり、循環器系の疾患のハイリスク集団でもあります。COPDを切り口に、その方の健康をトータルとして見るというのは、プライマリーケア医としては非常に重要な観点だと思うのです。その辺りは学会等で何か検討はされているのでしょうか。

○西村委員 COPDの件が出たので追加でコメントさせていただきます。中村先生がおっしゃったとおりで、基本的にCOPDという病気を考えるときに、今回、健康日本21COPDを取り上げていただいたことは大変結構です。その認知率を高めるという目標を定めるのも結構です。しかし最終的な目標は国民の健康ということです。それを考えたときに、高齢者の肺の健康という観点が非常に大事です。今もお話がありましたように、COPD自体で亡くなる方は16,000人ぐらいですけれども、肺がんは御存じのように悪性腫瘍の中で最も多くて8万人が亡くなっています。その大きなリスクがCOPDであるというのは常識です。

 もう1つは肺炎があります。肺炎が今は国民の死因の第3位です。これも、肺炎とCOPDの死因がリンクしているというのは極めて重要です。したがって、COPDというのは単にCOPD自体が重症で、それが大変だということだけではなくて、高齢者の肺の健康全般という意味で、軽いものであっても見付けて、それを治療することが肺炎の予防、あるいは肺がんの早期発見につながる。それから今おっしゃったように、循環器疾患も極めて高率に合併しますから、高齢者の健康という観点は非常に重要なのです。私自身は、COPDの認知率を取り上げたこと自体は大変結構だと思うのですけれども、それをもう一歩進めて、高齢者の肺の健康という観点を、この健康日本21でもう少し重点を置いて取り上げていただきたい。そのためには、指標として単なる認知率だけではなくて、例えば肺炎であれば肺炎球菌ワクチンの接種率を目標に挙げる、これは予防できることが分かっているわけですから。もう少し肺の健康に関する幾つかの健康指標を、次期には是非、含めていただきたいと思います。

 中村先生がおっしゃったように、日常臨床の中で、COPDをもっともっと理解することが大事だという観点からすると、実は国民一般には余り知られていないのですけれども、循環器のドクターと比べると、呼吸器のドクターは半分以下です。それから消化器のドクターと比べると3分の1と極めて厳しい現実があります。そのことも、肺の健康に関する、直接医療に関わるドクターが少ないということも、特に地域の僻地に行くと、極めて深刻な問題としてあるということも指摘しておきます。

○辻委員長 COPDの問題は、これから第二次の後半戦に当たっては相当頑張らなければいけないと思うのです。先生方がおっしゃられたように、単にメディアで広報するというだけではなくて、そもそも市町村における地域保健活動の中に肺の健康ということをきっちり位置付ける必要があります。あるいは、プライマリーケアの中でも位置付ける。そういう形でかなりステップアップしていく。その結果として認知度が上がっていくような形を目指せればいいと思います。どうぞ、これからよろしくお願いいたします。

 吉村先生の認知症の話に戻ります。これは制度の変更に伴って基本チェックリストを使わないということですが、そのために判定保留を10年間続けるのはちょっときついかなと思うのです。今、認知症が相当増え続けていることは御存じだと思います。介護保険の原因疾患としても2番目です。いずれそう遠くないうちに、脳血管疾患を超えて第1位になってしまうのではないかという重要性を持っている中で、予防に関わるこの健康日本2110年間判定不能というのでは困った話になります。事務局におかれましては、是非その辺の指標をご検討いただきたい。前半は判定できなかったとしても、後半の5年についてはきっちり評価できるようなことを、我々も一緒に考えますのでよろしくお願いします。

 近藤先生の話の中で、高齢者の社会参加も、国民健康・栄養調査で一度測って、どうもそれきりみたいなのです。それも、いつか入れていただければ評価はできると思いますので、それもまた御検討をお願いします。

○近藤委員 今のに関わってです。厚生労働省の中にあるデータベースで、これを算出できるものがあるので、是非御活用いただきたいという情報提供です。老健局で、介護保険の総合データベースを順次整備しています。その中には、各市町村から提出を求めて、集めた日常生活圏域ニーズ調査、通称「ニーズ調査」というデータがあります。

 その中には、この基本チェックリストの25項目中20項目ぐらい残っています。その中で、認知症関連3項目のうち、1項目該当するものの割合というのは追跡できます。今あるものは、把握率の向上という、把握している率なのですけれども、それよりも把握した結果何パーセントが該当しているという数字のほうが、対策を練る上にはアウトカムに近いい指標だと思います。それを使えば、10年間の数字も出るのではないかと思いますので、是非御検討いただけたらと思います。

 社会参加についても、ニーズ調査の中に項目があります。全市町村は出さないかもしれませんが、出していただいた所だけでも、多分人口の何割にも上りますので、意味があるのではないかと思います。

○谷川委員 認知機能についてなのですけれども、もちろんこの認知機能は認知症予防ということですが、なかなか認知症予防という切り口は難しいと思うのです。その中の1つとして、私は睡眠時無呼吸をやっていますが、データでも睡眠時無呼吸の重い人ほど、これは認知症ではなくて認知機能ですけれども、低下しているという論文を我々も書きました。MRIを使った論文もあります。

 そういう中で、認知低下を見付ける以外に、認知症を予防するためにできる対策で、何かないかなということをもう少し探してもいいかと思うのですけれども、どうでしょうか。

○吉見たばこ対策専門官 睡眠とか休養のところでも先生から御指摘いただくのではないかと思うのです。今は個別分野で評価を頂いて、今月と来月となっております。残りの睡眠の議論でも同様の趣旨が出るかと思います。また、それらを全部並べてみたときに、この領域とこの領域が絡む、先ほどのCOPDとたばこも絡む、今のような認知機能と、睡眠時無呼吸の問題が絡むというところが具体的に出てくるかと思います。その辺りはまとめる段階で、書きぶりだとか記述については御相談したいと思います。

○谷川委員 先ほどのCOPDの件で、私どもは非常に興味を持っています。無呼吸との合併とか、COPDの方自体の睡眠障害とか、すごくいろいろな分野が絡んでくると思うのです。COPDとフレイル、ロコモといったら、30年前には余りピンと来なかったのが、今はこういう話題になってきて、先ほど辻先生がおっしゃっていましたように、いろいろな地域保健の中でということだと思います。次世代というか、子供の時代からの教育とか、中高年の教育という意味では、もう少し教育の中に、これは文部科学省との絡みがあるのでしょうけれども、もっと入れていったほうがいいのではないかという気はしています。これは、私の私的な意見です。

○道明委員 私、薬剤師会と言いますか、私は薬局の薬剤師としてお話しさせていただきます。皆さんの分析を聞かせていただいていろいろと思うのですが、薬局は全国的に5万軒とたくさんあります。その中で、かかりつけ薬剤師・薬局、また昨年からは健康サポート薬局という形で、薬局においても健康情報の発信ということで、特定検診の受診勧奨ということもさせていただいています。また糖尿病の方の相談に乗ったり、禁煙の相談もしています。禁煙に関しては、医師の診察を受けることを進めることもありますし、また、薬局においてガムであるとか、パッチであるとか、そういうものの販売で禁煙のサポートをするということもさせていただいています。

 薬局の機能は身近ですので、患者さんと言いますか国民の方が結構いらっしゃいます。そういう所をうまく利用していただいて、薬局からのそういう情報発信であるとか、そういう相談に乗る。また、認知症に関しても、受診しているときにはすごくしっかりされているのですけれども、薬の飲み残しであるとか、飲み方が分からないということで、初期の認知症の方というのはすごくよく分かるところがあります。昨年から、認知症の対応力向上研修ということで、薬剤師も認知症に対しての対応力を付けているような形で研修もしています。薬局で対応して、医師へフィードバックして、早期の認知症の方を、それ以上進まないように対応していくということもできるかと思います。町の薬局の中で、できる範囲を活用していただけたらすごくいいのかなと。また、そういう目標の数値的なものも、少しでも下がるように協力ができるのではないかと、先ほどから聞いていて思いました。よろしくお願いいたします。

 

○若尾委員 薬局は非常に大事な住民の方の情報源になると思うのです。しかし、まず最初にやらないといけないことは、薬局でたばこを売るのをやめさせないといけないということだと思うのです。そこができないと、健康も何も始まらないと思います。

○道明委員 そうですね。ただ、今は薬局でたばこを売っている所はほとんどないかと思います。

○若尾委員 いやいや、そんなことはないと思います。都市部だったらないかもしれませんが、地方へ行くと薬局でバンバン売っています。ドラックストア、薬局は大きなマーケットになっていますので、そこを押さえることから始めていただくことが大事だと思います。

○道明委員 そうですね。そこのところは薬剤師会と相談してということになるかと思います。私の認識している中では、薬局でたばこを売るということが、もともとの基準薬局であるとか、そういう基本的な薬局の機能の中に、たばこを売らないということが入っていますので、そのように進めているということは確かです。

○津下委員 今回、様式2の関連した取組というのを検討するときに、本当にこれがどれぐらいのインパクトを持って効いているのかとか、それぞれの取組が一般住民なのか、一定のセグメントなのか、誰を対象に何をして、この結果のこの指標につながったのか、そのことをもう少し整理すると、次の対策に進みやすいのかと。

 先ほど伺っていたCOPDの話でも、一般国民にしたいことなのか、公的保険外のヘルスプロフェッショナルが知っていればいいことなのか、又は診療の中でするためにどういう情報の出し方とか仕掛けを作るのか。誰に対して、誰が何をして、その指標を改善するのかという構造がまだきれいにできていないのかと。ですから、指標の解釈のところで、関連しているし、どれと決め付けるのは難しいのだけれども、その関連付けができると、更に対策の改善につながるのかと思いました。やっています、やっていますと書くのはできるし、全県下でなくて、1つの町だけでやっていればやっていますというのでは、やはり格差対策とか、国民全体の健康寿命の延伸につながらないので、その辺の取組と指標との関連性の整理というのが、もう少し必要なのかと思います。

○辻委員長 他にはいかがでしょうか。

○中村委員 すみません。一番最初の健康格差の縮小についてなのですけれども、第二次がスタートするときには、データがないということで健康寿命を指標にして都道府県別の格差を見るということでスタートしたわけですけれども、今後第三次に向けては都道府県別だけではなくて、例えば先ほど議論に出ていた保険の種類といったような社会経済的な状況別でも、実態が見れるようにすべきと考えます。さらに健康寿命という最終的なアウトカムを指標にするだけではなくて、具体的なアクションプランをどうするか、どこに重点を置くかということを検討するためには、健康寿命に関わる要因について、要因毎の社会経済的な状況別の実態を明らかにしていくことが重要だと思っておりますので、発言させていただきました。

○辻委員長 はい、ありがとうございました。ほかにどなたか。まず、高野先生から。

○高野委員 認知症に直接ではないのですが、認知症に関する歯科治療の効果、実証を調べていまして、歯科治療が効果が出ているのか、又は保健指導の効果になるかと思ったりするのですけれども、ある意味、というよりは実は、通うために家から出て乗り物に乗って、そうやって定期的に来るということが、何か認知症に対する進行を遅くしているのではないか。だから久しぶりに来院された当初では、来た時には非常に時間もまばらだった人が、また通いだすとよくなってくるというのを見ますと、そういう役目もかかりつけ歯科医にはあるのではないかなと思いましたので、ちょっと関連としてお話してみました。

○曽根委員 様式129ページ、妊娠中の飲酒のところですが、これは順調に減っているということなのですけれども、恐らく今、妊娠中に飲酒をしないというのはかなりどの妊婦さんも知っているにもかかわらず、まだ4%程度の方が飲酒しているということで、これはかなりコアな飲酒者だと思われます。これは本人の自覚とか知識とかもあるのかもしれませんが、社会的な状況とか、就労状況とかも大きく影響しているので、これは生活習慣病の問題というよりも社会的な福祉とか含めての問題なのかもしれないと思います。またこういう方が出産した後の状況というと虐待予防であったり、あるいは様々な育児支援が必要な状況が生じるのかもしれません。ですから、これが下がったから、aだからいいということではなくて、アルコールというだけではなくて社会全体の取組を強化しないといけないと思います。コアな部分はかなりブルネラブルなポピュレーションだと思いますので、特に対応が必要と思いました。

○高野委員 今の関連ですけれども、妊娠中に分かってから禁煙される方は多いのですけれども、出産後また喫煙に走ってしまったり、妊娠中でも配偶者である御主人が吸ってたりという状況もありますので、その辺の対策が必要なのではないのかなと思います。

○津下委員 今の関連で、妊娠中に初産では禁煙するのですけれども、しかし経産婦さんはまあ何もしなくてもよかったんじゃないかみたいに、経産婦のほうが禁煙する割合が低いというのです。禁煙対策だけでなく、再喫煙の問題があるので、やはり妊娠中の喫煙、禁煙と再喫煙防止というきめ細かい保健事業につながっていかないと効果に結びつかない。大枠の数字の変化だけでは対策につながらないので、そういう取組をいろいろ入れ込んでいくというのは非常に重要なことかなと思いました。

 健康日本21第二次としては健康格差の縮小を目標としているのですが、健康日本21の指標の中に健康格差が出ているのは健康寿命だけですが、今回は現時点で都道府県別には健康寿命で判定できませんということでした。SDが小さくなった可能性があり、格差が縮小した可能性があるということなのですけれど。前回の最終評価では、肥満や歯科口腔は都道府県格差を出していたのですけれど、今回どこまで健康格差、都道府県格差を示すのか。個別の指標や分野の中で、ブロック別や都道府県別など、健康格差の議論に資するようなでの格差を見ていくのか。喫煙率でも都市部なのか、どこがどういう、高いのかとか、そういうことも入るとより、健康格差対策につながるだろうと思うのですけれども、その辺りの方向性はいかがでしょうか。今回は全体像なのでしょうか。

○吉見たばこ対策専門官 ありがとうございます。第二期は御指摘のとおり、健康寿命の都道府県格差というところを健康格差というふうにかなり狭めてというか、そういう定義でやっているところがありますので、この評価の中では一段そこがミニマムかと思いますが、当時からですし、今日に至るまでこの数回の御議論の中でもやはり、実際の社会的な格差についての御指摘等はあるかと思いますので。それがいきなり急に目標とか指標値になるというのは、なかなか検討は難しいと思いますけれども。

 例えば本日お書きいただいたような様式2であるとか、そういうところの中で先生方にいろいろ御指摘いただいたようなものを、今までの健康日本21は文献とか、データというか、エビデンスを示しながらこういうことが言われているとか、こういうところがあるとか言っていただいているので。その中に例えば、社会経済的な違いがこういうことに表われているであるとか、こういうところでは肥満の改善が良いけれども、こういうところではむしろ悪いのがまだ残っているだとか。そういう現実的な社会経済的なものを含めた格差の実態が分かるのは、エビデンスの濃さにもよると思うのです。

 何しろ国レベルのものであれば、もうこれは既知の事実だぐらいの勢いでバーンと言うし、例えば、何とかという保険者、何とかという自治体で見てみて、こういうのが分かったという知見であれば、こういうことがある可能性があるのだという言い方もできると思います。恐らく、またこれから様式2などでの作業を先生方にも御相談するかと思うのですけれど、そこに書き加えていただく中に、こういう知見が出てきてこうだとか、こういう知見があってこういう可能性があるのではないかということで、広い意味での格差の実態を課題とか、現状の中にちょっとちりばめていただくイメージで。評価指標としては都道府県格差で見るよというところではあるのですけれども、課題の中に含めると。そこでそういう議論を続ける中で、当然、第三次はどう考えるのだろうというところも皆さん想定はされていると思います。そういうところで、次は格差をこういうふうに考えていけばいいんじゃないかという議論もできてくるのではないかと思います。その準備のために、まずは様式2の各指標、各項目の格差につながる実状であるとかエビデンスというようなものを、ちりばめていただくのはどうかなと思っております。

○辻委員長 はい、ありがとうございます。私も全く同感なのですけれども、この第二次の策定にも関わった身として申し上げますと、どこまで健康格差を書き込むかというのは当時もかなり議論があったのですけれども。それ以降、この4年間、5年間を見てますと、格差に対する議論が自治体中心に広まってきていまして、例えば幾つかの自治体、都道府県はもう既に特定健診のデータ、医療費データなんか使って、各市町村ごとの喫煙率とか、そういったものをマップを作って見える化しているような所も出てきていまして、この格差に関する考えというのもかなり広がってきていると思うのですね。ですからそれに合わせたような形で、この外側は変えなくても中身を第二次のほうで、議論を格差について深めていくのはとってもいいことだと思います。

 特に、今日の話でも全体として見ると改善しているのだけれども40代、50代の働き盛りが悪化しているとか、あるいはこの85歳以上はどうなんだとか、医療保険別に見たらどうなんだとかいう、セグメントに分けて見るということの議論がかなりありました。このセグメントで見ると、正に健康格差そのものなのでありまして、それをきっちりと出せるデータを使って議論の中で出していきながら、問題を抱えているセグメントに対して、どのような対策を打っていくかという議論をしていくのは、恐らくこれから二次の委員会でもしていくと思います。どうぞよろしくお願いします。ほかにどなたかございますか。

○横山意員 健康日本21第一次では、可能なものは全ての指標について検定してたのですけれども、今回は今のところなのか、検定がほとんどされていなくて、アルコールの辺りは検定されていないので断定できないというようなコメントもあるのですが、これは今後どうされていく予定なのでしょうか。

○吉見たばこ対策専門官 そうですね、ありがとうございます。各分野の先生方にお願いして現状の数値を拾っていただいたので、先生方によって検定いただいた先生もいますし、そうでなかった先生もいらっしゃるのですけれども、最終的には統一的なやり方で上がった、下がったという判断ができればと思っております。その際にはまた、横山先生をはじめ、研究班の先生方にも御協力をお願いすると思いますけれども、まとめて統一的にやりたいと思っております。よろしくお願いします。

○岡村委員 今ので検定うんぬんの話って、当り前ですけれども、そのサンプルサイズにものすごい影響されますよね。出た結果の解釈を一般的に出したときに、優位差がないから意味がないと勝手に思う人がいたり、要するに解釈が非常にばらつきますよね。だからどういう出し方をするかというのが非常に大事です。全体で優位差が出てますけれども、例えば年齢で層化したら、ある年齢だけがものすごいよくなっていて、全体では出てるけど、みたいなところが出てきて、それから、層別で分けると、当然Nが小さくなるから優位差はないんだけれども、傾向が皆同じ方向にいってますみたいなのだったら当然意味があるので、そこはなかなか解釈するのに、見るときちょっと注意が必要な点がある。そこは、出たときにどういうふうにするかというのを慎重に皆で議論したらいいかなというふうに思いました。

○辻委員長 はい、ほかにどなたかございますか。全体通して、後半戦に向けての御提言とか、そういったことも含めて全体的な御議論も頂きたいのですけれども、中村先生どうぞ。

○中村委員 引き続いて健康格差なんですけれども、健康格差の縮小ということで、いろいろなレベルでの対策があるかと思うのですけれども、第二次としてこの目標を掲げた割にはこの5年間、健康格差の縮小に全国レベルで切り込むという対策は十分ではなかったかなと私は感じています。今日の様式22ページに健康格差縮小、健康寿命の延伸ということで、国レベルの政策は書いていただいているのですけれども、どちらかというと健康産業の育成という観点が結構強くて、健康格差の縮小については十分でないと思います。

 その中で私が注目してきたのは、津下先生も委員に入っておられたと思うのですけれども、生活保護者の健康管理、健康支援をどうするかという検討会がずっと開かれてきて、先日、報告書がまとまりました。今後どういうリソースを使って効果的に生活保護者の健康支援をしていくかということで、健康日本21の健康格差の縮小において、具体的な施策を国並びに自治体等のレベルで展開していく上で非常に重要だと思っております。この点について今後この検討会の中でも議論ができればいいかなと思っています。

 あと、全然違う話で、先ほどの検定の話なのですけれど、今日の資料を見ると年齢調整がされているものと、されていないものが混じっています。必ずしもしなくていいようなものもあるかと思うのですけれども、例えば、喫煙とか飲酒の割合についてはどうするのか、比較的短期間の評価ではありますけれども、高齢化が進むにつれて喫煙率は自然に減少していきます。年齢調整についても方針を決めていただけたら有り難いと思います。

○吉見たばこ対策専門官 指標関係で幾つか岡村先生のところから中村先生のところで、出ましたので、幾つかですけれども。今回、特に達成したものでなくても上がっただけでも、aとしておりますし、中間なので取りあえず、そんなにぎりぎりした詰めではなくてもいいということが1点。特に第一次のときにも、横山先生にも自治体が使えるような簡単なツールを開発、提供いただき、それで少なくとも上がった下がったという白黒はつけられるようにはしていただいていたという経緯がありますので、言葉は悪いのですけれども、数字を見てどうだというのは割り切ってスパッとやると。ただ様式2とか各論のところでは、よく見ると何十代が増えているよとか、こういう状況の人はこうだよということがちゃんと書いてあるということで、指標は指標、対策というか実状と対策は対策と、いうふうにメリハリを付けていけたらと思っております。

 その意味で中村先生御指摘の検定なのですけれども、理想的には年齢調整をちゃんとしてというところではあるかと思うのですけれども、スタート時に決めた数字をこれっていうふうにやっているのがあるので、ちょっと言葉は悪いのですけれども、それがもし粗率であれば粗率のままで、上がったよ、下がったよということを言わざるを得ないのかなと思います。ただ、それも対策なんかの様式2を見ると、指標は上がって達成したものの、例えば30代、40代では増加が認められる、みたいな形でセグメントを明確にして言及はできるかと思いますので。指標の評価は当初時、平成24年に決めたとおりのままでどうかという追いかける仕組みにして、作業、検定はして、その後ろにある状況であるとか、しかし年齢調整するとこういうことが分かるのだとか、年齢別に見るとこういうことが分かるのだというのは別途、様式2に当たる所で言及いただくというのが、両方で取れるかと思っております。いかがでしょうか。

○津下委員 2点お願いします。1つは、先ほど中村先生にコメントしていただいた生活保護受給者の健康管理についての検討会ですが、昨年度来、さらにその前に研究会もやっておりまして、健康格差問題にストレートに取り組む委員会であろうというふうに考えております。その中で、そもそもほかの制度でやれるものはそちらでやって、残りを生活保護で見ているという形なので、まず健康・医療データがいろんなところに散らばってまして、実態を把握するのにやや苦労したということがありました。通常のポピュレーションと比べますと、肥満も喫煙率も飲酒も有疾患率も高いということは明らかです。その中で、これは熱心に取り組んでいる自治体の例なのですけれども、福祉事務所と保健センター、市町村衛生部門が一緒になって改善しているとか、それから国保の特定保健指導の枠組みもうまく活用しながら、生活保護としてのデータヘルスというのを進めようという動きがありますので、そういう情報を一緒に見ていくことで、一つの健康格差対策の進行というのがこれから期待できると思っています。

 その中で、成人の健診受診率が10%しかないのですけれども、それをどうするかという話とか、子供のう歯、虫歯の率、肥満の率が非常に高いと、栄養の、朝御飯を食べて来ない子の割合が非常に高いと。子供の健康について言うと、この健康日本21の指標と比べると、明らかに悪いデータが出ている。でもそのデータも一部の自治体に限られていて、全国調査はかけられていないという実態がありますので、子供、生活保護受給者の家族の健康、この辺りも今後の課題として大きいと思います。

 ちょっと別の話でもう1点なのですけれども、年齢調整なんですけれども、これ昭和60年の基本人口なんですよね。

○瀧本委員 違います。ちょっとよろしいでしょうか。今回、収縮期血圧等、二次推移が国民健康・栄養調査で把握できているものに関しては平成22年の値で調整を行っております。

○津下委員 標準人口だともう人口構造が全然違うので、高齢者が過小評価になると思ったので。はい、ありがとうございます。

○岡村委員 今の件で、ただ、死亡率だけは、人口動態というのは昭和60年なんです。なので推計すると85歳以上がほぼ消滅するんです。なので、ものすごいよく出ます。もう85年といったら僕が大学生の時ですよね。もう30年以上たっている感じになるので、そこは本当に大丈夫かなというのが、ちょっと死亡率については少し思っています。

○辻委員長 はい、よろしいでしょうか。もうそろそろ時間になってきましたけれども、あとお一人、お二人、何かあれば。はい。近藤先生どうぞ。

○近藤委員 先ほど吉見さんから様式2にいろいろ書き込んでという御提案といいますか、方向が示されたのでそこで是非、全項目についてそういう視点でやったほうがいいかなと思ったことですが、先ほど津下先生が言ってましたけれども、なぜ動いたのかがデータがないから分からないにしても、仮説的でもいいので書き残していただくと、じゃあ次はそれをモニタリングしようとか、また次に変化したときにそれが再現性があるのか、深まっていくと思うのですね。例えば、動かなかったやつはよく分らんというのでもいいと思うのですけれども、特に著しく改善した自殺とか、悪化したものとかそういうものについては、専門家の意見でこんな意見があるんだよというぐらいは是非、織り込んでいただいたほうがいいんじゃないかなというのが1点。

 それから健康格差についてはできるところからやるというのもありつつ、どこにどれくらいの格差があるのかが分らないところでやるのもどうかなと思うので、もう少しいろんなデータで、健康格差の実態が統一的に表現できるような環境整備を。第三期のスタート時点の数字が取れるように、第二期のこの中間取りまとめでは、残り5年間の間にこういうのは全ての統計で取って集計しましょうみたいなのを是非、今回の報告書の最後に入れていただきたいと思いました。

○辻委員長 分かりました。大変いい御提案だと思います。そのとおりにしたいと思います。ほかにどなたかいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。それでは本日の議論はここまでとしたいと思います。大変御活発な御審議を頂きまして、誠にありがとうございました。最後に今後のスケジュールなどにつきまして、事務局から御説明をお願いします。

○知念課長補佐 ありがとうございました。様々な御意見を頂きまして、非常に有意義な御議論を頂きましたことに感謝申し上げます。次回につきましては本日できなかった残りの分ということで、主に後半の部分について、また同じく議論をお願いしたいと思っております。

 本日の御議論の中で様々な御指摘があった部分、例えば、より詳細なセグメントについて分析が必要ではないかとか、年齢調整別のことについて、様式1で書けない、書き切れない部分については様式2の中で触れてはどうかといったような御意見も頂きましたが、次回の後半の部分の評価につきましては既に先生方に依頼をさせていただいているところもあり、また既に着手していただいている先生もあろうかと思います。次回は6月末を予定しておりますので、時間の都合もございますので、可能な範囲で本日御議論いただいた部分を反映できるところはお願いさせていただき、間に合わないところについてはまた改めて全体を通して、こういう部分での更なる分析が必要ではないかというところは、改めてまとめる必要があるかと思っておりますので、可能な範囲で次回の御担当の先生には評価をお願いできればと思っております。

 日程につきましては、平成29629日の木曜日に第9回の推進専門委員会の開催を予定しています。開催通知等につきましては後日改めて御連絡申し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○辻委員長 はい、それでは本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

 

 


(了)

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