ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会> 第8回食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会 議事録(2017年5月25日)
2017年5月25日 第8回食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会 議事録
医薬・生活衛生局食品基準審査課
○日時
平成29年5月25日(木)9:30~12:00
○場所
航空会館 7階 701+702会議室
○議題
1.事業者団体からのヒアリング
2.取りまとめ案に関する討議
○議事
○近藤補佐(事務局) おはようございます。定刻より若干早いのですが、各構成員の皆様、そして参考人の皆様おそろいですので、これより第8回食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会を始めます。構成員の皆様におかれましては、本日は御多忙のところ、本検討会に御出席いただき、誠にありがとうございます。本日は伊藤構成員から御欠席の連絡を受けており、 14 名での開催となっている旨、御報告いたします。また、本日は参考人として、一般社団法人日本電機工業会の庄子技術課長、佐野委員長、土田委員に御出席いただいております。なお、本日の席次表には、橋本大臣官房審議官の名前がございますが、欠席となっております。また、北島生活衛生・食品安全部長、道野監視安全課長は、遅れての参席となる旨、御報告いたします。
続いて、配付資料の確認をいたします。本日、お配りした資料は、まず、裏面に構成員名簿を添付した議事次第と配付資料の一覧、そして座席表。続いて資料1として一般社団法人日本電機工業会様の御説明資料、資料2はパブリックコメントについての概要、資料3として取りまとめ(案)があります。また、参考資料1として取りまとめ(案)のパブリックコメント実施版、参考資料2は検討会における主な御意見、参考資料3は各業界団体及び企業の主なヒアリング意見等となっております。また、各構成員の皆様におかれましては、机上配付資料としてパブリックコメントの一覧を配付しております。不足している資料や落丁等がありましたら、事務局までお願いいたします。
それでは、大前座長に検討会の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大前座長 皆様、おはようございます。それでは議事を進行させていただきます。本日は、まず、幅広く使用されております器具の観点で、検討会で意見聴取が行われておりませんでした家電製品についての団体から、追加のヒアリングを行い、引き続き、今日のメインテーマである取りまとめ(案)のパブリックコメントを踏まえた事務局案の議論を行い、最終的な取りまとめとしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、家電製品の団体であります一般社団法人日本電機工業会の庄子参考人より、資料1に基づき御説明をお願いします。よろしくお願いいたします。
○庄子参考人 ただいま御紹介いただきました、日本電機工業会家電部技術課の庄子です。よろしくお願いいたします。今回の検討会におきまして、このような説明の場を設けていただき、どうもありがとうございます。まず初めに、私からは日本電機工業会について簡単に御説明させていただき、その後に本題の説明を、家電部の技術専門委員会の委員から説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
1ページ、日本電機工業会、英語の頭文字を取り「 JEMA 」と通称呼んでおります。 JEMA は 1948 年に日本電機工業会として設立しております。 1954 年に社団法人、そして 2011 年からは一般社団法人へ移行しております。 JEMA は、電気機械産業における業界団体で、原子力、火力発電などの重電から白物家電まで幅広い製品を取り扱っており、現在、日本を代表する企業を含む約 285 社が会員企業となっております。主な事業内容になりますが、電機産業の持続的発展のための政策立案や推進、そして政府行政の諸施策への意見発信や政策提言、 JIS などの国内標準化、そして IEC などの国際標準化、適合性評価活動の推進などを行っております。
2ページ、こちらが JEMA の組織となっております。総務部、企画部、技術部などの本部の8部門、そして大阪支部、名古屋支部、福岡支部の3支部で構成されております。赤枠で囲っている所が家電部になっており、この家電部の製品群としては、右側の写真に載せておりますが、白物家電、冷蔵庫、調理家電のジャー炊飯器、電子レンジなど、それから洗濯機などがあります。この家電部の傘下には、家電政策委員会という委員会が幾つかあり、その家電政策委員会の中に家電機器技術委員会というものがあります。また、この傘下に、今日、お越しいただいております電気冷蔵庫の技術専門委員会、それから調理家電技術専門委員会、このメンバーの方に、以降、今回の内容について説明していただきます。
○土田参考人 それでは、資料に基づいて説明させていただきます。
3ページ、我々、家電製品の製造事業者における安全性の確認の一例を示しております。今回、資料内容としては、樹脂成型品での加工を行った場合について記載しております。まずに、国内で成型加工を行う場合の一例ですが、原材料を国内又は海外より調達します。これを成型加工の事業者様で成型品に加工していただく、成型加工の完成品にしていただくという形を取ります。それを我々、家電製品の製造事業者に納入いただき、製品に組み込み、家電製品の完成品として出荷、販売をしております。この中での我々の安全性の確認のプロセスですが、基本的には成型加工の事業者様、又は我々の家電製品の製造事業者が食品衛生法の適合を確認して、安全を確認した上で製品を出荷するという体系を取っております。
4ページ、海外で成型加工を行う場合の一例を記載しております。海外で行う場合ですが、同じように原材料は海外で調達します。続いて海外にある成型加工の事業者様で成型加工品に加工していただきます。その後ですが、成型加工した製品を、輸入事業者様等を通じて国内に入れてきて、国内にある製造事業者で製品に組み込んで、家電の完成品として出荷、販売をしているパターンと、下のほうに記載している、海外の成型加工事業者様で加工いただいた成型品を、そのまま海外にある我々の工場であるとか海外の製造事業者様で製品に組み込んでいただき、家電製品の完成品として、日本国内に輸入事業者を通じて入れてくる、そして販売するという体系の2通りがあります。この場合も海外の成型加工事業様か、海外で家電製品を製造している製造事業者様、それから輸入事業者様、又は我々、国内での製造を行っている製造事業者等のいずれかで食品衛生法の適合確認をして、安全確認を行っております。特に海外の場合ですが、ここでは輸入事業者、海外での製造事業者という形で記載しておりますが、家電製品の場合、この間に、例えば商社様が入られるなどの形で、間でいろいろな事業者様が入って輸入販売を行うという場合があります。これが、我々が今行っております安全性の確認のプロセスです。
5ページ、我々として、今回のポジティブリスト制度の規制に関して懸念している事項を記載しております。1つ目として、先ほど説明した調達プロセスの中での各事業者様で、今回のポジティブリスト制度での適合証明や情報提供の意義を十分理解して御協力を頂かなければ、我々、最終製品に責任を持つ事業者としては、適合を証明することは難しいと考えております。
続いて2つ目ですが、原材料の事業者様におかれましては、原材料については、その事業者様にとっては非常に秘密に関わることが多いかと思いますので、我々が原材料を教えてくださいという形で要求した場合でも、たやすくは開示していただけないのが今の実態だと思います。この原材料の情報を我々に開示していただかなければ、我々、最終製品に責任を持つ事業者側で自ら検証を行うであるとか、第三者機関に依頼して適合証明をいただくことが難しいのではないかと考えております。
3点目ですが、我々、家電業界としては、環境への配慮からリサイクル材を多く使っております。今回のポジティブリスト制度による適合証明ということになった場合に、原材料事業者様からの情報はいただけない形になりますので、この場合の試験方法、数多くのリストがあると思うのですが、全てに適合しているかどうかの試験方法が確立されているのか、されるのはいつ頃になるのかということを懸念しております。
4つ目ですが、他国で認められている材料につきましては、日本でも認めていただきたい。我々は海外へのグローバル展開を図っておりますので、国内に限らず国内・海外ともに共通である材料を数多く使っております。日本では認めていただけない、海外では認められているという形になると、我々、仕向地向けにおいて、構成を変えていかなければいけないという煩雑な作業が増えてまいりますので、その辺を懸念しております。
5つ目です。第三者機関以外での適合証明、この場合は調達先での適合宣言などの形ですが、例えば調達先の適合宣言証のような形で出していただいたものを管理する形でいいという体系をもし取られることがあると、この適合宣言証に誤りがあった場合、最終製品を製造・販売した我々側が市場に対して責任を持っておりますので、我々が責任を持って市場品を回収するという非常に大きなリスクを伴います。ここについては危惧をしております。
6ページ、懸念事項を踏まえ、この規制に関する我々の要望を記載しております。1つ目です。このポジティブリスト制度の導入に際し、国内・海外の原材料の事業者様、成型加工の事業者様、輸入事業者様、これ以外の事業者様もおられますが、あとは国内の家電の製造事業者等に対して、適合証明の提出義務なり情報伝達のあり方などについて、信頼性の確保と担保ができる仕組みづくりを是非ともお願いしたいと思っております。
2つ目です。他国で認められている材料については、日本で認められないことのないよう、御配慮をお願いいたします。また、他国の第三者機関による適合証明をもって、日本での適合証明とできる取扱い、例えば安全でいうと、国際の CB スキームをもって我々は安全確認を行えるという国際ルールがありますので、そういった類の取扱いをお願いします。
3点目です。国内と海外の各事業者様につきまして、この制度導入の周知徹底をお願いします。
最後に5点目ですが、ポジティブリスト制度の導入に際しては、適合を証明する書類等の増加により、現状の負担が増えることのないようにお願いします。これにつきましては、例えば現行の食品衛生法とポジティブリスト制度の両方で管理するということになった場合でも、食品衛生法の試験成績書、適合証明書とポジティブリストの適合証明書の2つをそろえるのではなく、何か1つ、1枚で管理できるようなシステムをお願い申し上げたいということです。
7ページ、商品の事例として、コーヒーメーカーの構成が分かるものを付けております。家電製品におきましては、製品によっては異なるのですが、やはり食品衛生法の適合を確認する部品が数多くありますので、今回のポジティブリスト制度において、我々として、できるだけ負担がないような形でお願いしたいということです。私どもの説明は以上になります。
○大前座長 どうもありがとうございました。家電製品の製造事業者の立場から御意見をお伺いいたしました。ただいまのお話につきまして、何か構成員の皆様方から御意見、あるいは御質問があればと思います。
まず私からお伺いします。5ページの懸念事項が恐らくメインだと思いますが、今まで家電製品で、食品用器具あるいは容器包装という観点から、何か過去にトラブルはありましたか。
○土田参考人 食品衛生法に絡むトラブルというものはありません。例えば市場に出した後で何かあったということはありません。
○大前座長 それから2つ目ですが、リサイクル材を使っていらっしゃるということですけれども、これは食品に直接接触するような部分でもお使いになっているのですか。
○土田参考人 箇所によりますが、使っている所はあります。
○道野監視安全課長 よろしいですか。やはり、こういったコーヒーメーカーなどの輸入の場合、輸入時にプラスチックの規格検査での違反事例は現実にはあります。国内で製造しているものについては、それほどトラブルがあるとは記憶していないですけれども、輸入に関しては普通にというか、それほど珍しい話ではありません。
○大前座長 それから、原材料事業者が原材料をたやすく開示することはないということでしたが、これは家電製品で使っている材料の中で、このように開示をしないような秘密といいますか、特許といいますか、そのような材料は結構あるのですか。
○佐野参考人 樹脂の原材料などで、やはりメーカーさんが開示しないというものはあります。
○大前座長 結構あるのですね。
○佐野参考人 はい、あります。
○大前座長 それから、日本で認められなくて、海外で認められる、あるいは日本と海外のギャップがあるような家電製品に関する原材料は、結構たくさんあるのですか。
○土田参考人 それほど多くはないとは思っていますけれども、今後ないようにということで、御説明させていただきました。
○大前座長 ありがとうございました。そのほかの構成員方、何か御意見あるいは御質問いかがでしょうか。
○鬼武構成員 御説明ありがとうございました。1つお尋ねしたいのですが、多分、日本で法規制する場合に、懸念事項等、かなり慎重に制度を設計してほしいということが御要望だと理解しております。一方で、今、国内の製造メーカーさんが輸出する際には、その国に合った法律での適合をもってやられているということの理解でよろしいのでしょうか。それとも世界的な標準といいますか、何かがあって、そのスタンダードに基づいて輸出するという、どこまでの規制を現状としてはなされているのでしょうか。
○土田参考人 仕向地によりますが、その国に応じた適合を確認して、輸出しております。
○鬼武構成員 分かりました。
○大前座長 そのほかいかがですか。
○小野構成員 材料についてですが、合成樹脂、熱可塑と熱硬化の樹脂、両方とも使われているのでしょうか。
○土田参考人 使っております。
○六鹿構成員 原料としてリサイクル材を使うこともあるということなのですが、そのリサイクル原料というものは、例えば冷蔵庫だったら冷蔵庫をリサイクルするのか、それとも冷蔵庫をリサイクルするための原料として、テレビなどの食品以外のもののプラスチックも使われるのかをお聞きしたいのですが。
○土田参考人 例えば冷蔵庫に使う場合、冷蔵庫のプラスチック材料だけを使うということではありません。幅広く調達できるものは調達して使わせていただくことになっております。
○堀江構成員 教えていただきたいのですが、食品衛生法適合うんぬんということで、検査されていると思うのですが、今までに国内の製品で材質試験や溶出試験で違反となるようなケースはあったのかということ。それと、実際に検査するときに、具体的に材質試験や溶出試験の頻度というものは、どのような目安でやられているのでしょうか。
○土田参考人 まず問題があったかどうかですが、最終的に我々は第三者機関なりに適合証明を依頼するまでに、それなりの安全を担保した上で成型加工したものを出しますので、現実的に我々の電機工業会サイドのメーカーとして、問題があったかということでは、ほとんどございません。
検査のスパンですけれども、例えば1年に1回であるとか、新しいものができたら、その都度必ず行うということになっております。
○重倉構成員 私ども、ポリオレフィン等衛生協議会ですけれども、電機工業会さんの製品に使われるプラスチック原材料については、これが工業会でやっておられることなのか、工業会の会員様が独自でやっておられることかは、よく分からないのですが、私どもの確認証明書の有無を問われる事業者さんがおられるということは、実は聞いております。そういう意味で私どもの自主基準が、皆様の製品の衛生確保のためにも若干はお役に立っているのかなと、嬉しく思っているところです。今日の御説明の中にはそこの部分は余りなかったのですが、これはお使いいただいているのかなというのが、ちょっと気になったので、そこをお聞かせください。
もう1つ、実は私ども、プラスチックの類というものは、どうしても熱が問題になりますので、どのように使われるかということに非常に重要なところがあります。恐らく電機製品は加熱する部分が含まれていることが多いので、そういう意味で、適切にその電気製品を使っていただく、 100 ℃以上に上がらないようにとか、空炊きしないようになどの注意を消費者の方に伝えて、うまく使っていただくことによって、健康影響を防止しようというようなことについて、すごく配慮して製品を作っていらっしゃると思うのですけれども、こうした危害を防止するためのコミュニケーションの状況について、教えていただければ有り難いなと思うのですが。
○土田参考人 ちょっと質問が前後しますが、後からのコミュニケーションと安全の確認ということですけれども、電機製品につきましては、電気用品安全法の技術基準で、使用できる範囲であるとか、使用できる温度範囲、使っていい材料であるとかが、細かく規定されておりまして、こちらの安全確認を受けた上で、我々は市場に製品を出していくことにしておりますので、例えば無理に空炊きをされて、材料が異常に加熱したりということはない形での出荷をしております。
お客様におかれましても、例えば冷蔵庫の上であれば、これ以上の温度のものは置かないでくださいという形で製品にも表示しておりますし、取扱説明書でも注意喚起を行っているということで、材料が加熱変形して、安全性を損なうなどにつきましては、安全を担保して出荷をさせていただいております。
○重倉構成員 私どもの基準を活用してくださっていると思うのですけれども、それは工業会としては、お使いになっているのですか。
○土田参考人 工業会としてという形ではなく、各製造メーカーそのものが食品衛生法なりを取るなど、安全の担保は各メーカーが行っておりますので、業界団体としてそれを直接的にやることはありません。各メーカーからお問合せなり、活用していただくという形を取っております。
○大前座長 よろしいですか。
○重倉構成員 ありがとうございました。私どもも、各社からの話として、使っていただいているという情報は若干は来るのですが、なかなか公式の情報では使っていただいているということがなかったので、そこをお聞きしたかったのですが、使っていただいているのはすごく有り難いと思っております。恐れ入ります。ありがとうございました。
○大前座長 そのほかいかがですか。
○森田構成員 先ほどの証明書を使っているかどうかということに関して、今のお話なのですが、それは各メーカーにお任せしているという理解でよろしいのでしょうか。
○土田参考人 工業会として、その辺について入っていくことはありません。それは各事業者が各自で責任を持って行うことだと考えております。
○森田構成員 分かりました。それからもう1点、今回はこういった家電なのですが、例えばコンビニの電子レンジとか、コンビニで使われているコーヒーマシンとか、いろいろな厨房機器があると思います。また、食品加工においてはいろいろな製造機器もあると思うのですが、そうしたものは団体の中に入られておられるのか。そういうものは、また別途、どこかの団体でやられているのか、御存知であったら教えていただきたいのですが。
○庄子参考人 製品によるのですが、コンビニで使われているようなものは、厨房関係は厨房工業会という別の工業会にあり、そちらでやっております。ただ、コンビニで使われている電子レンジは、弊会の JEMA でメーカーさんがやられています。
○森田構成員 すみません、そういった厨房機器に関しては、例えばどのような管理になっているのか、どなたかお分かりになったら教えていただきたいのですが。
○大前座長 いかがですか、どなたか御存知の方。厨房機器であり、家電ではないところですが。
○山本基準審査課長(事務局) よく存じ上げているというわけではありませんが、先ほど御紹介いただきましたように、例えば厨房機器とか、あるいは食品製造事業者さんの施設の中での製造機械器具とか、幾つか大括りで分野があり、それぞれ近い、あるいは一緒に活動されている業会さんがあることは承知しております。
事務局でも、その1つ2つの業会さんに、我々でお話を伺うなどはしております。今の食品衛生法で器具に当たるところ、食品接触面などについての食品衛生法の適合を確認していただいているというようなこと、そして、部品でありますので、やはり海外や国内から調達すること、その際の現行規制でのコンプライアンスなどは確認されているということです。
やはり、課題としては、国内外から部品を調達して組み立てるので、 JEMA 様と同じように、海外と国内で使えるものが大きく不一致になるなどというこことは、制度を検討していくに当たっては、できるだけないように考えてほしいなどの御要望はいただいております。
○大前座長 日本電機工業会の皆様方、参考人の方々、どうもありがとうございました。
それでは、本日の主たる議題である、パブリックコメントが実施された取りまとめ(案)について議論を進めます。本日は提出されたパブリックコメントの概要と、パブリックコメントを踏まえた取りまとめ(案)が配付されていますので、順次、事務局から御説明いただき、本日のヒアリングの御要望も踏まえて御議論の上、最終的な取りまとめにしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、事務局から資料2、3についての御説明をよろしくお願いします。
○近藤補佐(事務局) お手元の資料2、3について御説明いたします。まず、資料2ですが、こちらは第7回目の検討会でいただいた御意見等を踏まえて、事務局で作成しました取りまとめ(案)についてパブリックコメントを行い、これに寄せられた御意見を取りまとめたものです。意見募集期間は1か月、 69 件の御意見が寄せられました。資料2の構成としましては、その後の資料3にお示しする各パラグラフに対応する形で取りまとめております。
まず、御覧いただけますように、テーマごとに多様な御意見が寄せられておりまして、1ページには「全体について」としてお示ししております。そこには、一部、現行のネガティブリスト規制の徹底を求めるコメントもありますが、大半のコメントについては、市場の混乱を避け、そして透明性を確保し、十分な準備期間を持った慎重な導入や、国際整合を求めるものとなっており、最後のほうには、他省庁との規制の重複の回避についても触れられているところです。
次に、主だった御意見について御紹介します。2ページです。こちらの「現状と課題について」は、業界団体の自主管理に関する誤解のない記述であるとか、三衛協以外の業界団体である軟包装衛生協議会様の取組の具体的な明示が必要ではないかとか、物流量に関する正しい記述、業界団体の自主規制の衛生確保への寄与についての追記が必要ではないか、そして、企業間での情報提供の事例を踏まえた記述が必要ではないかということについて御意見が寄せられているところです。
5ページです。中段には「リスク管理方法」という部分を述べておりますが、こちらでは、欧州では溶出量型の規制、アメリカでは添加量型の規制が導入されており、国内関連事業者におかれては、総じて添加量規制の導入を望む意見が複数寄せられているところです。
6ページです。こちらの「リスク評価」ですが、ポジティブリスト収載の前提となるリスク評価について、その評価基準の早期の設定や、産業活動への影響を阻害しない速やかなリスクの評価の必要性、また、国際整合性の確保や、国内外の既存データの活用について御意見が寄せられております。
7ページです。こちらでは、既に器具・容器包装に使用されている既存物質について、国際整合性、そして貿易の観点も含めて、他国のポジティブリスト制度や、三衛協様の自主基準で使用が認められているものについては、引き続きの使用について配慮が要望されているところです。
同じ7ページですが、「事業者間の情報伝達の仕組みについて」です。こちらでは、業界団体で既に行われている確認証明制度が存在していることを踏まえまして、業界負担の低減の観点から、その制度の継続を求める意見、そして、川上から川下まで簡単に情報が入手できる情報共有の仕組みの構築、さらに、事業者負担に配慮した制度設計、これらについての御意見が寄せられているところです。
全体としましては 13 ページの御意見の取りまとめという資料となっておりますが、その他多数の意見がこの中には包含されています。これらについては、今後、技術的な課題を含めた検討を行う場を設置する予定としておりまして、その場において更なる検討を進めてまいりたいと考えております。また、いただきました御意見は全部で 69 件ありますが、こちらの御意見に対する回答については、追って事務局で作成いたしまして、その回答についてはホームページに公表させていただきたいと考えているところです。
次に、ただいま御説明いたしました主な御意見を反映しています、資料3「食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会 取りまとめ(案)」を御覧ください。修正部分を赤文字で反転しております。2ページの一番末尾のパラグラフですが、こちらの第1番目としましては、業界団体が安全性の確保に寄与してきたという部分について明示しております。具体的には、「安全性の観点から評価した上で」という文言を追加しております。
さらに、先ほど御説明もしましたが、三衛協様以外の団体の活動についても明記が必要であるということですので、この部分について追記しております。読み上げますと、「このほか、熱可塑性合成樹脂のうち軟包装材料については、衛生管理に関する一定の自主基準(衛生管理自主基準)を設け、この基準に基づく工場認定制度を運用している」という部分を追記しております。
3ページです。第3パラグラフですが、こちらでは、もともとは「過去 20 年で減少傾向にはあるが」という記載でしたが、公益社団法人日本包装技術協会が公表されている資料を参照しますと、平成7年に、約 2,274 万トンの出荷数量があったわけですが、そこから順次出荷量は減少していまして、平成 21 年で一番下がるということになります。平成 21 年が 1,829 万トンという数字となっています。この平成 21 年以降については、緩かに出荷量が増加しているということがありまして、この事実に基づいた修正を行っております。修正内容としましては、「平成7年から平成 21 年にかけ減少し、その後やや増加している」という事実関係を記載しております。
5ページです。「業界団体及び企業からのヒアリング」という部分です。こちらの「合成樹脂」の部分の「主な意見」の所に、「安全性の確保に寄与してきた」という、先ほどと同様な文言を追記しております。
6ページです。産業の実態をきちんと反映すべきということで、末尾の「食品等製造事業者」の欄がありますが、当初は「情報を入手できず」と言い切っておりましたが、これは必ずしもそうではないということでしたので、この点については「できないこともあり」という形に修正しております。
8ページです。こちらも今まで御説明してきた内容と同様で、最初の「我が国においては」というところは、業界団体の取組等がどこの話であるのかということを明示していることでして、その後ろの部分は、「安全性確保に一定の役割を果たしてきている」という部分を追記しております。
9ページです。リスク管理方法の検討に関する部分ですが、欧米で行われている溶出量規制、添加量規制に加え、我が国においては、 1970 年代から団体事業者様で管理を行っていただいているということがありますので、こちらに「我が国における業界団体による取組」という部分を追記しております。また、それ以降の部分については順序を入れ替えているものです。
9ページの下から2番目のパラグラフの「リスク評価について」です。こちらは、当初、リスク評価については国際的な整合性を確保するべきということを書いていましたが、さらに、ポジティブリストに物質を収載する場合においては、そのリスク評価というものが非常に重要であって、この手法については早期に確立する必要があるということですので、その旨を追記しております。
最後のパラグラフの「その他」ですが、こちらではまず、既存物質についてどのように考えるのかという部分です。当初は、一定の要件で、括弧書の中には「諸外国のポジティブリストに掲載されている」ということを記載しておりましたが、現状、日本においては業界団体様がポジティブリストを作っており、それが運用されているという実態がありますので、その実態を踏まえ、「又は」以降を追記しております。「又は業界団体の自主基準で使用を認めており、かつ安全性が確保されていると判断されるもの」、こちらを追記しております。
10 ページです。「事業者間の情報伝達の具体的な仕組みについて」です。こちらの第3パラグラフですが、いわゆる情報伝達の仕組みとしては、 EU の適合宣言というものがありますが、我が国においては、業界団体様の確認証明制度が運用されているという実態がありますので、こちらについても記載を追記しております。
12 ページです。こちらには、いわゆる食品安全を確保していく上では、リスク分析手法に基づき管理がなされるわけですが、既に述べられているリスクの評価、そして、リスク管理機関である厚生労働省が行うリスクの管理に加えて、第3の要素である「リスクコミュニケーション」という文言が明記されていなかったということがあります。ですので、リスク分析手法を導入しているということを踏まえれば、やはりここに明記すべきであるという判断のもと、「リスクコミュニケーション等を通じて」という文言を追記しまして、リスク分析手法に基づいた対応を進めていくということを明記しているものです。取りまとめ(案)の修正についての御報告は以上です。御検討のほど、よろしくお願いいたします。
○大前座長 資料2、3について御説明をいただきました。まず、資料2「パブリックコメントの概要」について、構成員の皆様方から何か御意見、御質問があれば、よろしくお願いいたします。よろしいですか。
次は資料3ですが、これが一番重要な取りまとめ(案)です。パブコメの御意見を入れたものです。これについては順番に検討していきたいと思います。最初に1ページの「はじめに」について何か御意見、御質問があれば、よろしくお願いいたします。また後で戻ってもいいので、特に今なければ次にまいります。
「現状と課題」の「1 我が国の現状」について2、3ページにありますが、何か御意見、御質問があれば、よろしくお願いいたします。パブコメであった部分を2ページの下のほうに入れていただいておりますが。また後ほど振り返ってもいいと思いますので、次にまいります。
3、4ページです。「2 諸外国の状況」ですが、これについて御意見等はいかがでしょうか。これは前回の案に特に追加はされていません。何かサラサラ行ってしまいますが、大丈夫ですか。後でまた戻ってもいいと思いますので、次にまいります。
4、5ページの「3 我が国における課題」です。これも特にパブコメによって追加、修正された所はありませんが、いかがでしょうか。
次に「業界団体及び企業からのヒアリング」です。これは5ページから7ページにかけて記載がありますが、5ページと6ページの一部に少し追加がありました。いかがでしょうか。
7ページの「制度のあり方」の「1 規制のあり方と目指すべき方向性について」はいかがでしょうか。これは特に変更はありませんが。
○重倉構成員 変更のないところでコメントしてしまうのはまずいかなと思いながらで恐縮なのですが、この部分は「制度のあり方」というところに「規制のあり方と目指すべき方向性について」として書かれているのですが、法制で書くことと、行政の様々な措置の中で行うことと、いろいろな視点があろうと思うのです。
今回のパブリックコメントを見ますと、今使えているものは使えるようにとか、様々な表現でいろいろなことが書かれているのですが、この「制度のあり方と目指すべき方向性について」の2つ目の丸の1、2とある所の下に、4行ほどある文章、「(ポジティブリスト制度)を基本とするべきである」という所の前に書かれている「原則使用を禁止するという考え方」という言葉が、ややきつすぎるのではないかという感じがどうしてもします。
法制の上ではこういう記述の仕方をせざるを得ないという面もあろうと思うのですが、これからリストを整備していくという作業のことや、その周辺を作るルール群を考えると、また、あえて申し上げるならば、現在、民間が行っているポジティブリスト制度というのは、むしろ使い方の具体策を明示的に示すという、利用を禁止するというのではなくて、明示できていない利用方法を明示するという、「認める」という視点が含まれています。そういう中で、この文章の書き方が、どうしてもためらうところがあります。
今後様々な技術的検討、法制的な検討が進められていくと思うのですが、そこへ導くための当検討会の報告書としては、「基本とするべきである」ということの、この「基本」の幅がそれなりに広いのだということが、ある程度メッセージとして伝えていただけると有り難いなと思っているのです。この辺りはいかがなものかなと思っております。
○大前座長 ありがとうございます。「原則使用禁止」は表現としてちょっときついのではないかと。もう少し別の表現があるべきではないかということですが。事務局はいかがですか。何らかのお考えがあればと思います。「原則」と書いてあるからいいのだという考え方もあると思いますが。ここには多少、幅があるというふうな読み方なのかもしれませんが、いかがでしょうか。
○山本基準審査課長(事務局) 使用を禁止することになるというのは、制度を変えることによって、どうしてもインパクトを与えるところだとは思いますので、そこはある程度、透明性というか、どうなるということを記述もすべきかなと思います。制度を変える前には、リスクコミュニケーションが要りますので、そういう意味ではあるべきかなと思っているのです。
一方で、重倉構成員の御趣旨は、リスクを評価し、使用を認める物質や用途を列挙する仕組みという、そういうイメージの御意見でしょうか。広いというのは、具体的にはどういうことでしょうか。
○重倉構成員 今日、この報告書の文章を修正する提案をしていいのかどうか、すごくためらっているところなのですが、「禁止するという考え方を基本とするべきである」という所は、法制上で実現すること、法制上の書き方、それ以外の措置の様々なものがある中で検討していくのだというように理解できれば有り難いと思っているのです。
○山本基準審査課長(事務局) 一応、そういう趣旨で書かせてはいただいているので、正しく御理解いただけるように努めていきたいと思いますが。
○森田構成員 ポジティブリスト制度というのは、正にここに書いてある、リスクを評価して使用を認めることにした物質以外は原則使用を禁止するという考え方ということで、消費者はそれで、添加物も農薬もポジティブリスト制度というのはそういうものだという理解をしているので、私はここは何ら違和感はありません。ポジティブリスト制度ということを説明する文章としてこれがあるわけですから、そこで原則使用を禁止という、「原則」というふうにもありますし、このままでいいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○重倉構成員 森田構成員のお言葉ですが、ポジティブリスト制度というのがそういう理解であるというのは、必ずしも確実ではないのではないかと私は考えております。実際、私どもがこれまで動かしているポジティブリスト制度というのは、今まで申し上げたように、むしろこの報告書の、先になってしまって恐縮ですが、9ページにリスク管理方法というものが書かれていて、ここのリスク評価、リスク管理、そうした確認方法といったことを踏まえ、更に技術的な検討が必要であるという、こうした内容で行われるものと考えておりますが、その具体的な記述方法として、どういう場合はいいのか、悪いのかということを明確に文字にして示すというルール作りというものを考えたときに、そのルールに書けているか、書けていないかというのは、物の安全性とはまた別の話です。
ポジティブリストというのは、物のリストが書かれている代物ですので、そこに書かれている物以外は全て禁止ということではなく、本当に正しいポジティブリストは、時間は掛かってしまうのでしょうけれども、安全であることが確認されたものはそこに書かれているべきなのですが、現時点でみんなが頑張って作り上げたリストというのは、そこまで出来上がっていないのです。それは禁止であるというのは、法制上の都合としてはあるのですが、本来禁止すべきものではない。そういうことを考えると、この文章は若干、制度を実行していこうとしたときに、かえって障害になるのではないかという視点から申し上げました。
そういう意味で、ポジティブリスト制度というのは、決してそれ以外のものが全て禁止だというルールではないと思います。米国やヨーロッパでポジティブリスト制度が運用されていますが、実際に何が起こっているかということは皆様よく御存知だと思うのですが、決して全てのものが利用禁止ではない。現実問題として、 EU も NIAS などの様々なものについて、どう扱えばいいかということを日々苦しんでいるというのが実態です。決して消費者の方々も、それ以外のものはすべからく駄目なのだなどという考え方はしていらっしゃらないと私は信じております。
○長田企画情報課長(事務局) 今の点に関してですが、基本的に法制度として規定をする場合には、政令なり省令なりで書くということになると思うのですが、そこで定められた物質や使用基準に則らないものについては使用を禁止するという構成になると思っております。そういった意味においては、ポジティブリスト外のものについては、やはり使用を禁止するという表現ということにならざるを得ないのかなと思います。
一方で、例えば農薬についても、ある物質は OK で、ある物質は駄目だということではなく、いわゆる使用の基準として、どれぐらいの残留まで認められるかというようなことを規定しています。つまり、物質そのものだけで規定をしているわけではないという意味で言えば、例えばなのですが、「リストに定められた物質や方法」などの言葉を補わせていただいた上で、原則、そのリストに書かれた内容に合致しないものについては禁止をするといったような表現をさせていただくということではいかがでしょうか。
○大前座長 重倉構成員の先ほどの御意見は、そのような意図だと。単純に物質だけではなくて、使用方法、あるいは、いろいろな規定の仕方があると思いますが、それに関しても入れたらどうかと。
○重倉構成員 そうですね。そういう考え方もあると思いますが、恐らく法律上の表記の話が突然来てしまっているように解釈するとかえって困るのでは、という思いが強いのです。今、課長がおっしゃられたことも、法制上の記述ではないかなと思うのですが、規制としてそういう部分が多分にあろうと思うのです。法制上禁止するという考え方自体は、そういう範囲かなと思うのですが、それ以外のものについて全くもって禁止だということだとするならば、そこを緩和する検討すら行わないということになってはいけないでしょうと。
本来、衛生的なものは緩和するという検討は別途行って、そこは法制を改正して解除していくのだと思うのです。考え方として、ここに書かれているのは、法律上規制するという都合が書かれすぎているなというところが気になっているという話です。
○長田企画情報課長(事務局) もともと今おっしゃっているようなことをしっかりやっていくということは、制度的に本来内包している話なのだと思うのです。法制上とおっしゃられましたが、これは正に制度論の議論をしていますので、制度の設計としては、まずどういう考え方を取るかということは、やはり明確に表現をさせていただく必要があるのではないかと思っておりますし、その上で、例えば、これはポジティブリストといっても、では具体的にそのポジティブリストの対象をどこまで見ていくかというのは、当然これから運用、施行の段階で詰めていくわけですよね。
既に論点になっていますように、材質1つ取っても、合成樹脂で見るのか、さらに金属や紙まで広げるのかということは一つ一つそこは詰めていくということになります。例えば合成樹脂についてはポジティブリストだけれども、金属等についてはポジティブリストの対象にしないというような仕分けも、当然、今後の施行段階ではあるわけですし、ポジティブリストの対象になったものについても、随時、当然ながら安全性の評価の上で追加されていくということは当然なされるべきことであると思います。
御指摘の点は、当然、制度設計上想定されている内容だと我々としては理解しておりますし、そのことについて明確に私の答弁を議事録という形で残していただくということでどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○大前座長 重倉構成員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○重倉構成員 そういうことで、是非検討していただければ有り難いなと思っております。
○鬼武構成員 別に対案はないのですが、今、2つの意見が重倉構成員と森田構成員からあって、私は両方ともあると思ってはいました。それで、農薬のときのポジティブリスト制のときは、確か、説明するときには「いわゆるポジティブリスト制」とか、要するに、制度の定義がはっきりしないときはそういう言い方もしていたような気もしていて、少しそういうもので修文は可能かもしれません。その辺りは、今回のポジティブリスト制の器具容器についての中身については今後別に作っていくのでしょうから、そういう言い方も可能かもしれないとは、今思った次第です。
○大前座長 ありがとうございました。そのほか、今の「規制のあり方と目指すべき方向性について」、いかがでしょうか。
○小野構成員 そのページの丸の2で、「欧米等の諸外国においては、安全性を評価し使用を認められた物質以外は原則使用を禁止するという仕組み(ポジティブリスト)による管理が導入されており」と書いてあるのですが、これだけ読むと、容器包装に使う全ての材料がポジティブリストになっているみたいな捉え方ができるのです。実際は、例えば前々回の2月の検討会の資料3の別添などで説明があるのですが、我が国と欧米による規制の比較ということで、米国のポジティブリストは合成樹脂と紙、ゴムまで、 EU に関しては合成樹脂のみ、接着剤やその他のものは国別に規制してくださいということなので、全てがポジティブリストで管理されているわけではないので、ちょっとこの表現だとまずいかなと思います。若干の修正が必要かなと思います。
○大前座長 事務局、いかがでしょうか。
○山本基準審査課長(事務局) 全ての材質を、全ての器具・容器包装をポジティブリスト制度の適用としているという意味までここは書いておりません。いわゆる器具・容器包装のリスク管理について、後段のほうにも書いてありますが、合成樹脂や材質別にいろいろなリスク管理、妥当性があるからということも書いていただいていますので、いわゆる仕組みとして、そういうものが導入されているということ、そしてそれの適用の範囲はいろいろあるということは、この報告書を読んでいただければ大丈夫かなと考えてはおります。そういう趣旨で情報発信もしていきたいとは考えております。
後ろの事項まで全部吸い上げてここに盛り込んでいくと、ちょっと大変かなという編集上の話もありまして、制度設計に当たって、いろいろな適用範囲や適用除外、あるいは、物質の範囲を全部後ろに記載をしておりますので、そういったことと込みでお読みいただくように我々も注意したいとは思っておりますが、いかがでしょうか。
○小野構成員 分かりました。はじめに書いてしまうと非常に複雑になって、逆に理解しにくいかもしれないので、そういう形であればいいと思います。
○大前座長 ありがとうございました。次が7、8ページですが、「対象となる材質について」、これは赤字で少し修正があります。この部分について御意見はいかがでしょうか。
それでは、少し長いですが8~ 10 ページの「リスク管理すべき物質の対象範囲及びリスク管理の方法等について」、ここは何箇所か赤字で修正があります。新しく書き加えた所もありますし、修正された所もありますが、ここの部分について御意見はいかがでしょうか。
○中嶋構成員 直接は赤で直っている所ではないのですが、まずパブリックコメントの3ページのポジティブリスト制度導入の対象範囲、具体的に言うと「器具の取扱い」という所で幾つかの意見が出ているのですが、これらの項目は資料3の8ページの、対象となる材質の中で、「器具及び容器包装に幅広く使用されていること」や、9ページの「ポジティブリスト制度の対象範囲」の中でも具体的に書かれているので、我々の検討会の中では食品の容器包装を中心に検討してまいりましたが、プロセスに使われる器具についても、当然、「広く使われている」かとか、「リスクなどに応じて今後検討していく」というような表現の中で包含されていると理解してよろしいでしょうか。
○山本基準審査課長(事務局) ありがとうございます。器具についても容器包装と並び、ただ、もちろん使われ方や、材質もいろいろバリエーションがあるというのも含め、同様のところと、状況が違うところと、いろいろあろうかと思いますので、そういったことも含めて、今後詳細を検討していきたいと考えております。
また、もちろん、例えば容器包装でも繰り返し使用というものがないわけではないのですが、パブコメの、今、中嶋構成員が御紹介いただいた所に、例えば、繰り返し使用が前提になるなどといったことも発生しますので、検討のお皿の上にはのせて、そして、特性に合わせて、どうやっていくべきか検討していきたいと思っております。
○中嶋構成員 ありがとうございました。
○大前座長 そのほかいかがでしょうか。
○鬼武構成員 9ページの下のリスク評価について加筆修正をいただきましてありがとうございました。この点は私どもから意見として追加をして、このような記載になったということです。私どもはこの点については、やはりポジティブリスト制度、今後検討されるのでしょうけれども、現在、収載の候補に上がっている物質はかなりの数に上っていると思いますし、一般的に、リスク評価を実施するとすれば、合理的かつ、しかも科学的に国際的に整合性の取れた方法論の開発が必要になると思います。そういう点から、現状において欧米で実施されている、あるいは実施に向けて検討されているリスク評価の手法を参考にして、リスク評価手法を早急に食品安全委員会との連携の下にやっていくべきだということで、この修正をしていただいたことは有り難く思っております。
○大前座長 ありがとうございました。そのほかはいかがでしょうか。
それでは、次の 10 ページです。「事業者間の情報伝達の具体的な仕組みについて」、1か所赤字で追加していますが、この部分への御意見はいかがでしょうか。
○森田構成員 すみません。今の9ページの最後で赤字で加筆修正されている部分なのですが、「又は業界団体の自主基準で使用を認めており、かつ安全性が確保されていると判断されるもの等」とあります。ここの「かつ安全性が確保されていると判断されるもの」の判断主体は何なのかということです。
先ほども重倉構成員のお話されたポジティブリスト制度の言葉の使い方が少し気になったのですが、先ほど重倉構成員は、業界はポジティブリスト制度をやってきたとおっしゃられていたのですが、今後、リスク評価手法を確立して、リスクアナリシスでやっていく意味では、安全性を確保していくというふうに判断されるのは、公的に安全性が確保されていくのかなと思います。この書き方だと、業界団体の自主基準で使用を認めており、今まで業界団体が安全性を確保していると判断されるものというふうになるのか、そこがはっきりしないので、例えば「安全性が」の前に「公的に」などと入れたほうがはっきりするのではないかなと思いました。
○大前座長 いかがでしょうか。安全性の確保のところに、業界で今まで使っていた経験則だけではなくて、「公的な」というような担保をしたらどうかというようなお話だと思います。いかがでしょうか。
○山本基準審査課長(事務局) ありがとうございます。一定の要件というものを、これから国が決めていかなければいけないと思っておりまして、その要件をどうやって定めるかという例示を、ここの括弧の中で書かせていただいております。ここについても今後詳細を詰めていきたいと思っておりますが、いずれにしろ、客観的に安全性の確保の根拠データといったものが必要だという意味で、ここを書かせていただいております。
そういう意味で、国が一定要件を示して客観的に判断していくという趣旨で書いていますので、「公的に」と言うと、食品安全委員会さんなどに誠に大掛かりなことを求めるというふうにも読まれかねません。すみません、少し言い訳めいていますが、数も多いので、やはり現実的な一定要件で国が責任を持って、その一定要件で、業界の皆様や諸外国とも協力しながらやっていこうと思っておりますので、国が情報提供を各所からいただいた上でやっていきますという意味で、「公的に」とあえて記載するよりは、現在の書き方でいかがかなと思っております。
もう1つ、この括弧の所ですが、少し言い切り系になっていますので、冒頭の「一定の要件」の後ろ、「諸外国」の前に、「例えば」と入れさせていただいて、今後ここはしっかり詰めていきますということも織り込ませていただく前提でいかがでしょうか。「公的に」と言うと、非常に公的になりそうな気がしますので、国がしっかりやりますという意味でいかがでしょうか。
○森田構成員 その、国がしっかりやりますというところが、「国が」というところがこの中に出てこないので、そこを何らか入れるということができないかと思っているのですが。
○山本基準審査課長(事務局) 逆に「判断」というのが入るから、判断主体があるということで、例えば、「安全性が確保される」。
○森田構成員 「と国が判断されるもの」。
○山本基準審査課長(事務局) 何かどんどん大仰になっていきますね。「かつ安全性が確保されていることが確認できるもの」でどうでしょうか。「判断」と言うと、判断主体がどうしても。
○中嶋構成員 主語が必要になってくるので、「と判断されるもの」という所を削れば。
○山本基準審査課長(事務局) 「安全性が確保されていることが確認できるもの」とか。
○中嶋構成員 「等」を。
○森田構成員 「確認」だと、また誰がになるのです。「評価」ということになると、その前のリスク評価手法というところがありますから分かるのですが。
○大前座長 そうすると、今の「安全性が確保されている等」にすると。
○重倉構成員 安心いただくためにと思うのですが、私どもも諸外国のポジティブリストに掲載されているものを収載根拠にしてポジティブリスト整備を行いますので、シンクロしているという面もあるのですが、逆にシンクロしていない部分について言えば、正直言いますと、私どもは大変慎重というか、心配がちなものでして、欧米の基準の大体 10 倍ぐらい厳しいラインで現在運用しているというのが実態です。私どもはリストで整備してしまっていることが問題であり、これから社会に対しては、それで大丈夫なのだという説明は業界でもやっていかなければいけないと思っているのですが、それが直接、諸外国のポジティブリストに掲載されているものよりも有害なものがリストされているという実態にはなっていないだろうと信じているところです。
これは我々自身も努力をしていきたいと思っておりますが、現時点でこれを一つ一つ国に確認、判断いただくというプロセスは大変な負担がかかるだろうなということを予想しております。そういう意味で、現実ではそれほど問題はないものが並んでいるという状態です。
○長田企画情報課長(事務局) これはポジティブリスト制度をどう設計し、運用していくかということに関わっての記述と理解しております。そういう意味においては、最終的にポジティブリストという形で、厚生労働省の名義で、政令なり省令なりで具体的なものを定める意味では、ポジティブリストの作成主体としては、どのようなプロセスを経たとしても、国、厚生労働大臣ということになります。その意味においては、公的に関与していることは大前提です。ただ、ここで書かれていることは、行政コストとかも含めて、これまでの知見の蓄積のようなことをどう活かしながら、より合理的な形で安全性を確保していくかということだろうと思いますので、そういう意味で、公的に関与するのは当たり前で、これは多分、通常のリスク評価とは異なった少し弾力的な運用を想定した記述ですので、恐縮ながら、そこに改めて「公的な」という言葉を使うと、ここの趣旨が少し薄れていくという気もいたします。
ただし、行政も単純にこれを横で、例えば欧米で認められているから、そのまま全く OK ということではなく、恐らく何らかの形で、このポジティブリストとして認めているのはどのようなものを根拠にして見ているのかを、最低限の確認作業は当然ながら要るだろうと思いますので、そこの評価の段階や程度について少し色分けすることを想定する意味においては、このぐらいの書き分けをさせていただけると、その趣旨がより明確になるかとは思っております。
○鬼武構成員 すみません、段々議論を蒸し返してくるような形になって、時間が経過すると思いますけれども、実は私は、事前に資料をいただいたときに、この「リスク評価について」の1つ目の○のパラグラフと、「その他」のパラグラフを比較して読みました。今回上の所で修文していただいた赤の所は短く書かれておりますが、先ほど私が発言しましたように、もう一度読みますと、「リスク評価については、食品安全委員会において行われるが、評価の方法や評価に必要となるデータ等については、国際的な整合性を考慮したものである必要があり、ポジティブリストに物質を収載するに当たっては、リスク評価はきわめて重要であることから、現在、収載の候補に挙がっている物質はかなりの数に上っていると思われるが、一定の期間でこれらの物質のリスク評価を実施するのであれば、合理的かつ科学的な国際的に整合性の取れた方法論の開発が必要となる。このために・・・」、欧米で実施されているということで、上に「欧米で実施されている、あるいは実施に向けて検討されているリスク評価の手法等を参考にして、早急に日本でもリスク評価手法を確立すべきである」という文章にして、その上で次に、今まで取り組んできたという意味合いで書いたつもりなのですが、そのように上に少し書いていただければいいような気もするのですが、いかがでしょうか。
○大前座長 今の鬼武構成員の意見について、いかがでしょうか。少し前に足したらどうかと。それで、先ほどの自主基準、かつ安全性うんぬんの所はクリアできるのではないかと。この辺の書きぶりにつきましては、後ほど、私座長と事務局とで相談してやらせていただいてよろしいでしょうか。
(異議なし)
意図としては、あくまでもリスク評価に関してはないがしろにするということではありませんので、この書きぶりについては、後ほど相談させてください。
もとに戻りまして、「事業者間の情報伝達の具体的な仕組み」につきまして、いかがでしょうか。
続きまして、「適正な製造管理を担保するための具体的な仕組み」については、特に修正はありませんが、御意見はいかがでしょうか。
次に、「事業者の把握及び地方自治体の監視指導のあり方」について、何か御意見はいかがでしょうか。ここも前回と変わっておりませんが。
短いですが、「その他」の所も含めまして、御意見はよろしいですか。
それでは、 11 ページの一番下の所で「今後の課題」について、これは非常に重要な部分だと思います。 12 ページには、「リスクコミュニケーション」を入れたということで、追加がありますが、今後の課題につきまして、何か御意見はいかがでしょうか。前のほうに戻っても結構ですが、何か御意見があればと思いますが。よろしいですか。
それでは、先ほど少し課題といいますか、表現については、一部、座長と事務局で考えるということを御了解いただきましたけれども、それをもって取りまとめとしていただいてよろしいでしょうか。
(異議なし)
では、取りまとめの概要紙を作っておいたほうがよいと思いますので、これも私と事務局で相談いたしまして作成したいと思います。これも一任していただいて、よろしいでしょうか。
(異議なし)
ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
それでは、事務局におかれましては、本日の御意見の反映等、特に先ほどの議論の所も含めまして、作業をお願いいたします。今日の予定は 11 時半までですが、少し早くなっておりますが、事務局から連絡等ありますでしょうか。
○近藤補佐(事務局) 「食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会」につきましては、本日が最後となります。座長から御指示がありました作業等につきましては、事務局で対応の上、検討会の取りまとめとして厚生労働省ホームページに公表する予定としております。また、検討会の取りまとめにおいて、更なる技術的検討が必要とされた内容につきましては、今後、審議会における法改正の議論と並行して検討を進める予定としております。なお、取りまとめの中に示しております「自主管理ガイドライン」につきましては、昨日5月 24 日より、 30 日間のパブリックコメントを既に開始いたしましたので、この場を借りて御報告させていただきます。
最後となりますが、企画情報課長の長田より、御挨拶をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○長田企画情報課長(事務局) 本来であれば、当検討会の主催者でございます生活衛生・食品安全部長の北島から御挨拶を申し上げるべきところですが、本日、国会に呼ばれておりまして、検討会が早めに終わりましたので、到着が間に合っておりません。恐縮ですが、私が代わりに御挨拶をさせていただければと思います。
当検討会は、思い起こせば昨年の8月に第1回の検討会ということでキックオフをしていただきまして、本日まで8回にわたる回を重ねて、大変御熱心に御討議をいただきまして、大前座長をはじめといたしまして構成員の皆様には、大変積極的な貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございました。また、本日は日本電機工業会の皆様にも御参加いただきましたけれども、この検討会の過程におきまして、大変多くの団体の皆様にヒアリングという形で御参画をいただきましたことも、併せてこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。
この検討会におきましては、我が国における食品用の器具・容器包装の衛生確保につきまして御検討いただきまして、国際的な整合性といった観点、また、これまでの業界団体の皆様による様々な自主的な御尽力、取り組みといったことを踏まえて、今後のあり方、今後の方向性について、お示しいただいたと思っております。
言うまでもなく、私ども厚生労働省のミッションというのは、安全な食品をお届けするということで、その点において、器具・容器包装もその一端を担う重要な部分ということであろうかと思っております。今回お取りまとめいただきました検討会の方向性に沿って、今後は舞台を移しまして、1つは全体としての制度をどのような形で設計していくかということに関しまして、厚生労働大臣の下に置かれております薬事・食品衛生審議会の食品衛生分科会で議論をお願いしたいと思っておりますし、また、この検討会でも御指摘をいただいており、更に技術的な詳細な検討が必要な部分として幾つか宿題が残されておりますので、そういった部分につきましては、別途の検討会の中で詳細化を考えていきたいと思っております。
今回の取りまとめに当たって、非常に御尽力をいただきましたこと、また、とりわけ関係事業者、団体の皆様には、日頃から安全性確保のための様々な御尽力をいただいておりますことに感謝と、引き続きの御協力をお願いできればと思っております。また、今後の制度設計の詳細化に当たりましては、いろいろな形で、関係業界、あるいは自治体、関係団体、消費者団体の皆様等々、様々な機会を捉えて情報交換、意見交換の機会を重ねていきながら、よい成案を得たいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
最後になりましたが、重ねて、大前座長、また構成員の皆様に感謝を申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○大前座長 どうもありがとうございました。今日は最後ですので、一言挨拶させていただきます。初回に申し上げましたように、私の専門はこの分野では全くございませんで、食品用器具、あるいは容器包装については何も知らないというのが座長の一番のメリットではないかと思いまして、お引き受けいたしました。回が進むに連れて、テクニカルな単語がいっぱい出てきまして、新しい情報が出てきまして、全部知らないことばかりで、非常に勉強になりまして、ありがとうございました。構成員の方々の専門性に支えられて、ここまで進行できたことを感謝申し上げます。誠にありがとうございました。それでは、この検討会を終了させていただきます。ありがとうございました。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会> 第8回食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会 議事録(2017年5月25日)