ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 児童発達支援に関するガイドライン策定検討会> 第5回児童発達支援に関するガイドライン策定検討会(議事録)(2017年5月23日)




2017年5月23日 第5回児童発達支援に関するガイドライン策定検討会(議事録)

社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

○日時

平成29年5月23日(火)
13:30~15:00


○場所

厚生労働省 共用第6会議室(3階)


○出席者

【構成員】

石橋構成員 大塚構成員 北川構成員 小林構成員 鈴木構成員 高橋構成員
田中構成員 柘植構成員 辻井構成員 戸枝構成員 樋口構成員 福島構成員
本田構成員 松井構成員 御代川構成員 山根構成員 石塚参考人(吉田構成員代理)

○議題

(1)児童発達支援ガイドライン案について
(2)とりまとめ
(3)その他

○議事

○大塚座長 ただいまより第 5 回児童発達支援に関するガイドライン策定検討会を開催したいと思います。構成員の皆様方におかれましては御多忙のところ出席いただきまして、ありがとうございます。今日は取りまとめということですので、よろしくお願いいたします。

 最初に、事務局から構成員の出欠状況等の説明をお願いいたします。

○小島障害児・発達障害者支援室長補佐 本日は、吉田構成員から御欠席の連絡を頂いております。なお、吉田構成員の代理として、石塚参考人に御出席いただいております。また、田中構成員からは、少々遅れて御出席との御連絡を頂いております。

 初めに、障害保健福祉部長の堀江より、一言御挨拶させていただきます。

○堀江障害保健福祉部長 障害保健福祉部長の堀江です。皆様には、本日お集まりいただき、ありがとうございます。また、大塚座長をはじめとして、諸先生方には、深い御議論を頂きまして、大変ありがとうございます。本日、いわゆる介護保険法案の審議がありますので、この御挨拶を申し上げ、失礼することをお許しいただきたいと存じます。

 児童発達支援に関するガイドラインの作成に向けての御議論のため、今回御参集いただくに当たり、私から、乳幼児期のお子様の発達支援について、直接に関わってこられた方に多く御参加いただくよう特にお願いしてきたところで、いろいろな御経験も踏まえて、細やかな配慮の下にガイドラインの案ができてきたものかなと思っております。

 ずっと出ていたわけではないのですが、参加させていただくと、本当に喧々諤々の充実した議論がされていたと考えており、皆様に感謝申し上げるところです。

 このガイドラインは今の時点では案でして、大塚座長からお話がありましたように、本日取りまとめていただければと思いますが、この児童発達支援が提供すべき支援の内容を具体的に示すほか、児童発達支援から保育所に通園する場合のこと、あるいは児童発達支援から小学校に進学される際のいろいろな連携など、「多機関の連携」というのはどこの文書にもよく書いてあるわけですが、そうした具体的なところについての記載をできるだけ試みるようにしていただいているところに、非常に感謝しているところです。出来上がれば、事業所のみならず、保護者あるいは自治体の皆様が、サービスの支援内容の評価をするのにも活用いただいて、児童発達支援の質の向上に更に進んでいければいいなと考えているところです。

 また、言うまでもなくガイドラインは、出来上がるところまでが目的ではなくて、御活用いただいて、また新しい課題を見付けてよりよいものにしていくというところが肝だと考えております。構成員の皆様方、今日一旦お取りまとめいただいた後にも、いろいろな立場から支援の質が上がっていくように、御助言、御協力いただけたら有り難いと考えているところで、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本日は御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○小島障害児・発達障害者支援室長補佐 なお、大変恐縮ですが、本日は国会審議があり、事務局に出入りがあることを御容赦いただきたいと思います。また、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。以上です。

○大塚座長 議事次第に沿って進めます。まず、本日の資料についての説明を事務局からお願いいたします。

○小島障害児・発達障害者支援室長補佐 資料の確認をいたします。配布資料には右上に番号を付しています。資料 1 「児童発達支援ガイドライン ( ) 」は、前回の御議論を踏まえ修正をさせていただき、また、行政文書として発出するに当たり、事務局で文言を修正させていただいたものの、反映版です。資料 2 が、前回資料からの見え消し版です。また、参考資料 1 、参考資料 2 を配布しています。構成員の机上のみ、第 4 回の議事録を配布しています。資料の欠落等がありましたら、事務局までお申し出ください。

○大塚座長 議事に入ります。この検討会も今回が 5 回目となり、構成員の皆様から多くの貴重な御意見を頂いております。これまでの意見集約のプロセスや今後のスケジュールを踏まえて、児童発達支援ガイドラインに関しての議論は今回を最終回としたいと考えています。先ほど部長からもお話がありましたように、早く現場への適用も考えていますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○小島障害児・発達障害者支援室長補佐 資料 2 を御覧ください。 1 ページですが、目次を追加しています。こちらの目次の番号もありますが、行政文書になりますので、「第 1 章」「 1 」「 (1) 」「ア」というような順番で記述しています。

4 ページです。主な点を御説明いたします。 1 の目的の (1) に関して、目的をより明確に記述しています。また、 5 ページの (2) に関して、インクルージョンに関してのところで、具体的にどのようなことが求められるのかの記述を追加しています。

 また、 2 (1) に、今まで障害の「疑い」という形で表現していましたが、ここは先般御意見を頂き、「気づき」に直しています。

10 ページ、 11 ページです。まず 11 ページの児童発達支援の内容に関して追記の部分がありますが、前回の御議論を踏まえて、場所を 12 ページから移しています。また、 11 ページの下の発達支援の本人支援の部分に関しても、 10 ページから文言を移動しております。前回の議論を踏まえての修正をしております。

13 ページの健康・生活の (b) 健康の増進の所です。こちらの「食行動におけるこだわりや偏食への対応など、食に関する支援を行う」の部分ですが、「こだわりや偏食は食行動だけではない」という御指摘も踏まえ、こちらの記述は 14 ページ目の ( ) 認知・行動の (e) に移動しております。

 また、 15 ページ目の言語・コミュニケーションの (c) 人との相互作用によるコミュニケーション能力の獲得の「共同注意の獲得」に関して、御意見を踏まえて追記しています。また、 (e) は「読み書き能力の向上」と表現を修正しています。また、こちらの「聴覚に障害のある子どもや」の部分に関して、前回の御議論を踏まえて削除をしております。

16 ページです。移行支援の部分に関して、「可能な限り、地域の保育、教育等の支援を受けられるように」というだけではなく、「同年代の子どもとの仲間作りを図っていく」という御意見を頂き、こちらに追記しています。また、ねらい、支援内容の j にも、御意見を踏まえた修正を行っており、「地域の保育所等や子育て支援サークルとの交流」を加えています。

17 ページの支援に当たっての配慮事項ですが、前回の御議論を踏まえて様々な要因により、強い不安や緊張を示す子どもに対しての配慮事項を追記しております。

18 ページの上のほうに、「主治医からの指導・助言、保護者情報は 3 者で共有することが望ましい」という御意見を踏まえて、こちらに追記しています。

 また、 19 ページの家族支援に当たっての配慮事項の部分で、こちらの居託介護、短期入所等の障害福祉サービス事業所に関しても、関係する機関として追記しています。

21 ページです。こちらは第 3 章の「児童発達支援計画の作成及び評価」の 1 の項目の部分です。以前は「相談支援との連携」という形でしたが、文章の中が「障害児支援利用計画との整合性のある児童発達支援計画の作成と発達支援の実施」という内容ですので、その内容が分かるように項目に修正を加えています。

 また、前回の御議論を踏まえて、 (1) の○の 4 つ目ですが、乳幼児期の障害のある子どもへの支援、利用できる支援に関して明記しております。

22 ページの (3) ですが、○が 3 つ消えていますが、この後の 25 ページに同様の内容の記述がありましたので、 25 ページの児童発達支援の計画の作成及び評価という所にまとめさせていただきました。 25 ページ、 (3) タイムテーブル、活動プログラムに沿った発達支援の実施ということで、この記述している内容を表す項目の表現にしております。

30 ページを御覧ください。第 5 章「児童発達支援の提供体制」です。こちらの定員は以前、 3 としておりましたが、一番初めに定員を設けるということもありますので、 1 番に移動しております。

32 ページのウの自己評価結果の公表です。これは後ほど御説明させていただきます。別添として自己評価の流れを付けましたので、これに関しては追って御説明させていただきます。

34 ページの 4 、衛生管理、安全対策です。これ以降ですが、この下に「設置者・管理者は」とあります。それ以降も、「設置者・管理者」又は「職員は」など書いてあります。これまでは主語が明確になっていなかったという点がありましたので、主語を明確にする観点から、記述を入れております。また、 (1) の衛生・健康管理に関して、担当部局に内容を確認し、記述を追記、修正等をさせていただいております。

42 ページです。権利擁護に関して、子どもの支援の権利擁護の観点から、今まで虐待防止の取組、又は身体拘束への対応の記述だけでしたが、子どもの権利擁護は重要な観点ですので追記しております。

45 ページです。別添として、「児童発達支援センター等における事業所全体の自己評価の流れ」というものを付けました。前回に御議論いただいた中で、「どのような自己評価の流れなのかを分かりやすくしたものがあったほうがいい」という御意見を頂きました。そこで、この評価の流れを作りました。また、これまで職員による自己評価表、保護者等による評価の表だけでしたが、加えて自己評価結果の公表、公表の用紙も別紙 3 、別紙 4 で付けています。順番に簡単に説明させていただきます。

46 ページから 49 までが、事業所職員向けの自己評価表です。前回に御議論いただいた点を踏まえ、「『どちらともいえない』というのは、事業所職員のものでは必要ないのではないか。『はい』『いいえ』だけで判断したほうがいいのではないか」という御意見を踏まえ、「どちらとも言えない」を消しています。また、環境・体制整備の 、また㉔、㉕に関して、前回の御議論を踏まえて修正を行っています。

 また、 50 ページ、 51 ページに関して、保護者等向け児童発達支援評価表を作っています。今回、「はい」「どちらともいえない」「いいえ」のほかに、保護者の方で事業所から説明を受けていない方もあろうかと思いますので、「わからない」というのを入れております。

52 ページから 55 ページに関しては、事業所における自己評価結果 ( 公表 ) ということで、公表に当たっては、このシートで公表いただくというものを用意いたしました。内容に関しては、事業所向けの自己評価表、別紙 1 と同じ項目になっています。職員間で議論いただき、こちらで公表を行うというものです。また、 56 ページ、 57 ページに関しては、保護者等から評価いただいたものを集計して公表する様式です。これに関して、今回付け加えています。

 後ろのほうは参考資料になりますが、一番最後の 62 ページは、児童発達支援計画の記載例です。この赤字の部分は、「子ども本人の気持ちで」ということで、発達支援の部分に関して修正を加えています。簡単ではございますが、以上です。

○大塚座長 ガイドライン本文と別添の自己評価の流れも含めて、御意見がある方は挙手でお願いいたします。

○山根構成員 本当に丁寧に作っていただいて感謝しています。幾つか御意見させていただきます。

 まず、 46 ページの事業所職員向けの自己評価の環境・体制整備の の環境について、「生活空間は、本人にわかりやすく」とありまして、「わかりやすさ」と書いてあるのですが、もう 1 つ、「清潔である」とか「心地よい」ということが必要だと思うので、 として「清潔で子どもたちの活動に合わせた場所があって、かつ心地よいか」ということを別項目として入れていただければと思います。というのが、構造化というところで段ボールを使って、余りきれいでないという所も幾つかありますので、親御さんたちも触れにくい部分ではないかと思うので、別項目として挙げていただけたらいいなと感じました。

 もう 1 点です。例えば次のページの㉒の「医療的ケアが必要な子どもや重症心身障害のある子ども等の在宅支援のために」といったところで、そういったお子さんたちを見ていない事業所の場合はどうするのかなと思ったので、非該当の所については触れないとしておかないと、どう書いていいかが分からなくなるのではないかということも感じました。

 もう 1 点です。以前にも議論になったのですが、見え消し版の 9 ページの上から 3 行目に、「乳児から 3 歳未満の障害のある子どもの場合には、健康状態が不安定であること、生活習慣の育成に困難を伴うこと」と書いてあるのですが、その下の 3 歳以上の場合は困難さではなくて、こういったことが必要だと、書いてあります。乳児から 3 歳未満のお子さんたちは、特に生活習慣の育成、健康状態に対しての配慮がより必要な時期だけれども、困難な点があるので・・・という形で少し、肯定的な表現にしていただくほうが読みやすいという印象を持ちました。

 もう 1 点は、私がよくわかっていない部分なのですが、 14 ページの認知・行動の支援内容の (d) 数量、大小、色等の習得という所です。ここの数量の所で、「数字・数詞対応課題、計数課題、数唱課題等の数概念」と書いてあるのですが、これは幼時期も当てはまる内容なのでしょうか。数唱課題というと、何となく記銘力を測るような内容だと思うので、これが本当に正しいかどうか、私が分からないので確認していただけたら助かると思いました。

 あとは文言的なことですので、後ほど言いたいと思います。以上です。

○大塚座長 御意見が出ていまして、考慮できるところはというところでよろしいでしょうか、一つ一つですか。

○山根構成員 どうでしょうか、議論というか検討。

○大塚座長 議論というよりは、直すような形でということになると思うのですが、そのような積極的な意見だと理解しております。

 特に、少しネガティブに書かれているというのは、ガイドラインの趣旨からも反しているので、なるべくポジティブなことで書くようにということで。だけれども、このように配慮するということで補うと。そういうところでやることが大切だと思いますので、いかがでしょうか。

○山根構成員 よろしくお願いします。

○大塚座長 ほかにはいかがでしょうか。

○戸枝構成員  15 ページから移行支援があるのですが、児童発達支援事業所が職員レベルで本人に付いて、かなりの長期にわたり、保育園とかに付添いで人を出すのであれば受け入れてもいいというパターンが、医療的ケアの子どもでももちろんありますし、発達障害、自閉症の子どもの場合にもかなりあって、短くても 1 か月、長いと 1 年ぐらいの同行を求められるということがあって、アウトリーチして介助職が保育所などに行っているということに対して、いいのだということが分かるような書きぶりにしてくれということが、一番の移行支援をお願いした趣旨なのです。しかし、結果的に、この書きぶりだと相談支援がやるような、連絡調整をするというようにしか読めないのです。今言った、現場レベルの職員が保育所等に同行支援をしているということを、移行支援のこの並んでいる項目のどこから読み取ったらいいのかということを御説明いただければと思います。

○大塚座長 いかがですか。

○小島障害児・発達障害者支援室長補佐 児童発達支援のサービス、支援になりますが、法律上、児童発達支援の場所で支援を行うということになるので、一緒に行って保育所の中で支援するというのは、今の法律に書いてある支援の内容ではない部分です。もちろん、そういうことを行うという御意見もあるのかもしれませんが、法律上、児童発達支援は、通所の事業所の中で支援を行うというものですので、このガイドラインに関しては、その基本の部分を書かせていただいているということです。

○戸枝構成員 そういう意味では、移行支援の議論をしたときに、割と前向きな感じだったので、厚労省的には前向きなのだと思い、有り難いと思っていたのですが、今の御説明でいくと、児童発達支援事業の職員が同行的に保育所等に行く、場合によっては児童発達支援事業の箱から出て支援するということは、業務の範囲内ではないのでガイドラインから落としたという御説明だということですよね。そうであれば落としていただいて、その上で、そのような実態とかニーズがかなりあるのですよね。それに対しては、具体的には何事業でやったらいいのかの御説明を頂ければと思います。

○小島障害児・発達障害者支援室長補佐 保育所等訪問支援の事業が通所の支援のサービスにあり、保育所等に通えるようにということで、保育所等訪問支援の事業を使って支援を行うという体系になっています。

○戸枝構成員 それが公式見解ということだと思うのですが、それでは実態として、例えば医療的ケアの子どもが重症心身障害者扱いだとして、 1 日報酬が 2 万円とか。一番同行を求められているのは「立ち上がる重症児」と呼ばれ始めている、酸素のチューブが付いていたり、場合によっては様々な医療的なデバイスと言われている管が付いていて動くお子さんで、動くので、引っ掛けたら取れてしまうとか、ただ知的障害が余りないので、普通の子どもと一緒の環境にいたいわけです。ただ、保育園などは医療ケアのことに関しては知識がないといった場合に、先ほど言ったように、向こうが本当に納得するまでとなると、長期の同行を求められています。

 今おっしゃった、例えば保育所等の訪問支援で相談支援といったときに、お願いしてきてくれる相談支援事業者というのは会ったことがないのです。それは、やはり報酬的にもすごく安いし、そもそも相談支援の障害者の部分では、皆さん飽和状態というか、毎月モニタリングのお金か介護保険のようなものをもらえるような状況ではないところで、いっぱいいっぱいの中で、それは毎日求められているわけです。毎日、例えば保育所等訪問支援の相談支援員が付くということはあり得ないわけです。

 そうなると、だからこの児童発達支援事業で現場の職員がアウトリーチするということを、前向きに認めていただきたいという要望だったわけで、それを落とすとすると、それが相談支援の範疇ですと言われると、全くできないということになると思うのです。それは、特に医療的ケアの、先ほど言ったような立ち上がるタイプの子たちの意向を考えると、全くできないという状態になると思います。

○大塚座長 私の今の認識ですが、児童発達支援の職員の方が、協力し合いながら、連携しながらというところで行くというところはあるし、お互いに協力し合いながら支えるということはある。ただ、今の仕事の範囲として、それに報酬が付くということも含めて、なかなか整備されていないと。

 そうすると、児童発達支援の仕事と、相談支援の仕事、保育所等訪問のことを施策としてどう整理して、どのようなことが一番いいかということを議論しないと、すぐここでということはできないと思いますので、そういう課題として引き受けることはいかがでしょうか。

○戸枝構成員 そうですね。大塚座長がおっしゃるとおりで、そういう意味では前向きな整理ができたと思っています。児童発達支援事業をアウトリーチしない、これは発達障害や自閉症の子どもも含めて、長期の保育園でのアウトリーチの付添いは認めないとガイドラインが決まると。そうなったときに、そういう子どもたちの長期にわたる寄添い支援というか、現場職員の同行支援は必要なのだと思うのです。これは報酬改定もありますし、ある意味で総合支援法の見直しの、またその中に法律改正の見直しをするということが入っているわけですから、これは完全に谷間になっているという認識を、ここで確認したいと思っています。

○大塚座長 はい。

○辻井構成員 「長期にわたって」と言うと、本当に今言ったように、やはりスキームをちゃんとはっきりするという話になると思うのです。少なくとも短期で、実際に児童発達で通っていた発達障害の子、特に自閉症の子などが保育園に行ったところで起きてくるいろいろ困った行動について、どうしましょうかということを保育園の先生にある程度、それが「情報共有・調整」という言葉をかなり拡大解釈すれば、それはそれでいいのかもしれないのですが。少なくとも短期においては「調整」という用語だけでいいのか、もう一言何か付け加えたほうがいいのかというところが、今話をお聞きしながら若干悩むところだと思ったのです。

 要するに、児童発達支援の事業所でできていることが保育園でできるためには、保育園の中で一定の技術提供みたいなものを踏み込んでしないと、実際には役に立たないというところがあるわけです。ですから分からないけれども、何かもう一言入れておいたほうが。今までで言う連携調整ということで言うと、「よろしくね」ということだけなので、それではちょっと駄目です。実際に行ってやってあげなければいけないというところがあるので、もう一言踏み込んでおいたほうがいいような気もするのです。

○大塚座長 そういう仕事を否定するものではないし、むしろ積極的にやっていただいて、児童発達支援が持っている専門性を生かしてもらいたいわけですから、そういうことが可能になるような。とはいえ、それが非常に長期にわたって報酬としてきちんとということまでは、今のところはまだ整理されていないのです。ただ、それが進むような形において、言葉の整理というのが必要だと思います。

○山根構成員 今の移行支援の所ですが、書きぶりがちょっと気になっています。前の本人支援の所は割と文章的に書いてあるのです。ここは後ろの家族支援と地域支援と同じように、箇条書きで書いてあるのです。多分移行支援の内容をもう少し整理すると、移行のための準備があって、実際の活動があって、その後のサポートというその 3 つがポイントになっていると思うのです。ですから、その辺りを少し書き加えられたらいいのかなと思いながら見ていたのです。ただ、それを文章にするか箇条書きにするかは、またお任せしたいと思います。

 内容としては具体的な移行支援と子どもとの交流の二つの要素がありますが、具体的な移行支援については、この a b c というのも、順番からいくと「家族への情報提供」「移行先の見学調整」は c d の間に来るかなとか、ちょっと箇条書きになっているので少し整理が要るかなと思いながら、今の移行支援の話も聞かせていただいていました。やはり実際に見た職員は力というか、その子のことが一番よく分かるので、伝達していく役割は大きいかなと思いながら聞かせていただいていました。

○大塚座長 文言も含めて考えてみます。ほかにはいかがでしょうか。

○石橋構成員 全日本ろうあ連盟の石橋です。前回の会議で幾つか御意見を出しました。私自身もその際にうまく説明ができないまま終わってしまい、後悔のまま帰りました。本日、すごくうまくまとめられていることに感謝申し上げます。

 そこで 1 つ御提案したいことがあります。 15 ページです。 (d) の「非言語的コミュニケーション手段の活用」という箇条書きがあります。具体的な内容は、表情や身振りなどが「非言語的コミュニケーション」という書きぶりになっております。しかし「非言語的」ではなくて、「非音声言語的」が正しいのではないかと思います。実際に身振りも音声はないし、表情にも音声はない。手話もそうですよね。ですから「非音声言語的コミュニケーション」という言葉の活用を入れたらいいのではないかという御意見が 1 つです。また、具体的な内容として表情や身振りなどに加え、「手話」も入れていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○大塚座長 一般論として「非音声言語的コミュニケーション」というターム、言葉があるかということが問われるわけです。そういう言葉が専門用語であれ、一般的に用いられているということであれば、使うことはやぶさかではないのですけれども、そういう言葉は私が知る限りない。「非言語的コミュニケーション」というのはよく出てくる言葉ですけれども、「非音声言語的コミュニケーション」という言葉が、きちんと定義されてあるかどうかが気になるのです。いかがでしょうか。

○石橋構成員 あります。皆さんは聞こえる方たちで、音声言語を使っており、音声での会話をされています。我々は非音声言語です。音声を聞くことはなく、音は見えません。実際に手話、身振り、空書、絵等を見ています。そこには音はありません。ですから「非音声言語」という言葉はよく使われております。

○高鹿障害児・発達障害者支援室長 事務局から 1 点確認します。 (g) で「手話」等々の活用という記述はあるのですが、それに加えて更に (d) のほうにも手話を入れたほうがいいという御意見でしょうか。

○石橋構成員 「非音声言語的」と言えば手話も含まれます。ですから表情も身振りもあるし、手話を省くのはどうなのかと。さらに (g) もそのままということで、コミュニケーション手段として手話を入れておくのがよろしいかと思います。

○柘植座長代理 よく分からないのですが、今の御指摘で、なるほど、「非言語的コミュニケーション」と言いながら、それは言語的なコミュニケーションの 1 つだろうと考えているはずですよね。ですから多分、用語の整理が十分できてない状態だったのだなということがよく分かりました。このペーパーではなくて、学問的にという意味です。それから (g) で「手話、点字、音声、文字等のコミュニケーション手段の活用」というのがあるので、もしかしたら (d) は表情や身振りだけのことを言っているとすると、タイトルが「非言語的コミュニケーション手段の活用」あるいは「非音声言語的コミュニケーション手段の活用」ではなく、切り分けるのなら、表情や身振り等を用いたということを前面に出すと、 (g) と切り分けられるのですか。あるいは (d) (g) を一緒にした表現も考えられるかなと思いました。

○石橋構成員 おっしゃるとおりです。 (d) (g) を一緒にするのがいいかと思います。整理をどうぞよろしくお願いいたします。

○大塚座長 分かりました。

○辻井構成員 聴覚障害のところの理解は分かるのですが、言語的コミュニケーションの言語的コミュニケーションにおける言語というのは、手話言語も含まれると理解しているのです。一定の言語体系があり、ちゃんとした言語だと思うのです。そうだとすると、言語は言語であるわけです。言語というのは、手話を使う方たちも表情は使いますよね。

○石橋構成員 身振りイコール手話ではありません。全く別物です。どちらにも音声はないです。

○辻井構成員 それでいいのですが、そうだとすると (d) (g) はやはり別にしておく。 (d) は表情や身振りの話で、 (g) には手話を含めた非音声言語のコミュニケーションをどう伸ばすかということを、重要なこととしてしっかりと書き込む。 (d) のように表情や身振りを使うという、言語の前の手掛かりを幼児段階でしっかり学ぶということをきちんと残しておかないと、発達支援をする事業所の職員の方たちが。それが将来的に音声言語的コミュニケーションなのか、手話言語コミュニケーションなのかはともかく、表情や身振りのところは大事です。今まで学術的には非言語的コミュニケーションという形で、表情・身振りを、この国ではかなり一般的に使ってきているのです。それを使うことは、どうしてもまずいのですか。

○石橋構成員 かなり専門的な話になりますけれども、ここのガイドラインは一般的な、誰もが分かるガイドラインになることが必要ですよね。そういうことを考えた場合に、私たちの世界では手話、表情、身振りが非音声言語ということで使い分けをして言っております。聞こえない者の世界は目で見る、目で情報を収集するという意味で、そこでは音声というものは全く関与してきません。身振りもそうですよね。身振りや表情をしているときに音声は伴っていない。先ほど副座長がおっしゃったように、 (d) (g) を混合して整理したほうが明確に分かりやすいのではないかと思っております。

○柘植座長代理 私は 2 つ発言しています。混ぜるのではなく、一緒にして両方併記で 1 つの箱に入れるか、分けるのであったら (d) のタイトルを「非言語的コミュニケーション」あるいは「非音声言語的コミュニケーション」と言うと、そういう議論が出てくるので、いっそのこと (d) のタイトルは表情や身振りを前面に出したらどうかという発言でした。

○大塚座長 後者のほうがいいかなと、個人的には思います。「非言語的コミュニケーション」というのに少し誤解がある。前言語的というか、言葉になる以前の身振りや表情によって、子どもの発達を促していくという考え方なので、「言語」という言葉を使うこと自体が混乱させるというのであれば、そういうように整理していくと。

○石橋構成員 はい、分かりました。

○大塚座長 ほかにはいかがですか。

○北川構成員 素晴らしいガイドラインになって本当に感謝しております。事務局や大塚座長の御苦労、本当にありがとうございます。

 前回の 17 ページの○の 5 番目、新しい所です。小林構成員の意見でこのように加えられたことは、とても良かったと思うのです。ただ、精神的に不安定を示す子どもたちというのは、具体的には統合失調症とか子どもの鬱病とか、そういうことを含めておっしゃったと思うのですが、現場のスタッフの方々がこれを読んでも、ちょっと分かりにくいかなと。この時期の子どもに対する配慮をすごく感じ取れたのですけれども、現場ではちょっと分かりにくいかなと思いました。例えば「様々な要因により」と言うよりは、「精神的に強い不安や緊張を示す子どもに対して」とか、少し現場の方々が察することができるような文言のほうがいいのではないかと思いました。

 もう 1 点は 35 ページの○の 2 つ目に、「職員は、事前に、予防接種やてんかん発作等の」というのがあります。このガイドラインを通して私が見逃している可能性があるのですが、投薬のことが余り書かれてなかったような気がするのです。現場ではてんかん発作の子もそうですけれども、発達障害の子の薬が変わったとか量が増えたとか、そのような状況を保護者とお医者様と一緒にしっかり把握しておく。お薬が変わったから今、こういう状態なのかということが、子どもを見るときのとても重要な、大事な視点だと思いますので、ここでなくてもいいのですけれども、どこかに投薬とか薬のことを書き入れていただいたら、子どもを見る視点において現場では、とても役に立つかなと思います。

○大塚座長 投薬のほうは分かりましたが、 17 ページの「様々な要因により強い不安や緊張を」というのを、もうちょっと現場の人に分かりやすく、このように書けばということをもう一度。

○北川構成員 「様々な要因により」を生かすかどうかは別として、「精神的に強い不安や緊張を示す子どもに対して」とか、「精神的に」というのを入れたら分かりやすいかなと。ここを入れなかった気持ちも分かるのですけれども、現場が分かりにくいかなと思ったのです。もっといい表現があれば、違う表現でも全然構わないです。

○大塚座長 分かりました。了解です。

○石塚参考人 全国特別支援教育推進連盟常任理事の吉田の代理で、本連盟の顧問をしている石塚です。ガイドラインを拝見して大変温かみのあるガイドラインで、保護者としても有り難く拝見いたしました。

 私のほうで少し考えていただけたらと思うところが 1 か所あります。それは第 5 章の 4 34 ページから始まる所です。衛生管理、安全対策という所で、衛生・健康管理、非常災害・防犯対策、緊急時対応、安全確保と通して、自分自身が感じたことは、事業所が業務を継続するか否かという判断的なものが、大事な要因になってくるところがあるのではないかと思いました。その事業を継続できるか否かということは、安全安心の体制を最も重視した事業所では、大変重要なことかと思い、是非ここに業務継続計画、 BCP のような考え方が反映できないかと思って拝見いたしました。

 厚生労働省では平成 26 年度に新型インフルエンザ等発生時における業務継続計画、障害者・児通所事業所向けの BCP も出していて、ホームページから拝見できました。こちらはとても素晴らしい内容でした。ここの本文の中で反映できなくても、後ろのほうの 52 ページの「事業所における自己評価結果」のほうでも何らかの項目の中で。例えば、㊵の「非常時等の対応」の中にでも。様々な緊急時対応マニュアル等ということで、マニュアルのことは書いておりますが、マニュアルだけでは負えない部分の事業継続計画、 BCP 的な範疇が欲しいなと思って拝見しました。一考していただければと思いました。

○大塚座長 貴重な御意見でした。衛生管理、安全対策においても計画的に事業者が、きちんと見直しながらやっていくということでしょうから、そういう文言も含めて入れたらいいと思いますが、いかがでしょうか。いいですか、はい。

○高橋構成員 盲人会連合の高橋です。 50 ページの保護者向けの評価表、 とマル 11 についてお尋ねします。保護者向けの で児童発達支援ガイドラインのねらいうんぬんと書いてあるのですけれども、保護者にこのガイドラインをどのように説明するのですか。いっぱい説明するものがある中で、これは絶えずどこかに目に触れるようにしておいたり、説明したりすることがあるのかなというのが 1 点です。

 もう 1 点は、「家族支援プログラム ( ペアレント・トレーニング等 ) 」と書かれていて、ガイドラインの中にもそのように記載されていいと思うのですけれども、保護者向けの所に「ペアレント・トレーニング」と記載されると、いろいろな障害の方がいらっしゃって、発達障害だけでない、ほかの児童発達支援もある中で、ペアレント・トレーニングができていないと思い込まれる方もある。また、この説明の中の注釈ですよね、「適切な行動を獲得することを目標とする」というプログラムになっているので、保護者向けの評価表にペアレント・トレーニングというのは、抜いてもらってもいいのではないかと私は思いました。

○小島障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局です。児童発達支援のガイドラインの内容の説明ですが、こちらの 25 ページの○の 2 つ目にありますが、このガイドラインの計画を説明するという形で、きちんと説明を行うということを、このガイドラインで記述させていただいているところです。

○大塚座長 それから、家族支援プログラムについてはどうでしょうか。ペアレント・トレーニングを含めて取ってもいいのですけれども、具体的な明示がないと、反対に何でもありになってしまうという危惧もあるのです。具体的にはこういうことも含めてやっているということ、事業者にとってもきちんとエビデンスを残すことをやってください、それによってということをあえて言わないと駄目な状況もあるということで、多分辻井構成員にはあると思うのです。私はそう思うのですが。

○辻井構成員 親と話をしたら家族支援という概念で、基本的に親の発達促進的な助言をしてもらえない事業所が残念ながらあるという現状を考えていくと、別のものでもいいのですが、とにかく何かしら具体的なものを入れ込んでいくほうがいいと思うのです。ペアレント・トレーニングでないのであれば、何か別なものをきちんと置いていくとか、エビデンスがあって、子どもの発達促進的に働くものを何かしら少し明示していかないと、残念ながら家族支援という概念そのものをお持ちでない事業所がある現状を考えていくと、ガイドラインとしては一応何かしら入れておいたほうがいいのかなと思うのです。もしペアレント・トレーニング以外に、現場や親御さんに分かりやすい御提案があるのであれば、そうした御提案を頂く形にやっていったほうがいいのではないかと、個人的には思っております。

○大塚座長 ほかにはいかがでしょうか。

○山根構成員 細かい文言になるのですけれども、 1 つは 7 ページの児童発達支援の方法です。ここでは「アセスメント ( 把握 ) 」と使われているのですが、ほかの所ではいわゆる評価として、「アセスメント」という言葉が使われているのです。ここだけ違和感があったので、統一したほうがいいのではないかという印象を持ちました。

 それからオです。環境というのは設定するか整備するかですから、「子どもが自発的、意欲的に関われるように環境を構成し」というのは、文言がどうかなという印象を持ちました。

 次に 12 13 ページにかけてです。 13 ページの「こだわりや偏食」についてはカットということで、後ろに持っていってもいいのですけれども、逆に食育的な要素を、もう少しここに表現していただけたら有り難いと思いました。例えば咀嚼・嚥下、姿勢保持、自助具等については、どちらかといったら肢体不自由のお子さんたちへのサポートになりますので、その前の段階で、「口腔内機能や感覚等のアセスメントを行った上で」というような文言を、意図的に入れていただいたらいいなという印象を持ちました。

 それから、 14 ページの感覚の特性への対応です。「感覚や認知の特性を踏まえ、感覚の偏り等の個性に配慮する」とありますね。配慮はもちろん必要だと思うのですが、「感覚の偏り等に対して、環境調整等を含めた支援を行う」というような、もうちょっと積極的な内容が入ったほうがいいかなという印象を持ちました。

 次が 15 ページの (c) です。「共同注意」が入ったことはとてもいいことだと思うのですが、共同注意の獲得とコミュニケーション能力というのは別々ではないので、「共同注意の獲得等を含めたコミュニケーション能力」という言葉にしたほうが、私としてはすっきりするという印象を持ちました。

 それから ( ) の人間関係の b (b) 、「模倣行動の支援」です。「人の動きを模倣することにより、社会性や対人関係の芽生えを支援する」となっているのですが、「遊び等を通じて」というのを一言入れたほうがいいように思います。 1 つの発達段階として模倣行動というのがあるのですけれども、それが社会性や対人関係の芽生えを支援することとイコールではないかなと思ったので、言葉を追記していただいたほうが分かりやすいかと思いました。

 あと、 18 ページの 1 つ目の○の所の、「医療的ケアが必要な子どもや重症心身障害のある子どもに対しては」というのと、その次に「重症心身障害のある子どもに対しては」と、同じ言葉が入っています。これがいいかどうかは分からないのですけれども、下の段のほうは、「重複障害等のある重症心身障害のある子どもに対しては」というように、形容を付けたほうがいいのか入れないほうがいいのか、その辺を感じながら見させていただきました。

 もう 1 つが 37 ページです。これは前回も議論になったかと思います。 37 ページの上から 4 5 行目に「着替えや排泄の介助等については、同性介護を基本とするなど、配慮することが求められる」とあります。当然、これは配慮できればすべきだとは思うのですけれども、実際に保育士は女性が多いという限りのある中で、幼児期の場合はそこが非常に難しい部分もありますから、ここについてどこまで触れるかというのも感じながら読ませていただきました。

○大塚座長 御意見ということでまとめて。同性介護はどうしますか。あえて書く必要があるのか。原則、そういうことは重々承知の上であえて書くと、なお規定されることによって、現場が少し大変になるのではないかということも含めて、いや、書いておいたほうがいいと。この「同性介護」という単語をどう捉えるか。「基本としつつ」だからいいのかな。議論としてはいいですか。ほかにはいかがですか。

○福島構成員 全国地域生活支援ネットワークの福島です。中身は大分煮詰まっていると思いますので、文言を 2 点だけお願いいたします。まず 17 ページの「発達障害のある子どもに対して」のその後、「スケジュール等の見通しをわかりやすくしたり」という所です。内容についてはいいと思うのですが、「スケジュール」という言葉にすると、一部の人はどうしてもツールを思い浮かべてしまうような感じがしますので、「予定等の見通しをわかりやすくしたり」と、その示し方は様々だというように、幅が持てるような表現がいいかと思いました。

 次は 19 ページ、支援に当たっての配慮事項の 3 番目です。「家族が子どもの障害の特性等を理解していくための支援となるが、受容のプロセス及び態様は、それぞれの家族で異なることを理解すること」とあります。しかし、あえて「受容」という言葉は使わないようにしていこうという議論があったかと思いますので、ここは理解のプロセスはそれぞれあり、そういうことに配慮することが重要であるというような書きぶりのほうがいいのではないかと思いました。

○本田構成員 難病のこども支援全国ネットワークの本田と申します。よくまとめていただきまして、どうも感謝申し上げます。 1 点、表現のことです。 36 ページの (3) の緊急時対応の 3 つ目の○の所です。「生命に関わる事態への対応を熟知しておくとともに」の「熟知」です。もちろんよく熟知したほうがいいとは思うのですが、医療的ケアのお子さんが大変だなということで、それで敬遠されがちになってしまうのもあれなので、もうちょっと優しい表現の仕方、例えば「対応を学び実践できるようにしておく必要がある」といったように、表現を変えたほうがいいかなと思いました。

○大塚座長 余りリスクを強調してしまうと、反対に敬遠されてしまうということも含めて考慮しなければならないと。

○山根構成員 先ほど北川構成員が言われた薬の関係です。健康・生活の支援内容の所に、お子さんたちの健康状態の把握という所で、一言入れてもらったらいいのではないかという印象を持ったので、一言だけ申し上げました。

○大塚座長 そこの所に。

○山根構成員 そこに入れてもらったら、一番いいのかなという印象を持ちました。

○北川構成員 先ほどの同性介護ですが、現場では男の子が多い中で女性の保育士ということで、これは絶対的に難しいことなのです。それがいいかどうかは分からないのですけれども、現場では男性保育士が女の子の介助をしないとか、そこそこの園である程度取り決めていることはあるのですが、これを入れてしまうと、真面目にやっている所ほど厳しくなってしまうので、保育園や幼稚園の保育指針などと同じような形で、もうちょっとこの書きぶりを柔らかい形で、現場がやりやすいようにソフトにできないものかと思います。現場のことを考えると苦しくなりましたので、よろしくお願いします。

○大塚座長 保育所指針などを見ながら。確かに大切な概念ですけれども、これが反対に浮き上がってしまうと、それによって規定されて、いろいろなところが不自由になってしまうというところがある。

○松井構成員 香川大学の松井です。保育から見ると、ここに同性というのが前面に出てくるのは、やはり違和感があるというのは感じます。保育所保育指針のほうでどうかというところでは、こういった文言はないと思いますし、そういったところに触れてもいないのではないかと思います。時折ニュースなどで、男性の保育士が女の子の介助をするというところで問題が起きて、議論に取り上げられることはありますが、それはやはり一部であって、大部分はそうではないというところは強調しておかなければならないことでしょうし、こういった形で出てくることによって、先ほど現場の先生方の御意見があったとおり、現場として動きにくくなってしまうというところがあるのであれば、表現を変えるなり、取ってしまうなりという判断があってもいいかとは思いました。

○大塚座長 貴重な意見だと思いますので考えてみます。よろしいでしょうか。ありがとうございました。まだ細かい所はたくさんあるかもしれませんけれども、おおむね皆さんの主要な御意見は出そろったと思いますので、ただいま頂いた御意見の修正を行って、パブリックコメントにかける案を作成することとしたいと思います。具体的な修正の内容については、私が引き取って事務局と相談しながら、皆さんに確認していただいてまとめたいと思っております。いかがでしょうか。御賛同いただけるでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、そのような形で進めさせていただきたいと思いますので、よろしく願います。では今後の予定について、事務局から説明をお願いいたします。

○小島障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局です。これまで児童発達支援ガイドラインの策定に向けて御議論いただきまして、誠にありがとうございました。先ほど座長からもありましたとおり、本日いただいた御意見を踏まえ、座長と相談して、パブリックコメントにかける案を整理したいと思います。また、今後はパブリックコメントの手続を行い、それを踏まえて自治体向けの通知やホームページへの掲載などによって、ガイドラインの周知を図っていきたいと考えております。

○大塚座長 最後に、座長として何か言えということですが。皆様の御協力の下、ガイドラインがまとまりました。ありがとうございます。放課後等のサービスもそうですけれども、今回は児童発達ということで子どものところからガイドラインができたということで、非常に喜んでおります。考えてみれば大人の事業はほかにもたくさんあるのですけれども、ガイドラインはこれからでしょう。その先駆けとして子どもの部分からガイドラインができたことは非常に喜ばしいことで、これを基に現場の人たちが自分たちの支援に専門性を持って、あるいは情熱を持ってやっていただくことができる、その基礎ができたと思っております。これから私たちは現場の人を応援して、現場の支援が良くなり質が高まることによって、子どもたちが幸せになるということを作っていただきたいと思いますので、これからが本番だと思っております。ともかく、児童発達支援に関するガイドライン策定検討会に御協力いただきまして、本当にありがとうございました。これで終わりにさせていただきます。


(了)
社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
障害児・発達障害者支援室 障害児支援係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
電話:03-5253-1111(内線3037)
FAX:03-3591-8914

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 児童発達支援に関するガイドライン策定検討会> 第5回児童発達支援に関するガイドライン策定検討会(議事録)(2017年5月23日)

ページの先頭へ戻る