ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 肝炎対策推進協議会(肝炎対策推進協議会)> 第19回肝炎対策推進協議会 議事録(2017年3月1日)




2017年3月1日 第19回肝炎対策推進協議会 議事録

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

○日時

平成29年3月1日(水)13:00~15:00


○場所

三田共用会議所(大会議室)


○出席者

伊藤 綾子 (薬害肝炎原告団)
大久保 暁子 (日本労働組合総連合会労働条件・中小労働対策局長)
岡田 京子 (全国B型肝炎訴訟東京原告団)
柿嶋 美子 (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
加藤 篤志 (全国中小企業団体中央会理事・事務局長)
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会常任理事)
川田 義廣 (日本肝臓病患者団体協議会幹事)
清本 太一 (全国B型肝炎訴訟北海道原告団)
小池 和彦 (東京大学大学院医学系研究科消化器内科教授)
武田 せい子 (薬害肝炎原告団)
田中 純子 (広島大学大学院医歯薬保健学研究院疫学・疾病制御学教授)
林 紀夫 (関西労災病院院長)
本多 伸行 (健康保険組合連合会理事)
溝上 雅史 (国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所ゲノム医科学プロジェクト長)
山中 朋子 (青森県健康福祉部医師確保対策監)
米澤 敦子 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事)
脇田 隆字 (国立感染症研究所副所長)
泉 並木 (武蔵野赤十字病院)
田中 篤 (帝京大学医学部)

○議題

(1)平成29年度肝炎対策予算案について
(2)肝炎対策基本指針に基づき国が示す事項について
(3)C型肝炎に対する抗ウイルス療法について
(4)その他

○議事

○小野肝炎対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第19回「肝炎対策推進協議会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、熊田委員、中澤委員、西村委員から御欠席の御連絡をいただいております。また、現在、加藤委員と柿嶋委員がまだ御到着されておりませんが、現時点で委員総数20名中15名の先生方に御出席いただいております。既に委員総数の過半数を超えておりますので、本日の会議が成立しておりますことを初めに御報告いたします。

 また、本日は、参考人といたしまして、武蔵野赤十字病院の泉院長、帝京大学医学部の田中教授に御出席いただいております。

 なお、私ども事務局の健康局長の福島と総務課長の大西が、急な用務がございまして、出席が厳しい状況になっておりますので、大変恐縮ですけれども、あらかじめ御了承ください。

 カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、カメラの皆様方は御退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○小野肝炎対策推進室長 それでは、議事に入ります前に、お手元の配付資料の確認をお願いいたします。

 配付資料の一覧がございますが、本日は資料の種類が大変多くなっております。

 資料1 平成29年度肝炎対策予算案の概要(1ページから)

 資料2 肝炎対策基本指針に基づき国が示す事項について(6ページから)

 資料3-1 肝疾患に関する診療及び支援体制の整備について(7ページから)

 資料3-2 肝疾患診療体制の整備について(局長通知)の改正案新旧対照表(12ページから)

 資料4-1 肝炎医療コーディネーターについて(18ページから)

 資料4-2 肝炎医療コーディネーターの通知の骨子案(23ページから)

 資料5-1 C型肝炎に対するインターフェロン・フリー治療の現状(泉参考人発表資料)(33ページから)

 資料5-2 C型肝炎治療ガイドラインについて(田中参考人発表資料)(46ページから)

 資料5-3 C型肝炎ウイルスの薬剤耐性変異に対する研究の方向性について(55ページから)

 資料6 肝臓機能障害に係る障害認定状況に関する調査結果(56ページから)

 参考資料1 肝炎対策基本法(60ページから)

 参考資料2 肝炎対策の推進に関する基本的な指針(66ページから)

 参考資料3 肝炎対策推進協議会令(81ページから)

 参考資料4 肝炎研究10カ年戦略(82ページから)

 参考資料5 肝疾患診療体制の整備について(局長通知)(96ページから)

 参考資料6 都道府県における肝炎検査後肝疾患診療体制に関するガイドライン(98ページから)

 資料及び参考資料につきまして、欠落等がございましたら、事務局までお申し出ください。

 それでは、以降の議事進行につきましては、林会長、よろしくお願いいたします。

○林会長 それでは、議事に入らせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議題は(1)から(3)、(4)にその他とございますけれども、盛りだくさんでございますので、進行に御協力をよろしくお願いしたいと思っております。

 それでは、早速でございますが、議題(1)の「平成29年度肝炎対策予算案について」事務局のほうより御説明をよろしくお願いします。

○小野肝炎対策推進室長 それでは、資料1をごらんください。

 1枚おめくりいただきまして、2ページに平成29年度肝炎対策予算案の概要をまとめております。現在、来年度の予算案につきましては、国会で審議が行われているところで、先日、衆議院を通ったという状況でございます。

 来年度の予算案につきましては、総額153億円となっております。今年度の予算額に比べますと30億円程度の減額となっておりますが、この要因といたしましては、肝炎治療促進のための環境整備ということで、いわゆる医療費助成につきまして、特にインターフェロン・フリー治療について対象となる患者さんが減少する見込みであることから、その分、予算が減額されておるものでございます。この減少分を除きますと、全体では、今年度134億円に対して来年度は136億円ということで、若干の予算増となっている状況でございます。

 来年度、特に大きな見直しをしておりますのは、肝炎ウイルス検査等の促進の部分でございます。大きく分けますと3点、見直しを行っております。

 1点目は、市町村で健康増進事業として肝炎ウイルス検査を実施しておりますが、その際の個別勧奨につきまして、従来は40歳以上の方を、40歳、45歳、50歳という形で5歳刻みでの個別勧奨を行ってまいりましたが、来年度からは、他の特定健診やがん検診などと連携して勧奨を行う場合には、40歳以上の全ての年齢で勧奨を行えるという仕組みに見直すことを検討しております。

 2点目は、定期検査費用の助成でございますが、3ページをごらんいただければと思います。これまでは助成回数が年2回で、住民税非課税の方は無料、一定の所得の方につきましては、慢性肝炎が1回につき3,000円、肝硬変、肝がんにつきましては、1回につき6,000円の自己負担となっておりましたが、これを来年度からそれぞれ2,000円あるいは3,000円に、さらなる軽減を図ることを検討しております。

 2ページに戻っていただきまして、3点目は、職域検査への取り組みの促進ということで、都道府県が健診機関や医療保険者などと連携して職場での肝炎ウイルス検査の普及啓発などを行う取り組みを支援するという新しい事業を創設することにしております。

 続きまして、肝疾患地域連携体制の強化につきましては、来年度から新たに都道府県あるいは拠点病院が行う先進的な取り組みについてインセンティブ評価という仕組みを導入いたしまして、他の地域の参考になるような取り組みについては優先的に採択するという仕組みを導入することを検討しております。

 国民に対する正しい知識の普及あるいは研究の推進につきましては、今年度とほぼ同額の予算を確保しているところでございます。

 以降、3ページあるいは4ページの上につきましては、職域の検査の取り組みのイメージ図ということで載せております。詳細につきましては、今年度中に通知などでお示しさせていただく予定にしております。

 5ページの上段が「知って、肝炎プロジェクト」ということで、今年度同様に普及啓発の取り組みを進めてまいります。現在、杉良太郎様をはじめとする特別参与や大使、サポーターの皆様に各都道府県などへの訪問をしていただいております。実は本日も栃木県への訪問をしておりまして、それを含めますと都道府県レベルではこれまで20カ所、訪問したということになりますけれども、こうした取り組みを今後も進めてまいります。

 5ページの下ですけれども、これは前回の協議会の際にもパブリックコメントをしているところということで御報告しておりますが、昨年12月2日に肝炎研究10カ年戦略の見直しを行っております。この中で、新たに研究成果目標ということで、B型肝炎につきましては、ウイルス排除を可能とする治療薬や治療法を開発すること、C型肝炎につきましては、薬剤耐性ウイルスに効果のある治療薬や治療法を開発するといった目標を設定しておるところでございます。今後この戦略に基づいて研究を推進していくこととしております。

 戦略の本文につきましては、82ページからつけておりますので、ごらんいただければと思います。

 以上が資料1に関する御説明でございます。

○林会長 どうもありがとうございました。

 それでは、29年度の肝炎対策予算案でございますけれども、御質問等ございましたら、どうぞ。

○武田委員 薬害肝炎の武田せい子と申します。

 肝炎ウイルス検査の促進で職域検査への取り組みの促進のところですが、私、愛媛県ですが、肝炎対策推進協議会のときに愛媛県では職域検査も助成金がおりるということを厚労省のほうから聞いていました。県では力を入れて、順風会とかいう健診センターや協会けんぽなどと協力して職域検査を進めるのを第一テーマにしますと言ったのですが、急に厚労省のほうから出なくなって、愛媛県のほうも職域のことに力を入れて進むには予算的に足らないという話を聞きました。どういういきさつだったのか、お聞きしたいと思います。

○林会長 事務局、よろしいでしょうか。

○黒木室長補佐 室長補佐の黒木でございます。

 昨年要求した段階におきましては、御案内のとおり、職域検査における検査においても肝炎ウイルス検査の費用について助成したいということを要求させていただきましたが、財務当局との調整の中におきまして、職域においては今まさに検査の取り組みでやっているということですので、まずそこを優先的にやるべきだろうということでお話がありまして、いろいろと調整したのですが、なかなかそこら辺のところはお認めいただけないという状況になりましたので、まずは勧奨からということで、この事業として推進させていただくことになりました。

 以上です。

○林会長 よろしいですか。

○武田委員 では、その内容によれば来年度には出る予定はあるということですか。

○黒木室長補佐 来年度以降どういうふうな形でやっていくかについてはまたこれから検討させていただきたいと思っています。

○林会長 それ以外に御質問、どうぞ。

○米澤委員 今の内容について、理由としては財務的な問題だというお話がありましたけれども、職域における検診というのはプライバシー保護が問題になってくると思いますが、これが理由になったということはありますでしょうか。

○黒木室長補佐 プライバシーの関係については、直接の議論の中には入ってきませんでした。

○米澤委員 わかりました。

○林会長 それ以外に御質問を、どうぞ。

○川田委員 日肝協の川田義廣でございます。

 イメージだけで結構なのですが、質問です。関心が高いので、研究の推進のところをずっと5年間分ぐらい眺めてみました。気になったのが、非常にチャレンジングなテーマで患者としては喜ばしいのですが、5年前ぐらいに50億円の予算が立てられて以降、全部横ばいなのです。今回、B型肝炎の薬をターゲットにして実用化研究とまでうたっているのに、資金が重点的に強化されているというイメージはあるのでしょうか。

○林会長 いかがでしょう。

○小野肝炎対策推進室長 率直に今の財政状況からすると減るのが普通というぐらいの状況の中で、何とか踏ん張って横ばいぐらいを確保して、その中でいかにテーマを重点化しながら必要なところにつけていくかということだと考えております。

○林会長 私もAMEDのほうで関係しておりますので、補足させていただきますと、おっしゃるとおりなのですが、ただ、AMEDの研究予算の中で肝炎領域の金額というのはかなり大きな金額です。他の領域からかなりその点についてはいろいろ御指摘をいただくぐらいの金額なので、そういう意味では、余り金額は少ないというふうには私は個人的に考えておりません。

 ただ、実用化研究は、おっしゃるようにかなりの金額がかかるので、あの金額でできるかということについては御指摘のとおりでございます。我々も、実用化が可能なものについてはできるだけ製薬メーカーにライセンスアウトして、早く薬にしていただきたいということについてはお願いすることもございます。実際に薬ができるところまであの研究費でやるというわけではございませんので、それは御理解いただければと思います。

 それ以外、いかがでございましょうか。どうぞ。

○伊藤委員 薬害の伊藤です。

 定期検査費用のことについてですが、C型は治る方が多くなって定期検査というのがとても重要になってくると思います。決められた検査以外の検査をした場合に併用できないことがあるという患者の声を聞いております。その辺、改善の余地はないのかどうか、伺いたいと思います。

○林会長 併用というのは普通の。

○伊藤委員 検査項目以外の検査項目。

○林会長 検査項目ですか。

○伊藤委員 はい。

○黒木室長補佐 確かに私どもの実施要領の中で対象とする検査費用というのは定められておりますが、実際にはほかの病気を持っていらっしゃったり、もう少し詳しい検査が必要ということがあると聞いております。そこら辺は我々の室の中でも課題認識はありまして、今後、実態をもっと確認した上で整理していく必要があるのではないかと思っています。やはり検査の内容や事細かな部分がありますので、そこら辺はまずいろいろと実態をお伺いしながら整理させていただくのが大事ではないかと思っております。

○林会長 よろしいでしょうか。

○伊藤委員 おっしゃることはわかりました。実態調査をということだと思いますが、決められた検査項目以外の検査値は反映されないということも伺っていますので、その辺も含めて改善の方向で検討していただけたらと思います。

○黒木室長補佐 わかりました。そこら辺も含めてお伺いいたします。

○林会長 それ以外、いいですか。

○伊藤委員 実際の先生方のお声が聞けましたらとてもありがたいのですが。

○林会長 具体的に言っていただくとお答えできるかもわかりません。

○米澤委員 今から先生に伺ってもいいと思いますが、実は東京都の協議会においてこの重症化予防事業に関して意見が出ました。内容は、やはり伊藤委員が言ったように、実際の検査項目と重症化予防事業の指定されている検査項目が実態に合わないので、この重症化予防事業というのは使いづらいのだという意見が出ました。それは具体的にドクターのほうから、泉先生からお願いします。

○林会長 泉先生。

○泉参考人 現実には、高齢なのでいろんな合併症を持っている方がたくさんいらっしゃって、糖尿病も一緒に調べたいとか、あるいは前立腺の検査も一緒にしてほしいとか、採血検査でいろいろなさるわけですね。それを全部、込み込みにするのかという話がどうしても出ると思います。この重症化予防事業を使うと、糖尿病の検査はまた別の日に来てくださいとか、そういうことがあって、特に合併症をたくさんお持ちの高齢者の方が受診されるということで、どこまで入れるかというのはかなり難しい。

○林会長 このことは事務局も答えられないと思います。これはかなり微妙な、医療制度全体にかかわって、肝炎対策室が独自で決めることではなく、恐らくこの場でお答えできませんので、事務局のほうで預からせていただいて、また後日御返事させていただきます。

 それ以外、よろしゅうございますか。

 それでは、次に移らせていただきます。議題(2)の「肝炎対策基本指針に基づき国が示す事項について」でございます。まず、事務局から資料2の御説明をよろしくお願いします。

○小野肝炎対策推進室長 それでは、6ページをごらんください。資料2でございます。昨年6月に肝炎対策基本指針の改定を行いましたが、その中で国が考え方をこれからお示しするとされた事項が2つございます。

 1つ目が「肝疾患に関する診療及び支援体制の整備について」でございます。指針の第4の(1)、下線部分になりますけれども、「国が示す地域の肝疾患連携体制のあり方に基づき、拠点病院は、専門医療機関及びかかりつけ医との協働による地域での肝炎診療ネットワークの構築をさらに進める必要がある」とされております。ここでは地域の肝疾患連携体制とありますけれども、診療を中心とした支援体制のあり方を国としてお示しするということが書かれております。

 2点目が「肝炎医療コーディネーターについて」でございます。指針の第5の(2)のイ、下線部分ですけれども、「肝炎医療コーディネーターの基本的役割や活動内容等について、国が示す考え方を踏まえ、都道府県等においてこれらを明確にした上で育成を進めることが重要である」とされておりまして、肝炎医療コーディネーターに関しての考え方を国としてお示しすることになっております。

 これら2つにつきまして、本日、内容について御意見をいただいた上で、国から通知という形で都道府県などにお示ししたいと考えております。

○林会長 ありがとうございました。

 まず、資料3-1「肝疾患に関する診療及び支援体制の整備について」御説明をよろしくお願いします。

○小野肝炎対策推進室長 続きまして、資料3-1、7ページからをごらんください。

 肝疾患の診療体制につきましては、これまで平成19年に出されましたガイドラインあるいは局長通知に基づきまして、整備を進めてきております。

 まず、7ページの下のほうにガイドラインの概略を載せておりますが、これは全国C型肝炎診療懇談会というところから報告書として出されたものです。左側の図にありますとおり、かかりつけ医を中心としまして、専門医療機関、肝疾患診療連携拠点病院が連携しながら患者さんを支えていくという医療体制のイメージが描かれております。

 こうした体制を進めていくために、各都道府県が、医師会や専門医、市区町村などで構成される肝炎診療協議会を設置して、その中で、要診療者に対する保健指導、かかりつけ医と専門医療機関の連携、高度専門的な医療機関の確保、受診状況や治療状況の把握、医療機関情報の収集や提供、人材の育成といった取り組みを進めていくことが示されております。

 8ページの上になりますけれども、このガイドラインに基づきまして、同じ平成19年に健康局長から通知が出されております。この中では、肝疾患診療体制の基本的なあり方としまして、検査で発見された患者を適切な医療に結びつけること、正確な病態の把握や治療方針の決定には専門的な医療機関の関与が不可欠、あわせて、かかりつけ医と専門医療機関の連携が必須、地域において肝疾患診療の向上、均てん化を図ることが必要、こうした基本的な考え方をお示しした上で、肝疾患に関する専門医療機関につきましては、専門的な知識を持つ医師による診断や治療方針の決定が行われること、インターフェロンなどの抗ウイルス療法を適切に実施できること、肝がんの高危険群の同定と早期診断を適切に実施できることという要件をお示しした上で、二次医療圏に1カ所以上整備していくことが望ましいとしております。

 肝疾患診療連携拠点病院につきましては、専門医療機関の要件を満たした上で、都道府県のネットワークの中心として、医療情報の提供、専門医療機関への情報収集や提供、医療従事者や地域住民への研修、講演会、専門医療機関等との協議の場の設定といった役割を果たすものとして、各都道府県に原則1カ所、選定するとされております。

 こうした肝疾患診療連携拠点病院や専門医療機関の選定状況につきましては、8ページの下ですが、まず拠点病院につきましては、全ての都道府県で設置されておりまして、一つの都道府県内に2カ所以上あるところを含めますと全国で70カ所整備されております。また、専門医療機関につきましては、下のグラフのとおりとなっておりまして、おおむね人口規模などに応じた配置となっております。

 9ページは、前回の協議会でもお配りした資料ですけれども、拠点病院につきましては、先ほども申し上げたとおり、全ての都道府県で設置されております。平成27年度におきましては、拠点病院の協議会を38の都道府県で開催しております。また、専門医療機関につきましては、こちらも全ての都道府県で整備されておりますが、全ての二次医療圏に設置しているところは41カ所となっております。また、先ほども御説明しました国が示す要件を全て満たしているところは34カ所にとどまっているという状況でございます。

 こうした現在の状況を踏まえまして、今後、国の考え方をどのようにお示ししていくかということが10ページからになります。繰り返しになりますけれども、これまで肝疾患の診療体制につきましては、平成19年、ちょうど10年前のガイドラインと局長通知によって考え方をお示ししてまいりました。現状、ガイドラインなどで示された基本的な考え方、かかりつけ医と専門医療機関、拠点病院が連携していくというこの方向性自体は大きく変わるものではないのではないかと私どもとしては考えております。こうした基本的な考え方は維持しつつ、一方で、10年たった間に基本法ができ、基本指針が示されて、あるいは新たな治療法なども次々と開発されまして、肝疾患を取り巻く状況も大きく変わってきております。こうした昨今の変化を踏まえたこれからの医療体制のあり方について局長通知の中で新たにお示ししていくということを考えております。

 繰り返しになりますけれども、基本的な考え方を示しているガイドライン自体は変更せずに、最近の状況を踏まえた考え方を局長通知のほうでお示ししていく形式にしてはどうかと我々としては考えております。

 局長通知の具体的な見直しの内容につきましては、10ページの下をごらんください。この10年間での変化といたしまして、基本法ができて、基本指針が示され、その中で肝炎対策に対する具体的な目標や指標もお示ししております。1点目は、したがいまして、こうした状況を踏まえ、国が示した目標の達成を各地域においても目指していただくとともに、それぞれの地域の中でも目標や指標を設定していただいてはどうかということです。

 肝炎対策の入り口としましては、ウイルス検査の受検率を上げていくことが重要なわけですけれども、現状では地域によって受検状況に違いがあったり、職域での取り組みがまだ十分進んでいないということ、あるいはこれは前回御指摘がございましたけれども、手術の前などに実施した検査の結果が必ずしも受検者に伝わっていないという状況もあります。あるいは肝炎ウイルス検査を受検した後、陽性と判明しても、継続受診していない方がかなり大勢いらっしゃるといったこともこれまでの研究で明らかになってきております。2点目は、こうした状況も踏まえまして、それぞれの地域において、受検、受診、受療、フォローアップが円滑につながっていくような体制づくりをさらに進めていただく必要があるのではないかと考えております。

 肝炎に係る治療法の変化ということで、最近のインターフェロン・フリー治療などに代表されますように、新しい治療法がどんどん開発されて患者さんの選択肢も広がってきております。一方で、今日もこの後、御説明がありますが、薬剤耐性の問題といったことも出ておりまして、やはり患者さん自身が治療法をきちんと理解した上で治療を受けていただくということが重要かと思っております。3点目は、そういう意味で、患者本位の肝疾患診療ということで、これまでの通知やガイドラインの中には必ずしも触れられておりませんでしたけれども、こうした点をはっきりとお示ししていく必要があるのではないかと考えております。

 4点目以降ですけれども、専門医療機関、拠点病院、さらには拠点病院に設置されております相談センター、量的にはそれなりに各都道府県で整備が進んできておりますけれども、さらにその質を上げていくとともに、かかりつけ医なども含めた連携をさらに強化していく必要があるかと思っております。そういう意味で、肝疾患診療の向上、均てん化、あるいは相談支援の取り組みをさらに進めていくことをうたってはどうかと考えております。

 こうした考え方に基づきまして、今度新たにお示ししたいと考えております局長通知につきましては、11ページになりますが、まず、基本的な考え方といたしましては、(1)として各地域において目標や指標を設定していただくこと、(2)として、受検、受診、受療とフォローアップがつながる体制づくりを進めていただくこと、(3)として患者本位の肝疾患診療の実現を目指していくこと、(4)として、肝疾患診療の向上、均てん化を図っていくこと、(5)として肝炎患者等からの相談対応や支援への取り組みを進めていくこと、こうした点を基本的な考え方としてお示ししてはどうかと考えております。

 また、下の段は専門医療機関、拠点病院の要件になりますが、基本的な要件はこれまでどおりで大きな変更はしないこととしてはどうかと考えております。ただ、専門医療機関につきましては、国の要件を踏まえつつ、各都道府県におきまして、整備方針や選定の要件を明確にしていただくとともに、一度指定したらそれでおしまいということではなくて、フォローアップといいますか、質の担保を定期的に図っていただくこと、あるいはかかりつけ医や専門医療機関、拠点病院の連携にさらに取り組んでいただくことなどを各都道府県にお取り組みいただく事項としてお示ししてはどうかと考えております。

 拠点病院につきましても、こちらも要件については余り見直しをする考えはございませんけれども、複数の拠点病院を設定しているところもございますので、そうしたところで適切な連携などをさらに考えていただければと思っております。

 拠点病院や専門医療機関の選定につきましては、肝炎対策協議会で協議していただいた上で選定していただくことを考え方としてお示ししたいと思っております。

 こうした考え方を踏まえまして、具体的な通知案の形にしたのが12ページ以降となっております。左側が10年前の現在の通知で、右側が新たな通知案という形にしております。かなり大幅に内容の追加、見直しを行う形になっております。

 資料4につきましては以上でございます。

○林会長 どうもありがとうございました。

 この件について御質問、御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。どうぞ。

○武田委員 薬害肝炎の武田と申します。

11ページの2の(3)に「専門医療機関に肝臓専門医等が必ずしも常駐できない場合は(中略)研修等の実施により」と書いていますが、研修くらいで間に合うものなのですか。それをお聞きしたいと思いました。

○林会長 これは誰に答えてもらいましょうか。

○溝上委員 常駐していなくても、拠点病院の大きなところからそこに非常勤で、週1-2回行くようにすればそれは十分可能かと考えます。特にDAAができましてからは非常に使いやすくなりましたので。

○武田委員 非常勤の来られる方はその知識を持った方。

○溝上委員 そういう指導医、専門医クラスの人がするという形で現在進んでおります。

○武田委員 わかりました。

○林会長 講習会も都道府県によってはかなりやっておられるところもあるので、内科、消化器関係のドクターできちっと講義をお聞きいただいたら、今のDAA製剤の副作用のない製剤ですと十分使えるのではないかと我々も思っています。

 ほか、御質問いかがでしょうか。どうぞ。

○山中委員 弘前保健所の山中と申します。

 現在、医療提供体制については来年度に都道府県の医療計画の見直しという動きがありまして、国レベルでも医療計画の見直しのガイドラインをつくっていらっしゃると思います。肝疾患につきましても、医療提供体制の話ですので、医療計画に載せていただいたほうが都道府県としては数値目標や実効性のあるものがよりつくられるのではないかと思っておりますけれども、医政局と健康局とのこういったお話し合いというのは進められているものなのでしょうか。

○林会長 いかがでしょうか。

○小野肝炎対策推進室長 各都道府県によって肝炎の話を医療計画に載せているところ、がん計画に載せているところ、あるいは独自の計画を持っているところ、いろんなパターンがありますので、我々として医療計画に載せてくださいというふうに決めつけることは難しいところがございます。そこは各都道府県のやり方でやっていただければと思っておりますけれども、もちろん医政局でやっている動きとそごが生じるようなことがないようにはしていきたいと思っております。

○林会長 よろしゅうございますか。

○山中委員 わかりました。今、御提示いただいた中身について、例えば拠点、かかりつけ医、その流れは医療計画とほぼ似通っていると思いますので、その点につきましては、特にこちらとして異論はございません。

○林会長 ただ、私も病院長で関係しているのですが、実際の各都道府県の医療計画というのは急性期型の病院とか病院の内容の議論がほとんどで、医療内容についてはほとんど議論される機会がないので、特定の疾患をその中に設定するのは今の医政局から各都道府県に出ている通知ではなかなか難しいだろうと思います。

 それ以外に何か御質問ございませんでしょうか。この件はよろしゅうございますか。

 次に、肝炎医療コーディネーターにつきまして、御説明をよろしくお願いします。

○小野肝炎対策推進室長 では、資料の18ページをごらんください。

 肝炎医療コーディネーターにつきまして、こちらは前回の協議会でもお配りした資料でございますが、まず、18ページの下が各都道府県での養成状況でございます。広島県や佐賀県などがかなり大勢養成されている一方で、まだこれからというところも幾つかあるという状況になっております。

19ページの上の段がコーディネーターの職種ということで、医師、看護師、保健師などが多くなっております。下の段がコーディネーターの現在の活動内容ということですが、各都道府県によってそんなに差はなく、情報の提供、説明、案内などが中心になっている状況でございます。このように、各都道府県でコーディネーターの養成がだんだん進んできているところではございますけれども、先ほどもありましたとおり、基本指針を踏まえまして、国として考え方をお示ししたいと思っております。

 その考え方を20ページ以降にまとめております。20ページ、まず、基本的な考え方としましては、今回、肝炎対策基本指針の中で、肝炎対策全体の目標として肝硬変や肝がんへの移行を減らすことを掲げております。こうした目標を達成するために、それぞれの地域で受検、受診、受療、フォローアップなどが促進される取り組みが進むように必要な情報提供や支援を行っていくことがコーディネーターの基本的な役割と考えております。そのために、各都道府県がコーディネーターの養成あるいは活用の中心的な役割を果たすとしております。

 2番目のコーディネーターを配置する目的や意義といたしましては、できるだけ患者さんや住民に身近な地域、職域などに配置していただくことできめ細かな情報提供などを行えるようにする。それによって社会全体の肝炎への理解を進めていくことで、ひいては差別や偏見の解消などにもつなげていくことを期待しております。

 3番目が、具体的な役割及び活動内容等でございますが、コーディネーターはいろんなところに配置されていて、またいろんな職種の方がおられます。我々は大きく4つに分類しております。配置場所としては、医療機関、行政、職域、それ以外という形で整理しております。

 医療機関に配置されるコーディネーターにつきましては、やはり医療面を中心とした情報提供や相談支援を担っていただくとともに、行政、職場などとの連携の窓口になっていただければと考えております。

 行政に配置されるコーディネーターにつきまして、施策全般についての普及啓発や情報提供を行うということ、あるいは、行政によっては肝炎検査のフォローアップなども行っておりますので、そうした取り組みに従事していただくことを想定しております。

 職域に配置されるコーディネーターにつきましては、職域における検査の促進、あるいは患者さんの治療や仕事の両立、そのための環境整備などに取り組んでいただくことを考えております。

 それ以外の場所に配置されるコーディネーターにつきましては、それぞれ地域の中での普及啓発などにかかわっていただければと考えております。

 よく聞かれる質問として、例えば看護師さんがコーディネーターの研修を受けられた場合、看護師さんの本来の仕事とコーディネーターの仕事はどういう関係になるのかということがありますが、我々としては、看護師の仕事とコーディネーターの仕事が全く別に存在して切り分けられるものだとは考えておりません。むしろまずは看護師さんが本来の仕事をする中で、肝炎の患者さんとかかわる場合にはきちんと肝炎の知識を持って本来の役割を果たしていただく、それがまずは基本にあるのだろうと、その上で、さらに付随する業務や関連するような業務でやっていただけることがあればやっていただくというような考え方をとっております。そういうことも今回の通知の中でお示しをしたいと考えております。

21ページの活動内容の続きですけれども、肝炎医療コーディネーター同士、いろんな機関に所属されている方が連携していただくことが重要だと思っておりますので、都道府県においてそのような取り組みを進めていただくとともに、コーディネーターの活動状況もできる限り把握していただければと思っております。

 配置場所の目安としましては、我々の考え方としては、まずは拠点病院や専門医療機関、あるいは行政にはできるだけ配置するように努めていただきたいと思っております。また、専門医療機関以外の医療機関、健診機関、薬局、福祉系・介護系の事業所、企業、団体、患者団体なども含めまして、身近な地域や職域への配置も進めていただければと思っております。いずれにしましても、各都道府県でどういうところに重点的に配置するのか、可能であればどれくらいの人数といったことも含めて、配置の方針や目標を示していただいた上で養成を進めていただければと考えております。

 肝炎医療コーディネーターの養成ですけれども、肝炎医療コーディネーターは多くの場合には、医師、看護師といった医療系の資格などをお持ちの方が多いのですが、必ずしも資格や経験の要件がなければいけないというものではないと考えております。特に、患者さんや御家族の方が当事者の視点でコーディネーターとして活動するというようなこともあっていいのではないかと思っております。

 養成の研修の内容といたしましては、我々は5つに分類しております。

 1番目に、コーディネーターとしての役割なり心構えということで、各都道府県の肝炎対策の目標、あるいはどういう体制をつくっていくのか、そうした全体像を理解していただいた上で、御自身がどういう役割を果たせばいいのかを御理解いただくとともに、患者さんに寄り添うような姿勢、目線で接していただくことが重要かと思っております。

 2番目に、肝疾患の基本知識として、肝炎、肝硬変、肝がんなどの予防法や病態、治療法などについての基本的な御理解をいただくこと。

 3番目に、各都道府県の対策ということで、県の計画や目標、さらには定期接種、肝炎検査、医療費助成などの支援策、さらには障害者手帳、そうしたことも含めて患者さんを支援するための施策についての一定の知識を持っていただくこと。

 4番目に、地域の診療連携体制ということで、それぞれの県内の拠点病院や専門医療機関がどこにあって、どういう役割を果たしているのか、かかりつけ医との関係はどうなっているのかといったことの御理解をいただくこと。

 5番目に、具体的な活動実例ということで、受診勧奨や相談をどういうふうにやるのか、何か困った問題が起こったときにどういうふうに対応するのか、そういった実践的な話も身につけていただければと思っております。

 この5つは例示ですので、必ずしも全ての都道府県でこの5コマの研修をやってくださいという意味ではなく、適宜まとめたり分割したりしていただいても結構ですが、こうした考え方を参考にしながら各都道府県で研修を実施していただければと考えております。

 認定方法としては、研修を受けた後、できれば試験などをやっていただいたほうがいいと思っています。習得した方には修了証、認定証みたいなものを出していただく。また、佐賀県の事例ですとバッジを配っているということで、そうした形でこの人がコーディネーターということがわかりすく表示されればということも考えております。

 活動支援としては、都道府県でコーディネーターを養成しっ放しということではなくて、名簿などをつくって管理していただくということ、都道府県、拠点病院がコーディネーターの活動支援として情報提供したり、コーディネーターへの相談助言などをしていただくということ、それから、コーディネーター一人に支援を任せるということではなくて、コーディネーターが所属している医療機関なり行政機関なりが組織としてきちっと活動を支えていくことが重要と考えますので、そうした点にも都道府県は配慮していただければと考えております。

22ページは、コーディネーターの技能向上ということで、一回研修を受けられた後もフォローアップの研修をするなり、あるいは最新の情報提供をするといったことをお考えいただければと思っております。

 コーディネーターの活動の周知ということで、都道府県、拠点病院のホームページや広報誌などを使った周知をしていただくとか、既に幾つかの都道府県で実施されておりますけれども、コーディネーターが配置されている機関のリストをつくって公表するといった取り組みを御検討いただければと考えております。

 以上が私どもが現在考えているコーディネーターについての考え方でございます。正直、これを全部やれというと都道府県にとっては結構大変だろうとは思いますが、一つのあるべき姿としてこういう形でお示しできればと思っております。これを具体的な通知に近い形にしたのが23ページ以降でございます。

 以上でございます。

○林会長 どうもありがとうございました。

 今まで非常に御要望の多かったコーディネーターの件でございますけれども、御質問、御意見がございましたら、どうぞ。

○岡田委員 B型肝炎原告団の岡田です。

 通しページの21ページの「4.肝炎医療コーディネーターの配置場所の目安」の上から4番目の丸のところです。「都道府県は、肝炎医療コーディネーターの配置の方針又は目標等を示す」と書かれていますけれども、ここは単に「示す」とありまして、それがどこに示されるのか具体的に書かれていないので確認したいと思います。これは、資料4-2、通しページの23ページの上から2段落目に「肝炎医療コーディネーターに係る要綱等を作成し」とあるので、恐らく要綱のことかと思うのですが、それで間違いないか、確認をお願いしたいと思います。

○林会長 いかがでしょう。

○小野肝炎対策推進室長 この要綱でももちろんいいと思いますし、場合によっては、各都道府県で肝炎の計画をつくられていますので、それに盛り込めるのであればそれでもいいかと思います。やはり内々の目標ではなくて、公表される形、一般にわかる形で設定していただくことが重要ではないかと考えております。

○岡田委員 ありがとうございます。あと、もう一点。

○林会長 どうぞ。

○岡田委員 これは厚労省へのお願いになると思うのですけれども、各都道府県から方針や目標が示されましたら、これを厚労省のほうでちゃんと把握できるような形になると思いますが、それをさらに協議会の場に報告していただくということはできないでしょうか。

○小野肝炎対策推進室長 毎年度、地方自治体の取り組み状況の調査をやっておりまして、その結果は協議会でも御報告しておりますので、そうした中でコーディネーターの養成状況あるいは目標の設定状況なども含めて調査して御報告するということはできるかと思います。

○岡田委員 あと、コーディネーターの活動状況などもわかるようにしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○林会長 それ以外に御質問、どうぞ。

○川田委員 日肝協の川田です。

 患者の団体の中で、3団体ありますけれども、いろんな議論が出ていますが、特にコーディネーターの報酬の問題があります。ちょっとお伺いしたいのは、21ページの5番のところ、かなり組織的な機能としてコーディネーターが活動して、特に医療現場といいますか、患者と一対一で向き合うようなところ、恐らくそうだと思うのですけれども、そういうところはやはり組織として体制が組めなければ機能しないと思います。それには恐らく経費もかかるし、人件費もかかるかもしれない。つまり、経営している層がやろうと決めなければなかなか実態は動けないだろうと思うのですが、5の一番下に、組織として活動を理解して支えるというような形で書いてありますけれども、こういった類いの、さっき私が指摘したような問題は都道府県のマターとして考慮しなさい、こういう意味合いでしょうか。

○小野肝炎対策推進室長 それぞれの地域の中でコーディネーターへの理解を深めていくというのは都道府県にもお願いしたいと思っております。もちろん我々、国のレベルでも、情報センターとか、あるいはそこを通じて拠点病院への周知、そういう形で理解を深めていくということはできるかと思います。

○川田委員 私の質問は、こういう経営にかかわる問題も都道府県マターですかと聞いているのです。

○小野肝炎対策推進室長 経営というのは。

○川田委員 先ほど言いましたように、経費もかかるし、人件費もかかる、それを責任持つのは恐らく機関の責任者とか経営者、経営主体であると思うのですけれども、そういった人たちに対してどういうふうに理解を深めるのかというニュアンスはここの文章にしか見つけられないので、これは都道府県マターですかという質問をしたのです。

○林会長 溝上先生が答えます。

○溝上委員 このコーディネーターシステムを最初に山梨県が導入しました。全部ボランティアです。非常に成功しました。それを佐賀県が導入し、大々的にやりまして、人口比にするとほかの県と比べ物にならないぐらいうまくいっています。それが、受検、受診、受療という形でつながって、今や一番うまくいっている県です。医療関係者の人たちを中心にして全てボランタリーでやってもらうという形でうまくいっています。

 例えば江口君を初めとする佐賀県のチームはてんてこ舞いしてやっていますが、それに特別のお金が出ているわけではございません。基本的にこういうもののお金をつくって、病院にどうしてこうしてとかいう形になりますと仲々うまくいきません。その佐賀方式を今、全国に広げるということで、江口君を初め、佐賀大学の先生方は全国を飛び回っています。そのノウハウをあちこちに送っているという状況でございます。

 したがいまして、行政のほうからもサポートしていただいていますが、そのサポートはお金もですが、ボランタリーな精神をいかに導入するか、いかにアクティベートするかというような形で進んでいると思っております。そういう方向で行くべきだと思います。

○林会長 よろしいでしょうか。

○川田委員 おっしゃっていることはよくわかりました。

○林会長 川田さんがおっしゃるように、一部の都道府県では都道府県の職員を肝炎コーディネーターに任命しようという動きもありますので、そういうところは所属機関が出てくると思います。おっしゃることはよくわかりますが、もともとはこういうボランティア精神だそうでございます。

○清本委員 今の件でよろしいですか。

○林会長 どうぞ。

○清本委員 B型肝炎原告の清本ですけれども、ボランティアというのは、個々が自発的に膨らましてきてボランティアとして成立するのです。これは、上からボランティアをしろという状況になっていると思うのですが、それはかなりケアしないとなかなか成立しないと思うのです。

○溝上委員 それをケアしているわけです。山梨県、佐賀県はそれでてんてこ舞いしながらやって、うまくいっています。そのシステムを全国に導入して、できるだけ早く皆さんを治すような形で、受検、受診、受療、フォローアップ、この4つを導入するという形でやってくれているわけです。少なくともそれでお金を彼らがもらっているということは聞いておりません。

○清本委員 ボランティアでやる分にはそうなのだと思いますが、システムをつくるとなると多少なりとも人件費なりかかるわけで、そこを全く見ないというのは難しいのではないかと思います。

○溝上委員 いろんな考え方はあると思うのですが、現在、ゼロからここまでうまくいっているのは、そういうシステムを彼らが全国的にやってくれたということでうまくいっているのではないかと理解しております。

○林会長 どうぞ。

○米澤委員 今のコーディネーターのボランティアというお話、ボランティアでやっていただいて肝炎患者にとっても非常にありがたいことだと感じております。今、コーディネーターになられる方は、先ほどの資料の中で、医師、看護師、保健師が圧倒的に多いというデータがありました。一般的に普通に考えて、特に看護師さんですけれども、超多忙な中で肝炎コーディネーターという仕事でまたさらに負荷がかかっていって、私自身は、経済的なインセンティブみたいものを少し考えてもいいのかなと思っていました。そのあたりは実際どうなのかということで東京都の拠点病院の看護師さんにお話を聞いてみました。そうしましたところ、今、ほかの疾患で認定制度というのがたくさん導入されていて、例えば認知症の認定制度ということで資格を持って通常の業務を行っている看護師がたくさんいて、多岐にわたって認定制度があるということで、その一つとして考えるのであれば特にインセンティブということは考えなくても問題ないのではないか、それは組織的なきちっとした取り組みと組織的な認識がきちっと確立されていれば必要ないのではないかというお話がありました。

 私は認定制度そのものに余り詳しくなかったので、なるほどということで、今、意見として申し上げたいのは、認定制度レベルといいますか、ほかの疾患の認定制度と同じような形、そのぐらいまで肝炎コーディネーターの位置、地位を引き上げていく、そのような並列の中で看護師さんたちあるいはドクターたちが働きやすいようにしていくことはできないものかというのが私の意見です。

○小野肝炎対策推進室長 ほかの認定制度というのは具体的に。

○林会長 ほかの認定制度というのは、今ですと看護師さんにはいろんな認定制度がありまして、認定をしたからといって病院で別に給与が上がるわけではないのですが、ただ、時々、厚労省が何かプラスアルファの要件のとき、認定された看護師さんがいるというのが要件になる場合があって、実際に病院収入につながる場合もあるのです。そこはかなり微妙なところです。一定のものではなくて、認定しているところも複数のところが認定しているとか、いろんな難しい問題はあるのですが、確かに看護師さんにとってそういうシステムをつくってあげたらそういうことに参加しようという方は必ずおられるというのは事実だと思います。

○溝上委員 一つ追加させてください。佐賀県で649人、コーディネーターをつくりました

。その人たちのうち看護師さんや薬剤師さんや保健師さんもたくさんいるのです。その人たちにお金ということでは、先ほど林会長からお話がありましたように、いろいろな手続きでおくれるばかりなのです。それよりは、今これだけうまくいっているので、それを推進する方が早いのではないでしょうか。

 もう一つ言わせてもらうと、うちの情報センターにしても物すごい量の仕事をこなしています。職員は是永君と大座君と北山君、3人だけしかいない。それでもうまくいっているのです。うまくいかせているように新しくしたのです。そういう現実です。お金、お金というと、いろんな問題があり、なかなか先に進まない。その前に実際できるところをどんどんやっていくというシステムでここまでこの9年間で来たのだというふうに、昨年まで責任者をやっていた者として報告させてもらいたいと思います。

 以上です。

○林会長 これに関係することですか。どうぞ。

○伊藤委員 薬害の伊藤です。

 山梨と佐賀の成功例、先生のほうからお話がありましたけれども、それは見習うべきことだと思いますが、格差についてとても懸念するのです。認定制度がないような小病院等、本来業務の仕事として、付随した仕事として全てのコーディネーターがそういう意識でいるのかどうかというのは調査していない段階でわからないのではないかという不安があります。先ほど室長のほうから我々としてはというお話がありましたけれども、実際、米澤委員がそういう具体的な事例を聞いた以外に現場のコーディネーターのお話を聞いていないわけですね。お金を付加しなくてもできることがもちろん理想であるとは思いますけれども、とても難しいことではないでしょうか。

○溝上委員 今の御質問に対して昨年まで責任者としてやっていたということで追加させてください。例えば今でもコーディネーターがいない県があります。そのような県に対し、今年から、九州なら九州などの各地域で、各都道府県、拠点病院の先生方を集めて、情報センターが主催で説明会をやります。それは何のためかというと、行政の人たちに、隣の県はこれだけやっているのに、あなたの件はやっていないということを認識させるためです。今後そのような方式で全県でどんどん増えていくように計画しています。そういう実績があることは御理解ください。まずお金といったら何も進まない。これが10年間の私の結論です。

○林会長 確かに肝炎コーディネーターと呼称は一つなのですけれども、実際やられる方は看護師やいろんな職種の方がおられるし、自治体の担当者がとる方もおられるということで非常に複雑なので、恐らく一概にはなかなか扱えないところがあると思います。だから、ボランティアでできる県はやっていただいたらもちろんいいわけですし、それを公的に何かサポートするような県が出ても当然問題ないと思うのですが、溝上さんがおっしゃるように、とりあえず進めないと物事は進まない。これを今回、厚労省から都道府県に送るわけですね。送るということについて了解を得させていただいたら、厚労省はそれでやりますので、送る文書の内容に特に問題があればお聞きした上で、将来どうすればいいかは次に話し合ったほうがいい。どうぞ。

○清本委員 清本です。

 行政にいろいろお願いするときに、告知がすごく重要だと思っているのですけれども、資料4-1の最後のページに「ホームページ及び広報誌などで」という告知があります。この「ホームページ」を削除してもらうことはできませんか。自信満々で行政のほうもホームページで広報しているというけれども、誰も見ていないのです。それをこういうところに書かれると、こういうことをやっているというけれども、実際その効果がないので、ここを削除してもらえると非常に助かります。

○林会長 これは載せたら何か不都合が起こりますか。見ていないというのは私もわかるのですが。

○黒木室長補佐 広報のやり方としてホームページは一つの方法なので、効果的な方法があるとすれば、ここでは広報誌という書き方をしていますが、例えばどこかに掲示するだとか、どこかのイベントのときにPRするだとか、やり方はいろいろとあるのだと思います。ただ、これを否定する話ではないと思っています。

○林会長 どうぞ。

○清本委員 ここにホームページと書かなくても、行政の人たちは勝手にそれはやってくれるのです。書いてあると、私たちは国が言っているようにやっていますよというのだけれども、取ったところでさほどマイナスになることはないと思います。

○林会長 これは難しい問題なのですが、載せて何か不都合があったら削除の対象にはなるのだけれども、載せて誰も見ないというのは特に問題はないような気もする。

○清本委員 例えば、北海道で肝炎コーディネーターをやっているというのを発表していますと。「どこでですか」と言うと「ホームページで発表しています」と言われるのです。

○林会長 それは言うでしょうね。

○清本委員 ホームページなんて、誰も見ていないのにおうちにポスターを張っていますというようなものではないですか(笑)。

○林会長 別にそれは問題ないような気がします。というのは、この前の肝炎の検査でDAA製剤の治療患者がふえている一つの大きな理由はウエブページなのですね。テレビだけではだめだけれども、そういうITで見る方もやはりいるので、書いたからどうこうはないのですが、書いておいて特に問題になるような気もしない。いかがですか。

○清本委員 わかりました(笑)。

○林会長 ほかはよろしゅうございますか。

 とりあえず、これはこれで各都道府県に通知していただくことは了解をいただいたということで、それ以外に、もちろんボランティアでやっていただくのはいいのですが、必ずしもそれができない都道府県も当然のことながらあるので、各都道府県がそれなりにいろんな工夫をしていただくのは重要です。恐らく今日は議論にならないと思いますので、それについてはまた事務局のほうから御提案をいただくということでよろしゅうございますか。

(「はい」という声あり)

○林会長 どうもありがとうございました。

 それ以外に、よろしゅうございますか。

 それでは、次の議題()でございます。「C型肝炎に対する抗ウイルス療法について」ということで、本日、薬剤耐性変異について泉参考人、C型肝炎治療ガイドラインについて田中参考人にお越しいただいておりますので、お話をお聞きしたいと思っております。

 まず最初に、C型薬剤耐性の問題につきまして、泉参考人のほうからよろしくお願いいたします。

○泉参考人 武蔵野赤十字病院の泉でございます。

 それでは、資料5-1、通しページの33ページをごらんいただきたいと思います。インターフェロン・フリーの治療になりまして、薬剤耐性の問題があるということで、今日、今までの研究成果を御報告させていただきます。

33ページは、C型肝炎ウイルスが増える過程がよくわかってきて、主として3つのたんぱくを標的にして薬が開発されているということです。NS3にプロテアーゼがありますので、これを阻害する薬剤、NS5Bにポリメラーゼという酵素がありますので、これをブロックする薬剤、そしてNS5Aというウイルスの粒子が形成されるたんぱくがあり、飲み薬でこれらのたんぱくをブロックするという薬がどんどんできて、インターフェロンなしで治療効果が得られるということで、大きな進歩があったわけです。

34ページですが、実臨床でどうかということを調査いたしました。まず、遺伝子型2型のC型肝炎についてAMEDの研究班で赤十字病院との共同研究をやらせていただきました。全国の赤十字病院で646例の2型のC型肝炎について、ソホスブビルというポリメラーゼ阻害剤とリバビリンで12週治療したというデータが集計されました。SVR12というのは治療が終わってから12週間たってウイルスが消えているという患者さんの数ですが、97.4%という非常に高い率でウイルスが消えているということがわかってきて、治験とほぼ同じデータであるということになります。ソホスブビルは腎臓機能が極めて悪い方は使えないのですが、それ以外の方は使えるということで、非常に効果があるということがわかりました。

35ページの右上ですけれども、治療効果に関係する因子を調べてみました。慢性肝炎に比べて肝硬変で少し治療効果が落ちるということと、前の治療でインターフェロンの治療をお受けになったことがある方は少し低下するのですが、若干の低下であるということで、非常に多くの患者さんがウイルスを排除することができたということが証明されております。

36ページは、遺伝子型1型のC型肝炎についてでございます。2014年に最初にインターフェロンなしで治療するという薬剤ができて、ダクラタスビル+アスナプレビルという薬ですが、アスナプレビルはNS3のポリメラーゼ阻害剤で、ダクラタスビルがNS5Aの阻害剤であります。

 この開発試験のときに、31番と93番というNS5Aの阻害剤に対する薬剤耐性をウイルスが持っている患者さんがいらっしゃるということがわかってきました。約2割の方がこの薬剤耐性を持っていらっしゃるのですが、その方たちの治療効果が低いということが治験の結果でわかっておりました。後で田中さんがお話しなさると思いますが、日本肝臓学会のガイドラインとして、31番、93番の耐性変異を持っている方は、待てる方はこの薬ではなくて次の治療を待ってくださいというガイドラインが作成されました。

36ページの下でございますが、全国の赤十字病院で1,025例の成績が解析されております。赤十字病院では、31番、93番がある方はなるべく使わないようにということで治療しておりますが、治療が終わって12週間あるいは24週間の時点で91.4%の方がウイルスを排除できたということであります。ただ、残念ながら8.6%の方はウイルスが排除できなかったということになります。

37ページの右上でございますけれども、薬剤耐性がある方が125例いらっしゃいますが、少し治癒率は下がってきているということであります。31番と93番、それぞれについて薬剤耐性変異があると治療成績が下がっていることがわかってきて、やはり治療前に薬剤耐性を測ることは非常に重要であるということが示されたわけであります。

37ページの下でございますが、もう一つ新しい薬が2015年に使われるようになりまして、これがレジパスビル+ソホスブビルのハーボニーであります。非常に薬剤費が高いということで話題になりましたけれども、全国の赤十字病院で1,550人集めて解析いたしました。治療が終わって12週間経っている方が1,066人、解析できておりまして、ウイルスが消えている率が98.4%、24週間を見ても98.5%で、非常に高い率でウイルスが消えているということであります。治験のときは100%のデータだったのですが、1.5%ぐらいの方が治らなかったけれども、非常に高い率で治るということがわかってきております。この薬で不成功に終わった方は薬剤耐性変異を調べておりますが、ポリメラーゼ阻害剤に対する耐性はできていないので、後々問題になるということは少なそうだということであります。

 次に、38ページであります。もう一つ新しい薬ができて、オンビタスビル+パリタプレビルという薬でございます。これはプロテアーゼ阻害剤とNS5A阻害剤の合剤になっております。これもY93という耐性があると治療効果が低下するということがわかっておりましたので、これは私どもの病院のデータですが、Y93がない人ばかり投与したら100%全ての患者さんでウイルスが消えているということであります。ですから、きちんと適応を選べば非常に効果が高いことがわかってきたわけであります。

 問題は、インターフェロンなしで治療すると薬剤耐性ができてしまう。38ページの下の図で示しておりますけれども、C型肝炎ウイルスは、少しずつ形が変わったウイルスが混在しているという状態になっています。この中に薬剤耐性ウイルスがまざっていた場合に、飲み薬だけの治療を行いますと薬に感受性のあるウイルスはどんどん消えていく。ところが、耐性ウイルスだけは残ってしまうという問題があって、結局、治らなかった場合、それだけが残ってしまう。さらに強い耐性が起こるのではないかという懸念があって、2回目にインターフェロン・フリーの治療をするときにどうするかということが新たな大きな問題になったわけであります。

39ページの上を見ていただきたいと思いますが、肝炎治療戦略会議のときにいろんな問題になりまして、インターフェロン・フリーの2回目の治療の助成をどうするかということで、いろいろ議論がなされました。2回目の治療をするときに、主治医だけではなくて、各都道府県の肝疾患診療連携拠点病院に常勤する日本肝臓学会肝臓専門医の意見書を添えて許可するということになりました。さらに複雑な耐性になって治らなくなってしまう患者さんをつくらないためにこの制度設計がなされたものであります。

 そこで、拠点病院にいらっしゃる肝臓学会の肝臓専門医が何をするかということになりまして、私どものAMEDの研究班でございます泉班に薬剤耐性変異の測定を依頼していただきます。その測定結果を拠点病院の肝臓専門医にフィードバックするということでお返しをさせていただいております。拠点病院の肝臓専門医が、これならば乗り越えて治療できるだろう、うまく治せるだろうと判断した場合に、やってもいいという意見書を書いていただいて、この2枚の意見書がそろったら、医療費助成を受けて2回目のインターフェロン・フリーの治療を受けられるという制度設計がつくられまして、20151016日に70の拠点病院全てに御案内したということでございます。

 その成果が39ページの下でございます。全国45の拠点病院から682例のダクラタスビル+アスナプレビルで治らなかった患者さんの血液が集められまして、解析がなされております。

40ページの上は、NS5Aの薬剤耐性変異を示しています。24番、28番、30番、31番、32番、93番というところで薬剤耐性の頻度をはかっております。左側が治療する前で、右側が治療して治らなかったときのデータです。そうしますと、31番、93番という特徴的な耐性変異は、治らなかった場合、75.4%、79.6%と非常に高頻度に認められますが、それ以外に今まであまり言われてこなかった24番、28番、30番、32番というところもかなり耐性変異の頻度が上がっているというデータでございます。

40ページの下でございますが、P32番というあまり今まで注目されてこなかった耐性変異ですが、治療する前が上の円グラフで、診療して治らなかったときは下の円グラフです。左側の棒グラフが頻度ですけれども、治療前にはP32番という耐性は0.1%しかなかったのに、不成功に終わると5.9%に増えている。その中身を見てみますと、円グラフのとおり、64%がdeletionと書いていますが、P32番が欠損するという非常に変わったウイルスになっています。これについてどのぐらいの耐性強度があるかというのはデータはないのですが、かなり強い耐性だろうという結果になっています。

41ページの上でございますが、A92番という耐性も非常に重要だということがわかってきて、左側が頻度になります。不成功に終わっても頻度自体は増えてはいないのですが、右側の円グラフに書いてありますように、A92Kという耐性変異が治療前には誰も見られなかったのに対して、不成功に終わると43%という頻度で見られています。このA92Kがハーボニーに対しては1,000倍以上の耐性ということがわかってきましたので、ここもやはり注目すべきだろうと考えております。

41ページの下、有名な31番と93番という変異でありますが、2カ所両方ともに変異が見られる方が60%、非常に高頻度であることがわかりました。93番に耐性変異がある方が14%、31番のみの方が8%、両方ないという方が18%であったという頻度になっています。

42ページです。31番と93番、両方に変異がある方を調べてみると、2カ所だけという方が34%、プラス1カ所加わって3重耐性になっている方は21%、プラス2カ所加わって4重耐性になっている方は3%、プラス3カ所加わって5重耐性になっている方が0.3%であるという頻度でした。

42ページの下ですけれども、31番と93番はないという方が18%いらっしゃって、これは安心していいことかと思ったのですが、43ページの上に示しますとおり、このうち3.5%の方はP32番の欠損、あるいはA92Kという耐性変異でありまして、これがないからといって安心できるものではないということがわかってきたわけであります。

43ページの下です。これは、ダクラタスビル+アスナプレビルで治らなかったときにどうなさっているかということで、533例の患者さんについての結果が解析できました。次の薬が出るまで待っている方が35%いらっしゃるということでしたが、54.2%の方はレジパスビル+ソホスブビルのハーボニーで治療なさっているという結果でございます。

44ページの上は、ダクラタスビル+アスナプレビルは治らなかったときにハーボニーで12週間治療を受けたらどうなっているかということで集められたデータです。311例のデータが集められてきておりまして、今のところ、SVR12、治療が終わって12週間たって結果が出ている方が160人ぐらいおります。ウイルスが消えている率が66%でありますので、34%の方は、2回治療したけれども、残念ながらウイルスは消えなかった。つまり、もうちょっと複雑な耐性になっている可能性があるということではないかと思います。

 今後の指針を出すということが非常に重要だということで、44ページの下でございます。ダクラタスビル+アスナプレビルで治らなくて、一番下のRAS0というのは耐性変異がないという方で、この方たちが15人なのですけれども、この方たちはハーボニーで100%治っていますので、ゼロならばハーボニーで極めて高率で治るだろうと考えられます。

 ところが、RAS1、1カ所に耐性変異がある方が25人で、この方たちでハーボニーで治ったのが68%です。RAS2、2カ所に耐性変異がある方は107人いらっしゃって、この方たちでハーボニーで治った確率は60%になっています。ですから、1カ所以上あると治る確率が下がるということになります。特に3カ所耐性変異がありますとゼロ%で、ハーボニーでは誰も治っていないということですので、やはりダクラタスビル+アスナプレビルでは治らなかったときに耐性変異をきちんと調べて、今回、ハーボニーでやるべきなのか、次の治療まで待つのかという指針がある程度出せるのではないかと思っています。耐性変異を測るということは極めて重要だろうと思っています。

 まとめますと、45ページ、1型C型肝炎については、レジパスビル+ソホスブビルやパリタプレビル+オンビタスビルの12週間の飲み薬で初めて治療を受けられる方は極めて高率で治っているということがわかりました。しかし、治療不成功に終わるとウイルスの耐性変異は高度・多重耐性になっているということで、かなり手ごわいウイルスになっているということが今回のAMEDの研究班ではわかりました。

 そして、NS5Aに対して耐性変異数、どこが何カ所変異しているかという数が多ければ多いほど、レジパスビル+ソホスブビルの治療成績は低下することがわかりましたので、失敗するとさらに耐性変異が増えるということが予想されます。再治療をする前に薬剤耐性をしっかり測って、どの薬剤で治療するかということが今後とも我が国にとっては重要だろうと考えております。

 2型のC型肝炎の治療効果は非常に高いということです。極めてわずかですが、治らない患者さんがいらっしゃったのですが、この方たちについてはポリメラーゼ阻害剤の耐性変異は出ていませんので、再度治療するということも含めて治せる方法はまだまだあるということになろうかと思います。

 以上の研究は、全国の赤十字病院の先生方と拠点病院の先生方の共同研究ということで、AMEDの研究成果として出させていただきました。ありがとうございます。

○林会長 泉先生、どうもありがとうございました。

 御質問は後で受けたいと思います。

 次に、田中先生の御発表をお聞きしたいと思います。C型肝炎治療ガイドラインにつきまして、田中先生、よろしくお願いします。

○田中参考人 よろしくお願いいたします。帝京大学の田中でございます。

 本日は、日本肝臓学会C型肝炎治療ガイドライン、特にDCV/ASV治療不成功例への対応ということでお話をさせていただきます。

 通しページの46ページの下をごらんいただきたいと思います。まず、私ども肝炎診療ガイドライン作成委員会でございますが、201111月に設立されました。ちょうどこのころはC型肝炎に対する新しいDAA製剤が発売間近となっておりまして、これから続々出てくると予想されますDAA製剤の適正な使用、あるいはいつどのタイミングでどういう薬を使うかということに対しまして、学会として審査すべきであろうという理事長の小池先生から御指示がございまして、設立されたということでございます。委員長は、私ども帝京大学の滝川教授、小池先生に特別委員になっていただきまして、15人の委員で構成されております。

47ページですけれども、この上下が今までのC型肝炎治療ガイドラインの改訂の履歴でございます。ごらんのように、かなり頻回な改訂を重ねてきております。私どもの委員会は原則が2つございまして、まず1つは、新薬の発売あるいは薬剤の適応追加があるたびに、煩雑になるのですが、ガイドラインの改訂をするということでございます。これにつきましては、昨今、新しい薬が続々と出てまいりまして、肝臓専門医でさえ一体どの薬をどういうタイミングで使えばいいのか、なかなか判断が難しいものですから、新しく薬が出るたびに学会として治療推奨を出そうという原則でやってきております。

 もう一つは、これは他のガイドラインもそうでございますけれども、基本的にはエビデンスに基づいた治療推奨をしたいということでございます。C型肝炎については特にエビデンスもないものですから、そういう場合には委員会でのコンセンサスをとって、どうしてもコンセンサスをとれない場合にはボーティングといいますか、投票で多数決によりまして最終的な意見を決定して推奨とするという原則で進めてきております。

2017年2月に第5.3版とございますけれども、これは作業がおくれておりまして、もう3月になってしまったのですが、3月に改訂する5.3版が最新でございます。(※掲載資料は5.3版の改定を反映済み)

48ページの上でございます。これはまだ幻なのですが、先月、ジメンシーという新しい薬が出ましたので、それを組み込んだ最新版のガイドラインでございます。ガイドラインは、基本的にはかなり長文のテキストに加えまして、できるだけわかりやすく治療の方針について会員あるいは専門医に示したいということで、こういうフローチャートを作成しております。

 それでは、治療不成功例のお話の前に、ダクラタスビル+アスナプレビル併用療法に対してどういう対応をしてきたかということを御説明申し上げたいと思います。

49ページの上でございますけれども、2014年9月にダクラタスビル+アスナプレビルがインターフェロンの不適格・不耐容例を対象として保険適用となりました。これは、もちろん初めてのインターフェロン・フリー製剤でございまして、これによってかなり治療効果が上がることが期待されたわけでございます。

 棒グラフは、この製剤の国内第3相試験の結果でございますけれども、今、泉参考人からお話がございましたように、Y93あるいはL31の変異がございますと治療成績が下がるということがあらかじめわかっておりました。さらに我々が問題にいたしましたのは、リコメンデーションの4番目にございますけれども、投与前に変異がある患者さんにこの薬を投与しますと、さらに多剤耐性ウイルスが出現する、変異が増えていくだろうということも治験の段階でわかっておりました。したがいまして、ダクラタスビル+アスナプレビルに関しては、確かにインターフェロン製剤ではあったわけですけれども、かなり治療に際して慎重にしていただきたいと考えました。

 その下が2014年9月に作成したフローチャートでございます。インターフェロン不適格例の場合でも、発がんリスクの高い方、余り待てない方に対してはダクラタスビル+アスナプレビルを推奨いたしますが、ある程度待てる方、つまり中発がんリスクや低発がんリスクの方に対しては治療待機という選択肢も置いております。特に低発がんリスクの方に関しては治療待機を上に置いておりまして、この経口薬の治療ではなくて治療待機を考えていただきたいというスタンスで記載しております。

 また、ダクラタスビル+アスナプレビルを使用する際には、極力、Y93L31の耐性変異を測定して、変異があった場合には治療待機を御検討いただきたい。つまり、発がんリスクと変異例に対して治療を行う場合の著効率と、治療が失敗した場合の多剤耐性変異の発生リスクを勘案して、方針を決定していただきたいという治療推奨にしておりました。

50ページです。翌年、2015年3月になりまして、ダクラタスビル+アスナプレビルが、初回治療例、前治療再燃例にも適応拡大になりましたので、これを受けましてガイドラインを改訂いたしました。この場合も、やはり第3相試験では変異があると治療成績が落ちるということがわかっておりましたので、この場合のフローチャート、50ページの下になりますけれども、インターフェロン適格例に対してもダクラタスビル+アスナプレビルの記載をいたしましたが、第一推奨ではなくて、インターフェロンが使える方に対してはシメプレビルまたはバニプレビルを併用したインターフェロンとリバビリンの併用療法をしていただきたい。また、ダクラタスビル+アスナプレビルを使用する場合には、Y93L31の変異がないことを確認していただいた上で慎重に使用していただきたいという記載にしておりました。

51ページですが、そういう形で推移いたしまして、2015年9月にソホスブビル+レジパスビルのハーボニーという薬剤が発売になりました。この間、ダクラタスビル+アスナプレビルの治療不成功例が出てきておりましたが、ソホスブビル+レジパスビルはかなり治療効果が高いものですから、ハーボニーを使うとダクラタスビル+アスナプレビルの治療不成功例に対しても効果が高いのではないか、ダクラタスビル+アスナプレビルの治療不成功例に対してハーボニーを使いたい、使ってもいいのではないかという御意見を時々聞いておりました。

51ページの下は、ハーボニーの発売に際しまして、また改訂を行った第4版の記載です。この薬は、国内第3相試験では100%という高い治療効果が示されたわけでございまして、また、投与前にNS5A変異があった症例でも高い効果があったという報告があったわけです。

 ただ、ガイドラインでかなり強調いたしましたのは、この試験の治療対象の中には、NS5A阻害剤の既治療例、ダクラタスビル+アスナプレビルで治療して不成功だった症例は含まれていない。したがいまして、治療開始前のNS5A変異例に対して効果が高いといいましても、あくまでも治療によって惹起されたものではなくて、治療前から存在する変異に対するものであることに注意していただきたいということを記載いたしまして、ダクラタスビル+アスナプレビルの併用療法の非著効例に対するハーボニーの治療成績は現段階では明らかではないということはかなりはっきり記載いたしました。

52ページの上は、ハーボニーが出たときの初回治療例のフローチャートでございます。これは、もちろん治療効果が高いものですから、初回治療、再治療、いずれにおきましても、ハーボニーを第一推奨としたわけでございます。

 その下は、ちょうど第4版から、ダクラタスビル+アスナプレビル前治療の非著効例に対する治療フローチャートを新たに設けまして、こういうフローチャートを作成いたしました。

 ここで、治療非著効例に対しましては、もう一度インターフェロンを使えないかどうかを検討していただきたい。基本的には、非著効例の方々はもともと経口薬を希望された、あるいは経口薬適応と考えられた方なのですが、非著効例ですので、かなりの耐性変異が生じている可能性がございました。その再治療に当たりましては、もう一回インターフェロン治療ができないか検討していただいて、インターフェロン治療ができる場合にはインターフェロン治療を検討していただきたい。インターフェロンの場合には耐性の問題がございませんので、その再検討をお願いする。

 再検討の結果、やはりインターフェロンが不適格、不耐容であった場合には、ソホスブビル+レジパスビルを、選択肢でありますけれども、その場合も少なくともY93L31の多重変異がないことを確認して使用していただきたいというスタンスで記載しております。

 この点はよく誤解を受ける内容でございますので、53ページに大き目に書いておきましたけれども、もう一度インターフェロンの適応がないかどうかを判断していただいて、インターフェロンが使用できない場合には、ハーボニーを使用いたしますとさらに複雑な薬剤耐性変異が出現する可能性がございますので、詳細な薬剤耐性を精査して、その結果を踏まえた上で治療を選択していただきたい。

 かなりくどくどといろいろ書いておいたわけですけれども、もしハーボニーを治療選択する場合には、少なくともL31Y93多重変異がないことを確認するということを注釈あるいはテキストに記載いたしまして、ダクラタスビル+アスナプレビル治療不成功例に対してハーボニーを使用する際にはくれぐれも慎重な判断をいただきたいということを強調しております。

 ただ、その後、各先生のお話を伺いますと、このフローチャートは、Y93L31多重変異なしと記載してありましたので、ここだけをごらんになって、この2つだけはかればいいのかというふうな誤解を受けたということは、正直、反省しているところでございます。

 その後、昨年12月になりまして、市販後のハーボニーの治療成績の報告が幾つかございました。53ページの下に載せましたのは論文化されたものでございますけれども、ダクラタスビル+アスナプレビル治療の非著効例に対するハーボニーの治療成績が大体71%であったという成績が出ておりまして、先ほど泉参考人のお話にございましたように、60%から70%の著効率であるという報告もございました。

 ただ、これはもちろん十分な成績ではございません。残りの30%、40%の方は治療不成功に終わってしまいますので、それを踏まえまして、また、もう一点、ダクラタスビル+アスナプレビル治療の非著効例を対象とした臨床試験が現在、国内で進行しておりまして、かなり有効性が高いということも承っておりました。

54ページの上が最新の第5.2版の非著効例に対するフローチャートでございます。もう一度、インターフェロンの適格性を御判断いただきたいということは同じでございますけれども、不適格例・不耐容例に関しましては、NS5A領域の高度・多剤耐性変異なしと少し表現を強くいたしまして、先ほどの泉参考人のお話にございましたように、十分に耐性変異を詳細に測っていただきたいということを強調いたしました。治療待機という選択肢もそれに加えまして、この選択肢から治療方針を決定していただきたいという形にいたしました。これが最新版でございます。臨床試験の終了あるいは市販に伴いまして、また今後、改訂していく予定でございますが、現状、こういう形でガイドラインの推奨を行っております。

 以上、まとめますと、54ページの下になりますけれども、ダクラタスビル+アスナプレビル併用療法に対しては発売当初から耐性変異の問題に我々はかなり懸念を持っておりまして、不成功例に対してもかなり慎重な対応を求めてきたわけですが、今後も、学会員、専門医に対してこのガイドラインの周知徹底に努めてまいりたいと思います。

 以上でございます。

○林会長 どうもありがとうございました

 御質問を受ける前に、厚労省のほうから薬剤耐性変異についてどういう対応をとられるかということをまずお聞きをしてから、御質問を受けたいと思いますので、よろしくお願いします。

○小野肝炎対策推進室長 簡単ではございますけれども、55ページの資料5-3でございます。昨年の12月に見直しを行いました「肝炎研究10カ年戦略」におきましても、C型肝炎の領域では薬剤耐性変異の問題を一番の課題と位置づけまして、戦略の目標としても、薬剤耐性ウイルスに効果のある治療薬・治療法の開発を進めるということを掲げたところでございます。

 これまで泉先生に研究を進めてきていただきまして、変異数と再治療の効果の関連といったことを明らかにしていただいてきております。また、先ほど発表もございましたように、拠点病院の協力を得ながら、泉先生の研究班で薬剤耐性変異の測定を行って、その結果を主治医にフィードバックしていく、そういう体制づくりもしてきております。

 泉先生の研究自体は今年度が最終年度ということになっておりますが、来年度以降につきましても、AMEDにおきまして、インターフェロン・フリー治療不成功症例に関する全国規模の研究というテーマで公募を行っているところでございまして、引き続き研究を推進するとともに、薬剤耐性変異を測定できるような体制も維持していきたいと考えております。

 以上でございます。

○林会長 ありがとうございました。

 それでは、以上3件でございますけれども、御質問、御意見がございましたら、どうぞ。

 複雑な問題ですが、泉先生、田中先生にお越しいただいていますので、お答えいただけると思います。どうぞ。

○米澤委員 難しくない質問なのですけれども、泉先生のまとめの部分で、1型C型肝炎、3つありますけれども、2つ目に「治療不成功例のウイルス耐性変異は高度・多重変異が多い」とありますが、治療不成功例というのはDAA製剤全体なのでしょうか、教えていただきたいと思います。

○泉参考人 重要な御指摘だと思います。今のところ、エビデンスがあるのはダクラタスビル+アスナプレビルだけなのですけれども、恐らく今後のインターフェロン・フリーの場合は、やはりピンポイントにウイルスの酵素活性を抑える薬だとすると、不成功に終わった場合にはやはり薬剤耐性変異はかなり高度になるだろうということが予想されますので、次の治療は安易に選ぶのではなくて、十分に耐性変異を測ってからやるべきだろうと思っています。

○米澤委員 わかりました。ありがとうございました。

○林会長 どうぞ。

○伊藤委員 薬害の伊藤です。たくさんあるのですけれども、申しわけありません。

 資料5-1、44ページです。RASが3カ所以上あった場合には誰も治っていないというデータが出ております。とてもびっくりしておりまして、大変なことだなと危機感を持っております。肝炎治療戦略会議で示された、39ページのインターフェロン・フリー治療再治療の実施体制ということでやってきてくださったとは思いますが、要は、たくさんの耐性患者が出てしまっている事実を先生方はどのようにお考えになっていらっしゃるのか伺いたいと思います。私の身近にも、例えばシメプレビルをやった後にダクラタスビルをやってしまって多重耐性変異ができてしまって、とてもお困りの患者さんがおられます。その場合、何も耐性検査等詳しい検査をされなかったということを耳にしております。

○林会長 別にこれは泉先生の責任ではございませんので。

○伊藤委員 済みません。泉先生の責任ではございません。

○泉参考人 戦略会議で20151016日に指針を厚労省と制度設計したのですが、この時点では全然エビデンスがなかったのです。何が正しいか全くわからなかったけれども、安易にやるべきではないということで制度設計なされたものです。ダクラタスビル+アスナプレビルで治らなかったら多剤耐性になっていると今でこそわかりますけれども、この時点では、皆、心配はしていたけれども、データがなかったというのが現状だったと思います。今後は、やはりこういう問題があるということがわかりましたので、慎重な対応が必要だということがわかってきたと思います。

○林会長 ガイドラインの作成については本当に田中先生も苦労されて、データはないのだけれども、頭の中で考えれば当然そうなるだろうと思ってガイドラインの作成を行って、結果はそのとおりになっている。ガイドラインをつくられるときに田中さんも苦労されたと思います。

○溝上委員 泉先生、RAS3の多重耐性例は全例で何例あるのですか。

○泉参考人 3カ所ある方はまだ3例しかございません。

○溝上委員 3例中のゼロですね。

○泉参考人 そういうことです。

○溝上委員 そこのところはまだリライアブルなデータでないということはちょっと頭に入れて、これは非常に衝撃的な数字ですから、お願いします。

○林会長 恐らく詳細はディープシークエンスをやったらわかるのですけれども、不成功例はほとんど2つ以上耐性を持っています。だから、前にゼロでも起こってきますし、前に1カ所でも起こってきます。ただ、もとの起こるクローンは頻度が低いクローンからも起こってきますので、ダイレクトシークエンスで測って変異がないからといっても実は安心ができないというのもそのとおりです。かなり難しい問題を含んでいるので、今、溝上先生がおっしゃったように、データはこのとおりなのですけれども、解釈は案外難しいものだとお考えいただいたほうがいいかもわかりません。かなり複雑な系だと思います。

○伊藤委員 39ページに薬剤耐性変異の結果を報告ということで、耐性検査の精度ということが肝炎治療戦略会議でも問題になっていたと思うのですけれども、再治療の場合にその耐性検査方法の精度というのは、基本的なルールというものはあるのでしょうか。

○林会長 泉先生、よろしくお願いします。

○泉参考人 これは直接塩基配列決定法という方法で測定しています。これが一番臨床に使える方法ですね。先ほどの研究レベルでいうとディープシークエンスという非常に細かい方法、これは結果が出るまでに時間がかかるし、解釈も非常に難しいということで、やはり簡便に臨床的に使える指標ということでやらせていただきました。今後、この直接塩基配列決定法とディープシークエンスはどのぐらい一致するかということも解析させていただきたいと思っています。

○林会長 それでよろしいですか。

○伊藤委員 はい。

○林会長 ほか、御質問、どうぞ。

○柿嶋委員 資料の55ページなのですけれども、一番初めのアンダーラインが引いてあるところの文章が、私は日本語としてよくわからないので、この表現でよろしいのかどうか、御確認をさせていただきたいと思います。読みますと「しかし、インターフェロン・フリー治療については、治療が不成功になると強力な薬剤耐性を生じることがあり、治療方針の決定には十分な配慮が必要で、不成功例に対する再治療の効果は十分な根拠がないのが現状である」というのですけれども、私がわからないのは「再治療の効果は十分な根拠がない」というのはどういう意味なのでしょうか。この表現でよろしいのですか。再治療の方法がないという意味なのだったら、そうはっきり書くべきだと思います。

○伊藤委員 同感です。

○磯田肝炎対策専門官 後半をちょっと聞き逃したのですけれども、もう一度よろしいですか。

○柿嶋委員 こういうことが生じてしまうと、効果がある再治療の方法は現在のところないという意味であれば、そういう書き方をはっきりなさるほうがよくて、ここを曖昧に書くために根拠という言葉が使われている印象を受けるので、せっかく注意喚起でアンダーラインを引いておられるのですから「効果に十分な根拠がない」という日本語は日本語として変だと思うのです。

○小野肝炎対策推進室長 御指摘はごもっともかと思います。これ自体は10カ年戦略という形で戦略会議での議論も経て既に決定してしまったものなので、この文言自体はすぐには見直しができないのですけれども、もしほかのところで同じようなことを表現する場合には表現ぶりには注意をしたいと思います。

○柿嶋委員 ここでは決められないことがわかりました。

○林会長 これはおっしゃるとおりなのです。ただ、こう書いた理由もありまして、再治療をやったときに、60%、70%、治療効果がございましたね。効く人がもっと少なくて、10%、20%だと治療方法はないと断言できるのですが、60%、70%、効果があったときにそれの評価というのはかなり微妙な評価になります。その人の考え方によって変わってくることなので、その時点で、治療効果がない、治療に使ったらだめだと、承認された薬だからガイドライン上言えないというかなり微妙な問題もあって、かなりあやふやな表現になっているのが一つなのです。全然効かない、ゼロ%ではない。60%からの人は効果がある。

○柿嶋委員 そっちの話はついていけないのですけれども、読んで意味がわからない。

○林会長 おっしゃるとおりです。この文言は、通ってきた文章ですね。

○小野肝炎対策推進室長 そうです。決まってしまっているので。

○林会長 御指摘、わかりました。次に書くときに注意してさせていただきます。どうぞ。

○伊藤委員 48ページなのですが、その前に、泉先生、田中先生にこのような詳しいデータをお示しいただいたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。

 エレルサ、グラジナという治療薬のことで、48ページの米印の3番目です。「SOF/LDVEBRGZRならびに」という文章ですね。「Y93変異測定については、現時点で同変異が及ぼす治療効果への影響が明らかでないことから推奨されていないが、今後、市販後の治療成績が十分に検討される必要がある」という文章があります。これは、治療成績を見て耐性検査をするかしないか考えるというふうに受け取られてしまうのですが、この辺はどうでしょうか。

○田中参考人 これも日本語としてこなれていない表現でございまして、ちょっとわかりにくい表現だと思うのですが、これについてもかなり議論がございました。実際、この薬剤は、国内第3相試験、治験の段階では、Y93の変異があった場合には44例中41例が治療成功したのですが、3例、治療不成功の方がいらっしゃる。率にしますと93%強だと思いますけれども、Y93変異があった場合にはSVR1293%ぐらいという数字だったと思います。93%という数字は確かに低いのですが、実際のところ44例しか含まれていませんので、そういう意味で、この段階で治療前のY93の測定を推奨するのは時期尚早であろうと思います。ヴィキラックスの場合には83%ぐらいに落ちますので、測定すべしとしたのですが、今回の場合はそういうわけで時期尚早という判断で、今後の成績を問うという判断です。

○林会長 溝上先生。

○溝上委員 DAAが出てから、100%、95%というのが普通になりましたけれども、それ以前は50%いかなかったのです。それが95%だから、93%だからというのは、今の薬の審査基準ではほかの薬も含めて全部そうですけれども、個人差というようなことを考えれば今の医学ではわからないというところは御理解いただかないと、100%が当然だということは難しいのではないでしょうか。

○林会長 追加させていただきますと、これは私が発言したのですけれども、変異があっても93%効いたときにその薬を使ったらだめだといったときに、その患者さんにより効く薬がその時点ではないので、ないにもかかわらず、93%治っている薬を使ったらだめだとはガイドライン上書けないではないかと発言させていただいたのです。もちろんほかにいい薬が出てくれば、ここの記載は変わってくると思うのですが、この時点では、耐性変異があっても治療すれば93%まで治っているので、今、溝上先生がおっしゃったように、昔だと93%だったら物すごく効いた話になってくるので、その辺は微妙な点なのです。その先に新しい薬が出ることもわかっていますので、この時点ではこういう表現しかないだろうと思います。ぱっとこれを読まれたら、御指摘のようにおわかりにならないのはごもっともだと我々も思っておりまして、かなり微妙な点だというのは御理解いただければと思います。

 ほかに、ございませんでしょうか。どうぞ。

○武田委員 薬害肝炎の武田です。

 私も2月の初めからハーボニーを使っております。去年はずっとGOTGPTとも300を上回っていたのですけれども、何と1週間で20を切りました。1カ月になりますが、ウイルスはまだ消えていないのですけれども、前3回、インターフェロン治療を何でしたのだろう、今までしなければよかったのにという思いでおります。いい薬が出るということはいいことですけれども、今後も完全にウイルスが消えることを願っております。先生たちのおかげで下がることができて本当に感謝いたしております。

 以上です。

○林会長 それ以外に何か、どうぞ。

○伊藤委員 たびたび申しわけありません。48ページの米印の5番目です。ジメンシーについて伺いたいと思います。添付文書を読みますと、治験の段階で1割以上が中止だと。「BEC/DCV/ASV投与中は毎週肝機能検査を実施し、肝機能の悪化を認めた場合にはより頻回の検査を行うとともに投与中止を検討する」とあります。添付文書を読む限りでは、治験の段階でも中止例がかなり多かったこと、それから、副作用の事例を見ますととても心配な事例がたくさんありまして、この薬について認可された経緯もすごく疑問なのですけれども、副作用について啓発していただきたいという要望です。

○林会長 これは、田中先生。

○田中参考人 これは全くおっしゃるとおりでございまして、ジメンシーに関しては私どもも大変大きな懸念を持っています。これはフローチャートで余り長々と書けませんので、これぐらいの表現にしておりますけれども、実際のテキストにはかなり安全性の問題を強調して記載するつもりでおります。

○林会長 恐らく専門家の先生はよくおわかりなので、それぞれの地域の講演会などで一般の方にはかなり注意して発言されると思います。専門家は十分そのことは承知しておりますので、御指摘のとおりだと我々も思っております。

○伊藤委員 これは治験をされた病院に限るというようなことを伺ったのですけれども、どこの病院でもできるということではなくて、治験をやった経験のある病院ということはあるのでしょうか。

○林会長 泉先生、制限がかかっていますか。かかっていませんね。

○泉参考人 認可されたら、治験をやった施設でしか使えないということはできないと思います。

○林会長 恐らく承認時の添付文書にはその制限はついていないと思います。

○伊藤委員 ついていないのですね。そうすると、どこの病院でもやれる可能性があるということですね。

○林会長 やろうと思えば、そうです。

 実際問題、肝臓の専門医の先生はかなりおわかりなので、それほど特殊なことがない限りは我々も使わないとは思っていますが、御指摘のとおり、できるだけ注意をして臨みたいと思っています。小池理事長もおられますので、それは当然やっていただけると思います。

 ほか、御質問ございませんか。よろしいでしょうか。

 それでは、これで終わらせていただきたいと思います。

 次に、議題(4)の「その他」でございますが、事務局よりよろしくお願いします。

○小野肝炎対策推進室長 それでは、前回の協議会でも御指摘がございましたけれども、昨年の4月に肝臓機能障害の認定基準の見直しが行われまして、その影響がどうなっているかという点につきまして、厚労省社会・援護局の障害保健福祉部より御報告をさせていただきます。

○峯保健福祉部企画課長補佐 障害保健福祉部企画課の峯と申します。

 肝臓機能障害に係る障害認定状況に関する調査結果ということで、通し番号の56ページ、資料6をごらんいただきたいと思います。

 「1.調査の目的」ですけれども、平成22年度より施行された身体障害者手帳制度における肝臓機能障害の障害認定につきましては、平成27年度に認定基準の検証を行いまして、今年度4月より改正後の認定基準による障害認定が施行されています。

 改正の内容につきましては、59ページをごらんいただきたいのですが、時間の都合で割愛させていただきます。

 本調査は、改正後の認定基準による肝臓機能障害の障害認定状況について把握することを目的として実施しておりまして、こちらは肝炎対策基本指針の第9その他のところで認定状況を把握することとなっておりますので、この場をかりて御報告させていただきます。

 「2.調査対象期間・調査内容等」ですが、期間は、平成28年4月1日の施行日から平成2811月末日までの8カ月間になされた交付申請におきまして、1130日を調査日として実施しております。全ての都道府県、指定都市及び中核市を対象としております。調査内容は、肝臓機能障害の交付申請件数あるいは却下件数、肝臓機能障害の認定状況、却下となった理由でございます。

 「3.結果概要」をごらんください。「()肝臓機能障害の交付申請件数等」は、8カ月間における肝臓機能障害による身体障害者手帳の交付申請は、全国で2,230件となっておりました。そのうち、11月末日時点におきまして、2,042件、91.6%について身障手帳が交付されております。

57ページをごらんください。「()肝臓機能障害の手帳交付の内訳」ですが、身障手帳が交付された2,042件のうち、新規の交付は1,903件、93.2%、再認定による交付は139件、6.8%となっておりました。

 特に1の新規交付の状況ですけれども、8カ月間の新規交付件数は1,903件で、対前年度12カ月間と比べても183.7%となっておりました。表をごらんいただきますと、平成22年の新規導入の際にもおおむね1年で申請件数はピークアウトしているようですので、今回も恐らくピークアウトしているのではないかと思われるのですけれども、引き続き周知を続けていきたいと考えております。

 2の再認定の交付の状況ですが、身障手帳3級所持者の28件のうち、再認定により1級に変更した方が18件、2級に変更した方が6件となっています。また、4級所持者25件の内訳を見ますと、再認定により1級に変更した方が4件、2級に変更した方が13件となっていました。

58ページをごらんください。3のChild-Pugh別の認定状況ですが、この8カ月間で手帳交付となった2,042件のうち、Child-Pugh分類Bに該当する方が930件となっておりまして、これが、B、C、肝臓移植という3分類に分けた内数として全体の44.5%を占めていました。

 「()却下となった理由」ですけれども、却下が72件、3.2%ありました。主な理由は、表をごらんいただきたいのですけれども、Child-Pugh分類の点数が7点に満たなかったものが27件、検査日から180日以内にアルコールを摂取していたものが同数の27件、そのほか、以下に記載しているとおりとなっております。

 以上を踏まえまして、平成28年4月の改正基準の施行後、一定程度交付者数が増えていること、また、各自治体におかれましては適切に改定後の認定基準を運用していただいていることなどが確認できたと考えております。

 障害保健福祉部からは以上です。

○林会長 ありがとうございました。

 御質問がございましたら、どうぞ。

○川田委員 日肝協の川田です。

 ちょっと記憶で申しわけないところがあるのですけれども、5,000件ぐらいの障害認定数だったのが、これの認定を緩和するという審議会を傍聴したときの記憶なので不正確かもしれませんけれども、大体10倍にふえるだろうと、5,000件が5万件ぐらいになるのではないでしょうかという発言があったように思います。それから見て、これは順調に立ち上がっているという感じで評価されておられるのでしょうか。まだまだこれからということでしょうか。

○峯障害保健福祉部企画課長補佐 障害保健福祉部からお答えいたします。

Child-Pugh分類のBの方が何名いらっしゃるか、Cの方が何名いらっしゃるかという正確なデータはございませんので、事前にきちんとした見積もりをお示しできたことはありませんけれども、おおむねCの方とBの方が1対3ぐらいの割合でいらっしゃるのではないかといった研究結果などを拝見していたことは事実です。その後、新しい薬なども出てきましたし、10倍もの見積もりは内部でもしておりませんでした。おおむね考えていたとおりで、大きくかけ離れている状況ではないと考えております。

 以上です。

○林会長 それ以外によろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

 それでは、もう一件、事務局から。

○小野肝炎対策推進室長 1点、御報告がございます。厚生労働省の担当でいうと労働基準局になるのですけれども、事業場における治療と職業生活の両立支援のガイドライン、いわゆる仕事と治療を両立するためのガイドラインをつくっております。この中で、今回、新たに肝疾患に関する留意事項というものを追加することになっております。これは、事業主の方が従業員の中に肝疾患のある方がおられる場合にどういう点を配慮すればいいのかといったことをお示しするものとなっております。これが予定では今日付で発表ということになっておりまして、この場でお配りできればと思っていたのですけれども、まだ作業が間に合っておりませんので、出ましたら、追って先生方には情報提供させていただきたいと思っております。そういうものが今日付で発表されるということを御承知おきください。

○林会長 どうもありがとうございました。

 それでは、これ以外に何か御発言等がございましたら、最後にお受けいたしますが、よろしゅうございますか。どうぞ。

○川田委員 先ほどの議論に戻るのですけれども、専門医のところです。ちょっと通り過ぎてしまいましたが、いろいろな議論が出ました。専門医とかかりつけ医の件につきまして、患者サイドには結構いろいろ不安だとか、そういうのがあるようです。19年の通達から見て、実態は、専門医の資格要件がルーズになっているのではないかというような意見もありましたし、専門医が存在していないところもあるとか、そういうのもありました。患者の生活上の観点からすれば、もう少し身近にかかりつけ医の先生から今のようにお薬をいただけるほうがありがたいという方もいて、千差万別なのですけれども、一様に言えるのは、どんな状態なのかよくわからない、協議会の中で実態について何らか調査をお願いできないだろうかという意見が出ておりました。

○林会長 専門医というのは肝臓学会の専門医ではなくて、都道府県が認定している専門医ですね。

○川田委員 そうです。

○林会長 恐らく都道府県ごとに全部要件が違いますね。

○川田委員 そうです。ですから、まさに全国からしたら、うちはこうだという議論になりまして、実際どうなっているのでしょうかと。

○林会長 恐らくそれをやったら各都道府県全部違うかもわからない。

○川田委員 というような要望なのですけれども、いかがなものでしょうか。

○溝上委員 小池先生がお話しなさったほうがいいかもしれませんが、肝臓学会のホームページには肝臓専門医の住所が。

○林会長 そういう質問ではないのです。

○小池委員 専門医が少ないところで認定している都道府県の。

○溝上委員 消化器病学会とあわせればいいのではないですか。

○林会長 学会の専門医ではなくて、治療に伴う認定医なので、都道府県ごとに全部違うのです。事務局にそれを集めてと言ったら、返ってくるのだけれども、まとめようがない。それは都道府県である程度議論していただかないと、かなり要件が違うので厳しいかもわかりません。

○川田委員 患者同士では結構話題になりますね。

○林会長 都道府県では均一なので、都道府県でいろんな情報を流すというのは十分あり得ると思いますが、日本全体では全然均一ではない。学会の専門医についてのデータは全部わかっているのですけれども、ちょっとそれは厳しいかもわからないような気がします。

 事務局、いかがでしょうか。

○溝上委員 そうしたら一つ言わせてください。佐賀県ではマップをつくりまして、そのマップでネットで見られるようになっています。そういうのを全国に広めよう、九州の協議会のときにはその話が出たと聞いています。

○林会長 多くの都道府県ではホームページにアクセスすればほとんどわかるようにはなっています。全然わからないということはなく、調べようと思ったら調べられる都道府県が圧倒的に多いと思います。

○小野肝炎対策推進室長 我々としてもどこまで詳細に把握できるかというのは難しいところもあるかもしれませんけれども、基本的に都道府県の実態調査は毎年やっておりますので、その中で把握できるところは把握に努めたいと思っております。

○林会長 それ以外によろしゅうございますか。なければ、少し時間が過ぎましたけれども、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

 最後に事務局のほうにお戻しいたします。

○小野肝炎対策推進室長 本日は、活発な御議論ありがとうございました。特に医療体制のところとコーディネーターにつきましては、本日の御意見も踏まえまして、今年度内、今月中を目指して通知発出の作業を進めていきたいと考えております。

 本日の議事録につきましては、原案ができました段階で各委員に送らせていただきますので、また御確認をよろしくお願いいたします。その後、ホームページで公表させていただきます。

 以上です。

 


(了)
<<<本件に関する問い合わせ先>>>

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室
高橋:代表番号:03-5253-1111(内線2948)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 肝炎対策推進協議会(肝炎対策推進協議会)> 第19回肝炎対策推進協議会 議事録(2017年3月1日)

ページの先頭へ戻る