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2017年4月27日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課

○日時

平成29年4月27日(木) 10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 20階 共用第8会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)


○出席者

委員

若林部会長 石見委員 小川委員 鎌田委員
笹本委員 佐藤委員 杉本委員 戸塚委員
原委員 二村委員 藤原参考人 坂口参考人

事務局

山本基準審査課長 黒羽室長 今井補佐
中矢専門官 一戸主査 田中技官
酒井技官

○議題

(1) 第9版食品添加物公定書について
(2) その他

○議事

○事務局 定刻となりましたので、ただ今より「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会」を開催いたします。本日は御多忙のところを御参集いただき、誠にありがとうございます。

 はじめに、本日の委員の皆様の出席状況を御報告いたします。本日は中島委員、由田委員、吉成委員より御欠席との連絡を受けております。現時点で、添加物部会委員13名中10名の委員に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告いたします。

 また、本日は報告事項<1>の関係で、事業者団体の代表として、日本乳業協会の坂口参考人、藤原参考人にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。

 議事に入ります前に、4月1日付けで事務局に人事異動がございましたので、御報告いたします。基準審査課課長補佐、鶏内の後任で、今井が着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事の進行を若林部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○若林部会長 皆さん、おはようございます。よろしくお願いいたします。最初に配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

○事務局 本日の資料は議事次第、資料一覧、委員名簿、座席表のほかに資料一覧に記載しております資料7点です。資料1-1、食品、添加物等の規格基準の改正に関する薬事・食品衛生審議会への諮問書、資料1-2、第9版食品添加物公定書の作成に伴う、「食品、添加物等の規格基準」の改正()について、資料1-3、「食品、添加物等の規格基準」の改正案の修正()、資料1-4、食品添加物公定書の改正に伴う、「食品、添加物等の規格基準」の改正に関する部会報告書()、資料2-1、乳幼児を対象とする調製液状乳(仮称)に使用される添加物への対応について、資料2-2、一般社団法人日本乳業協会より御提出いただきました「添加物部会 説明資料」、参考資料1、乳幼児を対象とする調製液状乳(仮称)についてです。不足や落丁等ございましたら事務局までお願いいたします。

○若林部会長 資料の過不足等はよろしいでしょうか。無いようですね。それでは、事務局から本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について御報告をお願いいたします。

○事務局 本日の審議事項において利益相反の確認対象はございません。

○若林部会長 よろしいでしょうか、それでは審議に入りたいと思います。本日は冒頭、事務局から説明がありましたように、日本乳業協会より御説明にお越しいただいている関係で、先に報告事項<1>乳幼児を対象とする調製液状乳(仮称)に使用される添加物についてという報告事項から行いたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは報告事項、乳幼児を対象とする調製液状乳(仮称)に使用される添加物に関して、まず事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 説明させていただきます。この報告事項では資料2-1、資料2-2、参考資料1を用いて説明させていただきます。

 資料2-1、乳幼児を対象とする調製液状乳(仮称)に使用される添加物への対応についてです。まず、調製液状乳について簡単に御説明いたします。現在、乳及び乳製品につきましては、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令、いわゆる乳等省令に基づき、乳幼児を対象とする食品として調製粉乳の規格があり、製品として販売されているところです。この資料にある調製液状乳というのは、液体状の製品であり、現在、国内では一般に市場流通はしておりませんが海外では流通しております。この調製液状乳の規格基準を設定するに当たって、この調製液状乳に使用される添加物への対応について報告をさせていただき、御検討いただくものでございます。

 資料2-1の1.経緯です。平成29年3月31日の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会において、乳幼児を対象とする液体状の乳製品(調製液状乳)に設定すべき規格基準について検討が行われました。そこでの検討に当たっては、国際機関等によるガイドラインや諸外国の規制、現在の国内における調製粉乳及び乳飲料の規制の現状等を踏まえ、調製液状乳の規格基準に必要な内容について議論が行われました。その結果、事業者が常温で流通し長期保存が可能な製品の開発を目指しているという状況を踏まえれば、その製品特性に鑑み、現行の調製粉乳や乳飲料等の規格基準のうち、以下の内容が調製液状乳についても必要とされました。

 その下の表に、今後の方向性として示された調製液状乳の規格が並んでおります。上から順に、成分規格、製造基準、保存基準、大臣承認とあります。この4項目については、冒頭にありました薬事・食品衛生審議会乳肉水産食品部会において今後、事業者から資料が提出されれば審議がなされる予定です。また、容器包装については容器包装部会で審議が行われます。

 一番下の添加物につきまして、この添加物部会で御審議を頂きたいというものです。具体的に、調製液状乳に用いられる添加物の規格としては、この表の規定内容のとおり、必須栄養素の添加が必要なため、調製粉乳に使用が認められている添加物を設定することが必要だとされております。

 2ページの2.現在の調製粉乳における添加物の規格基準について御説明いたします。乳幼児の発育に必要な栄養素を添加するために、調製粉乳には添加物が使用されています。このうち、使用用途が調製粉乳等に制限されているものがございます。これについては、3月31日の乳肉水産食品部会でも紹介がなされましたので参考資料1を御覧いただきたいと思います。

 参考資料1は、3月31日の乳肉水産食品部会の資料ですが、別添2(7ページ)に、調製粉乳等に用途を限る旨の使用基準が定められている添加物を記載しております。このうちのグルコン酸亜鉛、グルコン酸第一鉄、グルコン酸銅、硫酸亜鉛及び硫酸銅につきましては、この使用基準において母乳代替食品等に用途が制限されています。母乳代替食品とは昭和58年の通知による定義によって粉乳に限定されています。母乳代替食品の詳しい内容については7ページの一番下に書いてありますが、「母乳代替食品とは、母乳の代替として飲用に供する調製粉乳及び、これ以外の育児用粉乳をいう」とあるとおり「粉乳」と明記されております。

 また、亜セレン酸ナトリウム及びビオチンにつきましては、使用基準において調製粉乳等に用途が限定されているところです。事務局から経緯と現状について御説明させていただきました。

○若林部会長 どうもありがとうございました。それでは、事業者団体である日本乳業協会から調製液状乳に使用される添加物について、開発の状況等を踏まえて、事業者の立場から御説明をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○藤原参考人 日本乳業協会の藤原と申します。本日は当協会の要望事項である調製液状乳の現状に関する説明にお招きいただきありがとうございます。また、日頃から当協会の活動に御協力・御支援をいただき、大変感謝しております。

 資料2-2に沿って説明いたします。スライド2を御覧ください。

 私ども、日本乳業協会は全国の乳業メーカーをまとめる団体として平成12年の3月に社団法人を設立、更に平成23年4月に一般社団法人となっております。正会員は大手中堅の乳業メーカー20社で、44の都道府県協会及び関係3団体と、賛助会員とで構成され、乳業事業の改善、牛乳及び乳製品の衛生・品質の向上を図ることにより、我が国の酪農乳業の発展、国民の公衆衛生の向上に資することを目的とした事業活動を行っております。

 先ほど、お話にもありましたが、我が国での調製粉乳の製造は全て、当協会会員の企業が実施しており、スライド3には農林水産省の統計調査による過去20年間の生産量の推移を示しております。先ほどもありましたように、乳等省令に規定される調製粉乳に対応する用語を調製液状乳と記載しておりますが、スライド4に、当協会における現状の課題認識として、我が国の少子化、母乳育児の推進などによる国内の粉ミルクの需要減を背景に、平成21年4月に当協会が国に要望書を提出しました。当時、海外において、乳幼児用調製液状乳が既に製造販売されていることから、日本においても将来そうした新しい分野に可能性があるとの考えに基づき、消費者の利便性を考慮して要望したものです。更に、昨年10月以降には、政府一体の取組としての内閣府の男女共同参画会議において、調製液状乳の活用について、男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会の話題として取り上げていただきました。加えて、災害備蓄の有用性から早期の製品化が期待されていることは当協会の関係会員も十分に認識しているところです。

 要望から現在まで時間が経過しているとの御指摘を頂いておりますが、スライド5、「調製液状乳」開発の課題として幾つか挙げさせていただきました。まず、調製粉乳と同様の母乳代替食品としての規制措置が必要と考えております。次に、製品の長期保管を想定した微生物汚染防止に必要な容器の形状、材質等について、更に乳児用食品として高いレベルでの安全・安心の確保を図りつつ、品質面で避けることが難しい色調、沈殿、成分含量や風味の変化に対応するために、原材料の配合、製造方法の選択など、実際の製品化に至るまで様々な課題を解決することが必要と考えております。これらの課題を踏まえた上で、新たな規格基準の設定に必要なデータ収集、使用する容器や添加物などについて、粉ミルクを製造している会員各社に協力をいただきながら鋭意進展を図っている現状です。引続き、御指導・御支援をお願いいたします。

 次に、当協会で現状において想定しております調製液状乳の製造の概要に関して、坂口から説明いたします。

○坂口参考人 乳業協会の坂口です、よろしくお願いいたします。スライド6以降について説明をさせていただきます。

 お手元の資料のスライド6~8ですが、調製液状乳の製造において想定される工程の概要を簡略化して図示したものです。

 スライド6、工程の前半部分は乳原料と副原料、それぞれ溶解、調製して混合し、調合の原液とするものです。実際には原料の種類も多く、もっと複雑なものになっていると思われます。

 次にスライド7ですが、「アセプティックタイプ」としております。製品原液を均質化し、加熱殺菌後、殺菌された容器に無菌的に充填して密封する、いわゆる無菌充填の製造工程になります。皆様も御存じのとおり、ロングライフミルクもこの方法で生産されております。

 スライド8は「レトルトタイプ」としております。容器には充填密封して、加圧・加熱殺菌する工程になります。この方法は、常温保存される食品には一般的なものであり、既に御承知かと思われます。

 以上説明いたしました製造工程を前提として、スライド9です。常温での製造保管を前提とした賞味期限設定のための保存試験の実施、アセプティックタイプ、レトルトタイプの製品の容器包装の形状、材質等の選択肢について示しております。また、今後の検討課題として容器の容量、製品の持ち運びや保管上の制限、次には普及啓発や表示事項になると思いますが、使い方の注意喚起も必要になるであろうと考えております。

 最後にスライド10ですが、調製液状乳の添加物の使用等に関し、栄養強化剤の一部について使用基準の改正、乳化安定剤は現状の規制の範囲で使用、更に健康増進法に基づく特別用途食品の表示の許可基準に追加について示しております。使用基準が定められた添加物については改正に必要な作業を進めるとともに、特別用途食品の表示関係についても対応する予定です。

 関係企業においては、製品の開発に当たってこれらの事項を総合的に考慮した上で製品の試作、保存試験に取り組むことを考えております。今般、必要な助言を頂ければ、一層の進展が図れると存じております。よろしくお願いいたします。

 以上、大変簡単ではありますが、日本乳業協会からの説明を終わります。よろしくお願いいたします。

○若林部会長 ありがとうございました。事務局からの説明、ただいまの日本乳業協会からの御説明に対し、委員の方々から何か御意見や御質問がありましたらお願いできますでしょうか。

 今までは調製粉乳が消費者への販売として多かったと思います。これが調製液状乳ということになりますと、やはり常温でずっと保管するということになりますと、いろいろな微生物の汚染などということが少し気になってくると思います。もちろん、今、説明がありましたように、いろいろと加熱殺菌して、容器に保存して、しっかりすれば問題ないと思いますが、イメージとしては、今までの粉から液状になりますと消費者の人たちが御心配なさるのではないかと思います。その点についてはいかがでしょうか。

○藤原参考人 御質問ありがとうございます。製品そのものは粉ミルクでの各企業の経験がありますから中身自体は問題ないと考えております。先ほど御説明したように製造方法も無菌充填、あるいはレトルト殺菌をすれば製品としては全く問題ないものが出来ます。あとは災害等での備蓄ということを考えると、ある程度の保存期間といいますか、あるいは容器についても、そういった期間に耐えられるような材質や形状が必要だということで考えております。あと、実際使う時に粉ミルクと使い方が違うことになりますので、その辺は使い方について普及を図る必要があるのではないかと考えております。以上です。

○若林部会長 どうもありがとうございました。それからスライド4に出てきますけれども、災害備蓄として、災害時には特に赤ちゃんに対しては非常に有用だと思います。そういうようなことについてもメリットを強調されていく方向になるわけですか。

○藤原参考人 実は、現状の粉ミルクでもある程度、備蓄をしております。昨年も熊本地震が起こりましたが、実はあの時にも、いち早く備蓄されたものから災害地にお届けするというシステムは出来上がっております。その中に現状での活用といいますか、粉ミルクですと、どうしても温めたり水を使ったりということがありますので、液状乳であればその辺の手間が少し省けるのかなとは考えております。

○若林部会長 確かに、災害時には水、お湯がすぐ手元にあるかどうかというのは大変問題です。片方では、赤ちゃんはお腹が空きますと要求しますので、液状のものがあると非常に助かるのではないかと思いました。そのほか、何か御質問や御意見はありますか。

○二村委員 先ほど回していただいたものは、紙のタイプとプラスチックのものでした。多分、これはここで言うアセプティックタイプということで考えてよろしいですか、両方とも。

○坂口参考人 はい。

○二村委員 レトルトのものは、もしかしたらサンプルが無かっただけかもしれないのですが、海外においてはレトルトタイプのものはあるのかどうか。それから容器の形状を考えたとき、保存性などを考えると、優位性と言うのでしょうか、どれが長持ちするとか、利便性がよいというような特徴をそれぞれ御紹介いただければと思います。

○坂口参考人 お答えします。海外については、レトルトタイプがあるかどうか、我々もその辺の情報は得ていませんのではっきり分かりません。容器によっての保存性なのですが、どちらにしても、レトルトあるいは無菌充填ですので一定期間は、保存性については問題ないと思います。あとは流通や保管状況などによって、やはり紙などよりは缶のほうが丈夫だとか、いろいろ一長一短はありますのでどれがいいということはありません。いろいろな使用条件、あとは容器の容量や使い勝手を加味しながら容器を決めていくことになると思います。以上です。

○若林部会長 そのほかにございますか。

○小川委員 教えていただきたいのですが、通常の乳製品というものと、今回の乳児用では異なるということですが、特別な、栄養成分的なものを加えているとか、どのような点が違うということになるのでしょうか。質問の意味が分かりにくいかもしれませんが、現状としてロングライフの乳製品というのは流通していますよね。今回御提案いただいている一番大きな違い、意義を少し御説明いただけますか。

○藤原参考人 実は、規制上は乳等省令における規制として調製粉乳というものと乳飲料というものがあります。調製粉乳というのは乳幼児用という限りが付いていまして、先ほどちょっとお話があったと思いますが特別用途食品という制度が別にあり、そちらで調製粉乳についての表示許可制度というものがあります。したがって、乳幼児用のものということで開発するということになると、調製粉乳と同様のものが必要だと考えており、今のところは、そちらが規制する事項がないということですので、そちらを新たにお願いをしたいと考えております。

○鎌田委員 鎌田です、事務局さんか乳業協会さんか、どちらかにお尋ねします。私たちの部会では直接タッチしないという話なのですが、資料2-1の成分規格のところですが、一番最初に「細菌数」と書いてあります。培養の温度と日にちだけが書いてあって、細菌数が何を示すのか。ロングライフで考えていますのは、芽胞の形成する菌、芽胞を殺菌して、レトルトなりアセプティックで完全に無菌であるという状況を形成しているはずなのですが、ここは生きていた菌を測るという状況になっている。その場合、この細菌数の「細菌」という表現の仕方ですが、一般細菌数ならこのような方法というのがありますので、もう少し詳しく知りたいというのが一つです。

 それから、素人の発想ですが、粉になったものを溶かして製品化してという考え方はされていないのか。わざわざ原乳から造られるようなことは今、御説明いただいたのですが。災害時に特化するような、液体の超ロングライフ、そういうものは考えていらっしゃるのか、あるいは既にあるのかということも知りたいです。

○若林部会長 3つほど質問が出ました。最初のところは、むしろ乳肉水産食品部会でも話し合われているかと思います。その辺のことをお願いできますか。

○山本基準審査課長 細菌のところの規定では、レトルトと大臣承認のものがあります。先生もおっしゃるようにレトルトは芽胞を念頭に置いて、120℃で、4分間加熱殺菌する方法だったでしょうか、殺菌力を持つものを採用するようにとお願いしており、その検証的な立ち位置で試験と基準値、満たすべき結果を規定しております。大臣承認のほうも同様に規定をおいております。

○若林部会長 2つ目、3つ目はいかがですか。

○藤原参考人 現状の粉ミルクを溶かして、それを製品化したらいいのではないかという御質問だと思います。粉ミルクは、やはり粉というところでの品質であるとか、あるいは保存性ということを考慮しているということで、それがそのまま液体ミルクに結び付くかというと、私も聞いた話ですが、例えばミネラル分の沈殿とか、あるいは分離、そういったことが起こるということなので、なるべく起こらないような製造方法、あるいは添加物の使用というものが考えられるというように聞いています。

 もう1つ、かなり長期の保存はどうかという御質問ですが、現状の粉ミルクは大体1年半ぐらい賞味期限があると思います。今、実際にメーカーのほうで考えておりますのは、6か月から1年ぐらいを目指してやっているというところです。先ほど申し上げたように安全性の問題はないと思うのですが、品質面、あるいは栄養素の中には時間が経過することによって低下していくものがございます。その辺が許容範囲に収まるかどうかということも一緒に検討しなくてはいけないということです。今のところ、期間については1年程度ということで考えているというように聞いています。

○若林部会長 私からもう1つ質問です。スライド10に栄養強化剤というのがありますが、これは事務局が説明されました部分の資料2-1の亜セレン酸ナトリウムですか、これらのものを指すという理解でよろしいのでしょうか。

○藤原参考人 使用基準があるものはこちらです。それ以外にも各種栄養素が決まっております。使用基準があるものについては資料のほうに記載されているものと思っております。

○杉本委員 スライド10のところなのですが、「添加物の使用等」の所で、栄養強化剤についてはそうなのですが、乳化剤と安定剤について「現状の規定の範囲で」というのは、要するに国内の規格に合うというか、そういうものを指しているわけですよね。これは後で説明があるのかも分からないのですが、別添3のほうに国外の添加物の一覧が載っています。これを見てみると、国内の規格に合っているのかどうかがパッと見て分からないのですが、これと同じように、例えば米国のミルクをそのまま日本に持ってきたとしたら入らないものが入っているのではないですか。要するに、日本のものを作るという意味です。

○藤原参考人 私どもの立場で申し上げますと、日本国内で認められた添加物の使用基準があれば、それに合致したものと考えております。

○杉本委員 それ以外のものは入らないものを作るということで当然、そうですよね。

○若林部会長 よろしいですか、そのほかに何かございますか。よろしいですか、せっかく、お二人が来てくださっていますので何か御質問があればと思います。

 それでは、いろいろ御意見を頂きましたが、今後の方向性の議論に移りたいと思います。まず、今後の方向性について事務局から説明をいただけますでしょうか。

○事務局 資料2-1の2ページの3.規格基準の方向性を御覧ください。事業者が調製粉乳の代替品として使用できる製品の開発を目指している状況を踏まえれば、栄養成分関係の添加物など、調製粉乳に使用が認められている添加物については、調製液状乳にも使用できることが必要と考えられます。それらを整理すると、下の表のとおりとなります。

 すなわち、グルコン酸亜鉛、グルコン酸第一鉄、グルコン酸銅、硫酸亜鉛、硫酸銅については、使用基準における母乳代替食品に調製液状乳を含めることを検討するという方向性があります。また、亜セレン酸ナトリウム、ビオチンについては、使用基準において調製液状乳を用途に加えることを検討するという方向性があります。規格基準等の改正に当たり、その妥当性を確認するために必要な検討データ・情報としては、安全性に係る情報(摂取量の情報を含む)等が挙げられます。

 4.今後の予定・進め方です。今後、規格基準の検討に必要なデータや情報を添えた要請書が事業者団体より提出され次第、提出されたデータ等に基づき規格基準()を作成し、食品安全委員会への食品健康影響評価の諮問を速やかに行うなど、規格基準改正等に向けた検討作業・手続を進めることを考えています。方向性や今後の予定等について、事務局より説明は以上です。

○若林部会長 今、事務局から、今後の方向性についての説明がありましたが、方向性についてはいかがでしょうか。

○佐藤委員 先ほどお話もあったと思うのですが、安定性というのは当然、見ていただくものだと思うのですが、妥当性を確認するために必要な検討データとして、食品を1年など置いた後に、栄養素がそのまま入っているかどうかという分析とか、そういった結果も出していただけるといいのかなと思います。

○藤原参考人 調製粉乳でも一緒なのですが、ある一定期間を経た上で、要求される栄養素の量が入っているかどうかというのは、必ず確認すると思いますので、御報告させていただきたいと思います。

○若林部会長 そのほかに今後の方向性についての御意見、御質問はございませんでしょうか。

○原委員 先ほどの別添2ですが、亜セレン酸ナトリウムとビオチンに関しては、ここで触れている「母乳代替食品」という言葉と、ほかの母乳代替食品というのは、違う意味で使っているということで使用基準を、記載の方法として2種類の方向性があるのでしょうか。

○事務局 先生が御指摘の別添2の亜セレン酸ナトリウムとビオチンの使用基準ですが、母乳代替食品の後に括弧書きがございます。括弧書きの中にある「厚生労働大臣の承認を受けたもの」というのは、調製粉乳のことを指しております。この括弧書きにより、ビオチンと亜セレン酸ナトリウムにおける母乳代替食品からは、調製粉乳は除かれており、ほかのグルコン酸亜鉛等の添加物等は扱いが違っているということになっております。このために、使用基準や方向性に差が出ているというものです。

○若林部会長 それでは一とおり御意見が出ましたので、本件については、資料2-1の3.、4.の方向性を共通の認識としながら、データを添えた要請書が提出された後、具体的な規格基準()について、本部会で審議することとしたいと思いますが、その方向性でよろしいでしょうか。

 それでは、そのような方向で進めさせていただきます。以上をもちまして、報告事項の<1>を終了します。日本乳業協会の藤原さん、坂口さん、どうもありがとうございました。御退席ください。

 引き続き、議題1の審議事項に入ります。第9版食品添加物公定書について審議を行います。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 食品添加物公定書の改正に伴う「食品、添加物等の規格基準」の改正()について、御説明いたします。資料1-1から資料1-4を用いて説明いたしますが、主に資料1-2、その別紙と資料1-3に基づいて御説明いたします。資料1-2、資料1-3を御用意ください。

 まず、資料1-2です。1.経緯です。食品添加物公定書については、現在第9版の作成に向け、「食品、添加物等の規格基準」の改正手続を進めているところです。本改正()については、昨年8月に行われた添加物部会において御審議いただき、了承されました。その内容について、昨年12月1日から30日の期間で意見を募集したところ、36(意見数としては69)の意見が寄せられています。この中で、告示の改正()の修正が必要と考えられる意見がありましたので、こちらの意見内容を踏まえ、改正()の修正を行うことについて、本部会で御審議をお願いするものです。

 2.改正内容についてです。昨年8月の部会で審議を行った公定書()の改正箇所について寄せられた意見のうち、3ページの別紙の意見の()から()を踏まえて、これから説明する5品目について、改正()の修正を行うこととしています。

 まず、別紙()ウェランガムです。こちらに寄せられた意見は、灰分規格について、公定書()10.0%を上回るものが流通している。また、ほかのジェランガムなどの発酵多糖類の灰分規格が16.0%以下とされているのに対し、ウェランガムの灰分規格の10.0%以下は突出した値となる。これらのことから、ウェランガムの灰分規格について、10.0%以下から16.0%以下への変更を要望するというものです。

 こちらを踏まえて、資料1-2の2.の()にあるように、灰分について、流通しているものの実測値等を踏まえて、「10.0%以下(乾燥物換算)」を「16.0%以下(乾燥物換算)」に修正いたします。こちらの内容を修正した案が資料1-3の2ページです。中程にあるように、取消線で修正している箇所が、具体的な箇所となります。

 引き続いて、()ラクトフェリン濃縮物です。こちらには大きく分けて3種類の意見が来ていて、pHに関するもの、純度試験のヒ素に関するもの、定量用試薬であるラクトフェリン、定量用の試薬に対するものです。

 まず、別紙の()<1>を御覧ください。ラクトフェリン濃縮物を水で溶解し、pHを測定したところ、公定書()である5.2から7.2よりも低い値となった。水及び0.2mol/Lの塩化カリウム溶液でラクトフェリン濃縮物を溶解し、pHを測定した結果は、水で溶解した場合が5.15.2で、0.2mol/Lの塩化カリウム溶液で溶解した場合は5.8となった。したがって、pHの測定に関して、水の代わりに0.2mol/Lの塩化カリウム溶液を使用し、溶解する方法を提案するというものです。

 こちらを踏まえて、資料1-2の2.の()<1>にあるように、pHの試験において、検液の調製に用いる試液について、流通しているものの実測値を踏まえ、「水50mL」を「0.2mol/L塩化カリウム試液50mL」に修正いたします。具体的には、資料1-3の3ページ目の中程に下線で記載しているとおりです。また、こちらの塩化カリウム試液0.2mol/Lというものですが、現状には無い試液になることから、資料1-3の4ページですが、塩化カリウム試液(0.2mol/L)という試液を新たに規定しています。

 別紙の()<2>の意見です。こちらは純度試験のヒ素について、検液を第2法で調製したところ、試験操作において多量の泡が発生し、試験が困難であるということから、第3法への変更を要望するというものです。こちらを踏まえて、資料1-2の2.の()<2>に記載しているように、現状では第2法としているものについて、第3法へ修正するとしています。具体的には、資料1-3の3ページの純度試験()ヒ素の項目にあるように、「第2法」を「第3法」と改めています。

 別紙にお戻りください。()<3>です。こちらは定量用の試薬に対する意見で、更にこの中で大きく分けて4点に分かれています。まず1点目ですが、「牛乳から得られた」とされている所を「牛の乳から得られた」とする変更を要望するというものです。2点目は、純度試験において得られるラクトフェリンの含量というものは、たんぱく質中のラクトフェリンの含量であると。濃縮物の試験において、乳糖や塩類を多く含むことから、たんぱく質含量の低い試薬を用いて濃縮物の定量を行った場合に、実際よりも高い値となるおそれがあり、比吸光度等のたんぱく質含量が一定レベル以上であることを担保するための規格を設けることを要望するというものです。3点目は、試薬としての保存性の観点から、乾燥減量としての規格を設けるものを要望するというものです。4点目は、純度試験に用いるカラムについて、ラクトフェリン濃縮物同様のカラムとしてほしいというものです。以上を踏まえて、資料1-2の2.の()<3>にあるように、「ラクトフェリン、定量用」について、「牛乳」を「牛の乳」に修正し、定量用試薬の品質を確保するため、新たに比吸光度、純度試験の「鉄」及び「乾燥減量」の規格を設定し、純度試験の類縁物質の操作条件について、実態を踏まえてラクトフェリン濃縮物の定量法の操作条件に修正するというものです。具体的には、資料1-3の4ページから5ページにかけてあるような記載の修正をしています。

 引き続いて、別紙の()エンジュ抽出物です。寄せられた御意見は、化学名において3水和物を表わすtrihydrateが削除されたが、構造式においては3HOが残っているので、削除することを提案する。併せて、分子式及び分子量の修正が必要であるというものです。本意見を踏まえて、資料1-2の2ページ目の()にあるように、化学名等について、流通実態を踏まえて「ルチン無水物」を「ルチン3水和物」とする修正等を行うとしています。具体的には、資料1-3の6ページの中程に記載しているように、CASナンバー等を変更しているというものです。

 引き続き別紙の()粗製海水塩化マグネシウムです。寄せられた御意見は、定量法の式の係数が3.803となっているが、計算すると3.808になったというものです。こちらの意見を踏まえて、資料1-2の2.の()にあるように、係数の「3.803」を「3.808」に修正するとしています。具体的には、資料1-3の11ページを御覧ください。こちらの定量法中の式の中にあるような形で修正しています。

 最後です。()α-グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビアです。寄せられた御意見は、定量法の吸着樹脂について、第8版においては「アクリル酸エステル系吸着用樹脂」及び「スチレン-ジビニルベンゼン系吸着用樹脂」の記載があったが、第9版においては前者のみの記載となっている。後者を除外する理由はなく、また使用実態もあることから、スチレン-ジビニルベンゼン系吸着用樹脂の記載を要望するというものです。こちらの意見を踏まえて、資料1-2の2ページの()にあるように、定量法で用いる樹脂について、使用実態を踏まえてスチレン-ジビニルベンゼン系吸着用樹脂の削除を行わないこととするとしています。具体的には、資料1-3の13ページの()にあるような形に修正を行うこととしていたものを、修正を行わないこととする対応を取る予定です。以上が改正内容に関する御説明です。

 別紙を御覧ください。4ページの「その他の意見」に記載をしていますが、そのほかの意見についても、2点を紹介させていただきます。

 まず、メントールの規格については、規格の改正を行わないでほしいという旨の意見を頂いております。こちらについては、本改正が安全性上の懸念がないこと、国際整合性の観点から行う改正であること及び規格改正によって流通実態に影響を与えるものではないことといったようなところから、規格改正を行うこととしています。

 また、 -ラムノースのカラム充塡剤についても意見が寄せられております。同等以上の精度で試験ができる他の充塡剤についても記載してほしいというものでしたが、告示中の通則中に「規定の方法に代わる方法で、それが規定の方法以上の精度のある場合は、その方法を用いることができる。」とされていることから、こちらを読み込むことで流通実態上の懸念はないと考えられることから、対応は行わないとしています。

 以上を踏まえて、資料1-2の3.今後の予定を御覧ください。告示の改正については、今後、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会における審議等を行う予定としています。なお、意見募集の結果で、本日御紹介できなかった意見等もありますので、そのほかの意見も含めた意見募集の結果については、告示の改正と同時期に公示する予定としています。また、今回御審議いただく内容については、今後、食品安全委員会に意見を求めることとしておりますので、その経緯等については、資料1-4が、昨年8月と今年の3月に部会で審議いただいた際の報告書ですが、これまでの経緯の項に追記をお願いしたいと考えています。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。

○若林部会長 5品目の改正()について説明を頂きましたが、この5品目について、それぞれ1つずつ皆さんから御意見を頂こうと思います。まず、全体を通して、追加又はコメント等があればお願いいたします。よろしいですか。

 では、1つずつ御意見を頂きたいと思います。ウェランガムに関してです。灰分「10.0%以下」を「16.0%以下」に修正するということですが、これについてはいかがでしょうか。

○佐藤委員 ウェランガムというのは既存添加物で、既に流通している実態があるものなので、実際に流通しているものに灰分10%以上のものがあるというパブリックコメントの御意見です。現在流通しているものが流通できなくなるということは困るので、実態に合わせて上限を上げることは妥当であると考えます。

 また、ここにも書かれていますように、他の同様の発酵多糖類は灰分規格が16%以下と規定されていることを考え、その灰分含量というのは妥当なものということで、他のものに合わせて、16%という値を今回設定することとしました。

○若林部会長 この件に関して、よろしいでしょうか。特に問題点はないですか。流通実態に合わせて改正を行うということです。

 それでは次は、ラクトフェリン濃縮物です。これについては3点ポイントアウトされています。1つはpHの問題です。水50mL0.2mol/Lの塩化カリウム試液50mLに修正して、pHを測るほうが妥当ではないかという御意見です。これについてはいかがでしょうか。

○原委員 この内容についてはいいのですが、資料1-3の4ページの「試薬・試液等」の所で、「1,000mLとする」の後に「pHが5.27.2であることを確認する」という文章は要るのでしょうか。

○佐藤委員 それは後で説明いたします。

○原委員 分かりました。

○若林部会長 では、今、御説明を頂けますか。

○佐藤委員 まず、<1>のラクトフェリン濃縮物のpHに関してですが、資料1-3の3ページを見ていただくと、水溶液でpHが5.27.2という規格になっています。これに対して複数の方から、pHが5.2より下回るという御意見を頂きました。意見としては、pHを現状に合わせて5.2より下に設定していただきたいというものと、塩化カリウム溶液にしてほしいという、2種類になっています。パブリックコメントに記載されていたラクトフェリン濃縮物の会社名はすべて同じで、その海外の会社では、透析濾過により低分子の塩類を除去しているために水では正しくpHが測定できないので、0.2mol/L塩化カリウム溶液で測定しているというご意見があり、超純水では正しくpHが測れないということはこれまでに別の品目でもあった話なので、今回御提案のあった0.2molの水酸化カリウム試液で測定するという設定にすることとしました。

 ここで、先ほど原委員から御意見のあった、塩化カリウムですが、JISのK8121に規格が設定されており、特級の場合はpHが5.08.0という規格になっています。通常市販されているものについては、pH5.86.0ぐらいだと思うのですが、仮にpH8.0の塩化カリウムを使って、検液を調製すると、pH7.2の試料では、pH7.2を超える可能性や、本当は規格に入らないようなものでも規格に入ってしまう可能性も考えられます。そこで、念のため、塩化カリウム試液が5.2から7.2であることを確認してから使用してくださいということを注意書きとして入れております。

○原委員 やったことがなかったのですが、塩化カリウムというのは、ものによって溶かすとそんなにpHがずれるのですね。

○佐藤委員 製品によって違うようです。JISの中で8まで規定しているということで、今回改めて認識しました。

○原委員 分かりました。普通のものを測って、そこまでpHが変わると思っていなかったので、ありがとうございます。

○若林部会長 それ以外にいかがでしょうか。

○笹本委員 その塩化カリウムなのですが、本来塩化カリウムですとおそらく中性になるはずなので、何か他のものが含まれているということなのでしょうか。そうではなくて。

○佐藤委員 微量に何か他の成分が入っているのか分からないのですが、試薬としてはJISの特級を使って試験をするということになっておりまして、そのJISの特級に相当するもので実際にpHを測ると、やはり5.幾つとかなので、それが実態だと思います。

○若林部会長 それ以外はよろしいでしょうか。ということで、pHが5.2から7.2であることを確認した上で使用するということの説明が、佐藤委員からされたということです。よろしいでしょうか。

 それでは、<2>の第2法から第3法に修正するということです。これは特に問題はないと思いますが、いかがでしょうか。追加説明はありますか。

○佐藤委員 追加させていただきます。分厚い資料を御覧ください。ヒ素試験というのが食品添加物公定書に規定されておりまして、99ページを御覧ください。第2法というのが、99ページの検液の調製方法の第2法ということを指しています。第2法では、試料を水と硫酸に溶かして、水浴上で加熱するといった方法で検液を調製するのですが、第3法は、硝酸マグネシウムを加えた後に灰化して、それを検液として分析するという方法になっています。有機物の場合ですと、第2法では途中で操作できなくなる場合もあるため、第3法などが設定されているので、こちらを使うのが妥当なのだろうと思います。最初に公定書に規格を設定した際に、第2法を要望された経緯は定かではないのですが、パブリックコメントでこういった御意見が出たところから、今回は第3法へ変更させていただきたいと思います。

○若林部会長 いかがでしょうか、よろしいでしょうか。特に問題点はないですか。

 それでは次に進みます。ラクトフェリン定量用について、「牛乳」を「牛の乳」に修正する等の説明がありましたが、この<3>の3つ目のポツの所はいかがでしょうか。

○佐藤委員 まず、「本品は牛乳から得られた」を「牛の乳から得られた」に変更する点ですが、牛乳というのは、先ほどもお話がありました乳等省令で定義があります。「牛乳」と言ってしまうと人が飲むものということに限定されてしまうとか、飲める状態のものという限定もあると思うので、今回は「牛の乳から得られた」とすることで問題ないと思います。

 次に、定量用ラクトフェリンの含量についてです。こちらに書いてあるとおりで、当初、ラクトフェリン定量用については、試験法とあまりリンクしない形で、こちらで規格案を作成しました。パブリックコメントの御指摘があったことから、今回の比吸光度と純度試験を設定することにしました。もともとラクトフェリンという試薬については、メーカーでは、鉄の値とか、比吸光度というのは、内部データとしては持っていたのですが、試薬の規格として出すのに、そこまで公定法に設定する必要はないだろうというようなことで、最初は御提案いただいていなかったのですが、ラクトフェリン濃縮物を定量するためには、この規格が必要ということで、新たに設定しています。

 次に、保存された乾燥減量です。確かに、こちらも御指摘のとおりですので、ラクトフェリン濃縮物と同じ乾燥減量を設定しました。

 最後に、純度試験に用いるカラムについても、分析条件が違うと製品によっては異なる結果が出てしまう可能性もあるということで、今回はラクトフェリン濃縮物の定量法と同じ試験法によって得られた純度というものを表示していただくことにしました。

○若林部会長 ラクトフェリンの定量用についての修正が4点提案されていますが、この点についてはいかがでしょうか。よろしいですか。特に問題点はないですか。それではラクトフェリンは終了いたします。

 次に、エンジュ抽出物に移ります。これは流通実態を踏まえて、「ルチン無水物」を「ルチン3水和物」に修正したほうがいいのではないかということです。こちらについてはいかがでしょうか。

○杉本委員 これは説明に書かれているように、実態に合わせて、ルチンの無水物を指すようになっていたものなのですが、実際に流通しているものはルチン3水和物ということで、構造式も3水和物で、それとCASの示すものについても3水和物に変えたということです。それと同時に分子量が、もともと3水和物になっていたので、それと一致させたということになります。

○若林部会長 杉本委員から御説明がありましたが、よろしいでしょうか。特に御意見がないということですので、次に移ります。

 次は、粗製海水塩化マグネシウムの定量法の算出式に関する係数が、「3.803」から「3.808」に修正を行ったということです。この点についてはいかがでしょうか。

○杉本委員 これは計算し直してみたところ、恐らく3.803になっていたものが、正しくは3.808です。おそらく3と8の誤植だと思うのですが、元の3.808に戻したということです。

○若林部会長 よろしいでしょうか。

 次は5つ目で、α-グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビアについてです。定量法で用いる樹脂について、使用実態を踏まえ、スチレン-ジビニルベンゼン系吸着用樹脂の削除は行わないことにしたほうがいいのではないかということです。この点についてはいかがでしょうか。

○佐藤委員 こちらも御指摘のとおりというか、もともと2つの樹脂を使ってもいいというような記載になっていましたが、9版を作成する段階で、試験法が2つあるのはいけないのではないかということで、後ろのスチレン-ジビニルベンゼン系吸着用樹脂を削除したのだと思うのですが、8版で両方使っている方がいらっしゃるということで、これまでどちらを用いても結果に影響がないということを踏まえて、元に戻すということにしました。

○若林部会長 よろしいでしょうか。特に御意見がないということですね。これで、5品目についての御意見を伺いました。これで一とおり御審議いただいたということで、この食品、添加物等の規格基準の改正については、事務局からの提案のとおりに認めるということでよろしいでしょうか。

 それでは、御異議がないということで、部会報告書を取りまとめて、分科会へ報告する手続きを取りたいと思います。事務局から、そのほかに何かございますか。

○事務局 今後の手続の過程で、先ほど申し上げた経緯の追加のほか、細かい文言の変更等の軽微な修正が必要となった場合、修正内容を部会長に御確認いただき、特に問題がなければ手続を進めてもよろしいでしょうか。

○若林部会長 事務局からの提案ですが、そのとおりに進めさせていただいてよろしいでしょうか。

 それで結構ですということです。

○事務局 食品添加物の規格基準の改正については、既存添加物89品目について新たに成分規格を設定することから、分科会では審議事項として進めさせていただいてもよろしいでしょうか。

○若林部会長 分科会では審議事項になるということです。よろしいですね。

 今後のスケジュールはどのようになるでしょうか。

○事務局 今回の審議結果について、食品衛生分科会での審議のほか、所定の手続を開始したいと思っています。

○若林部会長 それでは適切に手続を進めていただければと思います。

 本日の審議事項と報告事項は終了しましたが、そのほかに何か事務局から追加事項はありますか。

○事務局 ございません。

○若林部会長 委員の先生方から、追加発言はございますか。よろしいでしょうか。特にないようですので、次回の予定等について、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 次回の添加物部会については、今後、日程調整をさせていただきます。日時、場所、議題などについて、改めて御連絡させていただきます。

○若林部会長 よろしくお願いいたします。

 以上をもちまして、本日の添加物部会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課

添加物係: 03-5253-1111(内線 2453,2459)

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