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2017年2月8日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第79回議事録

○日時

平成29年2月8日(水)12:01~12:22


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

印南一路部会長 西村万里子委員 荒井耕委員
幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員
中川俊男委員 万代恭嗣委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
十河功二専門委員 昌子久仁子専門委員 田村誠専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○平成30年度保険医療材料制度の見直しに係る今後の進め方(案)について

○議事

○印南部会長

 ただいまより、第79回「保険医療材料専門部会」を開催いたします。

 まず、委員の出欠状況について御報告します。

 本日は、松原由美委員、榊原委員が御欠席です。

 議事に入りたいと思います。

 本日は、平成30年度保険医療材料制度の見直しに係る今後の進め方(案)について御議論いただきたいと思います。

 事務局より資料が提出されておりますので、まず、説明をお願いします。

 どうぞ。

○眞鍋医療課企画官

 時間もございますので、ポイントを絞って御説明させていただきたいと思います。

 資料材-1をごらんください。

 平成30年度の材料価格の見直しに係る今後の進め方でございます。

 1ポツに28年度改定と基本方針に係る記述がございますけれども、(1)28年度の材料の見直しにつきまして、1つ目の○の1、2、3をやったということでございます。1つ目がイノベーションの評価の推進ということで、医療ニーズの高い医療機器に係る機能区分の特例などの見直しを行っております。適正化につきましては、これは薬価と同様でございますけれども、市場価格に基づく再算定を行い、なおかつ、外国平均価の是正といったことも行ってございます。3は、30年度に向けて引き続き検討するとされた事項が3つほど整理されてお示ししてございます。

 (2)「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」を踏まえた対応でございますけれども、1つ目の○は昨年1220日にお示しいただきました基本方針でございます。幸野委員からも御指摘がございまして、次の○でございますけれども、基本方針では薬価に係ることが示されておりますが、今後の保険医療材料制度の見直しの中でも本方針の考え方を踏まえながら必要な対応を進めたいと考えております。

 次のページをおめくりいただきまして、「2.対応の考え方(案)」につきまして、1つ目の○は、先ほど申し上げた「1.背景」を踏まえまして、まず、宿題となっておりますものは引き続き検討させていただきたいと言っております。2つ目の○でございますけれども、基本方針の中を抽出いたしますと、次のような考え方に基づきまして必要な検討を進めていく。その際には、保険医療材料のさまざまな特性を、これは参考1に取りまとめておりますが、踏まえながら検討を進めていきたいとお示ししてございます。

 (1)薬価制度改革と同様に検討すべき事項といたしまして、1、2、3とございまして、1が価格算定方式の正確性・透明性の確保でございます。それから、外国価格調整の方法の改善、価格調査の調査結果の正確性の確保ということでございますけれども、「考え方」に記載がございますとおり、これは算定に係る検討のプロセス、外国価格調整、正確性等につきましては、薬価制度と同様の制度設計や考え方がありますので、これらの項目につきましては、薬価制度と同様に必要な検討を行うこととしてはどうかと考えているものでございます。

 (2)保険医療材料の特性を踏まえた対応を検討すべきと整理させていただいている事項でございまして、4行で総括的な説明をさせていただいています。薬価は、銘柄別の価格設定で製品ごとに価格が設定されている。特定保険医療材料につきましては、同様の機能を有する類似製品群を同一の「機能区分」としていること、そして、その機能区分ごとに同一の償還価格とする、そういう機能区分別の価格設定となってございます。このような価格設定方式の本質的な相違がございますので、以下のような対応を検討してはどうかということでございます。

 1が効能追加等に伴う一定規模以上の市場拡大への対応でございます。「考え方」の1つ目のポツに関しましては、保険医療材料の多くは追加される目的に応じて細かな改変、改良等が必要となっているということでございます。そういうことも踏まえますと、1つの製品につきまして、異なる疾患や異なる部位に対する効能追加等は基本的には想定されないということ、そういう効能追加があったとしても、保険医療材料制度における薬事承認上の効能追加が行われた場合であって、使用実態や適応症が大幅に変更された場合は、通常はそもそも当該機能区分自体に設定された定義に該当するかどうかということを検討し、必要に応じて新しい機能区分を設定するということを、既にこういう仕組みが制度化されております。このようなことを踏まえて、本項目への対応についてどう考えるかとお示しをしております。

 3ページであります。こちらは全品を対象とした毎年価格調査及びその結果に基づく価格改定でございますけれども、材料につきましては、少量多品種ということ、また、使用実態も医薬品と大きく異なるということでございまして、調査に長期間を要してございます。実態としては、5カ月という調査期間を設けておりまして、そのため、価格交渉期間も含めた現場実務を考慮することが必要ではないかということでございます。次のポツは、市場規模に関しても約1兆円程度と医薬品に比べて小さい一方で、卸の仕組みを含め、流通形態が大分異なるということでございまして、事務負担についても配慮が必要と考えております。このようなことを踏まえ、本項目について保険医療材料制度でどう考えるかという項目とさせていただいております。

 現状は以下のとおりとなっておりますが、調査対象が機能区分自体は重複を含めまして1,200機能区分、約20万製品。調査期間は先ほど申し上げた5カ月、市場規模は1兆円でございます。

 3がイノベーションの評価でございます。1つ目のポツに関しましては、今、ベンチャー懇におきましても、革新的医療機器の評価については必要と言われているところ、1つ目のポツは、保険医療材料に関しましては、イノベーションのなされ方が違うということが書いておりまして、長期に体内埋植を行ったり、医者の技術を必要とするものがありまして、医薬品とは異なるイノベーションの起こってくる機序がございます。そういうことから、本項目につきましては、薬価とは別の観点から、保険医療材料制度として独自の対応を行うということで検討を進めてはどうかとしております。

 以上が基本方針への対応でございますが、これらを取りまとめまして、検討項目をリスト化しております。3ポツでございますが、まず、1つ目の○で、こういった考え方を踏まえまして、次のように検討項目を整理させていただいてはどうかということでございます。

 3ページの一番下でありますが、まず、これは特性に照らしたイノベーションの評価ということで、(1)-1は使用実績を踏まえた評価が必要な製品に対する対応でございます。こちらは、長期に体内に埋植をして初めて長期の成績がわかるものがございます。ですから、薬事承認を得るまでの評価では、最終的に、よさとか、イノベーションの評価を検証するのが困難な場合がございます。このような保険医療材料の特性について評価方法を検討したいというものでございます。2、3に関しましては、既存の制度はありますが、先駆け審査制度、ニーズ選定された品目でございますが、このように社会的要請が高いあるいはイノベーションの評価が高いものに関しての評価につきましては、引き続き検討することとしてはどうかというものでございます。

 中段以降、(1)-2実績に基づく検証が必要な枠組みに係る検討でございまして、1、迅速な保険導入に係る評価のあり方に関する検討でございまして、24年改定でデバイスラグの解消を目的といたしまして、迅速な保険導入をされた場合には加算が設けられておるところでございますけれども、この実績を踏まえて検討してはどうか。機能区分の特例のあり方に関する検討につきましても、26年改定におきまして幾つか同時にされまして、28年度でも幾つかの品目を加えたところでございますけれども、実績について検証し、対応を検討してはどうかということでございます。

 4ページの下の(2)費用対効果評価の導入は、先ほどの費用対効果評価専門部会でも御議論がありましたけれども、28年度より試行的に導入している費用対効果評価を制度化するという御提案をさせていただきましたが、それの価格反映のあり方について検討するというものでございます。

 最後のページでございます。

 外国価格調整等の見直しでありますけれども、1で現行のルールをお示ししております。まず、1つ目のポツでございますが、新規収載品プラス既収載品におきましても再算定を行って、そこにも外国価格調整を活用しております。具体的には、まず、新規収載品の場合は、1.3倍以上の場合は1.3倍の価格として算定しております。一部の例外はございます。外国平均価格の0.5倍以下となる場合は、1倍を上限に原価計算方式で算定できるとしているところでございます。参照国が、アメリカ、連合王国、ドイツ、フランス、オーストラリアでございまして、ここは薬価と違いましてオーストラリアが加わっているところでございます。新規収載品だけではなく、既収載品の再算定におきましても外国価格調整を行っているというところにつきまして、そういう相違点も踏まえた上で、適正化について検討してはどうかとお示ししております。

 4でございますが、価格算定に係る手続の適正化であります。これも薬価と並びだと思っておりますけれども、保険医療材料等専門組織における議論の透明化につきまして検討することとしてはどうか。

 今後の進め方でございますが、こうした検討項目に基づく議論を行いまして、30年度の改定に向けまして、本年末までに見直しの内容の取りまとめを行ってはどうかというものでございます。

 医薬品と医療機器の特性を比べたものが参考1でございます。全ては御説明申し上げませんけれども、イノベーションの方向性といたしまして、医薬品は新規の作用機序が発見されますと非常に大きな市場が拡大されるということですが、医療機器は臨床現場の使用経験に基づいた改良・改善などが中心で、小さなイノベーションが中心ですので、改良加算という医薬品にはない加算も設けられているところでございます。その下の表は、算定ルールの比較表であります。一番大きなポイントは、薬価は銘柄物質であるのに対し、特定保険医療材料は機能区分別の方式であるところかと思っております。設定されている加算も大分異なっているところでございます。

 参考2でございますけれども、これは流通の特徴でございますが、スライド番号2では、まず、医療機器はたくさんありますということなのですが、こちらの部会で御議論いただいておりますのは、その表の中の2、特定保険医療材料でございまして、その中には、これは預託在庫ですとか、短期貸し出し、立ち会い、保守・メンテナンスといったことがサービスとして求められるという、大分医薬品とは違った流通の実態があるということ。3ページ目でありますけれども、こちらは病院での窓口ですが、薬剤購買部のような形ではなくて、極端な例を申し上げますと、診療科ごとに納品するような慣行が残っているということであります。

 4ページ目、5ページ目は、小規模な卸さんが多いということをお示ししてございます。

 また、6ページ目は、扱っている卸さんごとに扱っている診療科についても専門性が見られる。つまり、整形外科系の商品が中心のもの、循環器系のものが中心の卸さんということがあります。

 7ページは、先ほど申し上げた調査期間が5カ月という理由でございますが、医薬品のように複数回消費されて、1カ月ごとの調査でも十分な量、代表される量が確保されるような流通量があるものに比べて、医療機器の場合は、お1人について1回という使用実態が多うございますので、長く5カ月という期間をとらないとそれぞれ代表性のある数が集まらないということでございます。

 8ページ目は、材料価格の改定のスケジュールでありますけれども、先ほど申し上げたように5カ月を調査対象期間としておりますので、毎年の改定となった場合には、価格交渉期間と調査対象期間は重複することになることが想定されると、事実関係を申し述べているものでございます。

 残りのものは、前回の見直しの文章版とそれをパワーポイントに落としたものでございます。

 早口でございましたら恐縮でございますが、説明は以上でございます。

○印南部会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がありましたら、お願いします。

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 全体像をお示しいただいたということで、その方向性については賛成するものでございます。

 ただ、この2ページのところで、対応の考え方ということで案が示されていまして、大きく2つ分かれておりまして、(1)と(2)、(2)から先に申し上げますと、保険医療材料の特性を踏まえた対応を検討すべき事項につきましては、改めて参考資料も含めまして拝見いたしますと、現場感覚的には確かに保険医療材料と医薬品とは随分中身が違うのだなということは実感するところでございますので、ぜひここのところの特性を踏まえた検討は、それを横目に見ながらこの制度の見直しをしていくことが必要かとは感じております。

 1つ確認でございます。今、申し上げた2ページの(1)薬価制度と同様に検討すべき事項ということで丸が3つございまして、薬価制度と同時に検討していくということでございますが、それに対応するこの3ページの下の3ポツ以降のところには両括弧が4つございます。それぞれ2の外国価格調整の方法につきましては、一番最後の5ページの(3)に外国価格調整の見直しとございますが、1と3については、この3ポツ以降がどこに対応するかということを確認させていただきたいと思います。

○印南部会長

 お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 まず、価格算定方式の正確性・透明性の確保に関しましては、この資料を通じてそれを検討しなければならないと思っているところでございますけれども、具体ということであれば、まず、調査をきちんとやらせていただいて、ですから、価格調査の方法ですから、3ページの頭で、毎年の調査のあり方のところでどのように正確性を担保し、また、それから保険医療材料等専門組織で透明性を図るかというところで表現しているつもりでございました。

 以上でございます。

○印南部会長

 よろしいですか。

 どうぞ。

○万代委員

 2ページの大きな2ポツと、3ページの下の部分の3ポツが対応するかとは思っておりましたが、ついては、特に5ページの(4)価格算定に係る手続の適正化というところに正確性・透明性の確保というところも含まれているのかなと考えながら拝聴しておりましたが、ここでは具体的には「薬価制度と同様に保険医療材料等専門組織の運営の透明化等について検討することとしてはどうか」と書いてございまして、これは文言としては了解いたしますけれども、実際、具体的に透明化といったときに、薬価算定組織においても一定程度公開しにくい情報があるという議論があったと理解しておりますので、保険医療材料等専門組織においては、そこら辺のレベル、薬価算定組織におけるものと同様の考え方については、どんなふうに透明化と関係しているかということについてお伺いしたいと思います。

○印南部会長

 企画官、どうぞ。

○眞鍋医療課企画官

 こちらの保険医療材料等専門組織におきましても、薬価組織と同じように、企業の秘密というか、企業の情報を扱ってございます。その点に関しましては共通の機密情報というか、公開できない情報を扱ってございます。それと、透明化を求められているバランスにつきましては、恐らく薬価と同じような観点で議論させていただいて、そこは整合性がとれたものにしなければならないと思っております。

○印南部会長

 万代委員、どうぞ。

○万代委員

 了解いたしました。

 ただ、一言申し上げると、原価計算方式については、薬価についても同様の議論があったと思いますが、薬とこの医療材料は原価に対する考え方が大分違うのかなというのが率直な印象でございまして、そういった基本認識に立った上で今後の議論を進めていきたいと、そんなふうに思っております。

 以上でございます。

○印南部会長

 ほかに御意見等はございませんでしょうか。

 幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 前回、薬価と平仄を合わせるべきだという意見を申し上げまして、このような資料を提示していただきました。医薬品と特定保険医療材料は流通の状況や制度の仕組みが全く異なっているという点についてはよく理解いたしました。

 しかし、医薬品の価格の見直しにおける背景については、高額な医薬品が保険財政に影響を与えるということから始まった議論でございますので、特定保険医療材料の実態が医薬品とは異なっていることについては理解しておりますが、やはり平仄は合わせるべきであり、保険財政に影響を与えるものが出てきた際に、対応可能なルールはつくっておくべきだと思います。

 その上で、2ページ目にあります効能追加等に伴う一定規模以上の市場拡大への対応というところについては、医薬品の場合は、効能追加等がなくても保険収載時の予想販売金額と一定規模以上の乖離があった場合には、価格の見直しが行われることとなりましたので、特定保険医療材料についても想定を超えて流通することは考えにくいという御発言もありましたが、一定規模以上売れた場合には価格を見直すというルールは作っておくべきではないかと思います。

 もう一点は、参考1の医薬品と材料を比較した表の中で、高額区分数において、50億円以上が約30機能区分あると示されております。少数ではございますが、このような高額な機能区分があるのであれば、これらについては、毎年、価格調査を行ってもよろしいのではないかと思いますので、意見として申し上げます。

 以上です。

○印南部会長

 企画官、どうぞ。

○眞鍋医療課企画官

 まず、2点目のことに関しましては、御意見として受けとめさせていただきたいと思います。

 1点目のことに関しまして、市場拡大再算定のような仕組みをというお話で、実はこれは前回改定でも同じような議論がございました。それを受けまして、前回改定時に、保険適用希望書の提出時に予想市場規模のようなものをきちんと今回は出していただくようにしております。その実態を踏まえてまた御議論いただくように、資料を準備したいと思っております。

 以上です。

○印南部会長

 ほかにございませんでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、本日の御議論を踏まえ、保険医療材料専門部会としては、平成30年度保険医療材料制度の見直しに係る今後の進め方(案)について了承し、これに沿って今後具体的な検討を進めてまいりたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。それでは、保険医療材料専門部会としては、本案について了承し、これに沿って今後具体的な検討を進めたいと存じます。

 本日の予定された議題は以上です。

 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。

 本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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