ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会))> 平成28年度第3回DPC評価分科会・議事録(2016年11月9日)




2016年11月9日 平成28年度第3回DPC評価分科会・議事録

○日時

平成28年11月9日
14:56~16:30


○場所

中央合同庁舎第5号館 講堂


○出席者

【委員】

小山分科会長、池田委員、石川委員、猪口委員、井原委員
緒方委員、金田委員、川上委員、川瀬委員、小林委員
舌間委員、福岡委員、伏見委員、藤森委員、美原委員
山本委員

【事務局】

医療課長、保険医療企画調査室長、企画官 他

○議題

1.ICD-10(2013年版)に係る対応について
2.DPC制度(DPC/PDPS)の概要とこれまでの主な見直し
3.今後の検討課題(平成28年2月10日答申書附帯意見)

○議事

 

○小山分科会長

 それでは、定刻より少し早いのですけれども、予定の委員が全員お集まりですので、第3回「診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を開催いたしたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

 委員の出席状況は、瀬戸委員、箕浦委員、渡辺委員が御欠席の予定であります。石川委員と山本委員は少し遅参して参加されるということですので、よろしくお願いいたします。

 現時点で定足数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立しますことを御報告いたします。

 続きまして、今回、厚生労働省におきまして異動がありましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。

○事務局

 事務局です。前回の分科会以降、異動がございましたので、紹介をさせていただきます。堤保険局医療課主査です。

 以上です。

○小山分科会長

 よろしくお願いいたします。

 続きまして、事務局より本日の資料の確認をよろしくお願いいたします。

○事務局

 それでは、本日の資料ですが、お手元、議事次第、座席表、委員一覧のほか、D-1、D-1(参考)、D-2-1、D-2-2、D-2-2(別紙)、D-2-3、D-2-3(参考1)、D-2-3(参考2)、D-3、D-3(参考)となっております。

 不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。

○小山分科会長

 各委員はよろしいでしょうか。

 それでは、議事に入らせていただきます。最初の議題は「ICD-102013年版)に係る対応について」を議題にしたいと思います。

 事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。資料D-1とD-1(参考)をごらんください。前回の9月12日の分科会におきまして、資料D-1の参考の資料で、ICD-102013年版)に係る対応について、こちらに御相談をさせていただきました。その際、委員から御意見をいただきまして、事務局のほうで再度、ICD-102013年版)の標準病名マスターの状況等を検討させていただきまして、本日改めて対応案について御相談するという内容になっております。

 D-1をごらんください。恐縮ですが3ページを開いていただけますでしょうか。D-1の3ページは参考という形で横長で表を示させていただいております。前回のお示しした案というのが、この横長の表の真ん中の段に書いてあります「前回の対応案」ということで、前回お示しした案では、平成2810月~平成29年3月までのデータについては、標準病名マスターを使いまして、DPC調査事務局で2013年版にコーディングし直したものを各病院に確認をいただき、平成29年4月以降は各病院で2013年版にコーディングをしていただくという案でございました。

 そちらの案に対しまして、病院が高額なシステム改修コストを負担することになるのではないかといったこと。また、平成29年4月から、それ以降のデータもDPC事務局でコーディングをし直したものを病院が確認することでできるのではないか。あるいはICD-102013年版に変わることで、影響のある病名だけを抽出するようなことについても検討してはどうかといったような御意見をいただきまして、こちらでDPC事務局のほうと、実際に平成29年4月以降のデータについてのコーディングをし直すという作業がスケジュールとして間に合うかどうかということについて検討をさせていただきました結果、D-1の資料の3ページの一番下の段にありますように「新たな対応案」としまして、平成2810月~平成29年3月と同じように、平成29年4月~平成30年3月までの分もDPC事務局で、2013年版にコーディングをし直して、その後、各病院に御確認をいただき、平成30年4月から各病院でコーディングをしていただくということを御提案したいと思っております。

 2ページ目をごらんください。「3.新たな対応案」として、そのようにしました場合に、2ページ目の括弧書きにありますように、これらのデータは診療報酬改定に使用するデータが平成29年9月までのデータとなります。そうしますと、特に後段の平成29年4月~9月までのデータをDPC事務局がコーディングをし直して、また、各病院が確認をするという作業につきましては一旦データ提出をいただいてからですので、平成291112月ごろということで、約1カ月の間にやっていただかないと診療報酬改定の作業に間に合わないということになりますので、その間に各病院には確認をしていただく必要があるということになります。

 ただ、こちらの確認作業は、既に各病院は半年前のデータをその前に一度確認していますので、2回目の作業となりますので、恐らく時間的に間に合って作業をしていただけるものと考えまして、こちらの対応案でお願いしたいと思っております。

 以上について御確認をお願いいたします。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 前回の会議の中で2013年版導入については、さまざまな御意見をいただきました。それを踏まえまして、1ページの「2.前回の議論」と書いてありますけれども、今、事務局から御説明がありましたとおり、これを踏まえまして、3ページ目にあるように、平成30年3月までは全て事務局で行うと。それの確認作業をしていただき、平成30年4月から2013年度版へ全部移行するということですけれども、これに対する御質問・御意見はいかがでしょうか。お願いします。

○池田委員

 前回も少し御説明いただいたかと思うのですが、各病院の負担はどの程度のものになるのでしょうか。つまり、何症例のうち大体何パーセントくらいを確認する必要がありそうでしょうか。

○事務局

 事務局です。2013年版になることによって、病名について変更があるのが約300くらいという研究班の結果がございます。その300が実際にMDCにどれくらい影響するかというのは、各病院がどの疾患の患者さんを多く診ているかで異なりますので一概には言えないのですが、病名の数のパーセンテージで言いますと約2%くらいということですので、その2%の患者さんばかりを診ている病院というのがもし余りないようでしたら、そんなに大きな作業量にならないのではないかと推察しますが、これは実際に1月にマスターが出てみないと正確な検証は難しいかと思っております。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。システム工業会の舌間さんのほうから何かコメントはありますか。

○舌間委員

 こちらも前回からいろいろベンダーとかで調べたりはしているのですけれども、2003から2013ICDが変わるというのが、ICD-10のこれが2003は一対一でこのコードに変わりますということでしたら、システム的にも比較的簡単にチェックや変更ができますので、大きな改修にはならないであろうと思うのですが、一対nといいますか、今までこのICDだった分が複数に、3桁が4桁に枝分かれするものがあるとか、そういったものは内部的にかなり改修量が発生すると思われます。

 あとは1つの標準病名マスターのコードに、例えば、淋菌性膀胱炎みたいな形でICD-10が2つ設定されているような場合は、マスター上はそうなっていますけれども、患者さんに適用するときにどちらのICD-10で入っているかというのがわからないということもありますので、そういう患者さんが多ければ、改修量は発生するのではないかと今は思っています。我々も1月に公開される標準病名マスターがどういう形で変わるのかに注目して対応しようとは考えています。

○小山分科会長

 現場には、それほど負担がかからないと考えているのですか。

○舌間委員

 こちらのデータをお出しして、事務局から返ってきた分が、先ほど事務局のほうからも言われたように、この2%に当たるようなものがその病院さんにどれくらいあるのかで、どれだけ洗いがえをしないといけないかというのは変わってくるのではないかと思います。そういう意味では全体の2%ですので、大きな見直しというか、見直しの範囲が大きくなるということは、まずそんなに考えられないのかなとは考えています。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 事務局、お願いします。

○事務局

 あと補足をさせていただきますと、DPC事務局でコーディングをし直した際に、特に一対多で病院さんに確認を特にお願いしたい部分と、一対一対応でほぼオートマティックに変わるという部分と少し分けて、特に見ていただきたい部分を見ていただけるように工夫をさせていただきたいと思います。

○小山分科会長

 大変御親切な話だと思いますけれども、ほかはいかがでしょうか。お願いします。

○川瀬委員

 この確認作業は6カ月分をまとめてやるということですか。それとも3カ月ごとに細かくする予定のスケジュールなのでしょうか。

○事務局

 御質問をありがとうございます。今、考えておりますのは、ことしの10月から来年3月までの半年分につきましては、その半年をまとめて確認をしていただいて、平成29年以降のデータについては、通常3カ月ごとにデータを提出していただいていますので、それと合わせて3カ月ごとに病名のほうも確認をしていただきたいと思っております。

○小山分科会長

 よろしいですか。ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。お願いします。

○藤森分科会長代理

 2003年版をしばらく使うのですけれども、これは医療機関によっては来年新しいマスターが出てきて、置きかえてしまって両方あるにしても、例えば、ちゃんと新しい病名があって、こちらではないかということで、特に副傷病名のほうに新しい2013年版のコード振り直しもあるかなとは思うのですけれども、これはどうなのでしょう。いわゆるコーディング、DPC6桁にかかわらない部分に関しては、それでも2013年でずっといけと言うのか、2013年でいいですよと言うのか、そこはどうですか。

○事務局

 一応、MDCの改定の議論でも使いますので、副傷病名もあわせて2013年版で振り直しをお願いしたいとは思っているのですが。

○藤森分科会長代理

 そうでなくて、そもそも病院がつくるデータそのものは2003年版でつくるということですね。30年度末までは支払も同様ですね。多分そういう通知を出しておかないと、恐らく気を利かせて2013年版を使ってくるところがあるだろうと思うのです。特に副傷病のところで新しい概念が入ってきているので、特にドクターがそれを選べば、自動的にそちらのICDが振られる可能性はあると思いますので。

○事務局

 請求に関しては2003年版で全てつけていただくということで、そこについては30年4月から変更するということです。

○藤森分科会長代理

DPCデータの本体はどうですか。いわゆる厚生労働省提出分のDPCデータのほうで、特に入院前の併存症あるいは入院後の続発症で新しい2013年のICDを振りたいという医療機関はあると思います。そこに関しては、それはいけませんと言うのか。

○事務局

 一応、請求にかかわる、DPCでお出しいただいているデータも請求と同じく平成29年度末まで2003年版で振っていただくこととなります。

○藤森分科会長代理

 それであれば、それは多分、一つ通知を出しておいていただかないと、2013年を使ってくるところがあると思います。

○事務局

 了解しました。

○小山分科会長

 今のお話はおわかりになったと思うのですけれども、あくまでも請求は平成29年度までは2003年度版を使用する。ただ、その裏でもって、2013年度版との整合性をとっていくと。30年4月から、いきなり2013年度版に全部移行するという理解でよろしいですね。

○事務局

 はい。そのとおりです。

○小山分科会長

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 ありがとうございました。では、この件についてはそのような方向でよろしくお願いいたします。

 続きまして、「DPC制度(DPC/PDPS)の概要とこれまでの主な見直し」についてを主な議題にいたしたいと思います。

 まず、事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局

 それでは、D-2-1等を使って説明させていただきます。恐縮ですがD-3参考、一番最後の1枚紙をごらんいただきたいのですが、前回の9月12日の分科会でこちらのD-3参考資料「今後の検討方針と主な検討課題について」ということで御確認をいただきまして、この資料のI.に「平成30年度改定に向けた検討方針とスケジュール」とありまして、この検討に当たっては、今後のDPC制度に関する基本的な考え方を整理した上で個別に検討するということで御確認、御了解をいただきましたので、本日D-2の枝番1、2、3と、この制度の基本的な考え方を改めて整理をさせていただきたいということで資料を準備させていただいております。

 それでは、資料D-2-1をごらんください。こちらは「DPC制度(DPC/PDPS)の概要と基本的な考え方」ということで、平成23年1月の中医協総会の資料としても既にお出ししているもので、あえて基本的な考え方としてまとめた資料ですので、そのまま提出をさせていただいておりますが、D-2-1別紙の資料につきましては、D-2-1の参考資料ということで、一部データ等について新しいデータがあるものは改変したもので御準備をさせていただいております。その両方を見ながら御説明させていただきます。

 まず、D-2-1の1ページ目です。そもそもDPC制度の概要ということで、この1ページ目の中ほどから下に点線で囲みがありますが、平成15年3月28日の閣議決定において、「急性期入院医療については、平成15年度より特定機能病院について包括評価を実施し、その影響を検証しつつ、出来高払いとの適切な組合せの下に、疾病の特性及び重症度を反映した包括評価の実施に向けて検討を進める」とあることから、平成15年に導入をされた包括評価制度でございます。

 細かくは平成10年から試行導入がされておりましたが、そのときに1日当たりの包括評価のほうが1入院当たりの包括評価と比較しても、在院日数がばらついていても包括範囲点数と実際に治療にかかった点数との差が小さいということで、1日単価を下げるインセンティブが存在することが示されて、それを踏まえて導入されたということで、別紙のほうの資料の別紙1、別紙2がそちらの参考資料になっております。

 別紙1と書いてあるものの2ページ目ですけれども、1日当たりの包括評価法とすることで、より単価を下げるインセンティブが働く。さらにこちらのDPC制度は在院日数を加味した形になっているということで、在院日数が短く、1日単価が高くても黒字になるという制度として導入をされてきております。その後、対象病院は段階的に拡大をされており、別紙3のほうが現状の病院数の一覧ということでございまして、合計で1,667病院ということになっております。

 D-2-1の2ページ目をごらんください。「(2)DPC包括評価の概要」ということですが、マル1「DPC(診断群分類)の導入」につきましては、入院期間中に医療資源を最も投入した傷病名と診療行為の組み合わせで分類をされた患者群ということで、基本的には均質性が担保されていると考えられることについて、1日当たりの点数を設定しております。

 マル2として「包括点数の設定方法」はこちらの2ページ目の図にありますように、包括評価部分と出来高評価部分ということで分かれておりまして、点数自体はDPCごとに1日当たり点数と在院日数と医療機関別係数ということで設定をされております。

 3ページ目をごらんください。この制度の基本的な考え方として、包括評価に係る前提条件として大きく2つございますが、まず基本原則としては適切な包括評価とするため、評価の対象はばらつきが比較的少なく、臨床的にも同質性(類似性・代替性)のある診療行為または患者群とすることで、これはデータをとって、平均をとって点数を設定するものですから、そもそもばらつきが比較的少ないもので点数を設定するということが原則のもと、前提のマル1としては、平均的な医療資源投入量を包括的に評価した定額報酬を設定するということでございます。

 その際に黒ポツの3つ目にありますが、一方、現実の医療の中では一定の頻度で必ず例外的な症例がありますので、その部分についてはアウトライヤー(外れ値)と処理して除外等の対応を行うということにしております。

 前提のマル2として、この包括評価(定額点数)の水準は出来高報酬制度における点数算定データに基づいて算出をするということでございまして、その議論の経過がその下にございますけれども、もろもろ検討をした結果、その包括評価の範囲に相当する出来高点数での評価を統計処理により設定する方式ということを現在やっております。

 4ページ目をごらんください。したがって、そもそもその患者群に対しての点数の是非については、その基礎となる出来高点数の評価水準の是非にさかのぼって検討する必要があるということになります。

 4ページ目の(2)ですが、包括評価は実際どのようにやっているかに当たって、マル1「包括評価の対象患者」については、その均質性等を勘案して点数を設定するので、対象としてはイの一般病棟入院患者。ロのDPCの設定については、病名を主として臨床的にも同質性の患者群を臨床家の思考方法に近い形で分類をして点数を設定するとしております。

 4ページの下、除外をするという患者群もこちらにあるように設定をしております。除外の内容の具体は別紙4のほうに提示をしております。

 5ページ目をごらんください。マル2として「包括評価の対象とする診療報酬項目(包括範囲)」ですけれども、それぞれ出来高払い、包括払いの長所、短所を検討した上で、技術的な色彩の強い診療項目については対象から除外をして、いわゆるホスピタルフィー的なものですとか、薬剤等のモノ代等の施設管理運営的なものについては包括評価をするということで、現在の包括範囲ということに設定をしております。こちらの参考資料が別紙5、別紙6になっております。

 6ページ目をごらんください。マル3「包括評価(1日当たり定額点数)の設定方法」ですけれども、こちらについては平均在院日数等の診療のばらつきの実態を踏まえて、1件当たりでなく、1日当たりということで設定をさせていただいております。また、例外的に在院日数が長期化するような患者については、平均在院日数+2SDを超えた部分については、出来高で設定をするということにしています。

 マル4「医療機関別係数の設定方式」ですけれども、DPC制度では患者レベルの資源投入量の違いをDPC分類及び在院日数で対応をして、医療機関レベルの違いは医療機関別係数で対応するということで、患者レベルと医療機関レベルと分けて評価をしております。

 6ページ目の下ですが、医療機関レベルについては、それぞれの医療機関の設備・体制、診療機能、医療機関固有の特性を反映させるような乗数として、医療機関係数として設定をしておりまして、主として医療提供の構造的な因子の部分を機能評価係数I、それ以外の要素を調整係数として制度がスタートしているということです。

 7ページ目をごらんください。その医療機関別係数の機能評価係数Iと言いますのが、構造的な因子を係数として評価するというもので、もともとの出来高評価体系の入院基本料等加算の中で入院患者全員に対して算定される加算がこれに係数化されているということで、別紙8に一覧がございます。

 次に「ロ 調整係数と機能評価係数II」ですけれども、調整係数が制度導入当初は激変緩和のための措置として医療機関ごとの診療特性の違いに対応する評価の補正のために導入をされておりますが、その後、調整係数については平成22年の診療報酬改定以降、段階的に新たな機能評価係数に置きかえることを進めるということで、機能評価係数IIが平成22年に導入をされたという経緯でございます。

 8ページ目をごらんください。「(ウ)機能評価係数IIの考え方」ですけれども、そういう医療機関レベルでの機能を見るということですが、2つ目のポツにありますが、診療報酬算定を最適化するための方策という技術的な視点に基づき、調整係数が果たしている役割と機能評価係数IIで対応すべき事項が検討されて、別紙10にありますように、急性期入院医療の評価であることですとか、医療全体の質の向上が期待できることですとか、社会的に求められる機能・役割を重視すること等の考え方がまとめられ、それに基づいて議論をしてきているということでございまして、その結果、6つの項目が平成22年に導入をされております。別紙11のほうが機能評価係数IIの6つの項目となっております。

 次に「ハ 調整係数の役割」ということですが、制度導入当時の激変緩和のために設定された調整係数ということで、その個々の医療機関の報酬水準を維持する機能ということですが、その内容は性質を見ますと4つに分けられると考えておりまして、D-2-1の9ページ目の図にありますように4つ、右側にa、b、c、dとありまして、調整係数による調整分としては、「a アウトライヤー対応分」、「b 施設毎バラつき対応分」、「c 診療報酬改定分」、「d 診療効率化分」というものが混在をしているということで、これをどのように置きかえていくかということで議論がされてきていると理解をしております。

10ページ目ですが、さらに「(イ)調整分(調整係数による補正)の効用」ということで、各DPC病院で実際に実施される診療に対して得られる包括報酬の設定においては、全体の平均値との乖離を吸収するということで、円滑な医療機関の運営が促進されているということも言えると考えております。

 こちらが基本的な概要で、続きまして、D-2-2、さらにその「基礎係数・機能評価係数IIによる評価の考え方」について、平成24年度以降の考え方をまとめた資料について説明をさせていただきます。D-2-2については、平成24年に提示させていただいた資料を一部抜粋させていただいておりまして、あわせてD-2-2別紙というパワーポイントの図とあわせてごらんいただきたいと思います。

 D-2-2の1ページ目ですが、基礎係数・機能評価係数IIによる評価の考え方ということで、調整係数の置きかえに対応する基礎係数と機能評価係数IIの設定に係る経緯をまとめています。

 「(1)調整係数の置き換えと引き続き求められる役割」ということで、制度導入時の激変緩和のために設定された調整係数ということですが、個別施設単位での調整を廃止して、医療機関の機能の評価ということで組みかえることとされております。

 一方で、調整係数の運用では、先ほど申し上げたa、b、c、dという対応が考えられておりますので、結局その結果、2つの効用がある。1つ目が、円滑な医療機関運営の促進、2つ目が、DPC制度選択のインセンティブということが考えられております。

 これら2つの効用を残しつつ、過去の報酬水準を維持する個別調整から、全体平均の報酬に診療実績に基づく調整分を加味する報酬体系に移行するということで、機能評価係数IIを議論してきたということでございます。

 「(2)基礎係数における医療機関群の設定」のところをごらんいただきたいのですが、この基本的な診療機能に対応して設定する基礎係数につきまして、これは出来高相当の平均値ですが、大学病院本院などは包括評価の1日当たり出来高点数がほかの病院と明らかに異なっているので、これはより重症な患者への対応や、より高度な技術の実践といった、ほかの施設と異なる機能や役割を担っていることに由来するものと考えられたので、こちらについてはほかの病院群と分けて平均値を設定するということで別群とされております。

 別紙の図4をごらんください。こちらの図4にありますように、同一の基礎係数が設定される医療機関については、同程度の効率化・標準化が促進されるような、一定の診療機能に1グループとして平均値を出していくので、収れんしていくことが期待されることになるということですが、そもそも医療機関の機能が異なるというものについては、群を分けてはどうかということで、図3にあるように違いがあったということで、大学病院本院を医療機関群のI群として分けたというのが最初の医療機関群ということであります。

 資料D-2-2の2ページに行っていただいて、その際、大学病院本院に相当するような一定程度の医師密度、診療密度を有する医療機関群についても別群として設定することが検討され、実際にそういった機能や役割といったような要件があると指摘をされて、全てのI群の最低値をクリアする医療機関をDPC病院に群として設定をしたということで、これは別紙の図7をごらんいただければと思います。別紙の図7でI群、II群、I・II群以外ということで、その条件等を一覧にしております。

 続きまして、D-2-2の2ページですけれども、「(3)機能評価係数II・群別評価導入」に関してですが、機能評価係数IIの6項目の評価の視点は、全ての医療機関が目指すべき望ましい医療の実現というものと、社会や地域の実情に応じて求められる機能の実現というものに大別をされ、それらの視点から係数が設定されておりますということで、図8にその一覧がまとめておりまして、全ての病院が目指すべき望ましい医療で、医療の透明化、質の向上、効率化、標準化。社会や地域の実情に応じて求められる機能ということで、高度・先進的な医療、総合的な医療、重症者への対応等、地域医療といったようなことがあるということで、この係数を検討してきているということでございます。

 ただ、ポイントとして図10をごらんいただきたいのですけれども、そういった機能等々を踏まえて係数を設定しているということですから、図10にありますように、各施設がII群となることが必ず有利になるとは限らないということで、III群であってもII群よりも実際に係数が高くなっているところがあるということで、やはり各医療機関の機能やその求められる役割というもので、どちらの群がいいかが変わるということでございます。

 続きまして、資料D-2-3が、それら係数の平成26年度と平成28年度の主な見直しを一覧表にまとめさせていただいたものでございます。直近の平成28年の改定について簡単に御説明しますと、一番最初の基礎係数の部分については、II群病院の選定の実績要件に内科系の技術の評価が追加されているということですとか、下の保険診療指数の部分は病院情報の公表の加点等が入っているということですとか、下から2行目の重症度指数の部分が平成28年度に新たに診断群分類点数表で表現し切れない患者の重症度の乖離率を評価する指数として新設をされているといったことがございます。

 以下、D-2-3参考1が平成26年度の改定の概要、D-2-3参考2が平成28年度の改定の概要の参考資料となっております。

 議題2に関する資料説明は以上なのですが、もしよろしければ、引き続き、D-3の資料も説明させていただきたいと思います。

○小山分科会長

 よろしくお願いします。

○事務局

 以上のような基本的な考え方を踏まえた上で、今後の検討課題の議論に入らせていただきたいと思っております。

 D-3の資料の1ページ目をごらんください。DPC制度に関する今後の検討課題につきましては、平成28年2月の答申の附帯意見という形で、「DPCにおける調整係数の機能評価係数IIの置き換えに向けた適切な措置について検討するとともに、医療機関群、機能評価係数IIの見直しについて引き続き調査・検証し、その在り方について引き続き検討すること」となっておりますので、それを踏まえて検討課題につきましては、D-3参考にあるような項目について議論するということで、前回御了解をいただいているところです。

 1ページ目の下の囲みの左側にある項目が前回の分科会で御議論いただいた検討課題の大項目だけを抜粋しておりますが、大きく3つのブロックがあると考えておりまして、医療機関別係数に係るもの、診断群分類点数に係るもの、その他に係るものとあります。それぞれについては右手にありますように、下の2つにつきましてはDPC検討ワーキングにおける検討を踏まえて議論すべきというもの。その他については、持参薬やデータ収集・提出に係る今年度の分析を踏まえて議論すべきものでございますので、まず本日は1つ目の医療機関別係数に係る論点について議論をしていただければと思っております。

 D-3の2ページ目以降が、それぞれの医療機関別係数に係る検討項目が3点、基礎係数、調整係数、機能評価係数IIとありまして、それぞれについて事務局のほうで、趣旨とこれまでの分科会での主な指摘の抜粋と論点としてまとめさせていただいております。

 まず2ページ目が基礎係数の部分です。「(1)趣旨」は先ほど、るる説明しておりました基礎係数の基本的な考え方ということになっております。

 これを踏まえて「(2)主な指摘」としては、医療機関群について、それぞれ群がどのような機能を求められているのかがわかりにくい。現行のII群、III群とは異なった医療機関群について、弾力的に検討するべきではないかといったような御意見がございました。

 「(3)論点」としては2つありまして、1つ目が「各医療機関群については、基本的な診療機能に着目した医療機関群毎の適切な基礎係数(出来高点数の平均値)を設定するという趣旨を踏まえた現行の医療機関群についてどう考えるか」。2つ目として「医療機関群の要件設定や参加に係るルールについて、どのように考えるか」ということを挙げさせていただいておりまして、こちらについて御議論をいただきたいと思っております。

 3ページ目ですが、2つ目の論点は「調整係数のあり方」ということで、同じようにまとめさせていただいています。調整係数は制度導入時の激変緩和のために設定されてきておりますが、円滑な医療機関運営の促進と、DPC制度選択インセンティブという2つの効用を残しつつ、基礎係数と機能評価係数IIに置きかえるということで対応してきておりますが、依然として激変緩和が必要な医療機関が存在しているということを踏まえ、平成28年に重症度係数が新設をされているところです。

 「(2)主な指摘」として、重症度係数を新設したが、調整係数による激変緩和とは趣旨が異なっているのではないかということも言われておりまして、「(3)論点」としましては、この基礎係数や機能評価係数IIへの置きかえとともに、激変緩和措置が適用されている医療機関について、より詳細な分析が必要ではないか。また、それらについて今後の対応をどのように考えるかということを挙げさせていただいております。

 最後、4ページ目ですが、機能評価係数IIについてということで、「(1)趣旨」は先ほど御説明しておりますとおり、6項目で導入をされてきておりますが、その後、先ほど説明したような修正・追加がされてきているということです。

 「(2)主な指摘」としては、競争から協調へと言いながら、現行の機能評価係数IIは消耗戦を強いる評価となっているのではないかといったようなことがございます。

 「(3)論点」としては、3つ挙げさせていただいております。1つ目が各係数について、その趣旨や導入目的に鑑み、全体の再整理が必要ではないか。その際、それに適した重みづけを行うことについて、どう考えるか。

 2つ目として、重症度係数については、その実績や役割について、検証が必要ではないか。

 3つ目として、医療機関間の機能分担・連携を推進するような機能評価係数IIによる評価のあり方についてはどう考えるかということを挙げさせていただいておりますので、こちらについて御議論をいただきたいと思っております。

 説明は以上です。

○小山分科会長

 ありがとうございました。

 本日の議題の2番目は「DPC制度(DPC/PDPS)の概要とこれまでの主な見直し」ということで、復習といいますか、今までの確認ということでもって御報告いただきましたけれども、ここのところにつきまして、何か疑問点や御質問がありましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。DPCの概要ということについては特によろしいですね。ここで皆さんが確認できたということでよろしいですね。

 それでは、本日の一番のメーンイベントであります「今後の検討課題」に入りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。議事を進める関係上、分けていきたいと思います。今、御指摘がありましたとおり、3つの論点について、それぞれ順番に議論をしていただきたいと思います。これはきょう決して何か結論を出すということではなくて、皆さんの御意見をお伺いしたいと思いますので、ぜひ忌憚のない御意見をお願いいたします。

 それでは、D-3の資料の医療機関別係数に係る検討の2ページ目に赤字で書いてあります「1)基礎係数(医療機関群)のあり方」についての議論をしたいと思います。御質問・御意見をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。お願いします。

○井原委員

 どなたかが発言しないと、皆さんの発言が進まないといけないので最初に。このI群、II群、III群という医療機関別係数は、本来は適切な診療報酬支払いを目指して導入されたと私は考えております。しかし、現実に今この係数の見方が別の評価として、病院のプライド的と言ったらいいか、格づけ的な要素として受けとめられているというのは、これはどうにもならない現実のような気がするのです。現在、II群病院が1つもない県が幾つかありますし、そういった県民の方々からも何となく違和感というか、不満の声を聞かなくもないわけです。

 この係数はそうした意味合いでないということを分科会長もよくおっしゃるし、私も聞かれれば、必ずそのように説明をするのですけれども、なかなかそれがスムーズに受け入れられていない。もう何か限界がある気がするのです。それならば、いっそのことII群のあり方をもう少し弾力性といいますか、柔軟性を持って考えるというのも、これは一つの今後の考え方として、我々が持ち始めてもいいのではないのかなという気がしています。

 現行のII群要件は、今、事務局から御説明がありましたけれども、これを見る限り、これはどんなに頑張っても絶対にII群にはなれないという地域や県が今後も存在し続けると私は思います。そうなると、どうしてもある種の不公平が生ずるという気持ちを持たれてしまうという誤解があるならば、やはりここは地域に応じて、例えば、連携やその重要性などを総合的に考慮してあげた新たなII群の概念を導入するとか、あるいはII群のあるべき姿というか、目指すべきものを目標に置いたモチベーションのために、そういう手挙げ方式で、例えば、II群病院を認めてあげるとか、こうした名称がそんなに格づけ的になるなら、名称もちょっと見直すとか、そういういろいろな工夫をそろそろしたほうがいいのかなという思いは感じています。

 ただし、最初に申し上げたように、医療保険診療報酬支払いのための適切な評価方法は絶対に確保しないといけないと思います。ですから、II群間での例えば、機能評価係数IIは群の中での評価もありますから、先ほどの再整理や重みづけなどを考えて、II群の中での厳しさに触れれば、結局、II群になっても必ずしも得する、幸せになるわけではないというようなことが当然あっていいし、医療保険的に不公平が生じないということは確実に担保するということはした上で、そういう柔軟性をもって見直すと。新たな工夫をしてみるということも考えていただけたらなとは思います。

○小山分科会長

 大変貴重な御意見をありがとうございます。

 やはり基礎係数(医療機関群)のところについては、II群のあり方が一番問題になるのかなと思いますけれども、ほかに御意見はいかがでしょうか。お願いします。

○福岡委員

 今の井原委員のコメントは非常に大事だと思っておりまして、私自身も実際に医療機関の話し合いの中で、例えば、II群になるために評価されない診療科を縮小したとか、そういう話を聞くと非常に複雑な思いになります。特にそれが先ほど説明のありましたような、かなり無理をしないとII群になれないような状況でそういうようなことを試みるというのは、地域にとってかなり複雑な状況をもたらしているのだとすると、非常に複雑な思いになることは事実です。

 その一方で、かなり地域で頑張っている大きな病院、巨大な病院、基幹病院というのはそれなりにコストをかけて大量の患者を受けて、重症患者を診るために投資をしているというのも事実ですので、そのあたりのバランスをどういうふうに持っていくのかを考えると、我々が持っているDPCの中で明らかになる情報だけでいいのかという点も気になります。

 例えば、病院間の連携ということになると、DPCの中の情報だけでそれが十分に拾えるのかとか、前回の改定のときも救急車の受け入れ台数を少し反映しようかという話になったときに、結局その自治省からのデータはなかなかリアルタイムに入らないから、それはちょっと無理だという話にもなりました。我々のデータがどの程度あって、どれくらいのデータをDPCの中に組み入れられるのかを早めに考えないといけないのかなという気がしています。もし事務局のほうでもこういうデータをより入れていったらいいのではないですかとか、あるいはこういうことは、むしろデータとしては採用しにくいというのを早め早めに言っていただくと、これからの議論について大事なポイントが見えてくるのではないかと思っております。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見はいかがでしょうか。きょうは静かですね。どうぞ御遠慮なさらずに。ざっくばらんに言ってしまうと、III群、II群と言うと、みんなII群になりたいというのが心情なのですかね。でも、中身を見れば、全然意味が違うのだよというメッセージが伝わっていないのかもしれないですけれども、ここら辺についてはどうでしょうか。もう少し御意見をお伺いしたいと思います。

○金田委員

 金田です。今の福岡委員の御意見に賛成です。やはり我々中小病院から見ても、都市部の大病院はII群を目指して本当にしのぎを削っている状況のところもあるように思われます。それよりも、むしろ例えば、さっきおっしゃった連携していって、地域医療連携推進法人をつくってII群を目指すことにインセンティブをつけるとか、メリットをつけるとか、連携していくことへの評価の重みというものをもう少ししっかり係数に反映してもいいのではないかと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。美原委員、どうぞ。

○美原委員

 なぜII群になりたいのかと言ったときに、先ほど小山先生がおっしゃったけれども、II群とIII群で医療機関別係数はIII群のほうが高いほうがあるというのは事実だろうと思います。ただ、医療機関別係数における基礎係数の部分というのが、やはりすごく大きいという印象をぬぐえません。機能係数のIというのがストラクチャーで、これは大きい病院が有利ですし、IIがもしパフォーマンスであるとするならば、一生懸命パフォーマンスをしても、やはり大きい病院にはなかなか、十分に一生懸命パフォーマンスを挙げていることが評価されていないような感じを受けてしまう。とすると、一生懸命に頑張っても基礎係数が大きいからというので、IIIIIを比べれば、明らかにIIが大きいからIIに行きたいというのは心情的にあるのではないかと私は思います。

 以上です。

○小山分科会長

 御存じのように機能評価係数IIを見ますと、トップ20III群の病院です。22番目か23番目にようやくII群の病院が出てくるということです。実はきょういただいた資料のD-2-2別紙の図12に、これは前回の分科会のときにも出た古い資料で、平成24年6月20日に出た資料でありますけれども、DPCIII群からII群に移行した場合のシミュレーションが書いてあります。それほどプラスにならないということは一生懸命に周知はしているのですけれども、今、美原委員がおっしゃったみたいな、やはりIII群よりII群のほうが格好いいといいますか、そうなってしまうので、そこら辺のところは少し考える必要がある。これは名称を考えるということですか。

○井原委員

 今の美原委員の御意見も大変よくわかります。基礎係数は診療報酬がII群になることによって必ずアップすると。そこの部分を吸収できるような機能評価係数IIのほうの配分ですとか整理をして調整をしてということも、先ほど申し上げましたが、工夫が必要かなと思っております。

○小山分科会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。あと、この論点のところに要件の設定についてもどう考えるかということだったのですけれども、要件については同じ資料D-2-2別紙の図7にII群の要件が書いてあります。この辺については何か御意見はございますでしょうか。どうぞ。

○小林委員

 意見ではないけれども、質問でよろしいですか。金田先生と福岡先生にです。少し都心ではないところで、いろいろな病院がII群になろうとしてなれないのは、II群要件の中のどれが一番効いておりますか。

○小山分科会長

 これは事務局に聞いたらわかりますか。わからないですか。それぞれの要件はどうですかね。どなたかわかる方、どうですか。

○小林委員

 例えば、医師研修の実施で、なかなか研修医が集まりにくいとか、そういう問題があるのであれば、少し地方の病院に優遇するような政策も考えないと、例えば、何か補正値を使ってやるとか、地域でII群になりやすくなるような仕組みも考える必要があるかとも思います。

○小山分科会長

 ただ、なりやすくなってII群になっても、いわゆる一番大事な医療機関別係数が下がる可能性があります。必ずしもII群になったから係数が上がるという意味ではない。

○小林委員

 それは選択の問題だと思います。このII群は研修医のトレーニングをして、しかも、たくさんのいろいろな症例を診て、複雑性の係数も多いですから、あらゆる分野の重症患者を持つという、そういう病院は、イメージとして、ジェネラルホスピタルに近いものです。地方のジェネラルホスピタルという選択もできるのだということをメッセージとして入れたほうがいいのではないかと思います。

○小山分科会長

 今の御意見は、先生は手挙げ方式で行こうではないかというところまで言っていいですか。

○小林委員

 それは小山先生の御意見だと思いますけれど。

○小山分科会長

 どうぞお願いします。

○福岡委員

 私が申し上げたかったのは、地方でII群病院をというメッセージよりも、今の規定だとII群病院になるために、例えば、内科とか外科とか評価が明確ではないような診療科をしないと、例えば、そちらに重点を置いたほうが評価はどうしても高くなりますね。同じように手術をするような患者さんをたくさん診るようにしたほうが評価は高くなりますよね。

 そうすると、地域でそういうことをしなくなることでII群に無理になろうとすると、その地域において、余り手術の対象にならないような疾患ですとか、評価が定まっていない産科ですとか小児科みたいなところがやっていることが、むしろ不利に見えてしまうという変な状況に成り得るのです。そのときになるべく全部やろうということになると、かえって薄まってしまう。そういう逆のインセンティブが地域のそれほどたくさんの患者さんを選べない。来た患者さんはとりあえず診ないといけない病院にとって、ちょっと複雑なインセンティブが働いているのではないかというのを申し上げたかったのが一番です。

○小林委員

 よくわかりました。その問題は当然あるので、特に都会の大病院だと全部重点的にやってもいいと思うのですが、地域では連携とどなたかがおっしゃっていましたけれども、それを評価するのであれば、機能評価係数IIの中で連携をもう少し手厚く評価していただくのが大事ではないかと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見はいかがでしょうか。大方、基礎係数に関してはよろしいですか。また、もとに戻っていただいてもよろしいですけれども、その次のページの「2)調整係数のあり方」の議論をしたいと思います。

 調整係数については一応、平成30年度になくなるということでもって、今、動いておりますけれども、論点のところに書いてあるとおり、激変緩和措置ができなくなるという、これをどう考えていくかということですけれども、この調整係数のあり方に対しての御意見あるいは御質問がありましたらよろしくお願いいたします。何かございませんか。

 現在、130くらいの病院が激変緩和措置を受けているわけですけれども、このまま行くと、その激変緩和措置を受けられなくなるということですが、それに対する御意見は何かありますか。御質問でもよろしいですけれども、どうぞお願いします。

○美原委員

 今、激変緩和の病院というのはさまざまな病院があると思います。例えば、DPCの病院になるために、なる前のときにすごく医療費を使って無理やり調整係数を上げた。そういうことがあっていいのかどうかはわからないですが、そういうようなことをした病院もあるやに聞いております。そんなことをしなくてやっていた病院もあるかもしれません。ですから、全てが同じようなものではないかもしれない。全てが同じ理由で激変緩和になっているわけではないと思うのです。ですから、ここの論点にも書いてありますが、激変している病院をぜひ、どのような形でそういうふうになっているのかを精査して、適切な対応を取っていただけることが期待されるように思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ここに書いてあるとおり、詳細な分析が必要ではないかということに関して御賛同の御意見をいただきましたけれども、ほかにいかがでしょうか。どうぞお願いします。

○小林委員

 以前、発言したかもしれませんが、激変緩和することによって、パフォーマンスがいい病院も下げられてしまうのです。低い病院が上げられるのはいいのですが、下げられるというのはわかりにくいです。しっかりやっているにもかかわらず、激変緩和という名のもとに下げてしまうというのはどうなのでしょうか。下げなくてもいいような気がします。

○小山分科会長

 ただ、中身が一生懸命やっているのかどうかがわからないのです。なぜならば包括評価ですので、変な話、効率化にすごく偏ると、もしかすると今、先生がお話になったようなグループに入る可能性もあります。中身がよく見えないのです。今、美原委員からありましたとおり、なぜそうなったかというのは、まだデータの上からは見えてきていないので、そこは調べたほうがいいのではないかという御意見だと思います。

○小林委員

 その効率化がどの程度まで行けばいいのかというのはわかりにくいのですけれども、例えば、米国では平均在院日数は5日になっています。日本はまだそれにはほど遠いのですが、どんどん効率化していくことが悪いことなのか。そこはコンセンサスが必要だと思います。

○小山分科会長

 それはそのとおりだと思うのですけれども、実はこの分科会でヒアリングをやったのは23年のほうですかね。心臓カテーテル検査で日本で最も安い、コストパフォーマンスのいい病院と、悪いというか、非常に丁寧にやっている、過剰にやっていると言ってもいいかもしれないですが、そういうヒアリングをやったのですけれども、物すごい差です。そこまでしたほうがいいのかどうかはもうちょっと議論をする必要があるのかなというような感じも持ちましたし、どこでもできるというような状況ではなかったので、ぜひこれは少し中身を見てみる必要があるかなという感じは持っております。

 ほかはいかがでしょうか。この調整係数については、激変緩和の病院を少し分析したデータを見せていただいて、今後考えていくということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、最後のところでありますけれども、「3)機能評価係数IIについて」であります。この論点は3つ書いてありますけれども、全体の再整理が必要なのではないか。重みづけを行うことをどう考えるのか。重症度係数についての検証は必要ではないかということ。先ほど出ている機能分担・連携を推進するような評価のあり方をどう考えていくかということですけれども、これに対する御意見をお願いいたします。先ほど金田委員がおっしゃいましたけれども、もしあれでしたら追加していただいて結構です。

○金田委員

 やはり競争から協調へと平成25年の国民会議で言われていながら、現実的にはなかなかそうはいっていなくて、ここにあるように連携と言いながら、水面下では消耗戦をしているというのが現実の姿ではないかと思います。ですから、今後、診療報酬の上でも医療機関の質の評価と同時に、地域における医療提供体制の質の評価というか、これが地域医療構想実現のためにも、今後ますます重要になってくると思います。

 持続可能な医療提供体制に再編・再構築することが、国が掲げています都道府県別による格差を減らすということだけではなくて、民間病院が8割を占める我々医療機関自身の地域における役割を見失わずに、過剰な設備投資や医療機器への投資を行わずに、適正な内容や規模にいわゆる進化して存続するための道しるべになるのではないかと思います。

 ちなみに私たちの病院では、昭和52年から自主的にベッドを5回に分けて約4割削減するとともに、15年間にわたって近隣の病院と話し合ってきましたが、その話し合っている病院の一つが数年前に倒産しました。

 今までの15年間の結論としては、普通のいわゆる話し合いの連携だけでは真の効率化には至らない。そうかと言って、民間病院同士の合併は極めて困難である。そこで生まれたのが地域医療連携推進法人ではないかと思います。ですから、連携を評価するようには、来年4月2日からスタートする地域医療連携推進法人を評価することが一つあり得るのではないかと。すなわち、これの必要性も今は近隣の病院と検討していますけれども、なかなかこれも本当に危機が来れば、それどころではないし、本当に危機を感じていなかったら必要性を感じないのです。ですから、今の何とかなっているときに早くこれを入れる必要があるのではないかという思いがしています。

 そのほかの評価方法を考えてみたのですけれども、よろしいでしょうか。地域医療連携推進法人に関する評価が1つ。2つ目が、連携に関連する診療報酬の算定回数の割合を評価したらどうかと思います。例えば、診療情報提供料であるとか、退院支援加算であるとか、介護支援連携指導料等がそれに該当すると思います。ただ、数だけであれば、中小病院が不利で大病院が有利になってしまうので、その全退院患者に対する割合で評価するのが適切ではないかと思うのが、この2つ目であります。

 3つ目と4つ目は救急にかかわることです。これは以前より申し上げておりますけれども、救急搬送における医療圏別の重症救急患者の照会4回以上の割合を医療圏単位で評価してはどうかというのが3つ目であります。

 もう一つ、救急搬送において、時間が今、分析データとして挙げられていますけれども、覚知から現場到着までの時間に対する現場到着から搬送までの時間を医療圏単位で評価して、共同してDPC病院が責任を持つ体制をつくるというのはどうかと思います。

 以上、4つを提案させていただきます。

○小山分科会長

 大変貴重な御意見をありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。今回、重症度係数が入ったのですけれども、これに対しても検証することが必要ではないかと書いてありますが、福岡先生はどうですか。重症度指数に関しては何か御意見はありますか。

○福岡委員

 済みません、ちょっと戻るかもしれないですけれども、重症度係数を入れた目的と実際の起きたことがどうなっているのかというのは一度ここで議論をしていただきたいなというのは思っています。やはり重症度係数を導入したことで戸惑われた病院もあったように聞いておりますので、ぜひともそれはしていただきたいと思っています。

 今、金田委員の言われた内容の中は非常に興味深いことが多いように思うのですけれども、1つは先ほど申し上げたが、なかなか我々が用いるデータ以外のところで評価しないといけないので、そういうことが実際に可能なのかということを真剣に考えないといけないのかなと思います。しかし、そうしようと思うと我々のDPCの世界ではどうしても、病院間はわかるのですけれども、例えば、病院から在宅に移ったとか、あるいは福祉施設に移ったとかというのはデータが切れてしまいますよね。

 ところが、国の政策としては、それをより円滑に進めたいという意向がある。では、そういうこと全体を考えたときに、このDPCの枠組みでやらなくてはいけないことなのか、これは本当に大きな問題でもありますし、それはどこかで考えていただきたいなとは思います。

○小山分科会長

 大変大きな提案だったと思いますけれども、事務局、何かありますか。御意見を伺ったということでよろしいですか。

○事務局

 貴重な御意見をありがとうございます。確かにこの場を超える話もありますが、きょうはいろいろと御意見をいただく回ということで、ありがとうございます。

○小山分科会長

 どうぞお願いします。

○美原委員

 以前から話をしているのですが、機能評価係数IIのそれぞれの項目の重みづけというのは、私はやはりぜひ考えていただきたいと思います。例えば、ジェネリックの割合を多くするというのと効率性を上げるとか複雑性を上げるというのは、病院のそれに対する取り組みとか努力は全然差があると思います。ですから、ぜひその重みづけというものを何らかの形でしていただければと思います。

 以上です。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 後発医薬品の話が出ましたけれども、川上委員、どうですか。何かコメントはありますか。

○川上委員

 後発医薬品係数は26改定で導入されて、多くの医療機関も努力したため、今ですとDPC病院の半数以上の病院が上限値を取れているということですので、政策誘導という観点では大変よくかかったと思います。一見、取りやすい係数と思われるかもしれませんけれども、病院として使用促進を主導していることもまだ必要でして、必ずしも全病院が今だに上限値に達していないという側面もあります。

 重み付けですけれども、どういった観点から見た時には、こちらの方をもっと重くすべき、というように様々な御意見があるので、結果的に本分科会でも、各項目について、その軽重を設けるのは難しいという判断で、財源等分をされているかと思います。もし、重み付けを考えるのであれば、全体の再整理が必要で、その再整理をしていく際に例えば、重みづけが等分になるような形で大項目の項目立てを作って、その中を細分化するのであれば良いかと思うのですけれども、今ある項目を持ってきて、あれを上げる、これを下げる、という議論は難しいような印象があります。

 以上でございます。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見はいかがですか。山本委員、どうぞ。

○山本委員

 先ほどの後発医薬品指数に関しましては、これはある意味、医療機関が頑張って取れる、取りやすいという側面もありましたので、かなり多くの医療機関で頑張ってやれたという意味でインセンティブとしては十分に働いたのではないかと考えます。やはり重症度指数が非常にわかりにくいところは問題で、例えば、大学病院間でもかなりの点数を取っているところから、全くゼロというところも存在するということで、これは例えば、自分のところが重症患者を扱っているから当然だよという開き直りをする病院もあるかもしれませんが、では、ゼロのところは本当に重症を扱っていないのか。そこも具体的な病院名を見ると、そうではないようです。医療資源の投入の最適化の点で問題を突きつけられていると我々は認識しておりますし、そこをもうちょっとわかりやすい形で扱われるといいのではないかと考えます。

○小山分科会長

 ありがとうございます。これは名称も含めて、いろいろな御意見を伺っております。

 ほかはいかがでしょうか。お願いします。

○井原委員

 DPCの説明をするときに大変に困るのが、機能評価係数IIのところです。これは過去の事務局の方々が本当に御苦労なさった結果が目に見える形で、本当に読めば読むほどよくできているのです。よくできているからこそ、逆に難しくなっているのです。機能評価係数IIをすらすらと説明できる方は、今はそんなにいないのではないかと思います。

 しかも、一部ではI群、II群、III群でポイント制になっている。たくさん書いているのが悪いとは言いませんが、例えば、保険診療指数を見ましても、これはいろいろな項目が少し視点の違うものも、つくったときにとりあえず、これはある中では保険診療指数がいいだろうという形で入れ込んでしまっています。効率性、複雑性、カバー率というのは、病院は大変でも説明的には非常にわかりやすいです。しかし、この地域医療指数になると、これはどうして12項目がここに入っていなければならないのか。こういうところも事務局が再整理と書いていただけたので、ここを整理し直すことによって、美原委員のおっしゃる重みづけも自動的に配分が変わっていく可能性も出てくると思います。この中からいいものは残し、説明が複雑過ぎるものは、少し再整理をするということはあっていいのかなと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

28年度改定で重みづけの議論をしたのですけれども、あのときはたしか技術的に不可能であるという結論でした。そこのところの再整理をしながら、項目を考えながらやっていく必要があるという御意見だと伺いました。

 機能評価係数IIについてはどうでしょうか。ほかに御意見はございますでしょうか。これ以上はふやす必要があるかどうかということも議論していく必要があるかなと思います。新たな係数を考えなければならないのか。これは先ほどの調整係数をなくすというところでもって、少しそこら辺の内容を聞きながら、また考える必要があるかなと思います。予定時間より大分早いですが、ほかにどうでしょうか。お願いします。

○山本委員

 先ほど御議論があった地域医療指数、地域医療連携の観点ですけれども、今、地域医療指数が並べられているのは、その地域でどういう役割を果たしているかというところは確かに評価されていると思いますけれども、先ほど来、御議論のある連携という点では、機能分化と申し上げたほうがいいのかもしれませんが、機能分化という点では評価が非常に難しいとか、評価されていないということが事実だと思います。

 ただ、違和感があるのは、先ほど地域医療連携推進法人を名前が出ましたが、それが果たして本当に機能するかどうかはまた別の問題で、これから動き始めるところなので、特定の単語に余りこだわるのはいかがなものかなとは感じます。ただ、ほかにその連携をどう評価するのだと、何らかの指標をこれから考えていかなければいけないのは事実だろうと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞお願いします。

○金田委員

 金田です。1点、別の視点からですけれども、今、話題になっているのは、機能評価係数IIの中で大病院になるほど、病床規模に相関する係数が幾つかあるというのが一部で話題になっていますが、やはりそうでない係数、後発医薬品指数もそうですけれども、病床規模に相関しない係数の重要性は必ずあるのではないかと思います。むしろ病床数を適正化しながら効率的に医療を運営していくのが、地域内のベッド数を減らしていく方向に向かうべき社会情勢ではないかと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 いろいろな議論がありまして、そのときは総合病院が軒並みだめになってしまうというところでもって、やはり規模の大きいところはかなりのロスもあるということで、そこは評価をする必要があるだろうということでやった経緯があります。今、先生がお話になったとおり、新たな方向性を示されましたので、それについてはまた議論をしていく必要があると思います。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞお願いします。

○池田委員

 私がこの分科会にかかわらせていただく大分前に一度議論があったことかと思いますけれども、機能評価係数の中で質の向上あるいは標準化といったところを直接はかるような係数、いわゆる診療のプロセスとかアウトカムといったところも指標化できるのではないかというところが、この分科会で以前議論されたと聞いております。そのときは時期尚早ということで、あるいはその評価ができる研究もまだ十分ではないということで、そのときはそうした指標は導入されなかったと理解をしておりますけれども、今さまざまな病院あるいは病院団体のほうでそうした質の評価、指標などを使った経営の改善あるいは質の改善ということがもう既に現実に行われておりますので、そういった指標も今後、機能評価係数の中で評価をしていくかどうかということ。30年と言わず将来に向けて、そういったものを検討していく必要があるのかなと思っております。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 たしかガイドラインを導入するかどうかというところですね。ガイドラインどおりにやっている病院を評価したほうがいいのではないかと言ったけれども、ガイドラインが百花繚乱で必ずしも全てが全部いいというわけではないということでもって、たしか止まったと思います。最近またガイドラインについては大分いろいろとまとまってきたので、ぜひそこら辺のところは議論をしていく必要があるかと思います。

 ほかにいかがでしょうか。お願いします。

○小林委員

 言葉の問題かもしれないですけれども、機能評価係数のマル1は全ての医療機関が目指すべき望ましい医療の実現ということで、例えば、診調組D-2-3参考あるいは診調組D-3の18ページですか。1、2、3、4、5とあるわけですけれども、これが全ての医療機関が目指すべきものかどうかというのは、メッセージがわかりにくいです。つまり、先ほど地域連携をして、その特徴的な病院を幾つかグループにしようとする場合にあって、複雑性指標とかカバー率指標とかというものをとろうとすると、やはりいろいろな病気を診ないといけないです。

 そうすると、こちらのポイントが取れなくなってしまうということもあって、なかなか二律背反というか、このマル1の意味が、全部これをやらなければいけないと聞こえてしまうので、これを評価するのは当然大事だと思うのですが、少し違うかなという感じもするのです。先ほどのIとIIですね。地域医療は機能評価係数IIの中では質がかなり違う評価係数なので、むしろ分けて評価したほうが、例えばIIAIIBとかにしないと、メッセージがうまく伝わらないと思います。

○小山分科会長

 事務局から答えてもらっていいのかな。全病院が求めるものと群ごとというところでは何か、よろしいですか。

○事務局

 補足させていただきます。今、御指摘いただいたのは診調組D-2-2別紙というパワーポイントの資料の8番目のスライド、図8で、この機能評価係数IIの基本的な考え方を図でまとめております。診調組D-2-2別紙の8番目のスライドです。機能評価係数IIの基本的な考え方ということで、この囲みが2つございます。

 左側が全ての病院が目指すべき望ましい医療の実現という視点で、その視点の例として効率化とか標準化とかがございまして、右側が2つ目の視点ということで、社会や地域の実情に応じて求められている機能の実現と地域における医療資源配分の最適化ということで、地域高度医療とか総合性とか地域医療ということで、左側の視点から言っている係数が保険診療係数ですとか効率性係数になって、右側の視点にほうがカバー率とか地域医療ということになっているので、全部が両方ではなくて、効率化ということと複雑性、カバーということは、お店を広げるとなかなか効率化は難しいということですから、そこは背反するものがあるということで、この第Iグループと第IIグループで意味合いが違うというのはおっしゃるとおりで、今はIIということで単純に並んでいますけれども、少しわかりやすく整理が必要という御意見かと承りました。

○小山分科会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。機能評価係数IIのところだけではなくて、全体に戻っていただいてもよろしいですけれども、まだ予定時間よりも大分時間がありますので、きょうの検討課題の基礎係数、調整係数のあり方、機能評価係数について、全般でもよろしいのですけれども、もう一度、御質問あるいは御意見があったらお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。お願いします。

○小林委員

 2年後の改定のときに、高額医薬品の市場拡大再評価が早めに始まることに方針が変わりましたので、そうすると今までのデータを、高額医薬品を包括医療に組み込むときに、もう既に出ている薬を減額したものを包括に入れていくのか。あるいはそのままのデータで入れていくのか。テクニカルにどうやる予定なのですか。

○小山分科会長

 事務局、その話はよろしいですか。

○事務局

 今、高額医薬品の扱いについては、高額なものについては包括するものとしないものと包括しないものでも枝を分けて、それぞれ点数は別にしているものと外に外しているものとあまりして、新薬は薬価収載が年4回されますけれども、その際に都度、解析をして、84パーセンタイルを超えるような高額のものは出来高でやると。入ったものは診療報酬改定のときに、またデータを集計して一定のルールで包括にするか、枝につけて分けるか、出来高で外出しにするかというルールでさせていただいています。

 その高額薬剤再算定のルールというのは、それはそれであるのですが、DPCとしては例えば、新薬を追加されたときにはこうするというルールがありますので、それと同じような対応をしていくのかどうかということかと思いますが、現状でもそういった診療報酬改定でないときに新しい薬が入ってきますので、そういった一定のルールがあるという状態でございます。

○小山分科会長

 よろしいですか。つまり、DPC全体の費用の中の薬剤費用の84%を超えた場合には出来高算定に移行して、その次の改定を待って、その次の改定のときにそれを入れるか入れないかを評価するということで、そのときの恐らく薬価になってくるというあたりになると思います。

○小林委員

 再評価で薬価が切り下げられた場合には、それまでのデータはどういう形になるのですか。

○小山分科会長

 お願いします。

○事務局

 現状は、その再算定は改定のときにしか行っていませんので、同じように改定の新薬価が決まって、それを踏まえてデータを解析して、新しいDPCの点数を決めているということですので、今、先生がおっしゃっているのは、現状はないルールのお話だとすると、そのルールに伴ってどうするかというのは、また別途考えるという形になります。

○小山分科会長

 よろしいですか。どうぞ。

○美原委員

 先ほどお話がありました地域の問題で総合性と連携の問題ですが、ある地域に2つの総合病院があって、2つの総合病院ががんと心筋梗塞の両方ともやっているよと取り合ってしまうと、両方とも共倒れになってしまう。ですから、そこのところでカバー率で評価することもいいけれども、あなたは心筋梗塞をやりなさい、私はがんをやりますと言って、そこでしっかり連携ができれば、その地域にとっては、それがとてもいいことだろうと思います。ですから、カバー率で評価することがあってもいいし、連携で評価することがあってもいいし、それを両方とも取るのはなかなか厳しいと思います。ですから、そのような違う項目があっても、私は全然構わないように思います。

 以上です。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにどうでしょうか。この3つの項目、基礎係数、調整係数、機能評価係数II、全体を通してでよろしいですけれども、特によろしいですか。お願いします。

○池田委員

 先ほど重症度係数の問題で、これは検証が必要だというような御意見もあったわけですけれども、実はこの重症度係数とあわせて、多分、次回以降に議論する、いわゆる診断群分類のほうでCCP Matrixの重症度をより詳細に診療報酬のほうに反映するような手法をあわせて開発していくことによって、恐らく重症度係数の役割もまた変わってくる可能性があるので、それは次回以降、これとあわせて調整係数をどう置きかえるというときに、恐らくCCP Matrix等をさらに拡大していきますと、よりこの激変緩和等の問題も解決に向かう可能性があるかなと思いますので、あわせて考えていただくといいと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。今のCCP Matrixについては恐らくDPC検討ワーキンググループのほうでも検討されて、それをこちらのほうに報告いただくような形にはなると思います。

 ほかはいかがでしょうか。お願いします。

○藤森分科会長代理

 済みません、大きな話なのですけれども、医療機関群のあり方と機能評価係数IIと非常に密着に連携しているので、まず医療機関群のあり方を決めた上で評価係数IIをどうしていくのか。重みづけも全部そうですし、新規を入れるかというのもそうだと思いますので、まず医療機関群のあり方をずっと今まで議論してきて今の形に落ち着いていって、I群が大病院本院、II群がそれに準ずる病院で、III群がその他という、それよりもいいものがあるのかというと、なかなか実際には難しいのだろうと思うのですけれども、ぜひ具体的なモデルを各委員の先生方から提案していただいて、例えば、ディスカッションをするなどということはいかがでしょうか。そうでないと、いつまでたっても何も出てこないだろうなと思います。具体のモデルがあって、よりよければ検討ですし、やはりこちらのほうがいいねということがあれば現状になるかと思うのですけれども、今までずっとこの議論をしてきて、結局は何も出てきていないというのもあるので、そろそろ新しい軸が要るかなと思っております。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 先ほどから出ているとおり、地域や県に1つもないところの病院もある。でも、その中で頑張っているところもあるというようなお話も出てきました。ただ、それがII群になることが本当に病院にとって有益なことなのかということが大事だと思います。もっとも、そこが理解されていないということだと思います。そこも含めまして、この定義あるいは名称についても検討していく必要があるのだとは思っております。

 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。まだ時間に大分余裕があるのですけれども、お願いします。

○池田委員

 これまでの機能評価係数IIというのは病院全体にかける係数であったのですけれども、例えば、病院の中でもさまざまな機能があったり、あるいは疾患ごとにある意味、得意な分野もあったりということなので、この機能評価係数IIを例えば、疾患とか病態ごとに評価して、病院全体にかける係数ではなく、ある領域ごとにそういったものを機能評価係数IIという名前ではなく、別のものになるかもしれませんが、そうした評価の方法も検討していく必要があるのかなと感じていますが、30年ですぐということではないのですが、将来的にということです。

○小山分科会長

CCP Matrixにさらに載せてということですか。

○池田委員

 連動させることもあり得ると思いますし、今、実際の機能評価係数IIでも、いわゆる5疾病ごとの評価があって、ただ、係数が病院全体にかかってくるわけです。それが適切かどうか。細かい疾病ごとの評価をより強化していくと、そこは病院全体にかける係数ではなく、別の評価法もあるのかもしれないと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 事務局、どうぞ。

○事務局

 質問させていただきたいのですけれども、患者の疾病ごとの評価というのがそれぞれ診断群分類であって、医療機関レベルでの評価を係数で評価をしているということで、今、池田委員がおっしゃっているのは、前半の患者の疾病ごとの評価について、何か係数的なものを入れるという意味なのでしょうか。

○池田委員

 説明が十分でなくて申しわけございません。例えば、循環器疾患について、この病院は非常にパフォーマンスがいいということであれば、それを病院全体の係数や指数として評価するのではなく、循環器の領域の患者さんに対して、あるいは診療科に対して高く評価していくというような考え方も、機能評価係数IIとは別の形になりますけれども、海外の事例を見ると、そういう評価が一般的なように認識しておりますので、国内でもそういうことを検討の余地はあるのかなと考えました。

○小山分科会長

 伏見先生、御意見はございますか。よろしいですか。

 ありがとうございます。ほかに御意見はいかがでしょうか。

 大分時間が早いのですけれども、もし特に議論がなければ、これでもって議論を終了いたしたいと思います。

 本日の議題は以上になります。

 事務局のほうから特にありませんか。よろしいですか。事務局からの報告をお願いいたします。

○事務局

 次回の日程については、追って事務局からお知らせいたします。

○小山分科会長

 それでは、平成28年度第3回DPC評価分科会を終了させていただきます。本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございました。

 

 

 

 


(了)

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