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ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(医療と介護の連携に関する意見交換)> 令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会(第1回)議事録

 
 

2023年3月15日 令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会(第1回)議事録

○日時

令和5年3月15日(水)9:30~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩会長 田辺分科会長
池端委員 稲葉委員 江澤委員 田中委員 田母神委員 長島委員
濱田委員 林委員  東委員  古谷委員 松本委員  森委員
<事務局>
伊原保険局長 大西老健局長 辺見障害保健福祉部長 森光審議官 斎須審議官 眞鍋医療課長 古元老人保健課長 津曲障害福祉課長 田中参事官他

○議題

○本意見交換会について
○地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携
○リハビリテーション・口腔・栄養
○要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療

○議事

 

○小塩会長
おはようございます。ただいまより「令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会」を開催いたします。
私は、中央社会保険医療協議会で会長をしております小塩と申します。
本日の議事の進行につきましては、私、小塩が務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議でございますが、オンラインによる開催としており、また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は全ての委員が御出席されますが、稲葉委員が遅れての御出席と伺っております。
この意見交換会ですけれども、令和6年度の診療報酬、介護報酬及び障害福祉サービス等報酬の同時改定に向けて、中央社会保険医療協議会及び社会保障審議会介護給付費分科会が、それぞれ具体的な検討に入る前に、医療と介護等の連携・調整をより一層進めるという観点から開催するものであります。双方の審議会の委員におかれましては、忌憚のない意見を交わしていただければと思っております。
誠に恐縮ですが、時間の関係上、各委員の御紹介は、名簿の配付をもって紹介に代えさせていただきます。
それでは、最初に「本意見交換会について」として会議の位置づけや基礎的な資料について、事務局より説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
おはようございます。保険局医療課長の眞鍋でございます。
それでは、御説明を開始させていただきます。
資料1及び資料2につきまして御説明をさせていただきます。
「令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会について」、資料1でございます。
1ページでございますけれども、目的が書かれてございます。御説明申し上げませんが、先ほど、小塩会長からの御発言にあったとおりでございます。
1点、申し上げておくべきとすれば、一番下の○でございます。「なお、この意見交換会では」ということでございますけれども、ポスト2025を見据えた際の課題や方向性の共有を目的とするものであるということ。具体的な報酬に関する方針を、ここで決めるものではなく、それは持ち帰って、それぞれの会議体でお決めいただくことということは、最初に確認をさせていただきたいと思ってございます。
そして、2ページに進んでいただきまして、テーマでありますけれども「議題は、各報酬の対象者が今後直面すると考えられる以下のテーマを議題とする」としてございまして、1ポツから9までございます。
「1.地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携」から、リハビリテーション、そして、ずっと行きまして「8.薬剤管理」「9.その他」となってございます。
一度、中医協や介護給付費分科会で御説明させていただきました資料から、1つテーマが加わってございます。それは、この紙で申し上げますと「3.要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療」、これが、1の中で御議論いただこうと思っておりましたものをくくり出して、1つテーマとして掲げさせていただいてございます。
3といたしまして「開催時期と頻度」でございますけれども、本日を含め3回程度と考えてございます。その中で、本日3月15日は、テーマ1、2、3について御議論をいただくことを考えているところでございます。
その後ろには、参考資料といたしまして、幾つかの資料を御説明させていただきますけれども、参考の2と参考の3でございます。
こちらは、今年の2月16日に開催されました第19回の「医療介護総合確保促進会議」の資料の抜粋でございます。
参考2の資料でございますが「総合確保方針の見直しについて」ということで、幾つかスライドが掲載されてございますけれども、この中の2ページでは、現行のものから見直し(案)、そして最後のほうのページに「ポスト2025の医療・介護提供体制の姿」というところがございますので、ここだけ御紹介をさせていただきます。
8枚目のスライドになります。
「別添ポスト2025の医療・介護提供体制の姿」ということでございますけれども、1ポツ、2ポツとございまして、そこにポツが3つございます。バックキャストで具体的に改革を進めていくことが重要。
そして、医療・介護提供体制の最適化・効率化を図っていく視点も重要。
そして、人口の急減等に直面する局面において、実現が期待される医療・介護提供の姿として現時点で想起し得るものをまとめたもの。
そして、3つの柱といたしまして、その下にI、Ⅱ、Ⅲとございます。
Ⅰが必要なときに「治し、支える」医療や個別ニーズに寄り添った柔軟かつ多様な介護が地域で完結して受けられること。
Ⅱでございますけれども、地域に健康・医療・介護等に関して必要なときに相談できる専門職やその連携が確保され、さらにそれを自ら選ぶことができること。
Ⅲでございますけれども、健康・医療・介護情報に関する安全・安心の情報基盤が整備されることにより、自らの情報を基に、適切な医療・介護を効果的・効率的に受けることができることとまとめてられてございます。
そして、文字となっているものが「意見交換 資料1参考3」でございまして、先ほど申し上げた抜粋のところが、この中の、例えば2ページの1のところに書かれているところでございます。
この資料で御紹介したいパートとしましては、これも8ページでございますけれども「地域共生社会の実現」という段落がございます。ここだけ御紹介をさせていただきたいと思います。
「さらに大きな視点に立てば」という書き出しから始まってございます。8ページでございますが「医療・介護の提供体制だけでは、できる限り住み慣れた地域で、これまでの日常生活に近い環境で暮らし続けることを実現させることはできない。8050問題、孤独・孤立や生活困窮といった複合的な問題を抱えていても、しっかり受け止める相談の場が確保され、地域社会と繋がりながら、医療・介護のみならず、障害福祉や子育てなど様々な必要な支援が受けられる体制の整備が重要である。医療・介護や住まい、就労・社会参加、権利擁護など複合的な支援ニーズを抱える方を地域で支える基盤をより強固なものとしていくことを通じて、地域共生社会の実現に向けた取組を進めていくことが求められる」とまとめられてございます。
それでは、資料の2の御説明をさせていただきます。
こちらは、意見交換会の基礎資料としてまとめたものでございます。
冒頭のスライドにございますとおり、人口動態、医療需要の変化、介護需要の変化、社会保障給付費の変化、新型コロナの発生状況、そして、法律の理念等について基礎資料としておまとめしているものでございます。
こちらも、ポイントのみ御説明をさせていただきたいと思いますけれども、3ページが日本の人口の推移でございます。65歳以上人口、75歳以上人口というような形で割合をお示ししてございます。
4ページは、65歳以上人口のピークを迎えるのは、2040年頃であることをお示しするもの。
5ページは、人口が減っていく中で3つの段階が御紹介できるということでございます。
6ページが、現役世代の急減に直面していくこと。
7ページは、地域ごとに、その人口の変化が訪れる、様態が違うということ。
8ページは、各地域の高齢化の状況も様々違うということであります。
9ページは、65歳以上人口は急増してきたけれども、今後は減少する都道府県も出てくるということ。
10ページは、高齢者の減少と現役世代の急減が同時に起こる2次医療圏が数多く存在するということをお示しするものでございます。
次に、13ページでございますけれども、こちらは、障害者の数の推移を見たものでございます。
次に、14ページでございますけれども、こちらは、障害者も高齢化をしているということを示すスライドとなっているところでございます。
続きまして、2つ目のチャプター「医療需要の変化」ということでございますけれども、入院患者数、外来患者数、それぞれ16ページ、17ページに示しており、在宅の患者数の推移は18ページにございます。
入院患者数、外来患者数、それぞれピークを迎える時期が違うということをお示ししているものでございます。
19ページ、これは訪問看護の必要量が増加していること。
20ページは、介護施設等、他の医療施設への退院する患者さんが増加するようなこと。
21ページは、死亡数が一層増加する。ピークを迎えるのは、2040年頃であろうということをお示しするスライドでございます。
その死因の推移は、22ページにあるとおりでございます。
24ページ、25ページでございますけれども、こちらは、人生の最終段階で医療・ケアを受けたい場所に関する希望と、それから、話し合いの実施状況に関するアンケート調査の結果でございます。
次が、介護需要の変化でございまして、27ページが、医療と介護の複合ニーズが一層高まること。
そして、職員の必要数が伸びることが、28ページにお示ししてございます。
認定者数、利用者数の推移が29ページ、30ページにございまして、31ページが、受給者数・件数でございました。
32ページ、33ページでございますけれども、これは、地域ごとで見た介護サービス利用者数の見込みということで、かなり地域によって、そのピークが訪れる、あるいはそのニーズが上がる時期というのが違うということをお示しするものでございます。
34ページでございますけれども、こちらは、認知症の有病率についてということで、推計を並べてございます。
下の表にございますが、2025年ですと、多い推計と少ない推計がございまして、ちょうど間を取ると700万人程度となることがございますけれども、2040年の頃には、802万人という推計から953万人という推計があるということでございます。
35ページ以降が、社会保障給付費の変化ということでございまして、36ページは、その伸びをお示ししてございます。
37ページ、38ページは、医療費、介護費の伸び率の要因分析をしているものでございます。
39ページでございますけれども、これは、介護サービスの累計別の介護費の動向。
そして、そのシリーズが、40ページ、41ページ、42ページと続いてございます。
45ページ以降が、新型コロナの発生状況ですが、これは割愛させていただきます。
そして、法律上の理念等ということで、今回は医療法と介護保険法、それから、障害者支援に関する法律上の理念で御紹介をさせていただきます。
49ページは、医療法でございますけれども、第1条の2といたしまして、「1医療は」というところから始まってございます。
生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、関係職種が並んでおりまして、担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならないという規定がございます。その下に健康保険法の抜粋がございます。
50ページが介護保険法に関する抜粋でございまして、第1条には「この法律は」ということで、目的を書いているところでございます。
2行目ですけれども、尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにしなければいけないということが書かれております。
第2条は4項までございますけれども、第4項で申し上げますと、保険給付ですけれども、被保険者が要介護状態となった場合でも、可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう配慮されなければならないという旨が規定されてございます。
また、第4条には、国民の努力ということも規定されているところでございます。
最後、51ページでございますけれども、こちらは、障害者総合支援法でございまして、基本理念が第1条の2に書いてございます。ここにも、全部は読み上げませんけれども、3行目には「相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため」という理念も規定されているところでございます。
まず、今回の意見交換の基本資料までの御説明は、以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきましても、委員の方々から、いろいろ御意見、御質問があるかもしれませんが、その場合は、後ほど各委員の御発言の中で触れていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、具体的なテーマに入ってまいります。
最初に「地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
保険局医療課長でございます。
それでは、最初のテーマにつきまして、資料3及び資料3の参考を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
本日は、なるべくディスカッションに時間を割きたいという観点で、簡潔な説明に努めたいと思ってございます。その点で資料をところどころ、はしょらせていただきますので御了承いただければと思っております。
それでは、テーマ1でございます。
資料の構成でございますが、まず、現状がございまして、その後、課題がございまして、そして、検討の視点という3部の構成となってございます。
そして、それぞれここに書いています文章があるわけでございますけれども、私どもは、参考にあるスライド集の中から根拠となるものをお示ししている、こういうような構成となってございます。
では、資料3を中心に御説明をさせていただきます。
まず、現状といたしまして総論、1)の中で、検討の背景となる人口・世帯構成の変化、これは、先ほど御説明したようなものでございまして、参考資料で申し上げますと、3ページから11ページまでにございます。
「2)地域包括ケアシステムと地域共生社会について」ということで、ここは重要だと思いましたので、私どもとして、あえて1つパラグラフを立ててございます。
まず、2つ○がございます。下のほうから読み上げさせていただきますけれども、地域包括ケアシステムと地域共生社会についての関係を示しておりますが、まず、この地域包括ケアシステムは地域共生社会、そして、地域共生社会の、こういったものをいうことで、括弧の中に説明がございます。
高齢者介護、障害福祉、児童福祉、生活困窮者支援などの制度・分野の枠や「支える側」と「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことのできる包摂的な社会ということで、地域共生社会ということを説明しており、そして、地域包括ケアシステムは、この実現に向けた中核的な基盤となり得るものということを示しており、そして、その地域包括ケアシステムとしては、その上の○でございますけれども、地域の実情に応じて、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、先ほどの介護保険法の理念に相当する文章でございますけれども、医療・介護予防、それから住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制を言うとされているところでございます。
それでは、ページを進ませていただきます。
まず、医療・介護・障害サービスの連携ということで、2ページ目でございます。
1)でございますけれども、2040年にかけて、先ほどの人口世帯構成の変化でありますが、医療・介護双方ニーズを有する高齢者が大幅に増加すること。
そして、その下の○でございますけれども、3つ言ってございます。介護保険サービス利用者が入院すること。医療機関に入院する高齢者が退院後に介護保険サービスを利用すること。3つ目で、地域や施設で生活を送る高齢者が、医療と介護双方のサービスを利用することが、今後さらに増えるということを書いてございます。
次に、2)でございますけれども、医療・介護連携に係る評価でございますけれども、これは、参考資料25ページから53ページですが、これまで累次の診療報酬改定、介護報酬改定で、その下、マル1、マル2、マル3とございますけれども、必要な様式と定めながら、私どもは様々、累次の改定で、こうした評価を充実させてきたということを書いてございます。
マル1が「入院退院等により患者・利用者の療養場所が移ることに伴う情報提供・連携に係る評価」。
マル2が「在宅療養中の者を支える医療機関と介護保険の居宅サービス等との連携に係る評価」。
マル3が「関係者・関係機関間の日頃からの顔の見える連携体制構築に係る評価」でございます。
一方、こういう保険給付以外で、3)でございますけれども、在宅医療・介護連携推進事業というものも実施されていることを御紹介したいと思います。
医療と介護の連携を報酬による評価だけではなく、平成26年に地域支援事業の中に、在宅医療・介護連携推進事業を位置づけ、平成30年度からは、全ての市町村で実施をされているところでございまして、下から3行目、4つの場面(日常の療養支援、入退院支援、急変時の対応、看取り)などで、PDCAサイクルに沿って事業実施ができるよう継続的な取り組みがなされているところでございます。
3ページに進みまして、4)は、医療・介護DXについて、推進されようとしていることをお示しするもの。
5)でございますけれども、医療・介護と障害福祉サービスとの連携について、これは、参考資料の77ページから96ページでございます。
1つ目の○ですが、障害者数全体は増加傾向にあり、そして高齢化が進んでいる。利用者等のニーズに応じてきめ細かく障害者の支援ができるよう、障害福祉サービスの提供体制の充実が図られてきている。
一方で、高齢化した障害者、精神疾患の患者、医療的ケア児が増加していることに加えてまして、身体疾患に罹患した障害者や強度行動障害を有する障害者への対応の必要性が顕在化してきているなど、障害の特性や個々の状況に応じた対応や、医療・介護・障害福祉サービスにまたがるニーズを有する者への対応が課題となっているとしてございます。
(3)が、こちらは、主治医とケアマネの連携ということで、チャプターを立ててございまして、1)が、その連携についてということでございます。
まず、柱書きとしては、医療と介護の適切な連携が不可欠、そうしますと、医療で中心的な役割を担う主治医と、そして、介護をコーディネートする役割を担う介護支援専門員との間で、円滑な連携体制が築かれていることが求められているということ。
その取り組みとして、4ページ目の上の○でございますけれども、一定程度その取り組みはあります。その上で、ケアマネタイムといった、主治医が介護支援専門員からの相談を受けられる一定の時間を確保するなどの、そういった取り組みが行われていることを紹介してございます。
次の○は、患者/利用者単位の連携でございますけれども、サービス担当者会議、地域ケア会議、受診時の機会を活用した連携、そして、介護支援専門員から主治医へのケアプラン提供を通じた情報提供が行われていることを書いてございます。
その次でございますが、アンケートでございますけれども、介護支援専門員にとって、医療機関との情報共有における問題点や負担が大きいことは、医療機関側に時間を取ってもらうことが困難ということがございました。また、工夫として最も多いのは、受診時に主治医と面談するといったことでございました。
次、退院時における医療機関と介護支援専門員の連携ということでございますけれども、2つ目の○を御紹介させていただきますが、ケアマネが最も困難な問題と感じることは、医療機関からの急な退院の連絡があって、対応が困難と感じる例も御紹介されているところでございます。
次、3)で多職種連携にも資する適切なケアマネジメント手法についてでございますけれども、こちらは、一定以上のケアマネジメントの水準を確保するための取り組みといたしまして、5ページでございますが、こちらは、適切なケアマネジメント手法の普及を図ってきているところでございます。
これは、基本的には、疾患別ケアで構成されているものでございまして、令和6年度4月施行予定のケアマネの法定研修カリキュラムに盛り込まれる予定とのことでございます。
次に(4)が、高齢者施設、障害者施設における医療、(5)が認知症、(6)がリハビリテーション・口腔・栄養でございますが、これは、それぞれのテーマで、もう少し深掘りをして議論をいただく予定でございますので、本日、ここでの説明は、割愛をさせていただきます。
次、主な課題でございます。先ほどの現状から導き出せるものとして整理をしてございます。
6ページの1、下でございますけれども、医療・介護・障害サービスの連携で、1)今後の重点的課題を踏まえた医療・介護連携についてということでございます。
2040年を見据えということで、急増する85歳以上の年代では、認知症が疑われる人や認知症の人が大幅に増加する。ですから、認知症高齢者に対する対応が必要であること。
次、2つ目のポツでございますけれども、高齢者単独世帯や夫婦のみの世帯が増加するので、生活支援や住まいの支援も含めた対応が必要であること。
3つ目のポツでございますが、限りある資源で増大する医療・介護ニーズを支えていくための、サービス提供体制の最適化。
最後のポツですが、都市部と地方の高齢化の差など、地域によって置かれている状況や課題が全く異なるということですので、今まで以上、地域の特性に応じた対応が必要であるといったことを踏まえまして、医療と介護の連携を推進する必要があるということ。
そして、次の○でございますけれども、こちらは、医療と介護双方のニーズを有する高齢者でございますが、それぞれの高齢者が、時々入院、ほぼ在宅、先ほどの総合確保方針にも記載があったものでございますけれども、このどの場面においても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けることができるように、医療においては、より生活に配慮した質が高い医療を、介護においては、より医療の視点を含めたケアネジメントが求められているということを記載してございます。
「さらに、在宅においては」という記載が次にございます。
次の2)が、医療・介護GXの推進、そして、次の3)が、医療・介護と障害福祉サービスとの連携についてという記載を起こしてございまして、障害者が特性や個々の状況に応じて、日頃から医療・介護障害福祉サービスを円滑に併用しながら生活できる体制や、緊急時に適切に医療の提供を受けられ体制が求められていること。
次の○は、医療・介護・障害福祉サービスにまたがるニーズを有する者に対応するためには、医療機関が障害者の特性や個々の状況に応じた医療提供を行う一方で、障害福祉サービス事業所において一定の医療ニーズに対応することや、双方の連携体制の強化を図ることが重要であること。そして、医療機関と相談支援事業所等の関係者間での必要な情報の円滑な共有等を図りながら、個々の障害者に応じた適切なサービスを提供することが求められているということを記載しております。
2)は、主治医とケアマネの連携ということでございまして、先ほど申し上げた現状を書いてございますが、2つ目の○では、特に平成30年度同時改定では、主治医とケアマネの連携が求められる。例えば、訪問診療を受ける者や末期のがん患者さん等に着目した評価や見直しが行われておりますけれども、より生活に配慮した医療を提供するためには、在宅医療だけでなく外来通院中の患者における連携を強化することも求められていることを記載してございます。
検討の視点として、(1)としまして、医療・介護・障害サービスの連携ということでございます。
ここに記載のとおりでございますけれども、1)今後の重点的課題を踏まえた医療・介護連携について、医療においてはより生活に配慮した質の高い医療を、介護においてはより医療の視点を含めたケアマネジメントを行うために必要な情報提供の内容や連携の在り方について、どう考えるか。
とりわけ、在宅医療を推進する中で、必要不可欠となる在宅医療・介護の連携のさらなる推進をどう図っていくか。
2)医療・介護DXについて、将来的な全国医療情報プラットフォームの整備等を見据え、医療機関間、介護事業所間、医療・介護間で情報共有を円滑に行うために必要な項目や様式の統一化などについて、どう考えるか。
3)ですが、医療・介護と障害福祉サービスとの連携についてということで、先ほど申し上げたような障害者の方々など、医療・介護・障害福祉サービスにまたがるニーズを有する者に対応できるよう、障害特性や個々の状況に応じた医療・介護サービスの提供体制、一定の医療ニーズに対応する体制についてどう考えるか。
また、個々の当事者の特性に応じた対応を図るよう各サービス間の連携を強化することについて、どう考えるか。
(2)でございますけれども、ここは、ケアマネと主治医の連携の部分でございますけれども、主治医がより生活に配慮した質の高い医療を提供するために、必要なケアマネさんとの連携の在り方について、どう考えるか。
また、在宅や施設、高齢者住宅等における医療を円滑に行えるよう、介護支援専門員が医療の視点を含めたケアマネジメントを行うために必要な主治医との連携について、どう考えるかという論点とさせていただいてございます。
それに必要な資料を参考にお示ししてございますけれども、こちらは大部でございますので、本日の説明は、割愛をさせていただきます。
資料の説明は、以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
なお、御質問に関しましては、これ以降の議題もそうなのですけれども、時間の都合上、誠に恐縮ですが、1人3分以内で、お願いいたします。なお、3分経過いたしましたら、事務局より合図がございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最初に、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
中医協委員として、介護分野の意見をしっかり拝聴させていただきたいと思います。
8ページの検討の視点に沿って意見を述べます。
(1)サービスの連携、1)今後の連携について、あるべき連携とは、現実の人間関係を前提とした上で、必要な情報を一方向的な提供や閲覧だけでなく、互いにコミュニケーションを行うことで相互理解を深め、現状、課題、目標、計画などを共有しながら、患者/利用者、家族とともに同じ方向に向かい、より質の高い医療・介護の実現につなげることであると考えております。
2)医療・介護DXについて、適切な情報共有を行うには、生活医療という視点の違いを踏まえた上での、情報の内容、使用用語の共通理解が必要であり、標準化、共通化が有用です。
特に医療・介護DXにおいて、ITの活用は、情報の正確性、迅速性、網羅性の向上に大いに貢献しますが、その際には、必要な項目や様式の統一化は必須と思います。
ただし、医療DXの目的としては、医療・介護現場の業務や費用負担の軽減も大きなものですので、医療現場、介護現場の負担が増大し、支障を来すようでは本末転倒です。
特に介護現場のDXに関する人、コスト、知識の不足は、医療現場よりもさらに深刻ですので、地域からの事業撤退などといったことが起こらぬよう、医療と同様、無理のない推進計画と適切な公的支援が必要と思われます。
診療においては、以上に述べた視点が重要と考えます。
3)サービスの連携について、施設入居者の在宅医療について、入居と同時に、これまで継続的に診療を行ってきた主治医、かかりつけ医から、そのサービス付き施設と契約あるいは提携している遠方の特定の医療機関の医師へ、患者さんの希望を無視して強制的に変更する実態があり、こういった状況は改善すべきです。あるべき姿にどうやって近づけていくのか、検討する必要があります。
(2)医療・介護を推進するための連携について、主治医と介護支援専門員の連携について、ケアマネジャーさんに医療の視点を持ってもらうと同時に、医療・介護それぞれが同じ方向を向くことが重要です。患者お一人お一人に対する介入もさることながら、地域ごとの違いもありますので、それぞれの医療機能を有する医療機関、様々なサービス形態を持つ施設が同じ方向を持ち、その方向を具現化するような改定とすることが必要と考えます。
退院時の連携です。
医療・介護の連携場面として入退院がありますが、新型コロナのため、病院内に入れない状況が続いておりましたが、コロナ対応の緩和とともに、入院時の状況確認や、多職種カンファレンスの再開が望まれます。
また、ケアマネジャーさんが病院の制限を理解することも重要かと思います。適切なケアマネジメント手法は、有用と思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
地域包括ケアシステムのさらなる推進は、2040年を見据えて非常に重要で、待ったなしの状況であり、このような意見交換会の機会をつくっていただき、感謝いたします。
歯科の立場から総論として意見を発言いたします。
歯科医療の多くは、個人立の歯科診療所による外来診療を中心に提供されています。歯科を標榜している病院は約2割と少なく、介護施設等にも歯科職種はほとんどいなく、歯科のない病院や介護施設等で、歯科医療が必要な患者さんがいる場合には、地域の歯科診療所から、訪問歯科診療で対応しております。
そういう意味で、チーム医療や、地域医療における多職種との連携が非常に重要だと考えています。特に入院患者や入所者に関する情報連携は、非常に重要です。
テーマ1の検討の視点に記載の1つ目の○の医療と介護におけるそれぞれの視点に係る患者情報の内容や連携に関しては、口腔の情報も医療と介護の双方で適切に把握され、必要があれば、早期に歯科の介入ができるようになることが望ましく、日本歯科医師会においても重要な課題と考えてまいりました。
テーマ3でも触れますが、口腔の管理は、急性期病院等への入院をすることで途切れてしまうことがあり、その中で、口腔崩壊が生じるケースもあります。
その後、慢性期病院や介護保険施設等へ移行したときには、手がつけられない状況になっていることも多くあります。
テーマ2でも発言いたしますが、口腔、栄養、リハビリが総合的に早くから、必要に応じて提供されることは非常に重要であり、そのためにも、統一化された情報共有が鍵になると考えております。
医療・介護DXが進められる中で、口腔の情報についても、関係者間で円滑に共有できる仕組みづくり、例えば、ICTの活用なども含めて検討していただきたく思っております。
また、障害福祉サービスとの連携も、まだ十分にできておらず、定期的に口腔健康管理を実施できるような体制整備が重要だと考えております。
特に医療的ケア児への訪問歯科診療や障害児者、または、認知症の方への歯科医療の提供についても課題があると感じております。
次期改定では、早期から口腔健康管理を切れ目なく実施できる体制を検討いただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。日本薬剤師会の森です。検討の視点に沿って幾つか発言させていただきます。
地域共生社会の実現には、患者・利用者の生活全体を把握しながら支えていくことが必要であり、そのためには、地域包括ケアシステムの中で、医師、歯科医師、薬剤師、看護師など、それぞれの分野の専門職が相互に関わりながら療養支援や生活支援を行っていくことが必要になります。
その観点から1)の医療・介護連携において、患者・利用者の服薬状況などについて薬剤師が把握し、多職種に情報提供するだけではなく、多職種からも情報を収集し、それをより良い薬物治療に役立てていくことが必須です。多職種連携の視点も含めて議論すべきと考えます。
2)の医療・介護DXについてですが、薬局では既に、オンライン確認システムが8割程度の施設で稼働している状況で、また、先日の医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループでも議論されておりますが、薬局としても、プラットフォーム機能に寄与できるような円滑な情報提供や情報共有に取り組んでいますので、薬局も含めた検討が必要と考えます。また、介護分野の情報共有も視野に早急に進めていくべきものと考えます。
3)のサービスとの連携について、薬による関与は必ずございますので、その視点と薬剤師、薬局の活用によるポリファーマシーや残薬の解消などの視点も含めていただきたいと考えます。特に、個々の当事者の特性に応じた対応を図るサービスにおいて、薬は必須の視点と考えます。
また、それぞれの方の障害の状況に応じた調剤上の工夫や服薬支援の必要性、さらに、これらの方々の高齢化も進んでいることから、高齢者施設はもちろんのこと、障害者支援施設での薬剤管理は、今後の重要な課題です。
これらの薬剤管理の視点は、ショートステイも含めた高齢者施設、障害者施設における医療、医療的ケア児の地域での受入れというところにも共通するものと考えます。
(2)の主治医と介護支援専門員の連携についてですが、患者・利用者にいかに質の高いケアを提供するかという視点から、薬剤師と介護支援専門員の連携も不可欠です。
両者で利用者の情報やケアプランを共有することによって、訪問による診療、服薬管理指導、訪問介護など、各種サービスの円滑な連携に寄与できるものと考えますので、薬剤師も含めた適切な連携の在り方の視点なども含めていただきたいと考えます。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、田母神委員、お願いいたします。
○田母神委員
ありがとうございます。日本看護協会の田母神でございます。
8ページからお示しいただいております検討の視点に基づき、意見を申し述べます。
まず、1)今後の重点的課題を踏まえた医療・介護連携についてでございます。
医療と介護双方のニーズを有する高齢者の方々に対し、生活に配慮した医療提供を実現するに当たっては、医療・介護双方からのタイムリーな情報共有が不可欠であり、現場においては、医療と生活双方の視点を有する看護職が、患者の状況に即し、必要な連携先とつなぐ役割を担っております。
特に医療ニーズの高い在宅療養者の入院時、あるいは退院時の訪問看護等との情報共有や共同指導、あるいは病院の医療連携部門、病棟・外来看護師からタイムリーに医療・介護・障害福祉の連携先に対して情報提供を行うとともに、必要に応じて支援や助言を行い、ケアの継続性、連続性を担保する仕組みを一層強化していく必要があると考えております。
次に、2)医療・介護DXについてでございます。
看護に関しましては、参考資料の38ページにお示しいただいている様式50、看護及び栄養管理等に関する情報がございますが、多職種間での情報共有をしていくという観点では、各職種が入力する様式について、重複する情報がないか確認の上整理しまして、将来的には全国医療情報プラットフォームにおいて共有を進められるとよいのではないかと考えております。
3)医療・介護と障害福祉サービスとの連携についてでございます。
平成30年度に創設されました共生型サービスに関してでございますが、看護小規模多機能型居宅介護における共生型サービスでは、全世代を対象にして、障害を持つ利用者の方へのサービス提供が可能となっております。
共生型サービスが今後広がりを見せるよう、例えば、看多機におきまして、医療的ケア児に対応できる看護師等の職員の人材育成をはじめとした課題の解決を図っていくことが必要であると考えております。
最後に(2)の医療・介護連携における主治医と介護支援専門員との連携に関しましては、医師とケアマネジャーの方の直接のやり取りもあるとは思っておりますけれども、医療機関等に配置されている看護職員は、患者を医療、生活両面から捉えておりますので、病院や診療所等の看護師を活用いただくこと、あるいは看護師を含めた連携など、効果的な役割分担の視点で連携を図っていくことも重要であると考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
田中委員、お願いいたします。
○田中委員
ありがとうございます。日本慢性期医療協会の田中でございます。
今回は、医療・介護・障害福祉の連携ということを発言できる機会ということですので、8ページ、3)からお話をしていきたいと思います。
現状、障害福祉サービスの相談員が、サービスの事業所あるいはサービスを受ける方の増加によって、物理的に本当に人が足りていない状況です。
しかしながら、高齢者の介護サービスでの相談員が、そこに転用するという仕組みができておりません。例えば、社会福祉士は大学学生時代に障害部門のことを学んでいるにもかかわらず、資格要件を満たさないというようなところで、障害部門の相談員にはすぐに転用できないということもございます。
そういったところでは、介護部門で勉強した社会福祉士や相談員が障害部門のほうに、すぐにでも活躍の場を広げられるような、そういった連携が必要かと考えております。
また、9ページの(2)主治医とケアマネジャーとの連携についてですけれども、現状では、同一法人でもベンダーの違いから介護記録を医療カルテのほうから見ることができません。これを行おうとすると、非常にお金がかかるというような状況になっています。
今後、医療・介護DXの推進の際には、その部分の解決をまず急いでいくことで、主治医と介護部門との連携というのは図られていくのではないかと考えておりますので、その辺りのところも、ぜひ視野に入れてお願いできればと考えております。
以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、稲葉委員、お願いいたします。
○稲葉委員
民間介護事業推進委員会の稲葉と申します。よろしくお願いします。
本日は、意見交換会ということで、資料の3ページ全般にわたって書かれております、今後、ますますニーズの増す医療と介護の適切な連携が必要になってくるということがよく分かります。
特に、入退院の対応、急変時、看取り、認知症の対応やリハビリ、口腔、栄養の管理など様々な場面におきまして、特に主治医とケアマネジャー、介護支援専門員による情報共有などの連携の大切さを感じております。
介護支援専門員は、利用者に関する様々な情報を既に持っております。そして、その情報を利用者の利益に資するように、課題分析などを得て、状態像の目標を立て、そのためにどんな介護サービスをどの程度利用するのか、いかに社会資源を生かすのかなど、マネジメントを行うという機能を持ち合わせております。
そこで使う情報の中には、生活全般にわたりますし、家族や人間関係のこと、資産の状況、本人や家族の希望、趣味、嗜好、生活習慣など、貴重な情報が多く含まれております。
さらに、医療の情報や医師の意見などの情報が適切に生かされることによって、より合理的なケアマネジメントができるということになります。
したがって、たまに聞く話ですけれども、訪問看護師であったり、ホームヘルパーに情報が伝えられたものの、介護支援専門員は、ちょっと聞いていなかったとか、知るのが遅れたというような事態が起きることがないように、介護支援専門員には、しっかりと迅速で正確な情報が集まることが重要であると考えます。
各専門職の多忙さなどによって、情報伝達の場が、いつでも設定できるというのは難しいことではありますが、これからICTの活用などを生かすことで、連携に進展を望むことを意見として申し上げたいと思います。
そして、これに関する質問なのですけれども、国としましては、今、申し上げたケアマネジメントを生かす必要性や、仕組みにつきまして、どのようにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいま稲葉委員から御質問をいただきましたが、ほかの委員の方々の発言を伺った後で、まとめて事務局より御回答をお願いいたします。
続きまして、古谷委員、お願いいたします。
○古谷委員
ありがとうございます。全国老施協の古谷でございます。
医療・介護・障害サービスの連携ということで、この連携に関しては必要不可欠と考えております。介護サービスを提供する上でも、医療情報というものは欠かせないと思っています。ここら辺、どう情報を統一し、整理してスムーズな連携が図れるようにするかが重要かと思っております。
医療・介護それぞれの分野で情報を共有、連携したときに、インセンティブ等、新たなものであったりとか、ガイドライン等の行動規範等を定め、一定のルール化をすることが非常に重要と思っております。
また、2)医療・介護DX等についても、介護サービスでは、令和3年度よりLIFEにより情報の収集というのが始まりました。
このことにより、介護事業所においても、介護ソフトの導入というのがかなり進んできております。
また、その中の加算による算定率の差はありますが、一定の指標を用いて評価することも、介護のサービスを提供する上で徐々に定着してきているとも考えております。
今回、全国医療情報プラットフォームに、介護情報も含まれると。その目的の中に介護事業者や医療機関が本人の同意の下、介護情報等を適切に活用することで、利用者に対して提供する介護・医療サービスの質を向上させるということもございます。
しかし、今までの連携の中で医療側が必要とするもの、また、介護側が必要とするという各々の情報に差があったのも事実かなと思っております。一定程度DXを進める上で、この収集する共有できる情報というのを、今後、標準化し、整備していくことが非常に重要だと考えておりますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員
日本介護支援専門員協会の濱田と申します。本日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
まず、資料3の1ページにあります、現状、総論、1)地域包括ケアシステムと地域共生社会についての助け合いながら暮らしていくことのできる包摂的な社会の構築についてということですが、前提として、少子高齢化や長寿化の進展などの影響もあり、高齢者の実質所得の変化や、労働力不足に対応する就業率の上昇などにより、好むと好まざるにかかわらず、生涯現役を続ける傾向が進んでいると感じられます。
また、家族や地域に対する意識の変化や、少子化、非婚化等を背景として、家族機能の低下などもあり、一部地域を除き、全体的な傾向として人材や時間など、助け合うための余力が減少しているか、少なくとも期待するほどの増加が得られにくいという現状認識を持っております。
介護支援専門員を含めた介護人材不足もありまして、これらの状況も踏まえて、在宅医療・介護連携事業の推進や、医療・介護DX、また、推進を図るための評価の強化など、次期改定では、医療・介護・障害福祉サービスの連携が、さらに強化、推進されるような方向づけが重要と考えております。
(2)の医療・介護・障害福祉サービスの連携に関しまして、在宅医療や入退院に関連した医療機関と介護支援専門員の連携は、着実に推進されてきておりまして、前回の同時改定により、さらに推進が図られていきまして、地域によってはチームメンバーと相互に実感できる場面も増加いたしました。
しかしながら、いわゆるコロナウイルスが感染拡大した令和2年度以降は、対面による情報共有は残念ながら減少せざるを得ず、感染状況を見極めながらにはなりますが、会議や研修、交流、その他の機会を活用して、信頼関係や連携場面を再度構築していくことが求められると考えておりまして、そのための支援が重要ではないかと思っております。
また、この間、逆にICTやオンラインの活用が進んでおりますが、医師をはじめとして各種職種は、超多忙でありまして、業務密度も濃くございます。この点につきましては、我々介護支援専門員も十分認識はしており、理解もしておりますが、資料3、参考資料1の99、100ページにもありますように、情報共有のための時間調整が困難な場合も多く、特に入退院の際では、病状や、いわゆる在院日数の短期化などの努力も進み、退院決定から実際に退院するまでの時間がかなり短くなっておりまして、カンファレンスをはじめ、情報共有の場面の設定が難しいと感じております。
オンライン会議システムも普及はいたしましたが、双方が事前に時間設定などの約束が必要であり、前述の通り職種によっては業務特性上、時間予定が、恐らくはしづらく、電話や診療順を待機しての対面などのほうが確実に面談できるということもありまして、各種ICTの活用を行っていくとしましても、今後どのようにすれば、相互に効率的に連携や情報共有が進むかについて検討をして、支援または促進策を必要とすると考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。池端です。テーマに沿って何点かお話ししたいと思います。
まず、今ほど各委員からおっしゃった医療と介護の連携の最たるものは、特に医師とケアマネの連携ということになるかと思います。
今、濱田委員からの話にありましたように、これは、古くから重要な課題でありながら、なおかつ現状においても課題になっている。
しかし、先ほどの資料の説明にもありましたように、これから高齢者が、しかも住み慣れた地域で暮らし続けるためには、この連携がさらに進むことが必要かと思います。
その中で、医師側もやはり、ちょっと(ネット)環境が悪いでしょうか、聞こえにくいでしょうか。
○小塩会長
大丈夫です。よろしくお願いします。
○池端委員
医療側としても、やはり生活の視点という立場に立った医療の提供が必要だと思いますし、介護側も、逆に医療のニーズをしっかり把握した上でのケアマネジメントというのが必要になってくる。双方が歩み寄って、もう連携から統合の時代であり、皆が一緒に考えましょうという(事)。そして、そこで成功体験をすると、医師側もケアマネも、(双方が)連携するとこれだけいいことがあるということが分かれば、より連携が進むのではないか。
そのためにも、ハードルが高いと言われている医師とケアマネの間に、私は、先ほどどなたかおっしゃったように、地域連携室というのが窓口になってやることによって、スムーズに進むことが結構ありますので、こういうことも1つの方法ではないかと思います。
いずれにしても、時々入院、ほぼ在宅の中で、医療が全くないケアマネジメントというのは、これからはあり得ないと私は思っているので、そこは大きなハードルであっても、乗り越えてほしいと思います。
それから、DXに関しては、例えば、医療と介護のDXということですけれども、NDBデータと、KDBデータですら、まだ、連携できていない。さらにそれに介護DB、この3つの大きなデータベースが、よりスムーズに移行できるように、1人の患者さんに、その3つのデータが全て連携して取れるような、そういう大きな仕組みも必要ではないかということで、それは、現状どういう方向性あるいはどういう進捗状況なのか、もし分かれば教えていただきたいと思っています。
それから、障害に関してですけれども、一点、医療的ケア児の障害者に関して、一番現場で問題になっているのは、いわゆるレスパイトケアの不足です。介護であれば、ショートステイとかがありますけれども、障害者については、ショートステイという概念が基本的にはありません。そこについてレスパイト入院ということも、ちょっとグレーゾーンな入院になりますので、この際ですので、このトリプル改定の中で、しっかりとレスパイト入院ができる体制、これを構築することが、トリプル改定の中で非常に重要ではないかということで提案させていただきます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員からも、データベースについての御質問がありましたので、後で御回答をお願いいたします。
続きまして、東委員、お願いいたします。
○東委員
ありがとうございます。
全国老人保健施設協会の会長の東でございます。今日はよろしくお願いいたします。
検討の視点に沿って、意見を2点申し上げたいと思います。
1つ目は、資料3の8ページ、(1)医療・介護・障害サービスの連携の1)今後の重点的課題を含めた医療・介護連携についてです。
ここに「医療においてはより「生活」に配慮した質高い医療を、介護においてはより「医療」の視点を含めた」と書いてあります。
まさに記載のとおりではございますが、私はどちらかと言いますと、介護における「医療」の視点よりは、医療における「生活」を配慮した質の高い医療の視点が足りないのではないか、つまり医療側では生活機能の情報収集が少ないのではないかと考えております。
生活機能の情報といいますと、一般的には身体機能と認知機能に分かれますが、医療側では、特に認知機能の情報の収集が余りに少ないのではないかと考えています。
資料3の5ページの(5)認知症の項目を見ていただきたいのですが、そこの2つ目の○に「在宅や施設から入院する場合、認知症者の入院前の症状やADL、生活歴・趣味等を把握することが、適切な認知症ケアを提供する上で必要となる」と書いてございます。
そのなかでも、認知症の方はコミュニケーション能力や、オリエンテーション能力が衰えている場合が多くございますので、そのような認知機能の評価を、入院前にきちんと行うということが、これからは非常に重要になるのではないかと考えております。
2つ目は、資料3の8ページ、2)医療・介護DXについてです。介護DXも医療DXと同じ項目で書かれているものの、やはり温度差があり、我が国では、まずは医療DXを先に進めようとしていると感じております。
しかし、医療DXばかりを先に進めていくと、介護DXとのプラットフォームの共通化等が遅れてまいります。ぜひ、医療DXと介護DX、プラットフォームの統一化・共通化というものは、同時にやるべきだと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。健康保険組合連合会の松本でございます。
今日は、医療・介護の現場の方から現状を伺い、また、課題に対する認識も深めることができました。
まず、最初に資料1及び基礎資料を踏まえまして、医療保険者の立場から、今回の同時改定に向けた基本認識を申し上げます。
まず、この意見交換会の目的が、資料1の1ページ目に記載されておりますが、この中で、3つ目の○がポイントと考えております。
総合確保方針の見直しにおいても指摘されているとおり、団塊の世代が75歳以上になり、サービスの需要が高まるとともに、サービス、財政の支え手である生産年齢人口が急速に減少するという重大な変化が同時に進みます。
したがいまして、今回の同時改定では、これまでよりも最適化、効率化が強く求められるとの認識を持っております。
各職種、各施設がそれぞれの機能を十分に発揮し、ある程度マルチタスクでお互いにカバーし合って業務を回していかなければ、限られた医療・介護資源で増加する需要を賄うことはできません。
その上で、患者の状態に応じて、急性期医療から回復期医療、医療から介護へつなげていくことがあるべき姿だろうと考えております。
また、既に診療報酬や介護報酬で評価しているものについて、狙いどおりの効果が現れているかも検証し、今後の対応を慎重に議論する必要があることもコメントさせていただきます。
続きまして、テーマ1に関して、資料3の8ページに基づきましてコメントいたします。
まず、医療・介護・障害福祉サービスの連携でございますが、各職種、各施設が機能を十分に発揮することを前提として、過不足なくサービスが提供されるために連携が必要であることは十分理解できます。
医療と介護のDXについては、それ自体が目的ではなく、サービスの質の向上や最適化、効率化のためのツールとして活用することが重要です。
また、障害者は高齢化し、医療・介護・障害福祉にまたがるニーズを抱える方がいらっしゃることは十分に理解いたしますが、既に共同指導や情報提供の評価が多数ありますので、一つ一つの連携を評価するというよりも、全体の枠組みとしてどのように連携を担保していくかが重要でございます。
続きまして、医療・介護連携を推進するために必要な主治医と介護支援専門員の連携ですけれども、複数の疾患を抱える要介護の高齢者については、疾患ごとに主治医とケアマネが連携するというのは現実的ではありませんので、主治医意見書を書いた、かかりつけ医がDXを活用しながら、連携のハブになることを期待したいと考えております。
私からは、以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
検討の視点に沿って意見を述べさせていただきます。
まず、既にこれまでもホームヘルパーからケアマネジャー、主治医までの情報提供の連携システムは、仕組みがなされております。例えば、おうちを訪問したホームヘルパーさんが、処方された薬が飲み余っていることを発見したら、ケアマネジャーに報告して、ケアマネジャーは主治医へそれを報告することが義務化されています。
この仕組みを、ぜひ主治医のほうからも発信できるように双方向にしていくことも大事かなと思っておりますし、さらに、これを居宅サービス全般あるいは地域密着型全般にも拡大して、連携をしやすくする仕組みが重要かと考えます。
続きまして、DXは、ぜひ推進するべきものであります。そういった中で項目や様式の統一化というのも検討していくべきだと思いますし、あと、情報の項目の中でいうと、意思決定支援、この部分がまだまだ不足しているかなと思いますので、こういったことも充実していく必要があるかと思います。
情報連携が目的ではなくて、共有した情報の活用が重要でございますので、そのためには情報の内容が重要でありますし、場合によっては、チェック方式のみでは計り知れないものもありまして、今後、工夫も必要かと考えます。
続きまして、障害福祉サービスについてですけれども、障害者サービスにおいても医療ニーズが非常に高まっております。したがって、医療分野と福祉分野の連携は喫緊の課題であります。
あわせまして、相談支援専門員との医療の連携というのも、今後は重要な課題と考えます。
例えば、放課後デイでも医療的ニーズがあるがために、サービスが使えないとか、そういったことも多々ございますので、今後検討が必要でありますし、さらに、障害福祉サービスから介護保険への共生サービスの移行がなかなか促進されないので、この辺りの課題を踏まえて検討が必要だと思います。
障害者サービスは、介護保険サービスのケアプランから始まる、しっかりとした基盤というものを、もう少し踏襲していく必要あるかと思います。
続きまして(2)について申し上げます。
前回の介護報酬改定の居宅療養管理指導で、医師と歯科医師について、社会生活面の課題にも言及することが示されまして、ただ、現実的には、まだその実態は少ないので、そういったところも取り組みを促進していく必要があるかと思います。
ケアマネジャーが、医療的な知識を持つことは大切ですけれども、それよりも主治医との連携をするほうが、さらに重要だと考えておりますので、今後も取り組んでいく課題です。
また、医療のプランと介護のプランの違いは何かというと、医療のプランは予後予測を踏まえています。したがいまして、今後のケアプランにおいては、予後予測を踏まえたケアプランというのも念頭においていく必要がありますし、あわせまして、資料にありました、ターミナルケアマネジメントプロセス加算の仕組み、すなわち、がん末期においては、主治医との連携によってサービス担当者会議を開催しないでもケアプランを変更できるというものですけれども、そういったものをがん末期以外にも拡大していく必要もあろうかと思っているところでございます。
そして、主治医の意見書には、医学的管理の必要性のチェック項目があって、そこにサービスが列記されておりますが、なかなかこれがケアプランに反映されていないという意見も多く、こういったことは、また検討していく課題でありますし、特にリハビリテーションの重要性というのは、もう少し認識を高めていく必要があるのではないかなと思っております。
重要なことは、医療も介護も生活や人生を支えるために存在しております。資料2の49ページ、50ページに医療保険、介護保険の資料がございますが、共通のワードは尊厳の保持でございます。
したがいまして、医療や介護、多職種が同じ人に関わるわけでございますので、その患者さん、利用者さんの幸せを願って、その方を中心として、人生最期まで尊厳を保障すること、そういうことを共有していくことから始まるのではないかと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
これで一通り委員の方々から御意見を頂戴いたしましたが、先ほど稲葉委員、それから池端委員から御質問がございましたので、事務局から御回答をお願いいたします。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長
老健局の認知症施策・地域介護推進課長でございます。
稲葉委員をはじめ、皆様方からケアマネジャーの重要性について御指摘がございました。私どもとしても、ケアマネジャーは、地域共生社会の実現に向けて、利用者、御家族の尊厳を保持するために、今後、重要な役割を担っていただかなければならないと感じているところでございます。
その上で、総合確保指針あるいは昨年の介護保険部会のまとめでもいただきました、ケアマネジャーの情報連携あるいは多職種連携を進めるために、適切なケアマネジメント手法のさらなる普及促進、これにつきましては、法定研修について、来年の4月から組み込むという予定でございます。
また、業務負担の軽減、これに関しては、例えばケアプランデータ連携システムの導入といったものも予定しているところでございます。
また、公正・中立性が求められるケアマネジメントでございますので、そういったケアマネジャーが十分に力を発揮できるような環境、これは業務効率化だけではなくて働く環境の改善、こういったものも必要だと考えています。
いずれにいたしましても、皆様方の御意見も踏まえながら、そういった包括的な検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○眞鍋医療課長
保険局医療課長でございます。
池端委員からKDBあるいはNDB、介護DBに関する御質問がございました。
KDBに関しましては、国保中央会のほうで管理されているものと認識をしてございます。特定健診情報等、あとデータですね。市町村が主体ですので、医療のレセプトデータ、介護データなどを連結して解析できるデータベースだと認識をしてございます。
一方で、NDB、これは医療保険の診療報酬のレセプトのデータベース、それから介護DBは、介護保険におけるレセプト情報を蓄積しているデータベースでございます。
NDBと介護DBに関しましては、たしか令和2年の10月からだったと思いますけれども、連結解析ができるようになってございまして、それは国のレベルではできるということでございますけれども、一方で、恐らく御質問の趣旨は、現場でという話だと思いますけれども、ここに関しましては、そういう国レベルの解析や、研究に寄与するものではなく、現場で使えるものとしては、まだ構築されていないというのが実情だと思っています。
ただ、一方でオンライン資格確認による診療情報の共有ということが、医療保険のほうでは始まっているところでございまして、このシステムが、現時点では薬剤情報や特定健診の情報など、受診した医療機関の情報ですとか、医療機関側でも、もちろん御了解を得てということでございますけれども、共有できるようなシステムが広がろうとしてございます。
そういったことが、今後広がってくれば、介護情報の共有もできるのではないかと思ってございます。もし、介護のほうで補足があれば、していただければと思っております。
○古元老人保健課長
ありがとうございます。老人保健課長の古元と申します。
今、眞鍋課長からお話しいただいた概況のとおりでございます。また、介護情報につきましては、本日、参考資料にもお示ししております全国医療情報プラットフォームの中に、格納した上で共有できないか、そういったことに向けまして、現在、ワーキンググループを設置し、介護情報の内容でありますとか、標準化、どういった方にどういった情報を提供するのが適当か、そういったことの検討も進めております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
それでは、時間の制約もございますので、特にほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑は、この辺りとしたいと思います。
次のテーマに移ります。次は「リハビリテーション・口腔・栄養」を議題といたします。
この点につきましても、事務局より資料が提出されておりますので、まず、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
保険局医療課長でございます。
それでは、資料の4、それから資料の4の参考でございますけれども、これらを用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料の4、縦長の資料でございますけれども、こちらも現状、課題、そして検討の視点という構成になっているところでございますけれども、御説明させていただきます。
1ページでございます。
「(1)リハビリテーション・口腔・栄養の一体的な取組」でございまして、参考資料で申し上げますと、3ページから22ページまでに関連資料がございます。
1つ目の○でございますが、まずはリハビリテーション、口腔の管理及び栄養管理の取り組みは一体的に運用されることで、より効果的な治療・重症(重度)化予防、自立支援につながることが期待されること。
2つ目の○で「具体的には」ということで多職種が連携した総合的なリハ、口腔の管理、栄養管理といたしまして、2つポツがございますけれども、筋力や持久力の向上及びADLの維持・改善、摂食・嚥下障害の改善、誤嚥性肺炎の予防、こういった効果的な取り組みが期待されるということが分かってきてございます。
その後に2つ○が続いておりますけれども、まずは、医療機関においては、摂食嚥下支援チーム、栄養サポートチーム、褥瘡対策チームなど多職種が連携して支援を行う取り組みが推進されてきており、介護保険施設におきましても、リハ・機能訓練、口腔の管理、栄養に関する管理を、計画を一体的に記入できる様式の提示や多職種による会議の推進など、連携の強化を図ってきたところでございます。
「一方で」ということございますけれども、多職種による適切な評価や介入が行われず、治療期間の延長につながっていたり、あるいは入院前に経口摂取できていた誤嚥性肺炎患者さんの約4割の方が入院1か月後には、3食経口摂取を再開できていない実態も示されているところでございます。
また、こちらは、保険給付ということでなく、介護予防の観点でございますけれども、市町村が主体となり、実施する地域支援事業の介護予防・日常生活支援総合事業におきましては、高齢者が集まり交流する通いの場への専門職種の関与や生活機能が低下してきた高齢者を対象といたしました、専門職による短期集中予防サービス、いわゆるサービスCでございますけれども、それを推進しているところでありまして、地域でもリハビリテーション、口腔・栄養の専門職の活躍が求められているところと考えているところでございます。
次の○でございますけれども、こうした介護予防の取り組みの機能強化を図るためということでございますけれども、約7割の市町村で当該事業が実施されている一方で、約半数の市町村では、専門職が不足しているということが課題となっているということでございます。
次(2)、リハビリテーション、ここからはリハ、口腔、栄養と続きます。
まず、リハビリテーションでございますけれども、リハビリテーションは、主な役割分担としては、急性期から回復期までは医療保険、生活期は介護保険が中心となって対応するということをされております。
次の○では、退院後から訪問・通所リハビリテーション、いわゆる医療から介護に移るところでございますけれども、こういったものを利用するまでの期間が短いほど、利用者の機能回復が大きいという傾向が示されているものもございます。また、それを可能とするような人員面積等の共有という規制緩和なども行ってきたところでございます。
次の○でございますけれども、医療機関からの退院に関しましては、本人、家族の希望のみならず、心身機能やADL、家屋の構造、介護力等を考慮しながら患者、家族等に対してリハビリテーションの観点から指導を行うことを推進してきたところでございますし、また、医療・介護に互換性を持ったリハビリテーション計画の書式の様式を示しておりまして、当該様式を使用して、医療機関から介護保険のリハビリテーション事業者に情報提供することが推進されているところでございます。
一方で、介護保険のリハビリテーションの実施と、それから診療報酬における疾患別のリハビリテーションの実施の内容には、こちらは差があるといったところもお示しされているところでございます。
次の3ページに行きまして、1つ目の○でございますけれども、リハビリテーションに関しましては、訓練のみではなく、定期的な生活機能の評価と、それに基づく運動・生活指導ということによりまして、ADLは改善すると、こういう観点でも大事だということが報告をされているところでございます。
次に、要支援者に対する介護予防訪問リハビリテーションに関しましては、利用開始から終了までの期間、中央値6か月ということでございますけれども、数年以上同サービスが継続されている実態もあるといったことも示されてございます。
次に口腔でございます。
口腔の重要性に関しましては、1つ目の○で述べているところでございます。
2つ目の○でありますけれども、専門職による口腔の管理としてということで、う蝕や、歯周病等に対する歯科治療、義歯作製等の歯科治療のほかに、口腔の清掃や口腔機能の維持回復のための指導管理、それから、摂食機能が低下した者に対する摂食機能療法等が行われております。これらは、多職種連携で行われていること。
次の○では、現状で、歯科医療機関の約2割が在宅医療サービスを行っていること。
最後の○では、高齢者になると、かみにくいという自覚症状を持つ者の割合が増加している一方で、歯科医療機関へ通院している者の割合は減少する。また、年齢が上がるにつれまして、要支援・要介護認定を受けていない者ほど歯科受診の割合が低いこと。また、要介護者もその多くは歯科治療が必要な状態であるものの、歯科受診を含め専門的な口腔の管理は必ずしも十分に提供されていないという実態があるというものでございます。
介護保険施設におきましては、ここに書いてございますとおり、基本サービスとして口腔衛生の管理体制を整備することとされておりますけれども、介護保険施設が協力歯科医療機関に実施してもらいたい内容としては、口腔衛生等に関する研修会や摂食嚥下に関する内容などが多かったところでございます。
さらに、病院や介護保険施設では、歯科医師や歯科衛生士がいない場合が多く、地域の歯科医療機関との連携が必ずしも十分に行われず、入退院等をきっかけとして患者の口腔内の状態が悪化する場合があることも指摘されているところでございます。
次に、ケアマネジャーさんの業務でございますけれども、必要な場合には、利用者の口腔の問題等について歯科医師に情報伝達を行うことが推進されているところでございますけれども、様々な理由で、実際に情報提供を行った介護支援専門員は約3割にとどまるといった状態もあるところでございます。
また、一方で、ケアマネさんが、歯科医師・歯科衛生士に情報提供を依頼しても、提供されないこともあるということでございました。
次の○でございますが、歯科医師がいない病院や介護保険施設においては、地域の歯科医療機関との連携で、NSTや食事観察等の口腔の管理を行うことが推進され、報酬による評価も設けられていますけれども、取り組みは低調ということでございます。
次に、栄養でございます。
栄養の重要性を1つ目の○で申し上げておりまして、栄養管理の次の実態でございますけれども、管理栄養士と多職種が共同して作成した栄養管理に係る計画に基づき行うことを基本としているところでございます。
次の○では、平成30年度以降でございますけれども、様々報酬の措置が行われていることが示されております。
5ページでございますが、入院時の高齢者の約4割、介護保険施設入所者の約半数は低栄養のリスクが高いことが明らかになっている。これも参考資料にございます。
次の○と、その次の○でございますが、こちらは、入院・施設入所と在宅を対比して書いてございます。
上から2つ目の○では、入院・施設に関しましては、入所あるいは入院の当日から食事提供が行われるため、可能な限り速やかに、その方の必要な栄養状態ということが把握されることが必要だということでございます。
こういったことからも、医療機関と介護保険施設等との栄養情報の共有や管理栄養士間の連携が重要ということを申し上げております。
次の○では、在宅について申し上げておりますけれども、療養する要介護高齢者は、要介護度が高いほど低栄養のリスクが高い者や摂食嚥下機能に問題がある者が多いということを述べているところでございます。
主な課題であります。
(1)がリハ・口腔・栄養の一体的な取り組みということでございますけれども、1つ目の○で、それぞれパーツとして考えたときに、リハや口腔の管理、栄養管理に関する取り組み、それぞれ様々な報酬項目等で推進されてきたということでございますが、これを効果的に行うということでは、医師をはじめ、関係職種が一体的な取り組みの重要性を認識し、的確に対象者を把握した上で、速やかに評価や介入を行う必要があるということが課題である。
2つ目の○でありますけれども、現在、チーム医療、多職種カンファレンスで、こういった連携が進みつつある一方でということでございますけれども、課題も多いということで、速やかに対応するためには、多職種による日常的なコミュニケーションも重要であると。こういった専門職種による日常的なコミュニケーションも重要であるということも、課題として挙げられます。
次に6ページでありますけれども、こちらは、医療と介護での情報のやり取り、切れ目なく引き継がれることも大事だということを書いてございます。
次の入院に関しては、次のテーマで議論をさせていただきます。
次に「(2)リハビリテーション」でありますけれども、こちらは、先ほど申し上げたような役割分担の下で提供されるところでございますが、これは、両者間の医療と介護の円滑な移行をさらに推進する必要があること。
そして、次の○では、リハの観点から定期的に生活機能を評価、指導することも求められる。
(3)でありますけれども、口腔といたしましては、口腔の管理の重要性が十分認識されていないことに加えまして、口腔の状態の評価が十分行われていないとの課題があることをお示ししております。
次の○でありますけれども、口腔の管理は、療養を行う場所に応じて医療と介護により行われると。全身の疾患の影響等で口腔内の状態は変化するので、口腔衛生管理の提供内容や頻度等は異なることは当然ありますけれども、この患者の状態に応じた口腔の管理の方法を評価する仕組みがないために、必要な口腔の管理が提供されていない可能性もあると考えております。
次の7ページの上の○でございますけれども、これは、歯科医療機関と病院や介護保険施設、居宅介護支援事業者との連携をさらに推進していく必要があると述べております。
栄養でございますが、こちらは、医療機関においても、介護保険施設においても、特別な栄養管理が必要な者が多いということから、さらなる体制整備が必要であること。
次の○が入院・入所時でありますけれども、医療機関と介護保険施設の連携が重要。
最後の○では「在宅において」ということでございますけれども、必要な方に訪問栄養食事指導が行われていない可能性がある、こういった課題があるとまとめております。
検討の視点(1)(2)(3)(4)とございますけれども、先ほど申し上げた課題について、どう考えるかとお示しをしているものでございます。
資料の説明は、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見ございましたら、よろしくお願いいたします。
長島委員、お願いいたします。
○長島委員
検討の視点に沿って申し上げます。
(1)一体的な取り組みを推進するためには、一体的な取り組みを可視化するために、リハビリテーション、個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に関する実施計画書を多職種で製作し、介護で活用することが有用であると考えます。
また、コミュニケーションの強化には、ICTツールの活用も有用です。したがって、これらを促進する仕組みが必要と考えます。
(2)リハビリテーションについて、急性期、回復期リハビリテーションと生活期リハビリテーションの円滑な移行について、フェーズに応じてプログラム内容を変化させていくための仕組みが必要と考えます。
急性期、回復期では、自宅復帰のために必要なADLが大きな目標となります。
また、生活期では、自己選択、自己決定に基づき、QOLの向上が目標となります。それぞれの立場により、目指すべき方向性が短期的か長期的視点かで異なりますので、医療機関で完結することが前提ではなく、生活期でさらなるQOL向上を目指すために、急性期、回復期では何をするべきかというバックキャスティング的な視点が、医療側にも求められると思います。これらを支援する取り組みも重要と考えます。
(3)口腔、(4)栄養については、適切な支援を行うべきと考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。少し長くなりますが、お許しください。
口腔は食事の摂取に直接関わり、QOLに大きく影響します。適切に咀嚼できるよう、必要な歯科医療を行ったり、嚥下訓練や定期的な口腔健康管理で口腔内を清潔にすることは、誤嚥性肺炎や感染を予防する上で非常に重要です。
その上で、検討の視点に記載のリハ、口腔、栄養が一体的に提供されることが重要で、その効果は、資料4参考1の4ページから7ページにも示されているとおりです。
栄養を効果的に摂取するためには、咀嚼、食塊形成、嚥下といった一連の過程がスムーズに行われることが重要で、医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士など、関係する多職種との連携が重要課題です。
また、高齢者は多剤服用者が多く、例えば、岩手県などでは、まちかど相談薬局のような取り組みなどで、口腔の問題があれば、歯科受診するように、薬剤師の方から声をかけてもらう事例があると伺いましたが、取り組みは一部であり、効果的な連携の在り方は、今後の課題であると考えております。
加えて、病院や介護保険施設、在宅等におきまして、口腔の情報や問題が認識されていないことも課題です。
例えば、療養場所が変わっても、ケアマネを含む歯科専門職以外の関係者の方も理解できるような口腔アセスメントの普及も必要で、その上で、医療・介護における口腔健康管理が必要な方へ切れ目なく提供できるよう、さらに工夫をしていく必要があると考えております。
課題といたしましては、歯科訪問診療における歯科治療と介護保険サービスの整合性や給付調整等の複雑さなどは、現場から改善の要望も多いところでございます。
また、NSTやミールラウンドへの参画は、評価はされておりますが、なかなか取り組みが上がっておらず、口腔と栄養の連携を進めるためには、もう少し工夫が必要ではないかと感じております。
さらに、末期がんなどの口腔状態が安定せず、高頻度に口腔の管理が必要となる場合もあるため、口腔の状態に応じた口腔の管理を推進する必要があると思っております。
情報連携につきましては、医療DXが加速する中、小規模な歯科医療機関にも参画が可能となるよう、ICT活用も含めた取り組みも必要と考えております。
今般のコロナ禍において、介護保険施設等で、訪問歯科診療の中断を求められるケースも見られ、必要な口腔健康管理の提供が滞ることもあり、新興感染症下における今後の課題だと認識しております。
ただ、老健事業等の報告では、既に施設等に歯科職種の関与がある場合や、歯科衛生士がいる施設では、何らかの工夫をして継続的に口腔健康管理ができていたということも伺っております。
歯科衛生士による口腔衛生管理も含め、感染症対策の観点から、その提供の在り方も様々に工夫していくべきと考えております。
最後に、リハ、口腔、栄養を一体的に提供する観点から、歯科専門職が関与する口腔健康管理のみならず、医療・介護のそれぞれの場面で、関係職種が連携して口腔機能向上の取り組みを効率的に実施できるような制度設計をお願いしたいと思っております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きましては、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
検討の視点に示されております、リハビリテーション、口腔、栄養の一体的な取り組みについて、薬との関係の観点からは、筋弛緩作用など、運動機能に直接影響を与えるものだけではなく、ふらつきなど、中枢性の副作用もあることから、リハビリテーションとの関係もありますし、味覚障害や消化器症状、食欲減退といった食生活に影響する副作用もあることから、栄養との関係も当然あるものと考えます。
また、特に口腔に関しては、多職種連携の観点から発言させていただければと思います。
歯科医師と薬剤師、歯科診療所と薬局の連携の推進も重要な視点です。歯科の院外処方における薬の飲み合わせ等の確認はもちろんのこと、他の医療機関から処方されている薬剤について、薬の副作用による口腔内トラブルの管理や、歯科治療を行う際に、お薬手帳などによる情報連携は非常に有効なものと考えます。
具体的には、資料4の参考、35ページにあるように、口腔内の環境と機能に影響を与える医薬品、歯科治療上、注意を要する医薬品は多くあり、特にビスフォスフォネートに代表される骨代謝回転に影響を与えるような医薬品については、投与前に必要な歯科治療をしっかりと行うことや、口腔内の衛生を保ち、投与期間中も顎骨壊死などの重篤な副作用を含めて、歯科医師による定期的な口腔管理が必要となります。
歯薬連携の観点も加えた連携の在り方について、これまであまり取り上げられることはありませんでしたが、これを契機に議論していくことが必要と考えられます。
先ほど林委員から、まちかど相談薬局についての事例がありましたけれども、在宅対応の中でも進んでおり、在宅訪問時に薬剤師がチェックシートやチェックリストなどを活用し、口腔チェックを行い、必要に応じて歯科への受診勧奨を行う取り組みも進んでいます。歯薬連携の取り組みが、今後、ますます重要になってくると考えます。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、田母神委員、お願いいたします。
○田母神委員
ありがとうございます。
リハビリテーション、口腔、栄養の一体的な取り組みについてでございますけれども、既に資料にお示しいただいているところでございますが、リハビリテーション、口腔、栄養の一体的な取り組みを進め、関係職種が的確に対象者、患者さんを把握し、速やかに評価、介入を行える体制を構築することが非常に重要であると考えております。
その点では、医療・介護の現場におきまして、患者の経過、疾患に伴う症状を含めた全身状態を看護職が継続的に観察し、状態の変化をアセスメントしておりますので、そうした情報を多職種で共有し、早期の対応につなげるという体制が構築できるとよいのではないかと考えております。
もう一点は、既に診療報酬で、栄養や摂食嚥下に関するチームでのアプローチが評価されているところでございますが、介護サービス等におきましては、サービスの特性によって職員の配置が様々でございますので、医療機関や外部の施設との連携が必要になる場合の連携体制の構築をどのように推進していくかということが、課題であると考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、古谷委員、お願いいたします。
○古谷委員
ありがとうございます。
リハビリテーション、口腔、栄養の一体的な取り組みというのは、非常に重要なことだと考えております。施設において、従前より機能訓練指導員、栄養士の配置をされておりましたが、口腔衛生管理のさらなる充実ということで、令和3年度から歯科医師等が関わるようになりました。
また、栄養管理という流れの中で、管理栄養士を中心とした多職種のミールラウンド等を実施することで、一体的な取り組みが徐々に進んできていると思います。
これにより、御利用者、御入居者の状態の改善及び重度化の予防ということについては、大きな効果を上げていると考えております。
多職種の連携をより進めるためには、個々の評価に比べ、一体として取り組むことへのインセンティブ等もあると、ここら辺が、より一層推進するのではないかと考えております。
口腔、栄養、リハビリ、在宅の場合になりますけれども、いろいろな基礎疾患を持ち、リハビリ、口腔等の課題を持っている方が多いのかと思います。
その中で、介護サービスを利用している方については、多少、管理する場面というのが出てくるかと思います。
例えば、通所介護を利用されている方が、通所介護事業所で、口腔機能向上加算等で歯科衛生士等が関わることで、口腔に問題があった場合、地域の歯科医師につなぎ、連携をするという事例も見られております。適切な介護サービスでつなぐということも、地域の歯科医師、医師等への連携を図る上でも重要ではないかと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。検討の視点に沿って申し上げたいと思います。
まず、リハビリテーション、口腔、栄養の一体的な取り組みは、ぜひ推進すべきであると考えております。
入院や入所時のアセスメントにリハビリテーションのみならず、やはり、口腔、栄養の視点をしっかりと盛り込んでいくことが必要かと思います。
資料4の参考資料1の15ページにあります、前回の介護報酬改定で示されました、多職種が一緒に作成する計画書は、これは、医療現場でも十分活用できるものと思います。
そして、通所リハビリテーションと訪問リハビリテーションには、リハビリテーションマネジメント加算、俗によくリハマネ加算と申しますが、この加算の取り組みによる有効性がたくさん蓄積されてきております。
医師の詳細な指示に基づいて、本人、家族、ケアマネジャー、あるいは多職種、あるいは地域の他の事業所のサービス提供者等が一堂に会して、定期的にカンファレンスを行っていくものでございます。
こういった仕組みが既にでき上がっていて、有効性があるのであれば、そこに歯科衛生士さんとか、管理栄養士さんが参加していって、一体的に取り組みを推進することにもなろうかと思います。
また一方で、気づきが大事でありまして、介護報酬には、口腔・栄養スクリーニング加算というものがございます。
これは、非専門職である、例えば介護職さんが、簡単なチェックをして、口腔とか栄養の専門の職員につないでいくというものであって、しっかりとスクリーニングというものを医療や介護分野で導入して、ちゃんと気づきを得て、専門職へつなげる仕組みが大事かと思っています。
リハにつきましては、医療と介護のリハの計画書を統一化して、内容を共有していくことは、当然重要かと思っております。
特にリハ職が、退院、退所時のカンファに参加するなどして、退院、退所後、とにかく短期間で在宅リハにつなげていくというのは重要であると思います。
口腔につきましては、入院とか入所中は比較的できていることが多いのですけれども、在宅に帰っても再入院、再入所するときには、かなり口腔内が劣悪な状況になっていることは、しばしば見られます。そして、それが場合によっては誤嚥性肺炎にもつながっておりますので、この辺り、特に在宅部門でどう歯科との連携を構築していくか、ここは、ケアマネジャーも含め、我々のかかりつけ医も含めまして、総力を挙げて歯科連携につなげていかないといけないと思います。
続きまして、栄養については、潜在的な低栄養が相当多いのが実態でございます。特に、あまり血液検査もされていない方も多いので、アルブミンを測定して対応するとか、もう少し踏み込んだ対策も必要かと思います。
最後に、人材不足ですけれども、在宅での歯科衛生士さんとか、管理栄養士さんというのは圧倒的に人材が不足していますので、そういった中で、例えば、管理栄養士さんであれば、医療機関とか介護施設から余裕があれば、自施設以外でも各地域に出ていって活躍していただくこともあろうかと思いますし、もし、歯科衛生士さんが不足するのであれば、口腔であれば、看護職員さんとか、STさんとか、場合によっては介護職も応援していただくという仕組みもあるのではないかと思っております。要は、地域の社会資源を十分にうまく活用していくということが大事だと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
東委員、お願いいたします。
○東委員
ありがとうございます。
検討の視点から2点発言させて頂きます。
まず1点目、資料4の7ページの(1)リハビリテーション、口腔、栄養の一体的な取組でございます。先程、江澤委員がおっしゃいました、リハビリテーションマネジメント、このリハマネ加算というものは、老健施設におきましては、加算ではなく基本サービス費に内包化されております。しかも、全老健が開発しましたR4システムなどを使っている老健施設等におきましては、このようなリハビリ、口腔、栄養の一体的な取組は既に行われており、大変有効なエビデンスも出ているということを御報告しておきます。
2点目です。同じく資料4の7ページ、(2)リハビリテーションでございます。
これは、医療から介護保険の生活期リハビリに円滑に受け渡すということが、非常に重要だと思っております。介護保険におけるリハビリテーションを俯瞰してみたいと思います。まず通所リハビリテーション事業所は、その約50%を老健施設がやっております。訪問リハビリテーションについては、訪看を除きますけれども、老健施設の約20%で併設をされております。また、ショートステイ(短期入所療養介護)における個別リハビリテーションというものは、老健施設にだけ設定がされており、老健施設の役割である在宅支援に大変有効です。
さらに、入所中には短期集中リハビリや認知症短期集中リハビリというリハビリテーションがございますが、これは介護保険制度上複数のサービスに設定されているものの、9割以上が老健施設で算定をされているものでございます。
このように見てみますと、介護保険におけるリハビリテーションの多くの分野を老健施設が担っていることがわかります。しかし問題なのは、そこに送り出す医療機関側の医師やMSW(医療ソーシャルワーカー)が、この老健施設のリハビリ機能というものをあまり御存じないということです。加えて、在宅診療を担っている先生方(医師)や、ケアマネ(介護支援専門員)も、この老健施設のリハビリ機能というものを、残念ながらあまり理解していただけていないという事実もございます。今後は、日本医師会や日本介護支援専門員協会にもお願いをして、ぜひ老健施設における生活期リハビリの周知というものをお願いしたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員
ありがとうございます。
生活期リハビリテーションの周知に、また尽力して参れればと存じます。
資料4(1)、1ページの一番下の○にございますけれども、介護予防・日常生活支援総合事業の通いの場への専門職の関与や、口腔、栄養、リハビリテーションの専門職の関与の支援につきましては、中核となる地域包括支援センターの機能強化が図られてきましたが、高齢化のさらなる進展による対象者の増加や人員確保困難などの要因もあり、先般の社会保障審議会介護保険部会における意見書においても言及が行われておりますが、引き続き、人材の確保や定着への支援や業務負担軽減により、円滑に実施が図られるような取り組みが重要と考えております。
また、4ページに記載のとおり、口腔に関する情報連携につきまして、地域の各専門職において相互に図られますよう、地域における啓発や連携についての支援が推進されることが期待されるところでございます。
栄養に関しましては、医療機関や介護保険施設への入院、入所中におきましては、それぞれ管理栄養士等専門職が配置されており、適切な指導が受けられる状況にあるかと存じます。
しかしながら、退院、退所した後に在宅でケアマネジメントを介して栄養管理や食生活支援を、利用者や家族が専門職により、助言や支援を受けられますよう、引き続き、社会資源やサービスなどの充実が望まれるところでございます。
リハビリテーション、口腔、栄養など、その他の職種との連携につきましては、現在、進められておりますが、各種ICT手法のさらなる活用により、情報共有の進展が望まれるところでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も病院団体の立場で少しお話をしたいと思います。
まず、このリハビリ・口腔・栄養の一体的提供というのは、ぜひ進めていただきたいことだと思います。ごく一部、あるいは、例えば、平均在院日数が非常に短い急性期充実体制加算や総合入院体制加算を取得しているような高度急性期病院以外、そこでもそうかと思いますけれども、今、入院治療といっても、その疾患の入院プラス「食べること」「動くこと」をしっかりやらないと簡単には退院ができない状況、それだけ高齢者が多くなっていることは、御案内のとおりかと思います。
その中で、入退院時のカンファレンス、これは、院内だと行いやすいですけれども、多職種がそれぞれの立場で互いに理解する、あるいは医師も栄養のことを理解する、外部からきたケアマネさんも医療のことを理解する学びの場になっています。リハビリ・口腔・栄養の一体的な提供に向けて、このチームアプローチの成功体験を積むことが必要であると思いますので、ここをさらに促進するような仕掛け、取組、あるいは、そこで得たいろいろな経験などを、総合的に栄養、口腔、リハを提供する場面とかなどで生かしていくことが重要ではないかと思います。
特に要介護高齢者に対しては、まず退院時には場合によっては全ての退院患者に対して最初の1~2ヶ月は訪問看護、訪問リハをまずやって、退院後の栄養管理やADLの指導等を実施することでソフトランディングを目指すようなマネジメントも有用ではないかと思っています。
最後にリハビリですけれども、これは、特に急性期リハというと、疾患別リハに加えて生活全般のリハ、いわいる口腔ケアも含めた総合的なリハビリテーションの提供が必要になっている、そういう時代だと思いますので、この点の新たな評価も重要ではないか。このように、リハビリ・口腔・栄養を多職種のチームアプローチで一体的に進めていくべきだと考えています。
○小塩会長
ありがとうございます。
次に、田中委員、お願いいたします。
○田中委員
ありがとうございます。
時間の都合上、検討の視点の(2)リハビリテーションについて言及させていただきます。
リハビリ職等は、基本的に日勤ベースで働いている病院がほとんどで、朝、夕、夜の生活でどのようなリハビリが必要かを目の当たりにしていないことが見られています。
それらの時間こそ、実際には、朝の排泄を済ませて、朝食を食べて、デイサービスに行く前の朝の着替え、歯磨き、帰宅してからのパジャマの着替えなど、在宅で生活する場合には、御本人さん、御家族さんにとって、機能を上げておいてほしい必要な動作が多数含まれている時間帯になります。
私たち慢性期の病院では、朝、夕、夜のリハビリ職の勤務というものが行われている病院が増えてきておりますけれども、そういった効果についても、今後はエビデンスを出していきたいと考えておりますが、そのような時間帯にリハを行うことに対する誘導、また、そのような時間は20分という単位ではなく、さらに短時間でのリハビリをポイント・オブ・リハという形で行うことが必要になってきます。そういった短時間リハの必要性に対する評価を行ってはどうかと考えています。
また、リハビリを行っている患者さんが、退院後にどのような介護サービスを受けているのか、あるいは介護施設でどのような活動の状況にあるかということまでを、想像しながらリハを行えているかというと、まだまだ現場では、不十分ではないかと考えています。
この患者さんが、要介護で言えば幾つになるのかということを見据えた、そういった内容も盛り込んだ研修が必要だと思っています。
具体的には、医師や看護師等に行われています、認知症対応力向上研修のようなものを、リハビリ職のための認知症対応力向上研修ということで行っていってはどうかということを提案したいと考えています。
また、学生のうちに多職種でのカンファレンスに参加できるような仕組みを、学校に求めるということも、今後は検討していかれたらどうかと考えます。
私からは、以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
7ページの検討の視点に沿って、コメントをしたいと思います。
まず、リハビリテーション、口腔、栄養の一体的な取り組みについてですが、関係する専門職が協力して患者を支えることで、治療の効果が高まるということであれば、一体的に、ぜひ取り組んでいただきたいと思いますけれども、先ほど来述べております、人材不足が懸念される中で、様々な専門職が関わることが、将来にわたって現実的に可能なのかについて、少し疑問を持っております。
さらに、それが可能だとしても、プラスアルファの効果があるのかということを十分精査する必要があると感じております。
また、リハビリ、口腔、栄養の連携として、目標を共有することは、一定程度理解いたしますが、誰が中心となって、全体の進捗を管理するのかが明確にすることも重要ではないかと思っております。
続きまして、リハビリテーションについてですが、生活期のリハビリテーションは、介護保険の対象ということが明確ですけれども、回復期なのか、生活期なのか、判断に曖昧な部分がありますので、これについてはデータに基づいて、可能な限り客観的に線を引く必要があると感じております。
その上で、医療と介護の連携の部分で、この重要性が認識されていながら、医療側のリハビリテーションの計画が、介護事業者と十分に情報共有されていないことが、資料の2ページ並びに資料4参考1の29ページに示されておりますけれども、これについては正直驚きであり、問題だと感じております。
一方で、計画書を介護事業者に提供した場合の評価が、診療報酬としては存在しております。
したがいまして、単純に情報提供を評価するという方法では改善が難しいと思います。
最後に、リハビリテーション、口腔、栄養に共通する事項になりますが、情報共有が不十分であれば、その原因を検証し、まずはどのような手順や仕組みであれば問題を解決できるのか検討すべきであり、報酬で対応する必要性については、慎重に見極めるべきと考えております。
本当に必要な連携が行われていないということであれば、既存の報酬の要件を厳格化するということもあり得るのではないかとコメントをさせていただきます。
私からは、以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
これで、委員の方々から一通り御意見を頂戴したのですけれども、事務局からはよろしいですか。大丈夫ですか。
それでは、ここで、この件につきましては質疑を終えたいと思います。
それで、5分間休憩を挟みたいと思います。11時25分再開ということでお願いいたします。
それでは、休憩に入ります。よろしくお願いします。

(休 憩)

○小塩会長
それでは、再開いたします。
次のテーマですが「要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
保険局医療課長でございます。
それでは、テーマの3つ目「要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療」につきまして、資料5、そして参考を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
1ページ目、現状から御説明させていただきます。
「(1)急性期疾患に対応する医療機関等」でございます。参考資料は2から14ページでございます。
1つ目の○でございます。入院医療の評価でございますけれども、これは個々の患者さんの状態に応じまして、適切に医療資源が投入され、より効果的・効率的に質の高い入院医療が提供されることが望ましいという考えから、基本的な医療の評価と診療実績に応じた段階的な評価を組み合わせた体系とされているところでございます。
その中で、地域包括ケア病棟に関しては、マル1、マル2、マル3にございますように、急性期治療を経過した患者さんの受入れ、在宅で療養を行っている患者さんの受入れ、そして、マル3で在宅復帰支援を役割として求められているということでございます。
3つ目の○で、令和3年度における介護施設、福祉施設からの入院患者さんの数でございますが、年間66万例であるということでございますけれども、このうち、急性期一般病棟へ入院する者が75%を占めるという実態もございます。
次の○でありますが、急性期一般病棟の入院患者さんのうち、65歳以上が占める割合は、ほぼ横ばいでありますけれども、85歳以上が占める割合というのは年々増加しているということでございます。
次の○でございますが、急性期一般病棟における要介護者、認知症の患者さん、ADLが低下している患者の割合よりも、地域一般病棟、地域包括ケア病棟及び回復期リハビリテーション病棟における要介護者等の割合のほうが高いと。
最後の○でございますが、先ほどの原則でございますが、入院医療でありますけれども、個々の患者さんの状態に応じて、適切かつ効果的・効率的に医療資源が投入されることが必要でありますけれども、急性期一般病棟に入院される高齢者と、施設等からの入所者の疾患でございますけれども、誤嚥性肺炎が14%、尿路感染症5%となっているところでございました。
(2)でございます。「高齢者の心身の特性に応じた対応」ということでございます。
高齢者は、一般に多疾患が存在します。さらに加齢に伴いADLや認知機能、視力、聴力、排泄機能等が低下していることが多い。急性疾患や治療に伴う安静臥床等の影響により、これらの機能等が、容易にさらなる低下を来すことが指摘されているところでございます。
こうしたことを反映したことだと思いますけれども、2ページの一番上の○でございますが、これは参考資料の17ページでございますけれども、要介護者等の高齢者ですけれども、要介護度が上がる要因等を分析したチャートでございますが、これに関しましては、一般病棟に入院することで、ADLと生活機能や、要介護度が悪化するということが報告されているところでございます。
次の○でございますが、特に高齢者に関しましては、入院の契機となりました疾患の治療経過を踏まえつつ、心身機能、生活歴等の包括的かつ定期的な評価に基づいて医師による安静度の指示を含めて、離床・自立に向けた多職種による日常的な支援、リハビリ、栄養、口腔の管理、認知症ケア、排出ケア等が提供されることが重要であるということでございます。
次の○は、急性期一般病棟のリハ職種の配置が少ないということを書いてございます。
2ページの(3)です。入退院支援に関しまして、参考資料で申し上げると、24ページから27ページでございます。
1つ目の○でございますが、入退院支援の重要性に鑑み、最後の3行、入退院による療養場所の変更に伴う情報提供連携の強化、関係機関の間における日頃からの顔の見える連携体制の構築を推進しているということでございます。
こうした入院、退院の支援部門につきましては、設置している要件が増えてきてございますけれども、これは先ほど紹介申し上げた、地域包括ケア病棟では施設基準に組み込まれているということでございます。
(4)といたしまして、今後の人材不足に関する記載を入れております。
主な課題でありますけれども、(1)の1つ目の○でありますが、高齢者にとって一般的な疾患である誤嚥性肺炎や尿路感染症等に対する入院医療を急性期一般病棟が担っている実態があると、このような医療機関が提供し得る医療の内容と、要介護者等の高齢者が必要とされる医療の内容に乖離がある可能性があるのではないかということ。
次に、3ページに進みまして、3つ目の○であります。
地域包括ケア病棟における介護施設あるいは福祉施設からの入院患者さんの受入れは、急性期一般病棟と比べると少ない実態があります。
一方で、リハビリテーション専門職等の多職種が一定程度配置されており、また、入退院支援部門の設置が要件化されている地域包括ケア病棟や、ちょっと記載が甘くて大変失礼しました。医師が配置されているというのは、ここは気持ちとしては、介護医療院や老人保健施設を念頭に書いてございます。
その介護保険施設が、要介護者等の高齢者の急変対応を担うことを推進する必要があるということでまとめております。
(2)としまして「高齢者の心身の特性に応じた対応」ということでございまして、こちらは、急性期医療機関における高齢者に対する診療には、高齢者の心身の特性に対する医師をはじめとする関係職種の理解が不可欠。さらに日々変化する病状に応じた適切な心身機能の評価に基づく多職種による早期の離床・自立に向けた取り組みが提供されることを推進する必要があるということでございます。
また、次の○では、リハ、口腔、栄養の重要性を述べております。
(3)で「入退院支援」ということでございます。
ここに関しては、入院時には、入院前の生活状況等について、特に介護サービス等を利用している場合に、十分な情報が医療機関に提供されることが重要。また、退院に関しては、特に入院期間が短い急性期の医療機関からの退院になりますと、入院早期から退院支援が必要となるということでございまして、予定入院でありますれば入院前から、緊急入院でも可能な限り早期に入院前の生活状況の情報を得て、退院先の調整を開始することが重要であるということを書いてございます。
(4)は、人材確保が課題であるということを再度書いてございます。
続いて、3ページの下から、検討の視点でございますけれども、先ほど申し上げた課題に対応しまして、それぞれどのように対策が考えられるかということを記載しているところでございます。
資料5の説明は、以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
長島委員、お願いいたします。
○長島委員
「(2)高齢者の心身の特性に応じた対応」について意見を申し上げます。
今回のコロナ禍では、急性期医療機関が大変厳しい状況に追い込まれました。その原因は、高齢の患者さんの特性として、もともと基礎疾患や機能障害あるいは低栄養状態などがあり、重症化リスクが高いことと同時に、必要となる日常の介助や認知症への対応などに不慣れな急性期医療機関の看護師の負担が、精神的な面も含めて大きく増したためと考えられます。
その解消策として、急性期医療機関においても介護力を強化するということも考えられますが、最も重要なのは、介護が必要な患者さんは、速やかに回復期の医療機関で受け止め、急性期医療機関は、本来、急性期医療を受けるべき患者さんのために必要な医療提供体制をきちんと確保していくことと考えます。
そのためには、急性期医療機関に医療資源を集中させるのではなく、地域の医療提供体制や医療資源も踏まえながら、適切な機能分化と連携を模索しつつ、急性期が目詰まりしないような医療提供体制の構築を検討していくという視点が必要と考えます。
その他の各課題については、適切な支援を行うべきと考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
テーマ1でもお話しいたしましたが、歯科や歯科口腔外科を標榜している病院は、全国で約2割であり、急性期病棟があるような病床数が多い病院に多く、病床数が少ない病院では少ないという状況でございます。
ここでの発言内容は、医療保険及び介護保険だけの範疇というよりは、医療提供体制にも関わる部分にもなりますが、全体での検討も必要と思いますので発言いたします。
資料5の参考1の13ページを見ると、急性期一般病棟に入院する高齢者施設等からの入所者の疾患は、誤嚥性肺炎が14%と最も多い割合を占めております。
また、高齢者施設等で誤嚥性肺炎を再発し、入退院を繰り返す方が、ある一定数いらっしゃるということも聞いております。
要介護者等の高齢者が入院により生活機能や、要介護度が悪化することや、重症化を予防するためには、口腔の管理を含め、多職種による早期の離床・自立に向けた取り組みが重要と考えております。
病院に歯科がない場合は、かかりつけの歯科へ情報連携をするとともに、急性期病棟から退院し、高齢者施設等や在宅に戻る際にも、引き続き、口腔の管理が継続できる体制整備が必要と考えております。
医科歯科連携による入院患者への口腔の管理に関しましては、がん等の手術を行う患者さんに対する周術期等口腔機能管理という仕組みが、平成24年から導入されております。
一方で、手術を行わない脳血管疾患や心疾患及び誤嚥性肺炎等の患者さんに対する口腔管理についても、うまく情報連携及び医療・介護連携ができる仕組みの検討も要望したく思っております。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
検討の視点にございます、入退院支援について発言させていただきたいと思います。
先ほど、林委員からありましたけれども、資料の15ページ「高齢者の多疾患併存について」ということで、高齢者は複数の医療機関に受診していることも多く、適切な入退院支援としては、入院時に薬局の薬剤師による入院前の薬の整理及びその情報を、薬剤部門を通じるなどして医療機関に行うこと。
退院時としては、入院中の経過や使用された薬、投薬の調整状況などを把握した上で、退院後も薬局の薬剤師が適切な服薬管理を在宅や外来で継続していくというものです。
また、この観点から、転院、高齢者施設との情報共有も同様に重要であり、医療機関と施設相互での情報のやり取りの在り方についても検討する必要があるように思います。
これらのことを含めて、医療機関の薬剤師と薬局の薬剤師の連携の在り方や、効果的な方法や、その推進策などについて、次期改定の議論の中で検討すべきものと考えます。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、田母神委員、お願いいたします。
○田母神委員
ありがとうございます。
(1)の「急性期疾患に対する医療機関等」ということでございますが、地域包括ケア病棟等で誤嚥性肺炎などの患者の受入れを推進するに当たりましては、地域包括ケア病棟等と急性期病院との連携体制によりまして、状態の変化時の対応体制を構築する地域の枠組みが必要であると考えております。
そうした上で、高齢者の幅広い病態像や経過に即した治療や療養の場が選択されていくことになりますけれども、特に介護保険施設で受け入れるためには、利用者の病態の判断が可能な看護師の配置の強化が必要と考えております。
また、発症予防の観点でございますけれども、専門性の高い看護師が介護施設に出向き、それぞれの利用者の特性に応じた誤嚥性肺炎を起こさない食事介助方法などを指導しているというような例もございます。
そうした誤嚥性肺炎による入院を減少させるための取り組みということも、非常に重要かと思っております。
(3)入退院支援についてでございますが、各施設との日頃からの連携とともに、ケア継続のため、入院時の入院先への情報提供の充実とともに、退院時には、退院先への書類だけではなく、例えば、実際の摂食嚥下のケアを動画で提供するというようなことによりまして、より確実な看護ケアの継続が可能となったという事例もございますので、多様な連携の仕組みを工夫することも重要と考えております。
(2)及び(4)に関してでございます。急性期入院医療におきまして、高齢の患者さんが増加している中で、入院中の生活機能の低下を最小限にするためのケアを、看護職も日々提供しております。
個々の患者の病状を踏まえ、各医療専門職が共通認識を持った上で、チーム医療を実施することが重要です。
急性期の入院医療においては、治療に伴う患者さんの全身状態の変化がございます。看護職員が24時間状態アセスメントをし、必要なケアを判断し、提供しております。
疾患に関する入院中の経過を予測し、異常を早期に把握し、医師をはじめとして、密に連携しながら迅速な対応を行っている状況がございます。
ADLの低下を最小限とするためのケア、あるいはADLの拡大の場面におきましても、患者の状態に応じて判断しながらケアを実施する看護師の実践力が求められております。
急性期入院医療において集中的な医療、看護を提供し、早期の回復へ導くためには、医療専門職がそれぞれの専門性を発揮し、連携を強化していくことが、今後一層重要であると考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員
検討の視点の「(3)入退院支援」におきましては、先ほども述べましたが、今後、2040年に向けまして、独り暮らし、認知症高齢者の増加、また、ADLは自立されていましても、家族や介護者自身の高齢化や、逆に家族が就労あるいは若年である、例えばヤングケアラーなどの場合も含めまして、介護支援専門員が執拗に迫られて、緊急時も含めまして入退院のための準備や生活必需品の調達などの支援を行わざるを得ない場面も増加してきております。
介護支援専門員の本来の役割としての情報を共有や連携は、もちろん行うということでございますけれども、いわゆる生活支援に関連する支援の在り方の改善を図ることで、入院期間の短縮、また、本人が希望する場合に、退院後の自宅復帰などが図られる事例も、増えてきていると感じております。家族機能が不足している場合の入退院に関する生活支援の担い手や、これは、当然、入院中は介護サービス等の生活支援サービスが利用できないということもございますので、これらの担い手あるいはインフォーマルな、あるいは地域の担い手の在り方に関しても、調査や必要に応じた検討、対策をすることで、在宅における限界点を高めることもできるかと考えますので、引き続き、よろしくお願いできればと存じます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
東委員、お願いいたします。
○東委員 ありがとうございます。
資料5の3ページの一番下、検討の視点の(1)急性期疾患に対応する医療機関等の1つ目の〇にございますように、生活機能が低下した要介護高齢者に誤嚥性肺炎等の急な医療ニーズが生じた際、そのほとんどの方を急性期、一般病棟が担っているという実態がございます。
さらには、資料5の2ページの1つ目の○に記されておりますように、要介護高齢者が一般病棟に入院することにより、ADL等の生活機能や要介護度が悪化する、特に認知症が悪化するということも報告されておりますし、この事実はよく知られているところでもございます。
そこでこのたび、資料5の3ページの検討の視点のところの(1)において、誤嚥性肺炎等の疾患について、地域包括ケア病棟や介護保険施設等での受入れを推進するために、どのような方策が考えられるかという論点が示されています。
この介護保険施設における医療ニーズに対する受入れにつきましては、資料5の参考1の31ページ「介護老人保健施設による在宅療養支援の推進」を御覧いただきたいと思います。
ここには、令和3年度の介護報酬改定におきまして、老健施設の短期入所療養介護、いわゆるショートにおきまして新設された、総合医学管理加算というものが紹介されております。私どもは、これを医療ショートと呼んでおります。
在宅の要介護高齢者には、様々な医療ニーズが生じます。例えば、脳卒中や急性心筋梗塞等の重度なものから、骨折等の中等度のもの、また、脱水や軽度の心不全、軽度の肺炎、蜂窩織炎等の感染症も生じ、この全てが急性期一般病棟に入院することは大変非効率的と考えます。
老健施設における医療ショートは、あらゆる軽度な医療ニーズに対応が可能となっており、何よりリハビリや認知症ケアを得意とする老健施設で対応することにより、ADLや認知症が悪化することなく、速やかに在宅へ戻ることができます。
在宅療養を担う地域のかかりつけ医と老健施設の管理医師が連携することにより、認知症を合併することが多い要介護高齢者の軽微な医療ニーズに、適切に対応することができるのではないかと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
検討の視点について意見を述べたいと思います。
医療機関と介護事業所の平素から顔が見えて気軽に相談できる連携体制の構築が、重要であると考えています。
特に、在宅医療支援病院や地域包括ケア病棟を有する中小病院と地域でネットワークを構築して、その際に、介護側から、いつでも気軽に相談できる体制がポイントと考えております。
誤嚥性肺炎につきましては、画像検査、血液検査、喀痰の培養検査等が可能であれば対応できるかもしれませんが、医療的な治療が濃厚に必要であれば、医療機関で入院加療し、速やかに介護施設に戻ることが望ましいと思います。
一方で、介護医療院とか老健施設は医療提供施設でもありまして、実際に日常医療を提供しているのが実態でございます。その点は、今後も十分生かしていくべきと考えております。
施設内での看取りも介護医療院で5割、老健でも1割に達していますので、ターミナルケアの役割も、今後、より重要になってまいります。
先ほど東委員もおっしゃったように、老健においては、総合医学管理加算、俗に医療ショートとも申しますが、脱水とか感染症等の老健で対応可能な医療をショートステイで提供する仕組みを評価することとなっておりまして、こういったことも十分地域の中では生かしていくべきではないかと思っております。
また(2)で、急性期一般病棟で廃用症候群、いわゆる廃用性の機能障害を極力防止することは極めて重要な点であると思っております。
できる限りベッド離床あるいは端座位を取るなどして、廃用は防げますし、廃用症候群というのは、もともと回復も可能でありますし、発症防止も可能であります。
そういった中で、今後、急性期の一般病棟においては、介護職とかリハ職の必要性はますます高まってきます。
一方で、特に介護人材不足は深刻でもありますので、医療・介護の分野の全体的なバランスを見ながら、どのように配置をしていくかというのは、重要な検討課題と思います。例えば、急性期病棟でリハ職等がもっともっと活躍するということは、選択としてあるかもしれませんし、これから労働人口が減ってくる中で、全体的な職種の配置のバランスというのは、よく見ていかないといけないので、そういった中で、最適な選択を考えていく必要があると思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、田中委員、お願いいたします。
○田中委員
ありがとうございます。
3ページの検討の視点です。(1)について、施設からの入院を減らすために、特定行為のできる看護師の利活用を推進すべきと考えています。
特養や老健で活躍できるよう誘導することが重要と思います。そうなると、特養利用者は特養で医療を受け、在宅でのちょっとした肺炎は、先ほど東委員がおっしゃったように、老健の医療ショートなどで効果を上げてくると思います。
生活の場で医療が受けられるということの意味合いは大きいので、様々な病棟からの退院先として、老健をもっと活用できるよう、行き来しやすい仕組みを再構築する必要があると考えます。
また(2)の病棟における多職種連携についてですけれども、この後、池端委員も御発言されるかもしれませんが、私が毎回給付費分科会で発言しているように、現在は入院病棟においても、高齢者、認知症のある高齢者の方が増えているという資料の提出がございました。今後は、これまで以上に介護を要する患者さんが増えてくると思います。
看護師さんの補助ということだけではなく、入院患者さんの介護を担う人材を配置する方向へ大きく舵を切る時期だと考えています。
国家資格でもあります介護福祉士さんが病院で働く場合にも、きちんと彼らの立場を正当に評価すべき時期なのではないかということを強く提言したいと思います。
また、併せて言うと、介護福祉士さんにおかれましては、介護、医療、障害で働くそれぞれの場面においての処遇が違い過ぎますので、こちらについても、このトリプル改定の際には、しっかりとそれぞれの立場を把握し、足並みをそろえる必要があるのではないかと考えております。
また(4)番、人材確保についてですが、人材確保については、紹介会社を使わざるをえない病院、施設が多くなっております。
その際に、高額な手数料を支払うことになっており、また、それらの紹介会社は、非常に簡単なアクセスで、SNSからのあっせんを行っています。
行き先を求める専門職へは、安易な紹介会社への利用に歯止めをかけ、ハローワークなど、公的機関への利用を誘導し、高額な紹介手数料を我々が介護報酬や診療報酬から対価として支払わなくても済むようにしなければいけないと思っておりますので、この辺りも、みんなで足並みをそろえて考えていけたらいいと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も、今、江澤委員、田中委員からおっしゃった内容とかぶることもありますけれども、全て同意した上で、少し意見を言わせていただきたいと思います。
まず、先ほどお示しされていましたように、急性期でも75歳以上が64%、もうどの病院でも高齢者が当たり前、しかも要介護状態も当たり前という状況の中で、では、急性期で介護人材、リハビリ人材を充填するかというと、なかなかこの人材不足の中、難しいとなると、やはり機能分化しかない。
その中で、いわゆるマルチモビディティと言われているように、高齢者の誤嚥性肺炎とか尿路感染あるいは心不全の急性増悪等々に関しては、その他にも多疾患を抱えている状態にあり、結構、これは専門性を要します。ある意味では、(この状態は)回復期あるいは慢性期の得意分野でもありますので、ここでしっかり見ていただく、そして、それは、居住系施設からの移動である「時々入院、ほぼ在宅」の受け皿としては、やはり回復期、特に地域包括ケア病棟が非常に有用ではないか、特に地域密着型の中小病院が担っている地域包括ケア病棟をもっともっと大きく育てることが必要ではないかと思っています。
前回の改定で、地域包括ケア病棟は、在宅支援に対してもかなり厳しい要件をつけました。そして、介護との連携、そして、救急も受けなさいというようなこともありましたので、まさに在宅支援の病棟、そして、マルチモビディティを持っている高齢者の一部亜急性期や慢性疾患の急性増悪もしっかり受けられる体制をつくった地域包括ケア病棟ですので、これをさらに大きく育てることによって、医療と介護の連携はより進むのではないか。
先ほどお話ししました病棟内でのカンファレンスの多職種連携も、そこで培っていけるのではないかと思っています。
一方で急性期ですけれども、急性期に関しては、安静を求められたり、どうしても介護度が高かったりということで、先ほど言ったように、そこの介護福祉士を増やすことは難しいので、より短い、集中的に治療できるものに絞っていただくということになるかと思います。
最後に、先ほど田中委員もおっしゃったように、これからは、タスクシフト、タスクシェアということで、特に回復期以降、療養も含めてですけれども、やはり介護福祉士と看護師、そして、多職種がしっかりお互いの機能を担い、そして、連携できるところは連携していく。例えば介護であれば、直接介護と間接介護に分けて、間接介護であれば、介護専門職以外の一般職でもできる、そういうところの多職種連携も踏まえながら、介護福祉士の専門性をより高めていただくことによって、より人材の最適な選択ができるのではないかということを、この同時改定で、ぜひ考えていただきたいと思っています。
以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、古谷委員、お願いいたします。
○古谷委員
ありがとうございます。
高齢者施設からの入院で75%が急性期一般病棟ということでございます。これにつきまして、高齢者施設、特養から行く場合に、緊急的な入院が多いということで、なかなか病棟を選ぶというような状況にないのが事実かと考えております。
今後、ここら辺、各病棟の役割、また、施設からどういう病棟に行くのが適切なのかというところの論議を進めていく必要があるかと思いますし、特に、生活機能が低下した高齢者の情報等に関しましては、最初のテーマにもなりますけれども、現実的に日常の様子等をどう共有しているか、また、こういう状態になったらこうだという部分、適切に情報共有をしていくことが、よりスムーズな運用につながるかとも考えております。
一般的に定期通院している病院とかであれば、御本人さんの基礎疾患、服薬、日常の様子等が分かっていると、スムーズな入院とかが図れるという事例もございます。ぜひ、どういう情報を、どういう形で活用するという部分を進めることで、急性期の入院、また、適切な病棟利用ということが進むのではないかと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、田母神委員、お願いいたします。
○田母神委員
恐れ入ります。先ほどは時間の関係で申し上げられなかった点を追加させていただきたいと思います。急性期入院医療の現場の状況は、先ほども申し上げましたが、非常に在院日数が短縮化されている中で、医療密度が高い状況に看護職員が対応しております。様々なケアの実施に当たりましても、非常に患者さんの変動が予測されるような場面も多くございます。そうした中でのケアということで、一つ一つの場面において病状の変化を適切に捉えていく能力というのが求められております。
看護職に関しては、法律上は、傷病者に対する療養上の世話ということになりますが、そうした生活上のケアということも常に実施をしておりますので、そうした看護職の役割というのは、今後も非常に大きくなってくると思っておりますので、付け加えさせていただきます。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、稲葉委員、お願いできますか。
○稲葉委員
ありがとうございます。
入退院の支援のことで、一点意見を申し上げます。
資料としまして、少しさかのぼって資料3の参考資料1の分厚い資料の100ページのほうに、居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査研究事業が示されています。そこでは、医療と介護の連携強化、退院時の連携というところです。
この図表の19の事業所の調査票の中で、最も調査結果として数字が大きかったのが、医療機関から急な退院の連絡があり、対応が困難というところが、居宅介護支援事業所が困難と感じる点、問題と感じる点となっております。
一方で、この右側の医療機関の調査の結果として、最も多いのが、治療等の都合により、ケアマネジャーへの退院の連絡が直前になることがある。そして、次に多いのが、ケアマネジャーとの日程の調整が難しいというところです。
これは、以前より示されていた実態ということであるとは思いますけれども、このケアマネ側が退院時の困難等を考えている急な連絡、この急になってしまう連絡が、本当に急に決まった退院であるケースもあるとは思います。しかし、中には、退院という事実は決まりながら、少し遅れて連絡がいくというようなことが、もし含まれているとしますと、情報としては、すごくもったいないと思います。
ケアマネジャーは、退院後に利用者の生活を安定させるためには、サービスの調整や、福祉用具や、住宅改修の手配などに尽力をするということになるのですが、その準備には時間がかかるというところです。
したがって、退院が決まったときに伝える情報としまして、退院に伴う日の確定だけではなく、そのほかに伴う情報も併せて、ケアマネ側に提供をするために時間がかかるとするならば、退院日の決定に関して、まずお伝えをし、その後、必要な情報は、また伝達をするとか、そういうことが可能であれば、そのようにすればよろしいかなと感じました。
意見として申し上げましたので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
では、テーマ3について意見を申し上げます。
生活機能が低下した高齢者の急変につきましては、まずは、介護保険施設の配置医に対応していただき、介護施設では困難な急性疾患については、地域包括病棟のサブアキュート機能で対応するという流れだろうと考えております。
そのためにも、地域包括ケア病棟については、一般病棟からの受入れに偏らないようにするルールをさらに厳格化し、サブアキュート機能と在宅復帰支援機能の発揮を促すべきと考えております。
続きまして、急性期一般病棟における要介護高齢者の対応については、各委員から御意見が出ておりますけれども、医療と介護の支え手が減少することを踏まえますと、介護福祉士を配置するようなことは現実的ではなく、医療と介護の役割分担の観点からも望ましい姿とは言えないと考えております。
医療専門職がチーム化を図り、タスクシェアをしながら業務をカバーしていく必要があります。
その際、看護必要度のB項目を設定していることを考えますと、一般病棟での介護は、看護師が行うことが前提だと考えております。
その上で、しっかりとADLが下がらないよう、早期の離床へつながっているかということも、評価の視点として検討するべきではないかと思います。
要介護の高齢者に対する医療は、地域包括病棟が中心的に担い、急性期一般病棟は、真の急性期に重点化することが、限られた医療資源を有効活用することになるということでございます。
私からは、以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
これで一通り委員の方々から御意見を頂戴したのですけれども、ほかによろしいでしょうか。
池端委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
○池端委員
すみません、簡単に、先ほどケアマネとの連携の話で、委員からお話がありましたけれども、私は、これはボタンのかけ違いというか、やはり病院とケアマネの連携というのは、入院当初からやるべきで、入院当初に情報をまず持ってく、それで、当然、入院から退院を考えるわけですので、それができていない。
だから、入院当初の連携というのは、実は、もう介護保険上でも加算等ができているので、それを進めていくことで解決していくしかないのではないかと。
ちょっと自前ですけれども、当県では、県内でそういうルールをつくって、(全入院の)8割5分以上で、入院当初、要介護状態の方は、ケアマネから情報をいただいているという結果も出ていますので、そういうことが求められるのではないかと思います。
もう一点、急性期病棟の介護士の配置は、確かに(現状では)厳しいと思いますけれども、リハ職だけは、私は急性期でも配置することによって、アウトカムが出るのではないか、ICU等でもアウトカムが出ていますので、それは考えてもいいのではないかということを意見として言わせていただきます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
本日、3つのテーマについて先生方の御意見を頂戴したのですけれども、全体を通じて、特にこういうことを言っておきたいということ、そういう御意見をお持ちの方はいらっしゃいますでしょうか。
それでは、田中委員、お願いいたします。
○田中委員
ありがとうございます。
最初のところで、ちょっと舌足らずだったのですけれども、障害部門に対しての人材についてです。
私が申し上げたかったのは、相談員だけでなく、サービス管理責任者、児童発達支援の支援者等も、基礎資格や、そういったものが介護分野で働いていた職種では、事足りなかったりということが出てきています。
実際にサービス管理責任者等は、足りなくて子供たちを断っているような実態もありますので、そういったところを障害部門の担当の方々は、現場の声を聞いていただければということを申し上げたかったところです。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
時間のないところ、申し訳ありません。一点だけ全体を通じてということで、この合同検討会のことなのですけれども、これは、2×3の6年に1回の同時改定に限ってやっていることですけれども、今後の医療・介護提供体制を考えると、医療と介護を一体的に提供することは、当然ながら継続的に必要なこと、そして、この議論も継続的に必要ではないかということで、単に同時改定のときだけではなくて、通年的にこのような介護と医療の検討部会を、一定程度の間隔で行うことも有用ではないかということを感じていますので、事務局として、何か御意見があれば、お聞かせいただければと思います。
以上です。
○小塩会長
池端委員から非常に貴重な御意見を頂戴しましたけれども、今後の進め方について、事務局からコメントがございましたら、お願いいたします。
○眞鍋医療課長
保険局医療課長でございます。
重要な御指摘だと思っております。特に状況が大きく変化する中で、医療と介護の連携というのは、ますます密接に求められてくるということは、おっしゃるとおりだと思います。
それを、例えば今は2年に1回診療報酬改定、介護報酬改定は3年に1回ですけれども、その中でどのように生かしていくかについて、私ども課題としては認識をするところでございます。
ただ、具体的な方法に関しましては、それを受け止めて、今後また検討させていただきたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございました。
本日の議題は以上です。
なお、次回の日程につきましては、4月19日を予定しております。具体的には追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日は、これにて閉会といたします。長時間、どうもありがとうございました。

 

 

(了)

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