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2017年3月6日 第13回 新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会

○日時

平成29年3月6日(月)17時00分~19時00分


○場所

厚生労働省 専用22会議室(18階)


○議題

自由討議

○議事

(議事概要)

・ とりまとめに向けて、自由討議。

(主な発言概要は以下のとおり)

 

1.地域が主導して、医療・介護と生活を支える

【地域主体の医療の確保】

○ 地域医療を身近に受診できることと、高度な医療を地域単位で提供できることについて、それぞれどのように実現するかを検討することが重要。

○ 医療職種の養成過程で異なる職種がともに学ぶことや、地域での実習によりチーム医療の推進や離職防止を行うことにより、将来的には地域の中で必要な職種をどのように自分たちで育てていくのかという意識の醸成に結びつく。

○ 医療・介護職種について、現状、個人・家族・地域を支え、生活モデルに基づく支援ができるような教育は十分なされていない。地域の中で求められる能力を検証し、地域にある教育リソースを活かしながらそれぞれの職種を地域の中で育てていけるような仕組みが重要。

○ 地域医療確保や需給調整といったプロセスの検討は、より良い働き方や地域医療の実現といったアウトカムの実現のために行う、という視点が重要。

○ 医療機関の集約化が進んでいないのは、田舎であっても医療へのアクセスを担保するために中小病院が増加してきたからであり、そうした歴史的経緯も踏まえた議論が必要。

○ 医療・介護において、法人や事業所に過度に人材を配置する状態から、地域全体で機能が担保されるように人材を配置するという視点が重要。

○ 徹底した診療情報、アウトカムの情報開示は、医療提供者にとってプレッシャーとなる一方で治療成績の向上には結びつかないとのエビデンスもある。質に直結するような情報を公開して社会的説明責任を果たせるようにしていくべき。

○ 地域で健康相談が可能な窓口やステーションを設けて、さまざまな医療職種に地域住民が相談できるような仕組みが必要。

 

【地域におけるリソース・マネジメント】

○ 地域医療連携推進法人が推進されることで労務管理などの蓄積が進み、その結果を活用して医療勤務環境改善支援センターと有機的に連携していくことが重要。

○ 労務管理・人材マネジメントについては、余裕がある大病院については病院内にその機能を備え、中小病院などはセンターが支援する、という仕組みが重要。

 

【プライマリ・ケアの確立】

○ 現在は専門性を持った単能工の医師養成が中心であることを踏まえつつ、今後、異なる分野についても理解のある多能工の医師の養成を進めていく、という視点が重要。

○ 高い水準の専門医を養成するとともに、その中で多能工的な教育をどのように組み込んでいくかという視点が重要。

○ 個人の多能工化と同時に、チームとして多能工的な価値を発揮できるという視点も重要。

○ プライマリ・ケア医の養成においては、総合診療専門医やかかりつけ医がどのような役割を担っていくのか、最終的にどのような医療提供体制を構築するのか、といった視点が重要。

○ プライマリ・ケアが確立されれば医療の問題が全て解決される、といった過剰な期待をかけないようにすべき。

○ プライマリ・ケア医が国民の疾病予防に関与することが重要。

○ 今後、人口減少が進むにつれて、病床が縮小し地域で働く医師が求められるようになるため、プライマリ・ケア医は家庭医療学をコアとして学ぶことが重要。

 

【住民・患者の医療・介護への積極的な参画】

○ 住民・患者が、健康の価値を高めるような取組に積極的に参画することが重要。

○ 医療・介護の提供側が努力するという視点だけでなく、受け手側が医療・介護の資源の限界を理解し節度を持つという視点も必要。

 

【医療・介護の一体的提供】

○ 多様な利用者のニーズに応える介護サービスの多様化や品質の差別化について、市町村も中心となって検討を行うべき。

○ 介護人材の過不足の検討に当たっては、介護を受ける本人や家族、地域が行える内容まで介護人材が実施していることで不足が生じているのではないか、という視点が重要。

 

2.個人の能力と意欲を最大限発揮できるキャリアと働き方を実現する

【個々人の能力と意欲に応じた疲弊しない体制等の整備】

○ 医療従事者の働き方については、長時間労働による疲弊だけでなく、医療従事者の働き方に対する意識の変化という視点も重要。

○ 看護師のキャリアとして、在宅などからでも働き始められるようなキャリアパスや、医療・介護・行政・研究機関などの異なる施設で教育・人事交流ができる仕組みなども検討すべき。

○ 臨床研修医の研修内容については、研修医の質の向上を目指して研修を詰め込みすぎることがないようにバランスを取ることが重要。

 

【専門性の追求】

○ 専門医の仕組みにおいては、患者の価値観に沿った良い医療を提供できるよう、質の向上を中心に据えるべき。

○ 医療・介護従事者のスキルの向上に伴って提供するサービスの価値が向上し、それが待遇の向上につながることが重要。

○ 専門医の養成においては、患者に提供する医療の質を担保するために適切な経験を積むことができるよう、地域で養成を検討することが重要。また、単独の地域だけでは十分な経験が得られない場合は、地域の枠を超えた連携も重要。

 

3.高い生産性と付加価値を生み出す

【柔軟なタスク・シフティング、タスク・シェアリング】

○ 医療者が新しい役割を担い、高いモチベーションで働くことは、より良い医療やより良い社会の価値の創造につながる。

○ タスク・シフティングに関しては、まずは既存の職種でも可能なものから取り組んでいくことが重要であり、基礎教育と現場での教育のそれぞれを検討するべき。

○ 既存の職種では十分なタスク・シフティングが進まなかったことから、フィジジャン・アシスタントのような新しい職種についても検討すべき。

○ タスク・シフティングを機械的に進めるだけではなく、患者へのケアやコミュニケーションが十分可能であることが重要。

○ タスク・シフティングが図られるためには、医療・介護のさまざまな機能を統合したサービスへの転換が重要であり、その推進のためには医療・介護ともにアカウンタビリティーが求められる。

 

【AI、ビッグデータ等の情報技術の活用】

○ ICTの活用により多能工同士が連携し支え合うチームビルディングが可能となる。


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