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2018年3月28日 第1回低炭素社会実行計画フォローアップ会議 議事録

政策統括官付労働政策担当参事官室

○日時

2018年3 月28日(水)14:00~

 

○場所

厚生労働省共用第6会議室(3階)

○議題

(1)所管団体ヒアリング
(2)議論
(3)その他

○議事

 

 

福田補佐 定刻になりましたので、ただいまから「厚生労働省低炭素社会実行計画フォローアップ会議」を開催させていただきます。皆様におかれましては、お忙しい中御出席を賜り誠にありがとうございます。会議に先立ちまして、厚生労働省より一言御挨拶させていただきたいと思います。
○藤澤統括官 政策統括官の藤澤と申します。今日は年度末のお忙しい中、低炭素社会実行計画フォローアップ会議に御出席いただきましてありがとうございます。例年、委員の先生方からは、いつも御指導・御助言を賜っているところでございます。どうもありがとうございます。また、御出席の3分野の事業者団体の皆様におかれましては、先生方からの御助言等を低炭素社会実行計画に係る取組に反映し、取組を進めてきていただいているところだと考えています。今、御説明申し上げましたが、政府を挙げて温暖化対策に取り組んでいるということで、今日はその一環としましてペーパーレス会議とさせていただくことにしました。初めての試みでございまして御不便な点があるかと思いますが、使ってみていただいて併せて御意見を頂ければと思っています。今日は、今年度における各団体の取組についてお話を伺い、委員の皆様から更なる取組に向けた御助言を頂ければ有り難いと考えているところでございます。大変申し訳ございませんけれども、私、他の公務もございましてここで失礼いたしますが、今日はどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○福田補佐 大変恐縮ですが、申し上げたとおり藤澤統括官は所用により、ここで退席させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。それでは、今後の進行については森口座長にお願いしたいと思います。森口座長、よろしくお願いいたします。
○森口座長 森口でございます。改めてよろしくお願いいたします。何年目になりますか、自主行動計画と称していたときから毎年やらせていただいておりまして、今回は低炭素社会実行計画ということで、政府全体の名称に合わせてフォローアップ会議を開かせていただきます。本日ですが、高村委員が所用のため御出席いただけませんでしたけれども、本日の会議内容につきましては事務局から提供するとともに、御意見を頂戴するということになっております。それから、昨年度、例年同様に経済産業省及び環境省の御担当の方にお越しいただいているところでございます。本日はよろしくお願いいたします。なお、経済産業省、環境省の御担当者様は、より良い自主行動計画の策定・フォローアップに向けて、各団体へアドバイスしていただくオブザーバーという形で御参加されておりますので、御意見等を求める際には御留意いただければと思います。
 それでは早速ですけれども、議事に入らせていただきます。まず、事務局から本日の配布資料及び進行の説明をお願いいたします。
○福田補佐 配布資料一覧を御覧ください。紙媒体のほうで用意しているものです。一番最初に座席表がありまして、議事次第、出席者の一覧がございます。その後に配布資料一覧というのがありますが、本日用意した資料1~5、参考資料としてフォローアップ会議開催要綱、相談窓口と省エネ診断についての資料を付けています。資料1を除いて全てタブレットで閲覧いただくことになっています。
 お手元の紙媒体のほうで、配布資料1の「フォローアップに当たっての評価の視点」を御覧ください。この記載させていただいている視点に沿って、本会議を進めさせていただきたいと思います。基本的に同じなのですけれども、昨年からの変更点としましては、4の3で地球温暖化対策計画に位置づけられた主要な施策・施策への対応が、別紙2枚目の所で付いています。例えばBATの導入であるとか、省エネとエネルギー管理の徹底、そういった効果が高いと考える主要施策をまとめているものがございますので、こちらのほうも参考にしていただきながら、委員の先生に御議論いただければと思います。
 本日の会議の進め方ですが、生協、製薬、私立病院の3団体から、低炭素社会実行計画における取組に対するヒアリングを行っていきます。ヒアリングについては、説明が15分、質疑15分という流れで、生協、製薬、私立病院の順番でお願いいたします。説明時間は、恐れ入りますが15分厳守でお願いいただければと思います。それから、ヒアリング終了後、最後に全体質疑ということで15分時間を設けさせていただく予定ですので、委員の皆様におかれましては、3団体からのヒアリングの結果を踏まえて、全体討議ということで御議論いただければと思います。
 なお、本日の会議、評価対象ですけれども、生協、製薬会社におかれましては2016年度、私立病院におかれましては2015年度、2016年度の評価を目的としておりますので、その視点から御説明いただくとともに、先生方におかれましては御議論のほうを限らせていただければと思います。
 本日の資料のうち、生協の資料ですけれども、資料2-2と資料2-3については、お申し出により、この場限りの取扱いとさせていただきましてホームページへの公表はいたしません。先生方のほうには、資料2-3については冊子でも配布させていただきますので、こちらについてはお持ち帰りいただければと思います。また、参考資料2ですが、特に私立病院から、省エネ対策の際にどの助成金を使っていいか分からない、どのような取組をしたらいいか分からない、まず相談窓口と診断について、まとめた資料があれば有り難いという御意見がございました。そのため、経済産業省、環境省の実行されている省エネルギー相談地域プラットフォームのポータルサイトのほうで各都道府県、今回は織田先生がいらっしゃるので佐賀県を使わせていただいていますけれども、佐賀県だとこういった窓口で、こういった事項が相談できますよといったこと、それから、どういった診断機関に相談したらいいかというところに関しては、環境省のホームページで診断機関リストを公表していますということ、そして、最後に省エネ診断の補助金については、資源エネルギー庁で、これは中小企業対象になってしまうのですが、もちろん病院も含めて無料診断ということで申込みができますということ、環境省については、これも年間排出量が50t以上3,000t未満ではありますが、毎年557件ほどの採択でポテンシャル診断の補助をしているということで、情報提供させていただいています。以上で資料の説明を終わりたいと思います。
 最後になりますが、ペーパーレス審議会の説明書の後ろにアンケートを付けています。なかなか使い勝手が十分でないところもあるかと思いますが、是非、御意見を頂ければ、今後のシステム更改に当たっての参考にさせていただきたいと思います。以上で説明を終わります。
○森口座長 ありがとうございました。進め方についてはよろしいでしょうか。それでは、早速ですけれども、各団体からのヒアリングに移ってまいりたいと思います。本会議は、皆様既に御承知のとおり、各団体が作成した低炭素社会実行計画について、その実施状況を御説明いただき、評価し、同計画の着実な実施を図ることを目的として設置されています。各団体の御説明、委員の皆様の御意見等は、会議の趣旨に即したものとしていただきますように重ねてお願いをいたします。各団体15分厳守ということでお願いしています。大変失礼ながらプレゼンタイマーを用意していますので、今日はこれを使わせていただきたいと思います。
 まず、最初ですが、日本生活協同組合連合会の取組の御説明を頂きたいと思います。組織推進本部長の二村様、サステナビリティ推進部長の板谷様より、御説明をお願いいたします。
○日本生活協同組合連合会 そうしましたら、板谷のほうから御報告させていただきます。タブレットの01の資料です。表紙の下半分の所に資料の構成を載せています。1.本報告の概要、ここが基本的にサマリーみたいな格好になっていますので、御報告はここを中心にやらせていただきます。2.以降は、1.の解説というか中身の詳しいところを載せている所ですので、場合に応じで飛んで行く格好で、ページ数を御案内しながら解説していこうと思っています。
 全体を2つの構成にしていて、2ページが2020年までの目標についての御報告ということで、2020年は2005年度比で15%削減という目標を我々は設定していますが、それについての進捗報告になります。次の3ページは2030年に向けた取組で、削減計画の策定を全国の生協で進めていますから、その状況というところで御報告いたします。
 まず、2ページで進捗状況です。(1)の1としてカバー率について記載しています。2020年度目標という意味で、もう目前になっていますが、今年度、新たに2生協・1事業連合が参加いたしました。具体的に言うと、コープ東北、こうち生協、コープおおいたになりますが、それらを加えて今回の御報告のカバー率は92.1%になったということです。昨年が88%、その前が82.5%でしたので、着実にカバー率は前進していっているということです。2030年に向けて新たな計画を作りましょうと、一生懸命呼び掛けたこともあって、2020年までの計画も作らねばという話になって前進してきたのかなと思います。
 2が排出量の実績で、2016年度は70万4,254tと、基準年2005年に比べて18%削減となりました。目標は15%ですので、今年度については既に達成したという格好になっています。ただ、今年度から排出係数を、低炭素電力の選択を位置づけるということで、係数についても固定ではなくて変動にするということがあって、こうなっていますから、2020年度時点の所でも、今年度のような形で低炭素電力を使い省エネをやれば達成できるという見通しになってきているということです。
 実績の詳細は6ページになります。ここに分析を加えたのが8ページになりますので、これについて御紹介したいと思います。昨年度までは、2005年度の電事連係数である0.423を年度、電力会社に関わらず固定して使っていましたので、実質は省エネを見ることになっていました。ただ、今年度から新ルールとして低炭素電力を積極的に評価するということで、電力会社を切り替えた所については実排出係数を見ていくことにしています。さらに2021年度からスタートする2030年目標については、全て実排出係数でいこうという話にしています。これら排出係数ルールの違いに対応した排出量を8ページの中段辺りに入れてある表に記載しています。1が旧ルールによる排出量、これは固定係数で実質省エネだけです。真ん中の2は現在私どもが採用しているルールです。3は、この後2030年に向けたルールとして全部変動係数にした場合です。この表は仮にそれぞれにした場合にどうなるかを算出してみたものです。
 それでいくと、2の所は先ほど申し上げた形で82.0%と、18%削減でいいのですが、1の旧ルールで見ると、実は前年より少し増エネになっていることが分かります。ここを低炭素電力の活用でカバーしたのが今回の実績ということです。さらに3の部分ですが、全部変動にした場合、更に少し厳し目の実績になってきています。このように中身を分解しながら分析をして、この後、2030年度に向けては3になっていくわけですけれども、進めていかなければならないと思っています。これまでも前年に対する削減率は縮小傾向にあったわけですが、2016年度については低炭素電力を積極的に活用するという新たなルールの下で、それによって前進したと言えるのかなと思います。
 2ページに戻っていただいて3の所です。3は原単位を見たものですけれども、効率は着実に前進しているということです。10ページにその内訳を出していて、3年前からいきますと1億円当たりの排出量が26t、21.7t、21t、19.7tと、原単位は良くなってきているということです。4の所で主な削減要因ですが、今のところは店舗等のエコストアの出店等を軸にしながら、設備系の更新を行ってきたところが大きかったと思います。逆に増エネになっている部分が宅配のセンターです。この間、ドライアイス等の使用をやめて、蓄冷剤というドライアイスに代わるものを配送時に使用するようになってきましたが、その分の設備にかかる電気使用量が増えてきていることが要因だと思っています。5の次年度以降の取り組みについては、エコストアの出店、低炭素電力の利用が結構大きいので、これに力を入れていこうと思っています。
 続いて、3ページです。2030年に向けた私たちの取組です。昨年、この場で、2030年に向けた目標の検討状況をお伝えしました。その時点では「2030環境目標検討委員会」という会議体を日本生協連の組織の中でもかなり高いレベルのメンバーで設置し、2030年に40%削減という目標をまとめようとしているところでした。その後、日本生協連内で正式に確認され、着実に進んでいることを、あらためてご報告します。
 まず、2017年度は、2030年40%削減の水準を目指そうという方針を受けて何をしたかと申しますと、削減計画策定のためのワーキングの設置です。全国に数多くの生協がありますが、そのうち検討委員会の委員生協を始めとする6生協と日本生協連が、全国の生協に先駆けて策定に着手しました。そのワーキングで行った作業の結果として、「計画策定の手引き」をまとめました。それが今日、ここに3の資料としてお出ししているものになります。これを2018年度から全国の生協に配布し、それぞれの生協で組織内の検討タスクなどを設けながら、それぞれの生協の削減計画を40%水準を目指して作ってもらう。そういう取組をしていこうと思っています。
 3ページの(2)の2ですが、それと併せて重要な手段、キーになるのが再生可能エネルギーの開発になります。これについてはCO2の削減計画とは別に、2050年には生活協同組合の事業で使う電力相当量を、自ら関わる形で再生可能エネルギーを生み出していこうという目標設定をしています。現状、生協で使う電力の20%にあたる100MWを2020年までに開発しようとしています。100%というと500MWになりますが、この量を2050年までに開発するならば、2030年には300MWの開発が必要になります。この実現に向け、2017年度は全国の生協を巻き込んで「再エネ開発研究会」を設け、再エネの開発を加速していくという計画です。以上が、2020年に向けた進捗と、それから2030年に向けてこのように進めていますということの報告です。
 最後に、資料の中で混乱すると思って言わなかったのですが、若干、数字が動いている部分がございます。2020年の排出量を基準年比で18.0%の削減と御報告していますが、その後、初めてこの計画を策定した、こうち生協のほうから報告後に訂正が入ってきましたので、それを合わせると18.1%となり、0.1%ですが、若干前進する格好になっています。それに伴って少し資料の数字を触らせていただきたいと思っています。私のほうからは以上です。
○森口座長 時間内に収めていただきまして、ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、コメントを頂戴したいと思います。最初に、例年そうなのですが、一問一答をやっていますと時間がかかりますので、まとめて御質問等をお受けした後で、ある程度まとまった形でお答えいただくことになるかと思います。まず、内山委員、お願いいたします。
○内山委員 説明、ありがとうございました。削減目標が、もう既に2020年の目標を達成しているということは評価できると思います。ただ、その中身ですが、1点お伺いします。結局、新電力からの原単位が低い電気を含めて計算されたということですね。それから、もう1つ、クレジットが入っていると書いてあるのですが、このクレジットというのは電力原単位のクレジットなのか、それとも、ちょっと私は忘れてしまったのですが、生協さん独自に何かクレジットを発行してやっているのか。それをもう1回、確認したかったという点です。
 その上で、18%というのは評価できるのですが、自分たちの努力だけでやると増えてしまっていると。いわゆる原単位ベースでやるとですね。そこがちょっと問題かなと思うのです。他力本願だったら、そういうことになるのかもしれませんけれども。というのは、なぜかと言うと、これから2030年、あるいはこの報告書の中に2050年を目標に大幅な削減目標を掲げていて、これはほかの業界でも参考になるのですが、基本的には自分たちの努力でそれを達成するのが必要なわけで、そういう点では他力本願というのは余りよくないのです。そういう点で見たとき、再エネを導入するというのが非常に大きく出ていますが、これは生協のいろいろな施設に全部再エネを入れるという意味なのですか。それとも、どういう考えで再エネを大幅に入れていくのか。その辺の考え方を教えてください。
○森口座長 ありがとうございます。ほかの委員から、もし関連することでも別のことでも結構です。先にお受けした上で少しまとめてお答えいただきます。吉田委員、お願いいたします。
○吉田委員 ありがとうございます。毎年、進捗がよく分かる御報告でありがとうございます。私も先ほどの御質問に関連してなのですが、再エネ開発目標300MWというのはかなり注目いたしました。どういう形で計画と言いますか、されるのかなということで確認させていただきたいと思っています。今、結構、自家消費型という形で屋根に太陽光パネルを敷いてみたいなものが、かなり増え始めているところもありますので、例えばそういったものを店舗に呼び掛けて広げていくとか、何かしら300MWを達成するための具体的な計画とか方針みたいなものがあれば、お聞かせ願いたいと思いました。以上です。
○森口座長 一度、ここで切りまして、内山委員からの御質問が主に2点あったかと思います。それから吉田委員からの御質問がございました。ここまでのところで、まずお答えいただきたいと思います。
○日本生活協同組合連合会 内山先生からのクレジットのお話については、この資料の17ページに内訳について少し触れた部分がございます。
○森口座長 (3)でしょうか。カーボンオフセットですね。
○日本生活協同組合連合会 そうです。こちらに書いているように、4生協、1事業連合でそういうオフセットを活用しています。具体的には、REDDプロジェクトが1万2,000t、国内クレジットが156t、そういう形で活用している所があるということです。
 再エネの導入についてですが、確かに他力本願になってはいけないと、係数頼みはいけないということで私たちもそのように思っています。これは吉田先生からの御指摘とも重なるのですが、世の中にある再生可能エネルギーを増やしていかなければいけない、今ある再エネを買い集めるということでなく、増やしていくという目標設定の仕方を我々はしようということで、生協が自ら関わって生み出す再生可能エネルギーを300MW作っていこうと、そういう目標設定の仕方をしています。
 それについての方法は相当ハードルが高い話になっていて、これから方法を考えなければならないという格好ですが、それについては21ページの所に少し関連の補足を入れています。この21ページが、再エネ開発をどう進めていくかということで、今、考えているものです。中段までは目標値の設定でして、一番下の表-16ですけれども、具体的にはこういった方法で積み上げていけないだろうかということです。1の自家消費型太陽光発電の推進、これはFITによって太陽光の設備コストが少なくなって、FITに頼らずとも自家消費で十分、経済合理的な選択として進めていける状態になってきています。これまで生協は、比較的大規模な物流センターの屋根にFITを使って太陽光を乗せるパターンで進めてきたのですが、これからは店舗の屋根であっても太陽光発電設備を設置し、太陽光の自家消費を進めていこうと考えています。ザッとした簡単な調査で正確ではないのですが、全国の生協にある店舗の1割程度、小さなトラックが出て行く宅配センターなどでも2割程度しか太陽光発電設備を設置できていない現状であり、未だ余地があると見ています。そういう所にどんどん自家消費型を作っていって使用量を減らしていけば、再生可能エネルギーの発電能力を持つことと併せて、使用量を減らすことができていくのかなと思っています。
 2は電源開発への投資の検討ということです。FITを活用した大規模な風力とか小水力といったところにも、地域の資源を生かす開発案件を見つけて我々も関与していく。そういうことが必要かと思います。
 3は、今現在、直ちにやれる話ではないかもしれないけれども、生協や地域で取り組めるようなモデルを作って、それを推進していこうと。具体的には生協の産直産地との関係でソーラーシェアを進めていったりできるかなと思っています。具体的に既に着手している部分もありますので、そういう事例などを横展開しながら、広げていけたら力になっていくのではないかと思います。4の政策制度への働きかけは、引き続きということです。以上です。
○森口座長 ありがとうございました。よろしいですか。では、江原委員、お願いいたします。
○江原委員 私はスーパーマーケットが専門で、ちょっと場違いかもしれませんけれども、それと比べると営利企業よりも、店舗のスクラップ&ビルドがやりにくいとか、いろいろ制約がある中で、ここまで目標を達成されてきているというのは、敬意を表したいと思うのです。
 逆に、例えば資料2の13ページのプロット図を拝見すると、平米当たりのギガジュールで、経産省管轄の……キョウなどの数字よりも、かなり悪い店舗があるのです。これまでエコストアみたいなベンチマーキング式に成績を良くしてというのはいいのですが、悪い店舗をどう救っていくかというところで、何かを考えられればというのが第1点です。
 それから、これだけ努力されてきたので、例えばLED化とか空調設備の更新みたいなもので、まだどのぐらい伸びしろがあるのかと、もうやり切っているのか、まだできるところがあるのかという辺りが、ちょっと気になるというのが第2点です。
 3点目としては、2030年で非常に面白い計画をお考えだということなのですが、ある意味、電力も商品と同じように調達対象だと、事業のドメインだと位置付ければ、もうちょっと元気のいいことが言えるのではないかと思うのですが、いかがですか。電力も社員と同じで調達対象であると。
○森口座長 ありがとうございます。3点頂きましたので、恐らくお答えいただくのはぎりぎりになるかもしれません。もしほかの委員であれば、簡潔にお願いいたします。よろしくお願いします。
○佐藤委員 今の質問に関連するのですが、24ページで、電力小売事業の取組を説明されていますが、これらの電力は商品としてのみ考えられているのか、自分たちの削減量の中に入れているのか、どのように考えられているのか教えてください。
○森口座長 今の御指摘は、やはり3点目の話とも少し関係してくるかと思います。それでは、以上をまとめてのお答えを、なるべく簡潔にお願いいたします。
○日本生活協同組合連合会 エコストアについては御指摘のとおりで、まだまだできていない部分があります。エコストアコンセプトというものを出して、だんだんにそれが広がっているという状態です。確かに小規模で古い店舗はエネルギー効率が低い傾向がありますが、それを改善する取り組みを着実に進めていきたいと思っております。
 あとは伸びしろの関係なのですが、14ページに、省エネ対策の実施レベルというので、現状のものを入れてあります。それを見ていただくと、やはり御指摘のとおり、まだ対策としてやれる部分というのは結構あります。例えば、運用改善と設備改修に分けて、下半分が設備改修ということですけれども、その最初の所にあるLEDの導入などについても、100%実施が前年よりは前進をしているものの、まだ3割程度ということです。まだこういうところでは、取り組める余地があるのかなと思っております。
 3点目、電力事業との関係です。開発した再生可能エネルギーをどう使うかということですが、いまいくつかの生協では電気小売事業を始めています。生協のなかには、再生可能エネルギーのFIT比率を35%保証します、75%FITですというといったメニューで組合員向けに供給しているようなところがあります。
 組合員とのお約束で、そういう再生可能エネルギー比率の電気を供給しますと言った分については、確実にやらねばならないということなので、開発した電気を、まずそちらに回すと。そちらに回しながら、更に生協事業で使用する電力の排出係数も下げられるような開発及び調達を進めていくという構えであります。お答えになっていますでしょうか。
○森口座長 まだあるかと思いますが、ほぼ時間が来ております。1点だけ私のほうから質問です。これのお答えは今日は結構です。内山委員から最初に御指摘があったことと関係するのですが、他力本願という言葉が出てきた中で電力の話もあるわけですが、排出係数で下がっているのだけれども、増エネになっているという所に関しての御指摘も含んでいたかと思います。
 その点でちょっと気になりましたのは、ドライアイスから蓄冷材等に切り替えたことによって、かえって増えているのであれば、ドライアイスはそれそのものをCO2排出として計算しているという部分があったと思いますので、その辺りの切替えかと思いますし、その計算ではドライアイスの製造時の排出というのは、間接排出はカウントされない仕組みになっているので、比べるのはなかなか大変かと思います。やはり本当にドライアイスの切替えが、トータルで見てCO2削減になるのか、ならないのかという辺り、非常に技術的には興味深いところでありますので、そのことも含めて、増エネ要因の詳しい分析を引き続きお願いできればと思います。よろしいですか。後ほど全体的な議論の時間を僅かながら取ってありますので、もし質問し残した点がありましたら、その際にお願いしたいと存じます。
 それでは、時間の都合もありますので、2番目に移ります。2番目は日本製薬団体連合会の御説明をお願いしたいと思います。環境委員会委員長の前田様、低炭素社会計画ワーキンググループリーダーの山野様より御説明をお願いいたします。先ほどはありませんでしたが、予鈴を12分で鳴らさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○日本製薬団体連合会 それでは、日本製薬団体連合会より、製薬業界の取組について資料3-1で説明をさせていただきます。次の2ページ目は、その内容になっております。数値目標は、「2020年度の二酸化炭素排出量を、2005年度排出量を基準に23%削減する」です。対象は4点です。実行計画には288社中96社が参加し、その結果内容は87社でした。まず、2015年度の売上高ベースでカバー率を計算しますと、88.8%となりました。こちらにありますように、エネルギーの使用報告企業の35社あり、全体カバー率は42.2%となっております。
 3ページ目ですが、CO2排出量及び原単位指数の推移です。まず電力排出係数の変化に左右されず、2020年度目標の進捗状況を業界努力結果として把握するために、電力炭素排出係数として、日薬連の進捗管理係数を用いました。この管理係数と調整後の排出係数を使用した場合のCO2の排出量推移も、後述の18ページ以降で参照記載しております。
 このページのグラフ表では、基準の2005年度から2016年度までのCO2排出量推移並びに2005年度以降、無対策の場合の2020年度目標です。2016年度のCO2の排出量181.7万t、2005年度比では58.1万t、24.2%の削減、前年比では3.4万tの増加で、2020年度目標では2.9万t下回りました。
 4ページ目では、調整後係数を用いた排出量を示しております。棒グラフは2013年度を境にピークが減少に転じております。2010年度以降は基準年の排出量を下回っております。この棒グラフの水色の部分は、業界努力分評価の日薬連の進捗管理係数の排出量です。
 5ページ目では、CO2の排出量増減要因です。2016年度CO2の排出量は181.7万t、2005年度比で58.1万t減少でしたが、内訳として電力並びに燃料のCO2排出係数の影響では合計25.8万tの減少、事業活動拡大等で36.6万tの増加、次いで省エネ対策等による業界努力といったところで約68.9万tの減少です。
 その下の分類表では、CO2の排出量の増減理由を複数回答の会社数で記載しております。増加要因では、生産量及び研究活動量の増加を挙げている会社がやはり多く、減少要因では、やはり温暖化対策の設備投資及びエネルギーの使用効率化が約半数の会社でありました。
 次いで6ページ並びに7ページでは、各対策内容について記載しております。本表では、ハード対策における対策項目を、件数、CO2の削減量、投資額で、それぞれ示しております。主に空調機器更新、あるいはその他の高効率機器の導入によるCO2の削減量が大きく、それぞれ3,000tを超えております。ハード対策全体では156件、CO2削減量では1万265t、投資額は約5億円となっております。
 次はソフト対策の項ですが、「投資あり」「投資なし」で分けております。投資あり、なしともに、やはり設備機器の運転、制御方法の見直し等によるCO2の削減量が、それぞれ1,980tと1,184tで、数値的にも大きく貢献をしております。ハード対策とソフト対策の合計では約210件、CO2の削減量としては1万7,751t、投資額は約6億円でした。
 ここからは、主体間連携の強化について御説明いたします。9ページですが、製薬業界の主体間連携の取組としての4項目です。1つ目は、バイオマスポリエチレン製の一次包装容器で、従来は石油原料をベースに製造しておりましたが、昨今は植物系のサトウキビなどの原料の製品に、一部、移行し始めております。2つ目としては、効率的な医薬品輸送の推進です。3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)、共同輸送、モーダルシフトを推進しております。3つ目として、営業車の低燃費車導入です。詳細は後述の10ページ以降に記載しております。4つ目は、技術研修会の実施です。傘下団体の製薬協で省エネ温暖化対策の技術研修会と称して、各傘下団体にも参加を呼び掛けて、低炭素社会実現に向けたエネルギーテーマ並びに今後のエネルギー施策、あるいは業界として示した低炭素社会実行計画に向けた取組の重要性、あるいは現在の進捗状況を各委員会の中で情報共有を図っております。
 10ページでは、先ほど申しました営業車両のCO2の排出量推移を示しております。棒グラフは車両台数を示しており、2010年度以降は横這い状態ですが、近年ではやはりハイブリッド車、あるいは電気自動車の比率が増加となって、2014年以降では約半数を超えました。さらに黄色の折れ線グラフでは、2005年度比86%、赤い折れ線ですが、1年当たりのCO2の排出量を83.5%まで減少し、低燃費車への移行が着実に続いているのが見て取れます。
 11ページですが、国際貢献の推進と革新的技術の開発ということで記載しております。国際貢献は3点です。1点目、ベストプラクティスの要求ですが、省エネあるいは温暖化対策の先進事例を海外事業場と共有して、積極的に導入を推奨しております。一部企業では既に実施しております。2点目として、削減目標設定・管理の要請ですが、原薬関係含めまして海外の事業場、あるいは関連会社に対してCO2の削減、目標設定並びに実行要請として低炭素化の取組を支援、フォローしております。一部企業では、既に実施しております。3点目は海外サプライヤーの調査です。この辺の現場での実地調査を通して、低炭素技術の導入を推奨、あるいは一部企業では、特にアジア圏、中国、インドをはじめ、全世界のサプライヤー企業に対して証明、あるいは現地調査から、それぞれ必要に応じて各種の提案を行っております。
 次に革新的技術の開発ですが、こちらも3点挙げました。日薬連では長期的視点、あるいは目標達成に向け、以下の取組を検討していきたいと考えております。1つは環境付加提言や地球温暖化対策の視点から、医薬品製造技術として、有機溶媒といった化石資源の使用を可能な限り最小化する。あるいはグリーンケミストリーといった技術の開発、あるいは医薬品製造工程の省エネルギー化、環境負荷低減、あるいは安全性の確保、また患者さんの視点に立ったQOLの向上等々、ライフサイクルのGHGの排出削減に寄与する技術開発といったことにも、今後、努めてまいりたいと思っております。
 ここからは、その他の取組の紹介ですが、まずはフロンの排出関係です。次の13ページ目ですが、製品由来のフロン排出量について記載しております。左のグラフはフロンの排出量の推移で、オゾン層の破壊物質の特定フロン、CFCは2006年度以降、全廃されております。代替フロンのHFCのみとなっており、減少傾向にあります。よって2016年度は2015年度より更に減少して73tということで、2000年度比では35%まで減少しました。
 次に地球温暖化ケースのGWPです。これを用いて計算したCO2の換算量が右のグラフです。2000年度で158万tに対して、2016年度は16万tということで、約90%削減したことになります。まず、その理由がGWPです。この辺の高いCFCをHFCに代替変更したこと。さらにフロンそのものを使用しない粉末吸入剤の技術開発をしたことが挙げられます。一方で医薬品ですので、やはり小児やお年寄りといった粉末の吸入剤を自己吸入できない患者さんもおられますので、吸入剤の使用が増加の見込みとはいえ、フロンの使用量の削減は、ほぼ限界に近付いているのも現実です。
 14ページ目では、本社オフィス関係のCO2の排出量を記載しております。左のグラフは67社のCO2の排出量の推移を示しております。2005年度比で約55.6%の減少です。右のグラフは床面積当たりのCO2の排出量推移を示しております。2016年度は2005年度比の57%減少で、東日本大震災及び原発事故の後、やはり全国的に意識が上がり展開されて、そういったオフィス関係の節電対策は定着したのではないかと思えます。あと、主な取組は空調設定の温度変更、あるいは照明機器の間引き、あるいは社員教育・啓発、あるいは使用しないエリアの空調停止といったところ、あとはLEDの照明関係といった高効率の照明の導入が挙げられます。
 ここからは、2020年以降の取組・低炭素社会計画のフェーズ2について、我々日薬連として実現に向けた取組の姿勢を簡単に御紹介します。次の16ページを御覧ください。数値目標は2005年度を基準に、「2030年度の炭素効率比を3倍に改善、又は二酸化炭素の排出量を40%削減する」です。炭素効率性とは、CO2の排出量当たりの医薬品の売上高を示し、対象範囲は事業活動により排出されるエネルギー起源のCO2です。炭素効率性を目標としていることは、医薬品の成長として、CO2の削減を同時に実現することを願ってのことですが、総量についても引き続き併記をしました。
 前提条件としては、やはり医薬品市場の予測だけでなく、経産省が2014年6月にまとめた水素・燃料電池戦略ロードマップ等のエネルギー基本計画の進捗や電力係数の推移などがあります。なお、電気事業者より2030年度の排出係数の目標値が公表になっておりますので、現在、2030年に向けても見直しを検討しております。
 17ページは、炭素効率性とCO2の排出量について、2015年度実績と2030年度目標を比較したグラフです。左のグラフは炭素効率性の推移を示し、2016年度の炭素効率性は2005年度の約1.62倍となっています。右のグラフはCO2の排出量を示し、2016年度のCO2の排出量削減は2005年度基準で約24%となっております。引き続きこれからも一層の努力が必要と感じております。
 メイン資料は以上となっております。18ページは参考資料を掲載しております。時間の関係で、別途、御確認をいただければと思います。御清聴ありがとうございました。
○森口座長 それでは、時間どおり収めていただきましたので、質問の時間がたっぷりあります。まず、佐藤委員、その後に内山委員の順でお願いいたします。
○佐藤委員 御説明ありがとうございました。4ページの、調整後の排出係数を使った排出量ですが、今回初めてメインに出されて、これで実態が非常によく分かり、とても良かったと思います。これで見ると、2013年度をピークに毎年減少させてこられた努力は非常に評価されると思います。ただ、今年度は増加しており残念だと思います。基準年の排出量より3.2%減少させていますが、目標値から見ると25.7%多いということで、更なる努力が必要になっています。これは相当努力をしないと達成できないので非常に厳しい状況です。
 次に、先ほど省略されたのですが、19ページのエネルギー使用割合を見ると、電気が6割と非常に高率を占めています。これは昔から液体燃料からガスへ、さらにガスをヒートポンプ技術を使って電気へ変えるという努力を続けてきた。ある所まではこれが見事に当たって、排出量が大きく下がりました。ところが現状では電力の排出係数が上がってしまっているということで、逆に自分達の首を締める状態になっている訳です。先ほどご説明いただいた対策例を見ても、これに頼ればいいというものが、少なくなってきているという状況があると思います。そうすると、製薬業界の場合は、先ほど生協さんがご説明されたように、電気の低炭素化、要するに排出係数の低い電力の導入・開発ということを考えないといけないのではないかと思います。今、架空の数字で3.3という製薬業界独自の進捗管理排出係数を置いていますが、実際に排出係数を3.3まで下げるということは、これは大変なことだと思います。また、3.3まで下げなくても計画は十分に達成できる状況にあるので、是非その点に注力していただきたいと思います。
 生協さんのご説明を聞いていて非常に感心したのは、個々の生協さんの活動だけではなく、生協全体で取り組んでおられることです。我々は昔、各企業ごとに風力発電を考えたり、バイオマス発電を考えたりしてやってきましたが、今まで十分にできていなかったので、そういうところを業界全体で協力してやっていただきたい。特に、前田委員長の所などは自分の会社でバイオマス発電をやっているというような状況です。そういった活動を業界全体に広げていっていただければいいのではないかと思います。
 もう1点、先ほど他力本願という話があったのですが、実質的に低炭素の電気を供給する所を開拓・導入してくるというのは、これはこれで1つの努力だと思います。今、使用している排出係数3.3という数字は、ちょっとかけ離れた数字ですが、そこまで下げなくてもいいので、それに少しでも近づいた排出係数の電力の開拓・導入を目指して、是非、活動していただきたいと思います。以上です。
○森口座長 ありがとうございます。では、内山委員からも御意見、御質問を頂戴した後で、お答えいただければと思います。
○内山委員 今の質問と少し被るかもしれませんが、私、去年の報告であった、この調整係数と進捗管理係数の違いを忘れてしまったのですが、もう一度、まずそこを説明願いたいということと、どうも進捗管理係数は電力排出係数を考えて、その上で24.2%削減されているということなのですが、調整後係数ですと3.4%しか削減されていないのです。これはやはり、どちらをメインに考えれば今後いいのか、これは非常に大事な問題なので、それについての見解を教えていただきたいと。
 それから2番目に、省エネのハード設備による削減効果が年間で1万tしかないのです。これは実際の排出量が約200万tあるわけですから、そういう設備による排出削減というのは余り期待できていないのか、それともまだ、その一部しか実施されなくて、今後もまだまだ改善の余地があるのかどうか、それについてお聞かせいただきたい。
 それから代替フロンに関しては、今、薬価改定等で非常に厳しい問題が出てきておりますが、引き続きいろいろな対策が必要だと思うのですけれども、当面もうこれ以上の削減は、現在の代替フロン、HFCではできそうもないというのは、私も報告を聞いて分かりました。
 そういうことで、今後、2030年あるいは50年に向けた目標を高く掲げておられますが、炭素効率性を3倍に高めるということは、非常によろしいことだと思うのですけれども、それ以外に総CO2排出量を40%に削減するというのは、かなりチャレンジャブルな行動でありまして、これもやはり電力原単位の改善しかないのかという気がするのです。そうなると、先ほどの生協さんと同じような対策になってしまうのか、それについての考え方をお聞かせください。
○森口座長 それでは、一度ここまでのところでお答えを頂きたいと思います。お願いいたします。
○日本製薬団体連合会 昨年度も御説明いたしましたが、我々は日薬連進捗係数に基づいた目標として23%削減と決めていますので、我々はそれに向けて努力をしていると。自助努力を埋めるために固定の係数を使っていることで、それは変わりありません。日薬連進捗係数というのは、少々分かりにくいのですが、資料は3ページにあります。2010年度以前は調整後の排出係数を用いておりました。2011年と2012年については、震災がなかったとした場合の数値を用いています。2013年以降は、3.3という数字を使っているということです。
○内山委員 固定にしたということですか。
○日本製薬団体連合会 そうです。2013年以降は固定の数字を使っています。この数字を基に我々の目標を作っています。
○内山委員 調整後係数は変動している。
○日本製薬団体連合会 そうです。
○内山委員 それは2010年をそのまま使っているということですね。分かりました。
○森口座長 若干補足させていただきます。調整後は何だということですが、私も電力開発係数の検討会も入っていますが、実は排出係数があって、更にクレジット等で電力供給側が調整したものなので、各ユーザーが調整しているわけではなくて、供給側が調整したものになっているということで、これを使うのが経団連と一般的な標準的なものになっている。ある種の実態を反映したものだけれども、実態なのだけれども、電力構成だけではなくて、クレジット等電力会社等が調達されたもので調整がかかっているというものです。
○内山委員 そういう場合、排出係数は年々変わる、実際の値を使っているということですね。そうすると、本当の省エネ努力は見えなくなってしまうのがありますね。
○森口座長 そういうことです。
○佐藤委員 例えば、今、3.3になっている根拠をもう少し説明されているとダイレクトに分かると思うのですが、震災前に電事連が2020年度の目標として公表した値です。それが3.3ですが、今、電事連は2015年に3.7を2030年度の目標として出しているので、既にかけ離れていると思うのです。
○森口座長 では、続きをお願いします。
○日本製薬団体連合会 あとは、フロンに関してですが、これは限界に近付いていると思っております。お年寄りとかお子さん、自分で吸入できない方がおられますので、ある程度の数字は、フロンを使う、HFCを使う、吸入エアゾール剤は減らせない、限界まできていると思っています。
 それから、2030年の目標に関しては、今、見直しをしているところです。我々は炭素効率性を目標にするつもりでおりましたが、実を言いますと、売上予測が随分違ってきたことがあります。医療費適正化計画があり、売上げが予想していたほど大きくはならないことがはっきりしてきましたので、売上高原単位、その逆数ですが、それは使えないということで、排出量の削減率について、今どの程度が適切かを検討しているところです。
○内山委員 あと、もう1点の省エネ設備がどうなっているか。
○森口座長 年間1万tは少ないのではないかという御指摘がありました。
○日本製薬団体連合会 そうですね。今の話にも関連するのですが、医療費適正化計画ということで、我々はコストに関してかなりプレッシャーを受けておりますので、設備投資がなかなかしにくいという状況はあります。もちろん、投資回収が明確に見えるものについては積極的にやっていくのですが、そうでないものについては、今のところそこまで積極的になれていないところがあるかも分かりません。
 ただ、これからいろいろな技術が出てくると思いますので、コジェネとか、水の排熱の利用ですとか、いろいろな技術が出てきているのは承知しておりますので、また研修会等でもそれらの勉強をしております。
○内山委員 私はなぜそこを強調したかと言いますと、経産省とか環境省がお見えになっていますが、国の立場としては、そこに積極的に支援したいという考えがあるわけです。そういう設備を導入することで下げたいと。そのために補助金とか様々な資金援助もしているわけですが、もしそれがなくなると、では自分たちで勝手に再エネを入れなさい、それだけで対策できるのですねということになってしまうので、それは考え方をもう少し広く対応したほうがよろしいのではないかということです。
○森口座長 例年出していただいて、今日もハード対策とソフト対策をそれぞれまとめていただいて、おおよそ大体年間1t削減当たり5万円ぐらいですよね。4、5万円ぐらいのコストになっていて、これは年間ですから、数年にわたって、あるいは10年ぐらいにわたって削減できるとすれば、恐らく電力代金、これもまた変動しますが、ペイバックするわけです。元が取れる年数は、そこそこの年数で取れる可能性があって、多分、初期投資をどこまでやられるかと、今、5億円、1万tという規模なのか、これでももう少し先になってくるとだんだんその単価が上がってくるのか、まだ年間1t当たり5万円ぐらいでできる投資余地があるのだけれども、まだそこまで投資がいっていないということなのか。その辺りは、恐らく資金調達の話も含めて出てくるかと思いますので、その辺りも含めて、引き続きこういうデータをお示しいただけると大変有り難いと思います。あと2、3分ありますが、ほかの委員いかがですか。
○吉田委員 先ほど委員の方々の御質問でも共通していたと思うのですが、省エネの努力は毎年、例年しっかりできる限りやられているのだけれども、これから一歩進んだドラスティックな削減という形では、再エネを導入したりとかという話が必要になってくるのかと思うのです。電力をたくさん使われる業界ということで、資料を拝見しまして、設備投資なども省エネを中心にやられている印象を受けました。薬を作るとかというので、品質とか安全重視だと思うのです。そうなので、いろいろな規制などもあろうかと思うのですが、再エネを導入しづらい理由とか、そういった業界ならではの再エネを導入しづらいのだ、こういう理由があってというのがあったら、お聞かせ願いたいのが1つです。
 あとは、例えば新電力への切替えとか、そういったことであれば、先ほどの設備投資の問題もクリアできると思います。あとは、新電力を使ったとしても、不安定な電源を買う形には今のところなっていないので、そういう方向もあるかと思いました。その点についての御意見をお伺いできればと思いました。
○森口座長 ありがとうございます。ほかの委員はよろしいですか。それでは、今の電力の調達あるいは水からの再エネに切り替えていくという辺りの話を、もしお答えいただけることがありましたらお願いします。
○日本製薬団体連合会 お話がありましたように、我々はGMP、GLPを守ることが第一ですので、なかなか省エネしにくいことはあります。ただ、確かにやれることはやり尽くしているという感じがありますので、再エネはこれから検討していかないといけないとは思っています。特に、やりづらいわけではないと思っています。
○森口座長 よろしいですか。
○佐藤委員 1つお願いです。個々の企業が努力して排出量を下げる。業界としては、技術研修会等をやって啓発し個々の企業に投資してもらうというのが、今までの流れでした。私が今回参考になったのは、生協さんの取り組みです。生協全体として、どのぐらいの再エネを作っていこうかという計画を、先まで見て細かく作られているのです。計画・推進組織には、草創の人達が参加し行動されています。そう言った努力の結果非常に妥当性の高いものが出来上がっています。それを参考にしていただいて、是非、製薬業界としてそういうものをつくり上げていただきたい。簡単ではありませんが、生協さんも50年先のことを見てやっているわけですから、今のうちからやっていかないと間に合わなくなると思います。今まで本当に多額の投資を行い対策を講じて成果を出してきました。しかし「排出量削減効果の大きい設備投資が困難になってきている。」と説明されているのですから、是非考えていただければと思います。
○森口座長 ありがとうございます。若干、私から補足させていただきますと、私は以前に生協の連合会の環境政策委員をやらせていただいたことがあります。今でもそういう形の組織をお持ちで、今日の資料を拝見しておりましても、2030年の環境目標の検討委員会をおつくりになっていて、そこにも学識経験者がお入りになっている。ですから、当然、業界団体として各企業というか事業者を束ねていただくことも重要ですが、多分、業界団体自らがそういう技術的な検討をしっかりされることまで踏み込まれるかどうか。この辺りは、そういうことまで踏み込んでおられる業界、経産省、環境省の所管業種等を含めても、必ずしも多くはないと思います。やはり、生協のある種のグッドプラクティスという非常に良い事例があります。せっかく厚労省傘下の業界で一緒にやっていることもありますので、是非お互いその辺りを参考にしていただければと思います。
 それでは、時間が来ておりますので、3番目、最後に移らせていただきます。私立病院団体の取組を御説明いただきます。日本医師会常任理事の松本様、地域医療第二課主査の塩崎様より御説明をお願いします。
○日本医師会 日本医師会の松本と塩崎です。今日は、日本医師会担当の病院団体で2年間の調査をまとめましたので、御報告させていただきます。
○日本医師会 資料4に従って御説明させていただきます。「2017年病院における低炭素社会実行計画フォローアップ実態調査報告書」です。ページですが、一番下のバーのあるページ数に従って説明させていただきます。3ページ、目次を御覧ください。本報告書の内容の概要です。大きく第1章調査概要、第2章調査結果、第3章まとめ、資料1、2という構成になっております。
 時間の関係もありますので、主要なところだけ御報告いたします。7ページを御覧ください。第2章調査結果です。アンケート調査の発送・回収状況です。全国の50床以上の私立病院である6,336病院を母集団として、このうち1,000病院を抽出し、これを調査対象として調査票を発送いたしました。その下の表1を御覧いただくただくとお分かりになりますが、50床から500床以上の分類での抽出割合となっております。合計15.8%でした。
 9ページを御覧ください。(3)アンケート調査の回収状況です。北海道から九州まで合計1,000の施設にお送りしたところ、638施設から御回答を頂きました。このような構成割合となっております。
 17ページを御覧ください。こちらは、3.温暖化対策の実施状況の中で(1)省エネルギー推進体制の状況でして、1の表14を御覧ください。病院種類別にみたエネルギー消費量削減への取組状況です。積極的に取り組んでいる、ある程度取り組んでいるを合わせますと、合計して87.4%、余り取り組んでいない、全く取り組んでいないがおよそ10%ほどという結果でした。
 31ページを御覧ください。こちらは、現在行っている省エネルギー活動・地球温暖化対策状況の結果です。図1ですが、過去10年間、常にこの調査をさせていただいており、38項目の対策状況をお示しいたしました。こちらは現在行っている状況ですので、御回答いただいた現在ですが、平成29年9月現在ということで、過去の2014年度実施中の順位と比べますと、2014年度の順位の58.2%の16位と書いているものが、今回の結果になりますと8位、高効率照明器具の使用が大分上位に上がってきたというところで、LEDの使用が大分促進されているという結果でした。
 45ページを御覧ください。図6、病床規模別にみたエネルギー消費量、CO2排出量について2015年度、2016年度の2つを比較しております。下段の2016年度を御覧いただきますと、1行目のエネルギー消費量構成費ですが、中ほどに15.2%、15.7%、15.9%とあります。こちらは、病床が150~199床、200~299床、300~399床がおよそ15%ほどの割合、一番右側、19.8%が500床以上の大規模な医療機関の割合です。2行目、CO2排出量も同じような形で15%ずつでして、2割近くが大規模な500床以上が占めております。ただ、3行目、病院数構成比を見ていただきますと、500床以上は3.1%しかない状況ですが、一番下、延べ床面積構成比を見ると大きくなっている状況です。
 54ページを御覧ください。ここからまとめに入らせていただきます。第3章まとめです。こちらでは、削減目標と目標達成度についてお示しをしております。こちらの四角で囲っているところは、病院における低炭素社会実行計画の2030年度削減目標ですが、数値目標指標は、エネルギー起源の二酸化炭素(CO2)排出原単位(病院延床面積当たりのCO2排出量、単位はCO2換算のkg-CO2/m2)とし、基準年度を2006年度(地球温暖化対策自主行動計画と同じ)としておりますが、2030年度までの24年間で25%削減、対前年削減率に換算すると1.19%を目指すこととさせていただいております。
 55ページの上段、表42です。こちらは今回の目標達成度です。一番上の行、目標としていますCO2排出原単位対前年削減率ですが、今回、2015、2016年度の実績を調査いたしました。一番右から2番目の列です。2015年度実績は対前年比-1.1%でした。2016年度は1.7%と少し増加しております。参考までに2行目ですが、CO2排出原単位、2015年度は98.9%、2016年度は100.6%。こちらは基準年の2006年度を100%とした場合には、79.2%、およそ21%は原単位で削減という状況です。3行目、病院団体規模を御覧いただきますと、年々病院数等々は減っておりますが、もう1つ下の活動量、延床面積を見ますと、2015年度、2016年度も7,176万9,000m2から7,231万5,000m2と、徐々に2006年度比112.5%、12.5%延床面積が増えている状況です。そのような中で、エネルギー消費量、エネルギー消費原単位も、2015年度から2016年度にかけて若干増加をいたしております。一番下の行、CO2排出量(万t)ですが、2016年度は746万1,000t、2006年度比91.3%という結果でした。
 56ページを御覧ください。(4)CO2排出実績の試算です。先ほどの御報告でも御指摘がありましたが、使用端排出係数ということで、表44を御覧ください。こちらは、電気事業連合会における電力の使用端排出係数の推移と目標値を比較した表です。病院業界としては、2006年度を基準年度としておりますので、0.410という係数をフィックスして、これまで排出量等を計算してまいりました。ちなみに、現在、2016年度の速報値は0.516という状況になっております。
 そういった中で57ページの上段、表45を御覧ください。電気事業低炭素社会協議会が示した各年度の使用端排出係数を用いたCO2排出係数の試算をいたしました。2015年度並びに2016年度も排出原単位としては117.2。先ほど21%ほど減少したと御報告いたしましたが、2016年度の排出係数を使うと、2006年度比92.2%、およそ8%減という状況でした。ちなみに、2行目のCO2排出量を見ますと870万5,000tということで、2006年度比6.5%増という結果を御参考までに示しております。
 59ページを御覧ください。表47です。こちらはエネルギー消費原単位の増減別にみた要因の分析をいたしております。エネルギー消費原単位が増加した病院並びに減少した病院を比較しておりますが、増加した所は外来・入院患者数が増加をして、減少した所は外来・入院患者が減少しているという結果、あとは気象の変化も多々あったという結果でした。
 60ページ、(3)エネルギー削減余地と削減の方法です。エネルギー削減余地があるかどうかを伺っておりますが、表48を御覧いただきますと、おおいにあるとあるを合わせて53%でした。内訳を見ますと、高効率の設備機器の導入若しくは設備機器の運用改善、あと日常的な省エネ活動の実施が大きな数値でした。
 61ページ、(4)省エネルギー・地球温暖化対策に関する国等行政への意見、要望ということで、今回御回答いただいた各医療機関からいろいろな御意見を頂きましたので、主要なところだけ御紹介をさせていただきます。表49を御覧いただきますと、一番多かったのが助成金、助成制度です。表50の5を御覧ください。高効率空調、LED照明への改修工事を行った(約3,000万円)、国からの助成対象ということで申請を検討したが(経産省、環境省)当院にとってハードルが高すぎた、また、ハードルをクリアしても申請が殺到しており、なかなか認可がおりないとのことだった。少し基準を下げ広く導入し行き渡るようにしてはどうかと思いましたという御意見です。7、補助金が公平に渡るようなものにしてもらいたい。提出の順番で決まるものが多く、実施判断ができない時期に提出となるものが多く、作成しても提出できないことが多いという結果でした。62ページの一番上の9、補助金事業の実施について、より周知を行ってほしい。独立行政法人が実施するものについても周知をしてほしい。10、省エネ設備の導入に関する助成金の情報が少ないと感じています。省エネの対策をしていても電気料金は年々増加しているので対策のメリットが感じられない。省エネや温暖化対策を行うメリットが感じられるような政策を期待しています。下のほうを御覧いただきますと、34番から省エネ導入事例の紹介です。35、当院で太陽光発電を計画したら、電力会社より太陽光発電を導入すれば電化厨房割引がなくなり、結局電気代は逆に高くなるというようなことを聞いた。このような電力会社の姿勢こそ大きな問題ではないか。省エネ等の対策が初期投資を回収しても、なお経費的なメリットがなければ事業者は積極的にはならない。そのようなことが実現されるような政策を行ってほしいということでした。63ページを御覧ください。45、省エネ実施とQOLということで、現在の施設基準に沿った設計を行った結果、建物面積が広くなり、結果として省エネ設計ながら電気の基本量が高くなることになり、従来より使用量が増えたという御意見です。55、省エネ方策の提示ということで、再生可能エネルギーの推進のため、省庁間の壁を取り払った対応をしてもらいたい。例えば、地熱発電を実施しようとすると、環境省と国交省の間で調整がつかないなどというようなことが起こらないようにする。57、省エネ法によりエネルギー消費原単位にて毎年1%の削減が義務付けられ、これまで取り組んできた。年々削減が厳しくなってきていると思う。病床数、面積、病院機能等からエネルギー消費量の指標を設定していただき、その数値に対する評価とする等改善をしてほしい。こういった様々な65もの御意見を頂戴しております。簡単ですが、御報告とさせていただきます。以上です。
○森口座長 主に2016年度の数字を中心に御説明いただきました。御記憶かと思いますが、昨年度に定量的なデータをお示いただくことが間に合わなかったということで、今回は2015年と2016年の2年分のデータをお出しいただきました。委員からの御質問をお受けいたします。内山委員からお願いいたします。
○内山委員 まず、2030年度の25%の削減目標に向けて着実に実行されているということが理解できました。そして、何より参考になったのは、アンケートによる実態調査が極めて詳細に実施されているということで、各病院個々の取組状況や削減対策の個別要因が、非常に分かりやすいという点が挙げられると思います。こういったことを、できればほかの業界も是非倣ってほしいと思います。前の2つの説明は分かりにくいところが幾つかあったので、もう少し突っ込みたくても詳細なデータがなかったので、その点はこういったところを参考にしていただければと思います。
 それから、1つ勉強になったのは、気象の変化がかなり影響するということです。昔から冷房あるいは暖房の消費量、つまり気象影響というのは非常に大きくて、恐らく本日御説明いただいた3業界は全部同じ問題を持っていると思うのです。これに対して、どのような形で今後対策を取っていくかは非常に大事なポイントですので、そういった方向についての議論も深めていただければと思います。
 それから、最後の61ページ以降の「国等、行政への意見・要望」は非常に分かりやすくて、多分詰めていくと、こういう問題にユーザーはぶつかっているのではないかと思うのです。そういう点から、省エネ機器の導入補助とかユーザーの要望、あるいは再エネ導入に当たってどのような課題があるのかというのを非常に分かりやすく書いてあると思いますので、是非そういったところは各業界の共通課題として、今後更に発展していただければと思いました。以上です。
○森口座長 最後に御指摘いただいた点は、今日せっかく経済産業省と環境省から陪席いただいていまして、お答えいただけることといただけないことはあるわけですが、最初にお断りしましたように、低炭素社会実行計画をより良いものにする上で出席いただいていまして、私は各事業者の要望が正にこういう計画に結び付くことだと思います。是非その辺りについては、後ほど時間を取りたいと思いますのでお答えいただきたく、御準備いただければと思います。ほかの委員からも御意見を頂きたいと思います。では、織田委員お願いいたします。
○織田委員 今、内山委員がおっしゃったとおりで、病院というのは患者が相手なものですから、療養環境を維持するためには、空調などにかかるコストが削減できないというのが現状だろうと思います。しかも、病院の収入は診療報酬という公定価格ですので、省エネ空調設備の更新などを行いエネルギーを削減していくのは難しいのだろうと思います。
 それでも、31ページの(2)の図を見ますと、フィルターの清掃からいろいろな取組を細かくやっていることがわかります。中でも、一番特徴的なのは照明器具を変えることにより、省エネ対策として今回順位が大分違ってきていることです。それと一緒に23ページを見ると、エネルギー消費減少に貢献したというのが、空調機器とLEDの導入になっています。これは基本的に、何らかの補助の対象にならないと入れ替えられないものですから、各省庁にはお願いをして、省エネの補助を受けやすいように、最後のアンケートにも載っていましたが、取りやすくしていただければと思います。
○森口座長 コメントが中心だったかもしれませんが、今の内山委員、織田委員からの御指摘について、何か付け加えることがありますか。よろしいでしょうか。ほかの委員からも、引き続き御意見をお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 データを拝見していて思ったのですが、こういう問題はもちろん業種によるわけですが、いわゆるスケールメリットと言うか、大規模になれば効率化が進むかというと、必ずしもそうではなくて、大病院ならではの高度医療、高度な機器等をお使いになっているかなと思います。拝見しますと500床以上が、床面積シェアよりもCO2のシェアが高いです。ですから、床面積単位で見ると大規模病院のほうが高いということで、この辺りに特徴というか、一方で難しさもあるのかなと拝見しておりました。あとは、更に言えば、恐らくさっきあった空調や照明関係は、それなりに床面積比例で効いてくる部分もあると思いますが、それ以外のところで、特にエネルギー消費の多い機器、特に大病院等でどういうところがという辺りの実態が見えてくると、もう少し考えられることもあるのかなと思います。ただ、非常に特殊な機器であれば、それを省エネ機器にというわけにもいかないような、どうしても下げられないようなものもあるのかなと思いますので、その辺りの実態をもう少し勉強させていただければなということを考えながら伺っておりました。ほかはよろしいでしょうか。では、内山委員お願いします。
○内山委員 大規模病院になると、延床面積当たりの原単位が悪くなります。これはスーパーの大型店舗も同じなのです。延床面積ではすごく悪くなるのです。でも、そこに患者数とか、スーパーの場合はお客の数ですが、それが分母に入って割るとどうなのかということは、非常に関心があるのです。
 というのは、運輸部門でも、t/km当たりとか、人/km当たりでエネルギー消費原単位をチェックするものですから、そういった形のデータを作っていただけると、今後そういった大規模病院だとか大型店の評価にもつながるし、既にある小規模の所での対策をどうしたらいいのかということも分かってくると思います。できましたら、そういうデータの収集もお願いしたいと思います。追加的なコメントです。
○森口座長 私もその点は非常に重要だと思っておりまして、先ほど製薬さんのほうから炭素効率性ということで売上げを、炭素排出量等の費用を取られるというお考えがあって、こういう効率費用は考え方としていろいろなものに適応できて、資源消費であったり炭素排出量に対して、どれだけ生産というか価値を生み出したかというのは、いろいろなところに当てはまる生産性の指標だと思いますし、生協さんは既に供給高ということで導入され、製薬さんも今回導入されようとして、でもなかなか難しいという話もありましたので、病院のほうで、それに当たるのは一体どういう指標で表せたらいいのか、金額単位なのか病院で設定されたもう少し物理的な指標になってくるのかもしれませんが、そういう形の中で、限られた炭素排出量の中で、どれだけの医療サービスであったり、製薬であったり、生協さんであればその供給をしているかということが、経年的に比較できるようになりますと、非常に重要かと思いますので、その辺りをもう少し工夫できるようであればお願いしたいと思います。
 あと内山委員からの御指摘の最後のほうで、御要望がありまして、特に国への御要望等がありましたので、お答えいただけるところがあれば経済産業省あるいは環境省のほうから、何か御発言を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
○環境省中村補佐 環境省の中村でございます。本日はどうもありがとうございます。要望への回答の前に、私自身が、政府全体のこうしたような排出量の集計と要因の分析といった業務を担当しておりまして、同じようにこういった審議会のような検討会の場において、こちらで資料を作って有識者の皆様の意見を聞くということもしておりまして、そういう同じような立場から見て、本日の皆様の資料が本当に分かりやすくて、政府は22機関をまとめているのですが、桁違いに傘下の事業者数が多い中で、これだけの資料をまとめていただくというのは本当に大変なことだと思うのですが、素直に感心というか、率先実行する立場であるのですが、本当にすごいなと思って襟を正したところです。
 病院のところで頂いた国の要望なのですが、これは真摯に拝見したいと思いまして、私自身が携わっているものとそうでないものがございますが、それについてはきちんと担当のところ、あるいは補助金担当というのは幅広くおりますので、こうした要望があったというのはしっかりと適切に共有していきたいと思います。
 それから、環境省が持っている補助金については、webサイトでパンフレットを作って公開しておりまして、どういう立場、例えばオフィスの人で民間企業の方ですか、例えば病院というような、どういう人がどういう機器あるいはどういう対策について補助金が欲しい場合にどのような補助金があるのかという見取図を、平成30年度の補助金についてのパンフレットでは示しておりますので、それも是非御参照いただいたらいいかなと思います。先般、厚生労働省様とそのパンフレットは共有しておりまして、多分病院の業界の皆様にはお届けしたのかなと思うのですが、これを機にほかの業界の方にも是非御覧いただければなと思います。私からは以上です。
○森口座長 経済産業省からお願いいたします。
○経産省柴田補佐 経済産業省です。本日参加の3団体におかれましては、自主的な枠組みである低炭素社会実行計画を通して温暖化対策を進めていただき、ありがとうございます。本日は初めて聞かせいただいて、各業界の大変なところなどが非常によく分かりました。今回、生協さんが2030年度の目標を新たに設定し、非常に高い目標を掲げていただき、心強く思っております。大変なことが多いかと思いますが、引き続き御努力のほうをよろしくお願いいたします。
 座長からありました御要望の件なのですが、これは補助金等の要望につきましては、関係部局のほうにフィードバックし、今後の政策立案に生かしていきたいと思っております。ありがとうございました。
○森口座長 委員からの質問がちょうど途切れておりましたので、両省から御発言を頂きましたが、私立病院関係の御質問、コメントはよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、3業界からの御説明と、それに対する質疑はほぼ時間どおりです。お陰さまで順調に進行しましたので、全体にわたる質疑応答の時間が15分ぐらいあります。委員の先生方から追加で、特に3業界に共通する御指摘事項等があれば、引き続き頂きたいと思います。
 先ほど内山委員から、病院でアンケート調査のデータが示されて、非常にそれが分かりやすかったという御指摘があったのですが、恐らく生協さん、製薬さんもそれぞれの傘下企業、傘下団体からデータを取っておられて、生データは当然お持ちだと思います。その辺りの状況について、何か補足説明できることがありましたら頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。病院さんのほうは、逆にカバー率という考え方よりは、抽出調査をしてアンケートを取っておられて、それで拡大推計されるようになっているのかなと思ったのですが、参加されている団体からは、どの程度実績のデータを取っておられるかとか、その辺りについて、できれば御説明いただければと思いますが、生協さんはいかがでしょうか。
○日本生活協同組合連合会 私どもは毎年調査をしておりまして、基本的には今日御報告させていただいたものの中に埋め込んである表に集約しています。対策の実施率、削減要因、増加要因という形で取っております。基本的にはこの中に集約して載せているものがほとんどです。
 更に進めるために、追加で何か取ったほうがいいかどうかというところについては、2030年に向けた削減計画において、新たにKPIを設定して、それを集約しようという話をしております。3の資料の3ポツ、10ページからを御覧ください。省エネルギー率、再生可能エネルギーの導入率、次世代車両の導入率、自然冷媒機器の導入率といったものについても、これから先の2021年度からのスタートになると思いますが、集約して公表していこうという計画でおります。
○森口座長 ありがとうございます。今日は時間の関係で御説明はありませんでしたが、委員のほうに配られている資料の2番目の2の2ですと、各生協の個別のデータ、経年的な排出実績、供給高等のデータもお示しいただいていますので、こういったものも非常に参考になるのではないかと思います。製薬さんから何か追加いただくことはありますか。
○日本製薬団体連合会 御報告したデータで、ほぼ我々が持っているデータを出しておりますが、実は分析用にそれ以外にも、例えば営業の人数なども調べてはおります。
 これからのことなのですが、これからはパフォーマンスのデータだけではなくて、Best Practiceとか新技術の開発とかLife cycleを通じた排出量削減の貢献などについても、少し力を入れていかないといけないとは思っています。ただ、我々は製品で貢献するというのは難しい業種ですので頭が痛いところなのですが、少し範囲を広げて、定性的なことも調べていかないといけないと思っております。
 それと、先ほどアイディアを頂いた、行政への意見と要望については調べておりませんでしたので、今後入れさせていただきたいと思っております。
○森口座長 ありがとうございます。過去、私も担当させていただいて、最後の共通の話題のときに度々出てきたのが電力排出係数問題なのです。特に震災による原子力発電所の停止で電力の原単位が上がる中で、果たして実際に変動する原単位にするのか、固定でやるのかという話があって、そもそもどれでやるのがいいのだろうかという議論が何年か続いたわけです。今日感じておりましたのは、もうそういう議論ではなくて、積極的に自分たちで低炭素の電力を調達していかなければいけないという雰囲気を強く感じました。他力本願というか、電力会社からこういう低炭素が来るというのを待っているだけでは駄目だというような考えを各業界がお持ちのように感じましたし、そういったところをより積極的にそれぞれの業界の中で御努力いただき始めているという感じが非常に強くしたというのが、私自身が今日一番感じた点です。何かございましたら御意見などをお願いいたします。
○内山委員 昔、低炭素社会を実行するために、政府もそうなのですが、省エネに力を入れようというキャッチフレーズがあったのです。というのは、なかなか供給側でうまくいかなかったと。
 つまり何を言いたいかと言うと、駆け込み寺にしているのです。ところが、実際に省エネ機器の導入などいろいろな対策をやってみると結構大変なわけです。企業活動と直結している問題ですし、ましてや投資も要ります。だんだんと業界さんが、省エネは無理だから再エネにしようと、駆け込み寺を変えているのではないかという懸念を感じるのです。
 実は、再エネを入れるというのはものすごくお金が掛かるのです。それを覚悟で言っているのかなというところが、すごく気になっています。まだ、そういうことを検討中だという本日の考え方だったのですが、将来2050年に向けて80%とか90%を削減するという、とんでもない高い目標を掲げているわけでして、その達成のほとんどを再エネでやろうというのですが、本当にやってくれるのかというのが疑問なのです。
 その点についても、もう少し地に足の着いた政策を実施してほしいし、そういう点では大変だけれども、省エネはきちんと着実に、国も支援しているわけですから、いろいろな形で努力してほしいと思っております。
○森口座長 消費側、供給側、省エネと供給は両方でちゃんと頑張りなさいというお叱りかと思います。ただ、生協さんのお話にあった中でも、FITなどのお陰で、かなり自分で調達しても、それほど従来ほど高くなくできるのではないかという見通しをお持ちの上でやっておられるようですし、また経済産業省と環境省も含めて、政府のほうでも非化石価値ですとか、いろいろと再生可能エネルギーを促進するための制度をお持ちであるかと思います。
 全体として、確かに過去は内山委員がおっしゃったようなことはかなりあったと思いますが、今後も更に導入するということになると厳しい部分もあろうかと思いますけれども、そういったところを冷静な目で見ながらも、せっかくそのように進めていただいているということで、そのことについては頑張っていただきたいと私自身は感じておりました。ほかに各委員から何か御指摘はございますか。
 1点だけよろしければ申したいのですが、余計なことを言うなと怒られそうではありますが、せっかく環境省から、「各業界は真摯にやっておられることに対して、政府の実行計画は」というような話もありました。私は政府の実行計画の評価の委員もやっておりまして、確かに厚労省のほうをずっとやらせていただいていた経験から比べても、もう少し政府の実行計画のレビューもしっかりとやっていただきたいと思うところもございました。
 特に、例えば政府の実行計画の中には当然厚労省さんも入っているわけで、厚労省の中には現業として国立病院などもお持ちなわけです。そうしますと、私立病院でやっている話ともいろいろと共通性が出てくると思いますので、そういった政府でお持ちの現業の部分と、各省で所管業としてやっていることとの重なりなども出てくると思います。率先と言いながら、実は遅れを取っているかもしれないという認識も含めて、せっかくこういう各業界で御努力いただいていることを政府の取組にも反映いただき、今日私立病院から政府に対するいろいろな御要望、御注文がありましたので、製薬さんにもまたやっていただけるということでございます。次年度はそういう厳しい場合になるかもしれませんが、そういったことが、現場でのいろいろな声が実際の改善に結び付いていくかと思いますので、引き続き御協力いただければと思います。ほぼ予定の時間が近付いておりますが、よろしいでしょうか。
○内山委員 経団連のほうでは、主体間連携を重視していこうという流れがあります。やはり、どうも個々の業界だけで対応するのは非常に難しい状況があると思うのです。ですから、関連する業界が互いに協力し合って達成していくという流れは、これから大事だと思うのです。例えば生協さんでも、運輸部門というのは結構排出量に影響しているわけですから、そういったところとどうやって協力関係を持っていくか。もちろん運輸部門の業界もそれに対してサポートしていくとかいう取組が、これから本格的に削減目標を高めていく上では大事になってくると思いますので、是非そういった視点を取り入れていただきたいと思います。ちなみに経産省のほうでは、グローバル・バリュー・チェーンでそういったところを客観的に評価する枠組みができましたので、そういったことも参考にしていただければ、皆様方の取組は更にこれから活発になるのではないかということを期待しております。
○森口座長 よろしいでしょうか。
○江原委員 2030年に向けた生協さんの試みというのを紹介いただいて、大変心強く思ったのです。是非ほかの業界でも、今後低炭素社会に向けて弱まることはないと思いますので、2030年を視野に入れたプランを考えてほしいなと思いました。
 そういうことになると、環境も変わるのです。例えば私はIoTを少し研究しているのですが、例えば生協さんの個配とか共同購入の部分などにUber型のものがどのように絡んでくるとか、ラストワンマイルはかなり変わると思います。
 同じように製薬でも、5万台の車でMRがいつまでも動くのかということで、何だかんだでプラットフォームを作れないかということで、2030年も視野に入ってくるわけです。同じようにフィンテックが進むとATMが減るのです。北欧、アメリカ、東南アジアなどはATMが減ってきて、日本だけが増えているのです。ダストブロワーでの代替フロンの使用はATMがかなりの部分を占めていますので、そういう意味ではそういうものも関係してきます。そのように、2030年を目指して業界ごとに検討すべきことはいろいろあると思いました。
 同じように、どの業界も電力調達はいろいろお考えだということで、今の電気事業法というのは基本的には1950年のメカニズムデザインなのですが、それはかなり変わってきています。そういう意味では、低炭素社会を実現するためのメカニズムデザインへの過渡期かなという気がしています。ドイツが何をしているかを見ると、まだすることがあるなと思いました。以上です。
○森口座長 では、生協さんのほうから何か。
○日本生活協同組合連合会 最後に一言だけ私どもから要望と言いますか、お話をさせていただきます。今日の資料に出されてはいないのですが、政府全体のところで、2030年に向けた各業界の取組状況をまとめて、ABCDで評価を付けて公表すると伺っています。
 私どもは2030年目標としての改めて思い切った目標設定をして、会員生協に計画を作ろうということで呼び掛けているところですが、実は2030年の計画はこれまで実施してきた2020年計画よりもscopeを若干広げています。たとえば物流で、委託して外だししていた分の排出量については、今までは算定範囲に入れていなかったのですが、これからは委託分も入れることにしています。しかしそれによって、これまでとってきたデータでは進捗評価ができなくなっています。
 そのため、2030年目標に対応する基準年の数字などがないということで、データ未集計という意味でABCDのD評価になっております。しかし、私どもは意欲的にカバー範囲を広げ、これから各生協に「頑張って作ろう」と呼びかけていくところでありますので、そうしたなかでD評価ということになると、会員生協に対しても面目がなくなってしまうという部分があります。政府全体の評価基準ですので、触るということも難しいのだとは思うのですが、例えばその横に備考欄がありますので、そこの記述で少し配慮いただけると助かると思っております。
○森口座長 ありがとうございます。基本的に日本の場合はscope2的なところで止めているのを、scope3にも一部踏み込まれているということかと思いますが、頑張ると頑張ったがゆえにデータがなくて、それでやった分だけかえってそれが評価されないということですと、非常に気の毒なことですので、余りそういう画一的な評価にならないように御配慮いただければと思います。
 非常に活発な御意見を頂きまして、ありがとうございました。時間の都合上で議論はここまでとさせていただきまして、最後に事務局から今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。
○福田補佐 本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございました。委員の皆様におかれては非常に深い見識に基づいた御意見を頂き、また団体の方におかれましては会議資料の作成、そして出席に御協力いただきましてありがとうございました。
 今後の流れについて、資料5を御覧ください。今回、会議の開催自体は1回のみとなっておりますので、報告書の文案についてはメール等でやり取りさせていただきまして、報告書の内容が確定次第、厚生労働省のホームページでの公表とさせていただこうと思います。お忙しい中ですけれども、引き続き報告書作成に御協力いただければと思います。
 私も厚生労働省自体のCO2削減の取りまとめをしておりますので、先生たちからの御指摘も、また団体のほうでやられている分析の視点あるいは計画策定の視点は大変参考になるものが多いと思っております。厚生労働省としましては、これからも低炭素社会実行計画を踏まえた自主的な取組というのをお願いさせていただくとともに、御協力いただきながらフォローアップを続けていければいいと思いますので、今後とも御協力をよろしくお願いいたします。
 また、何か御要望がございましたら、今回も参考資料で少し情報提供させていただいたように、できることはこちらでもさせていただきたいと思いますので、是非先ほどの評価の項目がDとなってしまったというようなことも含めて、いろいろと情報を頂ければと思います。ありがとうございました。
○森口座長 それでは、これでフォローアップ会議を閉会させていただきたいと思います。本日はお忙しい中、活発な議論を頂きありがとうございました。
 

(了)

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