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2022年1月21日 患者申出療養評価会議議事録

○日時
令和4年1月21日(金)16:00~
 
○場所
オンライン開催
 
○出席者

【構成員等】   
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 井上構成員
新谷構成員 田島構成員 辻構成員 手良向構成員 直江構成員 成川構成員
松井構成員 宮川構成員 山口構成員 山崎構成員 寺田構成員
 
【事務局】

審議官 医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発
戦略専門官 医療機器審査管理課長 研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他
 
○議題
1 患者申出療養の実績報告について
(患-1-1)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)
(患-1-2)(参考資料4)(参考資料5)
2 患者からの相談事例の現状について
(患-2)(参考資料)
3 患者申出療養の定期報告等について
(患-3)
4 その他
 
○議事
   16:00開会
 
 
○福井座長
それでは、ただいまより、「患者申出療養評価会議」を開催いたします。1分ほど早いですけれども、よろしくお願いします。
先生方の出欠状況ですが、本日は、一色構成員、上村構成員、大門構成員より御欠席との連絡をいただいております。
寺田構成員は遅れて入られる予定になっております。
本日、欠席されます構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては、座長に一任するとされています。
それでは、資料の確認を事務局からお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
議事次第、構成員名簿に続きまして、患-1-1「患者申出療養の実績報告について」という資料がございます。こちらには参考資料1、参考資料2、参考資料3がついてございます。
続きまして、患-1-2「患者申出療養の実施状況及び位置づけ等について」としている資料がございます。こちらには、参考資料4、参考資料5がついてございます。
続きまして、患-2「患者からの相談事例の現状について」の資料でございまして、こちらには、参考資料が1つついてございます。
最後に、患-3「患者申出療養「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」の実績報告について」という資料がございます。
資料の確認は以上でございます。資料について、もし、不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡をいただきますと、幸いでございます。
また、今回の患者申出療養評価会議におきましては、Web上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきますので、御発言される先生におかれましては、会議資料のページまたは送付のみの資料のページとあらかじめ御発言をいただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○福井座長
資料等につきましては、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、今回、検討対象となります技術等に関しまして、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から報告をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告をいたします。
松井構成員より、「患-3」について御報告がございました。
松井構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないこととなります。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございました。
そのほかの出席されている構成員の先生方におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、本日、議題は、「その他」を入れて4つ用意されております。議題1に入ります。
事務局から「患者申出療養の実績報告について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、「患-1-1」にしたがいまして、患者申出療養の実績報告について御説明を申し上げます。
まず、「患-1-1」の1ページ目でございますけれども、こちらは令和2年7月1日から令和3年6月30日までの1年間実施された患者申出療養の実績報告についてまとめた資料となってございます。
まず、この資料の表のマルの1番でございますけれども、令和3年6月30日時点で認められている技術は8種類、患者申出療養の実施医療機関数が23施設、総金額で1.9億円、保険外併用療養費の総額(保険診療分)が1.0億円、患者申出療養に係る費用の総額が1.0億円となってございます。
2ページ目にお進みいただきまして、この1年間の間の技術数の推移をお示ししてございます。令和2年6月30日時点で7種類ございましたけれども、新規承認技術が1種類ございまして、令和3年6月30日時点で8種類という推移となってございます。
続きまして、3ページ目のところでございますけれども、こちらは、過去5年間の実績とさせていただいております。こちらにつきましては、技術ごとにそれぞれの費用、入院期間、実施件数等をお示しさせていただいた資料がございまして、そちらが参考資料1となってございます。
参考資料2につきましては、それぞれの臨床研究中核病院、開始年月日、終了予定日、協力医療機関数をお示ししてございまして、状況は確認可能という形になってございます。
最後に、参考資料3につきましては、この1年間で実績が0件であった技術について、その理由及び対応方針について御報告をいただいております。
こちらは告示番号2番の技術でございまして、「0件の理由」のところでございますが、2例死亡症例があり、研究を一旦中止し、令和2年2月26日に研究再開となった。再開後、現時点で該当する症例はないため、実施件数は0件となっているとのことでございます。
なお、こちらの技術につきましては、「医療機関の今後の対応方針」の※欄のところにございますとおり、第29回患者申出療養評価会議におきまして、取り下げを御報告させていただいたものでございます。
それでは、続きまして、「患-1-2」へ移らせていただきます。
こちらは、「患者申出療養の実施状況及び位置づけ等について」としている資料でございます。こちらは、既に取り下げとなっている技術を含めて、制度発足当初から実施されてきた技術の状況について、一覧としてまとめさせていただいたものでございます。
また、右の列のところに、「位置づけ」としているものがございますが、こちらは、次のページをおめくりいただきまして、「患者申出療養の対象となる医療のイメージ」におきまして記載がございます、それぞれの区分について、マル1からマル5までの番号を振らせていただき、こちらを基に位置づけを整理させていただいたものでございます。
具体的には、マル1番「既に実施されている先進医療を身近な医療機関で実施することを希望する患者に対する療養」、マル2番「先進医療の実施計画(適格基準)対象外の患者に対する療養」、マル3番「既に実施されていて新規組入が終了した先進医療を実施することを希望する患者に対する療養」、マル4番「先進医療として実施されていない療養」、マル5番「現行の治験の対象とならないもの」という区分でございます。
再び、1ページ目にお戻りいただきまして、個別の技術について見てまいります。
こちらは、参考資料4といたしまして、つけさせていただきました各技術のロードマップも併せて御参照いただければと存じますが、例えば通し番号で言う1番と7番の技術につきましては、マル3「既に実施されていて新規組入が終了した先進医療を実施することを希望する患者に対する療養」の区分に該当するものとして整理をさせていただいております。
また、通し番号、2番、3番、11番、12番につきましては、マル5「現行の治験の対象とならないもの」として整理をさせていただいております。
その他の技術につきましては、マル4「先進医療として実施されていない療養」として整理をさせていただいております。
今回、整理をさせていただいた各技術の位置づけにつきましては、今後、先生方に新たな技術の御審議を行っていただく際に御参考としていただけますと、幸いでございます。
また、続きまして、3ページ目のほうにお移りいただきまして、こちらは、「薬事承認に向けた準備状況等」としている資料でございます。
今回、事務局のほうより、各技術を申請いただいた臨床研究中核病院に対しまして、薬事承認に向けた準備状況等が現在どうなっているのかというものを確認させていただき、そちらの回答につきまして、表としてまとめさせていただいたものでございます。
各技術の状況につきましては、先ほどの参考資料4のロードマップの御参考としていただきつつ、それぞれ御確認いただければと存じます。
なお、通し番号3「リツキシマブ静脈内投与療法」につきましては、こちらは難治性天疱瘡の方を対象とした技術でございましたが、令和3年12月24日に、難治性天疱瘡に対する薬事承認を取得してございますので、この場をもって御報告をさせていただきます。
その他の技術につきましては、現在、進行中のものがほとんどでございますが、引き続き、状況の確認は行ってまいりたいと考えてございます。
続きまして、参考資料5を御覧いただければと思います。
こちらは、第1回患者申出療養評価会議に提出させていただき、御検討いただきました「患者申出療養に係る運用の詳細について」としている資料でございます。
まず、こちらの資料を今回提出させていただきました趣旨でございますが、昨年度の当会議における御審議に当たりまして、制度の運用に関わる様々な御質問を先生方より頂戴したものと認識しているところでございます。そのような経緯を踏まえまして、今後、先生方に御検討いただくに当たり、御参考となりますよう、今回、改めて本資料を提出させていただいたというものでございます。
特に御質問いただきました点といたしまして、例えば、あらかじめ定めていた症例数または期間を超えて、当該患者申出療養を希望する患者さんが現れた場合に、どのように対応するのかというものがございましたが、こちらについては、資料の18ページ目から19ページ目を御確認いただければと存じます。
特に19ページ目のところでございますが、こちらは「実施計画対象外の患者の申出への対応のイメージ(案)」として、フローチャートを記載してございますが、実施計画対象外の患者さんにつきましては、まずは、計画変更で対応可能かという点を検討し、対応可能であれば、既存の患者申出療養の実施計画を変更して実施するということとなってございます。
ただし、左の四角にございますように、計画変更の場合には臨床研究として成立することは必要でございまして、当該療養が依拠したエビデンスの範囲から逸脱しない。当初の計画の骨子が大きく変わらないことが前提となってございます。
また、計画変更による対応が難しい場合は、既存の計画と関連づけた新たな計画が作成可能かどうか検討を行うこととなってございまして、そちらが難しい場合は新たな患者申出療養としての実施を検討することとなります。こちらの紫色の点線で囲んでございます部分が、先生方に御審議いただく必要がある点となってございますので、改めて御確認いただけますと、幸いでございます。
また、本資料のその他内容につきましても、必要に応じて適宜御確認いただけますと、幸いでございます。
事務局からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見ございますでしょうか。
天野構成員どうぞ。
○天野構成員
御説明いただきまして、ありがとうございました。また、資料も準備いただいて、ありがとうございます。今までの状況がよく分かりました。
特に、「患-1-2」で、薬事承認に向けた準備状況をまとめていただいて、よく分かりますし、その中で特に、リツキシマブ静脈内投与療法が薬事承認に至ったのは非常に喜ばしいことでして、ほかの申請技術についても、それぞれの医療機関等で御尽力いただいているものと思います。
一方で、いわゆる未承認の治療とか、適応外の治療についてですけれども、「患-1-2」にありますように、基本的には、そういったものに対しては治験が行われたりであるとか、あとは、患者申出療養とか先進医療の対象になるといったことは、我が国の制度において定められていると認識はしているところでございますが、一方で、「患-1-2」の3ページ目で挙げていただいた、それぞれの技術の中で、例えばですが、パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法については、申請医療機関が患者申出療養を実施しながら、同時に、自由診療として患者さんにこの全く同じ技術を実施しているということがございました。
また、経皮的乳がんラジオ波焼灼療法についても、これは申請医療機関が関わっているというわけではないのですが、いわゆる自由診療を行っているクリニックにおいて、患者さんに対して自由診療としてこれが行われていたという歴史が挙げてございました。
こういった大変な努力を払って、先進医療とか患者申出療養、場合によっては治験や臨床試験が行われているわけですが、一方で、自由診療として行われている患者さんとしてはその判断ができませんので、当然期待を持って自由診療に入ってくるということが考えられますし、自由診療で行われている未承認や適応外の治療が必ずしも有効性が証明されるわけではないというのは、今までの歴史が証明しているところでございまして、そういうところを分からずに患者さんとしてはわらにもすがる気持ちで自由診療に入ってしまっているという現状があるかと思います。
こういった自由診療の現状については、本会議の議論が対象と必ずしもなるものではないというのは承知はしているのですが、患者さんにそういったものが、先進医療とか患者申出療養もしくは臨床試験といったしっかりと倫理的に担保された制度で提供されるのではなく、そういった裏づけがないまま自由診療として、場合によっては申請医療機関によって行われているという現状は、倫理的には大きな問題があり得るというふうに考えますので、今回、この会議の対象とはならないかと思いますが、今後、厚生労働省でその在り方について御検討いただきたいと思いまして、あえて、意見を申し上げる次第です。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
厚生労働省の事務局からお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
先生、非常に重要な御指摘をいただきまして、誠にありがとうございます。
先生にいただいたのは非常に重要な点だと認識しておりますので、また、そういった御意見をいただいた旨は、関係部局と連携しつつしっかりと対応をしてまいりたいと考えております。
他方で、この会議としてできることという観点で、事務局としての意見をお伝えさせていただきますと、今回、こういった形で様々の患者申出療養をやられている中で、こういったものは、まだ引き続きエビデンスが検討中のものであると、そういった情報も含めて、患者さん方にもしっかり周知させていただくと。あくまで、まだエビデンスは今積んでいるところというところはしっかりお伝えさせていただくという形にはぜひさせていただきたいと思っておりますので、そういった会議の中では周知という形でなるべくそういったことは適切に情報が伝えられるように対応をしてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
この点につきまして、ほかに何か御意見なり、御質問はございますでしょうか。
宮川先生どうぞ。
○宮川構成員
私も、従来、その問題については、ずっと天野構成員と一緒に指摘をしてまいりました。この患者申出療養というもともとの根幹の出発点というところがすごく大事なのですが、それを利用するというわけではないですが、医療者がそれを利用していろいろな仕組みの中でこの患者申出療養を使ってしまうということが非常に問題なので、患者さんのほうからその方向性がきちんと出たというものに対してしっかりと認めていくということがされていないと、このような事態が起こってくると想定されます。
つまり、このような形態を容認したというところから、もう問題が少し始まっているのだろうと考えます。仮に間違った運用をしたならば、それを取り消すというところまでしっかりと議論をして、それを世の中に周知していくということが非常に重要なのです。この患者申出療養が本来と異なる利用をされてしまうと、患者さんのためにきちんと利用していくということは非常にいいのですが、それが医療機関によって利用されているというような現状が、この中で1から12までありました。天野構成員が指摘した以外にも存在し、それが長い期間行われているように感じます。それから、繰り返しのように薬剤がいろいろ変わって、長い期間行われているという現状がここにあるので、これに対しては、この会議でしっかりとしたコメントを出していくことが非常に必要なのではないかなと考えます。それは、厚生労働省も大変御苦労があると思いますけれども、しっかりとしたコメントを出して、わらにもすがりたい思いでいる患者さんに対して正確な情報を発信していただければと思います。
先ほどの薬事承認の件、すごくうれしかったわけですね。実際に薬事承認できるということにつながったということを喜びながら薬事審議したというのを覚えているので、そういうことができるようなものをつくり上げていくことが重要です。会議ではそういうような方向性も含めて、患者さんにしっかりとしたメッセージを出していくことが必要なのではなかろうかなと思う次第です。よろしくお願いします。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはよろしいでしょうか。
その方向で話し合いはきちんと続けていきたいと思います。
ありがとうございます。
辻構成員どうぞ。
○辻構成員
ありがとうございます。
今回、薬事承認の例もまとめていただいて、非常に分かりやすく、ありがとうございます。
各県の難病相談支援センターで、この患者申出療養についての周知が、がんの相談支援センターに比べてはあまりされていないというようなことを以前もちょっと指摘させていただいて、そのような実態もあるというようなことでしたので、このような薬事承認につながった事例につきましても、特に難治性天疱瘡については難病の一つでございますので、ぜひ、難病相談支援センターなどの支援機関に、内容的に可能な範囲で結構ですので、うまく伝わるようにしていただきたいなと。それが、また、周知や説明の拡大につながればと思っておりますので、ぜひ検討していただければと思っております。
以上です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
大変重要な点を御指摘いただきまして、誠にありがとうございます。
先生におっしゃっていただいたとおり、こういった薬事承認の結果とか、こういったものを難病相談支援センターであったりとか、そういった関係する方々にも、今後、しっかりと周知してまいりたいと考えておりますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
周知については、今までも何回か指摘されてきておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
よろしいでしょうか。
直江先生どうぞ。
○直江構成員
ありがとうございます。
本当に、今回きれいにまとめていただきまして、非常に流れがよく分かりました。
「患-1-1」(参考資料1)という資料を見まして、各告示番号別の実施件数の表がございますけれども、やはり一番多いのはマルチプレックスの分子標的治療、これは一つのプロトコールというよりは、薬剤別に見ますと幾つかに分かれていると思うのですけれども、結構な患者さんの集積がございますけれども、この中からそろそろ例えば治験であるとか、臨床試験のほうに出ていくというものが出てくるのかなと思って期待しているのですが、その辺の状況はいかがなのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
御指摘いただきまして、誠にありがとうございます。
先生に御指摘いただいた現在の状況という点ですが、今後の状況につきましては、「患-1-2」の3ページ目、「薬事承認に向けた準備状況等」のところの通し番号で申し上げますと、8番のところを御覧いただければと思いますが、こちらはさきの会議でも御報告は一部させていただいているものでございますが、2つの薬剤については、予定登録数に到達してという状態でございまして、現在、最終解析に向けて追跡調査中とのことでございます。
こちらの結果を踏まえて、高い有効性が認められそうであれば、その結果を基に治験の立案とか、あるいは公知申請の検討などにつなげていく予定というふうには伺っておりますので、具体的な薬剤としては、こちらの2剤が、先生が、今、御指摘いただいたような形で次のフェーズに行けそうなものと認識をしているところでございます。
○直江構成員
よく分かりました。
こういう組織立って、極めて順調な集積がある。そういうことで治験につながっていくというものもある一方、多くの課題は、目の前に患者さんがいて、そこに応えようという形で始まっているものですから、なかなか症例の集積が難しいという課題もあって、今後は極端と極端にちょっと分かれそうな感じがしますので、特に患者さんの集積が難しいというのは、今後もどういうふうに出口を見つけていくかという課題が残るなと思いました。
ありがとうございました。私の思いどおりでした。
○福井座長
ありがとうございます。
どうぞ、宮川先生。
○宮川構成員
宮川でございます。
マルチプレックス遺伝子パネル検査を見ると、この「検査による」と書いてあるわけです。実際は、薬剤がそこに存在して、個々の薬剤によって結果が出ているわけです。ですから、その出た結果をきちんとここに出していかないといけません。進捗状況が分からないというのはずっと今まで続いていて、また、新たな薬剤が追加されるということが続いています。今後また、同様に次の申請が行われていることが想定されます。この仕組みは、こういうふうにしてはいけないということは以前から申し上げているので、これは検査によるのではなくて、この一つの薬剤はどうでしょうかと個別に審査することが大切ではないでしょうか。そうすると、その結果が見えて、一つ一つの薬剤が、これはいい悪いということがしっかりと見えてくるということなのですが、これは、この形のままで行きますと、全然結果が見えないのですね。
本来からすると、一つ一つの結果を出していかなければ、患者さんにとっても評価しづらいことが続きます。それから、評価する人たちにとっても分かりにくいと考えます。これは、研究者あるいは医療機関が、論文発表するためにやっているような気がして私はならないのです。患者さんが見えるようにしなければなりません。
結果が出ているのはあるので、ほかの薬剤はどうなのかという結果が全然見えていないので、途中経過を可能な限りしっかり出していただくことが大切です。でないと、費用がどんどん莫大なものになっていきます。現在一番突出しているのはこの研究なので、しっかりと私たちがフォローできるようにしていかなければいけないのではないかなと思う次第です。よろしくお願いします。
○福井座長
ありがとうございます。
事務局からコメントはありますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
大変重要な御指摘をいただいたと認識してございます。
今、宮川構成員に御指摘いただいたとおり、一つ一つ薬剤が今どういう状況になっているのかというのは確認していくことは必要と認識してございまして、今後、また、こういった形であったり、あるいは、こういった個別の審議を行う際には、現在、薬剤ごとにどうなっているのかという状況の確認も含めて先生方に見ていただけるよう、事務局としてもしっかりと努めてまいりたいと考えてございます。
○福井座長
よろしいでしょうか。
少なくとも検査の結果に基づいて使われている薬の種類と、それぞれ何人の患者さんに使われたのかというデータは見せていただけませんでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
今、非常に重要な点を御指摘いただいたと認識していまして、そのような形で進めていくよう、検討をさせていただきます。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、議題の2に移りたいと思います。
事務局から、「患者からの相談事例の現状について」の資料が提出されておりますので、まず説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、資料「患-2」に基づきまして、御説明をさせていただきます。
こちらは昨年の1月にも御確認いただきました、特定機能病院等に設置されている患者申出療養窓口における対応状況につきまして、令和3年12月末までに事務局が報告を受けているものに係る状況を取りまとめたものでございます。
相談窓口が設置されている特定機能病院等につきましては、参考資料としてつけさせていただいてございますので、併せて御確認をいただければと存じます。
まず、「患-2」の1ページ目を御覧いただければと思いますが、本制度の開始から、令和3年12月末までに158件の相談がございました。括弧内が1年前と比較した増加分の件数でございまして、全体としてはプラス13件、このうち、制度一般に関する照会等、具体的な技術に関する相談ではなかったものがプラス4件ございました。
また、患者申出療養ではなくて、拡大治験等のほかの臨床試験への参加、あるいは照会された方はプラス2件、医療機関等において、患者申出療養として実施困難と判断したものがプラス5件でございました。
また、実際に新規の患者申出療養として実施されたものがプラス2件という状況でございます。
2ページ目以降につきましては、マル6、医療機関等において患者申出療養として実施困難と判断されたものの詳細についてお示しをしてございます。こちらは、赤字のものにつきまして、前回お示しした時点から新たに御相談があったものというものでございます。
具体的には、まず2ページ目のマル5番でございますが、患者さんの状態から適応外と判断されたもの。続きまして、3ページ目にお移りいただきまして、マル10番は、安全性に関する科学的根拠の観点等から、患者申出療養としての実施が困難と判断されたもの。マル16番は、費用面の観点から患者申出療養としての実施を断念されたもの。続きまして、4ページ目にお移りいただきまして、マル22番は、こちらは小児の患者さんの事例でございますが、エビデンスの観点と、患者さん御家族の早期治療の御希望等を踏まえて、検討が見送られたもの。続きまして、5ページ目にお移りいただきまして、マル35番は、治験終了後であり、保険適用後の使用を検討することとしたものなどがございました。
また、ほかの事例につきましても、御確認いただけますと、幸いでございます。
事務局からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
この1年間で評価の対象になっているのが5件あって、ここに挙げた赤字で記載したものにつきまして、それぞれ理由があって断念などに至っているということです。
これでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、議題の3に移りたいと思います。
「患者申出療養の定期報告等について」の資料が提出されております。まず説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
「患-3」の資料を御覧いただければと思います。こちらは、「患者申出療養「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」の実績報告について」でございます。
まず、経緯でございますが、本患者申出療養につきましては、第13回患者申出療養評価会議で承認された際に、申請医療機関である国立がん研究センター中央病院に対しまして、本技術の定期的な実績報告を求めるべきだという御指摘をいただいたところでございます。
今回、医療機関より、適用開始から2年6か月時点での実績報告書が提出されましたので、そちらに基づきまして、本技術の継続の可否について御審議をいただきたいと考えてございます。
実績報告書につきましては、お送りしている資料のほうを御確認いただければと存じますが、こちらにつきましては、最後のページに現在の状況が書かれてございまして、この試験が始まってから2年6か月が経過した時点では、実施例が81例で、重篤な有害事象は発生した事例は認めてないとのことでございます。
また、追加で乳房切除が実施された件数につきましても、前回報告時と変わりはないとのことでございます。
事務局からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
本患者申出療養の継続の可否につきまして、何か御質問や御意見はございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。
大変申し訳ありませんけれども、松井構成員は一時御退席いただきますようよろしくお願いします。
(松井構成員 退席)
○福井座長
それでは、いかがでしょうか。取りまとめといたしまして、継続可として問題ございませんでしょうか。81乳房に対して行われて、現在までのところ、有害事象は認めていないということですので、このまま継続ということで認めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、告示番号五の技術につきましては、継続を認めることといたします。
それでは、松井構成員にお戻りいただいてよろしいでしょうか。
(松井構成員 着席)
○福井座長
ありがとうございます。
本日の議題は、4番目「その他」となっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
事務局からは、特段ございません。
○福井座長
それでは、構成員の先生方から何かございますでしょうか。
よろしいですか。
もし、ないようでしたら、事務局から次回の日程についてお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
次回は日程調整の上、後日改めて連絡をさせていただきます。
○福井座長
それでは、第30回「患者申出療養評価会議」を終了といたします。本日は本当にお忙しい中、また、コロナが激増している中で御出席いただき、本当にありがとうございました。
以上でございます。
 

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