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2021年7月21日 患者申出療養評価会議議事録

○日時

令和3年7月21日(水)16:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 一色構成員 井上構成員 上村構成員 
新谷構成員 大門構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員 直江構成員
成川構成員 松井構成員 宮川構成員 山口構成員 山崎構成員 辻技術専門員
 
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
医療課主査
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他

○議題

1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について
  (患-1)(別紙1)
  (参考資料1)(参考資料2)
 
2 患者申出療養の実施計画の変更について
  (患-2)
 
3 患者申出療養の定期報告等について
  (患-3)

4 患者申出療養の追加実施医療機関について
  (患-4)

5 患者申出療養の実績報告について
  (患-5)

6 その他

○議事

16:00開会


 


○福井座長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
 先生方の出欠状況ですが、本日は田島構成員より御欠席との連絡をいただいております。本日欠席されます構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされております。
 また、技術専門員の出席状況ですが、本日の審議案件に関しましては、神経内科の辻省次先生に技術専門員として出席していただいております。
 次に、事務局の異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、4月1日及び7月1日付けで事務局の異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。
 まず、宮原勇治歯科医療管理官でございます。
 続きまして、頼冠名医政局研究開発振興課長補佐でございます。
 続きまして、青木智乃紳保険局医療課主査でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
 それでは、資料の確認に移らせていただきます。
 先生方にお送りさせていただきました資料でございますが、議事次第、構成員名簿に続きまして、患-1「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている一枚紙の資料がございます。こちらには別紙1、参考資料1、参考資料2がついてございます。続きまして、患-2「患者申出療養の試験実施計画の変更について」としている資料がございます。続きまして、患-3「患者申出療養『経皮的乳がんラジオ波焼灼療法』の実績報告について」としている一枚紙の資料でございます。続きまして、患-4「患者申出療養の追加実施医療機関について」としている一枚紙の資料がございます。最後に、患-5「患者申出療養における実績報告について」としている資料がございます。
 資料の確認は以上でございますが、資料について不足とか誤り等がございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。
 また、今回の患者申出療養評価会議におきましては、Web上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきますので、御発言される先生におかれましては、会議資料のページまたは送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、本日使用しております会議ソフトには「手挙げ機能」がついてございまして、御発言いただく際には、こちらを御利用いただきますと幸いでございます。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 資料等についてはよろしいでしょうか。
 それでは、今回、検討対象となります技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から報告をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告をいたします。
 松井構成員より、「患-2」及び「患-3」の技術につきまして報告がございました。
 松井構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないこととなります。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 そのほかの出席されている構成員の先生方におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 続きまして、事務局から「患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等」についての資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○医療課主査
 事務局でございます。
 資料「患-1」を御覧いただければと思います。「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等」についてでございます。
 今回、申出のあった技術は、免疫グロビリンGサブクラス4 自己抗体陽性難治性慢性炎症性脱髄性多発神経炎患者に対するリツキシマブ追加投与療法でございます。
 適応症につきましては、慢性炎症脱髄性多発神経炎となっておりまして、係る費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。申請医療機関は、名古屋大学医学部附属病院でございます。
 審査の担当構成員でございますけれども、主担当を寺田構成員、副担当を井上構成員と新谷構成員に御担当いただきました。また、辻省次技術専門員にも事前評価をお願いしております。
 総評としましては、「適」との御評価をいただいております。
 続きまして、患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の要件について御説明させていただきます。別紙1の28ページを御覧いただければと思います。
 こちら、保険医療機関の要件といたしまして考えられるものを記載していただいておりますけれども、まず、実施責任医師の考え方といたしましては、診療科としての要件は不要、資格は日本神経医学会認定 神経内科専門医、当該診療科の経験年数が5年以上、当該医療技術の経験年数は不要、当該医療技術の経験症例数は不要となってございます。
 続きまして、医療機関の考え方でございますけれども、診療科としましては、脳神経内科。実施診療科の医師数は2名以上の神経内科専門医が常勤職員として勤務していること。ほか、診療科の要件は不要。その他の医療従事者の配置といたしまして、薬剤師、看護師となってございます。
 規模としましては、病床数300床以上、7対1看護以上となっておりまして、その他の条件といたしましては、医療法上の臨床研究病院であり、重篤な有害事象が発生した際、24時間、365日適切に対応できる体制が確保されていることとされております。
 その他の考え方としまして、頻回の実績報告は不要となってございます。
 続きまして、別紙1の6ページ目にお戻りいただければと思います。本技術は、拡大治験や先進医療等の既存の制度で実施できなかった理由につきまして、事前に事務局より医療機関に確認しております。こちらの回答でございますが、1行目のところからでございますけれども、今回の患者申出療養は、過去に免疫グロビリンGサブクラス4(IgG4)自己抗体陽性の難治性慢性炎症脱髄性多発神経炎(CIDP)に対してリツキシマブを投与された患者様の再投与の希望を起点としたものでございます。また、計画に当たり、名古屋大学医学部附属病院が中心となって実施した医師主導治験である「IgG4自己抗体陽性難治性CIDP患者に対するリツキシマブ(遺伝子組換え)の有効性及び安全性を検討する探索的臨床試験のプラセボ群の患者様でリツキシマブの投与を希望されている方も対象に含めることは可能となるような計画としているとのことでございます。今回の患者申出療養の対象は、すでにリツキシマブの投与歴がある、あるいは治験に参加した患者様であって、通常、新たな治験や拡大治験の対象とはならないと考えられるとのことでございます。また、前述の医師主導治験はデータ解析の段階であり、有用な結果が得られれば、適応拡大につながるものと考えられることから、現時点で新たな先進医療を立ち上げる臨床的疑問や意義が乏しいとのことでございます。現在、日本国内で実施されているCIDPに対するリツキシマブ投与を行う治験や先進医療はなく、患者様の思いに応える形で実施するものであることから、患者申出療養制度を用いて実施することが最適であると考えているとのことでございます。
 以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいま説明していただいた整理番号十一の技術の事前評価については、主担当を寺田構成員、副担当を井上構成員と新谷構成員にお願いしております。また、辻省次先生にも技術専門員として事前評価をお願いしております。
 それでは、寺田構成員より、概要の説明と実施体制等の評価をお願いいたします。
○寺田構成員
 寺田でございます。
 それでは、御説明させていただきます。
 まず、本申請の対象疾患である慢性炎症脱髄性多発神経炎(CIDP)は、病因不明の後天性脱髄性末梢神経障害であります。以前は、臨床基準や電気生理学的基準によって診断は行われてきましたが、近年の病態解明に関する研究によって、NF-155に対する自己抗体など、IgG4のサブクラス自己抗体が病因の一つであることが明らかにされてきました。通常、CIDPに対する治療は、ステロイド、免疫グロビリンの静注療法、血液浄化療法となりますが、IgG4のサブクラス自己抗体を有する患者にはこれらの治療には反応性が乏しく、難治性のCIDPと呼ばれています。IgG4のサブクラス自己抗体を有する難治性のCIDP患者では、B細胞を枯渇させて、自己抗体の産生そのものを抑制するリツキシマブの投与は、薬理作用の観点から考えて合理的であると考えられます。
このような背景のもと、今回の患者申出療養による探索的臨床研究の研究責任医師は、IgG4自己抗体陽性の難知性CIDP患者に対するリツキシマブの有効性及び安全性を検討する探索的臨床治験という医師主導治験を実施し、現在、データ解析段階であるとのことです。本年6月までが経過観察の予定とお聞きしております。
 一方で、今回申出をされている難治性のCIDPの患者さんは、先ほど事務局からも報告がありましたけれども、昨年よりリツキシマブを投与した経験があって、昨年から再発し、直近数か月で急激な症状の増悪を認めているとのことで、少しでも早くリツキシマブを投与できる方法を模索し、今回の患者申出療養の申請に至ったとお聞きしております。
 また、今回の患者申出療養に基づく探索的臨床研究の対象患者は、既にリツキシマブの投与歴がある、あるいは治験に参加した患者であり、通常は、新たな治験や拡大治験の対象とならないそうであります。したがって、このような患者層に関しては、医師主導治験の結果が出て、リツキシマブの適応追加が可能となるまでは、この患者申出療養の枠組みでエントリーが可能と考えられます。
 以上が、概要の説明でございます。
 次に、実施体制などの評価をさせていただきます。
 まず、適応ですが、概要でも申しましたとおり、リツキシマブをIgG4サブクラス自己抗体陽性CIDP患者へ適応することは妥当と考えます。
 有効性については、リツキシマブの作用機序を考えますと、ほかの標準的な薬剤よりも有効であることが期待されます。
 安全性については、様々な領域での投与経験は豊富であり、既知のリスクに対応することができれば、特に問題はないと考えます。
 技術的成熟度につきましては、当該分野を専門とし、かつ多くの経験を積んだ医師または医師の指導下であれば、この治療法を行えると判断します。
 社会的妥当性、つまり、倫理的な問題はないと思います。
 現時点での普及性は、医師主導治験のデータ解析待ちでありますので、普及しておりません。
 将来の保険収載の必要ですけれども、医師主導治験で有効性が示されれば、保険収載されることが妥当と考えます。
 また、2の「患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の考え方」ですが、いずれも「適」と考えております。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、実施体制の評価結果について、技術専門員のお立場から、辻省次先生から説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○辻省次技術専門員
 辻です。よろしくお願いいたします。
 まず、適応症に関しては、妥当であると考えます。
 有効性に関しましては、今、寺田先生からもお話ありましたように、リツキシマブの作用機序から考えて、Gサブクラス自己抗体陽性のCIDPに対しては有効であることが期待されると考えますし、また、リツキシマブ自体のCIDPは、一般の自己免疫性疾患に対しても非常によい経験がありますので、前向きに評価したいと思います。
 安全性に関しましては、問題ない。
 技術的成熟度ですけれども、CIDPの治療結果をしっかり評価する点から、当該分野の専門としてかなりの経験を積んだ医師を中心とした診療体制が望ましいと考えて、Cとさせていただきました。
 社会的妥当性に関しては、倫理上、問題はないと考えます。
 現時点では、普及はまだしていない。
 将来の保険収載に関しましては、治験に基づいて、その結果に基づいて有効性があれば、保険収載に進むべきであると考えます。
 2の「患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の考え方」の評価については、全て「適」と判断しました。
 一般的なコメントでございますけれども、これは5例ということでございますし、一部はリツキシマブを投与された方についての追加投与となりますので、この規模では、治療効果についての統計学的な意義や科学的結論を得ることはできないと考えられます。ですから、その効果の判定にすごく積極的な判定ができるとはちょっと考えられないのですけれども、患者申出療養としての枠組みで考えれば、その実施については問題ないと考えています。
 あと、細かい点で幾つか修正の指摘をしましたけれども、それは全て適切な修正がされましたので、「適」と判断しました。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、倫理的観点からの評価について、井上構成員より説明をお願いいたします。
○井上構成員
 倫理的観点からの評価を担当いたしました井上でございます。説明と補償ですね。評価項目で言うところの4と5の点を中心にして検討いたしました。
 同意説明文書については、成人の参加者、保護者であることを前提に確認しました。その上で、このような投与を患者申出療養の枠組みとして、「適」として判断させていただきました。
 事例紹介として、同意説明文書の説明の記載と研究計画指導の記載との関係について、具体的には、いわゆる被験者の方のリクルートに関する記載ですが、企業からの治療薬提供の背景といいますか、そのことについて明確でない部分があったので、その点について直接説明を求めました。該当箇所は別紙1のページ数で言うところの12ページ、13ページに当たりますけれども、その結果、最終的には、先方の方針が確認できたと判断しましたので、私からは「適」とさせていただきました。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、試験実施計画書等の評価について、新谷構成員より説明をお願いいたします。
○新谷構成員
 新谷です。
 試験実施計画書等の評価を行いましたけれども、何点かの事項について確認をさせていただいた上で、それぞれの回答を確認して、全て「適」とさせていただきましたが、私のほうで確認した事項について御報告させていただきたいと思います。
 まず第1点から、先行してより科学性の高い二重盲検医師主導治験が行われたにも関わらず、今回の治験を行う科学的な根拠とは何でしょうかと聞きましたところ、回答は、今回の患者申出療養では、過去にリツキシマブを投与した経験がある高い有効性が得られた患者を想定していますと。さらに、先行して実施した医師主導治験において、二重盲検下ではありますが、これまで既存治療で十分な改善が認められなかった患者に対し、明らかに有効であった症例だということが今回の臨床研究を行う科学的な根拠になっているという回答をいただきました。
 2点目は、研究デザインについて指摘をさせていただきました。本研究では、リツキシマブを再度投与する方と前試験でプラセボであった方は初回の投与となります。治療のキャリーオーバー等が起こった場合、ベースラインからのアウトカムの変化量を主の評価項目としたときに、プラセボ群であった群と成功投与されていた群では、その変化量の意味が臨床的には異なるので、科学的に今回の治験で得られる結果は解釈が難しいのではないかという指摘をさせていただきました。トータルの症例数が5例のみのため、再度の患者様、初回のみの患者様と分けたサブグループ解析等は難しいと考えるという指摘をさせていただきましたところ、回答のほうは、先ほどの御説明どおり、今回の治験は、困難な病気と闘う患者様の思いに応えるために、患者申出療養として立案されたものでありますと。ですので、統計的な解釈は困難と考えますけれども、CIDPは非常に希少な疾患であること、また、リツキシマブ投与の効果を報告した事例も限られていることから、この研究の科学性に難点はあるけれども、臨床的には今回の研究を行うことは意義があると考えているという回答をいただきました。
 3点目は、先ほども御指摘ありましたけれども、症例数が5例ということで、統計的に推計精度のいい結果は出せないと思いますとコメントをさせていただきました。ですので、特に有効性の評価は難しいのではないかということと、単群の試験で各群がいないというところから、有効性の評価自体が難しいのではないかとコメントさせていただきました。この回答ですけれども、プロトコル14.1のところで、Limitationとして5例であるため、統計的に精度の高い結果は得られないと考ええるというところを追記していただきました。
指摘事項の4点目ですけれども、本試験の症例数に関して、5例より増やすことはできないかと。統計的なこともありますし、5例、6例目の患者さんが存在したかもしれませんので、増やすことはできないかということでお尋ねさせていただきました。回答ですけれども、先行する種々の治験で有用な結果が得られれば、適応拡大につながるものと考えられることから、本臨床試験の対象となる期間自体は限定されると考えています。また、CIDP自体非常に希少な疾患であることから、本臨床試験で適応追加まで待てない患者さんの数は非常に限られているということでした。以上から、症例数を現時点で増やすことは考えていないという回答でしたけれども、仮に5名以上の希望がある場合には、その時点で適応追加までのロードマップの状況等を踏まえて、当局や臨床試験に用いる医薬品が提供された企業に交渉を行って、症例数を増やすなどの改良をそのときに変更したいという回答をいただいております。
最後ですけれども、研究計画書の17-3-2において、研究で得られたデータは、CRB等の承認を得て、二次利用される可能性があると記載されていますけれども、同意説明文の12のところでは、臨床研究で得られたデータをほかの目的で使用されることはないという記載がありましたので、ここが併合性を担保してくださいとお願いをしました。これに対して、二次利用する場合には、再投与を経た上で実施するということを、研究計画書の17-3に追記していただきました。
 以上をもちまして、全て「適」とさせていただきました。
 新谷からは以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、総合評価につきまして、主担当の寺田構成員からお願いいたします。
○寺田構成員
 寺田です。
 副担当の先生方のコメントあるいは技術専門員の辻先生のコメント、そして、責任医師とのやりとり等を見させていただいて、総合評価として「適」と判断いたしました。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明について、構成員の皆様方から、御意見・御質問等を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○天野構成員
 天野ですが、よろしいでしょうか。
○福井座長
 どうぞ。
○天野構成員
 ありがとうございます。
 困難な希少疾患と向き合う患者さんの希望に応えるという点で、非常に重要な患者申出療養だと思いました。その上で、意見、質問がございます。
 1点目でございますが、別紙1の9ページでも記載がありましたが、二重盲検下ではあるけれども、これまでの既存資料で十分な改善が得られなかった患者に対し、明らかに有効であった症例が今回の臨床研究を行う科学的な根拠であると考えているという指摘がありました。また、現在、解析中ということで難しいかもしれないのですが、例えばPMDAとの話し合いの状況とか、今後の承認申請の見通しとか、そういった点について、もし、この場で明らかにできることがあれば、教えていただければというのが1点目です。
 2点目は、同じく資料の12ページのところで質問にあった部分に関連しています。最終的には鍵を開ける前ということで、プラセボかどうかというのは二重盲検下なので、医療者・患者とも分からない状態だということで、症状を基に参加を検討することになるという記載があります。一方でその後に、今回の治験参加者で患者申出療養を希望される方については、医薬品の提供元とも相談した上で、参加いただけるよう調整することを検討したいという記載があります。この部分は、結論としてはどちらなのでしょうか。要は、治験参加者で希望すれば、そのままこれは参加可能な状況になるような感じなのでしょうか。検討をしたいと書いてあるので、検討中だと言われればそのとおりですけれども、この部分は実際患者さんにとっては重要な部分だと思うので、分かるところがあれば教えていただければと思います。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、第1点目につきましては、事務局のほうからよろしいですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。御質問いただきまして、ありがとうございます。
 まず1点目、9ページ目の記載にも関係があります、いわゆる薬事承認申請の見通しという点でございますが、現時点で詳細なデータ等はお示しすることはちょっと難しいと医療機関からは伺っております。医療機関の治療を担当した医師の感触としては、今回の資料にも記載がありますとおり、前向きな方向で検討が進められるのではないかというふうに事務局としては伺っているところでございます。
 具体的な期間につきましては、こちらも現在準備中ということですので、なかなか確定的なお話は難しいとおことわりいただいた上で、少なくとも現時点で1年以上はかかる見込みというところですので、そういった間に今回の患者申出療養が利用されるのではないかと考えているところでございます。
 また、2点目のところにつきまして、こちらは治験に参加された方でプラセボの方が実施できるのかという点につきましては、治験実施計画書のところの選択基準のところでございますので、送付のみの資料の64ページのところでございますが、こちらのほうにいわゆる選択基準のところに幾つか条件がございますが、こういった条件を満たす中で、その中の一つに今回の治験のほうで、プラセボ、静脈内投与された患者様が含まれておりますので、基本的には、こちらの試験の選択基準には含まれていると、事務局としては理解しているところでございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。事前評価していただいた先生方のコメントにもあったかと思います。
 辻先生、どうぞ。
○辻省次技術専門員
 まだこれは開鍵前の状態でして、二重盲検下で行った治療の中で改善した方がいたということを効果があったと判断することはまずいと思いますので、その記載は全て削除するようにということでコメントして、削除して、適切に修正いただきました。要するに、開鍵前ですから、そのデータについては全く判断根拠にならないということだと思いますので、そういうふうに修正いただきました。
○福井座長
 ありがとうございます。
 プラセボのほうに割り付けられた可能性のある方も対象になるということで、当然、どちらに割り付けられた方か分からないわけですけれども、結局、希望があった患者さんは全てが対象になるというふうに、私は説明から受け取りましたけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
○天野構成員
 分かりました。ありがとうございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 辻構成員、どうぞ。
○辻構成員
 ありがとうございます。
 たまたまですが、私自身がCIDPの患者でございまして、そういう意味ではぜひ患者申出療養を進めていただきたいと思っておるのですが、実際、CIDPにおきましては、自己免疫疾患の神経難病としては歴史が浅くて、多発性硬化症とか重症筋無力症などに比べて、健保適用の治療薬は非常に少ないというのが現状かと思っております。実際に、免疫抑制剤や生物学的製剤はまだ一つも認められていないということなので、そういう意味では、ぜひ、このような比較的新しい難病で治療法がまだ開発し切れてないといいますか、まだ少ないところについても患者申出療養を積極的に利用できるということでいいのではないかと考えております。
 実際には、難治性の方は1~2割ぐらいで、そのうちNF-155抗体陽性の方はさらに限定されるのではないかとは思うのですけれども、そのような希少な方にも光を当てられる部分があるということで、そういう意味では、ぜひ進めていただければと思っております。また、CIDPに限らず、指定難病333、また、承認が今週増えたようには聞いておりますけれども、新しい疾患で、診断基準は確定したけれども、治療法はまだ見つかってないという方にもぜひ利用していただくように、この制度の浸透をぜひ願っているというところでございます。患者としての発言になってしまいますけれども、ぜひ、よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。大変貴重な御意見を伺いました。
 松井構成員、どうぞ。
○松井構成員
 松井です。新谷構成員の御発表にも関連するのかもしれませんけれども、少なくとも治験のほうに参加された患者さんであった場合には、そもそも例えばヘルシンキ宣言の34条を見てもそうですが、post trial accessということで、本来は、その人がプラセボに当たろうが、実薬に当たろうが、実薬を希望する人については、そのまま治験側での継続評価というスキームを本来当てはめるべきではないのかなという気がしています。
 というのも、この患者申出の、特に臨床研究フレームのトラックに載せた場合は、否応なく時間がかかるということがあったり、そもそもこの患者申出が本来目指していたのが臨床研究を進めることではなくて、人道的な見地からの治療継続というところ、治療機会を提供するというところに主眼があったのであれば、少なくとも治験のほうの考え方としては治験のほうでpost trial accessという形できちんと手当てをするならば、シームレスに治療法へのアクセスが保障されるということができるはずなので、特に今回の計画書でも、例えばいろいろな設定基準のところで、ヘルシンキ宣言の原則を遵守して実施するためという文言が書かれていますけれども、そういうふうにヘルシンキ宣言のことを遵守すると言っているのであれば、post trial accessという規定をなぜ使わないのかという疑問が出てきます。
 もう一方は、もちろん治験に入らなかった患者さんで希望される方というのもあるのでしょうけれども、治験のほうでのシームレスなトラックの一つに、この患者申出の臨床研究ではないスキームも当てるという運用をするのであれば、そちらにシームレスにトライアルに入ってこられなかった方で実薬を希望される方も、臨床研究ではないトラックの患者申出療養のほうにそのまま入れることも可能であると思いますので、現在、あくまで臨床研究の形での患者申出療養の運用しかしていないというところに一つは問題があることと、治験のほうで本来できるであろう、そのスキームが全然考慮されていないというその現状に対してちょっと問題であるのかなと思いました。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。今、松井先生におっしゃっていただいたことは、事務局としても同様の認識でして。先ほど事務局より説明させていただきましたとおり、別紙1の6ページ目の指摘事項のところでございますが、こちらはいずれの患者申出療養の新たな申請をいただいた場合でも、いわゆる治験ですと拡大治験、それから、ほかの先進医療とか、そういったほかの枠組みでできないのかといったところはしっかりと確認をさせていただいているというところでございます。
他方で今回、拡大治験とかそういったものが実施できないと医療機関のほうからはそういった判断ということで返事をいただいておりまして、これ以上のそこの詳細な背景は、ここに記載した以上のことは現時点ではちょっと把握していないところではございますが、考え方としては、先生と全く同様の認識でございます。
 他方で、患者申出療養の在り方としまして、例えば今回事例はどういうものかというところですけれども、参考資料としてお送りさせていただきました参考資料1の3ページから4ページのところにいわゆる患者申出療養の対象となるような類型の記載がございまして、事務局といたしましては、4ページ目の上のほうにございますマル4の「現在行われている治験の対象とならない患者に対する治験薬等の使用」の枠組みに今回の御申請については相当するのかと考えておりまして、医療機関の説明に一部まだ確認が必要な部分があるという御指摘はあり得るかとは思いますが、他方で、制度としてこういった方を対象とするのはもともと一定想定している範囲というふうには考えておりますので、事務局の見解としてはそういった形でお伝えさせていただければと思います。
○福井座長
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 ほかには、何か御意見ございませんでしょうか。
 ないようでしたら、構成員の評価どおり、つまり、「適」ということにこの十一の技術については決定したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○福井座長
 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、議題の2番目に移りたいと思います。「患者申出療養の試験実施計画の変更について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課主査
 事務局でございます。資料「患-2」につきまして御説明をさせていただきます。
 今回、変更申請のあった技術につきましては、告示番号六番、マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療でございまして、適応症が我が国で保険適用済み、あるいは、評価療養として実施された遺伝子パネル検査でactionableな遺伝子異常を有する固形腫瘍となってございます。
 試験の概要につきましては、1ページ目の中ほどに記載させていただいているとおりでございます。
 2ページ目にお進みいただきまして、今回の変更内容でございます。
 変更内容は2つございまして、1つ目が、薬剤追加に伴う医薬品リスト更新でございまして、具体的には、カプマチニブという薬剤が追加となってございます。
 また、2つ目は、説明同意文書の改訂及び記載の不備に係る修正でございまして、具体的な変更点につきましては、送付のみの資料を御確認いただければと存じますが、主に薬剤の投与量に係る修正でございます。変更申請にする理由につきましては、記載のとおりでございます。
 事務局からは、以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 本患者申出療養の実施計画の変更につきまして、何か御質問や御意見等はございますでしょうか。構成員の先生方からございましたら、お願いいたします。
 天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。2点ございます。
 1点目ですが、資料のほうでそれぞれの医療機関別に症例数等をお示しいただいているのですけれども、この試験に対してはがんの患者さんの関心が非常に高いものがありますので、もし可能であれば、後日、この会議もしくはがん研究センターホームページ等で、それぞれの症例ごとのがんの種類とかそういったものなどを、どういった薬剤が提供されているのかということについてお示しいただくと、この試験に入ることを検討している患者さんの参考にもなるのかなと思いますので、御検討いただければというのが1点目です。
 あと2点目が、薬剤の変更についてですが、実害が生じていないということで、それはそれでいいのかもしれませんけれども、一歩間違えると、これはかなりシビアな状況になる可能性もあるかと思うのですけれども、これについて、例えば再発・予防に向けた何か取り組みとかこういった見解というか、そういったものは当該医療機関から何かコメントは来ているのでしょうか。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、事務局からお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 まず1点目、今回、症例数のみが提示させていただきましたが、その詳細な、いわゆるがん種とかそういった点も併せて公開できるのかという点につきましては、こちら、医療機関とも一旦相談をさせていただきまして、どういった形でお示しできるのかということも含めて検討させていただければと思っております。
 2点目にいただいた御質問は、恐らく記載の不備があった部分の御指摘と受け取っておりますが、こちらは今回、説明同意文書でいわゆる投与量の修正があったというところでございますが、こちらは、基本的には元のプロトコルにつきましては間違っていなくて、元々いわゆる添付文書に基づいた投与量で行ったものとなっておりまして、そちらは適切に治療自体は実施されていると伺っております。
 他方で、今回に対して何か再発防止策を講じているのかという点につきましては、現時点におきまして、事務局として特段把握しているものはないというところでございます。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
○天野構成員
 分かりました。プロトコルは問題なかったということを改めて確認できたので、事務局の説明は了解いたしました。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 宮川構成員、どうぞ。
○宮川構成員
 宮川でございます。
 これに対してお伺いしたいところがあります。薬事承認を受けたロードマップについて、改めて御説明いただきたいと思うところがあります。これは利用可能な治療法ごとにお申出のあった患者数やロードマップを踏まえた今後の見込みがしっかり示されないと本当はおかしいはずなのです。
 つまり、何を言いたいのかというと、今後、新たな遺伝変異が解明されて、新たな治療薬候補が出てくるということになれば、このまま変更届で対応し続けるということを事務局は考えているのかどうかということなのです。つまり、本来であれば、がんパネル検査の共同研究に対する患者申出ではなくて、薬などの治療技術に主眼を置いた患者申出療養とすべきなのです。本来からすると、それが患者申出療養なのです。そこのところをちょっと履き違えて、それが進めていくということがどこまでこれが続くのでしょうか、薬がこうやって新たに入ってくるたびにこのように申し出を続けていくのか。そして実際には、2028年8月31日までという形が記載されています。これが本当に患者申出療養なのかどうか疑問です。そして、この中に書いてあるように、本試験の対象薬剤として1剤が追加となったために、医薬品リストを更新したというような文言も入っていて、これは国立がんセンターのところが患者申出療養の仕組みを履き違えているのではないかと考えます。御質問させていただきました。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 まず、事務局からお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。貴重な御意見いただきまして、ありがとうございます。
 まず、薬事承認に向けてのロードマップというところでございますが、現時点で、例えば個別の薬剤が現在どれぐらいの状況というのは、今、ちょっと手元には情報がない状況で、そちらはちょっとあまり明確にお答えはできないのですが、他方で、個別の薬剤が仮にがん種とか今回の対象となっている方が適応拡大された場合には、こちらは患者申出療養の通知のルールに則りまして、基本的には患者申出療養から当該部分は削除といいますか、当該療養は保険診療において実施していただくという形になろうか思いますので、そちらで薬事承認を取られた場合については、そういった対応がなされると考えております。
 あとは、薬剤の追加に対する考え方でございますが、こちらはもともと患者申出療養を御申請いただいた際の趣旨で、これまでも小児の方への適応拡大等も伺ってまいりましたが、基本的には、いわゆる分子標的薬があるけれども、がん腫瘍適応外になっている方、こういった方が一定数いらっしゃって、そういった方に速やかにこういった療法を御利用いただけると、そういった観点から様々な薬剤追加とか小児の方への対象拡大とか、そういった方策を講じてきたという経緯がございまして、今回の薬剤追加もそういった御趣旨の下で追加の申請があったと、事務局としては理解しているところでございます。
○福井座長
 どうぞ。
○宮川構成員
 私もそのとおりだと思います。つまり、何を言いたいのかというと、今お話のあったそのとおりで、つまり個々であるべきことが患者申出療養なのだと思います。これはパネル検査を用いてということで、主眼が薬であるということになれば、患者さんを救っていくということも当然この療養のあるべき姿です。本来からすると、薬が設定された上に、その後その中でパネル検査を用いて療養として検討されるべきでしょう。個々の薬剤で検討されるべきところですが、パネル検査が先に来てしまっているので、どんどん薬が追加されて永遠に続いていくという立てつけになっていくのではないかなと懸念します。これは立てつけを変えていただくかどうかしないと、患者申出療養の本当の姿が出てこないのではないかなと私は危惧するので申し上げたという形ですが、いかがなのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 まさしく先生が危惧されるのは、これが永遠と続くのではないかという御危惧だと受け止めさせていただきました。そういった観点から、例えば個別の薬剤の現在の状況とか、そういった保険診療ですから、薬事承認に向けてどのように動いているかというところにつきましては、引き続き事務局といたしましても、注視して情報収集をしてまいりたいと考えております。
○宮川構成員
 ですから、先ほど天野構成員がおっしゃったような形で、きちんとした個々のロードマップとマイルストーンはきちんと示していくことが大事なので、それは薬剤ごとにきちんと設定をしていくということをしないと形骸化していくという形になっていくのではないかと考えます。これは臨床試験に近い形になってしまい、本当の患者申出療養として望む患者さんにさまざまなことが提供できるというこの仕組みを生かすことができないという形になっているのではないかなと思うので、これは少し再考すべき事案だと私は考えております。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 私も、この患者申出療養の話をいただいたときから、なかなか難しい問題を最初からずっと抱えておりまして、科学的な現実性だけではなかなか進まない事柄が多くて、人道的な観点からということも最終的には必要なテーマになっておりますし、申し訳ないのですけれども、私もなかなか一筋縄ではいかないいろいろな判断が求められておりまして、宮川先生がおっしゃったことも全くそのとおりだと思いますので、事務局とも、また、相談しながら、できるだけみんなが納得でき、それで患者さんを救えることが恐らく本当に重要な観点だと思いますので、もうちょっと話し合いを続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ほかには、この実施計画の変更について、何か御意見、御質問はございませんでしょうか。
 それでは、ないようでしたら、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。
 大変申し訳ありませんが、松井構成員は一時御退席いただきますようよろしくお願いします。
 (松井構成員退席)
○福井座長
 それではいかがでしょうか。変更が妥当と判断してよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○福井座長
 もし、御異議がないようでしたら、そのようにさせていただきたいと思います。
 それでは、松井構成員にお戻りいただいてよろしいでしょうか。
 (松井構成員着席)
○福井座長
 それでは、議題の3になります。「患者申出療養の定期報告等について」でございます。資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課主査
 事務局でございます。「患-3」の資料を御覧いただければと思います。
 患者申出療養「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」の実績報告についてでございます。
 まず、経緯でございますけれども、本患者申出療養につきましては、第13回患者申出療養評価会議で承認された際に、申請医療機関である国立がん研究センター中央病院に対しまして、本技術の定期的な実績報告を求めるべきだという御指摘をいただいたところでございます。
 今回、医療機関より、適用開始から2年時点での実績報告書が提出されましたので、そちらに基づきまして、本技術の継続の可否について御審議いただきたいと考えております。
 実績報告書につきましては、お送りしている資料でございます。こちらにつきましては、最後のページに現在の状況が書かれておりまして、この試験が始まってから2年が経過した時点では、実施例が59例で、重篤な有害事象等は認めていないということでございます。
 事務局からは、以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 本患者申出療養の継続の可否について、このような報告を踏まえまして、検討をお願いしたいと思いますが、御質問・御意見等ございますでしょうか。
 定期的な実績報告のエッセンスのところが、患者数が59例(60乳房)で、重篤な有害事象はゼロということですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 詳細は送付のみの資料の4ページ目を御覧いただければと思いますが、いわゆるこの計画において、問題としているような有害事象は発生していないと確認しております。
○福井座長
 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。御質問、御意見ございましたら、お願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。
 大変申し訳ありませんが、松井構成員は一時御退席いただきますようお願いします。
 (松井構成員退席)
○福井座長
 それでは、取りまとめといたしましては、継続を認めるということでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○福井座長
 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 松井構成員にお戻りいただいてよろしいでしょうか。
 (松井構成員着席)
○福井座長
 それでは、議題の4「患者申出療養の追加実施医療機関について」でございます。資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課主査
 事務局でございます。
 それでは、資料「患-4」に従いまして、「患者申出療養の追加実施医療機関について」御報告させていただきます。
 まず、1件目でございますが、告示番号五番「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」でございますけれども、既に、患者申出療養として前例のある医療法として、また、実施医療機関として認められていない医療機関の患者様からの申出に基づきまして、申請元の臨床研究中核病院である国立がん研究センター中央病院におきまして審査がなされまして、今回、国立がん研究センター東病院が追加実施医療機関として認められました。
 また、2件目でございますが、告示番号六番「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」でございまして、申請元の臨床研究中核病院である国立がん研究センター中央病院におきまして審査がなされまして、今回、静岡県立静岡がんセンターが追加実施医療機関として認められました。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 これは御報告になります。
 ちなみに、現在、臨床研究中核病院は全部で幾つあるのでしたか。
○研究開発振興課長
 今、14になります。
○福井座長
 そうですか。どうもすみません。私からの質問でした。
 それでは、議題の5に移りたいと思います。
 「患者申出療養の実績報告について」でございます。資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いします。
○医療課主査
 事務局でございます。
 「患-5」の資料に基づきまして、御説明させていただきます。
 「患者申出療養における実績報告について」でございますけれども、1.「現状」からでございます。
 患者申出療養は、将来的な保険導入のための評価を行うものとして位置づけられていることから、実施保険医療機関から毎年の実施状況について定期的に報告を求めることとしております。
 具体的には、当該年の6月30日までに患者申出療養を実施している保険医療機関を対象としまして、前年の7月1日から当該年6月30日までの間に行った患者申出療養の実績について、地方厚生局に報告をすることとなっております。
事務局におきまして、この地方厚生局に提出された実績を集計いたしまして、年に1回本会議に報告をさせていただき、御確認いただいているところでございます。
 一方で、臨床研究法における特定臨床研究として行われている臨床研究につきましては、実施計画を厚生労働大臣に提出した日から起算して、1年ごとに定期報告を行うことが義務づけられております。また、再生医療等安全性確保法が適用される研究についても、再生医療等提供計画を提出した日から起算して1年ごとに再生医療等の提供の状況について報告が義務づけられております。
 臨床研究法の施行に際しまして、患者申出療養の通知の改正を行った際に、患者申出療養における定期報告についても、令和2年をめどに、研究開始から起算して1年ごとに地方厚生局に報告することを検討することとなってございまして、今回、それに基づきまして、事務局で検討させていただきました。
 2.「対応案」でございますけれども、患者申出療養における定期報告の時期やその在り方について検討させていただき、現在、1年間の間に患者申出療養にかかった費用の全体の総額などを取りまとめて資料として報告しておりますので、これについては、一定の期間を定めて取りまとめる必要がございます。
 また、患者申出療養における実績報告は、臨床研究法及び再生医療等安全性確保法下で求められる報告内容と異なっていることがございますので、今後も、従来どおりの定期報告を継続してはどうかという形での御提案をさせていただいたものでございます。
なお、臨床研究法及び再生医療等安全性確保法の報告体制の今後の状況に鑑み、実施医療機関の負担軽減にも配慮しつつ、その実績報告の内容につきましては、今後も適宜見直すことしてはどうかという形で御提案させていただきます。
 説明は以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
 報告対象期間の話でございまして、全部を同じ期間にすれば、何となく手間隙が省けるのではないかと思いましたけれども、なかなかそうでもないらしいというのが、いろいろ話を伺ったところ、明確になりまして、結局、従来どおりの報告のフォーマットにしてはどうかという、そういう事務局案でございます。
 よろしいでしょうか。
 しばらくこのままやっていただいて、また、必要性が出てきたところで検討していただくということで、そのようにしたいと思います。
 それではありがとうございます。
 本日の議題は、残りは「その他」となっておりますが、事務局から何かありますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 事務局からは、特段、追加等はございません。
○福井座長
 構成員の先生方から、何か御意見なりございますか。
 辻構成員、どうぞ。
○辻構成員
 最後にすみません。今回、難病のほうで意見提出ということで、ありがとうございます。
 実は、がんの連携拠点病院、都道府県とか地域とかあるかと思うのですけれども、非常にまとまっていてバランスが取れている感が難病のほうから見ているとするのですけれども、実は難病対策が基本的に都道府県主体ということになっているので、地域の特性を生かすという意味では拠点病院も連携病院の構成などは、地域によって非常に違ってきている。それは悪い意味ではなくて、地域の特性を生かしているということになっているわけです。けれども、そういう意味では数的にも都道府県によって連携拠点病院の数が違っていたり、または、相談支援センターも、がんのほうでは500くらいあるかと思うのですけれども、基本的に、難病のほうは都道府県に1つという状況になっております。
 そういう意味で、今回、難病でも患者申出療養制度を利用していただく方が出たということですけれども、難病の方に告知できる、あるいは周知できる機会が拠点病院とか相談支援センターのほうからきちんと行っているかどうか。がんに比べてばらついているだけにちょっと不安があるというところがありますので、何か機会があれば、その点、検証なども難病対策課等と連携しつつ検討できましたら、それで、さらに患者申出療養制度が難病の方にも周知できるような形が取れるようになればと思っておりますので、何か確認ができる機会があればお願いしたいと思っております。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 事務局からどうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 大変貴重な御意見いただきまして、ありがとうございます。今、先生におっしゃっていただいた患者申出療養制度の周知という観点ですが、患者申出療養側のホームページには、難病情報センターのリンクを貼らせていただくという形で実施はしているところではございますが、他方で、難病センター側のほうはどうかというところはございますし、今回、先生にいただきました御意見も踏まえまして、所管部局と連携しまして、検討をさせていただきたいと考えております。
○辻構成員
 ぜひ、よろしくお願いします。
○福井座長
 ぜひ、お願いいたします。
 では、ほかにはいかがでしょうか。
 直江先生、どうぞ。
○直江構成員
 ありがとうございます。
 全体の話でいいですか。
○福井座長
 どうぞ。
○直江構成員
 ありがとうございます。
 先ほど、がんパネルの話でいろいろなディスカッションが出ましたし、私ども個別の薬剤別ということの規定が、これはちょっと弱いので、非常に患者申出療養というのが分かりにくくなっているなと個人的に考えておりました。
 それから、最初のCIDPの話は、どうして拡大治験とか治験の延長で対応できないのだろうということで、これも私はそんなふうにちょっと感じたところもありまして、その時点に御意見が出たところでございます。
 それから、実績報告のところは、私は先進医療のように、定期的に何かそろえて報告していただいたほうが、全体としては分かりやすいのではないかなと今でも思っております。
 私が言いたいのは、患者申出療養はたしか平成28年に始まって、ちょうど5年たったところで、先ほど御意見がいろいろ出ていますけれども、どのような形でその患者さんを起点として申出があって、それから、それを研究中核がどのような形で吸い取って、今、実施している患者申出療養がどのくらいあって、実際に患者さんがどのくらい入って、その実績を基に、例えば臨床治験が組まれる、あるいは拡大適応の出口に向けた取り組みが始まっているというような、5年間の全体のオーバービューみたいなものを一度事務局からお願いしていただけると、頭の整理にもなりますし、皆さんがおっしゃっているような、今後の問題点を整理していくのにちょっと都合がいいのではないかと思いましたので、ちょっと御提案させていただきますが、難しいでしょうか。
○福井座長
 ありがとうございます。
 私も、先生がおっしゃるとおりだと思うのですけれども、事務局どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 先生におっしゃっていただいたのは、これまでの取りまとめではないですが、実績のまとめということでして、事務局のほうでも、どういう形でお示しするかというところも含めてちょっと検討のほうをさせていただければと考えております。
 1年単位の御報告としましては、これまでも、今年ですと1月に、いわゆる患者申出療養の実績という形で、実施件数とか実際の費用とかそういったことを御報告させていただいているところではございますが、それにプラスアルファとか、あるいは5年間どうだったかというところも含めて、何らかの形で先生方に分かりやすくお示しできればと考えておりますので、その辺につきましては、事務局のほうでも整理させていただいて、検討させていただければと考えております。
○福井座長
 ありがとうございます。
 私も本当にそのように感じております。例えば松井先生が実際今日おっしゃったpost trial accessという言葉を、実は私つい最近知ったばかりでして、そういうカテゴリーがこの患者申出療養の非常に重要な対象患者になるとか、これが立ち上がったときよりはちょっと違ったいろいろな切り口で問題を整理できるような気持ちもいたしますので、事務局と相談して、頭の整理にできるような資料を提出してもらえればと思います。ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 辻構成員、どうぞ。
○辻構成員
 たびたびすみません。先ほど来よりCIDPの話も出ているので、私がちょっと間違っていたら申し訳ないのですけれども、先ほどのCIDPのリツキシマブの話にしましても、基本的には、治療法がCIDPにはありませんので、そういう意味では一時的に症状を抑える治療法という形になるわけです。ですから、その効果が切れますと、また、再燃するという形になるので、繰り返し投与が必要になるというようなことがある程度今回の申請に影響しているのかなと思っております。
 例えばがんですと、今ある治療法よりもさらにいい治療法の治験等が行われると思うのですけれども、基本的に、今回の難治性のCIDPの場合などは、治療法ももちろんないし、一時的に症状を抑える治療法もほとんど見つかっていないという状況の中で、唯一、光がちょっと見えてきたという背景があるのではないかなと思っております。専門家ではないのですけれども、その点、治療法として確立されていて、それに間に合わない方はもちろんいらっしゃるとは思うのですけれども、そういう疾患とまたちょっと違うのかなというような感じを持っておりますので、御理解いただければなと思っております。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかにはよろしいですか。
 それでは、事務局から、次回の日程についてお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、令和3年8月20日(金)16時からを予定しております。こちらはもともと予備日となってございましたが、現在のところ開催とさせていただく予定としております。場所につきましては、別途御連絡をさせていただきます。
○福井座長
 それでは、第26回患者申出療養評価会議を終了いたします。本日は、お忙しい中ありがとうございました。
 

 

 

 

 

 

 

(了)

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