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2020年6月25日 患者申出療養評価会議議事録

○日時

令和2年6月25日(木)16:30~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 石川構成員 一色構成員 上村構成員 
新谷構成員 大門構成員 田代構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員
直江構成員 成川構成員 松井構成員 山口構成員 山崎構成員
 
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他

○議題

1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について
  (患-1)(別紙1)(参考資料1)(参考資料2)
 
2 患者申出療養の追加実施医療機関について
  (患-2)
 
3 患者申出療養として実施された医療技術の総括報告書の評価について(案)
  (患-3)(別紙2)(参考資料3)

4 その他

○議事

16:30開会


 


○福井座長
 定刻になりましたので、ただいまより「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
 先生方の出欠状況ですが、本日は田島構成員より御欠席との連絡を頂いております。
 本日欠席されます構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされています。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りにつきましては、ここまでにさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 お送りさせていただきました資料ですが、議事次第、構成員名簿となります。
 まず、患-1「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている1枚紙の資料がございます。こちらには別紙1、参考資料1、参考資料2がついてございます。
 続きまして、患-2「患者申出療養の追加実施医療機関について」としている1枚紙の資料がございます。
 最後に、患-3「患者申出療養として実施された医療技術の総括報告書の評価について(案)」としている資料がございまして、こちらには別紙2、参考資料3とついてございます。
 資料の確認は以上でございますけれども、資料について不足、誤り等ございましたら、お申し出いただければと思います。
 また、今回の患者申出療養評価会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。
 先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきますので、発言される先生方におかれましては、会議資料のページ、または送付のみの資料のページと、あらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○福井座長
 資料等について、よろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○福井座長
 駄目との表情の先生方はおられませんので、進行させていただきたいと思います。
 今回、検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。
 その結果について、事務局から報告をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術に関しての利益相反について御報告いたします。
 福井座長、五十嵐座長代理、新谷構成員、手良向構成員、寺田構成員より、今回評価を行う「ROS1融合遺伝子陽性進行性小児脳腫瘍に対するエヌトレクチニブ経口投与に関する患者申出療養」について報告がございました。
 新谷構成員、寺田構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品、または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が500万円以下でありましたので、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討に加わることはできますが、検討結果の取りまとめ及び事前評価に加わることができません。
 福井座長、五十嵐座長代理、手良向構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品、または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、当該規定に基づきまして、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能でございます。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 出席されている構成員におかれましては、利益相反はないということでよろしいでしょうか。
 (首肯する委員あり)
○福井座長
 ありがとうございます。
 議題1です。事務局から患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 資料患-1を御覧いただければと思います。「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について」でございます。
 今回、申出のあった技術は「ROS1融合遺伝子陽性進行性小児脳腫瘍に対するエヌトレクチニブ経口投与に関する患者申出療養」でございます。
 適応症につきましては進行性小児脳腫瘍となっておりまして、かかる費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。
申請医療機関は、名古屋大学医学部附属病院でございます。
 審査の担当構成員でございますけれども、主担当を五十嵐座長代理、副担当を大門構成員と田代構成員に御担当いただきました。
 総評としましては「適」との御評価を頂いております。
 続きまして、患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の要件について御説明させていただきます。別紙1の27ページを御覧いただければと思います。
 こちら、保険医療機関の要件として考えられるものを記載いただいておりますけれども、まず、実施責任医師の考え方としましては、診療科として脳神経外科。資格が日本脳神経外科学会専門医。当該診療科の経験年数が10年以上。当該医療技術の経験年数は不要。当該医療技術の経験症例数は不要となってございます。
 続きまして、医療機関の考え方でございますけれども、診療科としまして脳神経外科、小児科、眼科。実施診療科の医師数が2名以上の日本脳神経外科学会専門医が常勤職員として勤務していること。他診療科の医師数としては2名以上の小児血液・がん学会専門医が常勤職員として勤務していること、2名以上のがん薬物療法専門医が常勤医師として勤務していること。その他の医療従事者の配置といたしまして薬剤師、看護師となってございます。
 規模としましては病床数300床以上、7対1看護以上となっておりまして、その他の条件としまして医療法上の臨床研究中核病院であり、がんゲノム医療中核拠点病院かつ小児がん拠点病院であること。重篤な有害事象が発生した際、24時間365日適切に対応できる体制が確保されていることとされております。
 その他の考え方としまして、頻回の実績報告は不要となってございます。
 続きまして、別紙1の5ページ目にお戻りいただければと思います。
 本技術が治験・拡大治験や先進医療等の既存の制度で実施できなかった理由につきまして、事前に事務局より医療機関に確認をしております。
 こちらに回答を頂いておりまして、1行目のところからでございますけれども、NTRK1/2/3、ROS1またはALK融合遺伝子陽性の進行・転移固形がんの小児患者を対象としたSTARTRK-NG試験が第I/Ib相試験として海外で実施されておりますけれども、日本の小児患者が対象となる予定がないため、参加できる治験がない状況でございます。また、今回対象とするROS1融合遺伝子陽性の小児脳腫瘍の頻度は非常に低いということがございまして、先進医療等の研究者主導の臨床研究を立ち上げることは困難だということで、患者申出療養制度で実施させていただきたいという回答を頂いております。
 以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○福井座長
 それでは、この整理番号10の技術につきまして、事前評価の主担当を五十嵐座長代理、副担当を田代構成員と大門構成員にお願いしております。
 それでは、五十嵐座長代理より概要の説明と実施体制等の評価をお願いいたします。
○五十嵐座長代理
 五十嵐です。それでは、御説明させていただきます。
 まず、本治療法の対象はROS1融合遺伝子陽性の15歳以下の小児脳腫瘍患者です。その治療にROS1融合遺伝子阻害薬、分子標的薬でもありますけれども、エヌトレクチニブを使用するものです。
 ROS1融合遺伝子は、ROS1遺伝子とほかの遺伝子が融合してできた遺伝子で、いわゆるチロシンキナーゼ型がん原遺伝子の一つです。ドライバー遺伝子とも言われています。
 この融合遺伝子からROS1融合タンパクが産生されます。そのタンパクが、がん細胞を増殖させるスイッチを常にオンの状態にするためにがん化すると考えられています。エヌトレクチニブはROS1融合遺伝子陽性で、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに我が国では適応を有しています。
 そもそも、非小細胞肺がんの1%がROS1融合遺伝子によるものです。しかしながら、同遺伝子陽性の小児の脳腫瘍患者にエヌトレクチニブは現在、適応になっておりません。
 ROS1陽性の小児脳腫瘍は膠芽腫とか上衣腫などの小児の脳腫瘍の一部を占めておりますけれども、先ほど事務局が御説明になられたように、頻度的には極めて少ない疾患です。これまでは、切除できる場合には外科的な切除が、3歳以上の子供には放射線照射、末梢血の幹細胞移植、化学療法等が行われておりましたけれども、治癒を期待できる標準的治療法は残念ながら確立しておりません。つまり、現時点ではよい治療法がなく、予後が良好ではありません。
 そのため、このエヌトレクチニブによる治療効果が大変期待されているところです。
 以上が概要の説明でございます。
 では、実施体制などの評価をさせていただきます。
 コンパニオン診断にて、ROS1融合遺伝子陽性が判明し、かつ第2のがん誘発遺伝子が存在していないということが明らかにされている局所進行性の15歳以下の小児の脳腫瘍を適応としていることから、適応症は妥当と考えます。
 有効性については、残念ながら海外での2症例で有効とされた報告しかありませんけれども、この薬剤の効能機序を判断いたしますと、従来の機序よりも有効であることが期待されます。
 安全性については抗がん薬による害の他は、特に問題がありません。
 技術的成熟度につきましては、当該分野を専門とし数多くの経験を積んだ医師、または医師の指導下であれば、この治療法を行えると判断いたします。
 社会的妥当性、つまり倫理的な問題はないと思います。
 現時点での普及性は、この治療法は国内初の試みでありますので、現在は普及しておりません。
 将来の保険収載の必要性ですけれども、将来的にはこれが有効であるならば、保険収載されることが妥当と判断いたします。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、倫理的観点からの評価につき、田代構成員から説明をお願いします。
○田代構成員
 倫理面での評価を担当いたしました田代です。
 私のほうでも「適」と判断させていただきました。
 コメント欄にありますが、事前照会で、別紙1の6ページから9ページにかけて、代諾あるいはアセントの手続が研究計画書から読み取れるのですが、若干明確化されていない部分があり、何度かやり取りをさせていただきました。その結果、最終的には研究計画書に方針が定まったということで、私のほうでは「適」と判断いたしました。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、試験実施計画書等の評価につきまして、大門構成員から説明をお願いします。
○大門構成員
 大門でございます。
 私方も全て「適」とさせていただいております。ただし、事前に少し確認事項がありました。
 患-1の別紙1の10ページ、11ページにわたって3点ほど確認をさせていただいております。
 1つ目は、先ほど五十嵐先生からも御説明がありましたように、ROS1融合遺伝子陽性の小児脳腫瘍患者2例が奏功したということがASCO2019で公表されたのですけれども、その際、登録例数が何例かということを念のため確認させていただきました。
 登録例数は2例ということで、すなわち、全例奏効されているということでした。
 2点目としましては、実施計画書には患者登録見込みを立てることは困難であるということを御記載いただいておりました。これはおおむね理解はできるのですが、一方で、登録期間として6か月を設定されておりました。これは何か根拠があるのか、お一人の患者さんだからということか、それ以外にも患者さんはおられるのかという点を確認させていただきました。
 ご回答としましては、お一人の患者さんであるということと、実施体制の整備、マルチプレックス遺伝子パネルの臨床試験の実施計画の変更の計画等、総合的に鑑みて6か月とされたということでした。
 3点目としましては、別紙1の11ページになります。統計的事項について確認しました。当初は、統計学的検定による意思決定を行わずということで書かれていまして、この立ち位置は理解できるのですけれども、やはり何も統計解析をしないわけではないと思われます。例えば、要約統計量の算出であったり、個々の患者さんのプロットであったり、その他の集計も行われるはずだということで、その点を意識して想定される解析方法について、ある程度、実施計画書に反映していただきたいということで御対応いただきました。
 これをもちまして、全て「適」ということにさせていただいております。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。大変明瞭な御説明を3人の先生方から頂きました。
 ただいまの御説明について、構成員の先生方から何か御質問等ございませんでしょうか。
 天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 天野です。御説明ありがとうございました。
 私から2点、質問と意見がございます。
 まず1点目、質問になりますが、今回、ROS1融合遺伝子陽性の小児脳腫瘍患者ということで、もともと希少ながんである小児脳腫瘍の中のさらに頻度が少ない対象の患者さんということになるかと思うのですけれども、薬事承認に向けたロードマップもお示しいただいていると思うのですが、かなり困難が予想されると思うのですが、現状、国内ではこの辺りはどのような状況になっているのか、もし事務局で分かれば教えていただければというのが1点目になります。
 2点目は、今回の事例についてというよりは今後に向けての意見ということで申し上げたいのですが、今回の資料の中でも説明文書の部分のところで患者さんの負担額、薬剤費は企業の無償提供という形になっている一方で、医療機関の事務的な手続等がかかるということで、開始当初が77万円。これに加えて、追跡期間の5年の間、毎年34万3400円を患者・家族が支払うということになり、総計としては相当大きな自己負担になるという指摘があります。
 このことについては事前に説明も十分されていると思いますし、また、事前の説明文書の中で患者さんの御家族、親権者に説明を行っていて、かつ十分に理解していただいた上でもう一度行っていただいているということですので、この患者申出療養については、これはこれで良いのかもしれないのですが、ただ一方で、例えばこの症例について考えた場合、小児の幼いお子さんの御家族、恐らく若い御家族になるかと思うのですが、そういった若い御家族にとってこういった金額というのは非常に大きな家計的な負担になるのは明らかでありますし、また、過去の患者申出を振り返ると、金額だけで比べればもっとはるかに患者負担が大きい患者申出もありました。これに対して、薬剤費が無償提供されることによって一定の負担軽減が図られているとはいえ、やはり患者負担はいまだ大きいものがあると言わざるを得ないと思います。
 こういった場合、例えば医療機関が支払わざるを得ない事務的な経費に対して、何らかの補助、もしくは例えば最近であれば臨床試験を行うに当たってクラウドファンディングを行っているような研究グループも国内で出てきていますが、そういった患者さんの負担を軽減するための何らかの取組が今後は検討されてしかるべきではないかと感じた次第でございます。
 私からは以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 最初に、この薬剤についての国内の状況についてですが、いかがでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 御質問いただきました1点目、企業の薬事承認についてのロードマップにつきまして、医療機関のほうから提出いただきましたロードマップが別紙1の18ページ目についてございます。こちらでは海外で様々な患者を対象として治験が行われている状況となっておりまして、有用性が認められた場合は適応追加を目指すという形になってございます。
 ただ、事務局として、今、企業の開発がどういう状況で、どういう具体的なスケジュールになっているかということは、申し訳ないのですけれども、把握していないところでございます。
 また、患者申出療養自体がロードマップの下側に位置づけられていますけれども、患者申出療養で実施されたものにつきましては、論文等で公表されている場合には薬事承認の効率化を可能にするという形になっておりますので、もし企業のほうから申請等があった場合に、この患者申出療養が何らかの形で結果が出ていた際には、この結果が薬事承認に何らかの役割を果たすのではないかと事務局としては考えております。
 以上でございます。
○福井座長
 天野構成員、最初の御質問、よろしいでしょうか。
○天野構成員
 大丈夫です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、2番目の、薬剤費は企業が負担するものの、患者さんの負担はかなりなもので、軽減の取組はあるのかという点です。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 2点目の御意見につきましてですけれども、この療養に関しましては、先ほど御説明いただきましたとおり、薬剤に関しては無償提供でありまして、患-1の患者申出療養に係る費用につきましては、医療機関が実施する臨床研究に係る費用という形で計算していただいて、お示ししていただいているところでございます。
 天野構成員御指摘のとおり、患者負担としてはそれなりに費用がかかってしまうということがありまして、今後どういう形で対応できるのかというのは検討を重ねてまいりたいと思います。
○福井座長
 よろしいでしょうか。
○天野構成員
 大丈夫です。ありがとうございました。
 引き続き、検討いただければと思います。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、石川先生、どうぞ。
○石川構成員
 実は私も天野構成員と同じ気持ちを持っておりまして、この患者申出療養としては本当に絵に描いたような症例でありまして、文句のつけどころはないのですけれども、五十嵐先生などはよく御存じなのですけれども、小児のがん、あるいは脳腫瘍は良性腫瘍であっても、これは小児慢性特定疾患のほうでほとんど患者負担はない仕組みになっているのが現状だと思うのです。
 ですから、こういったところでこういう申出療養、あるいはこの薬を使って病院の御研究も進めるという手続的なところでこの額が請求されるということについてはちょっと違和感があります。やはり、ほかの何か仕組みがあればということで強く思います。
 その点、五十嵐先生などはいかがお考えかなと、ちょっと御意見をお聞きしたいと思います。
○福井座長
 五十嵐先生、いかがでしょうか。
○五十嵐座長代理
 なかなか難しい問題です。各病院において事務手続等が実際に生じますので、費用はかかります。それをカバーしてくれる公的なしくみがないので、患者さんにある一定の費用負担をお願いすることはやむを得ないと思います。ただ、病院によっては寄附などによる資金を使ってカバーできる手段はありえます。
○福井座長
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員
 どうもありがとうございました。
 それでは、実は今、言っている小児慢性特定疾患というのは、昔はこの治療に対して、小児の難病に対しての研究治療費を負担するというような名目でつくられたものだと認識しています。こういった患者申出療養とはいっても、医療機関がある面では研究等で使う負担の費用については、昔はそういう国のほうで研究治療費の負担をしていたわけですから、できれば今後はそういったところで、医療機関で使う研究の助成みたいなものも、できればそういうスキームの中で払えるのだという仕組みをつくっていただきたいと思います。
 これは要望でございます。以上です。
○福井座長
 よろしいですか。
 事務局には、ぜひ、これについてはカバーできる仕組みがないか、またはつくれないか、考えていただきたい。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 本日頂いた意見も踏まえて、今後どういう形で医療機関等あるいは患者様の負担が軽減できるかというところは考えていきたいと思います。
○福井座長
 ありがとうございます。
○五十嵐座長代理
 五十嵐ですが、よろしいですか。
○福井座長
 どうぞ。
○五十嵐座長代理
 小児慢性特定疾患と難病の合同の委員会が定期的に行われています。新型コロナのせいで会がしばらく開かれていませんが、近いうち再開できると思います。そのときに検討してもいいのではないかと思います。
 どうもありがとうございました。
○福井座長
 小児慢性特定疾患というカテゴリーにこういうケースも入れられるよう、何か仕組みづくりを。
○五十嵐座長代理
 脳腫瘍は、小児の場合は小児特定慢性疾患に入っています。
○福井座長
 いろいろな方面からアプローチしていただいて、こういうケースもカバーできればよいと思います。ぜひお願いします。
 山口先生、どうぞ。
○山口構成員
 ちょっと施設要件のことで27ページを見ますと、規模が病床数300以上で7対1を満たすこととあります。その下に医療法上の臨床研究中核病院で、がんゲノム医療中核拠点かつ小児がん拠点病院であることが要件になっています。これは日本中ではもう名古屋大学しかやれないわけですか。つまり、今、これは単発でやると思うのですけれども、こういう条件を満たさなければ将来的に全国的にはやることはできないという具合に理解してよろしいのですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。貴重な御指摘を頂きありがとうございます。
 実施医療機関の考え方につきましては、基本的に申請医療機関及び想定される協力医療機関等がある場合には、それが含まれるような書き方の記載になってございます。この患者申出療養につきましては、事前評価構成員の先生方の指摘事項でもございましたけれども、基本的にこの患者様のためを想定しての療養になっておりますので、名古屋大学医学部附属病院が該当する医療機関で規定をしていただいていると理解しております。
○山口構成員
 ということは、非常にまれな病気で、例えば北海道でそういう患者が出ても、こういうものには参加できない、あるいはなかなか参加できにくいということになるわけですね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 恐らくその場合には、少し遠方にはなってしまいますけれども、紹介を頂いて受診をしていただくというステップが必要になってくるかとは思います。
○山口構成員
 分かりました。
 あと、細かいことですけれども、結構厳しい要件になっているので、ここで改めて看護師さんとか薬剤師さんがいるというのは必要ないのではないかと思うのです。というのは、臨床研究中核病院で300床以上あって看護師さんがいない施設はないわけですし、薬剤師さんがない施設もないので、ある程度、書き方を少し変えられたほうがいいのではないかと思います。看護師のいない臨床研究中核病院で300床以上の病院はないと思うのです。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 御指摘いただきありがとうございます。
 医療従事者の配置につきましては、確かに先生御指摘のとおり、薬剤師、看護師さんのいない臨床研究中核病院はないとは思いますけれども、ある程度、医療機関が必要と考えて記載を頂いているところではないかと考えております。
○山口構成員
 問題はないわけですね。分かりました。
○福井座長
 直江先生、どうぞ。
○直江構成員
 今の山口先生のお話、それから、天野さんのお話とも関係するのですが、今回の申請はがん中核拠点病院が単発で申請をされていますね。これまで審議をしていたのは、例えば国がんが中心となって、例えばノバルティスファーマ社の幾つかの分子標的をまとめて申請をされていたということから言うと、今回のケースのように、やむを得ないとは思うのですが、非常に非効率であって、やはり事務局費用も相対的に見れば高くなる可能性があると思うのです。
 それから、今後のことを考えてみると、山口先生がおっしゃったように、では、もし北海道で1年後に出たという場合にどうするのか。名古屋大学のものは半年間で登録が終わってしまっているといった場合に、せっかくつくったプロトコルがそのまま没になってしまう可能性があるわけです。
 ですので、半年後をどうするのかということをやはり少し考えておいたほうがいいのではないか。その時点で、もしもこのお薬が申請されるということは今の段階ではないと思いますので、名古屋大学がずっとやってくれればいいですけれども、多分やらないのではないかという気がします。その場合に、例えば国がんが引き取るなどの対策を考えておいたほうが日本全体としてはいいのではないかと私は個人的には思いますけれども、いかがでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。非常に重要な御指摘を頂きましてありがとうございます。
 まず、先生にも御指摘いただきました、国立がん研究センター中央病院を中心に、この遺伝子パネル検査後の適応外薬使用のバスケットトライアルが、現在、患者申出療養として行われているところでございます。
 こちらにつきましては、前回の会議で、これまでは小児患者様が対象となっていなかったところを、あらかじめ対象を広げてはどうかということで会議の御了承を頂いており、そこについては国立がん研究センター中央病院のほうにお伝えをして、現在、病院のほうで変更の検討及び手続を進めていると承知しております。
 先生に御指摘いただきましたように、確かにこの1例のみという形で御提出いただくところではありましたけれども、本来、がん研究センター中央病院が行っているパネル後の患者申出療養というのが、いろいろなこのパネルの検査後に適応外薬の候補となる方を1つの臨床研究でまとめることができないかという趣旨で始まったものでございますので、今後、パネル後の患者申出療養が小児の患者様に対象を拡大される、あるいは使用できる候補薬が増えてくる。そういうような形で効率的に行えればと考えております。
 2点目の、将来的にこの研究の登録期間が終了した場合にどうなるのかというところにつきましても、国立がん研究センター中央病院の研究にまとめることはできないのかという御指摘を頂きましたけれども、こちらにつきましては、事務局のほうでがんセンター中央病院にお伝えさせていただき、将来的にこのお薬についてどうしていくかというところをこの患者申出療養としてしっかりと考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
○直江構成員
 ありがとうございました。引き続き、お願いします。
○松井構成員
 すみません。よろしいですか。
○福井座長
 今の点についてでしょうか。
○松井構成員
 先ほどの山口構成員のところについて、少し補足です。
 私も気になったので調べたのですけれども、必ずしもこの3つの臨床研究中核であり、がんゲノムの拠点であり、小児がんの拠点というのは名古屋に限られず、少なくとも京大、九大、東北大、北大のこの残り4つは該当しておりますので、関東が抜けていますけれども、全部で5つはこの要件に当てはまるということがあります。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、直江先生が御指摘になった点などにつきましては、引き続き、その可能性について、事務局で検討していただくということで、この案件につきましては、名古屋大学について認めるか認めないかという御審議をお願いしたいと思います。
 それ以外の何か御質問、御意見ございませんでしょうか。よろしいですか。
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員
 すみません。ちょっとお聞きしたいのですけれども、この薬の副作用で重大な副作用の中に心血管系の問題があるのです。これは、重篤な不整脈とかQT prolongationを起こしたりするということで、結構な比率であるということなのです。
 今回は製薬企業が薬を提供するということなのですけれども、私の症例などで、抗がん剤は重篤な副作用で、特に心血管系で不整脈が出て、倒れて、怪我をして要介護5になった症例でも、ほとんど企業の方たちの救済制度が、因果関係があったとしても、それがないと言われているわけなのです。
 こういう場合に、例えば結構起こりそうな副作用が書いてあって、患者申出療養のときにこういった救済制度だとかは扱えるのでしょうか。そこだけ確認したいのです。
○福井座長
 救済制度について、いかがですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 ちょっとお待ちいただいてもよろしいでしょうか。
○福井座長
 はい。
○石川構成員
 すみません。加えて言いますと、小児には極めて重篤な成長障害が起こるというのもこの薬の特徴みたいで、いろいろあるのです。ですから、お聞きしました。
 それと、抗がん剤などの場合には、いわゆる薬剤の管理救済制度が使えないというのは本当のことなのでしょうか。どなたか、知っている方がいれば教えてもらいたいのです。
○福井座長
 どうしましょうか。また確認して、報告をしますか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
 まず、1点目につきましては、プロトコルに補償についての記載はございますので、そちらで対応していただけるのではないかと考えております。
 2点目の補償制度が使用できるかどうかにつきましては、関係部局とも確認の上、また御報告させていただければと思います。
○田代構成員
 よろしいですか。田代です。
○福井座長
 どうぞ。
○田代構成員
 今、事務局からも説明があったのですが、この臨床試験で加入している保険は医療費と医療手当をカバーするものであって、大きな補償金の支払いなどは想定されておらず、そういった意味では必ずしも十分なものとは言えないところはあります。ただ、抗がん剤の臨床試験ではこれが保険として設定できるものとしては最大のものであって、研究以外の補償に関しても、そもそも抗がん剤は除外されているので使えないと思います。
 今回については、名古屋大学としてできることはして頂いているという判断で「適」とはさせていただきました。もちろん、それが十分なものかと言われれば、より大きな問題にはなりますが、様々な課題は残っているかとは思います。
○福井座長
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
○石川構成員
 よく分かりました。どうもありがとうございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかには。
 寺田先生、どうぞ。
○寺田構成員
 先ほどの副作用救済制度ですけれども、これは市販後、承認されたお薬で適正な使用をしたにもかかわらず起こった副作用を救済するための制度です。例えばスティーブンスジョンソンとか、そういったものに対しての補償になりますので、こういった治験、研究のところで対象にはならないということです。
 あと、先ほどからお話が出ていますけれども、抗がん剤と、あと、免疫抑制剤とか、そういった副作用が高頻度で予想されるものに対しては除外されているのが現状だと思います。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかにはございますか。
○上村構成員
 すみません。上村です。
 このお薬は、小児で今回のターゲットの遺伝子ではないNTRKのところについて、既に国内において承認されているということでよろしいのですね。そこの安全性の情報というのは、市販後の安全性のところでは、大きなシグナルは出ていないということでよろしいのですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 御指摘いただきましたNTRK融合遺伝子陽性の固形腫瘍につきましては、2019年6月に承認がされております。
 市販後の調査等の情報は、持ち合わせておりません。申し訳ございません。
○上村構成員
 そこは多分、研究者の先生にもう一回、メーカーさん、これは中外からの提供なのですね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 はい。そうでございます。
○上村構成員
 シグナルがもしあるのであれば対応する必要があるということだと思いますので、適切な情報提供をお願いするということはお伝えしてもいいのかなと思います。
○福井座長
 よろしいでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 患者申出療養の報告の中の健康危険情報に関する報告というものが通知で規定されておりまして、そういうものにつきましては医療機関のほうから適時報告が上がってくるようになっておりますので、事務局のほうでもそれを適切に把握をしていきたいと考えております。
○福井座長
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと思います。
 大変申し訳ございませんけれども、新谷構成員、寺田構成員には一時御退席いただくことになりますので、どうぞよろしくお願いします。
 (新谷構成員、寺田構成員退室)
○福井座長
 それでは、構成員の評価結果どおりにこの案件につきましては決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 (「異議なし」と声あり)
○福井座長
 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 新谷構成員、寺田構成員にお戻りいただくことになりますので、よろしくお願いします。
 (新谷構成員、寺田構成員入室)
○福井座長
 それでは、次に議題の2に移りたいと思います。「患者申出療養の追加実施医療機関について」の資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。それでは、資料患-2に従いまして、患者申出療養の追加実施医療機関について御報告をさせていただきます。
 告示番号6番「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」でございますけれども、既に患者申出療養として前例のある医療として、まだ実施医療機関として認められていない医療機関の患者様からの申出に基づきまして、申請元の臨床研究中核病院である国立がん研究センター中央病院において審査がなされまして、今回、大阪大学医学部附属病院が追加実施医療機関として認められましたので、その御報告でございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 (首肯する委員あり)
○福井座長
 これは報告いただいたということで、次に移りたいと思います。
 議題の3です。患者申出療養として実施された医療技術の総括報告書の評価についての資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。それでは、資料患-3に従いまして御説明させていただきます。「患者申出療養として実施された医療技術の総括報告書の評価について(案)」としている資料でございます。
 まず「1.概要」のところでございますけれども、患者申出療養として実施された医療技術の総括報告書に係る評価等につきましては、第1回の患者申出療養評価会議におきまして、実施計画に基づく実施期間が終了した際には、臨床研究中核病院に対しまして総括報告書の提出を求め、保険収載に必要な事項等について患者申出療養評価会議で審議することとされておりまして、こちらについて了承いただいております。
 第14回患者申出療養評価会議におきまして、総括報告書の具体的な評価方法等について承認していただきまして、これまでに2件の技術について総括報告書の審議が行われたところでございます。
 前回会議で2件目の技術について御審議いただいたところでございますけれども、こちらの会議におきまして構成員の先生方より指摘がございました。
 主な指摘としましては、3つ目の○の1ポツ目でございますけれども、統計学的な評価をすることを前提としてつくられた評価表において、もともとそのような評価を目的としていない患者申出療養においては、評価としてほとんどがEのその他に該当してしまい、適正な評価ができないのではないか。
 また、薬事承認に向けた観点からの有効性と安全性という評価と、個々の症例における評価を独立して、それぞれで分けて記載したほうがよいのではないかという指摘を頂いたところでございます。
 この指摘を踏まえまして、評価表を別紙2の形での変更をご確認いただければと考えております。
 ちなみに参考資料3でございますけれども、こちらが以前の評価表でございまして、比較していただければと思います。
 別紙2の2ページ目でございますけれども、こちらの有効性、安全性の評価につきましては、患者申出療養の制度の趣旨にのっとって、実施症例におけるという形で文言をつけさせていただきました。ですので、実際に患者申出療養の研究結果の中で行われた患者様に対してどうであったかという形の評価で規定をさせていただいております。
 また、有効性の評価のA、B、Cのところでございますけれども、こちらはもともとの評価表では「従来の医療技術を用いるよりも」という文言が入っておりましたけれども、標準的な治療法がない困難な患者様に行われるものでございますので、こちらは記載を変更させていただいております。
 また、3ページ目につきまして、下の四角のところでございますけれども「将来的な保険導入に係る有効性、安全性の評価についての助言欄」という形で記載をさせていただきまして、薬事承認も含めたこの療法全体の今後の方向性についてどうであったかという観点の記載をこちらに頂ければという形でさせていただいております。
 4ページ目は副担当の先生に記載いただく評価項目になっておりまして、こちらも実施症例におけるという形で記載をさせていただいております。
 なお、評価等の流れにつきましては、これまでと同様とさせていただきたいと考えております。
 こちらの評価表の案を御確認いただきまして、もし何か追加で御指摘があれば頂きまして、また修正を重ねていければと考えておりますし、こちらでお認めいただけるようであれば、今後の総括報告書に関する評価につきましては、こちらを使用させていただくという形で検討しておりますので、御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明について、何か御意見、御質問等お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員
 日本医師会の石川です。
 これは、先ほどの患-1のところの五十嵐先生が御評価されたもので、一応申込みのところで見ますと、この技術的成熟度の下に社会的な妥当性というのがあるのです。これはまだ、申出療養の最初の段階です。社会的妥当性が申出療養のときに、この社会的妥当性というのは非常に当たっていると思いますので、これはAとBでどちらを決めるかというというのはすごくいいと思います。
 今やっている総括のところでの評価の中で、一定終わって総括が出ているわけですけれども、有効性、安全性、技術的成熟度はいいと思うのですが、この次に、これは社会的な妥当性ということではなくて、総括ですので、全体的に保険のところに向かう前に、この申出療養でやった一連のことが技術的にも妥当であったかどうか、総括的な評価をこの技術的成熟度の後にあったほうがいいのではないかと考えるのですけれども、いかがでしょうか。
○福井座長
 それでは、事務局、どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。貴重な御指摘を頂き、ありがとうございます。
 先生から御指摘いただきました全体を通した技術的妥当性の観点というのは、恐らく総合的なコメントのところが一番該当するのではないかと思いますので、こちらのところに技術的妥当性ですとか、そういった形の文言をつけさせていただければと考えております。
○福井座長
 総合的なコメントのところに技術的妥当性等とか社会的妥当性等とか、何か括弧でも言葉を付け加えるということではいかがでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 おっしゃるとおりでございます。
○石川構成員
 では、そうすると、ここはA、B、C、Dとか、そういうものではなくて、ざっくりと総合的な評価ということで考えてということですね。それで今、先生がおっしゃいました、そういったコメントをつけて、総合的にこの患者申出療養は、最後を見てみたら、技術的にも安全性、有効性、全部妥当だということの評価をここでコメントの中に書くということでよろしいわけですね。
 私は、できればA、B、C、Dぐらいのランクづけがあったほうがいいかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 今、私が考えていたのは総括的にコメントを頂くという形をイメージはしていたのですけれども、もし先生方、御審議いただく中で、やはり選択肢があったほうがいいのではないかという御意見があれば、それは反映をさせていただこうと思います。
○福井座長
 次回、その案をもう一回出しますか。A、B、C、Dまでいくかどうか、分かりませんけれども、ランクづけの選択肢も書き加えて、もう一回見ていただく。
 どうぞ、山口先生。
○山口構成員
 石川先生のおっしゃることはもっともなのですけれども、またここでA、B、Cとつけられると、なかなか判定が難しい状況がまた起きてしまうので、一度これでやってみて、具体的にこういう形で分けることができるのではないかということになれば分けたらいいのではないでしょうか。ある程度、自由に書いたほうがいいように思うのですけれども、私の意見です。
○石川構成員
 了解しました。
○福井座長
 よろしいですか。
 すみません。あっちに行ったり、こっちに行ったりで。
 どうぞ。
○松井構成員
 単に書きぶりの問題なのですけれども、実施症例における有効性というときに、やはり基準がなくて「有効である」という断定が果たしてできるのかという疑問があるので、この症例においては有効であったように思われるというような表現にしないと「である」というのはかなりきつい事実としての表現になりますので、そこもちょっと工夫が要るかなと思います。
○福井座長
 その方向でよろしいですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。貴重な御意見を頂き、ありがとうございます。その形で一度、ちょっと修正をさせていただければと思います。
○福井座長
 ほかにはいかがでしょうか。
 上村先生、どうぞ。
○上村構成員
 これは、やはり有効性は1例とか2例とかという話の中で確かに判断しなければいけないので、毎回悩ましいところではあるわけですけれども、やはり計画書の段階で各症例について有効性を評価するということをなさるわけですから、どういった個別の患者さんで何が起これば有効であったかというのを可能な限り議論していただいておくと、レビューする側もそこと照らし合わせて、この患者さんで有効性が見られたかというのを判定しやすくなると思うのです。
 そこが計画書のところに何も書いていないと、一体これは効いたのか効かないのかという判断が結局、非常に難しい状況にまた陥ってしまうと思うので、そこは計画書を見ていく段階でもそういった視点でレビューをしていく必要があるのかなと感じました。
 コメントです。
○福井座長
 そうですね。おっしゃるとおりだと思いますので、そういう点につきましても今後はさらに気をつけて、何をアウトカムとして判断するのかというところは見ていきたいと思います。
 事務局、どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。御指摘いただきありがとうございます。
 何をもって有効と評価するかは恐らく個別技術によって変わってくるとは思いますけれども、まず研究計画書の段階で、例えば主要評価項目ですとか、そういうものを設定していただく。
 また、こちらはあくまで総括報告書を提出していただいて、そこを評価していただくということになっております。事前評価の中で医療機関等に、例えば有効性がどうであったか、詳しいところについては指摘事項のやり取りという形で事前に確認はさせていただくことも可能ではございますので、そういうところも踏まえて、個別個別の症例の中でどのような有効性だったかというところを精査しながら御評価いただくという形になるかと思います。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 先に、辻構成員からお願いします。
○辻構成員
 先ほどの石川先生の御指摘とも通じるのですが、今回の「将来的な保険導入に係る有効性、安全性の評価についての助言欄」という表現は、今まで使用していた、「薬事承認の効率化に資するかどうか」という表現から、ハードルが1つ上がった印象があります。そうすると、症例数が少ない場合は、軒並み助言欄で「判断できない」とか「不適である」等の記述がされてしまうのではないかという危惧を感じましたので、そういう意味からも石川先生御指摘の点等を追加していただきたいという意見です。
 もし、最後の「評価についての助言欄」というところを、「助言等」というように、症例数が少ないものが排除されないような配慮をしていただければ、と思いました。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。貴重な御意見を頂き、ありがとうございます。
 こちら、確かに前回の薬事承認という記載から変更させていただいたところではございます。現行の医療保険制度の中におきましては、薬事承認を得られたものを保険適用とするというのを原則となっておりますので、当然、薬事承認の先に保険の導入というのが流れとしてございます。
 その中で、もう少し大きなところで記載をさせていただいているところでございますけれども、御指摘いただきましたとおり、助言欄のところに「等」という文言等をつけさせていただいて、もう少し包括的な形で記載ができるような工夫をさせていただければと思います。
○辻構成員
 ありがとうございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、山口先生。
○山口構成員
 有効性の評価ですけれども、今回変えた一番大きなポイントは、前回は従来法に比べて有効だとか、比較的な評価だったのですけれども、それは難しいということで、今回の実施症例における、ある意味では絶対評価を行っているのだと思うのです。
 その中で大幅に有効であるとかというのは、コメント欄のところで、例えば生存期間で見て、この症例は有効と考えますとか、そういうコメントを入れてもらえればこの形で十分ではないかと思います。というのは、またそこでいろいろ細かく決めていくと、この患者申出療養の迅速でシンプルなやり方というのはだんだん難しくなると思うので、この書き方で十分ではないかと私は思います。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 基本的には現在の事務局案でいいということですが、文言を幾つか微調整したほうがいいのではないかという御意見も伺いましたので、それらを考慮した訂正案というか、改訂案を次回提出してもらうということにしたいと思います。よろしいでしょうか。基本的には、この流れで。
○一色構成員
 すみません。よろしいでしょうか。一色です。
○福井座長
 どうぞ。
○一色構成員
 次回ということで全くよろしいと思うのですけれども、できれば事前に配付していただいて、当日、もう既に意見をまとめておくのがよろしいかと提案いたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、事前にお願いするということでよろしいですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 そのようにさせていただければと思います。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、この議題については以上ということにしたいと思います。
 本日の議題は、残り、その他となっておりますけれども、事務局から何かありますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 事務局からは特段ございません。
○福井座長
 構成員の先生方から、何か御意見、コメントございませんでしょうか。
 辻先生、どうぞ。
○辻構成員
 患-1の議論で申し上げず、申し訳なかったのですが、五十嵐先生御指摘の合同委員会等での協議。患者会側としても共有させていただいて、積極的に一緒に議論に加わりたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 五十嵐先生、どうぞよろしくお願いします。
○五十嵐座長代理
 了解しました。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、事務局から次回の日程について、お願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 次回は日程調整の上、後日連絡させていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○福井座長
 それでは、第22回「患者申出療養評価会議」を終了します。
 本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

(了)

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