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2020年2月13日 患者申出療養評価会議議事録

○日時

令和2年2月13日(木)14:00~

 

○場所

全国都市会館第2会議室(3階)
 

○出席者

【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 石川構成員 一色構成員 上村構成員 
新谷構成員 大門構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員 直江構成員
松井構成員 山口構成員
 
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他

○議題

1 患者申出療養の実施計画の変更について
  (患-1-1)(患-1-2)
 
2 患者申出療養の追加実施医療機関について
  (患-2)
 
3 患者申出療養の実績報告について
  (患-3)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)
 
4 小児におけるがん遺伝子パネル検査後の患者申出療養に係る対応について(案)
  (患-4)(参考資料1)(参考資料2)

○議事

14:00開会


 


○福井座長
 それでは、そろそろ定時の2時になりますので、ただいまより「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
 最初に、先生方の出欠状況ですが、本日は、田島構成員、田代構成員、成川構成員、山崎構成員より御欠席との連絡をいただいております。
 本日、欠席されます構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされています。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、患-1-1「患者申出療養の試験実施計画の変更について」という資料がございます。
 続きまして、患-1-2、こちらも「患者申出療養の試験実施計画の変更について」という資料がございます。
 続きまして、患-2「患者申出療養の追加実施医療機関について」という1枚紙の資料がございます。
 続きまして、患-3「令和元年6月30日時点で実施されていた患者申出療養の実績報告について」という資料がございます。こちらには、参考資料1、参考資料2、参考資料3がついてございます。
 続きまして、患-4「小児におけるがん遺伝子パネル検査後の患者申出療養に係る対応について(案)」としている1枚紙がございます。こちらには、参考資料1、参考資料2がついてございます。
 また、構成員の先生方のお手元に机上配付資料といたしまして、患-1-1に関連する資料を配付させていただいております。
 資料の確認は以上でございます。資料について、不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。申請書類等につきましては、タブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言される先生方におかれましては、会議資料のページ、またはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、大変助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの御説明にありました資料等について、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、本日、検討対象となります技術等に関しまして、事前に利益相反の確認をされております。その結果について事務局から報告をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反については、特にございません。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 出席されている先生方におかれましても、利益相反はないということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。事務局から「試験実施計画の変更について」の資料が提出されております。2件ございます。まず、1件目の説明をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、患-1-1の資料に基づきまして御説明させていただきます。
 今回、変更申請のあった技術でございますけれども、告示番号3番、リツキシマブ静脈内投与療法でございます。
 適応症は、難治性天疱瘡となってございます。
 試験の概要につきましてですけれども、1ページ目、中ほどにございます難治性天疱瘡患者に対しまして、リツキシマブを静脈内投与するという形の試験になってございます。
 2ページ目、御覧いただければと思いますけれども、今回の変更内容でございます。
 4つございまして、1.統計解析担当責任者の利益相反状況確認書の追加提出。
 2つ目として、被験者登録におけるスクリーニング期間の変更と登録手順の追記。
 3つ目、重篤な有害事象及び疾病等の定義に関する記載整備及び追記。
 4つ目に、中間解析の実施に関する変更となっております。
 変更申請する理由といたしまして、すぐ下にございますとおり、1つ目が統計解析担当責任者の利益相反状況確認報告書を提出していなかったため。
 2つ目、不適合事案の発生に伴う対応及び患者申出療養制度特有の登録手順を反映するため。
 3つ目、特定臨床研究への移行の際の追記が漏れていたため。
 4つ目、PMDAの求めがあったため。
 その他、付随して修正が必要と判断される箇所の記載を修正したというところでございます。
 3ページ目、御覧いただければと思うのですけれども、記載させていただきました変更内容の2点目についての補足の資料でございます。机上配付しております資料も併せて御覧いただければと思います。こちらは、患者申出療養における申請医療機関での登録手順を治験の登録手順と比較してお示ししているものでございます。左側が治験、右側が患者申出療養になりますけれども、この中で、6番目、本登録の後、7番目、試験薬投与の手順のところが、本登録前に試験薬投与があった事例がございました。
 原因といたしまして、本登録までの進捗の共有が不十分であったことや、同意取得から試験薬投与までがプロトコール上、28日以内と、余裕の少ないスケジュールであったことが挙げられております。
 対策といたしまして、登録の手順につきまして、院内でのミーティングを行い、周知を行うとともに、試験計画書説明文書の改訂を行い、同意取得から試験薬投与までの期間を変更しております。なお、こちらの変更に関しましては、申請医療機関のCRBで承認済みということでございまして、この不適合事案に関しましては、臨床研究法上の重大な不適合ではないと判断されているところでございます。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 この患者申出療養の実施計画の変更について判断が必要とのことですが、何か御質問や御意見ございますでしょうか。手良向構成員、どうぞ。
○手良向構成員
 この変更申請する理由の4番ですけれども、PMDAの求めがあったためというのが、理由になっていないかなと思ったのですが、プロトコール、タブレットの87ページを見ますと、この天疱瘡に対するリツキシマブの承認申請の際に、本試験の途中段階の安全性データを集計し、PMDAに提出する計画であると書いてあるのですけれども、それはPMDAが求めたのか、製薬会社から要請があったのかというのがちょっとはっきりしませんが、そのあたり、いかがですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 御質問いただき、ありがとうございます。
 事務局として、その辺は把握しておりませんで、確認させていただこうと思います。
○福井座長
 そのほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ただいまの手良向先生からの御指摘につきましては、事務局のほうで確認していただくということで、それをまた見ていただくという手順を踏むのでしょうか。よろしいですか。それでは、手良向先生にその内容を見ていただくという手順はとっていただきたいと思います。それで、もし問題がなければ、変更を認めるということで、その手順を踏まえた上でということでよろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○福井座長
 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 次に、もう一件の資料についての説明をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、患-1-2に基づきまして御説明させていただきます。
 今回、変更申請のあった2件目の技術ですけれども、告示番号8番、マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療でございます。
 適応症は、2019年6月1日時点において、我が国で保険適用済み、あるいは評価療養として実施された遺伝子パネル検査でactionableな遺伝子異常を有する固形腫瘍となってございます。
 試験の概要につきましては、患-1-2の資料の1ページ目、中ほどにございますとおり、actionableな遺伝子異常が遺伝子パネル検査の結果、判明した患者を対象に、それぞれの遺伝子異常に対応する適応外薬を患者申出療養制度に基づいて投与するという技術でございます。
 2ページ目、御覧いただければと思いますけれども、今回の変更内容でございます。中ほどに変更内容と記載させていただいておりますけれども、この患者申出療養、昨年の10月1日から開始となっておりますが、その際には、薬剤提供に関しまして協力企業は1社のみとなっておりましたが、今回、新たに協力製薬企業として2企業、追加になってございます。
 それに従いまして、4ページ目、御覧いただければと思いますけれども、こちら、マーカーで色付けをしております医薬品が使用可能となっております。
 また、COI等に関する記載の整備も併せて変更となってございます。
 申請医療機関におきましては、引き続き、企業と薬剤提供に係る交渉を行っているところでございまして、使用できる薬剤につきましても、今後も適宜追加されるものとなっております。
 説明は以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの実施計画の変更につきまして、何か御質問、御意見。天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。
 企業が増えたということは、研究が着実に進展していることをあらわしているものと考えますが、一方で、今後、企業が増えていった場合、それぞれの薬剤をどのように使用して、かつ、どのように薬事承認を進めていくのかということも考えていくことになるかと思うのですが、今後、企業が増えていった場合、それぞれのお薬の薬事承認に向けたプロセスの概要というか、大まかなプロセスはどういった見込みになっているのかということについて、もし分かれば教えていただけますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 今日は資料がございませんけれども、こちらの患者申出療養では、一つの薬剤で一定数、例が集まって、ある程度の有効性とかが判明した段階で、例えば未承認薬検討会議からの公知申請でありますとか治験というところにつなげるような開発に続くものだったと承知しております。
○福井座長
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。これは、より好ましい方向への変更だと考えます。
 (首肯する構成員あり)
○福井座長
 それでは、この技術につきましては、実施計画の変更を認めることとしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。
 次に、「患者申出療養の追加実施医療機関について」の資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料患-2に従いまして、患者申出療養の追加実施医療機関について御報告させていただきます。
 告示番号7番、経皮的乳がんラジオ波焼灼療法の技術でございますけれども、こちらは既に患者申出療養として前例のある医療として、まだ実施医療機関として認められていない医療機関の患者様からの申出に基づきまして、申請元の臨床研究中核病院である国立がん研究センター中央病院において審査がなされました。その結果、今回、北海道がんセンターと岐阜大学医学部附属病院が新たに追加実施医療機関として認められましたので、その御報告となります。
 事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明について、何か御質問等ございませんでしょうか。
 国立病院機構北海道がんセンターにつきましては、受理日が昨年の11月10日なのですけれども、これはこのくらいのインターバルはかかるものとして、手続上は仕方がないということでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。御指摘いただき、ありがとうございます。
 こちらに関しましては、臨床研究中核病院で審査の上、承認されれば、実施医療機関として追加となるというプロセスになっております。今回はこれまで認められものの報告という形でございまして、お示しした実施医療機関については、受理日以降、実施可能となっております。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかには何かございませんでしょうか。
 それでは、この報告を受けたということで、次に進みたいと思います。ありがとうございます。
 次が「患者申出療養の実績報告について」でございます。資料につきまして事務局から説明をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 それでは、資料患-3に従いまして、患者申出療養の実績報告について御説明させていただきます
 まず、1ページ目でございますけれども、平成30年7月1日から令和元年6月30日の1年間の間に実施された患者申出療養の実績報告について、まとめた資料となっております。
 こちらの表を上から御説明させていただきますけれども、令和元年6月30日現在で、技術は7種類。患者申出療養の実施医療機関数が24施設。総金額が0.5億円。保険外併用療養費の総額、いわゆる保険診療分になりますけれども、こちらが0.3億円。患者申出療養に係る費用の総額、こちらは患者様の全額自己負担分ですけれども、0.2億円となってございます。
 おめくりいただきまして、2ページ目、御覧いただければと思いますけれども、この間の技術数の推移をお示ししております。平成30年6月30日現在、患者申出療養が4種類でございましたけれども、この1年間の間に新規承認技術として3技術、承認をいただきましたところで、令和元年6月30日現在ではトータルで7種類となってございます。
 3ページ目でございますけれども、こちらは過去の実績について並べてお示しさせていただいております。
 また、参考資料1としまして、この7技術の個別の技術の費用の総額あるいは平均入院期間数、実施件数、1件当たりの患者申出療養の費用を記載させていただいております。
 また、参考資料2につきましては、それぞれの臨床研究中核病院、予定終了日あるいは協力医療機関数をお示ししておりまして、進捗状況等が確認可能となってございます。
 また、参考資料3につきましては、当該年度に実績が0件だった技術につきまして、その理由及び今後の対応方針等について報告いただいているものでございます。このうち、下の告示番号4番の名古屋大学のチオテパ静脈内投与につきましては、0件の理由にありますとおり、試験期間が終了したためと御報告をいただいているところでございます。
 また、告示番号2番の大阪大学医学部附属病院の耳介後部コネクターを用いた植込み型補助人工心臓による療法につきましては、0件の理由としまして、2例、死亡症例が発生し、現在、研究を一旦中止しているところでございます。こちらは、対応方針のところを御覧いただければと思うのですけれども、選択除外基準について再検討中でありまして、患者申出療養評価会議にて変更承認後に登録再開予定となっておりますけれども、こちらは前回の持ち回り会議の際に、この変更につきまして承認いただいているところでございまして、今後、患者様からの申出があれば、この療養を受けることは可能となってございます。
 事務局からは以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見等ございませんでしょうか。天野構成員、どうぞ。
○天野構成員 御説明ありがとうございました。
 1点質問がございます。今の患-3の1ページ目で総額がそれぞれ示された表があったかと思います。患者さんが御負担する金額の部分が、マル5、患者申出療養費用の総額に該当するかと思うのですが、例えば施設がプロトコールを作成した場合とか、書類等を作成した場合に、施設ではそれぞれ費用が係っていると思うのですが、その費用については、患者さんに対して請求している場合と、場合によっては施設がある意味負担している部分があるかと思うのですが、そういった金額というのはこの中に計上されているのかということについて、教えていただければと思います。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。御質問いただき、ありがとうございます。
 こちらの0.2億円、自費負担分と先ほど御説明させていただきましたけれども、その中には、プロトコールにかかる費用でありますとか、そういう研究に関する費用も含まれているところでございます。
○福井座長
 ほかにはいかがでしょうか。
 無茶な質問ですけれども、患者申出療養を使って、結果といいますか、非常に主観的なものになるかも分からないですけれども、これを使ってよかったとか、期待とは全然違っていたとか、そういうことはなかなか難しいでしょうか。患者申出療養の期待したような結果だったのかどうなのかみたいなことは、なかなか難しいでしょうか。答えにくい質問で申し訳ないですけれどもね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 個別の患者様の主観的な感想については、事務局としても把握していないところでございますが、試験が終了したものについては、総括報告書として、その結果について、この会議に出て参りますので、その際に御判断いただければと考えております。
○福井座長
 ほかにはいかがでしょうか。一色先生、どうぞ。
○一色構成員
 4番の0件で試験期間が終了したというケース、僕の理解が十分でないのかもしれないのですけれども、患者申出療養というのは患者様からの申出があって計画されて、その上で動き出したものと思うのですが、それで0件ということのてんまつについては、どういう御説明になるのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。御質問いただき、ありがとうございます。
 こちらの0件につきましては、この期間中に0件ということでございまして、当初の申出の方はここには含まれておりません。
○一色構成員
 そうすると、前期間では一定の数があったという理解でよろしいのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。説明が不十分で申し訳ございません。
 この療養につきましては、結果的には1例で終了したということで、既にこの会議におきましても総括報告書の御審議をいただいたところでございます。
○福井座長
 よろしいでしょうか。
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員
 すみません、患-3の表の見方を教えてもらいたいのですけれども、技術数が7種類というのはいいのですけれども、申出療養機関数が24施設となっているのですけれども、この24施設というのは、例えば患-3の参考資料1で見ますと、どこを見れば24施設と分かる。実施と申出というのは違うということで言いたいわけですか。そうすると、申出がすごく多いけれども、途中却下した医療機関数があるということですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。補足させていただきます。
 まず、患-3の3ページ目にあります実施医療機関数につきましては、令和元年6月30日時点で、それぞれの療養で実施できる医療機関の数の総計を示したものでございます。一方、参考資料1の一番右列にあります実施医療機関につきましては、実際に患者さんに対して療養が実施された医療機関の件数を示しておりますので、それが数字の差につながっております。回答になっておりますでしょうか。
○石川構成員
 そうすると、申出の数と実施されたものが違うということ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 あくまで、この1年間での実施件数になっておりますので、累積ではございません。
○石川構成員
 では、この1年間では実施された機関数が随分少ないということになるわけですかね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 そういう認識でよろしいかと思います。
○福井座長
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 また、ちょっと無駄なことで申し訳ないですけれども、これは昨年6月30日時点のデータですね。8か月たっての報告なので、もうちょっと短い期間で報告は難しいでしょうか。例えば、6か月以内くらいのほうが、何となく感触としてはいいのではないかと思います。どれくらい大変な作業なのか分からなくて、本当に申し訳ないですけれども、もしできましたら、そのようにお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
 ほかにもしなければ、次の議題ですが、事務局から「小児におけるがん遺伝子パネル検査後の患者申出療養に係る対応について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 患-4の資料に基づいて御説明させていただきます。「小児におけるがん遺伝子パネル検査後の患者申出療養に係る対応について(案)」とさせていただいております1枚紙の資料でございます。
 まず、1番目の現状のところでございますけれども、患者申出療養「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」。こちらは、先ほど変更申請を承認いただいた技術でございます。以下「パネル後患者申出療養」と略させていただきますけれども、こちらにつきましては、がん遺伝子パネル検査後に既承認薬として流通している分子標的薬の適応外使用を希望するも、該当する治験とか臨床試験等がなく、治療が受けられない患者様からの申出に迅速に対応するために、複数のがん種あるいは複数の遺伝子異常に対応可能な療養として、令和元年10月1日より適用開始となったところでございます。
 この一方で、現在、保険適用となっておりますがん遺伝子パネル検査につきましては、小児の患者様も対象となっているところでございます。したがいまして、パネル後患者申出療養の対象患者と同様の状況、分子標的薬の適応外使用がパネル検査の結果、推奨された患者様ということになりますけれども、こちらと同様の状況にある小児の患者様のほうから、患者申出療養の希望がなされることが想定されます。しかしながら、現在行われておりますパネル後患者申出療養の対象年齢は16歳以上となってございまして、小児の患者様は当該療養の対象外となってございます。
 仮に、こうした小児患者様からの申出があった場合には、既に告示されている患者申出療養の実施計画対象外患者からの申出として、まずはパネル後患者申出療養の実施計画の変更で対応できないかどうか、臨床研究としての適切性の観点等から、申請医療機関である国立がん研究センター中央病院で検討いただくことになっております。その上で、当該実施計画の変更では対応できないと判断された場合には、新たな患者申出療養としての申請が必要になることになります。
 こちらにつきまして、参考資料2の18ページを参照いただければと思いますけれども、この制度が開始された際に運用の詳細について御議論いただいた際の資料でございます。実施計画対象外の患者について(案)としている横書きの資料がございますけれども、こちらの1マル目からです。既に実施されている患者申出療養の実施計画対象外の患者から申出があった場合に、実施計画における対応として、このマル1、実施計画そのものを変更することによって対応する場合と、マル2、新たな計画を作成することによって対応する場合、この二通りが考えられるとされております。
 2つ目の丸ですけれども、いずれの方法を選択するかについては、臨床研究を適切に実施できるかどうかの観点から(当初の意見書を作成した)臨床研究中核病院が検討し、判断することになるとされており、まずは実施計画の変更で対応できないか検討することとしてはどうかという形で挙げさせていただいております。
 3つ目の丸のマル1のところですけれども、既に患者申出療養として実施されている実施計画を変更する場合には、当該療養が依拠したエビデンスの範囲から逸脱しないこと。また、当初の計画の骨子が大きく変わらないこと、この2つが成り立つことが必要とされております。こちらは、患者申出療養制度開始当初に、この会議で御議論いただいたところと認識しております。
 患-4の資料にお戻りいただきまして、2番目の課題のところでございますけれども、パネル後患者申出療養の実施計画対象外の小児の患者様から申出があった場合に、当該療養の実施計画の変更に係る検討、こちらは国立がん研究センター中央病院で行っていただくことになりますけれども、一定程度の期間が必要となるかと思います。しかしながら、このパネル後患者申出療養、この会議でも何度か御議論いただいたところでございますけれども、申請書類の作成でありますとか、CRBの審査の期間の短縮を目的に、この療養が開始になった経緯を踏まえまして、小児の患者様からの申出に関しても、申出から治療開始までの期間をできるだけ短縮することが望まれるのではないかと考えております。
 したがいまして、3番目、対応(案)のところでございますけれども、パネル後患者申出療養の実施計画対象外の小児の患者様からの申出を想定した実施計画の変更につきまして、申請医療機関である国立がん研究センター中央病院において、あらかじめ検討を進めていただくこととしてはどうかとさせていただいております。
 2つ目の丸ですけれども、当該療養の実施計画変更の適切性・妥当性につきましては、この会議で改めて御審議いただくことになるかと考えております。
 事務局からは以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして御意見、御質問等ございませんでしょうか。先に天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。
 私からは3点ございます。
 1点目ですが、今、事務局が御提示いただいた対応(案)については、ぜひ進めていただきたい。特に、小児の患者さん、いろいろな遺伝子変異が見つかっている患者さんがいらっしゃる一方で、なかなか治療薬等にたどり着けていないという現状もありますので、こういった部分でぜひ進めていただければというのが1点目でございます。
 2点目が、1点目に関連してですが、この対応自体、もちろん重要ですし、進めていただきたいと思うのですが、そもそもの話として、小児がんに限らず、小児の疾病の患者さんは、成人における治療薬の開発が、海外等では小児と同時に行うということがあらかじめ定められているような国もある一方で、国内では、そもそもそういった環境にないという現状がある中で、小児の方を対象とした未承認薬とか適応外薬の治療開発が進めがたいという現状があるかと思います。
 なので、患者申出療養制度において、今回このような対応をしていただくのは、当然というか、ぜひ進めていただきたいという一方で、そもそも論として、小児の患者さんを対象とした未承認薬や適応外薬の開発の在り方について、何らかの抜本的な対応を進めないと、こういった問題は今後、モグラたたきのように出てくるだろうということが予想されるので、中長期的な話になるかもしれませんが、非常に重要な点だと思うので、ぜひ御検討いただきたいというのが2点目です。
 3点目が、今回、小児についてお話をいただいていますが、がんの領域では成人においても同様の話がたくさんありまして、特に遺伝子パネル検査が保険適用されてから、治療薬の候補薬が見つかる患者さんがたくさん出てきています。もちろん、治験に参加できる患者さんも一定数いらっしゃる一方で、治験に該当しない、参加できないという患者さんもいらっしゃいます。
 そういった場合、拡大治験ができないのかということを考えるということがありますが、主治医を通じてというのはハードルが高くて、一患者さんにはなかなか対応が難しいという場合もありますし、それも難しいとなると、患者申出療養制度となりますが、現状の患者申出療養制度は、まだまだ事務的な手続、書類等も含めて、非常に事務負担が大きいと現場の先生方から聞いております。患者申出療養制度がそもそも導入された時期は、国民皆保険を堅持するということ、また科学的根拠の乏しい新規治療が野放図に入ってくるのを防ぐという目的があったと理解していますので、この制度設計自体の重要性は理解しております。
 一方で、患者申出療養制度が構築された時点とは医療環境が大きく変わってきている部分もあるかと思います。特に遺伝子パネル検査等、新しい、一定の科学的根拠をもって、新規の治療薬の候補薬が見出される医療というのは、患者申出療養制度が創設された当時は必ずしも想定されていなかった状況だと思いますので、今後、そういった当初の理念は堅持しつつも、患者さんがより早く新規治療薬にアクセスできるよう、事務負担や書類等の軽減等を事務局のほうで継続的に御検討いただきたいと願います。
 私からは以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 五十嵐先生、どうぞ。
○五十嵐座長代理
 今の天野構成員と少しかぶるところがあるのですけれども、まず初めに、このがん遺伝子パネル検査が小児がんの患者さんにも適用されることになるということで、これは大変感謝したいと思います。
 しかしながら、この患者申出療養というのは、先進医療と同じように診療報酬の算定方式の例に基づくとされているわけですけれども、それはつまり、薬の用法用量については、添付文書に記載されている内容がベースになるわけです。しかし、我が国で販売されている制がん剤あるいは免疫調整薬の多くは、いまだ小児の用法用量が添付文書に記載されていないものが大半ではないかと思います。確かに「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で、海外で承認されている我が国の薬の小児への使用が認められているわけですけれども、残念なから、制がん剤に関しては、それがなかなか進んでおりません。
 ですから、そういう状況の中で、もしこのがん遺伝子パネル検査で有効性の高い薬が判明して、何とか治療薬にたどり着く可能性が出てきたときに、添付文書に小児への適用がないという薬でありましても、使えるように御配慮いただくことを考えていただきたいと思います。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 直江先生、どうぞ。
○直江構成員
 事務局から出していただいた、この小児の問題というのは、非常に重要だと思います。そういう意味で、私もぜひ進めていただきたいと思うのですが、患者さんは待てない。患者さんが発生して、申出から実際の医療までをどう短縮するかということで、あらかじめ国立がん研究センターのほうでプロトコールを用意しておくということでございますので、今回も小児の患者さんが発生した、申出があったというところから始めるのではなくて、現在ある薬を網羅的に小児のプロトコールを同時に作成しておくということで、用意いただいてはどうか。
 その場合に、今、五十嵐先生からお話があった、小児用の用量がないものをどうするか。これは、これでまた一つの議論があると思いますけれども、昨今の分子標的薬も、先ほど天野構成員からありましたように、小児も同時開発ということで書いてある薬も少なくはない。書いてあるものも結構あるということでございますので、できるところからやってほしいなと思います。
 もう一つは、これは小児に限らないのですが、先ほど事務局からもあったように、実施研究を変更することによって対応するというやり方と、新たに計画を作って実施するということがあって、先ほどの待てないという場合に、分子標的薬は日進月歩ですね。ということで、どんどん有望な薬が出てきたときに、国立がん研究センターだけで全部対応できるのかどうか。せっかくがんゲノム中核が、何か所でしたか、全国にありますので、そういうところで目の前に患者さんがいた場合に、そこでも対応していただくように、新たな計画を作成することにちゅうちょしてはいかぬと私は個人的に思います。
 ただ、非常に希少な方でございますので、その薬が各拠点でその後ずっとプロトコールを管理できるかという問題がございますし、最終的には国立がん研究センターのほうで、それを集約化するといいますか、まとめるという作業も同時に必要になってくるのではないか。そういうことを今後は考えていく必要があるだろうという、その2点、意見を述べさせていただきます。
 もう一点、ちょっと小児のほうに戻りますけれども、現状はどうなっているか。五十嵐先生、よく御存じだと思いますけれども、小児の場合は、院内の倫理委員会などで、適応外、適応という、ちょっと厳しい委員会をやりまして、この患者さんはこれしかないのだから認めようということになって、メーカーが提供してくれる場合や研究費で買う場合もいろいろあるのですけれども、それの問題点というのは、データが蓄積していかないし、それから、メーカーに対して、そのデータを用いて申請材料に使うことができないということで、1例限りの経験にしかすぎないという欠点がございますし、せっかくこのような患者申出療養制度ができた以上、活用してもらえるような制度にしないといけないだろうということでございます。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 山口先生、どうぞ。
○山口構成員
 小児に関しては、多くの場合、用量用法がないというのは2つ理由があって、1つは、有効性が分かっていないということ。もう一つは、安全性の問題だと思います。特に、成人と違って、小児の場合には発育の問題もありますし、こういうことをどうしたらいいかということを国立がん研究センターだけで判断できるかというと、なかなか難しくて、小児に関しては、成育医療センターとかと一緒になってやらないとまずいのではないかと思うので、そういう仕組みを作っていただきたいと思います。
○福井座長
 直江先生がおっしゃった、1人の患者さんの経験に留まることを全国の病院から集める仕組みを作れば、少し変わってくるのではないかと思うのですけれども、厚生労働省が何かサポートしていただければ。
○治験推進室長
 小児開発に関して、いろいろ御意見いただいていますけれども、現状と、これからやろうとしている点、ちょっと簡単に御説明しますと、例えば小児開発という点で見た場合に、今、お話が出ましたけれども、未承認薬検討会議という枠組みで開発要請をかけるという仕組みと、あとは、日本小児科学会を中心とした研究費を使った承認薬の開発を促進するスキーム。もう一つは、これは保険の話になりますけれども、承認薬に対する加算という形でインセンティブはこれまで幾つか用意してきているところでございます。あと、PMDA等でも、例えば小児領域というのは基本的には優先相談の対象になっていたと理解しております。
 幾つかメニューとして、インセンティブとしては用意しているのですけれども、これから新たに2つ加わるのがありまして、1つは、これは他局の話ですが、医薬のほうで薬機法を改正いたしました。薬機法を改正して特定用途医薬品という制度を作っています。これは、特に小児領域はそこのターゲットには入ってくるのですけれども、すぐれた小児用途の医薬品の開発に対して、現行のオーファンドラッグと同じような国の公的支援を与えるという制度でございます。こういうものがまず1つ加わるという点と。
 あるいは、これは医政局の担当になるのですが、臨床研究中核病院という制度がございます。この中で、小児領域もそこに含まれますけれども、特に開発が進みにくい領域を対象にした臨床研究を進める中核病院というカテゴリーを新たに設けることを決めまして、今、それの省令改正の準備をしているところでございます。
 ですから、こういういろいろなメニューを有機的に組み合わせていくと、実はもっとすごい成果が出てくるのではないかと考えておりまして、そこはこれから事務局のほうでも、どうやって有機的にこれらのメニューを組み合わせていくかという点を考えていきたいと思っております。
 以上です。
○福井座長
 そういう全体像を常に把握できるような、また報告していただけるような仕組みがあるといいと思いますね。
 ほかにはいかがでしょうか。
 ただいまの議論とも関係するのですけれども、先ほどの患-3の資料にもありましたけれども、平成27年からこの患者申出療養が実際始まって、件数といいますか、技術だけですと7件、それから患者さんの数も29年からの1年間は111人でしたのが、昨年6月までの1年間では38人と、ちょっと減ってきているようにも思われますし、当初、私が個人的に思ったほど患者申出療養が使われていないのではないかと思われます。
 先ほど天野構成員もおっしゃいましたけれども、ハードルがいろいろなところで高く感じられるところがあるのではないかと思います。患者さんのレベルなのか、医療機関のレベルなのか、いろいろなところで。そのハードルを少し低くできるような工夫が何かあるといいなと思いますけれども、感想で申し訳ない。具体的にこの点をこうだと言えなくて申し訳ないですけれどもね。
ほかにはよろしいでしょうか。
 それでは、本日の議題の残りは「その他」となっておりますが、事務局から何かありますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 先ほど天野構成員から指摘いただきました事務的な手続等、この患者申出療養をどう活用していただくか。今回の会議でも様々な先生方に貴重な御意見をいただいたところでございます。特に、天野構成員からいただきました事務的な手続に関しましては、制度全体にも関わってきます。事務局としてもしっかりとこの制度を活用していただけるように、できるだけ手続等の負荷軽減についても考慮していければと思いますので、引き続き御意見のほどよろしくお願いいたします。
○福井座長
 患者さんのへ周知のレベルはどうでしょうか。こういう仕組みがあるということは、先生、医師を介して知る場合がほとんどでしょうか。何かそれ以外に、こういう制度があるということを患者さんのほうにももうちょっと知ってもらえる方法があるといいなと思うのですけれどもね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 少し前のお話になってしまうのですけれども、去年の3月に患者申出療養のパンフレット等も刷新しております。また、特定機能病院等に患者申出療養の窓口も設置していただいているところではございますけれども、そちらで実際の患者様の相談に携わる相談員の方々に対して、年に1回の研修等も行っているところでございます。
 引き続き、患者申出療養制度の普及にむけて、周知も含めて、取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○福井座長
 どうもありがとうございます。
 ほかには、構成員の先生方から、よろしいでしょうか。
 それでは、事務局から次回の日程について、お願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 次回の日程でございますけれども、日程調整の上、後日連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 それでは、第20回「患者申出療養評価会議」を終了いたします。
 本日は、お忙しいところ、ありがとうございました。
 

 

 

 

 

 

 

(了)

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