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2019年7月10日 患者申出療養評価会議議事録

○日時

令和元年7月10日(水)14:00~

 

○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンターホール13B(13階)
 

○出席者

【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 石川構成員 一色構成員 上村構成員 
新谷構成員 大門構成員 田島構成員 寺田構成員 成川構成員 原田構成員
松井構成員 山口構成員 山崎構成員
 
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他

○議題

1 遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養に係る事前評価等について
  (患-1)(別紙1)(参考資料1)(参考資料2)
 
2 患者申出療養の中間報告について
  (患-2)(別紙2)(机上配布資料1)
 
3 患者申出療養の定期報告等について
  (患-3)(別紙3)(机上配布資料2)(机上配布資料3)
 
4  その他

○議事

13:59開会


 

○福井座長
 定刻より少々早いですけれども、本日ご出席の構成員の皆様全員がおそろいですので、「患者申出療養評価会議」を開催したいと思います。
 先生方の出欠状況ですが、本日は、田代構成員、手良向構成員、直江構成員よりご欠席との連絡をいただいております。
 本日欠席されます構成員からは委任状の提出をいただいておりまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされています。
 次に、事務局の異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、4月1日及び7月9日付で事務局の異動がございましたので、ご紹介させていただきます。八神敦雄審議官でございます。
○審議官
 八神でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 岡田就将医療技術評価推進室長でございます。
○医療技術評価推進室長
 よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 喜多昭介先進・再生医療迅速評価専門官でございます。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 和泉誠人医療課長補佐でございます。
○医療課長補佐
 お願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 枝園和彦研究開発振興課長補佐でございます。
○研究開発振興課長補佐
 よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、資料の確認をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 頭撮りにつきましては、ここまでにさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。まず、議事次第、座席表、委員名簿をおめくりいただきまして、患-1としております資料がございます。こちらについては別紙1のホチキスどめの資料及び参考資料1、2がついてございます。続きまして、患-2としております1枚紙がございます。こちらには別紙2がついてございまして、さらに構成員・事務局限りとしまして机上配付資料1をお配りしてございます。最後に患-3とする資料がございまして、こちらには別紙3及び机上配付資料2と3がついてございます。
 資料の確認は以上でございます。資料について、不足、誤り等がございましたら事務局までご連絡ください。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。申請書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料のページまたはタブレットのページとあらかじめご発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○福井座長
 資料等につきましてはよろしいでしょうか。よろしいですか。
 それでは、今回検討対象となります技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局から報告をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しての利益相反についてご報告いたします。天野構成員、寺田構成員、成川構成員、松井構成員、山口構成員より、今回評価を行う遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養について報告がございました。
 松井構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届け出に係る医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないことになります。
また、成川構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が500万円以下でありましたので、同運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないことになります。
 最後に、天野構成員、寺田構成員、山口構成員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、同運営細則に基づきまして、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わっていただくことが可能であります。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 そのほかの出席されている構成員におかれましては、ただいま説明がありましたような事例はないということでよろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、議事次第にございます1番目「遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 では、患-1に従いましてご説明申し上げます。○の一つ目、「がん遺伝子パネル検査後の治療について」でございますが、がん遺伝子パネル検査としましては、今年6月に2種類の製品が保険償還されまして、また、先進医療としましても別途2種類のがん遺伝子パネル検査が現在も実施されているところでございます。
 ○の2つ目、がん遺伝子パネル検査の結果、何らかの遺伝子異常が見つかったがん患者さんに対しましては、該当する治験または臨床試験等が実施されている場合には、その紹介を各医療機関が行っているところでございます。
 ○の3つ目、しかしながら、このような対応を行いましても、パネル検査の結果、効果が期待できる治療薬が見つかりながら、治療が受けられない患者、例えば希少がんや試験の適格基準を満たさないような患者、そういった方が生じた場合には、患者申出療養として申請がなされる可能性が高いと考えられます。
 こうした患者からの申請に迅速に対応するため、平成30年11月22日の患者申出療養評価会議での協議をふまえまして、健康局がん疾病対策課から国立がん研究センター中央病院にあらかじめプロトコルの作成を依頼することとなりました。
 2ポツの現在の研究計画書の状況についてでございますが、国立がん研究センター中央病院におきまして、遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養に係るプロトコル等が作成されまして、既に認定臨床研究審査委員会で承認されたところでございます。
 また、この試験に該当する患者からの申請はまだないところではございますが、本技術に係る審査を迅速化するために、座長の了承のもと、担当構成員には研究計画書等の事前評価をお願いしているところでございます。
 3ポツの「今後の対応について」のところでございますが、試験期間の短縮を図るために、担当構成員の事前評価結果に基づきまして、現時点でのプロトコル等の妥当性につきまして、今回の会議におきましてご審議いただきたいと考えております。
また、○の2つ目、本会議からの指摘事項につきましては、速やかに申請医療機関のほうに照会した上で、プロトコルをより適切なものへ見直ししていただくということになろうかと思います。
 最後の○になります。実際に患者さんから申請がなされた場合には、プロトコルに基づきまして、本会議におきまして再度ご審議いただくことになると思いますが、今回あらかじめご審議いただくことにより、審議結果によっては、次回の審議を持ち回り開催等で迅速に対応することも可能になるのではないかと考えております。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明の下から3つ目の○の文章にございますように、事務局の提案どおり、本会議において現時点での暫定的な評価を行うということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 (首肯する構成員あり)
○福井座長
 ありがとうございます。そのようにさせていただきたいと思います。
 それでは、今回の技術について、改めまして事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、技術の概要について説明させていただきます。別紙1の27ページ目、カラーのページをごらんいただけますでしょうか。こちらに医療技術の概要が示されてございます。まず、今回対象となる患者に関しましては、左の上の枠にありますように、承認済み、あるいは先進医療で実施中の遺伝子パネル検査で遺伝子異常が検出されまして、その結果に基づきまして、エキスパートパネルにおいて適応外の医薬品が推奨された方が対象になります。こういった方に関しましては、右矢印のほうに進みまして、治験等が既に実施されている場合にはそちらに入っていただくということになりますが、それに該当しない方の受け皿として今回の患者申出療養が計画されております。
 右下の枠が今回の患者申出療養になります。医薬品Aだけに限らず、複数のコホートで適応外医薬品の治療を行うバスケット型・アンブレラ型の臨床研究としてデザインがなされております。こちらで対象となる薬剤につきましては、賛同が得られた製薬企業から提供を受けたものになっております。
 また、研究の実施体制でございますが、左にありますように、国立がん研究センター中央病院が調整事務局となりまして、現時点におきましては、がんゲノム医療中核拠点病院で行う多施設共同研究ということになっております。
 おめくりいただきまして、薬事承認に向けたロードマップと記載された資料でございます。左の枠に今回の患者申出療養に関する詳細が記載されてございます。まず、対象でございますが、6月1日時点におきまして我が国で保険適用済み、あるいは先進医療として実施された遺伝子パネル検査でactionableな遺伝子異常を有する固形腫瘍となってございます。
 ○の3番目、評価項目でございます。主要評価項目としましては、各医薬品コホートにおける測定可能病変を有する患者の治療開始後16週までの最良総合効果に基づく奏効割合となってございまして、副次評価項目は全生存期間、無増悪生存期間、病勢制御割合、有害事象発現割合となってございます。
 予定登録期間は5年間と設定されております。
 最後の○の主な選択基準でございますが、治療切除不能な進行性の固形腫瘍が対象となります。また、4ポツ目にありますように、遺伝子パネル検査を受けてactionableな遺伝子異常を有する方。その次にありますように、それに基づいてエキスパートパネルによってしっかりと検討された方。8番目のポツになりますが、日本国内の医療機関において実施中の企業治験や医師主導治験、先進医療の対象にはならない方が選択基準となるというふうに設定されてございます。
 今回の患者申出療養のその後のロードマップでございますが、右側のシェーマをごらんいただきますと、まず蓄積されたデータをもとに、医薬品ごとに有効性の判定が行われることになります。具体的には50症例をめどに解析が行われまして、その解析の結果、高い有効性が認められた医薬品の場合には上の矢印に進みまして、患者申出療養としての研究は終了となり、企業治験であったり、未承認薬検討会議へのスキームへと進んで、薬事承認を目指すということになります。逆に有効性が乏しいといった解析結果であった場合には下の矢印に進みまして、当該医薬品の研究は終了ということになります。
 しかしながら、無効な治療を50例まで漫然と患者申出療養として継続するということに関しては、患者の安全性を考えますと避けるべきであろうということから、最低15症例が蓄積された段階で定期的なモニタリングに合わせて中間解析を行うという試験デザインになってございます。
 21ページ目には現時点での対象となる医薬品をお示ししてございます。現時点では8種類の医薬品が対象となってございまして、今のところノバルティス社のみとなっておりますが、現在ほかの企業とも交渉中でございまして、交渉次第で適宜薬剤の追加が検討されるということになろうかと思います。
 事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、事前評価につきまして、主担当を山口構成員、副担当を田島構成員と大門構成員にお願いしております。最初に山口構成員より実施体制の評価をお願いいたします。
○山口構成員
 ただいま事務局からご説明がありましたように、本来患者申出療養は、患者さんからの申し出を起点として行うべきでありますが、まだ患者さんがない状態でやるというのは、対象の患者さんが標準的な治療がないとか、あるいは標準的な治療をやり尽くして、もう次の手がないという非常にせっぱ詰まった患者さんであることが予想されます。実際今、いろんな形で遺伝子パネルの検査が行われていますので、一定の割合で必ずactionableな薬剤が見つかる患者さんが出てくることが予想されますので、こういう形で準備を進めておくことには大きな意義があると思います。したがいまして、いつもとちょっと違った面もあったのですけれども、一応評価させていただきました。
 まず、適応症につきましては、皆さんご存じのように、この検査の性格から妥当であると考えます。
 有効性は、そもそも対象の患者さんが先の非常に難しい患者さんであることから考えると、ある程度有効であることが期待されると思います。
 安全性は、100%とは言えませんので、今回は慎重に見ながらやる必要があると思います。Bといたしました。
 技術的成熟度に関しましては、どこでもできるわけではありませんが、Cほど専門家が必要なわけではありませんので、Bの当該分野を専門とし数多くの経験を積んだ医師または医師の指導下であれば行えるという判定にいたしました。
 社会的な妥当性ですが、倫理的な問題はないと考えます。
 現時点での普及性ですけれども、全く普及していないと言わざるを得ないところであります。
 7番目の将来の保険収載の必要性でありますが、将来的に保険収載を行うことが妥当。Aと考えます。ただし、患者申出療養のデータのみで広く保険収載を判定できるとは限りませんので、得られたデータをもとに、新たな臨床研究を早急に組む必要があると思います。
 2番目に患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の考え方の評価でありますが、実施責任医師、実施医療機関、その他の考え方、全て適と考えます。
 ただ、今回ゲノム医療中核拠点だけでありますので、地理的、場所によっては患者さんがアプローチしにくいということもありますので、そういう地域的な隔たりがないように、なるべく広げることを努力する必要があると思います。
 また、まだやってみないとわかりませんけれども、急にたくさんの患者さんが申し出たときに、少ない施設でそれに対応し切れるかと。せっかく申し出ていただいたのに、キャパシティーの問題でできないということがあってはいけないので、なるべく広く対象が広がるようにしていただきたいということをコメントとして書かせていただきました。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 続きまして、田島構成員より倫理的観点からの評価について、ご説明をお願いします。
○田島構成員
 倫理的観点からの評価をさせていただきました田島でございます。
 初めに、事務局に確認をさせていただきたいのですが、タブレットに収納されております患者さんに対する説明文書は申請当初のもので、指摘事項に対応して修正をしていただいた点は全く修正が加わっていないと考えてよろしいでしょうか。それとも途中で修正を入れていただいた箇所が入っているものでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 確認させていただきます。
○田島構成員
 そうしますと、説明するときにどういうふうにコメントしていいか。これを見ていただいての説明になると、ちょっと齟齬が出てくるような気もしますので。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 失礼いたしました。こちらにつきましては、当初の申請資料がこちらに入っているというふうにご理解いただければと思います。
 先生にいただいたご指摘につきましては、申請医療機関に照会しておりまして、それについては適宜修正をいただいているところでございますが、今回タブレットの中に入っております同意文書につきましては、その前の段階のというふうにご理解いただければと思います。
○田島構成員
 そうしますと、どのように修正していただいたかというのがわからない形で説明して、コメントしなければならなくなるということでしょうか。修正がきちんとなされているということを踏まえての説明ではタブレットの内容と違ってくるということで、きちんとご理解いただけないかと懸念いたしますが。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 別紙の5ページ以降に先生方からいただきました指摘事項及びそれに対する回答がございますので、それに基づきましてご説明いただけると大変助かります。
○田島構成員
 では、うまく説明できるかどうかわからないのですけれども。
 当初頂戴しました文書につきまして拝見させていただいた段階で、申請者としては短期間で作成される必要があったためかもしれませんけれども、説明文書に種々の不備があり、また、同意撤回書も作成されておりませんでしたので、別紙1の8ページから14ページまでに記載の14点について事前の指摘をいたしまして、それに沿った説明文書の改訂をしていただきました。ただ、お手元のタブレット上の説明文書はそれが全く反映されていない、もともとのものになっているそうでございます。
 修正していただいたものを踏まえまして、なお、不備がございましたので、別紙の18ページから19ページにかけて再度指摘をさせていただき、それを踏まえまして修正を加えていただいたものがございます。それを昨日拝見しまして、まだ若干の不備が残っておりましたので、その点も全て修正していただく必要があると考えておりまして、現状では不適という評価にしておりますが、残る修正箇所はかなり限定的なものになっておりますので、その点を全て修正いただければ、適として構わないというふうに評価しております。
 最終版の修正が入りました説明文書がお手元にないものですから、残る修正箇所についてのご説明をどういうふうにさせていただいたらいいのか困るところではございますが、残っておりますのは、タブレットで申しますと、104ページにございますプロトコル治療中の診察、検査項目にかかわる表に関する記載について、プロトコルのスタディーカレンダーと齟齬がございますので、それはスタディーカレンダーの説明と同様に変えていただきたいということで、プロトコルのほうのスタディーカレンダー表はタブレットの35ページにございます。アスタリスクのついております説明箇所の表記の訂正ということで、これをさらに追加して修正していただく必要があると思っております。
 2点目です。タブレットの114ページに補償に関する資料がございますが、当初の説明ぶりでは、補償の対象としております医療費・医療手当について、重篤な副作用などの健康被害、あるいは一定水準を超えるという限定を加えられていたものが、実は限定の必要がないということでございますので、限定が残っている箇所をさらに削除していただくということを求めたいと思っております。
また、全体を通して脱字や余字記載といったところもございますので、その辺の細かな字句の修正は、全体を見直してもう一回申請者のほうで最終チェックをしていただく必要があると考えております。その3点でございます。
 補償内容のほうは適の評価をさせていただいております。補償は、保険に加入されて、医療費と医療手当が支給されることになっておりまして、補償金は支払われませんけれども、被験者が治癒切除不能な進行性のがん患者で、標準治療もしくはこれに準じる治療が存在しないか、その治療が無効中止または毒性中止された場合に該当するということに鑑み、相当と考えて適といたしました。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。非常に細かいところまで見ていただいてありがとうございます。
 いずれにしましても、ここのやりとりでこのように変えますという回答はいただいていますけれども、実際にそれを変えたものを見ていないのも事実ですので、田島先生に見ていただくことと、構成員にも目に触れるように1回はしていただいた上で、ここが適になるかどうかというその手順はとる必要があると思いますので、事務局、そのようにお願いできますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 そのようにさせていただきます。ありがとうございます。
○福井座長
 では、田島先生、そういうことでよろしいでしょうか。先生がご指摘になったことをリバイスしたフォーマットにちゃんとなっているかどうかということの確認を、申しわけないのですけれども、先生にまず見ていただいて、それから構成員にも見えるようにお願いしたいと思います。
○田島構成員
 そのようにさせていただきます。
○福井座長
 よろしくお願いします。指摘項目が多くて物すごく大変だったと思います。どうもありがとうございます。
 続きまして、大門構成員より試験実施計画書等の評価について、ご説明をお願いします。
○大門構成員
 試験実施計画書を中心に確認させていただきました。本試験の実施計画書は、先生方もご覧になっておわかりいただけるとおり、JCOGプロトコルマニュアルに基づいて作成されていることもあって、基本的には入念に作成されていると考えております。ただし、幾つか確認点がございました。机上配付資料の5ページ、6ページ、7ページに私から確認させていただいた事項が示されております。事務局からもご説明がありましたように、本試験のデザインは、複数のがん種又は疾患サブセットを対象として1つの医薬品を評価するという意味では、バスケット型の試験デザインでもあります。一方で、複数の医薬品を評価するという意味では、アンブレラ型の試験でございます。恐らく今後、ある医薬品が卒業して次の評価段階に移ると同時に、別の新しい医薬品もここの試験に入ってくる可能性があるということですので、プラットフォーム型の試験とみなすこともできます。また、ここで特筆すべき点としましては、ベイズ流の事後確率を用いた評価を行うことになっております。この意味でも当該試験は最近流行のいろいろな視点が含まれた試験でございます。そのような背景もあって、特に統計的な視点で気になる点を確認させていただいております。
 簡単に説明しますと、5ページ目にお示ししますとおり、今のデザインにかかわらず常に関心の対象となるところですが、いわゆる主要評価項目が医薬品ごとの奏効割合ということで、閾値と期待値がそれぞれ20%、60%と設定されております。当初の実施計画書を確認しますと、何故これらの値が設定されたのかが少し不明瞭なところがありました。それ故、この設定根拠は何ですかと照会させていただきました。その回答としましては、臨床的な視点とともに、過去の様々な論文を引用しながら、おおよそ妥当なものであるとご回答いただいております。
 次に6ページ目です。2点目としましては、バスケット型の試験デザインに関する点です。皆様もご存知のとおり、4~5年でバスケット型の試験デザインに対する統計解析の方法が相当数提案されております一方、実施計画書では規定している統計解析の方法は、比較的シンプルでわかりやすい方法となっております。そこで、最近様々な方法が提案されているのだから、他の方法も考える余地はないですかということを照会いたしました。その回答としましては、最近の方法ががん種を部分集団とみなして統計解析を行うものがほとんどなのですが、そのがん種自体についてどれほどの例数が入ってくるかわからないということで、そういった解析方法が使えるかどうかも明らかでないということでした。個人的には、ご回答いただいた理由も鑑みながら、様々な方法が提案されているが、最善の方法がこれだという一定の見解は今のところありませんので、現在ご提示いただいている比較的シンプルな方法でよいのではないかと考えております。
 3点目としましては、医薬品ごとに奏効割合を評価するという計画ですが、当然がん種ごとに有効性や安全性が違うはずで、そこの部分に注目した解析方法は必要ないですかということを照会したのですが、これについてもどれくらいの例数のがん種がエントリーされるかも不明瞭で、特定のがん種が多くエントリーされるようなことも想定しにくいということで、がん種ごとの最新の方法を適用することはなかなか難しいとご回答をいただいております。回答としては、確かにそのとおりだろうと私は感じております。これらを踏まえまして、デザインと統計解析の方法をはじめその他の実施計画書等についておおおむね適切な形で作成されているのではないかと考えております。それゆえ、評価結果としましては適とさせていただいております。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 最後に、総合評価につきまして、山口構成員から説明をお願いします。
○山口構成員
 それでは、総合評価ですが、条件つき適といたしました。適としませんでしたのは、田島構成員からご指摘がありましたけれども、患者説明文書が適切に修正されていない、確認できていないというところが大きいので、これが適切に修正されることを条件に適といたしました。
 読んでいただくとわかるのですが、患者説明文書は確かにわかりにくくて、説明が難しいところもあったと思います。さらに言えば、大変急がされて、力が計画書のほうに行って、同意文書のほうが少し後回しになったのかなという印象を持ちました。
回答を見ますと、最初のほうは「ご返答ありがとうございました」などと書いてあるのですが、最後のほうになったら「失礼いたしました」になっていて、最後の2つは失礼したままになっているので、きちっと確認するという作業はぜひ皆様にもご協力いただいて、それをやり遂げて初めて適といたしたいと思います。
 コメントといたしましては、先ほど申し上げましたように、地域格差、キャパシティーの問題について早急に解決していただきたいということと、企業への遺伝情報の提供は一応書かれていますけれども、ぜひ天野先生とか患者さんの目から見ていただいて、こういう説明でわかるのかどうかということをご指摘いただければ大変ありがたいと思います。特にこの点がこういう試験の重要なところだと思いますので、ぜひそのあたりをご協力いただければよいということで、条件つき適といたしました。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、構成員の皆様からご質問なりご意見なり。天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 ご説明ありがとうございました。
 まず最初に、今、山口構成員からご指摘いただいたいわゆる遺伝情報等が企業に行く点については、こういった臨床試験で患者さんがよく誤解しているのが、受診している医療機関内のみでそれが利用されるというふうに誤解されている患者さんがいらっしゃいますので、それにとどまらず外部の企業等に提供される場合があり得るということはイメージしていただく必要があるので、その部分は、今、説明文書内に書かれてはいますけれども、よりわかりやすく書いていただく必要があるかなと感じたのが1点目です。
 それにつけ加えて、私からほかに3点意見がございますので、申し上げたいと思います。まず1点目です。わかれば教えていただきたいのですが、先ほど事務局のほうから複数の企業と現在交渉いただいているということで、ありがたく思っているのですが、現在ノバルティスファーマ株式会社だけがお薬が出ている状態なのですが、これは特段の理由があるのか。もしわかれば教えていただければというのが1点目です。
 2点目が費用負担の部分で、費用負担については、説明文書中に具体的な金額も含めて書いていただいているのですが、基本的に患者さんはここに示されている概算額だけでいいのかということを念のため確認させていただきたいと思います。というのは、いわゆるゲノム医療でパネル検査を通じてこういった試験に入ってくる患者さんは、現状パネル検査の状況においても、パネル検査を受けて、検査が返ってくるまでの間にがんが進行されて亡くなられるという方もいらっしゃるということで、かなり厳しい状況の患者さんが入ってくる可能性があるかと思うのですが、この患者申出療養のスキームにエントリーされて、薬剤が投与されれば、当然それに対する費用支払いが生じるというのは十分理解できるのですが、それ以前の段階で何らかの費用負担が生じる可能性はあるのかということについて、念のため確認させていただければと思います。
 3点目は、山口構成員から先ほどご指摘いただいたキャパシティーの点についてですが、現状ゲノム医療自体が保険適用された直後ですし、考えながら進んでいるというか、進みながら考えているという面があるかと思うので、現場のご苦労は大変あるかと思うのですが、ただ、患者の立場から現状を申し上げると、例えば遺伝子パネル検査についても、患者さんから伺っている話では、ゲノム医療中核拠点病院を受診している患者さん以外は、現状パネル検査を受けることは難しい状態であるとか、あとは連携病院のドクターからは、そもそもエキスパートパネルでどの程度検討いただけるかの数が十分にわからないので、そもそもパネル検査をやっていいのかどうかもわからない状況だとか、始まったばかりゆえの混乱かもしれませんが、現状、先ほど山口構成員からもご指摘いただいたようなキャパシティーの問題が既に生じていますので、その部分については特段の配慮をお願いしたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、事務局から答えられる項目についてお願いしたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 まず、現時点で、薬剤をご提供いただける企業がノバルティス社だけということについて説明させていただきます。これまで調整事務局でありますがんセンターのほうで各製薬企業と個別に相談を進めていただいているところでございまして、多くの企業からは医薬品提供について前向きな回答を得ていると聞いてございます。
 一方で、実際に契約や医薬品提供に係る具体的なところまで相談が進んで入るというのがノバルティス社だけということでございます。その一つの理由としましては、ノバルティス社が海外で既に個々の患者さんの状況次第で、いわゆるコンパッショネート・ユースのスキームにおいて同様の形で薬剤提供している。そういった実績があるということもございまして、ノバルティス社が最も話が進んでいるという状況でございます。
 費用については、現在事務局でも把握してございませんので、会議後にその点につきましては申請医療機関に照会をしたいと考えております。
 以上でございます。
○福井座長
 どうぞ。
○医療技術評価推進室長補佐
 先ほど3つ目にご指摘いただきました保険適用されているほうのパネル検査についてのキャパシティー等の状況についてですが、今、ご指摘いただきましたように、今回期中での改定ということもあって、保険適用した日から全てスムーズにいくということはなかなか難しい面もございます。これに限らず、ほかのものでもそうなのですけれども、今、順次関係医療機関等とも連携しながら進めさせていただきたいと思っております。
 また、要件上は、先ほどご指摘いただいた中核拠点病院だけではなくて、連携病院でも検査が可能ということになっておりますので、例えば必要な疑義解釈などを進めながら、適切に進めてまいりたいと考えております。ご指摘ありがとうございました。
○福井座長
 ほかにはいかがでしょうか。石川構成員、どうぞ。
○石川構成員
 質問です。まず、患-1の参考資料2で患者申出療養についてという一般的な、前から説明されているものがございます。これで見ますと、患者申出療養は、初めての医療を実施する場合、原則6週間以内ということですけれども、先ほどからの説明で、大変急がなければいけない患者さんにとっては、6週間以内とはいっても大変時間が長いわけでございますので、あらかじめ手順を決めて、なるべく速やかに決めるようにするということについては正しいのかなと思います。しかし、これは初めてのことでありまして、がん種も使う薬も決まっていない状況の中で、患者さんというのは個別性があるわけですから、一定のルーチンの議論の中で処理していくということについては大変リスクがあるのではないかと思います。患-1の参考資料2の表で、どこがどういうふうに短縮させられるのかということも含めてご説明いただきたいということであります。患者さんのリスクということについては最大限減じていかなければいけないので、そこら辺をおろそかにしてはいけないと考えております。
 2つ目は個人情報の問題で、同意文書の中に、製薬企業に対して提供する可能性がありますが、直ちに個人を特定できる情報は含まない形で提供します、こういう文面があるのです。直ちにということは、いずれわかるのかということを意味しているのかどうかということです。タブレットの108ページにプライバシーの保護についてというのがあるのですけれども、これがもしそうだとすると、田島先生も恐らく目を通しているのかもしれませんが、私は不適当ではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○福井座長
 それでは、2点目からよろしいですか。
○田島構成員
 ただいまの「18.プライバシーの保護について」の項目で、「ただちに個人情報を特定できる情報は含まない」というところの「ただちに」というのは、今ならどうか、先に行けばどうかという問題ではございませんで、これについては、特別な識別番号によって情報を伝達するということを説明文書に書き込むという回答をいただいて、そのようになっておりますが、それで不足でしょうか。
○石川構成員
 ここの文面でそういうことは書いてありますか。製薬企業に対しては特別なIDだということは、ここでは読み込めないのですけれども。
○田島構成員
 恐れ入ります。先ほどご説明の際に申し上げたように、修正されたものが提出されておりますけれども、これは最初の提出資料ということで、今、ご提示できないのは大変申しわけないのですが。
○石川構成員
 これだったら完全にボツだと思いますね。
○田島構成員
 はい。
○福井座長
 後日確かめていただく項目ということでお願いします。
 それでは、最初のご質問のこのプロセスの中でどこが短縮されるのかを含めて。よろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 まずは資料に不備がありまして、失礼いたしました。
 1点目のどこが短縮されるかということについてですが、今回あらかじめプロトコルをつくっておくことによりまして、従来であれば患者から申し出があって、そこから患者申出療養が本当に妥当かどうかということが各医療機関、あるいは患者申出療養窓口のほうで検討され、その後に臨床研究中核病院のほうで計画書が作成されて、そして申請が上がってくると。そういった経緯をたどるかと思います。その期間につきましては平均では数カ月間かかっておりますので、そちらをまずは短縮できるものと考えてございます。
また、患者が国に対して申し出を行うというところから、患者申出療養の実施につきましては原則6週間となっておりますけれども、こちらにつきましても今回あらかじめご審議いただくことにより幾らか短縮できるのではないかと考えてございます。
 具体的な数字を述べますと、例えば患-1の1枚紙に戻っていただきますと、今回がんセンターのほうにプロトコルの作成を依頼したのが昨年の11月となっております。それから今回作成に至るまでに半年間程度かかっておりますので、その期間が短縮できたのではないかと考えている次第です。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員
 そうすると、どの部分で短縮するということによって、先ほどちょっとご説明したのは、患者さんにリスク、がん種も決まっていない、使う薬もわかっていない段階で6週間短縮するときに患者さんにリスクはないのですかということもお聞きしたわけです。そうすると、後でパネル、遺伝の解析からどの薬が合うというプロフェッショナルな形の会議があるので、そこにこのリスクの責任を持っていくのかどうかということですね。この会議ではいろんなリスクに対してかなり克明に検討していると思うのです。認可されていない薬を使う可能性もあるということならば、かなり注意してやっているはずですね。先進医療会議もそうです。それを短縮することによって、合う薬があるという会議、エキスパート会議にかなりの責任を委ねた形でやるのかどうかということですよ。患者申出療養というのは、もう既に短縮するルートがあるから、詳細にやるのではなくてということになるのかどうか、そこを心配しているわけです。おわかりですか。
○医療課長
 その話は、当然ご心配があると思いますけれども、基本的にこの患者申出療養会議の中で一応こういうプロトコルがあるよということを私どもが提示することによって、エキスパートパネルで議論されるときに、この薬がもしかしたらこの患者さんに合うかもしれないといったときに、今のこのプロトコルを審査ができていない段階では、患者さんに対してそれを1つの選択肢として提示することもできないというところでございます。
 ですので、エキスパートパネルの中で議論するときに、この薬が合うのだけれども、それは今、保険でも認められていないという状況で提示をするのか、それとも、いや、この薬は本当は合うと思う。そしたら、この患者申出のこのスキームというのは実は使えますよということが患者さんに提示できるかというところが、まさに今日ご審議いただいたところのプロトコルの意義、事前審査の意義だろうと思っております。
○福井座長
 よろしいでしょうか。
 恐らくエキスパートパネルでのディスカッションそのものにここでの議論は影響を与えないわけですね。もともとエキスパートパネルの役割は変わらないように思います。どうぞ。
○石川構成員
 そうしますと、この図柄でいきますと、どこにエキスパートパネルの会議を置くのでしょうか。普通は中核病院のところから、この患者さんにこういう薬を使いたいと。これは今の保険の療養ではできないということで患者申出になるわけですね。そうすると、原則6週間の上ですね。そうすると、エキスパート会議は原則6週間の上でやるということですね。
○医療課長
 そうです。
○石川構成員
 では、今、短縮するというのは、原則6週間というところだけ短縮するのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 今回の試験デザインに関しましては、遺伝子パネル検査の結果をふまえ、エキスパートパネルでこういったお薬が推奨されるということが提示され、それが今回のプロトコルの対象として当てはまる方に関してはこの試験に入っていただきますし、そうでない方に関しては入れないということになります。
 今回、患者申出療養の中でエキスパートパネルがどこに入るかという説明になりますと、なかなかそれは説明しづらいところではございますが、この技術が認められた際には、その後、個別にエキスパートパネルの結果に基づいてこの試験に入れるかどうかというのが検討されることになろうかと思います。
○福井座長
 どうぞ。
○石川構成員
 今までのやり方ですと、エキスパートパネルで患者さんの個別性から、そのパネル検査の結果からこの薬が合っているのではないかというのは、今までの中核病院の申し出と同じだと思うのです。そうすると、原則6週間の前までがその計画書がつくられる。それはエキスパート会議でつくられるということになるのではないですか。そういうふうに思っていたのですけれども。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 最初の1例目の方に関しましては、先生がおっしゃられるように、エキスパートパネルの結果を経て、この技術に該当する方の申出をもってこの技術が後日正式に申請されることになるかと思いますが、それ以降の2例目、3例目につきましては、既に走っている研究計画に合致する方に関しては本技術の対象となりますし、そうでない方はならないという考え方かと思います。
○石川構成員
 では、がん種も薬もまだ決まっていないのに、同じルートで、例えばここがどういうふうに許可するのかわからないですけれども、今みたいに主担当と副担当2人お決めになってやるのかわからないですが、そういうやり方でやるということを提案しているわけですね。2例目からは右側の分だと。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 説明不足で申しわけありません。今回の技術につきましては、従来のような1対1対応にはなっておらず、パネル検査の結果に応じていろいろなお薬で対応できる、バリエーションを持ったプロトコルになってございます。すなわち、Aというお薬が候補になる患者さんも、Bというお薬が候補になる患者さんも、先ほどお示ししたリストにあるようなお薬がエキスパートパネルによって推奨される、そういった方に関しましてはこの試験に入ることができるということになります。そのため、その都度こちらでご審議いただくわけではなくて、適格基準にしっかりとおさまる方に関してはこの試験の対象となると考えていただいてよいかと思います。
○福井座長
 恐らくいろいろな病気の人が対象になるというのは、バスケット方式で評価しようというもので、今回の患者申出療養を新たにそういうスタイルで行うというわけではなくて、同じ薬であっても違うがん種に効果があり得る、そういうスタイルの研究があって、それに入る人を今、決める、そういう役割を果たしているのがこの患者申出療養でして、やり方そのものについては、既にでき上がっているものを用いるというふうに理解しているのですけれども、いかがでしょうか。山口先生。
○山口構成員
 これは原則6週間のところでなくて、そこに行くまでのプロセスを簡便化したのだと思うのです。というのは、ご存じのように、これをやったら半年ぐらいかかりますから、それをメーカーと交渉していただいて幾つか使える薬を選んで、こういう形でやりますよということを示していただければ、この前のプロセスが非常に狭まって、例えばこういう情報もエキスパートパネルに流して、こういう受け皿がありますよということを提供すればスムーズにいくのではないかと僕は理解していました。
 そうでないと、これがなかったら恐らく大変なことになると思うのですよ。患者さんが申し出て中核病院に行って、そこで研究計画書をつくって、そんなものは数週間でできるはずがありませんし、しかも相手がないとだめですから、その相手を探すのも大変です。会社と交渉ということになるともっと大変ですから、そういうことをまとめてやっていただいて、とにかく前に進めたいというのがこの趣旨だと思います。
○福井座長
 上村構成員、どうぞ。
○上村構成員
 済みません。私自身もちょっと混乱してしまったのですけれども、これはまだ患者さんがいないので、患者からの申し出がまだないという理解でいいのですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 はい。
○上村構成員
 ということは、今、審査しているプロトコルというのは、あくまで患者申出療養の案であって、まだ本格的な申請ではないと理解してよろしいのですか。そうすると、事前にこの案を審査しておいて、将来的にこの枠を使ってどなたか患者様が申請をしたいということがなされた時点において、もう一度改めて法的な意味での申請がなされると。その段階においては、我々としてはもう既にある程度この枠組みを審査しているので、このプロセスについてはかなり短縮ができるだろうと。そういうことで今回審査をしているということでよろしいのでしょうか。確認です。
○医療課長
 そのとおりでございます。
○福井座長
 患-1の一番下の○の文章が、先生が今、まさにおっしゃったとおりでして、実際に患者からの申請がなされた際には、今回つくっている研究計画書等に基づいて、この会議で再度審議をするという手続になります。ですから、その審議に入るまでのさまざまな準備をあらかじめしておこうというものでありまして、これが通ったから、そのまま申し出された患者さん全てがここでの審議なく入るというものではないということだと思っていますけれども。
 成川構成員。
○成川構成員
 実際患者申出療養のもとで個別の患者さんに始まるとしたときに、それぞれの方にどういう試験治療がされるかというのは、エキスパートパネルというところで推奨されて、それが使われるということですが、私は遺伝子パネル検査のスキームに詳しくないのですが、エキスパートパネルというのは、そもそも固有名詞なのですか。それとも一般的な名称で使われているのでしょうか。特定されるのですか。
○福井座長
 どうぞ。
○医療技術評価推進室長補佐
 エキスパートパネルにつきましては、健康局のほうで出されている通知のほうで使わせていただいておりまして、実際に「エキスパートパネル」という言葉で、どういった職種の人がどういったことをやるかということも通知のほうで示させていただいておりますので、「エキスパートパネル」という名称で一般的に使われているという認識でございます。
○成川構成員
 そこでの推奨というのは、まさに個別の患者さん、1対1で明確なリコメンデーションというのが出されるという想定でいいですか。
○医療技術評価推進室長補佐
 患者さんそれぞれの遺伝子情報に基づいて、こういった薬や治験があるとか、薬でもいろいろな種類があると思うのですけれども、そういった情報を提供するというような役割でございます。
○成川構成員
 わかりました。
 では、もう一点。となると、6.1のプロトコル治療のところに各患者さんへの治療内容が実際どうやって選ばれるのかというのをきちんと特定をしておいたほうが。中身でなくて、その手続です。そのほうがいいのかなと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ご指摘ありがとうございます。その点につきましては、申請医療機関のほうに確認させていただきたいと思います。
○福井座長
寺田構成員、どうぞ。
○寺田構成員
 リストに挙がっている医薬品は先ほどノバルティス社ということで、海外で実績があるということで理解はできたのですが、患者さんの説明文書を読むと、遺伝子変異にあったお薬だったらどういったお薬でも使えるような書きぶりになっているのですが、今後の方向で、これは各企業とのいろんな交渉がうまくいかなければ、そのお薬はこの制度で使えないということなのか、あるいは各企業と交渉がうまくいかなかったとしても使えるのか。あるいは企業との交渉がうまくいけば、このリストがどんどんふえていくことになるのか。その辺の見通しを教えていただけますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ご指摘いただきありがとうございます。先ほどもご説明させていただいたとおり、ほかの企業とも現在交渉中ということでございまして、そこでうまく相談がすすみ、薬剤提供についてご同意いただいた場合には適宜薬剤が追加になりまして、その都度プロトコル改訂をするということになるかと思います。一方で、企業に賛同が得られなかった場合については、今のところはここには入らないということが想定されますが、それについては今後また検討していくことになろうかと思います。
○寺田構成員
 一部患者さんの説明書に有償でと。有償の提供だとしてもこのプロトコルには入れない。自分でそのお金を払ってお薬を買うという形になるのですけれども。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 有償・無償ということに関しましては特に制限なく、交渉をすると聞いております。
○福井座長
 よろしいですか。松井構成員、どうぞ。
○松井構成員
 出口戦略についてお聞きしたいのですけれども、今回1つの薬剤について、一応上を50例というところで区切っておられて、先ほど最低15症例ごとに解析予定とおっしゃっていたのですが、ただ、余り上限を設けていないというのが原則になっているとすると、この患者申出で仮にデータが積み重なって、公知申請に持っていくとかそういうことにすると、結局、企業が治験をしなくても保険償還がされていくということで、企業がさらに治験をやらなくなるというのが危惧されるのですが、そういう意味では、患者申出の中でこの研究に限らず、どこかのタイミングで例えば薬剤提供した企業にきちっと企業治験をするというところをひもづけるとか、何らかのそういう対策が要るのではないかなと思うのです。そうでないと、被験者の方が身銭を切りつつ、しかもリスクを負って企業のためになるようなデータをつくって、公知申請で償還されていくという、非常に正義にはかなわないようなスキームになることが危惧されますので、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○福井座長
事務局のほうから何か。
○医療課長
 当然ながらこのプロトコルについては、そういう形でだらだらという形にならないように症例数の上限、こういう場合には有効の中止、無効の中止というものを設けているプロトコルになります。それで、当然その成果をもって未承認薬、企業のほうに治験なり、きちんとやっていただくようにお願いをするということになると思います。
 そうでない場合には、未承認薬・適応外薬検討会議のほうに上げて、そこできちんと企業のほうに薬事申請をするような形を求めるという形になると思いますので、通常の適応外で使っているお薬に関して、こういう形で企業に薬事申請を求めるスキームに流れていくのだろうと思っております。ですので、これが進むことによって、治験をせずにどんどん広がることがないような形にさせていただいているということでございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかに。一色構成員、どうぞ。
○一色構成員
 話が戻って恐縮です。先ほどの寺田構成員のご質問とちょっと絡むのですけれども、費用についてのところで有償、無償の両方があり得るという記載があって、ノバルティス社が提供しているという言葉が出ているところですが、提供しているということは、無償という意味ではないのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 「提供」という言葉がすなわち無償提供を指すというわけではございませんが、ただ、ノバルティス社に関しましては、今、無償提供としてご賛同いただいていると聞いております。
○一色構成員
 そうすると、先ほどご質問があった他社のお薬については、無償での提供を交渉中ということなのですね。だとすれば有償であれば、ここに記載してある薬剤以外もプロトコル上使用可能とされているという理解になろうかと思いますけれども、その辺を明確にしていただく必要があるかなと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 説明が不十分で申しわけございませんでした。現在、その交渉につきましては、無償提供という形での交渉を進めているということでございますが、ただ、このプロトコルに関して無償、有償を限定するものではないという説明が適切かと思います。
○福井座長
 それでは、ほかの薬は有償で使うことが可能ということですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 そのようなことも想定されるということでございます。
○福井座長
 そのようなつくりとのことです。
 ほかにはいかがでしょうか。
 先ほど成川構成員がおっしゃった患者さんの適格基準の話、どういう患者さんを組み入れるかについて、もう少し細かくとおっしゃったのでしょうか。
○成川構成員
 いえ、そうではございませんで、実際の試験治療というのがプロトコルに書いていないのです。ただ、今回の場合は事前に決められないですね。ですけれども、それがどう決まるかという手順といいますか、スキームを書いておく必要があるのではないかと思ったのです。
○福井座長
 これは固形腫瘍で、治癒切除不能な進行性の病変の方というその2つの言葉でエントリーするということにはなっているのですけれども。
○成川構成員
 私が申し上げたかったのは、要するに、プロトコルにはそれぞれの方に使われる薬の決定手順を書いておかないとまずいのではないかなと。というのは、プロトコル治療のセクションには「エキスパートパネル」という言葉自身も出てこないのですよ。
○福井座長
 事務局、どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先生がおっしゃられるように、エキスパートパネルで推奨されている薬剤があるかどうか、そういった判断をもとに今回の試験に入っていただくということになっておりますので、そのあたり、もう少しプロトコルに明確になるように照会をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。
 恐れ入りますけれども、成川構成員、松井構成員におかれましては、審議に加わることができませんので、一時ご退室をお願いいたします。
 (成川構成員、松井構成員退室)
○福井座長
 それでは、ただいまのご議論を踏まえましてまとめたいと思います。幾つか申請医療機関に対して照会していただく点もございましたし、特に田島構成員が扱われた同意説明文書について訂正したところをまだ我々自身も見ていないということもございますので、それらを含めまして見直しを行って、それをもう一度審議するということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。よろしいですか。
 (「はい」と声あり)
○福井座長
 それでは、事務局、よろしいですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 はい。
○福井座長
 そういうことで、よろしくお願いいたします。
 成川構成員、松井構成員に入室していただければと思います。
 (成川構成員入室)
○福井座長
 松井構成員はそのまま退席されたそうですので、続けたいと思います。
 それでは、議題の2にございます「患者申出療養の中間報告について」、まず事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、患-2の資料に基づきまして説明申し上げます。患者申出療養告示1番「パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法」につきましては、先行して先進医療Bとして実施されたランダム化比較試験において標準治療に対する優越性が示されなかったことを受けまして、第10回の本会議におきまして中間報告を求めるべきではないかとのご指摘がありました。
本指摘を受けまして、第12回の会議におきまして今後の対応についての議論を行い、申請医療機関に関して有効性の評価を含めた中間解析を行うようご指示をいただいたところでございます。その後、申請医療機関と事務局のほうで協議を行いまして、今回申請医療機関より中間報告書が提出されたという経緯でございます。
 事務局と医療機関とのやりとりでございますが、別紙2をごらんいただけますでしょうか。1ページ目の回答の1段落の最後の3行目ぐらいになりますが、中間解析を行うとなりますと、もともと患者申出療養につきましては、研究に係る費用については、患者申出療養に係る費用として患者負担とできることになっておりますので、新たに解析を行うと患者さんへの費用負担が追加で発生してしまうことになります。そのために、もともと設定されておりました最終的な主たる解析を前倒しして行うといった提案が医療機関からあった次第です。
 ただ、おめくりいただきまして、3ページ目の枠に囲まれた部分になりますが、最終解析を繰り上げて実施した場合には、臨床研究法下の特定臨床研究として行われている本患者申出療養についても終了してしまうことになりますので、現在治療継続中の患者さんが保険外療養併用制度を活用できなくなるといった不利益が出てしまうのではないかということで、患者さんが不利益をこうむることのない範囲での中間報告を提出するよう指示させていただきました。それを踏まえまして、お配りしております机上配付資料1の中間報告書が出されたところでございます。
 現在も評価中でありますので、データの詳細についての公開は控えさせていただきたいと思いますが、全治療例111例中18例が現在も治療を継続されておりまして、この18例については腫瘍増悪を認めていない。また、重篤な有害事象についても発生はしていないということでございます。
 おめくりいただきまして、考察のところにありますように、治療継続中の18例については、過去の報告も考慮しますと、有効であると考えられるということでございました。
 患-2の資料にお戻りいただきまして、本報告書を踏まえまして、現在治療継続中の患者様に関しまして、患者申出療養を継続することの妥当性についてご討議いただきたいと考えております。
 以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 この患者申出療養の継続の可否について判断が必要ということですが、何かご質問、ご意見等ございますでしょうか。先に五十嵐先生。
○五十嵐座長代理
 別紙2に「所属・氏名」とあるのですが、ほかのところでは必ず代表の方の名前が入っているのですけれども、これは入っていないのですね。不思議なのですが、どうして入っていないのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 先生がおっしゃられるように、通常こういった指摘事項の回答に関しましては氏名を書いていただくことになっておりますが、恐らく失念されたのではないかと思います。申請医療機関に確認させていただきます。申しわけございません。
○福井座長
 天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 ご説明ありがとうございました。
 事務局に説明いただいたように、そもそも主たる解析を行うと費用負担が生じ、患者さんに不利益も生じるということは理解いたしましたし、また、今、継続されている18例については腫瘍の増悪が見られないということになっていて、また、プロトコル上も増悪が見られない限りは治療を継続するということになっていたかと理解していますので、行うということに関しては、18例の患者さんについては継続が許容されるものかと思います。その上で、机上配付資料という形で中間報告書を示していただいているのですが、それについて3点質問を申し上げます。
 1点目ですが、提出者が東京大学医学部附属病院となっていますが、この中間報告書は研究グループが取りまとめたのか、それとも東京大学医学部附属病院全体として、例えば臨床試験をサポートする部門等が協力もしくは主たる取りまとめ者となって出しているのか、ちょっとよくわからないので、誰が取りまとめているのかということについてお示しいただければというのが1点目です。
 2点目が、主要な解析ができないということであるので、111例中の18例以外は解析ができないというのは理解するのですが、ただ、この報告書だけを見ると、111例中の18例以外の患者さんが生存されているのか、どうなっているかも何もわからない状況になっているかと思いますので、もし今、事務局のほうで把握している、例えば111例のうちどの程度の患者さんが生存されているのかとか、単純な数、解析を伴わないようなもの、もしわかるものがあればお示しいただくことは可能かというのが2点目です。
 3点目が同じく中間報告書の最後の考察の部分ですが、「進行再発胃癌を対象とした臨床試験における標準化学療法のPFSが5-6か月であることを考慮すると、治療継続中の18例において試験治療は有効であると考えられた」という考察が述べられていますが、これはまさにプロの方々に教えていただきたいのですが、私の理解ですと、このPFSが5~6カ月とされている患者さんは、恐らく進行されている患者さん、されていない患者さん、さまざまな患者さんがいらっしゃる中でのPFSが5~6カ月であると示されていると理解したのですが、この18例の患者さんは、そもそも進行していない患者さんを対象に見ているので、その分PFSがよくなるのは当たり前であるかのように思うのですが、この部分はどのように理解したらよろしいのか。もしわかれば教えていただければと思います。こちらのほうでは、この18例に関してはPFSは22.5~27.4カ月であり、5~6カ月と比べると有効であると考えられると書いているように読めるのですが、どのように理解すればいいか教えていただければと思います。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 恐らく2番目と3番目のご指摘の点はかかわっていることだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
 1点目、今回の報告書の取りまとめがどこで行われたかということにつきましては、現状事務局でも把握できておりませんので、そちらについては医療機関に照会したいと思っております。
 2点目、中止となった方が生存されているかという情報については、詳しい情報については把握していないところでございますが、今回中止基準に該当して治療が継続されなかった患者さんの主な理由としては、ほとんどが腫瘍増悪による中止ということで、数例が有害事象や患者希望で中止になったというふうに聞いております。
 3点目でございますが、先生からご指摘がありましたように、今回は治療継続中の方だけの評価ということでございまして、過去の報告と純粋に比較するということはなかなか難しいと承知しているところではございますが、ただ、今回継続している方に関してどう考えるかということで、ご審議いただきたいと考えております。
 以上でございます。
○福井座長
 残りの93人の患者さんがどれくらいPFSだったかによって全然アベレージが違ってくるのも事実ですので。
ただ、今、事務局からございましたように、現在継続されていて、PFSが非常に長い18名の患者さんについての継続は認めていただくということでよろしいでしょうか。よろしいですか。
 (「はい」と声あり)
○福井座長
 それでは、この点についてはオーケーということで。
 あと、ご指摘になったいろんな点については、研究グループと事務局で連絡をとっていただいてということでよろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 はい。
○福井座長
 ほかに。原田構成員、どうぞ。
○原田構成員
 今の件はよく理解できましたけれども、冒頭で東京大学のほうに中間報告を求めているのですが、回答の段階でこれを繰り上げて、最終のところの解析を示してきたというところがあるのですけれども、それに対してまた中間報告を提出願いたいとなっているわけですが、最初に東京大学附属病院のほうで中間報告をというふうに求めているにもかかわらず、ここを繰り上げして最終解析ということで、理由が何かあったのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。ご指摘いただきありがとうございます。
 こちらの回答にもありますように、患者申出療養につきましては、例えば解析に係る費用とか臨床研究に係る費用につきましては、患者申出療養に係る費用として患者さんにご負担いただいているといったことがございます。今回中間解析を追加でやりますと、そちらの解析費用が患者さんの負担になってしまうといったこともありまして、新たに解析するのでなくて、もともと予定されているものを前倒しするのはどうかというご提案があったところでございます。
○福井座長
 よろしいでしょうか。
○原田構成員
 はい。
○福井座長
 それでは、告示番号1の技術については、18名の患者さんについて継続を認めることといたしたいと思います。ありがとうございます。
 次に、患者申出療養の定期報告等についての資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、患-3の資料に基づきまして説明いたします。まず、経緯のところでございますが、本療養につきましては、第13回の本会議におきまして承認いただきました。その際に、申請医療機関である国立がん研究センター中央病院に対し、本技術の定期的な実績報告を求めるとともに、先行研究で行われております先進医療Bの中間解析等の報告もあわせて求めるべきというご指摘をいただいたところでございます。今回当医療機関より報告書が提出されましたので、そちらに基づいて本技術の継続の可否についてご審議いただきたいと考えております。
 まず、実績報告でございますが、机上配付資料2でございます。こちらについては、最後のページに現在の状況が書かれてございまして、この試験が始まってから3カ月が経過した段階では実施例が2例でございまして、経過中には特に問題を認めていないといった報告でございます。
 もう一つ、先進医療Bにおける中間解析の報告でございますが、こちらは少し分厚目の机上配付資料3になってございます。結果につきましては5ページ目にその概要が示されております。こちらの詳細なデータにつきましても現在評価中ということでございますので、公開については控えさせていただきたいと考えておりますが、安全性の評価結果につきましては、最初の3行に主な結果が書かれておりまして、いずれの有害事象も低率であったということでございます。
 有効性の評価結果でございますが、最初の4行目あたりに主なデータが記載されておりまして、無効中止基準に該当するようなデータではなかったということで、現在も継続しているとのことでございます。
 こちらの結果を踏まえまして、本技術の継続の可否についてご討議をいただければと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 またこのケースにつきましても継続の可否についての判断をいただくことになりますが、何かご質問、ご意見等ございますでしょうか。
 現在までのところ2例ということです。特に安全性については問題がないということです。よろしいでしょうか。
もしないようでしたら、継続を認めるということにしたいと思いますが、よろしいですか。
 (「はい」と声あり)
○福井座長
 ありがとうございます。
 議題の4番目に「その他」がございますが、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 ありがとうございます。
○福井座長
 天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 申しわけございません。1点お願いがございます。今回患者申出療養制度が運用されているに当たって、それぞれ患者申出療養のさまざまな相談を受ける相談窓口というのが特定機能病院を中心に設置されていまして、特に臨床研究中核病院はプロトコル作成等を担っているということで、先ほどのゲノム医療もそうですが、非常に多くの相談が寄せられていて、なかなか過重な負担がかかっていると理解しています。
 ただ、一方で、患者さんの中から、当初は例えば科学的根拠が明らかでないものも含めてたくさんの相談が来るということが想定されていて、実際にそういった相談も対応いただいていると理解しているのですが、一方で、最近実際にあった事例として、患者さんが国内の治験が終わって、承認申請が出る前の段階の新規の治療があった場合に、その治療を拡大治験でできればいいのだろうけれども、患者申出で実施したいというふうに相談窓口に言ったところ、その相談窓口の対応が十分ではなく、実際にそういった患者申出療養制度の申請に至らなかったという事例があったと聞いています。
 提案を申し上げたいのは2点ございます。1点目が、かつて別の会議で内閣府の規制改革会議のほうに患者申出療養に関する相談の具体的な内容を取りまとめた資料が出ていて、不受理になったものについても比較的詳細な内容が書かれていたものが提出されていたと思うのですが、そちらのほうをぜひこちらの会議にも提示していただくことで、不受理になった場合、どういった理由で不受理になったかということについて、この会議で共有していただくのが望ましいのではないかというのが1点目です。
 2点目は、現場の相談窓口が、たくさんの相談が寄せられて過重な負担がかかっているのは理解しているのですが、一方で、患者さんが相談窓口で十分に対応していただけなかった場合に、例えば厚生労働省かどこか、別の窓口でそういった相談窓口に関しての意見であるとか相談を受けるようなスキームをお願いできないのかということを考えております。
以上、2点について意見を申し上げる次第です。よろしくお願いします。
○福井座長
 いかがでしょうか。事務局から。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 大変重要なご指摘をいただき、ありがとうございます。1点目につきましては、相談の実績について、会議に議題としてとり上げることについて前向きに検討させていただきたいと思います。
 2点目につきましては、質の高い相談窓口、相談体制の構築にむけ、年に1回の相談員研修でありますとか、そういった取り組みを現在も行っているところでございますが、引き続きより質の高いものになるように取り組みを続けていきたいと考えております。
○福井座長
 よろしいでしょうか。
 先ほどおっしゃった、治験が終わったのだけれども、まだ承認済みでない中間の期間についてはなかなか微妙な問題だということは、以前ここでも議論に上がったことがございます。そのときには製薬会社としても難しいみたいな話でしたね。
○天野構成員
 確かにその議論があって、企業として無償提供は難しいという場合も当然あるでしょうし、有償であれば提供してもいいという状態もあるでしょうし、そもそもそういった部分が可視化されないと、例えば個々の主治医であるとか患者さんがその薬剤を使いたいと思っても、1対1の対応では厳しいものがあるので、ある程度一定の意味があるような患者さんの願いについては、より可視化されて、どういった相談が上がってきたのかについては議論が必要なのかなと感じます。
○福井座長
 それでは、そういう方針で事務局としても対応をお願いできればと思います。
 よろしいでしょうか。構成員の先生方からほかには何かございませんでしょうか。
 それでは、その他について、先ほど途中まで事務局がおっしゃったかと思いますが、最後まで言ってもらえますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 失礼いたしました。
 事務局から特段ございません。ありがとうございます。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、次回の日程についてはいかがでしょうか。事務局から。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 次回は、日程調整の上、後日ご連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、第16回「患者申出療養評価会議」を終了いたします。
 本日は、お忙しいところ、ありがとうございました。
 

 

 

 

 

 

 

(了)

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