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2019年2月7日 患者申出療養評価会議議事録

○日時

平成31年2月7日(木)16:00~17:12

 

○場所

中央合同庁舎5号館 専用22会議室(18階)

○出席者

【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 石川構成員 一色構成員 上村構成員 
新谷構成員 田島構成員 手良向構成員 原田構成員 松井構成員 山口構成員
 
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
医政局研究開発振興課長 医政局先進医療専門官 他

○議題

1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について
  (患-1)(別紙1)
  (参考資料1)(参考資料2)
 
2 患者申出療養の実績報告について
  (患-2)
  (参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)
 
3 患者申出療養の申請に必要な書類作成の簡素化について(案)
  (患-3)
  (参考資料)
 

○議事

16:00開会


 

○福井座長
定刻になりましたので、ただいまより「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
先生方の出欠状況ですが、本日は大門構成員、田代構成員、寺田構成員、直江構成員、成川構成員、山崎構成員より御欠席との連絡をいただいております。欠席されます構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては、私、座長に一任するとされております。
それでは、資料の確認を事務局からお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。頭撮りにつきましては、ここまでにさせていただきます。
それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
まず、議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、患-1「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている横紙がございます。こちらには、ホッチキスどめの別紙1がついてございます。また、参考資料1、2もついてございます。
続きまして、患-2「平成30年6月30日時点で実施されていた患者申出療養の実績報告について」という資料がございます。こちらには参考資料1、2、3がついてございます。
最後に、患-3「患者申出療養の申請に必要な書類作成の簡素化について(案)」としている1枚紙がございます。こちらにも参考資料として1枚紙をつけさせていただいております。
資料の確認は以上でございます。資料について不足・誤り等ございましたら、事務局までお知らせいただければ幸いです。
また、本日もタブレットを使用させていただきたいと思います。申請書類等につきましては、タブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットのページをあらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いします。
なお、新規技術のプロトコルにつきましてはタブレットに格納されておりませんでしたので、机上に配付させていただきました。会議終了後には回収させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○福井座長
今回、患者申出療養の新規申し出がございまして、検討対象となる技術等に関しまして、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から報告をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
山口構成員に関して、患者申出療養として評価を行う整理番号7の技術について御報告がありました。山口構成員におきましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術の議事のとりまとめ及び事前評価に加わることは可能です。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。そのほか出席されている構成員の皆様におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、議題1に入りたいと思います。事務局から「患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について」、資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
それでは、資料患-1をごらんください。こちらに申し出のあった技術の概要を示してございます。
今回申し出のあった技術は「早期乳癌へのラジオ波熱焼灼療法の安全性と有効性に関する多施設共同研究」で、適応症が、直径1.5cm以下の早期乳がんとなっております。受理日は、平成31年1月24日、臨床研究中核病院は、国立がん研究センター中央病院でございます。かかる費用につきましては、資料のとおりの金額でございます。審査の担当構成員ですが、主担当を五十嵐構成員、副担当を山崎構成員と大門構成員に御担当いただきました。総評としましては「適」との御評価をいただいております。
審議に先立ちまして、まず今回の患者様が患者申出療養を希望した背景について説明いたします。別紙1の15ページ、カラーの「保険収載に至るロードマップ」をごらんいただけますでしょうか。
左中央の赤枠にありますとおり、今回の技術につきましては、先進医療Bとして実施中でございまして、2013年8月から登録が開始されており、2017年11月末に登録が終了しております。この先進医療Bの試験結果をもって薬事承認申請を目指すことについては、企業の了解も得られており、またPMDAにも相談済みとのことでございますが、主要評価項目である温存乳房内再発率を含めて5年間の追跡を行うこととなっておりまして、その間は先進医療を初め、保険外併用療養費制度の枠組みの中では、当該技術は実施することができないという状況でございます。そういった背景から、今回の患者は、患者申出療養制度下で本技術の実施を希望するに至ったとのことでございます。
先進医療Bにおきましては、これまでに懸念となるような有効性・安全性の問題は生じていないとのことでございまして、机上配付させていただきました研究計画書の21~22ページに、モニタリングレポートをもとにした有害事象報告がなされております。こちらをごらんいただきますと、重大な問題が観察されていないことが確認できるかと思いますが、本試験はまだ追跡期間中でございますので、詳細なデータについては公開することができません。構成員の皆様におかれましては、この点につき十分に御配慮いただけますと幸いでございます。
続きまして、患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の要件について説明させていただきます。別紙1の23ページをごらんください。本療養を実施可能とする保険医療機関の要件について、実施責任医師の考え方としましては、診療科として外科または乳腺外科。資格としましては、乳腺専門医及び外科学会専門医を要するとしております。また、当該診療科の経験年数は5年以上、当該医療技術の経験年数が4カ月以上、当該医療技術の経験症例数については3例以上という要件が設けられております。その他としましては、3例実施までは経験医師の監督・指導のもとで実施することとされております。次に、医療機関の考え方でございますけれども、診療科では外科または乳腺外科を要し、実施診療科の医師数としましては、常勤医師2名以上、また、ほかの診療科の医師数としましては、病理部門が設置され、病理医が配置されていること、麻酔専門医が1名以上配置されていることとされております。また、病床数は100床以上、10対1看護以上の体制が必要としています。その他の要件はございません。
最後に、参考資料2の2ページをごらんいただけますでしょうか。これは、いつもお示しさせていただている参考資料になりますけれども、今回の技術のように先進医療として既に実施されており、新規組み入れが終了した技術については、当初から患者申出療養の対象となり得るものとして想定されておりましたが、これまでこちらのポンチ絵には明記されておりませんでした。どういった技術が患者申出療養の対象となるか、明確化するためにも今回マル3として、「既に実施されていて、新規組み入れが終了した先進医療を実施することを希望する患者に対する療養」についても明記させていただければと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいま御説明がございましたが、本件の事前評価については、主担当を五十嵐構成員、副担当を山崎構成員と大門構成員にお願いしております。それでは、五十嵐構成員より概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。
○五十嵐座長代理
それでは、別紙1の14ページをごらんいただきたいと思います。「医療技術の概要図」が書いてございます。これがわかりやすいと思います。
そもそもラジオ波治療技術というのは、我が国では1999年から肝臓の悪性腫瘍に対する治療法として臨床応用されています。経皮的に電極を肝臓の組織に穿刺して熱凝固、壊死させる技術ですので、外科的な治療等に比べますと侵襲も少ないということで、現在では広く臨床応用されていると伺っています。1回の治療で肝臓の場合は直径3cm程度の大きさで球状に焼灼すると聞いています。14ページの左下にもありますように、乳がんの場合も、電極を刺して腫瘍組織を丸く焼灼するという治療と聞いています。焼灼時間は12分くらいかかるそうで、一般には週2回治療が行われていると伺っています。
別紙1の2ページをごらんいただきたいのですが、乳がんに対するラジオ波治療というのは、先ほど御説明がありましたように、2013年8月に先進医療Bとして認められていまして、その後、新規の患者の受け付けをしていないという状況で、この患者申出療養に係る新規技術として認めていただきたいという申請が今回出たわけです。
まず、適応症に関しましては、乳がんという診断がついた患者に行われるわけですので妥当であると判断します。
有効性につきましては、既に早期の乳がん患者33名での多施設共同試験では85%に腫瘍の完全壊死が確認されているということで、実際には、2013年8月に先進医療Bとして承認されて、現在5年間にわたって患者さんの予後等を追跡しているということですので、その結果が出ないことには最終的な有効性の評価はできないわけですけれども、先行研究等、それから外国では2001年から多数リポートが出ておりまして、いずれも有効だという結果が出ています。そういうことで、有効性は恐らく従来のものと同等か、あるいはそれ以上の可能性もあるということで、その他ということで、従来の技術より有効であることが期待されるのですけれども、結果としてはまだデータが出ていないので、そこまでは言えないということでBとさせていただきました。
安全性につきましても、先ほど御紹介がありましたように、先進医療Bとして承認されて、現在経過観察中の試験におきましては、極めて問題となるような有害事象は出ていないようですが、最終的な安全性の評価結果が現時点で出ていないということで、問題なしと言うには至らないということでBとさせていただきました。
技術的な成熟度に関しましては、当該分野を専門として経験を積んだ医師または医師の指導下であれば行えるということでAと判断させていただきました。
社会的妥当性は、倫理的な問題等はないと判断いたします。
それから、現時点での普及性につきましては、罹患率・有病率から勘案しまして普及していない、Cの判断をさせていただきました。
将来の保険収載の必要性につきましては、現在、先進医療Bで実施されている試験の最終的な評価結果で、本治療法がある一定程度の有効性・安全性が確認されるということがもしありましたら、その時点で保険収載を行うことは妥当ではないかと考えています。そういうことで、括弧つきの文言を加えさせていただいたという条件のもとで、Aという判断をさせていただきました。
以上、実施体制の評価につきましての判定結果を御説明させていただきました。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、本日御欠席でございますが、山崎構成員からの倫理的観点からの評価の結果につきまして、事務局から説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
山崎先生に御評価いただいた倫理観点からの評価でございますが、同意に係る手続、同意文書、補償内容、いずれも「適」と御評価いただいております。
また、コメント欄には「実施者の一人が、当該技術経験年数0年とありますが、妥当でしょうか?その根拠を示していただけるとよいかと思います。また、RAFAELO試験と全く同一のプロトコールという理解で間違いないでしょうか?」という照会がありまして、こちらについては、「指摘事項に対する回答で了解しました」とコメントをいただいております。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、やはり本日御欠席でございますが、大門構成員からの試験実施計画書等の評価につきまして、事務局から説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
大門先生に御評価いただきました、試験実施計画書等の評価につきまして、いずれの評価項目につきましても「適」と御評価いただいております。
コメント欄に少し長文で御評価いただいておりますが、こちらも代読させていただきます。本患者申出療養は,早期乳癌患者に対して,一定の安全性・有効性の根拠を有する一方で,現時点では薬事承認・保険適用されるには十分な安全性・有効性の根拠が無い医技術であり,本来ならば、先進医療BのRAFAELO試験の結果でもってそれらを判断せねばならない段階にあります.それ故,先進的な医療だとは思われますが,現時点では標準治療に至らない治療ではあります.しかしながら,主に以下の点を踏まえまして,上記の通り評価いたしました:
1.試験実施計画書においても言及されているように,①RAFAELO試験での患者登録終了に伴い新規患者への本治療実施の枠組みがなくなったこと,②未だ先行のRAFAELO試験の主たる解析がなされていない状況であるものの,治療法の特性から無効な治療ではなく慎重な観察のもと患者申出療養として実施したとしても患者に著しい不利益を与える懸念は大きくないこと,③RAFAELO試験において短期的な有害事象については現時点で重大な問題は観察されていないこと等,本患者申出療養の実施に関して,相応の理由又は根拠があるように見受けられたこと.
2.試験実施計画書のp.33の12.1.2項で明確に規定されているとおり,試験中にモニタリングされる有害事象の発生割合と事前に規定されたその許容値との比較に基づいて試験継続の是非を判断することとなっており,少なくとも安全性に疑義が挟まれるような状況となれば,本試験の早期中止の機会を与える計画となっていること.さらに,ロードマップ及び事前の照会事項に対する回答から,RAFAELO試験の有効性及び安全性に関する良好な結果が獲得されさえすれば,保険収載へのロードも開け得ると期待されること.逆に,良好な結果が獲得されなかったり,本省への定期報告の結果,本患者申出療養の継続の意義がないと判断されたりすれば,本患者申出療養が漫然と継続されることもないと考えられたこと.
3.試験実施計画書に一部の不明な点や不備と考えられる点がありましたが,事前の照会・確認事項に対しても適切に回答・対応され,試験実施計画書等に関しては大きな問題はなさそうであること.
ということで、いずれも「適」と御評価いただいております。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして御質問等ございましたら、お願いいたします。天野構成員どうぞ。
○天野構成員
御説明ありがとうございました。2点ございます。
本療法については、患者さんの期待も非常に大きい治療ですし、また、侵襲も少ないということで期待が大きいというのは十分理解しているのですが、一方で、いわゆる標準的な治療に対して将来、早期再発や晩期再発のリスクが上がることはないのかという点が、議論すべき重要な点かと考えております。これに関連して2点指摘がございます。
1点目でございますが、既に机上のタブレット資料にあります患者説明文書の中でも、現時点では長期間にわたる十分なデータがないので、治療を行った乳房に将来がんが再発する危険性が標準的な手術に比べて高くなる可能性がありますという記載は明記されてはいますが、こういったリスクがあるということを十分に患者に説明していただくことをお約束いただきたいというのが1点目でございます。
2点目がこれに関連してですが、机上配付資料のプロトコルを拝見いたしますと、41分の36に「患者申出療養としての継続の可否判断」という項目があります。この中で、本試験開始後に本試験治療の本邦での開発状況の変更等により、企業による治験が開始される等の患者申出療養としての実施に影響を与える情報を入手した場合にはということで、速やかに文書で報告し、試験継続の可否等の意見を求めるという記載はあるのですが、この患者申出療養について一点特殊なのは、既に先進医療が実施されていて、その経過観察が行われている状況にあるわけで、その先進医療の経過観察の結果で、例えば晩期再発等が出てくるであるとか、何らかの患者さんの不利益になり得るような事象が出てきた場合には、それも患者申出療養としての継続の可否判断に重要な情報となり得ると考えますので、プロトコルの記載を修正するかどうかはわかりませんが、先行している先進医療の結果を反映して、試験の継続の可否判断や患者への情報提供等をしっかりしていただくということを担保していただきたいと考えます。
私からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
まだいろいろ不明確な点が多い状況で、リスクのあることをちゃんと説明するべきだということと、先進医療Bの研究結果が出た後で、この患者申出療養の継続性の判断をするべきだという2点についてですが、事務局から何かございますか。ぜひ、そのようにしていただきたいと思いますが。
○先進・再生医療開発戦略専門官
そのように申請医療機関にもお伝えいたします。
○福井座長
山口構成員どうぞ。
○山口構成員
これは先進医療で評価になったと思うので一言。
まず、第1に今の天野構成員の御指摘ですけれども、まことにそのとおりで、これを見ますと同意文書に明確に書いてあるのですが、例えば、説明文書の95ページ、10分の2には「不利益を与える懸念は小さいと考えています」と書いてあり、そんなことはないので、不利益を与えるかどうかわからないという時点で、自分の感想を書いて、いいほうに誘導するやり方というのはおかしいのではないかと思いますので、このあたりの文言は少し注意してもわらないとまずいと思います。
先進医療の評価ときにもこういう文言があったので、それはおかしいのではないかというのは御指摘しました。というのは、先進医療四十何例かのうちの10%は再発していますので、それについては後から手術して大丈夫というお話でしたけれども、今回は15mmまで適応が広がっていますから、場合によっては局所再発の率が高く上がる可能性もあります。そういう場合には再手術したときに手おくれになる可能性だって十分にあるわけですから、そのあたりはフェアに示さないと危ない試験ではないかと思いますので、ぜひその点を押えていただきたいと思います。
もう一つ指摘しておきたいのは、乳がん大国の米国で余り行われていないということも1つ大きなポイントで、これは本当にすばらしい医療かどうかはまだまだ未知数だということをくれぐれも患者さんに伝えないと、間違った方向に行くのではないかと思います。
もう一点よろしいでしょうか。やはりこれは術者による差がかなりある可能性があります。というのは、四十何例やったときも2つの施設がほとんどやっていて、ほかの施設は極めて少ない症例数です。ですから、そのあたりも十分注意されて、クオリティーコントロールをきちんとやらないとまずいということを指摘しておきたいと思います。
○福井座長
その方向で事務局もよろしいでしょうか。
それから、このケースについては、定期的な報告はどれくらいの間隔でここにしてもらうことになるのでしょうか。というのは、先進医療Bの結果が出るのは2022年11月以降ですね。最後の登録患者の5年間の登録が終わった後解析になると、恐らく2023年以降に結果が出るのだろうと思います。それまでの間、定期的にこのケースでの報告をしてもらったほうがいいのではないかと思いますが、何か事務局から。
○先進・再生医療開発戦略専門官
別紙1の21ページをごらんいただけますでしょうか。ほかの患者申出療養技術と同様に、定期的な報告は通知のとおりされると思いますけれども、本技術につきましては、どこまでの報告かと言われるとあれなのですけれども、上から6行目、なお書きのところですが「患者申出療養として実施することから、jRCT公開日から起算して研究開始から6か月間は3か月ごと、その後は6か月ごとに登録症例数を厚生労働省保険局医療課に報告する」と設定されております。
○福井座長
では、その報告について、この会議で構成員の皆様方に見ていただくということは可能なのでしょうか。それは何か問題がありますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
そういう御指示があれば可能だと思います。
○福井座長
そのようにしてもらってよろしいでしょうか。
どうぞ。
○山口構成員
これは余計なことかもしれませんけれども、こういう治療は低侵襲で行えるところにメリットがありますが、肝臓で行うときと皮下の腫瘍に行うときは意義が大いに違います。例えば、肝臓の場合、深部の手術をするとなるとものすごい侵襲が加わりますけれども、皮下の腫瘍というのは侵襲は実はそんなに大きくはないので、日常の診療としてこれがないと困るということではないわけです。ですから、それだけに治るべきものを治さないというのは非常にまずいわけです。最終的に癌細胞が遺残したり、飛び散ったときに悲惨な結果になりますので、慎重に当たっていただきたいと思います。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。上村構成員どうぞ。
○上村構成員
先行してRAFAELO試験ですけれども、5年間追跡して結果を出すということは妥当だと思いますが、これに関しては中間解析のようなものは計画されていましたか。記憶していないのですが。
○先進・再生医療開発戦略専門官
中間解析については設けられていないという認識です。
○上村構成員
ただ、これはオープンラベルでの単アームの試験ということでよろしいのですよね。そうであれば、途中のサバイバルに関しては、ほぼリアルタイムで出てくるデータだと思うのですけれども、その結果が現在標準治療である手術と比べてどうなのかというのは、ある程度早い段階で評価も可能かと思いますけれども、何らかのデシジョンメーキングができる可能性もあるのかなと思いまして質問させていただきました。
○福井座長
先進医療Bはワンアームですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
シングルアームでございます。
○福井座長
できるだけデータの解析が早く出ればいいという御意見だと思うのですが。
○上村構成員
明らかに標準治療に劣っているようなデータが途中で出てきた場合には、何らかの意思決定が必要かと思うので、特に、患者申出が並行して実施されるわけですから、継続して試験を続けていくことが妥当かどうかの判断というのは、どこかの時点であってもいいのかなと感じました。
○福井座長
どうぞ。
○先進医療専門官
研究開発振興課です。先進医療Bとして、そちらの試験が5年間の観察の間に先生がおっしゃるように早い時点で何らかの報告が可能かということにつきまして、申請者に確認したいと思います。
○福井座長
原田構成員どうぞ。
○原田構成員
天野構成員も御指摘されたとおりですけれども、この治療はすごくいいなと思っているのですが、今の先進医療Bの事象例を含めて思ったことは、格別重篤な有害事象という言い方ではなかったという報告になっているのですが、軽い合併症も含めた事象例ももっと早く出していただきたいと思います。
もう一つは、先ほどロードマップの話もありましたが、いわゆる応需体制から臨床研究中核病院を経て、この申し出に来るまでの期間で短い・長いの議論はさせてもらったと思います、最近の取り扱いの例で見てみますと、先進医療のところが13年から17年を経て、およそ10年にわたって結論を出していくというのは、全体像から見ていささか長過ぎるという感じがします。本来の制度の目的というのは、薬事承認も含めた保険収載が大きな目的ですので、手続論を含めて、余りにも長い。手続論的にはどうしてもかかるのだと言われればそれまでですが、もっと早く保険収載まで持っていける手だてがないものかと、つくづく思いました。
○福井座長
これは登録患者数からいって先進医療Bですけれども、恐らく標準医療と比べて有意差が出ない、それぐらいのギリギリの数でやっているのでしょうか。5年間フォローしないとNが十分な数にならないということなのでしょうか。もし、そのような場合でも途中で解析して、こういうオープンなところで結果をディスカッションするということ自体が、最終的な2022年まで待ったときの結果の発表に、科学的な意味で悪い影響を与えるということなのでしょうか。
○原田構成員
当初、症例が余りにも多いということで議論をされたと思いますが、症例が余りにも多いがために保険収載に時間がかかってしまうという指摘もあったかと思うのですが、このところの事例を見ていると症例が多くなってきています。今回も患者申出療養の目標数値もあると思うのですがちょっと疑念として持ちましたので、指摘させていただきました。
○福井座長
ほかにはいかがでしょうか。
石川構成員どうぞ。
○石川構成員
2つほどあるのですけれども、1つは、山口構成員の先ほどの御発言の中にありました、この方はもちろん個人情報は余り出せませんから具体的にはわからないわけですけれども、今の水準からいくと、選択肢としてはまだまだいろいろあると思うんです。ただ、今回これを申出療養とした背景には、わざわざラジオ波を選択するに至るものというのは、かかりつけ医との関係といったことが考えられるわけです。当初、大変時間がない、あるいはほかの治療方法がない患者さんに、こういう治療がありますよという形で申出療養をやるということが一番最初の原則だった思うのですが、今回みたいに標準治療ということではほかにあって、ただ、患者さんが本当にそれを選んだのかどうかもちょっとわからない。かかりつけ医との関係というのはそういう意味でございまして、こういうものをこれからも一々扱っていくのかどうかという根本的な問題があると思います。私は乳がんの専門ではありませんので、これがどれだけいいのかとか、結果が出ていない段階でかかりつけ医の先生がこれがすごくいいとお勧めしたのかどうかわからないですけれども、これがどれだけいいのか結果も出ていない中で判断してやるというのは、なかなか難しい問題があると思っています。
また、次の問題として、結構いいということで次から次へと申し出が出たときに、また一つ一つやるのが原則になると思いますので、そういうことをやっていくかどうかということになると思いますが、それについてはいかがでしょうか。
○福井座長
少なくとも先進医療Bを認めて行っているということ自体は、倫理的にも科学的にも認めようという判断が下されている状況ではあると思います。ですから、この患者さんについても、それ以上の情報はないのですが、同じようなプロトコルに入っても、倫理的・科学的にも今のところはおかしい点はないようにも思われますけれども、いかがでしょうか。
山口構成員どうぞ。
○山口構成員
石川構成員のおっしゃるとおりで、先ほどちょっと申しましたけれども、焼いてとるか、メスでとるかというのは、患者さんにとって実は大きな差はないんです。例えば、胃がんの化学療法の例では、がん細胞が腹腔内にあれば5年生存率は10%ぐらいしかありません。ですから、9割の方が絶望的な状況にいる中で、例えば、3割助かったというデータが少ない数でもあったら要望としては大きいので、そういうものは真剣に早く取り入れることが必要かと思いますけれども、そういう意味ではこの重要度は低いと考えざるを得ないと思います。
それと、先進医療の進展が遅いというお叱りを受けましたけれども、決してわざと遅くしているわけではなくて、いろいろな事情があって、そういう問題点は我々も感じていますので、今後努力したいと思いますので御理解いただければと思います。
○福井座長
不確実性があるところと、標準的な治療ではこういう結果になるということはわかっているわけで、より確実なほうを選ぶべきだというところではないかと思いますが。
どうぞ。
○石川構成員
私なども研修病院を持っていて、研修病院で医師を教育するときには、基本的には今確かめられている標準療法を選びなさいと言うわけで、座長がおっしゃるように、これは一応、倫理的にもそれなりに効果もあるということで先進医療Bになっているので、これを選択肢にするというのは、基本的には若い医者に指導するときには、そうは言わないと思うんです。あくまでも、これは患者さんがいろいろな情報をもとに申し出てきたものであってということしかないと思います。私たちは第一線の現場で考えると、標準治療を患者さんにもお勧めするのが普通だと思うわけです。この例については、そこのところがずっとちょっとモヤモヤ感があるのが現状でございます。
○福井座長
新谷構成員どうぞ。
○新谷構成員
先ほどの中間モニタリングといいますか、データを見るべきかどうかという議論に対してですけれども、これは非盲検で単群ということもありまして、既にエンドポイントの結果は見ようと思えば研究者がわかるようにはなっていますか。実際に数えれば何割ぐらいかというのはわかりますか。
もし、わかるのであれば、約半数ぐらいの追跡が終了しているかと思います。2013年で2017年で一応例数を出して、あと5年フォローアップというところで、ある程度たまっている時点で、今の結果に基づいて今後、終了した時点で有意差が出る確率は何パーセントくらいかということを計算することも可能ですので、今ほぼほぼ差がついていなければやってもしようがないですが、かなり大きな差がついていれば、今どれくらいの確率で有意差が出るかというところを見てもよいのではないかと思います。ただ、見る前にかなりこういうルールでこの場合には止める、この場合には止めないということをあらかじめきちんと設定していただければよいのではないかと考えますが、手良向先生、いかがでしょうか。
○手良向構成員
それは、プロトコルを変更して行えばもちろん問題ないと思いますけれども、それをしないで行うというのは問題なので、今からプロトコルを変更して、データを固定して行うかどうかということを問い合わせていただければよいと思います。
○福井座長
これは基本的には生存分析でしょうから、フォローアップの期間は異なっても、短いケースになっても全然問題ないわけですか。
○手良向構成員
それは全く問題ないです。ただ、プライマリーエンドポイントは5年温存乳房内無再発生存割合となっていますので、どういう解析手法を用いるかがわかりませんけれども、基本的に5年間追跡ができていないと解析できない可能性もあると思います。
○福井座長
新谷構成員、何かございますか。
○新谷構成員
今の結果を踏まえて、このまま終了した時点である程度の結果が出るようなことを、確率的な議論ということである程度することは可能ではないかと考えます。
○手良向構成員
それは可能だと思います。
○福井座長
それでは、先進医療Bの解析について、ある程度有効性・安全性について、わかる範囲内のデータが出せないかということを事務局で問い合わせてもらうということでしょうか。
○新谷構成員
その場合も、研究者に知らせるかどうかということも踏まえて考える必要があると思います。知らせなければ今の成績が大体何パーセントぐらいか、隠せるものであれば隠した上で独立の委員会の判断に任せたほうがよろしいかと思いますので、その辺の手順も含めて御判断いただければと思います。
○福井座長
確かに、ある程度までのデータはあるわけで、それをあえてみんなで知らない状況にして、この患者さんに不確実性が非常に伴う状況でやるかどうかということとの兼ね合いということになりますね。いかがでしょうか。
○五十嵐座長代理
そうすると、プロトコル変更になるわけですよね。その手続をした上でということですか。
○手良向構成員
それは、こちらではなくて先進医療Bのプロトコル変更という意味です。
○五十嵐座長代理
大変ですね。
○福井座長
研究をより科学的に継続することと、この患者さんのリスク、有効性を知ることをてんびんにかけるような格好になるのかもしれない。
石川構成員どうぞ。
○石川構成員
申出療養の仕組みをお話しするとき、例えば、原則6週間でいろいろな議論を経てすることができますよというのだったら、同じような形で標準治療があって優劣の差がないということであれば、私の目の前にその患者さんがいたら、基本的には今の標準治療でどうでしょうかというのが普通だと思うんですよね。そうではなくてこれを選ぶというのは、よほど患者さんがこのことについて御希望されているということがない限りは、そうならないと思うのですけれども、これは普通の考えだと思うんですよね。
○福井座長
事務局どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
別紙1の5ページをごらんいただけますでしょうか。こちらは申請医療機関からの回答ですので客観的なことかどうかは置いておいて、3段落目に「乳房の整容性に関する患者ニーズは過去から現在まで一貫して強く存在しており、乳房切除を希望しない患者は一定以上存在します」と書いてございます。今回の先進医療Bの新規組み入れが終了後も、数十名の患者様が新たに希望してきたとも聞いております。今回はその中で、ぜひとも患者申出療養でこの技術をやりたいと希望されたということで聞いておりますので、そういった点からは患者さんのこの技術に対する希望は強かったものと推量いたします。
以上でございます。
○福井座長
松井構成員どうぞ。
○松井構成員
石川構成員のおっしゃっていることに私も非常に共感するのですけれども、この制度が対象としているのが、もともとがコンパッショネートユースという発想から来ているので、例えば、標準治療があったとしても満足いくような標準治療では全くないような疾患や、あるいは標準治療がないとか、極めて緊急性が高いのだけれども使えるものがないという状況の中で、患者さんがこれにすがりたいという形で、それに応えるというのが多分この制度の本来の趣旨だったと思うのですけれども、そういうコンパッショネートユースの対象を整容性へのニーズに応えるということも入れるのかというところが多分問われているのだと思うので、先ほど山口構成員もおっしゃいましたけれども、標準治療として外科手術で普通にできるものがある中で、この療養の中で果たしてこれを取り上げるべきものなのかというのは、ここの評価会議の扱うものをどこに定めるのかということも含めてよく考えないと、ほかに標準治療が普通にあって、別に悪くはないようなものがいっぱいあっても、いわゆる生命からいうと重篤ではないようなニーズに応えるためにこの制度をどんどん使っていくというのは趣旨が異なっていくような気がするので、そこは我々としても注意する必要があるかと思います。
○福井座長
原田構成員どうぞ。
○原田構成員
それに関連してですけれども、今回は治験をしていない、いわゆる臨床研究もしていないというところが対象という考え方だと思うのですけれども、一方では、患者申出療養の制度設計では、4番目の「患者申出療養の対象としての医療について」の(3)の人道的見地からの治療と連動についてというところでは、いわゆるそういう申し出があった場合には、進行中の治験に参加する方向もありと、むしろ、あればそういうものを推奨していくのだという考え方をしているわけです。そういうことを考えていきますと、今回のこの制度でこの患者さんを取り上げたという意味もわからないわけではないのですけれども、ここを採用するのに余りにも時間がかかっているところが気になります。
○福井座長
天野構成員どうぞ。
○天野構成員
私は女性ではなく男性ですし、乳がんの患者でもないのですが、がん患者団体にかかわる1人としてあえて申し上げるならば、乳房を失うことに対する女性の身体的、精神・心理的な苦痛は切なるものがありますし、それを回避したいという女性の乳がん患者さんの思いも切実なものがあるということは、ぜひ御理解いただきたいと思っております。なので、それは全生存率がどうであるとか、治療成績がどうであるのかということとはまた別の話ではありますが、患者のニーズはそれだけではないし、患者の要望もそれだけではないということは、ぜひ御理解いただきたいと考えます。ただし、冒頭でも私から申し上げましたが、早期再発や晩期再発のリスクが上がる可能性は否定できないという部分は、十二分に患者さんに説明していただき、御理解いただいた上で参加いただくことが不可欠ですし、万が一そのリスクが上がることが科学的に明らかになった時点で、速やかにこの試験を中止、もしくは患者に説明することが担保されるべきというのが私の考えです。
○福井座長
ありがとうございます。いかかでしょうか。
山口構成員どうぞ。
○山口構成員
我々はどうしても医学的な見地からの話になるのでおっしゃるとおりで、物事の価値というのは最終的には患者さんが決めることだと思います。ただ、今回違うのは、乳房をとるかとらないかという話ではなくて、本来は本当に小さな傷で済むような手術ですから、ちょっと比較が違うと思います。
ただ、最終的にそれをやったために遠隔成績が悪くなるのは最悪なので、そこは厳重に管理する必要があるのですけれども、ただ、先進医療では、リスクの非常に悪い人は除外されてしますので、例えば、高齢者や心機能の悪い人がこういうものを希望された場合には、こういう道を残しておくことは必要だと思いますので、そういう方がこういう医療を受けられるようにするのは、ここの責任だと思います。
○福井座長
落としどころをどういたしましょうか。
○山口構成員
先進医療を変えるのは大変かもしれませんけれども、患者申出療養につきましては、特にリスクの悪い人がやることですから、定期的に検証していくということを義務づけたほうがいいのではないかと思います。
○福井座長
私も、先進医療Bのプロトコルを変えるということ自体が大変なことでもありますし、恐らく時間もかかって、先進医療会議との関連もございましょうし。できましたら、山口構成員がおっしゃったとおりで、ここでの判断にとどめたほうがいいのではないかと個人的には思います。
何よりも、五十嵐構成員初め3名の構成員の先生方の評価もいただいておりますので、もしフィフティー・フィフティーということでありましたら、五十嵐先生が主査で判定していただいた方向で。ただし、評価の結果を定期的に報告していただくという条件で認めてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
石川構成員どうぞ。
○石川構成員
わかりました。それで結構でございますけれども、そうしますと、参考資料2の1ページの右側にあるように、次は原則2週間で判定してできるということになるわけですね。そうすると、もしかしたら、このラジオ波が結構いっぱいやられる可能性が出てくるということになるわけですかね。確認です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
同じがんセンターで申し出があった場合には、がんセンターで適格基準が審査されるかと思いますし、別の医療機関で同じような患者様が申し出た場合には、臨床研究中核病院で審査されて、2週間で評価がされることになります。
○福井座長
よろしいでしょうか。
新谷構成員どうぞ。
○新谷構成員
今回の試験に関しまして、定期的に内容を見て報告ということがあったのですけれども、もしやるのであれば、どのタイミングでどのような判断で行うかというところは、このプロトコルに記載していただく必要はあるかと思います。
○福井座長
何かベイジアン的な解析か何かをやってもらうようなことまで入れますか。五月雨式に出てくると思いますが。
○新谷構成員
今回は統計的検定を行わないと書いてありますので、そこはただ見るだけなのか、ある程度結果を残したような条件つき確率みたいな計算を行うのか、ベイズみたいなことをやるのかということも含め、検定はやらないと書いてありますので、そこは難しいのかなとも思いますが。
○福井座長
手良向構成員どうぞ。
○手良向構成員
今の点については、先ほど大門構成員からコメントがあったように、12.1.2のところに有害事象については基本的には1例ずつ見ますという話なので、そこは問題ないと私は思っていますけれども、さきほどの議論の問題は、先進医療Bの中間解析をこの会議として推奨するかどうかということと思います。今ではなくて、これが開始した後でも、1年後に結果が出てもいいと個人的には思います。今後、今回と同様のケースが提出される可能性もあるので、中間解析して効果がないことをある程度否定しておくということが必要ではないかと考えます。これを開始した後でもプロトコルを改訂してということについては、個人的には推奨してもいいのではないかと思います。
○福井座長
それでは、中間解析をできる限りやってもらえないかということを研究者に、この会議として投げかけるということを含めて。
一色構成員どうぞ。
○一色構成員
プロトコルの変更になると、研究組織に投げるのではなくて、恐らく先進医療Bの委員会に変更が可能かどうかの諮問をしていただくという手続になろうかと思います。そこで議論して、どういう結果になるかはわからないという形でお考えいただかないと、運営上は難しいのではないかと思います。それは、今度は先進医療Bがどう考えるかを委ねられることになるかと思います。
○福井座長
先進医療会議の座長がおられますが、確かに手続上はそうなりますね。いかがでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
先進医療Bの試験につきましては、このような議論があったということを申請者にお伝えし、中間解析の可能性、プロトコル変更について検討いただいて、必要な変更が生じた場合には部会で審議いただくと。また、部会に別途こういった議論があったということをお伝えして、どういったプロトコル変更が可能なのかということを部会で御議論いただこうと思います。
○福井座長
そういうことで、よろしいでしょうか。
 
どうぞ。
○医療課長
今のお話は、先進医療Bの結果を持ってもう一度ここで議論するということですか。それとも、これはこれで認めた上で、そちらはそちらでお願いするということになるのでしょうか。
○福井座長
一応認めた上でと理解しておりますけれども、今までの議論でよろしいでしょうか。認めた上で、可能であればできるだけ早く、先進医療Bの結果を出してもらえないかということだと思います。
それでは、ただいまの結論で進めたいと思いますが、事務局からどうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
患者申出療養に関する定期報告に関しましては、どの程度のものを求めることになりますでしょうか。
○福井座長
ここへの報告はやってもらったほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。この療養制度で入ってきた方についての報告はお願いするということで。
○先進・再生医療開発戦略専門官
それでは、既に設定されておりますタイミングといいますか、今3カ月、6カ月、その後は6カ月ごとと設定されておりますけれども、そのタイミングでできる範囲の実績を報告していただいて、この会議の場で御審議いただくということでよろしいでしょうか。
○福井座長
そのようにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、2番目の議題に入りたいと思います。「患者申出療養の実績報告について」、資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
それでは、資料患-2に従いまして、患者申出療養の実績報告について御説明申し上げます。
まず、1ページですが、患者申出療養の平成29年7月1日から平成30年6月30日の1年間実施された患者申出療養の実績報告についてまとめた資料となっております。平成30年6月30日現在で技術は4種類、患者申出療養の実施医療機関数が23施設、総金額が2.3億円、保険外併用療養費の総額、いわゆる保険診療分が約1.6億円、患者申出療養に係る費用の総額、いわゆる患者様の全額自己負担分が0.7億円となってございます。
2ページは、この1年間の間の技術の推移をお示ししております。保険収載や取り下げ等はございませんでしたので、4種類のままとなってございます。
3ページでございますが、過去の実績について並べてお示しさせていただいております。こちらについて技術ごとにお示しした資料が参考資料1となっております。
参考資料2につきましては、それぞれの臨床研究中核病院、終了予定日あるいは協力医療機関数をお示ししておりまして、進捗状況等が確認可能となっております。
参考資料3につきましては、当該年度に実績がゼロ件であった技術について、その理由及び今後の対応方針について報告してもらっておりまして、告示番号4番の名古屋大学の技術につきましては、ゼロ件の理由にありますとおり、適格症例の発生がなく、症例登録も平成29年8月31日で終了したためと御報告いただいております。
なお、患-2の1ページの表の一番下の記載が「先進医療技術」となっておりまして、「患者申出療養」の間違いでございました。訂正しておわび申し上げます。説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、お願いします。
石川構成員どうぞ。
○石川構成員
告示番号4の適格症例がないというのはどういう意味ですか。申し出があったからですよね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
もちろん1例目の申し出があって技術は始まってございますが、その後に続く申し出がなかったということでございます。
○福井座長
ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
それでは、次に移りたいと思います。「患者申出療養の申請に必要な書類作成の簡素化について(案)」が示されておりますので、説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
「患者申出療養の申請に必要な書類作成の簡素化について(案)」とお示ししている患-3の資料に基づきまして説明いたします。
患者申出療養制度につきましては、平成28年の制度開始以降、規制改革推進会議等におきまして制度の運用のあり方等について、さまざまな指摘を受けているところでございます。昨年6月15日には規制改革推進計画が閣議決定されたところでございまして、こちらを参考資料としてつけさせていただいております。
これまで医療機関に対する支援としましては、臨床研究計画書等のテンプレートを作成して、臨床研究中核病院に提供する等の支援を行ってまいりましたが、当該規制改革推進計画におきましては、臨床計画等の患者申出療養の申請に必要な書類の作成を簡素化するよう求められているところでございます。
論点に移りますけれども、患者申出療養に関しましては、基本的に臨床研究として実施されるものですので、患者申出療養評価会議におきまして臨床研究計画書等の審査が必要になります。一方で、既に先進医療として実施しているような臨床研究を患者申出療養として実施する場合には、既に先進医療会議でプロトコル等につきましては承認が得られていることを考えますと、既存のものを活用することも可能ではないかということでございます。
対応方針としましては、以下の1、2、3でお示ししましたとおり、既に実施されている先進医療を患者申出療養として行う場合につきましては、既存の先進医療の臨床研究計画書を活用し、例えば、新旧対照表を添付するような形での申請も可能としてはどうかという御提案でございます。
最後の○になお書きを書かせていただきましたが、IRB(倫理審査委員会)やCRB(認定臨床研究審査委員会)の審査につきましては、当該委員会が求める書類が別途必要になろうかと思いますので、そちらについては御留意いただければと思います。
説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございませんでしょうか。簡略化自体はぜひ進めていただきたいと思います。この点につきましては、この方針でやっていただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
本日の議題の中で、残りはその他となっておりますが、事務局から何かありますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
申しわけございません。資料に訂正がございましたので、報告させていただきます。
患-1の資料の「保険給付されない費用(「患者申出療養に係る費用」)」につきまして、34万9,000円と記載されておりますけれども、別紙1の10ページの一番下の費用が正しい値でございます。申しわけございませんでした。
○福井座長
おわかりでしょうか。フォローできなかったものですから。
○先進・再生医療開発戦略専門官
済みません。つまり、患者申出療養に係る費用につきましては、37万9,303円となっております。こちらに書いてあります患者負担額につきましては、患者申出療養に係る費用の37万9,303円と保険給付される患者負担を合算したものが53万1,906円となってございます。
以上でございます。
○原田構成員
関連でお聞きしたいのですけれども、Cool-tip RFAシステムというハードの部分は患者負担に入るのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ハードの部分につきましては入っておりません。ただ、ニードルに関しましては負担に入ってございます。
○福井座長
済みません、もう一回、9万円のところの説明をお願いできますでしょうか。まず、最初に資料を明確に言っていただいて。
○先進・再生医療開発戦略専門官
申しわけございません。正しい値を述べさせていただきます。
まず、別紙1の1ページ目の費用につきましては、旧資料を掲載してしまいまして間違った数字でございました。正しい数字につきましては、患-1の横紙で説明させていただきますと、左から37万9千円、34万9千円、15万3千円ということでございます。混乱させてしまい、申しわけありませんでした。
○五十嵐座長代理
そうすると、別紙1はどういうふうになるのですか。別紙1の1ページと10ページが違う数字なのですが。
○先進・再生医療開発戦略専門官
別紙1の1ページ目の概要に書かせていただいた数字が、修正前の誤った資料を掲載してしまいまして。
○医療課企画官
申しわけございません。数字の再確認をいたしまして、委員の皆様に改めまして御報告させていただきます。大変失礼申し上げました。
○福井座長
天野構成員どうぞ。
○天野構成員
別件で恐縮ですが、前回の会議で告示番号1の「パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法について」、報告を求めるということに決まったと理解しているのですが、現状の進捗状況などを教えていただけますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
その件につきましては、どのような形で中間報告をしていただくのが適切かについて、申請医療機関とも協議中でございます。準備ができ次第、こちらの会議に報告させていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○福井座長
よろしいでしょうか。
そのほかについて何かございませんでしょうか。よろしいですか。そのほかに特になければ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局からは特段ございません。
○福井座長
では、構成員の先生方からもよろしいでしょうか。
それでは、事務局から次回の日程についてお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
次回は日程調整の上、後日また連絡させていただきます。
本日はありがとうございました。
○福井座長
それでは、第13回「患者申出療養評価会議」を終了いたします。
本日は、貴重なディスカッションをしていただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

(了)

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