ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(医薬品医療機器制度部会)> 第1回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録(2017年3月30日)
2017年3月30日 第1回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録
医薬・生活衛生局
○日時
平成29年3月30日
○場所
厚生労働省共用第6会議室
○議題
(1)部会長選出及び部会長代理の指名について
(2)医薬品医療器機法等の施行状況と課題について(薬局、医薬品販売、安全対策関係)
(3)かかりつけ薬剤師・薬局にかかる評価指標について
(4)規制改革実施計画の対応について
(5)革新的医療機器の早期承認について
○議事
○紀平医薬情報室長 定刻になりましたので、ただ今から「第 1 回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては御多忙の折、お集まりいただき御礼を申し上げます。
本日、部会長を選出いただくまでの間、議事の進行を務めさせていただきます医薬・生活衛生局総務課医薬情報室の紀平でございます、よろしくお願いいたします。
議事に入ります前に、本日の会議資料の確認をさせていただきます。お手元の資料、上から順番に議事次第、資料が 1 から 7 まで、参考資料が 4 までございます。順番に議事次第、それから資料 1 として委員名簿、資料 2 「医薬品医療機器制度部会の設置について」資料 3 「厚生科学審議会医療品医療機器制度部会運営細則 ( 案 ) 」です。資料 4 「医薬品医療機器法等の施行状況と課題について」資料 5 「かかりつけ薬剤師・薬局に係る評価指標について」資料 6 「規制改革実施計画の対応について」資料 7 「革新的医療機器の早期承認について」です。参考資料 1 として「薬局、医薬品販売について」参考資料 2 「安全対策について」です。参考資料 3 「平成 29 年度医薬関係予算案の概要」参考資料 4 「厚生科学審議会関係規程等」です。過不足等ありましたらお申し付けいただければと思います。
初めに委員の御紹介をさせていただきます。お名前を 50 音順に、資料 1 の委員名簿に沿って読み上げさせていただきますので、簡単に一言ずつ御挨拶をいただければ幸いです。なお、本日は三村委員、山本委員から御欠席の連絡をいただいております。
それでは、資料 1 の順に御紹介いたします。
○赤池委員 名古屋大学の赤池でございます、どうぞよろしくお願いいたします。
○阿真委員 「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」の阿真と申します、よろしくお願いします。
○荒井委員 国立がん研究センターの荒井と申します、よろしくお願いします。
○乾委員 日本薬剤師会の乾でございます、どうぞよろしくお願いいたします。
○川西委員 国立医薬品食品衛生研究所の川西と申します、よろしくお願いします。
○北澤委員 京都薬科大学の北澤です、よろしくお願いいたします。
○早乙女委員 東京都薬務課の早乙女と申します、よろしくお願いいたします。
○中川委員 日本医師会の中川です、よろしくお願いします。
○野村委員 大日本住友製薬の野村でございます、どうぞよろしくお願いいたします。
○花井委員 全国薬害被害者団体連絡協議会の代表として来ました花井です、よろしくお願いします。
○原澤委員 日本医療機器産業連合会の原澤でございます、よろしくお願いいたします。
○平井委員 神戸大学医学部附属病院の平井でございます、よろしくお願いいたします。
○本田委員 読売新聞の本田と言います、よろしくお願いします。
○紀平医薬情報室長 三村委員は本日御欠席でございます。
○村島委員 国立生育医療研究センターの村島です、よろしくお願いいたします。
○森田委員 森田でございます、よろしくお願いいたします。実は、資料の肩書きは明日までです、来年度から変わります。よろしくお願いいたします。
○山口委員 ささえあい医療人権センター COML の山口でございます、よろしくお願いいたします。
○紀平医薬情報室長 山本隆司委員は本日御欠席との連絡をいただいております。以上の方々に委員をお願いしております。
事務局につきましては座席表記載のとおりです。時間の関係上、紹介は省略させていただきます。
それでは、ここで医薬・生活衛生局長の武田より一言、御挨拶申し上げます。
○武田医薬・生活衛生局長 医薬・生活衛生局長の武田でございます。皆様、本日は年度末の大変お忙しい中をお集まりいただき、誠にありがとうございます。また、日頃、医薬行政に関しまして様々の御支援・御協力をいただいておりますこと、この場をお借りしまして改めて御礼を申し上げたいと思います。
医薬品医療機器などに関する施策につきましては薬剤師・薬局の在り方、安全対策、
適正使用の推進、そして医療機器の承認・再生医療などに加え、先般のハーボニー配合錠の偽造品流通事案の発生など様々な課題がございます。
こういう中にありまして、医薬行政につきましては制度を通じての検討ということになりますと、制度改正の都度、厚生科学審議会に部会を設置し、議論を行うという形でやってまいりました。しかし、本来、制度改正を行ったあとにおきましても、その施行後の状況の確認をすることも必要ではないかと思いますし、そもそも様々な課題・問題が発生する医薬行政につきまして、広い関係者の方々に御議論をいただくという体制を整えておくことは、私どもの行政にとっても非常に重要なことではないかというように考えております。
このため、本部会につきまして、医薬品医療機器等に関する重要施策について、その在り方を考えるためということで設置をさせていただき、今回が第 1 回となるわけでございます。
私ども、医薬行政をカバーする分野と言いますのは、医薬品医療機器をはじめといたしまして、医薬部外品ですとか化粧品、それから化学物質の安全対策、更には薬害の再発防止といった様々な分野の問題を含んでおります。どれを取ってみても、国民の皆様の関心の高い課題でございますし、生命、身体に直接関わる可能性がある重要な課題でもございます。こういった様々な課題につきまして、是非、お集まりの委員の皆様方につきましては高い見地から、忌憚のない御意見をいただければ幸いです。
冒頭に当たり、私から御挨拶申し上げました。ありがとうございます、どうぞよろしくお願いいたします。
○紀平医薬情報室長 具体的な議事に入ります前に、本日が部会の最初の開催ですので本部会の概要等につきまして簡単に御説明をさせていただきます。資料 2 を御覧ください。部会の設置につきましては、薬事・食品衛生審議会の所掌に属するものを除き、医薬品、医療機器等施策に関する重要事項を処理するものとし、本年 2 月 6 日に開催されました厚生科学審議会総会で承認されました。
続いて参考資料 4 、一番最後の資料を御覧ください。 1 ページ目、厚生労働省設置法に厚生科学審議会の位置付けがございます。 2 ページの厚生科学審議会令第 6 条に、部会の設置に関する規程があります。第 7 条に、議事に関しての規程があります。 4 ページの厚生科学審議会運営規程に、部会の運営に必要な事項は部会長が定めることとされております。
それでは本日の議題 1 、部会長の選任についてに移らせていただきます。厚生労働省審議会令第 6 条第 3 項に部会に部会長を置き、委員の互選により選任するとございます。本部会には厚生科学審議会の総会の委員として川西委員、本田委員、森田委員がいらっしゃいます。部会長はこの 3 人の委員の互選により選任する仕組みとなっております。予め御相談いただいたところ、森田朗委員に部会長をお願いすることとなりました。互選により、森田朗委員が選任されたことをここで御報告させていただきます。 それでは、以降の議事進行を森田部会長にお願いしたいと思いますので、席をお移りいただければと思います。
では、森田部会長、一言御挨拶をお願いいたします。
○森田部会長 ありがとうございます。ただ今、本部会の部会長を仰せつかりました森田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私自身、この分野は必ずしも専門としておりませんけれども、中医協その他で医療関係に関わってきたこともございます。全力を尽くして務めさせていただきたいと思います、よろしくお願いいたします。
早速議事に入ります。まず、部会長代理を指名させていただきたいと思います。厚生科学審議会令第 6 条第 5 項に、「部会長に事故があるときは、部会長が予め指名する者がその職務を代理する」と定められております。そこで、部会長代理には赤池昭紀委員を指名させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
部会長代理の赤池委員には一言御挨拶をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○赤池部会長代理 部会長代理を努めさせていただきます赤池でございます、どうぞよろしくお願いいたします。
○紀平医薬情報室長 冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、報道関係の皆様方におかれましては御協力をお願いいたします。
○森田部会長 それでは議事に入ります。資料 3 、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会運営細則 ( 案 ) につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○紀平医薬情報室長 資料 3 を御覧ください。厚生科学審議会令第 10 条に基づき、本部会の下に委員会を設置する際に必要となる規程をお諮りいたします。現状では、具体的に委員会を設置する予定はございませんが、今後必要となる場合が考えられますので第 1 回のこの部会でお諮りさせていただきたいと思います。
運営細則 ( 案 ) の内容についてですが、委員会の設置、構成、それから委員長の指名、会議の取扱い、議事録の取扱いなどにつきまして他の部会と同様に運営細則 ( 案 ) をこのように作成しております。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○森田部会長 ありがとうございました。ただ今の御説明につきまして、特段の御意見がなければ了承いただいたということにしたいと思います。よろしゅうございますでしょうか、ありがとうございました。了承いただいたということで、次に移らせていただきます。
次は議題 2 、医薬品医療機器法等の施行状況と課題について ( 薬局、医薬品販売、安全対策関係 ) です。これにつきまして御議論いただきたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。
○辺見総務課長 総務課長の辺見でございます。医薬品医療機器法等の施行状況と課題ですが、制度の所掌の範囲が広うございますので、今回の第 1 回におきましては、薬局、医薬品販売、安全対策の関係を御説明させていただきます。また、回を改めて次回以降に、医薬品の承認制度等の状況について改めて御説明させていただく機会を設けたいと考えております。
お手元の資料 4 を御覧いただきたいと思います。 4 ページを御覧いただきますと、制度の全体像をフローでお示ししております。医薬品の開発・治験から承認審査、製造、販売規制、市販後安全対策、監視指導や、副作用被害の救済という一連の流れの中で PMDA( 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 ) の業務も活用しながら運用を行っているというのが制度の全体像です。
続きまして、これまでの法律等の改正の経緯ですが、資料の 6 ページ、 7 ページを御覧いただきたいと思います。右側に色を付けて囲みで様々な事件やイベント等を記載しておりますが、そういった社会的背景を受けて、これまで薬事法の改正等が行われてきております。昭和 35 年に当初の薬事法、現在の医薬品医療機器法の基になる薬事法が制定されたところです。昭和 54 年、平成 8 年、平成 14 年等の改正を経て、近いところでは平成 18 年に販売に関する法改正、平成 25 年には 2 つの法改正が行われております。安全対策や再生医療等製品に関する法律の改正が 11 月公布、また薬事法及び薬剤師法の一部を改正とありますけれども、販売規制や指定薬物に関わる改正が 12 月公布ということで、 2 つの改正が行われたところです。
それでは、まず薬局、医薬品販売関係の近年の制度改正について御説明させていただきたいと思います。 9 ページをお開きください。先ほど触れました平成 18 年の改正のうち、販売規制に関わるところです。大きく (1) から (3) まで書いております。医薬品につきましては、リスクに応じて 3 つに分類し、そのリスクに応じて販売に際しての情報提供や相談体制の区分を行ったところです。ここの部分はその後、また平成 25 年に改正になるというところです。
(2) につきましては、この時点まで、いわゆる薬店と称される OTC 医薬品の販売を行う業態に関し、薬剤師がいる一般販売業と薬種商販売業とに分かれていたものを店舗販売業という形で再構成し、また卸につきましても一般販売業の中から卸売販売業という形で定義を設けることを行っております。
また、リスクに応じた情報提供の規定を設けたところです。 10 ページに業態別の平成 18 年以降の推移をお示ししております。お目通しいただければと思います。
11 ページはいわゆる薬事法の改正ではありませんが、平成 18 年、医療関係の法律の改正と併せて情報提供、こちらは都道府県のホームページを通じた広い意味での情報提供ですけれども、その仕組みを設けております。資料が飛んで申し訳ありませんが、参考資料 1 の 8 ページと 9 ページに都道府県におけるホームページの例を挙げております。幾つかタグがあって、基本情報のタグを開いていただくと薬局の名称や住所などが出てくるわけです。参考資料 1 の 8 ページに記載されておりますのは、認定薬剤師が何人いるか、業務内容として一包化薬に係る調剤を実施しているかどうかといったようなことがホームページ上で患者に分かりやすく提供される仕組みが構築されております。基本的には年 1 回、項目によってはその都度、全薬局が都道府県に報告をするという形で運営されているところです。
資料 4 に戻りまして 12 ページを御覧ください。平成 25 年の薬事法の改正です。先ほど申し上げましたように、平成 25 年の改正は多岐に及びますが、ここで掲載しておりますのは販売関係に関するものです。柱書きのところに、平成 25 年 1 月のインターネット販売に関する最高裁判決を挙げております。従前の規制は省令に基づき、リスクに応じてインターネット販売の可能なものと、そうでないものとに分けていたところですが、省令による制限は法の委任の範囲を超えている、職業活動の自由を相当程度制約するものということで、法律上の根拠というものが求められる判決であったということです。
これを踏まえて法改正が行われております。医薬品は、いわゆる医療用医薬品以外の医薬品につきまして (1) と (2) のような形で分類をし、一般用医薬品としてネット販売の可能なものと要指導医薬品として対面販売が必要であり、薬剤師による情報提供・指導といったものが義務となるもの、こういったものとまた医療用医薬品、処方薬については対面販売が必要である。こういったような形で分類をしたところです。
13 ページに、平成 18 年改正後の分類と平成 25 年改正後の分類を少し分かりやすくポンチ絵でお示ししておりますので御参照いただければと思います。 14 ページの図は、更にそれを細かく区分の中でどういうリスクのものが、第 1 類、第 2 類、第 3 類という形で区分されているか、また、その区分に応じた薬剤師等の情報提供義務について記載しております。こういった形でリスクに応じた区分を行ったところです。
15 ページは、そうした法改正の状況をフォローするために、年度ごとに実態の調査を行っている結果です。 2 つほど数字を挙げております。上のグラフが要指導医薬品の購入者が使用しようとする者であるかどうか、本人であるかどうかについて販売時に確認をしているかの割合です。施行後の平成 26 年に比べて平成 27 年は上昇しておりますが、 8 割から 9 割の範囲である状況ということです。下の棒グラフは、基本的には対面指導の義務ですが、この義務の履行状況です。薬局においては 95 %、全体では 92 %ぐらいが平成 27 年の数字です。平成 26 年に比べると上昇しているというものの、逆に残りの 5 %のところは指導が実施されていないことになりますので、ここはしっかりと徹底を図っていかなければいけないということが見えてまいります。
16 ページはインターネット販売の状況について、サイト数、事業所数の変化が少しずつ増加している傾向をお示ししております。 17 ページは、ネット販売や店舗販売を通じた購入の実態です。細かく書いておりますけれども、ネット販売で一般用医薬品を購入している方というのは、この調査では 3.8 %で比較的限られているケースです。理由は、価格に関する理由が最も多かったというところです。一方、店舗で購入している方については、手に取って選択ができるという理由が多かったということです。
薬剤師、薬局等の最近の状況について少し数値的な説明をさせていただきます。 18 ページは薬剤師の数の推移です。平成 26 年の時点では 28 万 8,000 人ということで、従事の場所について 3 区分しております。 19 ページにもう少し詳しく、従事の場所について示しております。
20 ページをお開きください。薬剤師、薬局の在り方に関する議論が規制改革や諮問会議等の文脈の中でしきりに問われているところです。平成 27 年 10 月「患者のための薬局ビジョン」という形で「かかりつけ薬剤師・薬局」の機能として、服薬情報の一元的・継続的管理、 24 時間対応・在宅対応、医療機関等との連携を基本としながら健康サポート機能や高度な薬学的管理を加えていくというビジョンを公表させていただいたところです。 21 ページにありますように、現状の門前薬局中心の立地で医薬分業のメリットを実感しにくいという声がある中で、これを 2025 年までには機能的に「かかりつけ薬剤師・薬局」に展開し、 2035 年には立地も変わっていくような流れでということがイメージされているところです。
22 ページ、薬剤師の業務自体も当然、物に対しての重要性は残るわけですが、物中心の業務から患者中心の業務へ変わっていくことをお示ししております。患者のための薬局ビジョンを推進していくために、都道府県等で行う様々な事業についてモデル事業を行うことを平成 28 年度、及び平成 29 年度の予算でも確保しているところです。引続き、こうした事業を展開してまいりたいと思っております。
続いて 24 ページです。先ほどのビジョンの図で出てきましたが、健康サポート機能を有する薬局について一定の要件を満たす場合には、都道府県において、最初に御紹介いたしましたホームページ上の情報提供機能の中で健康サポート薬局ということで表示をすることができます。昨年 10 月から、こういった仕組みで届け出を受け付けるという形で取り組んでおります。この健康サポート薬局における機能というのは、この図の右下に書いておりますが、地域における連携体制の構築や薬剤師の資質、薬局の設備という点でふさわしい機能を有していることが要件となっております。 2 月末時点では全国で 192 件、少しずつですが増加している状況です。
25 ページです。正に、最近の重要なトピックとなるところですが、医療用医薬品について偽造品が流通するという事案が今年に入ってから発生しております。いわゆる C 型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品に係る事案です。事案の経緯と、 2 月発出の通知上の指導につきまして、 25 ページに紹介させていただいております。 26 ページ、制度的な対応につきまして議論するため、関係する業界の方々や専門の先生にお集まりいただき検討会を設置し、昨日、第 1 回を開始したところです。医薬品の流通に関するルールは比較的幅広くありますが、まず偽造の流通防止という観点から、夏ぐらいまでには一旦、中間的な取りまとめを行ってルール化し、更に広い論点については継続して検討を進めていくということで考えているところです。
販売関係は以上です、安全対策関係についてよろしくお願いいたします。
○佐藤安全対策課長 引き続きまして、「安全対策の近年の制度改正と現状」について御説明を申し上げます。お手元の資料の 27 ページからになります。 28 ページですが、平成 25 年の薬事法等の一部を改正する法律の概要ですが、この法改正においては、薬害 C 型肝炎事件等の検証検討委員会の御提言等も踏まえまして、その法律の概要の所にもありますが、医薬品・医療機器等に係る安全対策の強化というものが 1 つの柱として盛り込まれています。この中で、保健衛生上の危害の発生・拡大防止のための必要な規制を行うことを法律でも明示する。医薬品の有効性、安全性、品質の確保に関する関係者の責務を規定する。そして、最新の知見に基づき添付文書を作成し、厚生労働大臣に届出を行うという点を法律でも明確にするという点が盛り込まれています。医療機器の特性、再生医療製品の構築という部分も柱としてはありますが、また追って御説明を申し上げます。
29 ページです。医薬品の市販後安全対策の概要です。医薬品が一度承認をされますと、それまで治験等で限られた患者様に提供されてきたものが、使用患者数が増大する、複雑な患者背景を持った患者さんにもお使いいただけるということで、承認時に判明しなかった新たな副作用等が顕在化することがありますので、市販後の医薬品の有効性、安全性等の情報の収集、評価が必要になってまいります。1、2、3という、市販後の各ステージごとに、情報収集をいたしまして、必要な措置を実施する。副作用報告制度等に基づき、集められた情報等にも基づいて、例えば使用上の注意に追加をするとか、添付文書の改訂を行う、承認事項の必要な変更等を行うなどの措置を取るというような仕組です。
30 ページです。集められた情報の評価の結果を踏まえ、必要な情報提供をするということで、一般的には添付文書の改定を行うというところがございますが、より緊急性が高い場合は、緊急安全衛生情報ですとか、安全速報、イエローレター、ブルーレターを発出させていただくこともございます。その他、製薬企業においても、安全確保上の責務を果たしていただくということで、適切に使用するための資料を配付させていただくという流れになっています。その他、 PMDA 等から、様々な医薬品医療機器等の安全性情報、患者向けの医薬品ガイド等の提供をさせていただいているところです。
31 ページです。制度改正以降に導入されている仕組みということで、医薬品リスク管理計画、英語では RMP と呼んでいるものがあります。承認審査の際に、安全性検討事項ということで、治験等から得られた知見等に基づき、安全性に関して、重大なリスクなどを特定して、そういった情報に基づいて、安全性監視活動、リスク最小化活動ということです。安全性監視活動については主に市販後に実施する様々な調査や試験からの情報収集、リスク最小化活動においては、リスクを最小化するための様々な安全性措置ということで、添付文書の配付を含む情報提供などを系統的に行う仕組みです。平成 25 年 4 月以降の申請品目、新薬については適用しています。その後、後発医薬品についても平成 26 年 8 月以降の品目から適用するということで、系統的なリスク管理体制を企業にも義務づけていきます。
32 ページです。副作用情報の収集ということで、現状の副作用報告、医療機関から厚生労働省に直接報告を頂くもの、製薬企業を通じて報告を頂くものという 2 つのルートがあります。
現在の報告状況は 33 ページにありますが、おおよそ年間 5 万件を超える副作用報告を頂いています。医療機関から直接、報告いただいたのは、年間 5,000 件から 6,000 件ということで、棒グラフの緑色の部分にお示しをしています。
続きまして 34 ページです。先の平成 25 年の薬事法改正、医薬品医療機器法になったところで、添付文書の記載に関する手続は法令上明確化にされています。そして、添付文書については、常に最新の知見が反映されているということが重要で、それを担保するための法律上の規定というものも設けられています。その下に書いてある 52 条、 52-2 条です。添付文書につきましては、製薬企業のほうで作成されたものを届出いただきまして、それを PMDA のホームページにアップさせていただいています。
35 ページは、添付文書の公表の状況です。医療用医薬品では、およそ 1 万 5,000 件の添付文書が PMDA のホームページに掲載されています。
続きまして、 36 ページです。医療情報データベース (MID-NET) 推進事業です。医薬品等の安全性情報の収集の高度化を目指しまして、より迅速な安全対策の提供ができるようにということで、全国 10 拠点、 23 病院のネットワークを形成し、それぞれの拠点の電子カルテ等のデータを調査分析するという形で、平成 23 年度より、この医療情報データベースの構築の作業を進めてきています。収集されたデータの正確性、網羅性を担保するようなデータの検証を実施してきましたが、平成 30 年度からシステムを本格運用するということで、現在それに向けた利活用のルール、運営に係る経費等、費用負担の枠組の検討を行ってるところです。
37 ページです。製薬企業の品質管理、安全管理ということで、医薬品医療機構のもとで、総括製造販売責任者というものが、第 17 条第 1 項に規定されています。この方は、製品の品質管理、製造販売後の安全管理の総括的な責任を追う者ということで、製造販売業者に設置が義務付けられています。その下に品質保証責任者、安全管理責任者という、品質管理業務と安全管理業務のそれぞれ責任を負う方がいらっしゃいまして、相互に連携をして、医薬品医療機器法のコンプライアンスの体制を確保する、いわゆる「三役」と呼ばれている仕組みです。
38 ページです。この三役の責任体制ということは、平成 14 年の薬事法改正で盛り込まれている部分ですが、依然として、以下に上げておりますような法令遵守に問題のある事例が散見されます。副作用報告の報告遅延ですとか、製造に関する部分での承認書との齟齬、といったものがございます。この三役制度の運用に関して、問題点の洗い出し、改善方策の検討が必要と考えています。
39 ページに、日本製薬団体連合会において、会員に対してアンケートを取った結果のサマリーを掲載させていただいています。総括製造販売者の位置づけですとか、三役の指揮系統、品質保証部門、安全管理部門の要員という観点から、各社のアンケートを取っておりますが、その総括製造販売責任者の資格要件が規定されていない等の事例が 4 割もあるという状況もありまして、今後の改善のポイントについて整理をさせていただきまして、本部会でも御報告、審議をお願いしたいと思っています。
40 ページです。医薬品の安全対策の状況ということで、年々高齢化が急速に進展しているという中で、高齢者の薬物療法に関する問題が近年顕在化をしてきています。現状としては、ここに書いていますように、多剤投与の増加、副作用の状況、薬物の相互作用ということで、医薬品の情報提供、単品単位で現状は行われていますけれども、複数薬剤を包括した注意喚起の必要性、高齢者の薬物療法に対する安全対策の充実、また、専門性の強化と多職種連携という部分が、対策として求められていると認識をしています。こういった点を踏まえまして、今後、高齢者の薬物療法に関する安全対策を中心に、調査、検討する会議体を開催する予定とさせていただいています。
その他、 41 ページ、お時間もなくなってまいりましたので簡単に御紹介させていただきますが、医薬品の適正使用の推進の取組例ということで、先ほど来の添付文書の改訂です。これから御説明いたします最適使用推進ガイドラインの活用、また、小児に対する医薬品適正情報の収集、妊婦・授乳婦を対象とした、医薬品適正使用推進事業というような形のものを進めていまして、小児、妊婦・授乳婦に関する情報提供を補う形で、様々な事業を実施しているところです。
42 ページは、「最適使用推進ガイドライン」です。平成 28 年度から試行的に行っているものです。新規作用機序医薬品は、有効性の発現の仕方や安全性のプロファイルが既存薬等とは異なるということがありますので、こういった医薬品を真に必要とされる患者さん、医療関係者に提供されて、適正に御活用いただけるようにということで、こういう新規作用機序医薬品及びその類薬に対するガイドラインの設定を行っています。ガイドラインに盛り込む内容としては、患者の選択基準、医師・医療機関の要件等を盛り込ませていただいています。この仕組みについては、次の 43 ページに図で示していますが、保険のプロセスと連携させる形で制定させていただき、最適使用ガイドラインが作成される医薬品については、そのガイドラインを踏まえた内容を保険適用上の「留意事項通知」として発出するような流れです。
42 ページ下に実績を書かせていただいています。オクジーロ、キートルダー等について、これまでガイドラインを作ってきていますが、 PCSK9 、レパーセ、プラルエント等についても、今後通知を発出する予定としております。
最後、 44 ページですが、近年の医薬品適正使用の話題ということですが、抗不安薬、催眠鎮静薬の依存性ということで、ベンゾジアゼピン系薬剤につきまして、これまで過量投与等についての依存性については、注意喚起をさせていただいたところですが、近年の情報の集積等を踏まえ、使用上の注意の改訂を行いまして、承認用量の範囲内においても、長期の連用等において依存性が生じることがあるということで、用法・用量、使用期間に注意をいただく、漫然とした継続投与による長期使用を避ける等の使用上の注意の改訂をさせていただき、関係者の皆様に周知させていただいた次第です。安全対策関係は以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら御発言をお願いしたいと思います。
○山口委員 2 つ御質問があります。まず、 24 ページの健康サポート薬局ですけれども、この健康サポート薬局を作るときの検討会に私も参加していまして、積極的な患者支援をする薬局ということですので、これはどこが健康サポート薬局に指定されたかということを利用者が知る必要があると思うのですが、先ほどの御説明の中で、都道府県のホームページの情報提供機能で公表されているという御説明があったのですが、確か、外から見たときも、ここが健康サポート薬局だとわかるように公表するという議論があったと記憶しています。現在、実際に前を通りかかったとき、あるいは薬局の中に入ったときに、一般の人がここは健康サポート薬局だということが分かるような仕組みになっているのかどうかということがまず 1 つです。
もう 1 つは、 33 ページの副作用報告ですけれども、医療機関に報告を義務化した後の数に変化がさほどないように見えますが、どのような報告基準があるのかということを教えていただきたいと思います。以上です。
○森田部会長 それではお答えをお願いします。
○紀平医薬情報室長 まず、最初に御質問いただきました健康サポート薬局の表示のことについてお答えいたします。今お願いしているところでは、まず薬局機能情報提供制度のところで届出いただいたものを表示するというのが 1 つあります。それから、実際の店舗上の表示につきましては、資料の中の右下の健康サポート機能の所に、薬局における表示というのも4でありますけれども、健康サポート薬局であることの表示は制度としてお願いしております。ただ、特に消費者に誤解を与えたり、誘引したりしないような注意は必要かと思います。今実際に行かれて、ここが健康サポート薬局かどうなのかというのは、どこまで分かりやすい形で表示されているかどうかという、それぞれのお店の状況によるかと思います。
○山口委員 なぜそういうふうに申し上げたかと言いますと、都道府県の情報提供機能というのが、実は余り一般的に周知されていない現状があります。それだけでは薬局へ行くときに、都道府県のホームページを見るかといったら、普通はあまり見ないと思いますので、分かりやすい表示のあり方をお願いしたいと思います。
○森田部会長 後半の御質問はまた後でお答えいただきたいと思います。
○乾委員 日本薬剤師会としまして、できるだけこのマークを使っていただきたいということで、健康サポート薬局のイメージのマークを作らせていただきまして、それを健康サポート薬局は自由に使えるように、ステッカーとかをダウンロードできるように、今ほかの団体にも呼びかけて進めて、共通のマークとして使っていただけるように、消費者、国民に分かりやすいようにということでやっているところでございます。
○森田部会長 今の件は、よろしゅうございますか。 2 点目の 33 ページの報告の基準に関してお願いします。
○佐藤安全対策課長 33 ページについて、安全対策課のほうからお答えを差し上げます。医薬品等の副作用報告の件数の推移の所で、医療機関報告の伸びが余り多くないのではないかということですけれども、報告の要件としましては、法律の上で保健衛生上の危害の発生や拡大を防止するために必要と認める場合に、医療関係者は副作用報告を行うという規定になっています。そこの部分、保健衛生上の被害発生拡大を防ぐために必要と認める場合というのが規定ということで、御指摘のように、その辺り、もう少し報告しやすいような基準などを明確にしていくという検討も必要ではないかなという問題意識です。
○森田部会長 よろしゅうございますか。それでは、ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
○野村委員 先ほどの安全対策のところで、「三役体制」が不備ではないかというところがあって、最近の承認書の不備でありますとか、副作用の報告が遅延している所は、私どもの業界としても、非常に遺憾に思っていますし、最近の副作用遅延につきましては、法令の理解が十分でなかったという点につきましては、非常に残念に感じておるところでございます。日本製薬団体連合会でも、昨年の 9 月には三役の体制がきちっと機能しているかの確認でありますとか、製造販売業者としての責任でありますとか、そういったものの周知の活動をしておりますし、また、この資料の中でも引用がありましたが、実態調査のアンケートもさせていただいています。本当にこういう副作用の遅延などは、本当に我々としてもお詫びしなければいけない事態だと思うのですが、先ほどの御説明の中で、一応こういう三役体制について、もっときちんと機能するような対策を考えるということでしたので、その中で是非とも私ども業界としても、これは大きな問題と考えておりますので、御相談させていただいて進めさせていただければと存じます。何とぞよろしくお願いいたします。
○森田部会長 ただいまの、いわば補足の説明ということです。
○早乙女委員 すみません。正に今の品質管理、安全管理の所なのですが、三役の制度についての問題と、副作用報告の遅延、承認書の齟齬の問題が、やはりリンクしているというようなお考えを 1 つ持っていらっしゃるのかなというところで、これからの議論になるのかもしれませんが、場合によっては GVP や GQP の省令まで改正ということも視野に入れて、ここにありますような問題点の洗い出しや、改善策、改善方法の検討を考えていくというイメージを持たれているのでしょうか。
○森田部会長 どちらから。総務課長のほうから先にお答えください。
○辺見総務課長 御質問の中で、 GDP と。
○早乙女委員 省令改正のことが。
○辺見総務課長 G VP ですね。失礼いたしました。
○佐藤安全対策課長 三役体制、品質管理ですとか、安全管理、 GVP 、 GQP という省令があります。こういった問題、課題を整理させていただいておりまして、対策として、早期にできる部分と、時間を掛けて制度的に改正をしなければいけない部分と、そこは恐らく 2 段階に分けて検討していくような形になるのではないかというイメージでおります。
○森田部会長 ほかにいかがでしょうか。
○花井委員 余りにも広範なので、何を言っていいかというところがあるのですが、 1 つだけ、最近、承認書と異なる製造方法で、長期間製造したという例で処分を受けたということで、話題になりまして、生悪説で、抜き打ちでインスペクションを掛けなければいけないのではないかという議論があり、通告せずに見に行くということをする体制を強化したように聞いています。先ほど承認書の話題が出ましたが、結局、承認書と異なる、一変相当なのか否かみたいな所の基準なのですけれども、もちろんあるのでしょうけれども、承認書の在り方として、現状の制度上の承認書と異なる、又は、そのとおりだという話の中で、悪い確信犯的なメーカーが隠蔽したときに、新しい体制で見回われれば、それは見抜けるということなのでしょうか。つまり、もうちょっと、しらみつぶしにというのは難しいかと思うのです。そうすると、承認書の形式等との、制度設計上のバランスでというのがあると思うのですが、承認書の今後の有り様というのと、抜き打ちで見に行くことによって本当にそういうものをカバーできるのかという実効性とのバランスの中で、今どういうお考えなのか、ちょっと教えていただきますでしょうか。
○伊澤監視指導・麻薬対策課長 監視指導・麻薬対策課長の伊澤です。御指摘のとおりで、究極的にはその場でずっと見ているわけではございませんから、絶対担保できるかというと、それは絶対ということはございません。まず 1 つは、やはり我々も抜き打ちで行っていますし、都道府県も抜き打ちでお願いしていますが、抜き打ちで行くということであれば、いつ来るかということが分わからないという緊張感がもちろんありますので、そういった中で、きっちり自分たちの中で、 PDCA サイクルの中できっちりやっていこうという形は整ってきつつあるのではないかと思います。
それから、そういった形で抜き打ちも含めてあるということになりますと、やはり内部からの通報も出てまいりますので、そういった内部通報もしっかり受け止めて、随時に見に行くということも含めて、やっていくことで、かなりの部分は押さえられると思っていますが、委員の御質問にあるように、組織的に全部やった場合どうなるかということにつきましては、なかなか外部だけのチェックでは難しいので、先ほどの三役体制もそうだと思うのですけれども、内部のチェック体制ですとか、内部からの情報提供といったことも含めて、全体としてきっちりサーベイランスというか、監視指導というのをやっていくのが必要ではないかというふうに受け止めて運用しております。
○山田医薬品審査管理課長 医薬品審査管理課長です。承認書の記載内容についてですが、現在非常に細かく記載されております。実際の企業においては、日常的に変更、改良とかが行われておりますので、それに対するフォローアップをどうするかということは、問題意識として持っております。御指摘の一変か、軽微変更届かということにつきましても、これまで業界の方々ともいろいろお話をさせていただいて、具体的な例示を、こういう変更であれば軽微変更であるというようなものを、事務連絡等の形で随時これまでも発出をしておりまして、それに基づいて、判断をしていただけるようにしております。それから、製造方法等の変更内容の管理方法といったことにつきましても、今後、国際的な検討の動きもありますので、そういった国際的な状況も踏まえまして、今後とも改善してまいりたいと考えているところです。
○花井委員 ありがとうございました。ちょっと分かりにくかったかもしれませんが、何が言いたかったかというと、結局、承認書と異なるのだけれども、例えば原薬メーカーの試薬が変わりましたという場合でも承認書と異なるわけですよね。事実上、この前の件もそうなのですが、何か処分があるときに、結局必要な薬品については特段、特別の患者が困るのでということで、出荷されているわけですよね。そうすると事実上、承認書と異なるプロダクトが、結局、医療現場に供給されるという状況になったときに、もちろん医薬としては安全に問題がないということを確認するのですが、そもそも安全に問題がないことを確認するのが承認書だとすると、そこにダブルスタンダードが生じて、患者の本当の安全という話と、ルール上で承認書と、がちっと一緒になるか、違うかという話が整合しなくなって、結局、それを全部止められないということになれば、結局何か医薬は何をやっているのだということになって、それが多分塩崎大臣の怒りの根源だと思うのです。薬事行政の立て付け自体が問題になるという。ですから、そこの整合性と、承認書と異なるけれども患者に安全ですと説明される患者も結構きついものもあるし、そう説明させられる医者もきついと思うのです、もちろん医薬が一番きついと思いますけれども。そこをちょっと、ペナルティーなんだけれどもほとんどの商品が出荷されていますみたいな状況が今まであるわけですけれども、そこのところは今後もうちょっと整理が必要かなと思ったので、あえてこの場で言わせてもらいました。以上です。
○辺見総務課長 花井委員の御指摘、極めて重要な御指摘かと思います。製造承認に関わるところもありますので、次回以降、全体を御説明する中で、また改めて御議論いただきたいと思います。一方で、例示されている事例は、決して製造承認と異なる状況で出荷するというのは一般的に生じる状況ではないことは、御質問の前提としてあるわけでして、極めて必要性が高い薬の中で特別な薬についてケースバイケースで判断せざるを得ない場合もあるというのが実情です。そういったところも踏まえて、今後もまた御指導いただければと思います。よろしくお願いします。
○武田医薬・生活衛生局長 大変重要な御指摘で、法令違反について、法令違反を厳しく処罰すればいいのかというようなことですが、最終的には、国民の健康に対する安全が、いかにきちんと守られるかという観点に立って考えるときに、この問題は、抜き打ち査察の問題、承認書でどこまで細かく縛るか、そこをどのように適時、適切に修正をさせていけるのか、そして、それをどう確認するのか、企業のガバナンスの問題として、三役体制が機能しているのかという幾つかの問題が絡みますので、それは総合的に考えていかなければいけないし、正にそういう点も含めて、幅広い観点で御議論いただければいいことかなと思います。大変失礼ですが、ここで失礼させていただきます。
○森田部会長 ありがとうございました。大変重要な問題の指摘だと思いますので、今後また、それについて議論を進めていただければと思います。それでは、ほかにいかがでしょうか。
○阿真委員 22 ページの患者のための薬局ビジョンの所なのですけれども、対物業務から対人業務へということになっているということで、すごく必要なことだと思います。この真ん中のところに、「専門性 + コミュニケーション能力の向上」と書かれておりまして、これも患者との齟齬が無くなっていくと思われますので非常に良いことだと思うのですが、コミュニケーション能力の向上って書いてありますが、言うほど簡単ではないことだと私自身も含めて思うのですけれども、是非これは進めていただきたいことだと思いますので、まずは傾聴だったりですとか、模擬患者とか、ロールプレーとか様々なものがあると思いますので、そういった研修について、実際にもう既に検討は進んでいるかと思いますが、もちろん専門性もですが、コミュニケーション能力の向上も進めていただきたいと思います。
○森田部会長 ただいまは御意見ということで、特に答弁は要りませんね。ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。いろいろと、まだ議題がございますので、特にないようでしたら、次の議題に入ります。よろしいでしょうか。
それでは、議題 3 「かかりつけ薬剤師・薬局」の評価指標について、御議論いただきたいと思いますので、事務局から御説明をお願いします。
○辺見総務課長 資料 5 です。 2 ページ目、「かかりつけ薬剤師・薬局」に係る評価指標の設定の経緯に関する事項を記載しておりますが、平成 27 年 6 月に規制改革実施計画の中で、医薬分業推進の下での規制の見直しということの一環として、政策効果を検証して、それを踏まえた PDCA サイクルの実施と、それに基づく制度の見直しということで指摘がなされております。これに基づいて指標の検討をということで、「これまでの運用状況」の後半部分ですが、「今年度」というのは平成 27 年度から平成 28 年度まで実際に行っていますが、モデル事業等を踏まえ、かかりつけ薬剤師を配置している薬局の具体的な把握の仕方について検討をしているということを示しております。
この指標については、「平成 28 年 12 月」と書いてある下段のほうの、「経済・財政再生アクション・プログラム 2016 」の中で、主要分野の KPI ということでザッとお示ししている「患者のための薬局ビジョン」に基づき設定する KPI ということで、この下の段に幾つか書いております。小さい字で恐縮ですが、赤囲みをした所は「患者のための薬局ビジョン」において示すかかりつけ薬剤師としての役割を発揮できる薬剤師を配置している薬局数です。その右につながる所は、医療保険の報酬上の管理料等の算定状況や、ある種、現行の数字で把握可能なものが右側に書かれていますが、この赤で囲った所については、具体的なものとしてどういうものがあるのか、 1 つで済むのか、複数が必要なのかということについて検討が必要です。
先ほどの運用状況の所でお示ししましたように、モデル事業等の現場の実践状況も踏まえて検討ということで、 3 ページです。平成 28 年度に行った薬局ビジョン推進事業 ( モデル事業 ) の各都道府県で行ったものの一覧です。その中の長野県の事例を少し紹介いたします。
4 、 5 ページですが、この事例は、在宅医療を行っている患者の中で、薬学的管理に問題があると医師、看護師が判断した患者について、薬剤師が一度訪問するという取組です。 5 ページに少し様式が書いてありますが、こちらは患者宅を訪問した都度、「薬剤師のお試し訪問」の実施報告書を作成して、医師と他職種に提出するということです。在宅を訪問し、薬学的管理に取り組み、更に、その状況について医師をはじめとする他職種と情報共有していき、報告をするという取組です。結果について、ここに書いてありますが、患者の服薬状況、管理状況、残薬等について改善が見られるということと、他職種の方からも有用との評価をされています。
6 ページです。この推進事業の一環として専門の先生方に検討をいただいておりますが、こういった KPI の設定に際し、「基本的な考え方」の所にポツが幾つかありますが、これは幾つか御指摘があったところです。まず、 KPI の設定自体も重要ですが、法令に定められた基本的な役割、例えば先ほど施行状況の中で申し上げた要指導医薬品について薬剤師がしっかりと説明をするといったようなことも含めた実態把握をしてこそ、薬局ビジョンの実現に結び付くのではないかということで、そういった調査も必要ではないかということ。また、 KPI 自体は薬局ビジョンの中で、「かかりつけ薬剤師・薬局」の役割として必要だと言われている 3 つの分野、服薬情報の一元的・継続的把握と薬学的管理、在宅対応、医療機関等との連携といった分野に即した形で設定をしていくべきではないかという御指摘をされており、その下のほうに設定の例について具体的なものをお示しいただいたところです。
「薬学的管理」の右側の赤い所で大きめの四角で囲ってある所ですが、現場で実際には様々な取組があり、プレアボイドやヒヤリ・ハットといった、ある種先進的な取組をしている場合もあります。一方で、先ほどの長野県の例に含まれるような、服薬情報を示す文書を医師に対して提供するといったような形で、いろいろな形式が実際にはあるとは思いますが、こういったような取組もあるということで、こうした取組の中で実際に薬学的管理をどのようにやっているのかといったことが分かるような視点も必要だといった御指摘を頂いたところです。
7 ページ以降が、こうした御議論を踏まえ、現在、厚生労働省として考えている KPI 設定の ( 案 ) ですが、まず 7 ページに、3に KPI の設定・把握ということで位置付けをしております。 KPI を設定すると、全国のある種平均的な取組の状況が数字として出てきて、これを年度ごとで追跡をすることは可能になるわけですが、それだけではなくて、まず1として、薬局機能情報提供制度の項目の拡充ですが、これは個別の薬局の取組状況を見える化するということです。そういった取組を行いつつ、右側ですが、2薬剤師・薬局の実態に係る調査を実施する。単に平均的な数字が増えているとか、減っているとか、変わらない場合であったとしても、それがどういう状況なのかということについて、やはり実態的な調査をすることは必要ですし、また、こういった KPI 等に基づくものだけではなく、基本的な義務についてちゃんと遵守されているかどうか。問題があればそれに対応するといったようなことも基本として必要となるわけですので、こういった 3 つの視点をセットで取り組んでいくことが必要だということです。
まず、個別の薬局の見える化については、 8 ページに項目拡充の案を示しております。1患者の服薬情報の一元的・継続的把握のための ICT 化の取組の有無ということで、電子版お薬手帳や電子薬歴の活用の実施の有無を把握するということとしてはどうか。2として、先ほど健康サポート薬局の取組を御紹介しましたが、この健康サポート薬局になるに際しての薬剤師の研修がありますが、こういった研修を受けている方の数です。3は、地域の医療機関等との連携体制への参加の有無。また、4医師に対して、患者の服薬情報等を示す文書を提供した実績の有無。5として、病院から地域へ退院してくる患者さんについて、病院のスタッフと地域のスタッフとの間で行われる退院時のカンファレンスに対して参加をするということの体制がとれているかどうか、こういったようなことを項目として追加してはどうかということです。
集計するためには、やはりこういった形でベースの数字が把握されているものをどう集計していくのかという仕組みが必要かと思っておりますので、 9 ページに、 KPI の案を示しております。厚生労働省で把握する KPI としては、薬局機能の情報提供制度に追加する項目を集計する形で把握していくということとしてはどうかということで、項目を少し組み合わせた形になっています。例えば 1 つ目は、患者の服薬情報を一元的・継続的に把握するという観点から、電子版お薬手帳をやっている所もあるし、電子薬歴システムをやっている所もあると思いますので、いずれかをやっているという形で数を把握してはどうかということ。 2 つ目は、在宅業務については、在宅業務を過去 1 年間に平均で月 1 回以上実施した薬局数ということで把握してはどうか。 3 つ目ですが、研修を修了したという薬剤師だけでは研修しただけで終わりですので、研修を修了した上で地域のケア会議や多職種連携会議に出席しているという 2 つの条件で縛って、そういった薬剤師さんがいる薬局ということで把握をする。 4 つ目は、医師に対して、患者の服薬情報を示す文書を過去 1 年間に平均月 1 回以上提供した実績がある薬局数を把握する。こういった数字を年度ごとに把握して推移を確認するということです。
繰り返しですが、この KPI の推移だけではなくて、全体的な形として PDCA サイクルを回していく。こういった案を検討しているというところです。以上です。
○森田部会長 ただいまの御説明について、御意見、御質問等をお願いいたします。
○村島委員 健康サポート薬局研修というのは、どこが主催して、どういうシステムになっているか、教えていただけますか。
○辺見総務課長 これは先ほど御紹介しました健康サポート薬局の表示の制度の中で、一定のルールを作っております。今、実際にお願いしているのは日本薬学会ですが、研修実施ではなくて、研修の内容を審査するという形になっております。実際に研修をする団体というのは、例えば日本薬剤師会等も行っておりますし、そのほか現状では 5 団体ぐらいが行っておりますが、公益法人等で研修を実施するということで申請を頂き、その内容を薬学会で審査した上で実施が可能となるといった仕組みになっております。
○村島委員 ありがとうございます。妊娠と薬情報センターをずっとやってきた立場から申しますと、その研修プログラムに妊婦、授乳婦、小児も含めてだと思うのですが、是非そういう知識をしっかり入れていただければと思います。私もよく薬剤師関係の方々とお話する機会が多いのですが、結構お子さんを持っているお母さまから、ついでに相談を受けたりすることもあるようです。今、老人にばかり目が向いている状況ではあると思いますが、是非その辺りをよろしくお願いいたします。
○山口委員 6 ページにありますアクションプラン検討委員会のメンバーとして、私も議論に参加いたしました。これは非公開で行われましたので、内容が表に出てこなくて、話し合った結果だけが今日ここに出ているという状況です。少し要望というか、ここにきれいに収まっていますが、ここに至るまでにかなりいろいろな議論がありました。
まず、 KPI として出すということになると客観的な指標が重要ということなので、この左の 3 つが出てきたのですが、やはり私から見ましても、電子版お薬手帳を導入しているだけで、果たして本当に一元的管理になるのだろうかというような疑問もあります。本当に重要なのは、この右側にある「薬学的管理・指導の取組を評価できる指標」ということが実は大事だという話にもなりましたし、私もそう思っているのですが、なかなかこちらを客観的に評価するような指標がないというようなことで、結構議論になりました。
今回、 9 ページに「 KPI の設定・把握 ( 案 ) 」とあって、 6 ページの右側の「薬学的管理・指導の取組を評価できる指標」の中から 1 つしか、こちらに組み込まれていないのですが、できればやはり 2 つぐらい、もう 1 つぐらい KPI の中に入れていただいたほうが、本当の薬局機能を見ることができるのではないかと思いますので、少し追加していただきたいと提案したいと思います。
○森田部会長 ただいまの御提案について、事務局はいかがでしょうか。
○辺見総務課長 御提案の趣旨を踏まえて、可能性についての検討というのは、いずれにしても、この KPI 自体の見直しも将来的に行う必要があればやっていかなくてはいけないことだと思っておりますので、念頭に置いていく必要があると思っています。
一方で、客観的に把握できるということですが、 1 つは、個別の薬局がそういった取組をやっているかとか、例えばこちらに出ておりますプレアボイドというのは、現在病院の中で中心に比較的始まっている取組というふうに私は理解しておりまして、日本国内で、その病院での取組も決して広いわけでもなく、かつ、在宅の中でいくと本当にごく限られている状況かと理解しております。そういった取組は、一定の定義の中で、個別の薬局がやっているかどうか、これは実は、定義がはっきりしていれば、やっているかどうかを客観的に把握することは可能だと思います。しかしながら、全国的に集計をするときに、その全国的に集計された数字が客観的かどうかというと、またちょっと別の問題が出てきてしまいます。今、申し上げた個別に具体的な取組があるかどうかというのは実態調査等の中で把握していく。例えば、あとは個別の薬局の見える化の中でまず入れてみるなどといったような順番で考えていく面もあるかなというふうに思っております。そういったことを念頭に置きながら、決して考え方はここで終わって未来永劫変わらないということではありませんので、いろいろ御指導いただきながら検討を進めていきたいと思っております。
○山口委員 プレアボイドのところで、今おっしゃったように、医療機関が取組をしないと、こういったことが進んでいかないという議論もありました。しかし、やはり KPI に加えると、薬局がそういうことをやらなければいけないと積極的に医療機関に働き掛けるという動きも出てくるのではないかと思うのです。医療機関がやってくれるのを待ちの姿勢ではいけないのではないかなと私は思っているのです。そういったことを含めて、今後、今すぐは無理だとしても、加えていくという方向で考えていただきたいと思います。
それと、本当にこの電子版お薬手帳の数を見たり、在宅業務を過去 1 年間に平均月 1 回ということの数で測れるのかというような問題もあると思いますので、その辺りの数字の見直しもしっかり検討していただきたいと思います。
○北澤委員 少し教えていただきたいのですが、今議論をしようとしている KPI づくりということは、日本の医薬分業がどのぐらいのレベルにあるのかということを国として把握するために行うというものなのか、それとも、個々の薬局の機能を測定するためを考えておられるのか、その辺りが今の説明では分かりにくかったので教えていただきたいというのが 1 点です。
もう 1 つは、今日御説明のあった個々のいろいろな条件というか、提案について、ではこれをやったらどうなるのかというところが分からない。何を求めてこういうことをやるのかというところについて、もう少し説明してほしいと思いました。結局は患者がどう良くなるのかというのが、この指標からはちょっと分かりにくかったので、その辺りで、厚労省が今考えていることを教えていただければと思います。
○辺見総務課長 今、北澤先生が御指摘になりました国として全体なのか、個々の取組なのかという御質問について、少し誤解をされるかもしれませんが、実は両方というのがお答えになります。両方と申し上げるのは、規制改革推進計画や諮問会議などといった国全体の財政等を議論する中で、医療の中の特に薬局分野における取組がどうなっているのかということについての把握ということは、やはり求められているところでして、そういったことも視野に置いた取組であることは事実です。
一方で、先生御指摘のように、実際に何が変わっていくのか、これは正に薬局というのは患者さん若しくは薬品を購入する消費者の方との関係の中で、何が変化があるのかということが重要かと思っております。そういったことを踏まえまして、 3 つの点でお示しさせていただいた 7 ページの、あえて1に薬局機能情報提供制度の項目の拡充、個別の薬局の取組状況の見える化をお示しさせていただきましたが、まず、個々の薬局がどうなったのか。これを平均したときにプラスになる場合もありますし、マイナスになる場合もありますし、プラスとマイナスが均衡していれば全体の数字は同じですが、その状態がどうなるのかということを個別にも見えるようにしておくことが必要だと考えているところです。
これで何が変わるのかというところは、お時間も制限がありますので端的に御説明させていただきますと、モデル事業の中で御紹介させていただいた長野県の事例ですが、在宅への訪問の取組を進め、かつ、医師に対しての報告を書面で行っているという中で、他職種連携が進んで効果が得られたというような実践の取組がある中で、こういう取組を行っているということが将来的な薬局ビジョンに向けて大事なことだと思っておりますので、こういった取組を実際に効果が出る形で進めていっていただきたいといったような考え方です。
○森田部会長 よろしいですか。これもなかなか難しいといいますか、まだ議論をして詰めていかなければならないと思いますが、そろそろこの部分についての時間がまいりました。いろいろ御意見はありましたが、この案そのものについては、特に御異論がなければ御了承いただけるということでよろしいでしょうか。更にもう少し事務局のほうに詰めて検討を行っていただければということでしょうか。では、少し御意見も出ましたので、更に検討していただくということで。
○赤池部会長代理 先ほど山口先生のほうからも御発言がありましたが、私自身がこの委員会の取りまとめを行っておりまして、特に KPI の設定把握という 9 ページですが、把握項目として、先ほどの御説明もありましたが、取りあえずは 4 つという形で出てくるというのは、それはいろいろな意味でやむを得ないというふうには理解いたします。
ただ、やはり検討会のほうではそれ以外に、山口先生も御指摘になりましたが、特に非常に重要な項目として、 6 ページの「薬学的管理・指導の取組を評価できる指標」として、先ほど御説明もありましたがプレアボイドも含めて 4 つの点があります。結果として 1 つ残ったという形にはなっていますが、逆に言いますと、示されているところから 3 つ抜け落ちているということにもなっています。ですから、すぐに入れるということは難しいというようなことはありますが、何か注記などといった形で、今後指標として採用できるようになるのであれば、こういったことを入れる可能性もあるぐらいのことを加えていただくと、議論した内容というのはかなりよく反映されると思いますし、また、実際に御覧になる薬局に対しても、ある種のメッセージとして出せるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○辺見総務課長 ありがとうございます。今、赤池先生から御指摘いただきましたように、この抜け落ちた 3 つのところ、確かに指標として把握することについて一定の難しさがある一方で、薬学的管理の実態を推し測る上では極めて重要な事項だと思っておりますので、先ほどの 3 つの点で示したうちの中の「薬剤師・薬局の実態に係る調査の実施」の中で、実際どういうふうになっているのかとか、将来的にどういう形であれば客観的な把握ができるのかとか、そういったような視点も持っての検討を行っていくということも必要かと思っております。そういったことで、少し長い目で御指導いただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○森田部会長 ありがとうございます。いずれにしましても、これは今日この場で決めるという話ではないわけです。したがって、本日出ました御意見を踏まえた上で、更に詰めていただきたいと思います。そういうことでよろしいですね。
○辺見総務課長 はい。
○森田部会長 ありがとうございました。
それでは、議事の 4 番目に移ります。「規制改革実施計画の対応について」、これについて御議論いただきたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。
○辺見総務課長 規制改革の推進計画、私どもの局の関係は 5 項目ほどあります。資料 6 です。 2 、 3 ページに項目が掲載されています。複数課にまたがる状況ですが、時間も限られていますので私のほうから一括して御説明させていただきます。なお、実施時期がそれぞれ記載されており、年度内に実施するものも幾つかあります。本会議の開催のタイミングの問題もありまして、ものによっては通知・告示等の発出の段階になっているものも実はありますが、報告も含めて御説明させていただきたいと思います。
2 ページです。 2 つの項目が掲載されており、「薬局における薬剤師不在時の一般用医薬品の取扱いの見直し」ということです。上の段に掲載されているのは、患者本位の医薬分業の推進を前提とし、薬局の調剤応需体制の確保とのバランスなどを考慮しながら、薬局において、薬剤師不在時にも登録販売者が第二類・第三類の医薬品を販売することができるように、業界関係者の意見を幅広く聴取した上で、規制を見直すということです。
この書きぶりではイメージしづらいところがあるかと思いますが、例えば、日中の一定の時間は調剤を行って、夜は OTC の医薬品を売っているという業態が、実際に街の中に見受けられるところですが、現状これは薬局の許可と、いわゆる店舗販売業という、必ずしも薬剤師がいなくても OTC を販売することができる許可と、 2 つの許可を取っているところです。仮にこれを全て薬局でということになりますと、調剤をしない時間帯については薬局として閉局をする、全体として閉店をするということが必要になるわけですが、薬局で薬剤師がいない時間帯に、薬局のままで調剤をせず OTC を売れるようにというのが御要望の内容です。
下段ですが、先ほど申し上げたような 2 つの許可を取るに際して、現状、これは都道府県の許可になっていますが、都道府県が許可を行う際に、薬局と店舗販売業の 2 つの許可の間で、例えば壁を設けるべきとか、地域によっては通路を設けるべきとか、そういった審査基準の中に相違がある。これは全国展開をする場合に支障になるといった観点から、指導の統一化を図ってほしいといったようなことです。
一旦ここでページを飛びまして 4 ページを御覧ください。前段については、 3 月 13 日に、ここに掲載しています 6 団体にお集まりいただいてヒアリングを行ったところです。薬局において薬剤師がいない場合、患者対応、消費者対応に対して不安があるといったようなことを含めて、様々な御意見を頂いたところです。また、制度的なことを申し上げますと、 5 ページに医薬品医療機器等法の第 7 条の抜粋をしております。第 1 項と第 2 項の所にそれぞれ書いていますが、下線の「実地に管理」という所です。これは、いわゆる薬局であれば薬剤師による実地の管理が必要ということが法律上で規定されているところです。そうした中で、例えば先ほど例として申し上げました、夜間の時間等 OTC を売っているということで、その時間帯を薬局にしてほしいということであれば、管理者は誰なのかということが法律上問われてきますが、基本的には薬局の場合、薬剤師による実地の管理が求められていますので、そうしたことを踏まえて、どういう対応が必要かということです。
一方で、規制改革推進会議において議論をされましたのは、薬局における薬剤師は、薬局における調剤業務だけではなくて、今後、在宅に出ていくといったようなことも求められるし、そういった場合に薬剤師が不在になる場合もあるのではないかと。一方、そうした時間帯の OTC 購入希望者に対して何ら対応ができないということはいかがかといったような御指摘もあった中で検討を行った結果です。
対応方針ですが、患者本意の医薬分業を推進する中で、地域包括ケアも念頭に置いて、一定の限られた条件の中で販売することができるということで、「このため」の所に書いていますが、「在宅対応等、当該薬局の業務の一部を薬局の外で行っている場合に限定して」ということで、これは薬剤師が薬局で薬局の業務を行っているということが前提だということです。以下の条件を満たす場合に、閉局することなく、登録販売者がいれば第二類・第三類の販売をすることを認めてはどうかということです。先ほどの「実地の管理」の問題がありますので、要件の 1 つ目としては、いつでも連絡が取れて、すぐ戻れる状態にあるということ。また、薬剤師がいない状態ですので、調剤等の機能に係る区域を閉鎖して手に触ったりすることができないようにするということ。その時間帯に薬局を訪問した患者が困ることがないように、不在時間等の表示をするというようなこと。こうしたことを条件とするということでどうかということです。
5 ページが、指導の統一化ということですが、各都道府県の実態を調査しましたところ、薬局と店舗販売業の店舗を明確に区別することという省令上の規定についての解釈にばらつきがあると考えられましたので、この点について、薬局と店舗販売業の間の明確な区別というのは、顧客の視点から見て、どちらの店舗の医薬品であるのか、どちらの薬剤師が指導に責任を持っているのかといったようなことについて明らかであるということ。これを求めるために設けられた規定であるという趣旨を改めて解釈通知として発出させていただきまして、これに合わせて指導の統一化を図るための Q&A 等を発出していきたいというところです。
3 ページにお戻りください。 3 点ほど、「一般用医薬品及び指定医薬部外品の広告基準等の見直し」ということで記載しております。 1 つ目は、広告基準自体の見直し。真ん中は、広告監視指導の在り方の見直し。最後は、一般用医薬品及び指定部外品、これは都道府県知事の承認権限になっているところですので、厚生労働省においては承認に関しての基準を設けておりますが、この基準の中の効能効果の表現の見直し。こういったような御指摘です
6 ページです。まず、広告基準見直しの件ですが、業界関係者もオブザーバーとして御参加いただいた上で、広告に関する研究班を設置して、 5 回ほど検討を行ってきたところです。この研究班においては、どのような広告が不適切かといった観点から、この基準自体は昭和 55 年に通知された医薬品等適正広告基準というものですが、この見直しと、運用解釈について消費者目線からの御指摘を踏まえて検討を頂いたものです。具体的な見直し内容については 7 ページに掲載しておりますが、詳細の説明は省略させていただきたいと思います。
今後の対応としましては、当該研究班の報告書が 5 月末までに取りまとめられる予定ですので、報告を頂いた上で、パブリックコメント等の手続を進めて、基準の改正を行う予定としております。
続いて 8 ページです。監視指導の見直しということですが、現在、広告監視は都道府県が行っておりますが、この統一を図るために、 5 つの都道府県と厚生労働省で協議会を設置して協議を行っております。この協議の結果について、議事録をお送りするという形で全国の都道府県に連絡を取っているところですが、実際には各都道府県の指導にばらつきがあるという御指摘がありまして、見直しを行うというものです。これまでの議事録をお送りするという形だけではなくて、指導内容の相違を可能な限り解消するという観点から、必要な場合には協議結果を国からの通知という形で周知をして、それによって全国的な統一を図っていきたいということです。また、協議会においては、これまでも業界等々で意見交換を行ってきたところですが、より建設的な議論が行われるよう、運営方法の見直しも行っていきたいというところです。この改善策については、来年度から開催される協議会から運用の開始をいたします。
9 ページです。先ほど申し上げました 5 項目のうちの 5 番目ですが、一般用医薬品及び指定医薬部外品の都道府県の承認に関わるところには国のほうで基準を設けているところですが、この基準については定期的に見直して、関連する告示・通知等の改正を行っているところです。今年度はビタミン含有保健薬の見直しを行ったところですが、この中で、効能効果の表現について、生活者の視点から見た分かりやすい表現とするということで、具体的には、 2. 対応方針の四角囲みで書いてある所ですが、滋養強壮等と、少し長い記述になっていますので全部読むのは控えさせていただきますが、こういった表現について、例えば改正後の所にありますように、「体力・身体抵抗力又は集中力の維持・改善」等々という分かりやすい表現に変えていくということです。説明は以上です。
○森田部会長 では、御意見を伺いたいと思いますが、最初に確認させていただきたいのは、この議案は規制改革の計画について見直すということですが、これは 2 、 3 ページを見ると、実施時期は平成 28 年度に検討、結論があります。もう平成 28 年度は終わりですが、これは一応、そちらで出された原案についてここで承認をするという議案なのでしょうか。確認をさせてください。
○辺見総務課長 基本的には、厚生労働省として責任をもって検討、結論、結果を出すということです。今回こういった審議会の機会がありましたので、お集まりの委員の先生方から御意見も頂きつつ、最終結論といっても時間は限られておりますが、ものによりましては今後運用していく段階、平成 29 年度の上半期実施となっているもの等、例えば省例等をこれから上半期に向けて作るというようなものもありますが、そういったような段階で反映をさせていただくことで考えております。
○森田部会長 ということは、一応これで、もう厚生労働省の案が提示されたということで、これについて今日の残りと明日しかありませんが、そこで何か修正すべき点等がありましたら、御意見をどうぞ。
○中川委員 確認しますが、平成 28 年度に検討、結論ということは今日検討したので、これに該当したという解釈でいいのですね。今日、ここで検討しましたから。各委員に、持ち回りかで、森田部会長を中心に取りまとめるという理解でいいのですね。
○辺見総務課長 先ほどの説明と重なりますが、結論については厚生労働省として結論を出していく必要があると思っております。例えば、諮問、答申といった形で審議会の結論をお願いする形では実はございませんので、今回、御意見等を頂きましたならば、それを踏まえて最終的な、私ども役所として結論を出す上で、しっかりと参考にさせていただくということです。
○森田部会長 中川委員、よろしいですか。
○中川委員 はい。
○森田部会長 分かりました。一応、厚労省で原案を作られて、厚労省として責任を持って決定されるということですので、その最終的な案について何か、ここでコメントがあればということです。
○川西委員 これ、 4 ページ目で要件の基本的な考え方という所、 4 ページ目の一番最後の所で、 (3) で「調剤等を求める患者が困ることがないようにすること」という表現がされています。これはいろいろ考えてこういう表現をされていると思うのですが、これは要するに、どういうことなのでしょうか。
○辺見総務課長 ここで想定しておりますのは、薬局で処方せんをもって調剤をしてもらうことを期待して来局したケースにおいて、どうするかということです。まず重要なのは現在は薬剤師が不在であり調剤ができないということを明確にする必要があります。また、それは在宅に行っていますといったようなことを表示することもあるかと思いますし、そのために在宅に行っているので 30 分で帰りますといったような、時間的なことを表示することもあろうかと思います。前の日にそれが分かっていれば、前の日に表示するということもあると思います。目的としてはそういったことを考えております。本件は平成 29 年度の上半期において実施ということですので、実施に向けてこの辺の細かい具体的なところについては、更にイメージを働かせて明確にしていきたいと考えております。
○川西委員 苦心されていることは非常に分かるのですが、もう少し何か Q&A ではありませんが、噛み砕く必要があるのではないかなと思いました。
○山口委員 今の所に私も引っ掛ったのですが、保険薬局は開いていれば薬剤師はいるものだと一般的には思っていると思います。行ったときに「いません」と書かれてあっても、薬剤師がいないこと自体困るのです。だから困ることがないようにすることはできないのではないかなと、これを見ていて思いました。そもそも、このヒアリングに私も参加しましたが、この 6 団体の中でこのように推進すべきとおっしゃったのは 1 団体しかなかったように私は理解しております。また一般用医薬品のみを買うときに、第一選択で保険薬局に行くかというと、普通はドラッグストアで安い薬を捜すというのが一般的な選択ではないかと思います。ましてや、薬剤師が不在の保険薬局が開局しているということはあり得ないのではないかなと私は思っています。つまり、処方せんを受け付けられないこと自体が問題ではないかなと思います。規制を緩和すべきだとおっしゃっていた方は現に登録販売者が処方せんを受け付けられるようにすべきではないかというような発言までされていて、こういうようなことを 1 つ認めると、なし崩しにならないかと懸念致します。例えば「在宅対応等」と書いてあります。そうすると限定してと書いてあるのに「等」があると、在宅医療以外のことも認めるというようなことになってくるのではないかなと、発言を伺っていて非常に懸念を覚えました。
○本田委員 2 つありまして、 1 つはやはりそこの患者が困ることはないということに関しても私もどういうことなのか分からなかったです。処方せんを出した後、何時以降に来てください、明日になりますなど、そういうことなのかなと。受け取れないということなのですね。ではいついつ以降に出してくださいのような話になるということなのか。その辺が分からなかったのでということが 1 つありました。もう 1 つは単純なことで恥しいのですが、 7 ページの広告基準の見直し云々で、このようにやりますという案になっていますが、意味が分からなかったのが、 3 つ目の複数の効能・効果を要する医薬品等で、例えば 5 、頭痛・生理痛に何とかとありますよね。これは何で頭痛だけにしなければいけないのか、どういう意味合いがあるのかを教えてください。
○森田部会長 どうぞ。
○辺見総務課長 まず 1 点目の患者が困ることがないようにという所については、先ほどの答弁と重複になりますが、具体的な所は実施に当たって示していかなければいけないと思っておりますので、いろいろと改めて関係者の御意見を聞きながら工夫していきたいと思っております。
○伊澤監視指導・麻薬対策課長 失礼します。 7 ページの件です。こちらは一覧表にしてしまったので分かりにくくなり申し訳ございませんでした。左端の項目に「複数の効能・効果を有する医薬品」と書いてあります。今の規制では、むしろ複数の効能・効果あった場合には複数を書けという形になっておりまして、 OTC のメーカーからすると、確かに承認上の効能・効果としては頭痛と生理痛があるのですが、頭痛の患者に使ってもらいたいなと思っていても、両方とも書かなければ駄目だとなっていますので、それは患者の立場に立てば緩和しても大過ないのではないかという委員の御意見で、こういう形で緩和してはどうかという案です。
○本田委員 いいのですね。 1 つ……複数書いてもいいのですか。
○伊澤監視指導・麻薬対策課長 もちろん複数書くのは問題なく、むしろ、今は複数全て書かなければいけないとなっているので、患者の立場に立つと自分は頭が痛いだけなのだけれども、この薬でいいのかとなってしまいますので、今の患者のリテラシーを考えたら緩和してもいいのではないかと。こういうことです。
○森田部会長 ありがとうございました。いろいろと議論がまだあるかと思いますが、時間が大分残り少なくなってきておりますが、重要なことですので、乾委員と花井委員、簡潔にお願いします。
○乾委員 山口委員と同じく、 13 日のヒアリングで意見を述べさせていただいた者として。まさか、こういう対応方針、今後の対応で薬剤師がいなくてもいいという案が出るとは思いもよらなかったことで、非常に遺憾です。そういう立場で敢えて確認させていただきたいのですが、この対応方針案の所で、先ほどから出ていた在宅対応等を記されていますが、想定されるケースというのを非常に限局的にしていただきたいということで、例えば薬剤師が 1 人しかいない薬局で、在宅薬剤業務のうち、止むを得ず一時的な緊急事態、もう本当に止むを得ず一時的な緊急訪問等の場合でしか考えられないと私は思います。ましてや、それが常態化することはあり得ないと理解しております。またこの在宅対応の業務についてそこに明記されているように、当該薬局の業務に限られるものであり、実施に当たってはそのことが誤解もしくは拡大解釈されないよう、厳格な運用をお願いしたいという山口委員と同じ意見です。その辺をよろしくお願いいたします。それと 2. 要件の基本的な考え方の調剤等についても、調剤のほかと考えると、要指導医薬品及び第一類医薬品の販売しかないのではないかと思いますが、その辺のお考えはいかがでしょうか。
○辺見総務課長 2 点目の調剤等の「等」の部分で想定しているのは、今乾委員の御指摘のとおりですが、実施に際して必要であれば、もう一度考え直して分かりやすい表現にしたいと思います。
1 つ目の「在宅等」で現在想定しているのは、例えば先ほどの KPI の中でも出てきましたような地域ケア会議、退院時カンファレンスなど、そういったようなことが想定されるかと思っております。こういったようなものが「緊急時」という定義の中でうまく表現ができるのかどうかも含めて、運用に際しては、「等」だけでは分かりにくいという御指摘もあろうかと思いますので、検討してまいりたいと思います。
○花井委員 簡潔にということなので簡潔に言いたいと思いますが、そもそも医療用医薬品は正に医師の処方せんと薬剤師の調剤、それから広告規制も厳しいということで、要するに消費者保護、患者保護が徹底しているわけです。ところが一般用医薬品になった瞬間に自己責任の範囲が無茶苦茶に拡大するということで、一般用医薬品に医療用医薬品と同じ成分のものが今、スイッチしたときに、同じようなものなのに、いきなり無限に消費者の自己責任が拡大するのは問題だろうということで、平成 18 年改正で、リスク分類は分けて専門家が介在できるような制度、建て付けを作りました。ところがこれが最高裁判決でひっくり返ってしまって、事実上はインターネットで自由に購入できるようになって消費者責任は無限に拡大するとなれば、むしろ OTC の広告はもっと厳しくしなければいけないなと私どもは思っていたところです。つまり医療用医薬品がこれだけやっているなら、それに近づけるべきだという話なのですが、逆に健康食品に近づけて、健康食品より厳しくなるという議論があって、結果的にこういうことになっているのですが、大体が規制緩和については、これは強く反対していますし、ここで出されても反対としか言いようがありませんが、ここまで来ているので今後はやはり専門家が介在することが重要なので、先ほどから、かかりつけ薬剤師の議論も出ていましたから、やはり消費者が安全に OTC を使うことに対して専門家が助けてあげるという建て付けを今後は充実して、この言語道断の規制緩和ですが、そういう状況の中で患者が守られるような仕組みを今後構想していただきたいと思います。だから正にかかりつけ薬剤師はもう OTC も含めてということですし、先ほどの薬局の 1 つ目の規制緩和もいろいろ意見がありますが、流れがこういう中で、やはり消費者の自己責任が無限に拡大して、いかがなものかというのが私どもの立場ですし、やはり専門家に助けてほしいと。医療用はここまで助けてもらっていると。 OTC だと、あとは誰も助けてくれないということにならないように、皆さんここにたくさんいらっしゃるので、是非、お知恵をお借りして患者保護のために制度を作っていただきたいと思います。以上です。
○森田部会長 簡潔にお願いします。
○中川委員 簡潔に言います。花井委員の御意見の主旨に私は大賛成です。やはり流れがおかしい。インターネット販売の議論から、非常におかしい。これは医薬局も不本意だと思っているはずです。是非、ここで踏ん張っていただきたい。先ほどの本田委員の意見に戻りますが、私はこれはおかしいと思う。例えば、頭痛の方が、頭痛・生理痛と書いてある薬と頭痛と 1 つだけ書いてある薬とどちらを選ぶと思いますか。頭痛と書いてあるほうが頭痛に効きそうに思うではないですか。これは広い意味で消費者に不利益を与えます。簡単に不利益を与えるものでないためと言って、 OK というのはおかしい。というようなこともあり、もう少し再考してみてはどうでしょうか。花井委員、素晴らしいことをおっしゃったと私は思います。
○森田部会長 これ、お答えは難しいですか。どうぞ。
○伊澤監視指導・麻薬対策課長 7 ページに関しては、先ほどのスケジューリングにもあるように、まだ研究班の最終報告をこれから受け取る段階ですので、今の御指摘については研究班にも伝えて最終的に、今の結論については得たいと思います。特に頭痛・生理痛、頭痛の点に関しては御意見があったことを受け止めさせていただきたいと思っております。その他についても、御指摘いただいた観点から再度見直して、最終的に私どもで決めさせていただく形で対応したいと思います。ありがとうございました。
○森田部会長 ありがとうございました。いずれにしても閣議決定の規制改革の指示があって、それに対してどう対応するかということで、こういう案を提案されたわけです。それについては反対の意見も含めて、いろいろ出ましたが、これは厚生労働省としては対応せざるを得ない。しかもタイムリミットが決められていますので、厚労省の判断として出していただかざるを得ないと思いますが、ただいま出された意見は大変重要なことだと思います。これについては、ある意味では結論部分については留保して、これからきちっとした形で詰めていくことで対応していただければと私としては思っております。と言いますのは、先ほどの広告については研究班の報告は平成 29 年 5 月に出すということで、平成 28 年までに結論を出さなければいけないのですが、そういうトホーンもあると思いますので、そこは実質的にいいものになるような形で御検討いただきたいと思います。この件についてはそういう形で処理させていただきますが、よろしゅうございますね。もう予定時間がきておりますが、もう 1 点ございますので、これについて次にお諮りしたいと思います。議題 5 「革新的医療機器の早期承認」について、事務局から説明をお願いします。
○磯部医療機器審査管理課長 医療機器審査管理課長の磯部でございます。時間も迫っておりますので、簡潔に説明いたします。資料 7 「革新的医療機器の早期承認について」です。医療機器に関しても各種医療機器がいろいろ開発されておりますが、「検討の背景」の最初に書いておりますように治験症例の収集に非常に長期間を要するということで、相当のエビデンスを得ようとすると開発期間が長期化して患者のアクセスが遅延することがある。特に問題になるのが、医療上の必要性が非常に高いような医療機器の場合に、この議論が特に問題になります。私どもは実際に遭遇した事例でも一昨年承認しましたが、小児用の補助人工心臓がございまして、年間の症例数は非常に少ないのですが、心臓移植が必要な重症の心不全のお子さんに関して、今大人用のものを使うと、血栓の発生が非常に多くて死亡症例が非常に多いのです。お子さん用の小さいポンプを使うと、かなり安定的に管理ができることもあり、それの日本への早期導入を求められておりました。これに関して医師主導治験で国内で 4 症例ほど行いましたが、この 4 症例を集めるのに 2 年 8 か月ぐらいかかったことがございます。このようなことを考えると、やはりデータを求めるのは当然、より強固に評価をしやすいのでいいのですが、一方、それだけ待たせる必要があるのかどうか、このバランスも非常に大事になってきます。そういったことで今回、これまでも個別の案件に応じて柔軟に対応してきましたが、どういうケースであればそういった新たな治験がなくても、承認申請を受け付けるかを明確にすることで、そういったものの予見可能性や開発の効率化を進めたいと思っております。
実際には 4 ページ、イメージ図で簡単に御案内いたします。現状では、臨床データの収集が非常に長期化するということで、今回のものは、下に書いておりますが、「革新的医療機器条件付早期承認制度」とあります。「製造販売後のリスク管理を条件に、新たな治験を実施することなく早期の承認申請を認める」と書いております。下の左側にブラウンの枠に、「以下に合致する新医療機器相当の品目」を念頭に置くということで書いています。重篤であることと、新たな治験を求めないとあります。全くの臨床データがないものはさすがに難しいと思っておりますが、一定の臨床研究のデータ、症例のデータ、海外の臨床データなどもあると思いますが、一定の臨床データはあるのだけれども、国内で特に新たな治験を行ってしまうと非常に長期間かかるとか、症例を集めるのが非常に大変だというようなケースに関して、関係する学会と協力して承認申請の段階から適正使用の基準も作り、言うなればメーカーと関係の学会と協力をして、これを出していくようなケースに関して、新たな治験を求めることなく承認申請を認め、またメーカーにも製造販売後のリスク管理計画案を作っていただき、市販をしながらきちっと管理をしていただく。その期間で、またデータが集まりましたら、どうだったのかに関して長期予後などの結果などが出た場合については、一部変更承認申請をその後に求めて、また考えていくというような形のサイクルを回していくことでどうだろうかということでございます。
文章で書いたものとしては、その前のページです。「医療機器販売後リスク管理計画」の案を作り、また安全性、有効性をいろいろなデータから確認し、また承認条件として、このような適正な医療機器の基準を作った上で行うことを考えております。本件に関しては、本部会での御検討とともに、薬食審での医療機器・体外診断薬部会においても並行して検討を行っていこうと思っております。その関係で省令の改正を考えておりまして、一応本年 7 月を目途に行いたいと思っております。
省令改正のポイントについて、一番最後の 6 ページです。私ども医薬品医療機器法施行規則の関係。それから GVP 省令、 GPSP 省令。ここに書いておりますような省令も併せて改正して進めていきたいと思っております。時間が短い中で大変恐縮ですが、報告させていただきました。以上でございます。
○森田部会長 これは今日ここで御承認いただかなくてはならないというものではないですね。
○磯部医療機器審査管理課長 はい。
○森田部会長 もう 1 回、検討の機会があると思いますので、その意味では、どうしても本日発言されたい方にお願いいたします。
○平井委員 病院で治験等にかかっておりますと、医薬品に比べて医療機器の治験申請がかなり穴が多いというのか、少し甘い部分があるので、その辺りをやはりメーカーに対してしっかりと指導をしていただきたいととても思います。もう 1 点、医療機器は海外の機器がとても多いのです。私たちから見ると、やはり日本製のほうが信頼度が高いような気がいたしますので、日本製のこのような機器の開発の推進を促進していただきたいと思います。以上です。
○磯部医療機器審査管理課長 ありがとうございます。それを踏まえて、特に後段の部分に関しては、あくまで私どもとして日本の origin のもの、海外の origin のものを区別する。差別することはなかなかできないのですが、ただ日本の患者のために日本国内むけに早く開発する。それは外国の origin のものであっても、そういったものに関して先駆け審査指定制度を作り、早く進むように、私どももそういう努力の制度を作っておりますので、そのようなものを十分に活用していきたいと思います。
○森田部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、もう時間は過ぎておりますので、ロスタイム 5 分ぐらいになりましたので、本日の議論はこれまでといたします。最後に、事務局から連絡事項がありましたら、どうぞ。
○紀平医薬情報室長 次回の開催については、 6 月ごろを予定しております。現在、委員の皆さまに御都合をお伺いして日程調整をしておりますので、開催日時については追って連絡させていただきます。以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。それでは本日は、これで閉会といたします。第 1 回目ということで、いろいろなことがありましたが、事務局もこれからよろしくお願いいたします。では、これで閉会といたします。
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